説明

サイクリン依存性キナーゼインヒビターとしてのピラゾロピリミジン

【課題】CDKに関連する疾患および障害を処置するための、新規な化合物、処方物、処置および治療を提供すること。
【解決手段】その多くの実施形態において、本発明は、サイクリン依存性キナーゼのインヒビターとしてのピラゾロ[1,5−a]ピリミジン化合物の新規クラス、このような化合物の調製方法、1種以上のこのような化合物を含有する薬学的組成物、1種以上のこのような化合物を含有する薬学的処方物の調製方法、および、このような化合物または薬学的組成物を使用して、CDKに関連する1種以上の疾患を処置、予防、防止または緩和する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロテインキナーゼインヒビターとして有用なピラゾール[1,5−a]ピ
リミジン化合物、この化合物を含有する薬学的組成物、ならびに、この化合物および組成
物を使用して、疾患(例えば、癌、炎症、喘息、ウイルス疾患、神経変性疾患(例えば、
アルツハイマー病)、心脈管疾患、および真菌疾患)を処置するための処置方法に関する
。本願は、2002年9月4日に出願された、米国仮特許出願番号60/408,182
からの優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、セリン/スレオニンプロテインキナーゼであり、これは、細胞周期および細胞増殖の背後での駆動力である。個々のCDK(CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6およびCDK7、CDK8など)は、細胞周期の進行において別個の役割を果たし、G1期、S期またはG2M期の酵素のいずれかとして分類され得る。制御されていない増殖は、癌細胞の顕著な特徴であり、CDK機能の制御の失敗が、多くの重要な固体腫瘍において高頻度で生じている。CDK2およびCDK4は、特に重要である。なぜならば、これらの活性は、広範種々のヒト癌においてしばしば制御に失敗しているからである。CDK2活性は、細胞周期のG1期からS期への進行に必要とされ、そして、CDK2は、G1チェックポイントの重要な構成要素の1つである。チェックポイントは、細胞周期事象の適切な順序を維持し、細胞が損傷または増殖シグナルに応答することを可能にするように働く一方で、癌細胞における適切なチェックポイント制御の喪失は、腫瘍形成に寄与している。CDK2経路は、腫瘍サプレッサ機能(例えば、p52、RBおよびp27)およびオンコジーン活性化(サイクリンE)のレベルで、腫瘍形成に影響を及ぼす。多くの報告が、CDK2の補活性化因子であるサイクリンEとCDK2のインヒビターであるp27の両方が、それぞれ、乳房、結腸、非小細胞肺、胃、前立腺、膀胱、非ホジキンリンパ腫、卵巣および他の癌において過剰発現されているか、または、過小発現されているかのいずれかであることを示している。これらの変更された発現は、CDK2活性レベルの増加と全体的な生存率が乏しいことと相関しているこが示されている。これらの観察は、CDK2およびその調節経路を、何年もの間の開発標的にさせ、多数のアデノシン5’−トリホスフェート(ATP)競合的な有機低分子ならびにペプチドが、癌の強力な処置のためのCDKインヒビターとして、文献に報告されている。米国特許第6,413,974号、第1欄、第23行〜第15欄、第10行は、種々のCDK、および、それらの、種々の型の癌との関係の良好な説明を提供する。
【0003】
CDKインヒビターは公知である。例えば、フラボピリドール(式I)は、現在ヒトの
臨床治験(A.M.Sanderowiczら、J.Clin.Oncol.(1998
)16,2986−2999)を受けている非選択的なCDKインヒビターである。
【0004】
【化11】


他の公知のCDKインヒビターとしては、例えば、オロマウシン(olomoucin
e)(J.Veselyら、Eur.J.Biochem.,(1994)224,77
1−786)およびロスコビチン(roscovitine)(I.Meijerら、E
ur.J.Biochem.,(1997)243,527−536)が挙げられる。米
国特許第6,107,305号は、CDKインヒビターとして、特定のピラゾール[3,
4−b]ピリジン化合物を記載する。’305特許からの例示的な化合物は、式II:
【0005】
【化12】


を有する。
【0006】
K.S.Kimら、J.Med.Chem.45(2002)3905−3927およ
びWO02/10162は、CDKインヒビターとして特定のアミノチアゾール化合物を
開示する。
【0007】
ピラゾロピリミジンは公知である。例えば、WO92/18504、WO02/500
79、WO95/35298、WO02/40485、EP94304104.6、EP
0628559(米国特許第5,602,136号、同第5,602,137号および同
第5,571,813号に対応する)、米国特許第6,383,790号,Chem.P
harm.Bull.,(1999)47 928、J.Med.Chem.,(197
7)20,296、J.Med.Chem.,(1976)19 517およびChem
.Pharm.Bull.,(1962)10 620は、種々のピラゾロピリミジンを
開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
CDKに関連する疾患および障害を処置するための、新規な化合物、処方物、処置およ
び治療に対する必要性が存在する。従って、このような疾患および障害の処置または予防
または緩和に有用な化合物を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
その多くの実施形態において、本発明は、サイクリン依存性キナーゼのインヒビターとしての新しいクラスのピラゾール[1,5−a]ピリミジン化合物、このような化合物の調製方法、1種以上のこのような化合物を含む薬学的組成物、1種以上のこのような化合物を含む薬学的組成物の調製方法、ならびに、このような化合物または薬学的処方物を使用する、CDKに関連する1種以上の疾患の処置、予防、防止または緩和の方法を提供する。
【0010】
1つの局面において、本願は、化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは
溶媒和物を開示し、該化合物は、式III
【0011】
【化13】


に示す一般構造を有し、ここで:
Qは、−S(O)NR−、−C(O)NR−および−C(O)OR
からなる群から選択され;
は、R、アルキル、アルキニル、アルキニルアルキル、シクロアルキル、−CF
、−C(O)R、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロ
シクリル、同じであっても異なっていてもよく、後に以下に示すRの表から独立して選
択される1個〜6個のR基で置換されたアルキル、
【0012】
【化14】


からなる群から選択され、ここで、
についての上記の定義における該アリールは、非置換であり得るか、または、同じ
であっても異なっていてもよい1つ以上の部分で必要に応じて置換され得、該部分の各々
は、ハロゲン、CN、−OR、SR、−S(O)R、−S(O)NR
−NR、−C(O)NR、CF、アルキル、アリールおよびOCFから
なる群から独立して選択され;
は、H、ハロゲン、アルキル、アルキニル、−C(O)NR、−C(O)O
、−NR、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールア
ルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールア
ルキル、
【0013】
【化15】

からなる群から選択され、ここで、
についての該アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルの各々、ならびに、構造がRについて直ぐ上に示されているヘテロシクリル部分は、同じであっても異なっていてもよい1つ以上の部分で置換され得るか、または、必要に応じて独立して置換され得、該部分の各々は、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、CF、CN、−OCF、−(CROR、−OR、−NR、−(CRNR、−C(O)R、−C(O)R、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NRからなる群から独立して選択され;
はH、ハロまたはアルキルであり;
はHまたはアルキルであり;
は、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、ここで、該アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルの各々は、非置換であり得るか、または、同じであっても異なっていてもよい1つ以上の部分で置換され得、該部分の各々は、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、CF、OCF、CN、−OR、−NR10、−N(R)Boc、−(CROR、−C(O)R、−C(O)R、−C(O)NR10、−SOH、−SR10、−S(O)R、−S(O)NR10、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NR10からなる群から独立して選択され;
10は、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、該アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルの各々は、非置換であり得るか、または、同じであっても異なっていてもよい1つ以上の部分で必要に応じて置換され得、該部分の各々は、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、CF、OCF、CN、−OR、−NR、−N(R)Boc、−(CROR、−C(O)R、−C(O)NR、−C(O)R、−SOH、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NRからなる群から独立して選択されるか;あるいは
必要に応じて、(i)該部分−NR10中のRおよびR10、または(ii)該部分−NR中のRおよびRが、一緒に結合して、シクロアルキル部分もしくはヘテロシクリル部分を形成し得、該シクロアルキル部分もしくはヘテロシクリル部分の各々は、非置換であるか、または、必要に応じて1つ以上のR基で独立して置換され;
は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびアリールアルキルの各々は、非置換であり得るか、または、同じであっても異なっていてもよい1つ以上の部分で必要に応じて独立して置換され得、該部分の各々は、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、CF、OCF、CN、−OR、−NR10、−CHOR、−C(O)R、−C(O)NR10、−C(O)R、−SR10、−S(O)R10、−S(O)NR10、−N(R)S(O)R10、−N(R)C(O)R10および−N(R)C(O)NR10からなる群から独立して選択され;
は、R、−C(O)NR10、−S(O)NR10、−C(O)Rおよび−S(O)Rからなる群から選択され;
は、ハロゲン、CN、−NR10、−C(O)R、−C(O)NR10、−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR10、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NR10からなる群から選択され;
mは0〜4であり、そして
nは1〜4である。
【0014】
式IIIの化合物は、プロテインキナーゼインヒビターとして有用であり得、そして、
増殖性疾患(例えば、癌、炎症および喘息)の処置および予防に有用であり得る。これら
はまた、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、心脈管疾患、ウイルス疾患および
真菌疾患の処置に有用であり得る。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
1つの実施形態において、本発明は、構造式IIIにより表されるピラゾール[1,5
−a]ピリミジン化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を開示し、こ
こで、種々の部分は、上記の通りである。
【0016】
別の実施形態において、Rは、ハロゲン、CF、CN、低級アルキル、−OR
シクロアルキル、−C(O)OR、−CHOR,、アリールまたはヘテロアリール
である。
【0017】
別の実施形態において、RはH、ハロゲン、低級アルキル、アリール、ヘテロアリー
ル、C(O)OR、シクロアルキル、−NR、ヘテロシクリルアルキル、シクロ
アルキルアルキル、
【0018】
【化16】


であり、ここで、該アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロ
アルキルの各々が、置換されていないか、もしくは、同じであっても異なっていてもよい
1つ以上の部分で必要に応じて別個に置換されており、各部分は、ハロゲン、CF、O
CF、低級アルキル、CNおよびORからなる群から別個に選択される。
【0019】
別の実施形態において、Rは、Hまたは低級アルキルである。
【0020】
別の実施形態において、Rは、Hまたは低級アルキルである。
【0021】
別の実施形態において、mは0〜2である。
【0022】
さらなる実施形態において、Rは、ハロゲン、CF、CN、シクロプロピル、低級アルキル、アリール、CHOR、C(O)ORまたは−ORである。
【0023】
さらなる実施形態において、Rは、H、低級アルキル、シクロアルキル、C(O)OR、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、
【0024】
【化17】

であり、ここで、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびアリール部分の各々は、同じであっても異なっていてもよい1つ以上の部分で必要に応じて独立して置換され、該部分は、ハロゲン、CF、低級アルキル、OMeおよびCNからなる群から独立して選択される
さらなる実施形態において、Rは、
【0025】
【化18】


である。
【0026】
さらなる実施形態において、RはHである。
【0027】
さらなる実施形態において、RはHである。
【0028】
さらなる実施形態において、Rは−CHOHまたは−CHOCHである。
【0029】
さらなる実施形態において、mは0である。
【0030】
さらなる実施形態において、nは1または2である。
【0031】
本発明の化合物の基を表1に示す。
(表1)
【0032】
【化19−1】

【0033】
【化19−2】

【0034】
【化19−3】


上記および本開示全体で使用される場合、他に示されない限り、以下の用語は、以下の
意味を有するものと理解されるべきである:
「患者」としては、ヒトと他の哺乳動物との両方が挙げられる。
【0035】
「哺乳動物」とは、ヒトおよび他の哺乳動物を意味する。
【0036】
「アルキル」とは、直鎖または分枝鎖であり得、そして鎖中に約1〜約20個の炭素原
子を含む、脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約12個
の炭素原子を含む。より好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約6個の炭素原子を含む。
分枝鎖とは、1つ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、またはプロピル)が
、直鎖アルキル鎖に結合したものを意味する。「低級アルキル」とは、鎖中に約1〜約6
個の炭素原子を有する基を意味し、これは、直鎖であっても分枝鎖であっても良い。用語
「置換アルキル」とは、アルキル基が1つ以上の置換基によって置換され得ることを意味
し、この置換基は、同じであっても異なっていてもよく、各置換基は、独立して、ハロ、
アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ
、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)、カル
ボキシおよび−C(O)O−アルキルからなる群より選択される。適切なアルキル基の非
限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルが
挙げられる。
【0037】
「アルキニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含み、そして直鎖であっ
ても分枝鎖であってもよく、そして鎖中に約2〜約15個の炭素原子を含む、脂肪族炭化
水素基を意味する。好ましいアルキニル基は、鎖中に約2〜約12個の炭素原子を有する
;そしてより好ましくは、鎖中に約2〜約4個の炭素原子を有する。分枝鎖とは、1つ以
上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、またはプロピル)が、直鎖アルキニル鎖
に結合していることを意味する。「低級アルキニル」とは、鎖中の約2〜約6個の炭素原
子を意味し、この鎖は、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。適切なアルキニル基の非
限定的な例としては、エチニル、プロピニルおよび2−ブチニルおよび3−メチルブチニ
ルが挙げられる。用語「置換アルキニル」とは、アルキニル基が1つ以上の置換基によっ
て置換され得ることを意味し、この置換基は、同じであっても異なっていてもよく、各置
換基は、独立して、アルキル、アリール、およびシクロアルキルからなる群より選択され
る。
【0038】
「アリール」とは、約6〜約14個の炭素原子、好ましくは、約6〜約10個の炭素原
子を含む、芳香族の単環式または多環式の環系を意味する。アリール基は、1つ以上の「
環系置換基」で必要に応じて置換され得、この環系置換基は、同じであっても異なってい
てもよく、本明細書中に定義される通りである。適切なアリール基の非限定的な例として
は、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0039】
「ヘテロアリール」とは、約5〜約14個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原
子を含む、芳香族の単環式または多環式の環系を意味し、ここで、これらの環原子のうち
の1つ以上は、単独でかまたは組み合わせで、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素また
は硫黄)である。好ましいヘテロアリールは、約5〜約6個の環原子を含む。「ヘテロア
リール」は、必要に応じて、「環系置換基」によって置換され得、この環系置換基は、同
じであっても異なっていてもよく、本明細書中で記載される通りである。ヘテロアリール
の根名の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、それぞれ少なくとも1つの窒素原子、酸
素原子または硫黄原子が、環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールの窒素
原子は、必要に応じて、対応するN−オキシドに酸化され得る。適切なヘテロアリールの
非限定的な例としては、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、イ
ソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、フラザニル、ピロリル、
ピラゾリル、チアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キ
ノキサリニル、フタラジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−
b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル
、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノ
ピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリ
ル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。
【0040】
「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、アリールおよびアルキルが先に定義
された通りである、アリール−アルキル−基を意味する。好ましいアラルキルは、低級ア
ルキル基を含む。適切なアラルキル基の非限定的な例としては、ベンジル、2−フェネチ
ルおよびナフタレニルメチル(naphthlenylmethyl)が挙げられる。親
部分への結合は、アルキルを介してである。
【0041】
「アルキルアリール」とは、アルキルおよびアリールが先に定義された通りである、ア
ルキル−アリール−基を意味する。好ましいアルキルアリールは、低級アルキル基を含む
。適切なアルキルアリール基の非限定的な例は、トリルである。親部分への結合は、アリ
ールを介してである。
【0042】
「シクロアルキル」とは、約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭
素原子を含む、非芳香族の、単環式または多環式の環系を意味する。好ましいシクロアル
キル環は、約5〜約7個の環原子を含む。シクロアルキルは、1つ以上の「環系置換基」
で置換され得、これらの環系置換基は、同一であっても異なっていてもよく、上で定義し
た通りである。適切な単環式シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、
シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適切な多環式シク
ロアルキルの非限定的な例としては、1−デカリニル、ノルボルニル、アダマンチルなど
が挙げられる。
【0043】
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。好ましいものは、フッ素、塩素または臭素である。
【0044】
「環系置換基」とは、例えば、環系上の利用可能な水素を置換する、芳香族環系または非芳香族環系に結合した置換基を意味する。環系置換基は、同じであっても異なっていてもよく、各々は、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、アルキルへテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、YN−、YN−アルキル−、YNC(O)−およびYNSO−からなる群から独立して選択され、ここで、YおよびYは、同じであっても異なっていてもよく、そして水素、アルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から独立して選択される。
【0045】
「ヘテロシクリル」は、約3〜約10個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含む、非芳香族の飽和単環式環系または飽和多環式環系を意味し、ここで、この環系中の1つ以上の原子が、単独でかまたは組み合わせて、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素または硫黄)である。この環系中には、隣接する酸素原子および/または硫黄原子は存在しない。好ましいヘテロシクリルは、約5〜約6個の環原子を含む。ヘテロシクリルの根名の前の接頭辞である、アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも1つの窒素原子、酸素原子または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロシクリル環中のあらゆる−NHは、例えば、−N(Boc)基、−N(CBz)基、−N(Tos)基などのように保護されて存在し得;このような保護された部分はまた、本発明の一部とみなされる。ヘテロシクリルは、必要に応じて、同じであっても異なっていてもよく、本明細書中で定義された通りの「環系置換基」で置換され得る。このヘテロシクリルの窒素原子または硫黄原子は、必要に応じて、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドへと酸化され得る。適切な単環式へテロシクリル環の非限定的な例としては、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホニル、チアゾリジニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニルなどが挙げられる。
【0046】
本発明のヘテロ原子含有環系において、N、OまたはSに隣接する炭素原子上にはヒド
ロキシル基は存在せず、ならびに、別のヘテロ原子に隣接する炭素原子上にはN基もS基
も存在しないことに注意すべきである。従って、例えば、環
【0047】
【化20】


において、2および5の印のついた炭素に直接結合する−OHは存在しない。
【0048】
「アルキニルアルキル」は、アルキニルおよびアルキルが、先に定義された通りである
、アルキニル−アルキル基を意味する。好ましいアルキニルアルキルは、低級アルキニル
基および低級アルキル基を含む。親部分への結合は、アルキルを介してである。適切なア
ルキニルアルキル基の非限定的な例としては、プロパルギルメチルが挙げられる。
【0049】
「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリール−アルキル−基を意味し、ここで、ヘテロアリールおよびアルキルは、上記の通りである。好ましいヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の非限定的な例としては、ピリジルメチル、およびキノリン−3−イルメチルが挙げられる。親部分に対する結合は、アルキルを介してである。
【0050】
「ヒドロキシアルキル」は、HO−アルキル−基を意味し、ここで、アルキルは、上記
の通りである。好ましいヒドロキシアルキルは、低級アルキルを含む。適切なヒドロキシ
アルキル基の非限定的な例としては、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが挙
げられる。
【0051】
「アシル」は、H−C(O)−基、アルキル−C(O)−基、またはシクロアルキル−C(O)−基を意味し、ここで、種々の基は、上記の通りである。親部分に対する結合は、カルボニルを介する。好ましいアシルは、低級アルキルを含む。適切なアシル基の非限定的な例としては、ホルミル、アセチルおよびプロパノイルが挙げられる。
【0052】
「アロイル」は、アリール−C(O)−基を意味し、ここで、アリール基は、上記の通
りである。親部分に対する結合は、カルボニルを介する。適切な基の非限定的な例として
は、ベンゾイルならびに1−ナフトイルおよび2−ナフトイルが挙げられる。
【0053】
「アルコキシ」は、アルキル−O−基を意味し、ここで、アルキル基は、上記の通りである。適切なアルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびn−ブトキシが挙げられる。親部分に対する結合は、エーテル酸素を介する。
【0054】
「アリールオキシ」は、アリール−O−基を意味し、ここで、アリール基は、上記の通
りである。適切なアリールオキシ基の非限定的な例としては、フェノキシおよびナフトキ
シが挙げられる。親部分に対する結合は、エーテル酸素を介してである。
【0055】
「アラルキルオキシ」は、アラルキル基が、先に定義された通りである、アラルキル−
O−基を意味する。適切なアラルキルオキシ基の非限定的な例としては、ベンジルオキシ
および1−ナフタレンメトキシもしくは2−ナフタレンメトキシが挙げられる。親部分へ
の結合は、エーテル酸素を介してである。
【0056】
「アルキルチオ」は、アルキル−S−基を意味し、ここで、アルキル基は、上記の通りである。適切なアルキルチオ基の非限定的な例としては、メチルチオおよびエチルチオが挙げられる。親部分に対する結合は、硫黄を介してである。
【0057】
「アリールチオ」は、アリール−S−基を意味し、ここで、アリール基は上記の通りで
ある。適切なアリールチオ基の非限定的な例としては、フェニルチオおよびナフチルチオ
が挙げられる。親部分に対する結合は、硫黄を介してである。
【0058】
「アラルキルチオ」は、アラルキル−S−基を意味し、ここで、アラルキル基は、上記
の通りである。適切なアラルキルチオ基の非限定的な例は、ベンジルチオである。親部分
に対する結合は、硫黄を介してである。
【0059】
「アルコキシカルボニル」は、アルキル−O−CO−基を意味する。適切なアルコキシ
カルボニル基の非限定的な例としては、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが
挙げられる。親部分に対する結合は、カルボニルを介してである。
【0060】
「アリールオキシカルボニル」は、アリール−O−C(O)−基を意味する。適切なア
リールオキシカルボニル基の非限定的な例としては、フェノキシカルボニルおよびナフト
キシカルボニルが挙げられる。親部分に対する結合は、カルボニルを介してである。
【0061】
「アラルコキシカルボニル」は、アラルキル−O−C(O)−基を意味する。適切なア
ラルコキシカルボニル基の非限定的な例は、ベンジルオキシカルボニルである。親部分に
対する結合は、カルボニルを介してである。
【0062】
「アルキルスルホニル」は、アルキル−S(O)−基を意味する。アルキル基が低級
アルキルである基が好ましい。親部分に対する結合は、スルホニルを介してである。
【0063】
「アリールスルホニル」は、アリール−S(O)−基を意味する。親部分に対する結
合は、スルホニルを介してである。
【0064】
用語「置換される」は、指定された元素上の1つ以上の水素が、指示された基から選択
されたもので置き換えられていることを意味するが、既存の状況下での指定された元素の
通常の原子価は超えず、置換により安定な化合物を生じる。置換基および/または可変基
の組合せは、このような組合せが安定な化合物を生じる場合にのみ許容される。「安定な
化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な程度の純度までの単離、お
よび、有効な治療剤への処方に耐える程度に十分頑強である化合物を意味する。
【0065】
用語「必要に応じて置換された」は、特定の基、ラジカルまたは部分での任意の置換を
意味する。
【0066】
本明細書中に文、スキーム、実施例および表において、不飽和価を有するあらゆるヘテ
ロ原子が、その原子価を満たすように水素原子を有するものとみなされることがまた、注
意されるべきである。
【0067】
化合物中の官能基が「保護される」と称される場合、これは、この基が、修飾された形態にあって、化合物が反応に供される場合に、保護された部位において所望でない反応を防止することを意味する。適切な保護基は、当業者によって、ならびに、例えば、T.W.Greeneら、Protective Groups in organic Synthesis(1991),Wiley,New Yorkのような標準的な教科書を参照して認識される。
【0068】
任意の可変基(例えば、アリール、複素環、Rなど)が、任意の構成または式III
中に1回以上生じる場合、各存在におけるその定義は、他の存在毎にその定義が独立して
いる。
【0069】
本明細書中で使用する場合、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物、
ならびに特定の量での特定の成分の組成物から直接的もしくは間接的に生じる任意の生成
物を包含することが意図される。
【0070】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もまた、本明細書中で企図される。用語
「プロドラッグ」は、本明細書中で使用する場合、被験体に投与される際に代謝プロセス
または化学プロセスによる化学的転換を経て、式IIIの化合物またはその塩および/も
しくは溶媒和物を生じる薬物前駆体である化合物を示す。プロドラッグの議論は、T.H
iguchiおよびV.Stella,Pro−drugs as Novel Del
ivery Systems(1987)Volume 14 of the A.C.
S.Symposium Series、およびBioreversible Carr
iers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche
,編,American Pharmaceutical Association a
nd Pergamon Pressに提供され、これらは共に、参考として本明細書中
で援用される。
【0071】
「溶媒和物」は、本発明の化合物の、1つ以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。
この物理的会合は、種々の程度のイオン結合および共有結合(水素結合を含む)を含む。
特定の例において、この溶媒和物は、例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶固体の結晶格子
中に取り込まれる場合に、単離され得る。「溶媒和物」は、固相溶媒和物および単離可能
な溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例としては、エタノール和物
(ethanolate)、メタノール和物(methanolate)などが挙げられ
る。「水和物」は、溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0072】
「有効量」または「治療的有効量」は、CDKを阻害し、従って、所望の治療効果、緩
和効果、阻害効果または予防効果を生じるのに有効な、本発明の化合物もしくは組成物の
量を意味する。
【0073】
式IIIの化合物は、これもまた本発明の範囲内にある塩を形成し得る。本明細書中の
式IIIの化合物に対する言及は、他に示さない限り、その塩に対する言及を含むと理解
される。用語「塩」は、本明細書中で使用する場合、無機酸および/または有機酸を用い
て形成された酸性塩、ならびに無機塩基および/または有機塩基を用いて形成された塩基
性塩を示す。さらに、式IIIの化合物が塩基性部分(例えば、ピリジンまたはイミダゾ
ールであるが、これらに限定されない)および酸性部分(例えば、カルボン酸であるが、
これらに限定されない)の両方を含む場合、双性イオン(「内部の塩」)が形成され得、
これは、本明細書中で使用する場合の用語「塩」の範囲に含まれる。薬学的に受容可能な
(すなわち、非毒性の生理学的に受容可能な)塩が好ましいが、他の塩もまた有用である
。式IIIの化合物の塩は、例えば、媒体中(例えば、塩が沈殿する媒体中、または後に
凍結乾燥される水性媒体中)で、式IIIの化合物をある量(例えば、等量)の酸または
塩基と反応させることによって形成され得る。
【0074】
例示的な酸付加塩としては、以下が挙げられる:アセテート、アスコルベート、ベンゾ
エート、ベンゼンスルホネート(benzenesulforiate)、ビスルフェー
ト、ボレエート、ブチレート、シトレート、カンフォレート、カンファスルホネート、フ
マレート、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロヨージド、ラクテート、マレエート
、メタンスルホネート、ナフタレンスルホネート、ニトレート、オキサレート、ホスフェ
ート、プロピオネート、サリチレート、スクシネート、スルフェート、タータレート、チ
オシアネート、トルエンスルホネート(トシレートとしても公知)など。さらに、塩基性
の薬学的化合物からの薬学的に有用な塩の形成に適切であると一般にみなされる酸は、例
えば、以下によって考察される:S.Bergeら、Journal of Pharm
aceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Goul
d,International J.of Pharmaceutics(1986)
33 201−217;Andersonら、The Practice of Med
icinal Chemistry(1996),Academic Press,Ne
w York;およびThe Orange Book(Food & Drug Ad
ministration,Washington,D.C.(ウェブサイト上))。こ
れらの開示は、参考として本明細書中で援用される。
【0075】
例示的な塩基性塩としては、以下が挙げられる:アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基(例えば、有機アミン)との塩(例えば、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミン)、およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リジンなど)との塩。塩基性の窒素含有基は、低級アルキルハライド(例えば、塩化メチル、塩化エチル、塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化ブチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、およびヨウ化ブチル)、ジアルキルスルフェート(例えば、ジメチルスルフェート、ジエチルスルフェートおよびジブチルスルフェート)、長鎖ハライド(例えば、塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ステアリル、ヨウ化デシル、ヨウ化ラウリル、およびヨウ化ステアリル)、アラルキルハライド(例えば、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)などのような薬剤を用いて四級化され得る。
【0076】
全てのこのような酸性塩および塩基性塩は、本発明の範囲内である薬学的に受容可能な
塩であることが意図され、そして全ての酸性塩および塩基性塩は、本発明の目的のために
、対応する化合物の遊離形態と等価であるとみなされる。
【0077】
式IIIの化合物ならびにその塩、溶媒和物およびプロドラッグは、その互変異性体形
態で(例えば、アミドまたはイミノエーテルとして)存在し得る。全てのこのような互変
異性体形態は、本発明の一部として本明細書中で企図される。
【0078】
本発明の化合物(この化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグ、ならびにこのプロド
ラッグの塩および溶媒和物を含む)の全ての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性
体など)(例えば、種々の置換基上の不斉炭素に起因して存在し得るもの(エナンチオマ
ー形態(これは、不斉炭素の非存在下でさえ存在し得る)、回転異性体形態、アトロプ異
性体およびジアステレオマー形態を含む))は、本発明の範囲内であると企図され、位置
異性体(例えば、4−ピリジルおよび3−ピリジル)である。本発明の化合物の個々の立
体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含まないかもしれないか、または例えば、ラ
セミ化合物として混合され得るか、あるいは他の全ての立体異性体または他の選択された
立体異性体と、混合され得る。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Reco
mmendationsによって規定されるような、S配置またはR配置を有し得る。用
語「塩」、「溶媒和物」、「プロドラッグ」などの使用は、本発明の化合物のエナンチオ
マー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ラセミ化合物またはプロドラッグの塩、溶
媒和物およびプロドラッグに対して等しく適用されることが意図される。
【0079】
本発明に従う化合物は、薬理学的特性を有する;特に、式IIIの化合物は、サイクリ
ン依存性キナーゼ(CDK)(例えば、CDC2(CDK1)、CDK2、CDK4、C
DK5、CDK6、CDK7およびCDK8)のようなプロテインキナーゼのインヒビタ
ーであり得る。式IIIの新規化合物は、増殖性疾患(例えば、癌)、自己免疫疾患、ウ
イルス疾患、真菌疾患、神経性疾患/神経変性疾患、喘息、炎症、抗増殖(例えば、眼の
網膜症)、神経細胞、脱毛症および心脈管疾患の治療に有用であると期待される。これら
の疾患および障害の多くは、前に引用した米国特許第6,413,974号に列挙され、
この開示は、本明細書中に援用される。
【0080】
より具体的には、式IIIの化合物は、以下が挙げられる(がこれらに限定されない)種々の癌の処置に有用であり得る:癌腫(膀胱、乳房、直腸、腎臓、肝臓、肺(小細胞肺癌を含む)、食道、胆嚢、卵巣、膵臓、胃、頚部、甲状腺、前立腺および皮膚(扁平上皮細胞癌を含む)の癌を含む);リンパ系統の造血性腫瘍(白血病、急性リンパ急性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、毛様細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫を含む);骨髄系統の造血性腫瘍(急性および慢性の骨髄性白血病、脊髄形成異常症候群、または(ro)骨髄急性白血病を含む);間葉系起源の腫瘍(線維肉腫および横紋筋肉腫を含む);中枢神経系および末梢神経系の腫瘍(星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫およびシュワン細胞腫を含む);ならびに他の腫瘍(メラノーマ、セミノーマ、テトラカルシノーマ、骨肉腫、ゼノドローマ色素(xenoderoma pigmentosum)、角化細胞腫(keratoctanthoma)、甲状腺濾胞癌およびカポジ肉腫を含む)。
【0081】
一般に、細胞増殖の調節におけるCDKの重要な役割に起因して、インヒビターは、異
常な細胞増殖を特徴とする任意の疾患プロセス(例えば、良性前立腺肥大、家族性大腸線
腫症、神経−線維腫症、アテローム性動脈硬化症、肺線維症、関節炎、乾癬、子宮体腎炎
、血管形成術または脈管手術後の再狭窄、肥大性瘢痕形成、炎症性腸疾患、移植拒絶、内
毒素性ショックおよび真菌感染)の処置に有用であり得る、可逆的な抗悪性腫瘍薬剤とし
て機能し得る。
【0082】
式IIIの化合物はまた、CDK5が、タウタンパク質のリン酸化に関与するという最
近の知見(J.Biochem,(1995)117,741−749)により示唆され
るように、アルツハイマー病の処置に有用であり得る。
【0083】
式IIIの化合物は、アポトーシスを誘導または阻害し得る。アポトーシス応答は、種々のヒト疾患において異常である。式IIIの化合物は、アポトーシスのモジュレーターとして、癌(本明細書中で上述した型が挙げられるがこれらに限定されない)、ウイルス感染(ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、Epstein−Barrウイルス、シンドビスウイルスおよびアデノウイルスが挙げられるがこれらに限定されない)、HIV感染者におけるAIDS発症の予防、自己免疫疾患(全身性狼蒼、エリテマトーデス、自己免疫媒介性子宮体腎炎、リウマチ性関節炎、乾癬、炎症性腸疾患、および自己免疫性糖尿病が挙げられるがこれらに限定されない)、神経変性障害(アルツハイマー病、AIDS関連痴呆、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、網膜色素変性症、脊髄筋萎縮症および小脳変性が挙げられるがこれらに限定されない)、脊髄形成異常症候群、形成性貧血、心脈管梗塞、発作、再灌流障害に関連する虚血性損傷、不整脈、アテローム性動脈硬化症、毒素誘導性またはアルコール関連の肝臓疾患、造血性疾患(慢性貧血および形成性貧血が挙げられるがこれらに限定されない)、筋骨格系の変性疾患(骨粗鬆症および関節炎が挙げられるがこれらに限定されない)、アスピリン感受性鼻副鼻腔炎(rhinosinusitis)、嚢胞性線維症、多発性硬化症、腎臓疾患および癌疼痛の処置に有用である。
【0084】
式IIIの化合物は、CDKのインヒビターとして、細胞のRNAおよびDNA合成の
レベルを調節し得る。従って、これらの薬剤は、ウイルス感染(HIV、ヒトパピローマ
ウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、Epstein−Barrウイルス、
シンドビスウイルスおよびアデノウイルスが挙げられるがこれらに限定されない)の処置
に有用である。
【0085】
式IIIの化合物はまた、癌の化学療法に有用であり得る。化学的予防は、転移現象の
開始をブロックするか、または、すでに損傷に冒されている前悪性細胞の増殖をブロック
するか、または、腫瘍再発を阻害するかのいずれかによって、侵襲性の癌の発症を阻害す
るものとして定義される。
【0086】
式IIIの化合物はまた、腫瘍の血管形成および転移を阻害することにおいて有用であ
り得る。
【0087】
式IIIの化合物はまた、他のプロテインキナーゼ(例えば、プロテインキナーゼC、
her2、raf1、MEK1、MAPキナーゼ、EGFレセプター、PDGFレセプタ
ー、IGFレセプター、P13キナーゼ、wee1キナーゼ、Src、Abl)のインヒ
ビターとしても機能し得、従って、他のプロテインキナーゼに関連する疾患の処置に有効
であり得る。
【0088】
本発明の別の局面は、哺乳動物に、少なくとも1種の式IIIの化合物、または、該化
合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の治療有効量を投与することによって、C
DKに関連する疾患または状態を有する哺乳動物(例えば、ヒト)を処置する方法である

【0089】
好ましい投薬量は、1日あたり、体重1kgあたり、約0.001mg〜500mgの
式IIIの化合物である。特に好ましい投薬量は、1日あたり、体重1kgあたり約0.
01mg〜25mgの式IIIの化合物、または、該化合物の薬学的に受容可能な塩もし
くは溶媒和物である。
【0090】
本発明の化合物はまた、1種以上の放射線療法のような抗癌処置、および/または、1
種以上の抗癌剤と組み合せて(一緒に、または、続けて投与される)有用であり得、該抗
癌剤は、以下からなる群から選択される:抗悪性腫瘍薬剤、細胞毒性薬剤(例えば、DN
A相互作用剤(例えば、シスプラチンまたはドキソルビシン)が挙げられるがこれらに限
定されない);タキサン(例えば、タキソテール、タキソール);トポイソメラーゼII
インヒビター(例えば、エトポシド);トポイソメラーゼIインヒビター(例えば、イリ
ノテカン(すなわちCPT−11)、カンプトスターまたはトポテカン);微小管相互作
用剤(例えば、パクリタキセル、ドセタキセルまたはエポシロン);ホルモン剤(例えば
、タモキシフェン);チミジル酸合成インヒビター(thymidilate synt
hase inhibitor)(例えば、5−フルオロウラシル);代謝拮抗剤(例え
ば、メトトレキセート);アルキル化剤(例えば、テモゾロミド(Schering−P
lough Coporation,Kenilworth,New Jersey製の
TEMODARTM)、シクロホスファミド);ファネシルタンパク質トランスフェラー
ゼインヒビター(例えば、SARASARTM(4−[2−[4−[(11R)−3,1
0−ジブロモ−8−クロロ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ
[1,2−b]ピリジン−11−イル−]−1−ピペリジニル]−2−オキソエチル]−
1−ピペリジンカルボキサミド、またはSchering−Plough Corpor
ation,Kenilworth,New Jersey製のSCH 66336)、
チピファルニブ(Janssen Pharmaceutical製のZarnestr
asまたはR115777)、L778,123(Merck & Company,W
hitehouse Station,New Jersey製のファネシルタンパク質
トランスフェラーゼインヒビター)、BMS 214662(Bristol−Myer
s Squibb Pharmaceuticals,Princeton,New J
ersey製のファネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビター);シグナル伝達
系インヒビター(例えば、Iressa(Astra Zeneca Pharmace
uticals,England製)、Tarceva(EGFRキナーゼインヒビター
)、EGFRに対する抗体(例えば、C225)、GLEEVECTM(Novarti
s Pharmaceuticals,East Hanover,New Jerse
y製のC−ablキナーゼインヒビター);インターフェロン(例えば、イントロン(S
chering−Plough Corporation製)、Peg−イントロン(S
chering−Plough Corporation製));ホルモン併用療法;ア
ロマターゼとの併用;ara−C、アドリアマイシン、シトキサンおよびゲムシタビン。
【0091】
他の抗癌(抗新生物としても公知)剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリメチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、フルオキシウリジン、シタラビン、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、リン酸フルダラビン、オキサリプラチン、ロイコビリン、オキサリプラチン(Sanofi−Synthelabo
Pharmaeuticals、France製のELOXATINTM)、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン−C、L−アスパラギナーゼ、テニポシド17α−エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、シスプラチン、カルボプラチン、ヒドロキシウレア、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミゾール、ナベルベン、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキサフィン、ドロロキサフィンまたはヘキサメチルメラミン。
【0092】
固定用量として処方される場合、このような組合せ生成物は、本明細書中に記載される
投薬量範囲内の本発明の化合物、および、その投薬範囲内の他の薬学的に活性な薬剤また
は処置を使用する。例えば、CDC2インヒビターであるオロムシン(olomucin
e)は、アポトーシスの誘導において、公知の細胞傷害性薬剤と同時に作用することが見
出されている(J.Cell Sci.,(1995)108,2897)。式IIIの
化合物はまた、組合せ処方が不適切である場合、公知の抗癌剤または細胞傷害性薬剤と連
続投与され得る。本発明は、投与の順序に限定されない;式IIIの化合物は、公知の抗
癌剤または細胞傷害性薬剤の投与の前後のいずれかに投与され得る。例えば、サイクリン
依存性キナーゼインヒビターであるフラボピリドールの細胞傷害性活性は、抗癌剤の投与
の順序によって影響を受ける。Cancer Research,(1997)57,3
375。このような技術は、当業者ならびに担当医の技術範囲内である。
【0093】
従って、1つの局面において、本発明は、一定量の少なくとも1種の式IIIの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物、および、一定量の1種以上の上記の抗癌処置および抗癌剤を含む組み合わせを包含し、ここで、化合物/処置の量が、所望の治療効果を生じる。
【0094】
本発明の化合物の薬理学的特性は、多数の薬理学アッセイによって確認され得る。後に
記載される、例示的な薬理学的アッセイは、本発明に従う化合物およびその塩を用いて実
施される。
【0095】
本発明はまた、少なくとも1種の式IIIの化合物または該化合物の薬学的に受容可能
な塩もしくは溶媒和物、および、少なくとも1種の薬学的に受容可能なキャリアを含む、
薬学的組成物に関する。
【0096】
本発明により記載された化合物からの薬学的組成物を調製するために、不活性で薬学的
に受容可能なキャリアは、固体または液体のいずれかであり得る。固体形態調製物として
は、粉末、錠剤、分散可能な顆粒、カプセル剤(capsule)、カシェ剤(cach
et)および坐剤が挙げられる。粉末および錠剤は、約5%〜約95%の活性成分から構
成され得る。適切な固体キャリアは当該分野において公知である(例えば、炭酸マグネシ
ウム、ステアリン酸マグネシウム、滑石、糖またはラクトース)。錠剤、粉末、カシェ剤
およびカプセル剤は、経口投与のために適切な固体投薬形態として使用され得る。薬学的
に受容可能なキャリアおよび種々の組成物についての製造方法の例は、A.Gennar
o(編)、The Science and Practice of Pharmac
y、第20版、(2000)、Lippincott Williams & Wilk
ins、Baltimore、MDにおいて見出され得る。
【0097】
液体形態の調製物としては、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。例として、非経
口注射のための水溶液または水−プロピレングリコール溶液、あるいは経口溶液、経口懸
濁液および経口乳濁液のための甘味料および乳白剤の添加が言及され得る。液体形態の調
製物としてはまた、鼻腔内投与のための溶液が挙げられる。
【0098】
吸入用に適切なエアロゾル調製物としては、溶液および粉末形態の固体が挙げられ得、
これらは薬学的に受容可能なキャリア(例えば、不活性な圧縮ガス(例えば、窒素))と
組み合わされ得る。
【0099】
また、使用の直前に、経口投与または非経口投与のいずれかのために液体形態の調製物
への転換が意図される固形調製物も、含まれる。そのような液体形態としては、溶液、懸
濁液および乳濁液が挙げられる。
【0100】
本発明の化合物はまた、経皮送達可能であり得る。その経皮組成物は、クリーム、ロー
ション、エアロゾルおよび/または乳濁液の形態を取り得、そしてこの目的のために当該
分野で慣用的な、マトリックス型またはレザバ型の経皮パッチに含まれ得る。
【0101】
本発明の化合物はまた、皮下送達され得る。
【0102】
好ましくは、その化合物は経口的に投与される。
【0103】
好ましくは、その薬学的調製物は、単回投薬形態である。そのような形態において、そ
の調製物は、適切な量の活性成分(例えば、所望の目的を達成するための有効量)を含有
する適切な大きさの単位用量に細分される。
【0104】
調製物の単位用量における活性成分の量は、特定の用途に従って、約1mg〜約100
mgまで、好ましくは、約1mg〜約50mgまで、より好ましくは約1mg〜約25m
gまで変化され得、または調整され得る。
【0105】
使用される実際の投薬量は、患者の要求および処置される状態の重篤度に依存して変化
され得る。特定の状況のために適切な投薬量レジメンの決定は、当該分野の技術範囲内で
ある。簡便さのために、毎日の総投薬量は分割され得、そして要求に応じてその日間に分
けて投与され得る。
【0106】
本発明の化合物および/またはその薬学的に受容可能な塩の投与量および投与頻度は、
患者の年齢、状態および体格ならびに処置される症状の重篤度などの要因を考慮して、主
治医の判断に従って、調節される。経口投与のために推奨される典型的な毎日の投薬量レ
ジメンは、2回〜4回の分割用量において、約1mg/日〜約500mg/日まで、好ま
しくは1mg/日〜200mg/日までの範囲であり得る。
【0107】
本発明の別の局面は、治療有効量の少なくとも1種の式IIIの化合物、または、該化
合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物、および、薬学的に受容可能なキャリア、
ビヒクル、または希釈物を含むキットである。
【0108】
本発明のなお別の局面は、一定量の少なくとも1種の式IIIの化合物、または、該化
合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物、ならびに、一定量の少なくとも1種の抗
癌療法および/または上に列挙される抗癌剤を含むキットであり、この2つ以上の成分の
量が、所望の治療効果を生じる。
【0109】
本明細書中に開示される本発明は、以下の調製実施例および実施例により例示されるが
、開示の範囲が限定されるものと解釈されるべきでない。代替的な機構的経路および類似
の構造は、当業者に明らかである。
【0110】
NMRデータが提示される場合、Hスペクトルは、Varian VXR−200(
200MHz,H)、Varian Gemini−300(300MHz)またはX
L−400(400MHz)で取得し、挿入的に示されるHertzにおけるプロトンの
数、多重性、およびカップリング定数と共に、MeSiからのppmダウンフィールド
(ppm down field)として報告する。LC/MSデータが提示される場合
、Applied Biosystems API−100分光計およびShimadz
u SCL−10A LCカラム(Altech platinum C18,3ミクロ
ン、33mm×7mm ID;勾配の流れ:0分−10% CHCN、5分−95%
CHCN、7分−95% CHCN、7.5分−10%CHCN、9分−停止を使
用して実施した。保持時間および観察された親イオンを示す。
【0111】
以下の溶媒および試薬は、カッコ内の略語により言及され得る:
薄層クロマトグラフィー:TLC
ジクロロメタン:CHCl
酢酸エチル:AcOEtまたはEtOAc
メタノール:MeOH
トリフロオロアセテート:TFA
トリエチルアミン:EtNまたはTEA
ブトキシカルボニル:n−BocまたはBoc
核磁気共鳴スペクトロスコピー:NMR
液体クロマトグラフィー質量分光分析:LCMS
高分解能質量分光分析:HRMS
ミリリットル:mL
ミリモル:mmol
マイクロリットル:μl
グラム:g
ミリグラム:mg
室温すなわちrt(周囲):約25℃。
【実施例】
【0112】
一般に、本発明において記載される化合物は、以下のスキーム1に記載される一般経路
によって調製され得る。
(スキーム1)
【0113】
【化21】


カリウムt−ブトキシドおよびギ酸エチルを用いて開始ニトリルを処理し、中間エノール
2を生じ、これを、ヒドラジンで処理して、所望の置換3−アミノピラゾールを得る。3
型の化合物と、5型の適切に官能化したケトエステルとの縮合により、スキーム3に示さ
れるようなピリドン6を生じる。この一般経路で使用されるケトエステルは、市販のもの
であっても、スキーム2に例示されるように作製してもよい。
(スキーム2)
【0114】
【化22】


9型の塩化物は、ピリドン8のPOClでの処理により調製され得る。RがHに等
しい場合、この位置での置換は、求電子的ハロゲン化、アシル化、および種々の他の求電
子的芳香族置換によって、9型の化合物について可能である。
【0115】
N7−アミノ官能性の導入は、スキーム3に示されるように、2−プロパノール中のア
ンモニアとの反応による、9型の化合物の塩素の置換によって達成され得る。
(スキーム3)
【0116】
【化23】


次いで、C−7アミノ中間体10を、適切な塩化スルファモイル、塩化カルバモイルま
たはクロロホルメートでアシル化またはスルホニル化して、スキーム4に示されるように
、所望の生成物を生じる。
(スキーム4)
【0117】
【化24】


ここで、6型の化合物においてRがOEtである場合、12型のジクロリドは、スキ
ーム4に概説されるように容易に調製され得る。7−塩化物の選択的な置換によって、1
3型の化合物を生じ、これは、14型の生成物または対応するスルホンイミドに容易に変
換され得る。
(スキーム5)
【0118】
【化25】


(調製実施例)
(調製実施例1)
【0119】
【化26】


(工程A)
【0120】
【化27】


独国特許DE 19834047A1の19頁目の手順に従った。無水THF(40m
L)中のKOtBu(6.17g,0.055mol)の溶液に、無水THF(4mL)
中のシクロプロピルアセトニトリル(2.0g,0.025mol)およびギ酸エチル(
4.07g,0.055mol)の溶液を滴下して添加した。すぐに沈殿が形成した。こ
の混合物を12時間撹拌した。真空下で濃縮し、残留物をEtO(50mL)で撹拌し
た。得られた残留物を、デカントし、EtO(2×50mL)で洗浄し、真空下で残留
物からEtOを除去した。残留物を冷HO(20mL)に溶解し、12N HClを
用いてpHを4〜5に調節した。混合物をCHCl(2×50mL)で抽出した。有
機層を合わせ、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して黄褐色の液体としてアルデヒド
を得た。
(工程B)
【0121】
【化28】


調製実施例1、工程Aからの生成物(2.12g,0.0195mol)、NHNH
O(1.95g,0.039mol)および1.8g(0.029モル)の氷冷C
COH (1.8g,0.029mol)をEtOH(10mL)に溶解した。こ
れを6時間還流し、真空下で濃縮した。残留物をCHCl(150mL)中で撹拌し
、1N NaOHを用いてpHを9に調節した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO
で乾燥させ、真空下で濃縮して、蝋状の橙色固体として生成物を得た。
【0122】
(調製実施例2〜4)
表2の第2列に示すニトリルで置き換える以外は、調製実施例1に示すのと本質的に同じ手順によって、表2の第3列の化合物を調製した:
(表2)
【0123】
【化29】


(調製実施例4)
【0124】
【化30】

(K.O.Olsen,J.Org.Chem.,(1987)52,4531−4536)に概説されるように反応を行なった。こうして、THF中のジイソプロピルアミドリチウムの撹拌溶液に、−65℃〜−70℃にて、新たに蒸留した酢酸エチルを滴下した。得られた溶液を30分間撹拌し、酸塩化物をTHF中の溶液として添加した。反応混合物を−65℃〜−70℃にて30分間撹拌し、次いで、1N HCl溶液を添加することによって反応を終了した。得られた2相の混合物を、大気温度まで温めさせた。得られた混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、有機層を回収した。水層をEtOAc(100mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、そして、真空下で濃縮して、粗製のβ−ケトエステルを得、これをその後の縮合に使用した。
【0125】
(調製実施例5〜10)
表3の第2列に示す酸クロリドで置き換えること以外は、調製実施例4に示すのと本質的に同じ手順によって、表3のβ−ケトエステルを調製した:
(表3)
【0126】
【化31−1】

【0127】
【化31−2】


(調製実施例11)
【0128】
【化32】

THF中の酸溶液に、EtNを添加し、その後、−20℃〜−30℃にてギ酸クロロイソブチルを添加した。この混合物を−20℃〜−30℃にて30分間撹拌した後、塩酸トリエチルアミンをアルゴン下で濾過し、濾液を−65℃〜−70℃にてLDA−EtOAc反応混合物(方法Aに概説するように調製した)に添加した。1N HClを添加した後、反応混合物を慣用的に調製(workup)し、溶媒を蒸発させて、粗製β−ケトエステルを単離した。この粗製物質を引き続く縮合において使用した。
【0129】
(調製実施例12〜13.12)
表4の第2列に示すカルボン酸で置き換える以外は、調製実施例11に示すのと本質的
に同じ条件によって、表4の第3列に示す化合物を調製した:
(表4)
【0130】
【化33】


(調製実施例14)
【0131】
【化34】


AcOH(15mL)中の3−アミノピラゾール(2.0g,24.07mmol)お
よび酢酸ベンゾイルエチル(4.58mL、1.1当量)の溶液を、還流しながら3時間
加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮した。得られた個体をEtOAc
で希釈し、濾過して、白色固体(2.04g,40%収率)を得た。
【0132】
(調製実施例15〜32.15)
表5の第2列に示すアミノピラゾール、および表5の第3列に示すエステルで置き換える以外は、調製実施例14に示すのと本質的に同じ手順によって、表5の第4列に示す化合物を調製した:
(表5)
【0133】
【化35−1】

【0134】
【化35−2】

【0135】
【化35−3】

【0136】
【化35−4】


(調製実施例33)
【0137】
【化36】


AcOH(5.0mL)およびHO(10mL)中のベンゾイル酢酸エチル(1.7
6mL,1.1当量)および3−アミノ−4−シアノピラゾール(1.0g,9.25m
mol)を、還流しながら72時間加熱した。得られた溶液を室温まで冷却し、真空下で
濃縮し、そして、EtOAcで希釈した。得られた沈殿を濾過し、EtOAcで洗浄し、
そして、真空下で乾燥させた(0.47g,21%収率)。
【0138】
(調製実施例33.10)
【0139】
【化37】


米国特許第3,907,799号の手順に従った。ナトリウム(2.3g,2当量)を
EtOH(150mL)に少しずつ添加した。ナトリウムが完全に溶解すると、3−アミ
ノピラゾール(4.2g,0.05mol)およびマロン酸ジエチル(8.7g,1.1
当量)を添加し、得られた溶液を還流まで3時間加熱した。得られた懸濁物を室温まで冷
却して濾過した。フィルターケークをEtOH(100mL)で洗浄し、水(250mL
)に溶解した。得られた溶液を氷浴中で冷却し、濃HClを用いてpHを1〜2に調節し
た。得られた懸濁物を濾過し、水(100mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、白色固
体を得た(4.75g,63%収率)。
【0140】
(調製実施例33.11〜33.12)
表5.1の第2列に示す化合物で置き換える以外は、調製実施例33.10に示すのと
本質的に同じ手順によって、表5.1の第3列に示す化合物を調製する:
(表5.1)
【0141】
【化38】

(調製実施例34)
【0142】
【化39】


POCl3(5mL)およびピリジン(0.25mL)中の、調製実施例14で調製し
た化合物(1.0g,4.73mmol)の溶液を、室温で3日間撹拌した。得られたス
ラリーをEtOで希釈し、濾過し、固体残渣をEtOで洗浄した。合わせたEt
洗浄物を0℃まで冷却し、氷で処理した。激しい反応が止むと、得られた混合物をH
で希釈し、分離し、そして、有機層をEtOで抽出した。合わせた有機物をHOおよ
び飽和NaClで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、淡黄色固体を得
た(0.86g,79%収率)。LCMS:MH=230。
【0143】
(調製実施例35〜53.15)
表6の第2列に示す化合物で置き換える以外は、調製実施例34に示すのと本質的に同
じ手順によって、表6の第3列に示す化合物を調製した:
(表6)
【0144】
【化40−1】

【0145】
【化40−2】

【0146】
【化40−3】

【0147】
【化40−4】


(調製実施例53.16)
【0148】
【化41】


POCl(62mL)を窒素下5℃まで冷却し、ジメチルアニリン(11.4g,2
.8当量)および調製実施例33.10で調製した化合物(4.75g,0.032mo
l)を添加した。反応混合物を60℃まで温め、一晩撹拌した。反応混合物を30℃まで
冷却し、減圧下でPOClを蒸留した。残留物をCHCl(300mL)に溶解し
、氷上に注いだ。15分間撹拌した後、固体NaHCOで混合物のpHを7〜8に調節
した。層を分離し、有機層をHO(3×200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ
、濾過して濃縮した。粗製生成物を溶離液として50:50 CHCl:ヘキサン溶
液を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、ジメチルアニリンを溶離した。
次いで、溶離液を75:25 CHCl:ヘキサンに変えて、所望の生成物を溶離し
た(4.58g,77%収率)。MS:MH=188。
【0149】
(調製実施例53.17〜53.18)
表6.10の第2列の化合物で置き換える以外は、調製実施例53.16に示すのと本質的に同じ手順によって、表6.10の第3列に示す化合物を調製する:
(表6.10)
【0150】
【化42】


(調製実施例54)
【0151】
【化43】


CHCN(3mL)中の調製実施例34で調製した化合物(0.10g,0.435
mmol)の溶液を、NBS(0.085g,1.1当量)で処理した。反応混合物を室
温で1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。粗製生成物を、溶離液としてヘキサン中20%の
EtOAc溶液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(0.13g,
100%収率)。LCMS:MH=308。
【0152】
(調製実施例55〜68.15)
表7の第2列に示す化合物で置き換える以外は、調製実施例54に示すのと本質的に同
じ手順によって、表7の第3列に示す化合物を調製した:
(表7)
【0153】
【化44−1】

【0154】
【化44−2】

【0155】
【化44−3】


(調製実施例69)
【0156】
【化45】


CHCN(15mL)中の調製実施例35で調製した化合物(0.3g,1.2mm
ol)の溶液を、NCS(0.18g,1.1当量)で処理し、得られた溶液を環流まで
4時間加熱した。さらにNCS(0.032g,0.2当量)を添加し、得られた溶液を
環流にて一晩撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮し、残留物を溶離液
としてヘキサン中の20%EtOAcを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精
製した(0.28g,83%収率)。LCMS:MH=282。
【0157】
(調製実施例70)
表8の第2列に示す化合物で置き換える以外は、調製実施例69に示すのと本質的に同
じ手順によって、表8の第3列に示す化合物を調製した:
(表8)
【0158】
【化46】


(調製実施例71)
【0159】
【化47】


DMF(6mL)中の調製実施例34からの化合物(1.0g,4.35mmol)の
溶液に、POCl(1.24mL,3.05当量)を添加し、得られた混合物を室温で
一晩撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、過剰量のPOClを、氷を添加してクエ
ンチした。得られた溶液を1N NaOHで中和し、HOで希釈し、CHClで抽
出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗製生
成物を、溶離液としてCHCl中の5% MeOH溶液を使用するフラッシュクロマ
トグラフィーにより精製した(0.95g,85%収率)。LCMS:MH=258。
【0160】
(調製実施例72)
【0161】
【化48】


THF中の調製実施例71の生成物(0.25g,0.97mmol)の溶液に、Na
BH(0.041g,1.1当量)を添加し、得られた溶液を室温で一晩撹拌した。反
応混合物を、HOを添加してクエンチし、CHClで抽出した。合わせた有機物を
NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物を、溶離液として60
:40 ヘキサン:EtOAcを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した
(0.17g,69%収率)。LCMS:MH=260。
【0162】
(調製実施例73)
【0163】
【化49】


CHCl(4mL)中の調製実施例72で調製した化合物(0.12g,0.46
2mmol)、ジメチルスルフェート(0.088mL,2.0当量)、50% NaO
H(0.26mL)および触媒量のBuNBrの溶液を室温で一晩撹拌した。反応混合
物をHOで希釈し、CHClで抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥さ
せ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物を、溶離液としてヘキサン中の30%EtO
Ac溶液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(0.062g,48
%収率)。
【0164】
(調製実施例74)
【0165】
【化50】


2−プロパノール(50mL,100.0mmol)および37% NH水溶液(1
0.0mL)中の調製実施例54で調製した化合物(3.08g,10.0mmol)、
2.0M NHを、50℃にて1日間、封鎖した圧力容器(closed press
ure vessel)内で撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗製生成物を。溶離液として3
:1 CHCl:EtOAcを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し
た。淡黄色固体(2.30g,80%)を得た。LCMS:M=289。
【0166】
(調製実施例75〜90)
表8.10の第2列に示す化合物で置き換える以外は、調製実施例74に示すのと本質
的に同じ手順によって、表8.10の第3列に示す化合物を調製する:
(表8.10)
【0167】
【化51−1】

【0168】
【化51−2】

【0169】
【化51−3】


(実施例1)
【0170】
【化52】


DMF(2mL)中の調製実施例74で調製した化合物(15mg,0.05mmol
)の溶液に、DMAP(1.0mg)およびイソプロピルイソシアネート(30μL)を
添加した。反応混合物を60℃にて20時間加熱し、室温まで冷却して、EtOAc(2
0mL)とHO(20mL)との間で分配した。有機層を除去し、NaSOで乾燥
させ、濃縮して、フィルムとして生成物を得た。フィルムを、逆層HPLCにより精製し
て、無色の固体として最終生成物を得た。MS:m/z=289.1。
【0171】
(実施例2〜13)
表9の第2列のアミンで置き換える以外は、実施例1に示されるのと本質的に同じ手順
、および、適切なアシル化剤もしくはスルホン化剤(いくつかの例は、表9の第3列に特
定される)使用することによって、本発明において開示される化合物を調製し得る(いく
つかの例は、表9の第4列に特定される)。
(表9)
【0172】
【化53−1】

【0173】
【化53−2】

【0174】
【化53−3】


(実施例14)
【0175】
【化54】


(工程A)
ジオキサン/DIPEA(2.5/1.0)中の実施例9で調製した化合物の溶液に、
室温で、シクロペンチルアミン(1.2当量)を滴下する。得られた溶液を、環流にて1
6時間で撹拌し、室温まで冷却し、減圧下で濃縮する。粗製物質を、分取薄層クロマトグ
ラフィー(8×1000μM)により精製する。
【0176】
(工程B)
CHCl中の実施例14、工程Aにおいて調製した化合物の溶液に、TFA(5当
量)を滴下する。得られた溶液を室温で18時間撹拌し、減圧下で濃縮する。粗製物質を
CHClに溶解し、有機層を飽和NaHCO水溶液(2×2mL)およびブライン
(1×2mL)で連続して洗浄する。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下
で濃縮する。粗製物質を、分取薄層クロマトグラフィー(8×1000μM)により精製
する。
【0177】
(実施例15〜24)
表10の第2列の塩化物で置き換える以外は、実施例48に示すのと本質的に同じ手順
により、表10の第3列に示す化合物を調製する。
(表10)
【0178】
【化55−1】

【0179】
【化55−2】


(アッセイ)
本発明において開示される化合物についてのアッセイは、当業者に公知の方法によって
実施され得る。以下は、例示的なアッセイである:
(バキュロウイルス構築物)
サイクリンEを、PCRにより、アミノ酸末端に5つのヒスチジン残基を追加し、pV
L1393(Pharmingen,La Jolla,California)にクロ
ーニングし、ニッケル樹脂上で精製させる。発現したタンパク質は、およそ45kDaで
ある。CDK2を、カルボキシ末端にヘマグルチニンエピトープタグ(YDVPDYAS
)を追加し、PCRによりpVL1393中にクローニングする。発現したタンパク質は
、およそ34kDaのサイズである。
【0180】
(酵素生成物)
サイクリンEおよびCDK2を発現する組換えバキュロウイルスを、同量の感染多重度
(MOI=5)でSF9細胞に同時に48時間、感染させる。1000RPMで10分間
遠心分離することによって、細胞を回収し、次いで、氷上でペレットを、ペレットの容積
の5倍の容量の溶解緩衝液(50mM Tris(pH8.0)、150mM NaCI
、1% NP40、1mM DTTおよびプロテアーゼインヒビター(Roche Di
agnostics GmbH,Mannheim,Germany)を含有する)中で
30分間溶解する。溶解物を15000rpmで10分間スピンダウンし、上清を保持す
る。5mlのニッケルビーズ(1リットルのSF9細胞につき)を溶解緩衝液(Qiag
en GmbH,Germany)中で3回洗浄する。イミダゾールを、20mMの最終
濃度までバキュロウイルスの上清に添加し、次いで、ニッケルビーズと共に4℃にて45
分間インキュベートする。250mMのイミダゾールを含有する溶解緩衝液を用いて、タ
ンパク質を溶出する。溶出物を2リットルのキナーゼ緩衝液(50mM Tris(pH
8.0)、1mM DTT、10mM MgCl、100μM オルトバナジン酸ナト
リウムおよび20%グリセロールを含有)中で一晩透析する。酵素を、−70℃にてアリ
コートで保存する。
【0181】
(インビトロキナーゼアッセイ)
サイクリンE/CDK2キナーゼアッセイを、低タンパク質結合96ウェルプレート(
Corning Inc,Corning,New York)中で実施する。酵素を、
50mM Tris(pH8.0)、10mM MgCl、1mM DTTおよび0.
1mM オルトバナジン酸ナトリウムを含有するキナーゼ緩衝液中、50μg/mlの最
終濃度まで希釈する。これらの反応において使用する基質は、ヒストンH1(Amers
ham,UK製)由来のビオチン化ペプチドである。基質を氷上で溶かし、キナーゼ緩衝
液中、2μMに希釈する。化合物を、所望の濃度まで10% DMSO中に希釈する。各
キナーゼ反応につき、20μlの50μg/ml酵素溶液(1μgの酵素)および20μ
lの2μM基質溶液を混合し、次いで、試験のために、各ウェルにおいて10μlの希釈
化合物と合わせる。キナーゼ反応を、50μlの2μM ATPおよび0.1μCiの3
3P−ATP(Amersham,UK製)を添加することにより開始する。1時間室温
にて反応させる。0.1% Triton X−100、1mM ATP、5mM ED
TAおよび5mg/ml ストレプトアビジンコーティングSPAビーズ(Amersh
am,UK製)を含有する停止緩衝液20μlを、15分間添加することによって反応を
停止する。次いで、SPAビーズを、Filtermate universal ha
rvester(Packard/PerkinElmer Life Science
s)を使用して、96ウェルGF/Bフィルタープレート(Packard/Perki
nElmer Life Sciences)上に捕捉する。2M NaClで2回、次
いで、1%リン酸を含む2M NaClで2回、ビーズを洗浄することによって、非特異
的なシグナルを排除する。次いで、TopCount96ウェル液体シンチレーションカ
ウンター(Packard/PerkinElmer Life Sciences製)
を使用して、放射活性シグナルを測定する。
【0182】
(IC50の決定)
各々二連の、8点の連続希釈の阻害化合物からの、生じた阻害データから、容量−応答
曲線をプロットする。化合物の濃度を、%キナーゼ活性に対してプロットし、この活性は
、処理サンプルのCPMを未処理のサンプルのCPMで割ることによって算出する。IC
50値を生じるために、次いで、容量−応答曲線を、標準的なシグモイド曲線にフィット
させ、IC50値を非線形回帰分析により導く。
【0183】
本発明は、上に示される特定の実施形態と組み合せて記載されているが、これらの多く
の変更、改変および他のバリエーションは、当業者に明らかである。このような全ての変
更、改変およびバリエーションは、本発明の精神および範囲内にあるとみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0184】
本発明の好ましい実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
構造式
【化1】


によって表される化合物であって、ここで:
Qは、−S(O)NR−、−C(O)NR−および−C(O)OR−からなる群から選択され;
は、R、アルキル、アルキニル、アルキニルアルキル、シクロアルキル、−CF、−C(O)R、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、同じであっても異なっていてもよく、後に以下に示すRの表から独立して選択される1個〜6個のR基で置換されたアルキル、
【化2】


からなる群から選択され、ここで、
についての上記の定義における該アリールは、非置換であり得るか、または、同じであっても異なっていてもよい1つ以上の部分で必要に応じて置換され得、該部分の各々は、ハロゲン、CN、−OR、SR、−S(O)R、−S(O)NR、−NR、−C(O)NR、CF、アルキル、アリールおよびOCFからなる群から独立して選択され;
は、H、ハロゲン、アルキル、アルキニル、−C(O)NR、−C(O)OR、−NR、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、
【化3】


からなる群から選択され、ここで、
についての該アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルの各々、ならびに、構造がRについて直ぐ上に示されているヘテロシクリル部分は、同じであっても異なっていてもよい1つ以上の部分で置換され得るか、または、必要に応じて独立して置換され得、該部分の各々は、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、CF、CN、−OCF、−(CROR、−OR、−NR、−(CRNR、−C(O)R、−C(O)R、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NRからなる群から独立して選択され;
はH、ハロまたはアルキルであり;
はHまたはアルキルであり;
は、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、ここで、該アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルの各々は、非置換であり得るか、または、同じであっても異なっていてもよい1つ以上の部分で置換され得、該部分の各々は、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、CF、OCF、CN、−OR、−NR10、−N(R)Boc、−(CROR、−C(O)R、−C(O)R、−C(O)NR10、−SOH、−SR10、−S(O)R、−S(O)NR10、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NR10からなる群から独立して選択され;
10は、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、該アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルの各々
は、非置換であり得るか、または、同じであっても異なっていてもよい1つ以上の部分で必要に応じて置換され得、該部分の各々は、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、CF、OCF、CN、−OR、−NR、−N(R)Boc、−(CROR、−C(O)R、−C(O)NR、−C(O)R、−SOH、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NRからなる群から独立して選択されるか;あるいは
必要に応じて、(i)該部分−NR10中のRおよびR10、または(ii)該部分−NR中のRおよびRが、一緒に結合して、シクロアルキル部分もしくはヘテロシクリル部分を形成し得、該シクロアルキル部分もしくはヘテロシクリル部分の各々は、必要に応じて、非置換であるか、または、1つ以上のR基で独立して置換され;
は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびアリールアルキルの各々は、非置換であり得るか、または、同じであっても異なっていてもよい1つ以上の部分で必要に応じて独立して置換され得、該部分の各々は、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、CF、OCF、CN、−OR、−NR10、−CHOR、−C(O)R、−C(O)NR10、−C(O)R、−SR10、−S(O)R10、−S(O)NR10、−N(R)S(O)R10、−N(R)C(O)R10および−N(R)C(O)NR10からなる群から独立して選択され;
は、R、−C(O)NR10、−S(O)NR10、−C(O)Rおよび−S(O)Rからなる群から選択され;
は、ハロゲン、CN、−NR10、−C(O)R、−C(O)NR10、−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR10、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NR10からなる群から選択され;
mは0〜4であり、そして
nは1〜4である、
化合物。
(項目2)
項目1に記載の化合物であって、RはHであり、Rは非置換のアリール、非置換のヘテロアリール、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ハロゲン、シアノ、−OR、−S(O)R、CF、アルキルおよび−OCFからなる群から独立して選択される部分の各々と同じであっても異なっていてもよい1〜3個の部分で置換されたアリール、ならびにアリール基もしくはヘテロアリール基と縮合した1〜3個のアリール部分で置換されたヘテロアリールであり、該アリール基もしくはヘテロアリール基は、非置換であり得るか、または、フェニル、ピリジル、チオフェニル、フラニルおよびチアゾリル、ハロゲン、シアノ、−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−NR、−C(O)NR、CF、アルキルおよび−OCFからなる群から別個に選択される部分の各々と同じであっても異なっていてもよい、1〜3個の部分で必要に応じて置換され;
は、ハロゲン、CF、CN、低級アルキル、−CH−OR、−OR、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;そして
は、H、ハロゲン、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)OR、シクロアルキル、−NR、ヘテロシクリルアルキル、
【化4】


であり、ここで、Rについての該アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルの各々が、置換されていないか、もしくは、同じであっても異なっていてもよい1つ以上の部分で必要に応じて別個に置換されており、各部分は、ハロゲン、CF、OCF、低級アルキル、CNおよびORからなる群から別個に選択される、化合物。
(項目3)
項目1に記載の化合物であって、R10はHであり、そして、Rは、非置換のアリール、非置換のヘテロアリール、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ハロゲン、シアノ、−OR、−S(O)R、CF、アルキルおよび−OCFからなる群から独立して選択される部分の各々と同じであっても異なっていてもよい1〜3個の部分で置換されたアリール、ならびにアリール基もしくはヘテロアリール基と縮合した1〜3個のアリール部分で置換されたヘテロアリールであり、該アリール基もしくはヘテロアリール基は、非置換であり得るか、または、フェニル、ピリジル、チオフェニル、フラニルおよびチアゾリル、ハロゲン、シアノ、−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−NR、−C(O)NR、CF、アルキルおよび−OCFからなる群から別個に選択される部分の各々と同じであっても異なっていてもよい、1〜3個の部分で必要に応じて置換され得;
は、ハロゲン、CF、CN、低級アルキル、−CH−OR、−OR、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;そして
は、H、ハロゲン、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)OR、シクロアルキル、−NR、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、
【化5】


であり、ここで、Rについての該アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルの各々は、非置換であるか、または、同じであっても異なっていてもより1つ以上の部分で必要に応じて独立して置換され、該部分の各々は、ハロゲン、CF、OCF、低級アルキル、CNおよびORからなる群から独立して選択される、
化合物。
(項目4)
が、ハロゲン、−CHOR、CN、CF、低級アルキル、シクロプロピル、C
(O)OR、−ORまたはアリールである、項目2に記載の化合物。
(項目5)
項目2に記載の化合物であって、Rが、H、低級アルキル、シクロアルキル、−C(O)OR、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、
【化6】


であり、ここで、Rについて上に示される、該アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル部分の各々は、同じであっても異なっていてもよい1つ以上の部分で必要に応じて独立して置換され、該部分の各々は、ハロゲン、CF、低級アルキル、OMe、アリール、シクロプロピルおよびCNからなる群から独立して選択される、
化合物。
(項目6)
がHである、項目2に記載の化合物。
(項目7)
がHである、項目2に記載の化合物。
(項目8)
がHであり、Rが非置換のアリールである、項目2に記載の化合物。
(項目9)
がHであり、Rが非置換のヘテロアリールである、項目2に記載の化合物。
(項目10)
が4−ピリジルである、項目9に記載の化合物。
(項目11)
が4−ピリジル−N−オキシドである、項目2に記載の化合物。
(項目12)
が4−ピリジルであり、Qが−SO−NHRである、項目2に記載の化合物。
(項目13)
が4−ピリジル−N−オキシドであり、Qが−C(O)−NHR−である、項目2に記載の化合物。
(項目14)
前記RがBrである、項目3に記載の化合物。
(項目15)
前記RがClである、項目3に記載の化合物。
(項目16)
がイソプロピルまたはエチルである、項目3に記載の化合物。
(項目17)
が−CHOHまたは−CHOCHである、項目3に記載の化合物。
(項目18)
がシクロプロピルである、項目3に記載の化合物。
(項目19)
がCNである、項目3に記載の化合物。
(項目20)
が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールまたは
【化7】


である、項目5に記載の化合物。
(項目21)
がイソプロピルである、項目20に記載の化合物。
(項目22)

【化8】


である、項目20に記載の化合物。
(項目23)
が非置換のフェニルである、項目20に記載の化合物。
(項目24)
は、−(CHOHまたは−(CHOCHであり、ここで、nが1または2である、項目5に記載の化合物。
(項目25)
は、F、Br、Cl、低級アルキル、アルコキシおよびCFからなる群から選択される1つ以上の部分で置換されたフェニルである、項目20に記載の化合物。
(項目26)
以下:
【化9−1】

【化9−2】


からなる群から選択される化合物、または、その薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物。
(項目27)
以下の式:
【化10】


の化合物、または、その薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物。
(項目28)
1つ以上のサイクリン依存性キナーゼを阻害する方法であって、該方法は、少なくとも1
種の項目1に記載の化合物の治療有効量をこのような阻害を必要とする患者に投与する
工程を包含する、方法。
(項目29)
サイクリン依存性キナーゼに関連する1つ以上の疾患を処置する方法であって、該方法は
、少なくとも1種の項目1に記載の化合物の治療有効量をこのような処置を必要とする
患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目30)
前記サイクリン依存性キナーゼがCDK2である、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記疾患が、膀胱、乳房、結腸、腎臓、肝臓、肺、小細胞肺癌、食道、胆嚢、卵巣、膵臓
、胃、頚部、甲状腺、前立腺および皮膚の癌、扁平上皮細胞癌;白血病、急性リンパ急性
白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫
、非ホジキンリンパ腫、毛様細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫;急性および慢性骨髄性
白血病、脊髄形成異常症候群、前骨髄球性白血病;線維肉腫、横紋筋肉腫;星状細胞腫、
神経芽細胞腫、神経膠腫およびシュワン細胞腫;メラノーマ、セミノーマ、テトラカルシ
ノーマ、骨肉腫、ゼノドローマ色素、角化細胞腫、甲状腺濾胞癌およびカポジ肉腫からな
る群から選択される、項目29に記載の方法。
(項目32)
サイクリン依存性キナーゼに関連する1つ以上の疾患を処置する方法であって、該方法は
、項目1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である、一
定量の第1の化合物と;抗癌剤である、一定量の少なくとも1種の第2の化合物とを、こ
のような処置を必要とする哺乳動物に投与する工程を包含し、;ここで、該第1
の化合物と該第2の化合物の量が、治療効果を生じる、方法。
(項目33)
放射線療法をさらに包含する、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記抗癌剤が、抗悪性腫瘍薬剤、シスプラチン、ドキソルビシン、タキソテール、タキソ
ール、エトポシド、イリノテカン(すなわちCPT−11)、カンプトスター、トポテカ
ン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポシロン、タモキシフェン、5−フルオロウラシ
ル、メトトレキセート、5−フルオロウラシル、テモゾロミド、シクロホスファミド、4
−[2−[4−[(11R)−3,10−ジブロモ−8−クロロ−6,11−ジヒドロ−
5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル]−1−ピペ
リジニル]−2−オキソエチル]−1−ピペリジンカルボキサミド、チピファルニブ、L
778,123(ファネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビター)、BMS21
4662(ファネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビター)、Iressa、T
arceva、EGFRに対する抗体、Gleevec、イントロン、ara−C、アド
リアマイシン、シトキサン、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホス
ファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリメチレンメラミン、トリ
メチレンチオホスホラミン、ブスルファン、カルムスタチン、ロムスチン、ストレプトゾ
シン、ダカルバジン、フルオキシウリジン、シタラビン、6−メルカプトプリン、6−チ
オグアニン、リン酸フルダラビン、オキサリプラチン、ロイコビリン、オキサリプラチン
、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダ
クチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミト
ラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン−C、L−アスパラギナーゼ、テ
ニポシド17α−エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステ
ロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラ
クトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニ
ゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグ
ルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタ
ミド、トレミフェン、ゴセレリン、シスプラチン、カルボプラチン、ヒドロキシウレア、
アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミゾール、ナベルベ
ン、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキサフィン、ドロロキサフィ
ンまたはヘキサメチルメラミンからなる群から選択される、項目32に記載の方法。
(項目35)
少なくとも1種の薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、少なくとも1種の項目
1に記載の化合物の治療有効量を含む、薬学的組成物。
(項目36)
抗悪性腫瘍薬剤(cytostatic agent)、シスプラチン、ドキソルビシン、タキソテール、タキソール、エトポシド、CPT−11
、イリノテカン、カンプトスター、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポシ
ロン、タモキシフェン、5−フルオロウラシル、メトトレキセート、5−フルオロウラシ
ル、テモゾロミド、シクロホスファミド、4−[2−[4−[(11R)−3,10−ジ
ブロモ−8−クロロ−6、11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,
2−b]ピリジン−11−イル]−1−ピペリジニル]−2−オキソエチル]−1−ピペ
リジンカルボキサミド、Zarnestra(登録商標)(チピファルニブ)、L778
,123(ファネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビター)、BMS21466
2(ファネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビター)、Iressa、Tarc
eva、EGFRに対する抗体、Gleevec、イントロン、ara−C、アドリアマ
イシン、シトキサン、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミ
ド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリメチレンメラミン、トリメチレ
ンチオホスホラミン、ブスルファン、カルムスタチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、
ダカルバジン、フルオキシウリジン、シタラビン、6−メルカプトプリン、6−チオグア
ニン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデ
シン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビ
シン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン−C、
L−アスパラギナーゼ、テニポシド17α−エチニルエストラジオール、ジエチルスチル
ベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ド
ロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチル
テストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシ
プロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロ
ン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、シスプラチン、カルボプラ
チン、ヒドロキシウレア、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン
、レバミゾール、ナベルベン、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキ
サフィン、ドロロキサフィンまたはヘキサメチルメラミンからなる群から選択される1種
以上の抗癌剤をさらに含む、項目35に記載の薬学的組成物。
(項目37)
単離され、かつ、精製された形態の、項目1に記載の化合物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載の発明。

【公開番号】特開2011−74088(P2011−74088A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5344(P2011−5344)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【分割の表示】特願2004−534490(P2004−534490)の分割
【原出願日】平成15年9月3日(2003.9.3)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【出願人】(501249331)ファーマコピア, インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】