説明

シート製造装置および製造方法

【課題】良質の接着シートが剥離シートに適切に仮着された原反を確実に製造可能なシート製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】シート製造装置1は、第1原反R1を繰り出す第1繰出手段10と、第1原反R1を所定形状に切断して接着シートS1および剥離シート切断部分RL1Aを形成する切断手段20と、第2剥離シートRL2から不要シートS2と剥離シート周囲部分RL1Bを剥離して第2原反R2を形成する第1剥離手段30と、第2原反R2の接着シートS1から剥離シート切断部分RL1Aを剥離する第2剥離手段40と、第3剥離シートRL3を繰り出す第2繰出手段60と、第3剥離シートRL3を接着剤層ADを介して接着シートS1に仮着して第3原反R3を形成する転写ローラ70と、第3原反R3から第2剥離シートRL2を剥離して第4原反R4を形成する第1回収手段80とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定形状の接着シートが接着剤層を介して剥離シートに仮着された原反を製造するシート製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帯状の接着シートが剥離シートに仮着された原反に対して、切断刃で切り込みを形成することで、所定形状の接着シートを製造するシート製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の構成では、ラベル原料を台紙とラベル材料とに分離して、台紙を迂回させるとともに、ラベル材料をバキューム手段により吸引しつつ感圧性接着剤層側からラベル切断手段で型抜きすることで、ラベル片およびかす取り部を形成する。そして、迂回させた台紙にラベル片およびかす取り部を再仮着した後、かす取り部のみをかす取り用案内ローラで剥離することで、ラベル片のみが台紙に残った感圧性接着ラベルを製造している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−254282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のようにダイカットロールの外周に剥離性材料層を設けていても、稀にラベル片が剥離性材料層に接着してしまい、部分的にラベル片が欠損した感圧性接着ラベルが製造されたり、剥離性材料層に接着したラベル片が、別のラベル片上に重ね貼りされた感圧性接着ラベルが製造されたりするという問題がある。このような問題は、経時によって剥離性材料層が劣化すると顕著に現れる。
【0006】
本発明の目的は、良質の接着シートが剥離シートに適切に仮着された原反を確実に製造可能なシート製造装置および製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明のシート製造装置は、帯状の基材シートの一方の面に接着剤層を有する帯状接着シートの当該接着剤層側に帯状の第1剥離シートが仮着されるとともに、前記基材シートの他方の面に帯状の第2剥離シートが仮着された第1原反を繰り出す第1繰出手段と、繰り出された前記第1原反に、前記第1剥離シート側から前記帯状接着シートを貫通し、かつ前記第2剥離シートを貫通しない所定形状の切り込みを形成して、前記帯状接着シートから所定形状の接着シートを形成するとともに、前記第1剥離シートから前記接着シートと同じ形状の剥離シート切断部分を形成する切断手段と、前記剥離シート切断部分の周囲に形成された剥離シート周囲部分および前記接着シートの周囲に形成された不要シートを前記第2剥離シートから剥離して、前記第2剥離シートに前記接着シートおよび前記剥離シート切断部分が仮着された第2原反を形成する第1剥離手段と、前記第2原反の前記接着シートから前記剥離シート切断部分を剥離する第2剥離手段と、帯状の第3剥離シートを繰り出す第2繰出手段と、前記剥離シート切断部分が剥離された前記接着シートの接着剤層に前記第2繰出手段で繰り出された前記第3剥離シートを仮着して、第3原反を形成する転写手段とを備える、という構成を採用している。
【0008】
この際、本発明のシート製造装置では、前記第3原反から前記接着シートに仮着された前記第2剥離シートを剥離して、第4原反を形成する第3剥離手段を備える、ことが好ましい。
さらに、本発明のシート製造装置では、前記第2剥離手段は、前記第1剥離手段で剥離された前記不要シートの接着剤層から前記剥離シート周囲部分を剥離する周囲部分剥離手段と、前記剥離シート周囲部分が剥離された前記不要シートの接着剤層を前記第2原反の前記剥離シート切断部分に接着して、当該剥離シート切断部分を前記接着シートから剥離する接着剥離手段とを備える、ことが好ましい。
さらに、本発明のシート製造装置では、前記周囲部分剥離手段は、前記剥離シート周囲部分が剥離された前記不要シートを前記第2原反の前記剥離シート切断部分に近づく方向に折り返し、前記第2剥離手段は、折り返された不要シートを捻ることで当該不要シートの接着剤層を前記剥離シート切断部分に対向させて接着可能とする誘導手段を備える、ことが好ましい。
【0009】
一方、本発明のシート製造方法は、帯状の基材シートの一方の面に接着剤層を有する帯状接着シートの当該接着剤層側に帯状の第1剥離シートが仮着されるとともに、前記基材シートの他方の面に帯状の第2剥離シートが仮着された第1原反を繰り出す工程と、繰り出された前記第1原反に、前記第1剥離シート側から前記帯状接着シートを貫通し、かつ前記第2剥離シートを貫通しない所定形状の切り込みを形成して、前記帯状接着シートから所定形状の接着シートを形成するとともに、前記第1剥離シートから前記接着シートと同じ形状の剥離シート切断部分を形成する工程と、前記剥離シート切断部分の周囲に形成された剥離シート周囲部分および前記接着シートの周囲に形成された不要シートを前記第2剥離シートから剥離して、前記第2剥離シートに前記接着シートおよび前記剥離シート切断部分が仮着された第2原反を形成する工程と、前記第2原反の前記接着シートから前記剥離シート切断部分を剥離する工程と、帯状の第3剥離シートを繰り出す工程と、前記剥離シート切断部分が剥離された接着シートの接着剤層に、繰り出された前記第3剥離シートを仮着して、第3原反を形成する工程とを備える、という構成を採用している。
【発明の効果】
【0010】
以上のような本発明によれば、第1剥離シート越しに第2剥離シートを貫通しない切り込みを形成して接着シートを形成するので、接着シートが切断手段に接着してしまい、部分的に接着シートが欠損したり、接着シートが重ね貼りされたりした原反が製造されることを防止し、良質の接着シートが剥離シートに適切に仮着された原反を確実に製造することができる。
【0011】
また、第3原反から第2剥離シートを剥離した第4原反を形成するので、第4原反を使用するときに特に必要でない第2剥離シートを予め排除しておくことができ、使い勝手のよい第4原反を製造することができる。
さらに、不要シートに剥離シート切断部分を接着して剥離シート切断部分を接着シートから剥離するので、廃棄される不要物を有効利用できる上、剥離シート切断部分の剥離用に専用の機能を有する構成を別途準備する必要がない。
また、不要シートを折り返して捻ることで接着剤層を剥離シート切断部分に対向させれば、装置を複雑化する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るシート製造装置の側面図。
【図2】(A)は接着シートから剥離された剥離シート切断部分が不要シートに接着されているときの平面図、(B)は(A)の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
また、実施形態では、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」、「手前」、「奥」といった方位を示す用語は、図1を基準として用いる。
図1において、第1原反R1は、帯状の基材シートBSの一方の面に接着剤層ADを有する帯状接着シートSの接着剤層AD側に帯状の第1剥離シートRL1が仮着されるとともに、基材シートBSの他方の面に第2剥離シートRL2が公知の擬似接着により仮着されて構成されている。第1剥離シートRL1は、剥離基材RBの一方の面に接着剤層ADが剥がれやすい剥離処理層RTが形成されている。シート製造装置1は、帯状接着シートSを所定形状に切断して接着シートS1を形成し、この接着シートS1の接着剤層AD側に第3剥離シートRL3を仮着して第4原反R4を形成するものである。第3剥離シートRL3も、図示しない剥離基材の一方の面に剥離処理層が形成された構成を有している。
【0014】
シート製造装置1は、第1原反R1を繰り出す第1繰出手段10と、第1原反R1を所定形状に切断して接着シートS1および剥離シート切断部分RL1Aを形成する切断手段20と、第2剥離シートRL2から不要シートS2と剥離シート周囲部分RL1Bを剥離して第2原反R2を形成する第1剥離手段30と、第2原反R2の接着シートS1から剥離シート切断部分RL1Aを剥離する第2剥離手段40と、第3剥離シートRL3を繰り出す第2繰出手段60と、この繰り出された第3剥離シートRL3を接着剤層ADを介して接着シートS1に仮着して第3原反R3を形成する転写手段としての転写ローラ70と、第3原反R3から第2剥離シートRL2を剥離して巻き取ることで第4原反R4を形成する第3剥離手段としての第1回収手段80と、第4原反R4を巻き取る第2回収手段90とを備えている。
【0015】
第1繰出手段10は、駆動機器としての回動モータ11によって駆動し、第1原反R1を巻回して支持する支持ローラ12と、駆動機器としての回動モータ13によって駆動し、支持ローラ12から引き出された第1原反R1を左方向に案内する駆動ローラ14と、駆動ローラ14との間に第1原反R1を挟み込むピンチローラ15とを備え、第1原反R1を左方向に繰り出す。
【0016】
切断手段20は、駆動機器としての回動モータ21によって駆動する切断刃22を有するダイカットローラ23を備えている。切断刃22は、第1剥離シートRL1側から、第1剥離シートRL1および帯状接着シートSを貫通し、かつ、第2剥離シートRL2を貫通しない切り込みC(図2(A)参照)を形成可能に構成されている。これにより、帯状接着シートSにおける切り込みCの内側に接着シートS1が形成されるとともに、同切り込みCの外側に不要シートS2が形成される。また、第1剥離シートRL1における切り込みCの内側に、接着シートS1と同じ形状の剥離シート切断部分RL1Aが形成されるとともに、同切り込みCの外側に剥離シート周囲部分RL1Bが形成される。
【0017】
第1剥離手段30は、ダイカットローラ23に第1原反R1を挟んで対向配置され、駆動機器としての回動モータ31によって駆動するプラテンローラ32を備える。プラテンローラ32は、ダイカットローラ23と同期回転して、第2剥離シートRL2を折り返すようにして搬送することで、第2剥離シートRL2から不要シートS2および剥離シート周囲部分RL1Bを剥離する。これにより、帯状の第2剥離シートRL2に所定形状の接着シートS1および剥離シート切断部分RL1Aが所定間隔で仮着された第2原反R2が形成される。
【0018】
第2剥離手段40は、不要シートS2を剥離シート周囲部分RL1Bから剥離する周囲部分剥離手段としての剥離ローラ41と、剥離された不要シートS2を捻る誘導手段としての誘導ローラ42と、誘導ローラ42で捻られた不要シートS2の接着剤層ADを第2原反R2の剥離シート切断部分RL1Aに接着して当該剥離シート切断部分RL1Aを接着シートS1から剥離する接着剥離手段としての押圧ローラ44と、剥離シート切断部分RL1Aが接着された不要シートS2を回収する第3回収手段45と、剥離ローラ41で剥離された剥離シート周囲部分RL1Bを回収する第4回収手段50とを備えている。
【0019】
剥離ローラ41は、第1剥離手段30の左側かつ所定間隔離れた位置において、図1の紙面直交方向に(奥側から手前側に)延びる回転軸を中心に回転可能に設けられ、接着剤層ADが下側に位置するように搬送される不要シートS2を右側に折り返して、接着剤層ADが上側に位置するように誘導ローラ42へ案内する。
誘導ローラ42は、剥離ローラ41の右上側において、図1の右奥側から左手前側に延びる回転軸を中心に回転可能に設けられ、接着剤層ADが上側に位置するように案内された不要シートS2を捻ることで、接着剤層ADが下側に位置するように押圧ローラ44へ案内する。
【0020】
押圧ローラ44は、プラテンローラ32の回転軸と平行な回転軸を中心に回転可能に設けられ、接着剤層ADが下側に位置するように搬送される不要シートS2を左側に折り返す。この折り返しにより、不要シートS2の接着剤層ADを剥離シート切断部分RL1Aに接着し、剥離シート切断部分RL1Aを不要シートS2とともに左側に案内する。
【0021】
第3回収手段45は、駆動機器としての回動モータ46により駆動する駆動ローラ47と、この駆動ローラ47との間に不要シートS2と剥離シート切断部分RL1Aとを挟み込むピンチローラ47Aと、駆動機器としての回動モータ48により駆動し、不要シートS2と剥離シート切断部分RL1Aとを回収する回収ローラ49とを備えている。
第4回収手段50は、剥離ローラ41に対向配置され、駆動機器としての回動モータ51の駆動により、剥離ローラ41で剥離された剥離シート周囲部分RL1Bを左下方向に搬送する駆動ローラ52と、剥離シート周囲部分RL1Bを駆動機器としての回動モータ53の駆動により巻回して回収する回収ローラ54とを備えている。
【0022】
第2繰出手段60は、第1剥離手段30の左上に設けられ、第1剥離手段30により右方向に搬送される接着シートS1と平行に第3剥離シートRL3を繰り出す。この第2繰出手段60は、駆動機器としての回動モータ61によって駆動し、第3剥離シートRL3を巻回して支持する支持ローラ62と、ガイドローラ64とを備えている。
【0023】
転写ローラ70は、プラテンローラ32の上方に対向して設けられ、プラテンローラ32との間に第2繰出手段60により繰り出される第3剥離シートRL3と第2剥離シートRL2に仮着された接着シートS1を挟み込み、押圧することで、接着シートS1の接着剤層ADに第3剥離シートRL3を仮着して第3原反R3を形成する。
【0024】
第1回収手段80は、第3原反R3から第2剥離シートRL2を剥離して第4原反R4を形成する剥離ローラ81と、駆動機器としての回動モータ82により回転し第2剥離シートRL2を回収する回収ローラ83とを備えている。
第2回収手段90は、剥離ローラ81に対向配置されたガイドローラ92と、駆動機器としての回動モータ93により駆動し、第4原反R4を回収する回収ローラ94とを備えている。
【0025】
以上のシート製造装置1において、第4原反R4を製造する手順としは、まず、図1に示すように、第1原反R1を支持ローラ12にセットし、駆動ローラ14およびピンチローラ15間に挟持させる。次に、第2剥離シートRL2をプラテンローラ32の下方で帯状接着シートSから剥離し、プラテンローラ32に沿って右側に折り返し、剥離ローラ81に架け渡し、回収ローラ83にセットしておく。そして、帯状接着シートSを剥離ローラ41で第1剥離シートRL1から剥離して、誘導ローラ42、押圧ローラ44、ガイドローラ47に架け渡し、回収ローラ49にセットしておくとともに、第1剥離シートRL1を回収ローラ54にセットする。さらに第3剥離シートRL3を支持ローラ62と回収ローラ94との間に架け渡しておく。
この状態で回動モータ11,13を駆動して、支持ローラ12、駆動ローラ14を回転させて第1原反R1を繰り出し、回動モータ14,15に同期して回動モータ21,31,46,48,51,53,82の駆動により、ダイカットローラ23,プラテンローラ32,ガイドローラ47、回収ローラ49、駆動ローラ52、回収ローラ54,83を回転駆動させる。さらに、回動モータ61,93を駆動して、支持ローラ62,回収ローラ94を回転駆動させて、第3剥離シートRL3を支持ローラ62から回収ローラ94方向に繰り出す。
【0026】
繰り出された第1原反R1は、ダイカットローラ23とプラテンローラ32との間に挟み込まれ、切断刃22により、第1剥離シートRL1と帯状接着シートSに切り込みCが形成されて、接着シートS1と剥離シート切断部分RL1Aが形成される。
不要シートS2と剥離シート周囲部分RL1Bは、駆動ローラ52により左方向に搬送されることで第2剥離シートRL2から剥離され、接着シートS1と剥離シート切断部分RL1Aは、第2剥離シートRL2に仮着された状態で順次プラテンローラ32に沿って上方向に搬送されることで、第2原反R2が形成される。
【0027】
そして、不要シートS2は、剥離シート周囲部分RL1Bとともに、駆動ローラ52まで搬送され、剥離ローラ41により右方向に折り返されることで剥離シート周囲部分RL1Bから剥離され、引き続き誘導ローラ42へ案内され、誘導ローラ42に沿った捻れを生じながら、押圧ローラ44に案内される。不要シートS2は、押圧ローラ44で折り返されるため、その接着剤層ADがプラテンローラ32に向いた状態となり、プラテンローラ32により搬送される第2原反R2に接着可能となる。一方、剥離シート周囲部分RL1Bは、回収ローラ54に回収される。
【0028】
プラテンローラ32により搬送される第2原反R2は、押圧ローラ44により、不要シートS2が接着剤層ADを介して剥離シート切断部分RL1Aに接着される。そして、プラテンローラ32と押圧ローラ44の回転に伴い、不要シートS2に接着された剥離シート切断部分RL1Aが接着シートS1から剥離されて左方向に案内され、回収ローラ49に回収される。
このとき、切り込みCと同一形状の剥離シート切断部分RL1Aは、図2(A),(B)に示すように、不要シートS2の切り込みCに対して、不要シートS2の幅方向(図2(A)中上下方向)、および、長手方向(図2(A)中左右方向)にずれた位置に接着される。このような接着位置に設定することにより、剥離シート切断部分RL1Aを確実に回収できる。
【0029】
一方、剥離シート切断部分RL1Aが剥離された接着シートS1は、プラテンローラ32に沿って、右方向に折り返すように搬送され、転写ローラ70とプラテンローラ32とによって、別途搬送される第3剥離シートRL3とともに挟み込まれ、第3剥離シートRL3に仮着される。この仮着により形成された第3原反R3は、右方向に搬送される。
そして、第3原反R3の第2剥離シートRL2は、剥離ローラ81において右下方向に案内されることで、接着シートS1から剥離され、回収ローラ83に回収される。この第2剥離シートRL2の回収により、第3剥離シートRL3に複数の接着シートS1が所定間隔で仮着された第4原反R4が形成され、この第4原反R4が回収ローラ94に回収される。
【0030】
以上のような実施形態によれば、第1剥離シートRL1越しに第2剥離シートRL2を貫通しない切り込みCを形成して接着シートS1を形成するので、接着シートS1がダイカットローラ23に接着してしまい、部分的に接着シートS1が欠損したり、接着シートS1が重ね貼りされたりした原反が製造されることを防止し、良質の接着シートS1が第3剥離シートRL3に適切に仮着された第4原反R4を確実に製造することができる。
【0031】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0032】
例えば、不要シートS2に捻りを生じさせる手段として、誘導ローラ42を用いたが、不要シートS2に必要な捻りを生じさせることができる手段であれば、これに限らない。例えば、誘導ローラ42を使用せず、不要シートS2を予め捻って押圧ローラ44にセットしておいてもよい。
また、第1回収手段80を設けずに、第2回収手段90で第3原反R3を回収してもよい。
また、接着シートS1の形状としては、円形に限らず、楕円、あるいは長方形などの多角形としてもよい。
さらに、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダ及びロータリシリンダ等のアクチュエタ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0033】
1…シート製造装置
10…第1繰出手段
20…切断手段
30…第1剥離手段
40…第2剥離手段
41…剥離ローラ(周囲部分剥離手段)
42…誘導ローラ(誘導手段)
44…押圧ローラ(接着剥離手段)
60…第2繰出手段
70…転写ローラ(転写手段)
80…第1回収手段(第3剥離手段)
AD…接着剤層
BS…基材シート
R1…第1原反
R2…第2原反
R3…第3原反
R4…第4原反
RL1…第1剥離シート
RL1A…剥離シート切断部分
RL1B…剥離シート周囲部分
RL2…第2剥離シート
RL3…第3剥離シート
S…帯状接着シート
S1…接着シート
S2…不要シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の基材シートの一方の面に接着剤層を有する帯状接着シートの当該接着剤層側に帯状の第1剥離シートが仮着されるとともに、前記基材シートの他方の面に帯状の第2剥離シートが仮着された第1原反を繰り出す第1繰出手段と、
繰り出された前記第1原反に、前記第1剥離シート側から前記帯状接着シートを貫通し、かつ前記第2剥離シートを貫通しない所定形状の切り込みを形成して、前記帯状接着シートから所定形状の接着シートを形成するとともに、前記第1剥離シートから前記接着シートと同じ形状の剥離シート切断部分を形成する切断手段と、
前記剥離シート切断部分の周囲に形成された剥離シート周囲部分および前記接着シートの周囲に形成された不要シートを前記第2剥離シートから剥離して、前記第2剥離シートに前記接着シートおよび前記剥離シート切断部分が仮着された第2原反を形成する第1剥離手段と、
前記第2原反の前記接着シートから前記剥離シート切断部分を剥離する第2剥離手段と、
帯状の第3剥離シートを繰り出す第2繰出手段と、
前記剥離シート切断部分が剥離された前記接着シートの接着剤層に前記第2繰出手段で繰り出された前記第3剥離シートを仮着して、第3原反を形成する転写手段とを備えることを特徴とするシート製造装置。
【請求項2】
前記第3原反から前記接着シートに仮着された前記第2剥離シートを剥離して、第4原反を形成する第3剥離手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のシート製造装置。
【請求項3】
前記第2剥離手段は、前記第1剥離手段で剥離された前記不要シートの接着剤層から前記剥離シート周囲部分を剥離する周囲部分剥離手段と、
前記剥離シート周囲部分が剥離された前記不要シートの接着剤層を前記第2原反の前記剥離シート切断部分に接着して、当該剥離シート切断部分を前記接着シートから剥離する接着剥離手段とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート製造装置。
【請求項4】
帯状の基材シートの一方の面に接着剤層を有する帯状接着シートの当該接着剤層側に帯状の第1剥離シートが仮着されるとともに、前記基材シートの他方の面に帯状の第2剥離シートが仮着された第1原反を繰り出す工程と、
繰り出された前記第1原反に、前記第1剥離シート側から前記帯状接着シートを貫通し、かつ前記第2剥離シートを貫通しない所定形状の切り込みを形成して、前記帯状接着シートから所定形状の接着シートを形成するとともに、前記第1剥離シートから前記接着シートと同じ形状の剥離シート切断部分を形成する工程と、
前記剥離シート切断部分の周囲に形成された剥離シート周囲部分および前記接着シートの周囲に形成された不要シートを前記第2剥離シートから剥離して、前記第2剥離シートに前記接着シートおよび前記剥離シート切断部分が仮着された第2原反を形成する工程と、
前記第2原反の前記接着シートから前記剥離シート切断部分を剥離する工程と、
帯状の第3剥離シートを繰り出す工程と、
前記剥離シート切断部分が剥離された接着シートの接着剤層に、繰り出された前記第3剥離シートを仮着して、第3原反を形成する工程とを備えることを特徴とするシート製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−153066(P2012−153066A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15592(P2011−15592)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】