サーバ装置及びコンテンツ配信プログラム
【課題】 コンテンツに関する権利に関連する種々の煩わしい処理なしに、コンテンツを自由に公開したり閲覧したりできるようにする。
【解決手段】 権利者情報を参照して、新たにコンテンツを作成した第1のユーザ端末の利用者又は新たに作成したコンテンツの作成元としたオリジナルコンテンツの権利者をコンテンツ使用料の支払い先として決定する。オリジナルコンテンツに関する権利者を指定する権利者情報に基づき、従来のように単に新たにコンテンツを作成したユーザを権利者として指定することができるだけでなく、前記ユーザ以外を権利者として指定することもできる。したがって、ユーザはユーザ独自に作成したコンテンツの他に、他のユーザが著作権などを有するオリジナルコンテンツを作成元として作成したコンテンツをアップロードして公開することが煩わしい手続きをふむことなしに簡単にできるようになる。
【解決手段】 権利者情報を参照して、新たにコンテンツを作成した第1のユーザ端末の利用者又は新たに作成したコンテンツの作成元としたオリジナルコンテンツの権利者をコンテンツ使用料の支払い先として決定する。オリジナルコンテンツに関する権利者を指定する権利者情報に基づき、従来のように単に新たにコンテンツを作成したユーザを権利者として指定することができるだけでなく、前記ユーザ以外を権利者として指定することもできる。したがって、ユーザはユーザ独自に作成したコンテンツの他に、他のユーザが著作権などを有するオリジナルコンテンツを作成元として作成したコンテンツをアップロードして公開することが煩わしい手続きをふむことなしに簡単にできるようになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信ネットワークを介して配信されるコンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者が有する権利を不正に害することなく、ユーザに対しては無償でオリジナルコンテンツを元に作成されたコンテンツのアップロードならびにダウンロードを可能としたサーバ装置及びコンテンツ配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置を用いたインターネットの利用が一般化しつつあり、HTML(HyperText Markup Language)で記述されたファイルをHTTP(HyperText Transfer Protocol)をサポートするサーバを介してユーザ端末上の閲覧ソフト等で閲覧する(いわゆる「ホームページを開く」)ことにより、種々の情報の発信や各種データの配信などが行なわれている。例えば、個人レベルでの情報発信、ネットワークを通じたデータのダウンロード、情報の検索などが既存のサービスとして提供されており、コンテンツのダウンロードを代金と引き換えに可能化することでビジネスを成立させている例もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
インターネット利用の一般化により、ホームページに掲載された情報を閲覧したりデータ等のダウンロードを行なうといった略一方通行のサービスだけでなく、一般のユーザが自ら作成したコンテンツを複数のユーザ間で自由に閲覧し、コンテンツに対する意見交換を行なうような通信ネットワーク上におけるコミュニティスペース的な場所(サイト)が求められつつある。こういったサイトを運用する場合、例えば、コンテンツとして音楽あるいは楽曲などの演奏データをユーザ間で閲覧や授受等を行なうようなサイトを運用する場合、ユーザ自らが創作した楽曲ばかりでなく、既存の楽曲(オリジナルコンテンツ)をユーザ自身が演奏したものをコンテンツとしてサイト上に提供(アップロード)されることが予想される。
【0004】
ここで、インターネットを介してコンテンツの閲覧や配信(ダウンロード)を行なうことは、著作物であるコンテンツの送信や複製や譲渡に相当する行為となる。サイトはコンテンツを他のユーザに配信するという行為を行うため、当該コンテンツを提供したユーザは、単純にコンテンツを公開するだけではなく、コンテンツがダウンロードされたことによってサイトから何らかの見返りを得ようとするユーザも存在する。さらに、上記例の如く、コンテンツがユーザ自らが創作したものでなく既存の楽曲(オリジナルコンテンツ)を演奏したものであるような場合は、当該既存楽曲の原著作者あるいは著作権者あるいは著作隣接権者等のサイトに提供されたコンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する他の権利者に対して、それぞれのユーザが個別に相応の対価を支払うこと等の対処が必要となるが、個々のユーザがそれぞれオリジナルコンテンツに関する他の権利者に対応するのではユーザの負担が著しく大きくなるばかりか関連する処理が煩雑なものとなる。
【0005】
これらの問題点を解消するために、従来の配信システムのようにコンテンツのダウンロードが要求される度に当該要求を行なったユーザに対してコンテンツの使用料等を請求し、個々のコンテンツ単位で著作権者など(つまり、オリジナルコンテンツに関する他の権利者)にこの使用料を分配することも考えられる。しかし、これではコンテンツのダウンロードを行なう一般ユーザに対する負担が大きく、上記コミュニティスペース的なサイトの運用形態としては望ましいものではなかった。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、通信ネットワークを介して配信されるコンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者が有する権利を不正に害することなく、通信ネットワーク上におけるコミュニティスペースを提供可能とするコンテンツを配信するサーバ装置及びコンテンツ配信プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係るサーバ装置は、通信ネットワークを介して相互に各種情報の授受が可能なサーバ装置と複数のユーザ端末とにより構成されたコンテンツ配信システムにおける前記サーバ装置であって、第1のユーザ端末から、コンテンツと、当該コンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者を指定する権利者情報であって当該権利者が前記第1のユーザ端末の利用者であるか他の権利者であるかを指示する情報とを受け付ける手段と、第2のユーザ端末からコンテンツの配信要求を受け付ける手段と、前記受け付けたコンテンツを同時に受け付けた前記権利者情報に対応付けて記憶する手段と、前記受け付けたコンテンツの配信要求に応じて、前記記憶されたコンテンツのうち要求されたコンテンツを読み出して、該要求を行った第2のユーザ端末に対して配信する手段と、当該サーバ装置を運用する事業者が支払う前記配信されたコンテンツの使用料の支払い先を決定する手段であって、当該配信されたコンテンツに対応する権利者情報を参照して、該権利者情報が前記第1のユーザ端末の利用者を指示するものであった場合は、前記第1のユーザ端末の利用者をコンテンツ使用料の支払い先として決定し、他の場合は権利者情報が指示する権利者をコンテンツ使用料の支払い先として決定する手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
具体的には、通信ネットワークを介して相互に各種情報の授受が可能なサーバ装置と複数のユーザ端末とによりコンテンツ配信システムを構成し、サーバ装置において、第1のユーザ端末から、コンテンツと、当該コンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者を指定する権利者情報であって当該権利者が前記第1のユーザ端末の利用者であるか他の権利者であるかを指示する情報を受け付けた場合には、前記受け付けたコンテンツを同時に受け付けた前記権利者情報に対応付けて記憶し、第2のユーザ端末からコンテンツの配信要求を受け付けた場合には、前記受け付けたコンテンツの配信要求に応じて、前記記憶されたコンテンツのうち要求されたコンテンツを読み出して、該要求を行った第2のユーザ端末に対して配信する。この際に、当該配信されたコンテンツに対応する権利者情報を参照して、該権利者情報が前記第1のユーザ端末の利用者を指示するものであった場合は前記第1のユーザ端末の利用者をコンテンツ使用料の支払い先として決定し、他の場合は権利者情報が指示する権利者をコンテンツ使用料の支払い先として決定することを特徴とする。すなわち、オリジナルコンテンツを元に作成したコンテンツを公開する場合には、本来ならばコンテンツを登録して公開しようとする各コンテンツ登録者が作成元のオリジナルコンテンツの権利を有する1乃至複数のコンテンツ権利者から使用許諾等をとり、公開したコンテンツのダウンロード数などに応じて相当の使用料を各コンテンツ権利者に対して支払う必要があるが、上記のように、本発明においてはオリジナルコンテンツに関する権利者(コンテンツ権利者)を指定する権利者情報に基づき、従来のように単にコンテンツを作成し登録したコンテンツ登録者(第1のユーザ端末の利用者)を権利者として指定することができるだけでなく、前記コンテンツ登録者以外のコンテンツ権利者を権利者として指定することもできる。そして、該権利者情報に従いコンテンツ使用料の支払い先を決定することによって、独自にコンテンツを作成したユーザに対してコンテンツ使用料を支払うだけでなく、コンテンツ権利者に対してもコンテンツ使用料を支払うことができる。したがって、ユーザはユーザ独自に作成したコンテンツの他に、他のユーザが著作権などを有するオリジナルコンテンツを作成元として作成したコンテンツをアップロードして公開することが煩わしい手続きをふむことなしに簡単にできるようになる。
【0009】
本発明の請求項4に係るサーバ装置は、通信ネットワークを介して相互に各種情報の授受が可能なサーバ装置と複数のユーザ端末とにより構成されたコンテンツ配信システムにおける前記サーバ装置であって、第1のユーザ端末から、コンテンツと、当該コンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者であって前記第1のユーザ端末の利用者とは異なる権利者を指定する権利者情報とを受け付ける手段と、第2のユーザ端末からコンテンツの配信要求を受け付ける手段と、前記受け付けたコンテンツを同時に受け付けた前記権利者情報に対応付けて記憶する手段と、前記受け付けたコンテンツの配信要求に応じて、前記記憶されたコンテンツのうち要求されたコンテンツを読み出して、該要求を行った第2のユーザ端末に対して配信する手段と、当該サーバ装置を運用する事業者が支払う前記配信されたコンテンツの使用料の支払い先を決定する手段であって、当該配信されたコンテンツに対応する権利者情報を参照して、該権利者情報が指示する前記第1のユーザ端末の利用者とは異なる他の利用者をコンテンツ使用料の支払い先として決定する手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
図1は本発明に関わる関係者間の相関を表した図である。一般ユーザaおよびbはコンテンツを提供するあるいはコンテンツの配信を受けるものであり、広告主cはサイトに表示する広告を提供するものであり、権利者dはサイト上に蓄積されるコンテンツに関する権利を有するものであり、サイトeは一般ユーザaおよびbに対してコンテンツの公開・配信サービス、広告主cに対しては広告の表示サービスを提供するものである。
上記のとおり、サイトe上に蓄積されるコンテンツには、コンテンツを提供する一般ユーザaあるいはそれ以外の権利者d(例えば前記コンテンツが二次著作物である場合の原著作者等)が存在し、これらの権利者に対してコンテンツの蓄積ならびに配信を行なうことに対する使用料等の支払いを行なう必要がある。本発明においては広告主cから徴収する広告料を前記使用料等に当てることによって、コンテンツ作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者dの有する権利を不正に害することなく一般ユーザaおよび一般ユーザbに対しては、コンテンツに関する権利に関係する種々の煩わしい処理なしにコンテンツを自由に公開したり閲覧したりすることが可能なコミュニティースペースが提供される。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、著作権者等の他の権利者が存在するオリジナルコンテンツを作成元として新たに作成されたコンテンツであっても、一般ユーザaに対しては最小限の負担でサイトeに前記作成したコンテンツを登録させることができる。また、一般ユーザbに対して無償で作成したコンテンツを提供するので、一般ユーザbへの金銭的な負担をできるだけ低減させることができる。また、広告主cに対してはサイトeが一般ユーザaあるいは一般ユーザbに対して求心力のあるサイトを運営することで、多数のユーザに対して広告を行なうことができる。また、作成元のオリジナルコンテンツに関する他の権利者dに対しては、権利を有するオリジナルコンテンツを元に作成されたコンテンツのダウンロードに応じただけの二次的な使用料等を適切に授受することができる。したがって、ホームページに掲載された情報を閲覧したりデータ等のダウンロードを行なうといった略一方通行のサービスだけでなく、一般のユーザが自ら作成したコンテンツを複数のユーザ間で自由に閲覧し、コンテンツに対する意見交換を行なうような通信ネットワーク上におけるコミュニティスペース的なサイトを、サイトに蓄積されるコンテンツの作成元であるオリジナルコンテンツに関する他の権利者dが有する権利を不正に害することなく実現することが可能である、という効果を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、図面を参照しながら、一般ユーザaに対しては、サイトeが提供する一般ユーザaのコンテンツを他のユーザに公開可能な場を利用することの代償として無償でサイトe上にコンテンツの登録を行なうサービスを提供し、一般ユーザbに対しては無償でコンテンツの配信を利用可能とするサービスを提供し、広告主cに対しては有償で広告情報の表示を行なうサービスを提供し、サーバ2に登録されたコンテンツに関する一般ユーザa以外の他の権利者dに対して当該コンテンツの使用料を支払うようにしたことにより、一般ユーザaおよび一般ユーザbに対しては自由にコンテンツの公開および閲覧が可能な場を提供するコミュニティサイトについて説明する。
【0013】
1.ハードウェア構成
図2は本発明が適用されるハードウェアの構成を模式的に図示したものである。本発明は、少なくとも1以上のユーザ端末1、サーバ2および双方向によるデータの送受信が可能な種々の広域通信ネットワーク3によって構成されるネットワークシステムにおいて適用される。
【0014】
1−1.ユーザ端末1
ユーザ端末1は、サーバ2へのコンテンツの提供あるいはサーバ2において蓄積されている作品(コンテンツ)の閲覧あるいはサーバ2への広告の登録を行なう上記一般ユーザaあるいは一般ユーザbもしくは広告主cが使用する端末であり、少なくとも処理手段11、通信手段12、記憶手段13、入力手段14、出力手段15を備えている。
【0015】
通信手段12は、広域通信ネットワーク3を介して、ユーザ端末1とサーバ2などとの間における各種データあるいはメッセージ等の送受信を行なう手段であって、広域通信ネットワーク3上に各種データを伝送させるための各種プロトコルに対応したインタフェース装置(例えばモデムやLANカード等)である。処理手段11は、この通信手段12を介して広域通信ネットワーク3に対する各種データあるいはメッセージ等の送信もしくは受信を行なう。
【0016】
記憶手段13は、種々のデータあるいはプログラムを記憶する記憶装置であって、読み出し専用および/または読み書き可能な、半導体記憶素子あるいは磁気記憶媒体あるいは光ディスクなどの各種記憶媒体および付随する駆動装置等を含み、処理手段11によって種々のデータあるいはプログラムの読み出しもしくは書込みなどが行なわれる。
【0017】
入力手段14は、ユーザによる操作指示などを入力する装置であって、文字等を入力するためのキーボード等あるいはカーソル移動キーやマウスやタブレット等のポインティングデバイスあるいは各種指示情報を入力するための操作ボタン等あるいはマイク等のユーザの音声などを入力するための装置等を含む。ユーザは入力手段14を用いてサーバ2へのアクセス指示あるいはサーバ2に登録する種々の情報の入力あるいは作品一覧の表示指示や作品の閲覧(再生・表示等)指示といった、ユーザからの種々のデータ入力あるいは指示などを行なう。
【0018】
出力手段15は、ユーザに情報を提示あるいは出力するための装置であって、文字や画像などを表示するためのCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置あるいは文字や画像などを印刷するためのプリンタやプロッタ等の印刷装置あるいは楽音や音声を放音するための音源やサウンドシステムといった放音装置などを含む。ユーザは出力手段15からの出力によって作品一覧や作品自体の閲覧・聴取等を行なう。
【0019】
処理手段11は、ユーザ端末1の動作を制御するための装置であって、前記通信手段12によるデータの送信指示や受信データの処理等、記憶手段13に対する種々のデータやプログラム等の読み書き、入力手段14によってユーザが入力する内容に応じた処理、出力手段15によってユーザに対して出力される音声や画像等の出力処理などを行う。これらの処理は記憶手段13に記憶されている各種プログラムによって行なわれる。
【0020】
なお、これら各種手段を有機的に結合したユーザ端末1としては、例えばモデム等の通信インタフェースを備えたパーソナルコンピュータやゲーム機器あるいは携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)などの可搬の情報端末あるいは固定設置型の電話器やFAX装置などを用いることができるが、説明の便宜上、以下ユーザ端末1としては、入力手段14として少なくともキーボードおよびポインティングデバイスを有し、出力手段15としてCRTやLCDなどの表示装置および音源装置およびサウンドシステムを有し、サーバ2から送信される種々のデータ(文字、画像、音声等)を適宜復号および再生等が可能なパーソナルコンピュータであるとして本実施形態の説明を行なう。
【0021】
1−2.サーバ2
サーバ2は、作品(コンテンツ)の蓄積サービスおよび作品の配信サービスおよび広告の表示サービスなどを提供する上記サイトeに相当し、少なくとも処理手段21、通信手段22、記憶手段23、データベース24を備えている。
【0022】
通信手段22は、上述の通信手段12と同様、広域通信ネットワーク3を介して、サーバ2とユーザ端末1などとの間における各種データあるいはメッセージ等の送受信を行なう手段であって、広域通信ネットワーク上に各種データを伝送させるための各種プロトコルに対応したインタフェース装置(例えばモデムやLANカード等)である。処理手段21は、この通信手段22を介して広域通信ネットワーク3に対する各種データあるいはメッセージ等の送信もしくは受信を行なう。
【0023】
記憶手段23は、上述の記憶手段13と同様、種々のデータあるいはプログラムを記憶する記憶装置であって、読み出し専用および/または読み書き可能な、半導体記憶素子あるいは磁気記憶媒体あるいは光ディスクなどの各種記憶媒体および付随する駆動装置等を含むものである。
【0024】
データベース24は、作品(コンテンツ)に関する各種データあるいはユーザ端末に情報を提示するためのデータあるいはユーザの認証に関わるデータ等をそれぞれ記憶する種々のデータベースを含むものであって、処理手段21はサーバ2を運用するにあたり、これらデータベースに蓄積されている情報を適宜読み出したり更新したりする。なお、データベース24は記憶手段23の一部として実
現されていてもよい。
【0025】
処理手段21は、通信手段22からユーザ端末1に送信されるデータの生成やユーザ端末1から送信された各種要求や指示に応じた処理や後述の各種データベースに蓄積されている情報の管理や更新などを行なう手段であって、この処理手段21上で動作するソフトウェアによってデータベース24に蓄積される作品に関する権利者dに関する情報等の管理や対価の支払い等が行われる。これらの処理は前述のユーザ端末1と同様、記憶手段23に記憶されている各種プログラムによって行なわれる。
【0026】
なお、これら各種手段を有機的に結合したサーバ2としては、大規模な記憶装置や高速の処理が可能なCPUを備えた専用のサーバマシンであることが望ましいが、近年のCPUや各種情報機器の高性能化および低価格化を鑑みると、一般的なパーソナルコンピュータを転用してもよい。そのため、以下サーバ2については特に限定することなく本実施形態の説明を行なうが、サーバ2においては後述するように少なくともHTTPで種々のデータの伝送等を行なうWWW(World Wide Web)サーバプログラムが稼動しているものとする。また、サーバ2で行なわれるべき処理の種類は通常多岐にわたるため、処理の種別に応じて(例えば、ユーザへのインタフェース用、データベース用、ユーザ管理用、決済処理用など)複数の装置を複合的に組み合わせてサイトe側で運用するようにしてもよい。
【0027】
1−3.広域通信ネットワーク3
広域通信ネットワーク3は、例えばインターネットあるいは電話回線あるいは無線(衛星)通信回線等が適用可能であり、ユーザ端末1とサーバ2との間で相互にデータの送受信が行なえるものであればどのような形態のものであってもよい。そのため、以下広域通信ネットワーク3については特にその種別を特定することなく本実施形態の説明を行なうが、広域通信ネットワーク3は少なくとも前述のHTTPによる種々のデータの送受信が可能であるものであるとする。
【0028】
2.コンテンツ配信
次に、上記ユーザ端末1、サーバ2、広域通信ネットワーク3によって構成されたシステムにおいて実施されるコンテンツ配信について具体的に説明する。
【0029】
2−1.基本プロセス
まず、図3を参照して、ユーザ端末1とサーバ2とで行なわれる基本的な処理の流れを説明する。一般ユーザaあるいはbもしくは広告主cは、ユーザ端末1において、任意のサーバ上で稼動しているWWWサーバプログラムによって提供される各種情報を閲覧表示等をするためのソフトウェア(WWWブラウザ)を記憶手段13から読み出すとともに起動し、所定のURL(Uniform Resource Locator)を指定することによりサーバ2上で稼動しているWWWサーバプログラムが提供するサイトにアクセスする(ステップSA1)。
【0030】
サーバ2上のWWWサーバプログラムは、アクセスがあったことを検知するとともに、アクセスを行なったユーザ端末1に対して、必要に応じてユーザ認証を要求する(ステップSA2)。続いて、サーバ2は、アクセスされたURLに対応する、HTML等で記述され、文字あるいは画像あるいは音声等の種々の情報を、単独であるいは組み合わせてアクセスを行なったユーザに提示する情報提示データを読み出し、あるいは、記憶手段23に記憶されている所定のCGI(Common Gateway Interface)プログラム等を実行することによって前記情報提示データを生成し、この情報提示データがユーザ端末1に送信される(ステップSA3)。この際、ユーザ端末1に送信するHTML等で記述される情報提示データあるいは、情報提示データを生成するために必要な種々の情報等の読出し、あるいは、後述するフォーム入力によるユーザからの情報の登録等、必要に応じてデータベース24へのアクセスが行なわれる。
【0031】
ユーザ端末1においては、サーバ2から送信される上記情報提示データを受信し、後述の図6等に例示するような態様で種々の情報あるいはサービス画面がユーザ端末1上のWWWブラウザにおいて表示されるよう処理を行う(ステップSA4)。また必要に応じてフォームと呼ばれる表示領域に適宜情報等を入力し、この入力したものをサーバ2に対して送信する(ステップSA5)。サーバではフォーム入力を受信したことに応じて、適宜所定のCGIプログラムの実行する等が行なわれる(ステップSA3)。
【0032】
ユーザ端末1からのアクセス要求あるいはフォームの入力・送信に応じて、ユーザ端末1とサーバ2との間でなされる上記一連のプロセスによって、ユーザ端末1においてサーバ2が提供する種々のサービスを受けることができる。
【0033】
2−2.広告申込・登録サービス
次に、図4を参照して、サーバ2が広告主cとなるユーザに対して提供する広告申込サービスについて説明する。
【0034】
まず、広告主cはユーザ端末1を用いてサーバ2上の広告表示の申込サービスを提供するURLへアクセスし(ステップSB1)、サーバ2はこれに応じて広告表示の申込サービスに対応する情報提示データをデータベース24から読出してあるいはCGIプログラムの動作により生成して逐次ユーザ端末1へ送信する(ステップSB2)。なお、このときに送信される情報提示データに対応する表示画面例は特に図示しないが、少なくとも広告主を特定する情報(例えば企業名や電子メールのアドレスといった連絡先など)と、広告主が広告することを希望する画像や音声などの広告データの入力を促すフォームが含まれるものとする。前記情報提示データを受信した広告主cが使用するユーザ端末1は、広告申込画面を出力手段15であるCRTあるいはLCDに表示し(ステップSB3)、広告主cは必要事項を前記フォームに入力しサーバ2へ送信する(ステップSB4)。
【0035】
ユーザ端末1からのフォームを受信したサーバ2は、送信されてきた情報に不足しているものがあるか否かを確認し、送信されてきた情報に不足がある場合は、この時点で一連の広告申込・登録プロセスを一旦終了し、サーバ2はユーザ端末1に対して広告の申込・登録を最初からあるいはフォームへの諸情報の入力からやり直すよう要求する。送信されてきた情報に不足がない場合は、受信した情報に基づいてデータベース24上に広告情報を仮に登録する(ステップSB5)。データベース24上の広告情報は、広告主cを特定する情報と広告となる画像や音声等の広告データが関連付けられて記憶されるとともに、当該広告情報をサーバ2上で公開するか否かを設定するフラグが付与されたものであり、当該フラグが公開しないものと設定されている広告情報が前記仮に登録された広告情報である。広告情報を仮登録したサーバ2は、当該広告の申込をした広告主cに対して、広告情報を仮登録した(受け付けた)旨とともに広告料の請求を促す旨を通知する(ステップSB6,SB7)。
【0036】
広告主cは上記ステップSB6においてサーバ2より通知される広告料の請求において指定される所定の決済方法によって広告料の支払いを行なう(ステップSB8)。ここで、この決済方法は手続の簡素化の点からコンピュータネットワーク上に仮想的な“財布”を用意し、これを用いて金銭のやり取りを行なうネットワーク型の電子マネー等の電子決済手法を用いるのが望ましいが、既存の口座振込等の決済方法を用いてもよい。サーバ2では広告主cからの入金があったことを確認したこと(ステップSB9)に応じて、前記仮登録した広告情報を本登録(すなわち前記フラグを公開するものとして設定)する。広告主cから支払われる広告料のうち少なくとも一部は、後述する権利者への使用料の支払いに当てられる。そのため、サイトeは広告主cから支払われた広告料金額に関する情報もサーバ2上のデータベース24に同時に蓄積する。データベース24に本登録された広告主cが申し込んだ広告情報はサーバ2において適宜公開可能となる(ステップSB10)。サーバ2から広告主cに対して広告情報を本登録した旨を通知することにより一連の広告の申込および登録が完了する(ステップSB11,SB12)。
【0037】
なお、上記ステップSB5において広告情報を仮登録した後所定期間(例えば一週間)が経過した時点で広告主cからの広告料支払いが確認できなかった場合は、データベース24上から前記仮登録した広告情報を自動的に削除するようにしてもよい。また、ステップSB2において送信される情報提示データあるいはステップSB6等において送信される仮登録通知に、サーバ2において広告を表示することに対する契約内容等を提示し、広告主cをこの契約内容等に同意させた後に前記広告情報の仮登録などを行なうようにしてもよい。また、この契約内容等として、広告情報の有効期間といったものを定義し、当該有効期間に限り登録された広告情報を表示するように制御してもよい。
【0038】
2−3.一般ユーザへのサービス
サーバ2が一般ユーザに提供するサービスは、サーバ2上にユーザが作成したコンテンツを提供し当該コンテンツをサーバ2上で公開するサービス(アップロードサービス)と、サーバ2上に蓄積されているコンテンツを適宜配信せしめるサービス(ダウンロードサービス)との二種類に大別される。以下、コンテンツとして音楽あるいは楽曲などの演奏データをユーザ間で閲覧や授受等を行なう場合を例にとり、上記アップロードサービスおよびダウンロードサービスについて説明を行なう。
【0039】
2−3a.アップロードサービス
図5乃至図8を参照して、一般ユーザaがサイトeにコンテンツを提供するサービス(アップロードサービス)について説明する。本実施形態においては、コンテンツのアップロードに先立って、サーバ2は一般ユーザaに対してユーザ登録を行なうことを要求し、コンテンツのアップロードはユーザ登録を行なったもののみ可能であるよう制限をかけている。
【0040】
図5を参照して上記ユーザ登録を行なうプロセスを説明する。まず、一般ユーザaはユーザ端末1を用いてサーバ2のユーザ登録サービスを提供するURLへアクセスし(ステップSC1)、サーバ2はこれに応じてユーザ登録サービスに対応する情報提示データをデータベース24から読出してあるいはCGIプログラムの動作により生成し逐次ユーザ端末1へ送信する(ステップSC2)。この情報提示データを受信した一般ユーザaが使用するユーザ端末1は、図6に例示するようなユーザ登録画面を出力手段15であるCRTあるいはLCDに表示し(ステップSC3)、一般ユーザaは必要事項であるユーザ名FA1、電子メールのアドレスFA2、希望するパスワードFA3をキーボードやマウス等の入力手段14を用いて表示されるフォームの所定領域に入力する。入力された情報は、ポインティングデバイスなどで“送信する”と表示されたボタンFA4がクリックされたことにより所定の形式に符号化されてサーバ2へ送信され(ステップSC4)、“やり直し”と印字されたボタンFA5をクリックすることにより入力内容が初期状態(例えば全て空白の状態)にもどされる。
【0041】
フォームに入力された情報を受信したサーバ2は、送信されてきた情報に不足しているものがあるか否かを確認し、送信されてきた情報に不足がある場合は、この時点で一連のユーザ登録プロセスを一旦終了し、サーバ2はユーザ端末1に対してユーザ登録サービスへのアクセスを最初からあるいはフォームへの諸情報の入力からやり直すよう要求する(図示略)。送信されてきた情報に不足がない場合は、この情報に基づきユーザ情報を生成する(ユーザを特定するユーザIDの発効および当該ユーザIDが正規登録者であることを確認するためのパスワードの設定等)とともにデータベースに登録し(ステップSC5)、ユーザ登録が完了した旨を一般ユーザaに通知して(ステップSC6,SC7)、一般ユーザaのユーザ登録が完了する。このようにしてユーザ登録を行なったユーザは、サーバ2にコンテンツをアップロードすることが可能になる。
【0042】
なお、広告申込・登録サービスと同様に、ステップSC2において送信される情報提示データあるいはステップSC6等において送信される登録通知に、サーバ2においてコンテンツを公開することに対する契約内容等を提示し、一般ユーザaをこの契約内容等に同意させた後に前記ユーザ登録に関する情報の入力やユーザ登録などを行なうようにしてもよい。 また、ユーザ登録の際に一般ユーザaに入力を要求する情報としては、上記の例に限らずその他種々の情報(例えば年齢、性別、顔写真や自己紹介など)を入力させるようにしてもよい。
【0043】
次に図7を参照して一般ユーザaがサーバ2にコンテンツをアップロードするプロセスを説明する。
まず、一般ユーザaはユーザ端末1を用いてサーバ2の作品登録サービスを提供するURLへアクセスし(ステップSD1)、これに応じて、サーバ2はアクセスしたユーザ端末1に対してユーザ認証を要求する(ステップSD2)。一般ユーザaはユーザ端末1を用いて認証情報(典型的にはユーザIDとパスワード)を入力するとともにサーバ2へ送信し(ステップSD3)、サーバ2において入力された認証情報に一致する登録ユーザが存在するか否かを識別することによりユーザ認証がなされる(ステップSD4)。
【0044】
ユーザ認証の結果、登録ユーザでないと識別された場合は、この時点で一連の作品登録プロセスを一旦終了し、サーバ2はユーザ端末1に対して作品登録サービスへのアクセスを最初からあるいは認証情報の入力からやり直すよう要求する(図示略)。ユーザ認証の結果登録ユーザであると識別された場合は、サーバ2は作品登録サービスに対応する情報提示データをデータベース24から読出して逐次ユーザ端末1へ送信する(ステップSD5)。この情報提示データを受信したユーザ端末1(上のWWWブラウザ)は、図8に例示するような作品登録画面を出力手段15であるCRTあるいはLCDに表示し(ステップSC3)、一般ユーザaに対してアップロードする作品に関する情報およびアップロードする作品の指定を行なうよう促す。
【0045】
図8において、FB1はコンテンツの作品名を入力する領域であり、一般ユーザaはこの入力領域に適宜コンテンツの作品名を入力する。FB2aおよびFB2bはコンテンツに他の権利者dが存在するか否か(音楽の場合は既成曲で有るか否か)を択一的に指定するラジオボタンであり、図8では他の権利者が存在すること(既成曲であること)が指定されている。FB3乃至FB7はコンテンツの元となった作品に関する情報を入力する領域であり、一般ユーザaは、例えば原曲名FB3,原曲を演奏等したアーティスト名FB4,作詞者FB5,作曲者FB6などを入力する。
【0046】
FB7a乃至FB9は、アップロードするコンテンツそのものに関する情報を入力する領域である。FB7a乃至FB7dはコンテンツのデータ形式を択一的に指定するラジオボタン及びセレクタであり、図8では音声データ圧縮方式であるSound VQ(ヤマハ株式会社の登録商標)あるいは同MP3(MPEG Audio Layer−3)あるいは演奏データ記録方式であるMIDI(Musical Instruments Digital Interface)の3種類の中からいずれかを選択するよう促している。なお、MIDIについては幾つかの規格が存在するためセレクタFB7dによってコンテンツに対応する規格を選択可能にしている。FB8,FB9はサーバ2に登録するコンテンツをユーザ端末1の記憶手段13等から選択する機能を提供するものである。“参照”と印字されたボタンFB8をポインティングデバイス等でクリックすることに応じて記憶手段13に記憶されたファイルを参照ならびに選択することができ、選択されたファイルは表示領域FB9に表示される。また、領域FB9に直接ファイル名を指定することでコンテンツの指定を行なうことも可能である。
【0047】
以上のフォームに入力された情報はマウス等のポインティングデバイスなどで“アップロード”と印字されたボタンFB10がクリックされたことに応じて、FB9に表示された選択されたコンテンツが、フォームに入力された他の情報とともに所定の形式に符号化されサーバ2に送信され(ステップSD7)、“クリア”と印字されたボタンFB11をクリックすることにより入力内容が初期状態(例えば全て空白の状態)にもどされる。
【0048】
サーバ2は受信したフォームデータを少なくともコンテンツとそれ以外の他の情報に分離し、送信されてきた情報に不足しているものがあるか否かを確認し、送信されてきた情報に不足がある場合は、この時点で一連の作品登録プロセスを一旦終了し、サーバ2はユーザ端末1に対して作品のアップロード作業をを最初からあるいはフォームへの諸情報の入力からやり直すよう要求する(図示略)。送信されてきた情報に不足がない場合は、コンテンツとそれ以外の送信された他の情報およびサーバ2上で適宜付与される情報(コンテンツを一意に特定するIDやアップロードされた日あるいは公開された日やファイルのサイズ等)を関連付けてそれぞれデータベース24に登録する(ステップSD8)。続いてアップロードしたコンテンツをデータベース24に登録したことをユーザ端末1に通知して(ステップSD9,SD10)一般ユーザaからのコンテンツのアップロードが完了する。
【0049】
ステップSD8のコンテンツの登録の際、当該コンテンツに関する権利者dの特定も行なわれる。データベース24には権利者d自身に関する情報(例えば権利者dの氏名および決済方法など)と権利者dが権利を有するコンテンツに関する情報が関連付けられて蓄積されており、一般ユーザaがFB2乃至FB6に入力したアップロードするコンテンツに関する情報と前記データベース24に蓄積されている権利者d自身および権利者dが権利を有するコンテンツに関する情報との一致を検出して権利者dの特定を行なう(図示略)。
【0050】
ここで、上記データベース24に蓄積されている情報に対応する権利者dは、当該権利者dとサイトeとの間で、権利を有するコンテンツに関する情報の通知および権利を保有するコンテンツがダウンロードされることに対する使用料の算出方法あるいは使用料等の清算方法等について、予め契約あるいは取決めを交わしており、当該契約あるいは取決めの内容が前記情報として蓄積されているものとする。また、一般ユーザaによって他の権利者が存在するとされていたにも関わらず、サイトeにおいて権利者dの特定が不可能なコンテンツ(例えばデータベース24に登録されていない権利者dが権利を有するコンテンツ)については、コンテンツのダウンロードによって権利者dの諸権利を害する蓋然性が高いため、このようなコンテンツは公開されないよう制御するようにしてもよい。
【0051】
なお、広告申込・登録サービスと同様に、ステップSD5において送信される情報提示データあるいはステップSD9において送信される登録通知等に、サーバ2においてコンテンツを公開することに対する契約内容等を提示し、一般ユーザaをこの契約内容等に同意させた後に前記コンテンツに関する情報の入力やコンテンツの登録などを行なうようにしてもよい。また、コンテンツの登録の際に一般ユーザaに入力を要求する情報は、上記例に限らず種々の情報(例えばコンテンツの音楽ジャンル、使用している楽器の種類等)を入力させるようにしてもよい。
【0052】
2−3b.ダウンロードサービス
図9および図10を参照して、一般ユーザbがサーバ2上に蓄積されているコンテンツの配信を受けるサービス(ダウンロードサービス)について説明する。
【0053】
まず、一般ユーザbはユーザ端末1を用いてサーバ2の作品一覧表示を提供するURLへアクセスし(ステップSE1)、これに応じて、サーバ2はその時点で登録され公開可能なコンテンツの一覧をデータベース24から取得する(ステップSE2)。続いてデータベース24から上記広告主cが申し込みサーバ2に登録した広告情報を読出し(ステップSE3)、コンテンツの一覧と広告情報を含む情報提示データをユーザ端末1に対して送信する(ステップSE4)。この情報提示データを受信したユーザ端末1は、図10に例示するような作品一覧画面を出力手段15であるCRTあるいはLCDに表示する(ステップSE5)。
【0054】
図10は2つのコンテンツを表示した作品一覧画面の一例であり、列方向に各コンテンツに関する種々の情報を表示した行列形式で2つのコンテンツを表示したものである。列FC1はコンテンツをアップロードした一般ユーザaが入力した曲名を表示する領域であり、列FC2はコンテンツを登録したユーザ名(プレイヤー名)を表示する領域であり、列FC3は対応するコンテンツが過去何回ダウンロードされたかを表す配信された回数(試聴回数)を表示する領域であり、列FC4は対応するコンテンツがアップロードされたことに応じてサーバ2が適宜付与する当該コンテンツが公開された日を表示する領域であり、列FC5はコンテンツをアップロードした一般ユーザaが選択したコンテンツのデータ形式(図中“MP3”はデータ形式がMP3であることを表し、“SVQ”はデータ形式がSound VQであることを表す)を表示する領域であり、列FC6はコンテンツがアップロードされたことに応じてサーバ2においてコンテンツのデータを参照することによって適宜付与される当該コンテンツの再生時間を表示する領域である。一覧画面下部の表示領域FC9は、前記広告主cが登録した広告情報を配置する領域である。なお、一覧表示するコンテンツの個数は2つに限らず任意個数表示してよいし、各コンテンツについて他の情報(例えば音楽ジャンルなど)を表示するようにしてもよく、図8の表示態様にとらわれず任意の態様でもってコンテンツの一覧を表示するようにしてもよい。
【0055】
列FC7には、例えばそれぞれデータベース24上に蓄積されているコンテンツを特定可能な前記IDなどの情報が付与された再生ボタンFC8が各コンテンツに対応して表示され、この再生ボタンFC8をマウス等でクリックすることで、ダウンロードするコンテンツを選択するとともにダウンロード要求がサーバ2に送信される(ステップSE6)。サーバ2は、ユーザ端末1からのダウンロード要求を受信したことに応じて、データベース24内に蓄積されている当該コンテンツに関するダウンロード回数に対応する値を更新し、データベース24から対応するコンテンツを読出すとともにユーザ端末1に送信し(ステップSE7)、ユーザ端末1においてこの送信されたコンテンツの受信ならびに再生が行なわれ(ステップSE8)、一般ユーザbに対するコンテンツのダウンロードが完了する。
【0056】
なお、広告申込・登録サービスと同様に、ステップSE4において送信される情報提示データに、サーバ2においてコンテンツを公開することに対する契約内容等を提示し、一般ユーザbをこの契約内容等に同意させた後に前記コンテンツのダウンロード等を行なうようにしてもよい。
【0057】
また、データベース24上に蓄積され、一般ユーザbに送信される種々のデータ(広告主cが登録する広告情報や一般ユーザaがアップロードするコンテンツ等)は、不正使用などを事後においても検出できるよう、データベース24に蓄積された時点あるいは一般ユーザbに送信される時点において、これらデータの著作者あるいは権利者を示す電子的な透かし情報を付与するようにしてもよい。特に、一般ユーザaがアップロードするコンテンツについては所定の暗号化(スクランブル処理)等を行ない、サイトeが指定する所定の再生プログラムでのみ再生可能な形式に変換した後に、一般ユーザbに提供することが望ましい。前記所定の再生プログラムはWWWブラウザに機能を追加するプラグインとして提供されるものでも、WWWブラウザとは独立に動作するアプリケーションであってもよいが、ダウンロードされたコンテンツを再生等する際、一般ユーザbが使用するユーザ端末1上にコンテンツを固定的に保持せず、受信するコンテンツを逐次再生・消費する例えばストリーム配信方式等でコンテンツを再生等することが望ましい。
【0058】
2−4.使用料などの支払い
次に、図11を参照して、サーバ2に蓄積されたコンテンツに関する権利者に対して、当該コンテンツの使用料を支払う処理について説明する。コンテンツに関する権利者への使用料等の支払いは、例えば月毎といった単位で定期的に、データベース24に蓄積されているコンテンツについてそれぞれ実行されるものである。
【0059】
まず、処理対象となっているコンテンツについて、前回この処理を行なった後新たに配信が行なわれたか否かを識別する(ステップSF1)。この識別は、例えば、処理対象となっているコンテンツの配信回数をデータベース24から取得し、前回の処理を行なった時点における配信回数から変化があるか否かを検出することによって行なわれる。この識別の結果、配信実績がないと識別された場合(ステップSF2:No)は、今回の処理によって当該コンテンツに関する使用料等の支払いを行なう必要がないため、処理対象となっているコンテンツに対する処理を終了する。一方、配信実績があった(ステップSF2:Yes)と識別された場合は当該コンテンツに関する権利者情報をデータベース24から取得する(ステップSF3)。ここでいう権利者情報とは、前記アップロードサービスにおいて、一般ユーザaがラジオボタンFB2aおよびFB2bによって指定するコンテンツに他の権利者dが存在するか否かに関する情報である。
【0060】
権利者情報において他の権利者dが存在しないものとされている場合(ステップSF4:No)は、本実施形態においては使用料等を支払う必要がないので処理対象となっているコンテンツに対する処理を終了する。一方、他の権利者dが存在するとされている場合(ステップSF4:Yes)は、当該権利者dに対して使用料等を支払う必要があるので、データベース24から適宜前記権利者d自身に関する情報や、権利者dとサイトeとの間で交わされた使用料等の算出方法などを読出し、権利者dに支払う使用料等の算出および算出された使用料等の支払い処理を行う(ステップSF5)。支払い方法としては前記電子決済手法や口座振込み等、権利者とサイトeとの間で定められた所定の支払い方法が用いられる。また、使用料等の支払いの際、支払いの内訳を明確化するために支払い対象となったコンテンツおよび当該コンテンツの配信回数などが権利者dに通知される。
【0061】
なお、使用料等の算出方法としては、例えばコンテンツのダウンロード回数に応じて所定金額を積算する方法、あるいはコンテンツのダウンロード回数に関わらず所定金額を計上する方法、あるいは同一の権利者が複数のコンテンツに関する権利を保有している場合でもダウンロードされたコンテンツの数やコンテンツのダウンロード回数に関わらず所定金額を計上する方法等が採用可能であり、所定金額としては例えば固定的に定められている金額、あるいは広告主cからの広告料のうちの所定比率の金額あるいはこれらの組み合わせなどが適用される。使用料等の算出方法あるいは使用料等の支払い方法は、全ての権利者について固定的に定めてもよいし、各権利者についてそれぞれ異なる方法を採用してもよい。
【0062】
2−5.実施態様の効果
上記実施形態によれば、一般ユーザaは、サイトeにアップロードするコンテンツについて、当該コンテンツに関連する他の権利者に対する処理をサイトeに一任すればよいため、自らがアップロードするコンテンツに関する権利関連の配慮が最小限ですむため、気軽にサイトeに自らが作成したコンテンツをアップロードすることができる。また、一般ユーザbは、サイトeからコンテンツをダウンロードするに当たり、当該コンテンツをダウンロードするといった行為に対する使用料等がサイトeが広告主cから徴収する広告料から支払われるため無償でコンテンツのダウンロードサービスを受けることができ、気軽にサイトeにおいて公開されているコンテンツをダウンロードすることができる。また、広告主cは、サイトeが一般ユーザaあるいは一般ユーザbに対して上記求心力のあるコミュニティスペースを提供するものであるため、広告料の代償として、多数のユーザに対して広告を行なうことが可能になる。さらに、権利者dは、サイトeにおいて登録されるコンテンツが権利者dの保有する権利に関するものであるかが判断され、当該コンテンツのダウンロードに応じて適切に使用料等がサイトeから支払われるため、権利者dが前記コンテンツに関して保有する権利によって本来得られる利益を適切に受けることができる。
【0063】
3.変形例
上記実施形態において、サーバ2に蓄積されたコンテンツのダウンロードに対する使用料などは、当該コンテンツをアップロードした一般ユーザa以外のコンテンツに関する権利者dのみに支払われるようにしていたが、上記権利者dとして前記コンテンツをアップロードした一般ユーザaをも含むようにしてもよい。ここで、一般ユーザaに対して支払う使用料等は上記2−4.節で説明したものと同様に、コンテンツの配信実績に基づき適宜算出される金額を所定の支払い方法で支払うようにすればよい。このようにすることで、一般ユーザaは自らが作成したコンテンツを広く公開する場を利用できるばかりではなく、サイトeから自らのコンテンツがダウンロードされることによっていくらかの報酬をさらに受けることができるので、サイトeは一般ユーザaにとってより利用しがいのあるサイトとなる。なお、この場合、一般ユーザaに対しては、ユーザ登録時あるいはコンテンツアップロード時において、アップロードを行なうコンテンツに対する上記使用料等の分配を希望するか否かを選択させ、使用料等の分配を希望した一般ユーザaに対してのみ、使用料等の算出および支払いを行なうようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態において、サイトeと一般ユーザa,b,広告主cとの間ではHTTPにより種々の情報がやり取りされるが、通信プロトコルはこれに限らずFTP(File Transfer Protocol)やSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)/POP(Post Office Protocol)やデータ放送など、サイトeとユーザ間で種々のデータをやり取りできるものであればどのようなものであってもよいし、複数の通信態様や通信プロトコルを組み合わせて用いるものであってもよい。また、上記実施形態において説明したHTTP等は基本的に平文でデータの授受を行なうものであり、サイトeとの間でやり取りされる情報が第三者に漏洩する可能性がある。そこで、ユーザのプライバシィを保護するといった観点から、サイトeとユーザとの間のデータの伝送の全てあるいは一部を、SSL(Secure Sockets Layer)等の暗号化が施された形式でデータの伝送をするプロトコルで行なうようにしてもよい。
【0065】
また、上記実施形態において、一般ユーザbが作品一覧表示を提供するURLへアクセスし、コンテンツの一覧を表示させた場合にのみ広告情報の提示を行なっていたが、広告情報の提示はこれに限らず、ユーザ登録時やコンテンツ登録時や広告の申込・登録時においても適宜表示されるようにしてもよい。また、ユーザ端末1がGUI(Graphical User Interface)等の複数の表示画面の同時表示をサポートしている場合、広告情報の提示用の表示画面をユーザ端末1において表示させるように制御を行なってもよい。また、広告主cが複数存在する場合など、ユーザに対して提示すべき広告情報が複数存在する場合は、サーバ2へのアクセスがなされる度にこれらの広告情報を登録順に、あるいはランダムに、あるいは提示頻度の低い順にユーザ端末1に提示させてもよい。
【0066】
また、以上本発明の好適な実施形態および変形例について説明を行なったが、本発明は上記実施形態および変形例になんら限定されるものではなく、用いられるハードウェアや処理の手順等について適宜変更可能であり、図を参照して説明したサーバ2上の処理はその処理の内容あるいは順序は適宜変更可能である。
【0067】
例えば、サーバ2からユーザ端末1に送信される情報提示データとして、HTML等の言語で記述されたもののみならず、ユーザ端末1上で実行可能なスクリプトプログラムあるいはアプレットをも含ませ、例えばフォーム入力内容の不足の検出や表示内容の配置制御等の一部の処理を、ユーザ端末1上で動作するこれらスクリプトプログラムあるいはアプレットによって実行するようにしてもよい。
【0068】
あるいは、上記実施形態ではユーザ端末1をパーソナルコンピュータとして説明したが、前述したとおり、ゲーム機器あるいは携帯電話やPDAなどの可搬の情報端末あるいは固定設置型の電話器やFAX装置あるいは店頭等に設置されるキオスク型の端末装置などであっても構わないし、これらの端末機器が複数種類混在した形態であってもよい。ユーザ端末1として複数種類の端末機器が混在する場合は、サーバ2は必要に応じて各種端末装置それぞれに対応したサーバプログラム等を稼動させるようにしてもよい。また、各種端末装置に対して好適な作
品の提示形態あるいは作品の閲覧形態等を提供するようにしてもよい。
【0069】
なお、以上説明した本発明は、上記コンテンツを配信するためのシステムにおけるサーバ装置、あるいは該サーバ装置において上記コンテンツを配信する方法、あるいは該サーバ装置において上記コンテンツを配信するための処理を実行するためのコンピュータプログラムを記憶した該サーバ装置において読み取り可能な記録媒体あるいは伝送媒体上を伝送する当該コンピュータプログラムもしくは前記コンピュータプログラム自体として実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に関連する関係者間の相関を示した図である。
【図2】本発明に好適な実施形態が適用されるシステムを示した図である。
【図3】ユーザ端末1とサーバ2との間における基本的な処理の流れを説明した図である。
【図4】広告主cがサイトeに対して広告の申込および登録を行なう処理の流れを説明する図である。
【図5】一般ユーザaがサイトeにユーザ登録を行なう処理の流れを説明する図である。
【図6】ユーザ端末1において表示される表示画面を例示した図である。
【図7】一般ユーザaがサイトeにコンテンツをアップロードする処理の流れを説明する図である。
【図8】ユーザ端末1において表示される表示画面を例示した図である。
【図9】一般ユーザbがサイトeからコンテンツをダウンロードする処理の流れを説明する図である。
【図10】ユーザ端末1において表示される表示画面を例示した図である。
【図11】サイトeが権利者dに対して支払う使用料等に関する処理を説明する図である。
【符号の説明】
【0071】
a…一般ユーザ(コンテンツをアップロードするユーザ)、b…一般ユーザ(コンテンツをダウンロードするユーザ)、c…広告主(広告情報の供給および広告料の支払いを行なうユーザ)、d…権利者(コンテンツに関する権利を有するユーザ)、e…サイト、1…ユーザ端末、2…サーバ、3…広域通信ネットワーク、11,21…処理手段、12,22…通信手段、13,23…記憶手段、24…データベース
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信ネットワークを介して配信されるコンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者が有する権利を不正に害することなく、ユーザに対しては無償でオリジナルコンテンツを元に作成されたコンテンツのアップロードならびにダウンロードを可能としたサーバ装置及びコンテンツ配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置を用いたインターネットの利用が一般化しつつあり、HTML(HyperText Markup Language)で記述されたファイルをHTTP(HyperText Transfer Protocol)をサポートするサーバを介してユーザ端末上の閲覧ソフト等で閲覧する(いわゆる「ホームページを開く」)ことにより、種々の情報の発信や各種データの配信などが行なわれている。例えば、個人レベルでの情報発信、ネットワークを通じたデータのダウンロード、情報の検索などが既存のサービスとして提供されており、コンテンツのダウンロードを代金と引き換えに可能化することでビジネスを成立させている例もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
インターネット利用の一般化により、ホームページに掲載された情報を閲覧したりデータ等のダウンロードを行なうといった略一方通行のサービスだけでなく、一般のユーザが自ら作成したコンテンツを複数のユーザ間で自由に閲覧し、コンテンツに対する意見交換を行なうような通信ネットワーク上におけるコミュニティスペース的な場所(サイト)が求められつつある。こういったサイトを運用する場合、例えば、コンテンツとして音楽あるいは楽曲などの演奏データをユーザ間で閲覧や授受等を行なうようなサイトを運用する場合、ユーザ自らが創作した楽曲ばかりでなく、既存の楽曲(オリジナルコンテンツ)をユーザ自身が演奏したものをコンテンツとしてサイト上に提供(アップロード)されることが予想される。
【0004】
ここで、インターネットを介してコンテンツの閲覧や配信(ダウンロード)を行なうことは、著作物であるコンテンツの送信や複製や譲渡に相当する行為となる。サイトはコンテンツを他のユーザに配信するという行為を行うため、当該コンテンツを提供したユーザは、単純にコンテンツを公開するだけではなく、コンテンツがダウンロードされたことによってサイトから何らかの見返りを得ようとするユーザも存在する。さらに、上記例の如く、コンテンツがユーザ自らが創作したものでなく既存の楽曲(オリジナルコンテンツ)を演奏したものであるような場合は、当該既存楽曲の原著作者あるいは著作権者あるいは著作隣接権者等のサイトに提供されたコンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する他の権利者に対して、それぞれのユーザが個別に相応の対価を支払うこと等の対処が必要となるが、個々のユーザがそれぞれオリジナルコンテンツに関する他の権利者に対応するのではユーザの負担が著しく大きくなるばかりか関連する処理が煩雑なものとなる。
【0005】
これらの問題点を解消するために、従来の配信システムのようにコンテンツのダウンロードが要求される度に当該要求を行なったユーザに対してコンテンツの使用料等を請求し、個々のコンテンツ単位で著作権者など(つまり、オリジナルコンテンツに関する他の権利者)にこの使用料を分配することも考えられる。しかし、これではコンテンツのダウンロードを行なう一般ユーザに対する負担が大きく、上記コミュニティスペース的なサイトの運用形態としては望ましいものではなかった。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、通信ネットワークを介して配信されるコンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者が有する権利を不正に害することなく、通信ネットワーク上におけるコミュニティスペースを提供可能とするコンテンツを配信するサーバ装置及びコンテンツ配信プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係るサーバ装置は、通信ネットワークを介して相互に各種情報の授受が可能なサーバ装置と複数のユーザ端末とにより構成されたコンテンツ配信システムにおける前記サーバ装置であって、第1のユーザ端末から、コンテンツと、当該コンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者を指定する権利者情報であって当該権利者が前記第1のユーザ端末の利用者であるか他の権利者であるかを指示する情報とを受け付ける手段と、第2のユーザ端末からコンテンツの配信要求を受け付ける手段と、前記受け付けたコンテンツを同時に受け付けた前記権利者情報に対応付けて記憶する手段と、前記受け付けたコンテンツの配信要求に応じて、前記記憶されたコンテンツのうち要求されたコンテンツを読み出して、該要求を行った第2のユーザ端末に対して配信する手段と、当該サーバ装置を運用する事業者が支払う前記配信されたコンテンツの使用料の支払い先を決定する手段であって、当該配信されたコンテンツに対応する権利者情報を参照して、該権利者情報が前記第1のユーザ端末の利用者を指示するものであった場合は、前記第1のユーザ端末の利用者をコンテンツ使用料の支払い先として決定し、他の場合は権利者情報が指示する権利者をコンテンツ使用料の支払い先として決定する手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
具体的には、通信ネットワークを介して相互に各種情報の授受が可能なサーバ装置と複数のユーザ端末とによりコンテンツ配信システムを構成し、サーバ装置において、第1のユーザ端末から、コンテンツと、当該コンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者を指定する権利者情報であって当該権利者が前記第1のユーザ端末の利用者であるか他の権利者であるかを指示する情報を受け付けた場合には、前記受け付けたコンテンツを同時に受け付けた前記権利者情報に対応付けて記憶し、第2のユーザ端末からコンテンツの配信要求を受け付けた場合には、前記受け付けたコンテンツの配信要求に応じて、前記記憶されたコンテンツのうち要求されたコンテンツを読み出して、該要求を行った第2のユーザ端末に対して配信する。この際に、当該配信されたコンテンツに対応する権利者情報を参照して、該権利者情報が前記第1のユーザ端末の利用者を指示するものであった場合は前記第1のユーザ端末の利用者をコンテンツ使用料の支払い先として決定し、他の場合は権利者情報が指示する権利者をコンテンツ使用料の支払い先として決定することを特徴とする。すなわち、オリジナルコンテンツを元に作成したコンテンツを公開する場合には、本来ならばコンテンツを登録して公開しようとする各コンテンツ登録者が作成元のオリジナルコンテンツの権利を有する1乃至複数のコンテンツ権利者から使用許諾等をとり、公開したコンテンツのダウンロード数などに応じて相当の使用料を各コンテンツ権利者に対して支払う必要があるが、上記のように、本発明においてはオリジナルコンテンツに関する権利者(コンテンツ権利者)を指定する権利者情報に基づき、従来のように単にコンテンツを作成し登録したコンテンツ登録者(第1のユーザ端末の利用者)を権利者として指定することができるだけでなく、前記コンテンツ登録者以外のコンテンツ権利者を権利者として指定することもできる。そして、該権利者情報に従いコンテンツ使用料の支払い先を決定することによって、独自にコンテンツを作成したユーザに対してコンテンツ使用料を支払うだけでなく、コンテンツ権利者に対してもコンテンツ使用料を支払うことができる。したがって、ユーザはユーザ独自に作成したコンテンツの他に、他のユーザが著作権などを有するオリジナルコンテンツを作成元として作成したコンテンツをアップロードして公開することが煩わしい手続きをふむことなしに簡単にできるようになる。
【0009】
本発明の請求項4に係るサーバ装置は、通信ネットワークを介して相互に各種情報の授受が可能なサーバ装置と複数のユーザ端末とにより構成されたコンテンツ配信システムにおける前記サーバ装置であって、第1のユーザ端末から、コンテンツと、当該コンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者であって前記第1のユーザ端末の利用者とは異なる権利者を指定する権利者情報とを受け付ける手段と、第2のユーザ端末からコンテンツの配信要求を受け付ける手段と、前記受け付けたコンテンツを同時に受け付けた前記権利者情報に対応付けて記憶する手段と、前記受け付けたコンテンツの配信要求に応じて、前記記憶されたコンテンツのうち要求されたコンテンツを読み出して、該要求を行った第2のユーザ端末に対して配信する手段と、当該サーバ装置を運用する事業者が支払う前記配信されたコンテンツの使用料の支払い先を決定する手段であって、当該配信されたコンテンツに対応する権利者情報を参照して、該権利者情報が指示する前記第1のユーザ端末の利用者とは異なる他の利用者をコンテンツ使用料の支払い先として決定する手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
図1は本発明に関わる関係者間の相関を表した図である。一般ユーザaおよびbはコンテンツを提供するあるいはコンテンツの配信を受けるものであり、広告主cはサイトに表示する広告を提供するものであり、権利者dはサイト上に蓄積されるコンテンツに関する権利を有するものであり、サイトeは一般ユーザaおよびbに対してコンテンツの公開・配信サービス、広告主cに対しては広告の表示サービスを提供するものである。
上記のとおり、サイトe上に蓄積されるコンテンツには、コンテンツを提供する一般ユーザaあるいはそれ以外の権利者d(例えば前記コンテンツが二次著作物である場合の原著作者等)が存在し、これらの権利者に対してコンテンツの蓄積ならびに配信を行なうことに対する使用料等の支払いを行なう必要がある。本発明においては広告主cから徴収する広告料を前記使用料等に当てることによって、コンテンツ作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者dの有する権利を不正に害することなく一般ユーザaおよび一般ユーザbに対しては、コンテンツに関する権利に関係する種々の煩わしい処理なしにコンテンツを自由に公開したり閲覧したりすることが可能なコミュニティースペースが提供される。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、著作権者等の他の権利者が存在するオリジナルコンテンツを作成元として新たに作成されたコンテンツであっても、一般ユーザaに対しては最小限の負担でサイトeに前記作成したコンテンツを登録させることができる。また、一般ユーザbに対して無償で作成したコンテンツを提供するので、一般ユーザbへの金銭的な負担をできるだけ低減させることができる。また、広告主cに対してはサイトeが一般ユーザaあるいは一般ユーザbに対して求心力のあるサイトを運営することで、多数のユーザに対して広告を行なうことができる。また、作成元のオリジナルコンテンツに関する他の権利者dに対しては、権利を有するオリジナルコンテンツを元に作成されたコンテンツのダウンロードに応じただけの二次的な使用料等を適切に授受することができる。したがって、ホームページに掲載された情報を閲覧したりデータ等のダウンロードを行なうといった略一方通行のサービスだけでなく、一般のユーザが自ら作成したコンテンツを複数のユーザ間で自由に閲覧し、コンテンツに対する意見交換を行なうような通信ネットワーク上におけるコミュニティスペース的なサイトを、サイトに蓄積されるコンテンツの作成元であるオリジナルコンテンツに関する他の権利者dが有する権利を不正に害することなく実現することが可能である、という効果を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、図面を参照しながら、一般ユーザaに対しては、サイトeが提供する一般ユーザaのコンテンツを他のユーザに公開可能な場を利用することの代償として無償でサイトe上にコンテンツの登録を行なうサービスを提供し、一般ユーザbに対しては無償でコンテンツの配信を利用可能とするサービスを提供し、広告主cに対しては有償で広告情報の表示を行なうサービスを提供し、サーバ2に登録されたコンテンツに関する一般ユーザa以外の他の権利者dに対して当該コンテンツの使用料を支払うようにしたことにより、一般ユーザaおよび一般ユーザbに対しては自由にコンテンツの公開および閲覧が可能な場を提供するコミュニティサイトについて説明する。
【0013】
1.ハードウェア構成
図2は本発明が適用されるハードウェアの構成を模式的に図示したものである。本発明は、少なくとも1以上のユーザ端末1、サーバ2および双方向によるデータの送受信が可能な種々の広域通信ネットワーク3によって構成されるネットワークシステムにおいて適用される。
【0014】
1−1.ユーザ端末1
ユーザ端末1は、サーバ2へのコンテンツの提供あるいはサーバ2において蓄積されている作品(コンテンツ)の閲覧あるいはサーバ2への広告の登録を行なう上記一般ユーザaあるいは一般ユーザbもしくは広告主cが使用する端末であり、少なくとも処理手段11、通信手段12、記憶手段13、入力手段14、出力手段15を備えている。
【0015】
通信手段12は、広域通信ネットワーク3を介して、ユーザ端末1とサーバ2などとの間における各種データあるいはメッセージ等の送受信を行なう手段であって、広域通信ネットワーク3上に各種データを伝送させるための各種プロトコルに対応したインタフェース装置(例えばモデムやLANカード等)である。処理手段11は、この通信手段12を介して広域通信ネットワーク3に対する各種データあるいはメッセージ等の送信もしくは受信を行なう。
【0016】
記憶手段13は、種々のデータあるいはプログラムを記憶する記憶装置であって、読み出し専用および/または読み書き可能な、半導体記憶素子あるいは磁気記憶媒体あるいは光ディスクなどの各種記憶媒体および付随する駆動装置等を含み、処理手段11によって種々のデータあるいはプログラムの読み出しもしくは書込みなどが行なわれる。
【0017】
入力手段14は、ユーザによる操作指示などを入力する装置であって、文字等を入力するためのキーボード等あるいはカーソル移動キーやマウスやタブレット等のポインティングデバイスあるいは各種指示情報を入力するための操作ボタン等あるいはマイク等のユーザの音声などを入力するための装置等を含む。ユーザは入力手段14を用いてサーバ2へのアクセス指示あるいはサーバ2に登録する種々の情報の入力あるいは作品一覧の表示指示や作品の閲覧(再生・表示等)指示といった、ユーザからの種々のデータ入力あるいは指示などを行なう。
【0018】
出力手段15は、ユーザに情報を提示あるいは出力するための装置であって、文字や画像などを表示するためのCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置あるいは文字や画像などを印刷するためのプリンタやプロッタ等の印刷装置あるいは楽音や音声を放音するための音源やサウンドシステムといった放音装置などを含む。ユーザは出力手段15からの出力によって作品一覧や作品自体の閲覧・聴取等を行なう。
【0019】
処理手段11は、ユーザ端末1の動作を制御するための装置であって、前記通信手段12によるデータの送信指示や受信データの処理等、記憶手段13に対する種々のデータやプログラム等の読み書き、入力手段14によってユーザが入力する内容に応じた処理、出力手段15によってユーザに対して出力される音声や画像等の出力処理などを行う。これらの処理は記憶手段13に記憶されている各種プログラムによって行なわれる。
【0020】
なお、これら各種手段を有機的に結合したユーザ端末1としては、例えばモデム等の通信インタフェースを備えたパーソナルコンピュータやゲーム機器あるいは携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)などの可搬の情報端末あるいは固定設置型の電話器やFAX装置などを用いることができるが、説明の便宜上、以下ユーザ端末1としては、入力手段14として少なくともキーボードおよびポインティングデバイスを有し、出力手段15としてCRTやLCDなどの表示装置および音源装置およびサウンドシステムを有し、サーバ2から送信される種々のデータ(文字、画像、音声等)を適宜復号および再生等が可能なパーソナルコンピュータであるとして本実施形態の説明を行なう。
【0021】
1−2.サーバ2
サーバ2は、作品(コンテンツ)の蓄積サービスおよび作品の配信サービスおよび広告の表示サービスなどを提供する上記サイトeに相当し、少なくとも処理手段21、通信手段22、記憶手段23、データベース24を備えている。
【0022】
通信手段22は、上述の通信手段12と同様、広域通信ネットワーク3を介して、サーバ2とユーザ端末1などとの間における各種データあるいはメッセージ等の送受信を行なう手段であって、広域通信ネットワーク上に各種データを伝送させるための各種プロトコルに対応したインタフェース装置(例えばモデムやLANカード等)である。処理手段21は、この通信手段22を介して広域通信ネットワーク3に対する各種データあるいはメッセージ等の送信もしくは受信を行なう。
【0023】
記憶手段23は、上述の記憶手段13と同様、種々のデータあるいはプログラムを記憶する記憶装置であって、読み出し専用および/または読み書き可能な、半導体記憶素子あるいは磁気記憶媒体あるいは光ディスクなどの各種記憶媒体および付随する駆動装置等を含むものである。
【0024】
データベース24は、作品(コンテンツ)に関する各種データあるいはユーザ端末に情報を提示するためのデータあるいはユーザの認証に関わるデータ等をそれぞれ記憶する種々のデータベースを含むものであって、処理手段21はサーバ2を運用するにあたり、これらデータベースに蓄積されている情報を適宜読み出したり更新したりする。なお、データベース24は記憶手段23の一部として実
現されていてもよい。
【0025】
処理手段21は、通信手段22からユーザ端末1に送信されるデータの生成やユーザ端末1から送信された各種要求や指示に応じた処理や後述の各種データベースに蓄積されている情報の管理や更新などを行なう手段であって、この処理手段21上で動作するソフトウェアによってデータベース24に蓄積される作品に関する権利者dに関する情報等の管理や対価の支払い等が行われる。これらの処理は前述のユーザ端末1と同様、記憶手段23に記憶されている各種プログラムによって行なわれる。
【0026】
なお、これら各種手段を有機的に結合したサーバ2としては、大規模な記憶装置や高速の処理が可能なCPUを備えた専用のサーバマシンであることが望ましいが、近年のCPUや各種情報機器の高性能化および低価格化を鑑みると、一般的なパーソナルコンピュータを転用してもよい。そのため、以下サーバ2については特に限定することなく本実施形態の説明を行なうが、サーバ2においては後述するように少なくともHTTPで種々のデータの伝送等を行なうWWW(World Wide Web)サーバプログラムが稼動しているものとする。また、サーバ2で行なわれるべき処理の種類は通常多岐にわたるため、処理の種別に応じて(例えば、ユーザへのインタフェース用、データベース用、ユーザ管理用、決済処理用など)複数の装置を複合的に組み合わせてサイトe側で運用するようにしてもよい。
【0027】
1−3.広域通信ネットワーク3
広域通信ネットワーク3は、例えばインターネットあるいは電話回線あるいは無線(衛星)通信回線等が適用可能であり、ユーザ端末1とサーバ2との間で相互にデータの送受信が行なえるものであればどのような形態のものであってもよい。そのため、以下広域通信ネットワーク3については特にその種別を特定することなく本実施形態の説明を行なうが、広域通信ネットワーク3は少なくとも前述のHTTPによる種々のデータの送受信が可能であるものであるとする。
【0028】
2.コンテンツ配信
次に、上記ユーザ端末1、サーバ2、広域通信ネットワーク3によって構成されたシステムにおいて実施されるコンテンツ配信について具体的に説明する。
【0029】
2−1.基本プロセス
まず、図3を参照して、ユーザ端末1とサーバ2とで行なわれる基本的な処理の流れを説明する。一般ユーザaあるいはbもしくは広告主cは、ユーザ端末1において、任意のサーバ上で稼動しているWWWサーバプログラムによって提供される各種情報を閲覧表示等をするためのソフトウェア(WWWブラウザ)を記憶手段13から読み出すとともに起動し、所定のURL(Uniform Resource Locator)を指定することによりサーバ2上で稼動しているWWWサーバプログラムが提供するサイトにアクセスする(ステップSA1)。
【0030】
サーバ2上のWWWサーバプログラムは、アクセスがあったことを検知するとともに、アクセスを行なったユーザ端末1に対して、必要に応じてユーザ認証を要求する(ステップSA2)。続いて、サーバ2は、アクセスされたURLに対応する、HTML等で記述され、文字あるいは画像あるいは音声等の種々の情報を、単独であるいは組み合わせてアクセスを行なったユーザに提示する情報提示データを読み出し、あるいは、記憶手段23に記憶されている所定のCGI(Common Gateway Interface)プログラム等を実行することによって前記情報提示データを生成し、この情報提示データがユーザ端末1に送信される(ステップSA3)。この際、ユーザ端末1に送信するHTML等で記述される情報提示データあるいは、情報提示データを生成するために必要な種々の情報等の読出し、あるいは、後述するフォーム入力によるユーザからの情報の登録等、必要に応じてデータベース24へのアクセスが行なわれる。
【0031】
ユーザ端末1においては、サーバ2から送信される上記情報提示データを受信し、後述の図6等に例示するような態様で種々の情報あるいはサービス画面がユーザ端末1上のWWWブラウザにおいて表示されるよう処理を行う(ステップSA4)。また必要に応じてフォームと呼ばれる表示領域に適宜情報等を入力し、この入力したものをサーバ2に対して送信する(ステップSA5)。サーバではフォーム入力を受信したことに応じて、適宜所定のCGIプログラムの実行する等が行なわれる(ステップSA3)。
【0032】
ユーザ端末1からのアクセス要求あるいはフォームの入力・送信に応じて、ユーザ端末1とサーバ2との間でなされる上記一連のプロセスによって、ユーザ端末1においてサーバ2が提供する種々のサービスを受けることができる。
【0033】
2−2.広告申込・登録サービス
次に、図4を参照して、サーバ2が広告主cとなるユーザに対して提供する広告申込サービスについて説明する。
【0034】
まず、広告主cはユーザ端末1を用いてサーバ2上の広告表示の申込サービスを提供するURLへアクセスし(ステップSB1)、サーバ2はこれに応じて広告表示の申込サービスに対応する情報提示データをデータベース24から読出してあるいはCGIプログラムの動作により生成して逐次ユーザ端末1へ送信する(ステップSB2)。なお、このときに送信される情報提示データに対応する表示画面例は特に図示しないが、少なくとも広告主を特定する情報(例えば企業名や電子メールのアドレスといった連絡先など)と、広告主が広告することを希望する画像や音声などの広告データの入力を促すフォームが含まれるものとする。前記情報提示データを受信した広告主cが使用するユーザ端末1は、広告申込画面を出力手段15であるCRTあるいはLCDに表示し(ステップSB3)、広告主cは必要事項を前記フォームに入力しサーバ2へ送信する(ステップSB4)。
【0035】
ユーザ端末1からのフォームを受信したサーバ2は、送信されてきた情報に不足しているものがあるか否かを確認し、送信されてきた情報に不足がある場合は、この時点で一連の広告申込・登録プロセスを一旦終了し、サーバ2はユーザ端末1に対して広告の申込・登録を最初からあるいはフォームへの諸情報の入力からやり直すよう要求する。送信されてきた情報に不足がない場合は、受信した情報に基づいてデータベース24上に広告情報を仮に登録する(ステップSB5)。データベース24上の広告情報は、広告主cを特定する情報と広告となる画像や音声等の広告データが関連付けられて記憶されるとともに、当該広告情報をサーバ2上で公開するか否かを設定するフラグが付与されたものであり、当該フラグが公開しないものと設定されている広告情報が前記仮に登録された広告情報である。広告情報を仮登録したサーバ2は、当該広告の申込をした広告主cに対して、広告情報を仮登録した(受け付けた)旨とともに広告料の請求を促す旨を通知する(ステップSB6,SB7)。
【0036】
広告主cは上記ステップSB6においてサーバ2より通知される広告料の請求において指定される所定の決済方法によって広告料の支払いを行なう(ステップSB8)。ここで、この決済方法は手続の簡素化の点からコンピュータネットワーク上に仮想的な“財布”を用意し、これを用いて金銭のやり取りを行なうネットワーク型の電子マネー等の電子決済手法を用いるのが望ましいが、既存の口座振込等の決済方法を用いてもよい。サーバ2では広告主cからの入金があったことを確認したこと(ステップSB9)に応じて、前記仮登録した広告情報を本登録(すなわち前記フラグを公開するものとして設定)する。広告主cから支払われる広告料のうち少なくとも一部は、後述する権利者への使用料の支払いに当てられる。そのため、サイトeは広告主cから支払われた広告料金額に関する情報もサーバ2上のデータベース24に同時に蓄積する。データベース24に本登録された広告主cが申し込んだ広告情報はサーバ2において適宜公開可能となる(ステップSB10)。サーバ2から広告主cに対して広告情報を本登録した旨を通知することにより一連の広告の申込および登録が完了する(ステップSB11,SB12)。
【0037】
なお、上記ステップSB5において広告情報を仮登録した後所定期間(例えば一週間)が経過した時点で広告主cからの広告料支払いが確認できなかった場合は、データベース24上から前記仮登録した広告情報を自動的に削除するようにしてもよい。また、ステップSB2において送信される情報提示データあるいはステップSB6等において送信される仮登録通知に、サーバ2において広告を表示することに対する契約内容等を提示し、広告主cをこの契約内容等に同意させた後に前記広告情報の仮登録などを行なうようにしてもよい。また、この契約内容等として、広告情報の有効期間といったものを定義し、当該有効期間に限り登録された広告情報を表示するように制御してもよい。
【0038】
2−3.一般ユーザへのサービス
サーバ2が一般ユーザに提供するサービスは、サーバ2上にユーザが作成したコンテンツを提供し当該コンテンツをサーバ2上で公開するサービス(アップロードサービス)と、サーバ2上に蓄積されているコンテンツを適宜配信せしめるサービス(ダウンロードサービス)との二種類に大別される。以下、コンテンツとして音楽あるいは楽曲などの演奏データをユーザ間で閲覧や授受等を行なう場合を例にとり、上記アップロードサービスおよびダウンロードサービスについて説明を行なう。
【0039】
2−3a.アップロードサービス
図5乃至図8を参照して、一般ユーザaがサイトeにコンテンツを提供するサービス(アップロードサービス)について説明する。本実施形態においては、コンテンツのアップロードに先立って、サーバ2は一般ユーザaに対してユーザ登録を行なうことを要求し、コンテンツのアップロードはユーザ登録を行なったもののみ可能であるよう制限をかけている。
【0040】
図5を参照して上記ユーザ登録を行なうプロセスを説明する。まず、一般ユーザaはユーザ端末1を用いてサーバ2のユーザ登録サービスを提供するURLへアクセスし(ステップSC1)、サーバ2はこれに応じてユーザ登録サービスに対応する情報提示データをデータベース24から読出してあるいはCGIプログラムの動作により生成し逐次ユーザ端末1へ送信する(ステップSC2)。この情報提示データを受信した一般ユーザaが使用するユーザ端末1は、図6に例示するようなユーザ登録画面を出力手段15であるCRTあるいはLCDに表示し(ステップSC3)、一般ユーザaは必要事項であるユーザ名FA1、電子メールのアドレスFA2、希望するパスワードFA3をキーボードやマウス等の入力手段14を用いて表示されるフォームの所定領域に入力する。入力された情報は、ポインティングデバイスなどで“送信する”と表示されたボタンFA4がクリックされたことにより所定の形式に符号化されてサーバ2へ送信され(ステップSC4)、“やり直し”と印字されたボタンFA5をクリックすることにより入力内容が初期状態(例えば全て空白の状態)にもどされる。
【0041】
フォームに入力された情報を受信したサーバ2は、送信されてきた情報に不足しているものがあるか否かを確認し、送信されてきた情報に不足がある場合は、この時点で一連のユーザ登録プロセスを一旦終了し、サーバ2はユーザ端末1に対してユーザ登録サービスへのアクセスを最初からあるいはフォームへの諸情報の入力からやり直すよう要求する(図示略)。送信されてきた情報に不足がない場合は、この情報に基づきユーザ情報を生成する(ユーザを特定するユーザIDの発効および当該ユーザIDが正規登録者であることを確認するためのパスワードの設定等)とともにデータベースに登録し(ステップSC5)、ユーザ登録が完了した旨を一般ユーザaに通知して(ステップSC6,SC7)、一般ユーザaのユーザ登録が完了する。このようにしてユーザ登録を行なったユーザは、サーバ2にコンテンツをアップロードすることが可能になる。
【0042】
なお、広告申込・登録サービスと同様に、ステップSC2において送信される情報提示データあるいはステップSC6等において送信される登録通知に、サーバ2においてコンテンツを公開することに対する契約内容等を提示し、一般ユーザaをこの契約内容等に同意させた後に前記ユーザ登録に関する情報の入力やユーザ登録などを行なうようにしてもよい。 また、ユーザ登録の際に一般ユーザaに入力を要求する情報としては、上記の例に限らずその他種々の情報(例えば年齢、性別、顔写真や自己紹介など)を入力させるようにしてもよい。
【0043】
次に図7を参照して一般ユーザaがサーバ2にコンテンツをアップロードするプロセスを説明する。
まず、一般ユーザaはユーザ端末1を用いてサーバ2の作品登録サービスを提供するURLへアクセスし(ステップSD1)、これに応じて、サーバ2はアクセスしたユーザ端末1に対してユーザ認証を要求する(ステップSD2)。一般ユーザaはユーザ端末1を用いて認証情報(典型的にはユーザIDとパスワード)を入力するとともにサーバ2へ送信し(ステップSD3)、サーバ2において入力された認証情報に一致する登録ユーザが存在するか否かを識別することによりユーザ認証がなされる(ステップSD4)。
【0044】
ユーザ認証の結果、登録ユーザでないと識別された場合は、この時点で一連の作品登録プロセスを一旦終了し、サーバ2はユーザ端末1に対して作品登録サービスへのアクセスを最初からあるいは認証情報の入力からやり直すよう要求する(図示略)。ユーザ認証の結果登録ユーザであると識別された場合は、サーバ2は作品登録サービスに対応する情報提示データをデータベース24から読出して逐次ユーザ端末1へ送信する(ステップSD5)。この情報提示データを受信したユーザ端末1(上のWWWブラウザ)は、図8に例示するような作品登録画面を出力手段15であるCRTあるいはLCDに表示し(ステップSC3)、一般ユーザaに対してアップロードする作品に関する情報およびアップロードする作品の指定を行なうよう促す。
【0045】
図8において、FB1はコンテンツの作品名を入力する領域であり、一般ユーザaはこの入力領域に適宜コンテンツの作品名を入力する。FB2aおよびFB2bはコンテンツに他の権利者dが存在するか否か(音楽の場合は既成曲で有るか否か)を択一的に指定するラジオボタンであり、図8では他の権利者が存在すること(既成曲であること)が指定されている。FB3乃至FB7はコンテンツの元となった作品に関する情報を入力する領域であり、一般ユーザaは、例えば原曲名FB3,原曲を演奏等したアーティスト名FB4,作詞者FB5,作曲者FB6などを入力する。
【0046】
FB7a乃至FB9は、アップロードするコンテンツそのものに関する情報を入力する領域である。FB7a乃至FB7dはコンテンツのデータ形式を択一的に指定するラジオボタン及びセレクタであり、図8では音声データ圧縮方式であるSound VQ(ヤマハ株式会社の登録商標)あるいは同MP3(MPEG Audio Layer−3)あるいは演奏データ記録方式であるMIDI(Musical Instruments Digital Interface)の3種類の中からいずれかを選択するよう促している。なお、MIDIについては幾つかの規格が存在するためセレクタFB7dによってコンテンツに対応する規格を選択可能にしている。FB8,FB9はサーバ2に登録するコンテンツをユーザ端末1の記憶手段13等から選択する機能を提供するものである。“参照”と印字されたボタンFB8をポインティングデバイス等でクリックすることに応じて記憶手段13に記憶されたファイルを参照ならびに選択することができ、選択されたファイルは表示領域FB9に表示される。また、領域FB9に直接ファイル名を指定することでコンテンツの指定を行なうことも可能である。
【0047】
以上のフォームに入力された情報はマウス等のポインティングデバイスなどで“アップロード”と印字されたボタンFB10がクリックされたことに応じて、FB9に表示された選択されたコンテンツが、フォームに入力された他の情報とともに所定の形式に符号化されサーバ2に送信され(ステップSD7)、“クリア”と印字されたボタンFB11をクリックすることにより入力内容が初期状態(例えば全て空白の状態)にもどされる。
【0048】
サーバ2は受信したフォームデータを少なくともコンテンツとそれ以外の他の情報に分離し、送信されてきた情報に不足しているものがあるか否かを確認し、送信されてきた情報に不足がある場合は、この時点で一連の作品登録プロセスを一旦終了し、サーバ2はユーザ端末1に対して作品のアップロード作業をを最初からあるいはフォームへの諸情報の入力からやり直すよう要求する(図示略)。送信されてきた情報に不足がない場合は、コンテンツとそれ以外の送信された他の情報およびサーバ2上で適宜付与される情報(コンテンツを一意に特定するIDやアップロードされた日あるいは公開された日やファイルのサイズ等)を関連付けてそれぞれデータベース24に登録する(ステップSD8)。続いてアップロードしたコンテンツをデータベース24に登録したことをユーザ端末1に通知して(ステップSD9,SD10)一般ユーザaからのコンテンツのアップロードが完了する。
【0049】
ステップSD8のコンテンツの登録の際、当該コンテンツに関する権利者dの特定も行なわれる。データベース24には権利者d自身に関する情報(例えば権利者dの氏名および決済方法など)と権利者dが権利を有するコンテンツに関する情報が関連付けられて蓄積されており、一般ユーザaがFB2乃至FB6に入力したアップロードするコンテンツに関する情報と前記データベース24に蓄積されている権利者d自身および権利者dが権利を有するコンテンツに関する情報との一致を検出して権利者dの特定を行なう(図示略)。
【0050】
ここで、上記データベース24に蓄積されている情報に対応する権利者dは、当該権利者dとサイトeとの間で、権利を有するコンテンツに関する情報の通知および権利を保有するコンテンツがダウンロードされることに対する使用料の算出方法あるいは使用料等の清算方法等について、予め契約あるいは取決めを交わしており、当該契約あるいは取決めの内容が前記情報として蓄積されているものとする。また、一般ユーザaによって他の権利者が存在するとされていたにも関わらず、サイトeにおいて権利者dの特定が不可能なコンテンツ(例えばデータベース24に登録されていない権利者dが権利を有するコンテンツ)については、コンテンツのダウンロードによって権利者dの諸権利を害する蓋然性が高いため、このようなコンテンツは公開されないよう制御するようにしてもよい。
【0051】
なお、広告申込・登録サービスと同様に、ステップSD5において送信される情報提示データあるいはステップSD9において送信される登録通知等に、サーバ2においてコンテンツを公開することに対する契約内容等を提示し、一般ユーザaをこの契約内容等に同意させた後に前記コンテンツに関する情報の入力やコンテンツの登録などを行なうようにしてもよい。また、コンテンツの登録の際に一般ユーザaに入力を要求する情報は、上記例に限らず種々の情報(例えばコンテンツの音楽ジャンル、使用している楽器の種類等)を入力させるようにしてもよい。
【0052】
2−3b.ダウンロードサービス
図9および図10を参照して、一般ユーザbがサーバ2上に蓄積されているコンテンツの配信を受けるサービス(ダウンロードサービス)について説明する。
【0053】
まず、一般ユーザbはユーザ端末1を用いてサーバ2の作品一覧表示を提供するURLへアクセスし(ステップSE1)、これに応じて、サーバ2はその時点で登録され公開可能なコンテンツの一覧をデータベース24から取得する(ステップSE2)。続いてデータベース24から上記広告主cが申し込みサーバ2に登録した広告情報を読出し(ステップSE3)、コンテンツの一覧と広告情報を含む情報提示データをユーザ端末1に対して送信する(ステップSE4)。この情報提示データを受信したユーザ端末1は、図10に例示するような作品一覧画面を出力手段15であるCRTあるいはLCDに表示する(ステップSE5)。
【0054】
図10は2つのコンテンツを表示した作品一覧画面の一例であり、列方向に各コンテンツに関する種々の情報を表示した行列形式で2つのコンテンツを表示したものである。列FC1はコンテンツをアップロードした一般ユーザaが入力した曲名を表示する領域であり、列FC2はコンテンツを登録したユーザ名(プレイヤー名)を表示する領域であり、列FC3は対応するコンテンツが過去何回ダウンロードされたかを表す配信された回数(試聴回数)を表示する領域であり、列FC4は対応するコンテンツがアップロードされたことに応じてサーバ2が適宜付与する当該コンテンツが公開された日を表示する領域であり、列FC5はコンテンツをアップロードした一般ユーザaが選択したコンテンツのデータ形式(図中“MP3”はデータ形式がMP3であることを表し、“SVQ”はデータ形式がSound VQであることを表す)を表示する領域であり、列FC6はコンテンツがアップロードされたことに応じてサーバ2においてコンテンツのデータを参照することによって適宜付与される当該コンテンツの再生時間を表示する領域である。一覧画面下部の表示領域FC9は、前記広告主cが登録した広告情報を配置する領域である。なお、一覧表示するコンテンツの個数は2つに限らず任意個数表示してよいし、各コンテンツについて他の情報(例えば音楽ジャンルなど)を表示するようにしてもよく、図8の表示態様にとらわれず任意の態様でもってコンテンツの一覧を表示するようにしてもよい。
【0055】
列FC7には、例えばそれぞれデータベース24上に蓄積されているコンテンツを特定可能な前記IDなどの情報が付与された再生ボタンFC8が各コンテンツに対応して表示され、この再生ボタンFC8をマウス等でクリックすることで、ダウンロードするコンテンツを選択するとともにダウンロード要求がサーバ2に送信される(ステップSE6)。サーバ2は、ユーザ端末1からのダウンロード要求を受信したことに応じて、データベース24内に蓄積されている当該コンテンツに関するダウンロード回数に対応する値を更新し、データベース24から対応するコンテンツを読出すとともにユーザ端末1に送信し(ステップSE7)、ユーザ端末1においてこの送信されたコンテンツの受信ならびに再生が行なわれ(ステップSE8)、一般ユーザbに対するコンテンツのダウンロードが完了する。
【0056】
なお、広告申込・登録サービスと同様に、ステップSE4において送信される情報提示データに、サーバ2においてコンテンツを公開することに対する契約内容等を提示し、一般ユーザbをこの契約内容等に同意させた後に前記コンテンツのダウンロード等を行なうようにしてもよい。
【0057】
また、データベース24上に蓄積され、一般ユーザbに送信される種々のデータ(広告主cが登録する広告情報や一般ユーザaがアップロードするコンテンツ等)は、不正使用などを事後においても検出できるよう、データベース24に蓄積された時点あるいは一般ユーザbに送信される時点において、これらデータの著作者あるいは権利者を示す電子的な透かし情報を付与するようにしてもよい。特に、一般ユーザaがアップロードするコンテンツについては所定の暗号化(スクランブル処理)等を行ない、サイトeが指定する所定の再生プログラムでのみ再生可能な形式に変換した後に、一般ユーザbに提供することが望ましい。前記所定の再生プログラムはWWWブラウザに機能を追加するプラグインとして提供されるものでも、WWWブラウザとは独立に動作するアプリケーションであってもよいが、ダウンロードされたコンテンツを再生等する際、一般ユーザbが使用するユーザ端末1上にコンテンツを固定的に保持せず、受信するコンテンツを逐次再生・消費する例えばストリーム配信方式等でコンテンツを再生等することが望ましい。
【0058】
2−4.使用料などの支払い
次に、図11を参照して、サーバ2に蓄積されたコンテンツに関する権利者に対して、当該コンテンツの使用料を支払う処理について説明する。コンテンツに関する権利者への使用料等の支払いは、例えば月毎といった単位で定期的に、データベース24に蓄積されているコンテンツについてそれぞれ実行されるものである。
【0059】
まず、処理対象となっているコンテンツについて、前回この処理を行なった後新たに配信が行なわれたか否かを識別する(ステップSF1)。この識別は、例えば、処理対象となっているコンテンツの配信回数をデータベース24から取得し、前回の処理を行なった時点における配信回数から変化があるか否かを検出することによって行なわれる。この識別の結果、配信実績がないと識別された場合(ステップSF2:No)は、今回の処理によって当該コンテンツに関する使用料等の支払いを行なう必要がないため、処理対象となっているコンテンツに対する処理を終了する。一方、配信実績があった(ステップSF2:Yes)と識別された場合は当該コンテンツに関する権利者情報をデータベース24から取得する(ステップSF3)。ここでいう権利者情報とは、前記アップロードサービスにおいて、一般ユーザaがラジオボタンFB2aおよびFB2bによって指定するコンテンツに他の権利者dが存在するか否かに関する情報である。
【0060】
権利者情報において他の権利者dが存在しないものとされている場合(ステップSF4:No)は、本実施形態においては使用料等を支払う必要がないので処理対象となっているコンテンツに対する処理を終了する。一方、他の権利者dが存在するとされている場合(ステップSF4:Yes)は、当該権利者dに対して使用料等を支払う必要があるので、データベース24から適宜前記権利者d自身に関する情報や、権利者dとサイトeとの間で交わされた使用料等の算出方法などを読出し、権利者dに支払う使用料等の算出および算出された使用料等の支払い処理を行う(ステップSF5)。支払い方法としては前記電子決済手法や口座振込み等、権利者とサイトeとの間で定められた所定の支払い方法が用いられる。また、使用料等の支払いの際、支払いの内訳を明確化するために支払い対象となったコンテンツおよび当該コンテンツの配信回数などが権利者dに通知される。
【0061】
なお、使用料等の算出方法としては、例えばコンテンツのダウンロード回数に応じて所定金額を積算する方法、あるいはコンテンツのダウンロード回数に関わらず所定金額を計上する方法、あるいは同一の権利者が複数のコンテンツに関する権利を保有している場合でもダウンロードされたコンテンツの数やコンテンツのダウンロード回数に関わらず所定金額を計上する方法等が採用可能であり、所定金額としては例えば固定的に定められている金額、あるいは広告主cからの広告料のうちの所定比率の金額あるいはこれらの組み合わせなどが適用される。使用料等の算出方法あるいは使用料等の支払い方法は、全ての権利者について固定的に定めてもよいし、各権利者についてそれぞれ異なる方法を採用してもよい。
【0062】
2−5.実施態様の効果
上記実施形態によれば、一般ユーザaは、サイトeにアップロードするコンテンツについて、当該コンテンツに関連する他の権利者に対する処理をサイトeに一任すればよいため、自らがアップロードするコンテンツに関する権利関連の配慮が最小限ですむため、気軽にサイトeに自らが作成したコンテンツをアップロードすることができる。また、一般ユーザbは、サイトeからコンテンツをダウンロードするに当たり、当該コンテンツをダウンロードするといった行為に対する使用料等がサイトeが広告主cから徴収する広告料から支払われるため無償でコンテンツのダウンロードサービスを受けることができ、気軽にサイトeにおいて公開されているコンテンツをダウンロードすることができる。また、広告主cは、サイトeが一般ユーザaあるいは一般ユーザbに対して上記求心力のあるコミュニティスペースを提供するものであるため、広告料の代償として、多数のユーザに対して広告を行なうことが可能になる。さらに、権利者dは、サイトeにおいて登録されるコンテンツが権利者dの保有する権利に関するものであるかが判断され、当該コンテンツのダウンロードに応じて適切に使用料等がサイトeから支払われるため、権利者dが前記コンテンツに関して保有する権利によって本来得られる利益を適切に受けることができる。
【0063】
3.変形例
上記実施形態において、サーバ2に蓄積されたコンテンツのダウンロードに対する使用料などは、当該コンテンツをアップロードした一般ユーザa以外のコンテンツに関する権利者dのみに支払われるようにしていたが、上記権利者dとして前記コンテンツをアップロードした一般ユーザaをも含むようにしてもよい。ここで、一般ユーザaに対して支払う使用料等は上記2−4.節で説明したものと同様に、コンテンツの配信実績に基づき適宜算出される金額を所定の支払い方法で支払うようにすればよい。このようにすることで、一般ユーザaは自らが作成したコンテンツを広く公開する場を利用できるばかりではなく、サイトeから自らのコンテンツがダウンロードされることによっていくらかの報酬をさらに受けることができるので、サイトeは一般ユーザaにとってより利用しがいのあるサイトとなる。なお、この場合、一般ユーザaに対しては、ユーザ登録時あるいはコンテンツアップロード時において、アップロードを行なうコンテンツに対する上記使用料等の分配を希望するか否かを選択させ、使用料等の分配を希望した一般ユーザaに対してのみ、使用料等の算出および支払いを行なうようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態において、サイトeと一般ユーザa,b,広告主cとの間ではHTTPにより種々の情報がやり取りされるが、通信プロトコルはこれに限らずFTP(File Transfer Protocol)やSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)/POP(Post Office Protocol)やデータ放送など、サイトeとユーザ間で種々のデータをやり取りできるものであればどのようなものであってもよいし、複数の通信態様や通信プロトコルを組み合わせて用いるものであってもよい。また、上記実施形態において説明したHTTP等は基本的に平文でデータの授受を行なうものであり、サイトeとの間でやり取りされる情報が第三者に漏洩する可能性がある。そこで、ユーザのプライバシィを保護するといった観点から、サイトeとユーザとの間のデータの伝送の全てあるいは一部を、SSL(Secure Sockets Layer)等の暗号化が施された形式でデータの伝送をするプロトコルで行なうようにしてもよい。
【0065】
また、上記実施形態において、一般ユーザbが作品一覧表示を提供するURLへアクセスし、コンテンツの一覧を表示させた場合にのみ広告情報の提示を行なっていたが、広告情報の提示はこれに限らず、ユーザ登録時やコンテンツ登録時や広告の申込・登録時においても適宜表示されるようにしてもよい。また、ユーザ端末1がGUI(Graphical User Interface)等の複数の表示画面の同時表示をサポートしている場合、広告情報の提示用の表示画面をユーザ端末1において表示させるように制御を行なってもよい。また、広告主cが複数存在する場合など、ユーザに対して提示すべき広告情報が複数存在する場合は、サーバ2へのアクセスがなされる度にこれらの広告情報を登録順に、あるいはランダムに、あるいは提示頻度の低い順にユーザ端末1に提示させてもよい。
【0066】
また、以上本発明の好適な実施形態および変形例について説明を行なったが、本発明は上記実施形態および変形例になんら限定されるものではなく、用いられるハードウェアや処理の手順等について適宜変更可能であり、図を参照して説明したサーバ2上の処理はその処理の内容あるいは順序は適宜変更可能である。
【0067】
例えば、サーバ2からユーザ端末1に送信される情報提示データとして、HTML等の言語で記述されたもののみならず、ユーザ端末1上で実行可能なスクリプトプログラムあるいはアプレットをも含ませ、例えばフォーム入力内容の不足の検出や表示内容の配置制御等の一部の処理を、ユーザ端末1上で動作するこれらスクリプトプログラムあるいはアプレットによって実行するようにしてもよい。
【0068】
あるいは、上記実施形態ではユーザ端末1をパーソナルコンピュータとして説明したが、前述したとおり、ゲーム機器あるいは携帯電話やPDAなどの可搬の情報端末あるいは固定設置型の電話器やFAX装置あるいは店頭等に設置されるキオスク型の端末装置などであっても構わないし、これらの端末機器が複数種類混在した形態であってもよい。ユーザ端末1として複数種類の端末機器が混在する場合は、サーバ2は必要に応じて各種端末装置それぞれに対応したサーバプログラム等を稼動させるようにしてもよい。また、各種端末装置に対して好適な作
品の提示形態あるいは作品の閲覧形態等を提供するようにしてもよい。
【0069】
なお、以上説明した本発明は、上記コンテンツを配信するためのシステムにおけるサーバ装置、あるいは該サーバ装置において上記コンテンツを配信する方法、あるいは該サーバ装置において上記コンテンツを配信するための処理を実行するためのコンピュータプログラムを記憶した該サーバ装置において読み取り可能な記録媒体あるいは伝送媒体上を伝送する当該コンピュータプログラムもしくは前記コンピュータプログラム自体として実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に関連する関係者間の相関を示した図である。
【図2】本発明に好適な実施形態が適用されるシステムを示した図である。
【図3】ユーザ端末1とサーバ2との間における基本的な処理の流れを説明した図である。
【図4】広告主cがサイトeに対して広告の申込および登録を行なう処理の流れを説明する図である。
【図5】一般ユーザaがサイトeにユーザ登録を行なう処理の流れを説明する図である。
【図6】ユーザ端末1において表示される表示画面を例示した図である。
【図7】一般ユーザaがサイトeにコンテンツをアップロードする処理の流れを説明する図である。
【図8】ユーザ端末1において表示される表示画面を例示した図である。
【図9】一般ユーザbがサイトeからコンテンツをダウンロードする処理の流れを説明する図である。
【図10】ユーザ端末1において表示される表示画面を例示した図である。
【図11】サイトeが権利者dに対して支払う使用料等に関する処理を説明する図である。
【符号の説明】
【0071】
a…一般ユーザ(コンテンツをアップロードするユーザ)、b…一般ユーザ(コンテンツをダウンロードするユーザ)、c…広告主(広告情報の供給および広告料の支払いを行なうユーザ)、d…権利者(コンテンツに関する権利を有するユーザ)、e…サイト、1…ユーザ端末、2…サーバ、3…広域通信ネットワーク、11,21…処理手段、12,22…通信手段、13,23…記憶手段、24…データベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して相互に各種情報の授受が可能なサーバ装置と複数のユーザ端末とにより構成されたコンテンツ配信システムにおける前記サーバ装置であって、
第1のユーザ端末から、コンテンツと、当該コンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者を指定する権利者情報であって当該権利者が前記第1のユーザ端末の利用者であるか他の権利者であるかを指示する情報とを受け付ける手段と、
第2のユーザ端末からコンテンツの配信要求を受け付ける手段と、
前記受け付けたコンテンツを同時に受け付けた前記権利者情報に対応付けて記憶する手段と、
前記受け付けたコンテンツの配信要求に応じて、前記記憶されたコンテンツのうち要求されたコンテンツを読み出して、該要求を行った第2のユーザ端末に対して配信する手段と、
当該サーバ装置を運用する事業者が支払う前記配信されたコンテンツの使用料の支払い先を決定する手段であって、当該配信されたコンテンツに対応する権利者情報を参照して、該権利者情報が前記第1のユーザ端末の利用者を指示するものであった場合は、前記第1のユーザ端末の利用者をコンテンツ使用料の支払い先として決定し、他の場合は権利者情報が指示する権利者をコンテンツ使用料の支払い先として決定する手段と
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記支払い先を決定する手段は、さらに、前記配信されたコンテンツを提供した前記第1のユーザ端末の利用者を第2のコンテンツ使用料の支払い先として決定することを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
広告供給者から供給される広告情報を記憶する手段と、
いずれかの前記ユーザ端末に対して前記記憶された広告情報を配信する手段と
を備え、
前記広告供給者から入金される広告料の少なくとも一部を前記使用料として前記決定された権利者に分配されることを特徴とする請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
通信ネットワークを介して相互に各種情報の授受が可能なサーバ装置と複数のユーザ端末とにより構成されたコンテンツ配信システムにおける前記サーバ装置であって、
第1のユーザ端末から、コンテンツと、当該コンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者であって前記第1のユーザ端末の利用者とは異なる権利者を指定する権利者情報とを受け付ける手段と、
第2のユーザ端末からコンテンツの配信要求を受け付ける手段と、
前記受け付けたコンテンツを同時に受け付けた前記権利者情報に対応付けて記憶する手段と、
前記受け付けたコンテンツの配信要求に応じて、前記記憶されたコンテンツのうち要求されたコンテンツを読み出して、該要求を行った第2のユーザ端末に対して配信する手段と、
当該サーバ装置を運用する事業者が支払う前記配信されたコンテンツの使用料の支払い先を決定する手段であって、当該配信されたコンテンツに対応する権利者情報を参照して、該権利者情報が指示する前記第1のユーザ端末の利用者とは異なる他の利用者をコンテンツ使用料の支払い先として決定する手段と
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
コンピュータに、
第1のユーザ端末から、コンテンツと、当該コンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者を指定する権利者情報であって当該権利者が前記第1のユーザ端末の利用者であるか他の権利者であるかを指示する情報とを受け付ける手順と、
第2のユーザ端末からコンテンツの配信要求を受け付ける手順と、
前記受け付けたコンテンツを同時に受け付けた前記権利者情報に対応付けて記憶する手順と、
前記受け付けたコンテンツの配信要求に応じて、前記記憶されたコンテンツのうち要求されたコンテンツを読み出して、該要求を行った第2のユーザ端末に対して配信する手順と、
当該サーバ装置を運用する事業者が支払う前記配信されたコンテンツの使用料の支払い先を決定する際に、当該配信されたコンテンツに対応する権利者情報を参照して、該権利者情報が前記第1のユーザ端末の利用者を指示するものであった場合は、前記第1のユーザ端末の利用者をコンテンツ使用料の支払い先として決定し、他の場合は権利者情報が指示する権利者をコンテンツ使用料の支払い先として決定する手順と
を実行させるためのプログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
第1のユーザ端末から、コンテンツと、当該コンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者であって前記第1のユーザ端末の利用者とは異なる権利者を指定する権利者情報とを受け付ける手順と、
第2のユーザ端末からコンテンツの配信要求を受け付ける手順と、
前記受け付けたコンテンツを同時に受け付けた前記権利者情報に対応付けて記憶する手順と、
前記受け付けたコンテンツの配信要求に応じて、前記記憶されたコンテンツのうち要求されたコンテンツを読み出して、該要求を行った第2のユーザ端末に対して配信する手順と、
広告供給者から供給される広告情報を記憶する手順と、
いずれかの前記ユーザ端末に対して前記記憶された広告情報を配信する手順と、
当該サーバ装置を運用する事業者が支払う前記配信されたコンテンツの使用料の支払い先を決定する際に、当該配信されたコンテンツに対応する権利者情報を参照して、該権利者情報が指示する前記第1のユーザ端末の利用者とは異なる他の利用者をコンテンツ使用料の支払い先として決定する手順と、
前記広告供給者から入金される広告料の少なくとも一部を前記使用料として前記決定された権利者に分配する手順と
を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
通信ネットワークを介して相互に各種情報の授受が可能なサーバ装置と複数のユーザ端末とにより構成されたコンテンツ配信システムにおける前記サーバ装置であって、
第1のユーザ端末から、コンテンツと、当該コンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者を指定する権利者情報であって当該権利者が前記第1のユーザ端末の利用者であるか他の権利者であるかを指示する情報とを受け付ける手段と、
第2のユーザ端末からコンテンツの配信要求を受け付ける手段と、
前記受け付けたコンテンツを同時に受け付けた前記権利者情報に対応付けて記憶する手段と、
前記受け付けたコンテンツの配信要求に応じて、前記記憶されたコンテンツのうち要求されたコンテンツを読み出して、該要求を行った第2のユーザ端末に対して配信する手段と、
当該サーバ装置を運用する事業者が支払う前記配信されたコンテンツの使用料の支払い先を決定する手段であって、当該配信されたコンテンツに対応する権利者情報を参照して、該権利者情報が前記第1のユーザ端末の利用者を指示するものであった場合は、前記第1のユーザ端末の利用者をコンテンツ使用料の支払い先として決定し、他の場合は権利者情報が指示する権利者をコンテンツ使用料の支払い先として決定する手段と
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記支払い先を決定する手段は、さらに、前記配信されたコンテンツを提供した前記第1のユーザ端末の利用者を第2のコンテンツ使用料の支払い先として決定することを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
広告供給者から供給される広告情報を記憶する手段と、
いずれかの前記ユーザ端末に対して前記記憶された広告情報を配信する手段と
を備え、
前記広告供給者から入金される広告料の少なくとも一部を前記使用料として前記決定された権利者に分配されることを特徴とする請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
通信ネットワークを介して相互に各種情報の授受が可能なサーバ装置と複数のユーザ端末とにより構成されたコンテンツ配信システムにおける前記サーバ装置であって、
第1のユーザ端末から、コンテンツと、当該コンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者であって前記第1のユーザ端末の利用者とは異なる権利者を指定する権利者情報とを受け付ける手段と、
第2のユーザ端末からコンテンツの配信要求を受け付ける手段と、
前記受け付けたコンテンツを同時に受け付けた前記権利者情報に対応付けて記憶する手段と、
前記受け付けたコンテンツの配信要求に応じて、前記記憶されたコンテンツのうち要求されたコンテンツを読み出して、該要求を行った第2のユーザ端末に対して配信する手段と、
当該サーバ装置を運用する事業者が支払う前記配信されたコンテンツの使用料の支払い先を決定する手段であって、当該配信されたコンテンツに対応する権利者情報を参照して、該権利者情報が指示する前記第1のユーザ端末の利用者とは異なる他の利用者をコンテンツ使用料の支払い先として決定する手段と
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
コンピュータに、
第1のユーザ端末から、コンテンツと、当該コンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者を指定する権利者情報であって当該権利者が前記第1のユーザ端末の利用者であるか他の権利者であるかを指示する情報とを受け付ける手順と、
第2のユーザ端末からコンテンツの配信要求を受け付ける手順と、
前記受け付けたコンテンツを同時に受け付けた前記権利者情報に対応付けて記憶する手順と、
前記受け付けたコンテンツの配信要求に応じて、前記記憶されたコンテンツのうち要求されたコンテンツを読み出して、該要求を行った第2のユーザ端末に対して配信する手順と、
当該サーバ装置を運用する事業者が支払う前記配信されたコンテンツの使用料の支払い先を決定する際に、当該配信されたコンテンツに対応する権利者情報を参照して、該権利者情報が前記第1のユーザ端末の利用者を指示するものであった場合は、前記第1のユーザ端末の利用者をコンテンツ使用料の支払い先として決定し、他の場合は権利者情報が指示する権利者をコンテンツ使用料の支払い先として決定する手順と
を実行させるためのプログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
第1のユーザ端末から、コンテンツと、当該コンテンツの作成元のオリジナルコンテンツに関する権利者であって前記第1のユーザ端末の利用者とは異なる権利者を指定する権利者情報とを受け付ける手順と、
第2のユーザ端末からコンテンツの配信要求を受け付ける手順と、
前記受け付けたコンテンツを同時に受け付けた前記権利者情報に対応付けて記憶する手順と、
前記受け付けたコンテンツの配信要求に応じて、前記記憶されたコンテンツのうち要求されたコンテンツを読み出して、該要求を行った第2のユーザ端末に対して配信する手順と、
広告供給者から供給される広告情報を記憶する手順と、
いずれかの前記ユーザ端末に対して前記記憶された広告情報を配信する手順と、
当該サーバ装置を運用する事業者が支払う前記配信されたコンテンツの使用料の支払い先を決定する際に、当該配信されたコンテンツに対応する権利者情報を参照して、該権利者情報が指示する前記第1のユーザ端末の利用者とは異なる他の利用者をコンテンツ使用料の支払い先として決定する手順と、
前記広告供給者から入金される広告料の少なくとも一部を前記使用料として前記決定された権利者に分配する手順と
を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−134333(P2006−134333A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−321265(P2005−321265)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【分割の表示】特願2000−383701(P2000−383701)の分割
【原出願日】平成12年12月18日(2000.12.18)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【分割の表示】特願2000−383701(P2000−383701)の分割
【原出願日】平成12年12月18日(2000.12.18)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
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