説明

サービス提供管理装置、サービス提供管理システム、および、サービス提供管理方法

【課題】ローミングインユーザのホームオペレータや端末装置に依存せずに、的確に且つ容易に在圏判定することによって、自網への誘致促進のプロモーション等に用いて効果的なサービス提供管理装置等を提供する。
【解決手段】端末装置11のローミングインビジテッド網20への在圏の有無を表す情報を含む端末状態情報をローミングインビジテッド網20のサービス提供管理装置300で取得して管理し、該取得して管理している端末状態情報に基づいて端末装置11の現在の状態がサービス提供サーバ200によるサービスを享受するための既定の要件に適合するか否かを判定し、問い合せに応じてこの判定結果をサービス提供サーバ200に提供してサービス提供サーバ200から端末装置11へのサービスの提供を管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の条件を充足する場合に限定して、端末装置のユーザに、例えばクーポンの利用等のサービスを享受できる特典を与えることによって、ローミングインビジテッド網たる自網への誘致促進のプロモーション等に用い得るサービス提供管理装置、サービス提供管理システム、および、サービス提供管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3GPP/GSMA等の国際標準化機関によって、通信プロトコルの標準化、ネットワーク設定情報の共有、相互接続試験条件の標準化が実施されてきた。そして、携帯電話は高機能化が急速に進み、また、著しい普及を見せている。その結果、国際ローミングサービスが広く利用されるようになってきている。
そして、国際ローミングにおける問題点の指摘と解決手段に関する提案もなされている(例えば、特許文献1および特許文献2等参照)。
【0003】
特許文献1および特許文献2には、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に移動機を接続して用い、情報処理装置からサービスを要求するに際して、移動機の在圏するエリアに応じてサービスの提供に統制をかけるようにした移動体通信ネットワーク利用システムが提案されている。
この提案では、移動機に接続されたパーソナルコンピュータから日本の銀行のサーバにアクセスして口座振込みをするに際して、国外と日本との時差に起因して決済処理の法律的効果に影響が及ばないようにするべく、移動機の在圏エリアに応じて、リクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御する。
【0004】
具体的には、ゲートウェイ装置で、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)から受信したHTTPリクエストのヘッダ領域(リージョン・ヘッダ)に、移動機が在圏するサービスエリアのデータを付加しておき、これを受けたコンテンツ・プロバイダのサーバが、上記付加されているサービスエリアのデータに基づき、このサービスエリアに該当する国に応じて、サービスのリクエストに対する処理を制御することが開示されている。
【0005】
一方、3GPP(3rd Generation Partnership Project)標準では、国際ローミング対応の移動機がどのサービスエリアからアクセスしてきたか、サーバ側で知ることができず、また、移動機が他国のサービスエリアに在圏している場合でも、移動機に割り当てられたIPアドレスは国内を示すものとなるから、在圏しているサービスエリアの国を知ることができないといった問題に対処する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
特許文献3の技術では、国際ローミングに対応した移動機がサーバにアクセスしてサービスを要求する際に、各サーバが、移動機の在圏するサービスエリア、サービスエリアのある国、サービスエリアのある国および事業者に応じて、ビジネスに適したサービスの提供の態様を制御することを可能にする。
具体的には、移動機が、移動通信モード設定機能により設定された移動通信モードに応じて、自機が在圏するサービスエリアを判定する。或いは、基地局から受信した移動通信ネットワークのシステムに関する報知情報により、自機が在圏するサービスエリアを判定する。そして、移動機がサービスを要求するリクエストを、コンテンツ・プロバイダのサーバに向けて送信するとき、同時に、判定されたサービスエリアを記述したリージョン・ヘッダを付加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−262325号公報
【特許文献2】特開2006−262327号公報
【特許文献3】WO2005/029886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
また一方、国際ローミングでは、ローミング先のオペレータは、自社の通信網をローミングインユーザに利用してもらえれば、その通信利用分に応じた収入を得ることができる。このため、上記ローミング先のオペレータの網たる自網(この意味での自網を、以下、適宜、ローミングインビジテッド網という)の利用促進を期してウエルカムSMS等のプロモーションが行われるのが通例である。このようなプロモーションとして、ウエルカムSMSにクーポンのURLを記載し、自網に在圏している場合にのみ当該ユーザにクーポンを発行する等のサービスを提供することも考えられる。
【0009】
しかし、ローミングインユーザの通信は、基本的にホームオペレータ網(該当する端末装置のユーザが直接契約しているオペレータの網)を経由してインターネットに出て行くため、ホームオペレータ網側で在圏網の情報を付加する機能が具備されない場合、サービス提供サーバであるクーポン発行サーバ側からはローミングインビジテッド網に在圏しているユーザによるクーポン発行要求であるか否かを識別することはできない。
【0010】
因みに、端末装置に割り当てるIPアドレスは基本的にホームオペレータ網で管理するため、端末装置のIPアドレスによって在圏オペレータを識別することもできない。
なお、クーポン発行サーバが、ローミングインビジテッド網に在圏の端末装置のみがURLアドレス解決ができるようにすることによってこの網に非在圏の端末装置からは当該サービスを利用できないようにすることも考えられる。しかしながら、ローミングインしている端末装置に設定されるAPN(Access Point Name)におけるIPアドレス空間は、在圏しているローミングインビジテッド網のIPアドレス空間とは異なるものであり、在圏網のDNSサーバにアドレス解決の問い合わせをさせることができない。従って、上述のクーポン発行サービスを提供するための在圏確認にはホームオペレータ網の対応を要するが、ローミングインユーザの全ホームオペレータに対応を要請することは現実的ではない。
【0011】
一方、クーポン発行サーバより端末装置へ在圏オペレータを問い合わせる方法や、上掲の特許文献3のように、端末装置(移動機)が在圏状況を検知しその在圏情報を提供する方法もあるが、端末装置にそのためのアプリケーションを搭載することが必要になり、ローミングインユーザの端末装置に遍く利用できる方法とは言えない。また、ユーザに在圏を偽装されるリスクもある。
【0012】
また、上掲の特許文献1や特許文献2における方法では、端末装置の在圏情報取得に関与する上位レイヤ処理装置を設置することになり当該装置を含んだノード間の連携が複雑で、実施に難がある。
以上のように、従来においては、ローミングインビジテッド網への在圏を的確に且つ容易に判定することは困難であった。更にまた、ローミングインビジテッド網への在圏をも一つの条件とする所定の条件を充足する場合に限定して、端末装置のユーザにサービスに係る特典を享受できるようにしたサービス提供管理装置、サービス提供管理システム、および、サービス提供管理方法は未だ提案されるに到っていない。
【0013】
本発明は上述のような状況に鑑みてなされたものであり、所定の条件を充足する場合に限定して、ユーザが一定の特典を享受できるようにしたサービス提供管理装置、サービス提供管理システム、および、サービス提供管理方法を実現することを目的としている。また、上記所定の条件としてローミングインビジテッド網への在圏を一つの条件とする場合においては、ローミングインユーザのホームオペレータや端末装置に依存せずに、的確に且つ容易に在圏判定することによって、自網への誘致促進のプロモーション等に用いて効果的な、サービス提供管理装置、サービス提供管理システム、および、サービス提供管理方法を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、以下に列挙するような技術を提案する。
(1)サービス提供サーバから端末装置へのサービスの提供を管理するサービス提供管理装置であって、
前記端末装置の状態に関する端末状態情報を取得し管理する端末状態情報管理部と、
前記端末状態情報管理部で取得された端末状態情報に基づいて前記端末装置の現在の状態が前記サービス提供サーバによるサービスを享受するための既定の要件に適合するか否かを判定する適合性判定部と、
前記サービス提供サーバからの問い合せに応じて前記適合性判定部における判定結果を前記サービス提供サーバに提供する判定結果提供部と、
を備えていることを特徴とするサービス提供管理装置。
【0015】
上記(1)のサービス提供管理装置は、サービス提供サーバから端末装置へのサービスの提供を管理する装置であり、端末状態情報管理部と、適合性判定部と、判定結果提供部とを備えている。
そして、端末状態情報管理部で取得された端末状態情報に基づいて、適合性判定部が前記端末装置の現在の状態がサービス提供サーバによるサービスを享受するための既定の要件に適合するか否かを判定し、該判定の結果が判定結果提供部からサービス提供サーバに提供される。サービス提供サーバでは、該提供された判定の結果に応じて前記端末装置へのサービスの提供を管理する。
【0016】
(2)前記端末状態情報管理部は、モビリティ管理部が前記端末装置から受信したシステム登録信号に基づいて形成した在圏登録用データを、該在圏登録用データを外部に提供可能に保持する在圏データ登録部を通して、前記端末状態情報として取得することを特徴とする(1)のサービス提供管理装置。
上記(2)のサービス提供管理装置は、(1)のサービス提供管理装置において特に、前記端末状態情報管理部は、モビリティ管理部が前記端末装置から受信したシステム登録信号に基づいて形成した在圏登録用データを、該在圏登録用データを外部に提供可能に保持する在圏データ登録部を通して、前記端末状態情報として取得する。
【0017】
(3)前記適合性判定部は、
前記端末状態情報管理部が取得した在圏登録用データに基づいて前記端末装置がローミングインビジテッド網に在圏しているか否かを判定し、該判定結果を表す所在適合性判定フラグを設定する所在適合性判定フラグ設定部と、
前記端末状態情報管理部が取得した在圏登録用データに対応する整理番号を払い出す番号払い出し部と、
前記端末状態情報管理部の管理下にある前記端末装置の識別子と、前記番号払い出し部が払い出した整理番号と、前記所在適合性判定フラグの値を一つの条件として設定したサービス提供可否判定フラグとを紐付けて管理する番号紐付け管理部と、
を含んで構成されていることを特徴とする(1)または(2)のサービス提供管理装置。
【0018】
上記(3)のサービス提供管理装置は、(1)または(2)のサービス提供管理装置において特に、前記適合性判定部は、所在適合性判定フラグ設定部と、番号払い出し部と、番号紐付け管理部と、を含んで構成されている。
この所在適合性判定フラグ設定部は、前記端末状態情報管理部が取得した在圏登録用データに基づいて前記端末装置がローミングインビジテッド網に在圏しているか否かを判定し、該判定結果を表す所在適合性判定フラグを設定する。
【0019】
また、番号払い出し部は、前記端末状態情報管理部が取得した在圏登録用データに対応する整理番号を払い出す。
更に、番号紐付け管理部は、前記端末状態情報管理部の管理下にある前記端末装置の識別子と、前記番号払い出し部が払い出した整理番号と、前記所在適合性判定フラグの値を一つの条件として設定したサービス提供可否判定フラグとを紐付けて管理する。
【0020】
(4)前記判定結果提供部は、前記番号紐付け管理部が管理する当該サービス提供可否判定フラグのデータを前記サービス提供サーバに提供することを特徴とする(1)のサービス提供管理装置。
上記(4)のサービス提供管理装置は、(1)のサービス提供管理装置において特に、前記判定結果提供部が、前記番号紐付け管理部が管理する当該サービス提供可否判定フラグのデータを前記サービス提供サーバに提供する。
【0021】
(5)前記適合性判定部は、前記番号払い出し部による番号払い出し時点、前記判定結果提供部によるデータ提供時点、および、前記端末装置からのサービス提供要求時点のうちの何れか一の時点を計時起算時点とする既定の計時期間が満了に到っているか否かを判定し、該判定結果を表す利用期間適合性判定フラグを設定する利用期間適合性判定フラグ設定部を有し、
前記番号紐付け管理部は、前記利用期間適合性判定フラグ設定部によって設定された利用期間適合性判定フラグの値を前記一の条件に対する他の条件として前記サービス提供可否判定フラグを決定して、前記端末状態情報管理部の管理下にある前記端末装置の識別子と、前記番号払い出し部が払い出した整理番号と共に紐付けて管理することを特徴とする(3)のサービス提供管理装置。
【0022】
上記(5)のサービス提供管理装置は、(3)のサービス提供管理装置において特に、前記適合性判定部は、利用期間適合性判定フラグ設定部を有している。この利用期間適合性判定フラグ設定部は、前記番号払い出し部による番号払い出し時点、前記判定結果提供部によるデータ提供時点、および、前記端末装置からのサービス提供要求時点のうちの何れか一の時点を計時起算時点とする既定の計時期間が満了に到っているか否かを判定し、該判定結果を表す利用期間適合性判定フラグを設定する。
そして、前記番号紐付け管理部は、この利用期間適合性判定フラグ設定部によって設定された利用期間適合性判定フラグの値を前記一の条件に対する他の条件として前記サービス提供可否判定フラグを決定して、前記端末状態情報管理部の管理下にある前記端末装置の識別子と、前記番号払い出し部が払い出した整理番号と共に紐付けて管理する。
【0023】
(6)前記適合性判定部は、前記端末装置からのサービス提供要求回数の累積値または頻度が既定の値未満であるか否かを判定し、該判定結果を表す利用度数適合性判定フラグを設定する利用度数適合性判定フラグ設定部を有し、
前記番号紐付け管理部は、前記利用度数適合性判定フラグ設定部によって設定された利用度数適合性判定フラグの値を前記一の条件に対する他の条件として前記サービス提供可否判定フラグを決定して、前記端末状態情報管理部の管理下にある前記端末装置の識別子と、前記番号払い出し部が払い出した整理番号と共に紐付けて管理することを特徴とする(3)のサービス提供管理装置。
【0024】
上記(6)のサービス提供管理装置は、(3)のサービス提供管理装置において特に、前記適合性判定部は、利用度数適合性判定フラグ設定部を有している。この利用度数適合性判定フラグ設定部は、前記端末装置からのサービス提供要求回数の累積値または頻度が既定の値未満であるか否かを判定し、該判定結果を表す利用度数適合性判定フラグを設定する。
そして、前記番号紐付け管理部は、前記利用度数適合性判定フラグ設定部によって設定された利用度数適合性判定フラグの値を前記一の条件に対する他の条件として前記サービス提供可否判定フラグを決定して、前記端末状態情報管理部の管理下にある前記端末装置の識別子と、前記番号払い出し部が払い出した整理番号と共に紐付けて管理する。
【0025】
(7)端末装置へサービスの提供を行うためのサービス提供サーバと、前記サービス提供サーバから前記端末装置へのサービスの提供を管理するサービス提供管理装置とを含むサービス提供管理システムであって、
前記端末装置のローミングインビジテッド網への在圏の有無を表す情報を含む端末状態情報を取得し管理する端末状態情報管理部と、
前記端末状態情報管理部で取得された端末状態情報に基づいて前記端末装置の現在の状態が前記サービス提供サーバによるサービスを享受するための既定の要件に適合するか否かを判定する適合性判定部と、
前記サービス提供サーバからの問い合せに応じて前記適合性判定部における判定結果を前記サービス提供サーバに提供する判定結果提供部と、
を備えていることを特徴とするサービス提供管理システム。
【0026】
上記(7)のサービス提供管理システムは、端末装置へサービスの提供を行うためのサービス提供サーバと、前記サービス提供サーバから前記端末装置へのサービスの提供を管理するサービス提供管理装置とを含む。そして、サービス提供管理装置は、端末状態情報管理部と、適合性判定部と、判定結果提供部とを備えている。
端末状態情報管理部は、前記端末状態情報管理部で取得された端末状態情報に基づいて前記端末装置の現在の状態がサービス提供サーバによるサービスを享受するための既定の要件に適合するか否かを判定する。
また、適合性判定部は、前記端末状態情報管理部で取得された端末状態情報に基づいて前記端末装置の現在の状態がサービス提供サーバによるサービスを享受するための既定の要件に適合するか否かを判定する。
更に、判定結果提供部は、前記サービス提供サーバからの問い合せに応じて前記適合性判定部における判定結果を前記サービス提供サーバに提供する。
【0027】
(8)サービス提供サーバから端末装置へのサービスの提供を管理するサービス提供管理方法であって、
前記端末装置のローミングインビジテッド網への在圏の有無を表す情報を含む端末状態情報を取得して管理し、
前記取得して管理している端末状態情報に基づいて前記端末装置の現在の状態がサービス提供サーバによるサービスを享受するための既定の要件に適合するか否かを判定し、
前記サービス提供サーバからの問い合せに応じて前記判定結果を前記サービス提供サーバに提供して前記サービス提供サーバから前記端末装置へのサービスの提供を管理することを特徴とするサービス提供管理方法。
【0028】
上記(8)のサービス提供管理方法は、サービス提供サーバから端末装置へのサービスの提供を管理する方法である。この方法では、ローミングインビジテッド網への在圏の有無を表す情報を含む端末状態情報の如何に応じて前記端末装置の現在の状態がサービス提供サーバによるサービスを享受するための既定の要件に適合するか否かを判定し、該判定の結果を前記サービス提供サーバに提供して前記サービス提供サーバから前記端末装置へのサービスの提供を管理する。
【発明の効果】
【0029】
所定の条件を充足する場合に限定して、ユーザが一定の特典を享受できるようにしたサービス提供管理装置、サービス提供管理システム、および、サービス提供管理方法を実現することができる。また、上記所定の条件としてローミングインビジテッド網への在圏を一つの条件とする場合においては、ローミングインユーザのホームオペレータや端末装置に依存せずに、的確に且つ容易に在圏判定することによって、自網への誘致促進のプロモーション等に用いて効果的な、サービス提供管理装置、サービス提供管理システム、および、サービス提供管理方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一つの実施の形態としてのサービス提供管理装置を用いたサービス提供管理システムを例示する構成図である。
【図2】図1のサービス提供管理装置を用いたサービス提供管理システムの動作を例示する概念図である。
【図3】図1のサービス提供管理装置を用いたサービス提供管理システムの動作を例示するフローチャートである。
【図4】図1のサービス提供管理装置を用いたサービス提供管理システムの動作を例示するシーケンスチャートである。
【図5】図1のサービス提供管理装置を用いたサービス提供管理システムのクーポン払い出し動作を例示するシーケンスチャートである。
【図6】図1のサービス提供管理装置における適合性判定部での番号紐付け管理の態様を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述することにより、本発明を明らかにする。
(システムの構成の概要)
図1は、本発明の一つの実施の形態としてのサービス提供管理装置を用いたサービス提供管理システムを例示する構成図である。尚、図1では、端末装置との信号の授受を行う無線区間の信号伝送路に係るノードや、通信事業者間の網の相互接続を行う関門交換機等々の公知の設備については、本発明の技術思想の特徴には直接関与しないため、図示されていない。
【0032】
端末装置11はホーム網10から図示の在圏網(ローミングインビジテッド網)20にローミングインした状態にある。尚、ホーム網10にはGGSN(Gateway GPRS(General Packet Radio Service)Support Node)12が設けられている。
図示の実施の形態では、このローミングインビジテッド網20にサービス提供管理システム30が構築されている。そして、このサービス提供管理システム30では、端末装置11のサービス要求に応じてサービス提供管理システム30の構成要素たるサービス提供サーバ200が端末装置11にサービスを提供する場合に、サービス提供管理装置300がそのサービスの提供を管理する。尚、サービス提供サーバ200自体はインターネット上に構築され得る。
【0033】
上述のローミングインビジテッド網20は、次のような各機能部が含まれるように構築されている。即ち、ローミングインビジテッド網20は、モビリティ管理部110、在圏データ登録部120、サービス提供部210、端末状態情報管理部310、適合性判定部320、および、判定結果提供部330の各機能部を擁している。そして、これら各機能部は、図1に一例として示すような態様で、各該当するノードに実装され、それぞれ次のように機能する。
【0034】
即ち、上述のモビリティ管理部110は、在圏の端末装置のモビリティに関する情報を管理する機能部である。
また、在圏データ登録部120は、モビリティ管理部110が在圏の端末装置から受信したシステム登録信号(3GPP 24.008)に基づいて形成した在圏登録用データを外部に提供可能に保持する機能部である。
【0035】
そして、本例では、モビリティ管理部110および在圏データ登録部120は、SGSN(Serving GPRS(General Packet Radio Service)Support Node)100に実装されている。
サービス提供部210は、要求に応じて端末装置11にサービスを提供する機能部であり、サービス提供サーバ200にその機能部として実装されている。
【0036】
端末状態情報管理部310は、モビリティ管理部110が端末装置11から受信したシステム登録信号に基づいて形成した在圏登録用データを、在圏データ登録部120を通して、端末状態情報として取得する。
また、適合性判定部320は、端末状態情報管理部310で取得された端末状態情報に基づいて、端末装置11の現在の状態が、サービス提供サーバ200によるサービスを享受するための既定の要件に適合するか否かを判定する。
【0037】
また、判定結果提供部330は、サービス提供サーバ200からの問い合せに応じて適合性判定部320における判定結果をサービス提供サーバ200に提供する。
本実施の形態では、端末状態情報管理部310、適合性判定部320、および、判定結果提供部330の各機能部がサービス提供管理装置300に実装される。
このサービス提供管理装置300は、上述の各機能部310、320、および、330を、物理的に一つの装置を構成する如く実装する態様を採り得る。しかしながら、技術思想としては、このような物理的に一つの装置を構成する態様に限定されるべき必然は無い。即ち、上述の各機能部は各別のノード等に実装されることを妨げられるものではなく、これら各機能部が連携し得るように結ばれて成る総体としてサービス提供管理装置300が構築され得る。
【0038】
図1の実施の形態におけるサービス提供管理装置300では、その適合性判定部320は、所在適合性判定フラグ設定部321、番号払い出し部322、および、番号紐付け管理部323、を含み、更に、利用期間適合性判定フラグ設定部324および利用度数適合性判定フラグ設定部325を含んで構成されている。
所在適合性判定フラグ設定部321は、端末状態情報管理部310が取得した在圏登録用データに基づいて端末装置がローミングインビジテッド網20に在圏しているか否かを判定し、該判定結果を表す所在適合性判定フラグを設定する。
【0039】
また、番号払い出し部322は、端末状態情報管理部310が取得した在圏登録用データに対応する整理番号を払い出す。
さらにまた、番号紐付け管理部323は、端末状態情報管理部310の管理下にある端末装置の識別子と、番号払い出し部322が払い出した整理番号と、所在適合性判定フラグ設定部321が設定した所在適合性判定フラグの値を一の条件として決定したサービス提供可否判定フラグとを紐付けて管理する。ここに、所在適合性判定フラグの値を一の条件として決定するとは、所在適合性判定フラグの値を一の条件とし、後述するような他の値を他の条件として、これらの条件の論理和或いは論理積として、サービス提供可否判定フラグの値を決する意である。
【0040】
そして、上述の判定結果提供部330は、より具体的には、番号紐付け管理部323が管理する当該サービス提供可否判定フラグのデータをサービス提供サーバ200に提供する。
尚、番号紐付け管理部323における上述の整理番号等の紐付け管理の態様については、後述する図6に、より具体的に例示されている。
【0041】
一方、本例における適合性判定部320は、番号払い出し部322による番号払い出し時点、判定結果提供部330によるデータ提供時点、および、端末装置からのサービス提供要求時点のうちの何れか一の時点を計時起算時点としてタイマによる計時動作を行い、現在時点において、既定の計時期間が満了に到っているか否かを判定し、該判定結果を表す利用期間適合性判定フラグを設定する利用期間適合性判定フラグ設定部324を有している。
【0042】
尚、この場合における計時起算時点とは、当該時点から直ちに時間のカウントが開始される時点のみならず、当該時点から既定の確定した遅延時間を経て現実の時間のカウントが開始される場合や、当該時点から既定の処理により確定する遅延時間後に時間のカウントが開始される場合をも包摂され得る意である。
また、このような利用期間適合性判定フラグ設定部324を有する構成に対応して、上述の番号紐付け管理部323は、利用期間適合性判定フラグの値と、既述の所在適合性判定フラグの値とを合わせ勘案して、サービス提供可否判定フラグを決定する。
【0043】
即ち、既述の所在適合性判定フラグの値を一の条件とし、利用期間適合性判定フラグの値を他の条件として、これら両条件(フラグの値)の論理和或いは論理積として、サービス提供可否判定フラグを決定する。
そして、このサービス提供可否判定フラグと、端末状態情報管理部310の管理下にある端末装置の識別子と、番号払い出し部322が払い出した整理番号とを、共に紐付けて管理する。
【0044】
また一方、本例における適合性判定部320は、端末装置からのサービス提供要求回数の累積値または頻度が既定の値未満であるか否かを判定し、該判定結果を表す利用度数適合性判定フラグを設定する利用度数適合性判定フラグ設定部325を有している。
また、このような利用度数適合性判定フラグ設定部325を有する構成に対応して、上述の番号紐付け管理部323は、利用度数適合性判定フラグの値と、既述の所在適合性判定フラグの値とを合わせ勘案して、サービス提供可否判定フラグを決定する。
【0045】
即ち、既述の所在適合性判定フラグの値の如何を一の条件とし、利用度数適合性判定フラグの値を他の条件として、これら両条件(フラグの値)の論理和或いは論理積として、サービス提供可否判定フラグを決定する。そして、このサービス提供可否判定フラグと、端末状態情報管理部310の管理下にある端末装置の識別子と、番号払い出し部322が払い出した整理番号とを、共に紐付けて管理する。
【0046】
次に、図2ないし図5を参照して図1のサービス提供管理装置を用いたサービス提供管理システムの動作例について説明する。
図2は、図1のサービス提供管理装置を用いたサービス提供管理システムの動作を例示する概念図である。
図2において、端末装置(ホーム網を他網とするユーザ)11がローミングインビジテッド網20にアタッチすると、ローミングインビジテッド網20では、この端末装置11(そのユーザ)にクーポンを利用可能な店舗等のURLを表記したウェルカムSMSをユーザに通知する………P1
【0047】
端末装置11のユーザがウェルカムSMSに表記のURLで表された店舗があるショッピングセンタSCを訪れ、クーポンが有効なA店、B店、C店等でクーポンを利用した買い物をするに際し、ウェルカムSMSに表記のURLを参照して、該当するクーポンサイト(クーポン発行サーバ200)にアクセスする………P2
【0048】
クーポン発行サーバ200では、ユーザの端末装置11がローミングインビジテッド網に在圏している等の、既述のようなサービス利用の適合性(図1のサービス提供管理装置300における適合性判定部320の機能等により判定される)を充足しているかを確認して、サービス利用の適合性が充足されていることが確認された場合に、この端末装置11にクーポンを発行する………P3
図2では、このクーポンによって、A店では30%オフ、B店では25%オフ、C店では10%オフの特典がユーザに与えられることが象徴的に表記されている。
【0049】
次に、図3および図4を参照して、図2における動作のうち、ローミングインした端末装置の位置登録とウェルカムSMSの送信について、より詳細に説明する。尚、適宜、図1をも参照する。
図3は、図1のサービス提供管理装置を用いたサービス提供管理システムの動作を例示するフローチャートである。
更に、図4は、図1のサービス提供管理装置を用いたサービス提供管理システムの動作を例示するシーケンスチャートである。
【0050】
ローミングインユーザ(端末装置11)がローミングインビジテッド網20にアタッチすると(図4:S401)、例えば、図1を参照して既定のSGSN100の他、MSC(Mobile Service switching Centre)、MME(Mobility Management Entity)等々である在圏網装置がホーム網10のHSS(Home Subscriber Server)、HLR(Home Location Register)等のうち該当するノードへ位置登録信号を転送し、この転送先であるホーム網で位置登録が行われる(図3:S301)。
【0051】
図1では、この位置登録のためのシステム登録信号が、S1、S2として図示されている。
この位置登録に際し、上述の在圏網装置(ローミングインビジテッド網20の該当する装置)は、端末装置(そのユーザ)が通信事業者間の協定等によりサービス提供対象オペレータのユーザであるか否かを判定し(図3:S302)、サービス提供対象オペレータのユーザであると判定したときには(S302:Yes)、図1を参照して既述のサービス提供管理装置300に対しても位置登録のためのシステム登録信号を転送する(図4:S402)。
【0052】
図1では、この位置登録のためのシステム登録信号が、SGSN100からサービス提供管理装置300への信号S2´として図示されている。
この転送を受けたサービス提供管理装置300では、この端末装置11が未登録の装置であるか否かを判定し(図3:S303; 図4:S403)、未登録の装置であると判定されたときには(S303:Yes)、ローミングインビジテッド網20における在圏登録が行われる(図3:S304)。
【0053】
上述のS402(図4)における、システム登録信号には、ローミングインユーザの端末装置を識別可能にする、MSISDN(Mobile Station ISDN number)、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、または、TMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity)の何れかの識別子が含まれており、これらの識別子に依拠して、在圏状況の把握やサービス提供可否判定フラグが管理される。尚、TMSIとは、網からSIM(Subscriber Identity Module)に動的に割り当てられる固有の番号である。
【0054】
次いで、サービス提供管理装置300(その番号払い出し部322)は、ローミングインビジテッド網20に在圏の端末装置11における識別子に紐付ける整理番号を払い出す(図3:S305; 図4:S404)。
そして、図1を参照して既述の通り、番号紐付け管理部323が、端末状態情報管理部310の管理下にある端末装置の識別子と、番号払い出し部322が払い出した整理番号と、所在適合性判定フラグ設定部321が設定した所在適合性判定フラグの値を一の条件として決定したサービス提供可否判定フラグとを紐付けて管理する(図4:S405)。
【0055】
ここに、上述の整理番号は、サービス提供管理装置300(その番号払い出し部322)が既に払い出し、番号紐付け管理部323で管理されている整理番号と重複しないように、払い出す。この払い出しの方法としては、乱数を利用する方法も一法である。また、その他の方法として、例えば、mod7が0、3、5となるような特定のアルゴリズムによる処理によって生成し、払い出す方法を適用してもよい。
【0056】
次いで、上述のようにして払い出した整理番号をクーポンを発行する装置であるクーポン発行サーバ(サービス提供サーバ)200(そのウェルカムSMS作成部)に通知する(図4:S406)。ウェルカムSMS作成部では、そのアドレスに含めたURLをウェルカムSMSの文面としてローミングインユーザ(端末装置)11に発信する(図3:S306 図4:S407)。
【0057】
上記のURLは、例えば「http://ssss.ssss.ne.jp/193049204242」のような態様である。
整理番号を通知する場合、上述のS306におけるようにアドレスに含めることはせず、ウェルカムSMSの文面に表記してローミングインユーザ(端末装置)11に通知してもよい。
【0058】
上述のようなクーポン発行サーバ(サービス提供サーバ)200からローミングインユーザ(端末装置)11への番号通知は、図1では、S3として表記されている。
尚、上述のS302での判定が否定的であるときには(S302:No)、サービスの提供の可否を管理しない通常の処理に移行する(図3:S307)。また、上述のS303での判定が否定的であるときには(S303:No)、既に在圏登録済みの状態にあるときの通常の処理に移行する(図3:S308)。
【0059】
また、ローミングインユーザ(端末装置)11が渡航時において初回の位置登録でない場合や、当該通信事業者におけるサービス仕様に規定が無い場合等においては、必ずしも上述の通りのサービス提供管理装置300における処理を実行するようにせず、適宜省略する方法を採ってもよい。
図5は、図1のサービス提供管理装置300を用いたサービス提供管理システムのクーポン払い出し動作を例示するシーケンスチャートである。
【0060】
ローミングインユーザ(端末装置)11は、ウェルカムSMSに表示されたクーポン発行サーバ(サービス提供サーバ)200のURLにアクセスしてクーポンの発行を要求する(S501)。
上述のようなクーポン発行サーバ(サービス提供サーバ)200へのクーポン発行の要求信号は、図1では、S4として表記されている。
【0061】
クーポン発行サーバ200は、上述のURLに含まれている整理番号を抽出して、この整理番号に紐付けられているローミングユーザ(端末装置)11に対応するサービス提供可否判定フラグをサービス提供管理装置300に問い合せる(S502)。
サービス提供可否判定フラグのデータは図1を参照して既定のように、クーポン発行サーバ(サービス提供サーバ)200に通知され判読される。そして、このサービス提供可否判定フラグのデータが「サービス提供可」の値であるときには、サービス提供管理装置300からクーポン発行サーバ(サービス提供サーバ)200にこの旨の通知が行われる(S503)。
【0062】
図5におけるS502およびS503のような、問い合せと応答(通知)は、図1では、S5として表記されている。
クーポン発行サーバ(サービス提供サーバ)200は、この通知に応じて、ローミングインユーザ(端末装置)11にクーポンを発行する(S504)。
上述のようなクーポン発行サーバ(サービス提供サーバ)200から、ローミングインユーザ(端末装置)11へのクーポン発行は、図1では、S6として表記されている。
【0063】
尚、サービス提供可否判定フラグのデータが「サービス提供可」の値を採る条件としては、端末装置が11の所在の適合性(ローミングインビジテッド網への在圏)のみならず、図1を参照して既定のとおり、利用期間に関する適合性、或いは、利用度数に関する適合性等が考慮され得る。
図6は、図1のサービス提供管理装置300における適合性判定部320での番号紐付け管理の態様を例示する図である。
【0064】
図示の例では、端末装置が11のMSISDNと、既述の整理番号と、所在適合性判定フラグと、利用期間適合性判定フラグと、利用度数適合性判定フラグと、これら3通りの適合性判定フラグの値の論理積としてのサービス提供可否判定フラグとが紐付けて管理される。
そして、既述のように、このサービス提供可否判定フラグの如何によって、サービス提供サーバ200から端末装置11へのサービス提供の可否が管理される。
【0065】
尚、このサービス提供可否判定フラグは、3通りの適合性判定フラグの値の論理和として得るように構成可能であることも図1を参照して既述の通りである。
以上に説明したところから容易に理解されるとおり、ローミングインビジテッド網20において、サービス提供サーバ200から端末装置11へのサービスの提供を管理する次のようなサービス提供管理システムが構築されていると見ることができる。
【0066】
即ち、端末装置11へサービスの提供を行うためのサービス提供サーバ200と、サービス提供サーバ200から端末装置11へのサービスの提供を管理するサービス提供管理装置300とを含んでサービス提供管理システムが構築されている。
そして、サービス提供管理装置300は、端末装置11のローミングインビジテッド網20への在圏の有無を表す情報を含む端末状態情報を取得し管理する端末状態情報管理部310と、この端末状態情報管理部310で取得された端末状態情報に基づいて端末装置11の現在の状態がサービス提供サーバによるサービスを享受するための既定の要件に適合するか否かを判定する適合性判定部320と、サービス提供サーバ200からの問い合せに応じて適合性判定部320における判定結果をサービス提供サーバ200に提供する判定結果提供部330と、を備えている。
【0067】
そして、また、サービス提供サーバから端末装置へのサービスの提供を管理する、次のようなサービス提供管理方法が具現される。
即ち、端末装置11のローミングインビジテッド網20への在圏の有無を表す情報を含む端末状態情報を取得して管理し、このように取得して管理している端末状態情報に基づいて端末装置11の現在の状態がサービス提供サーバ200によるサービスを享受するための既定の要件に適合するか否かを判定し、サービス提供サーバ200からの問い合せに応じてこの判定結果をサービス提供サーバ200に提供してサービス提供サーバ200から端末装置11へのサービスの提供を管理するサービス提供管理方法である。
【0068】
尚、上述の実施の形態のシステムについて付言すれば、仮に、悪意のユーザが所謂なりすましの如くして不正な整理番号を用いてサービス提供サーバにアクセスしてきた場合においても、整理番号の払い出しに関する既述のような、本システム固有の方法に拠らない整理番号であるとして不正なアクセスを拒絶することができるため、SGSN等在圏管理の機能を賄うノードの負担が軽減されるという利点もある。
【符号の説明】
【0069】
10…………………………………………ホーム網
11…………………………………………端末装置
12…………………………………………GGSN
20…………………………………………ローミングインビジテッド網
30…………………………………………サービス提供管理システム
100………………………………………SGSN
110………………………………………モビリティ管理部
120………………………………………在圏データ登録部
200………………………………………サービス提供サーバ
210………………………………………サービス提供部
300………………………………………サービス提供管理装置
310………………………………………端末状態情報管理部
320………………………………………適合性判定部
321………………………………………所在適合性判定フラグ設定部
322………………………………………番号払い出し部
323………………………………………番号紐付け管理部
324………………………………………利用期間適合性判定フラグ設定部
325………………………………………利用度数適合性判定フラグ設定部
330………………………………………判定結果提供部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス提供サーバから端末装置へのサービスの提供を管理するサービス提供管理装置であって、
前記端末装置の状態に関する端末状態情報を取得し管理する端末状態情報管理部と、
前記端末状態情報管理部で取得された端末状態情報に基づいて前記端末装置の現在の状態が前記サービス提供サーバによるサービスを享受するための既定の要件に適合するか否かを判定する適合性判定部と、
前記サービス提供サーバからの問い合せに応じて前記適合性判定部における判定結果を前記サービス提供サーバに提供する判定結果提供部と、
を備えていることを特徴とするサービス提供管理装置。
【請求項2】
前記端末状態情報管理部は、端末装置のモビリティに関する情報を管理するモビリティ管理部が前記端末装置から受信したシステム登録信号に基づいて形成した在圏登録用データを、該在圏登録用データを外部に提供可能に保持する在圏データ登録部を通して、前記端末状態情報として取得することを特徴とする請求項1に記載のサービス提供管理装置。
【請求項3】
前記適合性判定部は、
前記端末状態情報管理部が取得した在圏登録用データに基づいて前記端末装置がローミングインビジテッド網に在圏しているか否かを判定し、該判定結果を表す所在適合性判定フラグを設定する所在適合性判定フラグ設定部と、
前記端末状態情報管理部が取得した在圏登録用データに対応する整理番号を払い出す番号払い出し部と、
前記端末状態情報管理部の管理下にある前記端末装置の識別子と、前記番号払い出し部が払い出した整理番号と、前記所在適合性判定フラグの値を一の条件として決定したサービス提供可否判定フラグとを紐付けて管理する番号紐付け管理部と、
を含んで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のサービス提供管理装置。
【請求項4】
前記判定結果提供部は、前記番号紐付け管理部が管理する当該サービス提供可否判定フラグのデータを前記サービス提供サーバに提供することを特徴とする請求項1に記載のサービス提供管理装置。
【請求項5】
前記適合性判定部は、前記番号払い出し部による番号払い出し時点、前記判定結果提供部によるデータ提供時点、および、前記端末装置からのサービス提供要求時点のうちの何れか一の時点を計時起算時点とする既定の計時期間が満了に到っているか否かを判定し、該判定結果を表す利用期間適合性判定フラグを設定する利用期間適合性判定フラグ設定部を有し、
前記番号紐付け管理部は、前記利用期間適合性判定フラグ設定部によって設定された利用期間適合性判定フラグの値を前記一の条件に対する他の条件として前記サービス提供可否判定フラグを決定して、前記端末状態情報管理部の管理下にある前記端末装置の識別子と、前記番号払い出し部が払い出した整理番号と共に紐付けて管理することを特徴とする請求項3に記載のサービス提供管理装置。
【請求項6】
前記適合性判定部は、前記端末装置からのサービス提供要求回数の累積値または頻度が既定の値未満であるか否かを判定し、該判定結果を表す利用度数適合性判定フラグを設定する利用度数適合性判定フラグ設定部を有し、
前記番号紐付け管理部は、前記利用度数適合性判定フラグ設定部によって設定された利用度数適合性判定フラグの値を前記一の条件に対する他の条件として前記サービス提供可否判定フラグを決定して、前記端末状態情報管理部の管理下にある前記端末装置の識別子と、前記番号払い出し部が払い出した整理番号と共に紐付けて管理することを特徴とする請求項3に記載のサービス提供管理装置。
【請求項7】
端末装置へサービスの提供を行うためのサービス提供サーバと、前記サービス提供サーバから前記端末装置へのサービスの提供を管理するサービス提供管理装置とを含むサービス提供管理システムであって、
前記サービス提供管理装置は、
前記端末装置のローミングインビジテッド網への在圏の有無を表す情報を含む端末状態情報を取得し管理する端末状態情報管理部と、
前記端末状態情報管理部で取得された端末状態情報に基づいて前記端末装置の現在の状態がサービス提供サーバによるサービスを享受するための既定の要件に適合するか否かを判定する適合性判定部と、
前記サービス提供サーバからの問い合せに応じて前記適合性判定部における判定結果を前記サービス提供サーバに提供する判定結果提供部と、
を備えていることを特徴とするサービス提供管理システム。
【請求項8】
サービス提供サーバから端末装置へのサービスの提供を管理するサービス提供管理方法であって、
前記端末装置のローミングインビジテッド網への在圏の有無を表す情報を含む端末状態情報を取得して管理し、
前記取得して管理している端末状態情報に基づいて前記端末装置の現在の状態が前記サービス提供サーバによるサービスを享受するための既定の要件に適合するか否かを判定し、
前記サービス提供サーバからの問い合せに応じて前記判定結果を前記サービス提供サーバに提供して前記サービス提供サーバから前記端末装置へのサービスの提供を管理することを特徴とするサービス提供管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−109709(P2012−109709A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255707(P2010−255707)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】