説明

コンピュータ処理機能制御システム

【課題】クライアントコンピュータの要求に応じて処理を実行するサーバコンピュータがクライアントコンピュータに機能制限を課す場合に発生するコストを可及的に低減する。
【解決手段】複数の処理を実行可能なサーバコンピュータ2に対して、どのような処理を要求するかを指定する処理要求をクライアントコンピュータ1から送信するときに、前記処理要求の生成態様を制御するコンピュータ処理機能制御システムにおいて、クライアントコンピュータ1の記憶装置に、そのクライアントコンピュータ1に課される機能制限の内容を保持する機能制限情報がデータファイルとして記憶保持され、そのデータファイルをサーバコンピュータ2へ送り、サーバコンピュータ2で特定された実行可能処理情報をクライアントコンピュータ1が受け取って、それに基づいて生成した前記処理要求を前記サーバコンピュータ2へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の処理を実行可能なサーバコンピュータに対して、どのような処理を要求するかを指定する処理要求をクライアントコンピュータから送信するときに、前記処理要求の生成態様を制御するコンピュータ処理機能制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるコンピュータ処理機能制御システムは、例えば、下記特許文献1に記載のようなサーバで実行されているプログラムとクライアントで実行されているプログラムとが通信網(ネットワーク)を介してデータの授受を行う場合において、送信するデータをどのように生成するかを制御するシステムである。
本発明のコンピュータ処理機能制御システムは、更に具体的には、サーバコンピュータがクライアントコンピュータからの要求に応じて複数の処理を実行する場合において、クライアントコンピュータからサーバコンピュータへ送信する処理要求をどのような手順で生成するかを制御するものである。
サーバコンピュータ側では、クライアントコンピュータ側からの処理要求に応じた処理を実行するのであるが、サーバコンピュータの運用者側の事情で、各クライアントコンピュータの使用者がそのクライアントコンピュータを通して使用できる機能を制限したい場合がある。
そのような場合の対処手法としては、例えば、サーバコンピュータの運用者側からクライアントコンピュータの使用者に対して、使用者毎にアクセス機能が異なるサーバコンピュータへのアクセスプログラムを配布する手法や、サーバコンピュータ側で、アクセスしてくるクライアントコンピュータ毎に機能制限に関する情報をテーブル化して記憶保持しておくという手法が考えられる。
【特許文献1】特開平10−124430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、クライアントコンピュータの使用者毎に異なるアクセスプログラムを配布する手法では、アクセスプログラムの作製コストが膨大となり、又、サーバコンピュータ側で各クライアントコンピュータの機能制限に関する情報をテーブルにより集中管理する手法でも、クライアントコンピュータの追加や削除に伴うテーブルデータの書換え等の管理負担やアクセスしてくるクライアントコンピュータが多数となった場合には、テーブルデータ自体が巨大なものとなる場合もあり、それを記憶保持するための装置コストが上昇してしまう。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、クライアントコンピュータの要求に応じて処理を実行するサーバコンピュータがクライアントコンピュータに機能制限を課す場合に発生するコストを可及的に低減する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の第1の発明は、複数の処理を実行可能なサーバコンピュータに対して、どのような処理を要求するかを指定する処理要求をクライアントコンピュータから送信するときに、前記処理要求の生成態様を制御するコンピュータ処理機能制御システムにおいて、前記クライアントコンピュータの記憶装置に、そのクライアントコンピュータに課される機能制限の内容を保持する機能制限情報がデータファイルとして記憶保持され、前記クライアントコンピュータに、前記サーバコンピュータへ前記機能制限情報を送信するクライアント側送信手段が備えられ、前記サーバコンピュータに、受信した前記機能制限情報に基づいて、前記複数の処理についてどのような処理を実行できるか示す実行可能処理情報を特定する機能特定手段と、その機能特定手段にて特定した前記実行可能処理情報を、前記機能制限情報を送ってきた前記クライアントコンピュータへ送信するサーバ側送信手段とが備えられ、前記クライアントコンピュータは、受信した前記実行可能処理情報に基づいて生成した前記処理要求を前記サーバコンピュータへ送信するように構成されている。
【0005】
すなわち、各クライアントコンピュータに課される機能制限の情報を、クライアントコンピュータ側にデータファイルとして保持させるのである。
従って、サーバコンピュータ側ではクライアントコンピュータ側の機能制限に関する情報を保持しておく必要はなく、クライアントコンピュータ側から機能制限の情報を内容とするデータファイルを取り寄せて、それに応じてクライアントコンピュータに提示できる処理機能を特定するだけで良く、各クライアントコンピュータの機能制限のための情報を管理するための作業負担も発生しない。
又、各クライアントコンピュータに課される機能制限の情報が、サーバコンピュータにアクセスするプログラムとは別に、データファイルとして保持されているので、各クライアント毎に、そのデータファイルの内容だけを適宜に異ならせて、サーバコンピュータへのアクセスプログラムと共に配布するだけで良い。
更に、サーバコンピュータへアクセスするためのプログラムがバージョンアップ等によって更新されても、機能制限の情報を記述したデータファイルを残しておくだけで、従前と同様に動作させることができ、逆に、何れかのクライアントコンピュータの機能制限を変更したいときには、上記データファイルだけを更新するだけで良い。
【0006】
又、本出願の第2の発明は、上記第1の発明の構成に加えて、前記クライアントコンピュータは、前記サーバコンピュータから受信した前記実行可能処理情報に含まれる実行可能な処理のうち、必要な処理を選択して前記処理要求を生成するように構成されている。
すなわち、サーバコンピュータ側から実行を許容された処理の中から、実際に実行させる処理を選択する形態をとるので、サーバコンピュータ側のプログラムのバージョンアップによって実行可能な処理が増加して行くときに、クライアントコンピュータ側では、サーバコンピュータ側に合わせてプログラムをバージョンアップさせるというような操作を行わなくても、従前と変わりなく必要な処理をサーバコンピュータ側に実行させることができる。
【0007】
又、本出願の第3の発明は、上記第1又は第2の発明の構成に加えて、前記機能制限情報のデータファイルは、その機能制限情報を前記記憶装置に記憶保持している前記クライアントコンピュータでは記述内容を読取り不能なデータファイルとして構成されている。
すなわち、各クライアントコンピュータに課する機能制限については、その性質上、クライアントコンピュータの使用者には知られたくない場合もある。
そこで、機能制限情報のデータファイルにつていは、例えば、前記データファイルを構成仕様を秘匿したバイナリデータファイルにて構成するか、あるいは、前記データファイルをサーバコンピュータ側でのみ解読可能な状態で暗号化する等して、クライアントコンピュータ側では読取り不能としている。
【発明の効果】
【0008】
上記第1の発明によれば、サーバコンピュータ側で各クライアントコンピュータの機能制限のための情報を保持しているわけではないので、その管理のための作業負担や設備コストは発生せず、クライアントコンピュータのバージョンアップや、機能制限自体の更新にも柔軟に対応でき、クライアントコンピュータの要求に応じて処理を実行するサーバコンピュータがクライアントコンピュータに機能制限を課す場合に発生するコストを可及的に低減できるものとなった。
【0009】
又、上記第2の発明によれば、サーバコンピュータ側のプログラムのバージョンアップによって実行可能な処理が増加して行っても、クライアントコンピュータ側では必ずしもプログラムの更新が必要とはならないので、システムの利便性を更に向上できる。
又、上記第3の発明によれば、前記機能制限情報を秘匿できるようにすることで、システムの利便性を一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明のコンピュータ処理機能制御システムを写真プリントシステムに適用した場合の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔写真プリントシステムPSの全体構成〕
本実施の形態の写真プリントシステムPSは、図1に概略的に示すように、プリントショップに設置される写真プリント装置3にて写真プリントを作製させるための画像データを、インターネットを介して、顧客であるプリント発注者のコンピュータから取得する形態のシステムである。
プリントショップには、プリント発注者から受け取った画像データを写真プリント装置3にてプリント処理させるための画像データに画像処理するサーバコンピュータ2が備えられており、プリント発注者の使用するパーソナルコンピュータをクライアントコンピュータ1として、インターネットを介してサーバコンピュータ2とクライアントコンピュータ1とが相互に通信する。
【0011】
各プリント発注者のクライアントコンピュータ1には、プリントショップから配布されたプリント注文用プログラムが組み込まれており、このプリント注文用プログラムにサーバコンピュータ2との通信機能が実装されている。
クライアントコンピュータ1において実行されるプリント注文用プログラムには、プリント注文する画像データをサーバコンピュータ2へ送信する機能のみならず、プリント注文の作業を支援するための各種の機能が備えられている。
その機能の1つに、クライアントコンピュータ1に備えられるモニタ1aの画面上に、プリント注文の候補となる画像を表示させ、プリント発注者が、その表示画像に対して各種の画像補正を加えることができる機能がある。もちろん、プリント発注者が行った画像補正の設定データは実際の写真プリント作製時に反映される。
【0012】
但し、この画像補正を行うための画像処理機能は、クライアントコンピュータ1で実行されるプリント注文用プログラムには備えられておらず、実際の画像処理はサーバコンピュータ2にて実行する。
クライアントコンピュータ1からは、画像処理の対象となる画像データをサーバコンピュータ2へ送ると共に、サーバコンピュータ2に実行させたい画像処理の処理パラメータを、どのような処理を要求するかを指定する処理要求としてサーバコンピュータ2へ送る。
【0013】
この画像補正のための画像処理機能は、全てのプリント発注者について全く共通するというものではなく、種々の事情によって、プリント発注者間で画像処理機能を異ならせる場合がある。
上記のようにプリント発注者間で(すなわち、クライアントコンピュータ1間で)画像処理機能を異ならせるために、各クライアントコンピュータ1に課される機能制限の内容を保持する機能制限情報をプリント注文用プログラムにデータファイルとして添付しており、プリント注文用プログラムをクライアントコンピュータ1に組み込んだときに、そのデータファイルも、クライアントコンピュータ1に内蔵されている記憶装置であるハードディスク装置の所定のディレクトリ位置に記憶保存される。
このクライアントコンピュータ1のハードディスク装置に記憶保存させる機能制限情報のデータファイルによって、サーバコンピュータ2への上記処理要求の生成態様を制御している。
従って、各プリント発注者が使用するプリント注文用プログラムは全く同一のもので良い。
尚、この機能制限情報のデータファイルは、上記のようにしてこのデータファイルを組み込んだクライアントコンピュータ1では、その記述内容を読取り不能としている。
このようにするには、例えば、サーバコンピュータ2が保有する暗号鍵によって上記のデータファイルを暗号化しておけば良いが、データの構成仕様を公開していないバイナリファイルで構成するだけの簡便な手法でも良い。
【0014】
写真プリント装置3は、顧客からのプリント注文に基づいて高能力で写真プリントを作製する装置であり、図2の外観斜視図に示すように、筐体の上部に設置された印画紙マガジン31から筐体内へ印画紙を引き込み、筐体内に設置された画像露光装置及び現像装置にて印画紙に画像を露光形成して更に現像処理することで写真プリントとして排出する。
排出口32から排出された写真プリントは、写真プリントを注文単位毎に集積するためのソータ34へコンベア33上を搬送される。
仕上がった写真プリントは、別途手段にてプリント発注者へ送付される。
【0015】
〔写真プリントの作製〕
次に、写真プリントの作製課程を、上述の画像処理の機能制限と関連付けて、図3のフローチャートと図5のフローチャートに沿って説明する。
図3の「画像検定処理」として示すフローチャートは、プリント発注者のクライアントコンピュータ1にて実行されるプリント注文用プログラムの一部を構成する処理であり、図5の「許可機能返信処理」として示すフローチャートは、サーバコンピュータ2にて実行される処理である。
【0016】
プリント発注者が、自己のクライアントコンピュータ1(パーソナルコンピュータ)にてプリント注文用プログラムの実行を開始すると、そのプリント注文用プログラムの実行過程において、図3の「画像検定処理」を開始する。
この「画像検定処理」が開始されると、先ず、写真プリント作製対象の画像データを記録した記録媒体(例えば、メモリーカード)を、クライアントコンピュータ1に内蔵されている読み取り装置にセットして、その画像データを取り込む(ステップ#1)。
【0017】
この後、サーバコンピュータ2へのアクセスを開始し、このクライアントコンピュータ1に課されている機能制限の内容を示す前記機能制限情報を有する上記のデータファイルの受取り要求をサーバコンピュータ2へ送った後、サーバコンピュータ2からの応答に従って上記のデータファイルをサーバコンピュータ2へ送信する(ステップ#2)。このステップ#2の処理によって、サーバコンピュータ2へ前記機能制限情報を送信するクライアント側送信手段CSが構成されている。
サーバコンピュータ2では、クライアントコンピュータ1から前記機能制限情報を有するデータファイルを受け取ると図5の「許可機能返信処理」を開始する。
先ず、受信したデータファイルを解析して、送信元のクライアントコンピュータ1にどのような機能制限が課されているかを解析する(ステップ#21)。
【0018】
前記機能制限情報には、サーバコンピュータ2での画像処理の処理負荷の大小に関連した機能制限のための情報を含んでおり、具体的には、画像処理の処理品質としてどのレベルまで許容するか、あるいは、例えばいわゆる「赤目補正」等の各種の特殊画像処理の実行を許容するか否か等の情報を含んでいる。
サーバコンピュータ2は、複数の処理(本実施の形態では、複数の画像処理)を実行できるように構成されており、上記のような各機能制限に対して、何れの画像処理が実行可能であるかという情報と、画像処理を実行するための動作条件である処理パラメータの設定条件を指定する情報とをテーブル化して保持している。
【0019】
サーバコンピュータ2では、受信した機能制限情報に基づいてそのテーブルを検索して、上記の機能制限情報に適合する画像処理とそれの処理パラメータの設定条件とを、サーバコンピュータ2にて実行可能な複数の処理についてどのような処理を実行できるかを示す実行可能処理情報として特定する(ステップ#22)。
より具体的には、例えば「赤目補正」については、前記機能制限情報において「赤目補正」の使用を禁止していない場合には、「赤目補正」を実行可能処理情報に含めると共に、前記機能制限情報に指定されている画像処理の処理品質のレベルに応じて、「赤目補正」の処理パラメータにおける「赤目補正」の補正対象位置の検出精度や補正をかける強さの調整範囲及び調整分解能等における設定条件を特定して前記実行可能処理情報に含める。これは、例えばいわゆる「シャープネス処理」等の他の処理についても同様である。
従って、このステップ#22に処理によって、受信した前記機能制限情報に基づいて、前記実行可能処理情報を特定する機能特定手段FDが構成されている。
【0020】
このようにして、前記実行可能処理情報に含める処理を特定すると、それを前記機能制限情報を送ってきたクライアントコンピュータ1へ送信する(ステップ#23)。
従って、このステップ#23の処理によって、前記機能特定手段FDにて特定した前記実行可能処理情報を、前記機能制限情報を送ってきたクライアントコンピュータ1へ送信するサーバ側送信手段SSを構成している。
【0021】
クライアントコンピュータ1側では、図3のステップ#3において、前記実行可能処理情報を受け取ると(ステップ#3で「Yes」)、その実行可能処理情報に実行可能な処理として記述されている処理のうち、クライアントコンピュータ1で必要な処理を選択する(ステップ#4)。
具体的には、プリント注文用プログラムにおいて、クライアントコンピュータ1の使用者(プリント発注者)からの入力設定操作を受け入れるユーザインターフェースが組み込まれている画像処理のリストと、前記実行可能処理情報の共通部分を実際に使用する機能として特定する。
例えば、前記実行可能処理情報に、使用可能な処理として「赤目補正」が含まれていても、プリント注文用プログラムのバージョンが古く、「赤目補正」についての入力設定操作を受け入れるユーザインターフェースが実装されていない場合には、その「赤目補正」の処理を使用しない。
【0022】
以上のようなサーバコンピュータ2での画像処理のための事前手続が完了すると、ステップ#1で読取った画像データの縮小画像を作製する(ステップ#5)。
本実施の形態では、この縮小画像の作製は、4駒分(4画像分)の画像単位で行う。
4駒分の縮小画像を作製すると、その縮小画像をサーバコンピュータ2へ送信する(ステップ#5)。
サーバコンピュータ2は、受け取った縮小画像画像を画像処理して、その画像データによって写真プリント装置3に写真プリントを作製したときの画像を生成し、縮小画像を送ってきたサーバコンピュータ2へ処理後の画像データを送り返す。
ここでサーバコンピュータ2が実行する画像処理は、この写真プリント装置3の発色特性を考慮した色変換処理のみである。
【0023】
クライアントコンピュータ1は、この処理後の画像データを受け取ると(ステップ#7で「Yes」)、モニタ1aに、図4に例示するウィンドウ表示にて表示する。
図4の表示においては、サーバコンピュータ2から受け取った画像データの画像を表示する4つの画像表示欄11と、夫々の画像表示欄11に対応して備えられる画像補正ボタン表示12と、表示されている4つの画像についての画像補正条件の入力が完了したことを指示入力するための完了ボタン表示13とが備えられている。
図4の表示を行った後は、プリント発注者が完了ボタン表示13をマウス(図示を省略)等にて操作するか、あるいは、画像補正ボタン表示12を操作して画像補正の処理条件を入力するのを監視している(ステップ#9,ステップ#10)。
【0024】
プリント発注者は、図4の画像表示欄11に表示されている各画像を観察して、その画質が適正ではなく補正を必要とするものであると判断すると、画像補正ボタン表示12をマウス等にて操作して、モニタ1aに表示される補正条件の入力欄から必要な補正条件を入力する。
この操作が完了すると(ステップ#9で「Yes」)、入力された画像補正の処理条件に基づいて生成した画像処理の処理パラメータを編成する(ステップ#11)。
ここで設定する画像処理はステップ#4で使用する機能として特定した画像処理であり、プリント発注者がモニタ1aの入力画面から設定した値を、サーバコンピュータ2からの要求に応じて変換して、その画像処理の処理パラメータを編成する。
例えば、ステップ#3においてサーバコンピュータ2から受信した前記実行可能処理情報に含まれる処理パラメータの設定条件が、調整範囲を限定する条件であれば、その調整範囲に入るようにプリント発注者の入力値を変換して処理パラメータを編成する。これらの処理パラメータは各画像処理毎にまとめられて、どの画像処理であるかを識別するための識別用コードが付加された状態でバイナリデータとしてまとめられる。
このように処理パラメータを含むバイナリデータを編成すると、そのバイナリデータを、サーバコンピュータ2へ送信する(ステップ#12)。
サーバコンピュータ2から受信した前記実行可能処理情報に基づいて生成したこのバイナリデータが、サーバコンピュータ2に対してどのような処理を要求するかを指定する前記処理要求となっている。
【0025】
サーバコンピュータ2は、先に縮小画像を受け取っているクライアントコンピュータ1から上記の処理パラメータが送られてくるのを待機しており、その処理パラメータを受け取ると、上記の縮小画像に対して受け取った処理パラメータで画像処理し、その処理結果の画像データをクライアントコンピュータ1へ送り返す。この際、サーバコンピュータ2では、クライアントコンピュータ1から送られてきた上記の処理パラメータを各画像毎に記憶保持している。
プリント発注者のクライアントコンピュータ1では、図3のステップ#7で、この画像処理済みの縮小画像の画像データを受け取ると(ステップ#7で「Yes」)、受け取った縮小画像によって、図4のウィンドウ表示画面の画像表示欄11の表示画像を更新する。
すなわち、プリント発注者が画像補正ボタン表示12を操作して設定した画像補正が反映された縮小画像が画像表示欄11に表示されたことになる。
【0026】
プリント発注者がこの画像補正の処理条件を設定する作業を適宜に繰り返して、最終的に良好な画像が得られたものと判断して完了ボタン表示13をマウス等にて操作すると(ステップ#10で「Yes」)、その4駒の画像に対する作業が完了したことになり、更に後続の4駒の画像について、上記の作業を繰り返す(ステップ#13で「No」)。
ステップ#1で読み込んだ全ての画像について上記の作業を完了すると(ステップ#13で「Yes」)、記録媒体から取込んだオリジナルの画像データをサーバコンピュータ2へ送信する(ステップ#14)。
サーバコンピュータ2では、その受け取った各画像(オリジナルの画像)に対して、各画像に対応して受け取っている前記処理パラメータによって画像処理を実行し、処理後の画像データを写真プリント装置3へ送ってプリント処理させる。
【0027】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)上記実施の形態では、クライアントコンピュータ1とサーバコンピュータ2とがインターネットを介して通信する場合を例示しているが、もちろん専用回線を介して通信する場合等にも本発明を適用できる。
(2)上記実施の形態では、本発明を写真プリントシステムPSに適用する場合を例示しているが、それ以外にも種々の用途に適用可能であり、例えば、高度な科学技術計算を受託して実行する計算処理サーバに、クライアントコンピュータから処理要求を送って実行させるような場合にも本発明を適用できる。
(3)上記実施の形態では、複数の処理についてどのような処理を実行できるかを示す前記実行可能処理情報として、複数の処理のうちの何れの処理を実行できるかの情報と、実行できる処理の処理パラメータの設定条件との両方を含める場合を例示しているが、何れか一方を含めるだけでも良い。
(4)上記実施の形態では、クライアントコンピュータ1は、いわゆるパーソナルコンピュータにて構成されている場合を例示しているが、クライアントコンピュータ1がプリント注文受付用の専用端末装置として構成されている場合にも本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態にかかる概略構成図
【図2】本発明の実施の形態にかかる写真プリント装置の外観斜視図
【図3】本発明の実施の形態にかかるフローチャート
【図4】本発明の実施の形態にかかるモニタの画面表示例
【図5】本発明の実施の形態にかかるフローチャート
【符号の説明】
【0029】
1 クライアントコンピュータ
2 サーバコンピュータ
CS クライアント側送信手段
FD 機能特定手段
SS サーバ側送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理を実行可能なサーバコンピュータに対して、どのような処理を要求するかを指定する処理要求をクライアントコンピュータから送信するときに、前記処理要求の生成態様を制御するコンピュータ処理機能制御システムであって、
前記クライアントコンピュータの記憶装置に、そのクライアントコンピュータに課される機能制限の内容を保持する機能制限情報がデータファイルとして記憶保持され、
前記クライアントコンピュータに、前記サーバコンピュータへ前記機能制限情報を送信するクライアント側送信手段が備えられ、
前記サーバコンピュータに、受信した前記機能制限情報に基づいて、前記複数の処理についてどのような処理を実行できるか示す実行可能処理情報を特定する機能特定手段と、その機能特定手段にて特定した前記実行可能処理情報を、前記機能制限情報を送ってきた前記クライアントコンピュータへ送信するサーバ側送信手段とが備えられ、
前記クライアントコンピュータは、受信した前記実行可能処理情報に基づいて生成した前記処理要求を前記サーバコンピュータへ送信するように構成されているコンピュータ処理機能制御システム。
【請求項2】
前記クライアントコンピュータは、前記サーバコンピュータから受信した前記実行可能処理情報に含まれる実行可能な処理のうち、必要な処理を選択して前記処理要求を生成するように構成されている請求項1記載のコンピュータ処理機能制御システム。
【請求項3】
前記機能制限情報のデータファイルは、その機能制限情報を前記記憶装置に記憶保持している前記クライアントコンピュータでは記述内容を読取り不能なデータファイルとして構成されている請求項1又は2記載のコンピュータ処理機能制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−305282(P2008−305282A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−153404(P2007−153404)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】