説明

サーバ装置

【課題】各ユーザが他のユーザの基本情報を参照する際の利便性を向上させ、各ユーザの基本情報の機密性を保つ。
【解決手段】各クライアントのユーザの基本情報をサーバ1の住所録データベース部に記憶する。他のユーザの基本情報を参照したいユーザがクライアント2を介して自身に固有のユーザIDおよび更新用パスワードを用いてログインした上で、自身の住所録インデックス上の所望のユーザIDを選択した上で、このユーザIDと対応付けられる参照用パスワードを正しく入力する。するとサーバ1は、このユーザIDと基本情報データベース上で対応付けられる基本情報をクライアント2に返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各ユーザの住所などの基本情報を管理するサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば年賀状などの郵便物を発送するユーザは住所録を参照する。この住所録には各個人の基本情報が記載される。基本情報とは例えば氏名、住所および電話番号などである。例えば、この住所録に記載されている個人が引っ越した場合には、この引っ越した個人の住所や電話番号が変わる。引越しが完了した個人は、自分に郵便物を送る各ユーザに対し住所や電話番号が変更になった旨を口頭や文書により伝達する。この伝達を受けた各個人は、自身の住所録に記載される前述した伝達者の住所や電話番号の内容を当該伝達された内容に書き換える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述したような手法では、住所などが変更になった個人は住所や電話番号の変更を複数の個人に速やかに伝えなければならないので作業負荷が大きい。これを解消するために、各ユーザの基本情報をネットワークシステム上のサーバに記憶させておく技術がある。この技術では、サーバとネットワーク接続された端末装置からサーバに対するアクセスを行なうことで、各個人の基本情報を取り出して端末装置にモニタ表示させる。
【0004】
しかしながら、この技術では、サーバとネットワーク接続されている端末装置を所有するユーザは、郵便物の差出などを行なう相手の基本情報を得るための検索作業を行なわなければならなかった。
【0005】
また、この技術では、前述した端末装置を所有するユーザは、サーバに記憶されている各ユーザの基本情報を自由に検索できる。このため、各ユーザの基本情報の機密性が損なわれてしまう。
【0006】
そこで、本発明の目的は、各ユーザが他のユーザの基本情報を参照する際の利便性を向上させ、各ユーザの基本情報の機密性を保つことが可能になるサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明に係わるサーバ装置は、端末装置の利用者に固有の識別情報と当該利用者の基本情報とを対応付けて記憶する基本情報記憶手段と、識別情報を異なる利用者の識別情報と対応付けて記憶する識別情報記憶手段とを備え、端末装置から出力された認証情報が当該端末装置の利用者の識別情報と対応付けられて基本情報記憶手段に記憶されていることを認証した場合に、この識別情報と対応付けられて識別情報記憶手段に記憶される情報である異なる利用者の識別情報を認証情報の出力元の端末装置からの要求にしたがって出力し、この出力した識別情報から選択されて前記出力元の端末装置から出力された識別情報と当該端末装置からさらに出力された出力用認証情報とが対応付けられて基本情報記憶手段に記憶されていることを認証した場合に、前述のように選択された識別情報と対応付けられて基本情報記憶手段に記憶される基本情報を前述した出力元の端末装置に出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係わるサーバ装置では、端末装置の利用者に固有の識別情報と当該利用者の基本情報とを対応付けて記憶する基本情報記憶手段と、識別情報を異なる利用者の識別情報と対応付けて記憶する識別情報記憶手段とを備え、端末装置から出力された認証情報が当該端末装置の利用者の識別情報と対応付けられて基本情報記憶手段に記憶されていることを認証した場合に、この識別情報と対応付けられて識別情報記憶手段に記憶される情報である異なる利用者の識別情報を認証情報の出力元の端末装置からの要求にしたがって出力し、この出力した識別情報から選択されて前記出力元の端末装置から出力された識別情報と当該端末装置からさらに出力された出力用認証情報とが対応付けられて基本情報記憶手段に記憶されていることを認証した場合に、前述のように選択された識別情報と対応付けられて基本情報記憶手段に記憶される基本情報を前述した出力元の端末装置に出力するので、各ユーザが他のユーザの基本情報を参照する際の利便性を向上させ、各個人の基本情報の機密性を保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムの構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムは、サーバ1とクライアント2,3,4,5および他の図示しないクライアントがネットワーク10を介して接続される。各クライアントは例えばデスクトップ型のパーソナルコンピュータである。各クライアントはサーバ1との通信機能を有する通信端末であれば例えば携帯電話などであってもよい。
【0010】
サーバ1は各クライアントのユーザの基本情報を管理する。基本情報とは各ユーザの氏名や住所などである。サーバ1および各クライアントの間では、住所録の更新および参照などにかかる情報を暗号化した上で、これを有線または無線により通信する。
【0011】
各クライアントのうち例えばクライアント2は自身の基本情報の更新のための認証情報をサーバ1に送信する。この認証情報は予めサーバ1が発行した情報である。サーバ1は各ユーザの基本情報と当該基本情報の更新のための認証情報とを対応付けて記憶する。
【0012】
クライアント2は、自身の基本情報の更新のための認証情報の承認をサーバ1から得た上で、自身の基本情報の更新をサーバ1に要求する機能を有する。この要求は基本情報の更新内容を含む。サーバ1は、更新対象の基本情報を検索してこれをクライアント2から送信された内容に書き換える。
【0013】
また、クライアント2,3,4,5のうち例えばクライアント3は、他のユーザ、例えばクライアント2のユーザの基本情報の出力のための認証情報をサーバ1に送信する。サーバ1は、各ユーザの基本情報と当該基本情報の出力のための認証情報とを対応付けて記憶する。
【0014】
クライアント3は、基本情報の出力のための認証情報の承認をサーバ1から得た上で、この基本情報の出力をサーバ1に要求する。この要求は、出力対象の基本情報にかかるユーザの識別情報を含む。サーバ1は、出力対象のクライアント2のユーザの基本情報を読み出して、これを要求元のクライアント3に出力する。
【0015】
図2は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのサーバ1の内部回路の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、サーバ1は全体を制御する制御部11を備える。サーバ1は記憶部12、通信インタフェース13および住所録データベース部14を備える。
【0016】
制御部11は図示しない計時用回路を備える。記憶部12は制御用のプログラムを記憶する。通信インタフェース13は各クライアントとの通信を行なう。住所録データベース部14は各クライアントの各ユーザの基本情報を記憶する。基本情報とは氏名、住所および電話番号、Eメールアドレスなどである。住所録データベース部14は、基本情報データベース、住所録インデックス、参照可否インデックスおよび被参照ログを記憶する。
【0017】
図3は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2の内部回路の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、クライアント2は全体の制御を司る制御部21を備える。クライアント2は記憶部22、通信インタフェース23、入力部24および表示部25を備える。
【0018】
記憶部22は制御用のプログラムを記憶する。通信インタフェース23はサーバ1との通信を行なう。入力部24は認証情報(ID、パスワード)およびその他の各種情報の入力を受け付ける。表示部25は各種文字情報および画像情報を表示する。他のクライアントの内部回路の構成はクライアント2の内部回路の構成と同様である。
【0019】
図4は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのサーバ1の住所録データベース部14に記憶された基本情報データベースの一例を表形式で示す図である。
図4に示すように、基本情報データベースでは各クライアントのユーザの基本情報を管理する。
【0020】
基本情報データベースではユーザID、更新用パスワード、参照用パスワードおよびユーザ基本情報が対応付けられる。ユーザIDおよび更新用パスワードは基本情報の更新や他のユーザへの出力のために各ユーザに付与された固有の認証情報である。ユーザ基本情報は氏名、郵便番号、住所、Eメールアドレスおよび電話番号でなる。
【0021】
図5は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのサーバ1の住所録データベース部14に記憶されたクライアント2のユーザの住所録インデックスの一例を表形式で示す図である。
図5に示すように、クライアント2のユーザの住所録インデックスではクライアント2のユーザのユーザIDならびに他の各クライアントのユーザのユーザIDおよび参照ステータスおよび参照用パスワードを対応付けて管理する。また、図示はしないが、住所録データベース部14は各クライアントのユーザに対応した住所録インデックスを記憶する。
【0022】
住所録インデックスで管理される他のユーザのユーザIDは当該ユーザIDに対応するユーザの氏名を伴う。参照ステータスは、これと対応付けられるユーザIDに対応するユーザの基本情報の参照を当該ユーザつまり相手側が承認しているか否かを示す情報である。
【0023】
また、クライアント2のユーザの住所録インデックス上の他の各ユーザの参照用パスワードは、この参照用パスワードを管理するユーザが口頭又は文書によりクライアント2のユーザに伝える情報である。
【0024】
クライアント2のユーザは、他のユーザ、ここではクライアント3のユーザが管理する参照用パスワードを当該ユーザからの連絡により知った場合に、入力部24に対する予め定めた操作を行なう事で当該他のユーザの参照用パスワードの入力作業を行なう。制御部21は入力された参照用パスワードを通信インタフェース23を介してサーバ1に送信する。
【0025】
サーバ1の通信インタフェース13がクライアント2からの参照用パスワードを受信すると、制御部11はこの情報を、クライアント2のユーザの住所録インデックス上の前述したクライアント3のユーザのユーザIDと関連付けて反映する。これにより、クライアント2のユーザは、他の各ユーザの参照用パスワードを紙などに書き留めておいたりする必要がなくなる。
【0026】
図6は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのサーバ1の住所録データベース部14に記憶されたクライアント2のユーザの参照可否インデックスの一例を表形式で示す図である。
図6に示すように、クライアント2のユーザの参照可否インデックスではクライアント2のユーザのユーザIDならびに他の各クライアントのユーザのユーザIDおよび参照可否情報を対応付けて管理する。また、図示はしないが、住所録データベース部14は各クライアントのユーザに対応した参照可否インデックスを記憶する。
【0027】
参照可否インデックスで管理される他のユーザのユーザIDは当該ユーザIDに対応するユーザの氏名を伴う。参照可否情報は、これと対応付けられるユーザIDに対応するユーザからの要求に伴う自身の基本情報の出力の可否を示す情報である。
【0028】
図7は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのサーバ1の住所録データベース部14に記憶されたクライアント2のユーザの被参照ログの一例を表形式で示す図である。
図7に示すように、クライアント2のユーザの被参照ログではクライアント2のユーザのユーザIDならびに他のユーザのユーザIDおよび参照日時を対応付けて管理する。図示はしないが、住所録データベース部14は各クライアントのユーザに対応した被参照ログを記憶する。
【0029】
被参照ログで管理される他のユーザのユーザIDは当該ユーザIDに対応するユーザの氏名を伴う。参照日時は、これと対応付けられるユーザIDに対応するユーザからの要求に伴う自身の基本情報の出力の日時を示す情報である。
【0030】
次に、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムによる処理動作について説明する。
まず、各クライアントからサーバ1に対する基本情報の登録およびユーザIDなどの発行に関する処理について説明する。
【0031】
図8は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2とサーバ1との間での基本情報の登録および認証情報の発行に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【0032】
まず、クライアント2のユーザが入力部24に対する予め定められた操作を行なうと、制御部21は、クライアント2のユーザの基本情報の登録を要求する制御信号を通信インタフェース23を介してサーバ1に送信する(ステップS1)。
【0033】
サーバ1は、クライアント2から送信された信号を通信インタフェース13により受信する(ステップS2)。するとサーバ1は、この信号の送信元のクライアント2に対し、基本情報の入力を要求する制御信号を通信インタフェース13を介して送信する(ステップS3)。
【0034】
サーバ1から送信された制御信号をクライアント2の通信インタフェース23が受信する(ステップS4)と、制御部21は基本情報の入力を求めるメッセージを表示部25に表示させる。
【0035】
クライアント2の入力部24が、このメッセージにしたがった基本情報の入力を受け付けると、制御部21は、これらの情報をクライアント2のユーザの基本情報として通信インタフェース23を介してサーバ1に送信する(ステップS5)。
【0036】
サーバ1の通信インタフェース13がクライアント2からの基本情報を受信する(ステップS6)と、制御部11はこの情報を記憶部12に一時記憶させる。そして制御部11はクライアント2に固有のユーザID、更新用パスワードおよび参照用パスワードをランダム生成し、これらの情報を前述のように一時記憶した基本情報と対応付けて、住所録データベース部14に記憶される基本情報データベース上に反映する(ステップS7)。
この反映に伴い、クライアント2のユーザに関する住所録インデックス、参照可否インデックスおよび被参照ログのフォーマットが住所録データベース部14上で作成される。
【0037】
すると、制御部11は、クライアント2からの基本情報を基本情報データベースに反映した旨を示す情報を通信インタフェース13を介してクライアント2に送信する(ステップS8)。
【0038】
クライアント2の通信インタフェース23がサーバ1からの情報を受信すると、制御部21は、この受信した情報を表示部25に表示させる(ステップS9)。
【0039】
本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムでは、各クライアントは、他のクライアントのユーザの基本情報を本人に代わって住所録データベース部14上に登録する機能を有する。このような機能を用いることで、この住所録管理システムを新たに利用するユーザよる入力作業の手間が軽減される。
【0040】
以下、クライアント3のユーザの基本情報をクライアント2のユーザが住所録データベース部14上に反映するまでの処理について説明する。
図9は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2によるクライアント3のユーザの基本情報の登録に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【0041】
まず、クライアント2の入力部24がクライアント3のユーザに関する基本情報およびクライアント3のユーザに付与されたEメールアドレスの入力を受け付けると(ステップS11)、制御部21は、これらの情報をクライアント3のユーザの基本情報の登録要求を示す情報として通信インタフェース23を介してサーバ1に送信する(ステップS12)。
【0042】
サーバ1の通信インタフェース13がクライアント2からの情報を受信すると、制御部11はこの情報を記憶部12に一時記憶させる(ステップS13)。そして制御部11は、クライアント2のユーザがクライアント3のユーザの基本情報の登録を求める旨を示すメッセージを記述した電子メールを、クライアント3のユーザのEメールアドレス宛てに送信する(ステップS14)。
【0043】
クライアント3の通信インタフェース23がサーバ1からの電子メールを受信する(ステップS15)と、クライアント2が提示したクライアント3のユーザの基本情報の登録の可否の選択を求める画面を表示部25に表示させる。
【0044】
制御部21は、クライアント3のユーザに関するユーザID、各種パスワードおよび基本情報が住所録データベース部14に記憶されているか否かを判別する。
制御部21は、クライアント3のユーザに関するユーザID、各種パスワードおよび基本情報が住所録データベース部14に記憶されていない場合には、クライアント3の表示部25に、基本情報の提示元であるクライアント2のユーザのユーザID、氏名、および、「登録可」アイコン、「修正後可」アイコンおよび「否認」アイコンを表示させる。
【0045】
一方、クライアント3のユーザに関するユーザID、各種パスワードおよび基本情報が住所録データベース部14に記憶されている場合には、クライアント3の表示部25に、基本情報の提示元であるクライアント2のユーザのユーザID、氏名、「登録済」アイコンおよび「否認」アイコンを表示させる。
【0046】
クライアント3の入力部24がこの画面にしたがって「登録可」アイコン、「修正後可」アイコン、「登録済」アイコンおよび「否認」アイコンのうちいずれかを選択すると、この選択されたアイコンの種別を示す情報が通信インタフェース23を介してサーバ1に送信される(ステップS16)。
【0047】
「登録可」アイコンは、クライアント2から提示された基本情報をクライアント3のユーザの基本情報として住所録データベース部14に反映させることをクライアント3のユーザが認める場合に選択するためのアイコンである。
【0048】
また、「修正後可」アイコンは、クライアント2から提示された基本情報をクライアント3のユーザの基本情報として、クライアント3のユーザが修正した上で住所録データベース部14に反映させることをクライアント3のユーザが認める場合に選択するためのアイコンである。
【0049】
「登録済」アイコンは、クライアント3のユーザがクライアント2のユーザを知っていおり、当該クライアント2から提示された基本情報の利用を拒む意志は無いが、このクライアント2から提示された基本情報が既にクライアント3のユーザによる入力又は他のユーザからの提示により住所録データベース部14に反映されている場合などに選択するためのアイコンである。
【0050】
また、「否認」アイコンは、例えば基本情報の提示元のクライアント2のユーザをクライアント3のユーザが知らないので当該クライアント2から提示された基本情報の利用を拒みたいなどの場合に選択するためのアイコンである。クライアント2のユーザをクライアント3のユーザが知らない場合とは、クライアント2のユーザが基本情報の提示先のEメールアドレスの入力を誤った場合などが挙げられる。
【0051】
サーバ1の通信インタフェース13がクライアント3からの情報を受信する(ステップS17)と、制御部11は基本情報の登録関連処理を行なう(ステップS18)。この登録関連処理とは、クライアント3側の画面上で選択されたアイコンの種別にしたがい、クライアント3のユーザの基本情報の住所録データベース部14への反映または破棄を行なう処理である。
【0052】
以下、この登録関連処理の詳細について説明する。図10は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント3のユーザの基本情報の登録関連処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
登録関連処理では、サーバ1の制御部11は、クライアント3から通信インタフェース13が受信した情報で示されるアイコンの種別が「登録可」であった場合(ステップA1のYES)には、クライアント3のユーザの基本情報の登録処理を行なう(ステップA2)。
【0054】
以下、この登録処理の詳細について説明する。図11は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント3のユーザの基本情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0055】
登録処理では、サーバ1の制御部11はクライアント3のユーザに固有のユーザID、更新用パスワードおよび参照用パスワードをランダム生成する(ステップB1)。制御部11は、これらの情報をクライアント2から提示された基本情報と対応付けて基本情報データベース上に反映する(ステップB2)。
【0056】
そして制御部11は、提示元であるクライアント2のユーザの住所録インデックス(図6参照)にクライアント3のユーザのユーザIDを反映させる。制御部11は、クライアント2のユーザの住所録インデックスにおけるクライアント3のユーザのユーザIDと対応する参照ステータスを「参照可」とする(ステップB3)。これは、クライアント3のユーザの基本情報をクライアント2からの要求にしたがって当該クライアント2に出力することがクライアント3のユーザから認められている事を示すステータスである。
【0057】
制御部11は完了通知を示す信号を通信インタフェース13を介してクライアント2に送信する(ステップB4)。この完了通知は、クライアント2から提示されたクライアント3のユーザの基本情報をそのまま基本情報データベースに反映した旨を示す通知である。
【0058】
前述した登録関連処理の説明に戻る。登録関連処理では、サーバ1の制御部11は、クライアント3から通信インタフェース13が受信した情報で示されるアイコンの種別が「修正後可」であった場合(ステップA3のYES)には、クライアント3のユーザの基本情報の修正、登録処理を行なう(ステップA4)。
【0059】
以下、この修正、登録処理の詳細について説明する。図12は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント3のユーザの基本情報の修正、登録処理の一例を示すフローチャートである。
修正、登録処理では、サーバ1の制御部11はクライアント3のユーザに固有のユーザID、更新用パスワードおよび参照用パスワードをランダム生成する(ステップC1)。
【0060】
そして制御部11はステップS13の処理で記憶部12に一時記憶したクライアント3のユーザの基本情報を読み出し、この情報の修正要求情報を通信インタフェース13を介してクライアント3に送信する。この情報にはクライアント2から提示されたクライアント3のユーザの基本情報が含まれる。
【0061】
クライアント3の通信インタフェース23がサーバ1からの情報を受信すると、制御部21は基本情報の修正を求める画面を表示部25に表示させる。この画面にしたがった、クライアント3の入力部24による基本情報の修正にかかる操作を受け付けると、これを示す情報を通信インタフェース23を介してサーバ1に送信する。
【0062】
サーバ1の通信インタフェース13がクライアント3からの修正済みの基本情報を受信すると、制御部11は、これらの情報をステップC1の処理で発行したユーザIDや各種パスワードと対応付けて基本情報データベース上に反映する(ステップC3)。
【0063】
そして制御部11は前述したステップB3と同じ処理を行なう(ステップC4)。制御部11は完了通知を示す信号を通信インタフェース13を介してクライアント2に送信する(ステップC5)。この完了通知は、クライアント2から提示されたクライアント3のユーザの基本情報をクライアント3側での修正を経て基本情報データベースに反映した旨を示す通知である。
【0064】
前述した登録関連処理の説明に戻る。登録関連処理では、サーバ1の制御部11は、クライアント3から通信インタフェース13が受信した情報で示されるアイコンの種別が「登録済」であった場合(ステップA5のYES)には、クライアント3のユーザの基本情報の書換中止処理を行なう(ステップA6)。
【0065】
以下、この書換中止処理の詳細について説明する。図13は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント3のユーザの基本情報の書換中止処理の一例を示すフローチャートである。
【0066】
書換中止処理では、サーバ1の制御部11はステップS13の処理で記憶部12に一時記憶したクライアント3のユーザの基本情報を消去する(ステップD1)。
そして制御部11は前述したステップB3と同じ処理を行なう(ステップD2)。制御部11は完了通知を示す信号を通信インタフェース13を介してクライアント2に送信する(ステップD3)。この完了通知は、クライアント2から提示されたクライアント3のユーザの基本情報の基本情報データベースへの反映を中止した旨を示す通知である。
【0067】
前述した登録関連処理の説明に戻る。登録関連処理では、サーバ1の制御部11は、クライアント3から通信インタフェース13が受信した情報で示されるアイコンの種別が「否認」であった場合(ステップA7のYES)には、クライアント3のユーザの基本情報の登録中止処理を行なう(ステップA8)。
【0068】
以下、この登録中止処理の詳細について説明する。図14は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント3のユーザの基本情報の登録中止処理の一例を示すフローチャートである。
【0069】
登録中止処理では、サーバ1の制御部11はステップS13の処理で記憶部12に一時記憶したクライアント3のユーザの基本情報を消去する(ステップE1)。そして制御部11は、提示元であるクライアント2のユーザの住所録インデックス(図6参照)にクライアント3のユーザのユーザIDを反映させる。
【0070】
制御部11は、住所録インデックスにおける、クライアント3のユーザのユーザIDと対応する参照ステータスを「参照不可」とする(ステップE2)。これは、クライアント3のユーザの基本情報をクライアント2からの要求にしたがって当該クライアント2に出力することがクライアント3のユーザから認められない事を示すステータスである。
【0071】
制御部11は否認通知を示す信号を通信インタフェース13を介してクライアント2に送信する(ステップE3)。この否認通知は、クライアント2から提示されたクライアント3のユーザの基本情報の基本情報データベースへの反映の中止を示す旨および当該クライアント3のユーザの基本情報の以後の参照を拒否した旨を示す通知である。
【0072】
図9に示したフローチャートに対応する処理に戻る。クライアント2およびクライアント3の通信インタフェース23が前述した登録関連処理によりサーバ1が送信した完了通知または否認通知を示す信号を受信する(ステップS19,S20)と、この受信先のクライアントの制御部21は、これを示すメッセージを表示部25に表示させる。
【0073】
次に、住所録インデックス(図5参照)への情報の登録に関する処理について説明する。
図15は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2とサーバ1との間での住所録インデックスへの情報登録に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【0074】
まず、クライアント2のユーザが入力部24に対する予め定められた操作を行なうと、サーバ1の管理機関による住所録管理サービスのログイン用画面が表示部25に表示される。この画面はクライアント2のユーザのユーザIDおよび更新用パスワードの入力を求める画面である。
【0075】
入力部24がユーザIDおよび更新用パスワードの入力を受け付けて(ステップS31)画面上の「ログイン」アイコンが選択されると、制御部21は、これらの情報を認証情報として通信インタフェース23を介してサーバ1に送信する(ステップS32)。
【0076】
サーバ1ではクライアント2から送信された認証情報を通信インタフェース23により受信する(ステップS33)。すると、サーバ1の制御部11は、この受信した認証情報に対応する基本情報が住所録データベース部14内に存在するか否かを照合する(ステップS34)。
【0077】
ここで、ステップS34による照合処理の詳細について説明する。図16は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのサーバ1による照合処理の一例を示すフローチャートである。
照合処理では、サーバ1の制御部11は、住所録データベース部14に記憶される基本情報データベースを読み出す(ステップF1)。そして、制御部11は、基本情報データベースを検索して(ステップF2)、この中にステップS33の処理で受信したユーザIDと一致するユーザIDがあるか否かを判別する。
【0078】
当該ユーザIDが基本情報データベースにある場合には、制御部11は当該ユーザIDと基本情報データベース上で対応付けられる更新用パスワードがステップS33の処理で受信した更新用パスワードと一致するか否かを判別する。
【0079】
制御部11は、この判別の結果、クライアント2からのユーザIDおよび更新用パスワードの組み合わせが正当であると判別した場合(ステップF3のYES)には、クライアント2に対するログイン許可を示す情報を生成する(ステップF4)。
【0080】
また、前述した判別の結果、クライアント2からのユーザIDおよび更新用パスワードの組み合わせが正当な組み合わせでないと制御部11が判別した場合(ステップF3のNO)には、クライアント2に対するログイン不許可を示す情報を生成する(ステップF5)。
【0081】
図15に示したフローチャートに対応する処理に戻る。ステップS34の処理後は、サーバ1の制御部11は、ステップF4またはF5の処理で生成した情報を承認結果を示す情報として通信インタフェース13を介して送信する(ステップS35)。
【0082】
ここでは、クライアント2に対するログイン許可を示す情報がサーバ1から送信されたと仮定して、以後の処理を説明する。
サーバ1からの承認結果を示す情報、ここではログイン許可を示す情報がクライアント2の通信インタフェース23が受信して(ステップS36)、入力部24が住所録インデックス上での情報登録に関するメニュー選択の操作を受け付けると、クライアント2の表示部25に表示される画面が新規の連絡対象のユーザのユーザIDの入力を求める画面に切り替わる。
【0083】
この画面にしたがって、クライアント2の入力部24が新規の連絡対象のユーザに固有のユーザIDの入力を受け付けると、制御部21はこの入力した情報を通信インタフェース23を介してサーバ1に送信する(ステップS37)。
【0084】
サーバ1の通信インタフェース13がクライアント2からのユーザIDを受信する(ステップS38)と、制御部11は、このユーザIDと住所録データベース部14に記憶される基本情報インデックスとを照合して、このユーザIDが付与されたユーザの氏名を検索する。
【0085】
制御部11は、この検索した氏名およびクライアント2からの新規連絡対象のユーザIDをクライアント2のユーザに関する住所録インデックスおよび参照可否インデックスに反映する(ステップS39)。この反映は、新規の登録および上書き更新のいずれかである。
このクライアント2のユーザに関する参照可否インデックス上の新たに反映された各ユーザIDと対応付けられた参照可否情報の初期情報は「○」とする。
【0086】
すると、サーバ1の制御部11は、新規連絡対象のユーザのユーザIDを住所録インデックスに反映した旨を示す情報を通信インタフェース13を介してクライアント2に送信する(ステップS40)。
クライアント2の通信インタフェース23がサーバ1からの情報を受信すると、制御部21は、この受信した情報を表示部25に表示させる(ステップS41)。
【0087】
次に、基本情報データベース上の情報の更新に関する処理について説明する。図17は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2とサーバ1との間での基本情報データベース上の情報更新に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【0088】
まず、クライアント2とサーバ1の間では前述したステップS31〜S35の処理と同じ処理を行なう(ステップS51〜S55)。
サーバ1からの承認結果を示す情報、ここではログイン許可を示す情報がクライアント2の通信インタフェース23が受信して(ステップS56)、入力部24が基本情報データベースでの情報更新に関するメニュー選択の操作を受け付けると、クライアント2の表示部25に表示される画面がクライアント2の新たな基本情報の入力を求める画面に切り替わる。
【0089】
この画面にしたがって、クライアント2の入力部24がクライアント2の新たな基本情報の入力を受け付けると、制御部21はこの入力した情報を通信インタフェース23を介してサーバ1に送信する(ステップS57)。
【0090】
サーバ1の通信インタフェース13がクライアント2からの基本情報を受信する(ステップS58)と、制御部11は、この基本情報をクライアント2のユーザに関する基本情報データベースに反映する(ステップS59)。
【0091】
そして、制御部11は、クライアント2のユーザに関する参照可否インデックス(図6参照)を住所録データベース部14から取得する。制御部11は、取得した参照可否インデックス上の各ユーザIDを検索し(ステップS60)、この検索したユーザIDと基本情報データベースとを照合することで、クライアント2による連絡対象の各ユーザのEメールアドレスを取得する。
【0092】
すると、サーバ1の制御部11は、クライアント2のユーザの基本情報の更新が完了した旨を示す情報を通信インタフェース13を介してクライアント2および連絡対象の各ユーザのEメールアドレス宛てに送信する(ステップS61)。
クライアント2の通信インタフェース23がサーバ1からの情報を受信すると、制御部21は、この受信した情報を表示部25に表示させる(ステップS62)。
【0093】
次に、基本情報データベース上の基本情報の参照に関する処理について説明する。図18は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2とサーバ1との間での基本情報データベース上の基本情報の入出力に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【0094】
まず、クライアント2とサーバ1の間では前述したステップS31〜S35の処理と同じ処理を行なう(ステップS71〜S75)。
サーバ1からの承認結果を示す情報、ここではログイン許可を示す情報がクライアント2の通信インタフェース23が受信して(ステップS76)、入力部24が基本情報データベースでの他のユーザの基本情報の参照に関するメニュー選択の操作を受け付けると、クライアント2のユーザに関する住所録インデックスの送信要求を示す制御信号が通信インタフェース23を介してサーバ1に送信される(ステップS77)。
【0095】
サーバ1の通信インタフェース13がクライアント2からの制御信号を受信すると、制御部11は、住所録データベース部14からクライアント2のユーザの住所録インデックスを検索する(ステップS78)。制御部11は、この検索した住所録インデックスを通信インタフェース13を介してクライアント2に送信する(ステップS79)。
【0096】
クライアント2の通信インタフェース23がサーバ1からの住所録インデックスを受信する(ステップS80)と、制御部21は、この住所録インデックス上の各ユーザのユーザIDおよび氏名の一覧を表示部25に表示させる。
【0097】
この画面にしたがって、クライアント2の入力部24が、所望のユーザのユーザIDの指定に関する操作を受け付けると、制御部21はこの指定されたユーザIDを通信インタフェース23を介してサーバ1に送信する(ステップS81)。ここでは、クライアント3のユーザのユーザIDが指定されたとする。
【0098】
サーバ1の通信インタフェース13がクライアント2からのユーザIDを受信すると、制御部11は、クライアント2のユーザの住所録インデックス上でクライアント3のユーザのユーザIDと対応付けられる参照用パスワードを検索する(ステップS82)。
【0099】
この参照用パスワードは、前述したような、参照用パスワードを管理するユーザ、ここではクライアント3のユーザが口頭又は文書によりクライアント2のユーザに伝える情報に限らず、ステップB3(図11参照)、ステップC4(図12参照)およびステップD2(図13参照)のいずれかの処理により、サーバ1がクライアント3のユーザの住所録インデックス上のクライアント2のユーザIDと対応する参照ステータスを「参照可」とする際に、ステップB4(図11参照)、ステップC5(図12参照)およびステップD3(図13参照)のいずれかの処理によりサーバ1がクライアント2に通知する情報であってもよい。
【0100】
ここでは、ステップS82の処理で受信したクライアント3のユーザのユーザIDと対応付けられる参照用パスワードがクライアント2のユーザの住所録インデックス上に存在すると仮定する。この場合には、制御部11は、ステップS82の処理で受信したユーザIDをもつクライアント3のユーザの参照可否インデックス上にステップS73の処理で受信したクライアント2のユーザのユーザIDが存在し、かつ、このユーザIDと前述した参照可否インデックス上で対応付けられる参照可否情報が「○」であるか否かを判別する。
【0101】
この判別の結果、参照可否情報が「○」である場合には、制御部11は、前述のように検索した参照用パスワードとステップS82の処理で受信したクライアント3のユーザのユーザIDと基本情報データベースとを照合することで、この参照用パスワードがステップS82の処理で受信したクライアント3のユーザのユーザIDと基本情報データベース上で対応付けられる認証情報であるか否かを判別する(ステップS83)。
【0102】
一方、参照可否情報が「×」であると制御部11が判別した場合には、制御部11は、基本情報の出力中止を示す制御信号を通信インタフェース13を介してクライアント2に出力する。
【0103】
ステップS83の処理における判別の結果、ステップS82の処理で検索した参照用パスワードがステップS82の処理で受信したユーザIDと基本情報データベース上で対応付けられる認証情報であると制御部11が判別した場合には、制御部11は、ステップS82の処理で受信したユーザIDと基本情報データベース上で対応付けられるユーザ基本情報を検索する。制御部11は、この検索したユーザ基本情報を通信インタフェース13を介してクライアント2に送信する(ステップS84)。
【0104】
クライアント2の通信インタフェース23がサーバ1からのユーザ基本情報を受信する(ステップS85)と、表示部25上の画面が、ステップS81の処理で指定したユーザIDに対応するユーザの基本情報の表示画面に切り替わる。クライアント2は、この表示された基本情報を印刷する機能を有する。また、クライアント2では、この表示された基本情報を、郵送物の印刷用アプリケーション用の住所録データに変換する機能を有する。
【0105】
郵送物の印刷用アプリケーションは予めクライアント2にインストールされるアプリケーションである。郵送物の印刷用アプリケーションは例えば年賀状作成支援アプリケーションである。
【0106】
クライアント1の制御部11は、ユーザ基本情報の送信後に、このユーザ基本情報に対応するユーザ、ここではクライアント3のユーザの被参照ログを住所録データベース部14から検索する。制御部11は、クライアント2のユーザのユーザIDおよび氏名を対応付けて、クライアント3のユーザの被参照ログ上に反映する。また、制御部11は、前述のように反映した参照者氏名およびユーザIDと対応する参照日時として現在時刻を被参照ログに反映する(ステップS86)。
【0107】
一方、前述したステップS82の処理で受信したユーザIDと対応付けられる参照用パスワードがクライアント2の住所録インデックス上に存在しない場合には、制御部11は、この参照用パスワードの送信要求を示す信号を通信インタフェース13を介してクライアント2に送信する。クライアント2の通信インタフェース23がサーバ1からの制御信号を受信すると、表示部25上の画面が、参照用パスワードの入力を求める画面に切り替わる。
【0108】
この画面にしたがって、前述した所望のユーザに関する参照用パスワードの入力を入力部24が受け付けると、制御部21は、この参照用パスワードを通信インタフェース23を介してサーバ1に送信する。
【0109】
サーバ1の通信インタフェース13がクライアント2からの参照用パスワードを受信すると、制御部11は、前述したように、ステップS82の処理で受信したユーザIDをもつユーザの参照可否インデックス上にステップS73の処理で受信したユーザIDが存在し、このユーザIDと前述した参照可否インデックス上で対応付けられる参照可否情報が「○」であるか否かを判別する。
【0110】
次に、被参照ログの参照に関する処理について説明する。図19は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2とサーバ1との間での被参照ログの入出力に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【0111】
まず、クライアント2とサーバ1の間では前述したステップS31〜S35の処理と同じ処理を行なう(ステップG1〜G5)。
サーバ1からの承認結果を示す情報、ここではログイン許可を示す情報がクライアント2の通信インタフェース23が受信して(ステップG6)、入力部24が被参照ログの参照に関するメニュー選択の操作を受け付けると、クライアント2のユーザに関する被参照ログの送信要求を示す制御信号が通信インタフェース23を介してサーバ1に送信される(ステップG7)。
【0112】
サーバ1の通信インタフェース13がクライアント2からの制御信号を受信すると、制御部11は、住所録データベース部14からクライアント2のユーザの被参照ログを検索する(ステップG8)。制御部11は、この検索した被参照ログを通信インタフェース13を介してクライアント2に送信する(ステップG9)。
【0113】
クライアント2の通信インタフェース23がサーバ1からの被参照ログを受信する(ステップG10)と、表示部25上の画面がクライアント2のユーザの基本情報の参照者氏名、ユーザIDおよび参照日時を示す画面に切り替わる。
【0114】
このように、クライアントのユーザは、自身の基本情報の被参照ログを随時に参照することで、サーバ1とネットワーク接続されて他のユーザのクライアントからの、自身の基本情報の参照者および参照日時を容易に把握することができる。
【0115】
次に、参照可否インデックスの更新に関する処理について説明する。図20は、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2とサーバ1との間での参照可否インデックスの更新に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【0116】
まず、クライアント2とサーバ1の間では前述したステップS31〜S35の処理と同じ処理を行なう(ステップH1〜H5)。
サーバ1からの承認結果を示す情報、ここではログイン許可を示す情報がクライアント2の通信インタフェース23が受信して(ステップH6)、入力部24が参照可否インデックスの更新に関するメニュー選択の操作を受け付けると、クライアント2のユーザに関する参照可否インデックスの送信要求を示す制御信号が通信インタフェース23を介してサーバ1に送信される(ステップH7)。
【0117】
サーバ1の通信インタフェース13がクライアント2からの制御信号を受信すると、制御部11は、住所録データベース部14からクライアント2のユーザの参照可否インデックスを検索する(ステップH8)。制御部11は、この検索した参照可否インデックスを通信インタフェース13を介してクライアント2に送信する(ステップH9)。
【0118】
クライアント2の通信インタフェース23がサーバ1からの参照可否インデックスを受信する(ステップH10)と、表示部25上の画面が参照可否インデックス上で対応付けられる各ユーザのユーザID、氏名および参照可否情報の一覧表示、および更新対象の情報の入力用画面に切り替わる。
【0119】
この画面にしたがって、クライアント2の入力部24が参照可否インデックス上の参照可否情報の更新を受け付けると、制御部21はこの入力した情報を通信インタフェース23を介してサーバ1に送信する(ステップH11)。
【0120】
参照可否インデックス上の参照可否情報の更新とは、例えば参照可否インデックス上で、所望のユーザIDと対応付けられる参照可否情報を「○」と「×」の間での変更を指す。
【0121】
サーバ1の通信インタフェース13がクライアント2からの更新対象情報を受信する(ステップH12)と、制御部11は、この更新対象情報をクライアント2のユーザに関する参照可否インデックスに反映する(ステップH13)。
【0122】
すると、サーバ1の制御部11は、クライアント2のユーザの参照可否インデックスの更新が完了した旨を示す情報を通信インタフェース13を介してクライアント2に送信する(ステップH14)。
【0123】
クライアント2の通信インタフェース23がサーバ1からの情報を受信すると、制御部21は、この受信した情報を表示部25に表示させる(ステップH15)。
このような処理を行なうことで、連絡対象の各ユーザのうち、基本情報データベース上の自身の基本情報の出力の可否をユーザごとに設定することができる。
【0124】
以上のように、本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムでは、各クライアントのユーザの基本情報をサーバ1の住所録データベース部14上に記憶する。他のユーザの基本情報を参照したいユーザが、クライアントを介して自分のユーザIDおよび更新用パスワードを用いてログインした上で、自身の住所録インデックス上の所望のユーザIDを選択した上で、このユーザIDと対応付けられる参照用パスワードを正しく入力する。するとサーバ1は、このユーザIDと基本情報データベース上で対応付けられる基本情報をクライアントに返す。
【0125】
また、サーバ1は、ユーザ本人に固有のユーザIDおよび更新用パスワードが正しい認証情報であることをサーバ1が認証した場合に、この住所録データベース上での基本情報の更新を行なう。よって、各ユーザは、他のユーザの基本情報が変更になった場合でも、この変更後の基本情報を容易に取得することができる。
【0126】
また、自身の基本情報の更新および他のユーザの基本情報の参照は、正しい認証情報を入力した場合に行なうことができる。よって、各ユーザの基本情報の機密性を保つことができる。
【0127】
なお、前記実施の形態は、本発明を住所録に適用した場合について説明したものであるが、これに限らず、銀行の口座情報などにも本発明を適用することが可能である。
【0128】
なお、この発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムの構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのサーバ1の内部回路の構成例を示すブロック図。
【図3】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2の内部回路の構成例を示すブロック図。
【図4】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのサーバ1の住所録データベース部14に記憶された基本情報データベースの一例を表形式で示す図。
【図5】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのサーバ1の住所録データベース部14に記憶されたクライアント2のユーザの住所録インデックスの一例を表形式で示す図。
【図6】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのサーバ1の住所録データベース部14に記憶されたクライアント2のユーザの参照可否インデックスの一例を表形式で示す図。
【図7】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのサーバ1の住所録データベース部14に記憶されたクライアント2のユーザの被参照ログの一例を表形式で示す図。
【図8】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2とサーバ1との間での基本情報の登録および認証情報の発行に関する処理の一例を示すフローチャート。
【図9】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2によるクライアント3のユーザの基本情報の登録に関する処理の一例を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント3のユーザの基本情報の登録関連処理の一例を示すフローチャート。
【図11】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント3のユーザの基本情報の登録処理の一例を示すフローチャート。
【図12】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント3のユーザの基本情報の修正、登録処理の一例を示すフローチャート。
【図13】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント3のユーザの基本情報の書換中止処理の一例を示すフローチャート。
【図14】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント3のユーザの基本情報の登録中止処理の一例を示すフローチャート。
【図15】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2とサーバ1との間での住所録インデックスへの情報登録に関する処理の一例を示すフローチャート。
【図16】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのサーバ1による照合処理の一例を示すフローチャート。
【図17】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2とサーバ1との間での基本情報データベース上の情報更新に関する処理の一例を示すフローチャート。
【図18】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2とサーバ1との間での基本情報データベース上の基本情報の入出力に関する処理の一例を示すフローチャート。
【図19】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2とサーバ1との間での被参照ログの入出力に関する処理の一例を示すフローチャート。
【図20】本発明の実施形態にしたがった住所録管理システムのクライアント2とサーバ1との間での参照可否インデックスの更新に関する処理の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0130】
1…サーバ、2,3,4,5…クライアント、10…ネットワーク、11,21…制御部、12,22…記憶部、13,23…通信インタフェース、14…住所録データベース部、24…入力部、25…表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置の利用者に固有の識別情報と当該利用者の基本情報とを対応付けて記憶する基本情報記憶手段と、
前記利用者の識別情報を異なる複数の利用者の識別情報と対応付けて記憶する識別情報記憶手段と、
前記端末装置から出力された認証情報が当該端末装置の利用者の識別情報と対応付けられて前記基本情報記憶手段に記憶されていることを認証した場合に、この利用者の識別情報と対応付けられて前記識別情報記憶手段に記憶される前記異なる複数の利用者の識別情報を前記認証情報の出力元の端末装置からの要求にしたがって出力する識別情報出力手段と、
この識別情報出力手段が出力した識別情報から選択されて前記認証情報の出力元の端末装置から出力された識別情報と当該端末装置からさらに出力された出力用認証情報とが対応付けられて前記基本情報記憶手段に記憶されていることを認証した場合に、前記選択された識別情報と対応付けられて前記基本情報記憶手段に記憶される基本情報を前記出力元の端末装置に出力する基本情報出力手段と
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
端末装置の利用者の識別情報と当該利用者の基本情報の参照が許可された利用者の識別情報とを対応付けて記憶する参照許可情報記憶手段をさらに備え、
前記基本情報出力手段は、
前記認証情報の出力元の端末装置の識別情報が前記識別情報出力手段により出力した識別情報から選択されて前記出力元の端末装置の識別情報出力手段により出力された識別情報と対応付けられて前記参照が許可された利用者の識別情報として前記参照許可情報記憶手段に記憶されている場合に、前記選択されて出力された識別情報と対応付けられて前記基本情報記憶手段に記憶される基本情報を前記出力元の端末装置に出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記基本情報出力手段が出力した基本情報と関連付けられて基本情報記憶手段で記憶される識別情報ならびに当該出力先の端末装置の識別情報および前記基本情報の送信日時を対応付けて記憶する参照情報記憶手段と、
前記端末装置から出力された認証情報が当該端末装置の利用者に固有の識別情報と対応付けられて前記基本情報記憶手段に記憶されていることを認証した場合に、この識別情報と対応付けられて前記参照情報記憶手段に記憶される前記出力先の端末装置の識別情報および前記基本情報の送信日時を前記認証情報の出力元の端末装置に出力する参照情報出力手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記端末装置から出力された認証情報が当該端末装置の利用者に固有の識別情報と対応付けられて前記基本情報記憶手段に記憶されていることを認証した場合に、この識別情報と対応付けられて前記基本情報記憶手段に記憶される基本情報を前記認証情報の出力元の端末装置により指示された情報に書き換える手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記端末装置から出力された認証情報が当該端末装置の利用者に固有の識別情報と対応付けられて前記基本情報記憶手段に記憶されていることを認証した場合に、この識別情報と対応付けられて前記識別情報記憶手段に記憶される前記異なる複数の利用者の識別情報を前記認証情報の出力元の端末装置により指示された情報に書き換える手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記端末装置から出力された認証情報が当該端末装置の利用者に固有の識別情報と対応付けられて前記基本情報記憶手段に記憶されていることを認証した場合に、この識別情報と対応付けられて前記参照許可情報記憶手段に記憶される前記参照が許可された利用者の識別情報を前記認証情報の出力元の端末装置により指示された情報に書き換える手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記端末装置から当該端末装置の利用者と異なる利用者の基本情報の登録要求を受けた場合に、これを当該異なる利用者の端末装置に通知する通知手段と、
この通知手段により通知された内容の基本情報の登録の承認を前記通知先の端末装置から得た場合に、前記登録要求を受けた基本情報を前記異なる利用者の識別情報と対応付けられる基本情報として前記基本情報記憶手段に記憶させる手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−285577(P2006−285577A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−103807(P2005−103807)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(598049322)株式会社三菱東京UFJ銀行 (200)
【Fターム(参考)】