説明

サービス処理装置及びサービス処理方法

【解決課題】 外部のコンピュータのアプリケーションがサービスを連携して処理する場合、パラメータの設定画面の操作性を向上させることができるようにする。
【解決手段】 指示書においてパラメータ「ユーザ定義文字列」が設定されていると(160)、編集画面におけるパラメータ「ユーザ定義文字列n」の表示ラベル表示部分を、指示書で設定された表示ラベルに変更し(164)、パラメータ「ユーザ定義文字列n」のデータタイプが選択型であるか否かを判定する(166)。指示書において、データのタイプを選択型と設定していると、指示書に記述された選択肢に基づいて、ドロップダウンリストを生成し、パラメータ「ユーザ定義文字列n」のデータ入力部分をドロップダウンリストとし(170)、パラメータ「ユーザ定義文字列n」のデータ入力部分に指示書に記述された初期値を設定し(172)、生成した編集画面を表示パネルに表示する(178)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サービス処理装置及びサービス処理方法に係り、特に、文書データに対して所定の処理を行うサービスをネットワーク上で連携させて処理するサービス処理装置及びサービス処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ、ファクシミリ(以下「FAX」という。)、複写機、又はこれらを複合した複合機、及びパーソナルコンピュータをネットワークで接続して、紙文書の文書データの共有化を図ったネットワークシステムが提案されている。
【0003】
このようなネットワークシステムは、原稿を読み取るスキャナ、ペーパーレスFAX等の入力系からの文書データを取り込み、イメージ加工、文字認識等の処理系を経て、プリンタやメールサーバ等の出力系を介して文書データを外部に配信する。
【0004】
さらに、外部のコンピュータのアプリケーションに文書データを配信し、文書データに対して連携してサービスを処理させることができる。
【0005】
これらのサービスを連携して処理させるために、処理内容を記述した指示書を作成し、指示書に基づいて、文書データに対して連携してサービスを処理させている。
【0006】
また、この指示書を指定し、必要に応じてパラメータのデータを変更してから処理を行う技術が提案されている。例えば、指示書に応じたパラメータを設定する操作画面を複合機のコントロールパネルに表示する装置として、指示書を解析し、指示書に記述されたパラメータ名を表示する操作画面を生成し、表示する操作画面表示装置が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−112636
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の操作画面表示装置では、連携してサービスを処理する外部のコンピュータのアプリケーションにおけるパラメータ名が、ユーザにとって何のパラメータを示すのか分からないパラメータ名であると、操作画面において誤ってパラメータを設定してしまう、という問題がある。
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、外部のコンピュータのアプリケーションがサービスを連携して処理する場合、パラメータの設定画面の操作性を向上させることができるサービス処理装置及びサービス処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明に係るサービス処理装置は、文書データについて行う処理及び該処理のパラメータに関するパラメータ情報が記述された指示書に従って、前記文書データに対して所定の処理を行う前段のサービス及び外部装置が処理する後段のサービスからなる一連のサービスをネットワーク上で連携して処理するサービス処理装置であって、前記指示書に記述する前記一連のサービスの処理及び変更可能なパラメータであることを示す情報を含む前記パラメータ情報を入力するサービス入力手段と、前記サービス入力手段によって入力された前記パラメータ情報が前記後段のサービスのパラメータに関するパラメータ情報である場合、前記後段のサービスの前記パラメータが、変更可能なパラメータであるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって、前記後段のサービスの前記パラメータが変更可能なパラメータであると判定されたとき、該後段のサービスのパラメータの表示ラベルを入力する表示ラベル入力手段と、前記サービス入力手段によって入力された前記サービスの処理及び前記パラメータ情報と前記表示ラベル入力手段によって入力された前記表示ラベルとに基づいて前記指示書を生成する生成手段と、前記生成された指示書に基づいて、前記後段のサービスの変更可能なパラメータのデータを編集するための編集画面を前記後段のサービスのパラメータの表示ラベルと共に表示する表示手段と、前記表示手段によって表示された編集画面を介して、前記後段のサービスのパラメータのデータを設定するパラメータ設定手段と、前記生成された指示書及び前記パラメータ設定手段によって設定されたパラメータのデータに基づいて、前記後段のサービスを前記外部装置に処理させる後段サービス処理制御手段とを含んで構成されている。
【0010】
また、本発明に係るサービス処理方法は、文書データについて行う処理及び該処理のパラメータに関するパラメータ情報が記述された指示書に従って、前記文書データに対して所定の処理を行う前段のサービス及び外部装置が処理する後段のサービスからなる一連のサービスをネットワーク上で連携して処理するサービス処理方法であって、前記指示書に記述する前記一連のサービスの処理及び変更可能なパラメータであることを示す情報を含む前記パラメータ情報を入力し、前記入力された前記パラメータ情報が前記後段のサービスのパラメータに関するパラメータ情報である場合、前記後段のサービスの前記パラメータが、変更可能なパラメータであるか否かを判定し、前記後段のサービスの前記パラメータが変更可能なパラメータであると判定されたとき、該後段のサービスのパラメータの表示ラベルを入力し、前記入力された前記サービスの処理及び前記パラメータ情報と前記入力された前記表示ラベルとに基づいて前記指示書を生成し、前記生成された指示書に基づいて、前記後段のサービスの変更可能なパラメータのデータを編集するための編集画面を前記後段のサービスのパラメータの表示ラベルと共に表示し、前記表示された編集画面を介して、前記後段のサービスのパラメータのデータを設定し、前記生成された指示書及び前記設定されたパラメータのデータに基づいて、前記後段のサービスを前記外部装置に処理させることを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、指示書に記述する一連のサービスの処理及び変更可能なパラメータであることを示す情報を含むパラメータ情報を入力し、入力されたパラメータ情報が後段のサービスのパラメータに関するパラメータ情報である場合、後段のサービスのパラメータが、変更可能なパラメータであるか否かを判定し、後段のサービスのパラメータが変更可能なパラメータであると判定されたとき、後段のサービスのパラメータの表示ラベルを入力し、入力されたサービスの処理及びパラメータ情報と入力された表示ラベルとに基づいて指示書を生成する。
【0012】
そして、生成された指示書に基づいて、後段のサービスの変更可能なパラメータのデータを編集するための編集画面を後段のサービスのパラメータの表示ラベルと共に表示し、表示された編集画面を介して、後段のサービスのパラメータのデータを設定し、生成された指示書及び設定されたパラメータのデータに基づいて、後段のサービスを外部装置に処理させる。
【0013】
従って、外部装置が後段のサービスを連携して処理する場合、後段のサービスのパラメータであって、変更可能なパラメータについて表示ラベルを入力し、パラメータのデータを編集するための編集画面を後段のサービスのパラメータの表示ラベルと共に表示することにより、パラメータの編集画面の操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明のサービス処理装置及びサービス処理方法によれば、外部装置が後段のサービスを連携して処理する場合、後段のサービスのパラメータであって、変更可能なパラメータについて表示ラベルを入力し、パラメータのデータを編集するための編集画面を後段のサービスのパラメータの表示ラベルと共に表示することにより、パラメータの編集画面の操作性を向上させることができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本発明の実施の形態では、フローサービスシステムに本発明を適用した場合を例に説明する。
【0016】
フローサービスシステムとは、文書データに対して所定の処理を行うサービス(プラグイン)の各々をネットワーク上で接続させた状態において、文書データの取り込み、加工、配信を一連の連携処理として実行するシステムをいう。文書データは、文書に関するデータであるが、取り込み、加工、配信の各々の状態に応じてイメージデータやテキストデータを含むものであってもよく、特に限定されるものではない。ここで、サービスとは、文書データに関する所定の処理(機能)のことをいう。
【0017】
図1に示すように、フローサービスシステム10は、文書データの取り込み、加工、配信を連携させて処理するサービス処理システム11と、アプリケーションプログラムがインストールされたコンピュータ16とを備えている。
【0018】
サービス処理システム11は、プリント、スキャン、ファクシミリ、転送、指示書の解釈などの各機能を備えた複合機12と、複合機12にない機能(例えば、OCR(Optical Character Recognition)、イメージ加工、フォーマット変換などの機能)を有し、様々なサービスを記憶している処理サーバ14とを備えている。
【0019】
複合機12、処理サーバ14、及びコンピュータ16は、ネットワーク18を介して相互に接続されている。なお、ネットワーク18には、上記のほかに、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ装置がそれぞれ接続されていてもよい。
【0020】
複合機12は、紙文書をスキャンして文書データを生成するスキャナ部20と、感光体に静電潜像を記録し、静電潜像をモノクロトナーまたはカラートナーを用いて現像し、現像した画像を記録紙に転写して出力するプリンタ部22と、ファクシミリ電文の送受信を行うFAX部24とを備えている。
【0021】
複合機12は、さらに、アイコンを有する画面を表示すると共にアイコンへの接触に応じて操作情報を入力する表示パネル26と、スキャナ部20で読み取られた画像データやネットワーク18を介して受信した画像データ、FAX受信電文のデータ等を記憶するメモリ28と、全体を制御するコントローラ30と、データを入出力するための入出力ポート32と、ネットワーク18に接続された機器と通信を行うネットワークインタフェース34とを備えている。
【0022】
スキャナ部20、プリンタ部22、FAX部24、表示パネル26、メモリ28、コントローラ30、及び入出力ポート32は、バスを介して相互に接続されており、入出力ポート32は、ネットワークインタフェース34を介してネットワーク18と接続されている。
【0023】
メモリ28には、処理サーバ14に記憶されているサービスの中から所望のサービスを処理するように指示するための指示書が記憶されている。指示書とは、複合機12におけるサービス、処理サーバ14におけるサービス、及びコンピュータ16におけるサービスの呼出しが記述された情報をいう。そして、複合機12は、指示書の実行時には、指示データ及び文書データを生成し、指示データ及び文書データに基づいて、内部でサービスを実行したり、処理サーバ14にサービスを実行させるときは文書データ及び指示データを処理サーバ14に送信する。また、コンピュータ16にサービスを実行させるときは処理サーバ14を介してジョブデータをコンピュータ16に送信する。
【0024】
処理サーバ14は、全体を制御するCPU40、ワークエリアとしてデータを一時格納するRAM42、CPU40の制御プログラム等を記憶するROM44、及び指示書を生成するためのユーザインタフェース(UI)画面などを表示するディスプレイ46を備えている。
【0025】
また、処理サーバ14は、さらに、文書データの取り込み、加工及び配信までの一連の処理を自動化/定型化するためのプログラム、処理系プラグインとして機能するためのアプリケーションプログラムや所定のデータ等を記憶したり読み出すHDD48、ポインティングデバイスであるマウス50、文書や記号等を入力するキーボード52、これらが接続された入出力ポート54、及びネットワークインタフェース56を備えている。また、入出力ポート54は、ネットワーク18に接続された複合機12やコンピュータ16と通信を行うネットワークインタフェース56に接続されている。
【0026】
また、HDD48には、配信系プラグインとして機能するためのプログラムと、コンピュータ16のアプリケーションとの連携を行うためのパラメータ名割り当てテーブルが記憶されている。連携を行うコンピュータ16のアプリケーションは、追加することが可能であり、どのアプリケーションとも連携できるように、コンピュータ16のアプリケーション用のパラメータとして予め割り当てられたパラメータ(例えば、パラメータ「ユーザ定義文字列」とする)が、処理サーバ14の配信系プラグインのプログラムに設けられている。
【0027】
そして、新たに追加されたコンピュータ16のアプリケーションと連携するために、このパラメータ「ユーザ定義文字列」とコンピュータ16のアプリケーションのパラメータとの対応関係を示すパラメータ名割り当てテーブルが記憶され、パラメータ「ユーザ定義文字列」に関する設定が指示データにある場合には、パラメータ名割り当てテーブルに基づいて、コンピュータ16のアプリケーションにおいて対応するパラメータに変換した変換パラメータ情報を生成し、変換パラメータ情報をコンピュータ16へ送信する。
【0028】
なお、コンピュータ16は、従来公知のパーソナルコンピュータの一般的構成を備えたものであればよく、詳細な構成に関する説明は省略する。
【0029】
次に、本実施の形態に係るサービス処理システム11の動作について説明する。以下では、文書データに対して、コンピュータ16における保険商品の申込みアプリケーションのサービスを連携して処理する場合を説明する。具体的には、複合機12において、申込書をスキャンして文書データを生成し、文書データをコンピュータ16に配信し、コンピュータ16の申込みアプリケーションにおいて、文書データに基づいて、申込み処理を行う場合を例に説明する。
【0030】
まず、処理サーバ14における指示書生成処理ルーチンについて図2を用いて説明する。なお、保険商品の申込書をスキャンして、コンピュータ16で、申込みアプリケーションによるサービスを処理させる指示書を作成する場合を例に説明する。
【0031】
処理サーバ14において、ユーザがディスプレイ46の画面を見ながら、マウス50を操作して、指示書の生成を指示すると、ステップ100で、ディスプレイ46に指示書生成処理用のUI画面を表示して、UI画面において、前段のサービスの処理内容を設定する画面を表示し、ステップ102で、前段のサービスの処理内容の設定が完了したか否かを判定する。ここで、前段のサービスとは、サービス処理システム11内で処理されるサービスをいう。ユーザがキーボード52やマウス50を操作して、前段のサービスとして、紙文書である申込書をスキャンする処理及びスキャンにより生成された文書データの保存処理を設定し、また、指定されたサービスのパラメータ(例えば、スキャンパラメータや文書データの保存先アドレス)を設定し、前段のサービスの処理内容の設定が完了したことを示す操作が行われると、ステップ102からステップ104へ進み、後段のサービスの処理内容を設定するためのUI画面を表示する。ここで、後段のサービスとは、サービス処理システム11以外で処理されるサービスをいい、本実施の形態では、コンピュータ16において処理されるサービスをいう。ユーザは、予め定められた複数の後段のサービスの中から所望のサービスとして保険申込みサービスを選択し、ステップ106において、ユーザ定義文字列を利用するか否かを判定し、ユーザが後段のサービスについて、実行時に変更可能なパラメータを設定したい場合には、処理内容設定画面において、例えば、「ユーザ定義文字列」というパラメータ名が付けられたパラメータ(以下、パラメータ「ユーザ定義文字列」と呼ぶ)を利用する必要があり、パラメータ「ユーザ定義文字列」を利用するための指示がなされると、ステップ108において、パラメータ「ユーザ定義文字列」を設定するUI画面をディスプレイ46に表示し、ステップ110において、パラメータ「ユーザ定義文字列」を設定するための設定ファイルをインポートするか否かを判定する。
【0032】
ユーザによって、設定ファイルをインポートしないことを指示する操作がなされると、ステップ112において、パラメータ「ユーザ定義文字列」を識別するための番号であるnを初期値である1に設定し、ステップ114において、パラメータ「ユーザ定義文字列n」の表示ラベル及びデータのタイプを設定する画面をディスプレイ46に表示し、ステップ116で、表示ラベル及びデータのタイプが設定されたか否かを判定する。ユーザがマウス50やキーボード52を操作して、表示ラベルを設定画面に入力し、データのタイプとして文字列型、数字型、及び選択型の何れか一つを選択して設定すると、ステップ116からステップ118へ進む。例えば、表示ラベルを「メールアドレス」、データのタイプを選択型と設定する。なお、表示ラベルとして文字列を入力する他、画像ファイルが格納されているアドレスを入力し、表示ラベルを表示する部分に画像ファイルのイメージを貼りつけてもよい。
【0033】
ステップ118では、ステップ116で設定されたデータのタイプが選択型であるか否かを判定し、データのタイプとして選択型が設定されていると、ステップ120において、選択肢入力画面をディスプレイ46に表示し、ステップ122で、選択肢ファイルをインポートするか否かを判定する。選択肢が予め定義されている選択肢ファイル(例えば、CSVファイル)をインポートする指示があると、ステップ124において、選択肢ファイルを選択させるダイアログを表示し、選択肢ファイルが選択されたか否かを判定し、選択肢ファイルがユーザの操作によって選択されると、ステップ124からステップ126へ進み、ステップ124において選択された選択肢ファイルをインポートし、ステップ130へ移行する。
【0034】
一方、選択肢ファイルをインポートしない場合には、ユーザがキーボード52による手入力によって選択肢を入力する。例えば、メールアドレスとして、「XXX.YYY@aaaa.co.jp,Aaa.YYY@aaaa.co.jp,ccc.YYY@aaaa.co.jp,dd.YYY@aaaa.co.jp,ttt.YYY@aaaa.co.jp」と選択肢をカンマで繋いで入力する。そして、ステップ128において、選択肢が設定されたか否かを判定し、選択肢が選択肢入力画面に入力され、設定完了を示す操作が行われると、ステップ128からステップ129へ進み、初期値を設定する画面を表示し、ステップ130において、初期値が設定されたか否かを判定する。例えば、初期値として、ステップ128で設定された選択肢の中から「XXX.YYY@aaaa.co.jp」が設定されると、ステップ130からステップ131へ進み、次のパラメータ「ユーザ定義文字列n+1」を設定するか否かを判定し、設定することを示す操作がユーザにより行われると、ステップ132において、nをインクリメントし、ステップ114へ戻り、上記と同様にパラメータ「ユーザ定義文字列n」について設定が行われる。
【0035】
一方、ステップ131で、次のパラメータ「ユーザ定義文字列n+1」を利用しないことを示す操作が行われると、ステップ138へ移行する。
【0036】
また、ステップ110において、設定ファイルをインポートすることを示す操作が行われると、ステップ134で、設定ファイルを選択させるダイアログを表示し、設定ファイルが選択されたか否かを判定し、ユーザの操作によってインポートする設定ファイルが選択されると、ステップ134からステップ136へ移行し、選択された設定ファイルをインポートして、設定ファイルに基づいて、パラメータ「ユーザ定義文字列」を設定し、ステップ138へ移行する。
【0037】
ステップ138では、後段のサービスの処理内容の設定が完了したか否かを判定し、ユーザによって設定完了を示す操作が行われると、ステップ138からステップ140へ移行し、上記の設定に基づいて、指示書を生成する。生成される指示書には、図3に示すように、パラメータ「ユーザ定義文字列n」に関する情報が指示書に記述される。そして、ステップ142において、生成された指示書が複合機12に送信され、複合機12に指示書が登録され、指示書生成処理ルーチンを終了する。
【0038】
なお、上記の指示書生成処理ルーチンでは、データのタイプとして選択型が設定されると、パラメータ「ユーザ定義文字列n」ごとに選択肢を設定する場合を説明したが、同じ指示書内であれば、一つの選択紙を複数のパラメータ「ユーザ定義文字列n」で用いるように設定できるようにすることができる。
【0039】
次に、複合機12における編集画面表示処理ルーチンについて図4を用いて説明する。なお、保険商品の申込書をスキャンして、コンピュータ16の申込みアプリケーションのサービスを処理させる指示を行うときに、パラメータのデータを編集するための編集画面を表示パネル26に表示する場合を例に説明する。
【0040】
まず、ユーザが指示書に基づく一連のサービスであるフローサービスの処理を指示する操作を行うと、ステップ150において、メモリ28に記憶された指示書に基づいて、フローサービス一覧を表示パネル26に表示する。フローサービス一覧には、フローサービスの指示書が生成された日時などが表示されており、ステップ152で、フローサービスが選択されたか否かを判定し、ユーザが表示パネル26を操作し、所望のフローサービスを選択すると、ステップ152からステップ154へ移行し、選択されたフローサービスの指示書をメモリ28から読み込む。
【0041】
そして、ステップ156において、選択されたフローサービスの指示書に関する情報を表示パネル26に表示すると共に、編集ボタン及び実行ボタンを表示し、ユーザにより表示パネルに表示されたボタンが操作されたか否かを判定し、ボタンが操作されると、ステップ158において、ステップ156で操作されたボタンが編集ボタンであるか否かを判定する。操作されたボタンが編集ボタンであると、ステップ160において、指示書において、パラメータ「ユーザ定義文字列」が設定されているか否かを判定し、指示書にパラメータ「ユーザ定義文字列」に関する記述がないと、ステップ178へ移行するが、指示書にパラメータ「ユーザ定義文字列」の記述がある場合、ステップ162において、パラメータ「ユーザ定義文字列」を識別するための番号であるnを初期値の1に設定する。
【0042】
次のステップ164では、編集画面におけるパラメータ「ユーザ定義文字列n」の表示ラベル表示部分を、指示書で設定された表示ラベルに変更し、ステップ166において、パラメータ「ユーザ定義文字列n」のデータタイプが選択型であるか否かを判定する。指示書において、データのタイプを選択型と設定していると、ステップ170において、指示書に記述された選択肢に基づいて、ドロップダウンリストを生成し、パラメータ「ユーザ定義文字列n」のデータ入力部分をドロップダウンリストとし、ステップ172へ移行する。なお、選択肢が設定ファイルからのインポートである場合には、記述されているアドレスから設定ファイルをインポートし、設定ファイルの内容に基づいてドロップダウンリストを生成する。
【0043】
一方、パラメータ「ユーザ定義文字列n」のデータのタイプが文字列型又は数字型である場合には、ステップ168において、指示書に記述されたデータのタイプに応じたテキストボックスを生成し、パラメータ「ユーザ定義文字列n」のデータ入力部分とする。また、文字列型の場合、仮想キーボードを表示するためのボタンを生成し、データ入力部分の横に設置し、数字型の場合、仮想テンキーを表示するためのボタンを生成し、データ入力部分の横に設置する。
【0044】
そして、ステップ172において、パラメータ「ユーザ定義文字列n」のデータ入力部分に指示書に記述された初期値を設定し、ステップ174において、指示書に記述されたパラメータ「ユーザ定義文字列」の数であるNよりnが小さいか否かを判定し、上記の処理を行っていないパラメータ「ユーザ定義文字列n」があると、ステップ176において、nをインクリメントし、ステップ164へ戻る。一方、全てのパラメータ「ユーザ定義文字列n」に対して、上記のステップ164からステップ172の処理を行うと、ステップ174の判定が否定され、ステップ178へ移行する。
【0045】
ステップ178では、指示書の記述と上記ステップ164〜ステップ176の処理結果に基づいて、編集画面を生成し、図5に示すような編集画面を表示パネル26に表示し、ステップ180において、ユーザから操作に基づいてパラメータの編集が完了したか否かを判定する。ユーザが表示パネル26を操作して、「メールアドレス」の入力部分に対しては、ドロップダウンリストを表示して、選択肢から一つ選択し、「名前」及び「住所」の入力部分に対しては、仮想キーボードを表示して操作することにより、文字列を入力する。また、「金額」の入力部分に対しては、仮想テンキーを表示して操作することにより、数字を入力し、「プラン」の入力部分に対しては、ドロップダウンリストを表示して、選択肢から一つ選択する。このように、パラメータのデータを編集し、編集完了を示す操作がされると、ステップ182において、編集されたパラメータのデータに基づいて、パラメータ管理データが生成され、ステップ182からステップ150へ戻る。
【0046】
そして、ステップ158において、実行ボタンが操作されると、ステップ184において、ステップ152において選択された指示書に基づいて、複合機12にセットされた保険商品の申込書をスキャンして文書データを生成し、ステップ186で、指示書に基づく指示データと、設定されたパラメータ管理データと、文書データとを処理サーバ14へ送信し、編集画面表示処理ルーチンを終了する。
【0047】
次に、処理サーバ14における配信処理ルーチンについて図6を用いて説明する。まず、ステップ200において、複合機12から指示データ、パラメータ管理データ、及び文書データを受信したか否かを判定し、指示データ、パラメータ管理データ、及び文書データを受信すると、ステップ200からステップ202へ進み、受信した指示データを読み込み、ステップ204において、後段のサービスの処理内容が設定されているか否かを判定し、上記の指示書生成処理ルーチンにおいて、後段のサービスの処理内容である申込みアプリケーションのサービスが設定されていると、ステップ206で、受信した指示データ及び文書データを後段のサービスを処理するアプリケーションに合わせたデータフォーマットに変換し、ジョブデータを生成する。一方、ステップ204で、後段のサービスの処理内容が設定されていないと判定されると、配信処理ルーチンを終了する。
【0048】
そして、ステップ208において、パラメータ管理データに基づいて、パラメータ「ユーザ定義文字列」の設定があるか否かを判定し、上記の指示書生成処理ルーチンにおいて、パラメータ「ユーザ定義文字列」の設定がされていると、ステップ210において、HDD48に記憶されているパラメータ名割り当てテーブルに基づいて、パラメータ「ユーザ定義文字列」のパラメータ名を変換し、パラメータ管理データに基づいて、パラメータ名が変換されたパラメータにデータを割り当てて、変換パラメータ情報を生成する。一方、ステップ208において、パラメータ「ユーザ定義文字列」の設定がされていないと判定されると、ステップ212へ移行する。
【0049】
そして、ステップ212において、ステップ206で生成されたジョブデータと、ステップ210で生成された変換パラメータ情報とを後段のサービスを処理するコンピュータ16に配信し、配信処理ルーチンを終了する。
【0050】
コンピュータ16では、配信されたジョブデータと変換パラメータ情報とに基づいて、指示書で設定された後段のサービスを処理する。例えば、申込書の文書データを文字認識することにより、申込書に記載されたお客様情報やアンケートの結果などを読み取り、また、パラメータ情報から、お客様の名前、住所、メールアドレス、保険商品の金額、及び保険商品のプランを読み込み、申込み処理を実行する。そして、申込みが完了すると、パラメータ情報のメールアドレスに格納されているアドレス先に、申込み完了通知メールを送信する。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態に係るサービス処理システムによれば、外部のコンピュータのアプリケーションのサービスを連携して処理する場合、パラメータ名が「ユーザ定義文字列」と予め定められた後段のサービスのパラメータについて表示ラベルを入力し、パラメータのデータを編集するための編集画面を後段のサービスのパラメータの表示ラベルと共に表示パネルに表示することにより、パラメータの編集画面の操作性を向上させることができる。
【0052】
また、パラメータ「ユーザ定義文字列」のデータのタイプを文字列型、数字型、及び選択型の何れか一つと設定することにより、誤ったデータを入力しにくくすることができる。特に、選択型と設定された場合には、入力データの誤りを防止することができる。
【0053】
また、複合機の表示パネルで後段のサービスのパラメータのデータを設定できるため、処理サーバなどのPCを介さずに、ユーザが所望するサービスを処理することができる。
【0054】
データのタイプとして選択型が設定されている場合、選択肢ファイルをインポートすることができるため、選択肢を設定する手間を省くことができる。
【0055】
また、設定ファイルをインポートするだけで、パラメータ「ユーザ定義文字列」の設定を行うことができるため、パラメータ「ユーザ定義文字列」の設定が頻繁に変更される場合でも、容易に設定変更を行うことができる。
【0056】
なお、上記の実施の形態では、パラメータ「ユーザ定義文字列」の表示ラベルを設定する方法として、設定ファイルをインポートする方法及び手入力により設定する方法の何れかがある場合を例に説明したが、表示ラベルのみを設定するファイルを用意し、この表示ラベル設定ファイルをインポートして、表示ラベルを設定するようにしてもよい。
【0057】
また、パラメータ「ユーザ定義文字列」の初期値を設定する方法として、設定ファイルをインポートする方法及び手入力により設定する方法の何れかがある場合を例に説明したが、表示ラベルの設定に応じて、自動的に初期値が設定されるようにしてもよい。
【0058】
また、パラメータ「ユーザ定義文字列」の表示ラベルについて、初期値の設定に応じて、自動的に表示ラベルが設定されるようにしてもよい。
【0059】
また、パラメータ「ユーザ定義文字列」のデータのタイプが選択型である場合に、選択肢を設定する方法として、手入力による方法と、選択肢ファイルをインポートする方法とがある場合を例に説明したが、選択肢のデータが格納されているリンク先を設定し、サービスを実行する度に、設定されたリンク先が選択肢のデータを読み込むようにしてもよい。これにより、選択肢のデータとして最新のデータを使用することができるため、選択肢のデータが頻繁に更新されるような場合には、選択肢のデータを更新させる手間が不要となる。
【0060】
また、本発明に係るサービス処理装置を、複合機と処理サーバとからなるサービス処理システムにより実現する場合を例に説明したが、複合機によって処理サーバの機能を実現し、複合機により本発明に係るサービス処理装置を実現するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態に係るフローサービスシステムの構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る指示書生成処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係る指示書のパラメータ「ユーザ定義文字列」に関する設定部分を示すイメージ図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る編集画面表示処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る編集画面を示すイメージ図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る配信処理ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
10 フローサービスシステム
11 サービス処理システム
12 複合機
14 処理サーバ
16 コンピュータ
18 ネットワーク
20 スキャナ部
22 プリンタ部
26 表示パネル
28 メモリ
46 ディスプレイ
50 マウス
52 キーボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書データについて行う処理及び該処理のパラメータに関するパラメータ情報が記述された指示書に従って、前記文書データに対して所定の処理を行う前段のサービス及び外部装置が処理する後段のサービスからなる一連のサービスをネットワーク上で連携して処理するサービス処理装置であって、
前記指示書に記述する前記一連のサービスの処理及び変更可能なパラメータであることを示す情報を含む前記パラメータ情報を入力するサービス入力手段と、
前記サービス入力手段によって入力された前記パラメータ情報が前記後段のサービスのパラメータに関するパラメータ情報である場合、前記後段のサービスの前記パラメータが、変更可能なパラメータであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記後段のサービスの前記パラメータが変更可能なパラメータであると判定されたとき、該後段のサービスのパラメータの表示ラベルを入力する表示ラベル入力手段と、
前記サービス入力手段によって入力された前記サービスの処理及び前記パラメータ情報と前記表示ラベル入力手段によって入力された前記表示ラベルとに基づいて前記指示書を生成する生成手段と、
前記生成された指示書に基づいて、前記後段のサービスの変更可能なパラメータのデータを編集するための編集画面を前記後段のサービスのパラメータの表示ラベルと共に表示する表示手段と、
前記表示手段によって表示された編集画面を介して、前記後段のサービスのパラメータのデータを設定するパラメータ設定手段と、
前記生成された指示書及び前記パラメータ設定手段によって設定されたパラメータのデータに基づいて、前記後段のサービスを前記外部装置に処理させる後段サービス処理制御手段と、
を含むサービス処理装置。
【請求項2】
前記後段のサービスの前記パラメータが変更可能なパラメータであるとき、該後段のサービスのパラメータのデータ型を入力するデータ型入力手段を更に含み、
前記生成手段は、前記サービスの処理、前記パラメータ情報、前記表示ラベル、及び前記データ型入力手段によって入力された前記データ型に基づいて前記指示書を生成する請求項1に記載のサービス処理装置。
【請求項3】
前記パラメータのデータ型は、文字列型、数字型、選択型の少なくとも1つである請求項1又は請求項2に記載のサービス処理装置。
【請求項4】
文書データについて行う処理及び該処理のパラメータに関するパラメータ情報が記述された指示書に従って、前記文書データに対して所定の処理を行う前段のサービス及び外部装置が処理する後段のサービスからなる一連のサービスをネットワーク上で連携して処理するサービス処理方法であって、
前記指示書に記述する前記一連のサービスの処理及び変更可能なパラメータであることを示す情報を含む前記パラメータ情報を入力し、
前記入力された前記パラメータ情報が前記後段のサービスのパラメータに関するパラメータ情報である場合、前記後段のサービスの前記パラメータが、変更可能なパラメータであるか否かを判定し、
前記後段のサービスの前記パラメータが変更可能なパラメータであると判定されたとき、該後段のサービスのパラメータの表示ラベルを入力し、
前記入力された前記サービスの処理及び前記パラメータ情報と前記入力された前記表示ラベルとに基づいて前記指示書を生成し、
前記生成された指示書に基づいて、前記後段のサービスの変更可能なパラメータのデータを編集するための編集画面を前記後段のサービスのパラメータの表示ラベルと共に表示し、
前記表示された編集画面を介して、前記後段のサービスのパラメータのデータを設定し、
前記生成された指示書及び前記設定されたパラメータのデータに基づいて、前記後段のサービスを前記外部装置に処理させることを特徴とするサービス処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−252479(P2006−252479A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−71940(P2005−71940)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】