説明

コンピュータ装置間での動的なコンテンツ・プレファレンス及び動作の共有

【課題】コンピュータ装置間での動的なコンテンツ・プレファレンス及び動作の共有を提供することを目的とする。
【解決手段】遠隔ユーザのペルソナが受信される。コンピュータ装置は、コンピュータ装置のユーザのプレファレンスに関する複数の部分集合を有するローカルユーザのペルソナを有する。遠隔ユーザのペルソナは、コンピュータ装置でローカルユーザのペルソナと同期することにより、コンピュータ装置の動作を調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してコンピュータ科学に関し、特にコンピュータ装置(計算装置)間での動的なコンテンツ・プレファレンス及び動作の共有に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の移動コンピュータ装置の更なる使用で、このような装置間で情報を共有する更なる需要が存在する。多くの現在の移動コンピュータ装置又はパーソナルデジタルアシスタント(PDA)は、情報(例えば、写真、ファイル、スケジュール)が装置間で(従って装置のユーザ間で)共有可能であるように、(例えばBluetoothを介して)コンテンツ共有技術を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これらのコンテンツ共有技術は、コンテンツの単なる共有に厳密に限られており、例えば、装置の動作を変更可能にするユーザプレファレンスを統合する必要なインテリジェンスを欠いている。
【0004】
本発明は、コンピュータ装置間での動的なコンテンツ・プレファレンス及び動作の共有を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の方法は、
コンピュータ装置のユーザのプレファレンスに関する複数の部分集合を有するローカルユーザのペルソナを有するコンピュータ装置で、遠隔ユーザのペルソナを受信し、
前記コンピュータ装置で前記遠隔ユーザのペルソナと前記ローカルユーザのペルソナとを同期させることにより、前記コンピュータ装置の動作を調整することを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施例によれば、コンピュータ装置間での動的なコンテンツ・プレファレンス及び動作の共有を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】ネットワークで全体の又は部分的なユーザのペルソナ(例えば、ユーザプレファレンス又はコンテンツ)を共有する2つ以上のコンピュータ装置の実施例
【図1B】ネットワークで全体の又は部分的なユーザのペルソナ(例えば、ユーザプレファレンス又はコンテンツ)を共有する2つ以上のコンピュータ装置の実施例
【図2】ペルソナ共有媒体を有するコンピュータ装置の実施例
【図3】複数のコンピュータ装置間でペルソナを共有する処理の実施例
【図4】複数のコンピュータ装置間でペルソナを共有する処理の実施例
【図5】コンピュータシステムの実施例
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例について限定的ではなく、一例として説明する。添付図面において、同様の参照符号は同様の要素を示す。
【0009】
一実施例では、(各装置ユーザにより起動及び許可されたときに)2つ以上のコンピュータ装置(計算装置)間でコンテンツの共有及びユーザプレファレンスの統合が提供される。ユーザプレファレンスを表すこの動作に影響を及ぼすコンテンツは、この明細書を通じて“ペルソナ(persona)”と呼ばれる。例えば、プレファレンスのこの統合は、2人以上のユーザに適したイベントの計画及び活動の選択(例えば、レストランの選択)を容易にすることができる。1つの組み合わせ方式では、2つ以上の装置は、各ユーザが2つ以上の装置に関連する2人以上のユーザに適した活動又は場所に対して
“関心のあるもの”として明示的にタグ付けした活動又は場所のリストのようなコンテンツを交換する。代替として、コンピュータ装置は、他方のユーザの“関心のあるもの”のリストから“関心のないもの”として一方のユーザに明示的にタグ付けした活動又は場所のリストを控除してもよい。2つ以上のコンピュータ装置は、交換動作の前に2つ1組になって控除を実行することにより、これらの2つの方式を組み合わせてもよい。
【0010】
更に他の実施例では、2つ以上の広い意味のプレファレンスが数学的に組み合わされ、組み合わされたユーザ嗜好を反映した一式のプレファレンスを生じる。例えば、システムは、複数の次元(例えば、価格、料理の種類)のそれぞれに沿って各ユーザの視点で活動又は場所(例えば、レストラン、野球場、コンサートホール等)の好ましさを表すベクトルを(要素毎に)乗算してもよい。組み合わされた重みの結果のベクトルは、(ドット乗算を介して)利用可能な活動又は場所の空間に適用され、まとめて2つ以上のコンピュータ装置の2人以上のユーザにより好まれる選択肢を示してもよい。如何なる数の装置がこれらのコンテンツ及びプレファレンスの共有に関与してもよく、他の形式のコンテンツ(連絡先リスト)がグループ活動を調整する際の助けになるために使用されてもよいことが考えられる。
【0011】
一実施例では、ペルソナは、コンピュータ装置の動作と、インポートされているペルソナのコンテンツと、受信装置の既存のペルソナとに基づいて2つ以上の装置間で共有されたときに、同期するが、それにも拘らず、ペルソナは、受信コンピュータ装置の既存のペルソナを通じて提供されたときに、それぞれ個々のユーザに対して調整される。コンピュータ装置の動作は、コンピュータ装置が設定している生活又はユーザモードと共に変化し得るという点で動的でもよく、静的でもよい。例えば、仕事モードでは、コンピュータ装置が遊びモードのような非公式の生活モードに設定されるまで、特定の非公式のペルソナコンテンツ(例えば、友人間で共有されている俗語)は起動されない。
【0012】
一実施例では、ペルソナが全体として又は部分的に若しくは部分集合で共有され得るように、ペルソナが生成されてもよく、部分又は部分集合に分割されて認識されてもよい。この新規な技術は、ユーザがコンピュータ装置を使用してどの情報を他のユーザと共有するかについて制御を行うためだけでなく、ユーザに関する個人的又は識別可能な情報を含む特定の部分集合がロックされるため又はこのような情報を受信することを許可されていない人と共有されることを妨げるために使用される。例えば、ユーザ(例えば夫)は、妻と個人的情報を通信したいと思うことがあり、この場合、妻のコンピュータ装置は、夫の個人的情報を含む特定の部分集合を受信するように許可されてもよいが、他のユーザは許可されない。この技術を使用して、一実施例では、ユーザは、個人的又は識別可能な情報を共有する恐れ又は可能性なしに、対応するコンピュータ装置を介してペルソナ又はペルソナの一部を他のユーザと匿名で共有してもよい。これは、まず、ユーザが部分集合でペルソナを記述することを可能にするオーサリングツールを使用し、次に、ペルソナの様々な部分集合を認識し、必要に応じて受信コンピュータ装置に送信する前にこれらを一緒にパッケージ化する機能を有することができるペルソナ分割及び認識ロジックを使用することで実現される。
【0013】
図1A及び1Bは、ネットワーク108で全体的又は部分的なユーザのペルソナ(例えば、ユーザプレファレンス又はコンテンツ)を共有する2つ以上のコンピュータ装置102-106の実施例を示している。一実施例では、2つ以上の移動装置102-106は、ネットワーク(例えばインターネット)108でユーザのペルソナ(例えば、各ユーザにより好まれるペルソナの特定の部分)を安全に通信して共有する。ユーザのペルソナは、対応する装置のアクティブなルック・アンド・フィール、静的な動作、及び動的なコンテキスト/環境認識動作の集合を表す。
【0014】
ユーザのペルソナは、ユーザの生活の複数の側面(ユーザのコンピュータ装置が動作の変更に対して設定できるユーザの複数の生活モード等)に関係するユーザの個人的又は非個人的情報/コンテンツ/プレファレンスを含んでもよい。これらの複数の生活モードは、家庭モード、遊びモード、仕事モード等を含んでもよい。ユーザは、各モードで異なるように動作することが想定される(場合によっては要求される)ため、生活モード毎に異なる情報を保存することができる。或る情報は、複数の生活モードで重複してもよく、感度、機密性、及び情報がどのくらい個人的に係わるかに関して更に分類されてもよい。
【0015】
例えば、ユーザ情報は、ユーザの名前、誕生日、社会保障番号、名字、家族写真、好みのスポーツチーム、好みのレストラン等を含んでもよい。この場合、ユーザは、他のユーザと名前及び好みのチームを共有したいと思うが、家族の名前又は社会保障番号を共有したいと思わない。この例を続けて、ユーザの社会保障番号及び好みのレストランのような情報は、ユーザの家庭モードと仕事モードとの双方で見つかってもよい。
【0016】
一実施例では、この明細書で言及されるユーザのペルソナは、単なるユーザのコンテンツ又はプレファレンスの集合以上のものである。例えば、ペルソナは、ペルソナへの変更がいつ行われたか、コンピュータ装置がコンピュータ装置のユーザの動作を反映する動作を変更したかのような、その人が有するコンピュータ装置の静的な動作と動的な動作との双方を表す。特に、例えば、コンピュータ装置及びユーザのペルソナは、コンピュータ装置の物理的な環境を認識しているため、例えば、ユーザのペルソナが家から職場までのルートにあるユーザの好みのレストランのリストを含む場合、この‘家から職場までのルートにある好みのレストラン’の機能は、コンピュータ装置が家から職場までのルートにあるとき又は少なくとも近いときに起動される。
【0017】
同様に、一実施例では、ユーザが職場を移動したとき又は家を引っ越ししたときに、この特定の機能は、ユーザのこのペルソナから削除され、自動的に無効になる。物理的な環境を認識すると共に、コンピュータ装置及びユーザのペルソナはまた、コンピュータ装置の現在の生活モードを認識する。例えば、図1Bに更に示すように、スポーツに関する特定のペルソナの部分集合がコンピュータ装置間で共有される場合、これらのペルソナの部分集合は、仕事モードのコンピュータ装置では起動されなくてもよい。しかし、ユーザが遊びモードになると、これらのスポーツに関するペルソナの部分集合が起動され、更に、ユーザの好みのスポーツチームに関するスコア更新又はニュースが存在する場合に、コンピュータ装置はユーザに通知(例えば、警告、色分け等)を提供してもよい。一実施例では、コンピュータ装置の生活モードは、マニュアルユーザ設定(例えば、ユーザが午前8時〜午後5時まで仕事モードを割り当てており、日曜日に家庭モードを割り当てている場合)又は自動的な物理的環境(例えば、コンピュータ装置がユーザの職場のビルの適当な近さにいるときに仕事モードを想定し、同様に、ユーザの家の適当な近さにいるときに家庭モードを想定する場合)に基づく。
【0018】
図1Bは、2つ以上のコンピュータ装置104-106の間で共有されるユーザのペルソナ及びその部分集合を示している。図示のように、コンピュータ装置102のペルソナは、野球108(ユーザの好みのスポーツ)と、LA Dodgers 110(好みの野球チーム)と、それぞれ何らかの数のレストラン及び映画についてのユーザのレストランの評価112及び映画の評価114と、更に個人的情報116(ユーザの住所及び電話番号118、妻及び子供の名前120、社会保障及びパスポート番号122)とを含む。同様に、コンピュータ装置104及び106は、対応するユーザに属するペルソナを含む。この例示的な場合、装置102-106のユーザは友人であり、相互にペルソナのいくつかを共有したいと思う。例えば、3人の全ユーザは、野球のスポーツに関心があり、従って、野球に関する情報(例えば、スコア、ニュース、野球アプリケーション等)108、124、138が3つのコンピュータ装置102-106により共有される。しかし、コンピュータ装置102、106のユーザのみがLA Dodgersを好みのチームとしており、コンピュータ装置104はLA Angelsを好みのチームとしている。従って、コンピュータ装置102、106は、対応するユーザのペルソナのLA Dodgers 110、140に関する何らかの情報を共有するが、コンピュータ装置104はLA Angles 126のペルソナの部分集合を有するこのような情報を共有しない。
【0019】
同様に、コンピュータ装置102、106は、レストランの評価112、142を共有し、コンピュータ装置102、104は、映画の評価114、128を共有する。3人の個人的情報のうち、家の住所及び電話番号116、132、146と家族の名前120、134、148の部分集合は共有されるが、他のデリケートな個人的情報(パスポート番号及び社会保障番号122、136、150等)はコンピュータ装置102-106間で共有されない。
【0020】
図2は、ペルソナ共有機構204を有するコンピュータ装置202の実施例を示している。一実施例では、3つの生活のペルソナがコンピュータ装置202のユーザにより生成され、安全且つ安心に複数のコンピュータ装置の間でこれらのペルソナを共有して同期するための方法、システム及び装置が提供される。3つの生活のペルソナは、コンピュータ装置202のアクティブなルック・アンド・フィールと、静的な動作と、動的なコンテキスト及び環境認識動作との集合を表す。特定のペルソナは、静的な一式の記述子(例えば、XML(eXtensible Markup Language)で表される)又はペルソナの要素を制御する一式のアクティブな実行可能スクリプト若しくはオブジェクトとして表されてもよい。
【0021】
更に、単一のペルソナの要素は、2つ以上のコンピュータ装置の間で共有及び取引され得る複数の要素を表す部分集合に分割される。これらの部分集合は、ユーザが共有されない個人的なペルソナ要素と、共有される要素とに分割することを可能にする。更に、ペルソナはまた、個人的なデータを保持しつつ動作を表すこと(ペルソナが個人の電話番号に電話を転送すること等)を可能にしてもよい。このように、ペルソナがコンピュータ装置間で転送されると、コンピュータ装置の実際のデータのプライバシー及びセキュリティを保持しつつ、コンピュータ装置の動作の遷移が変換される。
【0022】
一実施例では、ペルソナ共有機構204は、コンピュータ装置202に関連するユーザに属する個人又はグループのペルソナを生成及び変更するオーサリングロジック又はツール206を含む。生活モード毎のペルソナの特定の内容は、コンピュータ装置202に予め生成されて予めロードされてもよいが、新しいペルソナが生成されてもよく、既存のペルソナがオーサリングツール206を使用してコンピュータ装置で変更されてもよい。特定の設定及び装置の固定の動作に依存する典型的な編集ツールとは異なり、オーサリングツール206は、ユーザがコンピュータ装置202に関する動作とイベント及び環境との間の臨時的な関係を指定することを可能にする動的なツールであるという点で新規である。例えば、仕事モードでの打ち合わせ中に、コンピュータ装置202は、ユーザの夫又は子供が電話したとき又はメッセージを送信したときに振動するが、コンピュータ装置202は、他人(友人、見知らぬ人等を含む)が電話したとき又はメッセージを送信したときに無音のままになる。このような構成及び複雑な動作は、コンピュータ装置202の動作が確認されて修正されるようにモデル化されることを可能にする記述的な一式の言語要素又はグラフィックオブジェクト(例えば、ペトリネット又は他の判定グラフ表示)を使用して、モデル化されてもよい。他のプラグ・アンド・プレイ型の数学モデルも、変化する動作を有効化するためにコンピュータ装置202で使用されてもよいことが考えられる。
【0023】
何らかの個人的又はグループのペルソナは、全体のペルソナを通信する必要なく、ペルソナの1つ以上の部分集合が2つ以上のコンピュータ装置間で通信(例えば、送信/受信/共有)可能であるように、複数の部分集合に分割されてもよい。このように、関係するコンテンツのみが共有される。部分集合分割及び認識ロジック208がエクスポートするこれらの部分集合をパッケージ化しつつ、オーサリングツール206は、静的な動作と、動的な動作と、コンテキスト及び環境認識動作との部分グラフの抽出を可能にする。これらの部分グラフ及びそのデータは、部分集合分割及び認識ロジック208を介して特定の要素又は指定された要素を使用してパッケージ化されてもよい。更に、各コンテキストに特別の意味を与えて保存するために、コンテキスト毎に識別子が使用され、匿名に保持されてもよい。例えば、“家の電話番号”という識別子は転送可能な人毎に固有のものでもよいが、同じ情報を表さなくてもよい。それぞれ共有されるペルソナは、個人的に識別可能な情報(ユーザの名前、家の住所及び他の個人的な識別情報等)と結果のエクスポートデータとを比較することで確認を実行することにより、機能性について確認されてもよい。オーサリングツール204は、コンピュータ装置202のユーザにより行われる単一の設定及び/又はコンピュータ装置の日毎の使用を観測することにより1つ1つ行われる単一の設定を通じて、個々のペルソナ又はグループのペルソナを生成可能にする。
【0024】
ペルソナ共有機構204は、非限定的に、直接の装置間転送(例えばBluetooth)、電子メール、ウェブサイト、ネットワーク保存装置、オンラインソーシャルネットワーク(例えば、Facebook、Twitter、LinkedIn)、ソフトウェアアプリケーションの更新又はダウンロード等を通じて、2つ以上のコンピュータ装置の間でペルソナの全体又は一部を共有する安全な方式を提供するペルソナ転送/共有/同期機構(通信機構)210を更に含む。この通信機構210を使用して、ペルソナは、2つ以上の参加コンピュータ装置(コンピュータ装置202等)の間で通信及び共有され、同期する。ユーザが新しいペルソナを他のコンピュータ装置からコンピュータ装置(例えばコンピュータ装置202)にインポートすることを決定する毎に、重要なペルソナと、インポートされるコンピュータ装置とが安全且つ安心であることを確認するため、セキュリティ及び確認システム212もまた提供される。例えば、インポートされる新しいペルソナは、セキュリティ及び確認システム212と、シミュレーションされた動作を受ける(重要な)ペルソナをサンドボックス化するパイロット/エミュレータとを使用して、正確であることが確認されてもよい。セキュリティ及び確認のレベルは、送信元(ユーザ及び送信コンピュータ装置)の信頼性とインポートされるペルソナのコンテンツとに基づいて、受信コンピュータ装置202のユーザにより動的に設定されてもよいことが考えられる。
【0025】
ペルソナ共有機構204はまた、ペルソナの1つ以上の部分集合の各要素を含む共有されたペルソナが、ペルソナが2つ以上のコンピュータ装置により共有された後にいつでもバックトラッキング(撤回)することを可能にするバックトラッキングシステム214を含む。一実施例では、バックトラッキングシステム214は、共有されたペルソナと、このようなペルソナに対して行われた何らかの変更又は変化を含むペルソナの定期的なバックアップを実行するバックアップシステムを含む。これらの定期的なバックアップの期間は、イベントに基づいてもよく(例えば、特定されたイベントの発生時)、所定の期間に従ってもよく、ユーザによりコンピュータ装置202に動的に設定された期間でもよい。この新規なバックトラッキングシステム214により、ペルソナの時間又はイベントに基づくバックアップと、1つ以上のペルソナの全体又は一部を共有するコンピュータ装置の動作の相互依存性の特定のスナップショットとが可能になる。一式の共有されたペルソナ要素が相互依存性のツリーでスタンドアローンのリーフを表す場合、その一式は、1つ以上のコンピュータ装置から容易に除去可能である。しかし、一式の共有されたペルソナ要素が複数の相互依存性を有する場合(例えば、1つの要素は他の関係する要素を除去せずには除去できない場合)、ルック・アンド・フィールを表す何らかの静的な共有されたペルソナ要素は、関係する動作要素が除去されても保持される。動的な共有されたペルソナ要素の場合、バックトラッキングシステム214は、部分グラフへの入力を抽出し、これらの要素を出力する自動的な拡張を生成し、新しい判定/動作グラフと何らかのアクティブな要素とをブリッジする選択肢をユーザに提供してもよい。
【0026】
図示のように、コンピュータ装置202は、ペルソナ共有機構204の他の前述のシステム206-214と共に動作する特定のタスクを実行する他の複数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素、モジュール及びインタフェースを更に含む。コンピュータ装置202は、他のコンピュータ装置とペルソナの全体又は一部を共有(受信又は送信)するためにユーザにより使用されるユーザインタフェース(例えば、キーボード、タッチパッド)を更に含む。
【0027】
図3は、複数のコンピュータ装置間でペルソナを共有する処理の実施例を示している。処理ブロック302において、一実施例では、第1のコンピュータ装置と第2のコンピュータ装置との間でペルソナ(コンテンツ又はプレファレンス)の共有が開始される。前述のように、このペルソナの共有は、2つのコンピュータ装置に限定されず、様々なコンピュータ装置の間で共有されてもよい。処理ブロック304において、共有する装置と共有されるペルソナとの双方は、ペルソナの共有の前に安全であると確認及び検証される。例えば、第1のコンピュータ装置がペルソナ(例えば、ペルソナの全体又は一部)を第2のコンピュータ装置に送信することを開始すると、第2のコンピュータ装置が第1のコンピュータ装置からペルソナを受信することを許容される前に、第1のコンピュータ装置及びペルソナは、安全であると確認及び検証される。
【0028】
判定ブロック306において、2つのコンピュータ装置とペルソナとの確認が成功したか否かの決定が行われる。成功した場合、処理ブロック314において、ペルソナは、第1及び第2のコンピュータ装置の間で共有される。何らかの理由で確認処理が予想より長い場合、ペルソナの共有処理が中止されるかの決定が行われる。中止される場合、共有処理は、終了ブロック310において終了する。第1の(送信)コンピュータ装置又はペルソナが確認されていないため(例えば、第1のコンピュータ装置又はペルソナにウィルスが検出されたため、送信装置が登録していないという理由で確認できないため、共有処理がいずれかの装置のユーザにより中止されたため)等の様々な理由で、共有処理は中止されてもよい。
【0029】
判定ブロック308に戻り、共有処理が中止されていないが、それにも拘らず(様々な理由で)確認処理が通常より長い場合、ペルソナは第2のコンピュータ装置により受信され、処理ブロック312で確認処理が終了するまで、第2のコンピュータ装置の一時記憶領域に格納されてもよく、ネットワークで第1の装置及び/又は第2の装置に結合されたサーバに遠隔で格納されてもよい。確認処理が終了すると、処理ブロック314において、ペルソナは、第1及び第2のコンピュータ装置の間で共有される。
【0030】
図4は、複数のコンピュータ装置間でペルソナを共有する処理の実施例を示している。一実施例では、処理ブロック402において、ユーザのペルソナは、コンピュータ装置のオーサリングツールを使用して、コンピュータ装置のユーザにより生成される。ペルソナの一部は、予め生成され、第1のコンピュータ装置に予めロードされてもよい。更に、前述のように、複数の生活モードを有するコンピュータ装置(例えば、仕事モードと家庭モードと遊びモードとを有する3つの生活モードの移動コンピュータ装置)では、複数のペルソナは、装置に利用可能な各生活モードを満たすように、ユーザにより生成されてもよい。例えば、家庭モードで家族写真を有することは適切であるが、必ずしも仕事モードでは必要ない。新しいユーザのペルソナを生成する以外に、オーサリングツールはまた、既存のユーザのペルソナに変更又は修正を行うために使用される。更に、一実施例では、処理ブロック404において、ユーザが全体のペルソナを共有するか共有しないかを強いられるのではなく、ペルソナの1つ以上の部分又は部分集合のみを共有可能にするため、ユーザのペルソナは、様々な部分又は部分集合で生成されてもよい。部分集合分割/認識ロジックは、ペルソナの部分集合をまとめる又はパケット化するため、及び全体のペルソナ又はペルソナの何らかの数の部分集合の共有(例えば、送信/受信)を容易にするために使用される。
【0031】
処理ブロック406において、ユーザは、他のコンピュータ装置と共有されるペルソナの1つ以上の適切な部分集合を選択する。処理ブロック408において、共有に提供されるペルソナと、それを提供するコンピュータ装置とが確認される。ペルソナが2つ以上の装置間で共有される場合、処理ブロック410において、各コンピュータ装置は、何らかの理由で共有されたペルソナの全体又は一部をバックトラッキングする機能を保持しつつ、ペルソナ及びその何らかの変更のイベント及び/又は時間に基づくバックアップを実行する。
【0032】
図5は、コンピュータシステム500の実施例を示している。コンピュータシステム500は、移動コンピュータシステム又はハンドヘルド型データ処理システム(PDA、スマートフォン、ポケットコンピュータ等)のような、如何なる形式又はサイズのコンピュータシステムを含む。図5の例示的なコンピュータシステムは、1)前述の機能(例えば、カスタマイズ可能及び予測辞書のための構成要素及びロジック)を少なくとも1つが含む1つ以上のプロセッサ501、2)メモリ制御ハブ(MCH:memory controller hub)502、3)システムメモリ503(ダブルデータレートRAM(DDR RAM)、拡張データ出力RAM(EDO RAM)等のような異なる形式のシステムメモリが存在する)、4)キャッシュ504、5)入出力(I/O)制御バブ(ICH:I/O control hub)505、6)グラフィックプロセッサ506、7)ディスプレイ/画面507(陰極線管(CRT)、薄膜トランジスタ(TFT)、液晶ディスプレイ(LCD)、DPL等の異なる形式のディスプレイが存在する)、8)1つ以上のI/O装置508(例えば、キーボード、タッチパッド、マウス、Bluetooth構成要素等)を含む。
【0033】
1つ以上のプロセッサ501は、コンピュータシステムが実装する如何なるソフトウェアルーチンを実行するために、命令を実行する。これらの実施例では、ソフトウェアルーチンは、この明細書で説明した2つ以上のコンピュータ装置間でペルソナ(例えば、プレファレンス及びコンテンツ)を共有する機能及び動作等である。命令は、データで実行される何らかの種類の動作に頻繁に関与する。データと命令との双方は、システムメモリ503とキャッシュ504とに格納される。キャッシュ504は、典型的には、システムメモリ503より短い待ち時間を有するように設計される。例えば、キャッシュ504は、プロセッサと同じシリコンチップに統合されてもよく、及び/又は高速なスタティックRAM(SRAM)セルで構成されてもよい。また、システムメモリ503は、低速のダイナミックRAM(DRAM)セルで構成されてもよい。より頻繁に使用される命令及びデータをシステムメモリ503ではなくキャッシュ504に格納する傾向により、コンピュータシステムの全体性能の効率が向上する。
【0034】
システムメモリ503は、コンピュータシステム500内の他の構成要素にとって計画的に利用可能になる。例えば、様々なインタフェース(例えば、キーボード及びマウス、プリンタポート、ローカルエリアネットワーク(LAN)ポート、モデムポート等)からコンピュータシステム500に受信されたデータ、又はコンピュータシステムの内部記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)から取得されたデータは、1つ以上のプロセッサ501によるソフトウェアプログラムの実施時に動作される前に、しばしば一時的にシステムメモリ503に一時的に入れられる。同様に、ソフトウェアプログラムがコンピュータシステムからコンピュータシステムインタフェースの1つを通じて外部エンティティに送信すべきであること又は内部記憶要素に格納されることを決定したデータは、送信又は格納される前に、しばしばシステムメモリ503に一時的に格納される。システムメモリ503はまた、一実施例に従ってユーザのペルソナを格納するため、及びこの明細書のどこかに記載の他の関係情報を格納するために使用されてもよい。
【0035】
ICH505は、このようなデータがシステムメモリ503と適切な対応するコンピュータシステムインタフェース(コンピュータシステムの設計によっては内部記憶装置)との間で適切に通過することを確保する役割をする。MCH502は、相互に時間的に近く生じる可能性があるプロセッサ501とインタフェースと内部記憶要素との間での様々な競合するシステムメモリ503のアクセス要求を管理する役目をする。
【0036】
1つ以上のI/O装置508はまた、典型的なコンピュータシステム500に実装される。I/O装置は、一般的に、コンピュータシステム(例えば、ネットワークアダプタ)へ/からデータを転送する役目をする。或いは、コンピュータシステム内の大規模不揮発性記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)のためのものである。ICH505は、それ自体と監視するI/O装置508との間で双方向のポイント・ツー・ポイントリンクを有する。
【0037】
本発明の様々な実施例の部分は、コンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。コンピュータプログラムプロダクトは、コンピュータプログラム命令を格納したコンピュータ可読媒体を含んでもよい。コンピュータプログラム命令は、本発明の実施例による処理を実行するために、コンピュータ(又は他の電子装置)をプログラムするために使用されてもよい。機械可読媒体は、非限定的に、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD-ROM(compact disk read-only memory)、光磁気ディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ、又は電子命令を格納するのに適した他の形式の媒体/機械可読媒体を含んでもよい。
【0038】
前述の明細書において、本発明は、特定の時例示的な実施例を参照して記載されている。しかし、特許請求の範囲に記載の本発明の広い要旨及び範囲を逸脱することなく、様々な変更及び変形が行われてもよいことが明らかである。従って、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味としてみなされる。
【符号の説明】
【0039】
102 コンピュータ装置
104 コンピュータ装置
106 コンピュータ装置
108 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置のユーザのプレファレンスに関する複数の部分集合を有するローカルユーザのペルソナを有するコンピュータ装置で、遠隔ユーザのペルソナを受信し、
前記コンピュータ装置で前記遠隔ユーザのペルソナと前記ローカルユーザのペルソナとを同期させることにより、前記コンピュータ装置の動作を調整することを有する方法。
【請求項2】
前記動作は、前記コンピュータ装置の静的な動作と動的な動作とを有し、
前記動的な動作は、第2のコンピュータ装置の現在のユーザモードに従って調整される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在のユーザモードは、仕事モード、家庭モード又は遊びモードを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記遠隔ユーザのペルソナを受信することは、遠隔のコンピュータ装置又はそのユーザを識別するコンテンツを有さずに、遠隔のコンピュータ装置から前記遠隔ユーザのペルソナを匿名で受信することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記受信した遠隔ユーザのペルソナをバックトラッキングすることを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記コンピュータ装置で前記遠隔ユーザのペルソナを受け付ける前に、セキュリティのため、前記遠隔ユーザのペルソナと前記遠隔のコンピュータ装置とを確認することを更に有する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
記憶媒体と前記記憶媒体に結合されたプロセッサとを有するコンピュータ装置を有するシステムであって、
前記プロセッサは、
コンピュータ装置のユーザのプレファレンスに関する複数の部分集合を有するローカルユーザのペルソナを有するコンピュータ装置で、遠隔ユーザのペルソナを受信し、
前記コンピュータ装置で前記遠隔ユーザのペルソナと前記ローカルユーザのペルソナとを同期させることにより、前記コンピュータ装置の動作を調整するシステム。
【請求項8】
前記動作は、前記コンピュータ装置の静的な動作と動的な動作とを有し、
前記動的な動作は、第2のコンピュータ装置の現在のユーザモードに従って調整される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記現在のユーザモードは、仕事モード、家庭モード又は遊びモードを有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記遠隔ユーザのペルソナを受信することは、遠隔のコンピュータ装置又はそのユーザを識別するコンテンツを有さずに、遠隔のコンピュータ装置から前記遠隔ユーザのペルソナを匿名で受信することを有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサは、更に、前記受信した遠隔ユーザのペルソナをバックトラッキングする、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記プロセッサは、更に、前記コンピュータ装置で前記遠隔ユーザのペルソナを受け付ける前に、セキュリティのため、前記遠隔ユーザのペルソナと前記遠隔のコンピュータ装置とを確認する、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
命令を有する機械可読媒体であって、
実行されたときに、機械に対して、
コンピュータ装置のユーザのプレファレンスに関する複数の部分集合を有するローカルユーザのペルソナを有するコンピュータ装置で、遠隔ユーザのペルソナを受信させ、
前記コンピュータ装置で前記遠隔ユーザのペルソナと前記ローカルユーザのペルソナとを同期させることにより、前記コンピュータ装置の動作を調整させる機械可読媒体。
【請求項14】
前記動作は、前記コンピュータ装置の静的な動作と動的な動作とを有し、
前記動的な動作は、第2のコンピュータ装置の現在のユーザモードに従って調整される、請求項13に記載の機械可読媒体。
【請求項15】
前記現在のユーザモードは、仕事モード、家庭モード又は遊びモードを有する、請求項14に記載の機械可読媒体。
【請求項16】
前記遠隔ユーザのペルソナを受信することは、遠隔のコンピュータ装置又はそのユーザを識別するコンテンツを有さずに、遠隔のコンピュータ装置から前記遠隔ユーザのペルソナを匿名で受信することを有する、請求項13に記載の機械可読媒体。
【請求項17】
前記命令は、実行されたときに、前記機械に対して、更に、前記受信した遠隔ユーザのペルソナをバックトラッキングさせる、請求項13に記載の機械可読媒体。
【請求項18】
プロセッサは、更に、前記コンピュータ装置で前記遠隔ユーザのペルソナを受け付ける前に、セキュリティのため、前記遠隔ユーザのペルソナと前記遠隔のコンピュータ装置とを確認する、請求項16に記載の機械可読媒体。
【請求項19】
命令を有する機械可読媒体であって、
前記命令が実行されたときに、機械に対して、
コンピュータ装置のユーザのプレファレンスに関する複数の部分集合を有するユーザのペルソナを第1のコンピュータ装置で生成させ、前記複数の部分集合のうち1つ以上は前記ユーザを識別するコンテンツを含み、
前記ユーザを識別するコンテンツを有する前記複数の部分集合のうち1つ以上を送信せずに、前記ユーザのペルソナを第2のコンピュータ装置に匿名で送信させる機械可読媒体。
【請求項20】
匿名で送信することは、ネットワークで安全に実行される、請求項19に記載の機械可読媒体。
【請求項21】
前記第1のコンピュータ装置は、ネットワークで前記第2のコンピュータ装置に結合される、請求項19に記載の機械可読媒体。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−40045(P2011−40045A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−135661(P2010−135661)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(593096712)インテル コーポレイション (931)
【Fターム(参考)】