説明

シクロペンタジエン化合物及びその製造方法

【課題】 重合用触媒の配位子を提供すること。
【解決手段】 式(1)


(式中、Cpはシクロペンタジエン骨格を有する基を示し、Aは炭素原子を除く元素の周期律表の第14族の原子を示し、R、R、R、R、R及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリールオキシ基等を表し、R、R、R及びRの隣接する基は、それぞれ任意に結合して環を形成していてもよく、RとRは結合して環を形成していてもよい。)
で示されるシクロペンタジエン化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シクロペンタジエン化合物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メタロセン錯体はオレフィン重合する際の重合触媒の一成分として有用であり、これまでにも数多くの報告がなされている。中でもシクロペンタジエンとフェノールが元素の周期律表の第14族原子によって架橋された配位子を有する架橋ハーフメタロセン錯体は、その特殊な構造から特異な活性が期待できる有望な金属錯体であり(例えば、特許文献1)、その配位子となる新規なシクロペンタジエニル化合物の開発が望まれていた。
【特許文献1】特開平9−87313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、メタロセン錯体の製造に有効な、新規なシクロペンタジエン化合物とその製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、新規なシクロペンタジエン化合物を、有利に得られることを見いだし、本発明に至った。
【0005】
すなわち、本発明は、式(1)

(式中、Cpはシクロペンタジエン骨格を有する基を示し、Aは炭素原子を除く元素の周期律表の第14族の原子を示し、R、R、R、R、R及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたシリル基又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基を表し、R、R、R及びRにおいて隣接する基は、それぞれ任意に結合して環を形成していてもよく、RとRは結合して環を形成していてもよい。)
で示されるシクロペンタジエン化合物;
【0006】
式(3)

(式中、A、R、R、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表し、Cpはシクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基を表し、Mはアルカリ金属を表す。)
で示されるジアニオン金属塩、
【0007】
式(3)

(式中、A、R、R、R、R、R、R、Cp及びMは前記と同じ意味を表す。)
で示されるジアニオン金属塩と、式(4)

(式中、R11は水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、又は置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基を表す。)
で示されるプロトン性の化合物とを反応させる式(1)で示されるシクロペンタジエン化合物の製造方法、及び
【0008】
式(5)

(式中、A、Cp、R、R、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表し、R12、R13、R14、R15及びR16はそれぞれ水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基又は置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基を表す。)
で示される保護されたシクロペンタジエン化合物と、式(6)

(式中、Mは前記と同じ意味を表し、R17は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、又は置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基を表す。)
で示される金属化合物とを反応させる式(3)で示されるジアニオン金属塩の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明により得られる式(1)で示されるシクロペンタジエン化合物[以下、シクロペンタジエン化合物(1)と称す。]は重合触媒成分として有用であり、本発明の製造方法により該化合物(1)を工業的に有利に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
シクロペンタジエン化合物(1)において、Aで示される炭素原子を除く元素の周期律表の第14族元素としては、例えば、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子などが例示され、好ましくはケイ素原子が例示される。
【0012】
式(1)において、Cpで表されるシクロペンタジエン骨格を有する基としては、例えば、式(2)

(式中、R、R、R及びR10は同一又は相異なり、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたシリルオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたホスフィノ基、及び、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたチオ基を表し、隣接するR、R、R及びR10における隣接する基はそれぞれ任意に結合して環を形成していてもよい。)
で示される基が挙げられ、これらの基のシクロペンタジエン骨格の二重結合の位置の相違に由来する複数の異性体が存在することもあるが、本発明ではこれらの全ての異性体が包含される。
【0013】
かかる式(2)で示される基としては、例えばシクロぺンタジエン、メチルシクロペンタジエン、ジメチルシクロペンタジエン、トリメチルシクロペンタジエン、テトラメチルシクロペンタジエン、エチルシクロぺンタジエン、n−プロピルシクロペンタジエン、イソプロピルシクロペンタジエン、n−ブチルシクロペンタジエン、sec−ブチルシクロペンタジエン、tert−ブチルシクロぺンタジエン、n−ペンチルシクロぺンタジエン、ネオペンチルシクロぺンタジエン、n−ヘキシルシクロぺンタジエン、n−オクチルシクロぺンタジエン、テトラヒドロインデン、オクタヒドロフルオレン、フェニルシクロぺンタジエン、ナフチルシクロぺンタジエン、トリメチルシリルシクロぺンタジエン、トリエチルシリルシクロぺンタジエン、トリフェニルシリルシクロぺンタジエン、tert−ブチルジメチルシリルシクロぺンタジエンなどの置換もしくは無置換のシクロペンタジエン、
【0014】
インデン、メチルインデン、ジメチルインデン、エチルインデン、n−プロピルインデン、イソプロピルインデン、n−ブチルインデン、sec−ブチルインデン、tert−ブチルインデン、n−ペンチルインデン、ネオペンチルインデン、n−ヘキシルインデン、n−オクチルインデン、n−デシルインデン、フェニルインデン、メチルフェニルインデン、ナフチルインデン、などの置換もしくは無置換のインデン、
【0015】
フルオレン、2−メチルフルオレン、2,7−ジメチルフルオレン、2−エチルフルオレン、2,7−ジエチルフルオレン、2−n−プロピルフルオレン、2,7−ジ−n−プロピルフルオレン、2−イソプロピルフルオレン、2,7−ジイソプロピルフルオレン、2−n−ブチルフルオレン、2−sec−ブチルフルオレン、2−tert−ブチルフルオレン、2,7−ジ−n−ブチルフルオレン、2,7−ジ−sec−ブチルフルオレン、2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン、3,6−ジ−tert−ブチルフルオレン、2−n−ペンチルフルオレン、2−ネオペンチルフルオレン、2−n−ヘキシルフルオレン、2−n−オクチルフルオレン、2−n−デシルフルオレン、2−n−ドデシルフルオレン、2−フェニルフルオレン、2,7−ジ−フェニルフルオレン、2−メチルフェニルフルオレン、2−ナフチルフルオレンなどの置換もしくは無置換のフルオレンが挙げられ、好ましくはシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、tert−ブチルシクロペンタジエン、テトラメチルシクロペンタジエン、インデン、フルオレン、2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン、3,6−ジ−tert−ブチルフルオレンなどが挙げられる。
【0016】
本発明において、置換基R〜R10及びR17で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが例示され、好ましくは塩素原子が例示される。
【0017】
置換基R〜R17で表される炭素原子数1〜20の置換アルキル基における置換基としては、例えば、ハロゲン原子などが挙げられる。置換もしくは無置換のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、アミル基、n−ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、n−エイコシル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロオクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基などが例示され、好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、アミル基が例示される。
【0018】
置換基R〜R17で表される炭素原子数7〜20の置換アラルキル基における置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子などが挙げられる。置換もしくは無置換の炭素原子数7〜20のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などが例示される。好ましくはベンジル基である。これらのアラルキル基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0019】
置換基R〜R17で表される炭素原子数6〜20の置換アリール基における置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子などが挙げられる。置換もしくは無置換の炭素原子数6〜20のアリール基の具体例としては、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが例示され、好ましはフェニル基が例示される。これらのアリール基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0020】
置換基R〜R10で表される置換シリル基とは、置換もしくは無置換の炭化水素基で置換されたシリル基であって、ここで炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基などの炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基などのアリール基などが例示される。かかる炭素原子数1〜20の置換シリル基の具体例としては、メチルシリル基、エチルシリル基、フェニルシリル基などの炭素数1〜20の一置換シリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジフェニルシリル基などの炭素数1〜20の炭化水素基で置換された二置換シリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリ−イソブチルシリル基、tert−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基などの炭素数1〜20の炭化水素基で置換された三置換シリル基などが例示され、好ましくはトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基が例示される。これらの置換シリル基を構成する炭化水素基としては、上記のような無置換の炭化水素基のほかにフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換された置換炭化水素基が例示される。
【0021】
置換基R〜R10で表される置換もしくは無置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基における置換基としては、例えば、ハロゲン原子などが挙げられる。置換もしくは無置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基などが例示され、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基が例示される。これらのアルコキシ基は、いずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0022】
置換基R〜R10で表される置換もしくは無置換の炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基における置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子などが挙げられる。置換もしくは無置換の炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基の具体例としては、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などが例示され、好ましくはベンジルオキシ基が例示される。これらのアラルキルオキシ基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0023】
置換基R〜R10で表される炭素原子数6〜20の置換アリールオキシ基における置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子などが挙げられる。置換もしくは無置換の炭素原子数6〜20のアリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基などの炭素数6〜20の無置換のアリールオキシ基などが例示される。これらの置換アリールオキシ基の具体例としては、例えば、上記炭素数6〜20の無置換のアリールオキシ基などが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたものが例示される。
【0024】
置換基R〜R10で表される炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基とは、2つの炭化水素基で置換されたアミノ基であって、ここで炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基などのアリール基などが例示され、これらの置換基は互いに結合して環を形成していてもよい。かかる炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビストリメチルシリルアミノ基、ビス−tert−ブチルジメチルシリルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロインドリル基、ジヒドロイソインドリル基などが例示され、好ましくはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基が例示される。
【0025】
置換基R〜R10における炭素原子数1〜20の炭化水素基で置換されたシリルオキシ基とは、3つの炭化水素基で置換されたシリルオキシ基であって、ここで炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などの前記と同様の炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基などのアリール基などが例示され、これらの置換基は互いに結合して環を形成していてもよい。かかる炭素数1〜20の置換シリルオキシ基としては、例えば、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリ−n−ブチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジメチルフェニルシリルオキシ基、メチルジフェニルシリルオキシ基などが例示され、好ましくはトリメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基等が例示される。
【0026】
置換基R〜R10で表される炭素原子数1〜20の炭化水素基で置換されたホスフィノ基とは、2つの炭化水素基で置換されたホスフィノ基であって、ここで炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、n−エイコシル基などの炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基などのアリール基などが例示され、これらの置換基は互いに結合して環を形成していてもよい。かかる炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたホスフィノ基の具体例としては、ジメチルホスフィノ基、ジエチルホスフィノ基、ジ−n−プロピルホスフィノ基、ジイソプロピルホスフィノ基、ジ−n−ブチルホスフィノ基、ジ−sec−ブチルホスフィノ基、ジ−tert−ブチルホスフィノ基、ジ−イソブチルホスフィノ基、tert−ブチルイソプロピルホスフィノ基、ジ−n−ヘキシルホスフィノ基、ジ−n−オクチルホスフィノ基、ジ−n−デシルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、ビストリメチルシリルホスフィノ基、ビス−tert−ブチルジメチルシリルホスフィノ基などが例示され、好ましくはジメチルホスフィノ基、ジエチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基等が例示される。
【0027】
置換基R〜R10における炭素原子数1〜20の炭化水素基で置換されたチオ基における炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基などのアリール基などが例示され、これらの置換基は互いに結合して環あるいはチオフェンを形成していてもよい。かかる炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、n−オクチルチオ基、n−デシルチオ基、フェニルチオ基などが例示される。
【0028】
〜Rのうち隣接する2つの置換基並びにR〜R10うち隣接する2つの置換基は任意に結合して環を形成していてもよく、RとRは結合して環を形成していてもよい。
【0029】
〜R10のうち隣接する2つの置換基が結合して形成される環としては、例えば、飽和の、又は不飽和の炭化水素環、チオフェン環、チアゾ−ル環、チアゾリン環、チアジアゾ−ル環、ピリジン環などのヘテロ環が例示される。
【0030】
〜Rのうち隣接する2つの置換基が結合して形成される環及びRとRが結合して形成される環としては、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換された、飽和もしくは不飽和の炭化水素環などが例示される。その具体例としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などが例示される。
【0031】
本発明のシクロペンタジエン化合物(1)としては、例えば、(フェノール−2−イル)(シクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(5,6−ジメチルフェノール−2−イル)(シクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール−2−イル)(シクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−メトキシフェノール−2−イル)(シクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−ジメチルアミノフェノール)(シクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチルフェノール−2−イル)(シクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−クロロフェノール−2−イル)(シクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(6−フェニルフェノール−2−イル)(シクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチルジメチルシリル−4−メチルフェノール−2−イル)(シクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(4−メチル−6−トリメチルシリルフェノール−2−イル)(シクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(1−ナフトール−2−イル)(シクロペンタジエニル)ジメチルシラン、
【0032】
(フェノール−2−イル)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(5,6−ジメチルフェノール−2−イル)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール−2−イル)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−メトキシフェノール−2−イル)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−ジメチルアミノフェノール)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチルフェノール−2−イル)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−クロロフェノール−2−イル)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(6−フェニルフェノール−2−イル)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチルジメチルシリル−4−メチルフェノール−2−イル)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(4−メチル−6−トリメチルシリルフェノール−2−イル)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(1−ナフトール−2−イル)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン、
【0033】
(フェノール−2−イル)(インデニル)ジメチルシラン、(5,6−ジメチルフェノール−2−イル)(インデニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール−2−イル)(インデニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−メトキシフェノール−2−イル)(インデニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−ジメチルアミノフェノール)(インデニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチルフェノール−2−イル)(インデニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−クロロフェノール−2−イル)(インデニル)ジメチルシラン、(6−フェニルフェノール−2−イル)(インデニル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチルジメチルシリル−4−メチルフェノール−2−イル)(インデニル)ジメチルシラン、(4−メチル−6−トリメチルシリルフェノール−2−イル)(インデニル)ジメチルシラン、(1−ナフトール−2−イル)(インデニル)ジメチルシラン、
【0034】
(フェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジメチルシラン、(5,6−ジメチルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−メトキシフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−ジメチルアミノフェノール)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチル−4−クロロフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジメチルシラン、(6−フェニルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジメチルシラン、(6−tert−ブチルジメチルシリル−4−メチルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジメチルシラン、(4−メチル−6−トリメチルシリルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジメチルシラン、(1−ナフトール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジメチルシランなどが挙げられ、ジメチルシランをジエチルシラン、ジフェニルシラン等に変更したものも同様に例示される。
【0035】
かかるシクロペンタジエン化合物(1)は、式(3)

(式中、A、R、R、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表し、Cpはシクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基であり、Mはアルカリ金属を表す。)
で示されるジアニオン金属塩[以下、ジアニオン金属塩(3)と称す。]と、式(4)

(式中、R11は水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、又は置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基を表す。)
で示されるプロトン性の化合物[以下、プロトン性の化合物(4)と称す。]を反応させることにより製造することができる。
【0036】
Cpで表されるシクロペンタジエニル型アニオンとしては、Cpで表されるシクロペンタジエン骨格を有する基のアニオンが例示される。
【0037】
Mで表されるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が例示され、好ましくはリチウムが挙げられる。
【0038】
ジアニオン金属塩(3)としては、例えば、ジメチルシリレン(2−フェノキシ)(シクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3,4−ジメチルフェニル−2−フェノキシ)(シクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)(シクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)(シクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)(シクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)(シクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−フェニル−2−フェノキシ)(シクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)(シクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)(シクロペンタジエニル)ジリチウム
【0039】
ジメチルシリレン(2−フェノキシ)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3,4−ジメチルフェニル−2−フェノキシ)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−フェニル−2−フェノキシ)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジリチウム
【0040】
ジメチルシリレン(2−フェノキシ)(インデニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3,4−ジメチルフェニル−2−フェノキシ)(インデニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)(インデニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)(インデニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)(インデニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)(インデニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−フェニル−2−フェノキシ)(インデニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)(インデニル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)(インデニル)ジリチウム
【0041】
ジメチルシリレン(2−フェノキシ)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3,4−ジメチルフェニル−2−フェノキシ)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−フェニル−2−フェノキシ)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジリチウム、ジメチルシリレン(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジリチウムなどが例示され、ジメチルシリレンをジエチルシリレン、ジフェニルシリレン等に変更したものも同様に例示される。
【0042】
シクロペンタジエン化合物(1)の製造に用いられるプロトン性の化合物(4)としては、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、sec−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−ノナノール、フェノール、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、ペンタメチルフェノール、ベンジルアルコール、(2−メチルフェニル)メタノール、(3−メチルフェニル)メタノール、(4−メチルフェニル)メタノール、ペンタメチルフェニルメタノール、ナフチルメタノール、アントラセニルメタノール等が例示され、好ましくは水、メタノール、フェノール、より好ましくは水が例示される。
【0043】
シクロペンタジエン化合物(1)の製造は、通常、反応に対して不活性な溶媒中で行われる。かかる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ヘキサメチルホスホリックアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの極性溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒といった非プロトン性溶媒などが例示される。かかる溶媒はそれぞれ単独もしくは2種以上を混合して用いられ、その使用量は、シクロペンタジエン化合物(1)1重量部に対して、通常、1〜200重量部、好ましくは3〜50重量部の範囲である。
【0044】
反応温度としては、通常は、−100℃〜溶媒の沸点において実施され、好ましくは、−80〜30℃程度である。
【0045】
反応後、例えば不溶固体を除去し、溶媒を留去することにより、又は、反応混合物を濃縮した後、不溶物を除去したろ液からシクロペンタジエン化合物(1)を得ることができる。必要に応じ、再結晶、昇華など通常の方法により精製することができる。
【0046】
かくして得られたシクロペンタジエン化合物(1)は金属錯体の配位子として利用することができる。その方法は特に限定されないが、例えば、遷移金属前駆体とシクロペンタジエン化合物(1)を溶媒中で混合することにより金属錯体を得る方法、シクロペンタジエン化合物(1)と塩基を反応させることによりシクロペンタジエン化合物(1)のアニオンを発生させてから遷移金属前駆体と混合することにより金属錯体を得る方法、シクロペンタジエン(1)と遷移金属前駆体を混合した後、塩基を加えることにより金属錯体を得る方法等が例示される。
【0047】
かくして調製される金属錯体は、活性化共触媒と反応させることにより、重合に用いることができ、活性化共触媒としては、亜鉛化合物、アルミ化合物、ホウ素化合物など当業者が通常用いる化合物が挙げられる。
【0048】
好ましい活性化共触媒としては、アルミニウム化合物、遷移金属と対になってイオン対を形成する非アルミニウム化合物を挙げることができ、単独あるいは組み合わせた化合物と金属錯体とを反応させることにより、重合に用いることができる。
【0049】
シクロペンタジエン化合物(1)、遷移金属前駆体、アルミニウム化合物、遷移金属と対になってイオン対を形成する非アルミニウム化合物を、重合時に任意の順序で仕込み、使用することができるが、任意の化合物の組合せを予め接触させて得られた反応物を用いることもできる。
【0050】
上記ジアニオン金属塩(3)は、式(5)

(式中、A、Cp、R、R、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表し、R12、R13、R14、R15、及びR16は水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、又は置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基を表す。)
で示される保護されたシクロペンタジエン化合物[以下、保護されたシクロペンタジエン化合物(5)と称す。]と、式(6)

(式中Mは前記と同じ意味を表し、R17は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、又は置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基を表す。)
で示される金属化合物[以下、金属化合物(6)と称す。]を反応させることにより製造することができる。
【0051】
保護されたシクロペンタジエン化合物(5)は、例えば、一般式(7)

(式中、A、R、R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、及びR16は前記と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
で示されるハライド化合物と、一般式(8)

(式中、M及びCpは前記と同じ意味を表す。)
で示されるシクロペンタジエニル金属塩を反応させる方法(例えば、特許文献1参照。)により入手することができる。
【0052】
ジアニオン金属塩(3)の製造に用いられる金属化合物(6)としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムトリメチルシリルアセチリド、リチウムアセチリド、トリメチルシリルメチルリチウム、ビニルリチウム、フェニルリチウム、アリルリチウムなどの有機リチウム化合物、また、リチウムをナトリウムもしくはカリウムに代えた有機アルカリ金属化合物などが例示され、その使用量はジアニオン金属塩(3)1モルに対して、通常、0.5〜5モルの範囲である。
【0053】
また、金属化合物(6)と共にアミン化合物を用いることもできる。かかるアミン化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、アニリン、エチレンジアミンなどの第1級アミン化合物、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−デシルアミン、ピロリジン、ヘキサメチルジシラザン、ジフェニルアミンなどの第2級アミン化合物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N−メチルピロリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどの第3級アミン化合物が例示される。かかるアミン化合物の使用量は、金属化合物(6)1モルに対して、通常、10モル以下、好ましくは0.5〜10モル、さらに好ましくは1〜3モルの範囲である。
【0054】
ジアニオン金属塩(3)の製造は、通常、反応に対して不活性な溶媒中で行われる。かかる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ヘキサメチルホスホリックアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの極性溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒といった非プロトン性溶媒などが例示される。かかる溶媒はそれぞれ単独もしくは2種以上を混合して用いられ、その使用量は、保護されたシクロペンタジエン化合物(5)1重量部に対して、通常、1〜200重量部、好ましくは3〜50重量部の範囲である。
【0055】
反応温度としては、通常は、−100℃〜溶媒の沸点において実施され、好ましくは、−80〜30℃程度である。
【0056】
反応後、例えば不溶固体を除去し、溶媒を留去することにより、又は、反応混合物を濃縮した後、不溶物を除去したろ液からジアニオン金属塩(3)を得ることができる。必要に応じ、再結晶、昇華など通常の方法により精製することができる。
【実施例】
【0057】
以下、本発明を実験例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実験例に限定されるものではない。
[NMR測定条件]
装置:JEOL EX270型NMR、又は、Bruker DPX−300型NMR
試料:5mmφチューブ、試料濃度:10mg/0.5mL(CDCl又はTHF−d)
測定パラメータ:5mmφプローブ、MENUF:NON、OBNUC:H、積算回数:256回
内部標準:CDCl(7.26ppm)
パルス角:45°、
温度:室温(約25℃)
繰り返し時間(ACQTM+PD):約7秒
【0058】
[MS測定条件(EI)]
装置:日本電子JMS−AX505W
イオン化電圧:70eV
イオン源温度:230℃
データ処理装置:MS−MP8020D
MASS RANGE:m/z 35−1000
【0059】
[実験例1]
「(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジエチルシランの合成」
シュレンク管中、(2−アリロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジエチルシラン(1.00g、1.76mmol)、トリエチルアミン(0.80g、7.94mmol)のトルエン溶液(18mL)に、−78℃でn−ブチルリチウムの1.59Mヘキサン溶液(2.50mL、3.97mmol)を滴下し10分攪拌後、室温で5時間攪拌した。反応混合溶液に、−78℃で水(0.07g、3.97mmol)を滴下し、室温まで昇温後、室温で1時間攪拌した。溶媒を濃縮してヘキサンで濾過することで不溶物を除去し、溶媒を減圧留去することで、(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジエチルシラン(0.52g、収率56%)を黄色オイルとして得た。
H−NMR(CDCl、δ(ppm)):0.63−0.76(m、6H)、0.82−0.93(m、4H)、1.25(s、18H)、1.44(s、9H)、2.16(s、3H)、4.39(s、1H)、4.78(s、1H)、6.66(s、1H)、7.09(s、1H)、7.18(s、2H)、7.28(d、J=8.1Hz、2H)、7.64(d、J=8.1Hz、2H)
13C−NMR(CDCl、δ(ppm)):2.60、7.46、20.83、30.38、31.51、33.83、34.66、40.25、118.84、121.30、122.14、122.43、129.07、129.18、134.36、134.80、137.99、145.55、148.45、157.13
マススペクトル(EI、m/z):526(M)、497、469、412、363、292、277、249、221、164、149、121、103、57
【0060】
[実験例2]
「ジエチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジリチウムの合成」
シュレンク管中、(2−アリロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジエチルシラン(1.00g、1.76mmol)、トリエチルアミン(0.80g、7.94mmol)のトルエン溶液(18mL)に、−78℃でn−ブチルリチウムの1.58Mヘキサン溶液(2.51mL、3.97mmol)を滴下し10分攪拌後、室温で2時間攪拌した。溶媒を濃縮してペンタンで濾過し、減圧乾燥することで、ジエチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジリチウム(0.36g、収率38%)を淡黄色固体として得た。
H−NMR(THF−d、δ(ppm)):0.48−1.05(m、10H)、1.22(s、9H)、1.36(s、18H)、2.08(s、3H)、6.91(s、1H)、7.29(s、1H)、7.37(d、J=7.8Hz、2H)、7.57(s、2H)7.64(d、J=7.8Hz、2H)
【0061】
[実施例3]
「ジエチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジリチウムの合成」
シュレンク管中、(2−アリロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジエチルシラン(5.00g、8.82mmol)、トリエチルアミン(4.02g、39.69mmol)のトルエン溶液(90mL)に、−78℃でn−ブチルリチウムの1.59Mヘキサン溶液(12.48mL、19.84mmol)を滴下し10分攪拌後、室温で5時間攪拌した。溶液をガスクロマトグラフィーにより分析することで、ヘプタンの発生が観測された。溶媒を濃縮してヘキサンで濾過し、減圧乾燥することで、ジエチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジリチウムを得た。
得られた(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジリチウムをトルエンに懸濁させ、−78℃で、水(0.36g、19.84mmol)を加えた。室温まで昇温後、室温で2時間攪拌した。溶媒を濃縮してヘキサンで濾過することで不溶物を除去した。溶媒を減圧留去することで、(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジエチルシラン(3.02g、収率65%)を黄色オイルとして得た。
【0062】
[実験例4]
「(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジエチルシランを用いた重合」
(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジエチルシランの0.02Mトルエン溶液、テトラキス(ジメチルアミノ)チタニウム0.02Mトルエン溶液を0.3mlずつバイアル瓶にサンプリングし、室温で2分間混合させ重合触媒成分溶液を得た。
オートクレーブに窒素下で、トルエン5.0mL、1−ヘキセン(60μL)を仕込み、40℃で安定させた後、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。ここに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(40μL、1.0M、関東化学)、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(9μmol)、上記に記載の重合触媒成分溶液(チタン濃度0.01M、3μmol)を加え重合した。重合の結果、分子量(Mw)=893,000、分子量分布(Mw/Mn)=2.2、融点114.7℃、Me分岐20のポリマーをチタン1mol当たり、1時間当たり、4.6×10g製造した。
【0063】
[実験例5]
温度を70℃とした以外は実験例4と同様に重合を行い、重合の結果、分子量(Mw)=454,000、分子量分布(Mw/Mn)=2.9、融点118.8℃、Me分岐14のポリマーをチタン1mol当たり、1時間当たり、2.7×10g製造した。
【0064】
[実験例6]
温度を130℃とした以外は実験例4と同様に重合を行い、重合の結果、分子量(Mw)=166,000、分子量分布(Mw/Mn)=2.0、融点116.8℃、Me分岐9のポリマーをチタン1mol当たり、1時間当たり、3.7×10g製造した。
【0065】
[実験例7]
(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジエチルシランの0.02Mトルエン溶液、テトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム0.02Mトルエン溶液を0.3mlずつバイアル瓶にサンプリングし、室温で2分間混合させ重合触媒成分溶液を得た。
オートクレーブに窒素下で、トルエン5.0mL、1−ヘキセン(60μL)を仕込み、40℃で安定させた後、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。ここに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(40μL、1.0M、関東化学)、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(9μmol)、上記に記載の重合触媒成分溶液(ジルコニウム濃度0.01M、3μmol)を加え重合した。重合の結果、分子量(Mw)=190,000、分子量分布(Mw/Mn)=6.4、融点120.8℃、Me分岐5のポリマーをジルコニウム1mol当たり、1時間当たり、4.0×10g製造した。
【0066】
[実験例8]
温度を70℃とした以外は実験例7と同様に重合を行い、重合の結果、分子量(Mw)=82,000、分子量分布(Mw/Mn)=5.1、融点118.8℃、Me分岐11のポリマーをジルコニウム1mol当たり、1時間当たり、1.7×10g製造した。
【0067】
[実験例9]
温度を130℃とした以外は実験例7と同様に重合を行い、重合の結果、分子量(Mw)=25,000、分子量分布(Mw/Mn)=3.1、融点117.2℃、Me分岐13のポリマーをジルコニウム1mol当たり、1時間当たり、4.4×10g製造した。
【0068】
[実験例10]
(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジエチルシランの0.02Mトルエン溶液、テトラキス(ジメチルアミノ)チタニウム0.02Mトルエン溶液を0.3mlずつバイアル瓶にサンプリングし、室温で2分間混合させ重合触媒成分溶液を得た。
オートクレーブに窒素下で、トルエン5.0mL、1−ヘキセン(60μL)を仕込み、40℃で安定させた後、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。ここに、MMAO(0.25M、100μmol)、上記に記載の重合触媒成分溶液(チタン濃度0.01M、3μmol)を加え重合した。重合の結果、ポリマーをチタン1mol当たり、1時間当たり、3.0×10g製造した。
【0069】
[実験例11]
温度を70℃とした以外は実験例10と同様に重合を行い、重合の結果、ポリマーをチタン1mol当たり、1時間当たり、1.1×10g製造した。
【0070】
[実験例12]
温度を130℃とした以外は実験例10と同様に重合を行い、重合の結果、ポリマーをチタン1mol当たり、1時間当たり、1.2×10g製造した。
【0071】
[実験例13]
(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジエチルシランの0.02Mトルエン溶液、テトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム0.02Mトルエン溶液を0.3mlずつバイアル瓶にサンプリングし、室温で2分間混合させ重合触媒成分溶液を得た。
オートクレーブに窒素下で、トルエン5.0mL、1−ヘキセン(60μL)を仕込み、40℃で安定させた後、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。ここに、MMAO(0.25M、100μmol)、上記に記載の重合触媒成分溶液(ジルコニウム濃度0.01M、3μmol)を加え重合した。重合の結果、ポリマーをジルコニウム1mol当たり、1時間当たり、1.0×10g製造した。
【0072】
[実験例14]
温度を70℃とした以外は実験例13と同様に重合を行い、重合の結果、ポリマーをジルコニウム1mol当たり、1時間当たり、2.0×10g製造した。
【0073】
[実験例15]
温度を130℃とした以外は実験例13と同様に重合を行い、重合の結果、ポリマーをジルコニウム1mol当たり、1時間当たり、1.0×10g製造した。
【0074】
[実験例16]
(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール−2−イル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)ジエチルシランの0.02Mトルエン溶液、テトラベンジルジルコニウム0.02Mトルエン溶液を0.3mlずつバイアル瓶にサンプリングし、室温で2分間混合させ重合触媒成分溶液を得た。
オートクレーブに窒素下で、トルエン5.0mL、を仕込み、40℃で安定させた後、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。ここに、MMAO(0.25M、100μmol)、上記に記載の重合触媒成分溶液(ジルコニウム濃度0.01M、3μmol)を加え重合した。重合の結果、ポリマーをジルコニウム1mol当たり、1時間当たり、3.1×10g製造した。
【0075】
[実験例17]
MMAOの代わりにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(40μL、1.0M、関東化学)、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(9μmol)を用いた以外は実験例16と同様に重合を行い、重合の結果、ポリマーをクロム1mol当たり、1時間当たり、7.6×10g製造した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

(式中、Cpはシクロペンタジエン骨格を有する基を示し、Aは炭素原子を除く元素の周期律表の第14族の原子を示し、R、R、R、R、R及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたシリル基又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基を表し、R、R、R及びRの隣接する基は、それぞれ任意に結合して環を形成していてもよく、RとRは結合して環を形成していてもよい。)
で示されるシクロペンタジエン化合物。
【請求項2】
式(1)で示されるシクロペンタジエン化合物において、Cpが下記式(2)

(式中、R、R、R及びR10は同一又は相異なり、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたシリルオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたホスフィノ基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたチオ基を表し、R、R、R及びR10において隣接する基は、それぞれ任意に結合して環を形成していてもよい。)
で示される基である請求項1記載のシクロペンタジエン化合物。
【請求項3】
式(1)で示されるシクロペンタジエン化合物において、Cpがヘテロ原子を含んでいてもよい置換もしくは無置換の環が縮環しているシクロペンタジエニルである請求項1記載のシクロペンタジエン化合物。
【請求項4】
式(1)で示されるシクロペンタジエン化合物において、Cpが置換もしくは無置換のフルオレニルである請求項1記載のシクロペンタジエン化合物。
【請求項5】
式(1)で示されるシクロペンタジエン化合物において、Aがケイ素原子である請求項1から4のいずれか1項に記載のシクロペンタジエン化合物。
【請求項6】
式(3)

(式中、A、R、R、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表し、Cpはシクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基を表し、Mはアルカリ金属を表す。)
で示されるジアニオン金属塩と、式(4)

(式中、R11は水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、又は置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基を表す。)
で示されるプロトン性の化合物を反応させることを特徴とする請求項1に記載の式(1)で示されるシクロペンタジエン化合物の製造方法。
【請求項7】
式(3)

(式中、A、Cp、R、R、R、R、R、R及びMは前記と同じ意味を表す。)で示されるジアニオン金属塩。
【請求項8】
式(5)

(式中、A、Cp、R、R、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表し、R12、R13、R14、R15及びR16はそれぞれ水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、又は置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基を表す。)
で示される保護されたシクロペンタジエン化合物と、式(6)

(式中Mは前記と同じ意味を表し、R17は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、又は置換もしくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基を表す。)
で示される金属化合物とを反応させることを特徴とする請求項7記載の式(3)で示されるジアニオン金属塩の製造方法。
【請求項9】
式(5)で示される保護されたシクロペンタジエン化合物において、R12、R13、R14、R15及びR16が水素原子である請求項8に記載のジアニオン金属塩の製造方法。
【請求項10】
アミン類の存在下に反応させることを特徴とする請求項8又は9に記載のジアニオン金属塩の製造方法。

【公開番号】特開2006−206501(P2006−206501A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−20964(P2005−20964)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】