説明

サーベイメータ

【課題】 複数いる巡視員の習熟度・個人差に影響されることなく同じ監視地点での正確な計測を可能とし、適格な放射線管理を実現するとともに、サーベイデータの管理を容易にして、変化を検出作業位置で直ちに確認できるように配慮したサーベイメータを提供する。
【解決手段】
過去に計測したサーベイデータを、例えばICタグ・ICカードのような非接触型の通信型メモリ300に保存し、パトロールの都度、この過去のサーベイデータを通信型メモリ300から読み出すようなサーベイメータ100とした。サーベイメータ100が通信型メモリ300から過去のサーベイデータを読み出せる範囲内に近づいたときにサーベイを行うようにして検出作業位置を限定し、ピンポイントの定点サーベイを実現する。また、検出作業位置で過去のサーベイデータと比較して異常を発見できるようにしたため、異常発生原因に対する迅速な対応を可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線の管理区域で各種データを取得する測定器であるサーベイメータに関する。
【背景技術】
【0002】
放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和32年法律第167号)の施行規則および告示等により、放射線取扱施設などに設定される管理区域は、外部被ばくだけが問題になる区域(放射線管理区域)と内部被ばくおよび外部被ばくの両方が問題になる区域(汚染管理区域)とに分けられている。
【0003】
サーベイメータは、これら放射線管理区域または汚染管理区域(以下単に管理区域という)で放射線に関する各種データを測定するための装置である。このサーベイメータに要求される条件は、コンパクトに作られて小型軽量で携帯に便利なこと、取扱や保守が容易なこと、応答時間が速いこと、エネルギー特性が良好で感度の方向依存性が無いこと、温度や湿度の変化に対して安定していること、電磁誘導の影響を受けないこと、などが挙げられる。
【0004】
また、従来技術例として、携帯型のサーベイメータではないが、管理区域内で利用される装置として例えば特許文献1(発明の名称:放射線表示システム)が開示されている。
【0005】
さらにまた、携帯型端末で無線を利用して放射線計測する従来技術例として、例えば特許文献2(発明の名称:放射線計測システム)が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平11−248839号公報 (段落番号0016〜0041,図1)
【特許文献2】特開平8−248135号公報 (段落番号0024〜0031,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来から、このサーベイメータを用いて管理区域での環境を調査するパトロールサーベイが行われ、管理区域における放射線業務従事者の予測被ばく線量を評価して作業方法等を改善し、被ばくの防止と被ばく線量の低減化が図られている。このようなパトロールサーベイでは、サーベイメータに加えてカメラ(デジタルカメラ又はアナログカメラ)およびノートを持参し、サーベイメータに表示された表示値をサーベイデータとしてノートに記録し、また、管理区域の状況をカメラで撮影することでサーベイを行っている。そして、事務所に戻った後に過去のサーベイデータと比較し、異常を検出していた。
【0008】
さてこのようなパトロールサーベイは、定点でサーベイをし続けることが原則であるが、同じ巡視員が同じサーベイメータで放射線検出作業を行ったとしても日によっては検出作業位置が異なることもある。さらに複数の巡視員が交代でパトロールを行う場合には、人によって検出作業位置が大幅に変化することもある。このように従来では、正確に同一場所の放射線検出作業を行うことができないおそれがあるという問題があった。また、検出作業位置が異なることに起因して放射線が増減して検出され、異常を見過ごしたり、または、不要な対策を施したりして、安全性の低下や運用コスト増大に繋がるおそれがあった。
【0009】
また、パトロールサーベイ途中では過去のパトロールサーベイで得たサーベイデータと比較することができないため、変化があっても気がつかず、パトロールサーベイ終了後で事務所に戻った後に過去のサーベイデータと比較し、差異に気がついたとき再度監視地点に行くことで対処していた。
しかしながら、再度パトロールを行っても、状況が変化してその差異を再び確認することができないこともある。また、差異を確認したとしても初動対策が遅れてしまうおそれもあった。さらにまた、何度も管理区域に巡視員を派遣することは、安全上好ましいものではなく、できれば回避したいという要請があった。
【0010】
さらに、現場の様子を報告するためカメラを使用しているが、写真と日付時刻・撮影位置との関連付けが難しく、写真とサーベイデータとを関連づける作業は手間を要するものであった。さらに、問題が発生したときにコンピュータ等で管理している過去の画像データの探索が大変であり、仮に対策に緊急を要する事象が発生したにも拘らず探索に時間を要してしまい、初動対策が遅れてしまうおそれもあった。
【0011】
そこで、本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数いる巡視員の習熟度・個人差に影響されることなく同じ監視地点での正確な計測を可能とし、適格な放射線管理を実現するサーベイメータを提供することにある。
また、サーベイデータの管理を容易にして、変化を検出作業位置で直ちに確認できるように配慮したサーベイメータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明のサーベイメータは、
放射線を監視する監視地点に設置された通信型メモリと通信するサーベイメータであって、
放射線を検出して検出データを出力する検出部と、
取り外し可能なカードメモリに対してサーベイデータを読み書きする読み書き装置と、
アンテナと通信信号を入出力するリードライト装置と、
通信型メモリと無線で通信するアンテナと、
グラフィック表示および/またはテキスト表示を行う表示部と、
監視地点に設置された通信型メモリと電磁結合されたか否かを判定する電磁結合判定手段と、
通信型メモリと電磁結合されたと判断される場合に、監視地点に設置された通信型メモリから過去のサーベイデータを読み出すようにリードライト装置を制御する通信型メモリ読出制御手段と、
検出部から出力された検出データに基づいて当回のサーベイデータを生成するサーベイデータ生成手段と、
過去のサーベイデータを当回のサーベイデータに組み合わせて生成した比較表示用のグラフィック表示データまたはテキスト表示データを表示部に出力させるように制御する表示部出力制御手段と、
過去のサーベイデータと当回のサーベイデータとを組み合わせた新たなサーベイデータを通信型メモリに書き込むようにリードライト装置を制御する通信型メモリ書込制御手段と、
当回のサーベイデータをカードメモリに書き込むように読み書き装置を制御するカードメモリ書込制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る発明のサーベイメータは、
放射線を監視する監視地点に設置された通信型メモリと通信するサーベイメータであって、
放射線を検出して検出データを出力する検出部と、
取り外し可能なカードメモリに対してサーベイデータを読み書きする読み書き装置と、
アンテナと通信信号を入出力するリードライト装置と、
通信型メモリと無線で通信するアンテナと、
グラフィック表示および/またはテキスト表示を行う表示部と、
撮像により画像データを出力するカメラと、
監視地点に設置された通信型メモリと電磁結合されたか否かを判定する電磁結合判定手段と、
通信型メモリと電磁結合されたと判断される場合に、監視地点に設置された通信型メモリから過去のサーベイデータを読み出すようにリードライト装置を制御する通信型メモリ読出制御手段と、
検出部から出力された検出データに基づいて当回のサーベイデータを生成するサーベイデータ生成手段と、
過去のサーベイデータを当回のサーベイデータに組み合わせて生成した比較表示用のグラフィック表示データまたはテキスト表示データを表示部に出力させるように制御する表示部出力制御手段と、
カメラから出力された画像データを入力する画像データ入力手段と、
カメラから出力された画像データを当回のサーベイデータに関連させて新たな当回のサーベイデータを生成する画像データ付加手段と、
過去のサーベイデータと当回のサーベイデータとを組み合わせた新たなサーベイデータを通信型メモリに書き込むようにリードライト装置を制御する通信型メモリ書込制御手段と、
当回のサーベイデータをカードメモリに書き込むように読み書き装置を制御するカードメモリ書込制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る発明のサーベイメータは、
請求項1または請求項2のサーベイメータにおいて、
前記電磁結合判定手段と前記通信型メモリ読出制御手段とに代えて、
監視地点に設置された通信型メモリから過去のサーベイデータを読み出すようにリードライト装置を制御し、過去のサーベイデータが読み出された場合に監視地点に設置された通信型メモリと電磁結合されたと判断する通信型メモリ読出制御手段を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項4に係る発明のサーベイメータは、
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のサーベイメータにおいて、
通信型メモリから読み出されるサーベイデータには自らの監視地点に係る監視地点データが含まれるようになされ、
巡視予定となっている複数の監視地点に係る監視予定地点データを登録した内部メモリと、
内部メモリから読み出した監視予定地点データから監視予定地点を表すグラフィック表示データまたはテキスト表示データを生成して表示部に出力させるように制御する表示部出力制御手段と、
監視終了した監視予定地点データに監視済みを表す監視済みデータを加えて内部メモリに書き込む内部メモリ書き込み手段と、
監視済みデータが付加された監視予定地点は監視済みであるように表示するか、または、未表示とするグラフィック表示データまたはテキスト表示データを生成して表示部に出力させるように制御する表示部出力制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項5に係る発明のサーベイメータは、
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のサーベイメータにおいて、
前記グラフィック表示は、検出日時における検出データの変化をグラフとして表したトレンド表示を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項6に係る発明のサーベイメータは、
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のサーベイメータにおいて、
前記グラフィック表示は、検出日時と検出データとを帳票として表した帳票表示を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
このような本発明によれば、複数いる巡視員の習熟度・個人差に影響されることなく同じ監視地点での正確な計測を可能とし、適格な放射線管理を実現するサーベイメータを提供することができる。
また、サーベイデータの管理を容易にして、変化を検出作業位置で直ちに確認できるように配慮したサーベイメータを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
続いて、本発明を実施するための最良の形態について、図を参照しつつ説明する。図1は本形態のサーベイメータ100の斜視外観図である。サーベイメータ100は、図1で示すように、ハンディタイプであり、表示部60、操作部70が表面に形成されている。また、カードメモリ200が着脱可能である。
【0020】
図2は、本形態のサーベイメータ100の使用を説明する説明図である。監視地点には表示板400が配置されており、放射線を監視する監視地点であることが表示されている。このような表示板400には通信型メモリ300が貼付けられており、サーベイメータ100はこの通信型メモリ300と通信する。
【0021】
続いてこのようなサーベイメータ100の構成について図を参照しつつ説明する。図3は本形態のサーベイメータ100のブロック構成図である。サーベイメータ100は、図1で示すように、検出部10、カメラ20、内部メモリ30、読み書き装置40、CPU50、表示部60、操作部70、リードライト装置80、アンテナ90を備えている。
【0022】
検出部10は放射線を検出して検出データを出力する機能を有している。検出部10は各種放射線(α線,β線,γ線)を検出するものであるが、本形態では、発明の具体化のため、β線とγ線とを検出するものとして、β線検出部11、変換回路12、γ線検出部13、変換回路14を備えるとして説明する。β線検出部11でβ線を検出して変換回路12へ信号を出力し、変換回路12で信号増幅の上でデジタルのβ線検出データに変換して出力する。同様に、γ線検出部13でγ線を検出して変換回路14へ信号を出力し、変換回路14で信号増幅の上でデジタルのγ線検出データに変換して出力する。これらβ線検出データ,γ線検出データは、検出部10に接続されているCPU50へ出力され、内部メモリ30にて保存される。
【0023】
カメラ20は、デジタルカメラとして機能し、図示しないが、レンズ、CCD、画像データ処理装置等を備えている。このカメラ20が撮像した画像データは、カメラ20に接続されているCPU50へ出力され、内部メモリ30にて保存される。
内部メモリ30は、各種データの一時的な保存や、各種データ処理時のワークエリアとして利用される。
読み書き装置40は、取り外し可能な記憶媒体であるカードメモリ200に対して各種データを読み書きする。
【0024】
CPU50は、検出部10、カメラ20、内部メモリ30、読み書き装置40、表示部60、操作部70、リードライト装置80と接続されている。なお、実際の使用に伴う処理については後述する。
表示部60は、グラフィック表示やテキスト表示を行う。なお表示内容も後述する。
【0025】
操作部70は、カメラ操作、記憶操作、表示切り換え操作、選択操作を行うためのスイッチ部である。なお操作についても実際の使用に伴う処理の説明で一括して説明される。
リードライト装置80は、アンテナ90と通信可能に接続されている。
アンテナ90は、通信型メモリ300と所定範囲内にある場合に、通信型メモリ300の図示しないループアンテナと電磁結合して通信可能に接続される。
【0026】
カードメモリ200は、取り外し可能に構成されたメモリであり、各種規格が存在するが、例えばSDカードである。
通信型メモリ300は、詳しくはICチップをプラスチックのカードに封入したICカードであったり、ICチップをタグ(数ミリ角)の形状にしたICタグである。また、これらICカードまたはICタグに共通して搭載されるICチップはメモリのみ搭載した通常タイプであったり、または、メモリとCPUを搭載したインテリジェントタイプであっても良い。
【0027】
また、非接触型ICチップの場合には、データが読み書きできる距離によって「密着型(2mm以内)」、「近接型(10cm以内)」、「近傍型(70cm以内)」といった分類があり、いずれの型でも採用が可能である。
以下、本形態では近接型(10cm以内)の非接触型のICタグによる通信型メモリ300であるものとして説明する。
【0028】
これらCPU50、リードライト装置80、アンテナ90、通信型メモリ300とでは、CPU50から読み出しコマンドを送信して通信型メモリ300から読み出しデータを読み出したり、また、CPU50から書き込みコマンドと書き込みデータを送信して通信型メモリ300に書き込んだりすることができる。
これは詳しくは、以下のようなデータ通信がなされる。
【0029】
データの読み出しを行いたい場合、リードライト装置80は、CPU50から出力された読み出しコマンドをキャリア信号に重畳して変調信号とし、さらにこの変調信号を増幅して通信型メモリ300への送信信号を生成し、アンテナ90をドライブして通信型メモリ300側に電波(電磁波)で送信信号を伝達して読み出しコマンドおよび電力を通信型メモリ300に送信する。通信型メモリ300は、図示しないループアンテナによって、上記送信信号を受信し、電源回路でキャリア信号から電源電圧を発生させると同時に、受信回路によって変調信号を復調して読み出しコマンドを生成してメモリから所望の読み出しデータを読み出す。そして、送信回路によって読み出しデータをキャリア信号に重畳して変調信号を生成し、ループアンテナをドライブして電波(電磁波)で伝達する。リードライト装置80はアンテナ90によって変調信号を受信し、復調を行って、読み出しデータを得てCPU50へ出力する。
【0030】
データの書き込みを行いたい場合、リードライト装置80は、CPU50から出力された書き込みコマンドおよび書き込みデータをキャリア信号に重畳して変調信号とし、さらにこの変調信号を増幅して通信型メモリ300への送信信号を生成し、アンテナ90をドライブして通信型メモリ300側に電波(電磁波)で送信信号を伝達して書き込みコマンド,書き込みデータおよび電力を通信型メモリ300に送信する。通信型メモリ300は、図示しないループアンテナによって、上記送信信号を受信し、電源回路でキャリア信号から電源電圧を発生させると同時に、受信回路によって変調信号を復調して書き込みコマンドおよび書き込みデータを生成してメモリへ書き込みデータを書き込むとともに書き込み終了データを生成する。そして、送信回路によって書き込み終了データをキャリア信号に重畳して変調信号を生成し、送信回路がループアンテナをドライブして電波(電磁波)で伝達する。リードライト装置80はアンテナ90によって受信し、復調を行って、書き込み終了データをCPU50へ出力する。
【0031】
続いて、本形態のサーベイメータ100の利用方法について図を参照しつつ説明する。図4,図5は本形態のサーベイメータ100を用いるパトロールサーベイのフローチャートである。図6〜図11は、本形態のサーベイメータ100の処理を説明するフローチャートである。図12は、本形態のサーベイメータ100によるトレンド表示の説明図、図13は、本形態のサーベイメータ100による帳票表示の説明図である。
【0032】
まず、前提として、施設内が放射線管理区域、放射線管理区域前室、事務所と分けられており、放射線管理区域と放射線管理区域前室とが入り口で隔てられているものとする。放射線管理区域前室にサーベイメータ100が置かれているものとする。
そして放射線管理区域内で多数の監視地点が決定され、これら監視地点にはそれぞれ図2で示したような表示板400が設置されているものとする。この表示板400は目立つ色合であって監視地点であることを表示するものであり、さらに表示板400上に通信型メモリ300を貼り付けておく。この通信型メモリ300は堅牢タイプのICタグを設置しておく。このような配慮により、パトロールサーベイ(巡視)を行う巡視員に監視地点であることの注意が確実に喚起される。これにより、巡視員が複数いて日替わりでパトロールサーベイを行う体制であるとしても、巡視員の個人差によらずに監視地点が確実に認識され、同一場所で必要とするデータを取りこぼすことなく取得することができる。
【0033】
このような状況下でのパトロールサーベイについて図4を参照しつつ説明する。まず、巡視員は事務所から放射線管理区域前室へ移動する。この放射線管理区域前室で、データが記録されていないカードメモリ200をサーベイメータ100に装着し、このサーベイメータ100を携帯する(図4のステップS1)。このサーベイメータ100は、単体でβ線,γ線の検出データの記録およびカメラにより画像データの記録が可能であり、他に携帯が必要なものを無くして放射線汚染されるものをサーベイメータ100のみとしている。
【0034】
続いて、サーベイメータ100を携帯して放射線管理区域内に入ってパトロールサーベイを開始し、最初の監視地点に向かう(図4のステップS2)。所定巡回経路で監視地点を順番に複数巡るものであるが、最初の監視地点へまず向かうこととなる。巡視員が到着すると、監視地点に設置している通信型メモリ300にサーベイメータ100を近づけて過去のサーベイデータを読み込ませる(図4のステップS3)。
【0035】
この場合、サーベイメータ100は、図6で示すように動作する。
まずCPU50は、監視地点に設置された通信型メモリ300と電磁結合されたか否かを判定する(図6のステップS3a)。この電磁結合されたか否かは、例えば、ダミーデータの読み出しコマンドを送信してダミーデータが返信された場合に電磁結合がされていると判断できる。
【0036】
CPU50は、通信型メモリ300と電磁結合されたと判断される場合に、自動的に通信型メモリ300からの読み出し動作を開始し、監視地点に設置された通信型メモリ300から過去のサーベイデータを読み出すようにリードライト装置80を制御する(図6のステップS3b)。すると、通信型メモリ300、アンテナ90、リードライト装置80を経て過去のサーベイデータをCPU50が読み込む。このサーベイデータは、後に詳述するが、基本的に月日時刻データ、監視地点データ、線量データ、表面汚染データであり、場合によっては画像データが加えられている。
【0037】
先に説明したように通信型メモリ300は近接型で詳しくは図1でも示すように10cm程度の距離に近づけないと読み書きできないタイプであるため、巡視員は通信型メモリ300にサーベイメータ100を近づけて読み込ませる必要がある。換言すれば、通信型メモリ300から10cmの範囲内にサーベイメータ100が位置することとなる。
【0038】
図4に戻るが、サーベイメータ100によりサーベイを実行して当回のサーベイデータを取得する(図4のステップS4)。なお、このサーベイは、巡視員が操作部70を操作して取得しても良く、また、上記の図6のステップS3b終了後に自動的に直ちにサーベイを行って取得しても良く、これら実行は適宜選択されるが、本形態では自動的に行われるものとして説明する。
【0039】
この場合、サーベイメータ100は、図7で示すように動作する。
まずCPU50は、検出部10から出力された検出データを取り込む(図7のステップS4a)。巡視員がサーベイメータ100の操作部70の選択操作を行うとβ線を検出するかγ線を検出するかが選択されるようになされており、例えば、予めβ線が選択されていたならばCPU50は、β線検出部11から出力され、変換回路12を経てデジタルデータ化されたβ線検出データを読み込む。また、予めγ線が選択されていたならばγ線検出データを読み込む。さらにはβ線・γ線と順次検出して、β線検出データおよびγ線検出データを読み込むような設定としてもよい。
【0040】
ここで先に述べたように通信型メモリ300の10cm範囲内にサーベイメータ100があるため、日時・人に影響されることなくほぼ同じ位置で検出が行われる。このように、検出前にサーベイメータ100が通信型メモリIC300から過去のサーベイデータを読み出すようにしたため、サーベイメータ100を確実に同じ位置(無線通信可能範囲内)に誘導するように機能している。
【0041】
CPU50は、このように検出部から出力されたβ線,γ線の検出データに基づいて当回のサーベイデータを生成する(図7のステップS4b)。このサーベイデータは、月日時刻データ、監視地点データ、線量データ、表面汚染データである。月日時刻データおよび監視地点データは、通信型メモリ300から読み出されたデータを使用する。このようにこれら関係する一連のデータを紐付けにして管理可能とするため、放射線データ,場所,日付時刻,現場映像についてデータが検索しやすくなる。
【0042】
続いて、CPU50は過去のサーベイデータを当回のサーベイデータに組み合わせて比較表示用のグラフィック表示データを生成して、表示部60にグラフィック表示により出力させるように制御して、トレンド表示を行う(図7のステップS4c)。このようなトレンド表示は図12で示すように検出日時における検出データの変化をグラフとして表した表示となり、例えば月日別に線量や表面汚染のトレンド変化が表示される。
【0043】
なお、上記したグラフィック表示では表示部60に帳票表示を行うようにしても良い。このような帳票表示は図13で示すように月日時刻データ、監視地点データ、線量データ、表面汚染データを帳票として表した表示となる。また、グラフィック表示ではなく、単に月日時刻データ、監視地点データ、線量データ、表面汚染データをそのまま表示するテキスト表示としても良い。
さらにはグラフィック表示データおよびテキスト表示データの両方をともに生成してトレンド表示、帳票表示、およびテキスト表示を共に行っても良い。これら表示はサーベイメータ100の操作部70の表示切換操作を行って、切換えるものである。
【0044】
図4に戻るが、巡視員は当回の巡視によるサーベイデータと過去のサーベイデータとで変化があるか否かについて考察判断し(図4のステップS5)、問題が無ければそのままこの地点でのサーベイを終了するが、汚染レベルについて変化があると考察したならば、原因を調査する(図4のステップS6)。そして、問題があると感じられる箇所について、巡視員は、サーベイメータ100の操作部70のカメラ操作を行って、サーベイメータ100が内蔵するカメラ20により写真撮影したり(図4のステップS7)、事務所の上司へ緊急に報告して対処を求めるようにしても良い。
【0045】
この場合、サーベイメータ100は、図8で示すように動作する。
CPU50は、操作部70での操作に応じてカメラ20が撮像するように制御して、画像データをカメラ20から出力させる(図8のステップS7a)。
CPU50は、カメラ20から出力された画像データを当回のサーベイデータに関連させて新たな当回のサーベイデータを生成する(図8のステップS7b)。このサーベイデータは、月日時刻データ、監視地点データ、線量データ、表面汚染データに加えて画像データを関連づけて一のサーベイデータを生成するものであり、紐付けのデータとなってデータ整理がなされる。
【0046】
図4に戻るが、巡視員はサーベイメータ100の操作部70の記憶操作を行って、通信型メモリ300に生成したサーベイデータを書き込ませる(図4のステップS8)。この場合、サーベイメータ100は巡視員により当然に通信型メモリ300との通信範囲内に移動させられている。
この場合、サーベイメータ100は、図9で示すように動作する。
CPU50は、過去のサーベイデータと当回のサーベイデータとを組み合わせた新たなサーベイデータを通信型メモリ300に書き込むようにリードライト装置80を制御する(図9のステップS8a)。
続いて、リードライト装置80が新たなサーベイデータを通信型メモリ300に書き込む(図9のステップS8b)。
このように検出したサーベイデータを監視地点にある通信型メモリ300に書き込むことが可能となる。この場合、書き込める容量があれば問題がないが、既に書き込める容量が残っていない場合でも最も過去のサーベイデータが書き込まれているアドレスを検索してその上に上書きすることとなる。
【0047】
図4に戻るが、先のサーベイメータ100の操作部70の記憶操作により、カードメモリ200にサーベイデータを書き込ませる(図4のステップS9)。
この場合、サーベイメータ100は、図10で示すように動作する。
CPU50は、当回のサーベイデータをカードメモリ200に書き込むように読み書き装置40を制御する(図10のステップS9a)。
続いて、読み書き装置40が当回のサーベイデータをカードメモリ200に書き込む(図10のステップS9b)。
これにより監視地点でのサーベイが完了することとなる。
【0048】
図4に戻るが、まだサーベイを行っていない他の監視地点があるならば(図4のステップS10でNO)、次の監視地点に移動して(図4のステップS11)、同様のサーベイを繰り返す。以下、全ての監視地点で図4のステップS3〜ステップS9の一連のサーベイを繰り返し行い、全部の監視地点でサーベイを行ったならば(図4のステップS10でYES)、サーベイメータ100を放射線管理区域前室まで持ち帰る(図5のステップS12)。そして、サーベイメータ100からカードメモリ200を取り出して(図5のステップS13)、サーベイメータ100を返却し(図5のステップS14)、カードメモリ200のみ事務所に持ち帰り、カードメモリ200から当回のサーベイデータを読み出して、より詳しいコンピュータ解析を行う(図5のステップS15)。
巡視員によりパトロールサーベイの一連の流れはこのようなものとなる。
【0049】
さて、上記したサーベイメータ100では図6で示すように電磁結合されたか否かを判定して、電磁結合された場合に通信型メモリ300から過去のサーベイデータを読み出すようにしている。しかしながらこの電磁結合の有無の判断を省略することができる。このような他の形態について説明する。この場合、上記した図6のステップS3a,S3bに代えて図11のステップS3c,S3dを行わせるものである。
CPU50は、図11で示すように、最初に監視地点に設置された通信型メモリ300から過去のサーベイデータを読み出すようにリードライト装置80を制御する(図11のステップS3c)。そして、過去のサーベイデータが読み出された場合にCPU50は、監視地点に設置された通信型メモリ300と電磁結合されたと判断する(図11のステップS3d)。
【0050】
つまり、過去のサーベイデータが読み出せる状態であるならば電磁結合がされたとして、電磁結合の判定を省略するものである。通信型メモリ300から過去のサーベイデータを読み出した後のサーベイによる検出データの取得時でも充分通信可能地域に近いため、位置精度を高めている。このような構成としても、通信可能範囲での計測となるように限定して、計測データの計測位置精度を向上させている。
【0051】
以上本発明のサーベイメータ100について説明した。本形態ではさらに各種の変形が可能である。例えば、図4のステップS10では全部の監視地点でサーベイを行ったかを判定しているが、先に説明した形態では人間の判断によっている。このため、新人の巡視員が巡視して監視地点を見過ごしたり、また、経験豊富な巡視員でも巡視経路が複雑な場合には監視地点を通過してしまうおそれもある。しかしながら、監視地点のチェックのために筆記具・メモ類を持ち込むことは、放射線汚染を少なくする観点から好ましくない。そこで、監視地点およびその監視地点で監視終了したか否かを巡視員に通知する機能があることがより好ましい。このような形態について説明する。
【0052】
先に説明したが、通信型メモリ300に登録されているサーベイデータは、月日時刻データ、監視地点データ、線量データ、表面汚染データであり、場合によっては画像データが加えられているデータである。そこでこの監視地点データを利用する。
まず、サーベイメータ100を操作して、巡視予定となっている複数の監視地点に係る監視予定地点データを内部メモリ30に登録させる。これは図4のステップS1の前に行われる手順である。
【0053】
この登録は各種考えられる。例えば、サーベイメータ100の設定を巡視箇所別に異なるようにイニシャライズするイニシャライズデータを登録した複数のカードメモリ200を予め準備して放射線管理区域前室にその巡視箇所のカードメモリ200を配置しておき、巡視開始前にこのカードメモリ200を装填してCPU50がこのカードメモリ200からイニシャライズデータを読み出し、このデータに含まれる監視地点予定データを内部メモリ30に登録するようにしても良い。
【0054】
また、放射線管理区域前室に配置された通信型メモリ300に、サーベイメータ100の設定をこの放射線管理区域用にイニシャライズするイニシャライズデータを登録しておき、巡視前にサーベイメータ100を通信型メモリ300と電磁結合させる位置に配置して、CPU50がこの通信型メモリ300からイニシャライズデータを読み出すようにして、このデータに含まれる監視地点予定データを内部メモリ30に登録するようにしても良い。
【0055】
また、CPU50に赤外線通信装置(図示せず)を接続しておき、放射線管理区域前室に配置されたコンピュータ(図示せず)に接続された赤外線通信装置とでデータの送受信を可能に構成し、このコンピュータに、サーベイメータ100の設定をこの放射線管理区域用にイニシャライズするようなイニシャライズデータを登録しておき、巡視前にサーベイメータ100をコンピュータと赤外線通信するようにセットし、CPU50がこのコンピュータからイニシャライズデータを読み出すようにして、このイニシャライズデータに含まれる監視地点予定データを内部メモリ30に登録するようにしても良い。
【0056】
これらの何れかの方法によりイニシャライズして監視地点予定データを内部メモリ30に登録する。すると、CPU50は、内部メモリ30から読み出した監視予定地点データから未監視の地点を表すグラフィック表示データまたはテキスト表示データを生成して表示部に出力させるように制御する。例えば、監視地点予定の箇所を全て表示する。
【0057】
そして図4のステップS1〜ステップS9までを行ってカードメモリ200にデータを書き込ませて一連のサーベイを終えたとする。すると、サーベイメータ100は、図14で示すように動作する。
CPU50は、監視終了した監視予定地点データに監視済みを表す監視済みデータを関連づけて内部メモリ30に書き込む(図14のステップS21)。
続いて、CPU50は、監視済みデータが付加された監視予定地点は監視済みであるように表示するグラフィック表示データまたはテキスト表示データを生成して表示部60に出力させるように制御する(図14のステップS22)。
例えば、予め全部の監視予定地点を表示しておき(例えば「監視地点A,監視地点B,・・・,監視地点Z」)、サーベイ終了した監視予定地点(例えば「監視地点A」)の横に「監視済み」と追加表示するものである。
これにより監視予定地点のうち監視済みである地点と未監視である地点とが比較表示されるため、全ての監視地点を確実に巡視させることができる。
【0058】
なお、図14のステップS21に代えて図15のようにしても良い。
CPU50は、監視終了した監視予定地点データに監視済みを表す監視済みデータを関連づけて内部メモリに書き込む(図14のステップS23)。
続いて、CPU50は、監視済みデータが付加された監視予定地点は未表示とするように表示するグラフィック表示データまたはテキスト表示データを生成して表示部60に出力させるように制御する(図14のステップS24)。
例えば、予め全部の監視予定地点を表示しておき(例えば「監視地点A,監視地点B,・・・,監視地点Z」)、サーベイ終了した監視予定地点(例えば「監視地点A」)の表示を消して表示する(例えば「監視地点B,・・・,監視地点Z」)ものである。
これにより監視予定地点のうち未監視の地点のみ表示されるため、残る監視地点を巡視していき全ての監視地点を巡視すると、監視地点が全て未表示になる。このようにしても、確実に巡視させることができる。
サーベイメータ100はこのように構成しても良い。
【0059】
また、他の形態として、例えば、通信型メモリ300を非接触型で「近接型(10cm以内)」であるとして説明したが、「密着型(2mm以内)」や、「近傍型(70cm以内)」の通信型メモリ300としても良い。このような範囲でもサーベイできるポイントを確実に狭めるため、この場合でも精度の高い計測が可能となる。
【0060】
本発明によれば、以下のような利点を有する。
(1)複数いる巡視員の個人差によらず、監視地点の同一場所・同一ポイントでサーベイを行う。
サーベイメータ100が通信型メモリ300から読み込める箇所に限定して測定するように配慮したため、巡視員が変っても同一場所のほぼ同一ポイントでサーベイが可能となる。しかもサーベイメータ100と通信型メモリ300との通信範囲が、例えば、10cmというように近距離に限定される場合は、さらに狭いスポットに誘導してサーベイすることとなり、サーベイ位置がずれるおそれが殆どなくなるという利点がある。
【0061】
(2)その場で過去のサーベイデータとの比較表示を行う。
従来技術ではパトロールサーベイ終了後に一旦事務所に戻ってトレンド解析により環境変化の有無を検出し、問題がある場合にその環境変化があった監視地点へ戻っていたが無駄な時間を要するものであり、放射線管理の観点から好ましくない。
しかしながら本形態では、その場で過去のサーベイデータと比較できるため、新人の巡視員がパトロールサーベイを行う場合でも環境変化を監視地点で直ちに気が付き、すばやい初動対策、放射線管理および指導が実施できる。また、トレンド表示を採用して、視覚的・直感的に環境変化を検出したり、また、帳票表示を採用して定量的に環境変化を検出できるようにしたため、この点でも環境変化を気づきやすくしている。
【0062】
(3)本形態のサーベイメータ100ではデジタルカメラであるカメラ20を搭載し、環境変化を写真である画像データからも検出できる。また、画像データは他のデータと一括してまとめたサーベイデータとなるため、後で各データを組み合わせるようなデータ整理をする必要もなく、検索も容易である。
【0063】
(4)サーベイデータは、月日時刻データ、監視地点データ、線量データ、表面汚染データに加えて画像データをセットで管理し、カードメモリ200で計算機システムに取込み可能とする。
パトロール時の異常数値と画像を1対1で管理することにより、パトロール後に事務所で多くの経験者が映像を見ながら分析し、さらなる対策を実施でき、またこの対策の効果を次回容易に比較確認できる。また、カードメモリ200のみ持ち出すが、カードメモリ200はサーベイメータ100の内部に配置されているため放射線汚染(特に表面汚染)されておらず、放射線汚染されたものが放射線管理領域から外部へ持ち出されることはない。また、サーベイデータがセットでカードメモリ200に登録されて持ち運びできるため、容易にサーバに取り込むことができる。
【0064】
(5)また、本形態のサーベイメータ100は過去のサーベイデータを通信型メモリ300に書き込んで、その場にサーベイデータを保存するものであり、サーベイメータ100自体がデータを保存しないため、ハードディスクのような大容量のものではなく容量の少ない内部メモリやカードメモリ200を利用することができる。また、ハードディスクを搭載不要としたため、サーベイメータ100の耐震性が向上し、故障等の発生のおそれも低減している。
【0065】
(6)また、あるサーベイメータ100が仮に故障しても、過去のサーベイデータは外部で管理しているため貴重なデータが消失することはない。また、故障しても他のサーベイメータ100で代用できる。さらにまた、データは二カ所で登録しているため、仮に一カ所でなくなっても、バックアップ機能を果たすこともできる。
【0066】
以上、本発明のサーベイメータ100について説明した。このサーベイメータ100によれば、複数いる巡視員の習熟度・個人差に影響されることなく同じ監視地点での正確な計測を可能とし、適格な放射線管理を実現するサーベイメータ100を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータの斜視外観図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータの使用を説明する説明図である。
【図3】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータのブロック構成図である。
【図4】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータを用いるパトロールサーベイのフローチャートである。
【図5】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータを用いるパトロールサーベイのフローチャートである。
【図6】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータの処理を説明するフローチャートである。
【図7】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータの処理を説明するフローチャートである。
【図8】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータの処理を説明するフローチャートである。
【図9】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータの処理を説明するフローチャートである。
【図10】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータの処理を説明するフローチャートである。
【図11】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータの処理を説明するフローチャートである。
【図12】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータのトレンド表示の説明図である。
【図13】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータの帳票表示の説明図である。
【図14】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータの帳票表示の説明図である。
【図15】本発明を実施するための最良の形態のサーベイメータの帳票表示の説明図である。
【符号の説明】
【0068】
100:サーベイメータ
10:検出部
11:β線検出部
12:変換回路
13:γ線検出部
14:変換回路
20:カメラ
30:内部メモリ
40:読み書き装置
50:CPU
60:表示部
70:操作部
80:リードライト装置
90:アンテナ
200:カードメモリ
300:通信型メモリ
400:表示板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を監視する監視地点に設置された通信型メモリと通信するサーベイメータであって、
放射線を検出して検出データを出力する検出部と、
取り外し可能なカードメモリに対してサーベイデータを読み書きする読み書き装置と、
アンテナと通信信号を入出力するリードライト装置と、
通信型メモリと無線で通信するアンテナと、
グラフィック表示および/またはテキスト表示を行う表示部と、
監視地点に設置された通信型メモリと電磁結合されたか否かを判定する電磁結合判定手段と、
通信型メモリと電磁結合されたと判断される場合に、監視地点に設置された通信型メモリから過去のサーベイデータを読み出すようにリードライト装置を制御する通信型メモリ読出制御手段と、
検出部から出力された検出データに基づいて当回のサーベイデータを生成するサーベイデータ生成手段と、
過去のサーベイデータを当回のサーベイデータに組み合わせて生成した比較表示用のグラフィック表示データまたはテキスト表示データを表示部に出力させるように制御する表示部出力制御手段と、
過去のサーベイデータと当回のサーベイデータとを組み合わせた新たなサーベイデータを通信型メモリに書き込むようにリードライト装置を制御する通信型メモリ書込制御手段と、
当回のサーベイデータをカードメモリに書き込むように読み書き装置を制御するカードメモリ書込制御手段と、
を備えることを特徴とするサーベイメータ。
【請求項2】
放射線を監視する監視地点に設置された通信型メモリと通信するサーベイメータであって、
放射線を検出して検出データを出力する検出部と、
取り外し可能なカードメモリに対してサーベイデータを読み書きする読み書き装置と、
アンテナと通信信号を入出力するリードライト装置と、
通信型メモリと無線で通信するアンテナと、
グラフィック表示および/またはテキスト表示を行う表示部と、
撮像により画像データを出力するカメラと、
監視地点に設置された通信型メモリと電磁結合されたか否かを判定する電磁結合判定手段と、
通信型メモリと電磁結合されたと判断される場合に、監視地点に設置された通信型メモリから過去のサーベイデータを読み出すようにリードライト装置を制御する通信型メモリ読出制御手段と、
検出部から出力された検出データに基づいて当回のサーベイデータを生成するサーベイデータ生成手段と、
過去のサーベイデータを当回のサーベイデータに組み合わせて生成した比較表示用のグラフィック表示データまたはテキスト表示データを表示部に出力させるように制御する表示部出力制御手段と、
カメラから出力された画像データを入力する画像データ入力手段と、
カメラから出力された画像データを当回のサーベイデータに関連させて新たな当回のサーベイデータを生成する画像データ付加手段と、
過去のサーベイデータと当回のサーベイデータとを組み合わせた新たなサーベイデータを通信型メモリに書き込むようにリードライト装置を制御する通信型メモリ書込制御手段と、
当回のサーベイデータをカードメモリに書き込むように読み書き装置を制御するカードメモリ書込制御手段と、
を備えることを特徴とするサーベイメータ。
【請求項3】
請求項1または請求項2のサーベイメータにおいて、
前記電磁結合判定手段と前記通信型メモリ読出制御手段とに代えて、
監視地点に設置された通信型メモリから過去のサーベイデータを読み出すようにリードライト装置を制御し、過去のサーベイデータが読み出された場合に監視地点に設置された通信型メモリと電磁結合されたと判断する通信型メモリ読出制御手段を備えることを特徴とするサーベイメータ。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のサーベイメータにおいて、
通信型メモリから読み出されるサーベイデータには自らの監視地点に係る監視地点データが含まれるようになされ、
巡視予定となっている複数の監視地点に係る監視予定地点データを登録した内部メモリと、
内部メモリから読み出した監視予定地点データから監視予定地点を表すグラフィック表示データまたはテキスト表示データを生成して表示部に出力させるように制御する表示部出力制御手段と、
監視終了した監視予定地点データに監視済みを表す監視済みデータを加えて内部メモリに書き込む内部メモリ書き込み手段と、
監視済みデータが付加された監視予定地点は監視済みであるように表示するか、または、未表示とするグラフィック表示データまたはテキスト表示データを生成して表示部に出力させるように制御する表示部出力制御手段と、
を備えることを特徴とするサーベイメータ。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のサーベイメータにおいて、
前記グラフィック表示は、検出日時における検出データの変化をグラフとして表したトレンド表示を含むことを特徴とするサーベイメータ。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のサーベイメータにおいて、
前記グラフィック表示は、検出日時と検出データとを帳票として表した帳票表示を含むことを特徴とするサーベイメータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−58103(P2006−58103A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239104(P2004−239104)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(000242644)北陸電力株式会社 (112)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】