シンクライアント端末装置およびシンクライアントサーバ装置
【課題】画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、パスワード等の認証情報の管理と自動入力とをシンクライアント端末側で行えるようにする。
【解決手段】シンクライアント端末120は、シンクライアントサーバ110から受信した画面を表示する表示部121と、入力情報をシンクライアントサーバ110へ送信する入力部122と、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶する記憶部123と、シンクライアントサーバ110から受信した画面情報に特定の画像が含まれているかどうかを検出する検出部125と、検出された特定の画像に関連付けて記憶部123に記憶された特定の入力情報を入力部122を介してシンクライアントサーバ110へ送信する入力情報管理部126とを備える。
【解決手段】シンクライアント端末120は、シンクライアントサーバ110から受信した画面を表示する表示部121と、入力情報をシンクライアントサーバ110へ送信する入力部122と、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶する記憶部123と、シンクライアントサーバ110から受信した画面情報に特定の画像が含まれているかどうかを検出する検出部125と、検出された特定の画像に関連付けて記憶部123に記憶された特定の入力情報を入力部122を介してシンクライアントサーバ110へ送信する入力情報管理部126とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに対するユーザの入力作業を支援する機能に関し、特に画面転送型のシンクライアント端末に対するユーザの入力支援機能に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ端末を操作するユーザの入力を支援する機能は幾つか提案ないし実用化されているが、その一つに、ユーザIDやパスワードから構成される認証情報をユーザに代わって自動的に入力する認証情報自動入力機能がある。この種の機能を有するコンピュータ端末の一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された認証情報自動入力機能を有するコンピュータ端末においては、その端末上で稼動するアプリケーションが認証情報を要求するユーザ認証ウィンドウを画面に表示する。利用者がそのユーザ認証ウィンドウを自動入力対象として選択すると、コンピュータ端末に実装された認証情報設定手段が、そのユーザ認証ウィンドウを特定する情報として、それを発生させた実行プログラム名、ユーザ認証ウィンドウのタイトル、ユーザ認証ウィンドウに表示されているテキストを含む情報をウィンドウのプロパティ情報から抽出する。続いて認証情報設定手段は、それらウィンドウを特定する情報とそのユーザ認証ウィンドウに入力すべきものとしてユーザから入力された認証情報とを1組の設定情報としてICカードに記憶する。以後、コンピュータ端末に実装された認証データ自動入力手段は、新しいウィンドウが発生する毎に、そのウィンドウを発生させた実行プログラム名、ウィンドウのタイトル、表示テキストをそのウィンドウのプロパティ情報から取得して、ICカードに記憶されているユーザ認証ウィンドウを特定する情報と一致するかどうかを判定する。そして、一致した場合に、認証データ自動入力手段は、当該ユーザ認証ウィンドウに入力すべき認証情報をICカードから読み出し、そのウィンドウの対話入力インタフェースに入力することにより、認証情報の自動入力を実現する。
【0004】
特許文献1に記載されたコンピュータ端末は、端末上で全てのアプリケーションが動作する形態の端末である。これに対して近年、全てのアプリケーションをサーバ側で動作させて画面情報だけを端末に送り、端末側からサーバへはキーボードやマウスからの入力情報だけを送信する画面転送型のシンクライアントシステムが普及している。
【0005】
図20を参照すると、画面転送型のシンクライアントシステム1000は、シンクライアントサーバ1001とシンクライアント端末1002とがネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。
【0006】
シンクライアントサーバ1001は、CPU、メモリ、ハードディスク、通信アダプタ等のハードウェアと、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のソフトウェアとで構成され、機能的手段としてシンクライアントサーバ処理部1003を有している。シンクライアントサーバ処理部1003は、アプリケーションを実行した結果に従って生成した画面情報をシンクライアント端末1002へ送信し、シンクライアント端末1002から送信されてきたデータを受信してアプリケーションの実行を制御するといった機能を司る。
【0007】
他方、シンクライアント端末1002は、シンクライアントサーバ1001から送信されてきた画面情報を液晶ディスプレイ等の表示装置に表示する表示部1004と、キーボードやマウス等の入力装置から入力されたデータをシンクライアントサーバ処理部1003へ送信する入力部1005とを備えている。シンクライアント端末1002のユーザ1006は、表示部1004によってシンクライアント端末1002の画面に表示される情報を認識し、キーボード等を操作して入力部1005を通じてデータをシンクライアントサーバ処理部1003へ送信することにより、シンクライアントサーバ処理部1003上で実行されるアプリケーションを利用する。
【0008】
このような画面転送型のシンクライアントシステムにおいても、特許文献2に記載されるように、ユーザの認証を行うために認証情報の入力を求めるユーザ認証ウィンドウを端末に表示し、ユーザから認証情報の入力を行わせている。この場合の動作は概ね以下のようになる。
【0009】
まず、シンクライアントサーバ処理部1003は、アプリケーション等の要求元からユーザ1006の認証情報が要求されると、ユーザIDやパスワードの入力欄を未入力状態にしたユーザ認証ウィンドウを作成し、そのウィンドウ画像を含む画面情報をシンクライアント端末1002の表示部1004に送信する。シンクライアント端末1002の表示部1004は、受信した画面情報に基づいて端末画面を更新することにより、ユーザ認証ウィンドウを表示する。ユーザ1006は、画面に表示されたユーザ認証ウィンドウを認識し、ユーザIDおよびパスワードから構成される認証情報を入力部1005を通じてシンクライアントサーバ処理部1003へ送信する。
【0010】
シンクライアントサーバ処理部1003は、受信した認証情報を要求元へ送信すると同時に、ユーザIDおよびパスワードが入力された状態のユーザ認証ウィンドウを作成し、そのウィンドウ画像を含む画面情報をシンクライアント端末1002の表示部1004に送信する。表示部1004は、受信した画面情報に基づいて端末画面を更新することにより、ユーザ1006の入力したユーザIDおよびパスワードが入力された状態のユーザ認証ウィンドウを表示する。
【0011】
画面転送型のシンクライアントシステムにおいても、ユーザ1006の入力作業を支援することは重要である。そこで、特許文献1に記載された認証情報自動入力機能を画面転送型のシンクライアントシステムに適用することを考える。その場合、特許文献1に記載の認証情報自動入力機能では、発生したウィンドウが自動入力対象となるユーザ認証ウィンドウであるか否かの判定をウィンドウのプロパティ情報を参照して行うため、シンクライアントサーバ処理部1003で認証情報の管理と自動入力とを行う構成になる。
【0012】
具体的には、シンクライアントサーバ処理部1003において、ユーザ1006が自動入力対象に設定されたユーザ認証ウィンドウを特定する情報(そのウィンドウを発生した実行プログラム名、ウィンドウのタイトル、表示テキスト)とユーザ1006が過去に入力した認証情報(ユーザIDとパスワード)との組をメモリに保持して管理する。以後、シンクライアントサーバ処理部1003は、新たなウィンドウが発生する毎に、そのウィンドウを発生した実行プログラム名、ウィンドウのタイトル、表示テキストをそのウィンドウのプロパティ情報から取得してメモリ中の情報と比較し、自動入力対象に設定されているユーザ認証ウィンドウか否かを判定する。そして、自動入力対象に設定されているユーザ認証ウィンドウが発生したのであれば、該当する認証情報をメモリから読み出してユーザ認証ウィンドウに設定する。次に、シンクライアントサーバ処理部1003は、認証情報が入力された状態のユーザ認証ウィンドウを作成し、そのウィンドウ画像を含む画面情報をシンクライアント端末1002の表示部1004に送信する。表示部1002は、受信した画面情報に基づいて端末画面を更新することにより、認証情報が入力された状態のユーザ認証ウィンドウを表示する。
【0013】
【特許文献1】特開2003−186849号公報
【特許文献2】特開2007−233669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述した画面転送型のシンクライアントシステムでは、ユーザの認証情報の自動入力を行うためにシンクライアントサーバでパスワード等の認証情報の管理と自動入力を行っているため、ユーザは手元にあるシンクライアント端末で自分自身の認証情報の管理を行うことができない。そのため、シンクライアントサーバが不正アクセスを受けたり、管理者がパスワードファイルなど認証情報を記憶するファイルを覗き見したりすることで、パスワード等の認証情報が漏洩して、不正利用や情報の漏洩が発生する恐れがあった。
【0015】
本発明の目的は、画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、パスワード等の認証情報の管理と自動入力とを行うことが可能なシンクライアント端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のシンクライアント端末装置は、シンクライアントサーバから受信した画面を表示する表示手段と、入力情報を前記シンクライアントサーバへ送信する入力手段と、前記シンクライアントサーバとの間で事前に取り決めた特定の画像に関する情報に関連付けて特定の入力情報を記憶する記憶手段と、前記シンクライアントサーバから受信した画面情報に前記特定の画像が含まれているかどうかを検出する検出手段と、前記特定の画像が含まれていると検出された場合に前記特定の画像に関連付けて前記記憶手段に記憶された特定の入力情報を前記入力手段を介して前記シンクライアントサーバへ送信する入力情報管理手段とを備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、パスワードなど自動入力対象となる特定の入力情報の管理とその自動入力とをシンクライアント端末側で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[第1の実施の形態]
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステム100は、シンクライアントサーバ110とシンクライアント端末120とが図示しないネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。
【0019】
シンクライアントサーバ110は、CPU、メモリ、ハードディスク、通信アダプタ等のハードウェアと、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のソフトウェアとで構成され、機能的手段としてシンクライアントサーバ処理部111を有している。シンクライアントサーバ処理部111は、アプリケーションを実行した結果に従って生成した画面情報をシンクライアント端末120へ送信し、シンクライアント端末120から送信されてきたデータを受信してアプリケーションの実行を制御するといった機能を司る。
【0020】
本実施の形態の場合、シンクライアントサーバ110は、図示しないネットワークを介してWebサーバ130に接続されている。Webサーバ130は、シンクライアントサーバ110の要求に応じてコンテンツの提供を行っており、コンテンツ利用の際にユーザを認証する機能を有している。
【0021】
他方、シンクライアント端末120は、シンクライアントサーバ110から送信されてきた画面情報を液晶ディスプレイ等の表示装置140に表示する表示部121、キーボードやマウス等の入力装置150から入力されたデータをシンクライアントサーバ110へ送信する入力部122に加えて、記憶部123、登録部124、検出部125および入力情報管理部126を備えている。
【0022】
記憶部123は、半導体メモリ、磁気ディスク、ICカードなどの記憶手段であり、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶するために使用される。本実施の形態の場合、特定の画像の情報とそれに対応する特定の入力情報とは、一つは、ユーザ認証画面の情報と認証情報であり、もう一つはデータ入力画面の情報と入力データである。すなわち本実施の形態は、認証情報自動入力機能に加えて、入力データ自動入力機能をシンクライアント端末120に付加している。入力データ自動入力機能とは、データ入力画面に入力されたデータを記憶しておいて、同じデータ入力画面が出現した場合に同じ入力データを自動的に入力する機能のことである。
【0023】
記憶部123に記憶する特定の画像の情報は、その特定の画像そのものであっても良いし、その特定の画像の特徴量であっても良い。
【0024】
検出部125は、シンクライアントサーバ110から受信した画面情報に特定の画像が含まれているかどうかを検出する手段である。検出部125は、シンクライアントサーバ110から画面情報を受信する毎に、その画面情報から表示画面を生成し、表示画面中に、記憶部123に記憶されている特定の画像(本実施の形態の場合はユーザ認証画面、データ入力画面)と同一の画像が存在するかどうかを、パターンマッチング等の画像認識により検出する。検出部125は、特定の画像を検出した場合には、受信した画面情報を表示部121に送信すると同時に、検出した特定の画像の情報を入力情報管理部126へ送信する。他方、特定の画像を検出しなかった場合、検出部125は、受信した画面情報を表示部121に送信すると同時に、登録部124へ送信する。
【0025】
検出部125の処理の一例を図2に示す。図2を参照すると、検出部125は、シンクライアントサーバ110から画面情報を受信したかどうかを判定している(ステップS101)。画面情報を受信した場合、記憶部123にユーザ認証画面またはデータ入力画面が登録されているか否かを判定する(ステップS102、S103)。ユーザ認証画面もデータ入力画面も登録されていない場合には、今回受信した画面情報を表示部121と登録部124に送信し(ステップS104)、ステップS101の処理に戻る。
【0026】
記憶部123にユーザ認証画面またはデータ入力画面が登録されていた場合、検出部125は、画面情報中に同一のユーザ認証画面またはデータ入力画面が存在するかどうかをパターンマッチング等の手法で判定する(ステップS105、S106)。同一のユーザ認証画面またはデータ入力画面が画面情報中に存在しなければ、今回受信した画面情報を表示部121と登録部124に送信し(ステップS104)、ステップS101の処理に戻る。
【0027】
記憶部123に登録されているユーザ認証画面と同一のユーザ認証画面が画面情報中に存在していた場合、検出部125は、認証情報を自動入力中である旨のメッセージのイメージを画面情報に付加して表示部121に送信し(ステップS107)、検出したユーザ認証画面の情報を入力情報管理部126に送信する(ステップS108)。また、記憶部123に登録されているデータ入力画面と同一のデータ入力画面が画面情報中に存在していた場合、検出部125は、データを自動入力中である旨のメッセージのイメージを画面情報に付加して表示部121に送信し(ステップS109)、検出したデータ入力画面の情報を入力情報管理部126に送信する(ステップS110)。
【0028】
登録部124は、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶部123に格納する機能を有する。登録部124は、表示装置140の画面に表示されているユーザ認証画面に対してユーザが入力部122を通じて入力装置150から自動入力設定を指示した場合に、ユーザが入力装置150から入力した認証情報と前記ユーザ認証画面の情報とを関連付けて記憶部123に格納する。また、登録部124は、表示装置140の画面に表示されているデータ入力画面に対してユーザが入力部122を通じて入力装置150から自動入力設定を指示した場合に、ユーザが入力装置150から入力したデータと前記データ入力画面の情報とを関連付けて記憶部123に格納する。
【0029】
登録部124の処理の一例を図3に示す。図3を参照すると、登録部124は、入力部122を通じてユーザから認証情報の自動入力設定要求または入力データの自動入力設定要求があったかどうかを判定している(ステップS121、S122)。
【0030】
ユーザから認証情報の自動入力設定要求を受けた場合、登録部124は、検出部125から受信した画面情報からユーザ認証画面を検出する(ステップS123)。一般にユーザIDおよびパスワードの入力を促すユーザ認証画面の画像形態や表示される画面上の位置はある程度決まっているため、受信した画面情報に基づいて生成した表示画面中からユーザ認証画面を検出するのは比較的容易に行える。なお、ユーザ認証画面が表示されている画面上の位置をユーザに指示させ、その指示に従って登録部124がユーザ認証画面を切り出す等の方法を用いることもできる。次に登録部124は、ユーザが入力装置150から入力した認証情報を入力部122を介して受信し(ステップS124)、ユーザ認証画面と認証情報とを対応付けて記憶部123に格納する(ステップS125)。
【0031】
また登録部124は、ユーザから入力データの自動入力設定要求を受けた場合、検出部125から受信した画面情報からデータ入力画面を検出する(ステップS126)。一般にユーザの名前や住所などのデータの入力を促すデータ入力画面の画像形態や表示される画面上の位置はある程度決まっているため、受信した画面情報に基づいて生成した表示画面中からデータ入力画面を検出するのは比較的容易に行える。なお、データ入力画面が表示されている画面上の位置をユーザに指示させ、その指示に従って登録部124がデータ入力画面を切り出す等の方法を用いることもできる。次に登録部124は、ユーザが入力装置150から入力したデータを入力部122を介して受信し(ステップS127)、データ入力画面と入力データとを対応付けて記憶部123に格納する(ステップS128)。
【0032】
入力情報管理部126は、検出部125で検出された特定の画像に関連付けて記憶されている特定の情報を記憶部123から読み出し、入力部122を介してシンクライアントサーバ110へ送信する手段である。
【0033】
次に、シンクライアント端末120からシンクライアントサーバ110を通じてWebサーバ130を利用する際にWebサーバ130から要求されるユーザ認証とデータ入力とを例に挙げて、本実施の形態の動作を説明する。
【0034】
<ユーザ認証の自動入力設定動作>
まず、ユーザ認証の自動入力設定動作について説明する。
【0035】
シンクライアント端末120のユーザが、入力装置150上でWebサーバ130にサービスを要求するための操作を行うと、この操作に係る入力データは入力部122を通じてシンクライアントサーバ110のシンクライアントサーバ処理部111へ送信される。シンクライアントサーバ処理部111は、入力データを受信解析してWebサーバ130に対してサービスを要求する。
【0036】
Webサーバ130は、ユーザ認証のために、ユーザIDとパスワードをシンクライアントサーバ処理部111に要求する。
【0037】
シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザIDとパスワードの入力欄を空欄にしたユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。
【0038】
検出部125は、記憶部123にユーザ認証画面およびデータ入力画面が登録されていないので、受信した画面情報を表示部121と登録部124に送信する。
【0039】
表示部121は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置140に表示する。これにより、ユーザIDとパスワードの入力欄が空欄になったユーザ認証画面が表示装置140に表示され、シンクライアント端末120のユーザは、ユーザ認証が要求されていることを認識する。
【0040】
シンクライアント端末120のユーザが、このユーザ認証画面を自動入力設定の対象とする旨の指示を入力装置150から入力すると、この指示が入力部122を介して登録部124に入力される。登録部124は、この指示に従って、検出部125から受信した画面情報からユーザ認証画面を検出する。続いて、ユーザが認証情報(ユーザIDとパスワード)を入力装置150から入力すると、この認証情報が入力部122によりシンクライアントサーバ処理部111に送信されると共に、登録部124へ送信される。登録部124は、検出したユーザ認証画面の情報と受信した認証情報とを対応付けて記憶部123に格納する。これにより、例えば図5に示すようなユーザ認証画面の情報と認証情報との組が記憶部123に記憶されることになる。
【0041】
他方、シンクライアントサーバ処理部111は、シンクライアント端末120から受信した認証情報をWebサーバ130へ送信し、Webサーバ130はこの認証情報に基づいてユーザ認証を行う。また、シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザIDとパスワードが入力欄に設定された状態のユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。検出部125は、受信した画面情報を表示部121と登録部124へ送信し、表示部121は画面情報から表示画面を更新する。これにより、ユーザが入力したユーザIDおよびパスワードが入力された状態のユーザ認証画面が表示装置140に表示される。
【0042】
図4は、以上説明したユーザ認証の自動入力設定動作のシーケンスを示している。
【0043】
<データの自動入力設定動作>
次に、データの自動入力設定動作について説明する。
【0044】
ユーザ認証に成功したWebサーバ130がその後の処理の過程で、ユーザの名前と住所の入力をシンクライアントサーバ処理部111に要求すると、シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザの名前と住所の入力欄を空欄にしたデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。
【0045】
検出部125は、記憶部123に図5に示したようなユーザ認証画面が登録されているが、画面情報に含まれるデータ入力画面と一致しないので、受信した画面情報を表示部121と登録部124に送信する。
【0046】
表示部121は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置140に表示する。これにより、ユーザの名前と住所の入力欄が空欄になったデータ入力画面が表示装置140に表示され、シンクライアント端末120のユーザは、自身の名前と住所の入力が要求されていることを認識する。
【0047】
シンクライアント端末120のユーザが、このデータ入力画面を自動入力設定の対象とする旨の指示を入力装置150から入力すると、この指示が入力部122を介して登録部124に入力される。登録部124は、この指示に従って、検出部125から受信した画面情報からデータ入力画面を検出する。続いて、ユーザがデータ(ユーザの名前と住所)を入力装置150から入力すると、このデータが入力部122によりシンクライアントサーバ処理部111に送信されると共に、登録部124へ送信される。登録部124は、検出したデータ入力画面の情報と受信したデータとを対応付けて記憶部123に格納する。これにより、例えば図5に示すようなデータ入力画面の情報と入力データとの組が記憶部123に記憶されることになる。
【0048】
他方、シンクライアントサーバ処理部111は、シンクライアント端末120から受信したデータをWebサーバ130へ送信し、Webサーバ130はこのデータに基づいて処理を行う。また、シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザの氏名と住所が入力欄に設定された状態のデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。検出部125は、受信した画面情報を表示部121と登録部124へ送信し、表示部121は画面情報から表示画面を更新する。これにより、ユーザが入力したユーザの氏名と住所が入力された状態のデータ入力画面が表示装置140に表示される。
【0049】
図6は、以上説明したデータの自動入力設定動作のシーケンスを示している。
【0050】
<ユーザ認証情報の自動入力>
次に、ユーザ認証情報の自動入力動作について説明する。
【0051】
シンクライアント端末120のユーザが、入力装置150上でWebサーバ130にサービスを要求するための操作を行うと、この操作に係る入力データは入力部122を通じてシンクライアントサーバ110のシンクライアントサーバ処理部111へ送信される。シンクライアントサーバ処理部111は、入力データを受信解析してWebサーバ130に対してサービスを要求する。
【0052】
Webサーバ130は、ユーザ認証のために、ユーザIDとパスワードをシンクライアントサーバ処理部111に要求する。
【0053】
シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザIDとパスワードの入力欄を空欄にしたユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。
【0054】
検出部125は、記憶部123には図5に示したようなユーザ認証画面およびデータ入力画面の情報が登録されており、そのうちのユーザ認証画面が受信した画面情報中に含まれるユーザ認証画面と一致するので、認証情報を自動入力中である旨のメッセージを画面情報に付加して表示部121に送信すると同時に、検出したユーザ認証画面の情報を入力情報管理部126へ送信する。
【0055】
表示部121は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置140に表示する。これにより、ユーザIDとパスワードの入力欄が空欄になったユーザ認証画面と自動入力中である旨のメッセージが表示装置140に表示され、シンクライアント端末120のユーザは、ユーザ認証が要求されていること及び自動入力中であることを認識する。
【0056】
入力情報管理部126は、検出部125から受信したユーザ認証画面の情報をキーに記憶部123を検索して、対応する認証情報を取得し、入力部122へ送信する。入力部122は、受信した認証情報をシンクライアントサーバ処理部111に送信する。これにより、ユーザ認証画面に対してユーザが前回入力した認証情報と全く同じ認証情報が自動的にシンクライアント端末120からシンクライアントサーバ処理部111へ送信されることになる。
【0057】
シンクライアントサーバ処理部111は、シンクライアント端末120から受信した認証情報をWebサーバ130へ送信し、Webサーバ130はこの認証情報に基づいてユーザ認証を行う。また、シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザIDとパスワードが入力欄に設定された状態のユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。検出部125は、受信した画面情報を表示部121と登録部124へ送信し、表示部121は画面情報から表示画面を更新する。これにより、自動入力したユーザIDおよびパスワードが設定された状態のユーザ認証画面が表示装置140に表示される。
【0058】
図7は、以上説明したユーザ認証情報の自動入力動作のシーケンスを示している。
【0059】
<データの自動入力>
次に、データの自動入力動作について説明する。
【0060】
ユーザ認証に成功したWebサーバ130がその後の処理の過程で、ユーザの名前と住所の入力をシンクライアントサーバ処理部111に要求すると、シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザの名前と住所の入力欄を空欄にしたデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。
【0061】
検出部125は、記憶部123には図5に示したようなユーザ認証画面およびデータ入力画面の情報が登録されており、そのうちのデータ入力画面が受信した画面情報中に含まれるデータ入力画面と一致するので、入力データを自動入力中である旨のメッセージを画面情報に付加して表示部121に送信すると同時に、検出したデータ入力画面の情報を入力情報管理部126へ送信する。
【0062】
表示部121は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置140に表示する。これにより、ユーザの氏名と住所の入力欄が空欄になったデータ入力画面と自動入力中である旨のメッセージが表示装置140に表示され、シンクライアント端末120のユーザは、氏名と住所が要求されていること及び自動入力中であることを認識する。
【0063】
入力情報管理部126は、検出部125から受信したデータ入力画面の情報をキーに記憶部123を検索して、対応する入力データを取得し、入力部122へ送信する。入力部122は、受信した入力データをシンクライアントサーバ処理部111に送信する。これにより、データ入力画面に対してユーザが前回入力したデータと全く同じデータが自動的にシンクライアント端末120からシンクライアントサーバ処理部111へ送信されることになる。
【0064】
シンクライアントサーバ処理部111は、シンクライアント端末120から受信したデータをWebサーバ130へ送信し、Webサーバ130はこのデータに基づいて処理を行う。また、シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザの氏名と住所が入力欄に設定された状態のデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。検出部125は、受信した画面情報を表示部121と登録部124へ送信し、表示部121は画面情報から表示画面を更新する。これにより、ユーザが入力したユーザの氏名と住所が入力された状態のデータ入力画面が表示装置140に表示される。
【0065】
図8は、以上説明したデータの自動入力動作のシーケンスを示している。
【0066】
このように本実施の形態によれば、画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、ユーザIDなどで構成される認証情報の管理とその自動入力とをシンクライアント端末120側で行うことができる。その理由は、シンクライアント端末120において、シンクライアントサーバ110から送信されてくる画面情報から事前に設定されたユーザ認証画面を検出し、そのユーザ認証画面と関連付けて記憶してある認証情報をシンクライアントサーバ110へ送信するためである。
【0067】
このようにユーザの手元にあるシンクライアント端末120で安全にパスワード等の認証情報を管理できるので、ネットワーク上のシンクライアントサーバ110に認証情報を管理して自動入力する構成に比べて、サーバへの不正アクセスによるパスワード等の漏洩や管理者による盗み見等による不正を防止することができる。
【0068】
また本実施の形態によれば、画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、ユーザの氏名や住所などの個人情報の管理とその自動入力とをシンクライアント端末120側で行うことができる。その理由は、シンクライアント端末120において、シンクライアントサーバ110から送信されてくる画面情報から事前に設定されたデータ入力画面を検出し、そのデータ入力画面と関連付けて記憶してある入力データをシンクライアントサーバ110へ送信するためである。
【0069】
このようにユーザの手元にあるシンクライアント端末120で安全にユーザの氏名や住所等のデータを管理できるので、ネットワーク上のシンクライアントサーバ110にデータを管理して自動入力する構成に比べて、サーバへの不正アクセスによる個人情報等の漏洩や管理者による盗み見等による不正を防止することができる。
【0070】
また本実施の形態によれば、シンクライアントサーバ側に一切手を加える必要がない利点がある。
【0071】
[第2の実施の形態]
図9を参照すると、本発明の第2の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステム200は、シンクライアントサーバ210とシンクライアント端末220とが図示しないネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。また本実施の形態の場合、シンクライアントサーバ210は、図示しないネットワークを介してWebサーバ230に接続されている。Webサーバ230は、シンクライアントサーバ210の要求に応じてコンテンツの提供を行っており、コンテンツ利用の際にユーザを認証する機能を有している。
【0072】
シンクライアントサーバ210は、CPU、メモリ、ハードディスク、通信アダプタ等のハードウェアと、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のソフトウェアとで構成され、記憶部212を有すると共に、機能的手段としてシンクライアントサーバ処理部211および転送画面処理情報入力部213を有している。
【0073】
記憶部212は、半導体メモリ、磁気ディスク等で構成され、ユーザ認証要求およびデータ入力要求に関連付けて、ユーザ認証画面およびデータ入力画面の代わりに使用するものとしてシンクライアント端末220との間で事前に取り決めた代替画面の情報を記憶する。
【0074】
代替画面は、シンクライアント端末220の画面の表示領域内に挿入される画像であっても良いし、画面の表示領域外に挿入される画像であっても良い。一般に画面の表示領域外には画像は挿入されていないので、若し表示領域外に画像が挿入されていれば、その画像は代替画面となる。従って、表示領域外に1つの代替画面の画像だけを挿入する場合には、その画像のパターンは任意で良い。また、表示領域外に2つ以上の代替画面の画像を挿入する場合には、これら2つ以上の代替画面の画像どうしで区別できるパターンであれば良い。
【0075】
他方、画面の表示領域内に代替画面の画像を挿入する場合には、代替画像はシンクライアント端末220の画面に表示される各種の画像と区別できるユニークな画像であることが必要である。ユニークな画像の例として、シンクライアント端末220の画面には滅多に表示されないパターンを有する図形やマークが考えられる。また、端末画面全体を覆う一色(例えば通常の表示では現れないような色)の画像を代替画面の画像として使うことも可能である。以下の説明では、代替画面は、シンクライアント端末220の画面の表示領域内に挿入された特殊なマークであるものとする。
【0076】
シンクライアントサーバ処理部211は、アプリケーションを実行した結果に従って生成した画面情報を転送画面処理情報入力部213を通じてシンクライアント端末220へ送信し、シンクライアント端末220から送信されてきたデータを受信してアプリケーションの実行を制御するといった機能を司る。またシンクライアントサーバ処理部211は、Webサーバ230からユーザ認証要求、データ入力要求があった場合に、ユーザ認証画面、データ入力画面の画面情報にWebサーバ230からのユーザ認証要求、データ入力要求を添えて転送画面処理情報入力部213へ送信する。さらに、シンクライアントサーバ処理部211は、シンクライアント端末220からの通知に従って、記憶部212へのユーザ認証要求またはデータ入力要求に対応する代替画面の情報の登録を行う。
【0077】
転送画面処理情報入力部213は、シンクライアントサーバ処理部211から受信した画面情報をシンクライアント端末220へ送信する処理を行う。この際、転送画面処理情報入力部213は、シンクライアントサーバ処理部211から、ユーザ認証要求またはデータ入力要求が出された場合には、この要求に関連付けられた代替画面が記憶部212に記憶されているか否かを調べる。そして、要求に関連付けられた代替画面が記憶部212に記憶されていなければ、シンクライアントサーバ処理部211から受信した画面情報をそのままシンクライアント端末220へ送信し、記憶されていれば代替画面を画面情報に埋め込んでシンクライアント端末220へ送信する。
【0078】
転送画面処理情報入力部213の処理の一例を図10に示す。図10を参照すると、転送画面処理情報入力部213は、シンクライアントサーバ処理部211から画面情報を受信したかどうかを判定している(ステップS201)。画面情報を受信した場合、同時にユーザ認証要求またはデータ入力要求を受信したかどうかを判定し(ステップS202、S203)、何れの要求も受信していない場合は、受信した画面情報をそのままシンクライアント端末220へ送信する(ステップS206)。
【0079】
しかし、ユーザ認証要求を受信した場合には、受信したユーザ認証要求と同一のユーザ認証要求が記憶部212に自動入力対象として登録されているか否かを判定し(ステップS204)、登録されていなければ、受信した画面情報をそのままシンクライアント端末220へ送信する(ステップS206)。また、登録されていれば、ユーザ認証要求に対応付けて記憶部212に記憶されている代替画面を画面情報に埋め込み(ステップS205)、シンクライアント端末220へ送信する(ステップS206)。
【0080】
またデータ入力要求を受信した場合には、受信したデータ入力要求と同一のデータ入力要求が記憶部212に自動入力対象として登録されているか否かを判定し(ステップS207)、登録されていなければ、受信した画面情報をそのままシンクライアント端末220へ送信する(ステップS206)。また、登録されていれば、データ入力要求に対応付けて記憶部212に記憶されている代替画面を画面情報に埋め込み(ステップS208)、シンクライアント端末220へ送信する(ステップS208)。
【0081】
他方、シンクライアント端末220は、シンクライアントサーバ210から送信されてきた画面情報を液晶ディスプレイ等の表示装置240に表示する表示部221、キーボードやマウス等の入力装置250から入力されたデータをシンクライアントサーバ210へ送信する入力部222に加えて、記憶部223、登録部224、検出部225および入力情報管理部226を備えている。
【0082】
記憶部223は、半導体メモリ、磁気ディスク、ICカードなどの記憶手段であり、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶するために使用される。本実施の形態の場合、特定の画像の情報とそれに対応する特定の入力情報とは、一つは、ユーザ認証画面の代替画面の情報と認証情報であり、もう一つはデータ入力画面の代替画面の情報と入力データである。
【0083】
記憶部223に記憶する特定の画像の情報は、その特定の画像そのものであっても良いし、その特定の画像の特徴量であっても良い。
【0084】
検出部225は、シンクライアントサーバ210から受信した画面情報に特定の画像が含まれているかどうかを検出する手段である。検出部225は、シンクライアントサーバ210から画面情報を受信する毎に、その画面情報から表示画面を生成し、表示画面中に、記憶部223に記憶されている特定の画像(本実施の形態の場合はユーザ認証画面の代替画面、データ入力画面の代替画面)と同一の画像が存在するかどうかを、パターンマッチング等の画像認識により検出する。検出部225は、特定の画像を検出した場合には、受信した画面情報を表示部121に送信すると同時に、検出した特定の画像の情報を入力情報管理部226へ送信する。他方、特定の画像を検出しなかった場合、検出部225は、受信した画面情報を表示部221に送信すると同時に、登録部224へ送信する。
【0085】
検出部225の処理の一例を図11に示す。図11を参照すると、検出部225は、シンクライアントサーバ210から画面情報を受信したかどうかを判定している(ステップS211)。画面情報を受信した場合、記憶部223にユーザ認証画面またはデータ入力画面の代替画面が登録されているか否かを判定する(ステップS212、S213)。何れの代替画面も登録されていない場合には、今回受信した画面情報を表示部221と登録部224に送信し(ステップS214)、ステップS211の処理に戻る。
【0086】
記憶部223にユーザ認証画面またはデータ入力画面の代替画面が登録されていた場合、検出部225は、画面情報中に同一の代替画面が存在するかどうかをパターンマッチング等の手法で判定する(ステップS215、S216)。同一の代替画面が画面情報中に存在しなければ、今回受信した画面情報を表示部221と登録部224に送信し(ステップS214)、ステップS211の処理に戻る。
【0087】
記憶部223に登録されているユーザ認証画面の代替画面と同一の代替画面が画面情報中に存在していた場合、検出部225は、画面情報から代替画面を除去し(ステップS217)、認証情報を自動入力中である旨のメッセージのイメージを画面情報に付加して表示部221に送信し(ステップS218)、検出したユーザ認証画面の代替画面の情報を入力情報管理部226に送信する(ステップS219)。また、記憶部223に登録されているデータ入力画面の代替画面と同一の代替画面が画面情報中に存在していた場合、検出部225は、画面情報から代替画面を除去し(ステップS220)、入力データを自動入力中である旨のメッセージのイメージを画面情報に付加して表示部221に送信し(ステップS221)、検出したデータ入力画面の代替画面の情報を入力情報管理部226に送信する(ステップS222)。
【0088】
登録部224は、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶部223に格納する機能を有する。登録部224は、表示装置240の画面に表示されているユーザ認証画面に対してユーザが入力部222を通じて入力装置250から自動入力設定を指示した場合に、ユーザが入力装置250から入力した認証情報と前記ユーザ認証画面の代替画面の情報とを関連付けて記憶部223に格納する。また、登録部224は、表示装置240の画面に表示されているデータ入力画面に対してユーザが入力部222を通じて入力装置250から自動入力設定を指示した場合に、ユーザが入力装置250から入力したデータと前記データ入力画面の代替画面の情報とを関連付けて記憶部223に格納する。ユーザ認証画面やデータ入力画面の代替画面は、例えば記憶部223に幾つかの候補が事前に記憶されており、その中から未使用のものを選択して使用する。
【0089】
登録部224の処理の一例を図12に示す。図12を参照すると、登録部224は、入力部222を通じてユーザから認証情報の自動入力設定要求または入力データの自動入力設定要求があったかどうかを判定している(ステップS231、S232)。
【0090】
ユーザから認証情報の自動入力設定要求を受けた場合、登録部224は、ユーザが入力装置250から入力した認証情報を入力部222を介して受信し(ステップS233)、ユーザ認証画面の代替画面の情報と認証情報とを対応付けて記憶部223に格納する(ステップS234)。次に登録部224は、ユーザ認証画面の代替画面の情報と認証情報との対応情報を入力部222を通じてシンクライアントサーバ210へ送信する(ステップS235)。なお、登録部224は、検出部225から受信した画面情報からユーザ認証画面を検出することができたことを条件に、ステップS234、S235の処理を行うようにしても良い。また、登録部224は、検出部225からの画面情報の受信時、その画面情報からユーザ認証画面の検出を試み、検出できた場合に、このユーザ認証画面について自動入力設定を行うかどうかをユーザに問い合わせるメッセージを表示装置240に表示する機能を有していてもよい。
【0091】
また登録部224は、ユーザから入力データの自動入力設定要求を受けた場合、ユーザが入力装置250から入力したデータを入力部222を介して受信し(ステップS236)、データ入力画面の代替画面の情報と入力データとを対応付けて記憶部223に格納する(ステップS237)。次に登録部224は、データ入力画面の代替画面の情報と入力データとの対応情報を入力部222を通じてシンクライアントサーバ210へ送信する(ステップS238)。なお、登録部224は、検出部225から受信した画面情報からデータ入力画面を検出することができたことを条件に、ステップS237、S238の処理を行うようにしても良い。また、登録部224は、検出部225からの画面情報の受信時、その画面情報からデータ入力画面の検出を試み、検出できた場合に、このデータ入力画面について自動入力設定を行うかどうかをユーザに問い合わせるメッセージを表示装置240に表示する機能を有していてもよい。
【0092】
入力情報管理部226は、検出部225で検出された特定の画像に関連付けて記憶されている特定の情報を記憶部223から読み出し、入力部222を介してシンクライアントサーバ210へ送信する手段である。
【0093】
次に、シンクライアント端末220からシンクライアントサーバ210を通じてWebサーバ230を利用する際にWebサーバ230から要求されるユーザ認証とデータ入力とを例に挙げて、本実施の形態の動作を説明する。
【0094】
<ユーザ認証の自動入力設定動作>
まず、ユーザ認証の自動入力設定動作について説明する。
【0095】
シンクライアント端末220のユーザが、入力装置250上でWebサーバ230にサービスを要求するための操作を行うと、この操作に係る入力データは入力部222を通じてシンクライアントサーバ210のシンクライアントサーバ処理部211へ送信される。シンクライアントサーバ処理部211は、入力データを受信解析してWebサーバ230に対してサービスを要求する。
【0096】
Webサーバ230は、ユーザ認証のために、ユーザIDとパスワードをシンクライアントサーバ処理部211に要求する。
【0097】
シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザIDとパスワードの入力欄を空欄にしたユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報にWebサーバ230からのユーザ認証要求を添えて転送画面処理情報入力部213へ送信する。
【0098】
転送画面処理情報入力部213は、受信したユーザ認証要求と同一のユーザ認証要求が自動入力設定対象として記憶部212に登録されていないので、受信した画面情報をそのままシンクライアント端末220の検出部225へ送信する。
【0099】
検出部225は、記憶部223にユーザ認証画面およびデータ入力画面の代替画面が登録されていないので、受信した画面情報を表示部221と登録部224に送信する。
【0100】
表示部221は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置240に表示する。これにより、ユーザIDとパスワードの入力欄が空欄になったユーザ認証画面が表示装置240に表示され、シンクライアント端末220のユーザは、ユーザ認証が要求されていることを認識する。
【0101】
シンクライアント端末220のユーザが、このユーザ認証画面を自動入力設定の対象とする旨の指示を入力装置250から入力すると、この指示が入力部222を介して登録部224に入力される。続いて、ユーザが認証情報(ユーザIDとパスワード)を入力装置250から入力すると、この認証情報が入力部222によりシンクライアントサーバ処理部211に送信されると共に、登録部224へ送信される。登録部224は、ユーザ認証画面の代替画面の情報と受信した認証情報とを対応付けて記憶部223に格納する。これにより、例えば図14に示すようなユーザ認証画面の代替画面の情報と認証情報との組が記憶部223に記憶されることになる。また、登録部224は、ユーザ認証画面の代替画面の情報と認証情報との対応情報を入力部222を通じてシンクライアントサーバ210のシンクライアントサーバ処理部211へ送信する。
【0102】
他方、シンクライアントサーバ処理部211は、シンクライアント端末220から受信した認証情報をWebサーバ230へ送信し、Webサーバ230はこの認証情報に基づいてユーザ認証を行う。またシンクライアントサーバ処理部211は、シンクライアント端末220から受信したユーザ認証画面の代替画面の情報と認証情報との対応情報中の認証情報が前記受信した認証情報と一致すること、およびその認証情報がWebサーバ230からのユーザ認証要求に対応することを認識し、ユーザ認証画面の代替画面の情報とWebサーバ230のユーザ認証要求とを対応付けて記憶部212に格納する。さらに、シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザIDとパスワードが入力欄に設定された状態のユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報を転送画面処理情報入力部213を通じてシンクライアント端末220の検出部225へ送信する。検出部225は、受信した画面情報を表示部221と登録部224へ送信し、表示部221は画面情報から表示画面を更新する。これにより、ユーザが入力したユーザIDおよびパスワードが入力された状態のユーザ認証画面が表示装置240に表示される。
【0103】
図13は、以上説明したユーザ認証の自動入力設定動作のシーケンスを示している。
【0104】
<データの自動入力設定動作>
次に、データの自動入力設定動作について説明する。
【0105】
ユーザ認証に成功したWebサーバ230がその後の処理の過程で、ユーザの名前と住所の入力をシンクライアントサーバ処理部211に要求すると、シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザの名前と住所の入力欄を空欄にしたデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報にWebサーバ230からのデータ入力要求を添えて転送画面処理情報入力部213へ送信する。
【0106】
転送画面処理情報入力部213は、受信したデータ入力要求と同一のデータ入力要求が自動入力設定対象として記憶部212に登録されていないので、受信した画面情報をそのままシンクライアント端末220の検出部225へ送信する。
【0107】
検出部225は、記憶部223にユーザ認証画面およびデータ入力画面の代替画面が登録されていないので、受信した画面情報を表示部221と登録部224に送信する。
【0108】
表示部221は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置240に表示する。これにより、ユーザの氏名と住所の入力欄が空欄になったデータ入力画面が表示装置240に表示され、シンクライアント端末220のユーザは、氏名と住所が要求されていることを認識する。
【0109】
シンクライアント端末220のユーザが、このデータ入力画面を自動入力設定の対象とする旨の指示を入力装置250から入力すると、この指示が入力部222を介して登録部224に入力される。続いて、ユーザが入力データ(ユーザの氏名と住所)を入力装置250から入力すると、この入力データが入力部222によりシンクライアントサーバ処理部211に送信されると共に、登録部224へ送信される。登録部224は、データ入力画面の代替画面の情報と受信した入力データとを対応付けて記憶部223に格納する。これにより、例えば図14に示すようなデータ入力画面の代替画面の情報と入力データとの組が記憶部223に記憶されることになる。また、登録部224は、データ入力画面の代替画面の情報と入力データとの対応情報を入力部222を通じてシンクライアントサーバ210のシンクライアントサーバ処理部211へ送信する。
【0110】
他方、シンクライアントサーバ処理部211は、シンクライアント端末220から受信した入力データをWebサーバ230へ送信し、Webサーバ230はこの入力データに基づいて処理を行う。またシンクライアントサーバ処理部211は、シンクライアント端末220から受信したデータ入力画面の代替画面の情報と入力データとの対応情報中の入力データが前記受信した入力データと一致すること、およびその入力データがWebサーバ230からのデータ入力要求に対応することを認識し、データ入力画面の代替画面の情報とWebサーバ230のデータ入力要求とを対応付けて記憶部212に格納する。さらに、シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザの氏名と住所が入力欄に設定された状態のデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報を転送画面処理情報入力部213を通じてシンクライアント端末220の検出部225へ送信する。検出部225は、受信した画面情報を表示部221と登録部224へ送信し、表示部221は画面情報から表示画面を更新する。これにより、ユーザが入力したユーザの氏名および住所が入力された状態のデータ入力画面が表示装置240に表示される。
【0111】
図15は、以上説明したデータの自動入力設定動作のシーケンスを示している。
【0112】
<ユーザ認証情報の自動入力>
次に、ユーザ認証情報の自動入力動作について説明する。
【0113】
シンクライアント端末220のユーザが、入力装置250上でWebサーバ230にサービスを要求するための操作を行うと、この操作に係る入力データは入力部222を通じてシンクライアントサーバ210のシンクライアントサーバ処理部211へ送信される。シンクライアントサーバ処理部211は、入力データを受信解析してWebサーバ230に対してサービスを要求する。
【0114】
Webサーバ230は、ユーザ認証のために、ユーザIDとパスワードをシンクライアントサーバ処理部211に要求する。
【0115】
シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザIDとパスワードの入力欄を空欄にしたユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報にWebサーバ230からのユーザ認証要求を添えて転送画面処理情報入力部213へ送信する。
【0116】
転送画面処理情報入力部213は、受信したユーザ認証要求と同一のユーザ認証要求が自動入力対象として記憶部212に登録されているので、そのユーザ認証要求に対応付けて記憶されているユーザ認証画面の代替画面を画面情報に埋め込んで、シンクライアント端末220の検出部225へ送信する。
【0117】
検出部225は、記憶部223には図14に示したようなユーザ認証画面およびデータ入力画面の代替画面の情報が登録されており、そのうちのユーザ認証画面の代替画面が受信した画面情報中に含まれる代替画面と一致するので、画面情報から当該代替画面を除去すると共に認証情報を自動入力中である旨のメッセージを画面情報に付加して表示部221に送信すると同時に、検出したユーザ認証画面の代替画面の情報を入力情報管理部226へ送信する。
【0118】
表示部221は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置240に表示する。これにより、ユーザIDとパスワードの入力欄が空欄になったユーザ認証画面と自動入力中である旨のメッセージが表示装置240に表示され、シンクライアント端末220のユーザは、ユーザ認証が要求されていること及び自動入力中であることを認識する。
【0119】
入力情報管理部226は、検出部225から受信したユーザ認証画面の代替画面の情報をキーに記憶部223を検索して、対応する認証情報を取得し、入力部222へ送信する。入力部222は、受信した認証情報をシンクライアントサーバ処理部211に送信する。これにより、ユーザ認証画面に対してユーザが前回入力した認証情報と全く同じ認証情報が自動的にシンクライアント端末220からシンクライアントサーバ処理部211へ送信されることになる。
【0120】
シンクライアントサーバ処理部211は、シンクライアント端末220から受信した認証情報をWebサーバ230へ送信し、Webサーバ230はこの認証情報に基づいてユーザ認証を行う。また、シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザIDとパスワードが入力欄に設定された状態のユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報を転送画面処理情報入力部213を通じてシンクライアント端末220の検出部225へ送信する。検出部225は、受信した画面情報を表示部221と登録部224へ送信し、表示部221は画面情報から表示画面を更新する。これにより、自動入力したユーザIDおよびパスワードが設定された状態のユーザ認証画面が表示装置240に表示される。
【0121】
図16は、以上説明したユーザ認証情報の自動入力動作のシーケンスを示している。
【0122】
<データの自動入力>
次に、データの自動入力動作について説明する。
【0123】
ユーザ認証に成功したWebサーバ230がその後の処理の過程で、ユーザの名前と住所の入力をシンクライアントサーバ処理部211に要求すると、シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザの名前と住所の入力欄を空欄にしたデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報にWebサーバ230からのデータ入力要求を添えて転送画面処理情報入力部213へ送信する。
【0124】
転送画面処理情報入力部213は、受信したデータ入力要求と同一のデータ入力要求が自動入力対象として記憶部212に登録されているので、そのデータ入力要求に対応付けて記憶されているデータ入力画面の代替画面を画面情報に埋め込んで、シンクライアント端末220の検出部225へ送信する。
【0125】
検出部225は、記憶部223には図14に示したようなユーザ認証画面およびデータ入力画面の代替画面の情報が登録されており、そのうちのデータ入力画面の代替画面が受信した画面情報中に含まれる代替画面と一致するので、画面情報から当該代替画面を除去すると共に入力データを自動入力中である旨のメッセージを画面情報に付加して表示部221に送信すると同時に、検出したデータ入力画面の代替画面の情報を入力情報管理部226へ送信する。
【0126】
表示部221は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置240に表示する。これにより、ユーザの氏名と住所の入力欄が空欄になったデータ入力画面と自動入力中である旨のメッセージが表示装置240に表示され、シンクライアント端末220のユーザは、氏名と住所が要求されていること及び自動入力中であることを認識する。
【0127】
入力情報管理部226は、検出部225から受信したデータ入力画面の代替画面の情報をキーに記憶部223を検索して、対応する入力データを取得し、入力部222へ送信する。入力部222は、受信した入力データをシンクライアントサーバ処理部211に送信する。これにより、データ入力画面に対してユーザが前回入力したデータと全く同じデータが自動的にシンクライアント端末220からシンクライアントサーバ処理部211へ送信されることになる。
【0128】
シンクライアントサーバ処理部211は、シンクライアント端末220から受信した入力データをWebサーバ230へ送信し、Webサーバ230はこの入力データに基づいて処理を行う。また、シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザの氏名と住所が入力欄に設定された状態のデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報を転送画面処理情報入力部213を通じてシンクライアント端末220の検出部225へ送信する。検出部225は、受信した画面情報を表示部221と登録部224へ送信し、表示部221は画面情報から表示画面を更新する。これにより、自動入力したユーザの氏名と住所が設定された状態のユーザ認証画面が表示装置240に表示される。
【0129】
図17は、以上説明したデータの自動入力動作のシーケンスを示している。
【0130】
このように本実施の形態によれば、画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、ユーザIDなどで構成される認証情報の管理とその自動入力とをシンクライアント端末220側で行うことができる。その理由は、シンクライアント端末220において、シンクライアントサーバ210から送信されてくる画面情報から事前に設定されたユーザ認証画面の代替画面を検出し、その代替画面と関連付けて記憶してある認証情報をシンクライアントサーバ210へ送信するためである。
【0131】
このようにユーザの手元にあるシンクライアント端末220で安全にパスワード等の認証情報を管理できるので、ネットワーク上のシンクライアントサーバ210に認証情報を管理して自動入力する構成に比べて、サーバへの不正アクセスによるパスワード等の漏洩や管理者による盗み見等による不正を防止することができる。
【0132】
また本実施の形態によれば、画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、ユーザの氏名や住所などの個人情報の管理とその自動入力とをシンクライアント端末220側で行うことができる。その理由は、シンクライアント端末220において、シンクライアントサーバ210から送信されてくる画面情報から事前に設定されたデータ入力画面の代替画面を検出し、その代替画面と関連付けて記憶してある入力データをシンクライアントサーバ210へ送信するためである。
【0133】
このようにユーザの手元にあるシンクライアント端末220で安全にユーザの氏名や住所等のデータを管理できるので、ネットワーク上のシンクライアントサーバ210にデータを管理して自動入力する構成に比べて、サーバへの不正アクセスによる個人情報等の漏洩や管理者による盗み見等による不正を防止することができる。
【0134】
また本実施の形態によれば、シンクライアント端末220は、ユーザ認証画面やデータ入力画面の代わりに代替画面を画面情報から検出すれば良いため、検出の容易なマークなどを代替画面として用いることにより、自動入力対象となるユーザ認証画面やデータ入力画面が端末画面に出現したか否かを簡単かつ確実に検出することができる利点がある。
【0135】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は以上の例に限定されず、その他各種の付加変更が可能である。例えば、データ入力画面として、ユーザの氏名と住所を入力する画面を例に挙げたが、データの種類はこれらに限定されず、例えばオンラインショッピングで良く使用する商品名など他の種類のデータも同様に扱うことができる。また、本発明のシンクライアントサーバを構成するシンクライアント処理部および転送画面処理情報入力部、シンクライアント端末を構成する表示部、入力部、検出部、登録部、入力情報管理部は、ハードウェア的に実現しても良いし、コンピュータとプログラムとで実現しても良い。
【0136】
また、図1に示した実施の形態に係るシンクライアント端末120は登録部124を備えている。しかし、シンクライアント端末120の記憶部123の内容は、他のシンクライアント端末120からコピーして生成することも可能である。また、必要な情報が記憶部123に記憶された後は、登録部124は基本的に不要である。このため、登録部124を有さない図18に示すような構成のシンクライアント端末120も他の実施の形態として考えられる。同様の理由で、図9に示した実施の形態に係るシンクライアント端末220から登録部224を無くした図19に示すような構成のシンクライアント端末220も他の実施の形態として考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明によれば、画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、画面表示に対する決まった入力がある場合にシンクライアント端末側で処理するような形態に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるシンクライアント端末の検出部の処理例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるシンクライアント端末の登録部の処理例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおけるユーザ認証の自動入力設定動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるシンクライアント端末の記憶部に記憶されるユーザ認証画面の情報と認証情報との対応情報およびデータ入力画面の情報と入力データとの対応情報の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおけるデータ入力の自動入力設定動作を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおけるユーザ認証情報の自動入力動作を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおける入力データの自動入力動作を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムのブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるシンクライアントサーバの転送画面処理情報入力部の処理例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態におけるシンクライアント端末の検出部の処理例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態におけるシンクライアント端末の登録部の処理例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおけるユーザ認証の自動入力設定動作を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるシンクライアント端末の記憶部に記憶されるユーザ認証画面の代替画面の情報と認証情報との対応情報およびデータ入力画面の代替画面の情報と入力データとの対応情報の一例を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおけるデータ入力の自動入力設定動作を示すシーケンス図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおけるユーザ認証情報の自動入力動作を示すシーケンス図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおける入力データの自動入力動作を示すシーケンス図である。
【図18】本発明のシンクライアント端末の他の実施の形態のブロック図である。
【図19】本発明のシンクライアント端末の更に別の実施の形態のブロック図である。
【図20】画面転送型シンクライアントシステムの概略ブロック図である。
【符号の説明】
【0139】
100、200…画面転送型シンクライアントサーバ
110、210…シンクライアントサーバ
111、211…シンクライアントサーバ処理部
120、220…シンクライアント端末
121、221…表示部
122、222…入力部
123、223…記憶部
124、224…登録部
125、225…検出部
126、226…入力情報管理部
130、230…Webサーバ
140、240…表示装置
150、250…入力装置
212…記憶部
213…転送画面処理情報入力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに対するユーザの入力作業を支援する機能に関し、特に画面転送型のシンクライアント端末に対するユーザの入力支援機能に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ端末を操作するユーザの入力を支援する機能は幾つか提案ないし実用化されているが、その一つに、ユーザIDやパスワードから構成される認証情報をユーザに代わって自動的に入力する認証情報自動入力機能がある。この種の機能を有するコンピュータ端末の一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された認証情報自動入力機能を有するコンピュータ端末においては、その端末上で稼動するアプリケーションが認証情報を要求するユーザ認証ウィンドウを画面に表示する。利用者がそのユーザ認証ウィンドウを自動入力対象として選択すると、コンピュータ端末に実装された認証情報設定手段が、そのユーザ認証ウィンドウを特定する情報として、それを発生させた実行プログラム名、ユーザ認証ウィンドウのタイトル、ユーザ認証ウィンドウに表示されているテキストを含む情報をウィンドウのプロパティ情報から抽出する。続いて認証情報設定手段は、それらウィンドウを特定する情報とそのユーザ認証ウィンドウに入力すべきものとしてユーザから入力された認証情報とを1組の設定情報としてICカードに記憶する。以後、コンピュータ端末に実装された認証データ自動入力手段は、新しいウィンドウが発生する毎に、そのウィンドウを発生させた実行プログラム名、ウィンドウのタイトル、表示テキストをそのウィンドウのプロパティ情報から取得して、ICカードに記憶されているユーザ認証ウィンドウを特定する情報と一致するかどうかを判定する。そして、一致した場合に、認証データ自動入力手段は、当該ユーザ認証ウィンドウに入力すべき認証情報をICカードから読み出し、そのウィンドウの対話入力インタフェースに入力することにより、認証情報の自動入力を実現する。
【0004】
特許文献1に記載されたコンピュータ端末は、端末上で全てのアプリケーションが動作する形態の端末である。これに対して近年、全てのアプリケーションをサーバ側で動作させて画面情報だけを端末に送り、端末側からサーバへはキーボードやマウスからの入力情報だけを送信する画面転送型のシンクライアントシステムが普及している。
【0005】
図20を参照すると、画面転送型のシンクライアントシステム1000は、シンクライアントサーバ1001とシンクライアント端末1002とがネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。
【0006】
シンクライアントサーバ1001は、CPU、メモリ、ハードディスク、通信アダプタ等のハードウェアと、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のソフトウェアとで構成され、機能的手段としてシンクライアントサーバ処理部1003を有している。シンクライアントサーバ処理部1003は、アプリケーションを実行した結果に従って生成した画面情報をシンクライアント端末1002へ送信し、シンクライアント端末1002から送信されてきたデータを受信してアプリケーションの実行を制御するといった機能を司る。
【0007】
他方、シンクライアント端末1002は、シンクライアントサーバ1001から送信されてきた画面情報を液晶ディスプレイ等の表示装置に表示する表示部1004と、キーボードやマウス等の入力装置から入力されたデータをシンクライアントサーバ処理部1003へ送信する入力部1005とを備えている。シンクライアント端末1002のユーザ1006は、表示部1004によってシンクライアント端末1002の画面に表示される情報を認識し、キーボード等を操作して入力部1005を通じてデータをシンクライアントサーバ処理部1003へ送信することにより、シンクライアントサーバ処理部1003上で実行されるアプリケーションを利用する。
【0008】
このような画面転送型のシンクライアントシステムにおいても、特許文献2に記載されるように、ユーザの認証を行うために認証情報の入力を求めるユーザ認証ウィンドウを端末に表示し、ユーザから認証情報の入力を行わせている。この場合の動作は概ね以下のようになる。
【0009】
まず、シンクライアントサーバ処理部1003は、アプリケーション等の要求元からユーザ1006の認証情報が要求されると、ユーザIDやパスワードの入力欄を未入力状態にしたユーザ認証ウィンドウを作成し、そのウィンドウ画像を含む画面情報をシンクライアント端末1002の表示部1004に送信する。シンクライアント端末1002の表示部1004は、受信した画面情報に基づいて端末画面を更新することにより、ユーザ認証ウィンドウを表示する。ユーザ1006は、画面に表示されたユーザ認証ウィンドウを認識し、ユーザIDおよびパスワードから構成される認証情報を入力部1005を通じてシンクライアントサーバ処理部1003へ送信する。
【0010】
シンクライアントサーバ処理部1003は、受信した認証情報を要求元へ送信すると同時に、ユーザIDおよびパスワードが入力された状態のユーザ認証ウィンドウを作成し、そのウィンドウ画像を含む画面情報をシンクライアント端末1002の表示部1004に送信する。表示部1004は、受信した画面情報に基づいて端末画面を更新することにより、ユーザ1006の入力したユーザIDおよびパスワードが入力された状態のユーザ認証ウィンドウを表示する。
【0011】
画面転送型のシンクライアントシステムにおいても、ユーザ1006の入力作業を支援することは重要である。そこで、特許文献1に記載された認証情報自動入力機能を画面転送型のシンクライアントシステムに適用することを考える。その場合、特許文献1に記載の認証情報自動入力機能では、発生したウィンドウが自動入力対象となるユーザ認証ウィンドウであるか否かの判定をウィンドウのプロパティ情報を参照して行うため、シンクライアントサーバ処理部1003で認証情報の管理と自動入力とを行う構成になる。
【0012】
具体的には、シンクライアントサーバ処理部1003において、ユーザ1006が自動入力対象に設定されたユーザ認証ウィンドウを特定する情報(そのウィンドウを発生した実行プログラム名、ウィンドウのタイトル、表示テキスト)とユーザ1006が過去に入力した認証情報(ユーザIDとパスワード)との組をメモリに保持して管理する。以後、シンクライアントサーバ処理部1003は、新たなウィンドウが発生する毎に、そのウィンドウを発生した実行プログラム名、ウィンドウのタイトル、表示テキストをそのウィンドウのプロパティ情報から取得してメモリ中の情報と比較し、自動入力対象に設定されているユーザ認証ウィンドウか否かを判定する。そして、自動入力対象に設定されているユーザ認証ウィンドウが発生したのであれば、該当する認証情報をメモリから読み出してユーザ認証ウィンドウに設定する。次に、シンクライアントサーバ処理部1003は、認証情報が入力された状態のユーザ認証ウィンドウを作成し、そのウィンドウ画像を含む画面情報をシンクライアント端末1002の表示部1004に送信する。表示部1002は、受信した画面情報に基づいて端末画面を更新することにより、認証情報が入力された状態のユーザ認証ウィンドウを表示する。
【0013】
【特許文献1】特開2003−186849号公報
【特許文献2】特開2007−233669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述した画面転送型のシンクライアントシステムでは、ユーザの認証情報の自動入力を行うためにシンクライアントサーバでパスワード等の認証情報の管理と自動入力を行っているため、ユーザは手元にあるシンクライアント端末で自分自身の認証情報の管理を行うことができない。そのため、シンクライアントサーバが不正アクセスを受けたり、管理者がパスワードファイルなど認証情報を記憶するファイルを覗き見したりすることで、パスワード等の認証情報が漏洩して、不正利用や情報の漏洩が発生する恐れがあった。
【0015】
本発明の目的は、画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、パスワード等の認証情報の管理と自動入力とを行うことが可能なシンクライアント端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のシンクライアント端末装置は、シンクライアントサーバから受信した画面を表示する表示手段と、入力情報を前記シンクライアントサーバへ送信する入力手段と、前記シンクライアントサーバとの間で事前に取り決めた特定の画像に関する情報に関連付けて特定の入力情報を記憶する記憶手段と、前記シンクライアントサーバから受信した画面情報に前記特定の画像が含まれているかどうかを検出する検出手段と、前記特定の画像が含まれていると検出された場合に前記特定の画像に関連付けて前記記憶手段に記憶された特定の入力情報を前記入力手段を介して前記シンクライアントサーバへ送信する入力情報管理手段とを備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、パスワードなど自動入力対象となる特定の入力情報の管理とその自動入力とをシンクライアント端末側で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[第1の実施の形態]
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステム100は、シンクライアントサーバ110とシンクライアント端末120とが図示しないネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。
【0019】
シンクライアントサーバ110は、CPU、メモリ、ハードディスク、通信アダプタ等のハードウェアと、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のソフトウェアとで構成され、機能的手段としてシンクライアントサーバ処理部111を有している。シンクライアントサーバ処理部111は、アプリケーションを実行した結果に従って生成した画面情報をシンクライアント端末120へ送信し、シンクライアント端末120から送信されてきたデータを受信してアプリケーションの実行を制御するといった機能を司る。
【0020】
本実施の形態の場合、シンクライアントサーバ110は、図示しないネットワークを介してWebサーバ130に接続されている。Webサーバ130は、シンクライアントサーバ110の要求に応じてコンテンツの提供を行っており、コンテンツ利用の際にユーザを認証する機能を有している。
【0021】
他方、シンクライアント端末120は、シンクライアントサーバ110から送信されてきた画面情報を液晶ディスプレイ等の表示装置140に表示する表示部121、キーボードやマウス等の入力装置150から入力されたデータをシンクライアントサーバ110へ送信する入力部122に加えて、記憶部123、登録部124、検出部125および入力情報管理部126を備えている。
【0022】
記憶部123は、半導体メモリ、磁気ディスク、ICカードなどの記憶手段であり、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶するために使用される。本実施の形態の場合、特定の画像の情報とそれに対応する特定の入力情報とは、一つは、ユーザ認証画面の情報と認証情報であり、もう一つはデータ入力画面の情報と入力データである。すなわち本実施の形態は、認証情報自動入力機能に加えて、入力データ自動入力機能をシンクライアント端末120に付加している。入力データ自動入力機能とは、データ入力画面に入力されたデータを記憶しておいて、同じデータ入力画面が出現した場合に同じ入力データを自動的に入力する機能のことである。
【0023】
記憶部123に記憶する特定の画像の情報は、その特定の画像そのものであっても良いし、その特定の画像の特徴量であっても良い。
【0024】
検出部125は、シンクライアントサーバ110から受信した画面情報に特定の画像が含まれているかどうかを検出する手段である。検出部125は、シンクライアントサーバ110から画面情報を受信する毎に、その画面情報から表示画面を生成し、表示画面中に、記憶部123に記憶されている特定の画像(本実施の形態の場合はユーザ認証画面、データ入力画面)と同一の画像が存在するかどうかを、パターンマッチング等の画像認識により検出する。検出部125は、特定の画像を検出した場合には、受信した画面情報を表示部121に送信すると同時に、検出した特定の画像の情報を入力情報管理部126へ送信する。他方、特定の画像を検出しなかった場合、検出部125は、受信した画面情報を表示部121に送信すると同時に、登録部124へ送信する。
【0025】
検出部125の処理の一例を図2に示す。図2を参照すると、検出部125は、シンクライアントサーバ110から画面情報を受信したかどうかを判定している(ステップS101)。画面情報を受信した場合、記憶部123にユーザ認証画面またはデータ入力画面が登録されているか否かを判定する(ステップS102、S103)。ユーザ認証画面もデータ入力画面も登録されていない場合には、今回受信した画面情報を表示部121と登録部124に送信し(ステップS104)、ステップS101の処理に戻る。
【0026】
記憶部123にユーザ認証画面またはデータ入力画面が登録されていた場合、検出部125は、画面情報中に同一のユーザ認証画面またはデータ入力画面が存在するかどうかをパターンマッチング等の手法で判定する(ステップS105、S106)。同一のユーザ認証画面またはデータ入力画面が画面情報中に存在しなければ、今回受信した画面情報を表示部121と登録部124に送信し(ステップS104)、ステップS101の処理に戻る。
【0027】
記憶部123に登録されているユーザ認証画面と同一のユーザ認証画面が画面情報中に存在していた場合、検出部125は、認証情報を自動入力中である旨のメッセージのイメージを画面情報に付加して表示部121に送信し(ステップS107)、検出したユーザ認証画面の情報を入力情報管理部126に送信する(ステップS108)。また、記憶部123に登録されているデータ入力画面と同一のデータ入力画面が画面情報中に存在していた場合、検出部125は、データを自動入力中である旨のメッセージのイメージを画面情報に付加して表示部121に送信し(ステップS109)、検出したデータ入力画面の情報を入力情報管理部126に送信する(ステップS110)。
【0028】
登録部124は、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶部123に格納する機能を有する。登録部124は、表示装置140の画面に表示されているユーザ認証画面に対してユーザが入力部122を通じて入力装置150から自動入力設定を指示した場合に、ユーザが入力装置150から入力した認証情報と前記ユーザ認証画面の情報とを関連付けて記憶部123に格納する。また、登録部124は、表示装置140の画面に表示されているデータ入力画面に対してユーザが入力部122を通じて入力装置150から自動入力設定を指示した場合に、ユーザが入力装置150から入力したデータと前記データ入力画面の情報とを関連付けて記憶部123に格納する。
【0029】
登録部124の処理の一例を図3に示す。図3を参照すると、登録部124は、入力部122を通じてユーザから認証情報の自動入力設定要求または入力データの自動入力設定要求があったかどうかを判定している(ステップS121、S122)。
【0030】
ユーザから認証情報の自動入力設定要求を受けた場合、登録部124は、検出部125から受信した画面情報からユーザ認証画面を検出する(ステップS123)。一般にユーザIDおよびパスワードの入力を促すユーザ認証画面の画像形態や表示される画面上の位置はある程度決まっているため、受信した画面情報に基づいて生成した表示画面中からユーザ認証画面を検出するのは比較的容易に行える。なお、ユーザ認証画面が表示されている画面上の位置をユーザに指示させ、その指示に従って登録部124がユーザ認証画面を切り出す等の方法を用いることもできる。次に登録部124は、ユーザが入力装置150から入力した認証情報を入力部122を介して受信し(ステップS124)、ユーザ認証画面と認証情報とを対応付けて記憶部123に格納する(ステップS125)。
【0031】
また登録部124は、ユーザから入力データの自動入力設定要求を受けた場合、検出部125から受信した画面情報からデータ入力画面を検出する(ステップS126)。一般にユーザの名前や住所などのデータの入力を促すデータ入力画面の画像形態や表示される画面上の位置はある程度決まっているため、受信した画面情報に基づいて生成した表示画面中からデータ入力画面を検出するのは比較的容易に行える。なお、データ入力画面が表示されている画面上の位置をユーザに指示させ、その指示に従って登録部124がデータ入力画面を切り出す等の方法を用いることもできる。次に登録部124は、ユーザが入力装置150から入力したデータを入力部122を介して受信し(ステップS127)、データ入力画面と入力データとを対応付けて記憶部123に格納する(ステップS128)。
【0032】
入力情報管理部126は、検出部125で検出された特定の画像に関連付けて記憶されている特定の情報を記憶部123から読み出し、入力部122を介してシンクライアントサーバ110へ送信する手段である。
【0033】
次に、シンクライアント端末120からシンクライアントサーバ110を通じてWebサーバ130を利用する際にWebサーバ130から要求されるユーザ認証とデータ入力とを例に挙げて、本実施の形態の動作を説明する。
【0034】
<ユーザ認証の自動入力設定動作>
まず、ユーザ認証の自動入力設定動作について説明する。
【0035】
シンクライアント端末120のユーザが、入力装置150上でWebサーバ130にサービスを要求するための操作を行うと、この操作に係る入力データは入力部122を通じてシンクライアントサーバ110のシンクライアントサーバ処理部111へ送信される。シンクライアントサーバ処理部111は、入力データを受信解析してWebサーバ130に対してサービスを要求する。
【0036】
Webサーバ130は、ユーザ認証のために、ユーザIDとパスワードをシンクライアントサーバ処理部111に要求する。
【0037】
シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザIDとパスワードの入力欄を空欄にしたユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。
【0038】
検出部125は、記憶部123にユーザ認証画面およびデータ入力画面が登録されていないので、受信した画面情報を表示部121と登録部124に送信する。
【0039】
表示部121は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置140に表示する。これにより、ユーザIDとパスワードの入力欄が空欄になったユーザ認証画面が表示装置140に表示され、シンクライアント端末120のユーザは、ユーザ認証が要求されていることを認識する。
【0040】
シンクライアント端末120のユーザが、このユーザ認証画面を自動入力設定の対象とする旨の指示を入力装置150から入力すると、この指示が入力部122を介して登録部124に入力される。登録部124は、この指示に従って、検出部125から受信した画面情報からユーザ認証画面を検出する。続いて、ユーザが認証情報(ユーザIDとパスワード)を入力装置150から入力すると、この認証情報が入力部122によりシンクライアントサーバ処理部111に送信されると共に、登録部124へ送信される。登録部124は、検出したユーザ認証画面の情報と受信した認証情報とを対応付けて記憶部123に格納する。これにより、例えば図5に示すようなユーザ認証画面の情報と認証情報との組が記憶部123に記憶されることになる。
【0041】
他方、シンクライアントサーバ処理部111は、シンクライアント端末120から受信した認証情報をWebサーバ130へ送信し、Webサーバ130はこの認証情報に基づいてユーザ認証を行う。また、シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザIDとパスワードが入力欄に設定された状態のユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。検出部125は、受信した画面情報を表示部121と登録部124へ送信し、表示部121は画面情報から表示画面を更新する。これにより、ユーザが入力したユーザIDおよびパスワードが入力された状態のユーザ認証画面が表示装置140に表示される。
【0042】
図4は、以上説明したユーザ認証の自動入力設定動作のシーケンスを示している。
【0043】
<データの自動入力設定動作>
次に、データの自動入力設定動作について説明する。
【0044】
ユーザ認証に成功したWebサーバ130がその後の処理の過程で、ユーザの名前と住所の入力をシンクライアントサーバ処理部111に要求すると、シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザの名前と住所の入力欄を空欄にしたデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。
【0045】
検出部125は、記憶部123に図5に示したようなユーザ認証画面が登録されているが、画面情報に含まれるデータ入力画面と一致しないので、受信した画面情報を表示部121と登録部124に送信する。
【0046】
表示部121は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置140に表示する。これにより、ユーザの名前と住所の入力欄が空欄になったデータ入力画面が表示装置140に表示され、シンクライアント端末120のユーザは、自身の名前と住所の入力が要求されていることを認識する。
【0047】
シンクライアント端末120のユーザが、このデータ入力画面を自動入力設定の対象とする旨の指示を入力装置150から入力すると、この指示が入力部122を介して登録部124に入力される。登録部124は、この指示に従って、検出部125から受信した画面情報からデータ入力画面を検出する。続いて、ユーザがデータ(ユーザの名前と住所)を入力装置150から入力すると、このデータが入力部122によりシンクライアントサーバ処理部111に送信されると共に、登録部124へ送信される。登録部124は、検出したデータ入力画面の情報と受信したデータとを対応付けて記憶部123に格納する。これにより、例えば図5に示すようなデータ入力画面の情報と入力データとの組が記憶部123に記憶されることになる。
【0048】
他方、シンクライアントサーバ処理部111は、シンクライアント端末120から受信したデータをWebサーバ130へ送信し、Webサーバ130はこのデータに基づいて処理を行う。また、シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザの氏名と住所が入力欄に設定された状態のデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。検出部125は、受信した画面情報を表示部121と登録部124へ送信し、表示部121は画面情報から表示画面を更新する。これにより、ユーザが入力したユーザの氏名と住所が入力された状態のデータ入力画面が表示装置140に表示される。
【0049】
図6は、以上説明したデータの自動入力設定動作のシーケンスを示している。
【0050】
<ユーザ認証情報の自動入力>
次に、ユーザ認証情報の自動入力動作について説明する。
【0051】
シンクライアント端末120のユーザが、入力装置150上でWebサーバ130にサービスを要求するための操作を行うと、この操作に係る入力データは入力部122を通じてシンクライアントサーバ110のシンクライアントサーバ処理部111へ送信される。シンクライアントサーバ処理部111は、入力データを受信解析してWebサーバ130に対してサービスを要求する。
【0052】
Webサーバ130は、ユーザ認証のために、ユーザIDとパスワードをシンクライアントサーバ処理部111に要求する。
【0053】
シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザIDとパスワードの入力欄を空欄にしたユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。
【0054】
検出部125は、記憶部123には図5に示したようなユーザ認証画面およびデータ入力画面の情報が登録されており、そのうちのユーザ認証画面が受信した画面情報中に含まれるユーザ認証画面と一致するので、認証情報を自動入力中である旨のメッセージを画面情報に付加して表示部121に送信すると同時に、検出したユーザ認証画面の情報を入力情報管理部126へ送信する。
【0055】
表示部121は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置140に表示する。これにより、ユーザIDとパスワードの入力欄が空欄になったユーザ認証画面と自動入力中である旨のメッセージが表示装置140に表示され、シンクライアント端末120のユーザは、ユーザ認証が要求されていること及び自動入力中であることを認識する。
【0056】
入力情報管理部126は、検出部125から受信したユーザ認証画面の情報をキーに記憶部123を検索して、対応する認証情報を取得し、入力部122へ送信する。入力部122は、受信した認証情報をシンクライアントサーバ処理部111に送信する。これにより、ユーザ認証画面に対してユーザが前回入力した認証情報と全く同じ認証情報が自動的にシンクライアント端末120からシンクライアントサーバ処理部111へ送信されることになる。
【0057】
シンクライアントサーバ処理部111は、シンクライアント端末120から受信した認証情報をWebサーバ130へ送信し、Webサーバ130はこの認証情報に基づいてユーザ認証を行う。また、シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザIDとパスワードが入力欄に設定された状態のユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。検出部125は、受信した画面情報を表示部121と登録部124へ送信し、表示部121は画面情報から表示画面を更新する。これにより、自動入力したユーザIDおよびパスワードが設定された状態のユーザ認証画面が表示装置140に表示される。
【0058】
図7は、以上説明したユーザ認証情報の自動入力動作のシーケンスを示している。
【0059】
<データの自動入力>
次に、データの自動入力動作について説明する。
【0060】
ユーザ認証に成功したWebサーバ130がその後の処理の過程で、ユーザの名前と住所の入力をシンクライアントサーバ処理部111に要求すると、シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザの名前と住所の入力欄を空欄にしたデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。
【0061】
検出部125は、記憶部123には図5に示したようなユーザ認証画面およびデータ入力画面の情報が登録されており、そのうちのデータ入力画面が受信した画面情報中に含まれるデータ入力画面と一致するので、入力データを自動入力中である旨のメッセージを画面情報に付加して表示部121に送信すると同時に、検出したデータ入力画面の情報を入力情報管理部126へ送信する。
【0062】
表示部121は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置140に表示する。これにより、ユーザの氏名と住所の入力欄が空欄になったデータ入力画面と自動入力中である旨のメッセージが表示装置140に表示され、シンクライアント端末120のユーザは、氏名と住所が要求されていること及び自動入力中であることを認識する。
【0063】
入力情報管理部126は、検出部125から受信したデータ入力画面の情報をキーに記憶部123を検索して、対応する入力データを取得し、入力部122へ送信する。入力部122は、受信した入力データをシンクライアントサーバ処理部111に送信する。これにより、データ入力画面に対してユーザが前回入力したデータと全く同じデータが自動的にシンクライアント端末120からシンクライアントサーバ処理部111へ送信されることになる。
【0064】
シンクライアントサーバ処理部111は、シンクライアント端末120から受信したデータをWebサーバ130へ送信し、Webサーバ130はこのデータに基づいて処理を行う。また、シンクライアントサーバ処理部111は、ユーザの氏名と住所が入力欄に設定された状態のデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報をシンクライアント端末120の検出部125へ送信する。検出部125は、受信した画面情報を表示部121と登録部124へ送信し、表示部121は画面情報から表示画面を更新する。これにより、ユーザが入力したユーザの氏名と住所が入力された状態のデータ入力画面が表示装置140に表示される。
【0065】
図8は、以上説明したデータの自動入力動作のシーケンスを示している。
【0066】
このように本実施の形態によれば、画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、ユーザIDなどで構成される認証情報の管理とその自動入力とをシンクライアント端末120側で行うことができる。その理由は、シンクライアント端末120において、シンクライアントサーバ110から送信されてくる画面情報から事前に設定されたユーザ認証画面を検出し、そのユーザ認証画面と関連付けて記憶してある認証情報をシンクライアントサーバ110へ送信するためである。
【0067】
このようにユーザの手元にあるシンクライアント端末120で安全にパスワード等の認証情報を管理できるので、ネットワーク上のシンクライアントサーバ110に認証情報を管理して自動入力する構成に比べて、サーバへの不正アクセスによるパスワード等の漏洩や管理者による盗み見等による不正を防止することができる。
【0068】
また本実施の形態によれば、画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、ユーザの氏名や住所などの個人情報の管理とその自動入力とをシンクライアント端末120側で行うことができる。その理由は、シンクライアント端末120において、シンクライアントサーバ110から送信されてくる画面情報から事前に設定されたデータ入力画面を検出し、そのデータ入力画面と関連付けて記憶してある入力データをシンクライアントサーバ110へ送信するためである。
【0069】
このようにユーザの手元にあるシンクライアント端末120で安全にユーザの氏名や住所等のデータを管理できるので、ネットワーク上のシンクライアントサーバ110にデータを管理して自動入力する構成に比べて、サーバへの不正アクセスによる個人情報等の漏洩や管理者による盗み見等による不正を防止することができる。
【0070】
また本実施の形態によれば、シンクライアントサーバ側に一切手を加える必要がない利点がある。
【0071】
[第2の実施の形態]
図9を参照すると、本発明の第2の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステム200は、シンクライアントサーバ210とシンクライアント端末220とが図示しないネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。また本実施の形態の場合、シンクライアントサーバ210は、図示しないネットワークを介してWebサーバ230に接続されている。Webサーバ230は、シンクライアントサーバ210の要求に応じてコンテンツの提供を行っており、コンテンツ利用の際にユーザを認証する機能を有している。
【0072】
シンクライアントサーバ210は、CPU、メモリ、ハードディスク、通信アダプタ等のハードウェアと、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のソフトウェアとで構成され、記憶部212を有すると共に、機能的手段としてシンクライアントサーバ処理部211および転送画面処理情報入力部213を有している。
【0073】
記憶部212は、半導体メモリ、磁気ディスク等で構成され、ユーザ認証要求およびデータ入力要求に関連付けて、ユーザ認証画面およびデータ入力画面の代わりに使用するものとしてシンクライアント端末220との間で事前に取り決めた代替画面の情報を記憶する。
【0074】
代替画面は、シンクライアント端末220の画面の表示領域内に挿入される画像であっても良いし、画面の表示領域外に挿入される画像であっても良い。一般に画面の表示領域外には画像は挿入されていないので、若し表示領域外に画像が挿入されていれば、その画像は代替画面となる。従って、表示領域外に1つの代替画面の画像だけを挿入する場合には、その画像のパターンは任意で良い。また、表示領域外に2つ以上の代替画面の画像を挿入する場合には、これら2つ以上の代替画面の画像どうしで区別できるパターンであれば良い。
【0075】
他方、画面の表示領域内に代替画面の画像を挿入する場合には、代替画像はシンクライアント端末220の画面に表示される各種の画像と区別できるユニークな画像であることが必要である。ユニークな画像の例として、シンクライアント端末220の画面には滅多に表示されないパターンを有する図形やマークが考えられる。また、端末画面全体を覆う一色(例えば通常の表示では現れないような色)の画像を代替画面の画像として使うことも可能である。以下の説明では、代替画面は、シンクライアント端末220の画面の表示領域内に挿入された特殊なマークであるものとする。
【0076】
シンクライアントサーバ処理部211は、アプリケーションを実行した結果に従って生成した画面情報を転送画面処理情報入力部213を通じてシンクライアント端末220へ送信し、シンクライアント端末220から送信されてきたデータを受信してアプリケーションの実行を制御するといった機能を司る。またシンクライアントサーバ処理部211は、Webサーバ230からユーザ認証要求、データ入力要求があった場合に、ユーザ認証画面、データ入力画面の画面情報にWebサーバ230からのユーザ認証要求、データ入力要求を添えて転送画面処理情報入力部213へ送信する。さらに、シンクライアントサーバ処理部211は、シンクライアント端末220からの通知に従って、記憶部212へのユーザ認証要求またはデータ入力要求に対応する代替画面の情報の登録を行う。
【0077】
転送画面処理情報入力部213は、シンクライアントサーバ処理部211から受信した画面情報をシンクライアント端末220へ送信する処理を行う。この際、転送画面処理情報入力部213は、シンクライアントサーバ処理部211から、ユーザ認証要求またはデータ入力要求が出された場合には、この要求に関連付けられた代替画面が記憶部212に記憶されているか否かを調べる。そして、要求に関連付けられた代替画面が記憶部212に記憶されていなければ、シンクライアントサーバ処理部211から受信した画面情報をそのままシンクライアント端末220へ送信し、記憶されていれば代替画面を画面情報に埋め込んでシンクライアント端末220へ送信する。
【0078】
転送画面処理情報入力部213の処理の一例を図10に示す。図10を参照すると、転送画面処理情報入力部213は、シンクライアントサーバ処理部211から画面情報を受信したかどうかを判定している(ステップS201)。画面情報を受信した場合、同時にユーザ認証要求またはデータ入力要求を受信したかどうかを判定し(ステップS202、S203)、何れの要求も受信していない場合は、受信した画面情報をそのままシンクライアント端末220へ送信する(ステップS206)。
【0079】
しかし、ユーザ認証要求を受信した場合には、受信したユーザ認証要求と同一のユーザ認証要求が記憶部212に自動入力対象として登録されているか否かを判定し(ステップS204)、登録されていなければ、受信した画面情報をそのままシンクライアント端末220へ送信する(ステップS206)。また、登録されていれば、ユーザ認証要求に対応付けて記憶部212に記憶されている代替画面を画面情報に埋め込み(ステップS205)、シンクライアント端末220へ送信する(ステップS206)。
【0080】
またデータ入力要求を受信した場合には、受信したデータ入力要求と同一のデータ入力要求が記憶部212に自動入力対象として登録されているか否かを判定し(ステップS207)、登録されていなければ、受信した画面情報をそのままシンクライアント端末220へ送信する(ステップS206)。また、登録されていれば、データ入力要求に対応付けて記憶部212に記憶されている代替画面を画面情報に埋め込み(ステップS208)、シンクライアント端末220へ送信する(ステップS208)。
【0081】
他方、シンクライアント端末220は、シンクライアントサーバ210から送信されてきた画面情報を液晶ディスプレイ等の表示装置240に表示する表示部221、キーボードやマウス等の入力装置250から入力されたデータをシンクライアントサーバ210へ送信する入力部222に加えて、記憶部223、登録部224、検出部225および入力情報管理部226を備えている。
【0082】
記憶部223は、半導体メモリ、磁気ディスク、ICカードなどの記憶手段であり、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶するために使用される。本実施の形態の場合、特定の画像の情報とそれに対応する特定の入力情報とは、一つは、ユーザ認証画面の代替画面の情報と認証情報であり、もう一つはデータ入力画面の代替画面の情報と入力データである。
【0083】
記憶部223に記憶する特定の画像の情報は、その特定の画像そのものであっても良いし、その特定の画像の特徴量であっても良い。
【0084】
検出部225は、シンクライアントサーバ210から受信した画面情報に特定の画像が含まれているかどうかを検出する手段である。検出部225は、シンクライアントサーバ210から画面情報を受信する毎に、その画面情報から表示画面を生成し、表示画面中に、記憶部223に記憶されている特定の画像(本実施の形態の場合はユーザ認証画面の代替画面、データ入力画面の代替画面)と同一の画像が存在するかどうかを、パターンマッチング等の画像認識により検出する。検出部225は、特定の画像を検出した場合には、受信した画面情報を表示部121に送信すると同時に、検出した特定の画像の情報を入力情報管理部226へ送信する。他方、特定の画像を検出しなかった場合、検出部225は、受信した画面情報を表示部221に送信すると同時に、登録部224へ送信する。
【0085】
検出部225の処理の一例を図11に示す。図11を参照すると、検出部225は、シンクライアントサーバ210から画面情報を受信したかどうかを判定している(ステップS211)。画面情報を受信した場合、記憶部223にユーザ認証画面またはデータ入力画面の代替画面が登録されているか否かを判定する(ステップS212、S213)。何れの代替画面も登録されていない場合には、今回受信した画面情報を表示部221と登録部224に送信し(ステップS214)、ステップS211の処理に戻る。
【0086】
記憶部223にユーザ認証画面またはデータ入力画面の代替画面が登録されていた場合、検出部225は、画面情報中に同一の代替画面が存在するかどうかをパターンマッチング等の手法で判定する(ステップS215、S216)。同一の代替画面が画面情報中に存在しなければ、今回受信した画面情報を表示部221と登録部224に送信し(ステップS214)、ステップS211の処理に戻る。
【0087】
記憶部223に登録されているユーザ認証画面の代替画面と同一の代替画面が画面情報中に存在していた場合、検出部225は、画面情報から代替画面を除去し(ステップS217)、認証情報を自動入力中である旨のメッセージのイメージを画面情報に付加して表示部221に送信し(ステップS218)、検出したユーザ認証画面の代替画面の情報を入力情報管理部226に送信する(ステップS219)。また、記憶部223に登録されているデータ入力画面の代替画面と同一の代替画面が画面情報中に存在していた場合、検出部225は、画面情報から代替画面を除去し(ステップS220)、入力データを自動入力中である旨のメッセージのイメージを画面情報に付加して表示部221に送信し(ステップS221)、検出したデータ入力画面の代替画面の情報を入力情報管理部226に送信する(ステップS222)。
【0088】
登録部224は、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶部223に格納する機能を有する。登録部224は、表示装置240の画面に表示されているユーザ認証画面に対してユーザが入力部222を通じて入力装置250から自動入力設定を指示した場合に、ユーザが入力装置250から入力した認証情報と前記ユーザ認証画面の代替画面の情報とを関連付けて記憶部223に格納する。また、登録部224は、表示装置240の画面に表示されているデータ入力画面に対してユーザが入力部222を通じて入力装置250から自動入力設定を指示した場合に、ユーザが入力装置250から入力したデータと前記データ入力画面の代替画面の情報とを関連付けて記憶部223に格納する。ユーザ認証画面やデータ入力画面の代替画面は、例えば記憶部223に幾つかの候補が事前に記憶されており、その中から未使用のものを選択して使用する。
【0089】
登録部224の処理の一例を図12に示す。図12を参照すると、登録部224は、入力部222を通じてユーザから認証情報の自動入力設定要求または入力データの自動入力設定要求があったかどうかを判定している(ステップS231、S232)。
【0090】
ユーザから認証情報の自動入力設定要求を受けた場合、登録部224は、ユーザが入力装置250から入力した認証情報を入力部222を介して受信し(ステップS233)、ユーザ認証画面の代替画面の情報と認証情報とを対応付けて記憶部223に格納する(ステップS234)。次に登録部224は、ユーザ認証画面の代替画面の情報と認証情報との対応情報を入力部222を通じてシンクライアントサーバ210へ送信する(ステップS235)。なお、登録部224は、検出部225から受信した画面情報からユーザ認証画面を検出することができたことを条件に、ステップS234、S235の処理を行うようにしても良い。また、登録部224は、検出部225からの画面情報の受信時、その画面情報からユーザ認証画面の検出を試み、検出できた場合に、このユーザ認証画面について自動入力設定を行うかどうかをユーザに問い合わせるメッセージを表示装置240に表示する機能を有していてもよい。
【0091】
また登録部224は、ユーザから入力データの自動入力設定要求を受けた場合、ユーザが入力装置250から入力したデータを入力部222を介して受信し(ステップS236)、データ入力画面の代替画面の情報と入力データとを対応付けて記憶部223に格納する(ステップS237)。次に登録部224は、データ入力画面の代替画面の情報と入力データとの対応情報を入力部222を通じてシンクライアントサーバ210へ送信する(ステップS238)。なお、登録部224は、検出部225から受信した画面情報からデータ入力画面を検出することができたことを条件に、ステップS237、S238の処理を行うようにしても良い。また、登録部224は、検出部225からの画面情報の受信時、その画面情報からデータ入力画面の検出を試み、検出できた場合に、このデータ入力画面について自動入力設定を行うかどうかをユーザに問い合わせるメッセージを表示装置240に表示する機能を有していてもよい。
【0092】
入力情報管理部226は、検出部225で検出された特定の画像に関連付けて記憶されている特定の情報を記憶部223から読み出し、入力部222を介してシンクライアントサーバ210へ送信する手段である。
【0093】
次に、シンクライアント端末220からシンクライアントサーバ210を通じてWebサーバ230を利用する際にWebサーバ230から要求されるユーザ認証とデータ入力とを例に挙げて、本実施の形態の動作を説明する。
【0094】
<ユーザ認証の自動入力設定動作>
まず、ユーザ認証の自動入力設定動作について説明する。
【0095】
シンクライアント端末220のユーザが、入力装置250上でWebサーバ230にサービスを要求するための操作を行うと、この操作に係る入力データは入力部222を通じてシンクライアントサーバ210のシンクライアントサーバ処理部211へ送信される。シンクライアントサーバ処理部211は、入力データを受信解析してWebサーバ230に対してサービスを要求する。
【0096】
Webサーバ230は、ユーザ認証のために、ユーザIDとパスワードをシンクライアントサーバ処理部211に要求する。
【0097】
シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザIDとパスワードの入力欄を空欄にしたユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報にWebサーバ230からのユーザ認証要求を添えて転送画面処理情報入力部213へ送信する。
【0098】
転送画面処理情報入力部213は、受信したユーザ認証要求と同一のユーザ認証要求が自動入力設定対象として記憶部212に登録されていないので、受信した画面情報をそのままシンクライアント端末220の検出部225へ送信する。
【0099】
検出部225は、記憶部223にユーザ認証画面およびデータ入力画面の代替画面が登録されていないので、受信した画面情報を表示部221と登録部224に送信する。
【0100】
表示部221は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置240に表示する。これにより、ユーザIDとパスワードの入力欄が空欄になったユーザ認証画面が表示装置240に表示され、シンクライアント端末220のユーザは、ユーザ認証が要求されていることを認識する。
【0101】
シンクライアント端末220のユーザが、このユーザ認証画面を自動入力設定の対象とする旨の指示を入力装置250から入力すると、この指示が入力部222を介して登録部224に入力される。続いて、ユーザが認証情報(ユーザIDとパスワード)を入力装置250から入力すると、この認証情報が入力部222によりシンクライアントサーバ処理部211に送信されると共に、登録部224へ送信される。登録部224は、ユーザ認証画面の代替画面の情報と受信した認証情報とを対応付けて記憶部223に格納する。これにより、例えば図14に示すようなユーザ認証画面の代替画面の情報と認証情報との組が記憶部223に記憶されることになる。また、登録部224は、ユーザ認証画面の代替画面の情報と認証情報との対応情報を入力部222を通じてシンクライアントサーバ210のシンクライアントサーバ処理部211へ送信する。
【0102】
他方、シンクライアントサーバ処理部211は、シンクライアント端末220から受信した認証情報をWebサーバ230へ送信し、Webサーバ230はこの認証情報に基づいてユーザ認証を行う。またシンクライアントサーバ処理部211は、シンクライアント端末220から受信したユーザ認証画面の代替画面の情報と認証情報との対応情報中の認証情報が前記受信した認証情報と一致すること、およびその認証情報がWebサーバ230からのユーザ認証要求に対応することを認識し、ユーザ認証画面の代替画面の情報とWebサーバ230のユーザ認証要求とを対応付けて記憶部212に格納する。さらに、シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザIDとパスワードが入力欄に設定された状態のユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報を転送画面処理情報入力部213を通じてシンクライアント端末220の検出部225へ送信する。検出部225は、受信した画面情報を表示部221と登録部224へ送信し、表示部221は画面情報から表示画面を更新する。これにより、ユーザが入力したユーザIDおよびパスワードが入力された状態のユーザ認証画面が表示装置240に表示される。
【0103】
図13は、以上説明したユーザ認証の自動入力設定動作のシーケンスを示している。
【0104】
<データの自動入力設定動作>
次に、データの自動入力設定動作について説明する。
【0105】
ユーザ認証に成功したWebサーバ230がその後の処理の過程で、ユーザの名前と住所の入力をシンクライアントサーバ処理部211に要求すると、シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザの名前と住所の入力欄を空欄にしたデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報にWebサーバ230からのデータ入力要求を添えて転送画面処理情報入力部213へ送信する。
【0106】
転送画面処理情報入力部213は、受信したデータ入力要求と同一のデータ入力要求が自動入力設定対象として記憶部212に登録されていないので、受信した画面情報をそのままシンクライアント端末220の検出部225へ送信する。
【0107】
検出部225は、記憶部223にユーザ認証画面およびデータ入力画面の代替画面が登録されていないので、受信した画面情報を表示部221と登録部224に送信する。
【0108】
表示部221は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置240に表示する。これにより、ユーザの氏名と住所の入力欄が空欄になったデータ入力画面が表示装置240に表示され、シンクライアント端末220のユーザは、氏名と住所が要求されていることを認識する。
【0109】
シンクライアント端末220のユーザが、このデータ入力画面を自動入力設定の対象とする旨の指示を入力装置250から入力すると、この指示が入力部222を介して登録部224に入力される。続いて、ユーザが入力データ(ユーザの氏名と住所)を入力装置250から入力すると、この入力データが入力部222によりシンクライアントサーバ処理部211に送信されると共に、登録部224へ送信される。登録部224は、データ入力画面の代替画面の情報と受信した入力データとを対応付けて記憶部223に格納する。これにより、例えば図14に示すようなデータ入力画面の代替画面の情報と入力データとの組が記憶部223に記憶されることになる。また、登録部224は、データ入力画面の代替画面の情報と入力データとの対応情報を入力部222を通じてシンクライアントサーバ210のシンクライアントサーバ処理部211へ送信する。
【0110】
他方、シンクライアントサーバ処理部211は、シンクライアント端末220から受信した入力データをWebサーバ230へ送信し、Webサーバ230はこの入力データに基づいて処理を行う。またシンクライアントサーバ処理部211は、シンクライアント端末220から受信したデータ入力画面の代替画面の情報と入力データとの対応情報中の入力データが前記受信した入力データと一致すること、およびその入力データがWebサーバ230からのデータ入力要求に対応することを認識し、データ入力画面の代替画面の情報とWebサーバ230のデータ入力要求とを対応付けて記憶部212に格納する。さらに、シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザの氏名と住所が入力欄に設定された状態のデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報を転送画面処理情報入力部213を通じてシンクライアント端末220の検出部225へ送信する。検出部225は、受信した画面情報を表示部221と登録部224へ送信し、表示部221は画面情報から表示画面を更新する。これにより、ユーザが入力したユーザの氏名および住所が入力された状態のデータ入力画面が表示装置240に表示される。
【0111】
図15は、以上説明したデータの自動入力設定動作のシーケンスを示している。
【0112】
<ユーザ認証情報の自動入力>
次に、ユーザ認証情報の自動入力動作について説明する。
【0113】
シンクライアント端末220のユーザが、入力装置250上でWebサーバ230にサービスを要求するための操作を行うと、この操作に係る入力データは入力部222を通じてシンクライアントサーバ210のシンクライアントサーバ処理部211へ送信される。シンクライアントサーバ処理部211は、入力データを受信解析してWebサーバ230に対してサービスを要求する。
【0114】
Webサーバ230は、ユーザ認証のために、ユーザIDとパスワードをシンクライアントサーバ処理部211に要求する。
【0115】
シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザIDとパスワードの入力欄を空欄にしたユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報にWebサーバ230からのユーザ認証要求を添えて転送画面処理情報入力部213へ送信する。
【0116】
転送画面処理情報入力部213は、受信したユーザ認証要求と同一のユーザ認証要求が自動入力対象として記憶部212に登録されているので、そのユーザ認証要求に対応付けて記憶されているユーザ認証画面の代替画面を画面情報に埋め込んで、シンクライアント端末220の検出部225へ送信する。
【0117】
検出部225は、記憶部223には図14に示したようなユーザ認証画面およびデータ入力画面の代替画面の情報が登録されており、そのうちのユーザ認証画面の代替画面が受信した画面情報中に含まれる代替画面と一致するので、画面情報から当該代替画面を除去すると共に認証情報を自動入力中である旨のメッセージを画面情報に付加して表示部221に送信すると同時に、検出したユーザ認証画面の代替画面の情報を入力情報管理部226へ送信する。
【0118】
表示部221は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置240に表示する。これにより、ユーザIDとパスワードの入力欄が空欄になったユーザ認証画面と自動入力中である旨のメッセージが表示装置240に表示され、シンクライアント端末220のユーザは、ユーザ認証が要求されていること及び自動入力中であることを認識する。
【0119】
入力情報管理部226は、検出部225から受信したユーザ認証画面の代替画面の情報をキーに記憶部223を検索して、対応する認証情報を取得し、入力部222へ送信する。入力部222は、受信した認証情報をシンクライアントサーバ処理部211に送信する。これにより、ユーザ認証画面に対してユーザが前回入力した認証情報と全く同じ認証情報が自動的にシンクライアント端末220からシンクライアントサーバ処理部211へ送信されることになる。
【0120】
シンクライアントサーバ処理部211は、シンクライアント端末220から受信した認証情報をWebサーバ230へ送信し、Webサーバ230はこの認証情報に基づいてユーザ認証を行う。また、シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザIDとパスワードが入力欄に設定された状態のユーザ認証画面を生成し、この生成したユーザ認証画面の画面情報を転送画面処理情報入力部213を通じてシンクライアント端末220の検出部225へ送信する。検出部225は、受信した画面情報を表示部221と登録部224へ送信し、表示部221は画面情報から表示画面を更新する。これにより、自動入力したユーザIDおよびパスワードが設定された状態のユーザ認証画面が表示装置240に表示される。
【0121】
図16は、以上説明したユーザ認証情報の自動入力動作のシーケンスを示している。
【0122】
<データの自動入力>
次に、データの自動入力動作について説明する。
【0123】
ユーザ認証に成功したWebサーバ230がその後の処理の過程で、ユーザの名前と住所の入力をシンクライアントサーバ処理部211に要求すると、シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザの名前と住所の入力欄を空欄にしたデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報にWebサーバ230からのデータ入力要求を添えて転送画面処理情報入力部213へ送信する。
【0124】
転送画面処理情報入力部213は、受信したデータ入力要求と同一のデータ入力要求が自動入力対象として記憶部212に登録されているので、そのデータ入力要求に対応付けて記憶されているデータ入力画面の代替画面を画面情報に埋め込んで、シンクライアント端末220の検出部225へ送信する。
【0125】
検出部225は、記憶部223には図14に示したようなユーザ認証画面およびデータ入力画面の代替画面の情報が登録されており、そのうちのデータ入力画面の代替画面が受信した画面情報中に含まれる代替画面と一致するので、画面情報から当該代替画面を除去すると共に入力データを自動入力中である旨のメッセージを画面情報に付加して表示部221に送信すると同時に、検出したデータ入力画面の代替画面の情報を入力情報管理部226へ送信する。
【0126】
表示部221は、受信した画面情報から表示画面を生成し、表示装置240に表示する。これにより、ユーザの氏名と住所の入力欄が空欄になったデータ入力画面と自動入力中である旨のメッセージが表示装置240に表示され、シンクライアント端末220のユーザは、氏名と住所が要求されていること及び自動入力中であることを認識する。
【0127】
入力情報管理部226は、検出部225から受信したデータ入力画面の代替画面の情報をキーに記憶部223を検索して、対応する入力データを取得し、入力部222へ送信する。入力部222は、受信した入力データをシンクライアントサーバ処理部211に送信する。これにより、データ入力画面に対してユーザが前回入力したデータと全く同じデータが自動的にシンクライアント端末220からシンクライアントサーバ処理部211へ送信されることになる。
【0128】
シンクライアントサーバ処理部211は、シンクライアント端末220から受信した入力データをWebサーバ230へ送信し、Webサーバ230はこの入力データに基づいて処理を行う。また、シンクライアントサーバ処理部211は、ユーザの氏名と住所が入力欄に設定された状態のデータ入力画面を生成し、この生成したデータ入力画面の画面情報を転送画面処理情報入力部213を通じてシンクライアント端末220の検出部225へ送信する。検出部225は、受信した画面情報を表示部221と登録部224へ送信し、表示部221は画面情報から表示画面を更新する。これにより、自動入力したユーザの氏名と住所が設定された状態のユーザ認証画面が表示装置240に表示される。
【0129】
図17は、以上説明したデータの自動入力動作のシーケンスを示している。
【0130】
このように本実施の形態によれば、画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、ユーザIDなどで構成される認証情報の管理とその自動入力とをシンクライアント端末220側で行うことができる。その理由は、シンクライアント端末220において、シンクライアントサーバ210から送信されてくる画面情報から事前に設定されたユーザ認証画面の代替画面を検出し、その代替画面と関連付けて記憶してある認証情報をシンクライアントサーバ210へ送信するためである。
【0131】
このようにユーザの手元にあるシンクライアント端末220で安全にパスワード等の認証情報を管理できるので、ネットワーク上のシンクライアントサーバ210に認証情報を管理して自動入力する構成に比べて、サーバへの不正アクセスによるパスワード等の漏洩や管理者による盗み見等による不正を防止することができる。
【0132】
また本実施の形態によれば、画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、ユーザの氏名や住所などの個人情報の管理とその自動入力とをシンクライアント端末220側で行うことができる。その理由は、シンクライアント端末220において、シンクライアントサーバ210から送信されてくる画面情報から事前に設定されたデータ入力画面の代替画面を検出し、その代替画面と関連付けて記憶してある入力データをシンクライアントサーバ210へ送信するためである。
【0133】
このようにユーザの手元にあるシンクライアント端末220で安全にユーザの氏名や住所等のデータを管理できるので、ネットワーク上のシンクライアントサーバ210にデータを管理して自動入力する構成に比べて、サーバへの不正アクセスによる個人情報等の漏洩や管理者による盗み見等による不正を防止することができる。
【0134】
また本実施の形態によれば、シンクライアント端末220は、ユーザ認証画面やデータ入力画面の代わりに代替画面を画面情報から検出すれば良いため、検出の容易なマークなどを代替画面として用いることにより、自動入力対象となるユーザ認証画面やデータ入力画面が端末画面に出現したか否かを簡単かつ確実に検出することができる利点がある。
【0135】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は以上の例に限定されず、その他各種の付加変更が可能である。例えば、データ入力画面として、ユーザの氏名と住所を入力する画面を例に挙げたが、データの種類はこれらに限定されず、例えばオンラインショッピングで良く使用する商品名など他の種類のデータも同様に扱うことができる。また、本発明のシンクライアントサーバを構成するシンクライアント処理部および転送画面処理情報入力部、シンクライアント端末を構成する表示部、入力部、検出部、登録部、入力情報管理部は、ハードウェア的に実現しても良いし、コンピュータとプログラムとで実現しても良い。
【0136】
また、図1に示した実施の形態に係るシンクライアント端末120は登録部124を備えている。しかし、シンクライアント端末120の記憶部123の内容は、他のシンクライアント端末120からコピーして生成することも可能である。また、必要な情報が記憶部123に記憶された後は、登録部124は基本的に不要である。このため、登録部124を有さない図18に示すような構成のシンクライアント端末120も他の実施の形態として考えられる。同様の理由で、図9に示した実施の形態に係るシンクライアント端末220から登録部224を無くした図19に示すような構成のシンクライアント端末220も他の実施の形態として考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明によれば、画面転送型のシンクライアントシステムにおいて、画面表示に対する決まった入力がある場合にシンクライアント端末側で処理するような形態に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるシンクライアント端末の検出部の処理例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるシンクライアント端末の登録部の処理例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおけるユーザ認証の自動入力設定動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるシンクライアント端末の記憶部に記憶されるユーザ認証画面の情報と認証情報との対応情報およびデータ入力画面の情報と入力データとの対応情報の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおけるデータ入力の自動入力設定動作を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおけるユーザ認証情報の自動入力動作を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおける入力データの自動入力動作を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムのブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるシンクライアントサーバの転送画面処理情報入力部の処理例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態におけるシンクライアント端末の検出部の処理例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態におけるシンクライアント端末の登録部の処理例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおけるユーザ認証の自動入力設定動作を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるシンクライアント端末の記憶部に記憶されるユーザ認証画面の代替画面の情報と認証情報との対応情報およびデータ入力画面の代替画面の情報と入力データとの対応情報の一例を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおけるデータ入力の自動入力設定動作を示すシーケンス図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおけるユーザ認証情報の自動入力動作を示すシーケンス図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る画面転送型シンクライアントシステムにおける入力データの自動入力動作を示すシーケンス図である。
【図18】本発明のシンクライアント端末の他の実施の形態のブロック図である。
【図19】本発明のシンクライアント端末の更に別の実施の形態のブロック図である。
【図20】画面転送型シンクライアントシステムの概略ブロック図である。
【符号の説明】
【0139】
100、200…画面転送型シンクライアントサーバ
110、210…シンクライアントサーバ
111、211…シンクライアントサーバ処理部
120、220…シンクライアント端末
121、221…表示部
122、222…入力部
123、223…記憶部
124、224…登録部
125、225…検出部
126、226…入力情報管理部
130、230…Webサーバ
140、240…表示装置
150、250…入力装置
212…記憶部
213…転送画面処理情報入力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力情報をシンクライアントサーバ装置へ送信する入力手段と、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶する記憶手段と、前記シンクライアントサーバ装置から受信した画面情報に前記特定の画像が含まれているかどうかを検出する検出手段と、前記検出された前記特定の画像に関連付けて前記記憶手段に記憶された特定の入力情報を前記入力手段を介して前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力情報管理手段とを備えることを特徴とするシンクライアント端末装置。
【請求項2】
前記特定の画像はユーザ認証画面であり、前記特定の入力情報は認証情報であることを特徴とする請求項1に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項3】
表示手段による表示画面に表示された前記ユーザ認証画面について自動入力設定がユーザにより指示された場合に、前記入力手段から入力された認証情報を前記ユーザ認証画面の情報に関連付けて前記記憶手段に格納する登録手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項4】
前記特定の画像はデータ入力画面であり、前記特定の入力情報は入力データであることを特徴とする請求項1に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項5】
表示手段による表示画面に表示された前記データ入力画面について自動入力設定がユーザにより指示された場合に、前記入力手段から入力されたデータを前記データ入力画面の情報に関連付けて前記記憶手段に格納する登録手段を備えることを特徴とする請求項4に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項6】
前記特定の画像はユーザ認証画面の代わりに使用する代替画面であり、前記特定の入力情報は認証情報であることを特徴とする請求項1に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項7】
表示手段による表示画面に表示された前記ユーザ認証画面について自動入力設定がユーザにより指示された場合に、前記入力手段から入力された認証情報を前記ユーザ認証画面の代わりに使用する前記代替画面の情報に関連付けて前記記憶手段に格納し、前記ユーザ認証画面の代わりに使用する前記代替画面の情報を前記シンクライアントサーバ装置へ通知する登録手段を備えることを特徴とする請求項6に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項8】
前記特定の画像はデータ入力画面の代わりに使用する代替画面であり、前記特定の入力情報は入力データであることを特徴とする請求項1に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項9】
表示手段による表示画面に表示された前記データ入力画面について自動入力設定がユーザにより指示された場合に、前記入力手段から入力されたデータを前記データ入力画面の代わりに使用する前記代替画面の情報に関連付けて前記記憶手段に格納し、前記データ入力画面の代わりに使用する前記代替画面の情報を前記シンクライアントサーバ装置へ通知する登録手段を備えることを特徴とする請求項8に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項10】
前記代替画面は、端末画面の表示領域内に挿入された画像であることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項11】
前記表示領域内に挿入された画像は特定のパターンを有する画像であることを特徴とする請求項10に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項12】
前記表示領域内に挿入された画像は端末画面全体を覆う一色の画像であることを特徴とする請求項10に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項13】
前記代替画面は、端末画面の表示領域外に挿入された画像であることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項14】
前記検出手段は、前記検出した特定の画像を取り除いた画面情報を生成し、表示手段は、前記検出手段で生成された画面情報に従って表示を行うことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項15】
前記検出手段は、前記検出した特定の画像を取り除くと共にメッセージ画像を挿入した画面情報を生成し、表示手段は、前記検出手段で生成された画面情報に従って表示を行うことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項16】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置であって、ユーザ認証要求元からユーザ認証要求が出された場合に、ユーザ認証画面の代わりに使用する代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した認証情報を前記ユーザ認証要求元へ送信するシンクライアントサーバ処理手段とを備えることを特徴とするシンクライアントサーバ装置。
【請求項17】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置であって、ユーザ認証要求に関連付けて、ユーザ認証画面の代わりに使用する代替画面の情報を記憶する記憶手段と、ユーザ認証要求元からユーザ認証要求が出された場合に、該ユーザ認証要求に関連付けられた代替画面が前記記憶手段に記憶されていなければ前記ユーザ認証画面の画面情報を前記シンクライアント端末装置へ送信し、前記代替画面が前記記憶手段に記憶されていれば前記代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した認証情報を前記ユーザ認証要求元へ送信し、且つ、認証情報と共に前記代替画面の情報を受信した場合には、前記ユーザ認証要求に関連付けて前記代替画面の情報を前記記憶手段に格納するシンクライアントサーバ処理手段とを備えることを特徴とするシンクライアントサーバ装置。
【請求項18】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置であって、データ要求元からデータ入力要求が出された場合に、データ入力画面の代わりに使用する代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した入力データを前記データ要求元へ送信するシンクライアントサーバ処理手段とを備えることを特徴とするシンクライアントサーバ装置。
【請求項19】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置であって、データ入力要求に関連付けて、データ入力画面の代わりに使用する代替画面の情報を記憶する記憶手段と、データ要求元からデータ入力要求が出された場合に、該データ入力要求に関連付けられた代替画面が前記記憶手段に記憶されていなければ前記データ入力画面の画面情報を前記シンクライアント端末装置へ送信し、前記代替画面が前記記憶手段に記憶されていれば前記代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した入力データを前記データ要求元へ送信し、且つ、入力データと共に前記代替画面の情報を受信した場合には、前記データ入力要求に関連付けて前記代替画面の情報を前記記憶手段に格納するシンクライアントサーバ処理手段とを備えることを特徴とするシンクライアントサーバ装置。
【請求項20】
シンクライアントサーバ装置から受信した画面を表示する表示手段と、入力情報を前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力手段と、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶する記憶手段とを備えたシンクライアント端末装置における自動入力方法であって、検出手段が、前記シンクライアントサーバ装置から受信した画面情報に前記特定の画像が含まれているかどうかを検出し、入力情報管理手段が、前記検出された前記特定の画像に関連付けて前記記憶手段に記憶された入力情報を前記入力手段を介して前記シンクライアントサーバ装置へ送信することを特徴とする自動入力方法。
【請求項21】
シンクライアント端末装置を構成するコンピュータを、シンクライアントサーバ装置から受信した画面を表示する表示手段と、入力情報を前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力手段と、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶する記憶手段と、前記シンクライアントサーバ装置から受信した画面情報に前記特定の画像が含まれているかどうかを検出する検出手段と、前記検出された前記特定の画像に関連付けて前記記憶手段に記憶された特定の入力情報を前記入力手段を介して前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力情報管理手段として機能させるためのプログラム。
【請求項22】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置を構成するコンピュータを、ユーザ認証要求元からユーザ認証要求が出された場合に、ユーザ認証画面の代わりに使用する代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した認証情報を前記ユーザ認証要求元へ送信するシンクライアントサーバ処理手段として機能させるためのプログラム。
【請求項23】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置であって、ユーザ認証要求に関連づけて、ユーザ認証画面の代わりに使用する代替画面の情報を記憶する記憶手段を有するシンクライアントサーバ装置を構成するコンピュータを、ユーザ認証要求元からユーザ認証要求が出された場合に、該ユーザ認証要求に関連付けられた代替画面が前記記憶手段に記憶されていなければ前記ユーザ認証画面の画面情報を前記シンクライアント端末装置へ送信し、前記代替画面が前記記憶手段に記憶されていれば前記代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した認証情報を前記ユーザ認証要求元へ送信し、且つ、認証情報と共に前記代替画面の情報を受信した場合には、前記ユーザ認証要求に関連付けて前記代替画面の情報を前記記憶手段に格納するシンクライアントサーバ処理手段として機能させるためのプログラム。
【請求項24】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置を構成するコンピュータを、データ要求元からデータ入力要求が出された場合に、データ入力画面の代わりに使用する代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した入力データを前記データ要求元へ送信するシンクライアントサーバ処理手段として機能させるためのプログラム。
【請求項25】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置であって、データ入力要求に関連付けて、データ入力画面の代わりに使用する代替画面の情報を記憶する記憶手段を備えたシンクライアントサーバ装置を構成するコンピュータを、データ要求元からデータ入力要求が出された場合に、該データ入力要求に関連付けられた代替画面が前記記憶手段に記憶されていなければ前記データ入力画面の画面情報を前記シンクライアント端末装置へ送信し、前記代替画面が前記記憶手段に記憶されていれば前記代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した入力データを前記データ要求元へ送信し、且つ、入力データと共に前記代替画面の情報を受信した場合には、前記データ入力要求に関連付けて前記代替画面の情報を前記記憶手段に格納するシンクライアントサーバ処理手段として機能させるためのプログラム。
【請求項26】
シンクライアント端末装置と、前記シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置とで構成され、
前記シンクライアント端末装置は、入力情報を前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力手段と、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶する記憶手段と、前記シンクライアントサーバ装置から受信した画面情報に前記特定の画像が含まれているかどうかを検出する検出手段と、前記検出された前記特定の画像に関連付けて前記記憶手段に記憶された特定の入力情報を前記入力手段を介して前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力情報管理手段とを備えることを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項27】
シンクライアント端末装置と、前記シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置とで構成され、
前記シンクライアントサーバ装置は、ユーザ認証要求元からユーザ認証要求が出された場合に、ユーザ認証画面の代わりに使用する代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した認証情報を前記ユーザ認証要求元へ送信するシンクライアントサーバ処理手段とを備え、
前記シンクライアント端末装置は、入力情報を前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力手段と、前記ユーザ認証画面の代わりに使用する代替画面の情報に関連付けて認証情報を記憶する記憶手段と、前記シンクライアントサーバ装置から受信した画面情報に前記代替画面が含まれているかどうかを検出する検出手段と、前記検出された前記代替画面の情報に関連付けて前記記憶手段に記憶された認証情報を前記入力手段を介して前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力情報管理手段とを備えることを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項28】
シンクライアント端末装置と、前記シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置とで構成され、
前記シンクライアントサーバ装置は、データ要求元からデータ入力要求が出された場合に、データ入力画面の代わりに使用する代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した入力データを前記データ要求元へ送信するシンクライアントサーバ処理手段とを備え、
前記シンクライアント端末装置は、入力情報を前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力手段と、前記データ入力画面の代わりに使用する代替画面の情報に関連付けて入力データを記憶する記憶手段と、前記シンクライアントサーバ装置から受信した画面情報に前記代替画面が含まれているかどうかを検出する検出手段と、前記検出された前記代替画面の情報に関連付けて前記記憶手段に記憶された入力データを前記入力手段を介して前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力情報管理手段とを備えることを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項1】
入力情報をシンクライアントサーバ装置へ送信する入力手段と、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶する記憶手段と、前記シンクライアントサーバ装置から受信した画面情報に前記特定の画像が含まれているかどうかを検出する検出手段と、前記検出された前記特定の画像に関連付けて前記記憶手段に記憶された特定の入力情報を前記入力手段を介して前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力情報管理手段とを備えることを特徴とするシンクライアント端末装置。
【請求項2】
前記特定の画像はユーザ認証画面であり、前記特定の入力情報は認証情報であることを特徴とする請求項1に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項3】
表示手段による表示画面に表示された前記ユーザ認証画面について自動入力設定がユーザにより指示された場合に、前記入力手段から入力された認証情報を前記ユーザ認証画面の情報に関連付けて前記記憶手段に格納する登録手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項4】
前記特定の画像はデータ入力画面であり、前記特定の入力情報は入力データであることを特徴とする請求項1に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項5】
表示手段による表示画面に表示された前記データ入力画面について自動入力設定がユーザにより指示された場合に、前記入力手段から入力されたデータを前記データ入力画面の情報に関連付けて前記記憶手段に格納する登録手段を備えることを特徴とする請求項4に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項6】
前記特定の画像はユーザ認証画面の代わりに使用する代替画面であり、前記特定の入力情報は認証情報であることを特徴とする請求項1に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項7】
表示手段による表示画面に表示された前記ユーザ認証画面について自動入力設定がユーザにより指示された場合に、前記入力手段から入力された認証情報を前記ユーザ認証画面の代わりに使用する前記代替画面の情報に関連付けて前記記憶手段に格納し、前記ユーザ認証画面の代わりに使用する前記代替画面の情報を前記シンクライアントサーバ装置へ通知する登録手段を備えることを特徴とする請求項6に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項8】
前記特定の画像はデータ入力画面の代わりに使用する代替画面であり、前記特定の入力情報は入力データであることを特徴とする請求項1に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項9】
表示手段による表示画面に表示された前記データ入力画面について自動入力設定がユーザにより指示された場合に、前記入力手段から入力されたデータを前記データ入力画面の代わりに使用する前記代替画面の情報に関連付けて前記記憶手段に格納し、前記データ入力画面の代わりに使用する前記代替画面の情報を前記シンクライアントサーバ装置へ通知する登録手段を備えることを特徴とする請求項8に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項10】
前記代替画面は、端末画面の表示領域内に挿入された画像であることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項11】
前記表示領域内に挿入された画像は特定のパターンを有する画像であることを特徴とする請求項10に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項12】
前記表示領域内に挿入された画像は端末画面全体を覆う一色の画像であることを特徴とする請求項10に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項13】
前記代替画面は、端末画面の表示領域外に挿入された画像であることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項14】
前記検出手段は、前記検出した特定の画像を取り除いた画面情報を生成し、表示手段は、前記検出手段で生成された画面情報に従って表示を行うことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項15】
前記検出手段は、前記検出した特定の画像を取り除くと共にメッセージ画像を挿入した画面情報を生成し、表示手段は、前記検出手段で生成された画面情報に従って表示を行うことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項16】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置であって、ユーザ認証要求元からユーザ認証要求が出された場合に、ユーザ認証画面の代わりに使用する代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した認証情報を前記ユーザ認証要求元へ送信するシンクライアントサーバ処理手段とを備えることを特徴とするシンクライアントサーバ装置。
【請求項17】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置であって、ユーザ認証要求に関連付けて、ユーザ認証画面の代わりに使用する代替画面の情報を記憶する記憶手段と、ユーザ認証要求元からユーザ認証要求が出された場合に、該ユーザ認証要求に関連付けられた代替画面が前記記憶手段に記憶されていなければ前記ユーザ認証画面の画面情報を前記シンクライアント端末装置へ送信し、前記代替画面が前記記憶手段に記憶されていれば前記代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した認証情報を前記ユーザ認証要求元へ送信し、且つ、認証情報と共に前記代替画面の情報を受信した場合には、前記ユーザ認証要求に関連付けて前記代替画面の情報を前記記憶手段に格納するシンクライアントサーバ処理手段とを備えることを特徴とするシンクライアントサーバ装置。
【請求項18】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置であって、データ要求元からデータ入力要求が出された場合に、データ入力画面の代わりに使用する代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した入力データを前記データ要求元へ送信するシンクライアントサーバ処理手段とを備えることを特徴とするシンクライアントサーバ装置。
【請求項19】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置であって、データ入力要求に関連付けて、データ入力画面の代わりに使用する代替画面の情報を記憶する記憶手段と、データ要求元からデータ入力要求が出された場合に、該データ入力要求に関連付けられた代替画面が前記記憶手段に記憶されていなければ前記データ入力画面の画面情報を前記シンクライアント端末装置へ送信し、前記代替画面が前記記憶手段に記憶されていれば前記代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した入力データを前記データ要求元へ送信し、且つ、入力データと共に前記代替画面の情報を受信した場合には、前記データ入力要求に関連付けて前記代替画面の情報を前記記憶手段に格納するシンクライアントサーバ処理手段とを備えることを特徴とするシンクライアントサーバ装置。
【請求項20】
シンクライアントサーバ装置から受信した画面を表示する表示手段と、入力情報を前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力手段と、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶する記憶手段とを備えたシンクライアント端末装置における自動入力方法であって、検出手段が、前記シンクライアントサーバ装置から受信した画面情報に前記特定の画像が含まれているかどうかを検出し、入力情報管理手段が、前記検出された前記特定の画像に関連付けて前記記憶手段に記憶された入力情報を前記入力手段を介して前記シンクライアントサーバ装置へ送信することを特徴とする自動入力方法。
【請求項21】
シンクライアント端末装置を構成するコンピュータを、シンクライアントサーバ装置から受信した画面を表示する表示手段と、入力情報を前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力手段と、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶する記憶手段と、前記シンクライアントサーバ装置から受信した画面情報に前記特定の画像が含まれているかどうかを検出する検出手段と、前記検出された前記特定の画像に関連付けて前記記憶手段に記憶された特定の入力情報を前記入力手段を介して前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力情報管理手段として機能させるためのプログラム。
【請求項22】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置を構成するコンピュータを、ユーザ認証要求元からユーザ認証要求が出された場合に、ユーザ認証画面の代わりに使用する代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した認証情報を前記ユーザ認証要求元へ送信するシンクライアントサーバ処理手段として機能させるためのプログラム。
【請求項23】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置であって、ユーザ認証要求に関連づけて、ユーザ認証画面の代わりに使用する代替画面の情報を記憶する記憶手段を有するシンクライアントサーバ装置を構成するコンピュータを、ユーザ認証要求元からユーザ認証要求が出された場合に、該ユーザ認証要求に関連付けられた代替画面が前記記憶手段に記憶されていなければ前記ユーザ認証画面の画面情報を前記シンクライアント端末装置へ送信し、前記代替画面が前記記憶手段に記憶されていれば前記代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した認証情報を前記ユーザ認証要求元へ送信し、且つ、認証情報と共に前記代替画面の情報を受信した場合には、前記ユーザ認証要求に関連付けて前記代替画面の情報を前記記憶手段に格納するシンクライアントサーバ処理手段として機能させるためのプログラム。
【請求項24】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置を構成するコンピュータを、データ要求元からデータ入力要求が出された場合に、データ入力画面の代わりに使用する代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した入力データを前記データ要求元へ送信するシンクライアントサーバ処理手段として機能させるためのプログラム。
【請求項25】
シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置であって、データ入力要求に関連付けて、データ入力画面の代わりに使用する代替画面の情報を記憶する記憶手段を備えたシンクライアントサーバ装置を構成するコンピュータを、データ要求元からデータ入力要求が出された場合に、該データ入力要求に関連付けられた代替画面が前記記憶手段に記憶されていなければ前記データ入力画面の画面情報を前記シンクライアント端末装置へ送信し、前記代替画面が前記記憶手段に記憶されていれば前記代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した入力データを前記データ要求元へ送信し、且つ、入力データと共に前記代替画面の情報を受信した場合には、前記データ入力要求に関連付けて前記代替画面の情報を前記記憶手段に格納するシンクライアントサーバ処理手段として機能させるためのプログラム。
【請求項26】
シンクライアント端末装置と、前記シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置とで構成され、
前記シンクライアント端末装置は、入力情報を前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力手段と、特定の画像の情報に関連付けて特定の入力情報を記憶する記憶手段と、前記シンクライアントサーバ装置から受信した画面情報に前記特定の画像が含まれているかどうかを検出する検出手段と、前記検出された前記特定の画像に関連付けて前記記憶手段に記憶された特定の入力情報を前記入力手段を介して前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力情報管理手段とを備えることを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項27】
シンクライアント端末装置と、前記シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置とで構成され、
前記シンクライアントサーバ装置は、ユーザ認証要求元からユーザ認証要求が出された場合に、ユーザ認証画面の代わりに使用する代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した認証情報を前記ユーザ認証要求元へ送信するシンクライアントサーバ処理手段とを備え、
前記シンクライアント端末装置は、入力情報を前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力手段と、前記ユーザ認証画面の代わりに使用する代替画面の情報に関連付けて認証情報を記憶する記憶手段と、前記シンクライアントサーバ装置から受信した画面情報に前記代替画面が含まれているかどうかを検出する検出手段と、前記検出された前記代替画面の情報に関連付けて前記記憶手段に記憶された認証情報を前記入力手段を介して前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力情報管理手段とを備えることを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項28】
シンクライアント端末装置と、前記シンクライアント端末装置との間でネットワークを介して画面情報の送信と入力情報の受信とを行うシンクライアントサーバ装置とで構成され、
前記シンクライアントサーバ装置は、データ要求元からデータ入力要求が出された場合に、データ入力画面の代わりに使用する代替画面を画面情報に埋め込んで前記シンクライアント端末装置へ送信する転送画面処理情報入力手段と、前記シンクライアント端末装置から受信した入力データを前記データ要求元へ送信するシンクライアントサーバ処理手段とを備え、
前記シンクライアント端末装置は、入力情報を前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力手段と、前記データ入力画面の代わりに使用する代替画面の情報に関連付けて入力データを記憶する記憶手段と、前記シンクライアントサーバ装置から受信した画面情報に前記代替画面が含まれているかどうかを検出する検出手段と、前記検出された前記代替画面の情報に関連付けて前記記憶手段に記憶された入力データを前記入力手段を介して前記シンクライアントサーバ装置へ送信する入力情報管理手段とを備えることを特徴とするシンクライアントシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
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【図10】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−152629(P2010−152629A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329817(P2008−329817)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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