説明

コーティング組成物およびその組成物の調製方法

本発明はコーティング組成物の製造方法およびこの方法により得られた組成物に関する。本発明はまた、基質(S)、耐引掻性レイヤー(K)、および本発明のコーティング組成物から製造したコーティングレイヤー(D)を含むレイヤーシステム(layer systems)、およびこれらのレイヤーシステムの製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコーティング組成物の調製方法およびこの方法により得られ得る組成物に関する。さらに本発明は、基材(S)、耐引掻性レイヤー(SR)および本発明によるコーティング組成物から調製したトップレイヤー(T)からなるレイヤーシステム(layer systems)、およびこれらのレイヤーシステムの調製方法に関する。
【0002】
ゾル−ゲル法によって、アルコキシド(例えば、アルミニウムプロパノレートまたはブタノレート)から変性アルコキシシランを用いてコーティングとして好適な材料を調製することは可能である。これらのゾル−ゲル法は、開始成分の混合物を加水分解および縮合法で反応して、粘性液相を与えるということを実質的に特徴とする。常套の有機ポリマーと比較して、増加した表面硬度を有する有機的に変性された無機ベースマトリックスが、この合成方法によって形成される。しかしながら決定的な欠点は、アルミニウム含有成分の高い反応性のために、高い貯蔵安定性(ポットライフ)が達成されないということである。
【0003】
無機材料と比較して、得られたレイヤーはまだ比較的柔軟である。この理由は、このシステムにおける無機含有物が高い架橋活性を有していても、それらの小さなサイズのために、機械的特性(例えば硬度および耐摩耗性)が影響を有さないためである。いわゆるフィラー含有ポリマーによって、この場合数マイクロメートルの粒径が存在するため、無機含有物の良好な機械的特性は充分に利用され得る。言うまでもなく、材料の透明度はここで失われ、光学分野における用途はもはや可能ではない。増加した耐摩耗性を有する透明レイヤーの調製のためのSiO(例えばAerosils(登録商標))の小さな粒子の使用は確かに可能であるが、使用し得る低い濃度において、達成され得る耐摩耗性は、上述のシステムのそれらと類似している。フィラーの量の上限は、許容することができない凝集体の形成または粘度の増加をもたらす、小さい粒子の高い表面活性によって決定される。
【0004】
DE 19952040A1には、耐摩耗性拡散バリヤーレイヤーシステム(abrasion-resistant diffusion barrier layer system)を有する基材を開示し、その場合、拡散バリヤーレイヤーシステムは、加水分解性エポキシシランに基づいた硬いベースレイヤーおよびトップに配列されているトップレイヤーを包含する。トップレイヤーはテトラエトキシシラン(TEOS)およびグリシジルオキシプロピル−トリメトキシシラン(GPTS)のコーティングゾルの塗装、並びに<110℃の温度でのそれらの硬化によって得られる。コーティングゾルは、塩酸水溶液中で溶媒としてのエタノールでTEOSを加水分解および縮合することによって調製される。次いでGPTSはこの方法で前もって加水分解したTEOSへ撹拌混入され、かつゾルは50℃で5時間撹拌される。この公報において開示されているコーティングゾルの欠点は、その低い貯蔵安定性(ポットライフ)であり、その結果として、コーティングゾルは調製後、2,3日以内にさらに処理しなければならない。さらにこの公報で開示されている拡散バリヤーレイヤーシステムの欠点は、これらが自動車の艶出しに使用するには不十分であるというテーバー磨耗試験(Taber abrasion test)による結果を有していることである。
【0005】
DE 4338361A1にはエポキシド基を有するシリコン化合物、Si、Al、Bまたは遷移金属のナノスケールオキシドまたはオキシドヒドレート(ベーマイトが特に好ましい)、界面活性剤および芳香族ポリオール類を含有するコーティング組成物について開示されている。組成物はルイス塩基および(チタン、ジルコニウムまたはアルミニウムの)アルコレートを別に含有し得る。組成物はゾル−ゲル法によって、塩酸溶液中のGPTSおよびTEOSを前もって加水分解することにより調製され、加水分解性基のモルにつき水約0.5モル以下を用いる。加水分解を行った後、氷で冷却しながらベーマイトゾルを組成物に加えた。コーティング組成物は耐引掻性レイヤーの調製に使用される。耐引掻性をさらにトップレイヤーでオーバーコーティングすることは、この公報には開示されていない。
【0006】
本発明は、その硬度において、先行技術で開示された材料の硬度より著しく優れており、かつ高い光学的透明性を有する、有機的に変性した無機システムを提供するという目的に基づく。さらにこのシステムはまた、塗膜に使用され、かつ経時的に一定な特性を有する安定な中間生成物を調製することを可能にし、かつおよび表面の種々の物理的および化学的特性(例えば親水性または疎油性と組み合わせた疎水性)を確立することを可能にする。
【0007】
本発明はさらに改良した耐引掻性、接着性、塗料粘度および弾力性をも有する組成物を提供する目的に基づいており、この組成物は先行技術の組成物と比較してゲル化およびヘイズ値が低下する傾向がある。
【0008】
この目的は、本発明によれば、
(a)一般式I:
【0009】
【化1】

[式中、Mは元素またはSi、Ti、Zr、Sn、Ce、Al、B、VO、InおよびZnから成る群から選択された化合物であり、R’は加水分解性基を示し、かつmは2〜4の整数である。]
である1種以上の化合物単独またはそれと
(b)一般式II:
【0010】
【化2】

[式中、R’およびRは同一または異なる基であり、R’は上記と同意義であり、Rは1種以上のハロゲン基、エポキシド基、グリシジルオキシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリルオキシ基またはシアノ基を有するアルキル基、アルケニル基、アリール基または炭化水素基を示し、かつaおよびbは互いに独立して1〜3の値を示し、aとbの総和は4である。]
である1種以上の化合物と共に、
加水分解性基R’1モルに基づいて、少なくとも水0.6モルの存在下で加水分解される、コーティング組成物の調製方法によって達成される。
【0011】
驚くべきことに、本発明による方法で想定した式IおよびIIの化合物の同時加水分解(joint hydrolysis)によって、組成物の貯蔵安定性(ポットライフ)が大幅に改良されたことが解った。
【0012】
DE 4338361A1の原理とは対照的に、加水分解は加水分解性基R’1モルに基づいて、水少なくとも0.6モル、特に水0.8〜2.0モルの存在下で行われる。本発明による好ましい態様によると、完全な加水分解は加水分解性基に基づいて、少なくとも等モル量の水を用いることによって行われる。
【0013】
式IおよびIIの化合物は所望の量で使用され得る。式IIの化合物は好ましくは式Iの化合物1モルに基づいて0.7モル以下、特に0.5モル以下の量で使用される。
【0014】
加水分解は好ましくは酸、特に塩酸水溶液の存在下で行われる。反応混合物のpH2.0〜5.0が特に好適である。
【0015】
加水分解反応はわずかに発熱的に進行し、好ましくは30〜40℃まで加熱することによって促進される。加水分解を行う際、反応生成物は好ましくは室温まで冷却し、しばらくの間、特に1〜3時間、室温で撹拌される。得られたコーティング組成物は、好ましくは<10℃の温度、特に約4℃の温度で貯蔵される。
【0016】
全ての温度データは偏差±2℃を包含する。室温は20〜23℃の温度を意味するとして理解される。
【0017】
オーバーコーティングゾルは、式Iの化合物および/またはそれらの加水分解生成物、および式IIの化合物および/またはそれらの加水分解生成物100部から調製され、化合物Iの100部に基づいた化合物IIの量は、100部以下、好ましくは70部以下、特に50部以下かまたは完全に省略される。すぐ塗装されるトップレイヤーコーティング組成物は、好ましくは固形分含量0.2〜5重量%、特に0.5〜3重量%を有する。
【0018】
式Iの化合物は好ましくは:
【0019】
【化3】

[式中、Mはa)Si+4、Ti+4、Zr+4、Sn+4またはCe+4もしくはb)Al+3、B+3、VO+3またはIn+3もしくはc)Zn+2を示し、Rは加水分解性基を示し、かつmは四価の元素M[ケースa)]の場合4であり、三価の元素または化合物M[ケースb)]の場合3でありおよび二価の元素または化合物M[ケースc)]の場合2である。Mの好ましい元素はSi+4、Ti+4、Ce+4およびAl+3でありSi+4が特に好ましい。]
を有する化合物である。
【0020】
加水分解性基の例は、ハロゲン(F、Cl、BrおよびI、特にClおよびBr)、アルコキシ(特にC1−4−アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシおよびn−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシまたはt−ブトキシ)、アリールオキシ(特にC610−アリールオキシ、例えばフェノキシ)、アクリロキシ(特にC1−4−アクリロキシ、例えばアセトキシおよびプロピオニルオキシ)およびアルキルカルボニル(例えばアセチル)である。特に好ましい加水分解性基はアルコキシ基、特にメトキシおよびエトキシである。
【0021】
使用され得る式Iの化合物の具体的な例を以下に例示するが、これらは使用され得る式Iの化合物の限定を示すことを目的とはしない。
【0022】
Si(OCH、Si(OC、Si(O−n−またはi−C
Si(OC、SiCl、HSiCl、Si(OOCCH
【0023】
Al(OCH、Al(OC、Al(O−n−C
Al(O−i−C、Al(OC、Al(O−i−C
Al(O−sec−C、AlCl、AlCl(OH)、Al(OCOC
【0024】
TiCl、Ti(OC、Ti(OC、Ti(O−i−C、Ti(OC、Ti(2−エチルヘキソキシ)
【0025】
ZrCl、Zr(OC、Zr(OC、Zr(O−i−C、Zr(OC、ZrOCl、Zr(2−エチルヘキソキシ)
および錯形成基、例えばβ−ジケトンおよびメタクリル基を含有するZr化合物、
【0026】
BCl、B(OCH、B(OC
【0027】
SnCl、Sn(OCH
Sn(OC
【0028】
VOCl、VO(OCH
【0029】
Ce(OC、Ce(OC、Ce(OC、Ce(O−i−C、Ce(2−エチルヘキソキシ)、Ce(SO、Ce(ClO、CeF、CeCl、CeAc
【0030】
In(CHCOO)、In[CHCOCH=C(O−)CH
InBr、[(CHCO]In、InCl、InF
[(CH)CHO]In、InI、m(NO、In(ClO、In(SO、In
【0031】
(CHCOO)Zn、[CHCOCH=C(O−)CHZn、
ZnBr、ZnCO・2Zn(OH)xHO、ZnCl
亜鉛シトレート、ZnF、ZnI、Zn(NO・HO、ZnSO・H
が挙げられる。
【0032】
化合物SiR(式中、基Rは同一または異なって、および加水分解性基、好ましくは炭素原子1〜4個を有するアルコキシ基、特にメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシまたはt−ブトキシを示す。)が特に好ましく使用される。
【0033】
テトラアルコキシシラン、特にテトラエトキシシラン(TEOS)が最も好ましい。
【0034】
式IIの化合物は好ましくは:
【0035】
【化4】

[式中、基RおよびR’は同一または異なって(好ましくは同一)、R’は加水分解性基(好ましくはC1−4−アルコキシ、および特にメトキシおよびエトキシ)を示し、およびRはアルキル基、アルケニル基、アリール基または1種以上のハロゲン基を有する炭化水素基、エポキシド基、グリシジルオキシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリルオキシ基またはシアノ基であり、
aは値1〜3と仮定することができ、かつ
bもまた値1〜3と仮定することができ、
その場合a+bの総和は4である。]
である化合物である。
【0036】
式IIの化合物の例は:
トリアルコキシシラン、トリアシルオキシシランおよびトリフェノキシシラン、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、
【0037】
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシランおよびそこからの加水分解生成物、およびジアルコキシシランおよびジアシルオキシシラン、例えばジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、
【0038】
α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラン、およびそれらの生成物および加水分解生成物、が挙げられる。
【0039】
これらの生成物は単独または2種以上の混合物として使用され得る。
【0040】
好ましい式IIの化合物は、メチルトリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、グリシジルオキシプロピルトリアルコキシシランおよび/またはメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランである。特に好ましい式IIの化合物は、グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)、メチルトリエトキシシラン(MTS)および/またはメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)である。
【0041】
水および不活性溶媒もしくは溶媒混合物は、要すれば所望の調製段階で、特に加水分解中に、組成物のレオロジー特性に適合させるために添加され得る。これらの溶媒は好ましくは室温で液体であるアルコール類であり、それらはまた、好ましく使用されるアルコキシド類の加水分解中にさらに形成される。特に好ましいアルコールは、C1−8−アルコール類、特にメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、n−ヘキサノールおよびn−オクタノールである。C1−6−グリコールエーテル、特にn−ブトキシエタノールがまた好ましい。イソプロパノール、エタノール、ブタノールおよび/または水が溶媒として特に好適である。
【0042】
さらに組成物は、常套の添加物、例えば染料、流動性制御剤、UV安定剤、IR安定剤、光開始剤、光増感剤(組成物の光化学的硬化が意図されるならば)および/または熱的重合触媒を含有する。流動性制御剤は、特にポリエーテル−変性ポリジメチルシロキサンに基づくものである。コーティング組成物が流動性制御剤0.005〜2重量%の量で含有するならば、特に有利であることが解った。
【0043】
この方法で調製されたコーティング組成物は、最も多様な基材を塗装するために使用され得る。コーティングのための基材材料の選択は、限定されない。これら組成物は、木材、繊維、紙、磁器、金属、ガラス、セラミックおよびプラスチックのコーティングに好ましく好適であり、特にここでは熱可塑性プラスチック(例えばBecker/Braun著、「Kunststofftaschenbuch」、Carl Hanser Verlag、ミュンヘン、ウイーン、1992年参照)のコーティングに好適である。組成物は、透明熱可塑性プラスチック、好ましくはポリカーボネートのコーティングに特に好ましく好適である。特に眼鏡レンズ、光学レンズ、自動車窓およびシートは、本発明により得られた組成物で塗装され得る。
【0044】
基材への塗装は、標準的なコーティング方法、例えば浸漬、フローコーティング、散布、ブラッシング、ナイフ−コーティング、ローリング、噴霧、フォーリングフィルム塗装、スピン−コーティングおよび旋回コーティング(whirler-coating)によって行われる。
【0045】
塗装基材の硬化は要すれば室温での前表面乾燥の後に行われる。硬化は好ましくは50〜200℃、特に70〜180℃、および特に好ましくは90〜150℃の範囲の温度で熱を用いて行われる。これらの条件下で、硬化時間は30〜200分、好ましくは45〜120分であるべきである。硬化したトップレイヤーの膜厚は、0.05〜5μm、好ましくは0.1〜3μmであるべきである。
【0046】
不飽和化合物および光開始剤が存在する場合、硬化はまた照射によって行われ、その後要すれば加熱による後硬化を行ってもよい。
【0047】
本発明による方法によって調製されたコーティング組成物は、特に耐引掻性コーティングシステムにおけるトップレイヤー(D)の調製において好適である。本発明による方法によって調製されたコーティング組成物は、エポキシド基を有する加水分解性シランに基づいた耐引掻性(SR)への塗装において特に好適である。好ましい耐引掻性レイヤー(SR)は、非加水分解性置換基上にエポキシド基を有する少なくとも1種のシランに基づいて、ゾル−ゲル法によって調製された重縮合物、および要すればルイス塩基およびチタン、ジルコニウムまたはアルミニウムのアルコレートから選択された硬化触媒を有するコーティング組成物の硬化によって得られ得るものである。そのような耐引掻性(SR)の調製および特性は、例えばDE 4338361A1に開示されている。
【0048】
本発明による方法によって調製されるコーティング組成物を用いてオーバーコート(over coated)された耐引掻性(SR)は:
加水分解によって分離することができず、Siと直接結合され、かつエポキシド基を含有する少なくとも1種の基Rを有するシリコン化合物(A)、
粒状材料(B)、
Si、Ti、Zr、B、SnまたはVの加水分解性化合物(C)、およびさらに好ましくは
Ti、ZrまたはAlの加水分解性化合物(D)
を含有するコーティング組成物から調製されるものが好ましい。
【0049】
そのようなコーティング組成物が、結果的に材料へ特に好適に付着する、高い耐引掻性コーティングとなる。
【0050】
化合物(A)〜(D)は以下により詳細に説明する。化合物(A)〜(D)は耐引掻性レイヤー(SR)の組成物中だけでなく、トップレイヤー(T)の組成物における別の成分としてもまた含有され得る。
【0051】
シリコン化合物(A)
シリコン化合物(A)は加水分解性基2または3個、好ましくは3個、および非加水分解性基1または2個、好ましくは1個を有するシリコン化合物である。唯一または2個のうち少なくとも1個の非加水分解性基はエポキシド基を有する。
【0052】
加水分解性基の例は、ハロゲン(F、Cl、BrおよびI、特にClおよびBr)、アルコキシ(特にC1−4−アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシおよびn−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシおよびt−ブトキシ)、アリールオキシ(特にC610−アリールオキシ、例えばフェノキシ)、アクリロキシ(特にC1−4−アクリロキシ、例えばアセトキシおよびプロピオニルオキシ)およびアルキルカルボニル(例えばアセチル)が挙げられる。特に好ましい加水分解性基は、アルコキシ基、特にメトキシおよびエトキシである。
【0053】
エポキシド基のない非加水分解性基の例は、水素、アルキル、特にC1−4−アルキル(例えばメチル、エチル、プロピルおよびブチル)、アルケニル(特にC2−4−アルケニル、例えばビニル、1−プロペニル、2−プロペニルおよびブテニル)、アルキニル(特にC2−4−アルキニル、例えばアセチレニルおよびプロパルギル(propargyl))およびアリール、特にC6−10−アリール、例えばフェニルおよびナフチル)が挙げられ、上述の基は、要すれば1以上の置換基、例えばハロゲンおよびアルコキシを含有してもよい。メタクリルおよびメタクリルオキシプロピル基もまた、この結合において言及され得る。
【0054】
エポキシド基を有する非加水分解性基の例は、特にグリシジルまたはグリシジルオキシ基を有するものである。
【0055】
本発明によって使用され得るシリコン化合物(A)の具体例は、例えばEP−A−195493の第8および9頁に見られ得る(その記載をここに挿入する)。
【0056】
本発明による特に好ましいシリコン化合物(A)は、一般式:
【0057】
【化5】

[式中、基Rは同一または異なって(好ましくは同一)および加水分解性基(好ましくはC1−4−アルコキシおよび特にメトキシおよびエトキシ)を示し、およびR’はグリシジルまたはグリシジルオキシ−(C1−20)−アルキレン基、特にβ−グリシジルオキシエチル、γ−グリシジルオキシプロピル、δ−グリシジルオキシブチル、ε−グリシジルオキシペンチル、ω−グリシジルオキシヘキシル、ω−グリシジルオキシオクチル、ω−グリシジルオキシノニル、ω−グリシジルオキシデシル、ω−グリシジルオキシドデシルおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルを示す]。
のものである。
【0058】
γ−グリシジルオキシ−プロピルトリメトキシシラン(以下GPTSと略する)は容易に入手できるため、本発明によって特に好ましく使用される。
【0059】
粒状材料(B)、
粒状材料(B)は粒径1〜100、好ましくは2〜50nmおよび特に好ましくは5〜20nmの範囲で有するSi、AlおよびB、並びに遷移金属、好ましくはTi、ZrおよびCeの酸化物、オキシドヒドレート、ニトリドまたはカーバイドおよびそれらの混合物である。これらの材料はパウダー状で使用され得るが、好ましくはゾル状(特に酸−安定化ゾル)で使用され得る。好ましい粒状材料は、ベーマイト、SiO、CeO、ZnO、InおよびTiOである。ナノスケールベーマイト粒子が特に好ましい。粒状材料はパウダー状で市販されており、それらからのゾルの調製(酸−安定化)はまた、従来技術で知られている。この場合、以下に開示されている調製例をさらに参考とする。グアニジンプロピオン酸を用いたナノスケールの窒化チタンの安定化の原則については、例えばドイツ特許出願P−43−34−639−A1に開示されている。
【0060】
例えばベーマイトパウダーを希釈塩酸に懸濁させることによって得られ得る、pH範囲2.5〜3.5、好ましくは2.8〜3.2を有するベーマイトゾルは、特に好ましく使用される。
【0061】
ナノスケール粒子の種類は、一般的に対応する材料の屈折率の種類に付随する。したがって、例えばCeO、ZrOまたはTiO粒子によるベーマイト粒子の置換が、高い屈折率)を有する材料をもたらす(屈折率はローレンツーローレンツ方程式に基づいて高い屈折率の成分とマトリックスの体積から付加的に得られる)。
【0062】
前述の通り、セリウムジオキシドは粒状材料として使用され得る。これは好ましくは粒径1〜100、好ましくは2〜50nmおよび特に好ましくは5〜20nmの範囲を有する。この材料はパウダー状で使用され得るが、好ましくはゾル状(特に酸−安定化ゾル)で用いられる。粒状セリウムオキシドは、ゾル状およびパウダー状で市販されており、それらからのゾル(酸−安定化)の調製はまた、従来技術で知られている。
【0063】
化合物(B)は耐引掻性例レイヤー(SR)のコーティング組成物の固形分含量に基づいて、耐引掻性(SR)の組成物中に好ましくは3〜60重量%の量で使用される。
【0064】
加水分解性化合物(C)
シリコン化合物(A)に加えて、Si、Ti、Zr、Al、B、SnおよびVから成る群からの元素の他の加水分解性化合物はまた、耐引掻性レイヤーコーティング組成物の調製に用いられ、かつ好ましくはシリコン化合物(A)で加水分解化される。
【0065】
化合物(C)は一般式:
【0066】
【化6】

[式中、Mはa)Si+4、Ti+4、Zr+4またはSn+4またはb)Al+3、B+3または(VO)+3、を示し、Rは加水分解性基を示し、R’は非加水分解性基を示し、およびxは四価金属原子類M(ケースa)の場合1〜4、および三価金属原子類M(ケースb)の場合1〜3であってよい。]のSi、Ti、Zr、B、SnおよびVの化合物である。もしいくつかの基Rおよび/またはR’が化合物(C)中に存在するならば、それらは互いに同一または異なり得る。好ましくはxは1よりも大きい。すなわち、化合物(C)は少なくとも1つ、好ましくは数個の加水分解性基を含有する。
【0067】
加水分解性基の例は、ハロゲン(F、Cl、BrおよびI、特に好ましくはClおよびBr)、アルコキシ(特にC1−4−アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシおよびn−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシまたはt−ブトキシ)、アリールオキシ(特にC610−アリールオキシ、例えばフェノキシ)、アクリロキシ(特にC1−4−アクリロキシ、例えばアセトキシおよびプロピオニルオキシ)およびアルキルカルボニル(例えばアセチル)が挙げられる。特に好ましくは加水分解性基はアルコキシ基、特にメトキシおよびエトキシである。
【0068】
非加水分解性基の例は、水素、アルキル、特にC1−4−アルキル(例えばメチル、エチル、プロピルおよびn−ブチル、i−ブチル、s−ブチルおよびt−ブチル)、アルケニル(特にC2−4−アルケニル、例えばビニル、1−プロペニル、2−プロペニルおよびブテニル)、アルキニル(特にC2−4−アルキニル、例えばアセチレニルおよびプロパルギル)およびアリール、特にC6−10−アリール、例えばフェニルおよびナフチル)が挙げられ、上記の基は、要すれば1以上の置換基、例えばハロゲンおよびアルコキシを含有してもよい。メタクリルおよびメタクリルオキシプロピル基もまた、これに関して挙げてもよい。
【0069】
トップレイヤー組成物に含まれた化合物の上記の例に加えて、式Iは、下記の好ましい例を化合物(C)について例示してもよい:
CH−SiC1、CH−Si(OC、CSiC1、CSi(OC
Si(OCH、CSi(OCH、CSi(OC
(CH0)SiCCl、
(CHSiC1、(CHSi(OCH、(CHSi(OC
(CHSi(OH)、(CSiC1、(CSi(OCH
(CSi(OC、(iCSiOH、
CH=CHSi(OOCCH
CH=CHSiC1、CH=CHSi(OCH、CH=CHSi(OC
CH=CHSi(OCOCH、CH=CHCHSi(OCH
CH=CHCHSi(OC,CH=CHCHSi(OOCCH, CH=C(CH)COOCSi(OCH
CH=C(CH)COOCSi(OC
【0070】
SiRタイプ(基Rは同一または異なっていて良く、かつ加水分解性基、好ましくは炭素原子1〜4個を有するアルコキシ基、特にメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシまたはt−ブトキシを示す。)の化合物が特に好ましく使用される。
【0071】
上記のように、これらの化合物(C)(特にシリコン化合物)はまた、C−C二重結合または三重結合を含有する非加水分解性基を有する。そのような化合物がシリコン化合物(A)と共に(またはその代わりにさえ)使用されるならば、モノマー類(好ましくはエポキシドまたはヒドロキシル基を含有する)、例えばメタ(アクリレート)もまた別に組成物へ導入され得る(これらのモノマーはもちろん2以上の同タイプの官能基を有してもよく、例えば有機ポリオールのポリ(メタ)アクリレート;有機ポリエポキシドの使用もまた可能である)。熱的または光化学的による対応する組成物の硬化の場合、有機的に変化した無機マトリックスの構築に加えて、有機種の重合が次いで起こり、その結果として架橋結合密度、並びに対応するコーティングおよび形成した製品の硬度もまた増加する。
【0072】
化合物(C)は好ましくはシリコン化合物(A)1モルに基づいて0.2〜1.2モルの量で耐引掻性レイヤー(SR)用の組成物中で使用される。
【0073】
加水分解性化合物(D)
加水分解性化合物(D)は以下の一般式:
【0074】
【化7】

[式中、MはTi、ZrまたはAlを示し、および基R’’’は同一または異なっていてよく、および加水分解性基を示し、かつnは4(M=Ti、Zr)または3(M=Al)を示す。]
のTi、ZrまたはAlの化合物である。
【0075】
加水分解性基の例はハロゲン(F、Cl、BrおよびI、特にClおよびBr)、アルコキシ(特にC1−6−アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシおよびn−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシまたはt−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ)、アリールオキシ(特にC610−アリールオキシ、例えばフェノキシ)、アクリロキシ(特にC1−4−アクリロキシ、例えばアセトキシおよびプロピオニルオキシ)およびアルキルカルボニル(例えばアセチル)、またはC1−6−アルコキシ−C2−3−アルキル基、すなわちC1−6−アルキルエチレングリコールまたは−プロピレングリコールから誘導された基(その場合アルコキシは前述と同意義である。)が挙げられる。
【0076】
特に好ましくは、MはアルミニウムおよびR’’’はエタノレート、s−ブタノレート、n−プロパノレートまたはn−ブトキシエタノレートである。
【0077】
化合物(D)は好ましくはシリコン化合物(A)1モルに基づいて0.23〜0.68モルの量で耐引掻性レイヤー(SR)用の組成物中で使用される。
【0078】
ルイス塩基(E)はさらに耐引掻性レイヤーコーティング組成物の親水特性をさらに達成させるために触媒として使用され得る。
【0079】
直接的に炭素原子と結合しているフッ素原子5〜30個を有する(この炭素原子は少なくとも2原子のSiによって分離されている)、少なくとも1種の非加水分解性基を有する加水分解性シリコン化合物(F)を、さらに添加的に使用してもよい。そのようなフッ化シランの使用は、対応するコーティングに付加的に付与される疎水性および耐汚水性(soilrepellent)特性をもたらす。
【0080】
耐引掻性レイヤー(SR)のための組成物の調製は、以下にさらに詳細に記載する方法によって行われ得る。その場合、pH2.0〜6.5、好ましくは2.5〜4.0の範囲で有する材料(B)のゾルはその他の成分の混合物と反応される。
【0081】
さらに好ましくは、それらはまた、以下に記載する方法によって調整される;上述のゾルは、(A)と(C)の混合に2つの部分に分けて添加され、その際特定の温度が好ましくは維持され、かつ(D)の添加を(B)の2つの部分の間で、また好ましくは特定の温度で行う。
【0082】
加水分解性シリコン化合物(A)は要すれば化合物(C)と共に酸触媒を用いて水溶液中で(好ましくは室温で)予備加水分解され、加水分解性基1モルにつき水約1/2モルを用いる。塩酸は予備加水分解するための触媒として好ましく使用され得る。
【0083】
粒状材料(B)は好ましくは水中で懸濁され、pHは2.0〜6.5、好ましくは2.5〜4.0に調整される。塩酸は好ましくは酸性化のために使用される。ベーマイトが特に材料(B)として使用されるならば、透明ゾルがそれらの条件下で形成される。
【0084】
化合物(C)は化合物(A)と混合される。上述のように懸濁した、粒状材料(B)の最初の部分が次いで加えられる。量は、そこに含まれる水が化合物(A)と(C)のセミ化学量論的な(semi-stoichiometric)加水分解に十分に好ましくは選択される。それは総量の10〜70重量%、好ましくは20〜50重量%である。
【0085】
この反応は、わずかに発熱的に進行する。最初の発熱反応がおさまった後、温度を約28〜35℃、好ましくは30〜32℃に加熱することによって調節すると、反応が開始し、25℃以上、好ましくは30℃以上、より好ましくは35℃以上での内部温度に達する。材料(B)の最初の部の添加が終了した時、温度がさらに0.5〜3時間、好ましくは1.5〜2.5時間維持され、次いで混合物が約0℃まで冷却される。残りの材料(B)を好ましくは0℃の温度でゆっくり添加する。その後、化合物(D)および要すればルイス塩基(E)はまた好ましくは材料(B)の最初の部の添加の後、約0℃でゆっくり加えられる。温度は次いで約0℃で0.5〜3時間、好ましくは1.5〜2.5時間保ち、その後材料(B)の第2部分を添加する。その後、残存する(B)を約0℃の温度でゆっくり加える。滴状で加えられる溶液は、好ましくは反応器に加える直前に、約10℃まで予め冷却される。
【0086】
約0℃で化合物(B)の第2の部分をゆっくり添加後、冷却を取り除くと、反応混合物の15℃以上の温度への(室温への)ワームアップが、加熱しなくても徐々に起こる。
【0087】
不活性溶媒または溶媒混合物は、耐引掻性レイヤー組成物のレオロジー特性を調節するために、要すれば所望の調製段階で加えられ得る。これらの溶媒は好ましくはトップレイヤー組成物のために既に記載した溶媒である。
【0088】
耐引掻性レイヤー組成物は、トップレイヤー組成物のために既に記載した常套の添加物を含有し得る。
【0089】
耐引掻性レイヤー組成物の塗装および硬化は、好ましくは熱を用いて50〜200℃、好ましくは70〜180℃、および特に110℃〜130℃で表面−乾燥の後に行われる。これらの条件下で、硬化時間は120分以下、好ましくは90分以下、特に好ましくは60分以下である。
【0090】
硬化した耐引掻性レイヤー(SR)の膜厚は、0.5〜30μm、好ましくは1〜20μmおよび特に2〜10μmでなくてはならない。
【0091】
したがって本発明はまた、
(a)基材(S)
(b)要すればプライマーレイヤー
(c)上述の耐引掻性レイヤー(SR)、および
(d)本発明による方法によって調製した組成物から形成したトップレイヤー(T)
を含有するレイヤーシステムを提供する。
【0092】
所望の材料が、基材(S)として、特にトップレイヤー(T)のための基材として上述した材料が基材(S)として可能である。基材(S)は好ましくは、特にポリカーボネートに基づいたプラスチックの成形品、シートおよびフィルムである。
【0093】
本発明によるレイヤーシステムは少なくとも以下の段階を含む方法によって調製され得る:
(a)耐引掻性レイヤーコーティング組成物の基材(S)への塗装およびまだ反応性である基が存在するような条件下でのコーティング組成物の部分的硬化または重合段階。
(b)本発明によるトップレイヤーコーティング組成物の、この方法で調製した不完全硬化または重合した耐引掻性レイヤー(SR)への塗装およびそれを硬化してトップレイヤー(T)の形成段階。
【0094】
レイヤーシステムの調製において、耐引掻性レイヤー(SR)が塗装の後に>110℃、特に110〜130℃の温度で乾燥されるならば、特に有利であることが解った。レイヤーシステムの優れた耐摩耗性は、この方法によって達成され得る。
【0095】
耐引掻性レイヤーコーティング組成物が流動性制御剤0.03〜1重量%の量で含有するならば、さらに有利である。
【0096】
トップレイヤーコーティング組成物が相対湿度50〜75%、特に55〜70%で塗装されるならば、特に有利であることがさらに解った。
【0097】
最後に、硬化した耐引掻性レイヤー(SR)がトップレイヤーコーティング組成物の塗装の前に活性化されるならば、有利であることが解った。可能な活性化方法は、好ましくはコロナ処理、フレーミング、プラズマ処理または化学的エッチングである。フレーミングおよびコロナ処理が特に好適である。有利な特性については実施例を参照する。
【0098】
本発明を実施例によって、以下にさらに説明する。
【実施例】
【0099】
耐引掻性レイヤー(SR)用コーティング組成物の調製
【0100】
実施例1
n−ブトキシエタノール354.5g(3.0モル)を、撹拌しながらアルミニウムトリ−s−ブタノレート246.3g(1.0モル)に滴下し、その間に温度が約45℃まで上昇した。冷却後、アルミネート溶液を密閉コンテナで貯蔵しなければならない。
【0101】
0.1N塩酸1.239gを最初に反応器へ導入した。撹拌下にBoehmit Dispersal Sol P3(登録商標)123.9g(1.92モル)を加えた。混合物を次いで室温で1時間撹拌した。その溶液をディープフィルタでろ過して固体不純物を分離した。
【0102】
GPTS(γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)787.8g(3.33モル)およびTEOS(テトラエトキシシラン)608.3g(2.92モル)を混合し、10分間撹拌した。ベーマイトゾル214.6gを、約2分にわたってこの混合物に加えた。添加2,3分後、ゾルを約28〜30℃まで加熱し、また約20分後にクリヤーになった。混合物は次いで35℃で約2時間撹拌し、さらに約0℃まで冷却した。
【0103】
Al(OEtOBu)1.0モルを含有する、前述のように調製したs−ブタノール中のAl(OEtOBu)溶液600.8gを、次いで0℃±2℃で加えた。添加が終わると、混合物を約0℃でさらに2時間撹拌し、残りのベーマイトゾルを次いで0℃±2℃で加えた。次いで、得られた反応混合物の非加熱で室温への温度上昇が、約3時間にわたって起こった。Byk 306(登録商標)は流動性制御剤として加えた。混合物をろ過し、得られた塗料を+4℃で貯蔵した。
【0104】
実施例2
コーティング組成物の調製
GPTSおよびTEOSを最初に反応器へ導入し、混合した。シランのセミ化学量論的(semi-stoichiometric)予備加水分解に必要なベーマイト分散体(実施例1と同様に調製した)の量を撹拌下にゆっくり加えた。反応混合物を次いで室温で2時間撹拌した。溶液を次いでサーモスタットを用いて0℃に冷却した。アルミニウムトリブトキシエタノレートを続いて滴下漏斗を用いて滴下した。アルミネートの添加後、混合物を0℃でさらに1時間撹拌した。したがってベーマイト分散体の残りを、サーモスタットで冷却下に加えた。室温で15分間攪拌後、流動性制御剤としてセリウムジオキシド分散体およびBYK 306(登録商標)を加えた。
【0105】
バッチ量:
【0106】
【表1】

【0107】
トップレイヤー(T)用コーティング組成物の調製
実施例3
2−プロパノール130.0g、蒸留水146.6gおよび37%塩酸2.8gの混合物を、2−プロパノール130.0g中のTEOS200.0gとGPTS20.0gとの混合物へ急速に滴下した。発熱反応が起こり、30℃〜40℃へ加熱することによって補助した。反応生成物を次いで室温まで冷却し、1.5時間撹拌した。得られたコーティングゾルを+4℃の冷却条件下で貯蔵した。使用の前に、この濃度を固形分含量1.0重量%になるまでイソプロパノールで希釈し、流動性制御剤BYK 3471.0重量%(固形分含量に基づく)を加えた。
【0108】
耐引掻性コーティングシステムの調製
試験片は、得られたコーティング組成物を用いて以下のように得られた:
ビスフェノールAに基づいたポリカーボネートのシート(Tg=147℃、M=27,500)(寸法105×150×4mm)をイソプロパノールで洗浄し、次いで特許出願PCT/EP01/03809に従ってジアセテートアルコール139.88g中のAraldite PZ 3962の6部およびAraldite PZ 3980の1.32部のプライマー溶液を用いたフローコーティングによって下塗り塗装し、次いで130℃、30分間熱処理した。
【0109】
次いで下塗りしたポリカーボネートシートをベースコートコーティング組成物(実施例1または2)を用いてフローコーティングした。ダストドライ(dust-dry)のための空気乾燥時間は23℃および相対湿度63%で30分であった。ダストドライシートを130℃のオーブン中で30分間加熱し、次いで室温まで冷却した。
【0110】
その後、トップレイヤーコーティング組成物(実施例3)をまたフローコーティングによって塗装した。未乾燥塗膜を23℃および相対湿度63%で30分間空気乾燥させ、そのシートを次いで130℃で120分間加熱した。
【0111】
フレーミング、コロナ処理、プラズマ処理または化学的エッチング等によって硬化耐引掻性レイヤーの表面活性は、トップコートコーティング組成物の接着性および流動性を改良するのに特に好ましいことが解った。
【0112】
塗装パラメーター、例えば使用した温度、時間、湿度、膜厚、塗装方法および流動性制御剤の含量およびタイプは比較のためにさらに変化させた。
【0113】
硬化が行われた後、塗膜シート(coated sheet)を室温で2日間貯蔵し、次いで以下に記載の試験を行った。
【0114】
これらの塗料を用いて得られたコーティングの特性を以下のように決定した:
−クロス−ハッチテスト:EN ISO 2409:1994
−水中で貯蔵後のクロスハッチテスト:65℃、tt=0/0
塗装シートにEN ISO 2409:1994によるクロス−ハッチを施し、65℃の湯浴中で貯蔵した。このテープテストにおいて0〜2の最初の接着性喪失が起こる貯蔵時間(日数)を記録する。
−テーバー磨耗試験:磨耗試験DIN 52 347;(1,000回、CS10F、500g)
評価結果を表1〜9に示す。
【0115】
表1は調製したレイヤーシステムの摩耗特性(テーバー値(taber value))および接着性特性(クロス−ハッチテスト)を示す。この結果は、本発明によって調製したトップレイヤー(T)(実施例4および5)を用いて仕上げ塗装したレイヤーシステムが、トップレイヤー(T)を含んでいないもの(比較例6および7)よりもかなり良好な摩耗および接着性特性を有することを示す。
【0116】
表1
【表2】

【0117】
耐引掻性レイヤーコーティング組成物中で含む流動性制御剤の量の関数として、耐引掻性レイヤー(SR)への塗装でのトップレイヤーコーティング組成物の湿潤性および流動性、並びにそこから得られたレイヤーシステムの摩耗特性(テーバー値)を表2に示す。結果は、耐引掻性レイヤーコーティング組成物が流動性制御剤BYK 306を0.05〜0.2重量%の量で含有する場合に、特に良好な湿潤性および摩耗値が達成されることを示す。
【0118】
表2
【表3】

【0119】
表3は耐引掻性レイヤー(SR)の焼付時間および温度の関数として、レイヤーシステムの摩耗特性(テーバー値)を示す。結果は、110℃よりも大きい焼付温度の値における増加がテーバー値の改良に伴っていることを示す。
【0120】
表3
【表4】

【0121】
表4はトップレイヤー(T)の固形分含量の関数としてレイヤーシステムの摩耗特性(テーバー値)を示す。結果は、特に良好なテーバー値がトップレイヤーにおける固形分含量0.5〜1.5重量%の場合に達成されることを示す。
【0122】
表4
【表5】

【0123】
表5はトップレイヤーコーティング組成物中に含んでいる柔軟剤のタイプおよび量の関数としてレイヤーシステムの摩滅特性(テーバー値)を示す。使用した柔軟剤は:グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)、メチルトリエトキシシラン(MTS)およびジメチルジメトキシシラン(DMDMS)であった。結果は、特に良好なテーバー値がGPTSまたはDMDMS約10重量%の量、またはMTS約20重量%の量を用いて達成され得ることを示す。
【0124】
表5
【表6】

【0125】
トップレイヤーコーティング組成物中に含む流動性制御剤の量の関数として、耐引掻性レイヤー(SR)への塗装でのトップレイヤーコーティング組成物の湿潤性および流動特性、並びにそこから得られたレイヤーシステムの摩耗特性(テーバー値)を表6に示す。結果は、少なくとも0.5重量%、特に1−10重量%の量における流動性制御剤BYK 347またはBYK 306の使用によって、良好な湿潤性および流動特性と同時に優れたテーバー値が達成されることを示す。
【0126】
表6
【表7】

【0127】
表7はトップレイヤーコーティング組成物の耐引掻性レイヤー(SR)への塗装時の相対湿度の関数として、レイヤーシステムの種々の物理的特性を示す。結果は、トップレイヤー(T)の塗装が相対湿度50〜75%、特に55〜70%で行われる場合に、特性の特に良好なプロファイルが得られることを示す。
【0128】
表7
【表8】

【0129】
耐引掻性レイヤー(SR)の表面処理(活性)の関数として、耐引掻性レイヤー(SR)への塗装でのトップレイヤーコーティング組成物の湿潤性および流動特性、並びにそこから得られたレイヤーシステムの摩耗特性(テーバー値)を表8に示す。実施例42および43において耐引掻性レイヤーは実施例2で、130℃、60分間で硬化し、トップレイヤーは実施例3だが、流動性制御剤として0.3%BYK 306を用いる。塗装は23℃および相対湿度40%で行われた。実施例44、45および46において、耐引掻性レイヤーは実施例2で130℃、60分間で硬化し、トップレイヤーは実施例3だが、流動性制御剤として0.3%BYK 306を用いる。塗装は23℃および相対湿度62%で行われた。結果は、湿潤性および摩耗特性がトップレイヤーの塗装の前に耐引掻性レイヤーのコロナ処理またはフレーミングによってかなり改良されることを示す。
【0130】
表8
【表9】

【0131】
トップレイヤーコーティング組成物の貯蔵安定性(ポットライフ)
同時加水分解による実施例3によって調製されたトップレイヤーコーティング組成物の貯蔵安定性(ポットライフ)を、分離加水分解によりDE 19952040A1の実施例2によって調製されたコーティングゾルと比較した。2種のコーティング組成物を用いて調製したレイヤーシステムの摩耗特性(テーバー値)をさらに互いに比較した。耐引掻性レイヤーの調製および塗装は、実施例5によって行った。
【0132】
表9
【表10】

【0133】
結果は、本発明による方法によって調製したトップレイヤーコーティング組成物が、DE 19952040A1によって調製したトップレイヤーコーティング組成物と比較して、かなり改良された貯蔵安定性(ポットライフ)を有することを示す。さらに結果は、本発明の方法によって調整したトップレイヤーコーティング組成物を有するレイヤーシステムが、DE 19952040A1と比較して、改良された摩耗特性(テーバー値)を有することを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)一般式I:
【化1】

[式中、MはSi、Ti、Zr、Sn、Ce、Al、B、VO、InおよびZnから成る群から選択される元素または化合物であり、R’は加水分解性基を示し、かつmは2〜4整数である。]
である1種以上の化合物単独またはそれと
(b)一般式II:
【化2】

[式中、R’およびRは同一または異なる基であり、R’は前述と同意義であり、Rは1種以上のハロゲン基、エポキシド基、グリシジルオキシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリルオキシ基またはシアノ基を有するアルキル基、アルケニル基、アリール基または炭化水素基を示し、かつaおよびbは互いに独立して1〜3の値を示し、aとbの総和は4である。]
である1種以上の化合物と共に、
加水分解性基R’1モルに基づいて少なくとも水0.6モルの存在下で加水分解されることを特徴とする、コーティング組成物の調製方法。
【請求項2】
加水分解が加水分解性基R’1モルに基づいて水0.8〜2.0モルの存在下で行われることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
式IIの化合物が式Iの化合物1モルに基づいて、0.7モル以下、特に0.5モル以下の量で使用されることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
加水分解がpH6.0以下で行われることを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載の方法。
【請求項5】
調製したコーティング組成物の固形分含量が0.2〜20%、特に1〜15重量%であることを特徴とする、請求項1〜4いずれかに記載の方法。
【請求項6】
加水分解が、溶媒として沸点120℃以下を有するアルコールおよび/またはアルコキシ−アルコール、特にイソプロパノール、エタノール、ブタノールおよび/または水の存在下で行われることを特徴とする、請求項1〜5いずれかに記載の方法。
【請求項7】
MがSi、Ti、Zr、SnおよびCeから成る群から選択され、かつm=4であることを特徴とする、請求項1〜6いずれかに記載の方法。
【請求項8】
MがAl、B、VOおよびInから成る群から選択され、かつm=3であることを特徴とする、請求項1〜6いずれかに記載の方法。
【請求項9】
M=Znおよびm=2であることを特徴とする、請求項1〜6いずれかに記載の方法。
【請求項10】
加水分解性基がハロゲン、例えばF、Cl、BrおよびI、C1−4−アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシおよびn−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシまたはt−ブトキシ、C6−10−アリールオキシ、例えばフェノキシ、C1−4−アクリロキシ、例えばアセトキシおよびプロピオニルオキシ、およびアルキルカルボニル、例えばアセチルから成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜9いずれかに記載の方法。
【請求項11】
テトラアルコキシシラン、特にテトラエトキシシラン(TEOS)が式Iの化合物として使用されることを特徴とする、請求項1〜10いずれかに記載の方法。
【請求項12】
グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)、メチルトリエトキシシラン(MTS)またはメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)が式IIの化合物として使用されることを特徴とする、請求項1〜11いずれかに記載の方法。
【請求項13】
加水分解が終了したときに、特に流動性制御剤、染料、安定剤および無機フィラーからなる群から選択される少なくとも1種の添加物が添加され、および/または水および加水分解生成物がアルコールおよび/またはアルコキシ−アルコールを用いて希釈してコーティング組成物中の濃度0.2〜10重量%、特に0.5〜5重量%にされることを特徴とする、請求項1〜12いずれかに記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜13いずれかに記載の方法によって得られ得るコーティング組成物。
【請求項15】
固形分含量の0.1〜100重量%の量で流動性制御剤を含有する、請求項14記載のコーティング組成物。
【請求項16】
(a)基材(S)、
(b)非加水分解性置換基上にエポキシド基を含有する、少なくとも1種のシランに基づいたゾル−ゲル法によって調製された重縮合物、および要すれば粒子、並びにルイス塩基およびチタン、ジルコニウムまたはアルミニウムのアルコレートから選択された硬化触媒を含有するコーティング組成物の硬化によって得られ得る耐引掻性レイヤー(SR)および
(c)請求項14または15記載のコーティング組成物の硬化によって得られ得るトップレイヤー(T)
を含有するレイヤーシステム(layer systems)。
【請求項17】
基材(S)が、特にポリカーボネートに基づいたプラスチックを含有することを特徴とする、請求項16記載のレイヤーシステム。
【請求項18】
耐引掻性レイヤー(SR)が厚さ0.5〜30μmを有することを特徴とする、請求項16または17記載のレイヤーシステム。
【請求項19】
トップレイヤー(T)が厚さ0.1〜3.0μmを有することを特徴とする、請求項16〜18いずれかに記載のレイヤーシステム。
【請求項20】
プライマーレイヤー(P)がさらなるレイヤーとして提供されることを特徴とする、請求項16〜19いずれかに記載のレイヤーシステム。
【請求項21】
以下の段階:
(a)耐引掻性レイヤーコーティング組成物の基材(S)への塗装およびまだ反応性である基が存在するような条件下でこのコーティング組成物の部分的硬化または重合段階、
(b)この方法で調製した、(不完全硬化または重合化)耐引掻性レイヤー(SR)への請求項14または15に記載のトップレイヤーコーティング組成物の塗装およびそれを硬化してトップレイヤー(T)の形成段階、
を特徴とする、請求項16〜20いずれかに記載のレイヤーシステムの調製方法。
【請求項22】
耐引掻性レイヤー(SR)が、塗装の後に>110℃、特に110〜130℃の温度で乾燥されることを特徴とする、請求項21記載の方法。
【請求項23】
耐引掻性レイヤーコーティング組成物が流動性制御剤を0.03〜1.0重量%、特に0.05〜0.5重量%の量で含有することを特徴とする、請求項21または22記載の方法。
【請求項24】
トップレイヤーコーティング組成物が相対湿度50〜75%、特に55〜70%で塗装されることを特徴とする、請求項21〜23いずれかに記載の方法。
【請求項25】
硬化した耐引掻性レイヤー(SR)が、トップレイヤーコーティング組成物の塗装の前に好ましくはコロナ処理またはフレーミングによって活性化されることを特徴とする、請求項21〜24いずれかに記載の方法。
【請求項26】
プライマーレイヤー(P)が基材(S)へ塗装されることを特徴とする、請求項21〜25いずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2006−501341(P2006−501341A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540727(P2004−540727)
【出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010756
【国際公開番号】WO2004/031090
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】