説明

サッカリド−シロキサンコポリマーを含むパーソナルケア組成物

サッカリド成分およびオルガノシロキサン成分を有しかつ連結基により結合された少なくとも1つのサッカリド-シロキサンコポリマーを含むパーソナルケア組成物であって、前記サッカリド-シロキサンコポリマーが特定の式を有するパーソナルケア組成物を提供すること。前記パーソナルケア組成物は、それが適用される身体の少なくとも1つの部分に少なくとも1つの利点を提供するように適合されている。エマルション、サッカリド-シロキサンコポリマーを含むエマルションの調製方法、および前記パーソナルケア組成物およびエマルションを含むパーソナルケア製品もまた提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッカリド-シロキサンコポリマーを含むパーソナルケア組成物およびそれから形成されるパーソナルケア製品に関する。
【背景技術】
【0002】
前記コポリマーは、ヒドロキシル官能性サッカリド成分およびオルガノシロキサン成分を含む。サッカリドは、エーテル、エステルおよびアミド結合を含むがこれらに限定されるものではない結合を介して、オルガノシロキサンに1つまたは複数のペンダントまたは末端位置で、またはこれらのうちいくつかの組合せで、共有結合してよい。前記パーソナルケア組成物から処方されるパーソナルケア製品は、高められた性能上の利点をもたらす。
【0003】
サッカリド官能性シリコーンおよびこれらを作るプロセスは当技術分野で知られている。例えば、米国特許第4591652号には、アミンを末端とする置換基を有するシランをアルドン酸ラクトンと反応させることによりポリヒドロキシルシランを製造するための方法が記載されている。日本特許第62-68820号には、アミノシロキサンおよびサッカリドラクトンからなるサッカリド残基を含むオルガノシロキサンが開示されている。国際公開WO94/29324号には、シロキサン修飾化合物、その調製方法、ならびに界面活性剤および表面修飾剤としての、特に植物防疫技術における、その応用が記載されている。この国際公開にはさらに特に、エポキシ-トリシロキサン反応生成物およびサッカリドラクトンから形成される界面活性剤または表面修飾剤が開示されている。国際公開WO02/088456号には、アミド官能性アミノプロピルジオルガノシロキサン、その製造のためのプロセス、アミド官能性アミノプロピルジオルガノシロキサンを含む製剤および繊維産業での使用が記載されている。アミド官能性シロキサンはアミノシロキサンとサッカリドラクトンとを反応させることにより形成される。
【0004】
サッカリドとシロキサンとを連結させる合成プロセスもまた知られている。例えば、米国特許第5831080号には、アリル官能性サッカリド基のヒドロシリル化により作られるグリコシド基を含むオルガノシリコーン化合物が記載されている。米国特許第6517933 B1号には、サッカリドを含む一連の天然ビルディングブロックと、ポリシロキサンを含む一連の合成ビルディングブロックとを含むハイブリッドポリマー物質が記載されている。多くの連結化学反応の可能性が記載されている。
【0005】
上記の参照した特許技術には、本発明の実施形態の実施において適切に使用されてよいサッカリド官能性シロキサンコポリマーが記載されている。上記特許は、参照することにより本書に完全に組み込まれる。しかし、多種多様なサッカリド-シロキサンコポリマーが同様に使用されうることを、当業者なら容易に理解するであろう。
【0006】
オルガノシロキサンを含むシリコーンベースの成分は、スキンおよびヘアケア組成物に望ましい特性を与え、その特性が次いで身体の標的基質に高められた利点を与えるという能力が通常認められている。このような利点には、とりわけ、高められた皮膚感触、展延性および適用性、べたつき抑制、ならびに基質への吸収が含まれる。さらに、ある種のサッカリド成分はスキンケア製品に有益な効果を与えることが当業界においては知られており、パーソナルケア組成物に頻繁に添加されている。例えば、グルコノラクトンの形態のグルコン酸は、現在いくつかのスキンケア製品に含まれており、ガラクトースは抗しわクリームに使用されてきた。ラクトビオン酸(4-O-B-D-ガラクトピラノシル-D-グルコン酸)は、ポリヒドロキシ酸構造を有する公知の組織損傷抑制剤かつ抗酸化剤であり、現在、いくつかの化粧用調製物に添加されているポピュラーな効果剤である。
【0007】
多くのパーソナルケア組成物は、パーソナルケアの標的基質に対し直接的に効果を及ぼしはしないが、特定のレオロジー特性あるいは化学的および/または機械的特性を応用製品に与えるために必要である成分を含む。これらの成分の多くは、例えばべたつきまたは残留物を形成する傾向の増大、および望ましい官能特性または扱い易さに関する特性に対する消費者の認識の低下を含めた、二次的、偶発的、非意図的な、かつしばしば望ましくない影響をもたらす。主として処方上の利点を与え、かつ全体としては組成物のパーソナルケア性能を損なう可能性さえある添加剤の必要性を低減し、その一方で高度なパーソナルケア性能上の利点を与える成分を提供することは有利であろう。さらに、今日の、文化的環境の中で自由に使える時間は減少し、消費者はパーソナルケアに必要なことに費やす時間をより少なくすることを望んでいる。したがって、単一の製品または単一の製品用途において多数の利点を与えるパーソナルケア処方に対する需要は増加している。このことは、別々の利点を同時に与えるために製品処方中で成分を組み合わせる必要性をもたらし、かつ、例えばこれらの利点の効果に関して、互いに拮抗する成分の組合せの発生が増加するという結果をもたらす。消費者は、より高度な性能上の利点を提供しながら、一方でその性能に付随する望ましくない特性を最小限に抑えたパーソナルケア製品を常に求めており、かつ消費者は望ましい性能上の利点を犠牲にすることなくより効率のよい使用を可能にするパーソナルケア製品を常に求めている。
【特許文献1】米国特許第4591652号
【特許文献2】日本特許第62-68820号
【特許文献3】国際公開WO94/29324号
【特許文献4】国際公開WO02/088456号
【特許文献5】米国特許第5831080号
【特許文献6】米国特許第6517933 B1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、パーソナルケア業界においては、ヘアケア、スキンケア、制汗剤および化粧品などとしての適用に典型的に望ましいと認められる品質を向上させる処方に対する継続的なニーズがある。さらに、性能を損なう可能性のある補助的な添加剤を必要最小限に抑えてこれらの向上を提供する製品に対する継続的なニーズがあり、かつ消費者にとって時間効率のよい方法で所望の性能を付与する製品に対する継続的なニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、サッカリド-シロキサンコポリマーを含む組成物が多種多様なパーソナルケア製品に対して高められた性能上の利点を与えるという驚くべき発見に基づいている。これらの利点は、標的基質に効果を及ぼすことのない賦形剤的製品処方成分を減少させることにより間接的に、のみならず、また高度な官能効果およびコンディショニング効果を直接標的基質に与えることにより直接的にも理解される。さらに、前記パーソナルケア組成物を用いてパーソナルケア製品を処方することは、驚くべきことに、通常は互いに拮抗する成分に由来するある種の利点に関して、相乗効果をもたらす。したがって、本発明の実施形態は、パーソナルケア組成物、パーソナルケア製品、ならびに毛髪および皮膚などのパーソナル標的基質の処理方法を提供する。
【0010】
したがって、本発明の一実施形態は、パーソナルケア組成物を提供する。このパーソナルケア組成物は:(i)少なくとも1つのサッカリド-シロキサンコポリマーを含む。サッカリド-シロキサンコポリマーは、連結基により結合された、サッカリド成分およびオルガノシロキサン成分を有する。本サッカリド-シロキサンコポリマーは、下記の式:
R2aR1(3-a)SiO-[(SiR2R1O)m-(SiR12O)n]y-SiR1(3-a)R2a
[前記式中、R1はそれぞれ、同一であっても異なっていてもよく、水素、C1〜C12アルキル、有機基、またはR3-Qを含み、
Qは、エポキシ、シクロエポキシ、第1級または第2級アミノ、エチレンジアミン、カルボキシ、ハロゲン、ビニル、アリル、無水物(anhydride)、またはメルカプト官能基を含み、
mおよびnは、0から10,000の整数であって、同一でも異なっていてもよく、aはそれぞれ独立して、0、1、2、または3であり、
yは、コポリマーが100万未満の分子量を有するような整数であり、
R2は、式Z-(G1)b-(G2)cを有し、かつコポリマー1つあたり少なくとも1つのR2が存在し、式中G1は5から12個の炭素を含むサッカリド成分であり、
b+cは1から10であり、bまたはcは0であってよく、
G2は、有機または有機ケイ素基で追加的に置換された、5から12個の炭素を含むサッカリド成分であり、
Zは、連結基であって、以下の:
-R3-NHC(O)-R4-;
-R3-NHC(O)O-R4-;
-R3-NH-C(O)-NH-R4-;
-R3-C(O)-O-R4-;
-R3-O-R4-;
-R3-CH(OH)-CH2-O-R4-;
-R3-S-R4
-R3-CH(OH)-CH2-NH-R4-;および
-R3-N(R1)-R4
からなる群から独立して選択され、かつ
R3およびR4は、(R5)r(R6)s(R7)tを含む2価のスペーサー基であって、式中r、s、およびtの少なくとも1つが1でなければならず、かつ
R5およびR7は、C1〜C12アルキルまたは((C1〜C12)O)pのいずれかであって、式中pは、1から50のいずれかの整数であり、(C1〜C12)Oはそれぞれ、同一でも異なっていてもよく、
R6は、-N(R8)-であって、式中R8は、HまたはC1〜C12アルキルであるか、Z-X(式中Zが前記に定義の通りかR3である)であり、
Xは、カルボン酸、ホスフェート、サルフェート、スルホネート、または第4級アンモニウム基であって、R3およびR4の少なくとも1つは、連結基中に存在しなければならず、かつ同一でも異なっていてもよい。]
を有し、かつ、
前記サッカリド-シロキサンコポリマーは、官能基化されたオルガノシロキサンポリマーと少なくとも1つのヒドロキシ官能性サッカリドとの反応生成物であって、前記オルガノシロキサン成分が前記連結基Zを介して前記サッカリド成分と共有結合されている、サッカリド-シロキサンコポリマーである。
【0011】
本パーソナルケア組成物は、さらに、それが適用される身体の少なくとも1つの部分に少なくとも1つの利点をもたらすように適合されている。パーソナルケア組成物はまた、(ii)身体の少なくとも1つの部分への、パーソナルケア組成物の局所適用を可能にするのに適したキャリア媒体を任意選択で含む。さらに、本組成物は(iii)サッカリド-シロキサンコポリマー間および/またはサッカリド-シロキサンコポリマーと基質とを架橋する働きをする架橋剤を任意選択で含んでもよい。
【0012】
特定の実施形態において、サッカリド-シロキサンコポリマーは、パーソナルケア組成物中への配合を容易にするために、適切な溶媒または溶媒混合物に可溶化され、次いでエマルションまたは溶液の形態の分散物に形成される。
【0013】
追加の一実施形態は、処方として上に開示したように、少なくとも1つのサッカリド-シロキサンコポリマーを含む内部相を含むエマルションを目的とする。この実施形態において、内部相の分散物は、界面活性剤によって維持され、かつ連続相は水である。エマルションは、特定のパーソナルケア用途に適した活性成分濃度を提供するために、さらに水で希釈されてもよい。
【0014】
追加の一実施形態は、エマルションを調製するための方法を提供する。特に意図された用途に望ましい特性を有するエマルションを得るために種々の度合いの攪拌を使用してよい。さらにより特定の実施形態においては、エマルション重合が用いられ、それによってサッカリド-シロキサンモノマーが、エマルションの各ミセル内で、より高分子量のポリマーに重合される。
【0015】
もう1つの実施形態は、上記パーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品を目的とする。特定のパーソナルケア製品の実施形態は、シャンプー、洗い流すおよび洗い流さないコンディショナー、クレンザー、ヘアリラクサント、スタイル剤、着色剤、制汗剤、モイスチュアライザー、フェイシャルファンデーションおよびカバーアップを含むカラーコスメを目的とする。パーソナルケア製品の実施形態は、リンス、ローション、クリーム、ジェル、ムース、オイントメント、スプレー、エアロゾル、ソープ、モイスチュアライザー、ソリッド、ソリッドスティック、ソフトソリッド、またはソリッドジェルの形態で提供される。
【0016】
方法の実施形態もまた、毛髪および皮膚を処理するための特定の方法の実施形態、および毛髪をスタイリングまたは保持するための方法を含めて、提供される。本方法は、上記パーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品を安全かつ有効量で適用するステップを含む。
【0017】
パーソナルケア組成物は、それから処方することが意図されるパーソナルケア製品のタイプに応じて、追加の活性成分および賦形剤を含むことになる。パーソナルケア処方技術の当業者であれば、特定の用途に必要なまたは望ましい多種多様な成分が利用可能であることを理解するであろう。
【0018】
本発明のこれらのおよび他の側面および優位性は、好ましい実施形態の下記の詳細な記述により明らかになるであろう。
【0019】
サッカリド-シロキサンコポリマーは、驚くべきことに、それから処方されるパーソナルケア組成物に対して高められた利点を付与することが見出された。本コポリマーは水素結合および界面活性の増大などの独自の特性を有し、このことが次いでコポリマーを含むパーソナルケア組成物に独自の特性を与える。本明細書において、「パーソナルケア」の技術は、身体の任意の部分に対する任意の局所的処理であって少なくとも1つの利点を身体のその部分に与えることを意図された処理を含むことが意図されている。その少なくとも1つの利点は、直接的であっても間接的であってもよく、かつ、感覚的、機械的、美容的、保護的、予防的、または治療的であってよい。ヒトの身体が、ここに開示されているパーソナルケア組成物およびそれから処方される製品の特に望ましい標的基質であると考えられると同時に、同様の組織、特に皮膚および毛髪などのケラチン組織、を有する他の哺乳動物が適切な標的基質である可能性があり、したがって獣医学的応用が本発明の範囲内にあることを、当業者なら容易に理解するであろう。
【0020】
上記の新規なパーソナルケア組成物は、規定のように、少なくとも1つの利点を身体の少なくとも1つの部分にもたらすように適合される。本明細書において、「適合される」は、身体の少なくとも1つの部分への少なくとも1つの利点の安全かつ有効な適用を可能にする方法で処方されることを意味する。本明細書において、「安全かつ有効な」は、そのような利点を求める消費者にダメージを与えたりまたは顕著な不快感を引き起こすことなく、そのような利点を求める消費者に認められうるレベルの利点をもたらす量を意味する。顕著な不快感とは、一般消費者がそれに耐えられないような、もたらされた利点を上回る不快感である。
【0021】
パーソナルケア処方技術に当業者であれば、特定のパーソナルケア組成物の意図された適用に基づいて適切である本質的成分、任意選択の添加剤および賦形剤を選択するための周知の基準を理解するであろう。サッカリド-シロキサンコポリマーに加えてパーソナルケア組成物に処方してよい添加剤の非限定的な例には:追加のシリコーン、エアロゾル、抗酸化剤、クレンジング剤、着色剤、追加のコンディショニング剤、付着剤、電解質、エモリエント剤および油、角質剥離剤、増泡剤、香料、湿潤剤、閉塞剤、シラミ駆除剤、pH調節剤、顔料、防腐剤、殺生物剤、他の溶媒、安定化剤、サンスクリーン剤、懸濁剤、タンニング剤、他の界面活性剤、増粘剤、ビタミン、植物由来成分、ワックス、レオロジー調整剤、ふけ防止剤、抗アクネ剤、抗虫歯剤、および創傷治癒促進剤が含まれる。
【0022】
単一の製品において多数の利点を与えるために処方されるパーソナルケア製品においてある種の利点が犠牲にされることは、まれではない。例えば、毛髪に関して、コンディショニング効果の増大は、しばしば毛髪の「豊かさ」またはボリュームの減少を伴う。サッカリド-シロキサンコポリマーの添加は、いくつかの効果を犠牲にすることなくこのような効果を組合せた製品の処方を可能にし、かつ実際に、いくつかの処方においてサッカリド-シロキサンコポリマーの添加は効果の組合せに関して相乗性をもたらす。サッカリド-シロキサンコポリマーを含むパーソナルケア組成物から処方されたパーソナルケア製品は、驚くべきことに、互いに拮抗する効果から典型的に派生する利点の向上、例えばコンディショニング効果とカール保持効果の両方を向上させることをもたらす。これらの製品は、驚くべきことに、毛髪、皮膚、APおよびカラーコスメにおいて増粘効果をもまた提供する。
【0023】
加えて、サッカリド-シロキサン成分のパーソナルケア組成物への包含は、ある種の他の賦形剤的添加剤の必要性を除去または低減することができる。例えば、サッカリド-シロキサンコポリマーは水素結合性が増大しているため、シクロメチコンなどの環状シリコーンの効果的な増粘剤であり、ストリンジェンシー、残留物形成、および/またはコンディショニング不足などの望ましくない製品特性を偶然に与えるおそれがある他の増粘添加剤の必要性を低減させる。
【0024】
上記パーソナルケア組成物のサッカリド-シロキサンコポリマー成分は典型的には、常温でガム、ワックス様固体、または固体として存在する。しかし、一部には液状形態で存在するコポリマーがあり、温度などの条件を操作することにより液体分散可能な形態もまた製造が可能であることに注目すべきである。しかし、サッカリド-シロキサンコポリマーの大部分が容易に分散物を形成できる粘度範囲、例えば溶液またはエマルションを実現するためには、まず適切な溶媒または溶媒混合物中に溶解することによりサッカリド-シロキサンコポリマーを可溶化しなければならない。
【0025】
可溶化されたコポリマーは、次いでパーソナルケア組成物中への配合を容易にするための溶液またはエマルションを形成するために使用される。特定の溶媒混合物はサッカリド-シロキサンコポリマーのイオン特性および意図される応用に対するその溶媒の適合性に基づいて選択される。特定の一実施形態においては、溶媒混合物はパラフィンとアルコールの混合物を含む。非常に特定の一実施形態においては、アルコールはイソプロピルアルコールを含む。
【0026】
本明細書において使用される用語「分散物」は、2相システムであって、第1相は最終的に大量の第2相全体に分配された、細かく分割された粒子を含み、かつ第1相が「内部」相または分散相を構成し、一方で第2は、「外部」相または連続相を構成する2相システムを意味する。
【0027】
本明細書において使用される用語「溶液」は、機械的分散物、コロイド性分散物、および真の溶液を含むよう広く意図され、後者に限定されると解釈されることはないものとする。溶液は、第1相が溶質を構成し、かつ第2相が溶媒を構成する、均一に分散した混合物の分散液である。
【0028】
本明細書において使用される用語「エマルション」は、乳化剤の助けを借りて、第1の分散した内部相を、第2の連続相に懸濁させた液体を有する2つの非混和性液体の混合物を含む分散物を意味する。
【0029】
一実施形態は、パーソナルケア組成物を目的とする。このパーソナルケア組成物は、(i)サッカリド成分およびオルガノシロキサン成分を有しかつ連結基により結合された少なくとも1つのサッカリド-シロキサンコポリマーを含む。本サッカリド-シロキサンコポリマーは、下記の式:
R2aR1(3-a)SiO-[(SiR2R1O)m-(SiR12O)n]y-SiR1(3-a)R2a
[前記式中、R1はそれぞれ、同一であっても異なっていてもよく、水素、C1〜C12アルキル、有機基、またはR3-Qであり、
Qは、エポキシ、シクロエポキシ、第1級または第2級アミノ、エチレンジアミン、カルボキシ、ハロゲン、ビニル、アリル、無水物、またはメルカプト官能基を含み、
mおよびnは、0から10,000の整数であって、同一でも異なっていてもよく、aはそれぞれ独立して、0、1、2、または3であり、
yは、コポリマーが100万未満の分子量を有するような整数であり、
R2は、式Z-(G1)b-(G2)cを有し、かつコポリマー1つあたり少なくとも1つのR2が存在し、式中、G1は5から12個の炭素を含むサッカリド成分であり、
b+cは1から10であり、bまたはcは0であってよく、
G2は、有機または有機ケイ素基で追加的に置換された、5から12個の炭素を含むサッカリド成分であり、
Zは、連結基であって、以下の:
-R3-NHC(O)-R4-;
-R3-NHC(O)O-R4-;
-R3-NH-C(O)-NH-R4-;
-R3-C(O)-O-R4-;
-R3-O-R4-;
-R3-CH(OH)-CH2-O-R4-;
-R3-S-R4
-R3-CH(OH)-CH2-NH-R4-;および
-R3-N(R1)-R4
からなる群から独立して選択され、かつ
R3およびR4は、(R5)r(R6)s(R7)tを含む2価のスペーサー基であって、式中r、s、およびtの少なくとも1つが1でなければならず、かつ
R5およびR7は、C1〜C12アルキルまたは((C1〜C12)O)pのいずれかであって、式中pは、1から50のいずれかの整数であり、(C1〜C12)Oはそれぞれ、同一でも異なっていてもよく、
R6は、-N(R8)-であって、式中R8は、HまたはC1〜C12アルキルであるか、Z-X(式中Zが上記に定義の通りかR3である)であり、
Xは、カルボン酸、ホスフェート、サルフェート、スルホネート、または第4級アンモニウム基であって、R3およびR4の少なくとも1つは、連結基中に存在しなければならず、かつ同一でも異なっていてもよい]
を有し、かつ、
前記サッカリド-シロキサンコポリマーは、官能基化されたオルガノシロキサンポリマーと少なくとも1つのヒドロキシ官能性サッカリドとの反応生成物であって、前記オルガノシロキサン成分が前記連結基Zを介して前記サッカリド成分と共有結合されている。
【0030】
本パーソナルケア組成物は、それが適用される身体の少なくとも1つの部分に少なくとも1つの利点をもたらすように適合されている。本パーソナルケア組成物は、(ii)身体の少なくとも1つの部分への、パーソナルケア組成物の局所適用を可能にするのに適したキャリア媒体をさらに任意選択で含んでよい。さらに、本組成物は(iii)サッカリド-シロキサンコポリマー間および/またはサッカリド-シロキサンコポリマーと基質とを架橋する働きをする架橋剤を任意選択で含んでもよい。
【0031】
本発明を実施するのに適した架橋剤は当技術分野でよく知られている。特定の実施形態において架橋は、実質的にサッカリド成分のヒドロキシ官能基間で起こる。より特定の実施形態においては、架橋剤は以下の非限定的例から選択されてよい:ホウ酸、ホウ酸エステル(例えば、ホウ酸トリ-n-プロピル、ホウ酸トリイソプロパノールアミン)、アルキルボロン酸またはアルキルホウ酸エステル(例えば、フェニルボロン酸)、チタナート、(例えば、チタニウムイソプロポキシド、ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトナート))、ジルコナート、グリオキサール、グルタルアルデヒド、エピクロロヒドリン、尿素-ホルムアルデヒド、炭酸ジルコニウムアンモニウム、多価イオンの塩、2官能性エポキシまたはグリシジル化合物(例えば、1,4ブタンジオールジグリシジルエーテル)、ジ-(N-ヒドロキシメチル)尿素、ジイソシアナート(例えば、トルエンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート)、2-クロロ-N,N-ジエチルアセトアミド、トリメタリン酸ナトリウム、リン酸オキシクロライド、アクロレイン、N-メチル尿素、ジカルボン酸、ビス-酸塩化物、ジアルキルジクロロシラン(例えば、ジメチルジクロロシラン)、アルキルトリクロロシラン(例えば、メチルトリクロロシラン)、反応性シロキサン樹脂、およびこれらの組合せ。非常に特定の一実施形態においては、架橋剤は反応性シロキサン樹脂あるいはボロン酸またはボロン酸エステルを含む。
【0032】
より特定の一実施形態においては、サッカリド-シロキサンコポリマーは、パーソナルケア組成物中に、分散物として配合される。コポリマーを希釈または分散することにより、調製過程をより進めやすくなり、かつ、適切に使用できる溶媒にはポリジメチルシロキサン、炭化水素、およびアルコールが含まれる。特に適切な溶媒は、環状シロキサン類および炭化水素-アルコール混合物および水である。
【0033】
サッカリド-シロキサンコポリマーと炭化水素、シリコーンおよびアルコールならびに水との相容性により、サッカリド-シロキサンコポリマーは身体の少なくとも1つの部分に利点をもたらす水性および非水性ベースのパーソナルケア製品双方に配合することが可能である。身体の部分が毛髪を含む実施形態においては、利点にはヘアスタイリングの容易さおよび保持力の向上、固着効果、および光沢向上が含まれうる。
【0034】
適切なサッカリド-シロキサンコポリマーの種々の合成経路が当技術分野でよく知られており、かつ使用できる。適切なサッカリド-シロキサンコポリマーが種々の合成手段により形成できること、およびサッカリドが、エステル、エーテル、アミド、ウレタン、尿素、エポキシドなどを含む種々の連結結合を介してシロキサンと共有結合してよいことを当業者なら理解するであろう。
【0035】
パーソナルケア組成物の一実施形態において、ヒドロキシル官能性サッカリドの少なくとも1つはアルドール酸またはオリゴアルドール酸を含む。より特定の一実施形態において、アルドール酸またはオリゴアルドール酸はラクトンを含む。
【0036】
2つの典型的なラクトンには、グルコノラクトン(GL)およびラクトビオノラクトン(LBL)が含まれる。グルコノラクトン(GL)およびラクトビオノラクトン(LBL)はどちらも市販されている。細胞中に存在する天然のグルコン酸は、皮膚および毛髪に有益な影響を与えることで知られているポリヒドロキシアルファヒドロキシアルドン酸である。このグルコン酸は、パーソナルケア製品として市販されている製品中に、グルコノラクトンの形態で、典型的に含まれている。ラクトビオン酸(4-O-beta-D-ガラクトピラノシル-D-グルコン酸)は、エーテル性結合を介してグルコンサンの1つの分子に結合するガラクトース分子からなる。ガラクトースは、グルコサミノグリカン合成、コラーゲン合成および創傷治癒用途に利用される化学的に中性の内因性ヘキソースである。ラクトビオン酸は二糖類であるラクトース(乳糖)の酸化により形成され、主要な商業的応用は、臓器移植技術における臓器保存液の構成成分としてのものである。理論に拘束されないが、この機能は、酸素ラジカルが引き起こす組織損傷を抑制するその能力に関係し、かつFe IIの錯体形成を介してのヒドロキシルラジカル生成を抑制することにより仲介されると考えられている。最近10年間にパーソナルケア産業、特にスキンケアおよび抗老化処方を目的とする製品における特定の効果を示唆する研究があらわれている。GLおよびLBLは市販品として容易に入手できるサッカリドであるが、その一方、他のサッカリドが本発明のコポリマーを形成するのに適していることを、当業者なら理解するであろう。
【0037】
パーソナルケア組成物の特定の一実施形態において、オルガノシロキサンポリマーはポリジメチルシロキサンを含む。いくつかの実施形態において、上記連結基は、アミド、アミノ、ウレタン、尿素、エステル、エーテル、チオエーテル、またはアセタール官能性連結基を含む。より特定の実施形態において、連結基はアミノ官能性連結基を含み、非常に特定の実施形態においては、アミノ官能性連結基はアミノプロピルまたはアミノエチルアミノイソブチル官能基を含む。
【0038】
オルガノシロキサンがアミノ感応性基を含む場合、アルドノラクトンは非常に適切なサッカリドであり、非常に特定の実施形態において、サッカリド-シロキサンコポリマーはアミノ官能性オルガノシロキサンとラクトンとの反応生成物を含む。したがって、さらにより特定の実施形態において、サッカリド-シロキサンコポリマーはアミノ官能性オルガノシロキサンとGLおよびLBLなどのアルドノラクトンとの反応生成物を含む。
【0039】
サッカリド-シロキサンコポリマーは、実質的に純粋な形態で、あるいは溶液かエマルションのいずれかの形態の分散物としてパーソナルケア組成物中に配合されてよい。使用される形態に応じて、サッカリド-シロキサンコポリマーは水中油型、油中水型、シリコーン中水型および水中シリコーン型システムに配合されてよい。いくつかの水性ベース配合の場合、サッカリド-シロキサンコポリマーは固体として配合に直接添加されてよい。パーソナルケア組成物の一実施形態において、分散物は溶液の形態である。選択された特定のサッカリド-シロキサンの性質に応じて、溶媒は、実質的に水性であるか実質的に非水性であってよい。特定の一実施形態において、実質的に非水性の溶媒は、揮発性または不揮発性溶媒を含み、非常に特定の一実施形態において、実質的に非水性の溶媒は、揮発性炭化水素またはシリコーンあるいはこれらの混合物を含む。より特定の一実施形態において、実質的に非水性の溶媒は、シリコーンを含む。
【0040】
本明細書において使用される用語「揮発性」は、溶媒が、周囲条件において有意な蒸気圧を示すことを意味する。適切な揮発性シリコーンの例には、フェニルペンタメチルジシロキサン、フェニルエチルペンタメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メトキプロピルヘプタメチルシクロテトラシロキサン、クロロプロピルペンタメチルジシロキサン、ヒドロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびこれらの混合物などのシロキサンが含まれる。特に適切なシロキサンは、シクロメチコンである。非常に特定の一実施形態において、揮発性シリコーンは環状シリコーンを含む。
【0041】
サッカリド-シロキサンコポリマー成分は典型的に、パーソナルケア組成物に分散物として添加されるため、分散物成分またはパーソナルケア組成物全体のいずれかに対するその濃度を記載することができる。本明細書の一実施形態において、パーソナルケア組成物は分散物を含み、前記分散物は約0.1重量%から約50重量%のサッカリド-シロキサン、かつ組成物の約0.01重量%から約25重量%のサッカリド-シロキサンを含む。より特定の一実施形態において、分散物は約2重量%から約40重量%のサッカリド-シロキサン、かつ組成物の約0.2重量%から約10重量%のサッカリド-シロキサンを含む。さらにより特定の実施形態において、分散物は約20重量%のサッカリド-シロキサン、かつ組成物の約0.5重量%から約2重量%のサッカリド-シロキサンを含む。
【0042】
本パーソナルケア組成物の一実施形態において、分散物はエマルションの形態である。エマルションは、分散物を維持するための少なくとも1つの界面活性剤、および連続相としての水を追加的に含む。内部相は、分散された可溶化サッカリド-シロキサンコポリマーを含む。非イオン性、両性(両性イオン性を含む)、アニオン性またはカチオン性界面活性剤はすべて適しうる。水中油型エマルションは、扱いやすくかつ水ベースの処方に容易に分散するところから、典型的に使用される。
【0043】
本発明の追加的な一実施形態は、サッカリド-シロキサンエマルションを目的とする。このエマルションは、サッカリド-シロキサンを含む内部相と、水を含む連続相とを含む水中油型エマルションである。サッカリド-シロキサンエマルションは、少なくとも1つの界面活性剤を含み、前記界面活性剤は、その両親媒性により内部相の分散を維持する。
【0044】
他の実施形態は、エマルションを調製する方法を提供する。サッカリド-シロキサンエマルションは:1)予め形成されたサッカリド-シロキサン液とポリマーを乳化することまたは2)例えばエマルションまたはサスペンジョン重合により、サッカリド-シロキサンモノマーをより高分子量の液体および個別のエマルション粒子中のポリマーに、重合すること、のいずれかにより調製されてよい。一実施形態において、まず分散物を確立し、かつ水相を固定するために、界面活性剤-水混合物を可溶化したサッカリド-シロキサンコポリマーに添加する。任意選択の追加的部分の水をエマルションの望ましい特性プロファイルおよび/またはその意図される用途の必要に応じて添加する。
【0045】
所望のエマルション形態を容易に得るための連続的過程が存在することを当業者なら理解するであろう。サッカリド-シロキサンエマルションには、他のエマルションと共通する制約がある。すなわち、サッカリド-シロキサンエマルションは熱力学的に不安定であり、分散物を維持するために界面活性剤を必要とし、かつ乳化を開始するためにはエネルギーの投入を必要とする。ミキシングによる単純な攪拌で十分な可能性があるが、あるいは高せん断装置の使用を含むより高度なせん断手段を必要とする可能性がある。他の例においては、ポリマー乳化または転相法を必要とする。
【0046】
エマルションを形成するために必要な度合いの攪拌には、ミキシング装置の使用を必要とする可能性がある。ミキシング装置は典型的に、必要とされるエネルギーの投入をもたらす。せん断の全範囲に及ぶこれらミキシング装置の非限定的例には:1)インペラー、例えばプロペラ、ピッチブレードインペラー、ストレートブレードインペラー、Rushtonインペラー、またはCowlesブレードを備えた容器;2)ニーディングタイプのミキサー、例えばBaker-Perkins;3)せん断を発生するオリフィスによる容積移送を用いた高せん断装置、例えばホモジナイザー、ソノレーター、またはマイクロフルイダイザー;4)ローターまたはステーター構造を用いた高せん断装置、例えばコロイドミル、ホモミックラインミル、IKA、またはBematek;5)シングルまたはデュアルスクリューを備えた連続式コンパウンダー;6)内部インペラーまたはローター/ステーター装置付き可変ミキサー、例えばTurelloミキサー;および7)遠心ミキサー、例えばHauschildスピードミキサーが含まれる。ミキシング装置の組合せもまた、利点をもたらし、例えばインペラーミキサーを高せん断装置に結合することができる。
【0047】
ミキシング装置の選択は、乳化される内部相のタイプに基づく。例えば、低粘度内部相は、オリフィスによる容積移送を用いた高せん断装置を用いて乳化されうる。しかし、高粘度内部相の場合には、ローター/ステーター装置、ツインスクリューコンパウンダーまたは可変ミキサーがしばしばよりよい選択である。さらに、親水基を含む内部相は、より乳化しやすいことが多く、したがってインペラー構造の単純な容器で十分である可能性がある。
【0048】
サッカリド-シロキサンコポリマーの粘度は、シロキサン部分の分子量、サッカリドユニットの数、シロキサン1つあたりのサッカリドユニットのモルパーセント、温度および圧力などの外的条件などの因子に左右される。サッカリド-シロキサンコポリマーと溶媒または溶媒混合物との混合物において比率を変化させることにより種々の内部相粘度を実現できることを、当業者なら理解するであろう。
【0049】
エマルション調製物におけるもっとも望ましい成分添加順序は、実験により決定される。例えば、粘性相乳化に関する望ましい添加順序は下記であってよい:(a) サッカリド-シロキサンコポリマーを溶媒または溶媒混合物中で可溶化して所望の粘度にする;(b) 界面活性剤を混合する;(c) 粘性相エマルションが形成されるまでせん断を行いながら水を徐々に加える;(d) せん断を行いながら、所望の粘度まで水で希釈する。高せん断による「プレミックス」に関する望ましい添加順序は下記であってよい:(a) インペラー構造のミキシング容器に水の全量を加える;(b) 少なくとも1つの界面活性剤を水に加える;(c) サッカリド-シロキサンコポリマー相をゆっくりと水に加えて粗エマルションを作る;(d) 所望の粒子サイズが得られるまで、高せん断装置を用いて粗エマルションを移送する。
【0050】
非イオン性界面活性剤は、上記エマルションを作るのに適しており、かつアルキルエトキシレート、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、およびこれらの混合物を含む。カチオン性、両性、および/またはアニオン性界面活性剤もまた適切であり、典型的には、非イオン性界面活性剤に追加して添加される。特定の一実施形態において、エマルションは少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含み、もう1つの特定の実施形態において、エマルションは、少なくとも1つのカチオン性界面活性剤および少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む。
【0051】
サッカリド-シロキサンがエマルションの形態の組成物に配合されるパーソナルケア組成物の一実施形態において、このエマルションは、エマルションの約5重量%から約95重量%のサッカリド-シロキサン、かつ組成物の約0.01重量%から約25重量%のサッカリド-シロキサンを含む。より特定の一実施形態においては、本エマルションは、エマルションの約10重量%から約60重量%のサッカリド-シロキサン、かつ組成物の約0.2重量%から約10重量%のサッカリド-シロキサンを含む。さらにより特定の一実施形態において、エマルションは、エマルションの約20から40重量%のサッカリド-シロキサン、かつ組成物の約0.5から約20重量%のサッカリド-シロキサンを含む。
【0052】
サッカリド-シロキサンコポリマーを含む新規の上記パーソナルケア組成物は、パーソナルケア製品へと処方されてよい。本パーソナルケア製品は、それが適用される身体の部分に関して機能的、美容的、治療的、またはこれらのうちのいくつかの組合せであってよい。このような製品の従来の例には:制汗剤およびデオドラント、スキンクリーム、スキンケアローション、モイスチュアライザー;アクネまたはしわ除去などのフェイシャルトリートメント; パーソナルおよびフェイシャルクレンザー;バスオイル;パフューム;コロン;サシェ;サンスクリーン;プレシェーブおよびアフターシェ-ブローション;シェービングソープおよびシェービングフォーム;ヘアシャンプー;ヘアコンディショナー;毛髪着色剤;ヘアリラクサント;ヘアスプレー;ムース;ジェル;パーマネント;脱毛剤およびキューティクルコート;メークアップ;カラーコスメ;ファンデーション;コンシーラー;頬紅;リップスティック;アイライナー;マスカラ;オイルリムーバー;カラーコスメリムーバーおよびパウダー;ならびに抗アクネ、口腔衛生、抗菌、治癒促進、栄養薬剤を含み、かつ予防用および/または治療用薬剤である薬用のクリーム、ペーストまたはスプレーが含まれるが、これらに限定されるものではない。一般にパーソナルケア製品は、リンス、ローション、クリーム、ペースト、ジェル、フォーム、ムース、オイントメント、スプレー、エアロゾル、ソープ、スティック、ソフトソリッド、ソリッドジェルおよびジェルを含むがこれに限定されるものではないいずれかの従来の形態における応用を可能にする担体(キャリア)を用いて処方されてよい。
【0053】
パーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品のいくつかの実施形態において、サッカリド-シロキサンコポリマーを包含させることは、処方中の他の増粘剤の必要性を低下させる。これらの実施形態において、製品の所望の粘度または粘性は、従来の増粘剤に典型的な量よりも少量で維持される。このことは、増粘剤が他の効果剤の望ましい効果と拮抗するような製品、例えばコンディショニング剤などにおいて特に望ましい。1つまたは複数のコンディショニング剤が、調製工程進行のために、またはそれが適用される身体の部分に与えるいずれかの所望の効果のためというよりもむしろ処方の特性のために含まれる製品においてもまた、このことは望ましい。これらの場合、サッカリド-シロキサンコポリマー成分は、拮抗する性能特性を有する1つまたは複数の増粘剤の低減を可能にしうる。
【0054】
パーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品のいくつかの実施形態において、サッカリド-シロキサンコポリマーを包含させることは、油中水型、より具体的にはシリコーン中水型乳化剤の必要性を低下させる。サッカリド-シロキサンコポリマーはそれ自体、乳化特性をもたらす。これらの実施形態において、製品の所望の乳化は、従来のシリコーン中水型乳化剤に典型的な量よりも少量で維持される。
【0055】
パーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品の特定の一実施形態において、上記の少なくとも1つの利点はコンディショニング効果を含み、かつ上記の少なくとも1つの身体の部分は毛髪を含む。コンディショニング効果の特定の例には、静電気防止、潤滑、光沢、粘着、触感向上、扱い易さ向上、またはスタイリング効果が含まれるが、これらに限定されるものではない。扱い易さ向上効果の非限定的例には、ドライ時および/またはウエット時の櫛通りの容易さが含まれる。スタイリング効果の非限定的例には、カール保持およびヘアリラクシング効果が含まれる。コンディショナーは、洗い流すコンディショナーであっても洗い流さないコンディショナーであってもよい。特定の実施形態において、コンディショニング効果は、カール保持効果を含む。一側面では、パーソナルケア組成物は、少なくとも1つのサッカリド-シロキサンを含み、ここでは連結基がアミノプロピル官能性連結基を含む。
【0056】
適切なコンディショニング剤の例には、カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤、タンパク質、天然油、サッカリド-シロキサン以外のシリコーン、炭化水素、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはこれらの混合物が含まれるがこれらに限定されるものではない。本発明のパーソナルケア組成物に有用である可能性がある追加のシリコーンの例には:アルキルメチルシロキサン、アミノシロキサン、環状シロキサン、ガム、直鎖状シロキサン、MQシロキサン樹脂、MTQシロキサン樹脂、およびポリエーテルシロキサンコポリマーが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
本発明のさらなる実施形態は、少なくとも1つの利点を身体の少なくとも1つの部分にもたらす方法を目的とする。これらの方法の1つは、パーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品の安全かつ有効な量での少なくとも1つの身体の部分への適用を含む。特定の一実施形態において、安全かつ有効な量のパーソナルケア組成物の適用を含む毛髪の処理方法が提供される。非常に特定の一実施形態は、安全かつ有効な量のパーソナルケア組成物の適用を含む毛髪のスタイリングおよび保持方法を提供する。本明細書において、「安全かつ有効な」は、そのような利点を求める消費者にダメージを与えたりまたは顕著な不快感を引き起こすことなく、そのような利点を求める消費者に認められうるレベルの利点をもたらす量を意味する。顕著な不快感とは、一般消費者がそれに耐えられないような、もたらされた利点を上回る不快感である。
【0058】
上記記載のサッカリド-シロキサンコポリマーを含むパーソナルケア組成物を用いてパーソナルケア製品を処方することは、増粘効果をもたらす。特定の一実施形態において、制汗、毛髪、皮膚用およびカラーコスメ製品が提供される。制汗製品は、上記に記載のサッカリド-シロキサンコポリマーを含むパーソナルケア組成物を用いて処方され、前記制汗製品において少なくとも1つの利点は、処方が実質的に典型的量よりも少量の従来の増粘剤を含むときに制汗性塩の懸濁を維持するのに十分な増粘効果を含む。特定の実施形態において、制汗製品は、ソリッド、ソフトソリッド、またはジェルの形態で提供される。より特定の一実施形態において、ソリッド形態はソフトソリッドまたはジェルを含む。
【0059】
本発明のもう1つの特定の実施形態は、油中水型、より具体的にはシリコーン中水型処方に対する乳化効果を目的とする。本処方においてサッカリド-シロキサンコポリマーが使用される場合、典型的なシリコーン中水型処方補助剤はより低レベルでしか必要とされない。より特定の一実施形態において、制汗製品は、サッカリド-シロキサンコポリマーを含む組成物を用いて処方される。さらにより特定の一実施形態において、ソリッド形態はジェルを含む。
【0060】
もう1つの特定の実施形態は、少なくとも1つの利点が高められたコンディショニング効果を含み、少なくとも1つの身体の部分が皮膚を含む、上記パーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品を提供する。皮膚を処理する方法を目的とする一実施形態は:(1)新規パーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品の安全かつ有効な量で適用すること;および(2)安全かつ有効な量を皮膚にこすり込むことを含む方法を提供する。
【0061】
もう1つの特定の実施形態は、少なくとも1つの利点が化粧効果である、新規パーソナルケア組成物を含むカラーコスメ製品を目的とする。より特定の実施形態は、リキッドファンデーションを目的とする。
【0062】
以下の例は、本発明の範囲内で、実施形態をさらに例証する。実施例は、例証を目的としてのみ提供されるものであり、請求項により定義の本発明を限定すると解釈されてはならない。本明細書に開示の精神と範囲から離れることなく、本発明の数多くの変形形態が可能であることを、当業者なら理解するであろう。
【0063】
(実施例)
下記の実施例は、いくつかの配合形態におけるサッカリド-シロキサンコポリマーの調製方法およびそれにより合成される特定のサッカリド-シロキサンコポリマーを提供する。当然ながら、合成の代替方法ならびに合成および適切に使用されることが可能な広範なサッカリド-シロキサンコポリマーが存在することを、当業者なら容易に理解するであろう。追加の実施例は、特定のパーソナルケア製品実施形態を目的とし、かつ事実上、実例となっている。典型的な実施形態の特定性は、便宜上のものであり、限定するものと解釈されてはならない。
【0064】
(実施例1)
〔適切なサッカリド-シロキサンコポリマーの調製物〕
本実施例では、本発明のパーソナルケア組成物において適切に使用されてよいサッカリド-シロキサンコポリマーを例証し、かつこれらを合成する。本発明を実施するのに適した典型的なサッカリド-シロキサンの成分を表1に開示する。典型的に適切なシロキサンは表2に開示する。
【0065】
【表1】

【表2】

【0066】
a) A12-GL
DMS-A12 (Gelest Inc.、ペンシルベニア州モーリスビル)、20〜30 cst、アミノプロピル基でエンドブロックされたテレケリックポリジメチルシロキサン、をグルコノラクトン(GL)(Sigma-Aldrich、ミズーリ州セントルイス)と、アミン:ラクトン=1:1の化学量論で、メタノール中、50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーションで除去する。生成する物質は、固体である。
【0067】
b) A21-GL
DMS-A21 (Gelest Inc.、ペンシルベニア州モーリスビル)、100〜320 cst、アミノプロピル基でエンドブロックされたテレケリックポリジメチルシロキサン、をグルコノラクトン(GL)(Sigma-Aldrich、ミズーリ州セントルイス)と、アミン:ラクトン=1:1の化学量論で、メタノール中、50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーションで除去する。生成する物質は、ワックス様固体である。
【0068】
c) A32-GL
DMS-A32 (Gelest Inc.、ペンシルベニア州モーリスビル)、2000 cst、アミノプロピル基でエンドブロックされたテレケリックポリジメチルシロキサン、をグルコノラクトン(GL)(Sigma-Aldrich、ミズーリ州セントルイス)と、アミン:ラクトン=1:1の化学量論で、メタノール中、50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーションで除去する。生成する物質は、ガムのようなコンシステンシーを有する。
【0069】
d) 8175-GL
DC(登録商標) Q2-8175 Fluid (Dow Corning Corp.、ミシガン州ミッドランド)、150〜400 cst、ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(約2.3モルパーセント)を有するポリジメチルシロキサン、をグルコノラクトンと、第1級アミン:ラクトン=1:1の化学量論で、メタノール中、50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーションで除去する。生成する物質は、ガムのようなコンシステンシーを有する。
【0070】
e) 8211-GL
DC(登録商標) 2-8211 Polymer (Dow Corning Corp.、ミシガン州ミッドランド)、1000 cst、ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(約1.9モルパーセント)を有するポリジメチルシロキサン、をグルコノラクトンと、第1級アミン:ラクトン=1:1の化学量論で、メタノール中、50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーションで除去する。生成する物質は、ガムのようなコンシステンシーを有する。
【0071】
f) 8175/A12-GL
DC(登録商標) Q2-8175 Fluid (Dow Corning Corp.、ミシガン州ミッドランド)、150〜400 cst、ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(約2.3モルパーセント)を有するポリジメチルシロキサン、をDMS-A12と、溶液重量比1:1で混合する。この混合物を、GLと、第1級アミン:ラクトン=1:1の化学量論で、メタノール中、50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーションで除去する。生成する物質は、ワックス様物質である。
【0072】
g) A12-LBL
DMS-A12 (Gelest Inc.、ペンシルベニア州モーリスビル)、20〜30 cst、アミノプロピル基でエンドブロックされたテレケリックポリジメチルシロキサン、をラクトビオノラクトン(LBL)(Sigma-Aldrich、ミズーリ州セントルイスのラクトビオン酸より調製)と、アミン:ラクトン=1:1の化学量論で、メタノール中、50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーションで除去する。生成する物質は、固体である。
【0073】
h) A21-LBL
DMS-A21 (Gelest Inc.、ペンシルベニア州モーリスビル)、100〜120 cst、アミノプロピル基でエンドブロックされたテレケリックポリジメチルシロキサン、をラクトビオノラクトン(LBL)(Sigma-Aldrich、ミズーリ州セントルイスのラクトビオン酸より調製)と、アミン:ラクトン=1:1の化学量論で、メタノール中、50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーションで除去する。生成する物質は、ワックス様である。
【0074】
i) A32-LBL
DC(登録商標) Q2-8175 Fluid (Dow Corning Corp.、ミシガン州ミッドランド)、150〜400 cst、ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(約2.3モルパーセント)を有するポリジメチルシロキサン、をラクトビオノラクトン(LBL)(Sigma-Aldrich、ミズーリ州セントルイス、のラクトビオン酸より調製)と、第1級アミン:ラクトン=1:1の化学量論で、メタノール中、50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーションで除去する。生成する物質は、ワックス様である。
【0075】
j) 8175-LBL
DC(登録商標) Q2-8175 Fluid (Dow Corning Corp.、ミシガン州ミッドランド)、150〜400 cst、ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(約2.3モルパーセント)を有するポリジメチルシロキサン、をラクトビオノラクトン(LBL)(Sigma-Aldrich、ミズーリ州セントルイス、のラクトビオン酸より調製)と、第1級アミン:ラクトン=1:1の化学量論で、メタノール中、50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーションで除去する。生成する物質は、ワックス様である。
【0076】
k) 8211-LBL
DC(登録商標) 2-8211 Polymer (Dow Corning Corp.、ミシガン州ミッドランド)、1000 cst、ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(約1.9モルパーセント)を有するポリジメチルシロキサン、をラクトビオノラクトン(LBL)(Sigma-Aldrich、ミズーリ州セントルイス、のラクトビオン酸より調製)と、第1級アミン:ラクトン=1:1の化学量論で、メタノール中、50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーションで除去する。生成する物質は、ゴムのような粉末である。
【0077】
l) 8175/A12-LBL
DC(登録商標) Q2-8175 Fluid (Dow Corning Corp.、ミシガン州ミッドランド)、150〜400 cst、ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(約2.3モルパーセント)を有するポリジメチルシロキサン、およびDMS-A12 (Gelest Inc.、ペンシルベニア州モーリスビル)、20〜30 cst、アミノプロピル基でエンドブロックされたテレケリックポリジメチルシロキサンを溶液重量比1:1で混合する。この混合物を、LBLと、第1級アミン:ラクトン=1:1の化学量論で、メタノール中、50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーションで除去する。生成する物質は、ワックス様である。
【0078】
(実施例2)
〔サッカリド-シロキサンコポリマーを配合するための分散物の調製〕
本実施例では、実施例1で調製したサッカリド-シロキサンコポリマーの、溶液およびエマルションを含む分散物を例証する。以下に開示する個々のパーソナルケア応用例に関して、最終処方への配合を容易にするために、サッカリド-シロキサンコポリマーの配合は、固体形態のコポリマーをキャリア媒体に分散することにより実施した。ここで、「サッカリド-シロキサン」という場合、この物質は、固体形態ではなくて、20重量%のサッカリド-シロキサン固体を含む溶液として配合されている。しかし1つの例外は、水性バージョンの洗い流すコンディショナーであり、その場合コポリマー成分を固体または分散物形態のいずれかで配合することが可能である。
【0079】
(i)溶液の調製
水溶液は、サッカリド-シロキサン固体および水を表3に示す重量パーセントで密閉容器に加え、次いで容器を固体が完全に溶解するまで回転させる(約2〜4時間)。非水系分散物に関しては、サッカリド-シロキサン固体をシクロペンタシロキサンとともに密閉ループ型容器に加え、恒温バスを用いて70℃に加熱する。あらゆる方法(例えば、ライトニングミキサー、デンタルミキサー、または同様の高せん断装置、回転、振とう、など)によって分散物に、周期的攪拌を加える。溶液中への完全な混合に必要な時間の長さは、特定のサッカリド-シロキサンの溶解度に応じて、2〜10時間で変化する。
【0080】
表4のデータによって例証されるように、サッカリド-シロキサン(LBLおよびGL形態のどちらも)は環状シロキサンに対して有効な増粘剤であることが判明している。表4はまた、測定が可能である場合の、増粘された環状シロキサン分散物の粘度を示す。
【0081】
サッカリド-シロキサン希釈物はまた、エマルションの形態で処方に組み込んでもよい。エマルションは、その粘度が低いことと扱いやすいことから水ベースの処方への組み込みがより容易であるため、頻繁に使用される。
【0082】
下記に記載の実施例において、サッカリド-シロキサンの配合の形態は、分散物(サッカリド-シロキサンを、初めに、溶解度に応じて水またはシクロペンタシロキサンのいずれかに分散しておく)としてか、あるいはサッカリド-シロキサンが水に分散されかつ前述のように界面活性剤で安定化されている場合はエマルションとしてということになる。分散物形態が紹介される場合、パーソナルケア処方中にシクロペンタシロキサンが見られよう。これはサッカリド-シロキサンとともに配合されるものであって、他に指定がない限り、これらの実施例の場合に関しては別途添加されるものではない。
【0083】
【表3】

【0084】
【表4】

【0085】
(ii)エマルションの調製
j. 8175-GL-GTMACカチオン性糖シロキサンエマルションw/非イオン性界面活性剤
8175-GLを2-プロパノールでコポリマー50%に希釈する。この溶液194gを、コンデンサおよび温度調節機ならびにマグネチックスターラを備えた、窒素パージを行った500mLの三口丸底フラスコに入れる。5.91gの(2,3-エポキシプロピル)-トリメチルアンモニウムクロライド(Fluka、スイス、ブッフス)を攪拌しながら加える。50℃で4時間、反応を維持する。この溶液の50gをロータリーエバポレーターに入れ、80%の固体溶液が残るまで溶媒を除去する。この溶液22g、0.9gのTergitol 15-S-3および2.6gのTergitol 15-S-40非イオン界面活性剤を使い捨てカップに入れ、遠心ミキサー(Hauschild Speedmixer、サウスカロライナ州ランドラム)で混合する。1g量の水を加えてゲルが形成されるまで混合する。4〜10g量の水を加えて混合し、得られたエマルションを希釈する。最終エマルションは24%のコポリマーを含む。粒子サイズをNicomp 370 (Particle Sizing Systems、カリフォルニア州サンタバーバラ)を用いて測定する。体積加重中位粒子サイズは、135ナノメーターである。
【0086】
k. 8175-GL-GTMACカチオン性サッカリド-シロキサンエマルションw/カチオン性界面活性剤
実施例2jにしたがって調製した溶液50gをロータリーエバポレーターに入れ、80%の固体溶液が残るまで溶媒を除去する。この溶液40g、2.5gの2-プロパノール、および11.72gのArquad 16-29カチオン界面活性剤(Akzo Nobel、オランダ、アーメルスフォールト)を使い捨てカップに入れ、遠心ミキサー(Hauschild Speedmixer、サウスカロライナ州ランドラム)で混合する。2g量の水を加えてゲルが形成されるまで混合する。4〜5g量の水を加えて混合し、得られたエマルションを希釈する。最終エマルションは40%のコポリマーを含む。粒子サイズをNicomp 370 (Particle Sizing Systems、カリフォルニア州サンタバーバラ)を用いて測定する。体積加重中位粒子サイズは、211ナノメーターである。
【0087】
l. A32-GLサッカリド-シロキサンエマルションw/カチオン性界面活性剤
30gのA32-GL糖シロキサン(先に記載)をIsopar G (ExxonMobil Chemical)と2-プロパノールの重量比90/10溶液で、75%のコポリマー濃度が得られるまで希釈する。希釈は、溶媒の逐次添加と、それに続いてのHauschild Speedmixer(商標)遠心ミキサー(Flacktek, Inc.、サウスカロライナ州ランドラム)による均一になるまでの混合により実施する。1.6gのTergitol 15-S-3(Dow Chemical Co.、ミシガン州ミッドランド)をサッカリド-シロキサン溶液に混ぜ入れる。11.1gのArquad 16-29カチオン界面活性剤(Akzo Nobel Surface Chemistry LL、イリノイ州シカゴ)を次いで加え、乳化されるまで混合する。透明ゲルを形成するまで逐次混合を行う。追加の水を加え、50%の内部相濃度が得られるまで混合する。中位体積粒子サイズは、Nicomp 370 (Particle Sizing Systems, Inc.、カリフォルニア州サンタバーバラ)を用いて測定して、277ナノメーターである。
【0088】
m. A32-GL糖シロキサンエマルションw/非イオン性界面活性剤
25gのA32-GL糖シロキサン(先に記載)をIsopar G (ExxonMobil Chemical)と2-プロパノールの重量比90/10溶液で、75%のコポリマー濃度が得られるまで希釈する。希釈は、溶媒の逐次添加と、それに続いてのHauschild Speedmixer(商標)遠心ミキサー(Flacktek, Inc.、サウスカロライナ州ランドラム)による均一になるまでの混合により実施する。1gのTergitol 15-S-3(Dow Chemical Co.、ミシガン州ミッドランド)をこのサッカリド-シロキサン溶液に混ぜ入れる。3gのTergitol 15-S-40(70%)(Dow Chemical Co.、ミシガン州ミッドランド)および3gの脱イオン水を、次いで加え、乳化されるまで混合する。透明ゲルを形成するまで逐次混合を行う。追加の水を加え、40%の内部相濃度が得られるまで混合する。中位体積粒子サイズは、Nicomp 370 (Particle Sizing Systems, Inc.、カリフォルニア州サンタバーバラ)を用いて測定して、537ナノメーターである。
【0089】
n. A32-LBL糖シロキサンエマルションw/非イオン性界面活性剤
2gのTergitol 15-S-3(Dow Chemical Co.、ミシガン州ミッドランド)を51gのA32-LBLサッカリド-シロキサン溶液(Isopar G (ExxonMobil Chemical)と2-プロパノールの重量比90/10溶液中の、44%のサッカリド-シロキサン)に混ぜ入れる。16.4gのTergitol 15-S-40(70%)(Dow Chemical Co.、ミシガン州ミッドランド)および2.1gの脱イオン水を、次いで加え、乳化されるまで混合する。透明ゲルを形成するまで逐次混合を行う。追加の水を加え、45%の内部相濃度が得られるまで混合する。中位体積粒子サイズは、Nicomp 370 (Particle Sizing Systems, Inc.、カリフォルニア州サンタバーバラ)を用いて測定して、692ナノメーターである。
【0090】
【表5】

【0091】
(実施例3)
〔パーソナルケア製品実施形態: 洗い流すコンディショナー〕
下記の実施例は、サッカリド-シロキサン分散物またはエマルションを含む、本発明の代表的な洗い流すコンディショナー組成物、およびその優れたコンディショニング特性を実証する結果を例証する。
【0092】
【表6】

【0093】
脱イオン水を混合容器に入れ、75℃に加熱する。穏やかに攪拌しながら、ヒドロキシエチルセルロースを完全に溶解するまで分散させる。加熱温度を60℃に下げ、セテアリルアルコールおよびステアリン酸PEG-100とステアリン酸グリセリルを加える。次いで加熱温度を40℃に下げ、シリコーンサッカリド-シロキサン分散物をベースとなるコンディショナーに加える。このコンディショナーを5〜10分混合し、次いでDMDMヒダントインを加える。水分損失を補い、処方物をさらに5分間混合する。コンディショナー処方物の最終pHは、約6〜7である。
【0094】
【表7】

【0095】
脱イオン水を混合容器に入れ、75℃に加熱する。試験を通じて活性シリコーンの量を一定に保つために、添加する水のレベルを使用される種々のエマルションの活性シリコーンのパーセンテージに応じて調節する必要がある。穏やかに攪拌しながら、ヒドロキシエチルセルロースを完全に溶解するまで分散させる。加熱温度を60℃に下げ、セテアリルアルコールおよびステアリン酸PEG-100とステアリン酸グリセリルを加える。次いで加熱温度を40℃に下げ、サッカリド-シロキサンエマルションをベースとなるコンディショナーに加える。コンディショナーを5〜10分混合し、次いでDMDMヒダントインを加える。水分損失を補い、処方物をさらに5分間混合する。コンディショナー処方物の最終pHは、約6〜7である。
【0096】
International Hair Importer and Products Inc.のわずかに漂白したヨーロッパ人の毛髪を、コンディショナーを試験するための櫛通り性評価プロトコルにおいて使用する。長さ約8インチの元の毛房を、さらに分割し一連の別個の毛束にする。各毛束は、約2.5gである。毛根側の末端の約1/2インチを切り整え、DUCO CEMENT(登録商標)で2インチ×2インチのプラスチックタブに貼り付ける。セメントを一晩乾かし、毛束を櫛で梳いてプラスチックタブの下端から毛髪が6インチ下に伸びるような長さに切り整える。タブの中央部、上から約1/4インチのところに穴を開ける。各毛束を40℃の水道水で15秒間洗う。ピペットを使って、1.0gの9%ラウリル硫酸ナトリウム(活性)溶液を適用し、毛束全体に30秒間泡を塗り付ける。毛束を流水で30秒間すすぐ。毛束を人差し指と中指の間に通して、余分な水を取り除く。毛束をペーパータオルで覆ったトレイの上に置き、周囲条件下で一晩乾燥させる。各毛束を、ACE(登録商標) combの狭い歯で、櫛を手に持って3回梳かし、INSTRON「WET」およびINSTRON「DRY」COMBING手順を用いて評価を行う。
【0097】
洗い流すコンディショナーに関する試験のために、毛束を40℃の水道水で30秒間洗う。試験するコンディショナーを0.8gの量で毛束に適用して、毛束を30秒間撫でる。毛束を40℃の水道水で30秒間すすぐ。毛束を人差し指と中指の間に通して、余分な水を取り除く。毛束をペーパータオルの上で別々に、周囲条件下で一晩乾燥させる。Instron試験を行う前に毛束を1回櫛でとかす。
【0098】
INSTRON COMBINGは、ウエット時の櫛通りの良さおよびドライ時の櫛通りの良さによって毛髪のコンディショニングを測定するための業界で認められた試験である。この試験では、毛髪に櫛を通すのに必要な力を測るために備えられているINSTRONストレインゲージを使用する。コンディショニング性能は、シャンプーまたはヘアコンディショナーなどの特定のヘアトリートメント処方が、毛髪をINSTRONストレインゲージで梳かすのに必要な力を低下させる能力に基づく。力は、平均櫛通し荷重(Average Combing Load)(ACL)として報告する。ACL値が低い程、試験した処方により付与されるコンディショニング効果はより優れている。典型的には、ACLのベースラインを、まず、ラウリル硫酸ナトリウム溶液で洗浄しただけの「非処理の」毛束を用いて確定する。トリートメントの効果は、処理した毛束のACLまたは下記の式:
[(非処理毛髪のACL-処理毛髪のACL)/ 非処理毛髪のACL]×100
で算出されるACLの減少率(パーセント)で表すことができる。
【0099】
INSTRON WET COMBING法に基づくと、まず毛髪を蒸留水に浸して濡らし、次いで毛束を3回櫛で梳かすことによりもつれを解く。次いで毛束を蒸留水に3回浸して再びもつれさせる。毛束を人差し指と中指の間に通して、余分な水を取り除く。次いで毛束をハンガーにかけ、INSTRONで梳かす。「再びもつれさせる」ステップおよび「Instronにより梳かす」ステップはすべてのデータ点が収集されるまで繰り返す。3つの毛束の平均櫛通し力を個々のトリートメントについて測定する。本発明のコンディショナーに対して実施したINSTRON WET COMBING試験の結果を以下の表8に示す。結果は、サッカリド-シロキサンを含むコンディショナーが、非処理毛束と比較してウエット時櫛通し力の有意な低下をもたらすことを示し、それにより毛髪のコンディショニング性の向上を実証している。
【0100】
INSTRON DRY COMBING法によれば、毛髪を3回櫛で梳かすことによりもつれを解す。次いで毛髪を時計回りに3回回転させ、かつ反時計回りに3回回転させて、再びもつれさせる。次いで毛束をハンガーにかけ、INSTRONで梳かす。「再びもつれさせる」ステップおよび「Instronにより梳かす」ステップはすべてのデータ点が収集されるまで繰り返す。3つの毛束の平均櫛通し力を個々のトリートメントについて測定する。結果は、サッカリド-シロキサンを含むコンディショナーが、非処理毛束と比較して、ドライ時櫛通し力を有意に低下させることを示しており、それにより毛髪のコンディショニング性の向上を実証している。
【0101】
【表8】

【0102】
【表9】

【0103】
(実施例4)
〔パーソナルケア製品実施形態: シャンプー〕
本実施例は、サッカリド-シロキサンコポリマーエマルションを含むコンディショニングシャンプーが、INSTRON COMBING評価法を受けたとき、コントロールのコンディショニングシャンプーと比較して優れた結果を示すことを例証する。
【0104】
【表10】

【0105】
脱イオン水を混合容器に入れる。試験を通じて活性シリコーンの量を一定に保つために、添加する水のレベルを、使用される種々のエマルションの活性シリコーンのパーセンテージに応じて調節する必要がある。穏やかに攪拌しながら、ポリクオタニウム-10を完全に溶解するまで分散させる。次いで、これを75℃に加熱し、絶え間なく攪拌しながら、テトラステアリン酸PEG-150ペンタエリスリチルを添加する。加熱温度を40℃に下げ、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、コカミドDEA、コカミドプロピルベタインをこの順序で加える。完全に配合されたら、サッカリド-シロキサンエマルションをベースとなるコンディショナーに加える。このコンディショナーを5〜10分混合し、次いでDMDMヒダントインを加える。水分損失を補い、処方をさらに5分間混合する。コンディショナー処方の最終pHは、約6〜7である。
洗い流すコンディショナーの実施例において上で詳述したINSTRON Combing評価法を用いて、コンディショニングシャンプーのウエット時およびドライ時の櫛通り性能を評価する。3つの毛束の平均櫛通し力を個々のトリートメントについて測定する。結果は、サッカリド-シロキサンを含むシャンプーが、コントロールのコンディショニングシャンプーと比較してドライ時およびウエット時櫛通し力の有意な低下を与えること、それにより毛髪のドライ時およびウエット時コンディショニング性が向上することを示している。
【0106】
【表11】

【0107】
(実施例5)
〔パーソナルケア製品実施形態: クリアヘアセラム〕
本実施例は、サッカリド-シロキサン溶液を含むクリアへアセラムが、サッカリド-シロキサン成分を含まないクリアへアセラムと比較したとき、優れた光沢およびより高い粘度を示すことを例証する。
【0108】
【表12】

【0109】
【表13】

【0110】
サッカリド-シロキサン固体をシクロペンタシロキサンに、混合物を70℃に加熱することによって溶解し、完全に分散するまで周期的に混合する。次いで分散物を50℃に冷却し、シクロペンタシロキサンとジメチコンおよび/またはアモジメチコン液を加え、セラムが室温に至るまで混合する。
ASTM標準E1958-98(Standard Guide for Sensory Claim Substantiation感覚的主張実証のための標準ガイド)およびE 253(Terminology Relating to Sensory Evaluation of Materials and Products材料および製品の官能評価に関する用語)ならびにISO標準6658(Sensory Analysis- Methodology-General Guidance官能試験-方法論-一般指針)に基づき、A対B、A対C、およびB対Cとして対にした処方に対して光沢特性の官能試験を実施する。結果を表13に報告する。数字の次にアスタリスクを記した製品は、95%信頼水準において統計的な差があることを意味する。数字の次にダブルアスタリスクを記した製品は、99%信頼水準において統計的な差があることを意味する。
【0111】
(実施例6)
〔パーソナルケア製品実施形態: ソフトソリッド制汗剤〕
本実施例は、サッカリド-シロキサンコポリマー成分を含むソフトソリッド制汗剤を例証する。サッカリド-シロキサン溶液は追加の増粘剤を使用することなく、制汗性塩のサスペンジョンを維持するのに十分な増粘効果をもたらす。
【0112】
【表14】

【0113】
ジメチコンを50℃に加熱する。水添ヒマシ油およびステアリルジメチコンを添加し、融解して均一になるまで混合する。この混合物を40℃以下に冷却し、混合を続けながらシクロペンタシロキサンおよびサッカリド-シロキサンを加える。アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドロレックスグリシンをゆっくりと加え、粉末が完全に分散するまで混合を続ける。
追加の増粘剤(例えば、この例では水添ヒマシ油)を減量して、または全く使わずに、処方できるという効果は、サッカリド-シロキサン分散物が制汗性塩のサスペンジョンを維持するのに十分な増粘効果をもたらしていることとして認識される。本実施例では、制汗性塩活性成分に応じた典型的レベルが2〜6%であるのに対して、1%の水添ヒマシ油増粘剤を使用している。
【0114】
(実施例7)
〔パーソナルケア製品実施形態: 制汗ジェル〕
本実施例は、ジェル状制汗剤の調製を例証する。A21-GLまたはA32-GL溶液のいずれかの配合により、増粘効果を示す特に安定な制汗ジェル処方が得られる。A32-GLを含ませることにより、シクロペンタシロキサンとPEG/PPG-18/18ジメチコンの量が、標準的処方中で必要とされる量よりも低減し、その一方で制汗ジェルは、滑り性の低減および粘性の増大などの特性を保持する。A32-GLはまた、コントロール群の処方に比べ白色化もまた低減させる。
【0115】
【表15】

【0116】
プロピレングリコール、シクロペンタシロキサン、糖シリコーン、ならびにシクロペンタシロキサンおよびPEG/PPG-18/18ジメチコン(A相)成分を、ビーカーで均一になるまで混合する。アルミニウムセスキクロロハイドレートおよび水(B相)を予め別に混合しておく。高速攪拌をしながら、B相をゆっくりとA相に添加する。
A21およびA32サッカリド-シロキサンは、増粘効果の向上した、安定な制汗ジェル処方を形成することができた。処方補助剤であるシクロペンタシロキサンおよびPEG/PPG-18/18ジメチコンを、標準的な制汗剤処方において必要とされるよりも少量しか必要としなかったことから、A32サッカリド-シロキサンは乳化特性をも実証している。A32サッカリド-シロキサンを用いた制汗剤処方は、増粘効果が高いことに加え、良好な皮膚触感を示した。さらに、適用後にA32サッカリド-シロキサンを含む処方が乾燥した後で、皮膚に残る白色残渣は、サッカリド-シロキサンを含まないコントロール処方と比較して少ない。
【0117】
(実施例8)
〔パーソナルケア製品実施形態: フェイシャルローション〕
本実施例は、サッカリド-シロキサンコポリマー成分を含むフェイシャルローション組成物の有益な特性プロフィールを例証する。
【0118】
【表16】

【0119】
水、グリセリン、シクロペンタシロキサン、サッカリド-シロキサンおよびDMDMヒダントインを5〜10分間、または混合物が均一になるまで混合する。ポリアクリルアミド、C13〜14イソパラフィン、およびラウレス-7を混合物に加える。物質が増粘したら、ミキシングスピードを上げる。ミキシングを高速でさらに5〜10分間か又は物質が滑らかなコンシステンシーをもつまで続ける。
ASTM標準E1958-98(Standard Guide for Sensory Claim Substantiation感覚的主張実証のための標準ガイド)およびE 253(Terminology Relating to Sensory Evaluation of Materials and Products材料および製品の官能評価に関する用語)ならびにISO標準6658(Sensory Analysis- Methodology-General Guidance官能試験-方法論-一般指針)に基づき、処方AおよびBについて皮膚触感特性の官能試験を実施する。結果の比較を表17に示す。
吸収、粘着性、滑らかさおよび光沢特性に関して、サッカリド-シロキサンを含む処方についての結果は、シリコーンエラストマーを含む処方についての結果と統計的に同等である。しかし、サッカリド-シロキサン処方の方が、統計的に有意な程度に、より粘性がある。
【0120】
【表17】

【0121】
(実施例9)
〔パーソナルケア製品実施形態: 化粧用リキッドファンデーション〕
本実施例は、サッカリド-シロキサンコポリマー成分を含むリキッドファンデーション組成物を例証する。この処方は、独特なコンシステンシーを示す。粘度は非常に高く(ほとんど固体)、しかし擦ると「溶ける」ように感じられ、したがって皮膚に適用しやすくなる。
【0122】
【表18】

【0123】
A32-LBLを、シクロペンタシロキサンに、混合物を70℃に加熱して溶解し、周期的に混合する。加熱を続けながら、シクロペンタシロキサンとPEG/PPG-18/18ジメチコン、ジメチコン、シクロペンタシロキサンとジメチコン、二酸化チタン、および酸化鉄を順次前記分散物に添加する。この混合物を70℃に保ち、すべての顔料が分散し、かつ材料が滑らかなコンシステンシーを得るまで中程度のスピードで混合する(10〜20分間)。水、ジアゾリニル尿素とヨードプロピニルブチルカルバメート、プロピレングリコール、塩化ナトリウム、およびラウレス-7を、別のビーカーで混ぜ合わせる。高せん断(1300〜1400rpm)技術を用いて完全に配合されるまで、この混合物をゆっくりと最初の相に加える。糖シロキサンを含まないコントロールファンデーションの粘度2,700cPに対して、サッカリド-シロキサン物質を含むファンデーションの粘度は、19,800cPである。
【0124】
(実施例10)
〔パーソナルケア製品実施形態: 架橋サッカリド-シロキサンを用いた化粧用リキッドファンデーション〕
本実施例は、架橋サッカリド-シロキサンコポリマーを含む化粧用処方を例証する。化粧用処方における架橋サッカリド-シロキサンの利点は、望ましい官能特性および増粘を含む。他の利点の可能性には、皮膜形成、実質感、耐久性、および水に対する流れにくさがある。
【0125】
【表19】

【0126】
A32-LBLサッカリド-シロキサン分散物を、シクロペンタシロキサンに、混合物を70℃に加熱して分散し、周期的に混合する。二酸化チタンおよび酸化鉄を別々に高せん断をかけてシクロペンタシロキサンの一部に加え、粉体をマスターバッチに分散する。加熱を続けながら、シクロペンタシロキサン/顔料分散物およびPEG/PPG-18/18ジメチコンおよびジメチコンを、順次サッカリド-シロキサン分散物に添加する。この混合物を70℃に保ち、すべての顔料が分散し、かつ材料が滑らかなコンシステンシーを得るまで中程度のスピードで混合する(10〜20分間)。水、ジアゾリニル尿素とヨードプロピニルブチルカルバメート、プロピレングリコール、塩化ナトリウム、ラウレス-7、およびホウ酸トリイソプロパノールアミンを別のビーカーで混ぜ合わせる。完全に配合されるまで、高せん断(1300〜1400rpm)を用いてこの混合物をゆっくりと最初の相に加える。最終ファンデーションは、実施例9の非架橋処方と同様のせん断増粘挙動を示した。
【0127】
(実施例11)
〔パーソナルケア製品実施形態: リキッドヘアジェル〕
本実施例は、サッカリド-シロキサンコポリマーを含むリキッドヘアジェルをいくつか例証する。
【0128】
【表20】

【0129】
脱イオン水を混合容器に入れる。混合しながら、アクリレート/アクリル酸アルキル(C10〜C30)クロスポリマーおよびPVP/VAコポリマーを加え、完全に分散するまで混合を続ける。このゲル溶液をトリエタノールアミンで中和する。サッカリド-シロキサンコポリマー分散物を加え、均一になるまで混合を続ける。DMDMヒダントインを加えてさらに10分間混合を続ける。この髪固定処方物の最終pHを、約6〜7に調節する。
【0130】
(実施例12)
〔パーソナルケア製品実施形態: 架橋したサッカリド-シロキサンを用いたリキッドヘアジェル〕
【0131】
【表21】

【0132】
脱イオン水およびホウ酸トリイソプロパノールアミンを混合容器に入れる。混合しながら、アクリレート/アクリル酸アルキル(C10〜30)クロスポリマーを加え、完全に分散するまで混合を続ける。PEG-60水添加ヒマシ油およびサッカリド-シロキサンコポリマー分散物を加え、均一になるまで混合する。DMDMヒダントインを加えてさらに10分間混合を続ける。この髪固定処方の最終pHを、約6〜7に調節する。
ヘアケア処方における本架橋サッカリド-シロキサンの利点は、コンディショニング、カール保持、およびスタイリング効果である。他の利点には、増粘、皮膜形成、実質感、および耐久性が含まれてよい。
【0133】
(実施例13)
〔パーソナルケア製品実施形態: カール保持効果〕
本実施例は、サッカリド-シロキサンコポリマーを含むパーソナルケア組成物から処方される、毛髪を対象とするパーソナルケア製品が、カール保持性により測定して、高い毛髪スタイリング効果を示すことを例証する。「カール保持性」は、毛髪のスタイリングおよび保持特性を測定するための業界で認められた試験である。この試験には、カールした毛束に一定の温度および湿度条件を特定の期間与えるステップが含まれる。次いで、カールした毛束を高湿度かつ一定温度条件下におく前と、おいている間での、毛束の長さの差を記録することにより、カール保持性を測定する。
【0134】
予め用意した天然の茶色のバージンヘアの円形の毛束が重さ2gで25cmの長さであることを確認する。この毛束に9%のラウリル硫酸ナトリウムを含む1.0gの溶液を適用して泡立て、各毛束の全体を30秒間処理する。次いで各毛束を流水で30秒間すすぐ。毛束を人差し指と中指の間に通して、余分な水を取り除く。毛束をペーパータオルで覆ったトレイの上に置き、一晩乾燥させる。各毛束を、櫛の狭い歯で、櫛を手に持って3回梳かす。次いで、各毛束を37℃の水道水で15秒間濡らし、余分な水は、毛束を人差し指と中指の間に通して、取り除く。次いで、各毛束を500マイクロリットルの6%活性成分のサッカリド-シロキサンエマルション、シクロペンタシロキサンで希釈した6%分散物、2%活性成分のシリコーンヘアジェル処方(組成は実施例10を参照のこと)、または洗い流すコンディショナー処方(組成は実施例3を参照のこと)で処理する。各毛束を1/4インチスパイラルパーマロッドに巻き付け40℃のオーブンで一晩乾燥させる。カールの完全性を維持したままで毛束をロッドから外し、湿度室の中に吊るす。湿度室の条件は、25℃、相対湿度70%である。次いで毛束の長さを5時間にわたり、定期的に測定する。試験に続き、毛束を完全に伸ばして毛束の最大長さを測定する。カール保持率(%)を下記の関係式を用いて算出する:
(毛束の最大長さ − 特定時間での毛束の長さ)/(毛束の最大長さ − 時間=0での毛束の長さ)×100
各処理に対して2つの毛束の平均を測定する。パーセントで表したカール保持性は、5時間後に記録し、結果は、希釈したサッカリド-シロキサンと脱イオン水およびシクロペンタシロキサン標準物の2つとの間で統計的な差を実証した。カール保持性試験完了後の感覚的な触感および目視観察でもまた、差が認められた。
【0135】
【表22】

【0136】
【表23】

【0137】
【表24】

【0138】
【表25】

【0139】
【表26】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下(i)〜(iii)を含むパーソナルケア組成物であって、パーソナルケア組成物が、それが適用される身体の少なくとも1つの部分に少なくとも1つの利点をもたらすように適合されているパーソナルケア組成物:
(i)サッカリド成分およびオルガノシロキサン成分を有しかつ連結基によりこれらが結合された少なくとも1つのサッカリド-シロキサンコポリマーであって、前記サッカリド-シロキサンコポリマーが下記の式:
R2aR1(3-a)SiO-[(SiR2R1O)m-(SiR12O)n]y-SiR1 (3-a)R2a
[前記式中、
R1はそれぞれ、同一であっても異なっていてもよく、水素、C1〜C12アルキル、有機基、またはR3-Qを含み、
Qは、エポキシ、シクロエポキシ、第1級または第2級アミノ、エチレンジアミン、カルボキシ、ハロゲン、ビニル、アリル、無水物、またはメルカプト官能基を含み、
mおよびnは、0から10,000の整数であって、同一でも異なっていてもよく、aはそれぞれ独立して、0、1、2、または3であり、
yは、前記コポリマーが100万未満の分子量を有するようになる整数であり、
R2は、式Z-(G1)b-(G2)cを有し、かつコポリマー1つあたり少なくとも1つのR2が存在し、式中G1は5から12個の炭素を含むサッカリド成分であり、b+cは1から10であり、bまたはcは0であってよく、
G2は、有機または有機ケイ素基で追加的に置換された、5から12個の炭素を含むサッカリド成分であり、
Zは、連結基であって、以下の:
-R3-NHC(O)-R4-;
-R3-NHC(O)O-R4-;
-R3-NH-C(O)-NH-R4-;
-R3-C(O)-O-R4-;
-R3-O-R4-;
-R3-CH(OH)-CH2-O-R4-;
-R3-S-R4
-R3-CH(OH)-CH2-NH-R4-;および
-R3-N(R1)-R4
からなる群から独立して選択され、かつ
R3およびR4は、(R5)r(R6)s(R7)tを含む2価のスペーサー基であって、式中r、s、およびtの少なくとも1つが1でなければならず、かつ
R5およびR7は、C1〜C12アルキルまたは((C1〜C12)O)pのいずれかであって、式中pは、1から50のいずれかの整数であり、(C1〜C12)Oはそれぞれ、同一でも異なっていてもよく、
R6は、-N(R8)-であって、式中R8は、HまたはC1〜C12アルキルであるか、Z-X(式中Zが前記に定義の通りかR3である)であり、
Xは、カルボン酸、ホスフェート、サルフェート、スルホネート、または第4級アンモニウム基であって、R3およびR4の少なくとも1つは、前記連結基中に存在しなければならず、かつ同一でも異なっていてもよい。]
を有し、かつ、
前記サッカリド-シロキサンコポリマーは、官能基化されたオルガノシロキサンポリマーと少なくとも1つのヒドロキシ官能性サッカリドとの反応生成物であって、前記オルガノシロキサン成分が前記連結基Zを介して前記サッカリド成分と共有結合されている、
サッカリド-シロキサンコポリマー;および
(ii)任意選択により、身体の少なくとも1つの部分への、パーソナルケア組成物の局所適用を可能にするのに適したキャリア媒体;および
(iii)任意選択により、架橋剤。
【請求項2】
前記の少なくとも1つのヒドロキシ官能性サッカリドがアルドン酸またはオリゴアルドン酸を含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記アルドン酸またはオリゴアルドン酸がラクトンを含む、請求項2に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記ラクトンがグルコノラクトンまたはラクトビオノラクトンを含む、請求項3に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記の官能基化されたオルガノシロキサンポリマーがポリジメチルシロキサンを含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
前記連結基が、アミド、アミノ、ウレタン、尿素、エステル、エーテル、チオエーテル、またはアセチル官能性連結基を含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
前記連結基がアミノ官能性連結基を含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
前記アミノ官能性連結基がアミノプロピルまたはアミノエチルアミノイソブチル官能性基を含む、請求項7に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
前記サッカリド-シロキサンコポリマーが分散物として前記パーソナルケア組成物に添加される、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項10】
前記分散物が実質上水性の溶媒または実質上非水性の溶媒のいずれかをさらに含む溶液の形態である、請求項9に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項11】
前記溶液が実質的に非水性の溶媒を含む、請求項10に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項12】
前記の実質的に非水性の溶媒が揮発性または不揮発性シリコーンを含む、請求項11に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項13】
前記の実質的に非水性の溶媒が揮発性シリコーンを含む、請求項12に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項14】
前記揮発性シリコーンが環状シロキサンを含む、請求項13に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項15】
前記分散物が、分散物の約0.1から約50重量%のサッカリド-シロキサン、および組成物の約0.01から約25重量%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項10に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項16】
前記分散物が、分散物の約2から約40重量%のサッカリド-シロキサン、および組成物の約0.2から約10重量%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項9に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項17】
前記分散物が、分散物の約20重量%のサッカリド-シロキサン、および組成物の約0.5から約2重量%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項9に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項18】
前記分散物が、少なくとも1つの界面活性剤および水をさらに含むエマルションの形態であって、前記界面活性剤が非イオン性、両性、アニオン性、またはカチオン性の界面活性剤であってよい、請求項9に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項19】
前記少なくとも1つの界面活性剤が非イオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤を含む、請求項18に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項20】
前記エマルションがカチオン性界面活性剤を含む、請求項18に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項21】
前記エマルションが、エマルションの約5から約95重量%のサッカリド-シロキサン、および組成物の約0.01から約25重量%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項18に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項22】
前記エマルションが、エマルションの約10から約60重量%のサッカリド-シロキサン、および組成物の約0.2から約10重量%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項18に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項23】
前記エマルションが、エマルションの約20から約40重量%のサッカリド-シロキサン、および組成物の約0.5から約2重量%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項18に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項24】
内部相;少なくとも1つの界面活性剤;および水を含むエマルションであって、
前記内部相が、サッカリド成分およびオルガノシロキサン成分を有しかつ連結基により結合された、実質的に純粋なまたは可溶化されたサッカリド-シロキサンコポリマーを含み、前記サッカリド-シロキサンコポリマーが下記の式:
R2aR1(3-a)SiO-[(SiR2R1O)m-(SiR12O)n]y-SiR1)(3-a)R2a
[前記式中、R1はそれぞれ、同一であっても異なっていてもよく、水素、C1〜C12アルキル、有機基、またはR3-Qを含み、
Qは、エポキシ、シクロエポキシ、第1級または第2級アミノ、エチレンジアミン、カルボキシ、ハロゲン、ビニル、アリル、無水物、またはメルカプト官能基を含み、
mおよびnは、0から10,000の整数であって、同一でも異なっていてもよく、aはそれぞれ独立して、0、1、2、または3であり、
yは、コポリマーが100万未満の分子量を有するような整数であり、
R2は、式Z-(G1)b-(G2)cを有し、かつコポリマー1つあたり少なくとも1つのR2が存在し、式中G1は5から12個の炭素を含むサッカリド成分であり、b+cは1から10であり、bまたはcは0であってよく、
G2は、有機または有機ケイ素基で追加的に置換された、5から12個の炭素を含むサッカリド成分であり、
Zは、連結基であって、
-R3-NHC(O)-R4-;
-R3-NHC(O)O-R4-;
-R3-NH-C(O)-NH-R4-;
-R3-C(O)-O-R4-;
-R3-O-R4-;
-R3-CH(OH)-CH2-O-R4-;
-R3-S-R4
-R3-CH(OH)-CH2-NH-R4-;および
-R3-N(R1)-R4
からなる群から独立して選択され、かつ
R3およびR4は、(R5)r(R6)s(R7)tを含む2価のスペーサー基であって、式中r、s、およびtの少なくとも1つが1でなければならず、かつ
R5およびR7は、C1〜C12アルキルまたは((C1〜C12)O)pのいずれかであって、式中pは、1から50のいずれかの整数であり、(C1〜C12)Oはそれぞれ、同一でも異なっていてもよく、
R6は、-N(R8)-であって、式中R8は、HまたはC1〜C12アルキルであるか、Z-X(式中Zが前記に定義の通りかR3である)であり、
Xは、カルボン酸または第4級アンモニウム基である。]
を有し、かつ、
前記サッカリド-シロキサンコポリマーは、官能基化されたオルガノシロキサンポリマーと少なくとも1つのヒドロキシ官能性サッカリドとの反応生成物であって、前記オルガノシロキサン成分が前記連結基Zを介して前記サッカリド成分と共有結合されている、
サッカリド-シロキサンコポリマーである、エマルション。
【請求項25】
前記連結基が、アミノ官能性連結基を含み、かつ前記アミノ官能性連結基がアミノプロピルまたはアミノエチルアミノイソブチル官能基を含み、かつ前記の少なくとも1つのヒドロキシ官能性サッカリドがグルコノラクトンまたはラクトビオノラクトンを含む、請求項24に記載のエマルション。
【請求項26】
前記内部相が、可溶化されたサッカリド-シロキサンコポリマーを含み、かつさらに前記可溶化されたサッカリド-シロキサンコポリマーが、サッカリド-シロキサンコポリマーを溶媒または溶媒混合物に溶解することにより形成される、請求項24に記載のエマルション。
【請求項27】
前記溶媒または溶媒混合物が、パラフィンまたはアルコール、またはこれらの組合せを含む、請求項24に記載のエマルション。
【請求項28】
前記の少なくとも1つの界面活性剤が、非イオン性界面活性剤およびカチオン性またはアニオン性界面活性剤のうちの1つを含有する界面活性剤混合物を含む、請求項24に記載のエマルション。
【請求項29】
前記の少なくとも1つの界面活性剤が、カチオン性界面活性剤を含む、請求項24に記載のエマルション。
【請求項30】
エマルションの約5から約95重量%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項24に記載のエマルション。
【請求項31】
エマルションの約10から約60重量%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項24に記載のエマルション。
【請求項32】
エマルションの約20から約40重量%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項24に記載のエマルション。
【請求項33】
a. 分散可能なサッカリド-シロキサンコポリマーを形成するステップと;
b. (a)からの分散可能なサッカリド-シロキサンコポリマーと、水で任意選択で希釈されてもよい少なくとも1つの界面活性剤とを混合するステップと;
c. (b)に水を加え、それに続いて混合物に適切なせん断を加えるステップと;
d. 任意選択により、エマルションが所望のサッカリド-シロキサン濃度を達成するまでステップ(c)を繰り返すステップとを含み、かつ
前記分散可能なサッカリド-シロキサンコポリマーが、実質的に純粋な形態で分散可能なサッカリド-シロキサンコポリマーか、溶媒または溶媒混合物中に可溶化されたサッカリド-シロキサンコポリマーを含む、請求項24に記載のエマルションを調製する方法。
【請求項34】
a. 少なくとも1つの界面活性剤、および水を組み合わせて容器に入れるステップと;
b. サッカリド-シロキサンモノマーおよび開始剤を容器に加えるステップと;
c. 容器の内容物に適切なせん断を加えるステップと;
d. 任意選択で、重合停止剤を任意のステップにおいて加えるステップと、
e. 任意選択で、小分けにした水を加えてエマルションを希釈し、それに続いてエマルションに適切なせん断を加えるステップと
を含むエマルション重合を含めた、請求項24に記載のエマルションを調製する方法。
【請求項35】
請求項1に記載のパーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品。
【請求項36】
以下の形態:制汗剤;デオドラント;スキンクリーム;スキンケアローション;モイスチュアライザー;しわ抑制または軽減トリートメントなどのフェイシャルトリートメント;角質剥離剤;ボディおよびフェイシャルクレンザー;バスオイル;パフューム;コロン;サシェ;サンスクリーン;プレシェーブおよびアフターシェ-ブローション;シェービングソープ;シェービングフォーム;ヘアシャンプー;ヘアコンディショナー;毛髪着色剤;ヘアリラクサント;ヘアスプレー;ムース;ジェル;パーマネント;脱毛剤およびキューティクルコート;メークアップ;カラーコスメ;ファンデーション;コンシーラー;頬紅;リップスティック;アイライナー;マスカラ;オイルリムーバー;カラーコスメリムーバーおよびパウダー;ならびに抗アクネ、口腔衛生、抗菌、治癒促進、栄養薬剤などを含み、かつ予防用および/または治療用薬剤であってよい薬用のクリーム、ペーストまたはスプレー、
のうちの1つで提供される、請求項35に記載のパーソナルケア製品。
【請求項37】
請求項1に記載のパーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品であって、サッカリド-シロキサンコポリマーの含有により他の増粘剤の必要性が低減されるパーソナルケア製品。
【請求項38】
請求項18に記載のパーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品であって、エマルションが油中水型エマルションであり、かつサッカリド-シロキサンコポリマーの含有により他の油中水型エマルションの必要性が低減されるパーソナルケア製品。
【請求項39】
油がシリコーンを含む、請求項38に記載のパーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品。
【請求項40】
前記身体の部分が毛髪を含み、かつ、少なくとも1つの利点が、強化されたコンディショニング効果を含むことである、請求項1に記載のパーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品。
【請求項41】
前記の強化されたコンディショニング効果が、静電気防止、縮れ防止、潤滑、光沢、補強、粘着、触感向上、ウエット時櫛通り性、ドライ時櫛通り性、着色保持、熱防御、スタイリング、またはカール保持効果のうちの1つまたは複数を含む、請求項40に記載のパーソナルケア製品。
【請求項42】
コンディショニングシャンプー、液状ヘアジェル、またはコンディショナーであり、かつ前記コンディショナーが洗い流すコンディショナーであっても洗い流さないコンディショナーであってもよい、請求項40に記載のパーソナルケア製品。
【請求項43】
身体の部分が毛髪を含み、かつ、少なくとも1つの利点がカール保持効果を含み、かつオルガノシロキサンがアミノプロピル官能基を含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品。
【請求項44】
安全かつ効果的な量の請求項43に記載のパーソナルケア製品を適用することを含む、毛髪をスタイリングまたは保持する方法。
【請求項45】
請求項1に記載のパーソナルケア組成物;少なくとも1つの制汗性塩;ある量の増粘剤を含む制汗製品であって、請求項1に記載の組成物を実質的に含まない制汗製品と比較して増粘剤の量が低減されている場合に、前記少なくとも1つの利点が、制汗性塩のサスペンジョンを維持するのに十分な増粘効果を含む制汗製品。
【請求項46】
ソフトソリッドまたはジェルの形態で提供される、請求項45に記載の制汗製品。
【請求項47】
身体の部分が皮膚を含み、かつ、少なくとも1つの利点が、強化されたコンディショニング効果を含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品。
【請求項48】
化粧品を含む、請求項35に記載のパーソナルケア製品。
【請求項49】
(1)安全かつ有効量の請求項1に記載のパーソナルケア組成物を、トリートメントを必要とする毛髪に適用するステップと、(2)前記パーソナルケア組成物を、トリートメントを必要とする毛髪全体に分配させるステップとを含む、毛髪の処理方法。
【請求項50】
(1)安全かつ有効量の請求項1に記載のパーソナルケア組成物を適用するステップと、(2)前記パーソナルケア組成物を皮膚に擦り込むステップとを含む、皮膚の処理方法。

【公表番号】特表2008−542284(P2008−542284A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513699(P2008−513699)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/020210
【国際公開番号】WO2006/127883
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【出願人】(503358709)ジェネンコー インターナショナル インコーポレーテッド (9)
【Fターム(参考)】