説明

シートバックボード及びこれを用いた車両用シート

【課題】樹脂バネ部への入力荷重による応力集中を抑制することができるシートバックボード及びこれを用いた車両用シートを得る。
【解決手段】シートバックボード16では、バックボード部36と一体に連結された下側ボードサイド部50が、サイドフレーム26にクリップ65によって固定されている。また、下側バックバネ本体部48は、バネ一般部48Aがクリップ65よりもシートバック後方側に配置されているが、前延部48Bがバネ一般部48Aよりもシートバック前方側の連結部53において下側ボードサイド部50に連結されている。これにより、連結部53がバネ一般部48Aに対してシートバック幅方向に並んで配置されている場合と比較して、連結部53からクリップ65までの距離を短くできるので、下側バックバネ本体部48への入力荷重Pによって連結部53の周辺に応力が集中することを抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートバックボード及びこれを用いた車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用シートには、軽量化の要請がある。下記特許文献1には、車両用シートの軽量化を図る観点から、シートバックフレームに設けられた左右一対のサイドフレーム間に掛け渡されるバネを、樹脂製とすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−138156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両用シートには、シートバックの背面側に平板状のバックボードが設けられたものがある。このようなバックボードは、一般に樹脂製であるため、前述の如き樹脂バネと一体又は一体的に形成することが考えられる。つまり、バックボード部及び樹脂バネ部を備えたシートバックボードを形成し、これをシートバックフレームに取り付ける構成にすれば、部品点数及び組付工数を削減することができる。
【0005】
但し、樹脂バネ部には乗員からの荷重が入力されるため、当該荷重によって上記シートバックボードの一部に応力が集中する場合には、当該一部の板厚を増加させる等の対策が必要になり、軽量化の要請に反することになる。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、樹脂バネ部への入力荷重による応力集中を抑制することができるシートバックボード及びこれを用いた車両用シートを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明に係るシートバックボードは、樹脂製とされ、シートバックフレームの背面側に配置されるバックボード部と、樹脂製とされ、前記シートバックフレームに設けられた左右一対のサイドフレームのそれぞれに固定具によって固定されると共に、前記一対のサイドフレームに対してシートバック幅方向内方側に配置された左右一対の内壁を有し、前記バックボード部のシートバック幅方向両端部と一体又は一体的に連結された左右一対の連結固定部と、樹脂製とされ、前記一対の連結固定部間にシートバック幅方向に沿って配置されると共に、シートバック幅方向中央側に設けられたバネ一般部が前記固定具よりもシートバック後方側に配置され、当該バネ一般部のシートバック幅方向両端部からシートバック幅方向外方側かつシートバック前方側へ延出された左右一対の前延部が前記一対の内壁と一体又は一体的に連結されると共に前記固定具のシートバック幅方向内方で前記内壁とシートバック幅方向に並んで配置された樹脂バネ部と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載のシートバックボードでは、バックボード部と一体又は一体的に連結された左右一対の連結固定部が、固定具(ボルト及びナット、クリップ等)によって、シートバックフレームの左右一対のサイドフレームに固定される。これら一対の連結固定部は、一対のサイドフレームに対してシートバック幅方向内方側に配置された左右一対の内壁を有しており、これら一対の連結固定部の間には、樹脂バネ部がシートバック幅方向に沿って配置されている。この樹脂バネ部は、シートバック幅方向中央側に設けられたバネ一般部がサイドフレームへの連結固定部の固定位置である上記固定具よりもシートバック後方側に配置されている。また、この樹脂バネ部は、バネ一般部のシートバック幅方向両端部からシートバック幅方向外方側かつシートバック前方側へ延出された前延部が、一対の連結固定部の内壁と一体又は一体的に連結されている。これにより、樹脂バネ部と連結固定部との連結部がバネ一般部に対してシートバック幅方向に並んで配置されている場合と比較して、当該連結部から上記固定位置までの距離を短く設定することができるので、樹脂バネ部に入力される乗員からの荷重によって上記連結部周辺に応力が集中することを抑制できる。
【0009】
請求項2に記載の発明に係るシートバックボードは、請求項1に記載のシートバックボードにおいて、前記サイドフレームは、側壁部、前壁部、及び後壁部を備えてシートバック幅方向内方側が開口された開断面形状に形成され、前記連結固定部は、前記側壁部のシートバック幅方向外方側に配置されると共に前記固定具によって前記側壁部に固定された外壁と、前記前壁部の前面側に配置されて前記内壁及び前記外壁の各前端を連結した前壁と、を有することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載のシートバックボードでは、連結固定部は、サイドフレームの側壁部のシートバック幅方向内方側に配置される内壁が、樹脂バネ部の前延部のシートバック幅方向外方側端部と連結され、前記側壁部のシートバック幅方向外方側に配置される外壁が、固定具によって前記側壁部に固定される。さらに、内壁と外壁との各前端を連結した前壁が、サイドフレームの前壁部の前面側に配置される。これにより、樹脂バネ部を介して連結固定部に負荷される乗員からの荷重を、上記前壁を介してサイドフレームの前壁部の前面で受けることができるので、連結固定部に生じる応力を緩和することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明に係るシートバックボードは、請求項1又は請求項2に記載のシートバックボードにおいて、前記樹脂バネ部の前記前延部と前記連結固定部との連結部は、シートバック幅方向から見て前記固定具と重なる位置に配置されることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載のシートバックボードでは、樹脂バネ部の前延部と連結固定部との連結部が、シートバック幅方向から見て固定具と重なる位置、つまり、固定具と乗員との間に配置される。このため、車両の側面衝突時に、乗員が上記固定具側へ慣性移動した際には、上記連結部が乗員と固定具との間に介在されることにより、乗員を効率よく保護することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明に係る車両用シートは、前記シートバックフレームと、前記シートバックフレームにおける前記左右一対のサイドフレームに支持された請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のシートバックボードと、前記シートバックボードの前面側に配置されたシートバックパッドと、前記シートバックパッドの表面を覆うカバーと、を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の車両用シートでは、シートバックフレームにおける左右一対のサイドフレームに支持されたシートバックボードが、カバーによって覆われたシートバックパッドをその後面側から支持する。ここで、このシートバックボードは、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載されたものであるため、前述した作用効果が得られる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明に係るシートバックボード及び車両用シートでは、樹脂バネ部への入力荷重による応力集中を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用シートのシートバックの分解斜視図である。
【図2】図1に示されるシートバックフレームにシートバックボードが組み付けられた状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示されるシートバックの組付状態を拡大して示す拡大平断面図(図2の3−3線に沿った切断面を示す拡大平断面図)である。
【図4】図1に示されるシートバックの組付状態を拡大して示す拡大縦断面図である。
【図5】(A)は比較例の構成に生じる曲げモーメントを説明するためのモデル図であり、(B)は本実施形態の構成に生じる曲げモーメントを説明するためのモデル図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1〜図5を用いて、本発明に係る車両用シートの一実施形態について説明する。なお、各図中適宜示される矢印FRは車両前方向を示しており、矢印UPは車両上方向を示しており、矢印Wは車両幅方向を示している。また、本実施形態に係る車両用シートの前後方向、上下方向、及び幅方向(左右方向)は、車両の前後方向、上下方向、及び幅方向(左右方向)と一致している。
【0018】
<全体構成>
図1には、本実施形態に係る車両用シートの背もたれであるシートバックの分解斜視図が示されている。なお、図1では、各構成要素を見る角度を若干変えて描いている。また、図4には、当該シートバックを備えた車両用シートの縦断面図が示されている。これらの図に示されるように、車両用シート10は、乗員が着座するシートクッション11(図4参照)と、シートクッション11の後端部に傾倒可能に支持されたシートバック12と、シートバック12の上端部に上下動可能に支持された図示しないヘッドレストと、によって構成されている。なお、各図中に適宜示される矢印Aは、シートバック12の前方向を示しており、矢印Bは、シートバック12の高さ方向を示している。また、シートバック12の幅方向は、車両幅方向(シート幅方向)Wと一致している。
【0019】
図1に示されるように、上記シートバック12は、シートバック12の骨格部材を構成する金属製のシートバックフレーム14と、シートバックフレーム14の前面側に装着される樹脂バネ一体バックボード(以下、単に「シートバックボード」と称す。)16と、シートバック12のクッション材を構成すると共にシートバックボード16の前面側から取付けられてシートバックフレーム14に支持されるシートバックパッド18と、シートバックパッド18の主として前面を覆うカバー(表皮)20と、カバー20をシートバックボード16に取付けるための縦方向取付部材22及び横方向取付部材24と、を備えている。以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0020】
<シートバックフレーム14の構成>
図1〜図4に示されるように、シートバックフレーム14は、正面視(車両の正面から見た場合を指す。)において、矩形枠状に形成されている。具体的には、シートバック幅方向に対向して配置された左右一対のサイドフレーム26と、左右のサイドフレーム26の上端部同士を繋ぐ逆U字状のアッパフレーム28と、左右のサイドフレーム26の下端部同士をシートバック幅方向に繋ぐロアフレーム30と、によって構成されている。上記シートバック12はアッパフレーム28も含めて4つの部材がすべてプレス成形によって製作されているが、他のフレーム構造を採用してもよい。例えば、アッパフレームのみを逆U字状に曲げたパイプ材で構成してもよいし、アッパフレームと左右一対のサイドフレームを逆U字状に曲げた一つのパイプ材で構成してもよい。
【0021】
次に、上記左右のサイドフレーム26の断面構造について説明する。図2及び図3に示されるように、サイドフレーム26は、側壁部26Aと、前壁部26Bと、後壁部26Cとによって構成されており、シートバック幅方向内方側が開口された開断面形状に形成されている。側壁部26Aは全体的には下端部から上端部に向かうほど幅が狭くなっている。また、側壁部26Aの下部には、上下一対の取付孔32、33(図1参照)が形成されている。前壁部26Bは側壁部26Aの前端からシートバック幅方向内方側かつやや斜め前方へ延出された後に、円弧面を介してシートバック幅方向内方側かつやや斜め後方へ延出されている。後壁部26Cは側壁部26Aの後端からシートバック幅方向内方側へ延出されている。後壁部26のシートバック幅方向中央部には、シートバック前方側へ円弧状に膨出した膨出部が設けられており、後壁部26の先端部はシートバック前方側へ斜めに折り曲げられている。後壁部26Cの幅は前壁部26Bの幅に対して充分に広く設定されている。また、後壁部26Cの上部側にも取付孔34(図1参照)が形成されている。
【0022】
<シートバックボード16の構成>
次に、本実施形態に係る車両用シート10の要部を構成するシートバックボード16の構成について詳細に説明する。図1〜図4(特に図1及び図2)に示されるように、シートバックボード16は、樹脂の板材で形成されると共にシートバックフレーム14の背面側に配置されたバックボード部36と、樹脂製とされてバックボード部36に一体に設けられると共に左右一対のサイドフレーム26に支持されるように架け渡され、更にシートバック後方側への荷重が作用することにより荷重作用方向(シートバック後方側)へ撓み変形可能に形成されたバックバネ部38と、を備えている。
【0023】
バックボード部36は、シートバックフレーム14よりも一回り小さく形成されたボード本体40と、このボード本体40の外周部に一体成形されたU溝状の係止部42と、によって構成されている。より具体的には、ボード本体40は矩形枠状に形成されたシートバックフレーム14の開口部の内周縁よりも一回り小さく形成されている。そして、シートバックフレーム14への組付状態では、ボード本体40は左右のサイドフレーム26における後壁部26Cの先端部(内端部)間の若干シートバック後方側に配置されている。従って、ボード本体40は、シートバックフレーム14に対して前方側から組付可能とされている(図3参照)。係止部42の断面形状は、シートバック後方側が開放されたU字状とされている。この係止部42は、後述するカバー20の外周部を係止するために用いられるが、板状のボード本体40を補強してバックボード部36全体の面剛性を高める機能をも有している。
【0024】
バックバネ部38は、バックボード部36の下部側に一体に形成された下側バックバネ部44と、バックボード部36の上部側に一体に形成された上側バックバネ部46と、によって構成されている。上側バックバネ部46は、下側バックバネ部44に対してシートバック高さ方向に所定距離だけ離間した位置に独立して設けられている。
【0025】
下側バックバネ部44は、シートバック高さ方向に上下三段に平行に配置された3本の下側バックバネ本体部48、49、51(樹脂バネ部)と、これら3本の下側バックバネ本体部48、49、51におけるシートバック幅方向(長手方向)の両端部をシートバック高さ方向に連結すると共にバックボード部36とも連結しかつサイドフレーム26に固定される左右一対の下側ボードサイド部50(連結固定部)と、によって構成されている。なお、下側バックバネ部44を何本の下側バックバネ本体部で構成するかは任意であり、要求されるクッション性能との関係で適宜変更される。従って、下側バックバネ本体部の上下幅を広げて1本にしてもよいし、逆に2本又は4本以上の複数本にしてもよい。
【0026】
図2に示されるように、下側バックバネ本体部48、49、51は、シートバック幅方向中央側に設けられたバネ一般部48A、49A、51Aが平断面で波状に形成されており、バックボード部36側(シートバック後方側)への荷重が作用することによりバネ一般部48A、49A、51Aが伸長する。これにより、下側バックバネ本体部48、49、51が荷重作用方向であるバックボード部36側へ撓み変形(弾性変形)するようになっている。また、下側バックバネ本体部48、49、51は、バネ一般部48A、49A、51Aのシートバック幅方向両端部からシートバック幅方向外方側かつシートバック前方側へ向けて平面視で直線状に延出された左右一対の前延部48B、49B、51B(傾斜部)を有している。これらの前延部48B、49B、51Bは、シートバック幅方向外方側の端部が下側ボードサイド部50に連結されている。なお、上段と下段の下側バックバネ本体部48、51におけるバネ一般部48A、51Aのシートバック幅方向両端部には、左右一対の縦向き開口58(長孔)が形成されており、これら一対の縦向き開口58の間には、カバー20を係止するための縦向き係止部59が形成されている。
【0027】
図3に示されるように、上述したバックボード部36は、下側バックバネ部44のシートバック後方側に所定距離だけ離間した位置に配置されている。つまり、下側バックバネ部44とバックボード部36との間には所定の隙間52が形成されている。この隙間52の範囲内で下側バックバネ本体部48、49、51は弾性変形可能とされている。すなわち、バックボード部36は、下側バックバネ部44の撓み量を所定量以下に制限する制限部材としても機能している。
【0028】
一方、下側ボードサイド部50は、サイドフレーム26の側壁部26Aに対してシートバック幅方向内方側に配置された内壁50Aを有している。この内壁50Aには、下側バックバネ本体部48、49、51の前延部48B、49B、51Bのシートバック幅方向外方側端部が連結された連結部53、55、57が設けられている。これらの連結部53、55、57は、サイドフレーム26の前壁部26Bの近傍に配置されている。また、下側ボードサイド部50は、サイドフレーム26の側壁部26Aに対してシートバック幅方向外方側に配置された外壁50Bを有している。この外壁50Bは、内壁50Aに対して平行に配置されており、側壁部26Aの外側面に接触している。さらに、下側ボードサイド部50は、サイドフレーム26の前壁部26Bの前面側で内壁50A及び外壁50Bの前端部同士を連結した前壁50Cと、内壁50Aの後端部からシートバック幅方向内方側へ延出されてバックボード部36に連結された後側壁50Dと、を備えている。前壁50Cは、シートバック幅方向内方側の部分が連結部53、55、57を介して前延部48B、49B、51Bに直線的に連続している。
【0029】
上述した上下三段の下側バックバネ本体部48、49、51のシートバック幅方向両端部(前延部48B、49B、51Bの先端部)は、左右一対の下側ボードサイド部50によって相互に連結されている。つまり、下側バックバネ本体部48、49、51はシートバック高さ方向に複数段に設けられるが、これらの下側バックバネ本体部48、49、51のシートバック幅方向両端部が左右一対の下側ボードサイド部50によって連結されることにより、下側バックバネ部44がバックボード部36に一体化されている。なお、下側ボードサイド部50は、上段の下側バックバネ本体部48の上縁から下段の下側バックバネ本体部51の下縁までの範囲を含むようにその長手方向寸法が設定されている。
【0030】
図1に示されるように、上記下側ボードサイド部50の外壁50Bには、上下一対の透孔61、63が形成されている。上側の透孔61は、上段の下側バックバネ本体部48と同等の高さに配置されており、下側の透孔63は、下段の下側バックバネ本体部51と同等の高さに配置されている。これら上下一対の透孔61、63は、サイドフレーム26の側壁部26Aに形成された上下一対の取付孔32、33とそれぞれ対向する位置に形成されている。そして、下側ボードサイド部50は、シートバック幅方向外方側から透孔61、63に挿入された固定具であるクリップ65、67(図2及び図3参照)が、取付孔32、33に嵌入係止されることによって、サイドフレーム26に締結固定されている。なお、下側ボードサイド部50の固定手段としては、リベット、スクリュー、ネジ又はボルトとウエルドナット等の締結具(固定具)でサイドフレーム26に締結する構成、構造用接着剤でサイドフレーム26に接着する構成等、種々の態様が適用可能である。
【0031】
ここで、本実施形態では、図3に示されるように、上段の下側バックバネ本体部48と同等の高さに配置されたクリップ65は、下側バックバネ本体部48のバネ一般部48Aよりもシートバック前方側に配置されている。つまり、下側ボードサイド部50は、下側バックバネ本体部48のバネ一般部48Aよりもシートバック前方側でサイドフレーム26に締結固定されている。また、本実施形態では、上段の下側バックバネ本体部48と下側ボードサイド部50との連結部53は、バネ一般部48Aよりもシートバック前方側に配置されており、シートバック幅方向から見てクリップ65と重なる位置に配置されている。さらに、本実施形態では、クリップ65のシートバック幅方向内方には、下側ボードサイド部50の内壁50A及び下側バックバネ本体部48の前延部48Bがシート幅方向に並んで配置されている。
【0032】
なお、閉断面による図示は省略するが、下段の下側バックバネ本体部51の連結部57とクリップ67との配置関係も上記同様に設定されている。つまり、図2に示されるように、下段の下側バックバネ本体部51と同等の高さに配置されたクリップ67は、下側バックバネ本体部51のバネ一般部51Aよりもシートバック前方側に配置されており、下側ボードサイド部50は、バネ一般部51Aよりもシートバック前方側でサイドフレーム26に締結固定されている。また、下段の下側バックバネ本体部51と下側ボードサイド部50との連結部57は、バネ一般部51Aよりもシートバック前方側に配置されており、シートバック幅方向から見てクリップ67と重なる位置に配置されている。さらに、クリップ67のシートバック幅方向内方には、下側ボードサイド部50の内壁50A及び下側バックバネ本体部51の前延部51Bがシート幅方向に並んで配置されている。
【0033】
また、中段の下側バックバネ本体部49は、クリップ65、67に対してシートバック高さ方向にずれて配置されているが、当該下側バックバネ本体部49のバネ一般部49Aは、クリップ65、67よりもシートバック後方側に配置されている。
【0034】
一方、上側バックバネ部46は、基本的には下側バックバネ部44と同様に構成されており、上側バックバネ本体部54と上側ボードサイド部56とによって構成されている。そして、上側バックバネ本体部54のシートバック幅方向中央側には、バックボード部36側(シートバック後方側)への荷重が作用すると伸長して撓み変形(弾性変形)するように平断面波状に形成されたバネ一般部54Aが設けられている。また、このバネ一般部54Aのシートバック幅方向両端部には、下側バックバネ48、51に形成された縦向き開口58及び縦向き係止部59と同様の縦向き開口58及び縦向き係止部59が形成されている。さらに、バネ一般部54Aのシートバック幅方向中間部における左右両側には、上下一対の横向き開口69が形成されており、これら一対の横向き開口69の間には横向き係止部71が形成されている。
【0035】
また、上側ボードサイド部56にあっては、シートバック幅方向外側へ向けて張出した形状とされており、上述した左右のサイドフレーム26の側壁部26A間に納まる長手方向寸法に設定されている。そして、後壁部26Cの取付孔34にシートバック後方側から挿入されたクリップ73(図2参照)が、上側ボードサイド部56に形成された透孔75(図1参照)に嵌入係止されることにより、上側ボードサイド部56がサイドフレーム26に固定されている。なお、上側ボードサイド部56の固定手段としては、前述した下側ボードサイド部50の固定手段と同様に、種々の態様が適用可能である。
【0036】
<シートバックパッド18の構成>
図1に示されるように、シートバックパッド18は、大別すると、パッド中央上部62と、パッド中央下部64と、左右一対のパッドサイド部66と、によって構成されている。なお、シートバックパッド18は、ウレタンフォーム等によって製作されている。
【0037】
図4に示されるように、パッド中央上部62の縦断面形状は、上下左右逆向きの略J字状に形成されている。このパッド中央上部62は、シートバックフレーム14のアッパフレーム28にシートバック上方側から係止されている。パッド中央下部64の縦断面形状は、左右逆向きの略J字状に形成されている。また、パッド中央下部64は、下部が上部よりシート前方側へ凸湾曲形状に膨らんだ形状をしている。このパッド中央下部64は、サイドフレーム26の下端部同士をシート幅方向に連結するコネクティングロッド68にシートバック下方側から係止されている。なお、コネクティングロッド68は、シートバックフレーム14のロアフレーム30の前方側に平行に配置されている。
【0038】
また、図3に示されるように、パッドサイド部66の横断面形状は、略C字状に形成されている。このパッドサイド部66は、下側ボードサイド部50が装着された状態のサイドフレーム26に巻き付けられるようにして装着されている。なお、パッドサイド部66は、下部が上部よりシートバック前方側へ凸湾曲形状に膨らんだ形状を成しており、かつパッド中央上部62及びパッド中央下部64よりもシートバック前方側へ膨出されて乗員Hに対するサイドサポート性を確保する形状になっている。
【0039】
図4に戻り、上述したシートバックボード16は、縦断面視で、パッド中央上部62の背面側下端部62Aからパッド中央下部64の背面側上端部64Aに亘って配設されている。正確には、パッド中央下部64の背面側上端部64Aは背面側下端部62Aよりも薄く形成されており、その薄くなった部分にバックボード部36の下端部が前後に重ねて配置されている。
【0040】
また、上述したパッド中央上部62とパッド中央下部64との間には、カバー吊り込み用の貫通溝としての横方向スリット70が形成されている。さらに、パッド中央上部62、パッド中央下部64とパッドサイド部66との間には、左右一対のカバー吊り込み用の貫通溝としての縦方向スリット72がそれぞれ形成されている。横方向スリット70及び縦方向スリット72のスリット幅は、後述する縦方向取付部材22及び横方向取付部材24が挿通可能な長さに設定されている。また、これらの横方向スリット70及び縦方向スリット72はいずれも直線状に形成されており、シートバックパッド18をその厚さ方向(シートバック前後方向)に貫通している。
【0041】
<カバー20の構成及び取付構造>
図1に示されるように、カバー20は、シートバックパッド18を正面側から覆うことが可能な大きさに形成されている。また、カバー20は、上記シートバックパッド18の分割構成に合わせてカバー中央上部74、カバー中央下部76、左右一対のカバーサイド部78を備えている。このカバー20は、縦方向取付部材22、横方向取付部材24、シートバックボード16の縦向き係止部59及び横向き係止部71等によってシートバックボード16に取り付けられている。
【0042】
図1に示されるように、縦方向取付部材22は、帯状に形成された取付部材本体22Aと、取付部材本体22Aの一方の側縁に設けられた樹脂製の長尺なクリップ取付部22Bと、当該クリップ取付部22Bに取り付けられた複数(ここでは3つ)の長尺なクリップ22Cと、によって構成されている。取付部材本体22Aの他方の側縁は、カバー中央上部74、カバー中央下部76とカバーサイド部78とに縫製により予め取り付けられている。なお、図1では縦方向取付部材22(及び横方向取付部材24)をカバー20から分離して描いているが、縦方向取付部材22(及び横方向取付部材24)は、カバー20に予め取り付けられている。また、複数のクリップ22Cは、シートバック高さ方向に離間して配置されており、これらのクリップ22Cがシートバックボード16のバックバネ本体部48、51、54に形成された縦向き係止部59に弾性的に係合することにより、カバー20の中央部が縦方向にシートバックボード16に取り付けられている。
【0043】
同様に、横方向取付部材24は、帯状に形成された取付部材本体24Aと、取付部材本体24Aの一方の側縁に設けられ樹脂製の長尺なクリップ取付部24Bと、当該クリップ取付部24Bに取り付けられた複数(ここでは2つ)の長尺なクリップ24Cと、によって構成されている。取付部材本体24Aの他方の側縁は、カバー中央上部74、カバー中央下部76に縫製により予め取り付けられている。また、複数のクリップ24Cは、シートバック高さ方向に離間して配置されており、これらのクリップ24Cがシートバックボード16のバックバネ本体部54に形成された左右一対の横向き係止部71に弾性的に係合することにより、カバー20の中央部が横方向にシートバックボード16に取り付けられている。
【0044】
さらに、カバー20の外周部の適宜位置には、鏃(やじり)形状とされた外周係止部80が縫製により取り付けられている。外周係止部80はバックボード部36の係止部42に車両後方側から挿入されて係止されている。これにより、カバー20の外周部がバックボード部36に係止されている。
【0045】
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0046】
上記構成の車両用シート10では、樹脂製のバックボード部36に樹脂製のバックバネ部38を一体に形成したシートバックボード16を備えている。そして、このシートバックボード16を金属製のシートバックフレーム14に車両前方側から嵌合させる。具体的には、左右のボードサイド部50が左右のサイドフレーム26に車両前方側から嵌合され、この状態でサイドフレーム26にシート幅方向外側から固定される。その後、シートバックパッド18がシートバックフレーム14に車両前方側から装着され、更にカバー20がシートバックパッド18に被せられる。カバー20には予め縦方向取付部材22及び横方向取付部材24が縫製により予め固定されており、カバー20をシートバックパッド18に被せながら縦方向取付部材22のクリップ22C及び横方向取付部材24のクリップ24Cを対応する縦向き係止部59及び横向き係止部71に係合させる。さらに、カバー20の外周係止部80をバックボード部36の係止部42に係止させていく。
【0047】
上記の如くして組み立てられたシートバック12はシートクッション11及び図示しないヘッドレストが取り付けられて車両用シート10とされる。乗員Hが車両用シート10に着座すると、カバー20及びシートバックパッド18を介してバックバネ部38にシートバック後方側への荷重P(図3参照)が入力される。このため、下側バックバネ本体部48、49、51及び上側バックバネ本体部54が荷重作用方向であるシートバック後方側へ撓み変形する。また、このときの荷重Pは左右のボードサイド部50より左右のサイドフレーム26に伝達されるため、左右のサイドフレーム26から車両前方側への反力が発生する。
【0048】
このように乗員Hからバックバネ部38に荷重Pが入力されると、自身は撓み変形してシートバック12のクッション性の確保に寄与し、荷重Pそのものは左右のサイドフレーム26に伝達して左右のサイドフレーム26で支持する。その結果、シートバック12のクッション性能が充分に確保される。また、バックバネ部38は樹脂製とされてバックボード部36に一体に設けられているので、バックバネ部38を金属製のシートバックスプリングで構成する場合に比べて、部品点数及び組付工数が削減される。その結果、本実施形態によれば、シートバック12のクッション性能を充分に確保することができ、しかも更なる軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0049】
ここで、本実施形態では、下側バックバネ本体部48、49、51は、シートバック幅方向中央側に設けられたバネ一般部48A、49A、51Aが、サイドフレーム26への下側ボードサイド部50の締結固定位置であるクリップ65、67よりもシートバック後方側に配置されている。また、下側バックバネ本体部48、49、51は、シートバック幅方向両端側に設けられた前延部48B、49B、51Bが、バネ一般部48A、49A、51Aよりもシートバック前方側の連結部53、55、57において下側ボードサイド部50と一体に連結されている。これにより、連結部53、55、57がバネ一般部48A、49A,50Aに対してシートバック幅方向に並んで配置されている場合、つまり、連結部53、55、57がバネ一般部48A、49A,50Aからシートバック幅方向外方へ延びている場合と比較して、連結部53、55、57からクリップ65、67までの距離が短く設定されている。その結果、下側バックバネ本体部48、49、51に入力される乗員Hからの荷重Pによって連結部53、55、57の周辺に応力が集中することを抑制できる。
【0050】
つまり、図5(A)にモデル図にて示される比較例の構成では、下側バックバネ本体部48と下側ボードサイド部50との連結部であるB点が、サイドフレーム26への下側ボードサイド部50の固定位置であるX点から大きく離れており、X点と下側バックバネ本体部48との間には、A点及びB点の二箇所の屈曲部が存在する。このため、下側バックバネ本体部48に荷重Pが入力されると、X点に曲げモーメントMが発生すると共に、A点に曲げモーメントMが発生し、更にB点に曲げモーメントMが発生する。これにより、大きな曲げが発生するので、その補強を行うためにリブの追加や板厚を増加させる等の対策が必要になる場合があり、質量及びコストの増大につながる場合がある。この点は、下側バックバネ本体部49、51と下側ボードサイド部50との関係についても同様である。
【0051】
これに対し、図5(B)にモデル図にて示される本実施形態の構成では、上記比較例におけるB点が省略されているので、B点まわりの曲げモーメントMが無くなり、負荷が減少する。これにより、下側バックバネ本体部48や下側ボードサイド部50の板厚を小さくすることが可能になるので、軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0052】
また、本実施形態では、下側バックバネ本体部48、49、51は、バネ一般部48A、49A、51Aのシートバック幅方向両端部からシートバック幅方向外方側かつシートバック前方側へ向けて延出された左右一対の前延部48B、49B、51Bを介して、左右の下側ボードサイド部50に連結されている。これら左右の前延部48B、49B、51Bは、平面視で直線状に形成されており、乗員Hからバネ一般部48A、49A、51Aに入力されるシートバック後方側への荷重Pに沿う方向へ傾斜しているため、荷重Pによって局部的に大きく曲げられることを抑制できる。これにより、曲げによる応力集中を抑制することができる。
【0053】
しかも、これら左右の前延部48B、49B、51Bは、シートバック幅方向中央側で乗員Hの背部を支持するバネ一般部48A、49A、51Aからの延出方向が上述の如く設定されているため、これら左右の前延部48B、49B、51Bによって乗員Hを側方から支持することができる。これにより、シートバック12による乗員Hのホールド性(サイドサポート性)を向上させることができる。
【0054】
さらに、本実施形態では、図3に示されるように、クリップ65のシートバック幅方向内方(すなわち乗員Hの方向)には、下側ボードサイド部50の内壁50A及び下側バックバネ本体部48の前延部48Bがシート幅方向に並んで配置されている。このため、車両の側面衝突時に、乗員Hがクリップ65側へ慣性移動した際には、クリップ65と乗員Hとの間に2枚の樹脂板(内壁50A及び前延部48B)が介在されるため、1枚の樹脂板しか介在されない場合と比較して、乗員Hを効率よく保護することができる。同様に、クリップ67のシートバック幅方向内方(すなわち乗員Hの方向)には、下側ボードサイド部50の内壁50A及び下側バックバネ本体部51の前延部51Bがシート幅方向に並んで配置されている。このため、車両の側面衝突時に、乗員Hがクリップ67側へ慣性移動した際には、クリップ67と乗員Hとの間に2枚の樹脂板(内壁50A及び前延部51B)が介在されるため、1枚の樹脂板しか介在されない場合と比較して、乗員Hを効率よく保護することができる。
【0055】
またさらに、本実施形態では、下側ボードサイド部50は、内壁50Aと外壁50Bとの各前端を連結した前壁50Cが、サイドフレーム26の前壁部26Bの前面側に配置される。これにより、下側バックバネ本体部48、49、51を介して下側ボードサイド部50に負荷される乗員Hからの荷重Pを、前壁50Cを介してサイドフレーム26の前壁部26Bの前面で受けることができるので、下側ボードサイド部50に生じる応力を緩和することができる。
【0056】
またさらに、本実施形態では、下側バックバネ本体部48と下側ボードサイド部50との連結部53が、シートバック幅方向から見てクリップ65と重なる位置、つまり、クリップ65と乗員Hとの間に配置される。同様に、下側バックバネ本体部51と下側ボードサイド部50との連結部57が、シートバック幅方向から見てクリップ67と重なる位置、つまり、クリップ67と乗員Hとの間に配置される。このため、車両の側面衝突時に、乗員Hがクリップ65、67側へ慣性移動した際には、連結部53、57が乗員Hとクリップ65,67との間に介在されることにより、乗員Hを効率よく保護することができる。
【0057】
なお、上記実施形態では、連結部53、57がシートバック幅方向から見てクリップ65、67(固定具)と重なる位置に配置された構成にしたが、請求項1〜請求項3に係る発明はこれに限らず、連結部と固定具との配置関係は適宜変更することができる。
【0058】
また、上記実施形態では、下側バックバネ本体部48、49、51(樹脂バネ部)が、バネ一般部48A、49A、51Aのシートバック幅方向両端部からシートバック幅方向外方側かつシートバック前方側へ平面視で直線状に延出されて左右の連結固定部50に連結された左右一対の前延部48Bを備えた構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、樹脂バネ部のシートバック幅方向両端側の形状は適宜変更することができる。例えば、前延部48Bの代わりに、平面視でシートバック後方側へ凸湾曲形状に膨らんだ湾曲部を設ける構成にしてもよい。
【0059】
さらに、上記実施形態では、下側バックバネ本体部48、49、51(樹脂バネ部)と下側ボードサイド部50(連結固定部)とが一体に連結された構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、樹脂バネ部と連結固定部とが別々に製作してから両者を溶着等により一体化してもよい。この点は、バックボード部36と下側ボードサイド部50との関係についても同様である。
【0060】
また、本実施形態では、上述したようにバックバネ部38を下側バックバネ部44と上側バックバネ部46とに分けたが、これに限らず、両者を繋げて一体化してもよい。すなわち、下側ボードサイド部50をシートバック上方側へ延長して上側バックバネ本体部54のシート幅方向の両端部と連結させる構成を採ってもよい。
【0061】
また、本実施形態では、上側バックバネ部46を一段(1本)で構成したが、これに限らず、複数段(複数本)で構成してもよく、バックボード部36の上部から下部に亘って等間隔で複数段(複数本)のバックバネ部を設ける構成を採ってもよい。
【0062】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0063】
10 車両用シート
12 シートバック
14 シートバックフレーム
16 シートバックボード
18 シートバックパッド
20 カバー
26 サイドフレーム
26A 側壁部
26B 前壁部
26C 後壁部
36 バックボード部
48、49、51 下側バックバネ本体部(樹脂バネ部)
48A、49A、51A バネ一般部
48B、49B、51B 前延部
50 下側ボードサイド部(連結固定部)
50A 内壁
50B 外壁
50C 前壁
53、55、57 連結部
65、67 クリップ(固定具)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製とされ、シートバックフレームの背面側に配置されるバックボード部と、
樹脂製とされ、前記シートバックフレームに設けられた左右一対のサイドフレームのそれぞれに固定具によって固定されると共に、前記一対のサイドフレームに対してシートバック幅方向内方側に配置された左右一対の内壁を有し、前記バックボード部のシートバック幅方向両端部と一体又は一体的に連結された左右一対の連結固定部と、
樹脂製とされ、前記一対の連結固定部間にシートバック幅方向に沿って配置されると共に、シートバック幅方向中央側に設けられたバネ一般部が前記固定具よりもシートバック後方側に配置され、当該バネ一般部のシートバック幅方向両端部からシートバック幅方向外方側かつシートバック前方側へ延出された左右一対の前延部が前記一対の内壁と一体又は一体的に連結されると共に前記固定具のシートバック幅方向内方で前記内壁とシートバック幅方向に並んで配置された樹脂バネ部と、
を備えたシートバックボード。
【請求項2】
前記サイドフレームは、側壁部、前壁部、及び後壁部を備えてシートバック幅方向内方側が開口された開断面形状に形成され、
前記連結固定部は、前記側壁部のシートバック幅方向外方側に配置されると共に前記固定具によって前記側壁部に固定された外壁と、前記前壁部の前面側に配置されて前記内壁及び前記外壁の各前端を連結した前壁と、を有することを特徴とする請求項1に記載のシートバックボード。
【請求項3】
前記樹脂バネ部の前記前延部と前記連結固定部との連結部は、シートバック幅方向から見て前記固定具と重なる位置に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシートバックボード。
【請求項4】
前記シートバックフレームと、
前記シートバックフレームにおける前記左右一対のサイドフレームに支持された請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のシートバックボードと、
前記シートバックボードの前面側に配置されたシートバックパッドと、
前記シートバックパッドの表面を覆うカバーと、
を備えた車両用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−232678(P2012−232678A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102982(P2011−102982)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】