説明

シリコーンオイル用ゲル化剤、及びこれを配合する化粧料

【課題】シリコーンオイルに対して、優れた増粘・ゲル化能を有し、高温安定性が良好で、官能を悪化させることもない、シリコーンオイル用ゲル化剤を提供することであり、これを配合する皮膚化粧料、メーク化粧料毛髪化粧料、及び口唇化粧料を提供する。
【解決手段】
(1)グリセリン及び/又は水酸基価から算出した平均重合度nが2〜15のポリグリセリンの1.0モルに対して、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを(n+2)×0.1モル以上3.0モル未満で付加したアルキレンオキサイド化合物。
(2)炭素数8〜22の脂肪酸であり、その1.0モル中の炭素数18〜22の直鎖飽和脂肪酸が0.7モル以上である脂肪酸。
上記成分(1)及び(2)から成るエステル化反応生成物であり、成分(1)の1.0モルに対して成分(2)が(n+2)×0.5モル以上であるシリコーンオイル用ゲル化剤、並びにこれを配合する化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーンオイル用ゲル化剤及びこれを配合する皮膚化粧料、メーク化粧料、毛髪化粧料、及び口唇化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧品用油剤の一種であるシリコーンオイルは、無色・無臭で化学的にも安定であり、べたつきが少なく、なめらかで軽い感触である為、クリーム、乳液、日焼け止め化粧料等の皮膚化粧料、ファンデーション、マスカラ、アイシャドー等のメーク化粧料、シャンプー、リンス、染毛剤、スタイリング剤等の毛髪化粧料、口紅、リップグロス等の口唇化粧料等、幅広い用途の化粧料に配合されている。
【0003】
中でも、環状シリコーンオイルや、低粘性のシリコーンオイル等は、非常にさっぱりとした感触であることから、特に幅広く用いられている。しかしながら、これらのシリコーンオイルを用いた化粧料は、安定性の保持が困難となる場合が多い。その為、安定性を向上させる為にシリコーンオイルを増粘・ゲル化させることが可能なシリコーンオイル用ゲル化剤の開発が求められている。
【0004】
そこで、特許文献1及び2に、シリコーンオイルを配合した安定性の良好な化粧料が提案されている。このものは、安定性向上の為に無水ケイ酸、疎水化シリカや、糖類や糖アルコール、無機塩類の配合が必須である為、前者ではノビが重くなったり、後者ではべたつきが生じる等、官能面上で不充分である。また、水が必須成分である為、口紅等の無水系の化粧料には応用が出来ない等の問題があった。
【0005】
また、特許文献3では、部分架橋型ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン重合物と、有機チタネート処理微粒子金属酸化物、シリコーン油から成る化粧料に、特定の油剤とイヌリン脂肪酸エステルとを配合し、安定性を向上させる方法が提案されている。これは、日焼け止め化粧料に限定した効果であり、日焼止め化粧料以外の、微粒子金属酸化物を含有しない化粧料には応用できず、更には高温での安定性保持が困難である等の問題があった。また、イヌリン脂肪酸エステルは、特定の油剤と組み合わせた場合には優れたゲル化能を発揮するが、シリコーンオイルに対する増粘・ゲル化能については充分ではなく、シリコーンオイルを主体として、他の油剤を配合しない、よりさっぱりとした仕上がりが求められる場合には不向きであり、幅広い化粧品分野で使用するには困難であった。
【0006】
特許文献4記載のHLB3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルと、炭素数20以上の脂肪酸と多価アルコールとのエステルを組み合わせた増粘固化剤については、シリコーンオイルの1つである環状シリコーンオイルの増粘固化が可能であるが、高温下では環状シリコーンオイルの湧き出しが有る等、高温安定性面で不充分なものであった。
【0007】
上記の理由より、シリコーンオイルに対して、優れた増粘・ゲル化能を有し、高温安定性が良好で、官能を悪化させることもない、シリコーンオイル用ゲル化剤の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3242155号公報
【特許文献2】特許第3242156号公報
【特許文献3】特開2009−191033号公報
【特許文献4】特開2002−220317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、シリコーンオイルに対して、優れた増粘・ゲル化能を有し、高温安定性が良好で、官能を悪化させることもない、シリコーンオイル用ゲル化剤を提供することであり、これを配合する皮膚化粧料、メーク化粧料毛髪化粧料、及び口唇化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、特定のアルキレンオキサイド化合物と特定の脂肪酸とを、特定の比率でエステル化反応し得られたエステル化反応生成物であるシリコーンオイル用ゲル化剤が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明は、
(1)グリセリン及び/又は水酸基価から算出した平均重合度nが2〜15のポリグリセリンの1.0モルに対して、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを(n+2)×0.1モル以上3.0モル未満で付加したポリオキシアルキレンオキサイド化合物。
(2)炭素数8〜22の脂肪酸であり、その1.0モル中の炭素数18〜22の直鎖飽和脂肪酸が0.7モル以上である脂肪酸。
上記成分(1)及び(2)から成るエステル化反応生成物であり、成分(1)の1.0モルに対して成分(2)が(n+2)×0.5モル以上であるシリコーンオイル用ゲル化剤、及びそれを配合する化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のシリコーンオイル用ゲル化剤は、シリコーンオイルに対して、優れた増粘・ゲル化能を有し、高温安定性が良好で、官能を悪化させることもない、シリコーンオイル用ゲル化剤であり、これを配合する皮膚化粧料、メーク化粧料、毛髪化粧料、及び口唇化粧料は、ノビが軽く、塗布時のべたつき感が無く、更には高温安定性も良好なものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
【0014】
本発明のシリコーンオイル用ゲル化剤に使用する、(1)グリセリン及び/又は水酸基価から算出した平均重合度nが2〜15のポリグリセリンと、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド化合物に用いるグリセリン及び/又は水酸基価から算出した平均重合度nが2〜15のポリグリセリンとしては、特に限定はなく、化粧品原料として用いられるものであれば良い。例えば、グリセリンは、パーム油等の植物油脂をケン化分解し、その後単離・精製して得られる化粧品グレードのものである。また、ポリグリセリンとしては、グリセリンを原料とし、脱水縮合反応して得ることが出来るポリグリセリンであり、例えばジグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等が挙げられる。これらの内、水酸基価から算出した平均重合度nが2〜10のポリグリセリンが好ましい。より好ましくは、水酸基価から算出した平均重合度が2〜6のポリグリセリンである。平均重合度が15を超えると、それを用いたアルキレンオキサイド化合物と脂肪酸とのエステル化反応が困難となる。
【0015】
前記平均重合度nとは、水酸基価から算出したものであり、以下(i)式により算出する。また、(i)式中の水酸基価は「基準油脂物性試験法」(日本油化学協会制定)に準拠し測定する。具体的には、試料1gを無水酢酸・ピリジン溶液によりアセチル化する時、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウム(KOH)のmg数で表され、以下(ii)式で求められる。
平均重合度=(112.2×103−18×水酸基価)/(74×水酸基価−56.11×103)・・・(i)
水酸基価=(a−b)×28.05/試料の採取量(g)・・・(ii)
a:空試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:本試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
【0016】
本発明のシリコーンオイル用ゲル化剤に使用する、(1)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられ、中でもエチレンオキサイドは、ゲル化物の高温安定性の面で好ましい。
【0017】
上記アルキレンオキサイドは、グリセリン及び/又は水酸基価から算出した平均重合度nが2〜15のポリグリセリンの1.0モルに対して、(n+2)×0.1モル以上3.0モル未満、好ましくは(n+2)×0.1〜2.0モルで付加する。アルキレンオキサイドの付加モル数がこの範囲以外では、シリコーンオイルとの相溶性が悪化する為、ゲル化能が低下し、好ましくない。
【0018】
本発明のシリコーンオイル用ゲル化剤に使用する、(2)炭素数8〜22の脂肪酸としては、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リシノレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、イソアラキジン酸、ベヘン酸、エルカ酸等が挙げられ、上記脂肪酸1.0モル中、炭素数18〜22の直鎖飽和脂肪酸が0.7モル以上である脂肪酸を用いる。炭素数18〜22の直鎖飽和脂肪酸としては、特に限定は無く、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が挙げられ、この中の一種または二種以上を使用する。
【0019】
上記、炭素数8〜22の脂肪酸であり、その1.0モル中の炭素数18〜22の直鎖飽和脂肪酸が0.7モル以上である脂肪酸を用いる。炭素数18〜22の直鎖飽和脂肪酸が0.7モル未満の脂肪酸を用いた場合は目的とする増粘・ゲル化能が発揮できず本発明の目的を達成することが出来ない。
【0020】
本発明のシリコーンオイル用ゲル化剤は、上記成分(1)及び(2)から成るエステル化反応生成物であり、成分(1)の1.0モルに対して成分(2)が(n+2)×0.5モル以上、好ましくは(n+2)×0.75モル以上である。0.5モル未満では目的とする増粘・ゲル化能が発揮できず本発明の目的を達成することが出来ない。
【0021】
本発明のシリコーンオイル用ゲル化剤は、一般的な製造方法により得られる。例えば、アルキレンオキサイド化合物は、グリセリン及びポリグリセリンをアルカリ触媒存在下、アルキレンオキサイドを付加して得ることが出来る。また、このアルキレンオキサイド化合物と脂肪酸とは、アルカリ触媒存在下でエステル化反応し、シリコーンオイル用ゲル化剤を得ることが出来る。
【0022】
本発明のシリコーンオイル用ゲル化剤は、皮膚化粧料、メーク化粧料、毛髪化粧料、及び口唇化粧料等へ配合されて、その化粧料中に含まれるシリコーンオイルを増粘・ゲル化する。官能を悪化させることなく、化粧料の粘度や硬さを適度にし、温度安定性も向上させる。化粧料への配合は、通常、化粧品の各成分と混合することにより行われる。
【0023】
また、本発明のシリコーンオイル用ゲル化剤により、増粘・ゲル化されるシリコーンオイルとしては、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シリコーンオイル、トリメチルシロキシケイ酸、架橋型メチルポリシロキサン等のシリコーン被膜形成剤、アミノプロピルジメチコン、アルキルメチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー、(ジメチルシロキサン/メチルセチルオキシシロキサン)コポリマー、シメチコン、ステアリルジメチコン、セチルジメチコンシリコン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジフェニルジメチコン、フェニルトリメチコン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン等のシリコーンオイル類が挙げられる。
【0024】
又、本発明のシリコーンオイル用ゲル化剤を配合する化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧品に配合される成分、例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、パラフィン、プリスタン、α−オレフィンオリゴマー、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン等の炭化水素類、アボガド油、アマニン油、アルモンド油、オリブ油、カカオ脂、カロット油、キューカンバー油、ククイナッツ油、グレープシード油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シア脂、ダイズ油、茶油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ハトムギ油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、ラッカセイ油、ローズヒップ油、ツバキ油、サザンカ油、ナタネ油、ハトムギ油、ホホバ油、水添ホホバ油、ヤシ硬化油、チョウジ油、ラベンダー油、ローズマリー油、テレビン油、ユーカリ油等の植物油脂類、オレンジラフィー油、牛脂、馬油、タートル油、ミンク油、卵黄油、ラノリン等の動物油類、ミツロウ、鯨ロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、モンタンロウ、ライスワックス、ラノリンワックス、セラック等が挙げられる。また、炭化水素系のワックス類としては、例えば、固形パラフィン、セレシン、オゾケライト、エチレン・プロピレンコポリマー、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、イボタロウ、モクロウ等のロウ類、アラキドン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、エルカ酸、オレイン酸、ステアリン酸、セバシン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸、カプリン酸、カプリル酸、ヒドロキシステアリン酸、サフラワー油脂肪酸、コメヌカ脂肪酸、トール油脂肪酸、ヤシ脂肪酸等の脂肪酸類、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、オクチルアルコール、デシルアルコール、アラキルアルコール、ヘキシルデカノール、キミルアルコール、β−グルカン、コレステロール、シトステロール、ジヒドロコレステロール、ステアリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、フィトステロール、ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ラノリンアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール類、アボカド油脂肪酸エチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、酢酸ラノリン、安息香酸アルキル、イソステアリルグリセリル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸バチル、イソステアリン酸フィトステリル、オクタン酸アルキル、エチレングリコール脂肪酸エステル、エルカ酸オクチルドデシル、オクタン酸ペンタエリスリット、オクタン酸セチル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸セテアリル、オクタン酸ステアリル、オクタン酸イソステアリル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、ジオレイン酸エチレングリコール、トリオレイン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、カプリン酸セチル、カプリル酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、エチルヘキサン酸セチル、エルカ酸オクチルドデシル、エチルヘキサン酸セトステアリル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジグリセリンイソパルミチン酸エステルセバシン酸縮合物、ジステアリン酸グリコール、(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリルリチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸コレステリル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸バチル、ステアリン酸ブチル、セチルイソオクタネート、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、ダイマー酸ジイソプロピル、炭酸ジアルキル、ヒドロキシ脂肪酸コレステリル、イソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、ノナイソステアリン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオクタノイン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸トリデシル、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、ペラルゴン酸オクチル、イソペラルゴン酸オクチル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソセチル、イソパルミチン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソステアリル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸コレステリル、リノール酸トコフェロール、リシノール酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ポリプロピレングリコールオリゴエステル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、ヘプタン酸ステアリル等のエステル油類、エリスリトール、グリセリン、キシリトール、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ソルビット、トレハロース、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリン、ポリプロピレン、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリグリセリン、マルチトール、マンニトール等の多価アルコール類、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のムコ多糖類、アラビアガム、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、エチルセルロース、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、カラギーナン、カラヤガム、カルボキシメチルセルローススナトリウム、カンテン、キサンタンガム、グアーガム、クインスシードガム、合成ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、(ビニルピロリドン/VA)コポリマー、ジェランガム、シクロデキストリン、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、セルロース誘導体、タマリンドガム、デキストリン脂肪酸エステル、デンプン類、デンプンリン酸Na、トラガントガム、ヒドロキシエチルセルロース、ペクチン、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ローカストビーンガム、ロジン酸ペンタエリスリット、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸ブチル共重合体、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン・スチレン共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アルキル、アクリル酸アミド・スチレン共重合体、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、メタクリロイルエチルジメチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体等の増粘・被膜形成剤類、フッ素変性オルガノポリシロキサン、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸石鹸、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、N−アシルタウリン塩等のアニオン性界面活性剤類、酢酸ベタイン型両性活性剤、イミダゾリン型両性活性剤、アルキルアミドプロピルベタイン型両性活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタイン型両性活性剤、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン型両性活性剤、アルキルジメチルアミンオキサイド等の両性活性剤類、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルポリグリコシド、アルキルアルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤、アルキルアンモニウム塩、アミドアミン等のカチオン性界面活性剤、水素添加大豆リン脂質、水酸化大豆リン脂質等のレシチン誘導体類、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光揮性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、でんぷん、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106
号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素、酸化チタン被覆ガラス末等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末のラメ剤、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホフホン酸塩、ポリリン酸塩、グルコン酸等のキレート剤類、安息香酸塩、感光素、パラベン類、フェノキシエタノール、サリチル酸、ソルビン酸、イソプロピルメチルフェノール等の防腐剤類、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、アスコルビン酸塩誘導体等の美白剤、ビタミン類、紫外線吸収剤類、アミノ酸類、グリチルリチン酸誘導体類、植物エキス類、香料、精油、pH調整剤等を配合する事が出来る。
【実施例】
【0025】
以下、実施例及び比較例により発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0026】
<合成実施例1>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、グリセリンのエチレンオキサイド(付加モル数3)付加物75.3g、ベヘン酸342.9g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら250℃で反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、シリコーンオイル用ゲル化剤400.0gを得た。
【0027】
<合成実施例2>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、ジグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度が2のポリグリセリン)のエチレンオキサイド(付加モル数1)付加物58.8g、ベヘン酸266.6g、オレイン酸94.8g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら240℃で反応後、250℃に昇温し反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、シリコーンオイル用ゲル化剤400.0gを得た。
【0028】
<合成実施例3>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、ジグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度2のポリグリセリン)のエチレンオキサイド(付加モル数4)付加物138.7g、ベヘン酸275.9g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら250℃で反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、シリコーンオイル用ゲル化剤400.0gを得た。
【0029】
<合成実施例4>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、ジグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度2のポリグリセリン)のエチレンオキサイド(付加モル数4)付加物83.9g、ベヘン酸333.7g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら250℃で反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、シリコーンオイル用ゲル化剤400.0gを得た。
【0030】
<合成実施例5>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、ジグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度2のポリグリセリン)のエチレンオキサイド(付加モル数4)付加物86.9g、ベヘン酸311.1g、ラウリン酸20.3g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら200℃で反応後、250℃に昇温し反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、シリコーンオイル用ゲル化剤400.0gを得た。
【0031】
<合成実施例6>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、ジグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度2のポリグリセリン)のエチレンオキサイド(付加モル数12)付加物157.9g、ステアリン酸258.5g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら245℃で反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、シリコーンオイル用ゲル化剤400.0gを得た。
【0032】
<合成実施例7>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、テトラグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度4のポリグリセリン)のエチレンオキサイド(付加モル数6)付加物108.1g、ステアリン酸286.6g、ミリスチン酸25.6g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら240℃で反応後、250℃に昇温し反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、シリコーンオイル用ゲル化剤400.0gを得た。
【0033】
<合成実施例8>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、ヘキサグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度6のポリグリセリン)のエチレンオキサイド(付加モル数8)付加物123.1g、ベヘン酸277.6g、カプリン酸15.6g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら200℃で反応後、250℃に昇温し反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、シリコーンオイル用ゲル化剤400.0gを得た。
【0034】
<合成実施例9>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、デカグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度10のポリグリセリン)のエチレンオキサイド(付加モル数9)付加物99.7g、ベヘン酸301.3g、エルカ酸15.8g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら250℃で反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、シリコーンオイル用ゲル化剤400.0gを得た。
【0035】
<合成比較例1>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、グリセリン34.8g、ベヘン酸385.6g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら250℃で反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
【0036】
<合成比較例2>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、グリセリンのエチレンオキサイド(付加モル数15)付加物280.8g、ステアリン酸127.3g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら245℃で反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
【0037】
<合成比較例3>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、ジグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度2のポリグリセリン)51.6g、ベヘン酸296.1g、ラウリン酸74.7g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら200℃で反応後、250℃に昇温し反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
【0038】
<合成比較例4>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、ジグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度2のポリグリセリン)のエチレンオキサイド(付加モル数4)付加物105.3g、オレイン酸243.0g、ラウリン酸73.9g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら200℃で反応後、245℃に昇温し反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
【0039】
<合成比較例5>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、ジグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度2のポリグリセリン)のエチレンオキサイド(付加モル数20)付加物203.7g、ベヘン酸132.4g、ラウリン酸77.9g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら200℃で反応後、250℃に昇温し反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
【0040】
<合成比較例6>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、テトラグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度4のポリグリセリン)のエチレンオキサイド(付加モル数30)付加物183.3g、ベヘン酸228.8g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら250℃で反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
【0041】
<合成比較例7>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、ヘキサグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度6のポリグリセリン)のエチレンオキサイド(付加モル数8)付加物201.1g、ベヘン酸10.1g、イソステアリン酸202.1g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら250℃で反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
【0042】
<合成比較例8>
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、排気ラインを備えた反応器に、デカグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度10のポリグリセリン)171.7g、ミリスチン酸247.9g、水酸化ナトリウム0.12gを仕込み、一定量の窒素を吹き込み、かつ撹拌しながら240℃で反応を行った。酸価5以下を確認後、170℃まで冷却し、0.17gの85%リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
【0043】
<比較例1>
レオパールISK2(千葉製粉(株)製;ステアリン酸イヌリン)
【0044】
<比較例2>
ノムコートSG(日清オイリオ (株)製;ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサジカルボン酸グリセリル)
【0045】
[ゲル強度試験]
70mlのガラス瓶に、デカメチルシクロペンタシロキサン28.5gと合成実施例1〜9で得たシリコーンオイル用ゲル化剤、又は合成比較例1〜8で得たエステル化反応生成物及び比較例1〜2の市販の液状油ゲル化剤1.5gを秤量し、80℃で加熱溶解後、20℃の恒温槽で2時間放冷し、試料を調製した。調製した試料を、ハンディ圧縮試験機(KES−G5、カトーテック(株)製)にて測定し、以下の基準に従い評価した。その結果を、表1及び2に示す。
(基 準)
◎:200g以上
○:100g以上、200g未満
△:100g未満
×:ゲル化しない
【0046】
[温度安定性評価]
50mlのガラス瓶に、デカメチルシクロペンタシロキサン19.0gと合成実施例1〜9で得たシリコーンオイル用ゲル化剤、又は合成比較例1〜8で得たエステル化反応生成物及び比較例1〜2の市販の液状油ゲル化剤1.0gを秤量し、80℃で加熱溶解後、20℃の恒温槽で斜めに傾けた状態で2時間放冷し、試料を調製した。調製した試料を、40℃の恒温槽へ直立状態で放置し、ゲル化物からのオイルの湧き出しの有無を目視にて観察し、以下の基準に従い評価した。その結果を、表1及び2に示す。
(基 準)
○:オイルの湧き出しがない。
×:オイルが湧き吐き出している、又はゲルが崩壊している。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
表1、2に示した通り、合成実施例1〜9のシリコーンオイル用ゲル化剤は、高いゲル強度を示し、得られたゲルの温度安定性も良好であった。これに対し、合成比較例1〜8のエステル化反応生成物及び比較例1〜2の市販の液状油ゲル化剤は、表2に示した通り、ゲル強度が弱かったり、ゲル化しないものもあった。更に温度安定性も不充分なものであった。
【0050】
(配合実施例1、配合比較例1〜2)
(処 方) リップグロス
(重量%)
合成実施例1のシリコーンオイル用ゲル化剤(配合実施例1)、
合成比較例1のエステル化反応生成物(配合比較例1)または
比較例1の市販の液状油ゲル化剤(配合比較例2) 10.00
ジメチルポリシロキサン(100cst) 50.00
重質流動イソパラフィン(4000mPa・s) 30.00
ワセリン 8.50
赤色104号 1.00
黄色4号 0.50
【0051】
上記処方の全成分を80℃にて加温して均一溶解し脱泡後、容器に流し込み急冷してリップグロスを得た。
【0052】
上記、配合実施例1、配合比較例1〜2で得たリップグロスを、健常女性パネラー20名の唇に対し、0.03gを均一に塗布し、その使用性(垂れ落ちにくさ)、塗布時のノビの軽さ、及び塗布後のベタツキを官能評価した。評価項目毎に、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:良好、5:非常に良好、の評価基準で評価し、20名の平均点を算出した。その結果を、以下の基準に基づき表3に示す。
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
【0053】
表3に示した通り、合成実施例1のシリコーンオイル用ゲル化剤を配合したリップグロス(配合実施例1)は、適度な粘性である為垂れ落ちが無く、使用性が良好で、塗布時のノビの軽さ及び塗布後のベタツキについての官能評価の結果も良好であった。これに対し、合成比較例1のエステル化反応生成物を配合したリップグロス(配合比較例1)及び比較例1の市販の液状油ゲル化剤を配合したリップグロス(配合比較例2)は、粘性が低い為、垂れ落ちてしまい、使用性が悪いものであった。
【0054】
(配合実施例2、配合比較例3〜4)
(処 方) 油性ファンデーション(スティックタイプ)
A相 (重量%)
合成実施例2のシリコーンオイル用ゲル化剤(配合実施例2)、
合成比較例2のエステル化反応生成物(配合比較例3)、または
比較例2の市販の液状油ゲル化剤(配合比較例4) 10.00
デカメチルシクロペンタシロキサン 18.00
リンゴ酸ジイソステアリル 5.00
オレイン酸フィトステリル 5.00
精製水 1.50
B相
カオリン 23.00
酸化チタン 23.00
ベンガラ 1.00
黄酸化鉄 3.00
黒酸化鉄 0.50
【0055】
A相を85℃にて加温して均一溶解した後、これに予め混合して粉砕したB相を攪拌しながら添加し、コロイドミルで磨砕分散する。脱気後70℃で型に流し込み急冷して、油性ファンデーションを得た。
【0056】
上記、配合実施例2、配合比較例3〜4で得た油性ファンデーションを、健常女性パネラー20名の顔全体に対し、0.2gを均一に塗布し、その使用性(塗り易さ)、塗布時のノビの軽さ及び塗布後のベタツキを官能評価した。評価項目毎に、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:良好、5:非常に良好、の評価基準で評価し、20名の平均点を算出した。その結果を、以下の基準に基づき表3に示す。
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
【0057】
表3に示した通り、合成実施例2のシリコーンオイル用ゲル化剤を配合した油性ファンデーション(配合実施例2)は、スティック状であり、皮膚に直接塗布し易い、使用性が良好なものであり、塗布時のノビの軽さ及び塗布後のベタツキについての官能評価の結果も良好であった。これに対し、合成比較例2のエステル化反応生成物を配合した油性ファンデーション(配合比較例3)は、スティックが柔らかい為、皮膚に直接塗布し難く、使用性の劣るものであった。また、比較例2の市販の液状油ゲル化剤を配合した場合(配合比較例4)は、スティック状の油性ファンデーションを得る事が出来なかった。
【0058】
(配合実施例3、配合比較例5〜6)
(処 方) ヘアワックス
A相 (重量%)
合成実施例3のシリコーンオイル用ゲル化剤(配合実施例3)、
合成比較例3のエステル化反応生成物(配合比較例5)、または
比較例1の市販の液状油ゲル化剤(配合比較例6) 5.00
デカメチルシクロペンタシロキサン 31.50
B相
ジグリセリン 5.00
モノミリスチン酸デカグリセリル 2.00
2%カルボキシビニルポリマー水溶液 5.00
10%水酸化カリウム水溶液 0.50
精製水 51.00
【0059】
A相及びB相を80℃にて溶解し、B相にA相を徐々に添加していき乳化した。乳化後、35℃まで冷却してヘアワックスを得た。

【0060】
上記、配合実施例3、配合比較例5〜6で得たヘアワックスを、健常女性パネラー20名の毛髪に対し、2.0gを均一に塗布し、その使用性(手に取り易さ)、塗布時のノビの軽さ及び塗布後のベタツキを官能評価した。評価項目毎に、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:良好、5:非常に良好、の評価基準で評価し、20名の平均点を算出した。その結果を、以下の基準に基づき表3に示す。
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
【0061】
表3に示した通り、合成実施例3のシリコーンオイル用ゲル化剤を配合したヘアワックス(配合実施例3)は、適度な粘性である為、手に取り易く使用性が良好で、塗布時のノビの軽さ及び塗布後のベタツキについての官能評価の結果も良好であった。これに対し、合成比較例3のエステル化反応生成物を配合したヘアワックス(配合比較例5)、及び比較例1の市販の液状油ゲル化剤を配合したヘアワックス(配合比較例6)は、柔らかく、手に取った後毛髪に延ばす前に垂れ落ちてしまい、使用性の劣るものであった。
【0062】
(配合実施例4、配合比較例7〜8)
(処 方) エモリエントクリーム
A相 (重量%)
合成実施例4のシリコーンオイル用ゲル化剤(配合実施例4)、
合成比較例4のエステル化反応生成物(配合比較例7)、または
比較例2の市販の液状油ゲル化剤(配合比較例8) 3.00
デカメチルシクロペンタシロキサン 15.00
ミリスチン酸イソプロピル 8.00
モノオレイン酸グリセリル 2.00
B相
モノラウリン酸デカグリセリル 2.00
グリセリン 5.00
1.3ブチレングリコール 5.00
N−ステアロイルーL―グルタミン酸Na 0.20
精製水 59.80
【0063】
A相及びB相を80℃にて溶解し、B相にA相を徐々に添加していき乳化した。乳化後、35℃まで冷却してエモリエントクリームを得た。
【0064】
上記、配合実施例4、配合比較例7〜8で得たエモリエントクリームを、健常女性パネラー20名の顔全体に対し、0.5gを均一に塗布し、その使用性(手に取り易さ)、塗布時のノビの軽さ及び塗布後のベタツキを官能評価した。評価項目毎に、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:良好、5:非常に良好、の評価基準で評価し、20名の平均点を算出した。その結果を、以下の基準に基づき表3に示す。
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
【0065】
表3に示した通り、合成実施例4のシリコーンオイル用ゲル化剤を配合したエモリエントクリーム(配合実施例4)は、適度な粘性である為、手に取り易く使用性が良好で、塗布時のノビの軽さ及び塗布後のベタツキについての官能評価の結果も良好であった。これに対し、合成比較例4のエステル化反応生成物を配合した場合(配合比較例7)、及び比較例2の市販の液状油ゲル化剤を配合した場合(配合比較例8)は、粘性が無く、乳液状のものしか得られず、使用性が悪いものであった。また、一夜放置後には分離していた。
【0066】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明のシリコーンオイル用ゲル化剤を化粧品に配合することにより、のびが軽く、塗布時のベタツキ感が抑制されたメイク化粧料、毛髪化粧料、皮膚化粧料、口唇化粧料等の化粧料を提供出来る。本発明の化粧品油剤用ゲル化剤は、アイブロウペンシル、アイブロウパウダー、ペンシルアイライナー、リキッドアイライナー、マスカラ、マスカラ下地、まつげ美容液、アイシャドウ、口紅、リップグロス、リップライナー、チーク、ネイルカラー、ネイルケア化粧品、リムーバー、下地化粧料、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、スティックファンデーション、コンシーラー、ルースパウダー、プレストパウダー等のメイク化粧料、固形石けん、洗顔フォーム、洗顔パウダー、クレンジングオイル、ミルククレンジング、クレンジングジェル、ポイントメイク落とし、化粧水、ジェル・美容液、乳液、クリーム、オイル、パック、マッサージ、ゴマージュ、ピーリング、アイケア化粧品、リップケア化粧品、ボディ洗浄料、入浴剤、ボディクリーム、ボディミルク、ボディローション、ハンドクリーム、ハンドミルク、ハンドローション等の皮膚化粧料、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント、ヘアカラー、パーマ液、ヘアスタイリング剤等の毛髪化粧料、口紅、リップグロス、リップライナー、リップクリーム、リップバーム、リップスティック等の口唇化粧料等、幅広い用途に利用が可能なものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)グリセリン及び/又は水酸基価から算出した平均重合度nが2〜15のポリグリセリンの1.0モルに対して、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを(n+2)×0.1モル以上3.0モル未満で付加したポリオキシアルキレンオキサイド化合物。
(2)炭素数8〜22の脂肪酸であり、その1.0モル中の炭素数18〜22の直鎖飽和脂肪酸が0.7モル以上である脂肪酸。
上記成分(1)及び(2)から成るエステル化反応生成物であり、成分(1)の1.0モルに対して成分(2)が(n+2)×0.5モル以上であるシリコーンオイル用ゲル化剤。
【請求項2】
請求項1記載のシリコーンオイル用ゲル化剤を配合する化粧料。

【公開番号】特開2011−93853(P2011−93853A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250560(P2009−250560)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(390028897)阪本薬品工業株式会社 (140)
【Fターム(参考)】