サイトメータ分析用カートリッジの光学的構成
サンプリングおよび分析用のマイクロ流体循環路を有する媒体を開示する。この媒体は、カートリッジ内で皿穴に埋め込まれる窓を有してさらにフローチャネルを含むカートリッジでよい。フローチャネルは、フローチャネルを通って流れる対象となる要素を含むことができる。これらの要素の分析は、チャネルに光を放射する1つまたは複数の光供給源、および、チャネルから光を受け取る1つまたは複数の光検出器を伴う光学式であってよい。光供給源および検出器の光円錐域が、窓内のフローチャネルへの光およびそこからの光に対しての障害および干渉を受けることなくフローチャネルに到達することができるように、種々の構成が存在する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、サイトメトリに関し、詳細には、サイトメータの取外し可能な媒体に関する。より詳細には、本発明は、その媒体を改良したものに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、2002年8月21日出願の米国仮特許出願60/404876の利益を主張する、2003年7月2日出願の米国特許出願10/612664の一部継続出願である。本発明はまた、2000年8月2日出願の米国特許出願09/630924で現在は米国特許第6597438号明細書の一部継続出願でありそれの利益を主張する、2002年11月26日出願の米国特許出願10/304773の一部継続出願である。上述の特許文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
過去数十年の間に、取外し可能な媒体部材をある1つの形態または別の形態で利用する装置およびシステムの使用が増加し続けている。いくつかの例示的な取外し可能な媒体部材には、例えば、取外し可能または交換可能なフィルタ、取外し可能なインクおよびトナーカートリッジ、磁気または光ディスクなどの取外し可能なデータ記憶装置、取外し可能な磁気テープカートリッジ、取外し可能なメモリースティックなどが含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現存するシステムの多くでは、挿入される取外し可能な媒体部材と受取装置との間のアライメント交差がしばしばあまり正確でないという点で限界がある。いくつかの場合では、受取装置は、取外し可能な媒体部材を受けるためのスロットのみを有する。別の場合では、VCRテープを受けるための従来のビデオカセットレコーダ(VCR)で使用される機械的機構などのより複雑な機械的機構が用意される。いくつかの用途においては、これらの現存のシステムを使用して得られるアライメント交差は十分ではない。
【0005】
現存する多くのシステムには、取外し可能な媒体部材の上または中に1つまたは複数の電気的装置または光学装置を含むための設備が典型的には作られていないという点で別の限界がある。しかし、いくつかの用途においては、取外し可能な媒体部材の上または中に1つまたは複数の電気的装置および/または光学装置を設けることが所望される場合がある。さらに、取外し可能な媒体および受取装置の上または中の電気的装置および/または光学装置の間に1つまたは複数の電気的リンクおよび/または光リンクまたは接続を設け、それにより、例えば、取外し可能な媒体部材により種々の機能が実行されるようにすることが所望される場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
取外し可能な媒体部材を受けるための方法および装置を用意することにより、より具体的には、挿入される取外し可能な媒体部材と受取装置との間に緊密なアライメント公差を設けるための方法および装置を用意することにより、多くの利点が得られる。また、取外し可能な媒体部材自体の上または中に1つまたは複数の電気的装置または光学装置を設けるための方法および装置、ならびに、取外し可能な媒体および受取装置の上または中の1つまたは複数の電気的装置および/または光学装置の間に電気的リンクおよび/または光リンクを設けるための方法および装置が存在してよい。
【0007】
第1の例示的な実施例では、取外し可能な媒体部材を受けるための装置が用意される。この装置は、第1の部材および第2の部材を含み、第1の部材および第2の部材は、互いから離れるように移動するように適合されており、取外し可能な媒体部材を受けるための空間が形成される。取外し可能な媒体部材がその空間に挿入されると、第1の部材および第2の部材は互いに向かって移動させられ、取外し可能な媒体部材を係合および/または固定することができる。
【0008】
例示的な一実施例では、第1の部材は、取外し可能な媒体部材を受けるためのスロットを形成する1つまたは複数のL字形転び止めを有する。L字形転び止めは、例えば、第1の部材から離れるように延在して第2の部材へ向かう第1の脚と、チャネルまたは受取スロットが形成されるように第1の脚の遠端部から第1の脚に対して垂直の方向に延在する第2の脚とを有してよい。その場合、チャネルまたは受取スロットは、取外し可能な媒体部材の少なくとも一方の側を受けることができる。
【0009】
いくつかの実施例では、2つのL字形転び止めが、取外し可能な媒体部材の両側を受けるための2つの離れたチャネルを形成するように設けられる。すなわち、第1のL字形転び止めのチャネルまたはスロット、および第2のL字形転び止めのチャネルまたはスロットが、取外し可能な媒体部材が第1の部材と第2の部材との間に挿入されるときに両方のチャネル内に滑り込むように配置されてよい。一実施例では、2つのL字形転び止めが第1の部材に固定される。
【0010】
使用中、第1の部材および第2の部材は互いから離れるように移動させられることができ、取外し可能な媒体部材が、1つまたは複数のL字形転び止めによって形成されるチャネルまたは受取スロット内に滑り込むことができる。取外し可能な媒体部材が1つまたは複数のL字形転び止めによって受けられるときに取外し可能な媒体部材が第1の部材および/または第2の部材に対して所望の位置に少なくとも概略的に位置合わせされるように、L字形転び止めは配置されることができる。その場合、第1の部材および第2の部材は、互いに向かって移動させられて、それらの間で取外し可能な媒体部材を係合および/または固定することができる。
【0011】
取外し可能な媒体部材を取り外すときは、第1の部材および第2の部材は互いから離れるように移動させられてよい。取外し可能な媒体部材の少なくとも一部分は1つまたは複数のL字形転び止めのチャネルまたはスロット内に位置しているので、1つまたは複数のL字形転び止めが第1の部材に固定されている場合、第1の部材および第2の部材が互いから離れるように移動させられるときに取外し可能な媒体部材はL字形転び止めによって第2の部材から引き離されることができる。
【0012】
取外し可能な媒体部材と第1および/または第2の部材との間でより良好なアライメントを実現するために、第2の部材は第1の部材に向かって延在する1つまたは複数のアライメントピンを有してよい。その場合、取外し可能な媒体部材は、1つまたは複数のアライメントピンを受けるための1つまたは複数の受取孔を有してよい。アライメントピンおよび受取孔は、取外し可能な媒体部材が第1の部材および第2の部材との間に固定されるときに取外し可能な媒体部材と第1および/または第2の部材との間でのアライメントの向上を実現することができる。
【0013】
1つまたは複数のL字形転び止めは、取外し可能な媒体部材を第2の部材から引き離すのに使用されてよく、それにより、取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の受取孔を、第2の部材から延在する1つまたは複数のアライメントピンから分離させる。1つまたは複数の受取孔がアライメントピンから分離されると、その場合、取外し可能な媒体部材は、第1の部材および第2の部材の間からより容易に取り外されることができる。
【0014】
いくつかの実施例では、取外し可能な媒体部材は、1つまたは複数の電気的装置および/または光学装置を有してよい。例えば、取外し可能な媒体部材は、1つまたは複数のトランジスタ、ダイオード、センサ、垂直空洞面放出レーザ(VCSEL)、LED、静電駆動のアクチュエータまたはポンプ、あるいは他の任意適切な電気的装置および/または光学装置を有してよい。電力を供給するためならびに/あるいは1つまたは複数の電気的装置および/または光学装置を連絡または制御するために、電気的インターフェースおよび/または光学インターフェースが第1および/または第2の部材と取外し可能な媒体部材との間に設けられてよい。
【0015】
例示的な一実施例では、1つまたは複数の電気接触パッドが、取外し可能な媒体部材の表面に設けられる。1つまたは複数の電気接触パッドが、金属トレースなどによって取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の電気的装置および/または光電子装置に電気的に接続されてよい。例示的な一実施例では、第1の部材は、第1の部材から離れるように第2の部材に向けて外方向に延在する1つまたは複数のばね付勢のプローブを有してよい。取外し可能な媒体部材が第1の部材と第2の部材との間の所望の位置にあるときには、1つまたは複数のばね付勢のプローブは、取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の電気接触パッドに位置合わせされて配置されてよい。いくつかの場合において、上で考察した1つまたは複数のアライメントピンは、第1の部材の1つまたは複数のばね付勢のプローブと取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の電気接触パッドとの間のアライメントを形成するのに役立つことができる。第1の部材および第2の部材が互いに向かって移動させられて取外し可能な媒体部材を固定および/または係合するときに、第1の部材の1つまたは複数のばね付勢のプローブが、取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の電気接触パッドと電気的に接触することができる。
【0016】
第1の部材が第2の部材から離れるように移動させられるときに、第1の部材の1つまたは複数のばね付勢のプローブを1つまたは複数の電気接触パッドから分離するのを助けるために、第1の部材と取外し可能な媒体部材との間に外方向バイアス部または分離バイアス部が形成されてよい。この外方向バイアス部は、取外し可能な媒体部材を固定および/または係合するために第1の部材および第2の部材が互いに向かって移動させられるときに、通り抜けられることができる。しかし、取外し可能な媒体部材を解放するために第1の部材および第2の部材が互いから離れるように移動させられるときには、この外方向バイアス部は、第1の部材の1つまたは複数のばね付勢のプローブを1つまたは複数の電気接触パッドから分離させることができ、それにより、第1の部材と第2の部材との間からの取外し可能な媒体部材の取り外しがより容易に実現されることができ、ばね付勢のプローブを損傷から保護するように機能することができる。
【0017】
別の例示的な実施例では、1つまたは複数の光学送信機および/または受信機が取外し可能な媒体部材の表面に設けられることができる。1つまたは複数の光学送信機および/または受信機は、取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の電気的装置および/または光電子装置に光導波路または金属トレースなどによって電気的に接続されてよい。この実施例では、第1の部材および/または第2の部材は、1つまたは複数の光学送信機および/または光学受信機を有してよく、これらは、取外し可能な媒体部材が第1の部材と第2の部材との間の所望の位置にあるときに取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の光学送信機および/または受信機に位置合わせされて配置されることができる。いくつかの場合では、上で考察した1つまたは複数のアライメントピンが、第1の部材および/または第2の部材の光学送信機および/または光学受信機と取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の光学送信機および/または光学受信機との間でアライメントを形成するのに役立つことができる。取外し可能な媒体部材を固定および/または係合するために第1の部材および第2の部材が互いに向かって移動させられるとき、第1および/または第2の部材の1つまたは複数の光学送信機および/または光学受信機は、取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の光学送信機および/または光学受信機に位置合わせされて、それらの間に連絡リンクを形成する。
【0018】
いくつかの場合では、取外し可能な媒体部材は、取外し可能な媒体部材へのおよび/またはそこからの流体の受け取りまたは吐出のための1つまたは複数の流体ポートを有してよい。例示的な一実施例では、取外し可能な媒体部材は、フローサイトメトリで使用されるように適合された流体カートリッジでよい。流体カートリッジは、1つまたは複数のフローチャネルを有してよい。1つまたは複数の流体ポートは、少なくともいくつかのフローチャネルと流体連通してよい。1つまたは複数の流体ポートがこのように設けられるとき、所望の場合、1つまたは複数の対応する流体ポートが第1の部材および/または第2の部材に設けられてよい。取外し可能な媒体部材が第1の部材および第2の部材によって固定および/または係合される場合、第1の部材および/または第2の部材の1つまたは複数の流体ポートは、取外し可能な媒体部材の少なくとも選択された1つの流体ポートに位置合わせされて配置される。
【0019】
いくつかの場合では、第1の部材および/または第2の部材の1つまたは複数の流体ポートと取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の流体ポートとの間のアライメントを形成するのを助けるために、上で考察した1つまたは複数のアライメントピンが設けられてよい。さらに、外方向バイアス部が、取外し可能な媒体部材と第1の部材および/または第2の部材との間に設けられてよく、第1の部材が第2の部材から離れるように移動させられるときに第1の部材および/または第2の部材の1つまたは複数の流体ポートと取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の流体ポートとを分離する働きをする。
【0020】
いつくかの場合では、取外し可能な媒体部材の製造では、特に取外し可能な媒体部材の外側周囲に、隆起部、バリ、または他の欠陥部が生成する場合がある。一実施例では、流体カートリッジは、複数の層またはシートを一体に積層して次いでその積層構造物から個々の流体カートリッジを切断することによって製造されてよい。切断工程では、隆起部、バリ、および他の欠陥部が生じる場合がある。取外し可能な媒体部材が第1および/または第2の部材に沿って正確に設置されるのを助けるために、溝または他の凹凸構造が、第1および/または第2の部材の受取表面に設けられてよく、取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の欠陥部を収容する。例示的な一実施例では、取外し可能な媒体部材の周囲に沿って発生する可能性がある欠陥部に備えて、溝が、例えば取外し可能な媒体部材の周囲に対応する溝経路に沿って延在してよい。しかし、溝または他の凹凸構造が、予想される欠陥部が発生する可能性がある取外し可能な媒体部材の任意の位置に設けられてよいことが考慮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
例示目的のために、携帯用フローサイトメータシステムを記載する。これらの手法は、例えば、取外し可能または交換可能なフィルタ、取外し可能なインクおよびトナーカートリッジ、磁気または光ディスクなどの取外し可能なデータ記憶装置、取外し可能な磁気テープカートリッジ、取外し可能なメモリースティック、さらに、取外し可能な媒体を使用する他の多くのシステムおよび/または装置を含む他の多くの取外し可能な媒体システムに対して幅広い適用可能性を有することができる。
【0022】
図1は、例示的な携帯用サイトメータの斜視図である。携帯用サイトメータを全体として10で示しており、これは、ハウジング12および取外し可能または交換可能なカートリッジ14を含む。取外し可能なカートリッジ14は、前面、後面、および、前面と後面との間を延在する1つまたは複数の側面を有してよい。例示的なハウジング12は、ベース16、カバー18、および、ベース16をカバー18に取り付けるヒンジ20を含む。ベース16は、光供給源のアレイ22、付随する光学素子、および、サイトメータの作動に必要な電子装置を含む。カバー12は、手動式加圧要素、制御マイクロバルブ付の圧力チャンバ、付随する光学素子を備える光検出器のアレイ24を含んでおり、これらは、「Portable Flow Cytometer」と題され2003年7月22日発行のCabuzらに付与された米国特許第6597438号明細書、および、「Optical Detection System for Flow Cytometry」と題され2003年4月15日に発行のCabuzらに付与された米国特許出願6549275でさらに記載されており、これらは両方とも、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0023】
取外し可能な部材(例えば、カートリッジ)14は、サンプルコレクタポート32を介してサンプル流体を受け取ることができる。キャップ38は、取外し可能なカートリッジ14が使用されていないときにサンプルコレクタポート32を保護するために使用されてよい。取外し可能なカートリッジ14は、血液の希釈、赤血球溶解、およびコアの形成のための流体力学的集束を行うことができる。取外し可能なカートリッジ14は、Micronics Technologiesから入手可能な流体循環路と同様の構造でよく、それらのいくつかは、エッチングされた流体チャネルを備える積層構造を用いて製造される。
【0024】
取外し可能なカートリッジ14は、カバー18が開位置にあるときにハウジング内に挿入される。取外し可能なカートリッジ14は、ベース16内でレジストレーションピン28aおよび28bを受けるための孔26aおよび26bを含んでよく、これらは、装置の異なる部分間のアライメントおよび結合を形成するのを助ける。取外し可能なカートリッジ14はまた、透明フローストリーム窓30を含んでよく、この窓は、光供給源22および光検出器24のアレイに位置合わせされている。カバーが閉位置に移動させられ、システムが圧力を受けると、カバー18は、それぞれ圧力供給ポート36a、36bおよび36cを介して、取外し可能なカートリッジ14内の受圧ポート34a、34bおよび34cに制御された圧力を加える。
【0025】
検査を開始するには、カバー18を持ち上げ、新しいカートリッジ14をベース16上に配置し見当合せする。血液サンプルを、サンプルコレクタ32内に導入する。カバー18を閉じ、システムを手動で加圧する。加圧後、装置は、白血球サイトメトリ測定を行う。取外し可能なカートリッジ14が、血液の希釈、赤血球溶解、およびコアの形成のための流体力学的集束を行う。光供給源22、光検出器24、および付随する制御および処理電子装置は、光検出器24によって受信された光散乱信号に基づいて白血球の区別およびカウントを行う。ハウジング12用にヒンジ式構造を用いず、スライド式カートリッジスロット、または、図5〜12に関連して以下でさらに記載する構造を含む他の任意適当な構造が使用されることができることが考慮される。
【0026】
図2は、図1の例示的な携帯用サイトメータの概略図である。上記のように、ベース16は、光供給源のアレイ22、付随する光学素子、および、サイトメータの作動に必要な制御および処理電子要素40を含む。ベース16はまた、サイトメータに電力を与えるための電池42を含むことができる。図では、カバー12は、手動式加圧要素44、制御マイクロバルブ付の圧力チャンバ46a、46bおよび46c、および、付随する光学素子を備える光検出器のアレイ24を含む。取外し可能なカートリッジ14は、サンプルコレクタポート32を介してサンプル流体を受け取ることができる。カバー18によって加圧されると、取外し可能なカートリッジ14は、血液を希釈、赤血球の溶解、および、一実施例ではコア形成のための流体力学的集束を行う。形成後、コアは、図1のフローストリーム窓30を通るフローストリーム経路50の下流に設けられる。ベース内の光供給源のアレイ22および付随する光学素子は、フローストリーム窓30を介してコアストリームを透過する光を供給する。光検出器のアレイおよび付随する光学素子は、やはりフローストリーム窓30を介して、コアからの散乱光および非散乱光を受け取る。制御または処理装置40は、検出器のアレイから出力信号を受信し、コアストリーム中に存在する選択された白血球を区別し、カウントする。
【0027】
取外し可能なカートリッジ14は、それぞれの流体の速度を制御するのを助けるための流体制御ブロック48を有してよいことが考慮される。例示的な実施例では、この流体制御ブロック48は、様々な流体の速度を感知するためのフローセンサを有し、これらの速度を制御装置または処理装置40に伝える。制御装置または処理装置40は、次いで、圧力チャンバ46a、46bおよび46cに連結されたマイクロバルブを調整して所望の圧力をもたらすことができ、それによりサイトメータの適切な作動のための所望の流体速度がもたらされる。いくつかの実施例では、以下でさらに説明するように、ベース16内の処理装置40と取外し可能なカートリッジ14上のフローセンサとの間に1つまたは複数の電気的接続が形成されてよい。
【0028】
血液および他の生物学的廃物は病気を蔓延させる可能性があるので、取外し可能なカートリッジ14はフローストリーム窓30の下流に廃物用リザーバ52を有することができる。廃物用リザーバ52は、取外し可能なカートリッジ14内のフローストリームの流体を受け取り、保管する。検査が完了したとき、取外し可能なカートリッジを取り外し、生物学的廃物に適合性のある容器内に廃棄することができる。
【0029】
図3は、カバー18を押し下げていない、図2の携帯用サイトメータを示すより詳細な概略図である。図4は、カバーを押し下げた、図2の携帯用サイトメータを示すより詳細な概略図である。カバー18は、図では、手動式加圧要素44、圧力チャンバ46a、46bおよび46c、および全体として60で示す制御マイクロバルブを有する。光供給源および光検出器のアレイは、これらの図には示されていない。
【0030】
3つの圧力チャンバ46a、46bおよび46cがあり、1つずつがそれぞれの加圧される流体用である。例示的な実施例では、圧力チャンバ46aは、血液サンプルリザーバ62に圧力を加え、圧力チャンバ46bは、溶解液リザーバ64に圧力を加え、圧力チャンバ46cは、シース液リザーバ66に圧力を加える。それぞれの圧力チャンバ46a、46bおよび46cのサイズおよび形状は、対応する流体に対する所望の圧力特性を実現するよう適合されることができる。
【0031】
圧力チャンバ46aは、第1の圧力チャンバ70および第2の圧力チャンバ72を有する。第1の弁74は、第1の圧力チャンバ70内の圧力を第2の圧力チャンバ72へ制御可能に逃がすために、第1の圧力チャンバ70と第2の圧力チャンバ72の間に設けられる。第2の圧力チャンバ72と流体連通する第2の弁76は、第2の圧力チャンバ72内の圧力を制御可能に排出する。各弁は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、「ADDRESSABLE VALVE ARRAYS FOR PROPORTIONAL PRESSURE OR FLOW CONTROL」と題される同時係属の米国特許出願09/404560に記載されているような、個々に操作可能かつ制御可能な静電作動式マイクロバルブのアレイであってよい。圧力チャンバ46bおよび46cは同様の弁を有し、それぞれ溶解液リザーバ64およびシース液リザーバ66に印加される圧力を制御する。別法として、各弁は、制御された「有効な」流れまたは漏れ率をもたらすように、制御可能なデューティーサイクルでパルス変調された静電作動式マイクロバルブのアレイであってよい。あるいは、各弁は、参照によって本明細書に組み込まれる、「ELECTROSTATICALLY ACTUATED VALVE」と題される同時係属の米国特許出願1100.1174101に記載される弁と同様であってよい。
【0032】
取外し可能なカートリッジ14は、調整された圧力をカバー18から受けるための受圧ポート34a、34bおよび34cを有する。調整された圧力は、図に示すように、血液リザーバ62、溶解液リザーバ64、およびシース液リザーバ66に加えられる。溶解液リザーバ64およびシース液リザーバ66は、取外し可能なカートリッジ14が使用のために取り付けられる前に充填されてよく、一方、血液リザーバ62は、サンプルコレクタポート32から充填される。血液サンプルは、サンプルコレクタポート32に供給されることができ、毛管作用によって、血液サンプルは血液リザーバ62中に吸引されることができる。血液サンプルを血液リザーバ62内に入れると、カバー18を閉じられてよく、システムが加圧されることができる。
【0033】
フローセンサは、流体力学的集束の前に各流体と整列して設けられる。各フローセンサ80、100および102は、対応する流体の速度を測定する。これらのフローセンサは、熱風速計タイプのフローセンサおよび/またはマイクロブリッジ(microbridge)もしくはマイクロブリック(microbrick)タイプのフローセンサでよい。マイクロブリッジフローセンサは、例えば、米国特許第4478076号明細書、米国特許第4478077号明細書、米国特許第4501144号明細書、米国特許第4651564号明細書、米国特許第4683159号明細書および米国特許第5050429号明細書に記載されており、これらはすべて、参照により本明細書に組み込まれる。各フローセンサ80、100および102からの出力信号は、取外し可能なカートリッジとベースとの間の1つまたは複数の電気的接続を介して制御装置または処理装置40に供給される。
【0034】
血液サンプルの速度が第1の所定の値未満の場合、制御装置または処理装置40は第1の弁74を開き、血液サンプルの速度が第2の所定の値を超える場合は第2の弁76を開ける。弁84、86、94および96は、同様に溶解液およびシース流体の速度を制御する。
【0035】
作動中、再度システムを加圧するために、手動式加圧要素44を押し下げる。示す実施例では、手動式加圧要素44は、3つのプランジャを有しており、各プランジャは、第1の圧力チャンバの対応する1つのチャンバ内に受容される。これらのプランジャは、第1の圧力チャンバ内に比較的大きい非精密圧力をもたらす。第2のチャンバ内に制御可能な漏出を発生させる第1の弁70、84および94を開くことにより、より小さい調整された圧力が、第2のチャンバ内にもたらされる。2つの大きな圧力が第2の圧力チャンバ内にもたらされる場合は、対応する通気弁76、86および96を開いて圧力を解放する。
【0036】
カバー18を閉じる場合は、通常は開いている第1の弁74、84および94が閉められて、一方、通気弁76、86および96が開けられる。第1の圧力チャンバ内で所定の圧力Pに到達した場合、通気弁76、86および96を閉じ、第1の弁74、84および94を開けて、第2の圧力チャンバ内により低い圧力P’をもたらす。第2の圧力チャンバ内の調整された圧力は、血液、溶解液およびシース液に対して流体の流れをもたらすために、取外し可能なカートリッジ14の流体循環路に必要な圧力をもたらす。次いで、流体の流れの速度を下流のフローセンサ80、100および102によって測定する。各フローセンサは、対応する第1の弁および通気弁の作動を制御して各流体に対して所望の一定の流量をもたらすために制御装置または処理装置40によって使用される出力信号を供給する。
【0037】
全体として110で示す下流の弁が設けられてもよい。制御装置または処理装置40は、システムが加圧されるまで下流の弁110を閉じることができる。これにより、血液、溶解液、シース液が、流体循環路が加圧される前に流体循環路内に流れ込むのを防止する働きをすることができる。別の実施例では、下流の弁110は、カバーが閉じている場合、機械的作用によって開けられる。
【0038】
図5は、別の例示的な携帯用サイトメータの斜視図である。図5の携帯用サイトメータの基本的な作動は、上記の図1〜4に関連して上述した作動と同様である。図5の携帯用サイトメータを全体として120で示しており、これは、ベース122、第1の部材124、第2の部材126、クランプレバー130を備えるクランプフレーム128、空気バッファモジュール132、ポリマーマイクロバルブを備える弁モジュール組立体134、空気アキュムレータモジュール136、および、光学素子組立体140を含む。
【0039】
例示的な実施例では、第2の部材126がベース122に固定される。複数の肩つきねじ142a、142b、142cおよび142d(142dは図5に図示せず)が、第1の部材124の孔を貫通して第2の部材126に固定される。ばね144a、144b、144cおよび144d(144dは図5に図示せず)が、第1の部材124と対応する肩つきねじ142a、142b、142cおよび142dの頭との間に配置される。ばね144a、144b、144cおよび144dは、第1の部材124に対して第2の部材126に向かうバイアス力を加える。
【0040】
クランプフレーム128は、示すように第2の部材126に固定される。クランプレバー130は、クランプフレームと相互作用して、第1の部材に対して第2の部材126から離れるように外方向バイアス力を加える。クランプレバー130を第1の方向に動かすことにより、第1の部材124が、ばね144a、144b、144cおよび144dから加えられる内向きのバイアス力を克服することにより第2の部材126から離れるように動かされる。クランプレバー130を反対の第2の方向に動かすことにより、第1の部材124は、ばね144a、144b、144cおよび144dから加えられる内向きのバイアス力の働きにより第2の部材126に向かって動かされる。
【0041】
作動中、クランプレバー130は第1の方向に動くことができ、それにより、第1の部材124が第2の部材126から離れるように動かされ、それらの間に空間が生まれる。その場合、取外し可能な流体カートリッジ150などの取外し可能な媒体部材が、その空間内にスライドすることができる。取外し可能なカートリッジ150は、示すように、前面、後面、および、前面と後面との間を延在する1つまたは複数の側面を有してよい。その場合、クランプレバー130は、第2の方向に動かされることができ、それにより第1の部材124が第2の部材136に向かって動いて図5に示すように取外し可能な媒体部材150を固定および/または係合する。図6は、図5の例示的な携帯用サイトメータの側面図である。
【0042】
例示的な一実施例では、図1〜4に関連した上述と同様に、取外し可能な媒体部材150は、前面および/または後面に1つまたは複数の流体ポートを有する。1つまたは複数の流体ポートが、用途に応じて、気体または液体のどちらかを受けるように適合されることができることを考慮している。例示的な実施例の第2の部材126は、取外し可能な媒体部材150の1つまたは複数の流体ポートに位置合わせされた対応する流体ポートを有する。その流体ポートの1つを図6の160に示す。所望の場合、流体ポートガスケット(以下の図12を参照)が、第2の部材126に固定されてよく、より良好な密封状態を形成するのを助ける。
【0043】
その場合、流体制御モジュールが、第2の部材126の流体ポートに流動的に結合されてよい。例示的な実施例では、この流体制御モジュールは、空気アキュムレータモジュール136、ポリマーマイクロバルブを備える弁モジュール組立体134、および、空気バッファモジュール132を含む。空気アキュムレータモジュール136は、空気圧を蓄積するための内部チャンバを有する。空気アキュムレータ136の内部チャンバから空気圧源へポート(図示せず)が設けられることができる。蓄積された空気圧は、弁モジュール組立体134に供給されてよい。弁モジュール組立体は、参照によって本明細書に組み込まれる、「ELECTROSTATICALLY ACTUATED VALVE」と題される米国特許出願1100.1174101に開示されるポリマーマイクロバルブなどの1つまたは複数のマイクロバルブを含んでよい。例示的な実施例では、弁モジュール組立体134は、図1〜4に関連して上で示し説明したように、血液チャネル、溶解液チャネル、および、シース液チャネルを含む3つの分離した圧力チャネルを形成してよい。弁モジュール組立体134は、ベース122内の制御装置によって制御されることができ、空気バッファモジュール132に3つの分離した調整された圧力を供給する。空気バッファモジュール132は、調整された圧力を緩和して、第2の部材126を貫通または通る流体ポートを介して取外し可能な媒体部材150の流体ポートに圧縮空気を送る。
【0044】
いくつかの場合では、取外し可能な媒体部材150は、1つまたは複数の電気的装置および/または光学装置を含んでよい。例えば、例示的な実施例では、取外し可能な媒体部材150は、3つのフローセンサを含んでよく、各フローセンサは、取外し可能な媒体部材150の3つに分離した圧力チャネルの1つを通る加圧流体の流量を測定する。上記のように、フローセンサは、熱風速計タイプのフローセンサおよび/またはマイクロブリッジ(microbridge)もしくはマイクロブリック(microbrick)タイプのフローセンサであり、これらは、Honeywell Internationalから市販されている。マイクロブリッジフローセンサは、例えば、米国特許第4478067号明細書、米国特許第4478077号明細書、米国特許第4501144号明細書、米国特許第4651564号明細書、米国特許第4683159号明細書、および米国特許第5050429号明細書に記載されており、これらはすべて参照によって本明細書に組み込まれる。各フローセンサからの出力信号は、取外し可能な媒体部材と第2の部材126との間の電気的および/または光学的結合を介してベース122内の制御装置または処理装置に供給される。
【0045】
光学組立体モジュール140は、取外し可能なカートリッジ150の一方の側に1つまたは複数の光供給源(例えば、VCSEL)と、取外し可能なカートリッジ150の反対の側に1つまたは複数の光検出器と、付随の光学素子とを有してよい。これらが設けられる場合、取外し可能なカートリッジ150は、1つまたは複数の光供給源および1つまたは複数の光検出器に位置合わせされた透明フローストリーム窓を含んでよい。空気バッファモジュール132、弁モジュール組立体134、および空気アキュムレータモジュール136は、取外し可能なカートリッジ150のフローストリーム窓を通るフローストリーム経路の下流にコアストリームを形成するように制御されることができる。光供給源は、作動されると、フローストリーム窓の一方の側を介してコアストリームを通る光を供給する。光学検出器は、フローストリーム窓の反対の側を介してコアストリームから散乱光および非散乱光を受け取る。次いで、ベース122内の制御装置または処理装置が、検出器からの出力信号を受信して、コアストリーム中に存在する選択された白血球を区別し、カウントする。
【0046】
図7は、追加の詳細部をさらに示す、図5の例示的な携帯用サイトメータの別の斜視図である。図7に、第1の部材124および第2の部材126を通る孔170を示す。孔170は、光学組立体モジュール140の1つまたは複数の光供給源および1つまたは複数の光検出器が取外し可能なカートリッジ(図7には図示せず)のフローストリーム窓を直接の進路にすることを可能にする。
【0047】
また、図7に、第1の部材124に固定された1つまたは複数のばね付勢のプローブを示す。1つまたは複数のばね付勢のプローブは、取外し可能なカートリッジが第1の部材124と第2の部材126との間の所望の位置にあるときに取外し可能なカートリッジ上の1つまたは複数の電気接触パッドに位置合わせされて配置されることができる。例示的な実施例では、3つのアレイのばね付勢のプローブ174a、174bおよび174cが設けられ、各アレイが、小型プリント回路基板を介して取り付けられて第1の部材124内の対応する孔に固定される。第1の部材124の孔は、ばね付勢のプローブの背面に対して進路を形成することができ、いくつかの実施例では、ベース122内の制御装置と各ばね付勢のプローブとの間の電気的接続を形成するのに都合のよい配置を実現することができる。
【0048】
加えて、あるいは別法として、1つまたは複数の光学送信機および/または光学検出器が第1および/または第2の部材に固定されてよいことが考慮される。1つまたは複数の光学送信機および/または光学検出器は、取外し可能なカートリッジが第1の部材124と第2の部材126との間で所望の位置にあるときに取外し可能なカートリッジ上の1つまたは複数の光学検出器および/または光学送信機に位置合わせされて配置されることができる。これにより、所望の場合、取外し可能なカートリッジと第1の部材および/または第2の部材126との間に光学リンクが形成される。
【0049】
図8は、図5の例示的な携帯用サイトメータの第1の部材124の斜視図である。図8に、図7の3つのアレイのばね付勢のプローブ174a、174bおよび174cの反対の側を示す。示すように、各ばね付勢のプローブは、ばねにより、第1の部材124から離れて取外し可能なカートリッジ(図8には図示せず)に向かうように外方向に付勢される。ばね付勢のプローブは、取外し可能なカートリッジが第1の部材124と第2の部材126との間で所望の位置にあるときに取外し可能なカートリッジ上の1つまたは複数の電気接触バッドに位置合わせされて配置されることができる。第1の部材124および第2の部材126が互いに向かって移動させられて取外し可能なカートリッジを固定および/または係合するとき、ばね付勢のプローブは、取外し可能なカートリッジ上の1つまたは複数の電気接触パッドと電気的に接触することができる。
【0050】
第1の部材124が第2の部材126から離れるように移動させられるときに取外し可能なカートリッジ上の1つまたは複数の電気接触パッドからばね付勢のプローブを分離するのを助けるために、外方向または分離バイアス部178が、第1の部材124と取外し可能なカートリッジとの間に設けられてよい。一時的に図11を参照すると、外方向バイアス部178が、ウェッジ180およびばね182を有することができる。ばね182は、第1の部材124の凹部184内に配置されることができ、ウェッジ180がばね182により外方向に付勢される。
【0051】
図8を再び参照すると、第1の部材124および第2の部材126が互いに向かって移動させられて取外し可能なカートリッジを固定および/または係合するとき、外方向バイアス部178は通り抜けられることができる。しかし、第1の部材124および第2の部材126が互いから離れるように移動させられて取外し可能なカートリッジを解放するとき、外方向バイアス部178は、1つまたは複数のばね付勢プローブ174a、174bおよび17cを取外し可能なカートリッジ上の1つまたは複数の電気接触パッドから分離させることができ、これにより、第1の部材124と第2の部材126との間からの取外し可能なカートリッジの分離がより容易になり、さらに、分離プロセスの間にばね付勢のプローブを損傷から保護する働きをすることができる。
【0052】
第1の部材124はまた、取外し可能なカートリッジを受けるスロットを形成する1つまたは複数のL字形転び止めを有することができる。図8の例示的な実施例では、上側L字形転び止め190および下側L字形転び止め192が設けられる。L字形転び止め190および192はそれぞれ、例えば、第1の部材124から離れるように第2の部材に向かって延在する第1の脚194と、第1の脚194の遠端部から第1の脚194に対して垂直な方向に延在する第2の脚196とを有してよく、それにより、チャネルまたは受取スロット198が形成される。その場合、チャネルまたは受取スロット198は、取外し可能な媒体部材の一方の側を受けることができる。例示的な実施例では、上側L字形転び止め190は、下側方向に延在する第2の脚196を含み、下側L字形転び止め192は、上側方向に延在する第2の脚を含む。加えて、上側L字形転び止め190および下側L字形転び止め192は、取外し可能なカートリッジの両側(例えば、上側および下側)を受ける2つの離れたチャネル196を形成するために離間している。すわなち、上側L字形転び止め190のチャネルまたはスロットおよび下側L字形転び止め192のチャネルまたはスロットは、取外し可能なカートリッジが第1の部材124と第2の部材126との間に挿入されるときに取外し可能なカートリッジが両方のチャネルに滑り込むように配置される。例示的な実施例では、2つのL字形転び止めは第1の部材124に固定される。
【0053】
アライメントピン200が、第1の部材124の裏側に向かって設けられてよく、取外し可能なカートリッジの裏側を係合する。アライメントピン200は、第1の部材124と第2の部材126との間の所望の挿入位置であるいはその近傍で取外し可能なカートリッジを止めるように配置されることができる。
【0054】
使用中、第1の部材124および第2の部材126は、互いから離れるように移動させられることができ、取外し可能なカートリッジがアライメントピン200と係合するまで、取外し可能なカートリッジが、L字形転び止め190および192によって形成されるチャネルまたは受取スロット198内に滑り込むことができる。L字形転び止め190および192は、取外し可能なカートリッジがL字形転び止め190および192に受け取られるときに取外し可能なカートリッジが第1の部材124および/または第2の部材126に対して所望の位置に少なくとも概略的に位置合わせされるように配置されてよい。その場合、第1の部材124および第2の部材126は、互いに向かって移動させられてそれらの間に取外し可能なカートリッジを係合および/または固定することができる。
【0055】
取外し可能なカートリッジを取り外すときは、第1の部材124および第2の部材126は互いから離れるように移動させられることができる。取外し可能なカートリッジの上側縁部および下側縁部はL字形転び止め190および192のチャネルまたはスロット198内に位置しているので、取外し可能なカートリッジは、第1の部材124および第2の部材126が互いから離れるように移動させられるときにL字形転び止め190および192の第2の脚196によって第2の部材126から引き離されることができる。
【0056】
取外し可能な媒体部材と第1の部材124および/または第2の部材126との間でより良好なアライメントを実現するために、第2の部材126は第1の部材に向かって延在する1つまたは複数のアライメントピン200a〜200cを有してよい(図12を参照)。その場合、取外し可能な媒体部材150は、1つまたは複数のアライメントピン200a〜200cを受けるための1つまたは複数の受取孔を有してよい。アライメントピン200a〜200cおよび受取孔は、取外し可能な媒体部材150が第1の部材124および第2の部材126との間に固定されるときに取外し可能な媒体部材150と第1の部材124および/または第2の部材126の間でのアライメントの向上を実現することができる。
【0057】
L字形転び止め190および192は、取外し可能な媒体部材150を第2の部材126から引き離すのに使用されてよく、それにより、取外し可能な媒体部材150の1つまたは複数の受取孔を、第2の部材126から延在する1つまたは複数のアライメントピン200a〜200cから分離させる。1つまたは複数の受取孔がアライメントピン200a〜200cから分離されると、その場合、取外し可能な媒体部材150は、第1の部材124と第2の部材126との間からより容易に取り外されることができる。
【0058】
図9は、図8の下側転び止め192の斜視図である。例示的な下側転び止め192は、第1の脚194aおよび第2の脚196aを含み、第2の脚196aは第1の脚194aの遠端部から垂直方向に延在してチャネルまたは受取スロット198aを形成する。下側転び止め192を第1の部材124に取り付けるために、示すように、取付け脚202aが第1の脚194から延在してよい。
【0059】
図10は、図8の上側転び止め190の斜視図である。例示的な上側転び止め190は、第1の脚194bおよび第2の脚196bを含み、第2の脚196bは第1の脚194bの遠端部から垂直方向に延在してチャネルまたは受取スロット198bを形成する。上側転び止め190を第1の部材124に取り付けるために、示すように、取付け脚202bが第1の脚194bから延在してよい。
【0060】
図12は、図5の例示的な携帯用サイトメータの第2のプレートまたは部材126の斜視図である。第2の部材126は、ねじ孔210aおよび210bにねじ込まれるねじによってベース122に固定されることができる。上で詳細に説明したように、第2の部材126は、光学組立体モジュール140の1つまたは複数の光供給源および1つまたは複数の光検出器が取外し可能なカートリッジのフローストリーム窓を直接の進路にすることを可能にする孔170をさらに含むことができる。
【0061】
例示的な実施例では、第2の部材126は、取外し可能なカートリッジを受けるための窪み部分を有する平坦な主面を含む。取外し可能なカートリッジと第1の部材124および/または第2の部材126との間でより良好なアライメントを実現するために、第2の部材126は第1の部材に向かって延在する1つまたは複数のアライメントピン200a〜200cを有してよい。その場合、取外し可能なカートリッジ150は、1つまたは複数のアライメントピン200a〜200cを受けるための1つまたは複数の受取孔を有してよい。アライメントピン200a〜200cおよび受取孔は、取外し可能なカートリッジが第1の部材124と第2の部材126との間に固定されるときに取外し可能なカートリッジと第1の部材124および/または第2の部材126との間でのアライメントの向上を実現する。
【0062】
追加の凹部212および214が、上側L字形転び止め190および下側L字形転び止め192のそれぞれの第2の脚196aおよび196b(図8〜10を参照)を受けるために組み込まれてよい。上側L字形転び止め190および下側L字形転び止め192の第2の脚196aおよび196bに起伏を設けることにより、取外し可能なカートリッジは第2の部材126の表面に直接係合することができる。
【0063】
いくつかの場合では、取外し可能なカートリッジの製造では、特に取外し可能なカートリッジの外側周囲に、隆起部、バリ、または他の欠陥部が生成する場合がある。一実施例では、流体カートリッジは、複数の層またはシートを一体に積層し、次いでその積層構造物から個々の流体カートリッジを切断することによって製造されてよい。切断工程線では、隆起部、バリ、および/または他の欠陥部が生じる場合がある。取外し可能なカートリッジが第2の部材126の表面と正確に重なって設置されるのを助けるために、溝216または他の凹凸構造が、第2の部材126の受取表面に設けられてよく、取外し可能なカートリッジの1つまたは複数の欠陥部を収容する。図12の例示的な実施例では、溝216が、取外し可能なカートリッジの周囲を延在する溝経路に沿って延在してよい。しかし、溝または他の凹凸構造が、予想される欠陥部が発生する可能性がある取外し可能なカートリッジの任意の位置に設けられてよいことが考慮される。また、所望の場合、溝または他の凹凸構造が、第1の部材124の受取表面に設けられてよいことが考慮される。
【0064】
例示的な一実施例では、取外し可能なカートリッジは、図1〜4に関連して上述した流体ポートと同様の1つまたは複数の流体ポートを有する。1つまたは複数の流体ポートが、用途に応じて、気体または液体のどちらかを受けるように適合されることができることを考慮している。例示的な実施例の第2の部材126は、取外し可能なカートリッジの1つまたは複数の流体ポートに位置合わせされる対応する流体ポート220a〜220cを含む。所望の場合、流体ポートガスケット222が、第2の部材126に固定されてよく、より良好な密封状態を形成するのを助ける。
【0065】
図13は、図12の単一のガスケット222を備える第2の部材126の斜視図である。この単一のガスケットには、漏れなどの問題が伴う可能性がある。単一部片ガスケット222を有するインターフェースでの漏れに対する解決法には、ガスケットの下の厚いテープと、第2の部材126に対してカートリッジをより強い力で押しつけるためのカートリッジ150上の第1の要素124からの締め付け圧とが含まれる場合がある。ガスケット222は取り外されて、シース流体、溶解液、およびサンプルの第2の部材126からカートリッジ150の入口ポート231、232および233へのそれぞれの移動のためのポート220a、220bおよび220cに対する3つの分離したガスケット223、224および225に取り替えられることができる。ガスケットはOリング形状でよく、シリコンまたは同様の材料から作られることができる。ガスケット222から個別のガスケット223、224および225への取り替えは、カートリッジ150と第2の部材126との間での流体連結部での漏れの防止をより確実なものにすることを可能にする。図6を考慮すると、第2の部材126へ向かうカートリッジ150に対する第1の部材124の締め付け圧が不十分であると、特に、個別のガスケットがない場合では、2組のポートのインターフェースでの密封状態の完全性に影響を及ぼす。このインターフェースでの漏れは、システムからの流体の排出を引き起こす可能性があるだけでなく、流体路または循環路に空気が入るのを許す。
【0066】
カートリッジ150のより容易な挿入のために、ならびに、第2の部材126に対するカートリッジの正確なアライメントのために、アライメントピン234、235および236は元のピンより短くする(図13)ことができ、さらに、1つまたは複数の元のアライメントピン200a、200bおよび200c(図12)は取り替えられることができる。主要なアライメントは、カード150の孔237に対する第2の部材126のピン234によって形成されてよい。他のピン235および236は、ピボットガイドピン234を中心にカートリッジが揺動するのを防止するために存在してよい。代わりに、これより多いまたは少ないアライメントピンが、第2の部材126に存在してよい。アライメントピン234、235および236はそれぞれ、アライメント孔237、238および239に嵌挿されることができる。
【0067】
フローセンサ226、227および228はカートリッジ150内に位置されることができ、第1の部材124上の3つのアレイのばね付勢のプローブ174a、174bおよび174cをそれぞれ介して、カートリッジから離れて位置する電子装置に接続されることができる。フローセンサ226、227および228は、シース流体、溶解液、およびサンプルのそれぞれの流れを監視するのに利用されることができる。フローセンサは、図14aの領域240内でカートリッジ内に配置されることができる。フローセンサ226、227および228は、それらの電気接触部がカートリッジから離れて面した状態でカートリッジ内の皿穴に埋め込まれてよく、カートリッジ150が部材124と126との間のスロットに方向199で図7の左から右に挿入されるときに、フローセンサの接触部が右上側部240(図14a)内でばね付勢のプローブ174a〜174cのアレイと合わせて並び、それらと適切に電気的接触できるようになる。フローセンサとカートリッジの表面との間で、シース流体、溶解液、およびサンプルを連絡する流体ポートを用いた連結を形成するために、ポートへ通じる孔を有する表面上にテープおよび/または接着剤があってよく、これにより、フローセンサを密封して、フローセンサとカートリッジとの間の流体連結部からのシース液、溶解液、および/またはサンプルの漏れを防止する。漏れに対してより確実に備えるために、テープおよび/または接着剤は、ポートと合わせて並んだ3つの孔を有する同様の形状のガスケットに取り替えられるあるいはそのガスケットと重ね合わせられてよい。ガスケットは、フローセンサとカートリッジとの間のインターフェース用に個別仕様で成形されたガスケットでよい。あるいは、インターフェースは、分離したOリング様のガスケットまたはシールを組み込んでよい。それぞれのセンサの頂部の流れチャネルの接着剤は、個別仕様のガスケットと共に使用されてよく、1つカートリッジから別のカートリッジへのフローセンサの互換性および再使用性を緩和する。フローセンサは、カートリッジに対して挿入可能および取外し可能である。カートリッジが使用されて処分される場合、フローセンサは取り外され、洗浄されて、サンプルの検査および分析に使用するために新しいカートリッジに挿入されることができる。安価なフローセンサが、より持続的な方式でカートリッジ内に配置されてよく、さらに、使用終了後はカートリッジと共に廃棄されてよい。カートリッジ内に配置されるフローセンサガスケットは、漏れの危険性がない状態であるカートリッジから別のカートリッジへフローセンサを移動させることを容易にすることができる。
【0068】
カートリッジ150は、プラスチックまたはプラスチックに類似の材料から製造されてよい。壁のいくつかの部分は、構造剛性のために厚くなっており、別のいくつかの部分は、流体の保管のための、マイクロ流体チャネルのための、ならびに、機構のための空間をカートリッジ内に形成するために薄くなっている。また、流体フローチャネルを備える部分は薄い壁を有しており、コアストリーム内の単一の列の粒子の流れのための狭いチャネルを形成し、さらに、光供給源および検出器の光学素子がフローチャネル内でコアストリームを正確に集束して観測するのを十分に補助する。この壁は、種々の流体リザーバおよび混合チャネルがカートリッジ内に位置される場合に配置されることができる。
【0069】
カートリッジ150の例示的な層配列は、図14a内でカートリッジ150が底側の左側までフローチャネル247を備える下側から、さらに、図14bのカートリッジ150の側面図において:層261−PET−標準の5ミル;層262−ACA−標準の6ミル;層263−PET−標準の2ミル;層264−ACA−標準の4ミル;層265−PET−反転の2ミル;層266−ACA−標準の6ミル;層267−PET−反転の5ミル;層268−ACA−標準の4ミル;層269−PET−反転の5ミル;層270−ACA−標準の6ミル;層271−アクリル樹脂−標準の125ミル;層272−ACA−標準の6ミル;層273−PET−標準の5ミルを含んでよい。カード150の所望の仕様および用途に応じて、層の数がより多くあるいはより少なくなる場合が時々ある。これらの図では、必ずしも縮尺を定めているわけではない。
【0070】
これらの薄い層は、非常に精密な厚さに調整されることができる。また、サイトメータフローチャネル、混合チャネル、サンプル保管部、蛇行状のチャネル(溶解液と血液とを混合するチャネルなど)、および精密な寸法の他の部品が、これらの層内に配置されることができる。保管部の壁は、保管部の弾力性を保証するのに十分なものであるべきである。厚い層は、厚さの精度が低い。試薬保管部および廃物用リザーバはこの層内に配置される。厚い層は、カートリッジに機械的剛性をもたらす。薄い精密な層は、光供給源および検出装置を組み込んだ光学サブシステムに対するカートリッジの正確なアライメントを実現することによってカートリッジクランプフレームと「接続」することができる。精密な厚さのフィルムが、サンプルフローと光供給源との間隔を制御するために作られてよく、適切な集束を確実なものにする。薄い精密な層は、可能性としては厚さの変動量が4パーセント未満の非常に注意深く調整された厚さを有することができる。厚さの変動量は、カートリッジの他の領域よりもフローチャネルの光学領域においてはより重要である場合がある。
【0071】
薄い壁は、時々、カートリッジに対して観察可能な現象をもたらすことがあり、その場合、流れの開始時および停止時にフロー上昇および減衰が遅れる。これらの現象の影響は、カートリッジのグラフでのチェックで確認されることができる。図14cに、取外し可能な埋め込み式フローセンサを有するカートリッジのサンプルフロー信号を示す。このグラフは、測定ユニットに対する電圧の信号に関するプロットを示す。曲線301、302、303、304、305、306、307、308および309はそれぞれ、毎分7マイクロリットル(μm/min)、5μm/min、3μm/min、1.4μm/min、1μm/min、0.7μm/min、0.5μm/min、および、0μm/minを示す。少数の測定ユニットに対する高い信号電圧では良好な始動が示され、逆では遅い始動が示されており、これは、壁のたわみおよび/またはシステム内の空気が原因である可能性がある。図14dに、カートリッジに対するシース液フロー上昇およびゼロフロー減衰信号を示す。測定値は、秒単位の時間に対する電圧の信号である。プロット311、312および313は、ゼロA、ゼロFおよびゼロDのデータをそれぞれ示す。プロット314、315および316は、300E、500Cおよび700Bのデータをそれぞれ示す。
【0072】
たわみは、フローチャネルに対する光学素子の集束、および不正確なデータ収集に影響を及ぼす。また、薄い壁は、マイクロ流体循環路内の流体のポンピングおよび流れに影響を及ぼす可能性があり、それによりデータ収集に影響が出る。1つの理由は、リザーバ壁がたわむこと、あるいはリザーバ壁がカートリッジの他の部分に比べて凹面または凸面形状であることである。例えば、いくつかのカートリッジ上では、試薬リザーバの表面は凹面である場合がある。そのことが、カートリッジが締め付けられるときに表面がカートリッジホルダのマニホルド表面に接触するのを防止し、それにより、カートリッジ内の流体要素の作動中に薄い壁がたわむことが可能になってしまう。一方で、特にリザーバが充填されている場合は、薄い壁の表面は凸面であるが、リザーバが空になったときもリザーバは凸面のままである。あるいは、リザーバがある程度空のときはリザーバの壁は凹面でよく、リザーバがかなり充填されているときはリザーバの壁は凸面になってよい。これは、シース流体の流れなどの流れが遮断されたときに、圧力のゆっくりした変化が起こる場合がある、あるいは、流体の残留物が継続して流れる場合があることを意味する。流れが開始されるときに、流体の流れの開始が遅れる、あるいは作動圧力の蓄積が遅れる可能性がある。これらの流体動作の遅れは、それぞれが壁が薄いことに起因するリザーバ容積の収縮および膨張が原因である場合がある。シース流体の制御は非常に重要であり、これは、薄い壁のたわみの影響をかなり受ける可能性がある。シース流体の流れの変化は、フローチャネル内のコアストリームの幅および速度に影響を及ぼす場合があり、それにより、サイトメータの検出システムによるデータ取得が不正確あるいは信頼性の低いものになる。薄い壁のたわみは、システムに気泡が入り込む原因となる場合があり、それにより、流体路内の空気が、圧力および/または温度の変化によって著しく膨張および収縮する可能性があり、それにより、カートリッジのマイクロ流体の適切な作動が影響を受ける。シース流体が遮断されたときは流れを止めるべきである。流れおよび/または圧力の始動は、流れが開始されたほぼ直後に行われるべきである。流体の始動および停止が適切でない場合、データ収集が信頼性のないものになる可能性がある。カートリッジが締め付けられるときに、サンプル入口の上方のカートリッジの縁部近傍のフィルタの通気孔で逆流が起こる場合がある。これは、チェック弁がある場合は、そのチェック弁が逆流を止める機能を果たしていないことが理由である。
【0073】
薄い壁は、突条を用いて補強されることができる。突条あるいは梁状構造物が、薄い壁上の1つの面積(例えば、長さ方向面積)に沿って増設されることもできる。あるいは、これらの壁は、より厚く製造されることができる。これらの壁は、薄い1つのフィルム材料または複数のフィルム材料から構成されることができる。追加のフィルムは、薄い壁の厚さの小さな変化に妥協することなく最小の厚さの増加で薄い壁を補強することができる。突条または梁状構造物が、厚みを増した薄い壁をさらに補強するために増設されることもできる。厚みを増したおよび/または突条で補強された壁は、流体のための十分な隙間を妨げる、および/あるいは気泡トラップを生成する場合があるので注意する必要がある。また、実施に際して、薄い壁の状態によって影響を受ける構成要素の期待性能の保証が得られる限りにおいて、カートリッジ上の薄い壁の領域は、より小さくまたは最小に製造されてよい。
【0074】
カートリッジの試薬リザーバは、元々、それらの頂部に小さな孔を有しており、各リザーバを独立して充填するために各リザーバに1つの孔が対応している。しかし、泡が試薬リザーバに入りこみ、それに伴い流体路内に「コンプライアンス」を導入するという問題が時折発生する。例えば、リザーバが充填されている場合、孔を閉じるとき、孔を密封するとき、または孔に栓をするときに、注入孔に少しの空気も入れることなく孔の頂部まで確実に充填することは困難である場合がある。例えば、試薬リザーバの注入孔を密封するときに、しばしば、リザーバ内に気泡が注入される場合がある。この問題を排除するために、リザーバは、代わりに入口ポートを通して充填されることができる。小さな孔は、常に栓をされたままである。入口ポートは、いずれの場合においても流れのために使用される。流れ試験が停止された後のカートリッジ内の正圧は、大型のリザーバに気泡を押し戻す可能性があることに留意されたい。リザーバ内の圧力は、リザーバに空気を戻す逆流を引き起こす。使い捨てのカートリッジでは、組み立ての間に、容器に入れられる前の流体をカートリッジに入れておくことができる。
【0075】
廃物用リザーバに関しては、水の浸入により通気穴が密封される傾向があるので、多孔質通気膜が、入口からさらに移動させられることができる。通気穴は、膜を有していないリザーバの反対側に移動させられる方がよい場合がある。しかし、使用後のカートリッジの場合、膜またはそれに類似のものは、新しい通気位置で使用されることができる。古い通気孔は、意図的に栓をしておいてよい。
【0076】
カートリッジは、カートリッジの縁部の単一のレバーを用いて作動されることができる3つのベローズ弁を有してよい。しかし、これらの弁は、充填を補助するのに個々に作動されることができる。リザーバは、Harvardシリンジポンプを用いて手動で充填されることができる。リザーバ間を移動するときにリザーバ間で流体クリープが発生する場合があり、これは、リザーバ壁の可撓性表面が原因である可能性がある。リザーバが充填された後で閉じられることができる個別に作動される弁は、この問題を緩和することができる。大型のリザーバの容積は、リザーバのコンプライアンスのためにカートリッジ間で同一ではない。壁の厚さを増大させることにより、この問題を解決することができるが、これは、光学的照合に影響を及ぼす場合がある。センサに電気的に接触することに関しては、カートリッジ内に深く入り込むので、問題がある可能性がある。
【0077】
カートリッジ151は、サイトメータシステム用の新型の光学素子を収容するために修正されることができる。実現されることができる複数の手法がある。図16に、フローチャネル窓241および242のそれぞれに対する検出器の円錐域244および光源の円錐域243を示す、カートリッジ150の上面の断面図を示す。検出器側の皿穴開口部251が、カートリッジ150のボード表面246の下方に掘られてよく、この場合、フローチャネル247が、表面246の反対の基本表面245に近接してさらに開口部251の上面252に近接する薄い層253内に配置される。光源の円錐域243は、約20度開いた角281を有してよい。光供給源の円錐域243のフローチャネル247に対する方向は、表面245に対して約45度の角度282の位置にあってよい。カートリッジ窓242は表面245にかなり近接することができることから、円錐域243に対してカートリッジ窓242が干渉しないことは明らかである。フローチャネル247は、図16を包含するシートから離れて上方に流れるコアストリームを含んでよい。別法として、コアストリームは、代わりに図のシート内の下側に流れてもよいが、コアストリーム内に空気が引き込まれる可能性が高い。光源の円錐域および検出器の円錐域は、カートリッジの窓表面またはフローチャネルに対しての角度で設定され、フローチャネルを通って検出器まで、見通し線でのあるいは直接の光源光の衝突がないようにする。通常、光源および検出器の円錐域の方向は、互いに対して約90度の位置にあってよい。
【0078】
検出器の円錐域244は、約60度の角度幅283を有してよい。表面252に対する検出器の円錐域の方向284は、約45度でよい。これは、表面246に向かう検出器の円錐域244の下側部分が、約15度の角であり、あるいは、表面246および252に対しても同様であることを意味する。長さ275、厚さ276、277、および295、ならびに、長さ278および279は、それぞれの円錐域の逃げ角に影響を及ぼす。窓の厚さ277は、約64分の1インチすなわち0.397mm(0.015625インチ)でよい。カートリッジ150の開口部251の段または深さ295は、約8分の1インチすなわち3.18mm(0.125インチ)でよい。これらの寸法の多くは、図14bおよび15aから求められるあるいは推測されることができる。フローチャネル247が表面252に近接しており、さらに円錐域244の角が広く、円錐域の方向が有意に一方向であることから、円錐域244は、表面246上またはそれに近傍の開口部251の縁部で障害物に衝突する可能性がある。この障害物は、重要なデータを含む一部の光を円錐域244によって検出されるのを妨害する可能性がある。フローチャネル247に供給される光の一部が遮断される可能性がある。この障害物は、フローチャネルの適切な照射を妨害する可能性がある。結果に、低い信号対雑音比の検出された信号が含まれる可能性があり、あるいは、障害物が存在しなければ発生していたであろう信号が含まれない可能性がある。障害物は、カートリッジ150の表面246から開口部251の縁部位置の一部の材料を除去することによって排除することができ、図17に示すように新しい表面254で円錐域244に対する逃げ角が形成される。
【0079】
検出器の円錐域244の障害物の問題に対する別の手法として、図18に示すように、対応する円錐域243および244をそれぞれ有する光供給源と検出器との位置を入れ替えることが可能性としてある。その場合、光源の円錐域243は、開口部251の表面252に近傍の窓241に面してよい。表面252に対する光源の円錐域243の方向が約45度の角282にあり、円錐域243が約20度の角度幅の角281を有する場合、表面252に最も近接する円錐域243の部分は、表面246および252に平行な平面に対して約35度の角度の位置にあってよい。光源の円錐域243は、カートリッジ150の表面246に近接する開口部251の縁部を容易に通過することは明らかである。表面245を有するカートリッジの他方側では、幅広の検出器の円錐域244が、カートリッジ150の窓242および表面245に対して障害物に衝突することはないように思われる。その理由は、外見上、フローチャネル247およびそれを取り囲む薄いフィルム253の構造体が表面245にかなり近接しているので、窓242の小さな縁部からの障害物が実質的にないことである。
【0080】
図19に示すように、20度の光源の円錐域243が45度の角285または窓241の光源のより大きな円錐域248に取り替えられた場合、円錐域248が、図中で角286によって示される角よりさらに右に回転すると、表面246の開口部251の縁部の位置での円錐域248のわずかな障害物ができる可能性がある。このような障害物または遮断が発生する場合、図17に示すように、開口部251および表面240の縁部の一部分の材料をカートリッジ150から除去することによってこれを排除することができる。散乱光および/または直接の光を検出するために、30度の角287を検出器の円錐域249に追加することもできる。円錐域249の方向角288は、約45度でよい。図19の構成では、検出器の円錐域244は、障害物がないことは明らかである点から、適切に配置されているよう思われる。
【0081】
しかし、任意の幅の円錐域配置に対してもカートリッジ150の材料の除去を伴わない他のいくつかの手法により、上で注目した障害物の問題を解決することができる。1つは、表面246の面上での切り抜き開口部251の向きを、光源および検出器の円錐域に対して約90度時計回りまたは反時計回りに回転させることである。開口部251の寸法255および256は、概略、それぞれ約15および20ミリメートルでよい。窓241、242の寸法257および258は、それぞれ約2および5ミリメートルでよい。これらの寸法は種々の値を有することができる。寸法289および291は算出されることができる。図21に、チャネル247の長さに沿った、円錐域243、244、248および249の傾斜方向に平行なより短い寸法255を示す。この場合、図21では、円錐域243および244の配向角293および294は、それぞれ約90度でよい。フローチャネル247のこの配向は、図16〜19でも明らかである。開口部251を約90度回転させることにより、開口部251のより長い寸法256(約33パーセント長い)を配置することができるようになり、さらに円錐域の傾斜にほぼ平行なフローチャネル247の方向を配置することができるようになり、それにより、表面246の開口部251の縁部に対してより大きな逃げ角を形成することができ、例えば、カートリッジ150の一方の側の表面246の縁部の位置での円錐域244または248の障害物または遮断物が発生するのを回避することができる。
【0082】
図20および21に、上述したように実現される開口部251のより長い寸法256によって収容された、光源の円錐域243および検出器244の図16の構成を示す。ここでの手法は、光源および検出器の円錐域243、244、248および249の軸の傾斜の向きを、フローチャネル247の方向に向くように変更することを伴う。図21は、開口部251の断面の端面図である。図20および21と異なり、図16〜19では、フローチャネル247の方向に対して横方向である検出器および光源の円錐域の角を示している。図16〜21は、必ずしも縮尺を定めて描かれているわけではない。
【0083】
本明細書では、いくつかの事柄が仮説的または予測的な性格である可能性があるが、別の方法または時制で述べることは可能である。
本発明を、少なくとも1つの例示的な実施例に関連して説明してきたが、本明細書を読むことにより、多くの変形形態および修正形態が当業者にとって明白になるであろう。したがって、これらのすべての変形形態および修正形態を包含するために、添付の特許請求の範囲が、従来技術を考慮して可能な限り広範囲に解釈されることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】例示的な携帯用サイトメータの斜視図である。
【図2】図1の例示的な携帯用サイトメータの概略図である。
【図3】カバーを押し下げていない、図2の携帯用サイトメータを示すより詳細な概略図である。
【図4】カバーを押し下げた、図2の携帯用サイトメータを示すより詳細な概略図である。
【図5】別の例示的な携帯用サイトメータの斜視図である。
【図6】図5の例示的な携帯用サイトメータの側面図である。
【図7】図5の例示的な携帯用サイトメータの別の斜視図である。
【図8】図5の例示的な携帯用サイトメータの第1のプレートまたは部材の斜視図である。
【図9】図8の第1のプレートまたは部材の下側転び止めの斜視図である。
【図10】図8の第1のプレートまたは部材の上側転び止めの斜視図である。
【図11】図8の第1のプレートまたは部材の外方向バイアス部ウェッジの斜視図である。
【図12】図5の例示的な携帯用サイトメータの第2のプレートまたは部材の斜視図である。
【図13】例示的なサイトメータの部材の修正された第2のプレートの斜視図である。
【図14a】挿入可能なカートリッジの平面図である。
【図14b】カートリッジの側面図である。
【図14c】カートリッジフロー試験のグラフである。
【図14d】フロー上昇および減衰信号を示す、カートリッジ試験のグラフである。
【図15a】いくつかの寸法を含むカートリッジの平面図である。
【図15b】カートリッジの斜視図である。
【図16】フローチャネル窓に対する検出器の円錐域および光供給源の円錐域を示す、カートリッジの上面の断面図である。
【図17】円錐域の障害物が除去されたこと以外、図16と同一の図である。
【図18】検出器および光供給源の位置がそれらに対応する円錐域に沿って反転していること以外、図16と同一の図である。
【図19】複数の検出器の円錐域構成を含むこと以外、図16と同一の図である。
【図20】図16と比較して、検出器および光供給源の位置に対してカートリッジが約90度回転した図である。
【図21】図16と比較して、検出器および光供給源の位置に対してカートリッジが約90度回転した図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、サイトメトリに関し、詳細には、サイトメータの取外し可能な媒体に関する。より詳細には、本発明は、その媒体を改良したものに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、2002年8月21日出願の米国仮特許出願60/404876の利益を主張する、2003年7月2日出願の米国特許出願10/612664の一部継続出願である。本発明はまた、2000年8月2日出願の米国特許出願09/630924で現在は米国特許第6597438号明細書の一部継続出願でありそれの利益を主張する、2002年11月26日出願の米国特許出願10/304773の一部継続出願である。上述の特許文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
過去数十年の間に、取外し可能な媒体部材をある1つの形態または別の形態で利用する装置およびシステムの使用が増加し続けている。いくつかの例示的な取外し可能な媒体部材には、例えば、取外し可能または交換可能なフィルタ、取外し可能なインクおよびトナーカートリッジ、磁気または光ディスクなどの取外し可能なデータ記憶装置、取外し可能な磁気テープカートリッジ、取外し可能なメモリースティックなどが含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現存するシステムの多くでは、挿入される取外し可能な媒体部材と受取装置との間のアライメント交差がしばしばあまり正確でないという点で限界がある。いくつかの場合では、受取装置は、取外し可能な媒体部材を受けるためのスロットのみを有する。別の場合では、VCRテープを受けるための従来のビデオカセットレコーダ(VCR)で使用される機械的機構などのより複雑な機械的機構が用意される。いくつかの用途においては、これらの現存のシステムを使用して得られるアライメント交差は十分ではない。
【0005】
現存する多くのシステムには、取外し可能な媒体部材の上または中に1つまたは複数の電気的装置または光学装置を含むための設備が典型的には作られていないという点で別の限界がある。しかし、いくつかの用途においては、取外し可能な媒体部材の上または中に1つまたは複数の電気的装置および/または光学装置を設けることが所望される場合がある。さらに、取外し可能な媒体および受取装置の上または中の電気的装置および/または光学装置の間に1つまたは複数の電気的リンクおよび/または光リンクまたは接続を設け、それにより、例えば、取外し可能な媒体部材により種々の機能が実行されるようにすることが所望される場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
取外し可能な媒体部材を受けるための方法および装置を用意することにより、より具体的には、挿入される取外し可能な媒体部材と受取装置との間に緊密なアライメント公差を設けるための方法および装置を用意することにより、多くの利点が得られる。また、取外し可能な媒体部材自体の上または中に1つまたは複数の電気的装置または光学装置を設けるための方法および装置、ならびに、取外し可能な媒体および受取装置の上または中の1つまたは複数の電気的装置および/または光学装置の間に電気的リンクおよび/または光リンクを設けるための方法および装置が存在してよい。
【0007】
第1の例示的な実施例では、取外し可能な媒体部材を受けるための装置が用意される。この装置は、第1の部材および第2の部材を含み、第1の部材および第2の部材は、互いから離れるように移動するように適合されており、取外し可能な媒体部材を受けるための空間が形成される。取外し可能な媒体部材がその空間に挿入されると、第1の部材および第2の部材は互いに向かって移動させられ、取外し可能な媒体部材を係合および/または固定することができる。
【0008】
例示的な一実施例では、第1の部材は、取外し可能な媒体部材を受けるためのスロットを形成する1つまたは複数のL字形転び止めを有する。L字形転び止めは、例えば、第1の部材から離れるように延在して第2の部材へ向かう第1の脚と、チャネルまたは受取スロットが形成されるように第1の脚の遠端部から第1の脚に対して垂直の方向に延在する第2の脚とを有してよい。その場合、チャネルまたは受取スロットは、取外し可能な媒体部材の少なくとも一方の側を受けることができる。
【0009】
いくつかの実施例では、2つのL字形転び止めが、取外し可能な媒体部材の両側を受けるための2つの離れたチャネルを形成するように設けられる。すなわち、第1のL字形転び止めのチャネルまたはスロット、および第2のL字形転び止めのチャネルまたはスロットが、取外し可能な媒体部材が第1の部材と第2の部材との間に挿入されるときに両方のチャネル内に滑り込むように配置されてよい。一実施例では、2つのL字形転び止めが第1の部材に固定される。
【0010】
使用中、第1の部材および第2の部材は互いから離れるように移動させられることができ、取外し可能な媒体部材が、1つまたは複数のL字形転び止めによって形成されるチャネルまたは受取スロット内に滑り込むことができる。取外し可能な媒体部材が1つまたは複数のL字形転び止めによって受けられるときに取外し可能な媒体部材が第1の部材および/または第2の部材に対して所望の位置に少なくとも概略的に位置合わせされるように、L字形転び止めは配置されることができる。その場合、第1の部材および第2の部材は、互いに向かって移動させられて、それらの間で取外し可能な媒体部材を係合および/または固定することができる。
【0011】
取外し可能な媒体部材を取り外すときは、第1の部材および第2の部材は互いから離れるように移動させられてよい。取外し可能な媒体部材の少なくとも一部分は1つまたは複数のL字形転び止めのチャネルまたはスロット内に位置しているので、1つまたは複数のL字形転び止めが第1の部材に固定されている場合、第1の部材および第2の部材が互いから離れるように移動させられるときに取外し可能な媒体部材はL字形転び止めによって第2の部材から引き離されることができる。
【0012】
取外し可能な媒体部材と第1および/または第2の部材との間でより良好なアライメントを実現するために、第2の部材は第1の部材に向かって延在する1つまたは複数のアライメントピンを有してよい。その場合、取外し可能な媒体部材は、1つまたは複数のアライメントピンを受けるための1つまたは複数の受取孔を有してよい。アライメントピンおよび受取孔は、取外し可能な媒体部材が第1の部材および第2の部材との間に固定されるときに取外し可能な媒体部材と第1および/または第2の部材との間でのアライメントの向上を実現することができる。
【0013】
1つまたは複数のL字形転び止めは、取外し可能な媒体部材を第2の部材から引き離すのに使用されてよく、それにより、取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の受取孔を、第2の部材から延在する1つまたは複数のアライメントピンから分離させる。1つまたは複数の受取孔がアライメントピンから分離されると、その場合、取外し可能な媒体部材は、第1の部材および第2の部材の間からより容易に取り外されることができる。
【0014】
いくつかの実施例では、取外し可能な媒体部材は、1つまたは複数の電気的装置および/または光学装置を有してよい。例えば、取外し可能な媒体部材は、1つまたは複数のトランジスタ、ダイオード、センサ、垂直空洞面放出レーザ(VCSEL)、LED、静電駆動のアクチュエータまたはポンプ、あるいは他の任意適切な電気的装置および/または光学装置を有してよい。電力を供給するためならびに/あるいは1つまたは複数の電気的装置および/または光学装置を連絡または制御するために、電気的インターフェースおよび/または光学インターフェースが第1および/または第2の部材と取外し可能な媒体部材との間に設けられてよい。
【0015】
例示的な一実施例では、1つまたは複数の電気接触パッドが、取外し可能な媒体部材の表面に設けられる。1つまたは複数の電気接触パッドが、金属トレースなどによって取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の電気的装置および/または光電子装置に電気的に接続されてよい。例示的な一実施例では、第1の部材は、第1の部材から離れるように第2の部材に向けて外方向に延在する1つまたは複数のばね付勢のプローブを有してよい。取外し可能な媒体部材が第1の部材と第2の部材との間の所望の位置にあるときには、1つまたは複数のばね付勢のプローブは、取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の電気接触パッドに位置合わせされて配置されてよい。いくつかの場合において、上で考察した1つまたは複数のアライメントピンは、第1の部材の1つまたは複数のばね付勢のプローブと取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の電気接触パッドとの間のアライメントを形成するのに役立つことができる。第1の部材および第2の部材が互いに向かって移動させられて取外し可能な媒体部材を固定および/または係合するときに、第1の部材の1つまたは複数のばね付勢のプローブが、取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の電気接触パッドと電気的に接触することができる。
【0016】
第1の部材が第2の部材から離れるように移動させられるときに、第1の部材の1つまたは複数のばね付勢のプローブを1つまたは複数の電気接触パッドから分離するのを助けるために、第1の部材と取外し可能な媒体部材との間に外方向バイアス部または分離バイアス部が形成されてよい。この外方向バイアス部は、取外し可能な媒体部材を固定および/または係合するために第1の部材および第2の部材が互いに向かって移動させられるときに、通り抜けられることができる。しかし、取外し可能な媒体部材を解放するために第1の部材および第2の部材が互いから離れるように移動させられるときには、この外方向バイアス部は、第1の部材の1つまたは複数のばね付勢のプローブを1つまたは複数の電気接触パッドから分離させることができ、それにより、第1の部材と第2の部材との間からの取外し可能な媒体部材の取り外しがより容易に実現されることができ、ばね付勢のプローブを損傷から保護するように機能することができる。
【0017】
別の例示的な実施例では、1つまたは複数の光学送信機および/または受信機が取外し可能な媒体部材の表面に設けられることができる。1つまたは複数の光学送信機および/または受信機は、取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の電気的装置および/または光電子装置に光導波路または金属トレースなどによって電気的に接続されてよい。この実施例では、第1の部材および/または第2の部材は、1つまたは複数の光学送信機および/または光学受信機を有してよく、これらは、取外し可能な媒体部材が第1の部材と第2の部材との間の所望の位置にあるときに取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の光学送信機および/または受信機に位置合わせされて配置されることができる。いくつかの場合では、上で考察した1つまたは複数のアライメントピンが、第1の部材および/または第2の部材の光学送信機および/または光学受信機と取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の光学送信機および/または光学受信機との間でアライメントを形成するのに役立つことができる。取外し可能な媒体部材を固定および/または係合するために第1の部材および第2の部材が互いに向かって移動させられるとき、第1および/または第2の部材の1つまたは複数の光学送信機および/または光学受信機は、取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の光学送信機および/または光学受信機に位置合わせされて、それらの間に連絡リンクを形成する。
【0018】
いくつかの場合では、取外し可能な媒体部材は、取外し可能な媒体部材へのおよび/またはそこからの流体の受け取りまたは吐出のための1つまたは複数の流体ポートを有してよい。例示的な一実施例では、取外し可能な媒体部材は、フローサイトメトリで使用されるように適合された流体カートリッジでよい。流体カートリッジは、1つまたは複数のフローチャネルを有してよい。1つまたは複数の流体ポートは、少なくともいくつかのフローチャネルと流体連通してよい。1つまたは複数の流体ポートがこのように設けられるとき、所望の場合、1つまたは複数の対応する流体ポートが第1の部材および/または第2の部材に設けられてよい。取外し可能な媒体部材が第1の部材および第2の部材によって固定および/または係合される場合、第1の部材および/または第2の部材の1つまたは複数の流体ポートは、取外し可能な媒体部材の少なくとも選択された1つの流体ポートに位置合わせされて配置される。
【0019】
いくつかの場合では、第1の部材および/または第2の部材の1つまたは複数の流体ポートと取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の流体ポートとの間のアライメントを形成するのを助けるために、上で考察した1つまたは複数のアライメントピンが設けられてよい。さらに、外方向バイアス部が、取外し可能な媒体部材と第1の部材および/または第2の部材との間に設けられてよく、第1の部材が第2の部材から離れるように移動させられるときに第1の部材および/または第2の部材の1つまたは複数の流体ポートと取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の流体ポートとを分離する働きをする。
【0020】
いつくかの場合では、取外し可能な媒体部材の製造では、特に取外し可能な媒体部材の外側周囲に、隆起部、バリ、または他の欠陥部が生成する場合がある。一実施例では、流体カートリッジは、複数の層またはシートを一体に積層して次いでその積層構造物から個々の流体カートリッジを切断することによって製造されてよい。切断工程では、隆起部、バリ、および他の欠陥部が生じる場合がある。取外し可能な媒体部材が第1および/または第2の部材に沿って正確に設置されるのを助けるために、溝または他の凹凸構造が、第1および/または第2の部材の受取表面に設けられてよく、取外し可能な媒体部材の1つまたは複数の欠陥部を収容する。例示的な一実施例では、取外し可能な媒体部材の周囲に沿って発生する可能性がある欠陥部に備えて、溝が、例えば取外し可能な媒体部材の周囲に対応する溝経路に沿って延在してよい。しかし、溝または他の凹凸構造が、予想される欠陥部が発生する可能性がある取外し可能な媒体部材の任意の位置に設けられてよいことが考慮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
例示目的のために、携帯用フローサイトメータシステムを記載する。これらの手法は、例えば、取外し可能または交換可能なフィルタ、取外し可能なインクおよびトナーカートリッジ、磁気または光ディスクなどの取外し可能なデータ記憶装置、取外し可能な磁気テープカートリッジ、取外し可能なメモリースティック、さらに、取外し可能な媒体を使用する他の多くのシステムおよび/または装置を含む他の多くの取外し可能な媒体システムに対して幅広い適用可能性を有することができる。
【0022】
図1は、例示的な携帯用サイトメータの斜視図である。携帯用サイトメータを全体として10で示しており、これは、ハウジング12および取外し可能または交換可能なカートリッジ14を含む。取外し可能なカートリッジ14は、前面、後面、および、前面と後面との間を延在する1つまたは複数の側面を有してよい。例示的なハウジング12は、ベース16、カバー18、および、ベース16をカバー18に取り付けるヒンジ20を含む。ベース16は、光供給源のアレイ22、付随する光学素子、および、サイトメータの作動に必要な電子装置を含む。カバー12は、手動式加圧要素、制御マイクロバルブ付の圧力チャンバ、付随する光学素子を備える光検出器のアレイ24を含んでおり、これらは、「Portable Flow Cytometer」と題され2003年7月22日発行のCabuzらに付与された米国特許第6597438号明細書、および、「Optical Detection System for Flow Cytometry」と題され2003年4月15日に発行のCabuzらに付与された米国特許出願6549275でさらに記載されており、これらは両方とも、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0023】
取外し可能な部材(例えば、カートリッジ)14は、サンプルコレクタポート32を介してサンプル流体を受け取ることができる。キャップ38は、取外し可能なカートリッジ14が使用されていないときにサンプルコレクタポート32を保護するために使用されてよい。取外し可能なカートリッジ14は、血液の希釈、赤血球溶解、およびコアの形成のための流体力学的集束を行うことができる。取外し可能なカートリッジ14は、Micronics Technologiesから入手可能な流体循環路と同様の構造でよく、それらのいくつかは、エッチングされた流体チャネルを備える積層構造を用いて製造される。
【0024】
取外し可能なカートリッジ14は、カバー18が開位置にあるときにハウジング内に挿入される。取外し可能なカートリッジ14は、ベース16内でレジストレーションピン28aおよび28bを受けるための孔26aおよび26bを含んでよく、これらは、装置の異なる部分間のアライメントおよび結合を形成するのを助ける。取外し可能なカートリッジ14はまた、透明フローストリーム窓30を含んでよく、この窓は、光供給源22および光検出器24のアレイに位置合わせされている。カバーが閉位置に移動させられ、システムが圧力を受けると、カバー18は、それぞれ圧力供給ポート36a、36bおよび36cを介して、取外し可能なカートリッジ14内の受圧ポート34a、34bおよび34cに制御された圧力を加える。
【0025】
検査を開始するには、カバー18を持ち上げ、新しいカートリッジ14をベース16上に配置し見当合せする。血液サンプルを、サンプルコレクタ32内に導入する。カバー18を閉じ、システムを手動で加圧する。加圧後、装置は、白血球サイトメトリ測定を行う。取外し可能なカートリッジ14が、血液の希釈、赤血球溶解、およびコアの形成のための流体力学的集束を行う。光供給源22、光検出器24、および付随する制御および処理電子装置は、光検出器24によって受信された光散乱信号に基づいて白血球の区別およびカウントを行う。ハウジング12用にヒンジ式構造を用いず、スライド式カートリッジスロット、または、図5〜12に関連して以下でさらに記載する構造を含む他の任意適当な構造が使用されることができることが考慮される。
【0026】
図2は、図1の例示的な携帯用サイトメータの概略図である。上記のように、ベース16は、光供給源のアレイ22、付随する光学素子、および、サイトメータの作動に必要な制御および処理電子要素40を含む。ベース16はまた、サイトメータに電力を与えるための電池42を含むことができる。図では、カバー12は、手動式加圧要素44、制御マイクロバルブ付の圧力チャンバ46a、46bおよび46c、および、付随する光学素子を備える光検出器のアレイ24を含む。取外し可能なカートリッジ14は、サンプルコレクタポート32を介してサンプル流体を受け取ることができる。カバー18によって加圧されると、取外し可能なカートリッジ14は、血液を希釈、赤血球の溶解、および、一実施例ではコア形成のための流体力学的集束を行う。形成後、コアは、図1のフローストリーム窓30を通るフローストリーム経路50の下流に設けられる。ベース内の光供給源のアレイ22および付随する光学素子は、フローストリーム窓30を介してコアストリームを透過する光を供給する。光検出器のアレイおよび付随する光学素子は、やはりフローストリーム窓30を介して、コアからの散乱光および非散乱光を受け取る。制御または処理装置40は、検出器のアレイから出力信号を受信し、コアストリーム中に存在する選択された白血球を区別し、カウントする。
【0027】
取外し可能なカートリッジ14は、それぞれの流体の速度を制御するのを助けるための流体制御ブロック48を有してよいことが考慮される。例示的な実施例では、この流体制御ブロック48は、様々な流体の速度を感知するためのフローセンサを有し、これらの速度を制御装置または処理装置40に伝える。制御装置または処理装置40は、次いで、圧力チャンバ46a、46bおよび46cに連結されたマイクロバルブを調整して所望の圧力をもたらすことができ、それによりサイトメータの適切な作動のための所望の流体速度がもたらされる。いくつかの実施例では、以下でさらに説明するように、ベース16内の処理装置40と取外し可能なカートリッジ14上のフローセンサとの間に1つまたは複数の電気的接続が形成されてよい。
【0028】
血液および他の生物学的廃物は病気を蔓延させる可能性があるので、取外し可能なカートリッジ14はフローストリーム窓30の下流に廃物用リザーバ52を有することができる。廃物用リザーバ52は、取外し可能なカートリッジ14内のフローストリームの流体を受け取り、保管する。検査が完了したとき、取外し可能なカートリッジを取り外し、生物学的廃物に適合性のある容器内に廃棄することができる。
【0029】
図3は、カバー18を押し下げていない、図2の携帯用サイトメータを示すより詳細な概略図である。図4は、カバーを押し下げた、図2の携帯用サイトメータを示すより詳細な概略図である。カバー18は、図では、手動式加圧要素44、圧力チャンバ46a、46bおよび46c、および全体として60で示す制御マイクロバルブを有する。光供給源および光検出器のアレイは、これらの図には示されていない。
【0030】
3つの圧力チャンバ46a、46bおよび46cがあり、1つずつがそれぞれの加圧される流体用である。例示的な実施例では、圧力チャンバ46aは、血液サンプルリザーバ62に圧力を加え、圧力チャンバ46bは、溶解液リザーバ64に圧力を加え、圧力チャンバ46cは、シース液リザーバ66に圧力を加える。それぞれの圧力チャンバ46a、46bおよび46cのサイズおよび形状は、対応する流体に対する所望の圧力特性を実現するよう適合されることができる。
【0031】
圧力チャンバ46aは、第1の圧力チャンバ70および第2の圧力チャンバ72を有する。第1の弁74は、第1の圧力チャンバ70内の圧力を第2の圧力チャンバ72へ制御可能に逃がすために、第1の圧力チャンバ70と第2の圧力チャンバ72の間に設けられる。第2の圧力チャンバ72と流体連通する第2の弁76は、第2の圧力チャンバ72内の圧力を制御可能に排出する。各弁は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、「ADDRESSABLE VALVE ARRAYS FOR PROPORTIONAL PRESSURE OR FLOW CONTROL」と題される同時係属の米国特許出願09/404560に記載されているような、個々に操作可能かつ制御可能な静電作動式マイクロバルブのアレイであってよい。圧力チャンバ46bおよび46cは同様の弁を有し、それぞれ溶解液リザーバ64およびシース液リザーバ66に印加される圧力を制御する。別法として、各弁は、制御された「有効な」流れまたは漏れ率をもたらすように、制御可能なデューティーサイクルでパルス変調された静電作動式マイクロバルブのアレイであってよい。あるいは、各弁は、参照によって本明細書に組み込まれる、「ELECTROSTATICALLY ACTUATED VALVE」と題される同時係属の米国特許出願1100.1174101に記載される弁と同様であってよい。
【0032】
取外し可能なカートリッジ14は、調整された圧力をカバー18から受けるための受圧ポート34a、34bおよび34cを有する。調整された圧力は、図に示すように、血液リザーバ62、溶解液リザーバ64、およびシース液リザーバ66に加えられる。溶解液リザーバ64およびシース液リザーバ66は、取外し可能なカートリッジ14が使用のために取り付けられる前に充填されてよく、一方、血液リザーバ62は、サンプルコレクタポート32から充填される。血液サンプルは、サンプルコレクタポート32に供給されることができ、毛管作用によって、血液サンプルは血液リザーバ62中に吸引されることができる。血液サンプルを血液リザーバ62内に入れると、カバー18を閉じられてよく、システムが加圧されることができる。
【0033】
フローセンサは、流体力学的集束の前に各流体と整列して設けられる。各フローセンサ80、100および102は、対応する流体の速度を測定する。これらのフローセンサは、熱風速計タイプのフローセンサおよび/またはマイクロブリッジ(microbridge)もしくはマイクロブリック(microbrick)タイプのフローセンサでよい。マイクロブリッジフローセンサは、例えば、米国特許第4478076号明細書、米国特許第4478077号明細書、米国特許第4501144号明細書、米国特許第4651564号明細書、米国特許第4683159号明細書および米国特許第5050429号明細書に記載されており、これらはすべて、参照により本明細書に組み込まれる。各フローセンサ80、100および102からの出力信号は、取外し可能なカートリッジとベースとの間の1つまたは複数の電気的接続を介して制御装置または処理装置40に供給される。
【0034】
血液サンプルの速度が第1の所定の値未満の場合、制御装置または処理装置40は第1の弁74を開き、血液サンプルの速度が第2の所定の値を超える場合は第2の弁76を開ける。弁84、86、94および96は、同様に溶解液およびシース流体の速度を制御する。
【0035】
作動中、再度システムを加圧するために、手動式加圧要素44を押し下げる。示す実施例では、手動式加圧要素44は、3つのプランジャを有しており、各プランジャは、第1の圧力チャンバの対応する1つのチャンバ内に受容される。これらのプランジャは、第1の圧力チャンバ内に比較的大きい非精密圧力をもたらす。第2のチャンバ内に制御可能な漏出を発生させる第1の弁70、84および94を開くことにより、より小さい調整された圧力が、第2のチャンバ内にもたらされる。2つの大きな圧力が第2の圧力チャンバ内にもたらされる場合は、対応する通気弁76、86および96を開いて圧力を解放する。
【0036】
カバー18を閉じる場合は、通常は開いている第1の弁74、84および94が閉められて、一方、通気弁76、86および96が開けられる。第1の圧力チャンバ内で所定の圧力Pに到達した場合、通気弁76、86および96を閉じ、第1の弁74、84および94を開けて、第2の圧力チャンバ内により低い圧力P’をもたらす。第2の圧力チャンバ内の調整された圧力は、血液、溶解液およびシース液に対して流体の流れをもたらすために、取外し可能なカートリッジ14の流体循環路に必要な圧力をもたらす。次いで、流体の流れの速度を下流のフローセンサ80、100および102によって測定する。各フローセンサは、対応する第1の弁および通気弁の作動を制御して各流体に対して所望の一定の流量をもたらすために制御装置または処理装置40によって使用される出力信号を供給する。
【0037】
全体として110で示す下流の弁が設けられてもよい。制御装置または処理装置40は、システムが加圧されるまで下流の弁110を閉じることができる。これにより、血液、溶解液、シース液が、流体循環路が加圧される前に流体循環路内に流れ込むのを防止する働きをすることができる。別の実施例では、下流の弁110は、カバーが閉じている場合、機械的作用によって開けられる。
【0038】
図5は、別の例示的な携帯用サイトメータの斜視図である。図5の携帯用サイトメータの基本的な作動は、上記の図1〜4に関連して上述した作動と同様である。図5の携帯用サイトメータを全体として120で示しており、これは、ベース122、第1の部材124、第2の部材126、クランプレバー130を備えるクランプフレーム128、空気バッファモジュール132、ポリマーマイクロバルブを備える弁モジュール組立体134、空気アキュムレータモジュール136、および、光学素子組立体140を含む。
【0039】
例示的な実施例では、第2の部材126がベース122に固定される。複数の肩つきねじ142a、142b、142cおよび142d(142dは図5に図示せず)が、第1の部材124の孔を貫通して第2の部材126に固定される。ばね144a、144b、144cおよび144d(144dは図5に図示せず)が、第1の部材124と対応する肩つきねじ142a、142b、142cおよび142dの頭との間に配置される。ばね144a、144b、144cおよび144dは、第1の部材124に対して第2の部材126に向かうバイアス力を加える。
【0040】
クランプフレーム128は、示すように第2の部材126に固定される。クランプレバー130は、クランプフレームと相互作用して、第1の部材に対して第2の部材126から離れるように外方向バイアス力を加える。クランプレバー130を第1の方向に動かすことにより、第1の部材124が、ばね144a、144b、144cおよび144dから加えられる内向きのバイアス力を克服することにより第2の部材126から離れるように動かされる。クランプレバー130を反対の第2の方向に動かすことにより、第1の部材124は、ばね144a、144b、144cおよび144dから加えられる内向きのバイアス力の働きにより第2の部材126に向かって動かされる。
【0041】
作動中、クランプレバー130は第1の方向に動くことができ、それにより、第1の部材124が第2の部材126から離れるように動かされ、それらの間に空間が生まれる。その場合、取外し可能な流体カートリッジ150などの取外し可能な媒体部材が、その空間内にスライドすることができる。取外し可能なカートリッジ150は、示すように、前面、後面、および、前面と後面との間を延在する1つまたは複数の側面を有してよい。その場合、クランプレバー130は、第2の方向に動かされることができ、それにより第1の部材124が第2の部材136に向かって動いて図5に示すように取外し可能な媒体部材150を固定および/または係合する。図6は、図5の例示的な携帯用サイトメータの側面図である。
【0042】
例示的な一実施例では、図1〜4に関連した上述と同様に、取外し可能な媒体部材150は、前面および/または後面に1つまたは複数の流体ポートを有する。1つまたは複数の流体ポートが、用途に応じて、気体または液体のどちらかを受けるように適合されることができることを考慮している。例示的な実施例の第2の部材126は、取外し可能な媒体部材150の1つまたは複数の流体ポートに位置合わせされた対応する流体ポートを有する。その流体ポートの1つを図6の160に示す。所望の場合、流体ポートガスケット(以下の図12を参照)が、第2の部材126に固定されてよく、より良好な密封状態を形成するのを助ける。
【0043】
その場合、流体制御モジュールが、第2の部材126の流体ポートに流動的に結合されてよい。例示的な実施例では、この流体制御モジュールは、空気アキュムレータモジュール136、ポリマーマイクロバルブを備える弁モジュール組立体134、および、空気バッファモジュール132を含む。空気アキュムレータモジュール136は、空気圧を蓄積するための内部チャンバを有する。空気アキュムレータ136の内部チャンバから空気圧源へポート(図示せず)が設けられることができる。蓄積された空気圧は、弁モジュール組立体134に供給されてよい。弁モジュール組立体は、参照によって本明細書に組み込まれる、「ELECTROSTATICALLY ACTUATED VALVE」と題される米国特許出願1100.1174101に開示されるポリマーマイクロバルブなどの1つまたは複数のマイクロバルブを含んでよい。例示的な実施例では、弁モジュール組立体134は、図1〜4に関連して上で示し説明したように、血液チャネル、溶解液チャネル、および、シース液チャネルを含む3つの分離した圧力チャネルを形成してよい。弁モジュール組立体134は、ベース122内の制御装置によって制御されることができ、空気バッファモジュール132に3つの分離した調整された圧力を供給する。空気バッファモジュール132は、調整された圧力を緩和して、第2の部材126を貫通または通る流体ポートを介して取外し可能な媒体部材150の流体ポートに圧縮空気を送る。
【0044】
いくつかの場合では、取外し可能な媒体部材150は、1つまたは複数の電気的装置および/または光学装置を含んでよい。例えば、例示的な実施例では、取外し可能な媒体部材150は、3つのフローセンサを含んでよく、各フローセンサは、取外し可能な媒体部材150の3つに分離した圧力チャネルの1つを通る加圧流体の流量を測定する。上記のように、フローセンサは、熱風速計タイプのフローセンサおよび/またはマイクロブリッジ(microbridge)もしくはマイクロブリック(microbrick)タイプのフローセンサであり、これらは、Honeywell Internationalから市販されている。マイクロブリッジフローセンサは、例えば、米国特許第4478067号明細書、米国特許第4478077号明細書、米国特許第4501144号明細書、米国特許第4651564号明細書、米国特許第4683159号明細書、および米国特許第5050429号明細書に記載されており、これらはすべて参照によって本明細書に組み込まれる。各フローセンサからの出力信号は、取外し可能な媒体部材と第2の部材126との間の電気的および/または光学的結合を介してベース122内の制御装置または処理装置に供給される。
【0045】
光学組立体モジュール140は、取外し可能なカートリッジ150の一方の側に1つまたは複数の光供給源(例えば、VCSEL)と、取外し可能なカートリッジ150の反対の側に1つまたは複数の光検出器と、付随の光学素子とを有してよい。これらが設けられる場合、取外し可能なカートリッジ150は、1つまたは複数の光供給源および1つまたは複数の光検出器に位置合わせされた透明フローストリーム窓を含んでよい。空気バッファモジュール132、弁モジュール組立体134、および空気アキュムレータモジュール136は、取外し可能なカートリッジ150のフローストリーム窓を通るフローストリーム経路の下流にコアストリームを形成するように制御されることができる。光供給源は、作動されると、フローストリーム窓の一方の側を介してコアストリームを通る光を供給する。光学検出器は、フローストリーム窓の反対の側を介してコアストリームから散乱光および非散乱光を受け取る。次いで、ベース122内の制御装置または処理装置が、検出器からの出力信号を受信して、コアストリーム中に存在する選択された白血球を区別し、カウントする。
【0046】
図7は、追加の詳細部をさらに示す、図5の例示的な携帯用サイトメータの別の斜視図である。図7に、第1の部材124および第2の部材126を通る孔170を示す。孔170は、光学組立体モジュール140の1つまたは複数の光供給源および1つまたは複数の光検出器が取外し可能なカートリッジ(図7には図示せず)のフローストリーム窓を直接の進路にすることを可能にする。
【0047】
また、図7に、第1の部材124に固定された1つまたは複数のばね付勢のプローブを示す。1つまたは複数のばね付勢のプローブは、取外し可能なカートリッジが第1の部材124と第2の部材126との間の所望の位置にあるときに取外し可能なカートリッジ上の1つまたは複数の電気接触パッドに位置合わせされて配置されることができる。例示的な実施例では、3つのアレイのばね付勢のプローブ174a、174bおよび174cが設けられ、各アレイが、小型プリント回路基板を介して取り付けられて第1の部材124内の対応する孔に固定される。第1の部材124の孔は、ばね付勢のプローブの背面に対して進路を形成することができ、いくつかの実施例では、ベース122内の制御装置と各ばね付勢のプローブとの間の電気的接続を形成するのに都合のよい配置を実現することができる。
【0048】
加えて、あるいは別法として、1つまたは複数の光学送信機および/または光学検出器が第1および/または第2の部材に固定されてよいことが考慮される。1つまたは複数の光学送信機および/または光学検出器は、取外し可能なカートリッジが第1の部材124と第2の部材126との間で所望の位置にあるときに取外し可能なカートリッジ上の1つまたは複数の光学検出器および/または光学送信機に位置合わせされて配置されることができる。これにより、所望の場合、取外し可能なカートリッジと第1の部材および/または第2の部材126との間に光学リンクが形成される。
【0049】
図8は、図5の例示的な携帯用サイトメータの第1の部材124の斜視図である。図8に、図7の3つのアレイのばね付勢のプローブ174a、174bおよび174cの反対の側を示す。示すように、各ばね付勢のプローブは、ばねにより、第1の部材124から離れて取外し可能なカートリッジ(図8には図示せず)に向かうように外方向に付勢される。ばね付勢のプローブは、取外し可能なカートリッジが第1の部材124と第2の部材126との間で所望の位置にあるときに取外し可能なカートリッジ上の1つまたは複数の電気接触バッドに位置合わせされて配置されることができる。第1の部材124および第2の部材126が互いに向かって移動させられて取外し可能なカートリッジを固定および/または係合するとき、ばね付勢のプローブは、取外し可能なカートリッジ上の1つまたは複数の電気接触パッドと電気的に接触することができる。
【0050】
第1の部材124が第2の部材126から離れるように移動させられるときに取外し可能なカートリッジ上の1つまたは複数の電気接触パッドからばね付勢のプローブを分離するのを助けるために、外方向または分離バイアス部178が、第1の部材124と取外し可能なカートリッジとの間に設けられてよい。一時的に図11を参照すると、外方向バイアス部178が、ウェッジ180およびばね182を有することができる。ばね182は、第1の部材124の凹部184内に配置されることができ、ウェッジ180がばね182により外方向に付勢される。
【0051】
図8を再び参照すると、第1の部材124および第2の部材126が互いに向かって移動させられて取外し可能なカートリッジを固定および/または係合するとき、外方向バイアス部178は通り抜けられることができる。しかし、第1の部材124および第2の部材126が互いから離れるように移動させられて取外し可能なカートリッジを解放するとき、外方向バイアス部178は、1つまたは複数のばね付勢プローブ174a、174bおよび17cを取外し可能なカートリッジ上の1つまたは複数の電気接触パッドから分離させることができ、これにより、第1の部材124と第2の部材126との間からの取外し可能なカートリッジの分離がより容易になり、さらに、分離プロセスの間にばね付勢のプローブを損傷から保護する働きをすることができる。
【0052】
第1の部材124はまた、取外し可能なカートリッジを受けるスロットを形成する1つまたは複数のL字形転び止めを有することができる。図8の例示的な実施例では、上側L字形転び止め190および下側L字形転び止め192が設けられる。L字形転び止め190および192はそれぞれ、例えば、第1の部材124から離れるように第2の部材に向かって延在する第1の脚194と、第1の脚194の遠端部から第1の脚194に対して垂直な方向に延在する第2の脚196とを有してよく、それにより、チャネルまたは受取スロット198が形成される。その場合、チャネルまたは受取スロット198は、取外し可能な媒体部材の一方の側を受けることができる。例示的な実施例では、上側L字形転び止め190は、下側方向に延在する第2の脚196を含み、下側L字形転び止め192は、上側方向に延在する第2の脚を含む。加えて、上側L字形転び止め190および下側L字形転び止め192は、取外し可能なカートリッジの両側(例えば、上側および下側)を受ける2つの離れたチャネル196を形成するために離間している。すわなち、上側L字形転び止め190のチャネルまたはスロットおよび下側L字形転び止め192のチャネルまたはスロットは、取外し可能なカートリッジが第1の部材124と第2の部材126との間に挿入されるときに取外し可能なカートリッジが両方のチャネルに滑り込むように配置される。例示的な実施例では、2つのL字形転び止めは第1の部材124に固定される。
【0053】
アライメントピン200が、第1の部材124の裏側に向かって設けられてよく、取外し可能なカートリッジの裏側を係合する。アライメントピン200は、第1の部材124と第2の部材126との間の所望の挿入位置であるいはその近傍で取外し可能なカートリッジを止めるように配置されることができる。
【0054】
使用中、第1の部材124および第2の部材126は、互いから離れるように移動させられることができ、取外し可能なカートリッジがアライメントピン200と係合するまで、取外し可能なカートリッジが、L字形転び止め190および192によって形成されるチャネルまたは受取スロット198内に滑り込むことができる。L字形転び止め190および192は、取外し可能なカートリッジがL字形転び止め190および192に受け取られるときに取外し可能なカートリッジが第1の部材124および/または第2の部材126に対して所望の位置に少なくとも概略的に位置合わせされるように配置されてよい。その場合、第1の部材124および第2の部材126は、互いに向かって移動させられてそれらの間に取外し可能なカートリッジを係合および/または固定することができる。
【0055】
取外し可能なカートリッジを取り外すときは、第1の部材124および第2の部材126は互いから離れるように移動させられることができる。取外し可能なカートリッジの上側縁部および下側縁部はL字形転び止め190および192のチャネルまたはスロット198内に位置しているので、取外し可能なカートリッジは、第1の部材124および第2の部材126が互いから離れるように移動させられるときにL字形転び止め190および192の第2の脚196によって第2の部材126から引き離されることができる。
【0056】
取外し可能な媒体部材と第1の部材124および/または第2の部材126との間でより良好なアライメントを実現するために、第2の部材126は第1の部材に向かって延在する1つまたは複数のアライメントピン200a〜200cを有してよい(図12を参照)。その場合、取外し可能な媒体部材150は、1つまたは複数のアライメントピン200a〜200cを受けるための1つまたは複数の受取孔を有してよい。アライメントピン200a〜200cおよび受取孔は、取外し可能な媒体部材150が第1の部材124および第2の部材126との間に固定されるときに取外し可能な媒体部材150と第1の部材124および/または第2の部材126の間でのアライメントの向上を実現することができる。
【0057】
L字形転び止め190および192は、取外し可能な媒体部材150を第2の部材126から引き離すのに使用されてよく、それにより、取外し可能な媒体部材150の1つまたは複数の受取孔を、第2の部材126から延在する1つまたは複数のアライメントピン200a〜200cから分離させる。1つまたは複数の受取孔がアライメントピン200a〜200cから分離されると、その場合、取外し可能な媒体部材150は、第1の部材124と第2の部材126との間からより容易に取り外されることができる。
【0058】
図9は、図8の下側転び止め192の斜視図である。例示的な下側転び止め192は、第1の脚194aおよび第2の脚196aを含み、第2の脚196aは第1の脚194aの遠端部から垂直方向に延在してチャネルまたは受取スロット198aを形成する。下側転び止め192を第1の部材124に取り付けるために、示すように、取付け脚202aが第1の脚194から延在してよい。
【0059】
図10は、図8の上側転び止め190の斜視図である。例示的な上側転び止め190は、第1の脚194bおよび第2の脚196bを含み、第2の脚196bは第1の脚194bの遠端部から垂直方向に延在してチャネルまたは受取スロット198bを形成する。上側転び止め190を第1の部材124に取り付けるために、示すように、取付け脚202bが第1の脚194bから延在してよい。
【0060】
図12は、図5の例示的な携帯用サイトメータの第2のプレートまたは部材126の斜視図である。第2の部材126は、ねじ孔210aおよび210bにねじ込まれるねじによってベース122に固定されることができる。上で詳細に説明したように、第2の部材126は、光学組立体モジュール140の1つまたは複数の光供給源および1つまたは複数の光検出器が取外し可能なカートリッジのフローストリーム窓を直接の進路にすることを可能にする孔170をさらに含むことができる。
【0061】
例示的な実施例では、第2の部材126は、取外し可能なカートリッジを受けるための窪み部分を有する平坦な主面を含む。取外し可能なカートリッジと第1の部材124および/または第2の部材126との間でより良好なアライメントを実現するために、第2の部材126は第1の部材に向かって延在する1つまたは複数のアライメントピン200a〜200cを有してよい。その場合、取外し可能なカートリッジ150は、1つまたは複数のアライメントピン200a〜200cを受けるための1つまたは複数の受取孔を有してよい。アライメントピン200a〜200cおよび受取孔は、取外し可能なカートリッジが第1の部材124と第2の部材126との間に固定されるときに取外し可能なカートリッジと第1の部材124および/または第2の部材126との間でのアライメントの向上を実現する。
【0062】
追加の凹部212および214が、上側L字形転び止め190および下側L字形転び止め192のそれぞれの第2の脚196aおよび196b(図8〜10を参照)を受けるために組み込まれてよい。上側L字形転び止め190および下側L字形転び止め192の第2の脚196aおよび196bに起伏を設けることにより、取外し可能なカートリッジは第2の部材126の表面に直接係合することができる。
【0063】
いくつかの場合では、取外し可能なカートリッジの製造では、特に取外し可能なカートリッジの外側周囲に、隆起部、バリ、または他の欠陥部が生成する場合がある。一実施例では、流体カートリッジは、複数の層またはシートを一体に積層し、次いでその積層構造物から個々の流体カートリッジを切断することによって製造されてよい。切断工程線では、隆起部、バリ、および/または他の欠陥部が生じる場合がある。取外し可能なカートリッジが第2の部材126の表面と正確に重なって設置されるのを助けるために、溝216または他の凹凸構造が、第2の部材126の受取表面に設けられてよく、取外し可能なカートリッジの1つまたは複数の欠陥部を収容する。図12の例示的な実施例では、溝216が、取外し可能なカートリッジの周囲を延在する溝経路に沿って延在してよい。しかし、溝または他の凹凸構造が、予想される欠陥部が発生する可能性がある取外し可能なカートリッジの任意の位置に設けられてよいことが考慮される。また、所望の場合、溝または他の凹凸構造が、第1の部材124の受取表面に設けられてよいことが考慮される。
【0064】
例示的な一実施例では、取外し可能なカートリッジは、図1〜4に関連して上述した流体ポートと同様の1つまたは複数の流体ポートを有する。1つまたは複数の流体ポートが、用途に応じて、気体または液体のどちらかを受けるように適合されることができることを考慮している。例示的な実施例の第2の部材126は、取外し可能なカートリッジの1つまたは複数の流体ポートに位置合わせされる対応する流体ポート220a〜220cを含む。所望の場合、流体ポートガスケット222が、第2の部材126に固定されてよく、より良好な密封状態を形成するのを助ける。
【0065】
図13は、図12の単一のガスケット222を備える第2の部材126の斜視図である。この単一のガスケットには、漏れなどの問題が伴う可能性がある。単一部片ガスケット222を有するインターフェースでの漏れに対する解決法には、ガスケットの下の厚いテープと、第2の部材126に対してカートリッジをより強い力で押しつけるためのカートリッジ150上の第1の要素124からの締め付け圧とが含まれる場合がある。ガスケット222は取り外されて、シース流体、溶解液、およびサンプルの第2の部材126からカートリッジ150の入口ポート231、232および233へのそれぞれの移動のためのポート220a、220bおよび220cに対する3つの分離したガスケット223、224および225に取り替えられることができる。ガスケットはOリング形状でよく、シリコンまたは同様の材料から作られることができる。ガスケット222から個別のガスケット223、224および225への取り替えは、カートリッジ150と第2の部材126との間での流体連結部での漏れの防止をより確実なものにすることを可能にする。図6を考慮すると、第2の部材126へ向かうカートリッジ150に対する第1の部材124の締め付け圧が不十分であると、特に、個別のガスケットがない場合では、2組のポートのインターフェースでの密封状態の完全性に影響を及ぼす。このインターフェースでの漏れは、システムからの流体の排出を引き起こす可能性があるだけでなく、流体路または循環路に空気が入るのを許す。
【0066】
カートリッジ150のより容易な挿入のために、ならびに、第2の部材126に対するカートリッジの正確なアライメントのために、アライメントピン234、235および236は元のピンより短くする(図13)ことができ、さらに、1つまたは複数の元のアライメントピン200a、200bおよび200c(図12)は取り替えられることができる。主要なアライメントは、カード150の孔237に対する第2の部材126のピン234によって形成されてよい。他のピン235および236は、ピボットガイドピン234を中心にカートリッジが揺動するのを防止するために存在してよい。代わりに、これより多いまたは少ないアライメントピンが、第2の部材126に存在してよい。アライメントピン234、235および236はそれぞれ、アライメント孔237、238および239に嵌挿されることができる。
【0067】
フローセンサ226、227および228はカートリッジ150内に位置されることができ、第1の部材124上の3つのアレイのばね付勢のプローブ174a、174bおよび174cをそれぞれ介して、カートリッジから離れて位置する電子装置に接続されることができる。フローセンサ226、227および228は、シース流体、溶解液、およびサンプルのそれぞれの流れを監視するのに利用されることができる。フローセンサは、図14aの領域240内でカートリッジ内に配置されることができる。フローセンサ226、227および228は、それらの電気接触部がカートリッジから離れて面した状態でカートリッジ内の皿穴に埋め込まれてよく、カートリッジ150が部材124と126との間のスロットに方向199で図7の左から右に挿入されるときに、フローセンサの接触部が右上側部240(図14a)内でばね付勢のプローブ174a〜174cのアレイと合わせて並び、それらと適切に電気的接触できるようになる。フローセンサとカートリッジの表面との間で、シース流体、溶解液、およびサンプルを連絡する流体ポートを用いた連結を形成するために、ポートへ通じる孔を有する表面上にテープおよび/または接着剤があってよく、これにより、フローセンサを密封して、フローセンサとカートリッジとの間の流体連結部からのシース液、溶解液、および/またはサンプルの漏れを防止する。漏れに対してより確実に備えるために、テープおよび/または接着剤は、ポートと合わせて並んだ3つの孔を有する同様の形状のガスケットに取り替えられるあるいはそのガスケットと重ね合わせられてよい。ガスケットは、フローセンサとカートリッジとの間のインターフェース用に個別仕様で成形されたガスケットでよい。あるいは、インターフェースは、分離したOリング様のガスケットまたはシールを組み込んでよい。それぞれのセンサの頂部の流れチャネルの接着剤は、個別仕様のガスケットと共に使用されてよく、1つカートリッジから別のカートリッジへのフローセンサの互換性および再使用性を緩和する。フローセンサは、カートリッジに対して挿入可能および取外し可能である。カートリッジが使用されて処分される場合、フローセンサは取り外され、洗浄されて、サンプルの検査および分析に使用するために新しいカートリッジに挿入されることができる。安価なフローセンサが、より持続的な方式でカートリッジ内に配置されてよく、さらに、使用終了後はカートリッジと共に廃棄されてよい。カートリッジ内に配置されるフローセンサガスケットは、漏れの危険性がない状態であるカートリッジから別のカートリッジへフローセンサを移動させることを容易にすることができる。
【0068】
カートリッジ150は、プラスチックまたはプラスチックに類似の材料から製造されてよい。壁のいくつかの部分は、構造剛性のために厚くなっており、別のいくつかの部分は、流体の保管のための、マイクロ流体チャネルのための、ならびに、機構のための空間をカートリッジ内に形成するために薄くなっている。また、流体フローチャネルを備える部分は薄い壁を有しており、コアストリーム内の単一の列の粒子の流れのための狭いチャネルを形成し、さらに、光供給源および検出器の光学素子がフローチャネル内でコアストリームを正確に集束して観測するのを十分に補助する。この壁は、種々の流体リザーバおよび混合チャネルがカートリッジ内に位置される場合に配置されることができる。
【0069】
カートリッジ150の例示的な層配列は、図14a内でカートリッジ150が底側の左側までフローチャネル247を備える下側から、さらに、図14bのカートリッジ150の側面図において:層261−PET−標準の5ミル;層262−ACA−標準の6ミル;層263−PET−標準の2ミル;層264−ACA−標準の4ミル;層265−PET−反転の2ミル;層266−ACA−標準の6ミル;層267−PET−反転の5ミル;層268−ACA−標準の4ミル;層269−PET−反転の5ミル;層270−ACA−標準の6ミル;層271−アクリル樹脂−標準の125ミル;層272−ACA−標準の6ミル;層273−PET−標準の5ミルを含んでよい。カード150の所望の仕様および用途に応じて、層の数がより多くあるいはより少なくなる場合が時々ある。これらの図では、必ずしも縮尺を定めているわけではない。
【0070】
これらの薄い層は、非常に精密な厚さに調整されることができる。また、サイトメータフローチャネル、混合チャネル、サンプル保管部、蛇行状のチャネル(溶解液と血液とを混合するチャネルなど)、および精密な寸法の他の部品が、これらの層内に配置されることができる。保管部の壁は、保管部の弾力性を保証するのに十分なものであるべきである。厚い層は、厚さの精度が低い。試薬保管部および廃物用リザーバはこの層内に配置される。厚い層は、カートリッジに機械的剛性をもたらす。薄い精密な層は、光供給源および検出装置を組み込んだ光学サブシステムに対するカートリッジの正確なアライメントを実現することによってカートリッジクランプフレームと「接続」することができる。精密な厚さのフィルムが、サンプルフローと光供給源との間隔を制御するために作られてよく、適切な集束を確実なものにする。薄い精密な層は、可能性としては厚さの変動量が4パーセント未満の非常に注意深く調整された厚さを有することができる。厚さの変動量は、カートリッジの他の領域よりもフローチャネルの光学領域においてはより重要である場合がある。
【0071】
薄い壁は、時々、カートリッジに対して観察可能な現象をもたらすことがあり、その場合、流れの開始時および停止時にフロー上昇および減衰が遅れる。これらの現象の影響は、カートリッジのグラフでのチェックで確認されることができる。図14cに、取外し可能な埋め込み式フローセンサを有するカートリッジのサンプルフロー信号を示す。このグラフは、測定ユニットに対する電圧の信号に関するプロットを示す。曲線301、302、303、304、305、306、307、308および309はそれぞれ、毎分7マイクロリットル(μm/min)、5μm/min、3μm/min、1.4μm/min、1μm/min、0.7μm/min、0.5μm/min、および、0μm/minを示す。少数の測定ユニットに対する高い信号電圧では良好な始動が示され、逆では遅い始動が示されており、これは、壁のたわみおよび/またはシステム内の空気が原因である可能性がある。図14dに、カートリッジに対するシース液フロー上昇およびゼロフロー減衰信号を示す。測定値は、秒単位の時間に対する電圧の信号である。プロット311、312および313は、ゼロA、ゼロFおよびゼロDのデータをそれぞれ示す。プロット314、315および316は、300E、500Cおよび700Bのデータをそれぞれ示す。
【0072】
たわみは、フローチャネルに対する光学素子の集束、および不正確なデータ収集に影響を及ぼす。また、薄い壁は、マイクロ流体循環路内の流体のポンピングおよび流れに影響を及ぼす可能性があり、それによりデータ収集に影響が出る。1つの理由は、リザーバ壁がたわむこと、あるいはリザーバ壁がカートリッジの他の部分に比べて凹面または凸面形状であることである。例えば、いくつかのカートリッジ上では、試薬リザーバの表面は凹面である場合がある。そのことが、カートリッジが締め付けられるときに表面がカートリッジホルダのマニホルド表面に接触するのを防止し、それにより、カートリッジ内の流体要素の作動中に薄い壁がたわむことが可能になってしまう。一方で、特にリザーバが充填されている場合は、薄い壁の表面は凸面であるが、リザーバが空になったときもリザーバは凸面のままである。あるいは、リザーバがある程度空のときはリザーバの壁は凹面でよく、リザーバがかなり充填されているときはリザーバの壁は凸面になってよい。これは、シース流体の流れなどの流れが遮断されたときに、圧力のゆっくりした変化が起こる場合がある、あるいは、流体の残留物が継続して流れる場合があることを意味する。流れが開始されるときに、流体の流れの開始が遅れる、あるいは作動圧力の蓄積が遅れる可能性がある。これらの流体動作の遅れは、それぞれが壁が薄いことに起因するリザーバ容積の収縮および膨張が原因である場合がある。シース流体の制御は非常に重要であり、これは、薄い壁のたわみの影響をかなり受ける可能性がある。シース流体の流れの変化は、フローチャネル内のコアストリームの幅および速度に影響を及ぼす場合があり、それにより、サイトメータの検出システムによるデータ取得が不正確あるいは信頼性の低いものになる。薄い壁のたわみは、システムに気泡が入り込む原因となる場合があり、それにより、流体路内の空気が、圧力および/または温度の変化によって著しく膨張および収縮する可能性があり、それにより、カートリッジのマイクロ流体の適切な作動が影響を受ける。シース流体が遮断されたときは流れを止めるべきである。流れおよび/または圧力の始動は、流れが開始されたほぼ直後に行われるべきである。流体の始動および停止が適切でない場合、データ収集が信頼性のないものになる可能性がある。カートリッジが締め付けられるときに、サンプル入口の上方のカートリッジの縁部近傍のフィルタの通気孔で逆流が起こる場合がある。これは、チェック弁がある場合は、そのチェック弁が逆流を止める機能を果たしていないことが理由である。
【0073】
薄い壁は、突条を用いて補強されることができる。突条あるいは梁状構造物が、薄い壁上の1つの面積(例えば、長さ方向面積)に沿って増設されることもできる。あるいは、これらの壁は、より厚く製造されることができる。これらの壁は、薄い1つのフィルム材料または複数のフィルム材料から構成されることができる。追加のフィルムは、薄い壁の厚さの小さな変化に妥協することなく最小の厚さの増加で薄い壁を補強することができる。突条または梁状構造物が、厚みを増した薄い壁をさらに補強するために増設されることもできる。厚みを増したおよび/または突条で補強された壁は、流体のための十分な隙間を妨げる、および/あるいは気泡トラップを生成する場合があるので注意する必要がある。また、実施に際して、薄い壁の状態によって影響を受ける構成要素の期待性能の保証が得られる限りにおいて、カートリッジ上の薄い壁の領域は、より小さくまたは最小に製造されてよい。
【0074】
カートリッジの試薬リザーバは、元々、それらの頂部に小さな孔を有しており、各リザーバを独立して充填するために各リザーバに1つの孔が対応している。しかし、泡が試薬リザーバに入りこみ、それに伴い流体路内に「コンプライアンス」を導入するという問題が時折発生する。例えば、リザーバが充填されている場合、孔を閉じるとき、孔を密封するとき、または孔に栓をするときに、注入孔に少しの空気も入れることなく孔の頂部まで確実に充填することは困難である場合がある。例えば、試薬リザーバの注入孔を密封するときに、しばしば、リザーバ内に気泡が注入される場合がある。この問題を排除するために、リザーバは、代わりに入口ポートを通して充填されることができる。小さな孔は、常に栓をされたままである。入口ポートは、いずれの場合においても流れのために使用される。流れ試験が停止された後のカートリッジ内の正圧は、大型のリザーバに気泡を押し戻す可能性があることに留意されたい。リザーバ内の圧力は、リザーバに空気を戻す逆流を引き起こす。使い捨てのカートリッジでは、組み立ての間に、容器に入れられる前の流体をカートリッジに入れておくことができる。
【0075】
廃物用リザーバに関しては、水の浸入により通気穴が密封される傾向があるので、多孔質通気膜が、入口からさらに移動させられることができる。通気穴は、膜を有していないリザーバの反対側に移動させられる方がよい場合がある。しかし、使用後のカートリッジの場合、膜またはそれに類似のものは、新しい通気位置で使用されることができる。古い通気孔は、意図的に栓をしておいてよい。
【0076】
カートリッジは、カートリッジの縁部の単一のレバーを用いて作動されることができる3つのベローズ弁を有してよい。しかし、これらの弁は、充填を補助するのに個々に作動されることができる。リザーバは、Harvardシリンジポンプを用いて手動で充填されることができる。リザーバ間を移動するときにリザーバ間で流体クリープが発生する場合があり、これは、リザーバ壁の可撓性表面が原因である可能性がある。リザーバが充填された後で閉じられることができる個別に作動される弁は、この問題を緩和することができる。大型のリザーバの容積は、リザーバのコンプライアンスのためにカートリッジ間で同一ではない。壁の厚さを増大させることにより、この問題を解決することができるが、これは、光学的照合に影響を及ぼす場合がある。センサに電気的に接触することに関しては、カートリッジ内に深く入り込むので、問題がある可能性がある。
【0077】
カートリッジ151は、サイトメータシステム用の新型の光学素子を収容するために修正されることができる。実現されることができる複数の手法がある。図16に、フローチャネル窓241および242のそれぞれに対する検出器の円錐域244および光源の円錐域243を示す、カートリッジ150の上面の断面図を示す。検出器側の皿穴開口部251が、カートリッジ150のボード表面246の下方に掘られてよく、この場合、フローチャネル247が、表面246の反対の基本表面245に近接してさらに開口部251の上面252に近接する薄い層253内に配置される。光源の円錐域243は、約20度開いた角281を有してよい。光供給源の円錐域243のフローチャネル247に対する方向は、表面245に対して約45度の角度282の位置にあってよい。カートリッジ窓242は表面245にかなり近接することができることから、円錐域243に対してカートリッジ窓242が干渉しないことは明らかである。フローチャネル247は、図16を包含するシートから離れて上方に流れるコアストリームを含んでよい。別法として、コアストリームは、代わりに図のシート内の下側に流れてもよいが、コアストリーム内に空気が引き込まれる可能性が高い。光源の円錐域および検出器の円錐域は、カートリッジの窓表面またはフローチャネルに対しての角度で設定され、フローチャネルを通って検出器まで、見通し線でのあるいは直接の光源光の衝突がないようにする。通常、光源および検出器の円錐域の方向は、互いに対して約90度の位置にあってよい。
【0078】
検出器の円錐域244は、約60度の角度幅283を有してよい。表面252に対する検出器の円錐域の方向284は、約45度でよい。これは、表面246に向かう検出器の円錐域244の下側部分が、約15度の角であり、あるいは、表面246および252に対しても同様であることを意味する。長さ275、厚さ276、277、および295、ならびに、長さ278および279は、それぞれの円錐域の逃げ角に影響を及ぼす。窓の厚さ277は、約64分の1インチすなわち0.397mm(0.015625インチ)でよい。カートリッジ150の開口部251の段または深さ295は、約8分の1インチすなわち3.18mm(0.125インチ)でよい。これらの寸法の多くは、図14bおよび15aから求められるあるいは推測されることができる。フローチャネル247が表面252に近接しており、さらに円錐域244の角が広く、円錐域の方向が有意に一方向であることから、円錐域244は、表面246上またはそれに近傍の開口部251の縁部で障害物に衝突する可能性がある。この障害物は、重要なデータを含む一部の光を円錐域244によって検出されるのを妨害する可能性がある。フローチャネル247に供給される光の一部が遮断される可能性がある。この障害物は、フローチャネルの適切な照射を妨害する可能性がある。結果に、低い信号対雑音比の検出された信号が含まれる可能性があり、あるいは、障害物が存在しなければ発生していたであろう信号が含まれない可能性がある。障害物は、カートリッジ150の表面246から開口部251の縁部位置の一部の材料を除去することによって排除することができ、図17に示すように新しい表面254で円錐域244に対する逃げ角が形成される。
【0079】
検出器の円錐域244の障害物の問題に対する別の手法として、図18に示すように、対応する円錐域243および244をそれぞれ有する光供給源と検出器との位置を入れ替えることが可能性としてある。その場合、光源の円錐域243は、開口部251の表面252に近傍の窓241に面してよい。表面252に対する光源の円錐域243の方向が約45度の角282にあり、円錐域243が約20度の角度幅の角281を有する場合、表面252に最も近接する円錐域243の部分は、表面246および252に平行な平面に対して約35度の角度の位置にあってよい。光源の円錐域243は、カートリッジ150の表面246に近接する開口部251の縁部を容易に通過することは明らかである。表面245を有するカートリッジの他方側では、幅広の検出器の円錐域244が、カートリッジ150の窓242および表面245に対して障害物に衝突することはないように思われる。その理由は、外見上、フローチャネル247およびそれを取り囲む薄いフィルム253の構造体が表面245にかなり近接しているので、窓242の小さな縁部からの障害物が実質的にないことである。
【0080】
図19に示すように、20度の光源の円錐域243が45度の角285または窓241の光源のより大きな円錐域248に取り替えられた場合、円錐域248が、図中で角286によって示される角よりさらに右に回転すると、表面246の開口部251の縁部の位置での円錐域248のわずかな障害物ができる可能性がある。このような障害物または遮断が発生する場合、図17に示すように、開口部251および表面240の縁部の一部分の材料をカートリッジ150から除去することによってこれを排除することができる。散乱光および/または直接の光を検出するために、30度の角287を検出器の円錐域249に追加することもできる。円錐域249の方向角288は、約45度でよい。図19の構成では、検出器の円錐域244は、障害物がないことは明らかである点から、適切に配置されているよう思われる。
【0081】
しかし、任意の幅の円錐域配置に対してもカートリッジ150の材料の除去を伴わない他のいくつかの手法により、上で注目した障害物の問題を解決することができる。1つは、表面246の面上での切り抜き開口部251の向きを、光源および検出器の円錐域に対して約90度時計回りまたは反時計回りに回転させることである。開口部251の寸法255および256は、概略、それぞれ約15および20ミリメートルでよい。窓241、242の寸法257および258は、それぞれ約2および5ミリメートルでよい。これらの寸法は種々の値を有することができる。寸法289および291は算出されることができる。図21に、チャネル247の長さに沿った、円錐域243、244、248および249の傾斜方向に平行なより短い寸法255を示す。この場合、図21では、円錐域243および244の配向角293および294は、それぞれ約90度でよい。フローチャネル247のこの配向は、図16〜19でも明らかである。開口部251を約90度回転させることにより、開口部251のより長い寸法256(約33パーセント長い)を配置することができるようになり、さらに円錐域の傾斜にほぼ平行なフローチャネル247の方向を配置することができるようになり、それにより、表面246の開口部251の縁部に対してより大きな逃げ角を形成することができ、例えば、カートリッジ150の一方の側の表面246の縁部の位置での円錐域244または248の障害物または遮断物が発生するのを回避することができる。
【0082】
図20および21に、上述したように実現される開口部251のより長い寸法256によって収容された、光源の円錐域243および検出器244の図16の構成を示す。ここでの手法は、光源および検出器の円錐域243、244、248および249の軸の傾斜の向きを、フローチャネル247の方向に向くように変更することを伴う。図21は、開口部251の断面の端面図である。図20および21と異なり、図16〜19では、フローチャネル247の方向に対して横方向である検出器および光源の円錐域の角を示している。図16〜21は、必ずしも縮尺を定めて描かれているわけではない。
【0083】
本明細書では、いくつかの事柄が仮説的または予測的な性格である可能性があるが、別の方法または時制で述べることは可能である。
本発明を、少なくとも1つの例示的な実施例に関連して説明してきたが、本明細書を読むことにより、多くの変形形態および修正形態が当業者にとって明白になるであろう。したがって、これらのすべての変形形態および修正形態を包含するために、添付の特許請求の範囲が、従来技術を考慮して可能な限り広範囲に解釈されることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】例示的な携帯用サイトメータの斜視図である。
【図2】図1の例示的な携帯用サイトメータの概略図である。
【図3】カバーを押し下げていない、図2の携帯用サイトメータを示すより詳細な概略図である。
【図4】カバーを押し下げた、図2の携帯用サイトメータを示すより詳細な概略図である。
【図5】別の例示的な携帯用サイトメータの斜視図である。
【図6】図5の例示的な携帯用サイトメータの側面図である。
【図7】図5の例示的な携帯用サイトメータの別の斜視図である。
【図8】図5の例示的な携帯用サイトメータの第1のプレートまたは部材の斜視図である。
【図9】図8の第1のプレートまたは部材の下側転び止めの斜視図である。
【図10】図8の第1のプレートまたは部材の上側転び止めの斜視図である。
【図11】図8の第1のプレートまたは部材の外方向バイアス部ウェッジの斜視図である。
【図12】図5の例示的な携帯用サイトメータの第2のプレートまたは部材の斜視図である。
【図13】例示的なサイトメータの部材の修正された第2のプレートの斜視図である。
【図14a】挿入可能なカートリッジの平面図である。
【図14b】カートリッジの側面図である。
【図14c】カートリッジフロー試験のグラフである。
【図14d】フロー上昇および減衰信号を示す、カートリッジ試験のグラフである。
【図15a】いくつかの寸法を含むカートリッジの平面図である。
【図15b】カートリッジの斜視図である。
【図16】フローチャネル窓に対する検出器の円錐域および光供給源の円錐域を示す、カートリッジの上面の断面図である。
【図17】円錐域の障害物が除去されたこと以外、図16と同一の図である。
【図18】検出器および光供給源の位置がそれらに対応する円錐域に沿って反転していること以外、図16と同一の図である。
【図19】複数の検出器の円錐域構成を含むこと以外、図16と同一の図である。
【図20】図16と比較して、検出器および光供給源の位置に対してカートリッジが約90度回転した図である。
【図21】図16と比較して、検出器および光供給源の位置に対してカートリッジが約90度回転した図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体カートリッジであって、
互いにほぼ平行で互いから第1の距離にある第1の表面および第2の表面を有する第1の部材と、
互いにほぼ平行で互いから第2の距離にある第1の表面および第2の表面を有する第2の部材と、を有し、
前記第1の部材の前記第2の表面が、前記第2の部材の前記第1の表面上に位置され、
前記第2の部材が、前記第1の表面に標的領域を有し、
前記第1の部材が、前記第1の表面から前記2の表面を通る開口部を有し、
前記開口部が、前記標的領域にわたって位置される、マイクロ流体カートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載のカートリッジであって、
前記開口部が、前記第1の部材の前記第1の表面の一方の側に縁部を有し、
前記縁部の中心の点が、前記第2の部材の前記第1の表面に対してほぼ垂直の線に沿った、前記第2の部材の前記第1の表面までの距離yを有し、
前記点が、前記標的領域までの前記開口部内の直線に沿った、前記標的領域からの距離zを有する、カートリッジ。
【請求項3】
請求項2に記載のカートリッジであって、y/zが0.3未満である、カートリッジ。
【請求項4】
請求項3に記載のカートリッジであって、y/zが0.26未満である、カートリッジ。
【請求項5】
請求項3に記載のカートリッジであって、
前記開口部が、前記標的領域に位置される頂点を有する円錐域のためのものであり、
前記円錐域が、0.5以上のコサインを有する頂点角を有し、
前記円錐域が、前記第2の部材の前記第1の表面に対して約45度の方向を有する、カートリッジ。
【請求項6】
請求項5に記載のカートリッジであって、y/zが0.26以上である場合、前記縁部の前記点に近傍の、前記第1の部材の材料の一部分が除去されて、zを増大させることができる、カートリッジ。
【請求項7】
請求項1に記載のカートリッジであって、前記標的領域が、前記第2の部材の前記第1の表面に位置される、カートリッジ。
【請求項8】
請求項7に記載のカートリッジであって、
頂点を有する円錐域が、前記標的領域に位置され、
前記円錐域が、0.1を超えるコサインを有する頂点角を有する、カートリッジ。
【請求項9】
請求項8に記載のカートリッジであって、前記円錐域が、前記第2の部材の前記第2の表面に対して約45度の方向を有する、カートリッジ。
【請求項10】
請求項6に記載のカートリッジであって、前記標的領域が、フロー方向を有するフローチャネル内にある、カートリッジ。
【請求項11】
請求項10に記載のカートリッジであって、
前記開口部が、前記第1の部材の前記第1の表面に平行な幅寸法および長さ寸法を有し、
前記長さ寸法が、前記幅寸法より大きい、カートリッジ。
【請求項12】
請求項11に記載のカートリッジであって、
前記円錐域が、前記縁部に最も接近する部分を有し、
前記縁部が、前記フロー方向に対してほぼ垂直である、カートリッジ。
【請求項13】
請求項12に記載のカートリッジであって、
前記円錐域が、前記縁部に最も接近する部分を有し、
前記縁部が、前記フロー方向にほぼ平行である、カートリッジ。
【請求項14】
請求項3に記載のカートリッジであって、
前記円錐域が、前記縁部に最も接近する部分を有し、
前記円錐域の方向が、前記フロー方向に平行な方向におおむね傾斜している、カートリッジ。
【請求項15】
請求項14に記載のカートリッジであって、
y/zが0.2未満であり、
前記縁部の前記点に近傍の、前記第1の部材の材料の1部分が除去されてzを増大させることができる、カートリッジ。
【請求項16】
カートリッジであって、
第1の表面上に標的領域を有する第1の層と、
前記第1の層の前記第1の表面上に位置される第2の層と、を有し、
前記第2の層が、前記標的領域までの開口部を有し、
前記開口部が、前記第1の表面に対してほぼ垂直の直線に沿った、前記第1の表面からの距離がyである上側縁部上に位置を有し、
点が、前記開口部内の直線に沿った、前記標的領域までの距離zを有し、
y/z<0.3である、カートリッジ。
【請求項17】
請求項16に記載のカートリッジであって、y/z<0.26である、カートリッジ。
【請求項18】
請求項16に記載のカートリッジであって、
前記標的領域が、フローチャネル内にあり、
検出器が、前記開口領域を介してフローチャネル上に集束された先端を含む検出の円錐域を有する、カートリッジ。
【請求項19】
請求項18に記載のカートリッジであって、
前記第1の層が、前記第1の層の前記第1の表面の反対側の第2の表面を有し、
前記フローチャネルが、前記第2の表面から光学的に接近可能であり、
光源が、前記第2の表面を介して前記フローチャネル上に集束される放射の円錐域を有する、カートリッジ。
【請求項20】
請求項19に記載のカートリッジであって、前記カートリッジが、前記フローチャネルに連結された流体循環路を有する、カートリッジ。
【請求項21】
カートリッジであって、
第1の表面および第2の表面を有する層を有し、
前記第1の表面が、前記第2の表面にほぼ平行であり、
前記第1の表面が、前記第1の層内に開口部を有し、
標的領域が、前記開口部に位置され、
前記開口部が、前記第1の表面の上側縁部上に点を有し、
前記点が、平面に対してほぼ垂直である線に沿った前記平面までの距離yを有し、
前記平面が、前記第2の表面にほぼ平行であり、さらに前記標的領域に交差し、
前記点が、前記開口部内の直線に沿った、前記標的領域までの距離zを有し、
y/z<0.3である、カートリッジ。
【請求項22】
請求項21に記載のカートリッジであって、y/z<0.26である、カートリッジ。
【請求項23】
請求項21に記載のカートリッジであって、
検出器の円錐域が、前記開口部を通して前記標的領域上に集束し、
前記検出器の円錐域が、前記開口部を介して前記標的領域に交差する中心軸を有し、
前記検出器の円錐域が、65度までの範囲にわたる円錐域角を有する、カートリッジ。
【請求項24】
請求項23に記載のカートリッジであって、
前記標的領域が、前記第1の表面から光学的に接近可能であり、
光供給源が、前記第1の表面を介して前記標的領域上に集束する光源の円錐域を有する、カートリッジ。
【請求項25】
請求項24に記載のカートリッジであって、前記光源の円錐域が、50度までの範囲にわたる円錐域角を有する、カートリッジ。
【請求項26】
請求項25に記載のカートリッジであって、
前記カートリッジが、粒子計測装置の取外し可能な媒体であり、
前記標的領域が、前記粒子計測装置のフローチャネル内にある、カートリッジ。
【請求項27】
請求項26に記載のカートリッジであって、前記カートリッジが、流体機構をさらに有する、カートリッジ。
【請求項28】
請求項27に記載のカートリッジであって、前記フローチャネルが、前記光供給源からの光が衝突したときに光を放出する粒子のコアストリームを包含するためのものである、カートリッジ。
【請求項1】
マイクロ流体カートリッジであって、
互いにほぼ平行で互いから第1の距離にある第1の表面および第2の表面を有する第1の部材と、
互いにほぼ平行で互いから第2の距離にある第1の表面および第2の表面を有する第2の部材と、を有し、
前記第1の部材の前記第2の表面が、前記第2の部材の前記第1の表面上に位置され、
前記第2の部材が、前記第1の表面に標的領域を有し、
前記第1の部材が、前記第1の表面から前記2の表面を通る開口部を有し、
前記開口部が、前記標的領域にわたって位置される、マイクロ流体カートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載のカートリッジであって、
前記開口部が、前記第1の部材の前記第1の表面の一方の側に縁部を有し、
前記縁部の中心の点が、前記第2の部材の前記第1の表面に対してほぼ垂直の線に沿った、前記第2の部材の前記第1の表面までの距離yを有し、
前記点が、前記標的領域までの前記開口部内の直線に沿った、前記標的領域からの距離zを有する、カートリッジ。
【請求項3】
請求項2に記載のカートリッジであって、y/zが0.3未満である、カートリッジ。
【請求項4】
請求項3に記載のカートリッジであって、y/zが0.26未満である、カートリッジ。
【請求項5】
請求項3に記載のカートリッジであって、
前記開口部が、前記標的領域に位置される頂点を有する円錐域のためのものであり、
前記円錐域が、0.5以上のコサインを有する頂点角を有し、
前記円錐域が、前記第2の部材の前記第1の表面に対して約45度の方向を有する、カートリッジ。
【請求項6】
請求項5に記載のカートリッジであって、y/zが0.26以上である場合、前記縁部の前記点に近傍の、前記第1の部材の材料の一部分が除去されて、zを増大させることができる、カートリッジ。
【請求項7】
請求項1に記載のカートリッジであって、前記標的領域が、前記第2の部材の前記第1の表面に位置される、カートリッジ。
【請求項8】
請求項7に記載のカートリッジであって、
頂点を有する円錐域が、前記標的領域に位置され、
前記円錐域が、0.1を超えるコサインを有する頂点角を有する、カートリッジ。
【請求項9】
請求項8に記載のカートリッジであって、前記円錐域が、前記第2の部材の前記第2の表面に対して約45度の方向を有する、カートリッジ。
【請求項10】
請求項6に記載のカートリッジであって、前記標的領域が、フロー方向を有するフローチャネル内にある、カートリッジ。
【請求項11】
請求項10に記載のカートリッジであって、
前記開口部が、前記第1の部材の前記第1の表面に平行な幅寸法および長さ寸法を有し、
前記長さ寸法が、前記幅寸法より大きい、カートリッジ。
【請求項12】
請求項11に記載のカートリッジであって、
前記円錐域が、前記縁部に最も接近する部分を有し、
前記縁部が、前記フロー方向に対してほぼ垂直である、カートリッジ。
【請求項13】
請求項12に記載のカートリッジであって、
前記円錐域が、前記縁部に最も接近する部分を有し、
前記縁部が、前記フロー方向にほぼ平行である、カートリッジ。
【請求項14】
請求項3に記載のカートリッジであって、
前記円錐域が、前記縁部に最も接近する部分を有し、
前記円錐域の方向が、前記フロー方向に平行な方向におおむね傾斜している、カートリッジ。
【請求項15】
請求項14に記載のカートリッジであって、
y/zが0.2未満であり、
前記縁部の前記点に近傍の、前記第1の部材の材料の1部分が除去されてzを増大させることができる、カートリッジ。
【請求項16】
カートリッジであって、
第1の表面上に標的領域を有する第1の層と、
前記第1の層の前記第1の表面上に位置される第2の層と、を有し、
前記第2の層が、前記標的領域までの開口部を有し、
前記開口部が、前記第1の表面に対してほぼ垂直の直線に沿った、前記第1の表面からの距離がyである上側縁部上に位置を有し、
点が、前記開口部内の直線に沿った、前記標的領域までの距離zを有し、
y/z<0.3である、カートリッジ。
【請求項17】
請求項16に記載のカートリッジであって、y/z<0.26である、カートリッジ。
【請求項18】
請求項16に記載のカートリッジであって、
前記標的領域が、フローチャネル内にあり、
検出器が、前記開口領域を介してフローチャネル上に集束された先端を含む検出の円錐域を有する、カートリッジ。
【請求項19】
請求項18に記載のカートリッジであって、
前記第1の層が、前記第1の層の前記第1の表面の反対側の第2の表面を有し、
前記フローチャネルが、前記第2の表面から光学的に接近可能であり、
光源が、前記第2の表面を介して前記フローチャネル上に集束される放射の円錐域を有する、カートリッジ。
【請求項20】
請求項19に記載のカートリッジであって、前記カートリッジが、前記フローチャネルに連結された流体循環路を有する、カートリッジ。
【請求項21】
カートリッジであって、
第1の表面および第2の表面を有する層を有し、
前記第1の表面が、前記第2の表面にほぼ平行であり、
前記第1の表面が、前記第1の層内に開口部を有し、
標的領域が、前記開口部に位置され、
前記開口部が、前記第1の表面の上側縁部上に点を有し、
前記点が、平面に対してほぼ垂直である線に沿った前記平面までの距離yを有し、
前記平面が、前記第2の表面にほぼ平行であり、さらに前記標的領域に交差し、
前記点が、前記開口部内の直線に沿った、前記標的領域までの距離zを有し、
y/z<0.3である、カートリッジ。
【請求項22】
請求項21に記載のカートリッジであって、y/z<0.26である、カートリッジ。
【請求項23】
請求項21に記載のカートリッジであって、
検出器の円錐域が、前記開口部を通して前記標的領域上に集束し、
前記検出器の円錐域が、前記開口部を介して前記標的領域に交差する中心軸を有し、
前記検出器の円錐域が、65度までの範囲にわたる円錐域角を有する、カートリッジ。
【請求項24】
請求項23に記載のカートリッジであって、
前記標的領域が、前記第1の表面から光学的に接近可能であり、
光供給源が、前記第1の表面を介して前記標的領域上に集束する光源の円錐域を有する、カートリッジ。
【請求項25】
請求項24に記載のカートリッジであって、前記光源の円錐域が、50度までの範囲にわたる円錐域角を有する、カートリッジ。
【請求項26】
請求項25に記載のカートリッジであって、
前記カートリッジが、粒子計測装置の取外し可能な媒体であり、
前記標的領域が、前記粒子計測装置のフローチャネル内にある、カートリッジ。
【請求項27】
請求項26に記載のカートリッジであって、前記カートリッジが、流体機構をさらに有する、カートリッジ。
【請求項28】
請求項27に記載のカートリッジであって、前記フローチャネルが、前記光供給源からの光が衝突したときに光を放出する粒子のコアストリームを包含するためのものである、カートリッジ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14c】
【図14d】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14c】
【図14d】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2008−541131(P2008−541131A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512418(P2008−512418)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/018809
【国際公開番号】WO2006/124821
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/018809
【国際公開番号】WO2006/124821
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
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