説明

シクロヘキシルオキシ置換ヘテロ環、これらの化合物を含有する医薬、およびそれらを生成するための方法

本発明は、一般式(I)のシクロへキシロール置換複素環、その互変異性体、その立体異性体、その混合物およびその塩、特に、無機または有機酸および塩基を含有し、有益な薬理学的特性、特にチロシンキナーゼが媒介する信号伝達に対する阻害効果を有する生理学的に適合するその塩、病気、特に腫瘍疾患や良性前立腺過形成(BPH)、肺および呼吸器の疾患の治療におけるその使用、ならびにその生成に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式
【化1】

(I)
のシクロヘキシルオキシ置換ヘテロ環、その互変異性体、立体異性体、混合物およびその塩、特に、有益な薬理学的特性、特にチロシンキナーゼが媒介する信号伝達に対する阻害効果を有する、無機または有機酸との生理学的に許容されるその塩、病気、特に腫瘍疾患や良性前立腺過形成(BPH)、肺および気道の疾患の治療のためのその使用、ならびにその調製に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の課題は、チロシンキナーゼ阻害薬としてのその薬学的有効性に基づき、治療上、すなわちチロシンキナーゼの機能亢進により引き起こされる病態生理学的過程の治療に使用することができる、新たな化合物を調製することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
驚くべきことに、上述の課題は、式(I)(式中、基Raは、以降に示される意味を有する)の化合物により解決されることが見出された。
したがって、本発明は、一般式(I)
【化2】

(I)
の化合物であって、式中、
aは、エチル、プロピル、ブチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、3−テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフラニルメチル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロピラニルメチル基を示し、別段の記載がない限り、上述のアルキル基は、直鎖または分岐鎖であってもよく、
その互変異性体、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマーおよび混合物の形態であってもよく、またその薬理学的に許容される酸付加塩、ならびにその溶媒和物および水和物であってもよい化合物に関する。
式(I)の好ましい化合物は、
aが、エチル、ブチル、シクロプロピルメチルおよび4−テトラヒドロピラニル基の中から選択される基を示し、
その互変異性体、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマーおよび混合物の形態であってもよく、またその薬理学的に許容される酸付加塩、その溶媒和物および水和物であってもよい化合物である。
【0004】
本発明は、医薬として使用するための式(I)の化合物にも関する。好ましくは、式(I)の化合物は、気道の炎症性またはアレルギー性疾患の症例に使用される。
式(I)の化合物は、特に好ましくは、慢性気管支炎、急性気管支炎、細菌もしくはウイルス感染または真菌または蠕虫により引き起こされる気管支炎、アレルギー性気管支炎、中毒性気管支炎、慢性閉塞性気管支炎(COPD)、喘息(内因性またはアレルギー性)、小児喘息、気管支拡張症、アレルギー性肺胞炎、アレルギー性または非アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、嚢胞性線維症または線維嚢胞症、α−1−抗トリプシン欠乏症、咳、肺気腫、間質性肺炎、肺胞炎、気道過敏症、鼻ポリープ、肺水腫、異なる起源の肺炎、例えば放射線誘発性もしくは吸入により引き起こされる肺炎または感染性肺炎、膠原病、例えば紅斑性狼瘡、全身性強皮症、サルコイドーシスおよびベック病の中から選択される疾患の症例に使用される。
【0005】
また、自己免疫反応が関与する炎症性またはアレルギー性の愁訴の症例において式(I)の化合物を使用することが特に好ましい。また、良性または悪性腫瘍の形態の疾患の症例において式(I)の化合物を使用することが特に好ましい。
本発明はさらに、式(I)の化合物を含有する医薬製剤に関する。
好ましくは、式(I)の化合物を含有する経口投与医薬製剤が使用される。
【0006】
本発明は、さらに、1種または複数の式(I)の化合物に加え、さらなる活性物質として、β模倣薬、抗コリン薬、コルチコステロイド、さらなるPDE4阻害薬、LTD4拮抗薬、EGFR阻害薬、ドーパミン作動薬、H1抗ヒスタミン薬、PAF拮抗薬およびPI3キナーゼ阻害薬の分類の中から選択される1種または複数の化合物、またはこれらの2重もしくは3重の組合せを含有する、組合せ医薬に関する。
ここで使用可能なβ模倣薬の例には、好ましくは、アルホルモテロール、カルモテロール、ホルモテロール、インダカテロール、サルメテロール、アルブテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、ミルベテロール(milveterol)、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメファモール、ソテレノール、スルホンテロール、テルブタリン、チアラミド、トルブテロール(tolubuterol)、ジンテロール、および
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
・8−{2−[2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
・8−{2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
・8−{2−[2−(4−エトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
・8−{2−[2−(4−フルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
・N−(5−{2−[3−(4,4−ジエチル−2−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−1−イル)−1,1−ジメチル−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−2−ヒドロキシ−フェニル)−メタンスルホンアミド
・N−(5−{2−[3−(4,4−ジエチル−6−フルオロ−2−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−1−イル)−1,1−ジメチル−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−2−ヒドロキシ−フェニル)−メタンスルホンアミド
・N−(5−{2−[3−(4,4−ジエチル−6−メトキシ−2−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−1−イル)−1,1−ジメチル−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−2−ヒドロキシ−フェニル)−メタンスルホンアミド
・N−(5−{2−[1,1−ジメチル−3−(2−オキソ−4,4−ジプロピル−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−2−ヒドロキシ−フェニル)−メタンスルホンアミド
・8−{2−[1,1−ジメチル−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
・8−{2−[1,1−ジメチル−3−(6−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
・8−{2−[1,1−ジメチル−3−(2−オキソ−5−トリフルオルメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
・8−{2−[1,1−ジメチル−3−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
・N−[2−ヒドロキシ−5−((1R)−1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−フェニル]−ホルムアミド
・8−ヒドロキシ−5−((1R)−1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(6−メトキシ−ビフェニル−3−イルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−1H−キノリン−2−オン
・8−ヒドロキシ−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−(6−フェネチルアミノ−ヘキシルアミノ)−エチル]−1H−キノリン−2−オン
・5−[(1R)−2−(2−{4−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−フェニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン
・[3−(4−{6−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−5−メチル−フェニル]−尿素
・4−((1R)−2−{6−[2−(2,6−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール
・3−(4−{6−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド
・3−(3−{7−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘプチルオキシ}−プロピル)−ベンゼンスルホンアミド
・4−((1R)−2−{6−[4−(3−シクロペンタンスルホニル−フェニル)−ブトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール
・N−1−アダマンタニル−2−{3−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}アセトアミド
・(1R)−5−{2−[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニル−エトキシ)−ヘキシルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン
・(R,S)−4−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−4−フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)−4−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)−4−(2−{[4,4−ジフルオロ−6−(4−フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)−4−(2−{[6−(4,4−ジフルオロ−4−フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)−5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
・(R,S)−[2−({6−[2,2−ジフルオロ−2−(3−メチルフェニル)エトキシ]ヘキシル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
・4−(1R)−2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)−2−(ヒドロキシメチル)−4−(1−ヒドロキシ−2−{[4,4,5I5−テトラフルオロ−6−(3−フェニルプロポキシ)−ヘキシル]アミノ}エチル)フェノール
・(R,S)−[5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシフェニル]ホルムアミド
・(R,S)−4−[2−({6−[2−(3−ブロモフェニル)−2,2−ジフルオロエトキシ]ヘキシル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)−N−[3−(1,1−ジフルオロ−2−{[6−({2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}エチル)フェニル]−尿素
・3−[3−(1,1−ジフルオロ−2−{[6−({2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}−アミノ)ヘキシル]オキシ}エチル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン
・(R,S)−4−[2−({6−[2,2−ジフルオロ−2−(3−メトキシフェニル)エトキシ]ヘキシル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
・5−((1R)−2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
・4−((1R)−2−{[4,4−ジフルオロ−6−(4−フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)−4−(2−{[6−(3,3−ジフルオロ−3−フェニルプロポキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)−4,4−ジフルオロヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)−4−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−3−フェニルプロポキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
・3−[2−(3−クロロ−フェニル)−エトキシ]−N−(2−ジエチルアミノ−エチル)−N−{2−[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾチアゾール−7−イル)−エチルアミノ]−エチル}−プロピオンアミド
・N−(2−ジエチルアミノ−エチル)−N−{2−[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾチアゾール−7−イル)−エチルアミノ]−エチル}−3−(2−ナフタレン−1−イル−エトキシ)−プロピオンアミド
・7−[2−(2−{3−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピルスルファニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−ヒドロキシ−3H−ベンゾチアゾール−2−オンの中から選択される化合物が含まれ、
ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、またその薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態であってもよい化合物である。好ましくは、本発明によれば、β模倣薬の酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロ硫酸塩、ヒドロリン酸塩、ヒドロメタンスルホン酸塩、ヒドロ硝酸塩、ヒドロマレイン酸塩、ヒドロ酢酸塩、ヒドロクエン酸塩、ヒドロフマル酸塩、ヒドロ酒石酸塩、ヒドロシュウ酸塩、ヒドロコハク酸塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩の中から選択される。
【0007】
ここで使用可能な抗コリン薬の例には、好ましくは、チオトロピウム塩、好ましくは臭化物塩、オキシトロピウム塩、好ましくは臭化物塩、フルトロピウム塩、好ましくは臭化物塩、イプラトロピウム塩、好ましくは臭化物塩、アクリジニウム塩、好ましくは臭化物塩、グリコピロニウム塩、好ましくは臭化物塩、トロスピウム塩、好ましくは塩化物塩、トルテロジン、(3R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩の中から選択される化合物が含まれる。上述の塩において、カチオンは、薬理学的に活性な構成物質である。X-アニオンとして、上述の塩は、好ましくは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩を含有し得るが、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、メタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩が対イオンとして好ましい。
【0008】
すべての塩のうち、塩化物、臭化物、ヨウ化物およびメタンスルホン酸塩が特に好ましい。
【0009】
その他の特定の化合物は、
・トロペノール2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
・スコピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
・スコピン2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、
・トロペノール2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド;
・トロペノール3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール4,4’−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン4,4’−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール3,3’−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン3,3’−ジフルオロベンジレートメトブロミド;
・トロペノール9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド;
・トロペノール9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド;
・スコピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド;
・スコピン9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド;
・トロペノール9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド;
・スコピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド;
・シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロミド;
・シクロプロピルトロピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド;
・シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド;
・シクロプロピルトロピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド;
・シクロプロピルトロピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピンメチル4,4’−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレート−メトブロミド、
・スコピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレート−メトブロミド、
・トロペノール9−エチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド
である。
【0010】
上述の化合物はまた、本発明の範囲内の塩として使用することができ、メトブロミド(methobromide)の代わりにメト−X塩(Xは、X-に対し上述した意味を有し得る)が使用され得る。
【0011】
コルチコステロイドとして使用可能な化合物は、好ましくは、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、ブチキソコート、シクレソニド、デフラザコート、デキサメタゾン、エチプレドノール、フルニソリド、フルチカゾン、ロテプレドノール、モメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、トリアムシノロン、チプレダン、および
・プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン、6−フルオロ−11−ヒドロキシ−16,17−[(1−メチルエチリデン)ビス(オキシ)]−21−[[4−[(ニトロオキシ)メチル]ベンゾイル]オキシ]−、(6−α,11−β,16−α)−(9CI)(NCX−1024)、
・16,17−ブチリデンジオキシ−6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−17−(メチルチオ)アンドロスト−4−エン−3−オン(RPR−106541)、
・(S)−フルオロメチル6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネート、
・(S)−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−17−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネート、
・シアノメチル6−α,9−α−ジフルオロ−11−β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボキシレートの中から選択される化合物であって、
そのラセミ化合物、鏡像異性体またはジアステレオマーの形態であってもよく、またその塩および誘導体、その溶媒和物および/または水和物の形態であってもよい化合物である。ステロイドのいかなる言及も、存在し得るその任意の塩または誘導体、水和物または溶媒和物の言及を含む。ステロイドの可能な塩および誘導体の例は、アルカリ金属塩、例えばナトリウムもしくはカリウム塩等、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、二水素リン酸塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩またはフロ酸塩であってもよい。
【0012】
使用可能なPDE4阻害薬は、好ましくは、エンプロフィリン、テオフィリン、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、トフィミラスト(tofimilast)、プマフェントリン(pumafentrin)、リリミラスト(lirimilast)、アプレミラスト(apremilast)、アロフィリン、アチゾラム、オグレミラスト、テトミラスト、および
・5−[(N−(2,5−ジクロロ−3−ピリジニル)−カルボキサミド]−8−メトキシ−キノリン(D−4418)、
・N−(3,5−ジクロロ−1−オキシド−4−ピリジニル)−カルボキサミド]−8−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)−キノリン(D−4396(Sch−351591))、
・N−(3,5−ジクロロピリド−4−イル)−[1−(4−フルオロベンジル)−5−ヒドロキシ−インドール−3−イル]グリオキシル酸アミド(AWD−12−281(GW−842470))、
・9−[(2−フルオロフェニル)メチル]−N−メチル−2−(トリフルオロメチル)−9H−プリン−6−アミン(NCS−613)、
・4−[(2R)−2−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−フェニルエチル]−ピリジン(CDP−840)、
・N−[(3R)−3,4,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−4−オキソ−1−フェニルピロロ[3,2,1−jk][1,4]ベンゾジアゼピン−3−イル]−4−ピリジンカルボキサミド(PD−168787)、
・4−[6,7−ジエトキシ−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ナフタレニル]−1−(2−メトキシエチル)−2(1H)−ピリジノン(T−440)、
・2−[4−[6,7−ジエトキシ−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ナフタレニル]−2−ピリジニル]−4−(3−ピリジニル)−1(2H)−フタラジノン(T−2585)、
・(3−(3−シクロペニルオキシ−4−メトキシベンジル)−6−エチルアミノ−8−イソプロピル−3H−プリン(V−11294A)、
・β−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−プロパンアミド(CDC−801)、
・イミダゾ[1,5−a]ピリド[3,2−e]ピラジン−6(5H)−オン、9−エチル−2−メトキシ−7−メチル−5−プロピル−(D−22888)、
・5−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−3−[(3−メチルフェニル)メチル]−、(3S,5S)−2−ピペリジノン(HT−0712)、
・4−[1−[3,4−ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]−2−(3−メチル−1−オキシド−4−ピリジニル)エチル]−α,α−ビス(トリフルオロメチル)−ベンゼンメタノール(L−826141)、
・N−(3,5−ジクロロ−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオルメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンズアミド、
・(−)p−[(4aR*,10bS*)−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンズアミド、
・(R)−(+)−1−(4−ブロモベンジル)−4−[(3−シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−ピロリドン、
・3−(シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N’−[N−2−シアノ−S−メチル−イソチオウレイド]ベンジル)−2−ピロリドン、
・シス[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸]、
・2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、
・シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオルメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール]、
・(R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、
・(S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、
・9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、
・9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(tert−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジンの中から選択される化合物であって、
そのラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、またその薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態であってもよい化合物である。本発明によれば、好ましい酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロ硫酸塩、ヒドロリン酸塩、ヒドロメタンスルホン酸塩、ヒドロ硝酸塩、ヒドロマレイン酸塩、ヒドロ酢酸塩、ヒドロクエン酸塩、ヒドロフマル酸塩、ヒドロ酒石酸塩、ヒドロシュウ酸塩、ヒドロコハク酸塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩の中から選択される。
【0013】
使用可能なEGFR阻害薬は、好ましくは、セツキシマブ、トラスツズマブ、パニツムマブ(=ABX−EGF)、Mab ICR−62、ゲフィチニブ、カネルチニブ、エルロチニブ、および、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジエチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−2−メトキシメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−エチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N−シクロプロピル−N−メチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6,7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[3−(モルホリン−4−イル)−プロピルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
・3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、
・4−{[3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニル]アミノ}−6−(5−{[(2−メタンスルホニル−エチル)アミノ]メチル}−フラン−2−イル)キナゾリン、
・4−[(R)−(1−[フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5,5−ジメチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert.−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−アミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(メトキシメチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチルアミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−7−ヒドロキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルホリン−4−イル)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−アセチルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メタンスルホニルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−アミノカルボニルメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(テトラヒドロピラン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)スルホニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−エタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−アセチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert.−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(4−メチル−ピペラジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソピロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−イソプロピルオキシカルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[N−(2−メトキシ−アセチル)−N−メチル−アミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(S,S)−(2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(N−メチル−N−2−メトキシエチル−アミノ)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシエチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(3−メトキシプロピル−アミノ)−カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−アセチル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−ジメチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン;
・[4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−(ホモモルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−(2−{4−[(S)−(2−オキソ−テトラヒドロフラン−5−イル)カルボニル]−ピペラジン−1−イル}−エトキシ)−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[4−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン,および
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−[(4−{N−[2−(エトキシカルボニル)−エチル]−N−[(エトキシカルボニル)メチル]アミノ}−1−オキソ−2−ブテン−1−イル)アミノ]−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリンの中から選択される化合物であって、
そのラセミ化合物、鏡像異性体またはジアステレオマーの形態であってもよく、またその薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物および/または水和物の形態であってもよい化合物である。本発明によれば、好ましい酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロ硫酸塩、ヒドロリン酸塩、ヒドロメタンスルホン酸塩、ヒドロ硝酸塩、ヒドロマレイン酸塩、ヒドロ酢酸塩、ヒドロクエン酸塩、ヒドロフマル酸塩、ヒドロ酒石酸塩、ヒドロシュウ酸塩、ヒドロコハク酸塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩の中から選択される。
【0014】
ここで使用されるLTD4受容体拮抗薬は、好ましくは、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、および、(E)−8−[2−[4−[4−(4−フルオロフェニル)ブトキシ]フェニル]エテニル]−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オン(MEN−91507)、
・4−[6−アセチル−3−[3−(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−プロピルフェニルチオ)プロポキシ]−2−プロピルフェノキシ]酪酸(MN−001)、1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン酢酸、1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸、[2−[[2−(4−tert−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸の中から選択される化合物であって、
そのラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、またその薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態であってもよい化合物である。本発明によれば、好ましい酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロ硫酸塩、ヒドロリン酸塩、ヒドロメタンスルホン酸塩、ヒドロ硝酸塩、ヒドロマレイン酸塩、ヒドロ酢酸塩、ヒドロクエン酸塩、ヒドロフマル酸塩、ヒドロ酒石酸塩、ヒドロシュウ酸塩、ヒドロコハク酸塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩の中から選択される。LTD4受容体拮抗薬が形成可能であってもよい塩または誘導体は、例えば、アルカリ金属塩、例えばナトリウムもしくはカリウム塩等、アルカリ土類金属塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、二水素リン酸塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩またはフロ酸塩を意味する。
【0015】
使用可能なヒスタミンH1受容体拮抗薬は、好ましくは、エピナスチン、セチリジン、アゼラスチン、フェキソフェナジン、レボカバスチン、ロラタジン、ミゾラスチン、ケトチフェン、エメダスチン、ジメチンデン、クレマスチン、バミピン、デクスクロルフェニラミン(cexchlorpheniramine)、フェニラミン、ドキシラミン、クロロフェノキサミン、ジメンヒドリネート、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、エバスチン、オロパタジン、デスロラチジンおよびメクロジンの中から選択される化合物であって、そのラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、またその薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態であってもよい化合物である。本発明によれば、これらの酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロ硫酸塩、ヒドロリン酸塩、ヒドロメタンスルホン酸塩、ヒドロ硝酸塩、ヒドロマレイン酸塩、ヒドロ酢酸塩、ヒドロクエン酸塩、ヒドロフマル酸塩、ヒドロ酒石酸塩、ヒドロシュウ酸塩、ヒドロコハク酸塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩の中から選択される。
【0016】
PAF拮抗薬の例には、好ましくは、レキシパファント、および、4−(2−クロロフェニル)−9−メチル−2−[3(4−モルホリニル)−3−プロパノン−1−イル]−6H−チエノ−[3,2−f]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
・6−(2−クロロフェニル)−8,9−ジヒドロ−1−メチル−8−[(4−モルホリニル)カルボニル]−4H,7H−シクロ−ペンタ−[4,5]チエノ−[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピンの中から選択される化合物が含まれ、
そのラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、またその薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態であってもよい化合物である。本発明による、好ましい酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロ硫酸塩、ヒドロリン酸塩、ヒドロメタンスルホン酸塩、ヒドロ硝酸塩、ヒドロマレイン酸塩、ヒドロ酢酸塩、ヒドロクエン酸塩、ヒドロフマル酸塩、ヒドロ酒石酸塩、ヒドロシュウ酸塩、ヒドロコハク酸塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩の中から選択される。
【0017】
使用されるドーパミン受容体作動薬は、好ましくは、ブロモクリプチン、カベルゴリン、α−ジヒドロエルゴクリプチン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソール、ロキシンドール、ロピニロール、タリペキソール、テルグリドおよびビオザンの中から選択される化合物であって、そのラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、またその薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態であってもよい化合物である。本発明によれば、これらの酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロ硫酸塩、ヒドロリン酸塩、ヒドロメタンスルホン酸塩、ヒドロ硝酸塩、ヒドロマレイン酸塩、ヒドロ酢酸塩、ヒドロクエン酸塩、ヒドロフマル酸塩、ヒドロ酒石酸塩、ヒドロシュウ酸塩、ヒドロコハク酸塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩の中から選択される。
【0018】
使用可能な好ましいPI3キナーゼ拮抗薬の物質の例は、好ましくは、
・5−(キノキサリン−6−イルメチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン(AS−605240)、
・2−[(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)メチル]−5−メチル−3−(2−メチルフェニル)−4(3H)−キナゾリノン(C−87114)、
・2−メチル−2−[4−[3−メチル−2−オキソ−8−(キノリン−3−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]フェニル]プロピオニトリル(BEZ−235)の中から選択される化合物であって、
そのラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、またその薬理学的に許容される酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物または水和物の形態であってもよい化合物である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
使用される用語および定義
「置換されていてもよい」という用語は、本発明の範囲内において、より低分子の基で置換されていてもよい上述の基を意図する。化学的に重要であるとみなされるより低分子の基の例は、1〜25個の原子からなる基である。好ましくは、そのような基は、化合物の薬理学的効能に対し悪影響を及ぼさない。例えば、基は、以下を含み得る。
・ヘテロ原子により中断されていてもよく、環、ヘテロ原子または他の一般的な官能基で置換されていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素鎖。
・官能基で置換されていてもよい、炭素原子および任意選択でヘテロ原子からなる芳香族または非芳香族環系。
・ヘテロ原子により中断されていてもよく、ヘテロ原子または他の一般的な官能基で置換されていてもよい、1個または複数の炭素鎖により結合されていてもよい、炭素原子および任意選択でヘテロ原子からなる複数の芳香族または非芳香族環系。
また、1個または複数の水素原子、例えば1個、2個、3個、4個または5個の水素原子が重水素で置換されている、その塩を含む本発明による化合物も本発明の主題に含まれる。
【0020】
置換基の構造式において片側が開いたハイフン「−」が使用されている場合、このハイフンは、分子の残りの部分に対する結合点として理解されたい。置換基は、対応する基Ra、Rb等と置き換わる。置換基の構造式において片側が開いたハイフンが使用されていない場合、分子の残りの部分に対する結合点は、構造式自体から明らかである。
【0021】
一般式(I)の化合物は、酸性基、主としてカルボキシル基、および/または塩基性基、例えばアミノ官能基等を含有し得る。したがって、一般式(I)の化合物は、内部塩として、薬学的に使用可能な無機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸等、または有機酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸もしくは酢酸等)との塩として、あるいは、薬学的に使用可能な塩基、例えばアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物もしくは炭酸塩、亜鉛もしくは水酸化アンモニウム等、または有機アミン、例えばジエチルアミン、トリエチルアミン、とりわけトリエタノールアミン等との塩として存在し得る。式(I)の化合物のアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩を調製するために、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物および水素化物を使用することが好ましく、そのうちアルカリ金属、特にナトリウムおよびカリウムの水酸化物および水素化物が好ましく、水酸化ナトリウムおよびカリウムが特に好ましい。(Pharmaceutical Salts、S.M.Birgeら、J.Pharm.Sci.(1977)、66、1〜19も参照されたい。)
すでに述べたように、一般式(I)の化合物は、その塩に変換されてもよく、特に薬学的使用のために、無機または有機酸とのその薬理学的に許容される酸付加塩に変換されてもよい。この目的において好適な酸には、例えば、コハク酸、臭化水素酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、乳酸、リン酸、塩酸、硫酸、酒石酸またはクエン酸が含まれる。さらに、上述の酸の混合物が使用されてもよい。
【0022】
本発明は、個々のジアステレオマー、個々のジアステレオマーの混合物および/または個々の鏡像異性体、個々の鏡像異性体の混合物またはそのラセミ化合物の形態、互変異性体の形態、ならびに遊離塩基または薬理学的に許容される酸との対応する酸付加塩、例えば、塩酸もしくは臭化水素酸等のハロゲン化水素酸、または酒石酸、フマル酸、クエン酸もしくはメタンスルホン酸等の有機酸との酸付加塩等の形態であってもよい、それぞれの化合物に関する。
【0023】
本発明の目的において、「保護基」は、反応が所望の(保護されていない)部位でのみ生じるように、複数の活性中心を含有する分子のある特定の官能基を試薬による攻撃から一時的に保護し得る有機基の総称である。保護基は、穏やかな条件下で選択的に導入されるべきである。保護基は、行われる反応および精製手順のすべての条件下において、保護の間安定でなければならず、ラセミ化およびエピマー化が抑制されなければならない。保護基は、穏やかな条件下で選択的に、また理想的には高収率で再び開裂され得るべきである。好適な保護基の選択、反応条件(溶媒、温度、期間等)および保護基を除去するための選択肢は、当技術分野において知られている(例えば、Philip Kocienski、Protecting Groups、第3版、2004、THIEME、Stuttgart、ISBN:3131370033)。
【0024】
「有機溶媒」とは、本発明の範囲内において、物理的方法により他の有機物質を溶解し得る有機低分子物質を意味する。好適となるには、溶媒の必要条件は、溶解する物質も溶解される物質も、溶解プロセスの間、化学的に改質されるべきではないということ、すなわち、溶液の成分は、蒸留、結晶化、昇華、蒸発または吸着等の物理的分離プロセスによって、その元の形態で回収可能であるべきであるということである。様々な理由から、純粋な溶媒だけでなく、溶解特性が組み合わされた混合物が使用されてもよい。例には以下が含まれる。
・アルコール、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール、シクロヘキサノール;
・グリコール、好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール;
・エーテル/グリコールエーテル、好ましくはジエチルエーテル、tert−ブチル−メチルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノ、ジ−、トリ−、ポリエチレングリコールエーテル;
・ケトン、好ましくはアセトン、ブタノン、シクロヘキサノン;
・エステル、好ましくは酢酸エステル、グリコールエステル;
・アミドおよびその他の窒素化合物、好ましくはジメチルホルムアミド、ピリジン、N−メチルピロリドン、アセトニトリル;
・硫黄化合物、好ましくは二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、スルホラン;
・ニトロ化合物、好ましくはニトロベンゼン;
・ハロゲン化炭化水素、好ましくはジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン(tetrachlormethane)、トリ−およびテトラクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、クロロフルオロカーボン;
・脂肪族または脂環式炭化水素、好ましくはベンジン、石油エーテル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、テルペン−L(terpene−L);もしくは、
・芳香族炭化水素、好ましくはベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン;
またはそれらの対応する混合物。
【0025】
ジアステレオマー的に純粋という用語は、本発明の範囲内において、少なくとも85%de、好ましくは少なくとも90%de、特に好ましくは95%deを超えるジアステレオマー純度で存在する式(I)の化合物を表す。de(ジアステレオマー過剰率)という用語は、当技術分野において知られており、ジアステレオマー化合物の光学純度を表す。
【0026】
鏡像異性的に純粋という用語は、本発明の範囲内において、少なくとも85%ee、好ましくは少なくとも90%ee、特に好ましくは95%eeを超える鏡像異性体純度で存在する式(I)の化合物を表す。ee(鏡像異性体過剰率)という用語は、当技術分野において知られており、キラル化合物の光学純度を表す。
【0027】
「C1-6−アルキル」(他の基の一部であるものを含む)という用語は、1〜6個の炭素原子を有する分岐および非分岐のアルキル基を意味し、「C1-4−アルキル」という用語は、1〜4個の炭素原子を有する分岐および非分岐のアルキル基を意味する。1〜4個の炭素原子を有するアルキル基が好ましく、1〜2個の炭素原子を有するアルキル基が特に好ましい。例には、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、neo−ペンチルまたはヘキシルが含まれる。上述の基に対して、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、t−Bu等の略語もまた任意選択で使用され得る。別段の記載がない限り、プロピル、ブチル、ペンチル、およびヘキシルという定義には、問題となる基のすべての可能な異性体が含まれる。したがって、例えば、プロピルにはn−プロピルおよびiso−プロピルが含まれ、ブチルにはiso−ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル等が含まれる。
「C3-7−シクロアルキル」(他の基の一部であるものを含む)は、3個または7個の炭素原子を有する環状アルキル基を意味する。例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルが含まれる。別段の記載がない限り、環状アルキル基は、メチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、ヒドロキシおよびフッ素の中から選択される1個または複数の基で置換されていてもよい。
「アリール」(他の基の一部であるものを含む)という用語は、6個、10個または14個の炭素原子を有する芳香族環系を意味する。例には、フェニル、ナフチル、アントラセニルまたはフェナントレニルが含まれ、好ましいアリール基はフェニルである。
【0028】
「ハロゲン」は、本発明の範囲内において、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を示す。異なるように記載されていない限り、フッ素、塩素および臭素は、好ましいハロゲンとみなされる。
【0029】
調製方法
以下の方法は、例えば、一般式(I)の化合物の調製に好適である。
a)一般式
【化3】

(II)
の化合物を、一般式
【化4】

(III)
(式中、
aは、上に定義される通りであり、Z1は、ハロゲン原子、例えば塩素もしくは臭素原子、メタンスルホニルオキシもしくはp−トルエンスルホニルオキシ基等のスルホニルオキシ基、またはヒドロキシ基等の脱離基を示す)の化合物と反応させる。
1がハロゲン原子またはスルホニルオキシ基を示す一般式(III)の化合物の場合、反応は、好ましくは、炭酸カリウム、カリウム−tert−ブトキシド、水素化ナトリウムまたはN−エチル−ジイソプロピルアミン等の塩基の存在下、20℃〜160℃の範囲内の温度、例えば60℃〜140℃の範囲内の温度で、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはN−メチルピロリジノン等の溶媒中で好都合に行われる。
【0030】
1がヒドロキシ基を示す一般式IIIの化合物の場合、反応は、脱水剤の存在下で、好ましくはホスフィンおよびアゾジカルボン酸誘導体、例えばトリフェニルホスフィン/ジエチルアゾジカルボキシレート等の存在下、好都合には塩化メチレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエンまたはエチレングリコールジエチルエーテル等の溶媒中、−50℃から150℃の間の温度であるが、好ましくは−20℃から80℃の間の温度で行われる。
b)一般式(IV)
【化5】

(IV)
(式中、Raは、上に定義される通りである)の化合物を、ハロゲン化剤、例えば塩化チオニル、臭化チオニル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、またはトリフェニルホスフィン/四塩化炭素もしくはトリフェニルホスフィン/N−クロロスクシンイミド等の酸ハロゲン化物と反応させ、一般式(V)
【化6】

(V)
(式中、Raは、上に定義される通りであり、Z2は、塩素または臭素原子等のハロゲン原子を示す)の中間化合物を得、
次に一般式(VI)
【化7】

(VI)
またはその塩と反応させる。
【0031】
ハロゲン化剤との反応は、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリルまたはトルエン等の溶媒中、任意選択でN,N−ジエチルアニリン、トリエチルアミンまたはN−エチル−ジイソプロピルアミン等の塩基の存在下、20℃〜160℃、好ましくは40℃〜120℃の範囲内の温度で行われてもよい。しかしながら、好ましくは、反応は、反応混合物の沸点の温度で、塩化チオニルおよび触媒量のジメチルホルムアミドを用いて、または、反応混合物の沸点の温度で、トリエチルアミンの存在下でアセトニトリル中のオキシ塩化リンを用いて、または、トリフェニルホスフィン/四塩化炭素を用いて、または、アセトニトリル中のトリフェニルホスフィン/N−クロロスクシンイミドを用いて行われる。
【0032】
一般式(VI)の化合物と一般式(VII)の化合物またはその塩との反応は、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、ジオキサンまたはジメチルホルムアミド等の溶媒中、任意選択で炭酸カリウム、トリエチルアミンまたはN−エチル−ジイソプロピルアミン等の塩基の存在下、20℃〜160℃、好ましくは60℃〜120℃の範囲内の温度で好都合に行われる。しかしながら、反応は、好ましくは、イソプロパノール中、反応混合物の沸点の温度で行われる。
【0033】
一般式(I)の化合物を得るための一般式(V)の化合物の反応はまた、ワンポット反応として、例えばトリエチルアミンの存在下、アセトニトリル中で行われてもよい。
c)一般式
【化8】

(VII)
の化合物を、一般式
H−Ra (VIII)
(式中、
aは、上に定義される通りである)の化合物と、還元剤の存在下で反応させる。
還元的アミノ化は、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランまたはジオキサン等の溶媒中、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤の存在下、任意選択で酢酸の存在下、0℃から80℃の間の温度で行われる。還元アミノ化はまた、活性炭上パラジウムまたは酸化白金等の触媒の存在下、水素により行われてもよい。別の可能性は、例えばチタン(IV)−イソプロポキシドで水素を開裂しながら、一般式VIIのケトンおよび一般式VIIIのアミンからエナミンを形成し、次いでこれを、例えば水素化ホウ素ナトリウムまたは水素/活性炭上パラジウムで還元することである。
上述の反応において、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノまたはイミノ基等の存在する任意の反応基は、反応後に再び開裂される従来の保護基により、反応中保護され得る。
例えば、ヒドロキシ基に対する保護基は、トリメチルシリル、アセチル、トリチル、ベンジルまたはテトラヒドロピラニル基であってもよい。
【0034】
アミノ、アルキルアミノまたはイミノ基に対する保護基は、例えば、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ベンジル、メトキシベンジルまたは2,4−ジメトキシベンジル基であってもよい。
【0035】
使用される任意の保護基は、後に、例えば、水性溶媒中、例えば水、イソプロパノール/水、酢酸/水、テトラヒドロフラン/水またはジオキサン/水中で加水分解により、トリフルオロ酢酸、塩酸もしくは硫酸等の酸の存在下、または水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基の存在下、または非プロトン性で、例えばヨードトリメチルシランの存在下で、0℃から120℃の間の温度、好ましくは10℃から100℃の間の温度で開裂されてもよい。
【0036】
しかしながら、ベンジル、メトキシベンジルまたはベンジルオキシカルボニル基は、水素化分解により、例えばパラジウム/木炭等の触媒の存在下、メタノール、エタノール、酢酸エチルまたは氷酢酸等の好適な溶媒中、任意選択で塩酸等の酸を添加して、0℃から100℃の間の温度であるが、好ましくは20℃から60℃の間の周囲温度で、また1〜7バールであるが、好ましくは3〜5バールの水素圧下で、水素により開裂される。しかしながら、2,4−ジメトキシベンジル基は、好ましくは、アニソール、チオアニソール、ペンタメチルベンゼンまたはトリエチルシランの存在下、トリフルオロ酢酸中で開裂される。
【0037】
tert−ブチルまたはtert−ブチルオキシカルボニル基は、好ましくは、任意選択で塩化メチレン、ジオキサン、メタノールまたはジエチルエーテル等の溶媒を使用して、トリフルオロ酢酸または塩酸等の酸で処理することにより、またはヨードトリメチルシランで処理することにより開裂される。
トリフルオロアセチル基は、好ましくは、任意選択で酢酸等の溶媒の存在下、50℃から120℃の間の温度で、塩酸等の酸で処理することにより、または、任意選択でテトラヒドロフラン等の溶媒の存在下、0℃から50℃の間の温度で、水酸化ナトリウム溶液で処理することにより開裂される。
その他の好適な保護基ならびにそれらの可能な導入および開裂手法は、例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis」、Theodora W.GreeneおよびPeter G.M.Wuts著、Wiley−VCH、またはPhilip Kocienski、Protecting Groups、第3版、2004、THIEMEに記載されている。
【0038】
さらに、得られる一般式Iの化合物は、上述したように、その鏡像異性体および/またはジアステレオマーに分割することができる。したがって、例えば、シス/トランス混合物は、そのシスおよびトランス異性体に分割することができ、少なくとも1個の光学活性炭素原子を有する化合物をその鏡像異性体に分離することができる。
したがって、例えば、得られるシス/トランス混合物は、クロマトグラフィーによりそのシスおよびトランス異性体に分割することができ、ラセミ化合物として生じる、得られる一般式Iの化合物は、それ自体知られた方法により(Allinger N.L.およびEliel E.L.、「Topics in Stereochemistry」、第6巻、Wiley Interscience、1971を参照)、その光学対掌体に分離することができ、また少なくとも2個の非対称炭素原子を有する一般式Iの化合物は、その物理化学的な差異に基づき、それ自体知られた方法を用いて、例えばクロマトグラフィーおよび/または分別晶出により、そのジアステレオマーに分割することができ、これらの化合物がラセミ形態で得られる場合、それらの化合物は、後に上述のように鏡像異性体に分割することができる。
鏡像異性体は、好ましくは、キラル相に対するカラム分離により、または光学活性溶媒からの再結晶化により、またはラセミ化合物と例えばエステルもしくはアミド等の塩もしくは誘導体、特に酸およびその活性化誘導体もしくはアルコールを形成する光学活性物質と反応させ、そのようにして得られた塩または誘導体のジアステレオマー混合物を、例えばその溶解度の差に基づき分離することにより分離され、一方遊離対掌体は、好適な薬剤の作用により、純粋なジアステレオマー塩または誘導体から遊離され得る。一般に使用される光学活性酸は、例えば、酒石酸もしくはジベンゾイル酒石酸、ジ−o−トリル酒石酸、リンゴ酸、マンデル酸、カンファースルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、またはキナ酸のDおよびL型である。光学活性アルコールは、例えば、(+)または(−)−メントールであってもよく、またアミド中の光学活性アシル基は、例えば、(+)−または(−)−メンチルオキシカルボニルであってもよい。
【0039】
さらに、得られる式Iの化合物は、その塩に変換されてもよく、特に薬学的使用のために、無機または有機酸または塩基との生理学的に許容される塩に変換されてもよい。この目的で使用可能な酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸、フマル酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸、マンデル酸、乳酸、マロン酸、クエン酸、L−リンゴ酸、L−酒石酸またはマレイン酸が含まれる。この目的に好適な塩基には、例えば、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、水酸化カルシウム、ジエタノールアミンまたはN−メチル−D−グルカミンが含まれる。
【0040】
出発材料として使用される一般式II〜VIIIの化合物は、ある程度文献から知られており、または、任意選択で追加的に保護基を導入して、文献から知られた方法により得ることができる(例I〜IXを参照)。
出発材料を調製するための標準的プロセスは、例えば、「March’s Advanced Organic Chemistry」、Michael B.SmithおよびJerry March著、Wiley−VCHまたはThiemeにより出版された「Science of Synthesis/Houben−Weyl」に記載されている。
【0041】
すでに上述したように、本発明による一般式(I)の化合物およびその生理学的に許容される塩は、有益な薬理学的特性、特に上皮成長因子受容体(EGF−R)が媒介する信号伝達に対する阻害効果を有するが、これは、例えば、リガンド結合、受容体の二量体化、またはチロシンキナーゼ自体を阻害することにより達成され得る。また、さらに下流側に位置する成分への信号の伝送を遮断することもできる。
以下の例は、本発明を制限することなく例示することを意図する。
【0042】
出発化合物の調製
例I:
4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(4−オキソ−シクロヘキシルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
【化9】

4M硫酸25mlを、テトラヒドロフラン110ml中の4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−イル−オキシ)−7−メトキシ−キナゾリン9.0gに添加し、混合物を周囲温度で18時間撹拌する。混合物を4M水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にし、酢酸エチルで数回抽出する。合わせた有機層を乾燥させ、蒸発させ、ジエチルエーテルとともに撹拌する。固体を吸引濾過して乾燥させる。
収量:7.4g(理論の90%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=416、418[M+H]+
【0043】
例II
4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−イル−オキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
【化10】

ジメチルホルムアミド125ml中の炭酸カリウム12.5gおよび8−メタンスルホニルオキシ−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン16g(例えばJournal of Medicinal Chemistry(1992)、35(12)、2243〜7を参照)を、50℃で、4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−ヒドロキシ−7−メトキシ−キナゾリン18.1g(例えばBioorganic & Medicinal Chemistry Letters(2006)、16(18)、4908〜4912を参照)に添加し、混合物を80℃で18時間撹拌する。さらに炭酸カリウム4.7gおよび8−メタンスルホニルオキシ−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン4.0gを添加し、混合物を80℃でさらに7時間撹拌する。反応混合物を冷却し、水および酢酸エチルで希釈し、形成した沈殿物を吸引濾過して乾燥させる。
収量:12.2g(理論の47%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=460、462[M+H]+
【0044】
例III
4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(4−オキソ−シクロヘキシルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
【化11】

オキシ塩化リン8.5mlを、アセトニトリル120ml中の3,4−ジヒドロ−4−オキソ−6−(1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−イル−オキシ)−7−メトキシ−キナゾリン17gに滴下により添加し、混合物を40℃の内部温度に加熱する。次いで、トリエチルアミン13mlを滴下により添加し、反応混合物を2時間還流する。混合物を周囲温度に冷却し、トリエチルアミン3.6mlと合わせ、次いでアセトニトリル10ml中の3−クロロ−2−フルオロ−5−アニリン7.5mlをそれに滴下により添加する。反応混合物を5時間40℃に加熱し、次いで冷却して沈殿物を吸引濾過する。固体を1M塩酸および6Mイソプロパノール塩酸の混合物と合わせ、24時間撹拌する。沈殿物を吸引濾過し、再び1M塩酸および6Mイソプロパノール塩酸の混合物と合わせ、6時間撹拌する。沈殿物を吸引濾過し、1M水酸化ナトリウム溶液とジクロロメタンに分割する。有機相を分離し、乾燥させ、蒸発させる。
収量:17g(理論の80%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=416、418[M+H]+
【0045】
例IV
3,4−ジヒドロ−4−オキソ−6−(1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−イル−オキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
【化12】

氷酢酸150ml中の3−ベンジル−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−6−(1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−イル−オキシ)−7−メトキシ−キナゾリン16.0gを、活性炭上パラジウム(10%Pd)1.6gの存在下、60℃で、50psiの水素圧で水素化する。触媒を濾過により除去し、濾液を蒸発させ、トルエンと合わせて再び蒸発させる。残渣を水と混合し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で若干アルカリ性にする。沈殿物を吸引濾過して乾燥させる。
質量スペクトル(ESI+):m/z=333[M+H]+
【0046】
例V
3−ベンジル−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−6−(1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−イル−オキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
【化13】

炭酸カリウム16.0gおよび8−メタンスルホニルオキシ−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン20.0gを、50℃で、N,N−ジメチルホルムアミド150ml中の3−ベンジル−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−6−ヒドロキシ−7−メトキシ−キナゾリン20.0gに添加し、混合物を80℃で18時間激しく撹拌する。反応を完了させるために、炭酸カリウムおよび8−メタンスルホニルオキシ−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカンをそれぞれ3回添加し、それぞれの場合において混合物を80℃で数時間撹拌する。反応混合物を冷却し、全部で500mlの水と徐々に合わせる。沈殿物を吸引濾過し、水で洗浄して乾燥させる。
質量スペクトル(ESI+):m/z=423[M+H]+
【0047】
例VI
3−ベンジル−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−6−アセチルオキシ−7−メトキシ−キナゾリン
【化14】

3,4−ジヒドロ−4−オキソ−6−アセチルオキシ−7−メトキシ−キナゾリン169g、ベンジルブロミド118.8mlおよび炭酸カリウム138.2gを、アセトン1600ml中で8時間、35〜40℃に加熱する。混合物を周囲温度で15時間撹拌し、次いで水2000mlと合わせる。懸濁液を0℃に冷却し、沈殿物を吸引濾過し、水400mlおよびtert−ブチルメチルエーテル400mlで洗浄し、50℃で乾燥させる。固体を塩化メチレン4000ml中に溶解し、濾過し、蒸発させる。残渣をtert−ブチルメチルエーテル中に懸濁させ、吸引濾過し、50℃で乾燥させる。収量:203g(理論の86%)
f値:0.80(シリカゲル、塩化メチレン/エタノール=9:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=325[M+H]+
【0048】
例VII
3−ベンジル−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−6−ヒドロキシ−7−メトキシ−キナゾリン
【化15】

方法A:
6−ヒドロキシ−7−メトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン168.5gを、トルエン1200ml中に溶解し、ベンジルアミン74.7mlを添加する。混合物を15時間還流し、次いで周囲温度に冷却する。沈殿物を濾過により除去し、tert−ブチルメチルエーテルで洗浄する。
収量:124g(理論の72%)
方法B:
3−ベンジル−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−6−アセチルオキシ−7−メトキシ−キナゾリン200gを、水200mlおよびエタノール1000ml中に懸濁させる。10N水酸化ナトリウム溶液300mlを周囲温度で添加し、混合物を1時間30℃に加熱する。酢酸172mlおよび水2000mlの添加後、混合物を周囲温度で20時間撹拌する。沈殿物を吸引濾過し、水およびアセトンで洗浄して60℃で乾燥させる。
収量:172.2g(理論の98%)
f値:0.25(シリカゲル、塩化メチレン/エタノール=19:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=283[M+H]+
【0049】
例VIII
6−ヒドロキシ−7−メトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン
【化16】

2−アミノ−5−ヒドロキシ−4−メトキシ−安息香酸1g(メチル2−ニトロ−4,5−ジメトキシ−ベンゾエートを水酸化カリウム溶液と反応させて2−ニトロ−5−ヒドロキシ−4−メトキシ−安息香酸カリウム塩を得、続いて活性炭上パラジウムの存在下で触媒水素化を行うことにより調製される)およびオルトギ酸トリエチル20mlを、2.5時間100℃に加熱する。周囲温度に冷却後、沈殿物を吸引濾過してジエチルエーテルで洗浄する。
収量:0.97g(理論の93%)
f値:0.86(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール/酢酸=90:10:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=194[M+H]+
【0050】
例IX
4−クロロ−6−(1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−イル−オキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
【化17】

オキシ塩化リン6mlを、アセトニトリル120ml中の3,4−ジヒドロ−4−オキソ−6−(1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−イル−オキシ)−7−メトキシ−キナゾリン12.1gに滴下により添加し、混合物を40℃の内部温度に加熱する。次いで、トリエチルアミン9.3mlを滴下により添加し、反応混合物を3時間還流する。混合物を周囲温度に冷却し、一晩放置する。精製することなく、生成物の溶液をさらに反応させる(例IIIを参照)。
【0051】
最終化合物の調製
例1
4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(4−エチル−3−オキソ−ピペラジン−1−イル)−シクロヘキシルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリンおよび4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(4−エチル−3−オキソ−ピペラジン−1−イル)−シクロヘキシルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
【化18】

【0052】
ジクロロメタン50ml中の4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(4−オキソ−シクロヘキシルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン1500mgを、4−エチル−3−オキソ−ピペラジン555mgおよび氷酢酸250μlと合わせ、周囲温度で15分間撹拌する。次いでトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム1100mgを添加し、混合物を周囲温度で18時間撹拌する。さらにいくらかのトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、混合物をさらに3時間撹拌する。反応混合物をジクロロメタンおよび1M水酸化ナトリウム溶液と合わせ、短期間撹拌し、ジクロロメタンで数回抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させる。酢酸エチル/メタノール/アンモニア水溶液(95:5:0.1〜80:20:0.1)を用いたシリカゲルカラムによる精製によって、2種の表題化合物が混合物として得られる。調製HPLC(Waters社製xBridge(商標)C18;アセトニトリル、水、アンモニア水溶液)によって、シス/トランス混合物の分離を行う。異性体は、1H−NMR分光法(400MHz、ジメチルスルホキシド−d6)によって帰属を行う。
【0053】
4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(4−エチル−3−オキソ−ピペラジン−1−イル)−シクロヘキシルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン:
収量:610mg(理論の32%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=528、530[M+H]+
4.71(1H,m)での特性信号
4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(4−エチル−3−オキソ−ピペラジン−1−イル)−シクロヘキシルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン:
収量:520mg(理論の27%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=528、530[M+H]+
4.45(1H,m)での特性信号
【0054】
以下の化合物は、例1と同様に得られる。
【0055】
(1)4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(4−シクロプロピルメチル−3−オキソ−ピペラジン−1−イル)−シクロヘキシルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリンおよび4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(4−シクロプロピルメチル−3−オキソ−ピペラジン−1−イル)−シクロヘキシルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
【化19】

4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(4−シクロプロピルメチル−3−オキソ−ピペラジン−1−イル)−シクロヘキシルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
質量スペクトル(ESI+):m/z=554、556[M+H]+
4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(4−シクロプロピルメチル−3−オキソ−ピペラジン−1−イル)−シクロヘキシルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
質量スペクトル(ESI+):m/z=554、556[M+H]+
【0056】
(2)4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(4−ブチル−3−オキソ−ピペラジン−1−イル)−シクロヘキシルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリンおよび4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(4−ブチル−3−オキソ−ピペラジン−1−イル)−シクロヘキシルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
【化20】

4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(4−ブチル−3−オキソ−ピペラジン−1−イル)−シクロヘキシルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
質量スペクトル(ESI+):m/z=556、558[M+H]+
4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(4−ブチル−3−オキソ−ピペラジン−1−イル)−シクロヘキシルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
質量スペクトル(ESI+):m/z=556、558[M+H]+
【0057】
(3)4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−3−オキソ−ピペラジン−1−イル]−シクロヘキシルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリンおよび4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−3−オキソ−ピペラジン−1−イル]−シクロヘキシルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
【化21】

4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−3−オキソ−ピペラジン−1−イル]−シクロヘキシルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
質量スペクトル(ESI+):m/z=584、586[M+H]+
【0058】
4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−3−オキソ−ピペラジン−1−イル]−シクロヘキシルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
質量スペクトル(ESI+):m/z=584、586[M+H]+
【0059】
以下の副生成物は、この反応中に単離された。
【化22】

4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
質量スペクトル(ESI+):m/z=418、420[M+H]+
4−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
質量スペクトル(ESI+):m/z=418、420[M+H]+
【0060】
生物学的試験
新規化合物の生物学的特性を、例えば以下のように調査する。
EGF−R媒介信号伝送の阻害は、例えば、ヒトEGF−Rを発現し、その生存および増殖がEGFまたはTGF−αによる刺激に依存する細胞で実証することができる。機能的ヒトEGF−Rを発現するようにマウス造血細胞株を遺伝子操作する。したがって、この細胞株の増殖は、EGFにより刺激され得る。
【0061】
試験は以下のように行う。
細胞をRPMI/1640培地中で培養する。ヒトEGF(Promega社製)20ng/mlで増殖を刺激する。本発明による化合物の阻害活性を調査するために、これらの化合物を100%ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、最大DMSO濃度を1%として様々な希釈度で培養物に添加する。培養物を37℃で48時間インキュベートする。
本発明による化合物の阻害活性を決定するために、Cell Titer 96TM AQueous Non−Radioactive Cell Proliferation Assay(Promega社製)を使用し、O.D.ユニットで相対細胞数を測定する。相対細胞数は、対照のパーセンテージとして計算し、それから細胞の増殖を50%阻害する活性物質の濃度(IC50)を導出する。
【0062】
本発明による一般式(I)の化合物は、例えば、10μモル未満、好ましくは1μモル未満のIC50値を示す。

適応
判明しているように、式(I)の化合物は、治療分野におけるその多用途性を特徴とする。具体的には、本発明による式(I)の化合物がその薬学的効用に基づきチロシン阻害薬として好ましく使用される可能な用途を挙げるべきであろう。
したがって、本発明による一般式(I)の化合物は、ヒトEGF受容体の例により実証されるように、チロシンキナーゼによる信号伝達を阻害し、したがってチロシンキナーゼの機能亢進により引き起こされる病態生理学的過程の治療に有用である。これらは、例えば、良性または悪性腫瘍、具体的には上皮性および神経上皮性起源の腫瘍、転移、ならびに血管内皮細胞の異常増殖(血管新生)である。
本発明による化合物はまた、例えば、慢性気管支炎、慢性閉塞性気管支炎、喘息、気管支拡張症、アレルギー性もしくは非アレルギー性鼻炎もしくは副鼻腔炎、嚢胞性線維症、α1−抗トリプシン欠乏症、または咳、肺気腫、肺線維症および気道過敏症等の気道の炎症性疾患における、チロシンキナーゼの刺激により引き起こされる粘液産生の増加もしくは改変を伴う、気道および肺の疾患の予防および治療に有用である。
【0063】
化合物はまた、例えば、胆嚢炎等の慢性炎症性変化、クローン病、潰瘍性大腸炎、および胃腸管における潰瘍等において観察され得るような、または、メネトリエ病、分泌腺腫およびタンパク質損失症候群等の分泌の増加に関連した胃腸管の疾患において生じ得るような、チロシンキナーゼの異常活性と関連する胃腸管および胆管および胆嚢の疾患の治療に好適である。
【0064】
さらに、一般式Iの化合物およびその生理学的に許容される塩は、例えば、表皮過剰増殖(乾癬)、良性前立腺過形成(BPH)、炎症過程、免疫系の疾患、造血細胞の過剰増殖、鼻ポリープの治療等の、チロシンキナーゼの異常機能により引き起こされるその他の疾患を治療するために使用され得る。
【0065】
その生物学的特性のために、本発明による化合物は、単独で、または他の薬理学的に活性な化合物と併せて、例えば、腫瘍治療、単剤治療、または他の抗腫瘍治療薬剤と併せて、例えばトポイソメラーゼ阻害薬(例えばエトポシド)、有糸分裂阻害薬(例えばビンブラスチン)、核酸と相互作用する化合物(例えばシスプラチン、シクロホスファミド、アドリアマイシン)、ホルモン拮抗薬(例えばタモキシフェン)、代謝過程の阻害薬(例えば5−FU等)、サイトカイン(例えばインターフェロン)、抗体等と併せて使用することができる。呼吸器疾患を治療するために、これらの化合物は、単独で、または、例えば分泌分解(例えばアンブロキソール、N−アセチルシステイン)、気管支拡張(例えばチオトロピウムもしくはイプラトロピウムもしくはフェノテロール、サルメテロール、サルブタモール)および/または抗炎症活性(例えばテオフィリンもしくはグルココルチコイド)を有する物質等の気道用の他の治療薬剤と併せて使用することができる。胃腸管の領域における疾患を処置するために、これらの化合物はまた、単独で、または運動性もしくは分泌に対する効果を有する物質と併せて投与され得る。これらの組合せは、同時または逐次的に投与され得る。
【0066】
製剤
本発明による化合物は、経口、経皮、吸入、非経口または舌下経路で投与することができる。本発明による化合物は、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、トローチ剤、粉末、溶液、懸濁液、エマルジョン、シロップ、坐剤、経皮系等、従来の製剤中、例えば本質的に不活性医薬キャリアおよび有効用量の活性物質からなる組成物中の活性成分として存在する。本発明による化合物の有効用量は、経口投与の場合は0.1mg/用量から5000mg/用量の間、好ましくは1mg/用量から500mg/用量の間、より好ましくは5〜300mg/用量の間であり、静脈内、皮下または筋肉内投与の場合は0.001mg/用量から50mg/用量の間、好ましくは0.1mg/用量から10mg/用量の間である。吸入の場合、本発明によれば、0.01〜1.0%、好ましくは0.1〜0.5%の活性物質を含有する溶液が好適である。吸入による投与の場合、粉末、エタノール溶液または水溶液の使用が好ましい。また、本発明の化合物を、輸液用溶液として、好ましくは生理食塩水または栄養食塩水中で使用することもできる。
本発明による化合物は、それ自体で、または本発明による他の活性物質と併せて使用することができ、また、他の薬理学的に活性な物質と併せて使用されてもよい。好適な製剤には、例えば、錠剤、カプセル剤、坐剤、溶液、シロップ、エマルジョンまたは分散可能な粉末が含まれる。対応する錠剤は、例えば、活性物質を、既知の賦形剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくは乳糖等の不活性希釈剤、トウモロコシデンプンもしくはアルギン酸等の崩壊剤、デンプンもしくはゼラチン等の結合剤、ステアリン酸マグネシウムもしくはタルク等の潤滑剤、および/または、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、もしくはポリ酢酸ビニル等の遅延放出用薬剤と混合することにより得ることができる。錠剤はまた、いくつかの層を備えてもよい。したがって、錠剤被覆に通常使用される物質、例えばコリドン(collidone)もしくはセラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタンまたは砂糖で、錠剤と同じように生成されたコアを被覆することにより、被覆錠剤を調製することができる。遅延放出を達成する、または不適合を防止するために、コアはまた、複数の層からなることができる。同様に、錠剤被覆は、おそらくは錠剤に関して上述された賦形剤を使用して、遅延放出を達成するための複数の層からなることができる。
【0067】
本発明による活性物質またはその組合せを含有するシロップは、サッカリン、シクラメート、グリセロールまたは砂糖等の甘味料、および風味向上剤、例えばバニリンまたはオレンジ抽出物等の香味料を追加的に含有することができる。それらはまた、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の懸濁補助剤もしくは増粘剤、例えば脂肪アルコールのエチレンオキシドとの縮合生成物等の湿潤剤、またはp−ヒドロキシベンゾエート等の保存料を含有してもよい。
【0068】
注射用溶液は、通常の手法で、例えば、p−ヒドロキシベンゾエート等の保存料、またはエチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩等の安定剤を添加して調製され、注射用バイアルまたはアンプル内に移される。
1種または複数の活性物質または活性物質の組合せを含有するカプセル剤は、例えば、活性物質を、乳糖またはソルビトール等の不活性キャリアと混合し、それらをゼラチンカプセル内に封入することにより調製することができる。
好適な坐薬は、例えば、この目的のために提供されるキャリア、例えば中性脂肪またはポリエチレングリコールまたはその誘導体と混合することにより作製することができる。
【0069】
薬学的使用のために、本発明による化合物は、一般に、温血脊椎動物、特に人間に対し、0.01〜100mg/体重kg、好ましくは0.1〜15mg/kgの用量で使用される。投与のために、それらの化合物は、1種または複数の従来の不活性なキャリアおよび/または希釈剤とともに、例えばコーンスターチ、乳糖、グルコース、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース、もしくは固い脂肪等の脂肪質物質、またはこれらの好適な混合物とともに製剤化され、素錠剤もしくは被覆錠剤、カプセル剤、粉末、懸濁液、溶液、スプレーまたは坐剤等の従来のガレン製剤が生成される。
以下の例は、その範囲を制限することなく本発明を例示する。
【0070】
医薬製剤の例
A)活性物質を75mg含有する被覆錠剤
組成:
1個の錠剤コアは以下を含有する。
活性物質 75.0mg
リン酸カルシウム 93.0mg
コーンスターチ 35.5mg
ポリビニルピロリドン 10.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 15.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg
230.0mg
【0071】
調製:
活性物質を、リン酸カルシウム、コーンスターチ、ポリビニル−ピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび記載量の半分のステアリン酸マグネシウムと混合する。直径13mmのブランクを打錠機内で製造し、次いでこれらのブランクを好適な機械を使用して1.5mmのメッシュサイズを有する篩を通して摺り切り、ステアリン酸マグネシウムの残りと混合する。この粒子を打錠機内で圧縮し、所望の形状の錠剤を形成する。
コアの質量:230mg
ダイ:9mm、凸状
このようにして製造された錠剤コアを、本質的にヒドロキシプロピルメチルセルロースからなるフィルムで被覆する。最終的なフィルム被覆錠剤を蜜蝋で研磨する。
被覆錠剤の質量:245mg。
B)活性物質を100mg含有する錠剤
組成:
1個の錠剤は以下を含有する。
活性物質 100.0mg
乳糖 80.0mg
コーンスターチ 34.0mg
ポリビニルピロリドン 4.0mg
ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
220.0mg
【0072】
調製方法
活性物質、乳糖およびスターチを互いに混合し、ポリビニルピロリドンの水溶液で均一に湿らせる。湿った組成物を篩い分けし(2.0mmメッシュサイズ)、ラック式乾燥器内で50℃で乾燥させた後、再び篩い分けし(1.5mmメッシュサイズ)、潤滑剤を添加する。最終混合物を圧縮して錠剤を形成する。
錠剤の質量:220mg
直径:10mm、二平面、両側でカットされ一方の側に切り込みが入っている。
C)活性物質を150mg含有する錠剤
組成:
1個の錠剤は以下を含有する。
活性物質 150.0mg
粉末乳糖 89.0mg
コーンスターチ 40.0mg
コロイド状シリカ 10.0mg
ポリビニルピロリドン 10.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.0mg
300.0mg
【0073】
調製:
乳糖、コーンスターチおよびシリカと混合された活性物質を、20%ポリビニルピロリドン水溶液で湿らせ、1.5mmのメッシュサイズを有する篩に通す。45℃で乾燥させた粒子を、再び同じ篩に通し、記載量のステアリン酸マグネシウムと混合する。混合物から錠剤を加圧成形する。
錠剤の質量:300mg
ダイ:10mm、平坦
D)活性物質を150mg含有する硬ゼラチンカプセル剤
組成:
1個のカプセル剤は以下を含有する。
活性物質 150.0mg
コーンスターチ(乾燥) 約180.0mg
乳酸(粉末) 約87.0mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
約420.0mg
【0074】
調製:
活性物質を賦形剤と混合し、0.75mmのメッシュサイズを有する篩に通し、好適な装置を使用して均質に混合する。最終混合物をサイズ1の硬ゼラチンカプセル内に封入する。
カプセル充填量:約320mg
カプセルの殻:サイズ1の硬ゼラチンカプセル。
E)活性物質を150mg含有する坐剤
組成:
1個の坐剤は以下を含有する。
活性物質 150.0mg
ポリエチレングリコール1500 550.0mg
ポリエチレングリコール6000 460.0mg
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 840.0mg
2,000.0mg
【0075】
調製:
多量の坐薬を溶融した後、活性物質をその中に均質に配合し、溶融物を冷やした型に注ぎ込む。
F)活性物質を50mg含有する懸濁液
組成:
懸濁液100mlは以下を含有する。
活性物質 1.00g
カルボキシメチルセルロース−Na−塩 0.10g
メチルp−ヒドロキシベンゾエート 0.05g
プロピルp−ヒドロキシベンゾエート 0.01g
グルコース 10.00g
グリセロール 5.00g
70%ソルビトール溶液 20.00g
香味料 0.30g
蒸留水 100mlまで添加
【0076】
調製:
蒸留水を70℃に加熱する。そこにメチルおよびプロピルp−ヒドロキシベンゾエートを、グリセロールおよびカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩とともに、撹拌しながら溶解する。溶液を周囲温度に冷却し、そこに撹拌しながら活性物質を添加して均質に分散させる。砂糖、ソルビトール溶液および香味料を添加して溶解した後、懸濁液を撹拌しながら脱気して空気を排除する。懸濁液5mlは、活性物質50mgを含有する。
G)活性物質を10mg含有するアンプル
組成:
活性物質 10.0mg
0.01N塩酸適量
再蒸留水 2.0mlまで添加
【0077】
調製:
活性物質を、所要量の0.01N HCl中に溶解し、食塩で等張性とし、滅菌濾過して2mlアンプル内に移す。
H)活性物質を50mg含有するアンプル
組成:
活性物質 50.0mg
0.01N塩酸適量
再蒸留水 10.0mlまで添加
【0078】
調製:
活性物質を、所要量の0.01N HCl中に溶解し、食塩で等張性とし、滅菌濾過して10mlアンプル内に移す。
I)活性物質を5mg含有する粉末吸入用カプセル剤
1個のカプセル剤は以下を含有する。
活性物質 5.0mg
吸入用乳糖 15.0mg
20.0mg
【0079】
調製:
活性物質を、吸入用乳糖と混合する。混合物をカプセル製造機内でカプセル内に封入する(空のカプセルの質量は約50mg)。
カプセルの質量:70.0mg
カプセルのサイズ:3
J)活性物質を2.5mg含有する手持ち式噴霧器の吸入用溶液
1個のスプレーは以下を含有する。
活性物質 2.500mg
塩化ベンザルコニウム 0.001mg
1N塩酸適量
エタノール/水(50/50) 15.000mgまで添加
【0080】
調製:
活性物質および塩化ベンザルコニウムを、エタノール/水(50/50)中に溶解する。溶液のpHを1N塩酸で調節する。得られる溶液を濾過し、手持ち式噴霧器における使用のための好適な容器(カートリッジ)内に移す。
容器の内容物:4.5g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

(I)
の化合物であって、
aは、エチル、プロピル、ブチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、3−テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフラニルメチル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル−およびテトラヒドロピラニルメチル基を示し、別段の記載がない限り、上述のアルキル基は、直鎖または分岐鎖であってもよいことを特徴とし、
その互変異性体、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマーおよび混合物の形態であってもよく、またその薬理学的に許容される酸付加塩であってもよい化合物。
【請求項2】
aが、エチル、ブチル、シクロプロピルメチルおよび4−テトラヒドロピラニル基の中から選択される基を示すことを特徴とし、
その互変異性体、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマーおよび混合物の形態であってもよく、またその薬理学的に許容される酸付加塩であってもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
医薬として使用するための、請求項1または2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
気道の炎症性またはアレルギー性疾患に関連することを特徴とする、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
慢性気管支炎、急性気管支炎、細菌もしくはウイルス感染または真菌または蠕虫により引き起こされる気管支炎、アレルギー性気管支炎、中毒性気管支炎、慢性閉塞性気管支炎(COPD)、喘息(内因性またはアレルギー性)、小児喘息、気管支拡張症、アレルギー性肺胞炎、アレルギー性または非アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、嚢胞性線維症または線維嚢胞症、α−1−抗トリプシン欠乏症、咳、肺気腫、間質性肺炎、肺胞炎、気道過敏症、鼻ポリープ、肺水腫、異なる起源の肺炎、例えば放射線誘発性もしくは吸入により引き起こされる肺炎または感染性肺炎、膠原病、例えば紅斑性狼瘡、全身性強皮症、サルコイドーシスおよびベック病の中から選択される疾患に関連することを特徴とする、請求項3または4に記載の使用。
【請求項6】
自己免疫反応が関与する炎症性またはアレルギー性の病状に関連することを特徴とする、請求項3に記載の使用。
【請求項7】
良性または悪性腫瘍の形態の疾患に関連することを特徴とする、請求項3または6に記載の使用。
【請求項8】
請求項1または2に記載の式(I)の化合物を含有する医薬製剤。
【請求項9】
請求項1または2に記載の式(I)の化合物を含有する、請求項8に記載の経口投与医薬製剤。
【請求項10】
1種または複数の請求項1または2に記載の式(I)の化合物に加え、さらなる活性物質として、β模倣薬、抗コリン薬、コルチコステロイド、さらなるPDE4阻害薬、LTD4拮抗薬、EGFR阻害薬、ドーパミン作動薬、H1抗ヒスタミン薬、PAF拮抗薬およびPI3キナーゼ阻害薬の分類の中から選択される1種または複数の化合物、またはこれらの2重もしくは3重の組合せを含有する、組合せ医薬。

【公表番号】特表2011−530493(P2011−530493A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521518(P2011−521518)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059511
【国際公開番号】WO2010/015523
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】