説明

シート状二次電池の製造方法及びこれを用いたシート状二次電池

【課題】製造工程におけるラミネート外装体の歪みの発生を抑制して成形品質の向上に寄与する。
【解決手段】電極積層体1を、樹脂層及び金属層を有するラミネートフィルムで形成されたラミネート外装体2の内部に収容したシート状二次電池10の製造方法において、電極積層体1を収容するための積層体収容部2sをラミネート外装体2の内側に形成する外装体形成工程と、電極積層体1をラミネート外装体2の積層体収容部2sに収容して、電界液5を注入する電界液注入工程と、電界液5が注入されたラミネート外装体2の周辺をヒートシールして封止する封止工程とを備え、外装体形成工程では、少なくとも積層体収容部2sを形成する際の歪みを吸収する凹凸状の歪み吸収部20を積層体収容部2sに対応するラミネート外装体2の表面2suに形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状二次電池の製造方法及びシート状二次電池に係り、特に限定されるものではないが、例えば、電気自動車、UPS(無停電電源装置)、ロードレベリング等の用途に好適に用いられる大容量のシート状二次電池の製造方法及びこれを用いたシート状二次電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子機器に対する小型・軽量化への要望は非常に強く、そのためには動力源である二次電池の性能向上が要求され、種々の電池の開発や改良が進められてきている。例えば、リチウムイオン二次電池は、現有する電池の中で最も高電圧、高エネルギー密度、耐高負荷化が実現できる二次電池であり、現在でもその改良が盛んに進められている。
【0003】
このリチウムイオン二次電池は、一般的には、シート状の正極集電体とその表面に塗布された正極活物質とで構成されたシート状の正電極と、シート状の負極集電体とその表面に塗布された負極活物質とで構成されたシート状の負電極とをセパレータを介して積層することにより形成されたシート状の内部電極対と、この内部電極対を密封状態に被覆すると共に内部に電解液を収容する電池ケースと、この電池ケース内の内部電極対の各正電極及び各負電極から電池ケースに設けられた正極端子及び負極端子にそれぞれ接続される正電極リード及び負電極リードとで構成されており、充電時にはリチウムが正電極の正極活物質から電解液中にリチウムイオンとして抜け出し、負電極の負極活物質中に入り込み、放電時にはこの負極活物質中に入り込んだリチウムイオンが電解液中に放出され、再び正電極の正極活物質中に戻ることにより、充放電を行っている。かかるリチウムイオン二次電池については、その高エネルギー密度を達成できるということから、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等の分野で用いられる大容量二次電池として期待されており、既に多くの開発や提案が行われている。
【0004】
例えば、このようなリチウムイオン二次電池として、ラミネートフィルムを用いた外装体の中に内部電極対と電解液とを封入したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ここで、特許文献1には、一辺が開放されたラミネート外装体の内部に内部電極対を挿入し、内部を一旦は減圧雰囲気として薄型化した後、大気圧雰囲気中又は加圧雰囲気中において開放辺を封止することにより製造されるリチウムイオン二次電池が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−285879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年は、二次電池セル単体に対するさらなる小型化、大容量化といった要請が高まってきており、電極積層体としての内部電極対のさらなる多積層化(電極の積層枚数の増大)が求められている。
【0008】
このような要請に対して、上述の特許文献に開示された先行技術のように、ラミネート外装体を用いたリチウムイオン二次電池では、多積層化された内部電極対をコンパクトに収容するために、デッドスペースを低減した収容部をラミネート外装体の内部に成型する必要があり、かかるラミネート外装体の成型工程の際に、外装体の表面に加工変形(歪み)が生じ易いといった問題が生じていた。
【0009】
また、外装体内部に水分が侵入すると、電界液と反応して強酸(HF(フッ酸))を生成し、電池性能を劣化させるため、ラミネート外装体の水分を除去する加熱乾燥工程が必要であり、かかる加熱乾燥工程の際に外装体の表面にしわ状の熱変形(歪み)が発生するといった問題も生じていた。
【0010】
そして、このような外装体の変形(歪み)は、製品外観を損なうのみならず、シート状二次電池セル単体での厚さのバラツキや、かかるセル単体を多数組み合わせて組電池を形成した場合の積層品質のバラツキの要因となるといった問題が生じていた。
【0011】
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、製造工程におけるラミネート外装体の歪みの発生を抑制して成形品質の向上に寄与することができるシート状二次電池の製造方法及びこれを用いたシート状二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のシート状二次電池の製造方法は、正電極及び負電極をセパレータを介して交互に積層した電極積層体を、樹脂層及び金属層を有するラミネートフィルムで形成されたラミネート外装体の内部に収容したシート状二次電池の製造方法において、前記電極積層体を収容するための積層体収容部を前記ラミネート外装体の内側に形成する外装体形成工程と、前記電極積層体を前記ラミネート外装体の積層体収容部に収容して、電界液を注入する電界液注入工程と、電界液が注入されたラミネート外装体の周辺をヒートシールして封止する封止工程とを備え、前記外装体形成工程では、少なくとも前記積層体収容部を形成する際の歪みを吸収する凹凸状の歪み吸収部を前記積層体収容部に対応するラミネート外装体の表面に形成することを特徴とするものである。
【0013】
このように構成した場合には、積層構造のラミネート外装体にカップ状の積層体収容部を形成する際に発生する歪みを、ラミネート外装体の表面に予め張力を付与することで抑制し、成形品質の向上に寄与することができる。
【0014】
請求項2に記載のシート状二次電池の製造方法は、請求項1に記載の構成において、前記外装体形成工程の後であって、前記電界液注入工程の前に、ラミネート外装体の水分を除去するための加熱乾燥工程をさらに備え、前記歪み吸収部は、ラミネート外装体を加熱乾燥処理した際に発生する熱歪みを吸収することを特徴とするものである。
【0015】
このように構成した場合には、さらに積層構造のラミネート外装体を加熱乾燥処理した際に発生する外装体の歪みを吸収して、成形品質の一層の向上に寄与することができる。
【0016】
請求項3に記載のシート状二次電池の製造方法は、請求項1又は2に記載の構成において、前記積層体収容部は平面視略正方形状であって、前記歪み吸収部は、積層体収容部に対応するラミネート外装体の中心点を含んだ対角線上に点状、線状に配置形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
このように構成した場合には、外装体形成工程及び加熱乾燥工程において発生する歪みを簡易な構成で抑制することができる。
【0018】
請求項4に記載のシート状二次電池の製造方法は、請求項3に記載の構成において、前記歪み吸収部は、前記積層体収容部に対応するラミネート外装体の周辺と中心点との中間点よりも中心点寄りの領域に形成されていることを特徴とするものである。
【0019】
このように構成した場合には、発生頻度の高い中心領域の変形(歪み)をより効果的に抑制することができる。
【0020】
請求項5に記載のシート状二次電池の製造方法は、請求項1又は2に記載の構成において、前記積層体収容部は平面視略長方形状であって、前記歪み吸収部は、積層体収容部に対応するラミネート外装体の周辺と中心点との中間点よりも内側に配置形成された中心領域歪み吸収部と、外側に配置形成された周辺領域歪み吸収部とから構成されており、前記中心領域歪み吸収部は、中心点を含んだ対角線上に点状、線状に配置形成されている一方、前記周辺領域歪み吸収部は、周辺の四隅から略45度の直線上に点状、線状に配置形成されていることを特徴とするものである。
【0021】
このように構成した場合には、加熱乾燥の際に、中心点近傍に発生する頻度が高い熱歪みを中心領域歪み吸収部により効果的に抑制すると共に、カップ状の積層体収容部を形成する際に、四隅に発生する頻度が高い加工歪みを周辺領域歪み吸収部により効果的に抑制することができる。
【0022】
請求項6に記載のシート状二次電池の製造方法は、請求項5に記載の構成において、前記中心領域歪み吸収部は、ラミネート外装体表面に対して窪んだ凹部として形成されていることを特徴とするものである。
【0023】
このように構成した場合には、加熱乾燥の際に、中心点近傍に集積されて盛り上がるように発生し易い最大熱歪みを、逆方向に形成された凹部により効果的に抑制することができる。
【0024】
請求項7に記載のシート状二次電池の製造方法は、請求項5又は6に記載の構成において、前記周辺領域歪み吸収部は、積層体収容部に対応するラミネート外装体の四隅近傍の表面から突出した凸部として形成されていることを特徴とするものである。
【0025】
このように構成した場合には、積層体収容部を形成する際の応力集中により発生し易い四隅の窪み状の最大加工歪みを、逆方向に形成された凸部により効果的に抑制することができる。
【0026】
請求項8に記載のシート状二次電池の製造方法は、請求項5ないし7のいずれかに記載の構成において、前記積層体収容部は、長辺と短辺との比が、1.7〜3に形成されていることを特徴とするものである。
【0027】
このように構成した場合には、長辺と短辺との比が所定の範囲の長方形の積層体収容部を形成する際の、発生頻度が高い加工歪み及び熱歪みを効果的に抑制することができる。
【0028】
請求項9に記載のシート状二次電池の製造方法は、請求項1ないし8のいずれかに記載の構成において、前記封止工程は、前記ラミネート外装体内を大気圧以下に減圧する減圧工程を有し、前記凹凸状の歪み吸収部は、前記封止工程の際に消失するようにその大きさが設定されていることを特徴とするものである。
【0029】
このように構成した場合には、歪み吸収部によるラミネート外装体の変形を、特別な工程を別途設けることなく消失させることができ、シート状二次電池を完成した段階での成形品質の向上及び生産性の向上を実現することができる。
【0030】
請求項10に記載のシート状二次電池は、請求項1ないし9のいずれかの製造方法を用いて製造したシート状二次電池であって、電極積層体を挟んで対向するラミネート外装体の一方に、前記積層体収容部を形成したことを特徴とするものである。
【0031】
請求項11に記載のシート状二次電池は、請求項1ないし9のいずれかの製造方法を用いて製造したシート状二次電池であって、電極積層体を挟んで対向するラミネート外装体の双方に、前記積層体収容部を形成したことを特徴とするものである。
【0032】
請求項12に記載のシート状二次電池は、請求項10又は11に記載の構成において、前記電極積層体からラミネート外装体を気密に貫通する電極リードを備え、該電極リードは、その厚さが、1.0〜5.0mmの板状の端子であることを特徴とするものである。
【0033】
このように構成した場合には、大電流を企図した電極リードが厚い(電極積層体の積層枚数が多い)シート状二次電池を、成形品質を損なうことなく好適に実現することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、製造工程におけるラミネート外装体の歪みの発生を効果的に抑制して成形品質の向上に寄与するシート状二次電池の製造方法及びこれを用いたシート状二次電池を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係るシート状二次電池を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1のシート状二次電池の左側面図である。
【図3】図1のシート状二次電池のA−A線断面図であり、図2における円A’で囲まれた部分の拡大図である。
【図4】図1における内部電極対を説明するための模式的拡大図である。
【図5】本発明に係る歪み吸収部の第1の実施形態の構成を説明するため模式図である。
【図6】第1の実施形態に係る歪み吸収部の変形例を示す模式図である。
【図7】発生頻度の高い領域に第1の実施形態に係る歪み吸収部を形成した構成を示す模式図である。
【図8】本発明に係る歪み吸収部の第2の実施形態の構成を説明するため模式図である。
【図9】第2の実施形態に係る歪み吸収部の変形例を示す模式図である。
【図10】本発明に係るシート状二次電池の製造工程を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜図4を参照して説明する。ここで、図1は、本発明に係るシート状二次電池の一例を模式的に示す斜視図であり、図2は図1における左側面図である。また、図3は、図1のA−A断面図であり、図2における円A’で囲まれた部分を拡大して示した図であり、図4は、内部電極対の構成を説明するための模式図である。
【0037】
図1〜図3において、10はシート状リチウムイオン二次電池(シート状二次電池)であり、可撓性のラミネート外装体2により内部電極対1及び電解液5が内部に密封状態に収容されている。具体的には、図3に最も良く示されるように、複数のシート状の正電極1aと複数のシート状の負電極1bとを、セパレータ1cを介して交互に積層して形成した内部電極対1が、電界液5と共にラミネート外装体2の内部に密封状態に収容されており、さらに、当該内部電極対1における正電極1aと電気的に連結した導電性のシート状の正電極リード3a(正電極端子)が、ラミネート外装体2のヒートシール部4を気密に貫通すると共にこのヒートシール部4に固着され、ヒートシール部4を貫通してラミネート外装体2の外部に突出し、引き出された部分が外部端子として用いられている。また、図示を省略しているが、負電極1bにも導電性の負電極リード3b(負電極端子)が電気的に連結されており、当該負電極リード3bは、図1に示されるようにラミネート外装体2を挟んで、正電極リード3aとは反対側の端部(本例では、図中、下端部)から、正電極リード3aと同様にヒートシール部4を貫通して気密状態で外部に引き出されている。
【0038】
本実施の形態において、内部電極対1は、図4に示すように、アルミニウム製の正極集電体11の両面に正極活物質12を塗布して形成されたシート状の正電極1aと、銅製の負極集電体13の両面に負極活物質14を塗布して形成されたシート状の負電極1bとを、セパレータ1cを介して交互に積層してシート状に形成されており、アルミニウム製の正極集電体11及び銅製の負極集電体13は、共にその厚さが5〜30μm程度の極薄の金属箔として形成されている。
【0039】
本実施の形態において、正極活物質としては、コバルト酸リチウム複合酸化物(LCO)、マンガン酸リチウム複合酸化物(LMO)、ニッケル酸リチウム複合酸化物(LNO)等のリチウム複合酸化物を用いることができる。また、LNMCOといった3元素材料やLMNO,LMCO,LNCOといった2元素材料を用いてもよい。さらにこれらの主材料を混合したものでもよい。
【0040】
一方、負極活物質としては、グラファイトやハードカーボン等の炭素材料を用いることができる。またこれらの主材料を混合したものでもよい。
【0041】
セパレータ1cは、多孔質膜、不織布、網など、電子絶縁性で正電極1a及び負電極1bとの密着に対して充分な強度を有するものであれば、どのようなものでも使用可能である。材質は特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等の単層多孔質膜及びこれらの多層化した多孔質膜が接着性及び安全性の観点から好ましい。
【0042】
また、イオン伝導体として用いる電解液5に供する溶剤及び電解質塩としては、従来の電池に使用されている非水系の溶剤及びリチウムを含有する電解質塩が使用可能である。具体的には、溶剤として、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸メチルエチルなどのエステル系溶剤、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテルなどのエーテル系溶剤の単独液、及び前述の同一系統の溶剤同士あるいは異種系統の溶剤からなる2種の混合液が使用可能である。また電解質塩として、LiPF6、LiAsF6、LiClO4、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiN(C25SO22などが使用可能である。
【0043】
さらに、本実施の形態において、正電極リード3aは正極集電体11と同じアルミニウム製であり、負電極リード3bは負極集電体13と同じ銅製又はニッケル製である。ただし、その材質としては特に限定されるものではなく、電気化学的に安定な金属材料を用いることが望ましい。また、各シート状電極1a,1bと、対応する各電極リード3a,3bとは、接続抵抗の低減等の観点から超音波溶接により接続されており、各電極リード3a,3bの厚さとしては、大容量化及び耐(突入)高電流を企図して、例えば1.0〜5.0mmの板状の端子を用いることが好ましい。
【0044】
本発明において、内部電極対1と電解液5とを内部に密封状態に収容する可撓性のラミネート外装体2については、シート状二次電池10の電池ケースとして使用可能な強度を有するとともに収容される電解液5に対して優れた耐電解液性を有するものであれば特に制限されるものではなく、具体的には、内面側に例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アイオノマー等の耐電解液性及びヒートシール性に優れた熱可塑性樹脂製の内面層を、中間に例えばアルミ箔、ステンレス箔等の可撓性及び強度に優れた金属箔製の中間層を、また、外面側に例えばポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の電気絶縁性に優れた絶縁樹脂製の外面層を有する三層構造のラミネートフィルムを用いて形成することができる。
【0045】
本実施の形態に係る上記ラミネート外装体2は、内面側にポリエチレン製の内面層2aを、中間にアルミ箔製の中間層2bを、また、外面側にナイロン製の外面層2cを有する三層構造のラミネートフィルムで形成されている。そして、積層体である内部電極対1の収容領域に対応するラミネート外装体2には、平面視略方形状(シート状電極1a,1bと平行な断面が略方形状)の積層体収容部2sが、厚さ方向に盛り上がるように形成されている。
【0046】
次に、上述のように構成したシート状二次電池の製造方法について、図面を参照してさらに説明する。
【0047】
[積層体形成工程]:図4に示したように、アルミニウム製の正極集電体11の両面に正極活物質12を塗布して形成されたシート状の正電極1aと、銅製の負極集電体13の両面に負極活物質14を塗布して形成されたシート状の負電極1bとを、セパレータ1cを介して交互に積層して電極積層体としての内部電極対1を形成する。
【0048】
[外装体形成工程]:次に、プレス加工にてラミネート外装体2の内側に、電極積層体1を収容する断面略方形のカップ状の積層体収容部2sを形成する。
【0049】
なお、本実施の形態では、図1〜図3に示したように、対向する一対のラミネート外装体2の一方に積層体収容部2sを形成しているが、収容する内部電極対1の厚さや形状等に応じて、例えば、対向する一対のラミネート外装体2の双方に同様な(対称な)形状の積層体収容部2sを形成してもよいし、互いに異なる形状の積層体収容部2sを形成してもよい。
【0050】
[三方封止体形成工程]:対向配置した一対のラミネート外装体2の積層体収容部2s内に電極積層体1を収容し、かつ、両電極リード3a,3bをラミネート外装体2の相対する二辺から外に引き出した状態で、略方形の積層体収容部2sの周囲(ヒートシール部4)の四辺のうち、三辺を加熱圧着してラミネートフィルムの内面樹脂層2aを貼り合わせ(熱融着させ)、一辺が未封止の開口部を有する三方封止体を形成する。
【0051】
[加熱乾燥工程]:三方封止体を形成した後、電解液注入前に、電極積層体1及びラミネート外装体2の水分を除去するために、上記電極積層体1が組み込まれた三方封止体を、真空乾燥機にて所定の条件(例えば、20torr、80℃、8時間)で加熱乾燥する。なお、減圧雰囲気中で加熱乾燥を行うのは、水分の除去と同時に銅箔等の電極材などを酸化させないためである。
【0052】
また、本実施の形態では、電極積層体1をラミネート外装体2の積層体収容部2sに収容して三方封止体を形成した状態で電極積層体1とラミネート外装体2とを一体に加熱乾燥したが、電極積層体1とラミネート外装体2とを個別に加熱乾燥した後に、乾燥雰囲気中で電極積層体1をラミネート外装体2の積層体収容部2sに組み込んで三方封止体を形成してもよい。
【0053】
[電解液注入工程]:加熱乾燥された三方封止体の開口部から所定量の電解液を注入し、当該電界液を浸透(含侵)させるために、電池セルを所定の時間(例えば、約15〜30分程度)放置(エージング)する。その後、電解液中に残留している気泡を除去するために真空チャンバーにて所定の時間(例えば、約5分程度)脱泡処理する。
【0054】
[真空封止工程]:開口部の一辺を真空シーラーにて減圧雰囲気中(例えば、仮封止で約9〜10torr、本シールで約2〜4torr)で熱圧着(ヒートシール)して密封状態に封止し、本発明のシート状二次電池セルを得る。
【0055】
なお、ラミネート外装体2をヒートシールする際には、積層体収容部2sに対応するラミネート外装体2の周辺部を加圧下で局所的に加熱するため、以下のようなラミネート外装体2の表面にしわ状に形成される熱歪みの発生は特に問題とならない。
【0056】
ところで、小型化や大容量化といった要請に基づき、上述したような積層体収容部2sを形成する際には、略直方体状の電極積層体1をコンパクトに収容するために、シート状のラミネート外装体2をプレス加工して電極積層体1と略同等な大きさの積層体収容部2sを形成することが好ましいが、この際、積層体収容部2sの方形状の最表面2suの角部(四隅)に、互いに直交する方向の応力が集中し、かかる応力により変形(加工歪み)が生じ易いことが本発明者らの研究により判明した。
【0057】
また、電池性能を劣化させる水分を除去するために、ラミネート外装体2に加熱乾燥処理を施した際には、ラミネート外装体2の表面樹脂層に変形(熱歪み)が生じ易いことが本発明者らの研究により判明した。
【0058】
そこで、本実施の形態では、次のような歪み吸収部20をラミネート外装体2に形成することにより、外装体形成工程及び加熱乾燥工程における歪みの発生を抑制している。以下に、本発明に係る種々の歪み吸収部の構成を実施の形態としてさらに説明する。
<第1の実施形態>
【0059】
上述したような、物性値が異なる機能層を積層したラミネート外装体2を用いて、断面略正方形状の積層体収容部2sを形成した場合には、かかるラミネート外装体2を成型する外装体形成工程や水分除去のための加熱乾燥工程の際に発生する歪みによる変形は、積層体収容部2sの最表面2suの概ね対角線上に沿って発生することが本発明者らの研究によって判明した。
【0060】
そこで、本実施の形態に係る歪み吸収部20は、図5に模式的に示すように、積層体収容部2sに対応するラミネート外装体2の正方形状の最表面2suの対角線上に点状、線状等の凹凸部を配置形成したものである。このような歪み吸収部20を対角線上に配置形成することにより、歪みを緩和するための張力をラミネート外装体2の表面に予め付与することができ、ラミネート外装体2の表面が弛んで歪みが発生することを効果的に抑制することができる。
【0061】
なお、図5では、対角線上にX状に形成した線状の歪み吸収部20を例示しているが、本実施の形態に係る歪み吸収部20は、このような形状に限定されるものではなく、例えば、図6(a)に例示するように、対角線に沿って断続的な線状の凹凸部として形成してもよいし、図6(b)に例示するように、断続的な点状(円状)の凹凸部として形成してもよいし、図6(c)に例示するように、これら直線状、点状の凹凸部を適宜組み合わせて形成してもよい。
【0062】
ただし、中心点2s0近傍では、歪みが集積されて変形量が大きくなるので、中心点2s0を含んで歪み吸収部20を配置形成することが好ましい。
【0063】
さらに、ラミネート外装体2の中心点2s0近傍の領域では、発生した歪みが周辺部から中心部に向かって盛り上がるように成長し、中心部近傍では、その表面から凸状に突出する最大歪みが高い頻度で発生することが観察された。そこで、このような発生頻度が高い領域における歪みをより効果的に緩和吸収するという観点からは、図7に模式的に示すように、積層体収容部2sに対応するラミネート外装体2の略正方形状の最表面2suの中心点2s0から周辺までの中間点を結んだ境界線L0を境に、この境界線L0の内側領域(中心点2s0側の領域)に、上記歪み吸収部20を形成することが好ましい。これにより、歪みが発生する頻度が高い領域のラミネート外装体2の表面に予め張力を付与して、かかる表面領域が弛んで歪みが中心部に向かって集積成長することを抑制することができる。
【0064】
さらに、中心部に発生する頻度が高い凸状の最大歪みを、より積極的に緩和吸収するという観点からは、上記内側領域に形成した歪み吸収部20の形状を、ラミネート外装体2の表面から内側に窪んだ凹部として形成することが好ましい。すなわち、凸状に突出する歪みと反対方向の凹状の変形を予め形成することにより、凸状の最大歪みとして発生し易い中心領域(中心点2s0近傍の領域)の歪みをより効果的に抑制することができる。
【0065】
また、上記歪み吸収部20は、点状、線状、曲線状の凹凸部を適宜組み合わせても差し支えないが、ラミネート外装体2の表面に均等に張力を付与して歪みを均等に緩和するという観点からは、歪み吸収部20は、中心点2s0に対して対称な位置に同様な形状の凹凸部を配置形成することが好ましい。
【0066】
なお、上述したような凹凸状の歪み吸収部20は、例えば、外装体形成工程の際のプレス加工により容易に成型することができる。具体的には、積層体収容部2sをプレス加工する際の金型に、上述した点状、線状等の凹凸部を設けておくことにより、所望の形状の歪み吸収部20を容易に形成することができる。
【0067】
以上において、上記凹凸状の歪み吸収部20はいずれも、前述した真空封止工程の際(減圧雰囲気中でヒートシールした後に大気圧に戻した際)に消滅するような大きさ(深さ)に形成されていることが好ましい。すなわち、本実施の形態に係る各歪み吸収部20は、特別な工程を別途設けることなく、真空封止工程を経てシート状二次電池10を完成した段階では、いずれも消失するようにその大きさが設定されていることが好ましい。
<第2の実施形態>
【0068】
次に、歪み吸収部20の第2の実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。
【0069】
ここで、本実施の形態に係る歪み吸収部20は、積層体収容部2sに対応するラミネート外装体2の中心領域Raと周辺領域Rbとで異なる歪み吸収部20a,20bを形成配置したものであり、先の実施の形態と同様な機能を有する部材には、同様な符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0070】
上述したラミネート外装体2を用いて、断面略長方形状の積層体収容部2sを形成した場合に、ラミネート外装体2に積層体収容部2sを形成する際と、ラミネート外装体2を加熱乾燥処理する際とで、発生する歪みの状況を観察したところ、加熱乾燥処理の際の熱歪みは、主に、中心点2s0近傍に突出するしわとして発生し易いのに対し、積層体収容部2sを形成する際の加工歪みは、主に、積層体収容部2sの角部周辺に窪みとして発生し易いことが判明した。特に、積層体収容部2sの長辺と短辺との比が大きくなるほど、熱歪みと加工歪みとの発生箇所の相違が顕著となることが本発明者らのさらなる研究により判明した。
【0071】
具体的には、ラミネート外装体2を成型加工する際には、金型の精度のばらつき等により、積層体収容部2sの角部に対応する領域に凹状の窪みが発生し易く、かかる凹状の窪みは、積層体収容部2sに対応するラミネート外装体2の形状が略正方形であれば、熱歪みと同様に、ほぼ対角線上に形成されるが、長辺と短辺との長さの比が大きく(具体的には、長辺と短辺との長さの比が1.7倍以上、言い換えれば、長辺と対角線とのなす角度が略30°以下)なるほど、対角線上からずれて角部から略45度の領域(角部の各辺から等距離の領域)近傍に発生し易いことが判明した。これは、プレス加工の際に角部に応力が集中すると共に、略同等な大きさで互いに直交する方向の応力が角部に付与され、この応力が角部から略45度の方向に合成されて凹状の加工歪みが発生するためと考えられる。なお、シート状電極1a,1b(すなわち、積層体収容部2s)の長辺と短辺との比を過度に大きく設定すると、撓みによる変形が電極自体に生じ易くなるため、現実的には、長辺と短辺との長さの比は、3倍以下であることが好ましい。
【0072】
そこで、本実施の形態に係る歪み吸収部20は、図8に模式的に示すように、積層体収容部2sに対応するラミネート外装体2の長方形状の最表面の中心点2s0から周辺までの中間点を結んだ略矩形状の境界線L0を境に、この境界線L0の内側領域Raに形成された中心領域歪み吸収部20aと、境界線L0の外側領域Rbに形成された周辺領域歪み吸収部20bとから構成されている。
【0073】
ここで、中心領域歪み吸収部20aは、主に、ラミネート外装体2を加熱乾燥処理する際の熱歪みを吸収するものであり、周辺領域歪み吸収部20bは、主に、ラミネート外装体2を成型加工(プレス加工)する際の加工歪みを吸収するものである。
【0074】
図8に例示するように、本実施の形態において、中心領域歪み吸収部20aは、先の実施の形態と同様に、中心点2s0を含んで対角線上に配置形成されているのに対し、周辺領域歪み吸収部20bは、積層体収容部2sの最表面2suの四隅(角部)から略45度の直線上(角部の各辺から等距離の領域)に配置されている。
【0075】
このように、内側領域Raに凹凸状の中心領域歪み吸収部20aを設けると共に、外側領域Rbに凹凸状の周辺領域歪み吸収部20bを設けることにより、加熱乾燥処理の際に、発生頻度の高い中心点2s0近傍の熱歪みをより効果的に抑制すると共に、加工成型の際に、互いに直交する方向の応力が集中する角部における加工歪みをより効果的に抑制することができる。
【0076】
なお、本実施の形態に係る中心領域歪み吸収部20aは、先の実施の形態と同様に、中心点2s0近傍の表面から突出する頻度の高い、凸状の最大熱歪みをより積極的に緩和吸収するという観点から、ラミネート外装体2の表面から内側に窪んだ凹部として形成されているのに対し、周辺領域歪み吸収部20bは、角部近傍に凹状の窪みとして発生する頻度の高い最大加工歪みをより積極的に緩和吸収するという観点から、ラミネート外装体2の角部近傍から突出する凸部として形成されている。すなわち、所定の領域に発生する頻度の高い凸状の最大熱歪み及び凹状の最大加工歪みに対して、それぞれ反対方向の凹凸部を所定の領域に予め形成することにより、外装体形成工程及び加熱乾燥工程の際に発生し易い最大歪みをより効果的に抑制可能としている。
【0077】
また、本実施の形態に係る中心領域歪み吸収部20a及び周辺領域歪み吸収部20bの形状は、先の実施の形態と同様に、歪みが発生し易い領域に対応して配置された点状(円状)、線状(あるいは、対角線に沿った曲線状)又はこれらを組み合わせた凹凸部として形成することができ、例えば、図9に模式的に示すように、角部近傍に発生する円状の窪み(加工歪み)をより広い領域で緩和吸収するために、周辺領域歪み吸収部20bを断面略円形状の凸部として形成してもよい。
【0078】
さらに、各歪み吸収部20a,20bは、先の実施の形態と同様にプレス加工により形成することが可能であり、また、各歪み吸収部20a,20bの大きさは、先の実施の形態と同様に、真空封止工程にて消滅するような大きさ(深さ)となるように設定されていることが好ましい。
【0079】
このようにラミネート外装体2の表面の所定の領域Ra,Rbに機能が異なる歪み吸収部20a,20bを設けることにより、先の実施の形態に比し、歪み吸収部20a,20bの成型は複雑となるものの、内部電極対1の大きさや形状の変化に応じて、より適切な熱歪み、加工歪みの抑制が可能となる。
【0080】
また、中心領域歪み吸収部20aを凹形状に形成すると共に、周辺領域歪み吸収部20bを凸形状に形成することにより、中心領域Raに発生する頻度が高い最大歪み及び周辺領域Rbに発生する頻度が高い最大歪みをより効果的に緩和吸収することが可能となる。
【0081】
以上において、ラミネート外装体2の歪みの発生が問題となる、前述した外装体形成工程と加熱乾燥工程とは、順序を変更する(例えば、加熱乾燥工程を外装体形成工程の前に行う)ことも可能であるが、歪みの発生を抑制する歪み吸収部20,20a,20bは、少なくとも外装体形成工程及び加熱乾燥工程と同時若しくは以前に形成することが必要となる。従って、加熱乾燥工程を外装体形成工程の前に行う場合には、歪み吸収部20,20a,20bをプレス加工にて形成する工程(以下、歪み吸収部形成工程とも称する)を外装体形成工程とは別途独立して設ける必要が生じる。
【0082】
そこで、歪み吸収部20,20a,20bの簡易な成型を可能とすると共に工程数の削減(工程の共通化)による生産性の向上を図るといった観点からは、図10に集約して示すように、積層体収容部2sを形成する外装体形成工程の際に、かかる外装体形成工程の一部として歪み吸収部形成工程を同時実施することが好ましい。すなわち、歪み吸収部形成工程を別途設けることを省略するために、加熱乾燥工程は、外装体形成工程の後であって電界液注入工程の前に行うと共に、外装体形成工程のプレス加工の際に、歪み吸収部20,20a,20bを同時形成することが好ましい。
【0083】
また、工程の順序変更(例えば、加熱乾燥工程を外装体形成工程の前に行う場合等)に応じて、当然に、上記歪み吸収部形成工程を外装体形成工程とは別途独立して設けても勿論よいし、かかる歪み吸収部形成工程を一連の製造工程中で複数回行ってもよい。
【0084】
なお、本発明の技術的範囲は詳述した各実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨に逸脱しない範囲において多様な変更もしくは改良を加え得るものである。例えば、各実施の形態で例示した歪み吸収部の具体的な形状、配置等はそれぞれ単独で実施してもよいし、当然に、適宜組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0085】
1:内部電極対、1a:正電極、1b:負電極、1c:セパレータ、2:ラミネート外装体、2a:内面層、2b:中間層、2c:外面層、2s:積層体収容部、2s0:中心点、2su:最表面、3a:正電極リード、3b:負電極リード、4:ヒートシール部、5:電解液、10:シート状二次電池、11:正極集電体、12:正極活物質、13:負極集電体、14:負極活物質、20:歪み吸収部、20a:中心領域歪み吸収部、20b:周辺領域歪み吸収部、L0:境界線、Ra:中心領域、Rb:周辺領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正電極及び負電極をセパレータを介して交互に積層した電極積層体を、樹脂層及び金属層を有するラミネートフィルムで形成されたラミネート外装体の内部に収容したシート状二次電池の製造方法において、
前記電極積層体を収容するための積層体収容部を前記ラミネート外装体の内側に形成する外装体形成工程と、
前記電極積層体を前記ラミネート外装体の積層体収容部に収容して、電界液を注入する電界液注入工程と、
電界液が注入されたラミネート外装体の周辺をヒートシールして封止する封止工程と
を備え、
前記外装体形成工程では、少なくとも前記積層体収容部を形成する際の歪みを吸収する凹凸状の歪み吸収部を前記積層体収容部に対応するラミネート外装体の表面に形成することを特徴とするシート状二次電池の製造方法。
【請求項2】
前記外装体形成工程の後であって、前記電界液注入工程の前に、ラミネート外装体の水分を除去するための加熱乾燥工程をさらに備え、前記歪み吸収部は、ラミネート外装体を加熱乾燥処理した際に発生する熱歪みを吸収することを特徴とする請求項1に記載のシート状二次電池の製造方法。
【請求項3】
前記積層体収容部は平面視略正方形状であって、前記歪み吸収部は、積層体収容部に対応するラミネート外装体の中心点を含んだ対角線上に点状、線状に配置形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート状二次電池の製造方法。
【請求項4】
前記歪み吸収部は、前記積層体収容部に対応するラミネート外装体の周辺と中心点との中間点よりも中心点寄りの領域に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシート状二次電池の製造方法。
【請求項5】
前記積層体収容部は平面視略長方形状であって、前記歪み吸収部は、積層体収容部に対応するラミネート外装体の周辺と中心点との中間点よりも内側に配置形成された中心領域歪み吸収部と、外側に配置形成された周辺領域歪み吸収部とから構成されており、前記中心領域歪み吸収部は、中心点を含んだ対角線上に点状、線状に配置形成されている一方、前記周辺領域歪み吸収部は、周辺の四隅から略45度の直線上に点状、線状に配置形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート状二次電池の製造方法。
【請求項6】
前記中心領域歪み吸収部は、ラミネート外装体表面に対して窪んだ凹部として形成されていることを特徴とする請求項5に記載のシート状二次電池の製造方法。
【請求項7】
前記周辺領域歪み吸収部は、積層体収容部に対応するラミネート外装体の四隅近傍の表面から突出した凸部として形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のシート状二次電池の製造方法。
【請求項8】
前記積層体収容部は、長辺と短辺との比が、1.7〜3に形成されていることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のシート状二次電池の製造方法。
【請求項9】
前記封止工程は、前記ラミネート外装体内を大気圧以下に減圧する減圧工程を有し、前記凹凸状の歪み吸収部は、前記封止工程の際に消失するようにその大きさが設定されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のシート状二次電池の製造方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかの製造方法を用いて製造したシート状二次電池であって、電極積層体を挟んで対向するラミネート外装体の一方に、前記積層体収容部を形成したことを特徴とするシート状二次電池。
【請求項11】
請求項1ないし9のいずれかの製造方法を用いて製造したシート状二次電池であって、電極積層体を挟んで対向するラミネート外装体の双方に、前記積層体収容部を形成したことを特徴とするシート状二次電池。
【請求項12】
前記電極積層体からラミネート外装体を気密に貫通する電極リードを備え、該電極リードは、その厚さが、1.0〜5.0mmの板状の端子であることを特徴とする請求項10又は11に記載のシート状二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−232076(P2010−232076A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79819(P2009−79819)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(397009152)エナックス株式会社 (23)
【Fターム(参考)】