説明

シート処理装置及びシート処理方法

【課題】ユーザの利便性を飛躍的に向上することができるシート処理装置及びシート処理方法を提供する。
【解決手段】一枚毎に分離しながら同時駆動で給送されるシートに所定の処理を行うと共に隣接するシート間隔に基づいてシート給送不良の有無を検出するに際し、シート処理設定が変更されたか否かを検知し、シート処理設定が変更された場合に、シート給送不良の有無を検出する基準である所定の第1基準閾値を当該第1基準閾値より大きい第2基準閾値に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、スキャナやプリンタ等のシート処理装置及びシート処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、シート処理装置の一例であるスキャナ等の画像読取装置においては、原稿を搬送する搬送装置が搭載されている。このような搬送装置としては、例えば、原稿台から1枚ずつ分離させながら給紙して搬送する自動原稿搬送装置が用いられる。このような自動原稿搬送装置としては、例えば、一つの駆動源を用いて給紙部と排紙部とを常に同時に駆動させるタイプ(以降、同時駆動タイプと呼ぶ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、このような同時駆動タイプの自動原稿搬送装置を搭載した画像読取装置においては、単一の駆動源とすることで、製造コストが安くなるメリットがある反面、給紙部と搬送部とを個別に駆動させることができないデメリットがある。すなわち、先行する原稿と後続する原稿との間の距離を制御することができないという問題がある。
【0004】
このように同時駆動タイプの画像読取装置においては、原稿間の距離制御が困難であることから、例えば、後続する原稿が画像読取位置を超えることがあり、後続する原稿の読取において不都合が生じるという問題がある。
【0005】
例えば、後続する原稿について先行する原稿の読取設定と異なる読取設定に変更した場合においては、後続する原稿が画像読取位置を超えてしまうと、超えた部分について変更後の読取設定により読み取れないという問題がある。
【0006】
このように、後続する原稿が画像読取位置を超えてしまうと、所望の読取設定に変更して後続の原稿を読み取ることができなかったり、複数枚の原稿を1枚ずつあるいは選択的に読取の設定を適宜変更したりすることができず、ユーザの利便性が非常に悪いという問題もある。
【0007】
上述した問題は、画像読取装置に限って発生するものではなく、例えば、プリンタ等の他のシート処理装置においても同様に発生するおそれがある。また、紙間の制御ができないという問題は、上述した単一の駆動源を採用した自動原稿搬送装置に限って発生するものではなく、別々の駆動源であっても、同時駆動する場合において同様に発生するおそれがある。
【0008】
なお、近年、シート処理装置が小型化されており、これに伴って、シートの間隔等の管理が非常に難しくなる。このため、上述した問題は、シート処理装置の小型化に伴って特に顕著に現れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平08−113385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑み、ユーザの利便性を飛躍的に向上することができるシート処理装置及びシート処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明は、シートを一枚毎に分離しながら同時駆動で給送するシート給送手段と、隣接するシート間隔を検知するシート間隔検知手段と、シート間隔に基づいてシート給送不良の有無を検出するシート給送不良検出手段と、搬送されるシートに所定の処理を行うシート処理手段と、前記シート処理手段によるシート処理設定が変更されたか否かを検知するシート処理設定検知手段とを備え、前記シート給送不良検出手段は、前記シート処理設定検知手段により前記シート処理設定の変更が検知される場合に、前記シート給送不良の有無を検出する基準である所定の第1基準閾値を当該第1基準閾値より大きい第2基準閾値に変更するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザ等によりシート処理設定が変更された場合に、シート給送不良の有無を検出する基準である所定の第1基準閾値を当該第1基準閾値より大きい第2基準閾値に変更し、シート給送不良検出を厳しい条件で実行するようにしたので、後続するシートが先行するシートの処理設定で処理されることがなく、後続するシートを変更後の処理設定で確実に処理することができるため、ユーザの利便性を飛躍的に向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1の画像読取装置の概略断面図。
【図2】実施形態1の画像読取装置の制御ユニットを示すブロック図。
【図3】実施形態1の画像読取装置の制御フローチャート図。
【図4】実施形態1の画像読取装置の制御フローチャート図。
【図5】実施形態1の画像読取装置による読取開始状態を示す概略図。
【図6】実施形態1の画像読取措置による原稿の連続搬送状態(後続原稿をレジストセンサで先端検知した状態)を示す概略図。
【図7】実施形態1の画像読取措置による原稿の連続搬送状態(先行原稿の後端が読取終了位置Q、後続原稿の先端が読取開始位置Pに達した状態)を示す概略図。
【図8】実施形態1の画像読取措置による原稿の連続搬送状態(先行原稿の後端が読取終了位置Qの手前に達した状態)を示す概略図。
【図9】実施形態1の画像読取措置による原稿の連続搬送状態(先行原稿の読取中に後続原稿の先端が読取開始位値Pに達した状態)を示す概略図。
【図10】他の実施形態の縦型画像読取装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0015】
(実施形態1) 図1は、本発明の実施形態1に係る画像読取装置の概略断面図である。また、図2は、本発明の実施形態1に係る画像読取装置の制御ユニットを示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の画像読取装置100は、複数枚の原稿を一枚ずつ分離しながら同時駆動により順次搬送して画像を読み取ることができるスキャナ装置であり、シート処理装置の一例である。
【0017】
詳細には、原稿は、給紙ローラ101により装置内部に取り込まれ、その下流側に向かう搬送路に給紙される。原稿は、給紙ローラ101より下流側に配置された第1搬送ローラ対102及び第2搬送ローラ対103により順次搬送され、その後、装置の外側に排出されるようになっている。
【0018】
また、本実施形態では、原稿の給紙及び排紙のため各ローラ101,102,103は、図示しないが、同一の駆動源(例えば、1つの駆動モータ)によって同時に駆動されるものとする。
【0019】
ここで、給紙ローラ101の上部、すなわち、給紙ローラ101に対向する部分においては、原稿を一枚ずつ分離しながら搬送路に給紙するための分離パッド104が取り付けられている。そして、これら給紙ローラ101や分離パッド104は、原稿を一枚ずつに分離しながら給紙を行うシート給送手段の一例である。なお、ここでは、分離パッド104を例示したが、例えば、分離ローラとしてもよい。
【0020】
また、上述した第1搬送ローラ対102及び第2搬送ローラ対103の間には、搬送される原稿の画像を読み取る画像読取手段(第1読取部及び第2読取部)105,106がそれぞれ対向して設けられている。なお、画像読取手段105は、原稿の第1面を読み取るセンサであり、画像読取手段106は、原稿の第2面を読み取るセンサである。例えば、本実施形態では、これら画像読取手段105,106をCIS(コンタクトイメージセンサ)とした。
【0021】
さらに、画像読取手段105,106は、それぞれ画像読取位置が搬送方向に沿って異なる位置に設定されている。例えば、本実施形態では、画像読取手段105の画像読取位置を、画像読取手段106の画像読取位置よりも上流側となるように設けられている。
【0022】
そして、本実施形態では、画像読取手段105,106は、駆動源と連動して画像の読み取りを実行する。詳細には、給紙ローラ101、第1搬送ローラ対102及び第2搬送ローラ対103は、図示しない単一の駆動源(パルスモータ等)からの動力により駆動される。そのため、給紙ローラ101、第1搬送ローラ対102および第2搬送ローラ対103を個別に駆動することはできず、同時にのみ駆動することができる。
【0023】
ここで、画像の読み取り周期は、特開2003−87500号公報に示されているように搬送速度と連動して変更される。すなわち、画像の読み取り周期は、駆動源であるパルスモータの回転に同期している。
【0024】
原稿台107から給送される原稿の移動量は、原稿の先端がレジストセンサ108に到達してからのパルス数をカウンタにカウントしてそのカウント値から算出する。カウントされたパルス数をそのまま移動量としてもよい。
【0025】
このような移動量カウンタ及びレジストセンサ108は、原稿の到達及び通過を検知して連続的に搬送される原稿の間隔をパルス数に基づいて算出するユニットとなる。
【0026】
したがって、移動量カウンタ及びレジストセンサ108は、原稿の到達及び通過を検知して、隣接する原稿の間隔を検出するシート間隔検知手段の一例である。
【0027】
なお、複数の原稿が載置される原稿台107には、例えば、本実施形態では、原稿が載置されたか否かを検出する原稿検知センサ109が設けられている。この原稿検知センサ109は、原稿台107の給紙口に原稿が存在するか否かを検知するセンサであるが、本実施形態では必ずしも必要な構成ではない。
【0028】
このような構成を有する本実施形態の画像読取装置100においては、原稿の移動量に基づいて、原稿の先端が搬送路中の読取開始位置Pに到達したと判定されると、画像読取手段105,106が画像の読み取りを開始するようになっている。一方、本実施形態では、上記移動量に基づいて、原稿の後端が搬送路中の読取終了位置Qに到達したと判定されると、画像読取手段105,106は画像の読み取りを終了するようになっている。
【0029】
ここで、「読取開始位置P」としては、画像読取手段105,106の画像読取位置と略同じ位置であってもよいし、画像読取位置よりも上流側の位置であってもよい。例えば、本実施形態では、読取開始位置Pを画像読取手段105の画像読取位置よりも上流側の所定位置(画像読取手段105の端部近傍の位置)とした。
【0030】
また、「読取終了位置Q」としては、画像読取手段105,106の画像読取位置と略同じ位置であってもよいし、画像読取位置よりも下流側の位置であってもよい。例えば、本実施形態では、読取終了位置Qを画像読取手段106の画像読取位置よりも下流側の所定位置(画像読取手段106の端部近傍の位置)とした。
【0031】
そして、上述した本実施形態の画像読取装置100は、コンピュータ等の情報処理装置に接続されて、情報処理装置からの操作により読取動作が制御される。実際には、ユーザは、情報処理装置の制御画面等に基づいて、例えば、解像度、色数、階調数、読み取り面、読み取り領域等の画像読取条件が設定可能となっている。そして、このような画像読取装置100は、ユーザ指定の設定条件にしたがって、読取動作を実行することになる。
【0032】
ここで、ユーザの利用形態としては、先行する原稿と後続の原稿とで読み取り設定を変更したケースが存在する。例えば、先行する原稿の読み取り密度を低解像度とし、後続する原稿の読み取り密度を高解像度とする場合がある。また、先行する原稿の読取モードを白黒とし、後続する原稿の読取モードをカラーとする場合もある。
【0033】
これらの場合に対応するためには、後続する原稿の先端が搬送路中の画像読取開始位置Pに突入してしまう前に、先行する原稿の読み取りを終了していることが好ましい。すなわち、上述した場合には、先行する原稿の読み取りが終了した後、画像読取手段105,106の駆動方法を変更し、後続する原稿に対する読み取りを開始していることが好ましい。
【0034】
本実施形態の画像読取装置100においては、上述したユーザの利用形態に柔軟に対応するため、詳細は後述するが、原稿給送不良の有無を検出する給送不良検出手段(シート給送不良検出手段の一例)が設
けられている。
【0035】
ここでいう「原稿給送不良」とは、例えば、連続して給送される原稿の間隔が所定の閾値(距離)以下となる、いわゆる給送エラー状態のことである。そして、本実施形態では、このような原稿の給送不良検出手段は、例えば、ユーザ等により画像読取設定が変更された場合に、原稿給送不良の判断基準となる閾値を可変するようになっている。
【0036】
すなわち、本実施形態の画像読取装置100は、原稿の給送不良を多段階で検知するために、少なくとも2つの基準閾値を設けることで、ユーザの利便性を飛躍的に向上したものとなる。詳細には、ユーザ等による画像読取設定の変更状況に基づいて、原稿給送不良の判断基準である所定の第1基準閾値と、当該第1基準閾値より大きい第2基準閾値とを切り替え可能となっている。
【0037】
ここで、「所定の第1基準閾値」とは、例えば、ユーザ等が設定した画像読取条件にかかわらず、レジストセンサ108の配置、画像読取手段105,106の配置や読取位置、大きさ等を適宜考慮し、予め設定可能な閾値であって、また、任意に設定変更が可能な閾値のことである。
【0038】
すなわち、第1基準閾値については、基本的に、複数の原稿について画像読取設定を変えずに画像読取を行う連続スキャンモードに適した閾値となる。なお、本実施形態では、例えば、画像読取手段105,106の画像読取位置の間隔(距離)を第1基準閾値として設定可能である。
【0039】
このように第1基準閾値を比較的小さい値で設定すれば、連続スキャンモードにおいて高速処理を実現することができる。なお、第1基準閾値の最小値については、連続する原稿が分離可能な寸法(距離)であれば特に上述したものに限定されるものではない。
【0040】
一方、「第2基準閾値」とは、上記第1基準閾値よりも大きい閾値のことである。例えば、本実施形態では、第2基準閾値として、ユーザ等が設定した画像読取条件に基づいて、連続搬送する原稿の到達及び通過をレジストセンサ108により検知しながら画像の読取開始位置P又は画像読取位置からスムーズに読み取れる原稿の間隔に基づく閾値として適宜設定可能である。
【0041】
ここで、第2基準閾値としては、例えば、画像の読取開始位置Pと読取終了位置Qとの距離で設定してもよいし、読取開始位置Pよりも上流側にあるレジストセンサ108と読取終了位置Qとの距離で設定してもよい。レジストセンサ108は、機械式や光学式等の構成を適宜採用できるが、いずれも原稿の到達と通過を検出するものであり、第2基準閾値の設定基準となり得る。
【0042】
なお、このようなレジストセンサ108よりも上流側に原稿サイズ検知センサ等を設置する場合には、当該原稿サイズ検知センサ等を第2基準閾値の設定基準としてもよい。そして、このような第2基準閾値については、第1基準閾値よりも大きな閾値であることから、ユーザ等により原稿の画像読取設定を適宜変更して画像読取を行う個別スキャンモードに適した閾値となる。
【0043】
このように、本実施形態の画像読取装置100は、ユーザ等による画像読取設定又は設定変更のタイミングにあわせて、原稿の給送不良検知の条件を適宜変更可能とするため、原稿の給送不良検知の判断基準として少なくとも2つの基準閾値を設けるようにしたので、ユーザの利便性を飛躍的に向上したものとなる。
【0044】
例えば、連続スキャンモードにより複数枚の原稿を画像読取している状態では、原稿の間隔が非常に狭い状態であっても、スムーズな高速読取を実現することができる。一方、個別スキャンモードにおいては、先行する原稿の画像読取中に、後続する原稿の画像読取設定がユーザ等により変更されたとしても、第1基準閾値から第2基準閾値へ変更されて原稿給送不良の検出条件が厳しい条件で実行されることになる。
【0045】
このため、ユーザ等の意に反して、後続する原稿が先行する原稿の読取設定で読み取られることがない。これにより、後続する原稿を変更後の読取設定で確実に読み取ることができる。
【0046】
したがって、本実施形態の画像読取装置によれば、同時駆動方式を適用して装置構造の簡略化、低コスト化、小型化、省電力化等を図りつつ、原稿の間隔の制御が困難な状況下においても、利用するユーザの利便性を飛躍的に向上することができる。
【0047】
以下、図2を参照しながら、上述した本実施形態の画像読取装置の制御動作について詳細に説明する。
【0048】
図2に示すように、CPU401は、画像読取装置100の各部を統括的に制御するユニットである。ROM402は、制御プログラムやデータなどを記憶するメモリである。RAM403は、CPU401のワークエリアである。駆動回路404は、CPU401からの指示や命令にしたがってモータ405を制御する。
【0049】
モータ405は、単一の駆動源であり、ここではパルスモータと仮定する。同期回路406は、モータ405からのパルスにしたがって画像読取手段105、106の読み取り周期を調整する回路である。搬送速度が変動しても読み取り周期が調整されるため、画像の伸縮は基本的に発生しない。
【0050】
また、CPU401は、制御プログラムを実行することで各種の手段として機能する。移動量カウンタ411は、モータ405のパルス数をカウントすることで原稿の移動量を測定する。レジストセンサ108が原稿の到達および通過を検知して、移動量カウンタ411による原稿の移動量に基づいて、連続搬送される原稿の間隔を検出する。
【0051】
判別部412は、先行する原稿に適用される読取設定と後続の原稿に適用される読取設定とが同一かどうかを判別する。なお、原稿に適用される読み取り設定(読み取り枚数や読み取りサイズ等)は、例えば、ホストPCなどから設定データとして送信されてくる。ホストPCと画像読取装置100は、例えば、USBケーブル、SCSIケーブル、LANケーブルまたは無線により接続可能である。
【0052】
そして、本実施形態では、CPU401が原稿給送不良検出手段413として機能する。この原稿給送不良検出手段413は、原稿給送不良の判断基準として所定の第1基準閾値に基づいて原稿給送不良の有無を判断する第1モードと、第1基準閾値より大きい第2基準閾値に基づいて原稿給送不良の有無を判断する第2モードとが切り替え可能となっている。
【0053】
第1モードでは、レジストセンサ108及び移動量カウンタ411により原稿の間隔を検知し、例えば、当該原稿の間隔が第1基準閾値以下又は第1基準閾値より小さい場合に、原稿給送不良として判断することができる。一方、第2モードでは、第1モードでの第1基準閾値から第2基準閾値に変更し、レジストセンサ108及び移動量カウンタ411により原稿の間隔を検知し、例えば、当該原稿の間隔が第2基準閾値以下又は第2基準閾値より小さい場合に、原稿給送不良として判断することができる。
【0054】
このような第1モードと第2モードとの切り替えは、上述した判定部412からの画像読取設定の変更に同期して自動的に実行される。例えば、第1モードから第2モードへの切り替えは、判定部412が後続する原稿に適用される読取設定が先行する原稿の読取設定と異なる場合に自動的に実行する。これにより、本実施形態の画像読取装置100によれば、上述したように、原稿給送不良検知手段413により、ユーザ等による画像読取設定又は設定変更のタイミングにあわせて、原稿の給送不良検知の条件を適宜変更可能となる。これにより、ユーザの利便性を飛躍的に向上することができる。
【0055】
以下、上述した本実施形態の画像読取装置100の制御方法について詳細に説明する。図3及び図4は、本発明の実施形態1に係る画像読取装置の制御フローチャート図である。なお、図5〜図9は、先行する原稿と後続する原稿との位置関係を示す概略図である。詳細には、図5は、読み取り開始前の様子を示した図である。図6は、先行の原稿の後端が読取終了位置Qを通過したとき、後続の原稿の先端が読取開始位置Pに到達する前の様子を示した図である。図9は、先行の原稿の後端が第2面を読み取るセンサ106を通過する前に、後続の原稿の先端が読取開始位置Pに到達した様子を示した図である。
【0056】
まず、図2を参照しながら図3のフローチャートに沿って説明する。ステップS501でモータ405の駆動を開始する。具体的には、CPU401は、モータ405の駆動を開始するため開始指示を駆動回路404に送出する。駆動回路404は、開始指示に応じてモータ405の駆動を開始する。モータ405は、給紙ローラ101、第1搬送ローラ対102及び第2搬送ローラ対103を同時に駆動する(図1参照)。給紙ローラ101は、分離パッド104と原稿の摩擦力によって原稿を一枚ずつ分離しながら搬送路へ原稿を給紙する(図5参照)。続いて、第1搬送ローラ対102及び第2搬送ローラ対103が原稿を搬送する。
【0057】
ステップS502で、CPU401は、搬送中の原稿の先端をレジストセンサ108により検知する。また、原稿の先端をレジストセンサ108が検知すると、CPU401は、移動量カウンタ411によりモータ405のパルス数を原稿の移動量としてカウントする。
【0058】
ステップS503で、CPU401は、原稿の移動量がレジストセンサ108と読取開始位置Pとの距離相当する値になったこと(原稿の先端が読取開始位置Pに到達したこと)を認識すると、画像読み取り部105,106に画像の読み取りを開始させる。
【0059】
ステップS504で、CPU401は、原稿の後端がレジストセンサ108を通過したことを検知する。レジストセンサ108が原稿の後端の通過を検知すると、ステップS505に進む。
【0060】
ステップS505で、CPU401は、原稿の移動量がレジストセンサ108と読取終了位置Qとの距離に相当する値になったこと(原稿の後端が読取終了位置Qに到達したこと)を認識すると、画像読み取り部105,106に画像の読み取りを終了させる。
【0061】
ステップS506で、CPU401は、後続する原稿の先端が読取開始位置Pに到達しているか否かをレジストセンサ108により検知する。後続の原稿の先端が読取開始位置Pに到達していなければ(図5参照)、ステップ502で、後続する原稿の先端が読取開始位置Pに到達するのを待つ状態となる。
【0062】
一方、ステップS506で、レジストセンサ108で後続の原稿の先端が読取開始位置Pに到達したことが検知されると(図6,図7,図8)、ステップ507で、判定部412が先行する原稿と後続の原稿とで読み取り設定を変更したケースかどうか判断する。
【0063】
<画像の読取設定変更なし> ここでは、先行する原稿と後続の原稿とで読み取り設定を変更しない場合について説明するが、原稿台107に積載された原稿の読み取りを開始する前に、予め、ホストPCなどから設定データとして送信されているものとする。
【0064】
ステップ507で先行する原稿と後続の原稿とで読み取り設定を変更しないケースであると判断した場合、ステップ508にて、給送不良検出手段413によって先行する原稿の後端と後続する原稿の先端との距離が第1基準閾値以下であるか否かを判断する。なお、第1基準閾値としては、原稿の第1面を読み取るセンサ105と原稿の第2面を読み取るセンサとの画像読取位置間の距離を設定した。
【0065】
ステップ508にて、先行する原稿の後端と後続する原稿の先端との距離が、上記第1基準閾値より大きいと判断した場合(図8参照)、ステップS503で後続する原稿の移動量がレジストセンサ108と読取開始位置Pとの距離相当する値になったこと(原稿の先端が読取開始位置Pに到達したこと)を認識すると、画像読取手段105,106に画像の読み取りを開始させる。つまり、先行する原稿の後端と後続する原稿の先端との距離が図8のような状態であれば、画像読み取りは継続される。これにより、原稿間隔が比較的小さい場合であっても、給送エラ
ーと判定されず、スムーズな読取を行うことができる。
【0066】
一方、ステップ508で先行する原稿の後端と後続する原稿の先端との距離が、上記第1基準閾値より小さいと判断した場合(図9参照)、後続する原稿の先端が読み取られるため、ステップ509でCPU401は、モータの駆動を停止させるための停止指示を駆動回路404に送出する。駆動回路404は、停止指示にしたがって、モータ405の駆動を停止する。その後、たとえば、ホストPCなどへエラーを通知する。つまり、先行する原稿の後端と後続する原稿の先端との距離が図9のような状態となった場合、画像読み取りは中止される。
【0067】
<画像の読取設定変更あり> ここでは、先行する原稿と後続の原稿とで読み取り設定を変更する場合について説明するが、1枚ずつ読み取りを開始する前に、その都度、ホストPCなどから設定データとして送信されているものとする。
【0068】
ステップ507で先行する原稿と後続の原稿とで読み取り設定を変更するケースであると判断した場合、原稿給送エラーの閾値(第1基準閾値)をこれより大きい第2基準閾値に自動的に変更する。そして、ステップS510で第2基準閾値を満たすかどうかを判定する。ここで、原稿間隔が第2基準閾値より大きい場合、例えば、先行原稿が読取終了位置Qを通過していると判断した場合(図7参照)、ステップ503で後続する原稿の移動量がレジストセンサ108と読取開始位置Pとの距離相当する値になったこと(ここでは原稿の先端が読取開始位置Pに到達している)を認識すると、画像読取手段105,106に画像の読み取りを開始させる。つまり、先行する原稿の後端と後続する原稿の先端との距離が図7のような状態であれば、画像読み取りを継続する。
【0069】
一方、ステップ510で、原稿間隔が第2基準閾値より短い場合、例えば、先行原稿が読取終了位置Qを通過していないと判断した場合、後続の原稿の先端が読み取られるため、CPU401は、モータの駆動を停止させるための停止指示を駆動回路404に送出する。駆動回路404は、停止指示にしたがって、モータ405の駆動を停止する。その後、例えば、ホストPCなどへエラーを通知する。つまり、先行する原稿の後端と後続する原稿の先端との距離が図8及び図9のような状態となった場合、画像読み取りは中止される。これにより、後続する原稿が先行する原稿の読取設定で読み取られることを確実に防止することができる。
【0070】
続いて、先行する原稿と後続の原稿とで読み取り設定を変更するケースについて、図2を参照しながら図4のフローチャートに沿って詳細に説明する。
【0071】
ステップS601でホストPCなどから設定条件を受信し、ステップS602で画像読み取り開始指示をホストPCなどから受信すると、ステップS603でCPU401は、モータ405の駆動を開始するため開始指示を駆動回路404に送出し、原稿の給紙を開始する。
【0072】
ステップS604でCPU401は、搬送中の原稿の先端をレジストセンサ108により検知する。ステップS604で、原稿の先端をレジストセンサ108が検知すると、CPU401は、移動量カウンタ411によりモータ405のパルス数を原稿の移動量としてカウントする。そして、
【0073】
ステップS605で、CPU401は、原稿の移動量がレジストセンサ108と読取開始位置Pとの距離相当する値になったこと(ここでは原稿の先端が読取開始位置Pに到達している)を認識すると、ステップS606で画像読取手段105,106に画像の読み取りを開始させる。
【0074】
ステップS607で、CPU401は、後続する原稿の先端をレジストセンサ108によって検知しているか否か判断し、後続する原稿の先端をレジストセンサ108によって検知し、ステップS608で後続する原稿の先端が読取開始位置Pに到達しているか否か判断する。
【0075】
ステップS608で、後続する原稿の先端が読取開始位置Pに到達したとき、ステップS609で、後続の原稿に対する読み取り設定がホストPCなどから設定データとして受信しているか否かを判断する。後続する原稿に対する読み取り設定をホストPCなどから設定データとして受信している場合は、ステップS606に戻り読み取りを継続する。
【0076】
後続の原稿に対する読み取り設定がホストPCなどから設定データとして送信されていない場合は、CPU401は、モータの駆動を停止させるための停止指示を駆動回路404に送出し、ホストPCなどへ給送エラーを通知する。
【0077】
例えば、先行する原稿の読み取り密度が低解像度であり、後続する原稿の読み取り密度が高解像度に変更されると、後続する原稿の先端部分は、先行する原稿の読み取り密度である低解像度で読み取られてしまう場合がある。
【0078】
このようなユーザ等の予期せぬ現象は、先行する原稿の後端が、先行する原稿の画像読み取りが終了する読取終了位置Qを通過する前に、後続する原稿の先端が、既に読取開始位置Pを通過してしまっていると発生する。
【0079】
なお、仮に後続する原稿の先端の一部(先端部)が先行する原稿の読取設定で読み取られる場合には、その先端部分を破棄し、もう一度、当該先端部分について後続する原稿の読取設定で読み取らなくてはならず、ユーザにとっては非常に煩雑であり大きな負担となる。
【0080】
このため、本実施形態では、ユーザにより原稿の読取設定が変更された場合、第1基準閾値から変更した第2基準閾値により原稿の給送不良を厳しく検知するようにした。これにより、後続する原稿の一部が先行する原稿の読取設定で読み取られる前に、画像読み取りを停止することができる。なお、このように原稿の給送不良を検知した後は、ホストPCなどへ給送エラーを通知する。
【0081】
また、先行する原稿の読取モードが白黒で、後続する原稿の読取モードがカラーであった場合も同様、後続する原稿の先端部分は、先行する原稿の読取モード(白黒)で読み取られている。このため、画像読み取りを停止して、ホストPCなどへ給送エラーを通知する。
【0082】
さらに、先行する原稿の読取面が片面で、後続する原稿の読取面が両面であった場合も同様、後続する原稿の先端部分は、先行する原稿の読取面である片面で読み取られている。このため、画像読み取りを停止して、ホストPCなどへ給送エラーを通知する。
【0083】
また、例えば、先行する原稿の読み取り幅領域が100mmで、後続する原稿の読み取り幅領域が200mmであった場合も同様、後続する原稿の先端部分は、先行する原稿の読み取り幅領域である、100mmで読み取られているため、画像読み取りを停止して、ホストPCなどへ給送エラーを通知する。
【0084】
以上説明してきたように、本実施形態の画像読取装置及び画像読取方法においては、先行する原稿と後続の原稿とで読み取り設定を変更した場合と、変更しない場合によって、先行する原稿の後端と後続する原稿の先端との距離に基づく給送エラーの検出閾値を変更するようにした。
【0085】
これにより、原稿の搬送を止めて画像読み取りを中止する必要のないような原稿間隔であったときに画像読み取りがスムーズに継続される。また、本実施形態では、先行する原稿と後続する原稿との読取設定が変更された場合において、原稿給送不良の有無を検出する閾値を第1基準閾値からこれより大きい第2基準閾値に変更し、原稿給送不良の検出条件を厳しくするようにしたので、ユーザ等の意に反した画像読取、すなわち、先行する原稿の読取設定で後続する原稿が読み取られることを確実に防止することができる。このため、同時駆動タイプの画像読取装置(シートスルー型スキャナ)の利便性を飛躍的に向上させることができる。
【0086】
以上、本発明を実施形態1に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態1に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、原稿が真っ直ぐ給送されることを前提として説明したが、本発明は勿論これに限定されず、原稿が斜め搬送される場合においても有効に適用することができる。
【0087】
例えば、搬送路における画像の読取開始位置P、読取終了位置Qは、原稿が斜行して搬送された場合を考慮して、これら各位置P,Qを画像読取手段105,106より所定の距離手前に設定するようにしてもよい。この場合、レジストセンサ108が原稿の先端を検出した時点を基準とし、原稿の第1面を画像読取手段105から読み出しを開始する。レジストセンサ108が原稿の後端を検出した時点を基準とし、原稿の第2面を画像読取手段106の所定の距離経過後に読み出しを終了することで、原稿が斜行することによる画像欠落を抑える処理を行うことができる。
【0088】
なお、上述した画像の読取開始位置P、読取終了位置Qは、それぞれ、固定された位置であってもよいが、適宜変更できるような位置であってもよい。後者の場合には、原稿の斜行分を吸収可能な画像読取領域を設定するためのマージン量(ユーザの指定値等)に基づいて、当該マージン量を加算して読取開始位値P、読取終了位置Qを適宜変更するようにしてもよい。この場合には、原稿給送不良検出する際の基準となる第2基準閾値については、例えば、第1基準閾値よりも大きく且つマージン量を加算した閾値に変更することが好ましい。これにより、原稿の斜行を考慮した画像読取、あるいは原稿の給送不良検出を良好に行うことができる。
【0089】
また、上述した実施形態1では、原稿を略水平に搬送して画像を読み取る画像読取装置を例示して説明したが、本発明は勿論これに限定されず、例えば、図10に示すような縦型の搬送経路を備えた画像読取装置にも適用することができる。図10に示す画像読取装置は、スキャナ本体Sにより全体が構成されており、その内部には給紙ローラ1が設けられている。この給紙ローラ1は、モータ2に接続されている。また、給紙ローラ1の下流側には、搬送ローラ3が配置されている。さらに、搬送ローラ3の下流側には、原稿の一方面を読み取る第1画像読取センサ4が配置されている。また、この第1画像読取センサ4の下流側には、排紙ローラ7が設けられている。この排紙ローラ7の手前には、原稿の他方面を読み取る第2画像読取センサ9が設けられている。そして、このような縦型の画像読取装置においては、給紙ローラ1、搬送ローラ3及び排紙ローラ7がモータ2により同時に駆動される。なお、給紙ローラ1の対向する側には、分離ローラ13が配設されている。これにより、原稿台5からの原稿は1枚ずつ分離されながら給紙ローラ1により給送される。そして、原稿は、搬送ローラ3と第2画像読取手段9との間に対応する位置には、原稿の到達及び通過を検知するレジストセンサP2が配置されている。このような縦型の画像読取装置においても、上述した実施形態1を適用することができる。
【0090】
上述した実施形態1では、原稿の両面読み取りを行う画像読取装置について説明したが、本発明は勿論これに限定されず、例えば、原稿の片面読みにおいても適用することができる。例えば、画像読取手段による画像読取位置の前後に画像の読取開始位置Pと読取終了位置Qとを予め設定する場合には、これら各位置P及びQの間隔(距離)を原稿の給送不良の有無を検知する基準である第1基準閾値として設定することができる。これにより、例えば、先行する原稿の読取設定である片面モードから、後続する原稿の読取設定を両面モードに変更した場合においても有効である。すなわち、読取開始位置Pと読取終了位置Qとの距離で設定した第1基準閾値から当該第1基準閾値よりも大きい第2基準閾値に変更し、原稿給送不良の検知を厳しく実行することにより、後続する原稿が片面モードで読み取られてしまうことを確実に防止することができる。これにより、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
【0091】
また、本発明では、コンピュータ等の情報処理装置に接続される周辺装置に記憶されている制御プログラムを情報処理装置に実行させて周辺装置を利用可能とする態様において
も適用することができる。この場合、周辺装置には、情報処理装置により周辺装置を制御するための制御プログラムを記憶する記憶領域(記憶部)を備えている。この制御プログラムは、情報処理装置と周辺装置とを接続した際又は周辺装置の電源がオンされた際に、周辺装置の通信部を経由して情報処理装置の記憶領域に送られる。そして、情報処理装置では、受け取った制御プログラムを実行することにより、周辺装置を制御可能な状態となる。これにより、ユーザの利便性をさらに向上することができる。
【0092】
なお、ここで「周辺装置を制御するための制御プログラムを周辺装置の記憶領域に記憶させる」とは、例えば、ROMやRAM、フラッシュメモリ等の記憶手段に制御プログラムを記憶させておくことが挙げられる。また、上記の「情報処理装置と周辺装置とを接続した際又は周辺装置の電源がオンされた際に、その制御プログラムを情報処理装置の記憶領域に送る」とは、例えば、周辺装置を外部記憶装置等として情報処理装置に認識させた後、周辺装置のROMから制御プログラムを情報処理装置のRAM124に移す場合以外にも、制御プログラムが改ざん等されないよう保護するため、周辺装置内でROM127からRAM203に一旦移し(またはコピーし)、周辺装置のRAM203から情報処理装置のRAM124等へ移す場合も含まれる。
【0093】
さらに、「情報処理装置により周辺装置を制御させる」とは、例えば、制御プログラムの実行により、情報処理装置から周辺装置の記憶領域に書き込まれる指示情報に基づいて周辺装置の動作を制御する場合が挙げられる。
【0094】
なお、上記の指示情報とは、例えば、周辺装置がスキャナである場合においては、スキャン設定の情報に相当する。このようなスキャン設定の情報としては、例えば、読み取りモード(白、黒、カラー等)、用紙サイズ、解像度、読み取り面等の各種設定情報が挙げられる。
【0095】
このように、本発明では、情報処理装置が制御プログラムを実行し、例えば、情報処理装置で表示される制御画面等に基づいて、周辺装置の動作設定を適宜変更することが可能となる。このような周辺装置の動作設定の変更は、上述した指示情報に基づいて判断可能である。すなわち、周辺装置が処理する原稿の処理設定が変更されたか否かは、処理設定検知手段により、情報処理装置による制御プログラムの実行により記憶部に書き込まれる指示情報の内容に基づいて検知することが可能となる。
【0096】
そして、周辺装置に設けられた給送不良検出手段は、上記の処理設定検知手段により原稿の処理設定の変更が検知される場合に、原稿の給送不良の有無を検出する基準である所定の第1基準閾値を当該第1基準閾値より大きい第2基準閾値に変更することが可能となる。
【0097】
なお、制御プログラムは、上述したように周辺装置の記憶部から情報処理装置に送って実行されるようにしてもよいし、予め、情報処理装置にインストールされていてもよい。
【0098】
以上説明したように、本発明は、情報処理装置と周辺装置とを接続した際に、周辺装置の制御プログラムを情報処理装置の記憶領域に送り、情報処理装置にその制御プログラムを実行させる際にも適用可能であり、ユーザの利便性をさらに向上することができる。
【0099】
これにより、周辺装置を制御するためのプログラムを情報処理装置にインストールすることなく、周辺装置を情報処理装置から利用可能となる。このため、例えば、デバイスドライバやアプリケーションソフトウエアをインストールすることが制限されている周辺装置であっても、あるいは、プログラムを入手していないユーザであっても、周辺装置を利用できるようになる。また、必要なソフトウエアが周辺装置に記憶されているため、CD−ROMの紛失による使用不可といった問題からも開放される。
【0100】
そして、このようなオートラン機能を備えた周辺装置の制御においては、指示情報の書き込み状況をリアルタイム又は定期的に監視することにより、先行する原稿と後続の原稿とで読み取り設定を変更した場合と、変更しない場合によって、先行する原稿の後端と後続する原稿の先端との距離に基づく給送エラーの検出閾値を変更することができる。
【0101】
したがって、上述した実施形態1と同様に、原稿の搬送を止めて画像読み取りを中止する必要のないような原稿間隔であったときに画像読み取りがスムーズに継続される。また、先行する原稿と後続する原稿との読取設定が変更された場合において、原稿給送不良の有無を検出する閾値を第1基準閾値からこれより大きい第2基準閾値に変更することができる。これにより、原稿給送不良の検出条件が厳しく設定され、ユーザ等の意に反した画像読取、すなわち、先行する原稿の読取設定で後続する原稿が読み取られることを確実に防止することができる。以上のことから、オートラン機能を備えた周辺装置に本発明を適用することにより、同時駆動タイプの周辺装置の利便性を飛躍的に向上させることができる。
【0102】
また、上述した実施形態1では、単一の駆動源による同時駆動タイプの画像読取装置に基づいて説明したが、本発明は勿論これに限定されず、例えば、搬送経路に給送ローラと搬送ローラとを配置した搬送系において各ローラを別々の駆動源で駆動させるような画像読取装置であっても、各ローラを同時に駆動させて搬送する場合において本発明を適用することが可能である。これにより、上述した実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0103】
なお、上述した実施形態1では、原稿を読み取る画像読取装置(シートスルー型スキャナ)を例示して説明したが、本発明は勿論これに限定されず、例えば、各種プリンタ、ファクシミリ、手形や小切手等のチェックスキャナ、あるいは複写機、複合機等のシート処理装置、シート処理方法にも広く適用することができる。また、本発明は、上述したシート処理装置及びシート処理方法だけでなく、同時駆動のシート給送機能を持つ各種周辺装置にも適用することができる他、情報処理装置と周辺装置とを接続してなる情報処理システムについても広く対象としたものである。
【符号の説明】
【0104】
100 画像読取装置 101 給紙ローラ 102 第1ローラ対 103 第2ローラ対 104 分離パッド 105 画像読取手段(第1読取部) 106 画像読取手段(第2読取部) 107 原稿台 108 レジストセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを一枚毎に分離しながら同時駆動で給送するシート給送手段と、 隣接するシート間隔を検知するシート間隔検知手段と、 シート間隔に基づいてシート給送不良の有無を検出するシート給送不良検出手段と、 搬送されるシートに所定の処理を行うシート処理手段と、 前記シート処理手段によるシート処理設定が変更されたか否かを検知するシート処理設定検知手段とを備え、 前記シート給送不良検出手段は、前記シート処理設定検知手段により前記シート処理設定の変更が検知される場合に、前記シート給送不良の有無を検出する基準である所定の第1基準閾値を当該第1基準閾値より大きい第2基準閾値に変更するようにしたことを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記シート給送手段は、シートを給送する給送ローラに回転力を付与する駆動モータを有し、前記シート間隔検知手段は、シートの到達及び通過を検出すると共に前記駆動モータの回転情報に基づいて前記シート間隔を検知するものであることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記シート処理手段は、シートの一方面側の画像を読み取る第1読取部と、前記第1読取部よりも給紙方向下流側にシートの他方面側の画像を読み取る第読取部とを有し、 前記第1読取部による第1読取開始位置と前記第2読取部による第2読取開始位置との間隔に基づいて前記第1基準閾値が定められることを特徴とする請求項1又は2記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記シート処理手段は、シートの画像を読み取る画像読取手段からなり、 前記シート処理設定検知手段は、前記シート処理設定として、解像度、色数、階調数、読み取り面、読み取り領域からなる群から選択される少なくとも1つの項目についての設定変更を検知するものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のシート処理装置。
【請求項5】
給紙方向におけるシートの少なくとも先端部にマージンを含めて画像読取領域を設定するためのマージン量を受け取るマージン量受取手段をさらに備え、
前記シート給送不良検出手段は、前記シート処理設定検知手段により前記シート処理設定の変更が検知される場合に、前記所定の第1基準閾値を当該第1基準閾値より大きく且つ前記マージン量を加算した第2基準閾値に変更してシート給送不良の有無を検出するものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のシート処理装置。
【請求項6】
一枚毎に分離しながら同時駆動で給送されるシートに所定の処理を行うと共に隣接するシート間隔に基づいてシート給送不良の有無を検出するに際し、シート処理設定が変更されたか否かを検知し、シート処理設定が変更された場合に、シート給送不良の有無を検出する基準である所定の第1基準閾値を当該第1基準閾値より大きい第2基準閾値に変更することを特徴とするシート処理方法。
【請求項7】
情報処理装置に接続される周辺装置を制御する制御プログラムを記憶する記憶部と、
前記情報処理装置に対して前記記憶部から前記制御プログラムを送信する通信部と、
前記情報処理装置による前記制御プログラムの実行により前記記憶部に書き込まれる指示情報に基づいて前記周辺装置の動作を制御する制御部と、
シートを一枚毎に分離しながら同時駆動で給送するシート給送手段と、 隣接するシート間隔を検知するシート間隔検知手段と、 シート間隔に基づいてシート給送不良の有無を検出するシート給送不良検出手段と、 搬送されるシートに所定の処理を行うシート処理手段と、 前記情報処理装置による前記制御プログラムの実行により前記記憶部に書き込まれる指示情報に基づいて前記シート処理手段によるシート処理設定が変更されたか否かを検知するシート処理設定検知手段とを備え、
前記シート給送不良検出手段は、前記シート処理設定検知手段により前記シート処理設定の変更が検知される場合に、前記シート給送不良の有無を検出する基準である所定の第1基準閾値を当該第1基準閾値より大きい第2基準閾値に変更するようにしたことを特徴とする周辺装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−20834(P2011−20834A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169414(P2009−169414)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】