説明

シグナル供給剤、インプラント材料および薬剤を含む組み合わせ

【課題】 可視化可能なインプラントを提供する。
【解決手段】 本発明は、移植可能医療デバイスで用いるための組み合わせであって、少なくとも1つのシグナル生成剤であって、物理的、化学的および/または生物学的測定法または検証法において検出可能シグナルにつながるシグナル生成剤と、移植可能医療デバイスおよび/または移植可能医学デバイスの少なくとも1つのコンポーネントを製造するための少なくとも1つの材料と、少なくとも1つの治療活性剤であって、動物またはヒトの生体内において直接的または間接的に治療機能を果たす治療活性剤と、を含む組み合わせに関する。本発明はさらに、このような組み合わせを含む移植可能医療デバイス、およびこのような組み合わせを含む移植可能医療デバイスからの活性剤の放出度を決定する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非分解性および分解性移植可能医療デバイスの材料の、シグナル生成特性の設定および治療有効性の制御に関する組成または組み合わせに関し、さらにこのように形成された分解性または部分的分解性の医療デバイスの分解をシグナル生成に基づいて制御する方法、ならびにこのようなデバイスの治療有効性および/またはデバイスからの治療活性成分の放出を監視する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の出願書類、出願書類中に引用されるか又はその審査中に引用されるすべての文献(「出願引用文献」)、出願引用文献中に引用されるか又は言及されるすべての文献、本明細書中に引用されるか又は言及されるすべての文献(「本明細書引用文献」)、本明細書引用文献に引用されるか又は言及されるすべての文献、並びに本明細書中で言及するか又は参照することにより本明細書に援用する文献中で言及されるすべての製品に関するすべての製造者の指示書、記載、製品仕様書、および製品シートを参照することにより本明細書に援用し、これらは本発明の実施のために使用し得る。本明細書で言及する文献の引用または特定は、当該文献が本発明の先行技術として使用可能であることを認めるものではない。本開示、特に請求の範囲および/またはパラグラフにおいて、「含んでいる」、「含まれた」、「含む」などの文言は、米国特許法による意味を有する。例えばこれらの文言は、「包含している」、「包含された」、「包含する」などを意味する。「本質的に〜からなる」、「本質的に〜からなっている」などの文言は米国特許法による意味を有する。例えばこれらの文言は、明示的に示されていない要件の包含を許可するが、先行技術に見られる要件または本発明の基本的または新規な特徴に影響を与える要件を排除する。本発明の実施形態は、本明細書に開示されるか、又は詳細な説明から明らかであって詳細な説明の範囲に含まれる。実施例の形で提供される詳細な説明は、本発明を特定の実施形態に限定するものではなく、添付の図面と組み合わせると最も良く理解し得る。
【0003】
整形外科または外科用ねじ、プレート、ネイル、カテーテルおよび注射針などの超短期間インプラント、短期間インプラント、ならびに関節プロテーゼ、人工心臓、脈管内プロテーゼ、ステント、および皮下または筋肉内タイプのインプラントは、特定の生化学的および機械的特性に応じて選択された様々なタイプの材料から製造される。これらの材料は、体内での永久的使用に適していなければならず、毒性材料を放出してはならず、特定の機械的および生化学的特性を有していなければならない。これらのインプラントを新しい材料で製造することは、インプラントの機能がますます向上することを可能にする。特にこの点について、部分的分解性/溶解性または完全(生物)分解性の系が用いられる。
【0004】
このようなインプラントの大きな問題点は、新しい材料を用いると、提供される物理的特性が限定されることである。このことは医療撮像方法でも、例えば、正しい解剖学的位置の適用、追跡調査、または制御の間に起こり、あるいは他の診断または治療上の理由(例えば、不適切な放射線不透過性、または反磁性、常磁性、超常磁性または強磁性特性)によっても起こる。特に生物分解性材料(例えば、ポリラクトン酸およびその誘導体、コラーゲン、アルブミン、ゼラチン、ヒアルロン酸、デンプン、セルロースなど)は典型的には放射線透過性である。これは例えばポリマー、例えば、ポリウレタン、ポリ(エチレン ビニルアセテート)、シリコーン、アクリル系ポリマー(例えば、ポリアクリル酸、ポリメチルアクリル酸、ポリアクリルシアノアクリレート);ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ(エステルウレタン)、ポリ(エーテルウレタン)、ポリ(エステルウレア)、ポリエーテル(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、プルロニック、ポリテトラメチレングリコール);ビニルポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセテートフタレート));パリレンにも当てはまる。これらは材料特性に基づくと、生物医学での応用に非常に適している。特にこれらは、ポリマーまたは複合材料から構成されて主に弱い放射線不透過性または放射線透過性を有する非再吸収性医療インプラントにも適している。
【0005】
これとは対照的に、磁気共鳴断層撮影法による診断に曝される材料も必要である。イオン化放射の適用に基づく従来のX線診断とは対照的に、磁気共鳴撮影法(MRI)はイオン化放射ではなく、磁界、高周波エネルギーおよび磁界グラジエントの生成に基づいている。生成されるシグナルは主に、励起プロトンの測定緩和時間T1(長手方向)およびT2(横方向)ならびに組織内のプロトン密度に基づいている。従って典型的には、例えば組織または組織セクションでのプロトン密度および/または緩和時間(例えばT1、T2またはプロトン密度)に影響を与えるためにコントラスト材料が適用される。
【0006】
別の問題点は、移植可能医療デバイスが典型的には、その撮像特性を向上させるために変形されるということである。例えば、可視性を向上させるために、放射線不透過性充填剤がポリマー材料に添加される。これに関連して、典型的な充填剤はBaSO4、ビスマスサブ炭酸塩またはタングステンなどの金属、またはその他のビスマス塩(例えば、ビスマスサブ硝酸塩)(米国特許第3,618,614号を参照のこと)である。他のタイプの変形は例えば、ポリマーマトリクスにハロゲン化化合物またはハロゲン化基を組み込むことである。この例として、米国特許第4,722,344号、第5,177,170号、および第5,346,981号を本明細書に引用する。
【0007】
このような充填剤の不利な点は例えば、材料の基本的特性(例えば光学特性、機械的強度、可撓性、酸およびアルカリ耐性)が変化することである。上記方法の別の不利な点は、例えば、有意な放射線不透過性特性を提供するために概して最小量の放射線不透過性充填剤またはハロゲン化コンポーネントが添加されなければならないが、しかしながらこのような充填剤材料のポリマー前駆体中での溶解度には限りがあることである。
【0008】
例えば金属ベースのインプラント材料の場合、体内に一時的または永久的に滞在する脈管内デバイス全体において、これに匹敵する問題が明白に存在する。これらのデバイスの例としては、典型的に金属製であるステントを挙げるべきである。ステントの適用は必然的に侵襲性方法であり、ステントが正しい位置に設けられることが臨床的に非常に重要である。このために、適用中および適用後の両方において画像形成方法、例えばX線ベースの方法により可視化することが慣例的に行われている。ステントは、用いられる合金およびその低い材料重量、薄い壁、または低い材料強度のために、存在しても可視度は弱い。先行技術によるとイオン化放射を吸収するある種の放射線不透過性コンポーネント、さらに生物分解性の合金を用いることができるが、これらは典型的には機械的および(生物)分解特性にマイナスの影響を与える。
【0009】
先行技術によるその他の方法は、電気化学的に堆積された放射線不透過性材料または金属コーティングに押圧されるか糊付けされたバンドマーカーの適用に基づく。
【0010】
このような解決法の不利な点は例えば、バンドマーカーは適用中に剥がれたり、完全に外れたりし得ること、さらに、端部が鋭角であったりインプラントの外端部に取り付けられた場合、脈管の内壁の組織を機械的に損傷し、周囲の組織を傷をつけることである。最悪の場合、バンドマーカーはインプラントを無用にし得る重大な事態を引き起こす。さらに、このようなバンドは後に血栓を引き起こし得る粗い表面を形成し得る。
【0011】
先行技術によるその他の方法は、CVD、PVDまたは電気化学方法によって形成することができる金属ベースのコーティングを用いる。しかし、十分な放射線不透過性コーティングを得ることを可能にするために金属製基板に接着するためのコーティング厚みは、インプラントに要求される機械的特性を満たすには不十分であり、インプラントの安全性と有効性を保証するには不十分である。
【0012】
他方、電気化学的方法の適性は限られている。なぜならコーティングの堆積は典型的には、粗い表面に関連しており、これは同種適合性を悪化させ、下地となる基板によっては、基板材料の破砕、腐食、またはその他の材料特性の損傷につながるからである。このような限界は、典型的にはチタンベースの合金について公知である。チタンベースの合金の機械的特性は、破砕の結果大幅に劣化し、それと共にインプラントの機能も劣化する。
【0013】
放射線不透過性材料をイオンビーム補助により移植することは、非常に高価でコストを増加させ、適用性は限られているという点で不利である。特に融解金属からの蒸発が、実際に付与した量の数倍の量で起こるため、コーティングの堆積および成長は不規則で制御が困難となる。さらに元素によって蒸発率が異なるために、例えば融解物から得た合金の移植を、制御可能に実施することが困難となる。
【0014】
さらに公知であるのは、インプラント本体、インプラント本体のパーツ、またはコーティングに活性成分を含む移植可能医療デバイスである。インプラント本体、インプラント本体のパーツ、またはコーティングの完全または部分的分解または非分解により、活性成分が放出される。このような移植可能医療デバイスは当業者には、「組み合わせデバイス」として知られている。活性成分を含む非分解性および分解性材料の場合、インビボでの活性成分の放出を制御することが特に望ましい。
【0015】
先行技術を検証すると、活性成分と組み合わされたこのようなデバイスでは体外からの活性成分の放出を有効に制御できないことが示される。なぜなら、用いられる活性成分が任意のシグナル生成特性を自由に制御できないからである。さらに活性成分が埋められた、使用材料が生理液の存在下で分解性または溶解性である場合、たとえマトリクス材料がシグナル検出方法によって可視であっても、その分解率は活性成分の放出とは相関しない。特に先行技術を考慮すると、このことの一例は、活性成分の放出が、非常に高価な臨床前研究での高価なインビボまたはインビトロ研究に基づいて決定される薬剤溶出ステントである。しかしこのような臨床研究では、デバイスの臨床的有用性に関する情報は、移植後何ヶ月もしてから間接的パラメータ(例えば、再狭窄率、関連する脈管の壁厚、貫通能力など)によってのみ収集可能である。活性成分放出の制御に関する実際の限界については、Schwartら、Circulation. 2002;106:1867を参照する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、イオン化放射、高周波放射、蛍光または発光に基づいた画像生成方法、または音に基づいた方法などにより、適用中および適用後に診断および治療のために検出可能な医療デバイスが必要である。
【0017】
特に、画像生成方法においては完全にまたは部分的に生物分解性または生物腐食性である可視インプラントが必要である。対応する非侵襲性測定および検出方法、例えば画像生成方法での分解率は、滞留時間に対して制御可能であり、インプラントの有効性と、移植/組織領域および新しい組織の獲得に関する治療結果との間に相関関係をもたらす。
【0018】
従って、本発明は一局面において、画像生成性方法において可視化されるインプラントであって、好ましくはできるだけ多くの、異なる物理的原理に基づく画像生成方法において同時に可視化可能なインプラントを提供する。本発明の実施形態では、適用中にインサイチュで、従来の放射線撮影法を用いて、移植可能医療デバイスの正しい解剖学的位置を制御することが可能であり、さらに例えばMRIに基づく非刺激的または非侵襲的検出方法を用いて治療の有効性を追跡調査しモニターすることも可能である。
【0019】
さらに本発明は、治療活性成分を含み制御可能に放出する移植可能医療デバイスのアセンブリを提供する。例えば、分解性または部分的分解性のコンポーネントの場合は、分解度が治療活性成分の放出の度合いに相関可能であるように制御する。非分解性の活性成分を放出する移植可能デバイスの場合は、活性成分がシグナル生成剤に連結し、デバイス内またはそのパーツ内のシグナルの欠損が活性成分の放出の度合いを示すように制御する。
【0020】
さらなる局面では本発明は、インプラントからの活性成分の放出の制御を可能にする。この制御は、移植可能医療デバイスから放出されて生体、器官、組織または細胞、特に特定の細胞タイプの特定のコンパートメントに入る活性成分の濃厚化を局部的に検出するために行われる。さらに本発明は、移植可能医療デバイスの治療の有効性を、活性成分の放出の有無にかかわらず制御可能とする方法およびそのような移植可能医療デバイスを提供する。上記制御は、生体、器官、組織または細胞、特に特定の細胞タイプの特定のコンパートメントにおけるシグナル生成剤の濃厚化により行われる。これらはすでに固有のシグナル生成特性を有しているか、またはインビボで形質転換されて生物学的メカニズムによりシグナル生成剤になる。このことは、例えば移植可能医療デバイスが悪性組織内で組織代替物として適用される場合に特に好ましいといえる。これは、転移または腫瘍除去の後に変化し、例えば標的基を介した選択的濃厚化により、シグナル生成剤の放出、インプラントと接するか連通可能な周囲での再現という目的を達成し、このように変化した細胞または組織タイプにおいてデバイスを可視化する。
【0021】
本発明はさらに、機能を制限し、さらには破壊する検出可能物質を混合することにより、インプラントの材料組成を損なわないことを可能にする方法を提供する。一局面では本発明は、移植可能医療デバイスまたは移植可能医療デバイスのコンポーネント用の組成または組み合わせであって、シグナル生成特性に応じて調整可能な組成または組み合わせを提供する。
【0022】
さらなる局面では本発明は、移植可能医療デバイスの組成または組み合わせであって、識別期間、すなわち検出可能特性が一時的に使用可能であることに応じて調整可能な組成または組み合わせを提供する。
【0023】
さらなる局面では本発明は、移植可能医療デバイスの組成または組み合わせであって、様々な測定および検出方法で検出可能な組成または組み合わせを提供する。
【0024】
さらに本発明の一局面は、移植可能医療デバイスの組成または組み合わせであって、シグナル生成方法によって治療活性成分の放出範囲を検出する組成または組み合わせを提供する。上記組成または組み合わせは、特に、移植可能医療デバイス、または移植可能医療デバイスのコンポーネントから治療活性成分が放出されることを検出するか、または移植可能医療デバイス、または移植可能医療デバイスのコンポーネントから放出されて生体、器官、組織、組織タイプと細胞タイプの一方または両方のコンパートメントに入る活性成分を濃厚化(enrichment)することを検出する。
【0025】
本発明のさらなる局面は、移植可能医療デバイスの組成または組み合わせであって、インプラントの有効性を制御する組成または組み合わせを提供する。上記制御は、好ましくはインプラントと組織との境界を可視化する測定および検出方法によって、またはシグナル生成剤の放出、および/または生体、器官、組織、組織タイプまたは細胞タイプのコンポーネント、好ましくは移植した医療デバイスのすぐ近傍のコンパートメントにおけるシグナル生成剤の濃厚化によって行われる。
【0026】
本発明のさらなる局面は、移植可能医療デバイスの組成または組み合わせであって、シグナル生成剤が動物またはヒトの体内に挿入された後、診断および/または治療のためにシグナル生成剤を放出する組成または組み合わせを提供する。この局面の好ましい実施形態では、シグナル生成剤および治療/診断剤が実質的に同時に放出され、最も好ましくは互いに連結または結合している。
【0027】
本発明のさらなる局面は、移植可能医療デバイス、または移植可能医療デバイスのコンポーネントの組成または組み合わせであって、シグナル生成特性の設定を達成する、すなわち、測定および検出方法においてデバイスまたはそのコンポーネントが検出可能となるように設定する;またはシグナル生成剤および/または治療活性成分の放出が移植可能医療デバイスまたは移植可能医療デバイスのコンポーネントからの放出の直接の結果であるか否かを設定する、すなわち、デバイス、またはデバイスのコンポーネントにおいてシグナル生成剤が欠損する結果になるか、または上記放出が生体、器官、組織、組織タイプと細胞タイプの一方または両方のコンパートメントにおける濃厚化によってこれに続いて間接的に起こるかを設定する、組成または組み合わせを提供する。
【0028】
本発明のさらなる局面は、このように形成された分解性または部分的分解性の医療デバイスの分解をシグナル生成に基づいて制御する方法、およびデバイスの治療的有効性および/またはデバイスからの治療活性成分の放出を制御する方法を提供する。
【0029】
本発明のさらなる局面は、移植可能医療デバイス、または移植可能医療デバイスのコンポーネントからの活性成分の放出の度合いを決定することを可能にする方法、および移植可能医療デバイス、または移植可能医療デバイスのコンポーネントから放出された活性成分の濃厚化の度合いを決定することを可能にする方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0030】
一実施形態によると、本発明は以下を含む組み合わせを提供する。
a)少なくとも1つのシグナル生成剤であって、物理的、化学的および/または生物学的測定法または検出法において検出可能シグナルにつながるシグナル生成剤と、
b)移植可能医療デバイスおよび/または移植可能医学デバイスの少なくとも1つのコンポーネントを製造するための少なくとも1つの材料と、
c)少なくとも1つの治療活性成分であって、動物またはヒトの生体内において直接的または間接的に治療機能を果たし、かつ動物またはヒトの生体内において移植可能医療デバイスまたは移植可能医療デバイスのコンポーネントから直接的または間接的に放出される、治療活性成分。
【0031】
別の実施形態では本発明は、上記の少なくとも1つのシグナル生成剤と少なくとも1つの治療活性剤を含む移植可能医療デバイスまたはそのコンポーネントを提供する。好ましい実施形態では、シグナル生成剤と治療剤とが、ヒトまたは動物の体内に挿入された後、実質的に同時にデバイスから放出し得る。
【0032】
さらなる実施形態では本発明は、第1および第2のシグナル生成剤を含む移植可能医療デバイスの製造用組み合わせであって、第1および第2のシグナル生成剤が物理的、化学的および/または生物学的測定法または検証法において検出可能シグナルにつながり、前記第2のシグナル生成剤が検出可能なシグナルにつながる方法において、第1のシグナル生成剤が本質的に検出不可能である、組み合わせを含む。
【0033】
好ましくは、上記の組み合わせは、薬剤送達インプラントなどのために、例えば移植可能医療デバイスのコーティングまたはそのコンポーネントとして、またはデバイス自体の構築材料の一部としてヒトまたは動物の体内に挿入する移植可能医療デバイスの製造に用いられ得る。さらなる実施形態では、本発明は、完全分解性または部分的分解性または溶解性の移植可能医療デバイスまたはそのコンポーネントからの活性剤の放出度を決定する方法であって、前記デバイスは、物理的、化学的および/または生物学的測定法または検証法、特に撮像法において検出可能シグナルに直接的または間接的につながる少なくとも1つのシグナル生成剤と、ヒトまたは動物生体において放出される少なくとも1つの治療活性剤とを含み、前記デバイスは、例えばヒトまたは動物生体に挿入された後に、生理液の存在下において前記シグナル生成剤と共に前記治療活性剤を少なくとも部分的に放出し、その結果、非侵襲性撮像法を用いて前記放出されたシグナル生成剤を検出することにより前記治療活性剤の放出度が決定できる、方法に向けられている。
さらなる実施形態において、本発明は、非分解性の移植可能医療デバイスまたはそのコンポーネントからの活性剤の放出度を決定する方法であって、前記デバイスは、物理的、化学的および/または生物学的測定法または検証法、特に撮像法において検出可能シグナルに直接的または間接的につながる少なくとも1つのシグナル生成剤と、ヒトまたは動物生体において放出される少なくとも1つの治療活性剤との組み合わせを用いることにより製造され、非侵襲性撮像法を用いて放出されたシグナル生成剤を検出することにより前記治療活性剤の放出度が決定できる、方法に向けられている。
好ましくは、ヒトまたは動物の体内に直接注入する又は組み込むために、適宜金属または薬剤を含むマイクロスフェアは本発明の実施形態から排除される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
シグナル生成材料
本発明によるとシグナル生成材料は、分解性、部分的分解性、または非分解性の無機、有機、または無機−有機複合体から選択することができる。シグナル生成材料は、物理的、化学的および/または生物学的測定法または検証法、例えば画像生成法において検出可能シグナルにつながる材料であると理解される。シグナル処理が診断または治療目的だけのために行われるか否かは本発明にとって重要ではない。
【0035】
典型的な撮像方法は例えば、イオン放射に基づくX線撮影方法、例えば、従来のX線法、コンピュータ断層撮影などのX線に基づく画像分割法、中性子透過断層撮影、磁気共鳴断層撮影などの高周波磁化、放射性核種に基づくその他の方法、例えばシンチグラフィー、単光子放射断層撮影(SPECT)、陽電子放出断層撮影(PET)、超音波に基づく方法または透視方法またはルミネセンスまたは蛍光に基づく方法、例えば脈管内蛍光分光法、ラマン分光法、蛍光発光分光法、電気インピーダンス分光法、色度測定法、光コヒーレンス断層撮影など、さらに電子スピン共鳴法(ESR)、高周波(RF)法、マイクロ波レーザ法および類似の方法である。
【0036】
シグナル生成剤は、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属酸窒化物、金属カルボニトリド、金属オキシカーバイド、金属酸窒化物、金属オキシカルボニトリド、金属ヒドリド、金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、無機または有機金属塩、金属ポリマー、メタロセン、およびその他の有機金属化合物の群であって、粉体、溶液、分散液、懸濁液、乳濁液の群から選択される金属ベースのものであってもよい。
【0037】
金属ベースの剤のうち好ましいものは特に、原子価0以上の金属からのナノ形態のナノ粒子、金属酸化物またはこれらの混合物である。用いられる金属または金属酸化物は、磁性体であってもよい。例えば、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンまたはこれらの混合物、例えば鉄−プラチナ混合物、または磁性金属酸化物として酸化鉄およびフェライトが挙げられるが、これらに限られない。
【0038】
半導体ナノ粒子を用いるのが好ましい。例えば、第II-VI属、第III-V属、第IV属の半導体が挙げられる。第II-VI属の半導体は例えば、MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTeまたはこれらの混合物である。第III-V属の半導体としては例えば、GaAs、GaN、GaP、GaSb、InGaAs、InP、InN、InSb、InAs、AlAs、AlP、AlSb、AlSおよびこれらの混合物が好ましい。第IV属半導体の例としてはゲルマニウム、鉛およびシリコンが選択される。半導体はさらに、上記のすべての属のうち1を超える属の半導体の混合物を含んでもよい。
【0039】
さらに金属ベースのナノ粒子から形成された錯体を選択することも好ましいといえる。これに含まれるのは、いわゆるコア−シェル構造であり、これはPengらの「光安定性および電子アクセシビリティーを有する高度ルミネセンスCdSe/CdSコア/シェルナノ粒子」(Journal of the American Chemical Society, (1997) 119:7019-7029)に明示されており、これを参照することにより本明細書に明示的に援用する。ここで好ましいのは、直径1〜30 nm、特に好ましくは1〜15 nmのコアを形成する半導体ナノ粒子であり、この上に他の半導体ナノ粒子が1〜50の単層、特に好ましくは1〜15の単層で結晶化する半導体ナノ粒子である。この場合、コアおよびシェルは上記のいずれの所望の形態で存在してもよい。特定の実施形態では、コアとしてはCdSeおよびCdTeが好ましく、シェルとしてはCdSおよびZnSが好ましい。
【0040】
特定の実施形態では、シグナル生成ナノ粒子は、ガンマ線からマイクロ波までの波長範囲の照射に対して吸収特性を有するか、または特に60 nm以下の範囲で照射を行う特性を有する。コアとシェルの粒径および直径を対応させて選択することにより、発光量を20〜1000 nmの範囲に設定すること、または照射を受けると波長によって発光量が異なる粒子の混合物を選択することが好ましいといえる。好ましい実施形態では、選択されるナノ粒子は蛍光、特にクエンチしない蛍光である。
【0041】
さらに、金属ベースのシグナル生成剤は、好ましくは常磁性特性を有する塩または金属イオンから選択してもよい。例えば、鉛(II)、ビスマス(II)、ビスマス(III)、クロミウム(III)、マンガン(II)、マンガン(III)、鉄(II)、鉄(III)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、プラセオジム(III)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、またはイッテルビウム(III)、ホルミウム(III)またはエルビウム(III)などである。特に際だった磁性モーメントに基づくと、特にガドリニウム(III)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)および(III)が最も好ましい。さらに放射線同位体から選択してもよい。いくつかの適用可能な放射線同位体は、H 3、Be 10、0 15、Ca 49、Fe 60、In 111、Pb 210、Ra 220、Ra 224などを含む。このようなイオンは典型的にはキレートまたは錯体として存在する。例えばキレート剤またはリガンドとしては、ランタニドおよび常磁性イオン化合物(例えばジエチレントリアミン四酢酸(「DTPA」)、エチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)、またはテトラアザシクロドデカン-N,N'、N",N'"-四酢酸(「DOTA」)が用いられる。その他の典型的な有機錯体は、例えばAlexander、 Chem. Rev. 95:273-342 (1995)およびJackels、Pharm. Med. Imag, Section III, Chap. 20, 645頁 (1990)に記載されている。本発明で用いられるその他のキレート剤は、米国特許第5,155,215号、第5,087,440号、第5,219,553号、第5,188,816号、第4,885,363号、第5,358,704号、第5,262,532号、およびMeyerら、Invest. Radiol. 25:S53 (1990)、さらなる米国特許第5,188,816号、第5,358,704号、第4,885,363号および第5,219,553号に記載されている。最も好ましいのは、原子価57〜83のランタニド基または原子価21〜29、42または44の遷移金属からの塩またはキレート剤である。
【0042】
特に好ましいのは、例えばドイツ公開特許公報第196 03 033号、第197 29013号およびWO 97/26017に記載(これらの文献を参照することにより本明細書に援用する)の化合物を含む常磁性ペルフルオロアルキルであり、さらに一般式R<PF>-L<II>-G<III>の物質を含む反磁性ペルフルオロアルキルである。上記式において、R<PF>は炭素原子4〜30のペルフルオロアルキル基を表し、L<II>はリンカーを表し、G<III>は親水性基を表す。リンカーLは、直接結合、-SO2-基、または20までの炭素原子を有する直鎖状または分枝状炭素鎖である。これらは-OH、-COO<->、-SO3-基のうちの1以上、および/または必要に応じて-O-、-S-、-CO-、-CONH-、-NHCO-、-CONR-、-NRCO-、-SO2-、-PO4-、-NH-、-NR-基、アリール環と置換されてもよく、ピペラジンを含んでもよい。ここにおいてRはC1〜C20のアルキル基を表し、これは1または複数のO原子を含むかおよび/または有してもよく、および/または-C00<->またはSO3-基で置換されてもよい。
【0043】
親水性基G<III>は、モノまたはジサッカリド、-C00<->または-SO3<->-基のうちの1または複数、ジカルボキシル酸、イソフタル酸、ピコリン酸、ベンゼンスルホン酸、テトラヒドロピランジカルボキシル酸、2,6-ピリジンジカルボキシル酸、第四級アンモニウムイオン、アミノポリカルボキシル酸、アミノジポリエチレングリコールスルホン酸、アミノポリエチレングリコール基、SO2-(CH2)2-OH-基、ポリヒドロキシアルキル鎖であって、少なくとも2つのヒドロキシル基を有するもの、または少なくとも2つのグリコールユニットを有する1または複数のポリエチレングリコール鎖を有するものから選択してもよい。ここにおいてポリエチレングリコール鎖は、-OHまたは-OCH3-基または類似の連結により終結する。これに関して、ドイツ特許第199 48 651号を参照することにより明示的に本明細書に援用する。
【0044】
特定の実施形態では、常磁性金属をフタロシアニンを含む金属錯体という形態で選択することが好ましいといえる。このことは特にPhthalocyanine Properties and Applications, Vol. 14, C. C. LeznoffおよびA. B. P. Lever, VCH Ed.に記載されている。上記文献において、例としてオクタ(1,4,7,10-テトラオキサウンデシル)Gd-フタロシアニン、オクタ(1,4,7,10-テトラオキサウンデシル)Gd-フタロシアニン、オクタ(1,4,7,10-テトラオキサウンデシル)Mn-フタロシアニン、オクタ(1,4,7,10-テトラオキサウンデシル)Mn-フタロシアニンが挙げられており、これは米国特許第2004214810号(参照することにより本明細書に援用する)に記載されている。
【0045】
さらに超常磁性、強磁性またはフェリ磁性シグナル生成剤から選択することが好ましいといえる。例えば磁性金属のなかでは合金が好ましく、フェライト(例えばガンマ酸化鉄、磁鉄鉱またはコバルト−、ニッケル−またはマンガン−フェライト)のなかでは対応する剤が好ましい。特にWO83/03920、WO83/01738、WO85/02772 and WO89/03675、米国特許第4,452,773号、米国特許第4,675,173号、WO88/00060、米国特許第4,770,183号、WO90/01295およびW090/01899などに記載の粒子が好ましい。これらの文献を参照することにより本明細書に援用する。
【0046】
さらに、分解性非有機剤としては、直径4000オングストローム未満の磁性、常磁性、反磁性または超常磁性金属酸化物結晶が特に好ましい。適切な金属酸化物は、酸化鉄、酸化コバルト、酸化インジウムなどから選択してもよく、これらは適切なシグナル生成特性を提供し、特に生物分解特性を有するかまたは生物分解性である。最も好ましいのは、この群のうち直径500オングストローム未満の結晶剤である。これらの結晶は巨大分子種と共有結合または非共有結合し得、上記の金属ベースのシグナル生成剤と同様に変形される。
【0047】
さらに常磁石を含むゼオライトおよびナノ粒子を含むガドリニウムがポリオキソメタレート、好ましくはランタニド(例えばK9GdW10O36)から選択される。
【0048】
画像生成特性を最適化するためには、磁性シグナル生成剤の平均粒径を最高5 μmに制限することが好ましい。磁性シグナル生成粒径は2 nm〜1 μmであることが特に好ましく、最も好ましくは5 nm〜200 nmである。超常磁性シグナル生成剤は例えば、粒径が50 nmを超えるいわゆるSPIO(超常磁性酸化鉄)の群または粒径が50 nm未満のUSPIO(微小超常磁性酸化鉄)から選択してもよい。
【0049】
本発明によると、シグナル生成剤を内包フラーレンの群から選択することが好ましいといえる。これは例えば米国特許第5,688,486号またはWO 9315768に開示されており、これらの文献を参照することにより本明細書に援用する。さらにフラーレン誘導体およびその金属錯体を選択することが好ましい。特に好ましいのはフラーレン種であり、60、70、76、78、82、84、90、96またはそれ以上の炭素原子を有する炭素クラスターを含む。このような種の概要は欧州特許第1331226A2号にまとめられており、これを参照することにより明示的に本明細書に援用する。さらに任意の金属ベースのコンポーネントを有する金属フラーレンまたは内包炭素−炭素ナノ粒子を選択してもよい。このような内包フラーレンまたはエンドメタロ(endometallo)フラーレンが特に好ましい。これらは例えば希土類(例えば、セリウム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウムまたはホルミウム)を含む。さらに炭素コーティングされた金属ナノ粒子(例えばカーバイド)を用いることが特に好ましいといえる。ナノ形態炭素種の選択はフラーレンに限られない。なぜならその他のナノ形態炭素種(例えばナノチューブ、オニオンなど)から選択することも好ましいといえるからである。別の実施形態では、非内包または内包形態からフラーレンを選択することが好ましいといえる。これらはハロゲン化基した、好ましくはヨード化基を含む。このことは米国特許第6,660,248号に開示されており、これを参照することにより本明細書に援用する。
【0050】
ある実施形態では、目的のシグナル生成材料特性うちの所望の特性によっては、このような異なる仕様のシグナル生成剤の混合物も用いられる。一般に用いられるシグナル生成剤のサイズは0.5 nm〜1000 nm、好ましくは0.5 nm〜900 nm、特に好ましくは0.7〜100 nmである。これに関連して、金属ベースのナノ粒子は、粉体、極性または非極性または両親媒性溶液、分散液、懸濁液、または乳濁液として提供されてもよい。ナノ粒子は、大きい表面積/容積比に基づいて容易に変形可能である。選択すべきナノ粒子は例えば、疎水性リガンド(例えばトリオクチルホスフィン)によって非共有的に変形してもよいし、共有的に変形してもよい。共有リガンドの例は、チオール脂肪酸、アミノ脂肪酸、脂肪酸アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル基、またはこれらの混合物、例えばオレイン酸およびオレイルアミンである。
【0051】
本発明によるとシグナル生成剤は、両親媒性コンポーネントを用いてミセルまたはリポソームに被包されてもよいし、ポリマー性シェルに被包されてもよい。この場合、ミセル/リポソームの直径は2 nm〜800 nm、好ましくは5〜200 nm、特に好ましくは10〜25 nmである。ミセル/リポソームのサイズは特定の理論に関係せず、疎水性基および親水性基の数、ナノ粒子の分子量および集合体の数に依存する。水溶液の場合、リポソーム/ミセル内にシグナル生成剤を被包するためには、分枝状または非分枝状の両親媒性物質が特に好ましい。好ましい実施形態では、これによるミセルの疎水性核は、所望のミセルサイズ設定により、複数の疎水性基、好ましくは1〜200、特に好ましくは1〜100、最も好ましくは1〜30の疎水性基を含む。
【0052】
疎水性基は、好ましくは炭化水素基または残基またはシリコン含有残基、例えばポリシロキサン鎖から構成される。さらに疎水性基は好ましくは、炭化水素ベースのモノマー、オリゴマーおよびポリマー、脂質またはリン脂質から選択してもよいし、これらの組み合わせを含んでもよい。これらの組み合わせとは特に、グリセリルエステル(例えばホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン)、ポリグリコリド、ポリラクチド、ポリメタクリレート、ポリビニルブチルエーテル、ポリスチレン、ポリシクロペンタジエニルメチルノルボルネン、ポリエチレンプロピレン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリシロキサンである。さらに被包には、ミセル親水性 ポリマーもまた選択される。特に好ましくは、ポリスチレンスルホン酸、ポリ-N-アルキルビニルピリジニウムハロゲン化物、ポリアクリル(メタクリル)酸、ポリアミノ酸、ポリ-N-ビニルピロリドン、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンオキシド、ポリサッカリド(例えば、アガロース、デキストラン、デンプン、セルロース、アミロース、アミロペクチン)、ポリエチレングリコールまたはポリエチレンイミンであり、これらの分子量は所望のミセル特性に依存していずれでもよい。さらに疎水性または親水性ポリマーの混合物を用いてもよいし、このような脂質−ポリマー複合体も用いられる。さらなる特定の実施形態では、共役ブロックポリマーとしてポリマーが用いられる。この場合、疎水性、さらには親水性ポリマーまたはこれらの所望の混合物を2-、3-またはマルチブロックコポリマーとして選択してもよい。
【0053】
ミセルに被包されたこのようなシグナル生成剤はさらに機能化され、リンカー(基)が所望の位置、好ましくはアミノ−、チオール、カルボキシル−、ヒドロキシル−、スクシンイミジル、マレイミジル、ビオチン、アルデヒド−またはニトリロアセテート基に付与される。これらには先行技術に従って、所望の対応する化学的共有性または非共有性の他の分子または組成物が結合してもよい。ここで、特に生物分子(例えば、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、ポリペプチド、リポタンパク質、グリコサミノグリカン、DNA、RNA)または類似の生物分子が特に好ましい。
【0054】
さらにシグナル生成剤を非金属ベースのシグナル生成剤、例えばX線コントラスト剤の群から選択することが好ましく、イオン性でも非イオン性でもよい。イオン性コントラスト剤には以下の物質の塩が含まれる: 3-アセチルアミノ-2,4-6-トリヨード安息香酸、3,5-ジアセトアミド-2,4,6-トリヨード安息香酸、2,4,6-トリヨード-3,5-ジプロピオンアミド-安息香酸、3-アセチルアミノ-5-((アセチルアミノ)メチル)-2,4,6-トリヨード安息香酸、3-アセチルアミノ-5-(アセチルメチルアミノ)-2,4,6-トリヨード安息香酸、5-アセトアミド-2,4,6-トリヨード-N-((メチルカルバモイル)メチル)-イソフタルアミド酸、5-(2-メトキシアセトアミド)-2,4,6-トリヨード-N-[2-ヒドロキシ-1-(メチルカルバモイル)-エトキシル]-イソフタルアミド酸、5-アセトアミド-2,4,6-トリヨード-N-メチルイソフタルアミド酸、5-アセトアミド-2,4,6-トリヨード-N-(2-ヒドロキシエチル)-イソフタルアミド酸2-[[2,4,6-トリヨード-3[(1-オキソブチル)-アミノ]フェニル]メチル]-ブチル酸、β-(3-アミノ-2,4,6-トリヨードフェニル)-α-エチル-プロピオン酸、3-エチル-3-ヒドロキシ-2,4,6-トリヨードフェニル-プロピオン酸、3-[[(ジメチルアミノ)-メチル]アミノ]-2,4,6-トリヨードフェニル-プロピオン酸(Chem. Ber. 93:2347 (1960)を参照のこと)、α-エチル-(2,4,6-トリヨード-3-(2-オキソ-1-ピロリジニル)-フェニル)-プロピオン酸、2-[2-[3-(アセチルアミノ)-2,4,6-トリヨードフェノキシ]エトキシメチル]ブチル酸、N-(3-アミノ-2,4,6-トリヨードベンゾイル)-N-フェニル-β-アミノプロピオン酸、3-アセチル-[(3-アミノ-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ]-2-メチルプロピオン酸、5-[(3-アミノ-2,4,6-トリヨードフェニル)メチルアミノ]-5-オキシペンタン酸、4-[エチル-[2,4,6-トリヨード-3-(メチルアミノ)-フェニル]アミノ]-4-オキソ-ブチル酸、3,3'-オキシ-ビス[2,1-エタンジイルオキシ-(l-オキソ-2,1-エタンジイル)イミノ]ビス-2,4,6-トリヨード安息香酸、4,7,10,13-テトラオキサヘキサデカン-1,16-ジオイル-ビス(3-カルボキシ-2,4,6-トリヨードアニリド)、5,5'-(アゼラオイルジイミノ)-ビス[2,4,6-トリヨード-3-(アセチルアミノ)メチル-安息香酸]、5,5'-(アピドルジイミノ)ビス(2,4,6-トリヨード-N-メチル-イソフタルアミド酸)、5,5'-(セバコイル-ジイミノ)-ビス(2,4,6-トリヨード-N-メチルイソフタルアミド酸)、5,5-[N,N-ジアセチル-(4,9-ジオキシ-2,11-ジヒドロキシ-1,12-ドデカンジイル)ジイミノ]ビス(2,4,6-トリヨード-N-メチル-イソフタルアミド酸)、5,5'5"-(ニトリロ-トリアセチルトリイミノ)トリス(2,4,6-トリヨード-N-メチル-イソフタルアミド酸)、4-ヒドロキシ-3,5-ジヨード-α-フェニルベンゼンプロピオン酸、3,5-ジヨード-4-オキソ-1(4H)-ピリジン酢酸、1,4-ジヒドロ-3,5-ジヨード-1-メチル-4-オキソ-2,6-ピリジンジカルボキシル酸、5-ヨード-2-オキソ-1(2H)-ピリジン酢酸、およびN-(2-ヒドロキシエチル)-2,4,6-トリヨード-5-[2,4,6-トリヨード-3-(N-メチルアセトアミド)-5-(メチルカルボモイル)ベンズアミノ]アセトアミド]-イソフタルアミド酸など。これらが特に好ましい。さらには以下に例を示す様々な文献で示唆されたその他のイオン性X線コントラスト剤も好ましい:J. Am. Pharm. Assoc, Sci. Ed. 42:721 (1953)、スイス特許第480071号、JACS 78:3210 (1956)、ドイツ特許第2229360号、米国特許第3,476,802号、Arch. Pharm (Weinheim, Germany) 306:11 834 (1973)、J. Med. Chem. 6:24 (1963)、FR-M-6777、Pharmazie 16:389 (1961)、 米国特許第2,705,726号、米国特許第2,895,988号、Chem. Ber. 93:2347(1960), SA-A- 68/01614、Acta Radiol. 12:882 (1972)、英国特許第870321号、Rec. Trav. Chim. 87:308 (1968)、東ドイツ特許第67209号、ドイツ特許第2050217号、ドイツ特許第2405652号、Farm Ed. Sci. 28:912(1973)、Farm Ed. Sci. 28:996 (1973)、J. Med. Chem. 9:964 (1966)、Arzheim.-Forsch 14:451 (1964)、SE-A-344166、英国特許第1346796号、米国特許第2,551,696号、米国特許第1,993,039号、Ann 494:284 (1932)、J. Pharm. Soc. (Japan) 50:727 (1930)、および米国特許第4,005,188号。ここに挙げた文献を参照することにより本明細書に援用する。
【0055】
本発明による適用可能な非イオン性X線コントラスト剤は、DE-A-2031724に開示されているようにメトリズアミド、BE-A-836355に開示されているようにイオパミドール、GB-A-1548594に開示されているようにイオヘキソール、EP-A-33426に開示されているようにイオトロラン、EP-A-49745に開示されているようにイオデシモール、EP-A-108638に開示されているようにイオジキサノール、米国特許第4,314,055号に開示されているようにイオグルコール、BE-A-846657に開示されているようにイオグルコミド、DE-A-2456685に開示されているようにイオグルニオエ(ioglunioe)、BE-A-882309に開示されているようにイオグルアミド、EP-A-26281に開示されているようにイオメプロール、EP-A-105752に開示されているようにイオペントール、DE-A-2909439に開示されているようにイオプロミド、DE-A-3407473に開示されているようにイオサルコール、DE-A-3001292に開示されているようにイオシミド、EP-A-22056に開示されているようにイオタスル、EP-A-83964に開示されているようにイオバルスル、またはWO87/00757に開示されているようにイオキシランなどである。上記文献を参照することにより本明細書に援用する。
【0056】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子シグナル生成剤に基づいて剤を選択することが好ましい。ナノ粒子シグナル生成剤は、組織および細胞に放出された後、中間細胞コンパートメント内に取り込まれるかまたは濃厚化される、および/または生体内に特に長時間滞留する。
このような粒子は、特定の実施形態では水溶性剤から選択され、別の実施形態ではヨードまたはバリウムなどの重元素を含む。第3の実施形態では、モノマー、オリゴマーまたはポリマーとしてPH-50(経験的化学式C19H23I3N2O6、および化学物質名6-エトキシ-6-オキソヘキシ-3, 5-ビス(アセチルアミノ)-2,4,6-トリヨード安息香酸を有するヨード化アロイルオキシ)を含む。第4の実施形態では、ジアトリゾン酸のエステルを含み、第5の実施形態では、ヨード化アロイルオキシエステルを含み、第6の実施形態では、これらの任意の組み合わせを含む。これらの実施形態では、マクロファージによって取り込まれ得る粒径が好ましい。これに対応する方法はWO03039601に開示されており、好ましく選択される剤は、米国特許第5,322,679号、第5,466,440号、第5,518,187号、第5,580,579号および第5,718,388号に開示されている。これらを参照することにより本明細書に明示的に援用する。特に有利であるのは、シグナル生成剤または、細胞間空間に蓄積されて間質および質外コンパートメントを可視にすることができるPH-50などのシグナル生成剤でマーキングされたナノ粒子である。
【0057】
さらにシグナル生成剤は、陰イオン性または陽イオン性脂質の群から選択してもよい。これらは米国特許第6,808,720号にすでに開示されており、これを本明細書に明示的に援用する。特に好ましいのは、陰イオン性脂質(例えばホスファチジル酸、ホスファチジルグリセロール、およびその脂肪酸エステル)、またはホスファチジルエタノールアミンのアミド(例えば、アナンダミドおよびメタナンダミド)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトールおよびその脂肪酸、カルジオリピン、ホスファチジルエチレングリコール、酸リソ脂質、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸、スルホ脂質およびスルファチド、遊離脂肪酸である。これらは飽和していても不飽和でもよく、さらにこれらの負帯電誘導体なども好ましい。さらに特にハロゲン化した、具体的にはフッ素化した陰イオン性脂質が好ましい。陰イオン性脂質は好ましくは以下のアルカリ土類金属からの陽イオンを含む:ベリリウム(Be<+2>)、マグネシウム(Mg<+2>)、カルシム(Ca<+2>)、ストロンチウム(Sr<+2>)およびバリウム(Ba<+2>))。また陰イオン性脂質は好ましくは、以下の両性イオンを含む:アルミニウム(Al<+3>)、ガリウム(Ga<+3>)、ゲルマニウム(Ge<+3>)、スズ(Sn+<4>)、または鉛(Pb<+2>およびPb<+4>)。さらに陰イオン性脂質は好ましくは以下の遷移金属を含む:チタン(Ti<+3>およびTi<+4>)、バナジウム(V<+2>およびV<+3>)、クロミウム(Cr<+2>およびCr<+3>)、マンガン(Mn<+2>およびMn<+3>)、鉄(Fe<+2>およびFe<+3>)、コバルト(Co<+2>およびCo<+3>)、ニッケル(Ni<+2>およびNi<+3>)、銅(Cu<+2>)、亜鉛(Zn<+2>)、ジルコニウム(Zr<+4>)、ニオビウム(Nb<+3>)、モリブデン(Mo<+2>およびMo<+3>)、カドミウム(Cd<+2>)、インジウム(In<+3>)、タングステン(W<+2>およびW<+4>)、オスミウム(Os<+2>、Os<+3>およびOs<+4>)、イリジウム(Ir<+2>、Ir<+3>およびIr<+4>)、水銀(Hg<+2>)またはビスマス(Bi<+3>)、そしてまた陰イオン性脂質は好ましくはランタニドなどの希土類(例えばランタナム(La<+3>)およびガドリニウム(Gd<+3>)を含む。特に好ましい陽イオンは、カルシウム(Ca<+2>)、マグネシウム(Mg<+2>)および亜鉛(Zn<+2>)、および常磁性陽イオン、例えばマンガン(Mn<+2>)またはガドリニウム(Gd<+3>)である。
【0058】
陽イオン性脂質は、ホスファチジルエタノールアミン、ホフファチジルコリン、グリセロ-3-エチルホスファチジルコリンおよびその脂肪酸エステル、ジ-およびトリ-メチルアンモニウムプロパン、ジ-およびトリ-エチルアンモニウムプロパンおよびそれらの脂肪酸エステルから選択される。特に好ましい誘導体は、N-[1-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(「DOTMA」);さらに例えば以下の天然脂質をベースにした合成陽イオン性脂質:ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、スフィンゴ脂質、スフィンゴミエリン、リソ脂質、糖脂質(例えば、ガングリオシドGM1、スルファチド、グリコスフィンゴ脂質、コレステロール、およびコレステロールエステルまたは塩、N-スクシニルジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、1,2,-ジオレオイル-sn-グレセロール、1,3-ジパルミトイル-2-スクシニルグリセロール、1,2-ジパルミトイル-sn-3-スクシニルグリセロール、1-ヘキサデシル-2-パルミトイルグリセロホスファチジルエタノールアミン、およびパルミトイル−ホモシステイン)である。最も好ましいのは、フッ素化した誘導陽イオン性脂質である。これらの化合物は特に米国特許出願第08/391,938号に開示されており、これを参照することにより本明細書に援用する。
【0059】
これらの脂質はさらに、特に感pH特性を有することができるシグナル生成リポソームのコンポーネントとして適している。このことは米国特許第2004197392号に開示されており、これを参照することにより本明細書に明示的に援用する。
【0060】
本発明によるとシグナル生成剤はさらに、いわゆるマイクロバブルまたはマイクロバルーンの群から選択してもよい。マイクロバブルまたはマイクロバルーンは、液体担体物質中に安定した分散液または懸濁液を含む。選択すべき気体は好ましくは、空気、窒素、二酸化炭素、水素または希ガス(例えば、ヘリウム、アルゴン、キセノンまたはクリプトン)、硫黄含有フッ素化ガス(例えばサルファーヘキサフルオリド、ジサルファーデカフルオリドまたはトリフルオロメチルサルファーペンタフルオリド)、例えばセレニウムヘキサフルオリド、ハロゲン化シラン(例えばメチルシラン、またはジメチルシラン)、さらに短鎖炭化水素(例えば、アルカン、特にメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン)、シクロアルカン(例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン)、アルケン(例えばエチレン、プロペン、ウロパジエン、ブテン)、アルキン(例えばアセチレン、プオピン))である。さらにエーテル(例えばジメチルエーテル)、またはケトン、エステル、ハロゲン化短鎖炭化水素、またはこれらの混合物を考慮または選択してもよい。特に好ましいのは、ハロゲン化またはフッ素化した炭化水素ガス(例えば、ブロモクロロジフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ブロモトリフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン、クロロペンタフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロエチレン、フッ化エチルフル、1,1-ジフルオロエタンまたはペルフルオロ炭化水素(例えばペルフルオロアルカン、ペルフルオロシクロアルカン、ペルフルオロアルケン)または過フッ素化したアルキンである。特に好ましいのは、液体ドデカフルオロペンタンまたはデカフルオロブタンおよびソルビトール、またはこれらの類似体の乳濁液である。これらはWO-A-93/05819に開示されており、これを参照することにより明示的に本明細書に援用する。
【0061】
好ましくは下記の構造を有する化合物に被包されたマイクロバブルが選択される。
R1-X-Z;
R2-X-Z;または
R3-X-Z'。
上記式において、R1、R2、R3は、直鎖アルキレン、アルキルエーテル、アルキルチオールエーテル、アルキルジスルフィド、ポリフルオロアルキレンおよびポリフルオロアルキルエーテルから選択された疎水性基を含み、Zは、C02-M<+>、SO3<-> M<+>、SO4<-> M<+>、PO3<-> M<+>、PO4<-> M<+> 2、N(R)4<+>またはピリジン、または置換ピリジンからの極性基と双性イオン性基とを含む。最後にXは、極性基と残基とを結合させるリンカーを表す。
【0062】
さらに、気体が充満したか、またはインサイチュで気体を外部に放出する、サイズ<1000 μmのマイクロスフェアを、生物分解性合成ポリマーまたはコポリマーから選択してもよい。これらは、モノマー、ジマー、オリゴマー、または以下の重合可能物質の前段階にあるプレポリマーを含む:アクリル酸、メタクリル酸、エチレンイミン、クロトン酸、アクリルアミド、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ラクトン酸、グリコール酸、ε-カプロラクトン、アクロレイン、シアノアクリレート、ビスフェノールA、エピクロヒドリン、ヒドロキシアルキルアクリレート、シロキサン、ジメチルシロキサン、エチレンオキシド、エチレングリコール、ヒドロキシアルキルメタクリレート、N-置換アクリルアミド、N-置換メタクリルアミド、N-ビニル-2-ピロリドン、2,4-ペンタジエン-1-オル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、p-アミノスチレン、p-アミノベンジルスチレン、ナトリウムスチレンスルホネート、ナトリウム-2-スルホキシエチルメタクリレート、ビニルピリジン、アミノエチルメタクリレート、2-メタクリロイルオキシトリメチルアンモニウムクロリド、およびポリビニリデン、例えば多官能架橋性モノマー(例えば、N,N'-メチレン-ビス-アクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、2,2'-(p-フェニレンジオキシ)-ジエチルジメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルアミン、メチレン-ビス-(4-フェニル-イソシアネート))、およびこれらの任意の組み合わせ。好ましいポリマーは、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリラクトン酸、ポリ(ε-カプロラクトン)、エポキシ樹脂、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレングリコール)、およびポリアミド(例えば、ナイロン)など、またはこれらの任意の混合物を含む。好ましいコポリマーは特に、ポリビニリデン−ポリアクリロニトリル、ポリビニリデン−ポリアクリロニトリル−ポリメチルメタクリレート、およびポリスチレン−ポリアクリロニトリルなど、またはこれらの任意の混合物を含む。これらのマイクロスフェアを製造する方法は、例えば以下に記載されている:Garnerらの米国特許第4,179,546号、Garnerの米国特許第3,945,956号、Cohrsらの米国特許第4,108,806号、日本国公開特許公報第62 286534号、英国特許第1,044,680号、Kenagaらの米国特許第3,293,114号、Morehouseらの米国特許第3,401,475号、Waltersの米国特許第3,479,811号、Waltersらの米国特許第3,488,714号、Morehouseらの米国特許第3,615,972号、Bakerらの米国特許第4,549,892号、Sandsらの米国特許第4,540,629号、Sandsらの米国特許第4,421,562号、Sandsの米国特許第4,420,442号、Mathiowitzらの米国特許第4,898,734号、Lenckiらの米国特許第4,822,534号、Herbigらの米国特許第3,732,172号、Himmelらの米国特許第3,594,326号、Sommervilleらの米国特許第3,015,128号、Deasy、 Microencapsulation and Related Drug Processes, Vol. 20, 第9章および第10章、195-240頁 (Marcel Dekker, Inc., N. Y., 1984), Changら、Canadian J of Physiology and Pharmacology, VoI 44, 115-129頁 (1966)、およびChang、 Science, Vol. 146, 524-525頁 (1964)など。これらを参照することにより本明細書に援用する。
【0063】
本発明によるその他のシグナル生成剤は、インビトロまたはインビボ細胞、インビトロ組織の細胞培養液のコンポーネントとしての細胞、または多細胞生物(例えば、菌、植物または動物(好ましい実施形態ではマウスまたはヒトなどのほ乳類))のコンパートメントとしての細胞によって生体内でシグナル生成剤に形質転換する剤の群より選択してもよい。これらの剤は、多細胞生物のトランスフェクション用ベクターという形態で入手可能とすることができる。この場合ベクターは、シグナル生成剤をコードする組み換え核酸を含む。ある実施形態では、このことは金属結合タンパク質などのシグナル生成剤に関連する。このようなベクターは、ウイルスの群(例えば、アデノウイルス、アデノウイルス関連ウイルス、単純ヘルペスウイルス、レトロウイルス、アルファウイルス、ポックスウイルス、アレナウイルス、ワクシニアウイルス、インフルエンザウイルス、ポリオウイルス)またはこれらの任意の組み合わせから選択することが好ましい。
【0064】
さらにこれらのシグナル生成剤は、送達系との組み合わせで選択されて、シグナル生成剤をコードするのに適した核酸を標的構造体に組み込む。特に好ましいのは、ほ乳類細胞のトランスフェクション用のウイルス粒子である。この場合、ウイルス粒子は上記のように1または複数のシグナル生成剤をコードする1または複数の配列を含む。この場合、粒子は以下のウイルスのうち1または複数から生成される:アデノウイルス、アデノウイルス関連ウイルス、単純ヘルペスウイルス、レトロウイルス、アルファウイルス、ポックスウイルス、アレナウイルス、ワクシニアウイルス、インフルエンザウイルス、ポリオウイルス。
【0065】
さらなる実施形態では、これらのシグナル生成剤は、細胞、好ましくはほ乳類の細胞をトランスフェクトするに適したコロイド状懸濁液または乳濁液から入手可能とすることができる。この場合、これらのコロイド状懸濁液または乳濁液は、シグナル生成剤をコードする1または複数の配列を有する核酸を含む。これらのコロイド状懸濁液または乳濁液は、巨大分子錯体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、ミセル、水中油乳濁液、油中水乳濁液、混合ミセル、リポソーム、またはこれらの任意の混合物を含んでもよい。
【0066】
さらなる実施形態では、シグナル生成剤をコードする配列を有する組み換え核酸を含む細胞、細胞培養液、組織化した細胞培養液、組織、所望の種の器官、非ヒト生物を選択してもよい。特定の実施形態では、生物は以下の群から選択される:マウス、ラット、サル、ブタ、ショウジョウバエ、線虫、魚類、植物、または菌。さらに、細胞、細胞培養液、組織化した細胞培養液、組織、所望の種の器官、および非ヒト生物は、上記ベクターの1または複数を含んでもよい。
【0067】
シグナル生成剤は好ましくは、タンパク質群からインビボで生成され、上記のように入手可能となる。これらの剤は好ましくは、直接的または間接的にシグナルを生成し、他方、細胞はトランスフェクションを介してシグナル生成タンパク質を生成する(直接的)か、またはシグナル生成タンパク質の生成を誘導するタンパク質を生成する(間接的)。好ましくはこれらのシグナル生成剤は、MRIなどの方法によって、緩和時間T1、T2の一方または両方が変化している間に検出可能であり、撮像に十分処理することができるシグナル生成効果につながる。これらのタンパク質は好ましくは、タンパク質錯体、特に金属タンパク質錯体である。直接的シグナル生成タンパク質は好ましくは、細胞内で形成される金属タンパク質錯体である。間接的シグナル生成タンパク質は、例えば鉄代謝のホメオスタシス、シグナル生成剤生成用の内因性遺伝子の発現、および/または直接的シグナル生成特性を有する内因性タンパク質の活性を調節するタンパク質または核酸である。例としては、鉄調節タンパク質(IRP)、トランスフェリン受容体(Fe取り込み用)、赤血球5-アミノレブリネートシンターゼ(Fe保存を目的とするFe、H-フェリチンおよびL-フェリチンの利用のため)などである。特定の実施形態では、両方のタイプのシグナル生成剤、すなわち直接的シグナル生成剤と間接的シグナル生成剤を組み合わせることが好ましいといえる。例えば、鉄ホメオスタシスを調節する間接的シグナル生成剤と金属結合タンパク質を表す直接的シグナル生成剤とを組み合わせる。
【0068】
間接的シグナル生成剤として好ましくは金属結合ポリペプチドが選択される実施形態では、ポリペプチドがシグナル生成特性を有する1または複数の金属に結合することが有利である。特に好ましいのは、ドーフ軌道内で対にならない電子を有する金属であり、例えば、Fe、Co、Mn、Ni、Gdなどである。この場合、Feは生体内で高生理濃度で入手可能である。さらにこれらの剤が、金属の豊富な集合体(例えば結晶性集合体)を形成することが好ましい。集合体の直径は10ピコメートルを超え、好ましくは100ピコメートル、1 nm、10 nmを超え、特に好ましくは100 nmを超える。
【0069】
好ましいのは、解離定数が10-15 M、10-2 M以下のサブナノモル親和性を有する金属結合化合物である。典型的なポリペプチドまたは金属結合タンパク質は、ラクトフェリン、フェリチン、その他のジメタロカルボキシレートタンパク質など、またはシデロホア基を有するいわゆるメタルキャッチャー(例えばヘモグロビン)である。これらのシグナル生成剤の製剤の製造方法、その選択、およびインビボで生成可能であってシグナル生成剤に適した直接的または間接的剤として考えられるもの剤は、WO 03/075747に開示されている。これを参照することにより本明細書に援用する。
【0070】
別の群のシグナル生成剤として、光物理的にシグナルを生成する剤が考えられる。これは色素−ペプチド−共役体から構成される。色素−ペプチド−共役体として好ましいのは、広範囲の吸収極大を有するものであり、例えばポリメチン色素、特にシアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素およびスクワリリウム色素である。ポリメチン色素のクラスのうち、シアニン色素(例えば、インドール構造ベースのインドカルボ−、インドジカルボ−、およびインドトリカルボシアニン)が特に好ましい。特定の実施形態では、適切な連結剤で置換されて他の所望の基と機能化することができる色素が好ましいといえる。これに関してはDE 19917713を参照することができ、この文献を参照することにより明示的に本明細書に援用する。
【0071】
本発明によると、シグナル生成剤は所望の通り機能化することができる。いわゆる「標的」基による機能化は、シグナル生成剤またはその具体的に入手可能な形態(被包、ミセル、マイクロスフェア、ベクターなど)を特定の機能位置または決定された細胞タイプ、組織タイプまたはその他の所望の標的構造体に連結させる機能性化合物として理解するのが好ましい。好ましい標的基は、特定の標的構造体にシグナル生成剤が蓄積されるのを可能にする。従って標的基は、物理的、化学的または生物学的ルートまたはそれらの組み合わせによって具体的に入手可能な形態でシグナル生成剤を意図的に濃厚化することに主に適した物質から選択してもよい。従って選択すべき有用な標的基は、シグナル生成剤に化学的または物理的に付与されてシグナル生成剤を特定の所望の構造体に連結することができる抗体、細胞受容体リガンド、ホルモン、脂質、糖、デキストラン、アルコール、胆汁酸、脂肪酸、アミノ酸、ペプチドおよび核酸である。第1の実施形態では、組織タイプ内/上または細胞上でシグナル生成剤を濃厚化する標的基が選択される。ここでは、シグナル生成剤が細胞の細胞質に取り込まれるという機能は不要である。標的基としてはペプチドが好ましく、例えば、走化性ペプチドが、シグナル生成剤によって組織内の炎症反応を可視化するために用いられる。これに関してはWO 97/14443を参照することができ、この文献を参照することにより明示的に本明細書に援用する。
【0072】
以下の抗体断片を含む抗体も好ましい:Fab、Fab2、単鎖抗体(例えばFv)、キメラ抗体など公知のもの。さらに、いわゆる抗体様物質(例えばアンチカリン)も好ましい。この場合、抗体が調製後変形されて組み換え体が生成されるか否か、またはヒト抗体であるか非ヒト抗体であるかは重要でない。ヒト化した抗体またはヒト抗体を選択することが好ましい。非ヒト抗体のヒト化した形態の例は、キメライムノグロブリン、イムノグロブリン鎖または断片(例えばFv、Fab、Fab'、F(ab")2)、またはその他の抗体の抗原結合サブシーケンスである。これらは非ヒト抗体の配列を部分的に含む。ヒト化した抗体は例えば、ヒトイムノグロブリン(受容体または受容器抗体)であり、この場合、受容体のCDR(相補性決定領域)の基が非ヒトCDRの基(スペンダーまたはドナー抗体)を介して置換される。この場合、スペンダー種、例えば、マウス、ウサギなどは標的抗原を結合するための適切な特異性、親和性および能力を有する。いくつかの形態において、ヒトイムノグロブリンのFvフレームワーク基が対応する非ヒト基によって置換される。ヒト化した抗体はさらに、スペンダーまたは受容器のCDRでもFvフレームワーク配列でも起こらない基を有する。ヒト化した抗体は、実質的に少なくとも1つまたは好ましくは2つの可変領域を本質的に有する。この領域では、CDR領域のCDRコンポーネントまたはFvフレームワーク配列の全てまたは実質的に全てが、非ヒトイムノグロブリンのそれに対応し、FR領域の全てまたは実質的に全てがヒトコンセンサス配列に対応する。本発明によると、この実施形態の基はヘテロ共役抗体であってもよい。選択される抗体またはペプチドの好ましい機能は、特に癌細胞の細胞表面マーカーまたは分子である。ここでHER2、VEGF、CA15-3、CA 549、CA 27.29、CA 19、CA50、CA242、MCA、CA125、DE-PAN-2など多数の構造が公知である。
【0073】
さらにリガンドの機能結合部位を含む標的基を選択することが好ましい。任意の所望の細胞受容体の結合に適したすべてのタイプが選択可能である。可能性のある標的受容体の例は、インシュリン受容体の基の受容体、インシュリン様成長因子受容体(eIGF-IおよびIGF-2)、成長ホルモン受容体、グルコーストランスポーター(特にGLUT4受容体)、トランスフェリン受容体(トランスフェリン)、内皮細胞増殖因子受容体(EGF)、低密度リポタンパク質受容体、高密度リポタンパク質受容体、レプチン受容体、オエストロゲン受容体、インターロイキン受容体(例えばIL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-11、IL-12、IL-13、IL- 15、およびIL-17受容体)、VEGF受容体(VEGF)、PDGF受容体(PDGF)、形質転換成長因子受容体(TGF-αおよびTGF-βを含む)、EPO受容体(EPO)、TPO受容体(TPO)、繊毛神経栄養因子受容体、プロラクチン受容体、およびT細胞受容体であるがこれらに限られない。
【0074】
ホルモン受容体、特にステロイドホルモンまたはタンパク質べースまたはペプチドべースのホルモンを選択することが好ましいといえる。例としては、エピネフリン、チロキシン、オキシトシン、インシュリン、甲状腺刺激ホルモン、カルシトニン、絨毛膜ゴナドトロピン、コルチコトロピン、卵胞刺激ホルモン、グルカゴン、黄体化ホルモン、リポトロフィン、メラノサイト刺激ホルモン、ノレピネフリン、副甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、バソプレシン、エンセファリン、セロトニン、エストラジオール、プロゲステロン、テストステロン、コーチゾン、およびグルココルチコイドがあるが、これらに限られない。受容体リガンドは、ホルモン、脂質、タンパク質、グリコールタンパク質、シグナル伝達物質、成長因子、サイトカイン、およびその他の生物分子うち、細胞表面受容体にあるものを含む。さらに標的基は、一般式:Cx(H20)yを有する炭水化物から選択してもよい。これには、モノサッカリド、ジサッカリド、およびオリゴサッカリド、ポリサッカリド、さらにグリコシド結合を含む糖分子から構成される他のポリマーも含まれる。特に好ましい炭水化物は、コンポーネントの全部または一部がグリコシル化したタンパク質を含むものであり、例えば、特定の受容体、特に細胞表面受容体に結合することが可能なガラクトシダーゼ、マンノース、フルクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、シアル酸のモノマーおよびオリゴマー、および特に、グリコシル化したコンポーネントを含む。選択すべきその他の有用な炭水化物は、グルコース、リボース、ラクトース、ラフィノース、フルクトースのモノマーおよびポリマー、およびその他の生物学的に発生する炭水化物、特に、ポリサッカリド(アラビノガラクタン、アラビアゴム、マンナンなどを含むがこれらに限られない)であり、シグナル生成剤を細胞に導入するために有用なものである。これに関しては、米国特許第Patent 5,554,386を参照することができ、これを参照することにより本明細書に援用する。
【0075】
さらに標的基は、脂質基から選択してもよい。これには脂肪、脂肪酸、ロウ、リン脂質、糖脂質、テルペン、脂肪酸およびグリセリド、とくにトリグリセリドが含まれる。さらに含まれるのは、エイコサノイド、ステロイド、ステロールであって、その適切な化合物もまたプロスタグランジン、アヘン剤、コレステロールなどのホルモンとなり得るものである。本発明によると、酵素阻害剤などの阻害特性を有するすべての官能基が標的基として選択可能であり、シグナル生成剤を酵素に連結するものが好ましい。
【0076】
第2の実施形態では、標的基は、細胞内、例えば細胞質または特定の細胞コンパートメントまたは細胞小器官(例えば細胞核)でのシグナル生成剤の内面化または取り込みを可能にする機能性化合物の群から選択してもよい。例えばHIV-1 tat-タンパク質の全体またはその一部、そのアナログ、その誘導体または機能的に類似のタンパク質を含む標的基が好ましく、それにより細胞への本質的に急速な物質の取り込みを可能にする標的基が好ましい。例がFawellら、PNAS USA 91 :664 (1994);Frankelら、Cell 55:1189,(1988);Savionら、J. Biol. Chem. 256:1149 (1981);Derossiら、J. Biol. Chem. 269:10444 (1994);およびBaldinら、EMBO J. 9:1511 (1990)に記載されており、これらを参照することにより明示的に本明細書に援用する。
【0077】
標的基はさらに、いわゆる核局在化シグナル(NLS)から選択してもよい。この場合、正に帯電した短い(塩基)領域が細胞核の特異的に標的された構造体に結合すると理解される。多くのNLSおよびそのアミノ酸配列が以下を含むことが知られている:単一の塩基NLS(例えば、SV40(サルウイルス)大型T抗原(pro Lys Lys Lys Arg Lys VaI)(Kalderon (1984)ら、Cell, 39:499−509)テイノン酸(teinoic acid)、受容体‐ベータ分注局在化シグナル(ARRRRP);NFKB p50 (EEVQRKRQKL;Ghoshら、Cell 62:1019 (1990));NFKB p65 (EEKRKRTYE;Nolanら、Cell 64:961 (1991))など(例えば、Boulikas, J. Cell. Biochem. 55(1):32-58 (1994)を参照のこと))、および二重塩基NLS(例えばキセノプス(アフリカツメガエル)タンパク質、ヌクレオプラスチン(Ala VaI Lys Arg Pro Ala Ala Thr Lys Lys Ala GIy GIn Ala Lys Lys Lys Lys Leu Asp)、(Dingwallら、Cell, 30:449-458, 1982およびDingwallら、J. Cell Biol., 107:641-849, 1988))。これらをすべて参照することにより本明細書に援用する。通常細胞核に向かわないかレポータータンパク質に連結されていた合成ペプチドに組み込まれたNLSが、細胞核内でのタンパク質およびペプチドの濃厚化につながることが多くの局在化研究により示されている。これに関連してDingwallおよびLaskey、Ann, Rev. Cell Biol., 2:367-390, 1986;Bonnerotら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84:6795-6799, 1987;Galileoら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:458-462, 1990を参照することができる。肝臓胆管系用の標的基を選択することが特に好ましい。米国特許第5,573,752号および第5,582,814号に対応する基が示唆されている。これらを参照することにより本明細書に援用する。
【0078】
治療活性剤
本発明によると、シグナル生成剤に加えて少なくとも1つの治療剤も選択される。治療剤は、動物、特にほ乳類において局部的および/または全身的生理学および/または薬理学的効果を示すあらゆる物質を含む。本発明によると、ほ乳類はすべてのほ乳類、例えばペット(例えばイヌ、ネコ)、家畜(例えばブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ)、実験動物(例えばマウス、ラット)、霊長目(例えばサル、チンパンジー)、およびヒトを含むがこれらに限られない。本発明による治療剤は、結晶、多形または無定形の形態またはこれらの任意の混合体の化合物または組み合わせで存在してもよい。有用な治療剤成分は、以下の多くの治療有効物質の群から選択できるがこれらに限られない:酵素阻害剤、ホルモン、サイトカイン、成長因子、受容体リガンド、抗体、抗原、イオン結合材料。これらのなかにはクラウンエーテルおよびその他のキレート剤、実質的に相補的な核酸、核酸結合タンパク質(例えば形質転換因子)、毒素などが含まれる。有用な材料はさらに、サイトカイン(例えばエリトロポエチン(EPO)、トロンボポエチン(TPO)、インターロイキン(IL-1〜IL-17を含む)、インシュリン、インシュリン様成長因子(IGF-1およびIGF-2を含む)、内皮細胞増殖因子(EGF)、形質転換成長因子受容体(TGF-αおよびTGF-βを含む)、ヒト成長ホルモン、トランスフェリン、内皮細胞増殖因子(EGF)、低密度リポタンパク質、高密度リポタンパク質、レプチン、VEGF、PDGF、繊毛神経栄養因子、プロラクチン、アデノコルチコトロピンホルモン(ACTH)、カルシトニン、ヒト絨毛膜ゴナドトロピン、コルチゾール、エストラジオール、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体化ホルモン(LH)、プロゲステロン、テストステロン、毒素(例えばリシン)、および以下の文献に挙げられたすべての他の材料。Physician's Desk Reference, 58l Edition, Medical Economics Data Production Company, Montvale, NJ., 2004およびthe Merck Index, 13th Edition (特に頁Ther-1〜Ther-29)。これらを参照することにより明示的に本明細書に援用する。
【0079】
好ましい実施形態では、治療活性剤は、腫瘍疾病および細胞または組織変化の治療に対する活性剤の群から選択される。有用な治療剤は例えば以下を含むがこれらに限られない:抗新生物活性を示す物質、例えばアルキル化剤(例えばアルキルスルホネート(例:ブスルファン、インプロスルファン、ピポスフファン)、アジリジン(例:ベンゾデパ、カルボコン、メツレデパ、ウレデパ));エチレンイミンおよびメチルメラミン(例えばアルトレアミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホルホルアミド、トリエチレンチオホルホルアミド、トリメチロールメラミン);いわゆる窒素マスタード(例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、シクロホスファミド、エストラムスチン、イフォスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノベムビチン(novembichine)、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、ウラシルマスタード);ニトロソウレア化合物(カルムスチン、クロロゾトシン、フォテンムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン);デカルバジン、マンノムスチン、ミトブラニトール、ミトラクトール;ピポブロマン;ドキソルビシン、およびcis-プラチン(誘導体を含む)など、およびこれらの誘導体。別の好ましい実施形態では治療剤物質は、以下を含む抗ウイルスおよび抗細菌活性物質の群から選択される:アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カルビシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、6-ジアゾ-5-オキソン-1−ノリオイシン(norieucine)、ダキソルビシン、エピルビシン、ミトマイシン、ミコフェノール酸、ノガルマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、プリカマイシン、ポルフィロマイシン、プロマイシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、アミノグリコシド、ポリエンまたはマクロライド抗生物質など、またはこれらの誘導体。
【0080】
好ましい実施形態では治療活性物質は、放射増感薬剤の群から選択される。
【0081】
さらなる好ましい実施形態では治療活性物質は、ステロイド活性物質および非ステロイド抗炎症活性物質の群から選択される。
【0082】
さらなる好ましい実施形態では治療活性物質は、血管形成に関連する以下の活性物質から選択されるがこれらに限られない:エンドスタチン、アンジオスタチン、インターフェロン、血小板因子4(PF4)、トロンボスポンジン、形質転換成長因子β;以下の組織阻害剤:メタロプロテナーゼ-1、-2および-3(TIMP-1、-2および-3)、TNP-470、マリマステート、ネオバステート、BMS-275291、COL-3、AG3340、タリドミド、スクワラミン、コンブレスタスタチン、SU5416、SU6668、IFN-α、EMD121974、CAI、IL-12およびIM862など、およびこれらの誘導体。
【0083】
さらなる好ましい実施形態では治療活性物質は、核酸に加えてオリゴヌクレオチドを含み、少なくとも2つのヌクレオチドが共有結合している核酸の群から選択される。この目的は例えば、遺伝子治療効果またはアンチセンス効果を得るためであるがこれらに限られない。核酸は好ましくは、ホスフォジエステル連結を含み、様々な骨格を有するアナログとして存在するものもこれに含まれる。アナログはさらに骨格として、以下のものを含んでもよいがこれらに限られない:ホスホルアミド(Beaucageら、Tetrahedron 49(10):1925 (1993)およびここに示されている文献;Letsinger、 J. Org. Chem. 35:3800 (1970):Sprinzlら、Eur. J. Biochem. 81 :579 (1977);Letsingerら、Nucl. Acids Res. 14:3487 (1986);Sawaiら、Chem. Lett. 805 (1984); Letsingerら、J. Am. Chem. Soc. 110:4470 (1988);およびPauwelsら、Chemica Scripta 26:141 91986))、ホスホロチオエート(Magら、Nucleic Acids Res. 19:1437 (1991);および米国特許第5,644,048号)、ホスホロジチオエート(Briuら、J. Am. Chem. Soc. 111 :2321 (1989))、O-メチルホスホロアミダイト化合物(Eckstein、オリゴヌクレオチドとアナログ:実務的アプローチ、Oxford University Pressを参照のこと)、およびペプチド−核酸骨格およびその化合物(Egholm、J. Am. Chem. Soc. 114:1895 (1992);Meierら、Chem. Int. Ed. Engl:31 :1008 (1992);Nielsen, Nature, 365:566 (1993);Carlssonら、Nature 380:207 (1996)を参照のこと)。上記文献を参照することにより明示的に本明細書に援用する。その他のアナログは、イオン骨格を有するもの(Denpcyら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:6097 (1995)を参照のこと)、非イオン骨格を有するもの(米国特許第5,386,023号, 第5,637,684号, 第5,602,240号, 第5,216,141号および第4,469,863号;Kiedrowshiら、Angew. Chem. Intl. Ed. English 30:423 (1991);Letsingerら、J. Am. Chem. Soc. 110:4470 (1988);Letsingerら、Nucleosides & Nucleotides 13:1597 (1994);第2章および第3章、ASCシンポジウムシリーズ580、「アンチセンスリサーチにおける炭水化物変形」、Ed. Y. S. SanghuiおよびP. Dan Cook;Mesmaekerら、Bioorganic & Medicinal Chem. Lett. 4:395 (1994);Jeffsら、J. Biomolecular NMR 34:17 (1994);Tetrahedron Lett. 37:743 (1996)を参照のこと)、および非リボース骨格を有するもの(米国特許第5,235,033号および第5,034,506号、および第6章および第7章、ASCシンポジウムシリーズ580、「アンチセンスリサーチにおける炭水化物変形」、Ed. Y. S. SanghuiおよびP. Dan Cookに記載)。これらの文献を参照することにより明示的に本明細書に援用する。1または複数の炭素環式糖を有する核酸(Jenkinsら、Chem. Soc. Rev. (1995) 169-176頁を参照のこと)およびRawls, C & E News June 2, 1997, 35頁に記載の他の物質も同様に本発明による核酸として用いることができる。これらを参照することにより明示的に本明細書に援用する。先行技術から選択した核酸および核酸アナログだけでなく、天然の核酸および核酸アナログの所望の混合物、または核酸アナログの混合物もまた用いることができる。
【0084】
一実施形態では治療活性物質は、金属イオン錯体の群から選択される。これは概してPCT US95/16377、PCT US95/16377、PCT US96/19900、PCT US96/15527に記載されており、これらを参照することにより本明細書に援用する。これらの剤は標的分子、好ましくはタンパク質(例えば酵素であるがこれに限られない)の生物活性を低減または不活性化する。
【0085】
好ましい治療活性物質はさらに、抗移動性、抗増殖性または免疫抑制性、抗炎症性および再内皮化性活性物質であり、例えばエベロリムス、タクロリムス、シロリムス、マイコフェノレートモフェチル、ラパマイシン、パクリタキセル、アンチノマイシンD、アンジオペプチン、バチマステート、オエストラジオール、VEGF、スタチン、これらの誘導体およびアナログであるがこれらに限られない。
【0086】
特に好ましいのは、以下から選択される活性物質または活性物質の組み合わせである:ヘパリン、合成ヘパリンアナログ(例えばフォンダパリヌクス)、ヒルジン、アンチトロンビンIII、ドロトレコジンα;線維素溶解剤(例えば、アルテプラーゼ、プラスミン、リソキナーゼ、ファクターXIIa、プロウロキナーゼ、ウロキナーゼ、アニストレプラーゼ、ストレプトキナーゼ);トロンボジテン集合体阻害剤(例えば、アセチルサリチル酸、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ、デキストラン);コルチコ−ステロイド(例えば、アルクロメタゾン、アムシノニド、増大したベータメタゾン、ベクロメタゾン、ベータメタゾン、ブデソニド、コーチゾン、クロベタソール、クロコルトロン、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、フルチノロン、フルチノニド、フルランドレノリド、フルニソリド、フルチカゾン、ハルチノニド、ハロベタゾール、ヒドロコーチゾン、メチルプレドニソロン、モメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾン、プレドニソロン、トリアムシノロン);いわゆる非ステロイド抗炎症性薬剤(例えば、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナメート、メフェナミン酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、サルサレート、スリンダク、トルメチン、セレコキシブ、ロフェコキシブ);サイト−スタチクス(例えばアルカロイド)およびポドフィラムトキシン(例えばビンブラスチン、ビンクリスチン);アルキル化剤(例えばニトロソウレア、窒素欠損アナログ);ジトトキシック(zytotoxic)(例えばダウノルビシン、ドキソルビシンおよびその他のアントラサイクリンおよび関連物質、ブレオマイシン、ミトマイシン、抗代謝産物様葉酸、プリンまたはピリミジンアナログ);パクリタキセル、ドセタキセル、シロリムス;プラチナ化合物(例えば、カルボプラチナ、シスプラチナまたはオキサリ−プラチナ);アムサクリン、イリノテカン、イマチニブ、トポテカン、インターフェロンα2a、インターフェロンα2b、ヒドロキシカルバミド、ミルテロシン、ペントスタチン、ポルフィマー、アルデスロイシン、ベキサロテン、トレチノイン;アンチアンドロゲン、およびアンチエストロゲン;抗不整脈剤、特にクラスIの抗不整脈剤(例えばキニジン(chinidine)タイプの抗不整脈剤[例:キニジン、ジソピラミド、アジュマリン、重酒石酸プラジュマリウム、重酒石酸デタジュミウム));リドカインタイプの抗不整脈剤(例えば、リドカイン、メキシレチン、フェニトイン、トカイニド);クラスICの抗不整脈剤(例えば、プロパフェノン、フレカイニド(酢酸塩));クラスIIの抗不整脈剤、β受容体ブロッカー様メトプロロール、セスモロール、プロプラノロール、メトプロロール、アテノロール、オキソプレノロール;クラスIIIの抗不整脈剤(例えば、アミオダロン、ソタロール);クラスIVの抗不整脈剤(例えばジルチアゼム、ベラパミル、ガロパミル);その他の抗不整脈剤(例えばアデノシン、オルシプレナリン、臭化イプラトロピウム);心筋内血管形成の刺激剤(例えば、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、非ウイルス性DNA、ウイルス性DNA、内皮細胞増殖因子:FGF-I、FGF-2、VEGF、TGF);抗体、モノクローナル抗体、アンチカリン;幹細胞、内皮前駆細胞(EPC);ジギタリスグリコシド(例えば、アセチルジゴキシン/メチルジゴキシン)、ジギトキシン、ジゴキシン;心臓グリコシド(例えばクワバイン、プロシラリジン);抗高血圧症薬剤(例えば、中心機能抗副腎エネルギー物質、例えば中央活性抗アドレナリン作用物質(例:メチルドパ、イミダゾリン受容体−アゴニスト));ジヒドロピリジンタイプのカルシウムチャンネルブロッカー(例えば、ニフェジピン、ニトレンジピン);ACE阻害剤:キナプリレート、シラザプリル、モエキシプリル、トランドラプリル、スピラプリル、イミダプリル、トランドラプリル;アンジオテンシン-II-アンタゴニスト:カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン、テルミサルタン、オルメサルタンメドキソミル、エプロサルタン;周縁動作性α受容体ブロッカー(例えば、プラゾシン、ウラピジル、ドキサゾシン、ブナゾシン、テラゾシン、インドラミン);血管拡張剤(例えば、ジヒドララジン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、ミノキシジル、ニトロプルシドナトリウム);その他の抗高血圧症薬剤(例えば、インダパミド、コデルゴクリンメシレート、ジヒドロエルゴトキシンメタンスルホネート、シクレタニン、ボセンタン、フルドロコーチゾン);ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、ミルリノン、エノキシモンおよび抗低血圧症薬剤、特に副腎およびドーパミン作用物質、特にアドレナリン作用およびドーパミン作用物質(例:ドブタミン、エピネフリン、エチレフリン、ノルフェネフリン、ノルエピネフリン、オキシロフリン、ドーパミン、ミドドリン、フェレドリン、アメジニウムメチル));および部分的アドレノセプターアゴニスト(例えば、ジヒドロエルゴタミン);フィブロネクチン、ポリリジン、エチレンビニルアセテート、炎症性サイトカイン(例えばTGFβ、PDGF、VEGF、bFGF、TNFα、NGF、GM-CSF、IGF-a、IL-I、IL-8、IL-6、成長ホルモン);接着物質(例えば、シアノアクリレート、ベリリウム、シリカ);成長因子(例えば、エリトロポエチン)、ホルモン(例えば、コルチコトロピン、ゴナドトロピン、ソマトロピン、チロトロフィン、デスモプレシン、テルリプレシン、オキシトシン、セトロレリクス、コルチコレリン、ロイプロレリン、トリプロレリン、ゴナドレリン、ガニレリクス、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリン);調節ペプチド(例えばソマトスタチン、オクトレオチド);骨および軟骨刺激ペプチド、骨形成タンパク質(BMP)、特に組み換えBPM(例えば、組み換えヒトBMP-2(rhBMP-2))、ビスホスホネート(例えば、リセドロン酸塩、パミドロン酸塩、イバンドロン酸塩、ゾレドロン酸、クロドロン酸、エチロドン酸、アレンドロン酸、チルドロン酸)、フッ化物(例えば、ジナトリウムフルオロホスフェート(disodiumfluorophosphate)、フッ化ナトリウム);カルシトニン、ジヒドロタキスチレン;成長因子およびサイトカイン(例えば内皮細胞増殖因子受容体(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、形質転換増殖因子-b(TGF-b)、形質転換増殖因子-a(TGF-a)、エリトロポエチン(Epo)、インシュリン様成長因子-I(IGF-I)、インシュリン様成長因子-II(IGF-II)、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-8(IL-8)、腫瘍壊死因子-a(TNF-a)、腫瘍壊死因子-b(TNF-b)、インターフェロン-g(INF-g)、コロニー刺激因子(CSF);モノサイト走化性タンパク質、線維芽細胞刺激因子1、ヒスタミン、フィブリンまたはフィブリノーゲン、エンドセリン-1、アンジオテンシンII、コラーゲン、ブロモクリプチン、メチルセルギド、メトトレキセート、四塩化炭素、チオアセトアミド、およびエタノール;さらに銀(イオン)、酸化チタン、抗生物質および抗感染剤、例えば特にβ-ラクタム-抗生物質、例えば感β-ラクタマーゼペニシリン(例えば、ベンジルペニシリン(ペニシリンG)、フェノキメチルペニシリン(ペニシリンV));抗β-ラクタマーゼペニシリン(例えば、アミノペニシリン(例:アミノキシシリン、アンピシリン、バカンピシリン));アシルアミノペニシリン(例えば、メズロシリン、ピペラシリン);カルボキシペニシリン、セラロスポリン(例えば、セファゾリン、セフロキシム、セフォキシチン、セフォチアム、セファクロール、セファドロキシル、セファレキシン、ロラカルベフ、セフィキシム、セフロキシマキセチル、セフチブテン、セフポドキシイムプロキセチル);アズトレオナム、エルタペネム、メロペネム;β-ラクタマーゼ阻害剤(例えば、スルバクタム、スルタミシリントシレート);テトラサイクリン(例えば、ドキシサクリン、ミノサイクリン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン);アミノグリコシド(例えば、ゲンタミシン、ネオマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ネチルミシン、パロモマイシン、フラマイセチン、スペクチノマイシン);マクロライド抗生物質(例えば、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エチトロマイシン、ロキシスロマイシン、スピラマイシン、ジョサマイシン);リンコサミド(例えば、クリンダマイシン、リンコマイシン);ギラーゼ阻害剤(例えばフルオロキノロン(例:シプロフロキサシン、オフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、ガチフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、レボフロキサシン));キノロン(例えば、ピペミド酸);スルホンアミド、トリメトプリム、スルファジアジン、スルファレン;グリコペプチド抗生物質(例えば、バンコマイシン、テイコプラニン);ポリペプチド抗生物質(例えば、ポリミキシン(例:コリスチン、ポリミキシン-B)、ニトロイミダゾール誘導体(例:メトロニダゾール、チニダゾール));アミノキノロン(例えば、クロロキン、メフロキン、ヒドロキシクロロキン);ビグアニド(例えば、プログアニル);キニンアルカロイド、およびジアミノピリミジン(例えば、ピリメタミン);アムフェニコール(例えば、クロルアムフェニコール);リバブチン、ダプソン、フシジン酸、フォスフォマイシン、ニフラテル、テリスロマイシン、フサフンギン、フォスフォマイシン、ペンタミジンジイセチオネート、リファムピシン、タウロリジン、アトバコン、リネゾリド;ウイルス増殖阻止剤(例えば、アシクロビール、ガンシクロビール、ファムシクロビール、フォスカルネット、イノシン-(ジメプラノール-4-アセトアミドベンゾエート)、バルガンシルクロビール、バラシルクロビール、シドフォビール、ブリブジン);抗レトロウイルス活性物質(ヌクレオシドアナログ逆転写酵素阻害剤および誘導体)(例えば、ラミブジン、ザルシタビン、ジダノシン、ジドブジン、テノフォビール、スタブジン、アバカビールI);非ヌクレオシドアナログ逆転写酵素阻害剤(例えば、アンプレナビール、インジナビール、サキナビール、ロピナビール、リトナビール、ネルフィナビール);アマンタジン、リバビリン、ザナミビール、オセルタミビール、ラミブジンなど、およびこれらの任意の組み合わせおよび混合物。
【0087】
さらに治療活性物質は、微生物細胞、植物細胞、動物細胞(例えば、ヒト細胞または細胞培養液および組織、特にほ乳類からの組み換え細胞または組織化した細胞または組織、好ましくはほ乳類からのものであり、特に好ましくは異種または自系細胞または組織、またはトランクフェクトされた細胞)であって、生理学的または薬理学的に活性な物質を発現または放出する細胞から選択してもよい。幹細胞、原発細胞、分化した原発細胞の原種細胞またはこれらの任意の混合物が好ましい。さらに、遺伝子技術によって貫通および/または変更されていない細胞または組織化した細胞または組織を治療剤として用いることが好ましいといえる。
【0088】
多官能剤
本発明によると、様々なシグナル生成剤を互いに連結して二官能、三官能、または多官能のシグナル生成剤にすることができる。これらは互いに連結した複数の機能ユニットから構成されている。従って任意の所望の異なるシグナル生成剤を連結することが可能であり、それにより錯体としてのシグナル生成剤が共役して異なるシグナル生成特性を組み合わせる。さらにこのような共役したシグナル生成剤は標的基または治療活性物質を含んでもよい。これらは治療基として共役した錯体に連結する。従って本発明によると、二官能シグナル生成剤が、シグナル生成剤および異なるシグナル生成特性を有する別の剤から構成される。別の剤とは例えば以下のものであるがこれらに限られない:MRIおよび連結した蛍光マーカーによりシグナルを生成する常磁性剤(例えばWO 04/026344に開示されている)またはMRIシグナル生成剤内で連結する常磁性基と反磁性基(EP 1105162またはWO 00/09170に開示されている);さらに超常磁性または強磁性を有する二量体シグナル生成剤およびX線コントラストコンポーネント(米国特許第5,346,690号に開示されている)またはMRIおよびX線用の常磁性ヨード化コンポーネント錯体である剤(米国特許第5,242,683号に開示されている)。これらの文献を参照することにより本明細書に援用する。
【0089】
本発明によると二官能シグナル生成剤はさらに、シグナル生成剤および治療活性物質から、またはシグナル生成剤および標的基から構成される。治療活性物質と組み合わせるシグナル生成剤の例は例えば以下に開示されている:米国特許第6,207,133号、米国特許第6,479,033号、ドイツ特許第10151791号、カナダ特許第1336164号、WO 02/051301、WO 97/05904、欧州特許第0458079号、ドイツ特許第4035187号、WO 04/071536、米国特許第6,811,766号、WO 04/080483など。これらを参照することにより明示的に本明細書に援用する。標的基と組み合わせるシグナル生成剤の例は例えば以下に開示されている:米国特許第6,232,295号、CN 1224622、WO 99/20312号、WO 04/071536、米国特許第6,207,133号、WO 97/36619、米国特許第6,652,835号、WO 03/011115、WO 04/080483など。これらを参照することにより明示的に本明細書に援用する。
【0090】
本発明によると三官能シグナル生成剤は、少なくとも1つのシグナル生成コンポーネントと、さらなるシグナル生成コンポーネントまたは治療活性物質または標的基と、さらなるシグナル生成コンポーネントまたは治療活性物質または標的基とを含む。多官能シグナル生成剤は上記同様に、少なくとも1つの他のコンポーネントを有する三官能シグナル生成剤であって任意に選択可能な剤からから同様に選択してもよい。特に、米国特許出願第08/690,612号には、多官能または多量体シグナル生成剤が原理的にいかに製造されるかが開示されている。これを参照することにより明示的に本明細書に援用する。
【0091】
先行技術によると、二官能、三官能または多官能のシグナル生成剤は、全体的に共有結合した、部分的に共有結合した、または共有結合していない巨大分子として、ミセルとして、またはマイクロスフェアとして、リポソームに被包されて、ポリマーに被包されて、またはポリマー内で共有結合して存在し得る。共有結合は、先行技術による官能基という形態の置換基が個々のコンポーネントに連結することにより実現している。個々のコンポーネントは例えばアミノ、カルボキシル、オキソまたはチオール基から選択される。これらの基はリンカーによって互いに直接的または間接的に連結されている。先行技術のリンカーは繰り返し記載されており、例えば、Pierce Chemical Companyカタログ、クロスリンカーに関する技術のセクション、155-200頁(1994)に、同種機能リンカーまたは異種機能リンカーとして記載されている。これを参照することにより本明細書に援用する。好ましいリンカーは例えば以下を含むがこれらに限られない:アルキル基、例えば、置換アルキル基、ヘテロ原子基を有するアルキル基、短鎖アルキル基エステル、アミド、アミン、エポキシ基、核酸、ペプチド、エチレングリコール、ヒドロキシル、スクシンイミジル、マレイシジル、ビオチン、アルデヒドまたはニトリロアセテート基、およびこれらの誘導体。
【0092】
本発明によると、単官能、二官能、三官能または多官能のシグナル生成剤は、共有結合していないかまたは部分的または全体的に共有結合し、ミセルに被包されていてもよい。ここでミセルは直径2 nm〜800 nm、好ましくは5〜200 nm、特に好ましくは10 nm〜25 nmであるとよい。ミセルのサイズは、何らかの確立された理論に関係せず、疎水性基および親水性基の数、用いるシグナル生成剤の分子量、および集合体の数に依存する。水溶液の場合、シグナル生成剤を被包するためには、分枝状または非分枝状の両親媒性物質をモノマー、オリゴマーまたはポリマーとして用いることが特に好ましい。ミセルの疎水性核は、所望のミセルサイズ設定により、複数の疎水性基、好ましくは1〜200の疎水性基を含む。本発明によると、シグナル生成剤、標的剤の標的基は、互いに部分的に共有結合したミセルとして存在してもよい。
【0093】
疎水性基は、好ましくは炭化水素基または残基またはシリコン、例えばポリシロキサン鎖から構成される。さらに疎水性基は好ましくは、炭化水素ベースのモノマー、オリゴマーおよびポリマー、脂質またはリン脂質、またはこれらの所望の組み合わせから選択してもよい。これらの組み合わせとは特に、グリセリルエステル、(例えばホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン)、ポリグリコリド、ポリラクチド、ポリメタクリレート、ポリビニルブチルエーテル、ポリスチレン、ポリシクロペンタジエニルメチルノルボルネン、ポリエチレンプロピレン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリシロキサンである。さらに被包には、ミセル親水性ポリマーもまた選択される。特に好ましくは、ポリスチレンスルホン酸、ポリ-N-アルキルビニルピリジニウムハロゲン化物、ポリアクリル(メタクリル)酸、ポリアミノ酸、ポリ-N-ビニルピロリドン、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンオキシド、ポリサッカリド(例えば、アガロース、デキストラン、デンプン、セルロース、アミロース、アミロペクチン)、ポリエチレングリコールまたはポリエチレンイミンであり、これらの分子量は所望のミセル特性によっていずれでもよい。さらに疎水性または親水性ポリマーの混合物を用いてもよいし、このような脂質−ポリマー化合物も用いられる。さらなる特定の実施形態では、共役ブロックポリマーとしてポリマーが用いられる。この場合、親水性および疎水性ポリマーまたはこれらの所望の混合物を2-、3-またはマルチブロックコポリマーとして選択してもよい。
【0094】
ミセルに被包されたこのようなシグナル生成剤および他の機能コンポーネントはさらに機能化され、リンカーがミセルの所望の位置、好ましくは、アミノ、チオール、カルボキシル、ヒドロキシル、スクシンイミジル、マレイミジル、ビオチン、アルデヒドまたはニトリロアセテート基に付与される。これらには先行技術に従って、他の分子または化合物が化学的共有結合または非共有結合により結合してもよい。ここで、特に生物分子(例えば、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、ポリペプチド、リポタンパク質、グリコサミノグリカン、DNA、RNA)または類似の生物分子が特に好ましい。
【0095】
本発明によるとさらに、マイクロスフェアおよびリポソーム内で非共有結合していないか、部分的に共有結合しているか、完全に共有結合している単官能、二官能、三官能または多官能のシグナル生成剤が提供される。サイズ<1000 μmの好ましいマイクロスフェアは、生物分解性合成ポリマーまたはコポリマーから好ましく選択され得る。これらは、モノマー、ジマー、オリゴマー、または以下の好ましい重合可能物質の重合前の前駆体を含む:アクリル酸、メタクリル酸、エチレンイミン、クロトン酸、アクリルアミド、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ラクトン酸、グリコール酸、ε-カプロラクトン、アクロレイン、シアノアクリレート、ビスフェノールA、エピクロヒドリン、ヒドロキシアルキルアクリレート、シロキサン、ジメチルシロキサン、エチレンオキシド、エチレングリコール、ヒドロキシアルキルメタクリレート、N-置換アクリルアミド、N-置換メタクリルアミド、N-ビニル-2-ピロリドン、2,4-ペンタジエン-1-オル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、p-アミノスチレン、p-アミノベンジルスチレン、ナトリウムスチレンスルホネート、ナトリウム-2-スルホキシエチルメタクリレート、ビニルピリジン、アミノエチルメタクリレート、2-メタクリロイルオキシトリメチルアンモニウムクロリド、およびポリビニリデン、または多官能架橋性モノマー(例えば、N,N'-メチレン-ビス-アクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、2,2'-(p-フェニレンジオキシ)-ジエチルジメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルアミン、メチレン-ビス-(4-フェニルイソシアネート)など、これらの誘導体、または任意の組み合わせを含むコポリマー。好ましいポリマーは、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリラクトン酸、ポリ(ε-カプロラクトン)、エポキシ樹脂、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレングリコール)、およびポリアミド(ナイロン)など、またはこれらの誘導体、コポリマーまたは任意の混合物を含む。好ましいコポリマーは特に、ポリビニリデン−ポリアクリロニトリル、ポリビニリデン−ポリアクリロニトリル-ポリメチルメタクリレート、およびポリスチレン−ポリアクリロニトリルなど、またはこれらの誘導体または任意の混合物を含む。これらのマイクロスフェアを製造する方法は、例えば以下に記載されている:Garnerらの米国特許第4,179,546号、Garnerの米国特許第3,945,956号、Cohrsらの米国特許第4,108,806号、日本国公開特許公報第62 286534号、英国特許第1,044,680号、Kenagaらの米国特許第3,293,114号、Morehouseらの米国特許第3,401,475号、Waltersの米国特許第3,479,811号、Waltersらの米国特許第3,488,714号、Morehouseらの米国特許第3,615,972号、Bakerらの米国特許第4,549,892号、Sandsらの米国特許第4,540,629号、Sandsらの米国特許第4,421,562号、Sandsの米国特許第4,420,442号、Mathiowitzらの米国特許第4,898,734号、Lenckiらの米国特許第4,822,534号、Herbigらの米国特許第3,732,172号、Himmelらの米国特許第3,594,326号、Sommervilleらの米国特許第3,015,128号、Deasy、Microencapsulation and Related Drug Processes, Vol. 20, 第9章および第10章、195-240頁 (Marcel Dekker, Inc., N. Y., 1984), Changら、Canadian J of Physiology and Pharmacology, VoI 44, 115-129頁 (1966)、およびChang、Science, Vol. 146, 524-525頁 (1964)など。これらを参照することにより本明細書に援用する。
【0096】
本発明によると、非共有結合していないか、部分的に共有結合している、完全に共有結合している単官能、二官能、三官能または多官能のシグナル生成剤がリポソーム内で入手可能である。すでに適切な箇所に記載したように、陰イオンまたは陽イオン脂質の群から選択することが好ましい。
【0097】
単官能、二官能、三官能または多官能の剤として存在するシグナル生成剤は、さらにポリマーと連結していてもよい。これに関する方法の概要は、PCT US95/14621及び米国特許出願シリアルナンバー08/690,612に記載されている。これらを参照することにより明示的に本明細書に援用する。概してシグナル生成剤は例えばポリマーと連結することができ、シグナル生成剤を選択したポリマーまたはポリマー混合物に連結する化学物質が入手可能である。ポリマーは、互いに共有結合した少なくとも2つまたは3つのサブユニットを含む化合物と理解される。モノマーのサブユニットの少なくとも一部が、シグナル生成剤への共有結合を可能にする1または複数の官能基を含む。いくつかの実施形態では、単量体のサブグループをシグナル生成剤に連結させるために連結基が用いられる。先行技術によると複数のポリマーが適している。好ましいポリマーは、機能化されたスチレン(例えば、アミノスチレン)、機能化されたデキストラン、およびポリアミノ酸を含むがこれらに限定されない。好ましいポリマーは、ポリアミノ酸(ポリ-D-アミノ酸およびポリ-L-アミノ酸)、例えば、ポリリジン、およびリジンまたは他の適切なアミノ酸を含むポリマーである。他の有用なポリアミノ酸は、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、リジンとグルタミン酸またはアスパラギン酸とのコポリマー、リジンとアラニン、チロシン、フェニルアラニン、セリン、トリプトファンおよび/またはプロリンとのコポリマーである。
【0098】
用いるポリマーは主に機能化したポリマーまたは機能化していないポリマー(例えば、熱硬化性、熱可塑性、合成ゴム、押し出し可能ポリマー、射出成形用ポリマー、成形可能ポリマーなど、またはこれらの混合物であるがこれらに限られない)から選択してもよいし、さらに任意の複合体のコンポーネントであってもよい。さらに材料を生成するために用いられるコンポーネントの適合性を向上させる添加物、例えば連結剤(例えばシラン)界面活性剤、充填剤(有機充填剤または無機充填剤)などを選択してもよい。
【0099】
一実施形態では、ポリマーは以下から選択される: ポリアクリレート(例えば、ポリメタクリレート)、不飽和ポリエステル、飽和ポリエステル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、および類似体)、アルキド樹脂、エポキシポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミド、ポリウレタン、ポリカルボネート、ポリスチレン、ポリフェノール、ポリビニルエステル、ポリシリコーン、ポリアセタール、セルロースアセテート、ポリビニルクロリド、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリフルオロカーボン、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、シアン−エステルポリマー、これらの2以上のコポリマーなど。
【0100】
使用可能なポリマーは特にアクリルである。従ってモノアクリレート、ジアクリレート、トリアクリレート、テトラアクリレート、ペントアクリレートなどが好ましく用いられる。ポリアクリレートの例は以下である。ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリエトキシエトキシエチルアクリレート、ポリ-2-カルボキシエチルアクリレート、ポリエチルヘキシルアクリレート、ポリ-2-ヒドロキシエチルアクリレート、ポリ-2-フェノキシルエチルアクリレート、ポリ-2-フェノキシエチルメタクリレート、ポリ-2-エチルブチルメタクリレート、ポリ-9-アントラセニルメチルメタクリレート、ポリ-4-クロロフェニルアクリレート、ポリシクロヘキシルアクリレート、ポリジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ポリ-2-(N,N-ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、ポリジメチルアミノエオペンチルアクリレート(aminoeopentylacrylate)、ポリカプロラクトン2-(メタクリルオキシ)エチルエステル、ポリフルフリルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、ポリアクリル酸、およびポリ(プロピレングリコール)メタクリレート。
【0101】
ポリアクリレートを作成するために使用可能な好ましいジアクリレートの例は以下の通りである:2,2-ビス(4-メタクリルオキシフェニル)プロパン、1,2-ブタンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,4-シクロヘキサンジオールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジメチルプロパンジオールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、2,2-ビス[4-(2-アクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン、ビス(2-メタクリルオキシエチル)N,N-1,9-ノニレンビスカルバメート、1,4-シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、およびジアクリルウレタンオリゴマー。
【0102】
ポリアクリレートの製造に使用可能なトリアクリレートの好ましい例は以下の通りである:トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、またはペンタエリスリトールトリアクリレート。好ましいテトラアクリレートの例は、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、またはエトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレートである。ペンタアクリレートの例は、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、およびペンタアクリレート−エステルである。
【0103】
ポリアクリレートは、他の脂肪族不飽和有機化合物(例えば、不飽和ジカルボキシル酸とジオールの縮合反応からのポリアクリルアミドおよび不飽和ポリエステル)およびビニル化合物も含むが、さらに終端二重結合を有する化合物も含む。ビニル化合物の例は、N-ビニルピロリドン、スチレン、ビニル−ナフタレン、またはビニルフタルイミドである。特に好ましいメタクリルアミド誘導体としては以下のものが挙げられる:N-アルキルまたはN-アルキレン置換または未置換アクリル(メタクリル)アミド(例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メタクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N,N- ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-エチルメタクリルアミド、N-メチル-N-エチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-n-プロピルアクリルアミド、N-イソプロピルメタクリルアミド、N-n-プロピルメタクリルアミド、N-アクリロイルオイルピロリジン、N-メタクリロイルピロリジン、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン、N-アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N-アクリロイルモルホリン、またはN-メタクリロイルモルホリン)。
【0104】
本発明によると他の有用なポリマーは、不飽和および飽和ポリエステル、特にアルキド樹脂をも含むものである。ポリエステルは、ポリマー性鎖、様々な数の飽和または芳香族二塩基酸および無水物を含んでもよい。さらにモノマー、オリゴマーまたはポリマーとして使用可能であり特に1または複数のオキシラン環を含むモノマー、オリゴマーまたはポリマーとして使用可能なエポキシ樹脂は、脂肪族、芳香族、または脂肪族−芳香族混合の分子構造、または排他的に非ベンゾイドな従って脂肪族またはシクロ脂肪族構造を有し、置換基はあってもなくてもよい。置換基は例えば、ハロゲン、エステル基、エーテル基、スルホネート基、シロキサン基、ニトロ基、またはホスフェート基、またはこれらの組み合わせである。特に好ましいのは、グリシジル−エポキシタイプのエポキシ樹脂であり、例えば、ビスフェノール-Aのジグリシジルエーテル基との樹脂である。さらに特に好ましいのは以下である:アミノ誘導エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル-p-アミノフェノール、トリグリシジル-m-アミノフェノールまたはトリグリシジルアミノクレゾール、およびこれらの異性体、フェノール誘導エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノール-A-エポキシ樹脂、ビスフェノール-F-エポキシ樹脂、ビスフェノール-S-エポキシ樹脂、フェノール−ノボラックエポキシ樹脂、クレゾール−ノボラックエポキシ樹脂またはレゾルシノールエポキシ樹脂)、または脂環式エポキシ樹脂。さらにハロゲン化エポキシ樹脂、多価フェノールのグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、フェノール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂のグリシジルエーテル、およびリゾルシノール−ジグリシジルエーテル、およびその他のエポキシ樹脂も好ましい。これは米国特許第3,018,262号に記載されており、これを参照することにより明示的に本明細書に援用する。本発明による選択は上記の例に限られない。単エポキシコンポーネントに加えて、特に、2または複数のエポキシ樹脂の混合物を選択してもよい。選択されるエポキシ樹脂はUV-架橋性樹脂およびシクロ脂肪族樹脂をも含む。
【0105】
好ましいポリマーはさらに、ポリアミド(ナイロン)、例えば特に脂肪族または芳香族ポリアミドでもある。特定の実施形態では、ナイロン-6-(ポリカプロラクタム)、ナイロン6/6(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ナイロン6/10、ナイロン6/12、ナイロン6/T(ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン7(ポリエナントアミド(enanthamide))、ナイロン8(ポリカプリラクタム)、ナイロン9(ポリペラルゴンアミド)、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン55、ナイロンXD6 (ポリメタ−キシレンアジパミド)、ナイロン6/1、ポリアラニンも含まれる。
【0106】
好ましく用いられるポリマーとしてはさらに、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミドがあるが、これらに限られない。
【0107】
特定の実施形態では、導電性ポリマーが、好ましくは飽和または不飽和ポリパラフェニレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアジン、ポリフラン、ポリピロール、ポリセレノフェン、ポリ-p-フェニレンスルフィド、ポリアセチレンから選択される。導電性ポリマーはモノマー、オリゴマーまたはポリマーのいずれでもよく、他のモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの任意の組み合わせまたは混合物であってもよい。上記モノマーのコポリマーであってもよい。特に好ましいものは、1または複数の有機物(例えばアルキルまたはアリールラジカルまたは類似体)または無機ラジカル(例えばシリコンまたはゲルマニウムなど)、またはこれらの任意の混合物を含む。好ましいのは、1012〜105オーム・cmの抵抗を有する導電性または半導体ポリマーである。錯体金属塩が含まれたポリマーを選択することが特に好ましいといえる。そのために、窒素、酸素、硫黄、ハロゲン化物、不飽和二重結合または三重結合、および錯体形成に適した他のものを含むポリマーが好ましい。例えば、適したポリマーの選択には制限がなく、エラストマー(例えばポリウレタンおよびゴム)、接着性ポリマー、およびプラスチックが好ましい。好ましい金属塩は遷移金属ハロゲン化物(例えば、CuCl2、CuBr2、CoCl2、ZnCl2、NiCl2、FeCl2、FeBr2、FeBr3、CuI2、FeCl3、FeI3、またはFeI2)、さらなる塩(例えば、Cu(NO3)2、金属乳酸塩、金属グルタミン酸塩、金属コハク酸塩、金属酒石酸塩、金属リン酸塩、金属蓚酸塩、LiBF4、およびH4Fe(CN)6)などを含む。
【0108】
さらに、生物適合性、ここでは生物分解性のポリマーが特に好ましい。例としては以下のものが挙げられるがこれらに限られない:コラーゲン、アルブミン、ゼラチン、ヒアルロン酸、デンプン、セルロース (メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースフタレート;カゼイン、デキストラン、ポリサッカリド、フィブリノーゲン、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-コグリコリド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(アルキルカルボネート)、ポリ(オルトエステル)、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリジオキサノン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(タルトロン酸)、ポリ無水酸、ポリホスファゼン、ポリ(アミノ酸)、これらのコポリマーのすべて、およびこれらの任意の混合物。
【0109】
特定の実施形態では、感pHポリマーから選択することが特に好ましいといえる。例としては、ポリ(アクリル酸)およびその誘導体、例えば、ホモポリマー、例えばポリ(アミノカルボキシル酸)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルアクリル酸)、およびこれらのコポリマーが挙げられるがこれらに限られない。さらに、ポリサッカリド、例えばセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート、セルロースアセテートトリメリテート、およびキトサンが挙げられるがこれらに限られない。
【0110】
ある実施形態では、感温ポリマーから選択することが特に好ましいといえる。例としては以下のものが挙げられるがこれらに限られない:ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド-co-ナトリウム-アクリレート-co-n-N-アルキルアクリルアミド)、ポリ(N-メチル-N-n-プロピルアクリルアミド)、ポリ(N-メチル-N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N-N-プロピルメタクリルアミド)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N,N-ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N-イソプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N-シクロプロピルアクリルアミド)、ポリ(N-エチルアクリルアミド)、ポリ(N-エチルメチルアクリルアミド)、ポリ(N-メチル-N-エチルアクリルアミド)、ポリ(N-シクロプロピルアクリルアミド)。サーモゲル特性を有するその他のポリマーは、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、およびプルロニック(例えば、F-127、L-122、L-92、L-81、L-61)である。
【0111】
ある実施形態では、シグナル生成剤の被包にポリマーを用いることが特に好ましいといえる。この場合、単官能、二官能、三官能シグナル生成剤の間には共有結合はほとんど存在しないか、または上記のようにポリマー内のシグナル生成剤はポリマースフェア、懸濁液、または乳濁液という形態で提供される。このようなカプセルをミニまたはマイクロエマルジョンにより製造することは当該分野で周知である。AU 9169501、EP 1205492、米国特許第6,380,281号、CN 1262692T、U.S. 2004192838、EP 1401878、EP 1352915、CA 1336218、EP 1240215、BE 949722、およびDE 10037656には概要が記載されている。さらに、S. Kirsch、K. Landfester、O. Shaffer、M. S. El-Aasser:「TEMおよびNMRにより調べたカルボキシル化ポリ-(n-ブチルアクリレート)/(ポリ(メチルメタクリレート)複合体ラテックス粒子の粒子構造」、Acta Polymerica 1999、50、347-362;K. Landfester、N. Bechthold、S. Forster、M. Antonietti:「ミニエマルジョン重合における粒子同一性保存の証拠」、Macromol. Rapid Commun. 1999、20、81-84;K. Landfester、N. Bechthold、F. Tiarks、M. Antonietti:「陽イオン性および非イオン性界面活性剤によるミニエマルジョン重合:ヘテロ相重合のための界面活性剤の非常に効率的な使用」、Macromolecules 1999、32、2679-2683;K. Landfester、N. Bechthold、F. Tiarks、M. Antonietti:「重合可能ミニエマルジョンの形成および安定化メカニズム」、Macromolecules 1999、32、5222-5228;G. Baskar、K. Landfester、M. Antonietti:「オクタデシル側鎖およびカルボキシル官能部位を有する櫛形ポリマー:ミニエマルジョン重合における効率的使用の範囲」、Macromolecules 2000、33、9228-9232;N. Bechthold、F. Tiarks、M. Willert、K. Landfester、M. Antonietti:「ミニエマルジョン重合:応用と新材料」、Macromol. Symp. 2000、151、549-555;N. Bechthold、K. Landfester:「熱量測定により表されるミニエマルジョン重合の動力学」、Macromolecules 2000、33、4682-4689;B. M. Budhlall、K. Landfester、D. Nagy、E. D. Sudol、V. L. Dimonie、D. Sagl、A. Klein、M. S. El-Aasser:「部分的に加水分解したポリ(ビニルアルコール)の特徴づけ I. H-IおよびC-13-NMRを介した配列分布と逆相グラジエント溶出HPLC技術」、Macromol. Symp. 2000、155、63-84;D. Columbie、K. Landfester、E. D. Sudol、M. S. ElAasser:「PSラテックス粒子上での陰イオン性界面活性剤X-405の競合的吸収」、Langmuir 2000、16、7905-7913;S. Kirsch、A. Pfau、K. Landfester、O. Shaffer、M. S. El-Aasser:「カルボキシル化ポリ-(n-ブチルアクリレート)/ポリ(メチルメタクリレート)複合体ラテックス粒子の粒子構造」、Macromol. Symp. 2000、151、413-418、K. Landfester、F. Tiarks、H.-P. Hentze、M. Antonietti:「ミニエマルジョン中のポリ付加:ポリマー分散への新しい道」、Macromol. Chem. Phys. 2000、201 、1-5;K. Landfester:「ミニエマルジョンの最近の進歩−形成および安定化メカニズム」、Macromol. Symp. 2000、150、171-178;K. Landfester、M. Willert、M. Antonietti:「非水性直接および逆ミニエマルジョンでのポリマー粒子の調製」、Macromolecules 2000、33、2370-2376;K. Landfester、M. Antonietti:「ミニエマルジョンでのアクリロニトリルの重合:押し潰されたラテックス粒子またはポリマーナノ結晶」、Macromol. Rapid Comm. 2000、21、820-824;B. z. Putlitz、K. Landfester、S. Forster、M. Antonietti:「スルホニウム−ヘッドグループによる小胞形成、単一末端炭化水素界面活性剤」、Langmuir 2000、16、3003-3005;B. Z. Putlitz、H.-P. Hentze、K. Landfester、M. Antonietti:「スルホニウム−ヘッドグループによる新しい陽イオン界面活性剤」、Langmuir 2000, 16, 3214-3220;J. Rottstegge、K. Landfester、M. Wilhelm、C. Heldmann、H. W. Spiess:「固体核磁気共鳴分光学により検出されたラテックス分散液の膜形成プロセスにおける異なるタイプの水」、Colloid Polym. Sic. 2000, 278, 236-244;M. Antonietti, K. Landfester:「ポリマーおよびコロイドによる単一分子化学:複雑な反応および物理プロセスを扱う方法?」、ChemPhysChem 2001, 2, 207-210;K. Landfester、 H.-P. Hentze:「逆系でのヘテロ相重合」界面活性剤系における反応と合成;J. Texter、 Ed.;Marcel Dekker, Inc.:New York, 2001 ;471-499頁;K. Landfester:「ミニエマルジョンでのポリ反応」、Macromol. Rapid Comm. 2001, 896-936;K. Landfester:「ミニエマルジョンでのナノ粒子の生成」、Adv. Mater. 2001, 10, 765-768;K. Landfester:"Chemie - Rezeptionsgeschichte" in "Der Neue Pauly - Enzyklopadie der Antike";J.B. Metzler:Stuttgart, 2001;Vol. 15;B. z. Putlitz、K. Landfester、H. Fischer, M. Antonietti:「陽イオンミニエマルジョンとラテックスを鋳型に入れることによる粘土シート製『強化ラテックス』と中空無機シェルの生成」、Adv. Mater. 2001, 13, 500-503;F. Tiarks、K. Landfester、M. Antonietti:「ミニエマルジョン重合によるポリマー性ナノカプセルの調製」、Langmuir 2001 , 17, 908-917;F. Tiarks、K. Landfester、M. Antonietti:「ミニエマルジョン重合によるカーボンブラックの被包」、Macromol. Chem. Phys. 2001, 202, 51-60;F. Tiarks、K. Landfester、M. Antonietti:「ミニエマルジョンポリ付加によるポリウレタン分散液の一段階調製」、J. Polym. ScL, Polym. Chem. Ed. 2001, 39, 2520-2524;F. Tiarks、K. Landfester、M. Antonietti:「ミニエマルジョン重合により生成したラテックス用界面活性剤および充填剤としてのシリカナノ粒子」、Langmuir 2001、17, 5775-5780。これらの文献を参照することにより本明細書に援用する。
【0112】
材料/コンポーネント
移植可能医療デバイス、移植可能医療デバイス用材料、またはそのコンポーネントは、本発明による組み合わせの一部である。基本的に、バルク材料であってシグナル生成剤が移植可能医療デバイスの材料マトリクスに結合しているシグナル生成特性を有するバルク材料を提供すべきか、少なくとも部分的にシグナル生成コーティングが施された調製ずみ医療デバイスかを提供すべきかを決定しなければならない。本発明によると、両方を組み合わせることもできる。
【0113】
概して適用可能な一実施形態では、医療デバイス自体が本発明による組み合わせの一部である。デバイスは少なくとも1つのシグナル生成剤および少なくとも1つの治療活性剤と組み合わされている。シグナル生成剤と治療活性剤とを移植可能デバイス自体の材料に組み込んでもよい。デバイスが再吸収性または分解性材料で形成されている場合、これが特に好ましい。
概して適用可能な別の実施形態では、移植デバイス自体は本発明による組み合わせの一部ではない。移植デバイスは、本発明による組み合わせを含むコーティングを施されれてもよく、例えばコーティングされてもよい。本発明による組み合わせとは、少なくとも1つのシグナル生成デバイス、少なくとも1つの治療活性剤、および移植可能医療デバイスの製造用の少なくとも1つの材料である。材料はこの場合、例えば適切なコーティング材料、例えば、熱分解性カーボン、ポリマー、フィルムコーティングなどである。
「移植可能医療デバイスの調製用の少なくとも1つの材料および/または移植可能医療デバイスの少なくとも1つのコンポーネント」という表現は、上記全ての実施形態を含む。
【0114】
本発明により提供される移植可能医療デバイスまたは移植可能医療デバイスのコンポーネントは、平面体、球状体、または様々な形状寸法の所望の3次元形状からなっていてもよく、特に管状またはその他の中空形状でもよい。移植可能医療デバイスまたは移植可能医療デバイスのコンポーネントの形状は、本発明の出願には無関係である。
【0115】
移植可能医療デバイスは、超短期デバイス、短期デバイスまたは長期デバイスとして生物に組み込まれるものであって、診断目的、治療目的、予防目的、または診断/治療/予防目的を組み合わせた目的のために組み込まれるものであれば、いずれのデバイスであってもよい。以下では用語「移植可能医療デバイス」および「インプラント」は同義に用いられる。本発明により選択される生物はほ乳類である。本発明によるほ乳類は、すべてのほ乳類、例えばペット(例えばイヌ、ネコ)、農業用家畜(例えばウシ、ヒツジ、ヤギ)、実験動物(例えばマウス、ラット)、霊長目(例えばサル、チンパンジー)、およびヒトを含むがこれらに限られない。好ましい実施形態では、ヒトに用いるように指定されたインプラントおよび移植活性物質が選択される。
【0116】
選択すべき移植可能医療デバイスは、特定のタイプのインプラントにはかぎられない。従って以下のものから選択できるがこれらに限られない:脈管内プロテーゼ、管腔内プロテーゼ、ステント、冠状ステント、末梢血管用ステント、ペースメーカーまたはそのパーツ、一時的な目的のための外科および整形外科用インプラント(例えば、関節窩インサート)、外科用ねじ、プレート、ネイル、移植可能整形外科用支持補助具、外科および整形外科用インプラント(例えば、骨または関節プロテーゼ(例:人工股関節または膝関節骨および脊椎手段))、人工心臓またはそのパーツ、人工心臓弁、心臓ペースメーカーのハウジング、電極、皮下および/または筋肉内インプラント、活性物質容器、マイクロチップなど。移植可能医療デバイス用材料は、非分解性または完全分解性材料、またはこれらの任意の組み合わせから選択してもよい。さらにインプラント材料は、全体的に金属ベースの材料、合金、またはこれらの複合体、積層材料、カーボンまたはカーボン複合体、これらの複合材料、または上記材料の所望の組み合わせからなってもよい。
【0117】
ある実施形態では、セラミックおよび/または金属べースの材料が特に好ましい。例としては以下のものが挙げられる:無定形および/または(部分的に)結晶性炭素、大型炭素材料(「Vollkarbon」)、多孔性炭素、グラファイト、炭素複合材料、カーボンファイバー、セラミック(例えば、ゼオライト)、珪酸塩、酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、炭化シリコン、窒化シリコン;以下に示す遷移金属のメタルカーバイド、酸化金属、窒化金属、金属カーボナイトライド、金属オキシカーバイド、金属オキシナイトライド、および金属オキシカーボナイトライド(遷移金属:ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオビウム、タンタル、クロミウム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、コバルト、ニッケル)、金属および合金、特に以下の貴金属およびその合金(貴金属:銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、プラチナ);以下の金属およびその合金:チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオビウム、タンタル、クロミウム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム;鋼鉄、特にステンレス鋼、特にFe-18Cr-14Ni-2.5Mo (「316LVM」 ASTM F138)、Fe-21Cr-10Ni-3.5Mn-2.5Mo (ASTM F 1586)、Fe-22Cr-13Ni-5Mn (ASTM F 1314)、Fe-23Mn-21Cr-lMo-lN (ニッケルを含まないステンレス鋼);PERSS(プラチナ増強放射線不透過性鋼鉄合金)と呼ばれるプラチナ含有放射線不透過性鋼鉄合金;形状記憶合金(例えば、ニチノール、ニッケル−チタン合金)、ガラス、石、ガラスファイバー、鉱物、天然または合成骨物質、アルカリ土類炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、ヒドロキシアパタイト)をベースにしたイミテーション骨;および上記材料の任意の組み合わせ。
【0118】
さらなる実施形態では、ポリアクリレート(例えばポリメチルメタクリレート)に基づいて、または不飽和ポリエステまたは飽和ポリエステルから選択することが好ましい。これらの例としては以下のものが挙げられる:ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなど)、アルキド樹脂、エポキシ−ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミド、ポリウレタン、ポリカルボネート、ポリスチレン、ポリフェノール、ポリビニルエステル、ポリシリコン、ポリアセタール、セルロースアセテート、ポリビニル クロリド、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリフルオロカーボン、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、シアン−エステルポリマー、これらの2以上のコポリマーなど。
【0119】
使用可能なポリマーは特にアクリルである。従ってモノアクリレート、ジアクリレート、トリアクリレート、テトラアクリレート、ペントアクリレートなどが好ましく用いられる。ポリアクリレートの例は以下である。ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリエトキシエトキシエチルアクリレート、ポリ-2-カルボキシエチルアクリレート、ポリエチルヘキシルアクリレート、ポリ-2-ヒドロキシエチルアクリレート、ポリ-2-フェノキシルエチルアクリレート、ポリ-2-フェノキシエチルメタクリレート、ポリ-2-エチルブチルメタクリレート、ポリ-9-アントラセニルメチルメタクリレート、ポリ-4-クロロフェニルアクリレート、ポリシクロヘキシルアクリレート、ポリジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ポリ-2-(N,N-ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、ポリジメチルアミノネオペンチルアクリレート(aminoeopentylacrylates)、ポリカプロラクトン2-(メタクリルオキシ)エチルエステル、ポリフルフリルメタクリレート、ポリ(エチレン グリコール)メタクリレート、ポリアクリル酸、およびポリ(プロピレングリコール)メタクリレート。
【0120】
ポリアクリレートを作成するために使用可能な好ましいジアクリレートの例は以下の通りである:2,2-ビス(4-メタクリルオキシフェニル)プロパン、1,2-ブタンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,4-シクロヘキサンジオールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジメチルプロパンジオールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、2,2-ビス[4-(2-アクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン、ビス(2-メタクリルオキシエチル)N,N-1,9-ノニレンビスカルバメート、1,4-シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、およびジアクリルウレタンオリゴマー。
【0121】
ポリアクリレートの製造に使用可能なトリアクリレートの好ましい例は以下の通りである:トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、またはペンタエリスリトールトリアクリレート。好ましいテトラアクリレートの例は、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、またはエトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレートである。ペンタアクリレートの例は、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、およびペンタアクリレート−エステルである。
【0122】
ポリアクリレートは、他の脂肪族不飽和有機化合物(例えば、不飽和ジカルボキシル酸とジオールの縮合反応からのポリアクリルアミドおよび不飽和ポリエステル)およびビニル化合物も含むが、さらに終端二重結合を有する化合物も含む。ビニル化合物の例は、N-ビニルピロリドン、スチレン、ビニル−ナフタレン、またはビニルフタルイミドである。特に好ましいメタクリルアミド誘導体としては以下のものが挙げられる:N-アルキルまたはN-アルキレン置換または未置換アクリル(メタクリル)アミド(例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メタクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-エチルメタクリルアミド、N-メチル-N-エチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-n-プロピルアクリルアミド、N-イソプロピルメタクリルアミド、N-n-プロピルメタクリルアミド、N-アクリロイルオイルピロリジン、N-メタクリロイルピロリジン、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン、N-アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N-アクリロイルモルホリン、またはN-メタクリロイルモルホリン)。
【0123】
本発明によると他の有用なポリマーは、不飽和および飽和ポリエステル、特にアルキド樹脂をも含むものである。ポリエステルは、ポリマー性鎖、様々な数の飽和または芳香族二塩基酸および無水物を含んでもよい。さらに特に1または複数のオキシラン環を含むモノマー、オリゴマーまたはポリマーとして使用可能であるエポキシ樹脂は、脂肪族、芳香族または脂肪族−芳香族混合の分子構造、または排他的に非ベンゾイドな従って脂肪族またはシクロ脂肪族構造を有し、置換基はあってもなくてもよい。置換基は例えば、ハロゲン、エステル基、エーテル基、スルホネート基、シロキサン基、ニトロ基、またはホスフェート基、またはこれらの組み合わせである。特に好ましいのは、グリシジル−エポキシタイプのエポキシ樹脂であり、例えば、ビスフェノール-Aのジグリシジルエーテル基との樹脂である。さらに特に好ましいのは以下である:アミノ誘導エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル-p-アミノフェノール、トリグリシジル-m-アミノフェノールまたはトリグリシジルアミノクレゾール、およびこれらの異性体、フェノール誘導エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノール-A-エポキシ樹脂、ビスフェノール-F-エポキシ樹脂、ビスフェノール-S-エポキシ樹脂、フェノール−ノボラックエポキシ樹脂、クレゾール−ノボラックエポキシ樹脂またはレゾルシノールエポキシ樹脂)、または脂環式エポキシ樹脂。さらにハロゲン化エポキシ樹脂、多価フェノールのグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、フェノール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂のグリシジルエーテル、およびリゾルシノール−ジグリシジルエーテル、およびその他のエポキシ樹脂も好ましい。これは米国特許第3,018,262号に記載されており、これを参照することにより明示的に本明細書に援用する。本発明による選択は上記のエポキシ樹脂だけに限られない。単エポキシコンポーネントに加えて、特に、2または3のエポキシ樹脂の混合物を選択してもよい。選択すべきエポキシ樹脂はUV-架橋性樹脂およびシクロ脂肪族樹脂をも含む。
【0124】
好ましいポリマーはさらに、ポリアミド、例えば特に脂肪族または芳香族ポリアミドでもある。(例をいれる。)中でも特定の実施形態では、ナイロン-6-(ポリカプロラクタム)、ナイロン6/6(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ナイロン6/10、ナイロン6/12、ナイロン6/T(ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン7(ポリエナントアミド)、ナイロン8(ポリカプリラクタム)、ナイロン9(ポリペラルゴンアミド)、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン55、ナイロンXD6 (ポリメタ−キシレンアジパミド)、ナイロン6/1、ポリアラニンも含まれる。
【0125】
好ましく用いられるポリマーとしてはさらに、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミドがあるが、これらに限られない。
【0126】
特定の実施形態では、導電性ポリマーが、好ましくは飽和または不飽和ポリパラフェニレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアジン、ポリフラン、ポリピロール、ポリセレノフェン、ポリ-p-フェニレンスルフィド、ポリアセチレンから選択される。導電性ポリマーはモノマー、オリゴマーまたはポリマーのいずれでもよく、他のモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの任意に組み合わせまたは混合物であってもよい。上記モノマーのコポリマーであってもよい。特に好ましいものは、1または複数の有機物(例えばアルキルまたはアリールラジカルまたは類似体)または無機ラジカル(例えばシリコンまたはゲルマニウムなど)、またはこれらの任意の混合物を含む。好ましいのは、1012〜105オームcmの抵抗を有する導電性または半導体ポリマーである。錯体金属塩が含まれたポリマーを選択することが特に好ましいといえる。そのために、窒素、酸素、硫黄、ハロゲン化物、不飽和二重結合または三重結合、および錯体形成に適した他のものを含むポリマーが好ましい。例えば、適したポリマーの選択には制限がなく、エラストマー(例えばポリウレタンおよびゴム)、接着性ポリマー、およびプラスチックが好ましい。好ましい金属塩は遷移金属ハロゲン化物(例えば、CuCl2、CuBr2、CoCl2、ZnCl2、NiCl2、FeCl2、FeBr2、FeBr3、CuI2、FeCl3、FeI3、またはFeI2)、さらなる塩(例えば、Cu(NO3)2、金属乳酸塩、金属グルタミン酸塩、金属コハク酸塩、金属酒石酸塩、金属リン酸塩、金属蓚酸塩、LiBF4、およびH4Fe(CN)6)などを含む。
【0127】
特定の実施形態では、導電性ポリマーが、好ましくは飽和または不飽和ポリパラフェニレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアジン、ポリフラン、ポリピロール、ポリセレノフェン、ポリ-p-フェニレンスルフィド、ポリアセチレンから選択される。導電性ポリマーはモノマー、オリゴマーまたはポリマーのいずれでもよく、他のモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの任意に組み合わせまたは混合物であってもよい。上記モノマーのコポリマーであってもよい。特に好ましいものは、1または複数の有機物(例えばアルキルまたはアルキルラジカルまたは類似体)または無機物(例えばシリコンまたはゲルマニウムなど)、またはこれらの任意の混合物を含む。好ましいのは、1012〜105オームcmの抵抗を有する導電性または半導体ポリマーである。錯体金属塩が含まれたポリマーを選択することが特に好ましいといえる。そのために、窒素、酸素、硫黄、ハロゲン化物、不飽和二重結合または三重結合、および錯体形成に適した他のものを含むポリマーが好ましい。例えば、適したポリマーの選択には制限がなく、エラストマー(例えばポリウレタンおよびゴム)、接着性ポリマー、およびプラスチックが好ましい。好ましい金属塩は遷移金属ハロゲン化物(例えば、CuCl2、CuBr2、CoCl2、ZnCl2、NiCl2、FeCl2、FeBr2、FeBr3、CuI2、FeCl3、FeI3、またはFeI2)、さらなる塩(例えば、Cu(NO3)2、金属乳酸塩、金属グルタミン酸塩、金属コハク酸塩、金属酒石酸塩、金属リン酸塩、金属蓚酸塩、LiBF4、およびH4Fe(CN)6)などを含む。
【0128】
さらに、生物適合性、ここでは生物分解性のポリマーが特に好ましい。例としては以下のものが挙げられるがこれらに限られない:コラーゲン、アルブミン、ゼラチン、ヒアルロン酸、デンプン、セルロース (メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースフタレート;カゼイン、デキストラン、ポリサッカリド、フィブリノーゲン、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-コグリコリド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(アルキルカルボネート)、ポリ(オルトエステル)、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリジオキサノン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(タルトロン酸)、ポリ無水酸、ポリホスファゼン、ポリ(アミノ酸)、これらのコポリマーのすべて、およびこれらの任意の混合物。
【0129】
分解性材料のうち、金属ベースの材料を選択することもまた特に好ましい。例としては以下のものが挙げられるがこれらに限られない:生物分解性または生物腐食性合金(例えば、マグネシウム合金)、分解性ガラス−セラミック材料(例えば、バイオガラス、珪酸塩)、またはセラミックまたはセラミックタイプの材料(例えば、ヒドロキシアパタイト)など。
【0130】
特に好ましい移植可能医療デバイスとしては以下のものが挙げられるがこれらに限られない:非分解性、部分的分解性または完全分解性デバイスであって、完全なまたは部分的骨代替物用、完全なまたは部分的関節代替物用、完全なまたは部分的脈管代替物用、冠状または末梢血管用ステント用、またはその他の管腔内脈管インプラント用、完全なまたは部分的脈管代替物用、活性剤容器またはシードインプラント用のインプラントから選択されたデバイス。
【0131】
材料選択
本発明によると、本発明の個々の要素の選択は特に重要である。シグナル生成材料の製造または使用、および提供するインプラントまたはインプラント材料の選択において、主な医学的適応症および求められるシグナル生成様式に従ったインプラントタイプおよびインプラント目的のシグナル生成剤を提供することを考慮しなければならない。本発明による基本的教示を提供する。
【0132】
以下を確定するためのシグナル生成剤の目的の決定:
a)移植可能医療デバイスのマーキングだけのためにシグナル生成剤を選択すべきか否か;
b)移植可能医療デバイスの周囲の組織または移植可能医療デバイスと接するか連通可能な領域にあるコンパートメントのマーキングだけのためにシグナル生成剤を選択すべきか否か;
c)移植可能医療デバイスがシグナル生成剤を生体に取り込むという排他的目的を有し得る、移植可能医療デバイスと接する領域とは独立した任意の所望の組織、細胞タイプ、器官または器官領域のマーキングだけのためにシグナル生成剤を選択すべきか否か;
d)インプラントのマーキングに加えて、インプラントの周囲の組織またはインプラントと接するか連通可能な領域にあるコンパートメントのマーキングのためにもシグナル生成剤を選択すべきか否か;
e)移植可能医療デバイスのマーキングに加えて、移植可能医療デバイスがシグナル生成剤を生体に取り込むという排他的目的を有し得る、任意の独立した組織、細胞タイプ、器官または器官領域のマーキングのためにもシグナル生成剤を選択すべきか否か;
f)移植可能医療デバイスのマーキングのためにではなく、または主に移植可能医療デバイスのマーキングのためにではなく、主に移植可能医療デバイスの周囲の組織または移植可能医療デバイスと接するか連通可能な領域にあるコンパートメントのマーキングのためにシグナル生成剤を選択すべきか否か;
g)主に移植可能医療デバイスのマーキングのためにではなく、または移植可能医療デバイスのマーキングのためにでは全くなく、主に、移植可能医療デバイスがシグナル生成剤を生体に取り込むという排他的目的を有し得る、移植可能医療デバイスと接する領域とは独立した組織、細胞タイプ、器官または器官領域のマーキングのためにシグナル生成剤を選択すべきか否か;
h)移植可能医療デバイスのマーキングのためにではなく、または主に移植可能医療デバイスのマーキングのためにではなく、移植可能医療デバイスの周囲の組織または移植可能医療デバイスと接するか連通可能な領域にあるコンパートメントのマーキングに加えて、移植可能医療デバイスがシグナル生成剤を生体に取り込むという排他的目的を有し得る、移植可能医療デバイスと接する領域とは独立した任意の細胞タイプ、器官または器官領域のマーキングのためにもシグナル生成剤を選択すべきか否か;
i)治療剤と組み合わせて且つa)〜h)を満たすようにシグナル生成剤を選択すべきか否か;
j)シグナル生成剤をさらに、シグナル様式(物理的および化学的特性ならびに検出方法)の異なるシグナル生成剤と組み合わせて選択すべきか否か;
k)a)〜j)に基づいて選択したシグナル生成剤を、直接的、間接的または混合型のシグナル生成剤から選択すべきか否か。
【0133】
さらに、特に以下を決定するためのシグナル生成剤の検出期間の決定:
a)シグナル生成剤は、数秒〜最長3日までの検出期間と定義された超短期間の間、検証可能であるべきかどうか;
b)シグナル生成剤は、3日〜3ヶ月までと定義された短期間の間、検証可能であるべきかどうか;
c)シグナル生成剤は、3ヶ月以上と定義された長期間の間、検証可能であるべきかどうか;
d)シグナル生成剤は、少なくとも12ヶ月以上、好ましくは非分解性インプラントの全寿命より長い期間、永久に検証可能であるべきかどうか。
【0134】
さらに、特に以下を決定するための好ましい様式の決定:
a)検出方法(例えばX線撮影法、MRIおよび蛍光に基づいた方法)によると、いずれの様式が好ましいか;
b)いずれの様式を好ましく組み合わせ入手可能にすべきか(例えば、放射線不透過性シグナル生成剤と常磁性シグナル生成剤の組み合わせなど);
c)いずれの様式を治療用シグナル生成剤と組み合わせて選択すべきか。
【0135】
最後に、特に以下を決定するための、元となる移植可能医療デバイスと組み合わせるシグナル生成剤の機能:
a)正しい解剖学的位置の検証のためだけにシグナル生成剤を選択すべきか否か;
b)移植可能医療デバイスの動作を制御するため、例えば、分解のコースを検出する生物分解性インプラントなど(これに限られない)のために、シグナル生成剤を選択すべきか否か;
c)シグナル生成剤だけに関して、移植可能医療デバイスとそれに接する組織の相互作用を、例えば、インプラントと接するか連通可能な周囲領域での移植および/または炎症反応など(これに限られない)を検出すべきか否か;
d)シグナル生成剤だけに関して、特にいわゆる薬剤送達機能との組み合わせ型移植可能医療デバイス、例えば好ましくは治療剤との組み合わせ型シグナル生成剤の使用を介した薬剤溶出ステントのために(これに限られない)、添加剤の放出を制御すべきか否か;
e)シグナル生成剤は、a)〜d)の機能のうち少なくとも1つと、a)〜d)の機能のうち別の1つまたは複数とを有するべきか否か。
【0136】
本発明による移植可能医療デバイス、移植可能医療デバイスのコンポーネント、または組み合わせの基本的材料または組成物または組み合わせは、非分解性、部分的分解性または完全分解性材料から選択される。組成物または組み合わせの選択は、予想するシグナル生成の目的およびシグナル生成剤の機能に従って、または逆に移植可能医療デバイスの選択された材料と相関するシグナル生成剤およびその提供形態に従って行われ得る。当業者には明らかであるが、移植可能医療デバイスの使用目的および適応症、ならびに元となる主な疾病に従って材料を選択することが好ましい。しかし本発明によると、改良された移植可能医療デバイスを選択するには以下の基準がある。
【0137】
以下を確定するための、組み込み型材料系にシグナル生成剤を完全にまたは部分的に導入するためのインプラント材料の提供:
a)熱焼結プロセスであって、インプラントマトリクスに対するシグナル生成材料の組み込みが製造前または製造中に行われる熱焼結プロセスによって材料を製造すべきか否か;
b)熱焼結プロセスであって、インプラントマトリクスに対するシグナル生成材料の組み込みが製造後に、少なくとも1層の開孔材料層が存在する状態で行われる、熱焼結プロセスによって材料を製造すべきか否か;
c)熱応力のない化学プロセスであって、提供された形態中でのシグナル生成材料の分解または部分的分解につながり、インプラントマトリクスに対するシグナル生成材料の組み込みが製造前または製造中に行われる化学プロセスによって材料を製造すべきか否か;
d)熱応力のない化学プロセスであって、提供された形態中でのシグナル生成材料の分解または部分的分解につながり、インプラントマトリクスに対するシグナル生成材料の組み込みが製造後に、少なくとも1層の開孔材料層が存在する状態で行われる、化学プロセスによって材料を製造すべきか否か;
e)a)〜d)またはそれらの所望の組み合わせが可能な、完全分解性、部分的分解性または非分解性材料であるべきか否か。
【0138】
以下を確定するための、シグナル生成剤をコーティングとして完全にまたは部分的に組み込むためのインプラントの提供:
f)熱焼結プロセス、プラズマスプレー法、スパッタリング法などであって、コーティングに対するシグナル生成材料の組み込みが製造前または製造中に行われる方法によってコーティングを製造すべきか否か;
g)熱焼結プロセス、プラズマスプレー法、スパッタリング法などであって、コーティングに対するシグナル生成材料の組み込みが製造後に、コーティングが閉じたか多孔であり得る状態で行われる方法によって材料をコーティングすべきか否か;
h)化学または熱プロセスであって、提供された形態中でのシグナル生成材料の分解または部分的分解につながり、コーティングに対するシグナル生成材料の組み込みが製造前または製造中に行われるプロセスによってコーティングを製造すべきか否か;
i)熱処理のない化学プロセスであって、提供された形態中でのシグナル生成材料の分解または部分的分解につながり、コーティングに対するシグナル生成材料の組み込みが製造後に行われる、化学プロセスによって材料を製造すべきか否か;
j)f)〜i)またはそれらの所望の組み合わせが可能な、完全分解性、部分的分解性または非分解性材料であるべきか否か。
【0139】
本発明によると、本質的に非多孔性または非分解性インプラントを選択するには、インプラントをコーティングすることが好ましい。コーティングは、分解性または非分解性材料であって、シグナル生成剤および/または治療活性剤の組み込みが製造中または製造後に行われる材料から選択してもよい。当業者であれば、先行技術に応じた任意の所望のコーティング方法を選択することができる。熱コーティング法の場合は、熱的に安定なシグナル生成剤の選択が不可欠である。スプレーコーティング、ディップコーティングなどの非熱法の場合は、複数の可能性のある種類の調製物およびそれらの組み合わせから所望に応じて選択することができる。分解性コーティングを選択した場合、生物分解性タイプのコーティングが本質的に好ましい。コーティングは、例えば、混合物としてポリマーと共に形成されるか(この場合、シグナル生成剤は溶液、懸濁液、乳濁液、分散液、粉体および類似の形態で提供される)、またはポリマー製剤と共有結合したシグナル生成剤と共に形成される。最も好ましいのは、二官能、三官能または多官能のシグナル生成剤を有する分解性コーティングであり、最も好ましくは少なくとも1つの治療剤と組み合わされる。
【0140】
さらなる好ましい実施形態では、移植可能デバイスまたはその一部、例えばデバイス上のコーティングは、多孔性材料であって、分解性であるか否かにかかわらず、シグナル生成剤が組み込まれた多孔性材料(例えば、粒子の網状ネットワーク)を含む。この実施形態では、当該分野で公知の技術によってマトリクスに吸収できる治療活性剤を少なくとも1つ選択することが好ましい。上記当該分野で公知の技術によると、適切な溶剤を用いることにより、治療活性剤を含む溶液にデバイスを漬けるか、デバイスに該治療活性剤をスプレーすることができ、その後薬剤がマトリクスに組み込まれる。
【0141】
特定の実施形態では、シグナル生成剤は、複合材料のうち特に好ましい多孔性の無機、有機または無機−有機複合コーティング中で提供される。例えば、多孔性コーティングは、セラミックまたは金属ベースの材料を含んでもよいがこれに限られない。この場合、これらの材料は、生物分解性であってもよく、例えば、ヒドロキシルアパタイト、そのアナログ、誘導体または類似体、または分解性バイオガラス種などであるがこれらに限られない。これらの固有のシグナル生成材料を、画像形成シグナルの強化に関して同一の様式を有するか、特に好ましい他の様式のうちの1または複数を有する他のシグナル生成剤に組み込むことが好ましい。特にシグナル生成剤はナノ粒子から選択される。分解性コーティングには、生物分解性シグナル生成剤を選択することが好ましい。最も好ましいのは、シグナル生成剤、例えば非分解性または分解性無機、有機、または無機−有機複合体から選択することが好ましいがこれらに限られないシグナル生成剤からのコーティングである。この場合、これらの材料はポリマー形態、ナノまたはマイクロ形態、または金属ベースのナノ粒子という形態で提供される。分解性インプラントには好ましくは、インプラントと同一、同様、またはインプラントより短い分解時間を有する分解性シグナル生成コーティングが施される。本発明によると、非多孔性分解性インプラントのコーティングが特に好ましいのは、シグナル生成が主に正しい解剖学的位置を検証するという目的を満たすべきである場合、または分解、移植および周囲組織との相互作用のコースおよび治療制御にある程度量的に関連している場合であるが、これらに限られない。さらに、非多孔性および分解性インプラントのコーティングが特に好ましいのは、シグナル生成剤が材料複合体に組み込まれる場合に、インプラントの材料が材料特性に対するインプラントの機能を損なうときである。従って例えばステントなどの生物分解性インプラントであって生物分解性ポリマー(例えばPLA)を含むインプラントの場合、薬理学的に活性な物質などの異質の物質が用いられれば、インプラントの機能の機械的安定性は提供されない。分解性インプラントのシグナル生成コーティングは、コーティングという形態であって、シグナル生成剤が所望の形態(好ましくは、生物分解性ナノ粒子、リポソーム、ミセル、マイクロスフェアなど)で分解性ポリマーに埋められた形態で提供されるのが特に好ましい。特に好ましいのは、放射線不透過性シグナル特性を有する、または二官能、三官能、または多官能のシグナル生成剤を含むコーティングであり、治療剤を有するものが特に好ましい。
【0142】
特定の実施形態では、インプラントは生物適合性の本質的に非毒性の合金であって、腐食により分解する合金から調製される。例えば、マグネシウムまたは亜鉛ベースの合金であるがこれらに限られない。本発明によると、体内でこれらのインプラントが分解している間に材料から治療活性物質が放出された場合、別の活性成分を付加する必要はない。
【0143】
このように好ましい実施形態では、マグネシウムまたは亜鉛合金をベースにしたインプラントまたはその一部(例えばステント)であってそれ自体が治療活性剤を含むものが用いられる。なぜなら、ヒトまたは動物では、体液の分解によってその分解中にマグネシウムイオンが放出され、その結果H2、ヒロドキシルアパタイト、マグネシウムイオンの生理的に誘導された形成が起こるからである。これらの実施形態では、マグネシウムイオンの放出と入手可能性およびヒロドキシルアパタイトの形成は、当該分野で公知の生物学的効果を有する。
【0144】
好ましくは、インプラントまたはその一部は、インプラント構築材料自体またはコーティング中にマグネシウムおよび/または亜鉛を含む。これはインプラントに対して部分的または全体的に、ポリマーマトリクスまたはその他のコーティング材料中に埋められたマグネシウムおよび/または亜鉛粒子をコーティングすることにより達成される。これらの実施形態では、治療活性およびシグナル剤とインプラント材料との組み合わせは、シグナル剤、合金のコンポーネント、インプラントの一部、またはコーティングの一部としてのMgまたはZnの使用により構成される。
【0145】
さらに、このようなインプラントに生物分解性シグナル生成コーティングを施すことが好ましく、シグナル生成剤を施すことが特に好ましいがこれに限られない。上記シグナル生成剤は、直接的または間接的に分解性ポリマーにナノ粒子として組み込まれる。組み込まれる形態は、リポソーム、マイクロスフェア、マクロスフェアとして組み込まれるか、ミセルまたはポリマー内に被包されるか、ポリマーに共有結合するかである。上記シグナル生成剤として最も好ましいのは、二官能、三官能、または多官能シグナル生成剤であり、少なくとも1つの治療剤と共に提供されるのが特に好ましいがこれに限られない。さらに、このようなインプラントに生物分解性多孔性コーティング、例えばヒドロキシルアパタイト、その誘導体またはアナログ、またはバイオガラスを施すのが好ましい。この場合、生物適合性、好ましくはナノ形態の生物分解性シグナル生成剤が多孔性コーティングに組み込まれるか、任意の所望の形態の生物適合性または生物分解性シグナル生成剤、または両方を組み合わせたシグナル生成剤が多孔性マトリクスの中空スペースに組み込まれる。最も好ましくは、シグナル生成剤から選択された、ナノ形態粒子の分解性多孔性コーティングが提供され得る。この場合、このようなシグナル生成多孔性コーティングの中空スペースにはさらに任意の形態のシグナル生成剤を含めてもよい。さらに、好ましくは分解性ナノ形態粒子により形成されるシグナル生成剤の非多孔性分解性コーティングも可能である。
【0146】
本質的に非多孔性かつ本質的に非分解性のインプラントを選択する場合、本発明によると、インプラント材料の前駆体コンポーネントとしてシグナル生成剤を添加してもよい。先行技術に従ってインプラント製造用の熱的方法を選択する場合、シグナル生成剤の熱安定形態のシグナル生成剤が好ましい。金属ベースのインプラント材料の場合、出発材料の固有のシグナル生成特性に出発材料の様式から少なくとも1つの別のシグナル生成特性を与えるシグナル生成剤が好ましい。さらに、ポリマー材料またはポリマー複合体から形成された本質的に非多孔性かつ非分解性のインプラントの場合、以下の反応性コンポーネントに添加できるシグナル生成剤から選択することが好ましい:溶液、乳濁液、懸濁液、分散液、粉体などから形成されたコンポーネント、またはモノマー、ジマー、トリマー、オリゴマーまたはその他の、合成してポリマーにできるプレポリマー前駆体からの共有結合コンポーネント。さらに上記インプラントの場合、材料を上記から製造することが好ましい。ポリマー剤またはポリマー複合材料から形成された本質的に非多孔性かつ非分解性のインプラントの場合、シグナル生成特性、好ましくは二官能、三官能または多官能シグナル生成剤の特性を表す少なくとも1つの様式を提供することが好ましい。この場合、本発明による非多孔性かつ非分解性の材料またはインプラントは、材料複合体内に治療剤も標的基も含まない。
【0147】
非多孔性かつ非分解性のインプラントの場合、シグナル生成剤と反応するインプラント材料のコンポーネントを適切に仕上げた形態で提供すること、および仕上げたインプラントに追加のシグナル生成コーティングを施すことが特に好ましいといえる。
【0148】
本質的に非多孔性かつ非分解性のインプラントを選択する場合、本発明によると、インプラント材料の前駆体コンポーネントの一部としてシグナル生成剤を添加することができる。好ましいインプラント材料はポリマー、ポリマー複合体、分解性金属ベースの材料、その分解性複合体、天然のアパタイトに基づく材料、ヒドロキルシアパタイト、そのアナログおよび誘導体、骨代替物に適合する材料、またはバイオガラス種に基づく材料である。さらに、ポリマー材料またはポリマー複合材料から形成された本質的に非多孔性かつ本質的に分解性のインプラントの場合、以下の反応性コンポーネントに添加できるシグナル生成剤を選択することが好ましい:溶液、乳濁液、懸濁液、分散液、粉体などから形成されたコンポーネント、またはモノマー、ジマー、トリマー、オリゴマーまたはその他の、合成してポリマーにできるプレポリマー前駆体からの共有結合コンポーネント。さらに上記インプラントの場合、活性物質を上記から製造することが好ましい。WO04/064611とは対照的に、シグナル生成剤は生物分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド、その誘導体、混合物、またはコポリマー)に添加される。これらのポリマーはここでは放射線不透過性を有し、少なくとも1つの他の様式、または治療剤と組み合わされた少なくとも二官能性放射線不透過性、または少なくとも1つの非放射線不透過性様式を有することが好ましい。特に好ましいのは、1または複数の標的基および/または複数の治療剤と連結されたシグナル生成剤である。このことは、天然アパタイト、ヒドロキシルアパタイト、そのアナログおよび誘導体、匹敵する骨代替物またはバイオガラスなどに基づく材料の場合、さらに好ましい。非多孔性かつ分解性のインプラントの場合、適切な形態のインプラントの反応コンポーネントにシグナル生成剤を添加すること、および整形したインプラントに追加のシグナル生成コーティングを施すことが特に好ましいといえる。
【0149】
特定の実施形態では、インプラントは生物適合性の本質的に非毒性の合金であって、腐食により分解する合金から調製される。例えば、マグネシウムまたは亜鉛ベースの合金であるがこれらに限られない。インプラントが先行技術に従った熱的方法で製造される場合、熱安定に仕上げた形態のシグナル生成剤をこれらのインプラント材料の抽出コンポーネントに添加することが好ましい。放射線不透過性を有し、適切な形態で提供された二官能、三官能、および多官能のシグナル生成剤を有するシグナル生成剤が特に好ましい。最も好ましいのは、治療剤および/または標的基と連結されたシグナル生成剤である。
【0150】
非多孔性かつ分解性の材料の場合、適切な形態のインプラント材料の反応性コンポーネントにシグナル生成剤を添加し、整形インプラントに追加のシグナル生成コーティングを施こすことが好ましいといえる。
【0151】
本発明によると、多孔性で且つ本質的に非分解性または分解性のインプラントは、例えば上記のように、すでにその材料複合構造内にシグナル生成剤を含んでいる。多孔性インプラントには製造後にシグナル生成剤を提供することが特に好ましい。本発明によると、製造プロセスに従ったインプラントがすでに多孔性複合材料と有していることと、インプラントに多孔性コーティングが施されることとは区別される。多孔性材料構造を有するインプラントが好ましいが、本発明はこれに限られない。本発明による好ましい孔は、中間サイズが1 nm〜10 mm、特に好ましくは1 nm〜10 μm、最も好ましくは2 nm〜1μmの孔である。シグナル生成剤を充填することができる、十分に多孔性の表面を少なくとも1つ提供することが重要である。実際、この表面が後に形成されるか否か、多孔度が特定のインプラント製造プロセスによって提供されるか、開孔材料複合体が含まれるかが重要である。
【0152】
シグナル生成剤は、好ましくは溶液、懸濁液、分散液または乳濁液から、または当業者によって選択された添加剤(例えば界面活性剤、安定剤、流改善剤など)と共に多孔性コンポーネントに導入される。導入方法は、適切な方法であり、例えばディッピング法、スプレー法、注入法、および他の適切な先行技術による方法である。
【0153】
多孔性インプラントは任意の材料(例えば、ポリマー、ガラス、金属、合金、骨、石、セラミック、鉱物またはこれらの複合材料)から選択してもよいがこれらに限られない。これらが分解性か、非分解性か、部分的分解性かは重要でない。単官能のシグナル生成剤を提供することが好ましく、二官能または三官能のシグナル生成剤を提供することが最も好ましい。これらのシグナル生成剤が治療剤と連結していることが特に好ましい。
【0154】
別の特定の実施形態では、多孔性材料が、適切な形態のシグナル生成剤を導入することにより生成される。従って非分解性ポリマー、ポリマー複合体、セラミック、セラミック複合体、金属ベースの材料、金属ベースの複合体、またはこれらに類似の材料はすでに、充填剤の形態でシグナル生成材料を含んでおり、そのため、組成物全体の基本的材料マトリクスのコンポーネントとして作用する。従ってシグナル生成剤を、ポリマーに被包された形態、例えばミニまたはマイクロエマルジョンにより製造されたポリマーカプセル、ドロップまたはビーズという形態で提供することが特に好ましい。特にポリマーベースの材料の場合は、ポリマー、ミセル、リポソーム、マイクロスフェアに被包されたシグナル生成剤またはナノ粒子としてのシグナル生成剤を選択することが特に好ましい。このような移植可能医療デバイスは、脱水、分解、および充填剤と充填剤に含まれるシグナル生成剤および/または治療剤の放出により基本的材料が残存する場合、インビボで多孔性マトリクス構造を有する。
【0155】
本発明によると、材料の組成物または組み合わせにアジュバントまたは充填剤が添加される。アジュバントまたは充填剤材料は、シグナル生成剤または治療剤とインプラント材料との結合、および/または剤間の結合を可能にするために選択し得る。アジュバントおよび充填剤のさらなる目的は、物理的または化学的手段により組成物または組み合わせの材料結合を可能にすること、または弾性−機械的、化学的または生物学的特性を変更することを含み得る。特に、アジュバントおよび充填剤は上記のように、ミセル、マイクロスフェア、マクロスフェア、リポソーム、ナノカプセル、マイクロカプセル、マクロカプセル、マイクロバブルなど、または機能ユニットを、適切な官能基および化合物を付与することにより形成するために選択される。さらに、アジュバントおよび充填剤は、移植可能医療デバイスのコンポーネントとしての組成物を別のコンポーネントまたは移植可能デバイスの一部に、例えばコーティングという形態で付与するために選択される。
【0156】
従って、アジュバントは、ポリマー、非ポリマー、有機または無機、または複合材料により生成してもよい。弾性−機械特性の設定は、布または不織布形態の任意のサイズのカーボンファイバー、ポリマーファイバー、ガラスファイバー、またはその他のファイバを追加することにより行うことができる。
【0157】
シグナル生成剤および/または治療剤の放出を変更する、例えば遅らせるアジュバントを選択することが特に好ましい。当業者はこれを読めば、移植可能医療デバイスの目的および挿入位置に応じたアジュバントを選択する。組成物または組み合わせのコンポーネントとして分解性または非分解性材料が選択される。あるいは疎水性、親水性、これらの任意の所望の混合物、またはこのようなアジュバントの結晶、半結晶、または無定形の形態が選択される。
【0158】
部分的生物、分解性、または非分解性のデバイスからの放出については、例えば疎水性アジュバントと親水性アジュバントとを混合することにより、生理媒体の分解率を調整することができる。さらに、融点によって物質を選択することにより、結晶、半結晶または無定形相、または疎水性および親水性の混合物質のいずれが主に存在するかを調整することができる。これは例えば、標的生物の体温に近い、それよりも高いまたは低い融点を有するポリマーを選択することにより、従ってアジュバントの溶融度を選択することにより達成される。上記アジュバントは、例えばマトリクス、ミセル、マイクロスフェア、リポソーム、カプセル、または類似の構造体として存在し、それにより剤または医療デバイスの溶出、腐食、分解に関して設定される。本発明による別の可能性は、アジュバントの固形分含有率を調整し、例えばコーティングの厚みまたはマトリクスの容積を調整することにより所望の除去率、放出率または分解率に影響を与えることである。
【0159】
本発明のデバイスおよび方法の例としての実施形態では、移植可能医療デバイス、例えば金属ステント、ペースメーカー電極または人工心臓弁は、多孔性コーティングによってコーティングされる。多孔性コーティングは例えば熱分解性カーボンコーティングであり、DE 202004009060Uに記載されている。コーティングには上記のように、後に少なくとも1つのシグナル生成剤がロードされ、上記のように同時にまたは逐次的に、デバイスの使用意図に応じて選択された少なくとも1つの治療剤がロードされる。異なる剤をロードする順序は適宜選択してもよい。ローディングはスプレー、溶液の含浸、または任意の他の適切な方法で行うとよい。必要であれば、剤の放出率を制御するために、さらなるアジュバントまたはオーバーコーティングを付与してもよい。上記製造された移植可能デバイスからのシグナル生成剤および治療剤の平均放出率は、平衡化された塩溶液または任意の他の適切な媒体内において通常用いられるインビトロ試験によって決定してもよい。シグナル生成剤用の非侵襲性物理的検出方法と適宜組み合わされた濃度測定より、シグナル生成剤から得られるシグナル強度の単位量当たりの治療剤放出量に関する相関係数を決定することができる。これによりシグナル生成剤の検出により得られるシグナル強度に対する治療剤放出量を間接的に決定することが可能である。この方法により、放出された治療剤の量と領域分布を、単純な侵襲性物理的検出方法により正確にモニターすることが可能である。
【0160】
組成物または組み合わせの原理と例としての好ましい実施形態を説明するために、本発明を以下にさらに述べる。以下の実施形態は本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0161】
市販のX線不透明、非蛍光冠状ステント(Fortimedix Company、オランダ(KAON Stent))であって長さ18.5 mmでステンレス鋼316L製のステントを炭素−シリコン複合材料のコーティングで、DE 202004009060Uに従ってコーティングした。前駆体ポリマーとしてフェノキシ樹脂(Beckopox EP 401、UCB Company)を用いた。市販のAerosil R972(Degussa)のメチルエチルケトン分散液を調製した。ポリマーの固形分含有率は、0.75重量%であり、Aerosilの固形分含有率は0.25重量%であり、溶剤の固形分含有率は99重量%であった。前駆体溶液をポリマーフィルムとしての基板にスプレーし、周囲空気中で350℃の熱風を付与することにより軟化させ、その後ポリマーフィルムの粗重量を決定した。コーティングの表面重量は約2.53 g/m2であった。その後Nikon製蛍光顕微鏡を用いてサンプルの固有蛍光を調べた。粗コーティングは蛍光を有していなかった。その後DE 202004009060Uに従って市販の管型反応装置内でサンプルを熱処理した。熱処理は窒素雰囲気下で加熱・冷却のランプを1.3 K/分として行った。保持温度は300℃、保持時間は30分間とした。その後サンプルを、10 mlの50%エタノール溶液の超音波浴内で30℃で20分間処理し、洗浄し、市販の対流式オーブンで90℃で乾燥させた。重量分析によると、熱処理後約29%の収縮が見られ、ガラス様無定形炭素−シリコン複合層の表面重量は1.81 g/m2であった。走査電子顕微鏡による検査では、平均孔直径が約100 nmの多孔性層が見られた。蛍光顕微鏡による後の検査では、コーティングされた冠状ステントが緑領域と青領域で強い蛍光を示し、赤領域では弱い蛍光を示した。
【実施例2】
【0162】
実施例1と同様、市販のX線不透明、非蛍光冠状ステント(Fortimedix Company、オランダ(KAON Stent))であって長さ18.5 mmでステンレス鋼316L製のステントを炭素−シリコン複合材料のコーティングで、DE 202004009060Uに従ってコーティングした。赤領域の蛍光発光スペクトルを変更するために、前駆体の組成を変更した。前駆体ポリマーとして、フェノキシ樹脂(Beckopox EP 401、UCB Company)を用い、市販のAerosil R972(Degussa)のメチルエチルケトン分散液と組み合わせた。さらに、架橋剤としてイソホロンジイソシアネート(Sigma Aldrich Company)を導入した。ポリマーの固形分含有率は、0.55重量%であり、Aerosilの固形分含有率は0.25重量%であり、架橋剤の固形分含有率は0.2重量%であり、溶剤の固形分含有率は99重量%であった。前駆体溶液をポリマーフィルムとしての基板にスプレーし、周囲空気中で350℃の熱風を付与することにより軟化させ、その後ポリマーフィルムの粗重量を決定した。コーティングの表面重量は約2.20 g/m2であった。その後Nikon製蛍光顕微鏡を用いてサンプルの固有蛍光を調べた。粗コーティングは蛍光を有していなかった。その後DE 202004009060Uに従って市販の管型反応装置内でサンプルを熱処理した。熱処理は窒素雰囲気下で加熱・冷却のランプを1.3 K/分として行った。保持温度は300℃、保持時間は30分間とした。その後サンプルを、10 mlの50%エタノール溶液の超音波浴内で30℃で20分間処理し、洗浄し、市販の対流式オーブンで90℃で乾燥させた。重量分析によると、熱処理後約23%の収縮が見られ、ガラス様無定形炭素−シリコン複合層の表面重量は1.69 g/m2であった。走査電子顕微鏡による検査では、平均孔直径が約100 nmの多孔性層が見られた。蛍光顕微鏡による後の検査では、コーティングされた冠状ステントが緑領域と青領域で強い蛍光を示し、赤領域でも強い蛍光を示した。
【実施例3】
【0163】
実施例1および実施例2で製造した冠状ステントを活性剤で変更した。パクリタキセル(Sigma Aldrich)をモデル物質として用いた。パクリタキセルの濃度43 g/lのエタノール溶液を調製した。パクリタキセルの5 mlエタノール溶液に浸けることによる変更の前後に、サンプルの重量分析を行った。チャージは活性剤溶液中に10分間浸けることにより行った。質量の増加から全体のチャージを決定した。実施例1のサンプルでは0.766 g/m2がロードされていた。実施例のサンプルでは0.727 g/m2がロードされていた。60分間空気中で乾燥させた後、さらに蛍光顕微鏡で検査した。それによると、ロードしていない多孔性コーティングと同じ蛍光特性(強い緑と青の蛍光、実施例1のサンプルでは弱い赤の蛍光、実施例2のサンプルでは強い赤の蛍光)が示された。
【実施例4】
【0164】
市販のX線不透明、非蛍光冠状ステント(Fortimedix Company、オランダ(KAON Stent))であって長さ18.5 mmでステンレス鋼316L製のステント3つを炭素−炭素複合材料のコーティングで、DE 202004009060Uに従ってコーティングした。前駆体ポリマーとして、フェノキシ樹脂(Beckopox EP 401、UCB Company)を用いた。これより、市販のカーボンブラック(DegussaのPrintex alpha)とC60およびC70(FCC Company;商品名「Nanom-Mix」)のフラーレン混合物とを用いてメチルエチルケトン分散液を調製した。ポリマーの固形分含有率は、0.5重量%であり、カーボンブラックの固形分含有率は0.3重量%であり、フラーレン混合物の固形分含有率は0.2重量%であり、溶剤の固形分含有率は99重量%であった。前駆体溶液をポリマーフィルムとしての基板にスプレーし、周囲空気中で350℃の熱風を付与することにより軟化させ、その後ポリマーフィルムの粗重量を決定した。コーティングの表面重量は約2.5 g/m2であった。その後Nikon製蛍光顕微鏡を用いてサンプルの固有蛍光を調べた。粗コーティングは蛍光を有していなかった。その後DE 202004009060Uに従って市販の管型反応装置内でサンプルを熱処理した。熱処理は窒素雰囲気下で加熱・冷却のランプを1.3 K/分として行った。保持温度は300℃、保持時間は30分間とした。その後サンプルを、10 mlの50%エタノール溶液の超音波浴内で30℃で20分間処理し、洗浄し、市販の対流式オーブンで90℃で乾燥させた。重量分析によると、熱処理後約30%の収縮が見られ、ガラス様無定形炭素/熱分解性炭素複合コーティングの表面重量は1.75 g/m2であった。走査電子顕微鏡による検査では、平均孔直径が約1 μmであった。蛍光顕微鏡による後の検査では、コーティングの蛍光は見られなかった。
【0165】
活性剤をロードするために、まずDMSO(Mobitec Company)中のカルセイン-AM溶液1 mMをアセトンで1:1000に希釈し、カルセイン溶液0.5 mg、ポリ(DL-ラクチドコグリコリド) 20 mg、およびアセトン3 ml中のパクリタキセル2 mgを混合した。得られた溶液を、400 rpmで攪拌しながら10 ml/分の一定の流量で、0.05 M PBS緩衝液中の0.1%Poloxamer 188 (プルロニックF68)溶液に追加した。コロイド懸濁液をさらに3時間軽い真空中で攪拌し、溶媒を蒸発させ、その後14時間かけて完全真空中で完全に乾燥させた。被包されたパクリタキセルおよびインビボ蛍光マーカーと共に得られたナノ粒子をその後エタノール中で再懸濁した。固形分含有率の決定により、粒子含有溶液の濃度を得た。
【0166】
その後3つの冠状ステントにディッピングにより粒子をロードし、ロード後の重量を決定した。対流式オーブンで乾燥させた冠状ステントの平均ロード量は0.5 g/m2±0.05であった。その後、拡張したステントを6ウェルプレートに入れ、105細胞/mlでインキュベートし、培養液量5 mlのDMEM培地中のCOS-7細胞培養液(37.5℃、5%CO2)に3回通した。拡張直後、1、3、6、12、24、36日後、および2、3、4、5、7、9、12、15、21、30日後に、各ケースの培養液量を得た。放出量をHPLCで決定し、各ケースの培地を入れ替えた。さらに、蛍光顕微鏡でサンプルを検査し、付着細胞の緑領域蛍光を調べた。Luciaソフトウェア(Nikon Company)を用いて、各ケースの0.5μmの領域を、蛍光強度の平均色強度の密度測定により決定した。最高密度は30日後に観察され、時間に応じて変化するカルセイン-AMの放出率(パーセント)に相関する蛍光強度の値を決定した。
【0167】
図1のグラフは、測定値を集めたものであり、被包ナノ粒子に吸収されたパクリタキセルの、冠状ステントからの放出と、カルセイン-AMの蛍光色インビボ活性との相関関係を示す。35日の期間の後、サンプルを新しい培地容器に移し、新鮮な細胞懸濁液でインキュベートした。培地中でパクリタキセルを識別することはできず、細胞培地も蛍光色を示さなかった。
【0168】
本発明の好ましい実施形態を詳細に述べてきたが、請求の範囲によって定義される本発明は上記の特定の詳細によって限定されるものではなく、本発明の思想または範囲から逸脱することなく多くの改変が可能であることが理解される。
【0169】
本発明の好ましい実施形態を詳細に述べてきたが、請求の範囲によって定義される本発明は上記の特定の詳細によって限定されるものではなく、本発明の思想または範囲から逸脱することなく多くの改変が可能であることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】図1は、被包されたナノ粒子に吸収された活性物質という形態のパクリタキセルの、冠状ステントからの放出と、本発明の好ましい実施形態によるシグナル生成剤カルセイン-AMの蛍光色のインビボ活性との相関関係を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移植可能医療デバイスで用いるための組み合わせであって、
a)少なくとも1つのシグナル生成剤であって、物理的、化学的および/または生物学的測定法または検証法において検出可能シグナルにつながるシグナル生成剤と、
b)移植可能医療デバイスおよび/または移植可能医学デバイスの少なくとも1つのコンポーネントを製造するための少なくとも1つの材料と、
c)少なくとも1つの治療活性剤であって、動物またはヒトの生体内において直接的または間接的に治療機能を果たす治療活性剤と、
を含む組み合わせ。
【請求項2】
前記治療活性剤が、動物またはヒトの生体内において、前記移植可能医療デバイスまたは移植可能医療デバイスのコンポーネントから放出され得る、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項3】
前記シグナル生成剤がシグナル生成機能に加えて少なくとも第2の機能を有する、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項4】
前記シグナル生成剤が、物理的、化学的または生物学的刺激または生理学的に調節されたインビボ変化のないシグナル生成特性を有する、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項5】
前記シグナル生成剤が、物理的、化学的または生物学的刺激を介してシグナル生成特性を獲得する、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項6】
前記シグナル生成剤が、物理的、化学的または生物学的、または生理学的に調節されたインビボ変化を介してシグナル生成特性を獲得する、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項7】
移植可能医療デバイスを製造する材料が生物学分解性材料を含む、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項8】
移植可能医療デバイスを製造する材料が非生物学分解性材料を含む、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項9】
移植可能医療デバイスを製造する材料が非生物学分解性材料と生物学分解性材料との組み合わせを含む、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項10】
前記第2の機能またはその他の機能が少なくとも1つの治療活性剤の機能である、請求項3に記載の組み合わせ。
【請求項11】
前記第2の機能またはその他の機能が少なくとも1つの標的基の機能を含む、請求項3に記載の組み合わせ。
【請求項12】
前記シグナル生成機能に加えて、少なくとも1つの治療活性剤の機能と少なくとも1つの標的基の機能とが前記組み合わせに含まれる、請求項3に記載の組み合わせ。
【請求項13】
前記シグナル生成剤が、互いに共有結合した第1のユニットおよび少なくとも1つの第2のユニットを含み、前記第1のユニットがシグナル生成機能を有し、前記第2のユニットまたはさらなるユニットがその他の機能を有する、上記請求項のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項14】
前記シグナル生成剤が、互いに非共有結合した第1のユニットおよび少なくとも1つの第2のユニットを含み、前記第1のユニットがシグナル生成機能を有し、前記第2のユニットまたはさらなるユニットがその他の機能を有する、上記請求項のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項15】
前記第2のユニットまたはさらなるユニットの機能が、少なくとも1つの治療活性剤の機能である、請求項13または14に記載の組み合わせ。
【請求項16】
前記第2のユニットまたはさらなるユニットの機能が、少なくとも1つの標的基の機能である、請求項13または14に記載の組み合わせ。
【請求項17】
前記第2のユニットまたはさらなるユニットの機能が、少なくとも1つの治療活性剤の機能および少なくとも1つの標的基の機能である、請求項13または14に記載の組み合わせ。
【請求項18】
前記組み合わせが、第2のシグナル生成剤を含み、前記第2のシグナル生成剤が、第1のシグナル生成剤を本質的に検出不可能な測定法または検証法によって検出可能である、上記請求項のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項19】
前記移植可能医療デバイスが、少なくとも1つのシグナル生成剤の局部分布において濃度グラジエントを有する領域を含む、上記請求項のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項20】
前記移植可能医療デバイスが第1および第2のコーティング層を含み、前記第1の層における前記少なくとも1つのシグナル生成剤の濃度が、前記第2のコーティング層における濃度と異なる、上記請求項のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項21】
少なくとも1つのアジュバントを含む、上記請求項のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項22】
前記アジュバントがポリマーから選択される、請求項21に記載の組み合わせ。
【請求項23】
前記アジュバントが非ポリマー材料から選択される、請求項21に記載の組み合わせ。
【請求項24】
前記アジュバントが無機材料から選択される、請求項21に記載の組み合わせ。
【請求項25】
前記アジュバントが有機材料から選択される、請求項21に記載の組み合わせ。
【請求項26】
前記アジュバントが無機−有機複合材料から選択される、請求項21に記載の組み合わせ。
【請求項27】
前記アジュバントが、有機、無機、無機−有機複合体、ポリマー、非ポリマーアジュバントの所望の混合物を含む、請求項21に記載の組み合わせ。
【請求項28】
前記アジュバントが生物分解性である、上記請求項のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項29】
前記アジュバントが非生物分解性である、上記請求項のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項30】
前記アジュバントが部分的生物分解性である、上記請求項のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項31】
前記アジュバントが部分的生物分解性であるか、または非生物分解性である材料、生物分解性材料、および/または部分的生物分解性である材料の所望の混合物を含む、上記請求項のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項32】
アジュバントを含む、例えば前記デバイスが生理液に曝された場合および/またはヒトまたは動物の生体に移植されている場合に、少なくとも1つの治療活性剤および/または少なくとも1つのシグナル生成剤の放出の制御を可能にする遅延要素を含む、上記請求項のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項33】
物理的、化学的および/または生物学的測定法または検証法において直接的または間接的に検出可能なシグナルにつながる第1および第2のシグナル生成剤を含み、前記第2のシグナル生成剤が検出可能なシグナルにつながる方法において前記第1のシグナル生成剤が本質的に検出不可能である、上記請求項のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項34】
従来のX線法、コンピュータ断層撮影などのX線に基づく画像分割法、中性子透過断層撮影、磁気共鳴断層撮影などの高周波磁化、放射性核種に基づくその他の方法、例えばシンチグラフィー、単光子放射断層撮影(SPECT)、陽電子放出断層撮影(PET)、超音波に基づく方法または透視方法またはルミネセンスまたは蛍光に基づく方法、例えば脈管内蛍光分光法、ラマン分光法、蛍光発光分光法、電気インピーダンス分光法、色度測定法、光コヒーレンス断層撮影、または電子スピン共鳴法(ESR)、高周波(RF)法、マイクロ波レーザ法および類似の方法などの方法において、前記第1のシグナル生成剤が検出可能シグナルにつながる、請求項33に記載の組み合わせ。
【請求項35】
従来のX線法、コンピュータ断層撮影などのX線に基づく画像分割法、中性子透過断層撮影、磁気共鳴断層撮影などの高周波磁化、放射性核種に基づくその他の方法、例えばシンチグラフィー、単光子放射断層撮影(SPECT)、陽電子放出断層撮影(PET)、超音波に基づく方法または透視方法またはルミネセンスまたは蛍光に基づく方法、例えば脈管内蛍光分光法、ラマン分光法、蛍光発光分光法、電気インピーダンス分光法、色度測定法、光コヒーレンス断層撮影、または電子スピン共鳴法(ESR)、高周波(RF)法、マイクロ波レーザ法および類似の方法などの方法において、前記第2のシグナル生成剤が検出可能シグナルにつながる、請求項33または34に記載の組み合わせ。
【請求項36】
前記第1および第2のシグナル生成剤のいずれか一方または両方が、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属酸窒化物、金属カルボニトリド、金属オキシカーバイド、金属酸窒化物、金属オキシカルボニトリド、金属水素化物、金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、無機または有機金属塩、例えば、原子数57〜83のランタニド基または原子数21〜29、42または44の遷移金属からの塩およびキレート、金属ポリマー、メタロセン、およびその他の有機金属化合物、例えばフタロシアニンとの金属錯体の群から選択される、請求項33から35のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項37】
前記第1および第2のシグナル生成剤のいずれか一方または両方が、磁性材料および/または半導体材料または化合物の群、例えば、常磁性、反磁性、超常磁性、フェリ磁性または強磁性特性を有する磁性材料および/または第II-VI属、第III-V属または第IV属の半導体材料であって、ガンマ線からマイクロ波までの波長範囲の照射に対する吸収特性、または照射を行う特性を有する半導体材料の群から選択される、請求項33から35のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項38】
前記第1および/または第2のシグナル生成剤が、イオン性および非イオン性ハロゲン化剤の群、例えば、3-アセチルアミノ-2,4-6-トリヨード安息香酸、3,5-ジアセトアミド-2,4,6-トリヨード安息香酸、2,4,6-トリヨード-3,5-ジプロピオンアミド安息香酸, 3-アセチルアミノ-5-((アセチルアミノ)メチル)-2,4,6-トリヨード安息香酸、3-アセチルアミノ-5-(アセチルメチルアミノ)-2,4,6-トリヨード安息香酸、5-アセトアミド-2,4,6-トリヨード-N-((メチルカルバモイル)メチル)イソフタルアミド酸、5-(2-メトキシアセトアミド)-2,4,6- トリヨード-N-[2-ヒドロキシ-1-(メチルカルバモイル)-エチル]-イソフタルアミド酸、5-アセトアミド-2,4,6-トリヨード-N-メチルイソフタルアミド酸、5-アセトアミド-2,4,6-トリヨード-N-(2-ヒドロキシエチル)イソフタルアミド酸、2-[[2,4,6-トリヨード-3[(1-オキソブチル)アミノ]フェニル]メチル]ブチル酸、β-(3-アミノ-2,4,6-トリヨードフェニル)-α-エチルプロピオン酸、またはイオパミドール、イオトロラン、イオデシモール、イオジキサノール、イオグルコール、イオグルコミド、イオグルアミド、イオメプロール、イオペントールなどから選択される、請求項33から35のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項39】
前記第1および第2のシグナル生成剤のいずれか一方または両方が、炭素種の群、例えばカーバイド、フラーレン、特にフラーレン−金属錯体、内包フラーレンであって希土類、例えばセリウム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、またはホルミウムを含む内包フラーレン、またはハロゲン化フラーレンから選択される、請求項33から35のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項40】
前記第1または第2のシグナル生成剤が、陰イオン性および/または陽イオン性脂質の群、例えばハロゲン化陰イオン性または陽イオン性脂質から選択される、請求項33から35のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項41】
前記第1または第2のシグナル生成剤が、必要に応じてマイクロバブルまたはマイクロスフェアに含まれる、気体またはインビボ気体形成物質の群、例えば空気、窒素、水素またはアルカン、またはハロゲン化炭化水素ガス、例えば塩化メチル、ペルフルオロアセトン、ペルフルオロブタンなどから選択される、請求項33から35のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項42】
前記第1および第2のシグナル生成剤のいずれか一方または両方が、前記シグナル生成剤のインビボ形成または濃厚化を直接的または間接的に誘導する組み換えまたは非組み換え核酸、タンパク質、ペプチドまたはポリペプチドの群、例えば、シグナル生成剤発現をコードする配列を含む核酸、例えば、金属−タンパク質錯体、好ましくはジカルボキシレートタンパク質、ラクトフェリンまたはフェリチン、または生理学的に入手可能なシグナル生成剤の濃厚化および/またはホメオスタシスを調節する組み換えまたは非組み換え核酸、タンパク質、ペプチドまたはポリペプチドの群、例えば鉄調節タンパク質(IRP)、トランスフェリン受容体、赤血球5-アミノレブリネートシンターゼから選択される、請求項33から35のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項43】
前記第1および第2のシグナル生成剤のいずれか一方または両方が、ポリマー性および/または非ポリマー性ナノまたはマイクロ粒子、好ましくは平均粒径2 nm〜20 μm、特に好ましくは平均粒径2 nm〜5 μmのポリマー性および/または非ポリマー性ナノまたはマイクロ粒子という形態で提供される、請求項36から42のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項44】
前記第1および第2のシグナル生成剤のいずれか一方または両方が、ミクロスフェア、マクロスフェア、ミセルまたはリポソームという形態で提供されるか、またはポリマー性シェルに被包されている、請求項36から43のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項45】
前記第1および第2のシグナル生成剤のいずれか一方または両方が、生物学的ベクター、例えばトランスフェクションベクター、例えばウイルス粒子またはウイルス、好ましくはアデノウイルス、アデノウイルス関連ウイルス、単純ヘルペスウイルス、レトロウイルス、アルファウイルス、ポックスウイルス、アレナウイルス、ワクシニアウイルス、インフルエンザウイルスまたはポリオウイルスという形態で提供される、請求項36から42のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項46】
前記第1および第2のシグナル生成剤のいずれか一方または両方が、シグナル生成剤をコードする配列を備えた組み換え核酸を含む細胞、細胞培養液、組織化した細胞培養液、組織、所望の種の器官および非ヒト生物を含むシグナル生成剤またはベクターという形態から選択される、請求項36から42のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項47】
前記第1および第2のシグナル生成剤のいずれか一方または両方が、溶液、懸濁液、乳濁液または分散液、固体材料、またはこれらの混合物という形態で提供される、請求項36から46のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項48】
前記第1のシグナル生成剤が第2のシグナル生成剤と共有結合している、請求項33から35のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項49】
前記第1のシグナル生成剤が第2のシグナル生成剤と非共有結合している、請求項33から35のいずれか1つに記載の組み合わせ。
【請求項50】
請求項1から49のいずれか1つに記載の組み合わせを含む、移植可能医療デバイスまたは移植可能医療デバイスのコンポーネント、特にコーティング。
【請求項51】
請求項1から49のいずれか1つに記載の、少なくとも1つのシグナル生成剤と少なくとも1つの治療活性剤とを含む、移植可能医療デバイスまたはそのコンポーネント。
【請求項52】
前記移植可能医療デバイスまたはそのコンポーネントが、医療技術で適用される画像形成方法の少なくとも1つにおいては表示不可能である材料から形成される、請求項50または51に記載のデバイスまたはコンポーネント。
【請求項53】
前記材料が、1または複数のポリマー、例えば、ポリウレタン、コラーゲン、アルブミン、ゼラチン、ヒアルロン酸、 デンプン、セルロース(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースフタレート)、カゼイン、デキストラン、ポリサッカリド、フィブリノーゲン、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(アルキルカルボネート)、ポリ(オルトエステル)、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリジオキサノン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(タルトロン酸)、ポリ無水酸、ポリホスファゼン、ポリ(アミノ酸)、またはコポリマーまたはポリマーのいずれかの混合物のうちの1または複数のポリマーを含む、請求項52に記載のデバイスまたはコンポーネント。
【請求項54】
前記材料が、例えばセラミック、ガラス、金属、合金、骨、石または鉱物、またはこれらの混合物から選択された1または複数の非ポリマー材料を含む、請求項52に記載のデバイスまたはコンポーネント。
【請求項55】
前記材料が、1または複数の非ポリマー材料およびポリマー材料の所望の混合物を含む、請求項52に記載のデバイスまたはコンポーネント。
【請求項56】
前記材料が有機材料、無機材料または有機−無機混合複合材料を含む、請求項52に記載のデバイスまたはコンポーネント。
【請求項57】
マグネシウムおよび/または亜鉛を含む、請求項51に記載のデバイスまたはコンポーネント。
【請求項58】
ステントである、請求項57に記載のデバイス。
【請求項59】
前記ステントが、マグネシウムおよび/または亜鉛粒子、またはマグネシウムおよび/または亜鉛を含む合金粒子を含むコーティングによって少なくとも部分的にコーティングされている、請求項58に記載のデバイス。
【請求項60】
前記ステントまたはその一部が、マグネシウムおよび/または亜鉛またはこれらの金属のいずれかの合金を含む、請求項58に記載のデバイス。
【請求項61】
治療活性剤をロード可能な多孔性網状ネットワーク内にシグナル生成剤を含む、請求項50から60のいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項62】
前記移植可能医療デバイスまたは前記移植可能医療デバイスのコンポーネントの製造、特にこれらのデバイスのコーティングにおける、請求項1から49のいずれか1つに記載の組み合わせの使用。
【請求項63】
完全分解性または部分的分解性の移植可能医療デバイスまたはその完全分解性または部分的分解性のコンポーネントからの活性剤の放出度を決定する方法であって、前記デバイスは、物理的、化学的および/または生物学的測定法または検証法、特に撮像法において検出可能シグナルに直接的または間接的につながる少なくとも1つのシグナル生成剤と、ヒトまたは動物生体において放出される少なくとも1つの治療活性剤とを含み、前記デバイスは、ヒトまたは動物生体に挿入された後に分解すると、前記シグナル生成剤と共に前記治療活性剤を少なくとも部分的に放出し、その結果、非侵襲性撮像法を用いて前記放出されたシグナル生成剤を検出することにより前記治療活性剤の放出度が決定できる、方法。
【請求項64】
非分解性の移植可能医療デバイスまたはそのコンポーネントからの活性剤の放出度を決定する方法であって、前記デバイスは、物理的、化学的および/または生物学的測定法または検証法、特に撮像法において検出可能シグナルに直接的または間接的につながる少なくとも1つのシグナル生成剤と、ヒトまたは動物生体において放出される少なくとも1つの治療活性剤とを含み、前記デバイスは、ヒトまたは動物生体に挿入された後、前記シグナル生成剤と共に前記治療活性剤を少なくとも部分的に放出し、その結果、非侵襲性撮像法を用いて前記放出されたシグナル生成剤を検出することにより前記治療活性剤の放出度が決定できる、方法。
【請求項65】
前記移植可能医療デバイスまたはそのコンポーネントが、請求項1から49のいずれか1つに記載の組み合わせを含む、請求項63または64に記載の方法。
【請求項66】
前記少なくとも1つのシグナル生成剤が前記少なくとも1つの治療活性剤と共有結合または非共有結合している、請求項63から65のいずれか1つに記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−526282(P2008−526282A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548723(P2007−548723)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013732
【国際公開番号】WO2006/069677
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(507221243)シンベンション アーゲー (9)
【Fターム(参考)】