シート搬送装置、画像形成装置及び画像読取装置
【課題】タブシート等の非矩形シートの斜行補正を高精度に行うことのできるシート搬送装置、画像形成装置及び画像読取装置を提供する。
【解決手段】起動センサ27a,27b(又は斜行検知センサ28a,28b)のシートSの先端検知のタイミングの差によりシート先端の斜行量を算出し、第1横レジ検知センサ35a(又は第2横レジ検知センサ35b)が検知するシートSの側端位置の差によりシート側端の斜行量を算出する。そして、シートSの斜行を補正する前にシートが矩形シートか非矩形シートかを判断し、シートSが矩形シートと判断した場合にはシート側端斜行量及びシート先端斜行量の一方に基づいて斜行補正部を制御し、シートが非矩形シートと判断した場合にはシート側端斜行量に基づいて斜行補正部を制御する。
【解決手段】起動センサ27a,27b(又は斜行検知センサ28a,28b)のシートSの先端検知のタイミングの差によりシート先端の斜行量を算出し、第1横レジ検知センサ35a(又は第2横レジ検知センサ35b)が検知するシートSの側端位置の差によりシート側端の斜行量を算出する。そして、シートSの斜行を補正する前にシートが矩形シートか非矩形シートかを判断し、シートSが矩形シートと判断した場合にはシート側端斜行量及びシート先端斜行量の一方に基づいて斜行補正部を制御し、シートが非矩形シートと判断した場合にはシート側端斜行量に基づいて斜行補正部を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置、画像形成装置及び画像読取装置に関し、特に画像形成部又は画像読取部に搬送される記録紙や原稿等のシートの斜行及びシートの幅方向のずれを補正するための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置や画像読取装置においては、画像形成部や画像読取部に記録紙や原稿等のシートを搬送するシート搬送装置を備えている。そして、シート搬送装置には、画像形成部や画像読取部に搬送するまでにシートの姿勢及び位置を合わせるために、シートの斜行の補正を行う斜行補正部を備えたものがある。
【0003】
近年、例えば画像形成装置では、コート紙、エンボス紙、超厚紙、超薄紙等の様々なシートが使用されるようになってきている。このため、画像形成装置においては、高生産性化だけでなく、使用されるあらゆる種類のシートに対応できるように、斜行補正の高速化及び高精度化が要望されている。そこで、斜行補正の高速及び高精度化のため、幅方向に所定間隔を設けて2つの斜行補正ローラ対を配設し、この斜行補正ローラ対により、シートを一旦停止させることなく搬送しながら斜行を補正する方式の斜行補正部が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、このような斜行補正部の2つの斜行補正ローラ対には、それぞれの偏心や外周形状により、位相によって回転ムラ(シートの搬送速度変動)が発生し、この場合、斜行補正ローラ間の回転ムラの差によってシートは変動しながら搬送される。この斜行補正ローラの回転ムラの差による変動は制御することが出来ないため、シートが斜行を補正されながら下流の搬送ローラに到達した時、その回転ムラの差分の斜行量が残ってしまう問題があった。そこで、従来は、例えば切り欠きのある搬送ローラを一回転させて制御することで、回転ムラの差分をなくすと同時に斜行補正する構成が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
また、近年、様々なシートに対する画像形成の需要が増大しており、かならずしも矩形でない非矩形シート、例えばタブシートに画像を形成する場合がある。ここで、タブシートとは、分類を目的として見出しなどを記入するタブ部を端辺に設けたシートを指している。しかし、タブ部の位置は一定ではなく、タブ部に記入された見出しなどを確認しやすいよう、複数の段階にずらして設けられている。このような矩形でない形状のシートに対しては、従来の斜行補正部では、斜行補正を行うことができない場合がある。
【0006】
そこで、タブシートのように矩形でない形状のシートの斜行を補正する斜行補正方法として、予め登録されたシート形状情報と斜行検知センサ情報とに基いて斜行量を算出し、シートの斜行を補正する方法が提案されている(特許文献3参照)。具体的には、例えば幅方向に配された2つの斜行検知センサの情報と、予め登録されたシート形状情報(タブ部の寸法)とに基いて斜行量を算出し、シートの斜行を補正する。
【0007】
また、他の斜行補正方法として、シートの斜行を検知するため幅方向に設けられたラインセンサによりシートの先端部の形状を検出し、タブシートと判断した場合には、画像処理によりタブシートの斜行量を算出し、タブシートに対応した斜行補正を行うものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−277151号公報
【特許文献2】特開2008−001515号公報
【特許文献3】特開2003−146485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、このような従来の斜行補正部を備えたシート搬送装置において、例えばシート形状情報に応じてシートの斜行を補正する場合、予め入力されたシート形状情報と、実際に搬送したタブシートの形状寸法との差分がある場合には、斜行が発生してしまう。また、ラインセンサにてシート形状を検出する方法では、特に矩形シートやタブシートが混在している場合、斜行検出精度を向上させようとすると、あるいは装置全体を高速化させようとすると、斜行量算出のための画像処理が非常に大掛かりになってしまう。
【0010】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、タブシート等の非矩形シートの斜行補正を高精度に行うことのできるシート搬送装置、画像形成装置及び画像読取装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、シート搬送方向と直交する幅方向に配置され、シートの先端を検知する複数の先端検知部と、シートのシート搬送方向と平行な側端の幅方向の位置を検知する側端位置検知部と、搬送されるシートの斜行を補正する斜行補正部と、前記先端検知部の検知のタイミングの差によりシート先端の斜行量を算出し、前記側端位置検知部が検知するシートの側端位置の差によりシート側端の斜行量を算出し、算出したシート側端斜行量とシート先端斜行量に基づいてシートの斜行を補正するように斜行補正部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、シートの斜行を補正する前にシートが矩形シートか非矩形シートかの判断を行い、シートが矩形シートと判断した場合には前記シート側端斜行量及び前記シート先端斜行量の一方に基づいて前記斜行補正部を制御し、シートが非矩形シートと判断した場合には前記シート側端斜行量に基づいて前記斜行補正部を制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のように、シートの斜行を補正する前にシートが矩形シートか非矩形シートかを判断し、シートが非矩形シートと判断した場合にはシート側端斜行量に基づいて斜行補正部を制御することにより、非矩形シートの斜行補正を高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるプリンタの概略構成図。
【図2】上記プリンタのシート搬送装置に設けられた斜行及びレジ補正部の構成を説明する図。
【図3】上記プリンタの制御ブロック図。
【図4】上記斜行補正部の斜行補正及びレジ補正制御動作を説明するフローチャート。
【図5】上記斜行補正部の斜行補正及びレジ補正制御動作を説明する第1の図。
【図6】上記斜行補正部における斜行調整量算出のためのパラメータ説明図。
【図7】上記斜行補正部の斜行補正及びレジ補正制御動作を説明する第2の図。
【図8】上記斜行補正部の斜行補正及びレジ補正制御動作を説明する第3の図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置のシート搬送装置に設けられた斜行及びレジ補正部の構成を説明する図。
【図10】上記画像形成装置の制御ブロック図。
【図11】上記斜行補正部の斜行補正及びレジ補正制御動作を説明するフローチャート。
【図12】上記斜行補正部の斜行補正及びレジ補正制御動作を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるプリンタの概略構成図である。
【0015】
図1において、1000はプリンタであり、このプリンタ1000は、プリンタ本体1001と、プリンタ本体1001の上面に配されたスキャナ2000とを備えている。
【0016】
ここで、原稿を読み取るスキャナ2000は、走査光学系光源201、プラテンガラス202、開閉する原稿圧板203を備えている。また、レンズ204、受光素子(光電変換素子)205、画像処理部206、画像処理部206にて処理された画像処理信号を記憶しておくためのメモリ部208等を備えた画像読取部2001を備えている。
【0017】
そして、原稿を読み取る際には、プラテンガラス202の上に載置された不図示の原稿に走査光学系光源201によって光を照射することにより読み取るようにしている。そして、読み取った原稿像は画像処理部206により処理された後、電気的に符号化された電気信号207に変換されて作像手段たるレーザスキャナ111に伝送される。なお、画像処理部206にて処理され、符号化された画像情報を一旦メモリ部208に記憶させ、コントローラ120からの信号によって、必要に応じてレーザスキャナ111に伝送することもできる。
【0018】
プリンタ本体1001は、シート給送装置1002と、シート給送装置1002により給送されたシートSを画像形成部1003に搬送するシート搬送装置1004と、プリンタ1000を制御するための制御手段たるコントローラ120等を備えている。またプリンタ本体1001の一方の側部にはプリンタ本体1001から排出されたシートSの処理を行うシート処理装置500が設けられている。
【0019】
ここで、シート給送装置1002は、2つ(複数)の給紙カセット100と、ピックアップローラ101と、フィードローラ102及びリタードローラ103とから成る分離部を備えている。そして、給紙カセット100内のシートSは所定のタイミングで昇降/回転するピックアップローラ101と、分離部との作用によって1枚ずつ分離給送されるようになっている。
【0020】
シート搬送装置1004は、縦パスローラ対105(105a,105b)と、アシストローラ対10(10a,10b)と、後述する斜行補正部1A及びレジ補正部1Bを有する斜行及びレジ補正部1とを備えている。そして、シート給送装置1002から給送されたシートSは縦パスローラ対105により、上部が湾曲したガイド板106,107によって構成されるシート搬送通路108を通過した後、斜行及びレジ補正部1に導かれる。この後、この斜行及びレジ補正部1において、後述するように斜行及びシート搬送方向と直交する幅方向のずれが補正された後にシートSは画像形成部1003に搬送される。
【0021】
画像形成部1003は、電子写真方式のものであり、像担持体である感光体ドラム112、画像書き込み手段であるレーザスキャナ111、現像器114、転写帯電器115、分離帯電器116等を備えている。そして、画像形成の際には、まずレーザスキャナ111からのレーザ光がミラー113によって折り返されて時計方向に回転する感光体ドラム上の露光位置112aに照射されることにより、感光体ドラム上に潜像が形成される。さらにこのようにして感光体ドラム上に形成された潜像は、この後、現像器114によってトナー像として顕像化されるようになっている。
【0022】
なお、図1において、131はレジ補正部1Bの下流に設けられたレジセンサであり、このレジセンサ131により、レジ補正部1Bを通過したシートSを検知する。なお、レジセンサ131がレジ補正部1Bを通過したシートSを検知すると、この検知信号に基づき、コントローラ120は後述するように例えばT秒後にシート先端信号(画先信号)をレーザスキャナ111へ送る。これにより、レーザスキャナ111によるレーザ光の照射が開始される。
【0023】
次に、このようにして顕像化された感光体ドラム上のトナー像は、この後、転写部112bにおいて、転写帯電器115によりシートSに転写される。なお、感光体ドラム112のレーザ光照射位置112aから転写部112bまでの距離はl0となっている。
【0024】
さらに、このようにトナー像が転写されたシートSは、分離帯電器116により感光体ドラム112から静電分離された後、搬送ベルト117により定着装置118に搬送されて定着装置118において転写画像が永久定着される。この後、画像が定着されたシートSは、搬送ローラ119,121及び排紙ローラ122により、不図示のシート積載トレイへ排出、積載される。なお、シート両面に画像を形成する場合には、片面に画像が形成されたシートを反転パス123及び両面パス126を経て、再度、画像形成部1003に搬送し、画像形成されていないシートSの裏面に画像を形成する。
【0025】
次に、斜行及びレジ補正部1について説明する。斜行及びレジ補正部1は、図2に示すようにレジ前ローラ対10と、シートの斜行を補正する斜行補正部1Aと、シートの幅方向のずれを補正するレジ補正部1Bを備えている。ここで、レジ前ローラ対10はレジ前駆動ローラ10aと、不図示の加圧バネによりレジ前駆動ローラ10aに圧接するレジ前従動ローラ10bとにより構成されている。なお、レジ前駆動ローラ10aはレジ前モータ11によりシート搬送方向に駆動される。また、レジ前従動ローラ10bは、レジ前解除モータ14によりレジ前駆動ローラ10aとの圧接が解除される。このレジ前解除モータ14の位相、言い換えればレジ前ローラ対10の接離はレジ前解除HPセンサ15により検知される。
【0026】
斜行補正部1Aは、幅方向に所定間隔を設けて配設された2つの斜行補正ローラ対21,22を備えている。斜行補正ローラ対21,22は、それぞれ周面に切り欠き部を有する駆動回転体である駆動ローラ21a,22aと、不図示の加圧バネにより駆動ローラ21a,22aに圧接する従動回転体である従動ローラ21b,22bにより構成されている。なお、駆動ローラ21a,22aはシート搬送方向と直交する幅方向に所定間隔をあけて配設されると共に、それぞれが独立して駆動されるように斜行補正モータ23,24が連結されている。なお、図2において、25、26は駆動ローラ21a,22aのHP(ホームポジション)を検知する斜行補正HPセンサである。
【0027】
また、斜行補正ローラ対21,22のシート搬送方向上流には、シートの先端を検出してシート先端の斜行を検知する先端検知部である起動センサ27a,27bが幅方向に所定間隔を設けて配置されている。そして、起動センサ27a,27bがシート先端を検知するタイミングに応じて斜行量を算出すると共に斜行補正モータ23,24の駆動を開始することにより、シートの斜行を補正することができる。
【0028】
斜行補正ローラ対21,22のシート搬送方向上流には、搬送するシートのシート搬送方向と平行なシート側端の位置を連続的に検知して、シート側端の幅方向の位置ずれ量を検知する側端位置検知部である第1横レジ検知センサ35aが設けられている。なお、本実施の形態においては、第1横レジ検知センサ35aはラインセンサにより構成され、後述するように、第1横レジ検知センサ35aにより、シート側端の幅方向の位置である横レジ位置の変化を検知してシートの搬送方向の斜行量を算出する。
【0029】
また、斜行補正ローラ対21,22のシート搬送方向下流には斜行補正ローラ対21,22により斜行が完全に補正されたかを検知する斜行検知センサ28a,28bが幅方向に所定間隔を設けて配置されている。そして、この斜行検知センサ28a,28bにより、シート先端の斜行が検知された場合には、斜行補正ローラ対21,22により、再度、斜行補正を行う。また、斜行補正ローラ対21,22のシート搬送方向下流には横レジ位置を検知してシートの搬送方向の斜行量を算出する側端位置検知部であるラインセンサにより構成される第2横レジ検知センサ35bが設けられている。
【0030】
なお、起動センサ27a,27b及び斜行検知センサ28a,28bを結ぶ中心線は搬送方向下流側に設けられている感光体ドラム112の軸線と平行となるように、配置されている。ここで、本実施の形態においては、シートの斜行は、シート先端の先行側を減速する先行側減速制御により補正する。また、本実施の形態においては、起動センサ27及び斜行検知センサ28は、それぞれ2個ずつ(複数)設けられているが、後述するシートのタブ部を確実に検知することができるよう、必要に応じて数を増やしても良い。
【0031】
レジ補正部1Bは、周面に切り欠き部を有する駆動回転体であるレジ駆動ローラ30aと、レジ駆動ローラ30aに対し不図示の加圧バネにより圧接する従動回転体であるレジ従動ローラ30bとにより構成されている2対のレジローラ対30を備えている。そして、このレジ駆動ローラ30aは、レジモータ31に連結されている。また、レジ駆動ローラ30は軸方向にスライド可能に設けられており、レジシフトモータ33により幅方向にスライド移動される。
【0032】
そして、第2横レジ検知センサ35bにより検知された横レジ位置(側端位置)に応じてレジシフトモータ33が駆動されてレジローラ対30が軸方向にスライドし、これによりシートの側端位置が補正される。すなわち、本実施の形態において、第2横レジ検知センサ35bにより検知された側端位置に応じて側端補正部であるレジローラ対30はシートを搬送しながらシートを幅方向に移動させ、シートの側端位置を補正する。
【0033】
さらに、レジローラ対30の下流には、シートの先端を検知するためのレジセンサ131a,131bが所定間隔をあけて配置されている。なお、32はレジ駆動ローラ30aのHP(ホームポジション)を検知するレジHPセンサ、34はレジローラ対30の幅方向のHP(ホームポジション)を検知するレジシフトHPセンサである。
【0034】
図3は、本プリンタ1000の制御ブロック図であり、コントローラ120(図1参照)に設けられたCPU120Aには、既述した斜行補正HPセンサ25,26、既述した起動センサ27a,27bからの検知信号が入力される。また、この制御部であるCPU120Aには、斜行検知センサ28a,28b、レジHPセンサ32、レジシフトHPセンサ34、横レジ検知センサ35a,35b、レジセンサ131a,131b、レジ前解除HPセンサ15からの検知信号が入力される。
【0035】
一方、CPU120Aには、レジ前モータ11、レジ前解除モータ14、斜行補正モータ23,24、レジモータ31、レジシフトモータ33、レーザスキャナ111、操作部130が接続されている。そして、CPU120Aは各センサからの検知信号及び操作部130からのコピー或いはプリント開始信号に基づいて各モータを駆動するようにしている。
【0036】
ここで、CPU120Aは、シート先端の斜行量を検知してシートの斜行を補正するように斜行補正部1Aの駆動を制御し、シート側端の位置ずれ量を検知して斜行補正されたシートの幅方向の位置ずれを補正するようにレジ補正部1Bを制御する。また、CPU120Aは、後述するように起動センサ27a,27bにより検知したシート先端の斜行量と、第1横レジ検知センサ35aが検知したシート側端の斜行量を比較し、2つの斜行量が異なる場合、シートはタブ部を有するシートと判断する。例えば、タブ部を有するシート(以下、タブシートという)が斜行した場合、タブ部の無い側の起動センサがシート先端を検出する時刻と、タブ部が有る側の起動センサがシート先端を検出する時刻は、タブ部がある分だけ、通常のシートの場合に較べて速くなる。
【0037】
そこで、本実施の形態においては、後述する図8の(b)に示されるように、斜行したシートがタブシートと判断した場合、後述する図6に示すようにタブ部がある分だけ第1横レジ検知センサ35aが検知した側端斜行量をΔe1だけ補正する。そして、この補正した側端斜行量を基準に、斜行補正モータ23,24を起動して斜行補正動作を開始する。つまり、斜行したシートがタブシートと判断した場合には、第1横レジ検知センサ35aの検知タイミングに基づいて斜行補正動作を開始する。なお、本実施の形態においては、第1横レジ検知センサ35aの検知タイミングに基づいて第1の斜行補正動作を行った後、第2横レジ検知センサ35bの検知タイミングに基づいて第2の斜行補正動作を行うことにより、高精度の斜行補正を行うようにしている。
【0038】
次に、このようなCPU120A(コントローラ120)による斜行補正及びレジ補正制御動作について図4を用いて説明する。なお、本実施の形態においては、矩形シートである非タブシートに非矩形シートであるタブシートが混じって搬送される。
【0039】
操作部130からコピー或いはプリント信号入力されると、給紙カセット100が選択され、選択された給紙カセット100から非タブシート又はタブシートが給送され、搬送ローラ対105によりレジ前ローラ対10を通過して斜行及びレジ補正部1に達する。次に、図5の(a)に示すように斜行及びレジ補正部1に搬送されたシートSの側端を第1横レジ検知センサ35aが検知する。この後、起動センサ27a,27bがシートSを検出(ON)すると(S10のY)、次に起動センサ27a,27b及び第1横レジ検知センサ35aによりシートの斜行の有無を検知する。
【0040】
ここで、図5の(b)に示すようにシートSが斜行していると、図6に示す起動センサ27a,27bがシートを検知するタイミングの差によりシート先端の斜行量である先端斜行量Δs1が算出される。また、第1横レジ検知センサ35aによる時刻t1とt2のシート側端検知位置の差、すなわちシートの側端位置のずれ量の差によりシート側端の斜行量である側端斜行量Δe1が算出される。つまり、起動センサ27a,27bがシートSを検出(ON)すると、起動センサ27a,27b及び第1横レジ検知センサ35aにより斜行量を算出する(S11)。
【0041】
次に、先端斜行量Δs1と側端斜行量Δe1とを比較してシートがタブシート(タブ紙)かを判断する(S12)。ここで、非タブシートの場合、先端斜行量Δs1と側端斜行量Δe1は同じであるので、先端斜行量Δs1と側端斜行量Δe1とが同じであれば、シートSは非タブシートと判断し(S12のN)、非タブ紙モードのシートの斜行補正を行う。すなわち、シートがタブシートでない場合は、この後、斜行補正モータ23,24をそれぞれ起動し(S13)、斜行補正動作を開始する。また、このときシートのサイズ(紙サイズ)に応じてレジ前解除モータ14を駆動し(S14)、レジ前ローラ10のニップを解除すると共に、搬送ローラ対105のニップを解除する。
【0042】
このような斜行補正ローラ起動制御の後、起動センサ27a,27bの検知タイミングを基準として求めた斜行量Δs1に応じて斜行補正モータ23,24の、斜行補正を行うための各モータ制御量(補正時間T1及び減速速度ΔV1)を演算する(S15)。そして、演算された制御量に基づき斜行補正モータ23,24を駆動し、既述した先行側減速制御を行う(S16)。これにより、ローラニップ部が解除されていた斜行補正ローラ対21,22が回転し、第1斜行補正を行う。このとき、斜行補正ローラ対21,22の駆動ローラ21a、22aのローラ位相が同位相となっている。このため、斜行補正ローラ対21,22の回転ムラの差分をなくすと同時に斜行補正を行うことができる。
【0043】
次に、このような第1斜行補正制御処理の後、斜行検知センサ28a,28bがONするのを待つ(S17)。そして、斜行検知センサ28a,28bがONすると(S17のY)、それぞれの検知タイミングを基準としてシート先端の斜行量を算出して先端斜行量ΔS2を算出する(S18)。この後、算出された斜行量に基づいて各モータ制御量を演算し、演算された制御量に基づき斜行補正モータ23,24を駆動して、既述した先行側減速制御を行う(S19)。これにより、斜行補正ローラ対21,22が回転し、シートSの斜行が完全に補正される。
【0044】
次に、このような第2斜行補正制御処理の後、斜行補正ローラ対21,22により斜行状態が補正されたシートSはレジローラ対30に搬送される。この後、斜行検知センサ28a,28bの遅れ側の検知時刻を基準にレジモータ31が起動される(S30)。そして、このようなレジローラ起動制御により、図7の(a)に示すように、ローラニップ部が解除されていたレジローラ対30が回転し、シートSが搬送される。この後、レジローラ対30によりシートSが挟持されると、斜行補正HPセンサ基準で、斜行補正ローラ対21,22のローラニップ部が解除された状態で、斜行補正モータ23,23をそれぞれ停止させる(S31)。
【0045】
次に、このような斜行補正ローラHP停止制御の後、レジセンサ131a,131bがシートを検知してONするのを待つ(S32)。そして、シートSの先端がレジセンサ131a,131bに検知されると(S32のY)、レジセンサ131a,131bの遅れ側の検知時刻を基準に第2横レジセンサ35bによりシートSの側端位置が検知される(S33)。次に、このような先レジ横レジ検知処理の後、レジセンサ131a,131bの遅れ側の検知タイミングと、感光体ドラム上にレーザ光が照射されたタイミング(ITOP)との時間差Δt3を基にレジモータ31の速度演算を行う(S34)。
【0046】
即ち、感光体ドラム112のレーザ光照射位置112aから転写部112bまでの距離l0を搬送される画像先端と、レジセンサ131から転写部112bまでの距離l1を搬送されるシート先端とを同期させる、レジモータ31の減速速度と変速時間とを算出する。また、第2横レジセンサ35bの検知信号を基に、感光体ドラム112上の画像横レジ位置と、シートSの横レジ位置とを同期させるため、レジシフトモータ33の移動量の演算を行う(S35)。即ち、レジシフトモータ33のシフト方向の速度と変速時間とを算出する。
【0047】
次に、このようにして求めたレジモータ31の減速速度と変速時間に基づきレジモータ31の変速制御及びレジシフトモータ33の制御を行う(S36)。そして、このようなレジモータ31及びレジシフトモータ33の制御により、レジローラ対30がシフトし、感光体ドラム112上の画像位置とシートSとの先端位置及び横レジ位置を一致させることができる。
【0048】
次に、このような先レジ横レジ補正制御処理の後、シートSのシフト動作が終了すると、レジローラ対30により搬送されたシートSは感光体ドラム112に転写吸着される。この後、レジHPセンサ26を基準に、レジローラ対31のローラニップ部が解除された状態で、レジモータ31が停止する(S37)。これと同時に、レジシフトモータ33が起動され(S38)、レジローラ対30がS26とは逆方向にシフト移動し、この後、レジシフトHPセンサ34により検知されると、レジシフトモータ33が停止する。
【0049】
一方、シートがタブシートの場合、図8の(a)に示すように第1横レジ検知センサ35aにより、シート側端が検知され、この後、図8の(b)に示すように、起動センサ27a,27bによりシート先端が検出される。そして、起動センサ27a,27b及び第1横レジ検知センサ35aからの信号により先端斜行量Δs1と側端斜行量Δe1を算出する。
【0050】
ここで、シートがタブシートの場合、図6に示す先端斜行量Δs1と側端斜行量Δe1とは同じではないので、先端斜行量Δs1と側端斜行量Δe1とが異なる場合には、シートSはタブシートと判断し(S12のN)、タブ紙モードのシートの斜行補正を行う。すなわち、シートがタブシートの場合は、この後、斜行補正モータ23,24をそれぞれ起動し(S23)、斜行補正動作を開始する。また、このときシートのサイズ(紙サイズ)に応じてレジ前解除モータ14を駆動し(S24)、レジ前ローラ10のニップを解除すると共に、搬送ローラ対105のニップを解除する。
【0051】
次に、このような斜行補正ローラ起動制御の後、横レジ検知センサ35aからの信号により算出した側端斜行量Δe1に応じて斜行補正モータ23,24の斜行補正を行うための各モータ制御量(補正時間T1及び減速速度ΔV1)を演算する(S25)。ここで、例えば図8に示すように起動センサ27a側が先行している場合には、斜行補正ローラ対21(斜行補正モータ23)を減速して斜行補正を行う。なお、本実施の形態においては、制御パラメータである補正時間T1及び減速速度ΔV1を側端斜行量Δe1より、下記の数式を満足するように算出する。
【0052】
【数1】
【0053】
この後、演算された制御量に基づき斜行補正モータ23,24を駆動し、既述した先行側減速制御を行う(S26)。すなわち、斜行補正モータ23は第1回目の斜行補正区間(T1)において、シート搬送速度をV0からΔV1 に減速し、斜行補正区間終了時にシート搬送速度をV0まで加速する。これにより、ローラニップ部が解除されていた斜行補正ローラ対21,22が回転し、第1斜行補正を行う。なお、このときタブシートSのタブ部Stがある側の斜行補正ローラ対21(斜行補正モータ23)は、起動センサ27aの検出時刻t2’(t2を基準に側端斜行量Δe1分補正した時刻)を基準に起動される。また、第1斜行補正が終了すると、斜行補正ローラ対21,22の駆動ローラ21a,22aのローラ位相は同位相となる。
【0054】
次に、このような第1斜行補正制御処理の後、図8の(c)に示すように斜行検知センサ28a,28bがONするのを待つ(S27)。そして、斜行検知センサ28a,28bがONすると(S27のY)、この後、図8の(d)に示すように第2横レジ検知センサ35bによる時刻t3とt4の検知位置から側端斜行量Δe2が算出される。
【0055】
つまり、斜行検知センサ28a,28bがシートSを検出(ON)すると、第2横レジ検知センサ35bにより側端斜行量を算出する(S28)。この後、算出された側端斜行量に基づいて各モータ制御量を演算し、演算された制御量に基づき斜行補正モータ23,24を駆動して、既述した先行側減速制御を行う(S29)。これにより、斜行補正ローラ対21,22が回転し、このような第2斜行補正によりシートSの斜行が完全に補正される。
【0056】
そして、この後、既述したS30〜S38の処理を行う。更に、この後、搬送されるシートに対して既述したS10〜S19、S23〜S38を繰り返すことで、シートSの斜行補正と、ドラム112上の画像とシートSとの位置補正を高精度に連続して行うことが可能となる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態では、シートの斜行を補正する前にシートがタブシートかを判断し、シートがタブシートと判断した場合にはシート側端斜行量に基づいて斜行補正部1Aを制御するようにしている。これにより、ユーザーによる形状情報精度による影響を受けることなく、高精度に斜行補正を行うことができる。また、非タブシートやタブシートが混在しても、同一制御で高精度に斜行補正を行うことができ、高速化、生産性向上が可能となる。
【0058】
なお、本実施の形態では、タブ紙モードの場合には横レジ検知センサ35a,35bによる側端斜行量にて斜行補正を制御し、非タブ紙モードの場合には起動センサ27a,27b、斜行検知センサ28a,28bによる先端斜行量にて斜行補正を制御した。しかし、タブ紙モード、非タブ紙モードともに横レジ検知センサ35a,35bによる側端斜行量に基づいて斜行補正部1Aを制御するようにしても良い。
【0059】
ところで、これまでの説明においては、斜行補正を行う前にシートがタブシートか否かを判断するようにした場合について説明したが、本発明は、これに限らない。例えば、シートがタブシート又は非タブシートかの情報を予め入力するようにしても良い。
【0060】
図9は、このようなシートがタブシート又は非タブシートかの情報を予め入力するようにした本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置のシート搬送装置に設けられた斜行及びレジ補正部の構成を説明する図である。なお、図9において、既述した図2と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0061】
本実施の形態においては、図9に示すように、斜行補正ローラ対21,22のシート搬送方向上流には横レジ検知センサは設けず、シート搬送方向下流に横レジ検知センサ35を設けている。つまり、本実施の形態においては、1つの横レジ検知センサ35だけを用いている。
【0062】
また、本実施の形態においては、図10に示すようにシート個々のメディア情報としてさまざまな情報が登録されている外部記憶装置200がCPU120Aに接続されている。ここで、この外部記憶装置200は、シートがタブシート又は非タブシートかの情報を予め入力する入力部である。そして、CPU120Aは外部記憶装置200に登録されているメディアA,B,C・・の情報のうち「タブ紙」又は「非タブ紙」であるかの情報を用いて補正動作を行うようにしている。
【0063】
次に、本実施の形態に係るCPU120A(コントローラ120)による斜行補正及びレジ補正制御動作について図11を用いて説明する。操作部130からコピー或いはプリント信号入力されると、まず給紙カセット100が選択され、選択された給紙カセット100からシートが給送され、搬送ローラ対105によりレジ前ローラ対10を通過して斜行及びレジ補正部1に達する。
【0064】
次に、斜行及びレジ補正部1に搬送されたシートSの先端を起動センサ27a,27bが検出(ON)すると(S10のY)、外部記憶装置200に予め登録されているシートSのメディア情報を読み込みに行く。そして、読み取ったメディア情報をメモリ3001にインプットし(S11A)、インプットされたメディア情報からシートがタブシートか、非タブシートかを判断する(S12A)。次に、インプットされた情報に基づき、非タブシートと判断した場合には(S12AのN)、非タブ紙モードで、既述した図4に示すS13〜S19及びS30〜S38による斜行補正処理を行う。
【0065】
タブ紙モードと判断した場合には(S12AのY)、起動センサ27a,27bの遅れ側の検知時刻を基準に、斜行補正モータ23,24を同時起動する(S23A)。これにより、ローラニップ部が解除されていた斜行補正ローラ対21,22が同時に回転し、シートSが搬送される。また、このときシートのサイズ(紙サイズ)に応じてレジ前解除モータ14を駆動し(S24)、レジ前ローラ10のニップを解除すると共に、搬送ローラ対105のニップを解除する。
【0066】
次に、図12の(a)に示すようにシート側端が横レジ検知センサ35に検出される。この後、図12の(b)に示すようにシート先端を斜行検知センサ28a,28bが検出(ON)すると(S27のY)、斜行検知センサ28a,28bがシート先端を検知するタイミングの差により先端斜行量Δs2を算出する。また、横レジ検知センサ35による時刻t3とt4のシート側端検知位置の差から側端斜行量Δe2を算出する(S28A)。
【0067】
この後、先端斜行量Δs2と側端斜行量Δe2とを比較する。ここで、図12の(c)に示すように、斜行検知センサ28a,28bがタブ部Stを検知すると、先端斜行量Δs2と側端斜行量Δe2が異なるようになる。言い換えれば、タブ部Stが斜行検知センサ28a,28bにより検知される位置にある場合には、先端斜行量Δs2と側端斜行量Δe2が異なるようになる。そして、先端斜行量Δs2と側端斜行量Δe2が異なる場合は、算出された側端斜行量Δe2に基づいて各モータ制御量を演算し、演算された制御量に基づき斜行補正モータ23,24を駆動して、既述した先行側減速制御を行う(S29)。
【0068】
一方、図12の(d)に示すように、タブ部Stが斜行検知センサ28a,28bにより検知される位置にない場合には、斜行検知センサ28a,28bがシートSのタブ部以外の先端を検知するので、先端斜行量Δs2と側端斜行量Δe2が同じになる。そして、このように先端斜行量Δs2と側端斜行量Δe2が同じ場合は、算出された先端斜行量Δs2に基づいて各モータ制御量を演算し、演算された制御量に基づき斜行補正モータ23,24を駆動して、既述した先行側減速制御を行う(S29)。
【0069】
これにより、斜行補正ローラ対21,22が回転し、シートSの斜行が完全に補正される。そして、この後、既述したS30〜S38の処理を行う。更に、この後、搬送されるシートに対して既述したS10〜S19、S23A〜S38を繰り返すことで、シートSの斜行補正と、ドラム112上の画像とシートSとの位置補正を高精度に連続して行うことが可能となる。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態では、シートSのタブ部Stが斜行検知センサ28a,28bの位置にある場合には、横レジ検知センサ35により算出した側端斜行量にて斜行補正制御するようにしている。また、シートSのタブ部Stが斜行検知センサ28a,28bの位置に無い場合には、斜行検知センサ28a,28bにより算出したシート先端斜行量にて斜行補正制御するようにしている。これにより、タブ部Stの位置にかかわらず、高精度に斜行補正を行うことができる。
【0071】
なお、斜行補正制御は、これまでの説明の構成に限られることはなく、シートが矩形シートの場合にはシート側端の斜行量及びシート先端の斜行量の一方に基づいて斜行補正部を制御しても良い。また、タブ紙モード時は全て横レジ検知センサ35により算出した側端斜行量による斜行補正制御でもかまわない。さらに、第2斜行補正時(S27〜S29)には、タブ紙モード、非タブ紙モードともに横レジ検知センサ35により算出した側端斜行量による斜行補正制御でもかまわない。
【0072】
また、これまでは画像形成装置の一例であるプリンタ1000に設けられたシート搬送装置1004に、本発明を用いた場合について述べてきたが、本発明はこれに限らない。例えば、画像読取部を備えた画像読取装置の一例であるスキャナ2000において、画像読取部にシート(原稿)を搬送するシート搬送装置として本発明のシート搬送装置を用いるようにしても良い。
【符号の説明】
【0073】
1…斜行及びレジ補正部、1A…斜行補正部、1B…レジ補正部、21,22…斜行補正ローラ対、23,24…斜行補正モータ、27a,27b…起動センサ、28a,28b…斜行検知センサ、30…レジローラ対、35a…第1横レジ検知センサ、35b…第2横レジ検知センサ、120A…CPU、200…外部記憶装置、1000…プリンタ、2000…スキャナ、1003…画像形成部、1004…シート搬送装置、Δs1,Δs2…先端斜行量、Δe1,Δe2…側端斜行量、S…シート、St…タブ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置、画像形成装置及び画像読取装置に関し、特に画像形成部又は画像読取部に搬送される記録紙や原稿等のシートの斜行及びシートの幅方向のずれを補正するための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置や画像読取装置においては、画像形成部や画像読取部に記録紙や原稿等のシートを搬送するシート搬送装置を備えている。そして、シート搬送装置には、画像形成部や画像読取部に搬送するまでにシートの姿勢及び位置を合わせるために、シートの斜行の補正を行う斜行補正部を備えたものがある。
【0003】
近年、例えば画像形成装置では、コート紙、エンボス紙、超厚紙、超薄紙等の様々なシートが使用されるようになってきている。このため、画像形成装置においては、高生産性化だけでなく、使用されるあらゆる種類のシートに対応できるように、斜行補正の高速化及び高精度化が要望されている。そこで、斜行補正の高速及び高精度化のため、幅方向に所定間隔を設けて2つの斜行補正ローラ対を配設し、この斜行補正ローラ対により、シートを一旦停止させることなく搬送しながら斜行を補正する方式の斜行補正部が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、このような斜行補正部の2つの斜行補正ローラ対には、それぞれの偏心や外周形状により、位相によって回転ムラ(シートの搬送速度変動)が発生し、この場合、斜行補正ローラ間の回転ムラの差によってシートは変動しながら搬送される。この斜行補正ローラの回転ムラの差による変動は制御することが出来ないため、シートが斜行を補正されながら下流の搬送ローラに到達した時、その回転ムラの差分の斜行量が残ってしまう問題があった。そこで、従来は、例えば切り欠きのある搬送ローラを一回転させて制御することで、回転ムラの差分をなくすと同時に斜行補正する構成が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
また、近年、様々なシートに対する画像形成の需要が増大しており、かならずしも矩形でない非矩形シート、例えばタブシートに画像を形成する場合がある。ここで、タブシートとは、分類を目的として見出しなどを記入するタブ部を端辺に設けたシートを指している。しかし、タブ部の位置は一定ではなく、タブ部に記入された見出しなどを確認しやすいよう、複数の段階にずらして設けられている。このような矩形でない形状のシートに対しては、従来の斜行補正部では、斜行補正を行うことができない場合がある。
【0006】
そこで、タブシートのように矩形でない形状のシートの斜行を補正する斜行補正方法として、予め登録されたシート形状情報と斜行検知センサ情報とに基いて斜行量を算出し、シートの斜行を補正する方法が提案されている(特許文献3参照)。具体的には、例えば幅方向に配された2つの斜行検知センサの情報と、予め登録されたシート形状情報(タブ部の寸法)とに基いて斜行量を算出し、シートの斜行を補正する。
【0007】
また、他の斜行補正方法として、シートの斜行を検知するため幅方向に設けられたラインセンサによりシートの先端部の形状を検出し、タブシートと判断した場合には、画像処理によりタブシートの斜行量を算出し、タブシートに対応した斜行補正を行うものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−277151号公報
【特許文献2】特開2008−001515号公報
【特許文献3】特開2003−146485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、このような従来の斜行補正部を備えたシート搬送装置において、例えばシート形状情報に応じてシートの斜行を補正する場合、予め入力されたシート形状情報と、実際に搬送したタブシートの形状寸法との差分がある場合には、斜行が発生してしまう。また、ラインセンサにてシート形状を検出する方法では、特に矩形シートやタブシートが混在している場合、斜行検出精度を向上させようとすると、あるいは装置全体を高速化させようとすると、斜行量算出のための画像処理が非常に大掛かりになってしまう。
【0010】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、タブシート等の非矩形シートの斜行補正を高精度に行うことのできるシート搬送装置、画像形成装置及び画像読取装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、シート搬送方向と直交する幅方向に配置され、シートの先端を検知する複数の先端検知部と、シートのシート搬送方向と平行な側端の幅方向の位置を検知する側端位置検知部と、搬送されるシートの斜行を補正する斜行補正部と、前記先端検知部の検知のタイミングの差によりシート先端の斜行量を算出し、前記側端位置検知部が検知するシートの側端位置の差によりシート側端の斜行量を算出し、算出したシート側端斜行量とシート先端斜行量に基づいてシートの斜行を補正するように斜行補正部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、シートの斜行を補正する前にシートが矩形シートか非矩形シートかの判断を行い、シートが矩形シートと判断した場合には前記シート側端斜行量及び前記シート先端斜行量の一方に基づいて前記斜行補正部を制御し、シートが非矩形シートと判断した場合には前記シート側端斜行量に基づいて前記斜行補正部を制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のように、シートの斜行を補正する前にシートが矩形シートか非矩形シートかを判断し、シートが非矩形シートと判断した場合にはシート側端斜行量に基づいて斜行補正部を制御することにより、非矩形シートの斜行補正を高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるプリンタの概略構成図。
【図2】上記プリンタのシート搬送装置に設けられた斜行及びレジ補正部の構成を説明する図。
【図3】上記プリンタの制御ブロック図。
【図4】上記斜行補正部の斜行補正及びレジ補正制御動作を説明するフローチャート。
【図5】上記斜行補正部の斜行補正及びレジ補正制御動作を説明する第1の図。
【図6】上記斜行補正部における斜行調整量算出のためのパラメータ説明図。
【図7】上記斜行補正部の斜行補正及びレジ補正制御動作を説明する第2の図。
【図8】上記斜行補正部の斜行補正及びレジ補正制御動作を説明する第3の図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置のシート搬送装置に設けられた斜行及びレジ補正部の構成を説明する図。
【図10】上記画像形成装置の制御ブロック図。
【図11】上記斜行補正部の斜行補正及びレジ補正制御動作を説明するフローチャート。
【図12】上記斜行補正部の斜行補正及びレジ補正制御動作を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるプリンタの概略構成図である。
【0015】
図1において、1000はプリンタであり、このプリンタ1000は、プリンタ本体1001と、プリンタ本体1001の上面に配されたスキャナ2000とを備えている。
【0016】
ここで、原稿を読み取るスキャナ2000は、走査光学系光源201、プラテンガラス202、開閉する原稿圧板203を備えている。また、レンズ204、受光素子(光電変換素子)205、画像処理部206、画像処理部206にて処理された画像処理信号を記憶しておくためのメモリ部208等を備えた画像読取部2001を備えている。
【0017】
そして、原稿を読み取る際には、プラテンガラス202の上に載置された不図示の原稿に走査光学系光源201によって光を照射することにより読み取るようにしている。そして、読み取った原稿像は画像処理部206により処理された後、電気的に符号化された電気信号207に変換されて作像手段たるレーザスキャナ111に伝送される。なお、画像処理部206にて処理され、符号化された画像情報を一旦メモリ部208に記憶させ、コントローラ120からの信号によって、必要に応じてレーザスキャナ111に伝送することもできる。
【0018】
プリンタ本体1001は、シート給送装置1002と、シート給送装置1002により給送されたシートSを画像形成部1003に搬送するシート搬送装置1004と、プリンタ1000を制御するための制御手段たるコントローラ120等を備えている。またプリンタ本体1001の一方の側部にはプリンタ本体1001から排出されたシートSの処理を行うシート処理装置500が設けられている。
【0019】
ここで、シート給送装置1002は、2つ(複数)の給紙カセット100と、ピックアップローラ101と、フィードローラ102及びリタードローラ103とから成る分離部を備えている。そして、給紙カセット100内のシートSは所定のタイミングで昇降/回転するピックアップローラ101と、分離部との作用によって1枚ずつ分離給送されるようになっている。
【0020】
シート搬送装置1004は、縦パスローラ対105(105a,105b)と、アシストローラ対10(10a,10b)と、後述する斜行補正部1A及びレジ補正部1Bを有する斜行及びレジ補正部1とを備えている。そして、シート給送装置1002から給送されたシートSは縦パスローラ対105により、上部が湾曲したガイド板106,107によって構成されるシート搬送通路108を通過した後、斜行及びレジ補正部1に導かれる。この後、この斜行及びレジ補正部1において、後述するように斜行及びシート搬送方向と直交する幅方向のずれが補正された後にシートSは画像形成部1003に搬送される。
【0021】
画像形成部1003は、電子写真方式のものであり、像担持体である感光体ドラム112、画像書き込み手段であるレーザスキャナ111、現像器114、転写帯電器115、分離帯電器116等を備えている。そして、画像形成の際には、まずレーザスキャナ111からのレーザ光がミラー113によって折り返されて時計方向に回転する感光体ドラム上の露光位置112aに照射されることにより、感光体ドラム上に潜像が形成される。さらにこのようにして感光体ドラム上に形成された潜像は、この後、現像器114によってトナー像として顕像化されるようになっている。
【0022】
なお、図1において、131はレジ補正部1Bの下流に設けられたレジセンサであり、このレジセンサ131により、レジ補正部1Bを通過したシートSを検知する。なお、レジセンサ131がレジ補正部1Bを通過したシートSを検知すると、この検知信号に基づき、コントローラ120は後述するように例えばT秒後にシート先端信号(画先信号)をレーザスキャナ111へ送る。これにより、レーザスキャナ111によるレーザ光の照射が開始される。
【0023】
次に、このようにして顕像化された感光体ドラム上のトナー像は、この後、転写部112bにおいて、転写帯電器115によりシートSに転写される。なお、感光体ドラム112のレーザ光照射位置112aから転写部112bまでの距離はl0となっている。
【0024】
さらに、このようにトナー像が転写されたシートSは、分離帯電器116により感光体ドラム112から静電分離された後、搬送ベルト117により定着装置118に搬送されて定着装置118において転写画像が永久定着される。この後、画像が定着されたシートSは、搬送ローラ119,121及び排紙ローラ122により、不図示のシート積載トレイへ排出、積載される。なお、シート両面に画像を形成する場合には、片面に画像が形成されたシートを反転パス123及び両面パス126を経て、再度、画像形成部1003に搬送し、画像形成されていないシートSの裏面に画像を形成する。
【0025】
次に、斜行及びレジ補正部1について説明する。斜行及びレジ補正部1は、図2に示すようにレジ前ローラ対10と、シートの斜行を補正する斜行補正部1Aと、シートの幅方向のずれを補正するレジ補正部1Bを備えている。ここで、レジ前ローラ対10はレジ前駆動ローラ10aと、不図示の加圧バネによりレジ前駆動ローラ10aに圧接するレジ前従動ローラ10bとにより構成されている。なお、レジ前駆動ローラ10aはレジ前モータ11によりシート搬送方向に駆動される。また、レジ前従動ローラ10bは、レジ前解除モータ14によりレジ前駆動ローラ10aとの圧接が解除される。このレジ前解除モータ14の位相、言い換えればレジ前ローラ対10の接離はレジ前解除HPセンサ15により検知される。
【0026】
斜行補正部1Aは、幅方向に所定間隔を設けて配設された2つの斜行補正ローラ対21,22を備えている。斜行補正ローラ対21,22は、それぞれ周面に切り欠き部を有する駆動回転体である駆動ローラ21a,22aと、不図示の加圧バネにより駆動ローラ21a,22aに圧接する従動回転体である従動ローラ21b,22bにより構成されている。なお、駆動ローラ21a,22aはシート搬送方向と直交する幅方向に所定間隔をあけて配設されると共に、それぞれが独立して駆動されるように斜行補正モータ23,24が連結されている。なお、図2において、25、26は駆動ローラ21a,22aのHP(ホームポジション)を検知する斜行補正HPセンサである。
【0027】
また、斜行補正ローラ対21,22のシート搬送方向上流には、シートの先端を検出してシート先端の斜行を検知する先端検知部である起動センサ27a,27bが幅方向に所定間隔を設けて配置されている。そして、起動センサ27a,27bがシート先端を検知するタイミングに応じて斜行量を算出すると共に斜行補正モータ23,24の駆動を開始することにより、シートの斜行を補正することができる。
【0028】
斜行補正ローラ対21,22のシート搬送方向上流には、搬送するシートのシート搬送方向と平行なシート側端の位置を連続的に検知して、シート側端の幅方向の位置ずれ量を検知する側端位置検知部である第1横レジ検知センサ35aが設けられている。なお、本実施の形態においては、第1横レジ検知センサ35aはラインセンサにより構成され、後述するように、第1横レジ検知センサ35aにより、シート側端の幅方向の位置である横レジ位置の変化を検知してシートの搬送方向の斜行量を算出する。
【0029】
また、斜行補正ローラ対21,22のシート搬送方向下流には斜行補正ローラ対21,22により斜行が完全に補正されたかを検知する斜行検知センサ28a,28bが幅方向に所定間隔を設けて配置されている。そして、この斜行検知センサ28a,28bにより、シート先端の斜行が検知された場合には、斜行補正ローラ対21,22により、再度、斜行補正を行う。また、斜行補正ローラ対21,22のシート搬送方向下流には横レジ位置を検知してシートの搬送方向の斜行量を算出する側端位置検知部であるラインセンサにより構成される第2横レジ検知センサ35bが設けられている。
【0030】
なお、起動センサ27a,27b及び斜行検知センサ28a,28bを結ぶ中心線は搬送方向下流側に設けられている感光体ドラム112の軸線と平行となるように、配置されている。ここで、本実施の形態においては、シートの斜行は、シート先端の先行側を減速する先行側減速制御により補正する。また、本実施の形態においては、起動センサ27及び斜行検知センサ28は、それぞれ2個ずつ(複数)設けられているが、後述するシートのタブ部を確実に検知することができるよう、必要に応じて数を増やしても良い。
【0031】
レジ補正部1Bは、周面に切り欠き部を有する駆動回転体であるレジ駆動ローラ30aと、レジ駆動ローラ30aに対し不図示の加圧バネにより圧接する従動回転体であるレジ従動ローラ30bとにより構成されている2対のレジローラ対30を備えている。そして、このレジ駆動ローラ30aは、レジモータ31に連結されている。また、レジ駆動ローラ30は軸方向にスライド可能に設けられており、レジシフトモータ33により幅方向にスライド移動される。
【0032】
そして、第2横レジ検知センサ35bにより検知された横レジ位置(側端位置)に応じてレジシフトモータ33が駆動されてレジローラ対30が軸方向にスライドし、これによりシートの側端位置が補正される。すなわち、本実施の形態において、第2横レジ検知センサ35bにより検知された側端位置に応じて側端補正部であるレジローラ対30はシートを搬送しながらシートを幅方向に移動させ、シートの側端位置を補正する。
【0033】
さらに、レジローラ対30の下流には、シートの先端を検知するためのレジセンサ131a,131bが所定間隔をあけて配置されている。なお、32はレジ駆動ローラ30aのHP(ホームポジション)を検知するレジHPセンサ、34はレジローラ対30の幅方向のHP(ホームポジション)を検知するレジシフトHPセンサである。
【0034】
図3は、本プリンタ1000の制御ブロック図であり、コントローラ120(図1参照)に設けられたCPU120Aには、既述した斜行補正HPセンサ25,26、既述した起動センサ27a,27bからの検知信号が入力される。また、この制御部であるCPU120Aには、斜行検知センサ28a,28b、レジHPセンサ32、レジシフトHPセンサ34、横レジ検知センサ35a,35b、レジセンサ131a,131b、レジ前解除HPセンサ15からの検知信号が入力される。
【0035】
一方、CPU120Aには、レジ前モータ11、レジ前解除モータ14、斜行補正モータ23,24、レジモータ31、レジシフトモータ33、レーザスキャナ111、操作部130が接続されている。そして、CPU120Aは各センサからの検知信号及び操作部130からのコピー或いはプリント開始信号に基づいて各モータを駆動するようにしている。
【0036】
ここで、CPU120Aは、シート先端の斜行量を検知してシートの斜行を補正するように斜行補正部1Aの駆動を制御し、シート側端の位置ずれ量を検知して斜行補正されたシートの幅方向の位置ずれを補正するようにレジ補正部1Bを制御する。また、CPU120Aは、後述するように起動センサ27a,27bにより検知したシート先端の斜行量と、第1横レジ検知センサ35aが検知したシート側端の斜行量を比較し、2つの斜行量が異なる場合、シートはタブ部を有するシートと判断する。例えば、タブ部を有するシート(以下、タブシートという)が斜行した場合、タブ部の無い側の起動センサがシート先端を検出する時刻と、タブ部が有る側の起動センサがシート先端を検出する時刻は、タブ部がある分だけ、通常のシートの場合に較べて速くなる。
【0037】
そこで、本実施の形態においては、後述する図8の(b)に示されるように、斜行したシートがタブシートと判断した場合、後述する図6に示すようにタブ部がある分だけ第1横レジ検知センサ35aが検知した側端斜行量をΔe1だけ補正する。そして、この補正した側端斜行量を基準に、斜行補正モータ23,24を起動して斜行補正動作を開始する。つまり、斜行したシートがタブシートと判断した場合には、第1横レジ検知センサ35aの検知タイミングに基づいて斜行補正動作を開始する。なお、本実施の形態においては、第1横レジ検知センサ35aの検知タイミングに基づいて第1の斜行補正動作を行った後、第2横レジ検知センサ35bの検知タイミングに基づいて第2の斜行補正動作を行うことにより、高精度の斜行補正を行うようにしている。
【0038】
次に、このようなCPU120A(コントローラ120)による斜行補正及びレジ補正制御動作について図4を用いて説明する。なお、本実施の形態においては、矩形シートである非タブシートに非矩形シートであるタブシートが混じって搬送される。
【0039】
操作部130からコピー或いはプリント信号入力されると、給紙カセット100が選択され、選択された給紙カセット100から非タブシート又はタブシートが給送され、搬送ローラ対105によりレジ前ローラ対10を通過して斜行及びレジ補正部1に達する。次に、図5の(a)に示すように斜行及びレジ補正部1に搬送されたシートSの側端を第1横レジ検知センサ35aが検知する。この後、起動センサ27a,27bがシートSを検出(ON)すると(S10のY)、次に起動センサ27a,27b及び第1横レジ検知センサ35aによりシートの斜行の有無を検知する。
【0040】
ここで、図5の(b)に示すようにシートSが斜行していると、図6に示す起動センサ27a,27bがシートを検知するタイミングの差によりシート先端の斜行量である先端斜行量Δs1が算出される。また、第1横レジ検知センサ35aによる時刻t1とt2のシート側端検知位置の差、すなわちシートの側端位置のずれ量の差によりシート側端の斜行量である側端斜行量Δe1が算出される。つまり、起動センサ27a,27bがシートSを検出(ON)すると、起動センサ27a,27b及び第1横レジ検知センサ35aにより斜行量を算出する(S11)。
【0041】
次に、先端斜行量Δs1と側端斜行量Δe1とを比較してシートがタブシート(タブ紙)かを判断する(S12)。ここで、非タブシートの場合、先端斜行量Δs1と側端斜行量Δe1は同じであるので、先端斜行量Δs1と側端斜行量Δe1とが同じであれば、シートSは非タブシートと判断し(S12のN)、非タブ紙モードのシートの斜行補正を行う。すなわち、シートがタブシートでない場合は、この後、斜行補正モータ23,24をそれぞれ起動し(S13)、斜行補正動作を開始する。また、このときシートのサイズ(紙サイズ)に応じてレジ前解除モータ14を駆動し(S14)、レジ前ローラ10のニップを解除すると共に、搬送ローラ対105のニップを解除する。
【0042】
このような斜行補正ローラ起動制御の後、起動センサ27a,27bの検知タイミングを基準として求めた斜行量Δs1に応じて斜行補正モータ23,24の、斜行補正を行うための各モータ制御量(補正時間T1及び減速速度ΔV1)を演算する(S15)。そして、演算された制御量に基づき斜行補正モータ23,24を駆動し、既述した先行側減速制御を行う(S16)。これにより、ローラニップ部が解除されていた斜行補正ローラ対21,22が回転し、第1斜行補正を行う。このとき、斜行補正ローラ対21,22の駆動ローラ21a、22aのローラ位相が同位相となっている。このため、斜行補正ローラ対21,22の回転ムラの差分をなくすと同時に斜行補正を行うことができる。
【0043】
次に、このような第1斜行補正制御処理の後、斜行検知センサ28a,28bがONするのを待つ(S17)。そして、斜行検知センサ28a,28bがONすると(S17のY)、それぞれの検知タイミングを基準としてシート先端の斜行量を算出して先端斜行量ΔS2を算出する(S18)。この後、算出された斜行量に基づいて各モータ制御量を演算し、演算された制御量に基づき斜行補正モータ23,24を駆動して、既述した先行側減速制御を行う(S19)。これにより、斜行補正ローラ対21,22が回転し、シートSの斜行が完全に補正される。
【0044】
次に、このような第2斜行補正制御処理の後、斜行補正ローラ対21,22により斜行状態が補正されたシートSはレジローラ対30に搬送される。この後、斜行検知センサ28a,28bの遅れ側の検知時刻を基準にレジモータ31が起動される(S30)。そして、このようなレジローラ起動制御により、図7の(a)に示すように、ローラニップ部が解除されていたレジローラ対30が回転し、シートSが搬送される。この後、レジローラ対30によりシートSが挟持されると、斜行補正HPセンサ基準で、斜行補正ローラ対21,22のローラニップ部が解除された状態で、斜行補正モータ23,23をそれぞれ停止させる(S31)。
【0045】
次に、このような斜行補正ローラHP停止制御の後、レジセンサ131a,131bがシートを検知してONするのを待つ(S32)。そして、シートSの先端がレジセンサ131a,131bに検知されると(S32のY)、レジセンサ131a,131bの遅れ側の検知時刻を基準に第2横レジセンサ35bによりシートSの側端位置が検知される(S33)。次に、このような先レジ横レジ検知処理の後、レジセンサ131a,131bの遅れ側の検知タイミングと、感光体ドラム上にレーザ光が照射されたタイミング(ITOP)との時間差Δt3を基にレジモータ31の速度演算を行う(S34)。
【0046】
即ち、感光体ドラム112のレーザ光照射位置112aから転写部112bまでの距離l0を搬送される画像先端と、レジセンサ131から転写部112bまでの距離l1を搬送されるシート先端とを同期させる、レジモータ31の減速速度と変速時間とを算出する。また、第2横レジセンサ35bの検知信号を基に、感光体ドラム112上の画像横レジ位置と、シートSの横レジ位置とを同期させるため、レジシフトモータ33の移動量の演算を行う(S35)。即ち、レジシフトモータ33のシフト方向の速度と変速時間とを算出する。
【0047】
次に、このようにして求めたレジモータ31の減速速度と変速時間に基づきレジモータ31の変速制御及びレジシフトモータ33の制御を行う(S36)。そして、このようなレジモータ31及びレジシフトモータ33の制御により、レジローラ対30がシフトし、感光体ドラム112上の画像位置とシートSとの先端位置及び横レジ位置を一致させることができる。
【0048】
次に、このような先レジ横レジ補正制御処理の後、シートSのシフト動作が終了すると、レジローラ対30により搬送されたシートSは感光体ドラム112に転写吸着される。この後、レジHPセンサ26を基準に、レジローラ対31のローラニップ部が解除された状態で、レジモータ31が停止する(S37)。これと同時に、レジシフトモータ33が起動され(S38)、レジローラ対30がS26とは逆方向にシフト移動し、この後、レジシフトHPセンサ34により検知されると、レジシフトモータ33が停止する。
【0049】
一方、シートがタブシートの場合、図8の(a)に示すように第1横レジ検知センサ35aにより、シート側端が検知され、この後、図8の(b)に示すように、起動センサ27a,27bによりシート先端が検出される。そして、起動センサ27a,27b及び第1横レジ検知センサ35aからの信号により先端斜行量Δs1と側端斜行量Δe1を算出する。
【0050】
ここで、シートがタブシートの場合、図6に示す先端斜行量Δs1と側端斜行量Δe1とは同じではないので、先端斜行量Δs1と側端斜行量Δe1とが異なる場合には、シートSはタブシートと判断し(S12のN)、タブ紙モードのシートの斜行補正を行う。すなわち、シートがタブシートの場合は、この後、斜行補正モータ23,24をそれぞれ起動し(S23)、斜行補正動作を開始する。また、このときシートのサイズ(紙サイズ)に応じてレジ前解除モータ14を駆動し(S24)、レジ前ローラ10のニップを解除すると共に、搬送ローラ対105のニップを解除する。
【0051】
次に、このような斜行補正ローラ起動制御の後、横レジ検知センサ35aからの信号により算出した側端斜行量Δe1に応じて斜行補正モータ23,24の斜行補正を行うための各モータ制御量(補正時間T1及び減速速度ΔV1)を演算する(S25)。ここで、例えば図8に示すように起動センサ27a側が先行している場合には、斜行補正ローラ対21(斜行補正モータ23)を減速して斜行補正を行う。なお、本実施の形態においては、制御パラメータである補正時間T1及び減速速度ΔV1を側端斜行量Δe1より、下記の数式を満足するように算出する。
【0052】
【数1】
【0053】
この後、演算された制御量に基づき斜行補正モータ23,24を駆動し、既述した先行側減速制御を行う(S26)。すなわち、斜行補正モータ23は第1回目の斜行補正区間(T1)において、シート搬送速度をV0からΔV1 に減速し、斜行補正区間終了時にシート搬送速度をV0まで加速する。これにより、ローラニップ部が解除されていた斜行補正ローラ対21,22が回転し、第1斜行補正を行う。なお、このときタブシートSのタブ部Stがある側の斜行補正ローラ対21(斜行補正モータ23)は、起動センサ27aの検出時刻t2’(t2を基準に側端斜行量Δe1分補正した時刻)を基準に起動される。また、第1斜行補正が終了すると、斜行補正ローラ対21,22の駆動ローラ21a,22aのローラ位相は同位相となる。
【0054】
次に、このような第1斜行補正制御処理の後、図8の(c)に示すように斜行検知センサ28a,28bがONするのを待つ(S27)。そして、斜行検知センサ28a,28bがONすると(S27のY)、この後、図8の(d)に示すように第2横レジ検知センサ35bによる時刻t3とt4の検知位置から側端斜行量Δe2が算出される。
【0055】
つまり、斜行検知センサ28a,28bがシートSを検出(ON)すると、第2横レジ検知センサ35bにより側端斜行量を算出する(S28)。この後、算出された側端斜行量に基づいて各モータ制御量を演算し、演算された制御量に基づき斜行補正モータ23,24を駆動して、既述した先行側減速制御を行う(S29)。これにより、斜行補正ローラ対21,22が回転し、このような第2斜行補正によりシートSの斜行が完全に補正される。
【0056】
そして、この後、既述したS30〜S38の処理を行う。更に、この後、搬送されるシートに対して既述したS10〜S19、S23〜S38を繰り返すことで、シートSの斜行補正と、ドラム112上の画像とシートSとの位置補正を高精度に連続して行うことが可能となる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態では、シートの斜行を補正する前にシートがタブシートかを判断し、シートがタブシートと判断した場合にはシート側端斜行量に基づいて斜行補正部1Aを制御するようにしている。これにより、ユーザーによる形状情報精度による影響を受けることなく、高精度に斜行補正を行うことができる。また、非タブシートやタブシートが混在しても、同一制御で高精度に斜行補正を行うことができ、高速化、生産性向上が可能となる。
【0058】
なお、本実施の形態では、タブ紙モードの場合には横レジ検知センサ35a,35bによる側端斜行量にて斜行補正を制御し、非タブ紙モードの場合には起動センサ27a,27b、斜行検知センサ28a,28bによる先端斜行量にて斜行補正を制御した。しかし、タブ紙モード、非タブ紙モードともに横レジ検知センサ35a,35bによる側端斜行量に基づいて斜行補正部1Aを制御するようにしても良い。
【0059】
ところで、これまでの説明においては、斜行補正を行う前にシートがタブシートか否かを判断するようにした場合について説明したが、本発明は、これに限らない。例えば、シートがタブシート又は非タブシートかの情報を予め入力するようにしても良い。
【0060】
図9は、このようなシートがタブシート又は非タブシートかの情報を予め入力するようにした本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置のシート搬送装置に設けられた斜行及びレジ補正部の構成を説明する図である。なお、図9において、既述した図2と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0061】
本実施の形態においては、図9に示すように、斜行補正ローラ対21,22のシート搬送方向上流には横レジ検知センサは設けず、シート搬送方向下流に横レジ検知センサ35を設けている。つまり、本実施の形態においては、1つの横レジ検知センサ35だけを用いている。
【0062】
また、本実施の形態においては、図10に示すようにシート個々のメディア情報としてさまざまな情報が登録されている外部記憶装置200がCPU120Aに接続されている。ここで、この外部記憶装置200は、シートがタブシート又は非タブシートかの情報を予め入力する入力部である。そして、CPU120Aは外部記憶装置200に登録されているメディアA,B,C・・の情報のうち「タブ紙」又は「非タブ紙」であるかの情報を用いて補正動作を行うようにしている。
【0063】
次に、本実施の形態に係るCPU120A(コントローラ120)による斜行補正及びレジ補正制御動作について図11を用いて説明する。操作部130からコピー或いはプリント信号入力されると、まず給紙カセット100が選択され、選択された給紙カセット100からシートが給送され、搬送ローラ対105によりレジ前ローラ対10を通過して斜行及びレジ補正部1に達する。
【0064】
次に、斜行及びレジ補正部1に搬送されたシートSの先端を起動センサ27a,27bが検出(ON)すると(S10のY)、外部記憶装置200に予め登録されているシートSのメディア情報を読み込みに行く。そして、読み取ったメディア情報をメモリ3001にインプットし(S11A)、インプットされたメディア情報からシートがタブシートか、非タブシートかを判断する(S12A)。次に、インプットされた情報に基づき、非タブシートと判断した場合には(S12AのN)、非タブ紙モードで、既述した図4に示すS13〜S19及びS30〜S38による斜行補正処理を行う。
【0065】
タブ紙モードと判断した場合には(S12AのY)、起動センサ27a,27bの遅れ側の検知時刻を基準に、斜行補正モータ23,24を同時起動する(S23A)。これにより、ローラニップ部が解除されていた斜行補正ローラ対21,22が同時に回転し、シートSが搬送される。また、このときシートのサイズ(紙サイズ)に応じてレジ前解除モータ14を駆動し(S24)、レジ前ローラ10のニップを解除すると共に、搬送ローラ対105のニップを解除する。
【0066】
次に、図12の(a)に示すようにシート側端が横レジ検知センサ35に検出される。この後、図12の(b)に示すようにシート先端を斜行検知センサ28a,28bが検出(ON)すると(S27のY)、斜行検知センサ28a,28bがシート先端を検知するタイミングの差により先端斜行量Δs2を算出する。また、横レジ検知センサ35による時刻t3とt4のシート側端検知位置の差から側端斜行量Δe2を算出する(S28A)。
【0067】
この後、先端斜行量Δs2と側端斜行量Δe2とを比較する。ここで、図12の(c)に示すように、斜行検知センサ28a,28bがタブ部Stを検知すると、先端斜行量Δs2と側端斜行量Δe2が異なるようになる。言い換えれば、タブ部Stが斜行検知センサ28a,28bにより検知される位置にある場合には、先端斜行量Δs2と側端斜行量Δe2が異なるようになる。そして、先端斜行量Δs2と側端斜行量Δe2が異なる場合は、算出された側端斜行量Δe2に基づいて各モータ制御量を演算し、演算された制御量に基づき斜行補正モータ23,24を駆動して、既述した先行側減速制御を行う(S29)。
【0068】
一方、図12の(d)に示すように、タブ部Stが斜行検知センサ28a,28bにより検知される位置にない場合には、斜行検知センサ28a,28bがシートSのタブ部以外の先端を検知するので、先端斜行量Δs2と側端斜行量Δe2が同じになる。そして、このように先端斜行量Δs2と側端斜行量Δe2が同じ場合は、算出された先端斜行量Δs2に基づいて各モータ制御量を演算し、演算された制御量に基づき斜行補正モータ23,24を駆動して、既述した先行側減速制御を行う(S29)。
【0069】
これにより、斜行補正ローラ対21,22が回転し、シートSの斜行が完全に補正される。そして、この後、既述したS30〜S38の処理を行う。更に、この後、搬送されるシートに対して既述したS10〜S19、S23A〜S38を繰り返すことで、シートSの斜行補正と、ドラム112上の画像とシートSとの位置補正を高精度に連続して行うことが可能となる。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態では、シートSのタブ部Stが斜行検知センサ28a,28bの位置にある場合には、横レジ検知センサ35により算出した側端斜行量にて斜行補正制御するようにしている。また、シートSのタブ部Stが斜行検知センサ28a,28bの位置に無い場合には、斜行検知センサ28a,28bにより算出したシート先端斜行量にて斜行補正制御するようにしている。これにより、タブ部Stの位置にかかわらず、高精度に斜行補正を行うことができる。
【0071】
なお、斜行補正制御は、これまでの説明の構成に限られることはなく、シートが矩形シートの場合にはシート側端の斜行量及びシート先端の斜行量の一方に基づいて斜行補正部を制御しても良い。また、タブ紙モード時は全て横レジ検知センサ35により算出した側端斜行量による斜行補正制御でもかまわない。さらに、第2斜行補正時(S27〜S29)には、タブ紙モード、非タブ紙モードともに横レジ検知センサ35により算出した側端斜行量による斜行補正制御でもかまわない。
【0072】
また、これまでは画像形成装置の一例であるプリンタ1000に設けられたシート搬送装置1004に、本発明を用いた場合について述べてきたが、本発明はこれに限らない。例えば、画像読取部を備えた画像読取装置の一例であるスキャナ2000において、画像読取部にシート(原稿)を搬送するシート搬送装置として本発明のシート搬送装置を用いるようにしても良い。
【符号の説明】
【0073】
1…斜行及びレジ補正部、1A…斜行補正部、1B…レジ補正部、21,22…斜行補正ローラ対、23,24…斜行補正モータ、27a,27b…起動センサ、28a,28b…斜行検知センサ、30…レジローラ対、35a…第1横レジ検知センサ、35b…第2横レジ検知センサ、120A…CPU、200…外部記憶装置、1000…プリンタ、2000…スキャナ、1003…画像形成部、1004…シート搬送装置、Δs1,Δs2…先端斜行量、Δe1,Δe2…側端斜行量、S…シート、St…タブ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート搬送方向と直交する幅方向に配置され、シートの先端を検知する複数の先端検知部と、
シートのシート搬送方向と平行な側端の幅方向の位置を検知する側端位置検知部と、
搬送されるシートの斜行を補正する斜行補正部と、
前記先端検知部の検知のタイミングの差によりシート先端の斜行量を算出し、前記側端位置検知部が検知するシートの側端位置の差によりシート側端の斜行量を算出し、算出したシート側端斜行量とシート先端斜行量に基づいてシートの斜行を補正するように斜行補正部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、シートの斜行を補正する前にシートが矩形シートか非矩形シートかの判断を行い、シートが矩形シートと判断した場合には前記シート側端斜行量及び前記シート先端斜行量の一方に基づいて前記斜行補正部を制御し、シートが非矩形シートと判断した場合には前記シート側端斜行量に基づいて前記斜行補正部を制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記シート側端斜行量と前記シート先端斜行量とが同じ場合には、シートが矩形シートであると判断し、前記シート側端の斜行量と前記シート先端の斜行量とが異なっている場合には、シートが非矩形シートであると判断することを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
【請求項3】
シートの形状を入力する入力部を備え、
前記制御部は、前記入力部からの情報によりシートが矩形シートか非矩形シートかを判断することを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記矩形シートはシート先端にタブ部を有するタブシートであり、
前記制御部は、前記入力部からの情報によりシートがタブシートと判断した場合、前記シート側端斜行量と前記シート先端斜行量とが同じ場合でも前記シート側端斜行量に基づいて前記斜行補正部を制御することを特徴とする請求項3記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記側端位置検知部は、幅方向に配置されたラインセンサであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、
前記シート搬送装置により搬送されるシートに画像を形成するための画像形成部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、
前記シート搬送装置により搬送されてくるシートの画像を読み取るための画像読取部と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項1】
シート搬送方向と直交する幅方向に配置され、シートの先端を検知する複数の先端検知部と、
シートのシート搬送方向と平行な側端の幅方向の位置を検知する側端位置検知部と、
搬送されるシートの斜行を補正する斜行補正部と、
前記先端検知部の検知のタイミングの差によりシート先端の斜行量を算出し、前記側端位置検知部が検知するシートの側端位置の差によりシート側端の斜行量を算出し、算出したシート側端斜行量とシート先端斜行量に基づいてシートの斜行を補正するように斜行補正部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、シートの斜行を補正する前にシートが矩形シートか非矩形シートかの判断を行い、シートが矩形シートと判断した場合には前記シート側端斜行量及び前記シート先端斜行量の一方に基づいて前記斜行補正部を制御し、シートが非矩形シートと判断した場合には前記シート側端斜行量に基づいて前記斜行補正部を制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記シート側端斜行量と前記シート先端斜行量とが同じ場合には、シートが矩形シートであると判断し、前記シート側端の斜行量と前記シート先端の斜行量とが異なっている場合には、シートが非矩形シートであると判断することを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
【請求項3】
シートの形状を入力する入力部を備え、
前記制御部は、前記入力部からの情報によりシートが矩形シートか非矩形シートかを判断することを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記矩形シートはシート先端にタブ部を有するタブシートであり、
前記制御部は、前記入力部からの情報によりシートがタブシートと判断した場合、前記シート側端斜行量と前記シート先端斜行量とが同じ場合でも前記シート側端斜行量に基づいて前記斜行補正部を制御することを特徴とする請求項3記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記側端位置検知部は、幅方向に配置されたラインセンサであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、
前記シート搬送装置により搬送されるシートに画像を形成するための画像形成部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、
前記シート搬送装置により搬送されてくるシートの画像を読み取るための画像読取部と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−30928(P2012−30928A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171704(P2010−171704)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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