シームレスマスタ及びその作製方法
【課題】ディヒューザ及びそれらに関連したディヒューザ−マスタの縁部境界である「干渉」パターンと関係する種々の問題を解決するシームレスマスタ及びそれを作製する方法を提供する。
【解決手段】予め選択された長さ及び幅のシームレスのディヒューザのシートを作製するための中空の円筒形のシームレスの金属マスタ604。追加の様相は、中空の円筒形のシームレスの反転可能なエラストマー系マスタ402A及びそれを作る方法並びに感光媒体に可変のディヒューザの記録をもたらす装置及びプロセスを有する。
【解決手段】予め選択された長さ及び幅のシームレスのディヒューザのシートを作製するための中空の円筒形のシームレスの金属マスタ604。追加の様相は、中空の円筒形のシームレスの反転可能なエラストマー系マスタ402A及びそれを作る方法並びに感光媒体に可変のディヒューザの記録をもたらす装置及びプロセスを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
幾つかの態様を有する本発明は、光成形ディヒューザ(拡散器)分野に関し、また、シームレスマスタ及びディヒューザフィルムのシーム複製(seam replication)とともに、その同様のもの、すなわち、区切り点又はマークのない連続した光成形被覆を作製する方法に関する。
【0002】
特に、本発明の第1の態様は、その上に一体の微細な面構造が形成された、中空の,円筒形の,シームレスの,反転可能な,エラストマー系のマスタに関し、また、それを作る方法を含んでいる。本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に関係して、可変のディヒューザを記録する装置およびその同様のものを製造するためのプロセスに関する。本発明の第3の態様は、本発明の他の2つの態様に関係して、その上に一体の微細な面構造が形成された、シームレスの,円筒形の金属マスタに関し、また、それを形成する方法を含んでいる。本発明の第4の態様は、最初の3つの態様を用いたシームレス(連続したフィルム)の作製に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
ディヒューザマスタは、それを通じて伝送される光に望ましく光学的に作用し得る膨大な種類の光成形ディヒューザを作製するのに用いられる。
【0004】
例えば米国カリフォルニア州トランスのフィジカル・オプティクス・コーポレーション(Physical Optics Coorporation)から市場で入手可能でありまた商標LSD(登録商標)のもとで広く販売されるホログラフィックの光成形ディヒューザは、高伝達効率,ビーム成形品質および光を均一にする能力をディヒューザに提供する「ホログラフィック式に記録される」ランダム化された面構造を含むディヒューザである。それらは「ホログラフィック式に記録される」と呼ばれるものの、好ましくは、1本のビームのみを用いて記録される。
【0005】
これに関して、引用することによりここに組み込まれる(POCに譲渡された)ジャンソン(Jannson)他に対する米国特許第5365354号は、一体的に形成された光成形ディヒューザの微細構造を有するディヒューザを開示する。ここで、ディヒューザは、市販のフォトレジストなどの市場で入手可能な感光媒体から製造され、また、ここでは、感光媒体が、そこに記録されたスペックルパターンを予め選択している。
【0006】
追加の光成形ディヒューザが、引用することによりここに組み込まれる米国特許第5534386号及び5609939号(共にピーターセンに対するもので、POCに譲渡された)に開示されている。ピーターセンの特許の両方にて教示される方法は、従来のフォトレジスト等の感光媒体における内部及び/又は面を作製し、複製するために用いられ得る。微細構造は、非常に有効な均一の、制御される様式で、光を拡散することができる。これに対して、従来の方法では、それが不可能である。
【0007】
ペリロウクス(Perilloux)等に対する米国特許第5151917号に示される従来方法によれば、微細構造が、サブ構造を備えたラミネートを形成するように開示されている。我々の用途においては、我々は、薄層からなる構造が複数の問題を有することを見い出した。例えば、かかる薄層からなる構成に関連する問題は、層の分離,(反射及び/又は屈折による)界面での伝送損失、又は、接合された光学層とそれらを接合するのに用いられるオプティカル・グレード・エポキシとの間の屈折率の差にりよりもたらされる問題、若しくは、エポキシにおける小さなエアバブルに関係する。
【0008】
好ましくは、微細構造は、光成形ディヒューザを作製するために、従来の感光材料における干渉光により一体的に形成される。更に、これに関して、また、分配角に依存して、かかる光成形ディヒューザは、365ナノメートル(「nm」)〜1600nmの間で、85%〜92%間の伝送効率を実現する。また、光成形ディヒューザ構造の低い後方散乱は、フレネル損失により浪費されることとなる光を用いて、反射防止をなしている。
【0009】
LSD(登録商標)のディヒューザがどのように動作するかについての根底の原理が、次のように要約される。LSD(登録商標)のディヒューザは、「ホログラフィック式に記録される」マスタから、典型的には1本のビームのみで複製される。完全にランダムでまた非周期的となる光成形及び拡散の構造としては、微細な小型レンズが考えられる。更に、LSD(登録商標)のディヒューザは、波長に依存せず、白色の,単色の,可干渉性の若しくは非干渉性の光に調和するであろう。
【0010】
ビーム成形品質は、LSD(登録商標)のディヒューザに、光を正確に形状づけまた分配する能力をもたせる。LSD(登録商標)のディヒューザは、約0.5°〜100°までの範囲にある円弧角を有する出力、及び/又は、約0.2°×5°〜110°×90°までの範囲にある楕円の出力を作製することができる。
【0011】
光を均一にする能力は、所謂「ホットスポット」の一様でない光分配パターンが、発光ダイオード(「LED」)の光源,フィラメントベース,アークベースの光源、及び、ファイバ光学のまたレーザ光の光源としての光源に付随する一般的な問題であることから、重要である。LSD(登録商標)のディヒューザは、液晶ディスプレイ(「LCD」)のバックライト,LEDディスプレイ,マシン・ビジョン(machine vision),自動車の照明,鑑賞用のスクリーン等の重要な用途において、均一な光伝送をもたらす一方、かかる光源からの光を著しく「滑らかにし」、また、均一化する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、光成形ディヒューザを製造するために用いられる従来のマスタは、全体として平面的で、有限サイズのものである。鑑賞用のスクリーンに用いる光成形ディヒューザを作製するための現行の製造工程によれば、マスタの縁部の境界が、重なる,隣接する若しくは互いに隣接して配置されることとなり、これにより、「シーム(seams)」と呼ばれる、それらが「シーム」部分を通じて光を伝送するためのディヒューザの能力に悪影響する「干渉」領域をもたらす所望でないディヒューザ内の連結した縁部境界パターンがもたらされる。また、主要部(mass)が、プラスチックの長い連続したシート上に作製され、収納に際して巻上げられると、シームは、ロールの中で他のディヒューザに対して圧力を付加し、結果的に、それらを駄目にする。更に、シームは、軍隊の訓練用の大きな高解像度ディスプレイ,エアフォースフライトシミュレータ,FAAリアルタイム交通制御ディスプレイ及び市販のディスプレイなどの多くの用途に受入れられない。
【0013】
最近の改良によって、ディヒューザにおける縁部境界「シーム」が非常に細い線に縮小されることとなった。それにもかかわらず、ディヒューザにおける非常に細い線でさえ、現行のワイドスクリーンの用途に用いられるべきディヒューザの能力に悪影響を及ぼす。ワイドスクリーンの幾つかは、世界中でよく知られる娯楽エリアにより企画されるような30フィート幅又は40フィート幅,約100フィート幅までの幅若しくはそれより大きな幅を有する。
【0014】
そのため、シームレスLSD(登録商標)ディヒューザを作製するために、シームレスマスタを作製し得ることが望ましい。実質的には制限されない長さであり、シームレスの光成形ディヒューザ面を有するディヒューザを作製し得ることが一層望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の概要)
我々は、ディヒューザ及びそれらに関連したディヒューザ−マスタの縁部境界である「干渉」パターンと関係する種々の問題を、簡単に言えばシームレスマスタ及びそれを作製する方法である本発明を用いて解決した。我々の発明は、簡単に要約すると、3つの態様を有している。
【0016】
好適な実施の形態の1つの態様は、円筒形を有し1ピースの構造からなりまたその外周面上に形成された一体のシームレスの光成形ディヒューザの面を有するシームレスマスタに関するものである。かかるシームレスマスタは、好ましくは中空であり、また、好ましくは鍍金されたニッケル等の硬質の金属で作られる。
【0017】
本発明の他の態様は、ある装置及びプロセスに関するものである。それにより、シームレスマスタは、その上にシームレスに一体成形される光成形ディヒューザの面を有する予め作られた中空の円筒形のシームレスのエラストマー系のサブマスタを採用して製造される。好適なエラストマーは、市場で入手可能なラバーである。シームレスの光成形及び拡散面は、中空のシームレスのエラストマー系マスタの周囲の面上に一体的に形成されている。我々の発明のこの特定の態様に関係して、その内周面に最初に一体的に形成されたシームレスの光成形ディヒューザの面を有する前述したエラストマー系マスタ(細長で「スリーブ」の外観を有する)は反転可能である。それにより、エラストマー系スリーブは、シームレスの一体的に形成された光成形ディヒューザの面をラバー製のスリーブの外周面上にもたらすべく、反転させられ得る。
【0018】
我々の発明の他の態様は、感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすための工程を採用する装置に関するものである。我々の発明の最後の態様は、プラスチックの基体上にシームレスのディヒューザフィルムを作製するために、ラバー製のスリーブ又はニッケル製のシリンダ、すなわち、ラバー製のスリーブの複製(replica)を採用することに関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(好適な実施の形態の説明)
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1−3には、市場で入手可能なフォトレジスト等の適切な硬化性をもつ液体の感光材料を、細長い回転可能な円筒部材に対して均一に塗布するための方法及び装置が示されている。装置と関連して、向かい合うアーム102,104が設置されるベース100が示される。装置は、更に、アーム102,104の間に設けられ、図1に示されるような、クランク108により、軸A−Aまわりに回動させられる細長い中空のチューブ106(つまり管状部材)を有している。
【0021】
好適な中空のチューブ106は、市場で入手可能な例えば標準的な窓ガラスの種類等の滑らかなガラスで作られる。他の形態の中空のチューブ106は、メラミン(melamine),ポリカーボネート(polycarbonate),ポリスチレン(polystyrene),ポリビニル塩化物(polyvinyl chloride)等の、適度に滑らかな市販のプラスチック、若しくは、ポリメタクリル酸メチル等の、適切な市販のアクリルプラスチックから製造されてもよい。
【0022】
中空のチューブ106(好ましくはガラス)に対して、フォトレジスト等の硬化性をもつ液体感光媒体110を塗布する好適な方法は、図2に示されるように、中空のガラスチューブ106の全長に沿って、手動で感光媒体110を浴びせ、その後、中空のチューブ106の全外側表面が、均一に塗布されたフォトレジストの層で被覆されるまで、クランク108を回転させる、というものである。かかる「塗布」は、好適には、塗布の間の(室温での)約40分の空気乾燥時間を伴い、3度実行される。結果として、塗布されたフォトレジストによる3つの分離した層が、均一に塗布された硬化性をもつ液体感光媒体110の最良の層となる。
【0023】
「3回の塗布」ステップの末に完成した感光媒体110は、約1ミクロンから約100ミクロンまでの範囲の半径方向の厚さを有している。好ましくは、感光媒体110は、約35ミクロンの半径方向の厚さを有している。
【0024】
図4には、他の細長い円筒部材106A,中空でないシリンダの外周表面に対して、均一に塗布される周囲の層として、硬化性をもつ液体感光媒体110を塗布するための別の装置及び方法が示される。
【0025】
図4は、フロア112に設置されたプラットフォーム114,ポンプ116及び駆動機構118を示している。円筒部材106Aは、軸B−Bまわりに回転可能に取り付けられた回転テーブル120上に設置されるように示される。
【0026】
軸B−Bまわりに回転テーブル120を回転式に駆動させるための、従来の動力伝達機構122は、駆動機構118と回転テーブル120との間に連結される。伝達機構122は、図4に示されるように、軸B−B軸まわりに円筒部材106Aを回転させるべく、駆動機構118からの動力を回転テーブル102へ伝達するために用いられる。
【0027】
更に、図4を参照すれば、導管126を介して、ポンプ116と流通するノズルが示されている。ノズル124は、好ましくは、円筒部材106Aの全長に沿って、硬化性をもつ感光媒体110等のありきたりな流体を提供するべく配置され、構成されている。この目的のために、タンク128に入れられた硬化性をもつ感光媒体110が、導管130を介して、ポンプ116に供給される。
【0028】
液体感光媒体110の硬化は、加熱乾燥(baking)により効果的に行われる。例えば、図5は、従来のオーブン132を示しており、その上に均一な感光媒体110の層を有する、中空でないシリンダ106A(不図示)又は細長い中空チューブ106(例えば図1−3参照)が、媒体110の硬化を所望に促進すべく、オーブン132に入れられる。感光媒体110の所望の硬化は、例えば100℃の高温で、約40分から2時間の間、媒体を加熱乾燥させることにより、効果的に行われる。より好ましくは、感光媒体110の硬化は、約90℃で約1時間から2時間半、媒体を加熱乾燥させることにより、効果的に行われる。更に好ましくは、感光媒体110の硬化は、約60℃で約1時間から3時間、媒体を加熱乾燥させることにより、効果的に行われる。
【0029】
種々のディヒューザ(diffuser)は、例えば光導体及び液晶ディスプレイと関係したありきたりな用途を有する。例えば、ラップトップタイプのコンピュータに用いられる液晶ディスプレイ(LCD)等のフラットパネルディスプレイは、一般的に、液晶をベースとするディスプレイパネルを照明するために、バックライティング(背面照明)システムを組み込んでいる。従来の背面照明システムの重要な必要条件は、全体として平面であるディスプレイパネルの全表面上で十分な強度の光が分配されるとともに、実質的に均一な光分配がもたらされることであった。これら2つの条件を実現するために、最先端の背面照明システムは、典型的に、光源からLCDパネルへの光エネルギーを結合する(couple)ために、システム内に1つ又はそれ以上の光導体を組み込むようにしている。従来の背面照明システムに関係して、所定基準を実現するために、出力面に向かって入射する光線を散乱させるために、例えば、1つ又はそれ以上の従来の光導体の1表面に沿って配置され得る1つ又はそれ以上の可変のディヒューザ素子を、システムに組み込むことが望ましい。出力面は、例えば、従来知られる方法で、最先端のLCDパネルに連結され、それにより、光線をLCDパネル内へまたそれを通じて結合することが可能である。かかる散乱背面照明システムは、LCDパネルのエッジから、スクリーンを横切ってまたユーザの方向において、光を均一に指向させ得る可変のディヒューザを組み込むことにより、散乱面における散乱媒体の分布を制御することによって光の分布を制御する能力を呈するのみならず、光分配角を制御する能力をもたらすものとなる。両能力により共に好ましい結果が得られる。
【0030】
続いて、図6−11には、簡単に前述した本発明の様相の1つとして、可変のディヒューザによる写真感光媒体への記録をもたらすための好適な方法及び装置の原理及び好適な構成が示されている。
【0031】
これに関して、より詳しくは、図6−11は、実質的にその長さ及び外周面に沿って、感光した写真感光媒体における異なる所定の光成形及び散乱ミクロ組織を作るために、硬化感光媒体をその長さ及び外周面に沿って感光させるべく、長手軸のまわりに円筒形部材を回転させる間に、写真感光媒体の硬化層を干渉光の光源へさらすための好適な方法,装置及び構成を示している。ここでは、感光した感光媒体が、その内部にスペックルパターン(speckle pattern)を記録するために現像され得る。
【0032】
好適な干渉光(又は放射)の光源は、従来知られるレーザである。これに関して、クリプトンレーザ(Krypton lasers)とともに、市場で入手可能な紫外線エキシマーレーザが用いられてもよい。
【0033】
まず、図6を参照すれば、図示された装置は、ベース200と、該ベース200から所定間隔隔てられた干渉光の光源202とを有することが分かる。好適な干渉光の光源は、レーザである。図示された装置は、細長い機構204を有するように示され、それ自体は、ベース200に固定され互いに相隔たるマウント部材206(図6には最前方の1つが示される)と、マウント部材206(図10には両方が示される)により回転式に支持されるクランク208と、を有するように特徴付けられている。ここでは、クランク208が、ベース200から隔てられそのベース200に対して平行に配置された軸C−Cまわりに回転可能である。また、マウント部材206は、干渉光の光源202に対して交差するチューブ106を回転式にもたらすように配置される。
【0034】
感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすための図示された装置を参照すると、機構204(図6,10及び11)上に回転式に取り付けられた中空の円筒部材106(例えば図1−3参照)は、その外周面上に感光材料の硬化した均一の層110Aを有するように示されている。
【0035】
図示された装置は、更に、ベース200の上方に隔てられた光学の対物デバイス214を有するように示されている。対物デバイス214は、干渉光の光源202と中空の円筒部材106との間に、図6,7,10及び11に示される物理的な関係(詳細については後述するが)をなすべく配置されている。
【0036】
図8を簡単に参照すれば、好適な光学の対物デバイス214が示されている。それらは、典型的には、20X〜60Xの拡大レンズ216,球面レンズ218,円筒レンズ220,楕円レンズ222,その組合せを有するように特徴付けられてもよい。それらは、各々、干渉光の断面領域に対して、拡大の構成,円筒形の細長い構成,楕円形の細長い構成,及び、その組合せをそれぞれもたらすものである。
【0037】
図6,10及び11を参照して、図示される装置は、予め選択された不規則なスペクトルパターンを散乱させ、光源202からの干渉光に対して分配するために、ベース200上に配置され対物デバイス214と円筒部材106との間に位置決めされるディヒューザマスク224を有する。その後、パターンは、円筒部材106の外周面上で、硬化したフォトレジスト層110Aを曝す。
【0038】
当業者により理解され得るように、光学の対物デバイス214を通過する干渉光は、選択された対物デバイス214内のインクルージョン(inclusion:包含)のために選択される正確な構成の組合せにより、所望に拡大された若しくは縮小された、及び/又は、円筒形となるように作用された、及び/又は、楕円形となるように作用された、断面領域を有することもできる。
【0039】
しかしながら、特定のディヒューザが、かかる結果を実現するように設計され得ることは、当業者によって広くは知られていない。例えば、特定のディヒューザを介して、かかる結果を実現するには、光透過型のマスク224が、米国特許5365354号(ジャンソン(Jannson)他)及び米国特許5534386号並びに5609939号(ピーターセン(Petersen)他)に開示されているように、好ましくは、所望の予め選択されたスペックルパターンを、感光媒体に記録するために使用される光に分配し得るホログラフィック・ディヒューザ(holographic diffuser)である。なお、上記米国特許は、全て、米国カリフォルニア州トランスのフィジカル・オプティクス・コーポレーションに譲渡されたものであり、それらは、引用することによりここに組み込まれる。これらの特許を簡単に要約すれば、我々の同僚が、ディヒューザを記録するために用いられる予め選択された不規則なスペックルパターンが、複製時に、ディヒューザが、該ディヒューザを通過している出力光の形状を好ましく変更することを可能とすることを発見した。擦りガラス又は他の適切な光透過マスク224が用いられてもよい。
【0040】
図6には、図示された装置が、予め選択された寸法の開口228(図9)を規定する遮断部材226を有するように示されている。遮断部材226は、ベース200により支持され、ディヒューザマスク224と円筒部材106との間で、露光済みであるが未現像であるように、中空の円筒部材106の外周面上における感光媒体の硬化層110Bの予め選択された部分(周囲のバンド230として図10に示される)の露光を所望にまた選択的にもたらすべく使用されるように配置され、その向きを定められている。
【0041】
図9を参照すれば、好適な遮蔽部材226は、全体としては、平らな形状及び構造を有するもので、図6,7,10及び11から分かるように、干渉光の経路にほぼ直交するよう方向付けられている。
【0042】
更に図9を参照すれば、開口228は、円筒部材106のサイズに依存せず、比較的シャープな縁部を備えつつ、約3〜10インチ(約76.2〜762ミリメートル)の範囲にある幅(“W”)及び約3〜5インチ(約76.2〜127ミリメートル)の高さ、好ましくは約4インチ(約101.6ミリメートル)の高さを有する、全体として矩形をなすように示されている。
【0043】
感光材料における可変のディヒューザの記録をもたらすための図示された装置に関して、図6,7,10及び11に示されるような第1の長さ(“L1”)の寸法が、光学的な対物デバイス214とディヒューザ224との間で、干渉光が通過する間隔として規定される。
【0044】
第2の長さ(“L2”)の寸法は、ディヒューザマスク224と、円筒部材106の外周面上における感光材料の既に露光済みの層110B(図7)との間で、干渉光が通過する間隔として規定される。
【0045】
第3の長さ(“L3”)の寸法は、円筒部材106上の感光媒体の露光済みの層110B(図7)と、開口付きの遮蔽部材226(図9)との間で、干渉光が通過する間隔として規定される。
【0046】
図示された装置の標準的な動作の間には、第1,第2及び第3の長さ(“L1”−“L3”)の寸法のいずれか1つが、感光媒体110Aにおける可変のディヒューザの記録をもたらすために、上記長さ(“L1”−“L3”)の他のいずれか1つに対して変更可能であり、選択された基準に準じて制御可能に変更されるようになっている。
【0047】
動作に際し、機構204の回転軸C−Cまわりの中空の円筒部材106の回転により、円筒部材106の外周面上における感光媒体の未露光の層110Aが、第1に光学的な対物デバイス214を、次にディヒューザマスク224を、最後に遮蔽部材226の開口228を通過する(光源202からの)干渉光に対して露光させられ、結果的に、チューブ106上における感光材料110Bの一部が露光させられる。
【0048】
前述したことから、感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすプロセスは、次のように要約されてもよい。
【0049】
かかるプロセスは、マウント部材206上に回転式に取り付けられ長手軸C−Cに沿って配置される細長い円筒部材106に、円筒部材106の外周面上に配置される感光媒体の硬化した未露光の層110Aをもたせるステップを含むものとして特徴付けられる。
【0050】
上記プロセスは、更に、干渉光の光源202により生成される干渉光ビームを硬化した未露光の感光媒体110Aへ指向させ、干渉光ビームの光源と未露光の感光媒体110Aとの間で、干渉光ビーム中に光学の対物デバイス214を差し込むステップを有するようになっている。
【0051】
上記プロセスは、更に、光学の対物デバイス214と未露光の感光媒体110Aとの間で、干渉光ビーム中に光学的に光を透過するディヒューザマスク224を差し込み、また、光学的に光を透過するディヒューザマスク224と未露光の感光媒体110Aとの間で、干渉光ビーム中に、予め選択された寸法の開口228を規定する遮蔽部材226を別個に差し込むステップを有する。
【0052】
上記プロセスは、また、更に、ディヒューザマスク224と光学の対物デバイス214との間で、又は、ディヒューザマスク224と未露光の感光媒体の層110Aとの間で、及び/又は、遮蔽部材226と未露光の感光媒体の層110Aとの間で、硬化した未露光の感光媒体の層110Aの可変の露光をもたらすために、間隔(“L1”及び/又は“L2”及び/又は“L3”)を次に変更するステップを有するようになっている。
【0053】
かかるプロセスは、更に、長手軸C−Cまわりに予め選択された角度“アルファ”α(図6に示される)を通じて、クランク208又はモータ(不図示)によって円筒部材106を回転させ、結果として、予め設定された期間だけ、干渉光に対して、狭いバンド230(図10)又は広いバンド230A(図11)の範囲内で、既に露光済みの感光媒体110Bにとっていずれでも適切である広いバンド230又は狭いバンド230Aを露光させる目的で、未露光の感光媒体110Aの層のアーチ形の部分を露光させるステップを有する。
【0054】
上記プロセスは、更に、干渉光がある間に、予め選択された角度で円筒部材106を回転させ続け、それによって、図示された円筒部材106上の未露光の感光媒体110Aの狭いバンド230(図10)の全周の境界又は広いバンド230A(図11)の全周の境界を露光させる。
【0055】
図10を参照すれば、周囲のバンド230は、円筒部材106上で360°で回転させられた露光済みの感光媒体110Bの長い外周面の長手部分として規定される。類似した露光済みの感光媒体110Bの長い外周面が、比較的広い周囲のバンド230Aとして図11に示される。したがって、プロセスは、光源に関係して、円筒部材106を、予め設定された長手方向若しくは横方向の間隔(図10及び11に示される)だけ移動させ、感光媒体110Aの未露光の層の全外周面が露光されるまで、前述した手順を繰り返す。
【0056】
要約すると、可変のディヒューザは、(1)チューブ106上の未露光の感光媒体110Aの所望の一部を提供すべく、軸C−C(図10及び11)まわりに管状部材106を部分的に回転させ、(2)対物デバイス214用に適切なレンズ216,218,220及び/又は222を選択し、(3)所望の“W”及び“H”の寸法を呈する開口228(図9)を選択し、(4)関係する適切な間隔L1,L2及びL3、並びに、マスク224(図7)を選択し、(5)結果として、露光済みの感光媒体110Bにおける所望のスペックルパターンを実現するように、干渉光の光源202に電力を供給することにより作られる。その後、未露光の感光媒体110Aを備えたチューブ106は、望ましくは、入射光ビームに対して横方向に(図10及び11)移動させられ、そして、チューブ106上での露光済みの感光媒体110Bにおける長手方向での可変のディヒューザの特性(properties)を達成するように、ステップ(2)−(5)が繰り返される。その代わりとして、ステップ(1)−(5)が、チューブ106上での露光済みの感光媒体110Bにおける周方向での可変のディヒューザの特性(properties)を達成するように繰り返されてもよい。本発明の原理に従って、所望には、狭い周囲のバンド230(図10)又は広い周囲のバンド230A(図11)若しくは狭い周囲のバンド230及び広い周囲のバンド230Aの組合せからなる可変のディヒューザ、および、複製時に異なる光出力特性をもたらす種々の光成形用及び散乱用の微細構造で記録されている各々が、チューブ106等の単一の管状部材上に作られてもよい。感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすための、図示されたまた前述した装置及びプロセスの追加の原理は、次のテーブルにあらわされたデータから、そのデータについての以下の説明と合わせて認められる。
【0057】
【表1】
【0058】
テーブルの最後の列には、最終のマスタの出力の角度、すなわち、最終のマスタにより出力される成形された光の錐の角度がリストに挙げられている。最初の2つの枠にて記載される1つの角度は円形の出力光に対応し、他方、2つの角度を有するテーブルの枠は、楕円形の出力の大きい方及び小さい方の角度に対応する。また、2つの角度が記載されている場合には、第1の角度が、露光ステップの間に、チューブ106の長さに沿って配置された角度であり、他方、第2の角度は、未露光の感光材料110Aの周囲に沿ってアーチ形に配置された角度である。かかる楕円の出力は、テーブルの第1の列に記載された対物レンズ(objective)の楕円性、及び/又は、テーブルに開示される中間マスタ(mid-master)の楕円性の存在に由来する。楕円形の出力を有する中間マスタは、図23A及び23Bに示されるような楕円形のスペックルを有する記録光に対してさらされることにより、楕円形のLSD(登録商標)のディヒューザとして記録されるそれ自体であった。
【0059】
全体として、L2は、小さな角度に関して比較的大きく、大きな角度に関して比較的小さい。テーブル中に記載された種々のパラメータは、所望には、チューブ106の外周面に沿って、アーチ形に配置される若しくは長手方向に配置される露光済みの感光材料110B(例えば図6−11参照)の一部又はそれ以上の部分における光成形ディヒューザパターンを生成すべく変更されてもよい。最後に、我々は、有利にも、感光材料の露光が、ここで記載及び開示されるように、隣接したマスタの部分が異なる記録セットアップで記録されていても、真にシームレスのディヒューザマスタを作製するように、縁部の余白において共に翼部がある露光をもたらすことを発見した。
【0060】
我々の発明のこの態様によれば、現像後(例えば図23及び13参照)のチューブ106上における露光済みの感光材料110Bは、1つのかかる真にシームレスのディヒューザマスタであり、露光済みのまた現像済みの感光材料110Cは、詳細には後述するように、付加的なシームレスマスタを作製するために用いられる。
【0061】
次の例は、我々が、テーブルにおけるデータを生成するのに用いた工程及び装置(当業者にはよく知られるもの)を開示し、記載する。
【0062】
(例:ビームの配置及びマウンティング(mounting))
必要な場合、ピンホールフィルタ上に置かれた適切な対物レンズ(標準的には20X〜60X)をセットする。適切なテーブル上で、中間マスタディヒューザホルダを所定位置に置く。ここでは、中間マスタディヒューザをしっかりと固定する。好適な散乱角によって、適切な中間マスタをホルダ上に置く。最終マスタ及びそれに関連するマスタを所定位置に置く。ここでは、ホルダをしっかりと固定する(例えば接着剤で接合する)。テーブルに示されるように、大きな比率の楕円形のディヒューザマスタに関してセットアップする場合には、3〜9インチ(約76.2〜228.6ミリメートル)の広さで、「ソフトな」エッジのフォーカスをなすように、対物レンズに続き、円筒レンズをセットする。中間マスタの中央に対してスリットビームを指向させる。それた光が最終マスタ上に位置するのを防止するために、全ての遮蔽部材を配置する。最後に、約30μミリワットを読む出すべく、最終マスタへの干渉光を調整する。
【0063】
以上で、例に関連した記述を終了する。露光済みで未現像の感光媒体110Bが現像済みの感光媒体110Cへどのように変換されるかについての以下の記載には、図12及び13が参照される。
【0064】
既に露光済みの感光材料110Bの現像は、感光媒体110Bの露光済みの層をその外周面に備えた円筒部材106を受けて保持するのに十分な長さ及び内部の寸法を有する適切な中空の容器300(図12)を選択することにより始まる。
【0065】
次に、チューブ106が容器300内に配置される。その後、市場で入手可能な現像液312が、容器300に、好ましくは、図13に示されるように、容器300と円筒部材106との間における環状のスペース内に注入される。
【0066】
続いて、図13に示されるように、露光済みの感光材料110Bの現像が、その露光済みの感光媒体110Bを、約30秒から1分の間、効果的な分量の、好ましくは10%の水を含んだ、市場で入手可能な溶液312に触れさせることにより行われる。
【0067】
その代わりに、図4に示されたものと同様のセットアップが、露光済みの感光媒体を現像するために用いられてもよい。例えば、露光済みの感光材料は、それらの上に現像液を噴霧されてもよく、また、必要であれば、その結果としてこぼれた現像液が、現像液を回収する(また再利用する)ために、所定の構造体(不図示)に回収されてもよい。
【0068】
いずれにせよ、現像ステップが完了すれば、予め選択された不規則な微細構造により特徴付けられる光成形ディヒューザの面が、円筒部材106の全長及び外周面に沿って、現像済みの感光媒体に定着される。光成形ディヒューザの面は、微視的なスケールで、図6−11に示される前述したディヒューザ記録装置の細長い選択的な種々の素子及び/又は構成である。更に、この開示を読んだ後に当業者により理解されるように、機能的に等しい機構を備えた1つ又はそれ以上の図示された構成の代わりが、光成形ディヒューザの面の微細構造の所望の向き、例えば、円筒部材106の長手軸に垂直な若しくは平行な向きをもたらすこととなる。
【0069】
我々は、また、1つの実施の形態(図10)の露光済みの狭い円筒バンド230若しくは他の実施の形態(図11)の露光済みの広い円筒バンド230Aのオーバーラップによりもたらされるとされる縁部の余白におけるオーバーラップの効果によって、かかるオーバーラップの領域に沿った継目(seams)が存在しないように、むしろ、実質的に円筒部材106の全長及び外周面に沿った、連続的でシームレスな光成形及び散乱面が生成されることになることを発見した。
【0070】
硬化性をもつエラストマー系液体400を円筒部材106に塗布するための好適な方法を説明するために、図14−17が参照される。ここで、円筒部材106は、実質的に、円筒部材106の全長及び外周面に沿って定着させられた光成形ディヒューザの面を備えている。また、ここで、光成形ディヒューザの面は、円筒部材106上の現像済みの感光媒体110Cによりもたらされる。
【0071】
硬化性をもつエラストマー系液体400は、例えば、図14及び15に示されるように、垂直に配置された市場で入手可能な円筒部材106上に、市場で入手可能な硬化性をもつ液体エラストマー系材料を注ぐことにより、適切な円筒部材106上の現像済みの感光材料110Cの長さ及び外周面に沿って塗布される。
【0072】
十分な量の硬化性をもつエラストマー系液体400が、管状部材106の全長及び外周面を覆うために、管状部材(図15)上へ注がれ、これにより、図16に示されるように、中空の円筒形のエラストマー系部材又はスリーブ402が作製される。次に、チューブ106を覆う未硬化のエラストマー系部材又はスリーブ402が硬化させられ、これにより、硬化した中空の円筒形のエラストマー系部材又はスリーブ402A(図17)が作製される。この部材又はスリーブ402Aは容易に反転されることが可能であり、円筒部材(つまりチューブ)106から分離され得る。
【0073】
好ましくは、反転可能で中空の円筒形のエラストマー系部材402Aは、約1/16インチ(約1.59ミリメートル)〜約1/8インチ(約3.18ミリメートル)の径方向の厚みを有している。硬化したエラストマー系部材402Aは、硬化前には、円筒部材106上における感光媒体に記録された光成形ディヒューザの面の微細構造と密に接しているため、結果として、硬化したエラストマー系部材402Aは、未硬化のエラストマー系部材402(図16)が円筒部材106の表面における微細構造と密に接する全周囲面に沿って、その面内に、シームレスの光成形ディヒューザの面を一体的に形成する。まず、微細構造は、未硬化のエラストマー系部材402の内周面にある。硬化後に、また、反転時に(例えば図17参照)、微細構造及び光成形ディヒューザの面は、硬化したエラストマー系部材402Aの外周面にあらわれる。
【0074】
図17をまた参照しつつ、当業者が本開示事項を読んだ後に理解するプロセスにより、シームレスのディヒューザを作製するために、この時点で、硬化したエラストマー系部材402Aが用いられ得ることに注目せよ。しかしながら、我々は、詳細には後述するように、より一層耐久性のあるシームレスマスタを作製するために、エラストマー系部材402Aを用いることを選ぶ。
【0075】
図示された未硬化のエラストマー系部材402(図16)を硬化させるために、我々は、約24時間の間、上記のように注入されたエラストマー系材料を、室温にさらすことを選ぶ。ここで規定するように、「室温」は、華氏77度(摂氏25度)を意味するものとする。
【0076】
前述した硬化した中空の円筒形のエラストマー系部材を作製するための別の方法を説明するに際して、図18−22を参照する。
【0077】
図18−22の図示された要素及び構成を用いる別の方法が、以下のように記載される。
【0078】
本発明の原理に従って作られ、その全長及び外周面に一体的に形成されたシームレスの光成形ディヒューザの面を有する、好ましくはガラスの固体の円筒形部材106Bは、ベース502(図18−20)の上に配置されるプレート500上に置かれる。図示されたベース502及びプレート500は、互いに略円形すなわち円盤状をなし、図20に示されるように、円筒部材106Bと組み合せられた場合に同心軸上に配置されるように寸法付けられ、構成されている。
【0079】
固体の円筒部材106Bを取り囲むように寸法付けられた円筒形の型部分504,506が、図21に示されるように、プレート上に配置され、互いに組み合せられる。組み合せられた型部分504及び506の軸長さ、及び、組合せ時の内径は、図22に示されるように、組み合せられた型部分504,506と円筒部材106Bとの間に、間隙508が生じるように、固体の円筒部材106Bに関係して寸法付けられる。
【0080】
次に、前述した硬化性のあるエラストマー系液体400(図14及び15)が、前述した細長い円筒形のエラストマー系部材の他の実施の形態を、間隙508内に作るために、前述したように間隙508内に注入され、硬化させられる。好ましくは、細長い中空の円筒形のエラストマー系部材(前述した)の別の実施の形態(不図示)は、同様に、反転可能であり、また、約1/16インチから1/8インチの系方向の厚さを有するものである。前述したように、1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタを作る上記方法は、ここでは要約される。
【0081】
上記方法は、一連のステップを有している。第1のステップは、効果的な量の液体の感光媒体を、円筒部材の外周面に塗布することとする。円筒部材は、好ましくは、長手軸を規定する細長のものである。円筒部材は、更に、その長手軸まわりに回転可能である。
【0082】
追加のステップは、実質的に円筒部材の全長及び外周面に沿って、実質的に均一な径方向の寸法を有する実質的にシームレスの硬化可能な感光媒体の層を形成するために、その上に硬化可能な感光媒体を備えた円筒部材を上記長手軸まわりに回転させることとする。
【0083】
続いて、感光媒体の層が、細長い円筒部材上で硬化させられる。
【0084】
上記方法の更なるステップは、実質的に全長及び外周面に沿って、(円筒部材に塗布された)感光媒体の硬化した層を、中間マスタのディヒューザを通過しそれによりスペックルを付する干渉光の光源にさらし、また、その後、干渉光における特定のスペックルに従った不規則な方法で、実質的にその全長及び外周面に沿って感光媒体を露光させるべく、長手軸まわりに円筒部材を回転可能である。ここで、露光済みの感光媒体が現像可能である。
【0085】
次に、媒体における物理的な微細構造として、感光媒体の不規則に露光させられた領域を定着させるために、露光済みの感光媒体が、実質的に円筒部材上での感光媒体の全長及び外周面に沿って、露光させられる。
【0086】
上記方法は、更に、感光材料における現像済みの微細構造と密に接する所定の径方向の寸法をもつ細長い中空の円筒形のエラストマー系部材を作製するために、実質的に現像済みの感光材料の全長及び外周面に沿って、効果的な量の硬化可能なエラストマー系液体を塗布し、その後、エラストマー系液体を硬化させるステップを有しており、それにより、エラストマー系部材において、エラストマー系部材が上記微細構造と密に接するシームレスの光成形及び拡散の面が作製される。ここで、中空の円筒形のエラストマー系部材は反転可能である。
【0087】
続いて、反転可能な中空の円筒形のエラストマー系部材は、スペックルパターンがそこに記録された現像済みの感光材料から分離させられる。反転可能な中空の円筒形のエラストマー系部材は、実質的にその全長及び内周面に沿って、シームレスの光成形ディヒューザの面を一体的に有している。
【0088】
方法の更なるステップは、実質的に中空の円筒形のエラストマー系部材の全長及び外周面に沿って、シームレスの光成形ディヒューザの面をもたらすために、中空の円筒形のエラストマー系部材を反転させることを有し、それにより、要望どおりに、それ自体でシームレスのディヒューザ又はより耐久性のあるシームレスマスタを作製するために用いられ得る中空の円筒形のエラストマー系マスタが作製される。
【0089】
その外周面にて一体の光成形及び光拡散の面を有する前述した中空の円筒形のエラストマー系部材(又はスリーブ)は、好ましくは、市場で入手可能なシリコンラバーで作られる。
【0090】
前述したように、シリコンラバースリーブ402Aは、好ましくは、複数の細長い一体の微細構造404A(図23A)又は404B(図23B)の形をとる一体の光成形及び光拡散の面を有しており、それらは、好ましくは、本願の可変のディヒューザ装置及び方法(図6−11)の態様に関係して前述された、円筒レンズのような素子(図23A)又は楕円レンズのような素子(図23B)を含むように特別に選択された光学的な対物デバイス214(図7及び8)の使用から形成される。
【0091】
本発明の別の態様の1つである1ピースの中空の円筒形のシームレスの金属マスタを作製する好適な方法を説明するために、図23−32が参照される。以下の方法は、ここに記載される原理に関して説明される。簡単に言えば、1ピースの中空の円筒形のシームレスの金属マスタは、その外周面にて、一体の光成形及び光拡散の面を有している。
【0092】
好ましくは市場で入手可能なアクリル材料からなり、約6インチ(約152.4ミリメートル)の外径を有する中空のチューブ600が、その外周面(図23及び24)に取り付けられる、好ましくは1/8インチ(約3.18ミリメートル)の径方向の厚さをもつ、反転されたシリコンラバー製のスリーブ402Aを有している。シリコンラバー製のスリーブ402Aは、その全長及び外周面と一体的なシームレスの光成形ディヒューザの面を有している。
【0093】
チューブ600及びラバー製のスリーブ402Aは、実質的に同じ長さをもつように相対的に寸法付けられている。更に、スリーブ402Aの内径は、エラストマー系スリーブ402Aの内径が僅かな張力下にあり、その結果、成形後に反転させられるので(例えば図14−17参照)、スリーブ402Aの外周面が、実質的にチューブ600の全外周面に沿って、僅かに大きい張力下にあるように、チューブ600の外径に関係して寸法付けられる。それにより、スリーブ402Aは、回転可能に支持される場合に、チューブ600に関係して長手方向に移動しない。
【0094】
前述した1ピースの中空の円筒形のシームレスの金属マスタを作製するための方法は、第1の金属からなる効果的な量の被覆602を備えたエラストマー系材料の外周面に密に接することを含んでいる。被覆602は、エラストマー系のスリーブ402Aを「変換する」ために、実質的にスリーブ402Aの長さ及び外周面に沿って、スリーブ402Aの光成形ディヒューザの面に塗布される。これは、適切な硬質の金属が塗布され得るようにするためのものである。好適な「変換」用被覆は、銀である。ここに記載したような銀の被覆を適用することに加えて、当業者によく知られる他の適切な金属からなる「変換」用被覆が、蒸着などの当業者に知られる他の適切な方法により適用されてもよい。
【0095】
「変換」用被覆の目的は、適切な硬質の金属が、シリコンラバー製のスリーブ402Aの光成形ディヒューザの面部分に、続いて適用されることを可能とすることである。他の適切な「変換」用金属は、蒸着により、若しくは、前述した「変換」用被覆上に鍍金することにより、シリコンラバー製のスリーブ402Aの光成形ディヒューザ上に塗布されてもよい。
【0096】
「変換」用被覆の層602(図25に示される)は、好ましくは銀であり、約1〜約40Å(オングストローム)の厚さを有し、また、好ましくは、1〜9Åの径方向の厚さを有するように、微視的なレベルで径方向に寸法付けられている。
【0097】
第1の金属被覆602は、中空の円筒形のエラストマー系材料の層402Aの外周面上にある光成形ディヒューザの面と密に接する内周面とともに、外周面を有している。更に、第1の金属被覆602は、中空の円筒形のエラストマー系材料の層402Aの外周面に関係して、所定の量であり、また、径方向に寸法付けられている。その結果、光成形ディヒューザの面は、実質的に複写可能に、スリーブ402Aの外周面から「変換」用(第1金属)被覆602へ転写される。
【0098】
前述した、また、種々(特にワイドスクリーン)の適用についてのシームレスディヒューザを作るために用いられる、前述した1ピースの中空の円筒形のシームレスの金属マスタを作製するための方法は、更に、「変換」用(すなわち第1の金属)被覆を、好ましくは不動態化可能である第2の金属層604と密に接触させることを含んでいる。第2の金属層604は、第1の金属被覆602の外周面と密に接触する内周面とともに、外周面を有しており、その結果、光成形ディヒューザの面は、図27及び28に示されるように、円筒部材600及び中空の円筒形のエラストマー系材料の層402Aが第2の金属層604から分離された後に、実質的に複写可能に、第1の金属被覆(すなわち変換用被覆602A)の外周面から不動態化可能である第2の中間層604の内周面へ転写される。
【0099】
説明のために、光成形ディヒューザの面606は、金属層604の全長(図27)及び内周面(図28)に沿って示されている。光成形ディヒューザの面606(図27及び28に示される)は、具体例としての不動態化可能である金属層604の内周面と一体である。
【0100】
適切な硬質の金属を「変換」用の被覆602上に利用する好適な方法は、適切な硬質の、不動態化可能である金属を鍍金することである。前述したように、当業者は、適切な硬質の金属被覆を適切な「変換」用の被覆上に利用するために、蒸着などの他の適切な技術を採用することを選択することもできる。
【0101】
前述した1ピースの中空の円筒形のシームレス金属マスタを作製する方法は、第2の金属層の内周の光成形ディヒューザの面部分を不動態化し、その後、第2の金属層の内周の光成形ディヒューザの面部分を、図29及び30に示されるように、第3の金属層608と密に接触させるステップを含んでいる。
【0102】
第3の金属層608は円筒形を有し、内周面を規定し、第2の金属層604の内周面と密に接触する、光成形のディヒューザが接触する外周面を有している。光成形ディヒューザの面は、図31及び32に示されるように、第2の金属層604の分離後に、実質的に複写可能に、第2の金属層604の内周面から円筒形の第3の金属層608の外周面へ、径方向に転写される。結果として、その全長(図31)及び外周面に沿ってシームレスに一体的に形成された光成形ディヒューザの面606を有する中空の円筒形の金属のシム(shim)608が得られる。
【0103】
更に、当業者に理解され得るように、前述した方法は、図33に示されるように、所望の幅及び長さのシームレスディヒューザを作製するための、市場で入手可能な装置610に回転可能に取り付けられる長さ及び内側寸法を有する他の実施の形態の金属シム608Aを作製するために繰り返され得る。
【0104】
本発明のこの特定の態様を説明するために、1ピースの円筒形のシームレスの金属マスタを形成するための前述した方法が要約される。
【0105】
上記方法は、外周面を規定し外周面上に一体の光成形ディヒューザの面606(図23及び24)を有するエラストマー系材料からなる単一の中空の円筒層402Aを、円筒素子600の外周面部分に径方向に取り付けるステップを含んでいる。光成形ディヒューザの面は、複数の予め選択されたスペックルパターン404A(図23A)又は404B(図23B)、及び、予め選択された径方向の寸法とともに、予め選択された横方向に配置された若しくは長手方向に配置された向き及び寸法を有する結果的な関連のある幾何学的形状(例えば図23A及び23B)を規定する。
【0106】
この方法は、更に、単一のエラストマー系材料の層402Aの外周面を、第1金属(図25及び26)の効果的な量の「変換」用被覆602に密に接触させるステップを有している。ここでは、第1の金属(すなわち「変換」)被覆602が、外周面と、中空の円筒形のエラストマー系材料の層402Aの外周面と密に接する内周面とを規定する。ここでは、更に、第1の金属被覆602が所定の量にあり、また、中空の円筒形のエラストマー系材料の層402Aの外周面に対して、径方向に寸法付けられており、光成形ディヒューザの面が、第1の金属被覆602を径方向に介して、中空の円筒形のエラストマー系の層402Aの外周面から第1の金属被覆602の外周面へ、実質的に複写可能に転写されるようになっている。
【0107】
上記方法は、更に、第1の金属被覆602及び外周面を、第2の金属の層604に密に接触させるステップを有する。ここで、第2の金属は、好ましくは不動態化可能であり、また、第2の金属層604は、外周面と、円筒形の素子600及び中空の円筒径のエラストマー系材料の層402A(例えば図25及び26参照)が第2の金属層604(例えば図27及び28参照)から分離された後に、光成形ディヒューザの面が、第1の金属被覆602の外周面から、不動態化可能である第2の金属層604の内周面へ、実質的に複写可能に、径方向に転写させられる第1の金属被覆602の外周面と密に接する内周面とを規定する。
【0108】
上記方法は、第2の金属層604を不動態化する前に、円筒素子600及び中空の円筒形のエラストマー系材料の層402Aを、第2の金属層604(例えば図25及び26参照)から分離するステップを含んでいる。ここでは、(図27及び28に示されるように)光成形ディヒューザの面606が、第1金属被覆602の外周面から、不動態化された第2の金属層604の内周面へ、実質的に複写可能に、径方向に転写される。
【0109】
上記方法は、更に、第2の金属層604の内周の光成形ディヒューザの面部分606を不動態化し、その後、第2の金属層604の内周の光成形ディヒューザの面部分606を、第3の金属の層608と密に接触させるステップを含んでいる。ここで、第3の金属層608は円筒形を有し、内周面と、光成形ディヒューザの面606(例えば図29及び30参照)が、第2の金属層604(例えば図31及び32参照)の分離後に、第2の金属層604の内周面から、円筒形の第3の金属層608の外周面へ、実質的に複写可能に(reproducibly)、径方向に転写可能である(transferable)第2の金属層604の内周面と密に接する内周面とを規定する。
【0110】
上記方法は、更に、不動態化される第2の金属層604を円筒形の第3の金属層608から分離するステップを含んでいる。この場合には、光成形ディヒューザの面606が、実質的に複写可能に、第2の金属層604の内周面から、円筒形の第3の金属層の外周面へ径方向に転写される。前述の要約された方法では、第1の金属被覆602が、好ましくは銀であり、第2の金属層604が、好ましくは鍍金されたニッケルである。説明される鍍金されたニッケル層604は、更に、好ましくは、細長で、単体からなり、中空で、円筒形を有し、また、約0.005インチ(約0.127ミリメートル)〜約0.0010インチ(約0.025.4ミリメートル)の径方向の厚さを有している。前述の要約された方法では、また好ましくは鍍金されたニッケルからなる第3の金属層608が、細長で、単体からなり、また、約0.0020インチ(0.0508ミリメートル)の径方向の厚さを有している。
【0111】
図23−2,24−2,29−2及び30−2に示されるその他の方法の要約を述べる。この方法は、金属(好ましくはニッケル)の円筒形スリーブを作製するステップに関したものである。
【0112】
一体式の光成形ディヒューザの面606をその内周に備えたシリコンラバー製のスリーブ402Aは、図23−2及び24−2に示されるように、中空のチューブ600内に、長手方向に沿って配置されている。チューブ600の内径は、実質的に、スリーブ402Aの外形と同じ寸法であり、その結果として、ラバー製のスリーブ402Aが、チューブ600内にぴったりと適合する。スリーブ402Aの径方向の厚さは、好ましくは1/10インチ(約2.54ミリメートル)である。
【0113】
次に、銀の「変換」用の被覆は、スリーブ402Aの内周面に適用され、好ましくは、一体式の光成形ディヒューザの面606を完全に覆う。
【0114】
その後、好ましくはニッケルからなる硬質の金属が「変換」用の被覆上に鍍金される。銀の「変換」用の被覆の径方向の厚さは、前述した通りである。鍍金されたニッケルの径方向の厚さは、また、上記の通りであり、最も好ましくは約5/1000インチ(約0.127ミリメートル)〜約7/1000インチ(約0.1778ミリメートル)である。
【0115】
最後に、図29−2及び30−2に示されるように、第3の金属層608が(前述した)ニッケル層上に鍍金される。第3の金属層608の径方向の厚さは、前述した通りである。また、ニッケル製のスリーブを作製するためのその後のステップも前述した通りである。
【0116】
ここに図示され記載されたものは、シートの長さ及び/又は幅に沿って、均一または変化する拡散特性を有する所望の長さ及び幅のシームレスの光成形ディヒューザのシートを作製するための円筒形のシームレス金属マスタである。また、1ピースの中空の反転可能なラバー製のマスタを作る方法、及び、従来のフォトレジストなどの感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすための装置並びにプロセスを含むシームレス金属ディヒューザの幾つかの態様が図示され記載される。本発明は、上記の本文及び添付の図面において記載されるが、これは、本発明がここに含まれる好適な実施の形態に限定されるという発明者の意図ではない。実際に、この発明の明細書を参照した後には、当業者は、本発明の更なる実施の形態を想像するであろう。これらの理由から、現行の発明者は、これらの発明が、添付した請求項を広く解釈することでもたらされる全ての他の実施の形態及びそれと同等のものによって保護されることを望む。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明のエラストマー系マスタ(master)を製作するために用いられる細長い円筒形の回転部材を有する機構を示す側面図である。
【図2】図1に示された回転部材の外周面に塗布される、従来のフォトレジスト等の市場で入手可能な硬化性をもつ液体感光媒体の効果的な量を塗布するための、1つの好適な方法を示す、時系列的な側面図である。
【図3】図に示される「塗布」ステップの終了後に、感光媒体が、回転部材の外周面上で、実質的にシームレスの均一な層とするような好適な方法を、部分的に断面でもって示す側面図である。
【図4】図1−3に示される細長い円筒部材の代用となる実施の形態の外周面へ、硬化性液体感光媒体のシームレス層を均一に塗布する、別の方法を示すための、部分的に断面でもって、また、部分的に概略的に示す側面図である。
【図5】感光媒体を硬化させるための装置の斜視図である。
【図6】硬化した感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすための、好適な装置及びプロセスを概略的に示す側面図である。
【図7】本発明のある原理を示すための,図6に関係した僅かに細長いスケールで概略的に示す他の図である。
【図8】本発明の概略的に前述した様相の1つに関係して用いられる好適なオブジェクティブデバイスの幾つかの好適な構成を示すための、図7に対して更に細長い詳細図である。
【図9】本発明の前述した様相とはまた別の構成である、図6及び7では縁部が示された素子の好適な開口構造を示す、図7に対して僅かに拡大されたスケールでの斜視図である。
【図10】図6の側面図に関係した平面図である。
【図11】図6の概略的な側面図に基づき、また、図7−9に示される構成の離間関係を選択式に変更することにより達成される、感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすための、前述した装置及びプロセスの特徴を説明することを目的として示される他の形態の平面図である。これらの特徴は、図6,10及び11に示されるような、硬化した感光媒体の露光(exposure)に関係する詳細を呈するものである。
【図12】外周面に硬化した露光済みの感光媒体を備えた円筒部材を受けるように寸法設定された中空容器を示し、また、中空容器に挿入された円筒部材を示す、部分的に断面で示された側面図である。
【図13】図12に示される「挿入」ステップに続くステップであって、(図1−3に示される)円筒部材が(図6,10及び11に示される)露光済みの感光媒体をその外周面上に有するように示される、露光済みの感光媒体を現像するための好適な方法を示す、部分的に断面で示された側面図である。
【図14】図12及び13に示される感光媒体の現像の完了時における、露光済みの感光媒体の外周面上に硬化性をもつエラストマー系液体を均一に塗布するための好適な方法を示す、部分的に断面で示された側面図である。
【図15】図14に示される方法であり、露光に引き続き現像された感光媒体上に、硬化性をもつエラストマー系材料を均一に塗布するための方法のその後の流れを示す、部分的に断面で示された側面図である。
【図16】現像した感光媒体の外周面上に硬化性をもつ液体のエラストマー系材料を均一に塗布する好適な方法が完了し、それにより、硬化性をもつエラストマー系材料の(実質的に均一な厚さを有する)細長い中空の円筒が作製された様子を示す側面図である。
【図17】図示されたエラストマー系材料が硬化した後に、既に硬化済みの(スリーブの外観を有する)エラストマー系部材を、エラストマー材料の硬化済みの中空シリンダを反転させることにより、現像済みの感光媒体から分離する好適な方法を示す側面図である。
【図18】(図14〜17に示される)エラストマー系部材を作製するための更なる実施の形態又は代わりの方法に関連して用いられる、更に他の実施の形態または代わりのデバイスの一構成部品であるベースの斜視図である。
【図19】図18のベース上に配置可能であるプレートの斜視図である。
【図20】(図18及び19の)ベース上に配置されるように示されたプレート上に配置された固体の円筒部材を示す、図18及び19に対してわずかに縮小された組立後の斜視図であり、ここでは、図示された固体の円筒部材が、外周面に一体的に形成されたシームレスの光成形のディヒューザの面パターンを有するマスタであり、それ自体、図6,10及び11に示される中空の円筒部材の別の実施の形態である。
【図21】図20の円筒部材を取り囲むように取り付けられた、中空の円筒の型枠部品を部分的に断面で示す組立後の斜視図である。
【図22】図21に示される取り付けられた円筒の型枠部品と図20に示されるそれに取り囲まれた固体の円筒部材との間にあるギャップ(つまり環状のスペース)を示す、図21にあらわされたアッセンブリの細分化された平面図である。
【図23】中空の円筒部材と、硬化及び反転後の、中空の円筒部材の外周面上における(図14−17に示された方法により作製された)エラストマー系マスタを示す断面による側面図であり、ここで、シームレスの光成形ディヒューザの面パターンは、図示されたエラストマー系部材/中空の円筒部材アッセンブリの外周面にあらわれる。
【図23A】(図14−17に示される方法により作製される)硬化済みのエラストマー系マスタの周囲面に一体的に成形された、エラストマー系スリーブ上に、光成形ディヒューザの面パターンに記録するために用いられる光にあらわれたスペックルを、大きな倍率で拡大して概略的に示す。ここでは、スペックルが、図7−9に示される可変のディヒューザの記録装置及び(その原理を含む)プロセスに関して、円筒レンズを用いることにより生成される。
【図23B】(図14−17に示される方法により作製される)硬化済みのエラストマー系マスタの周囲面に一体的に成形された、エラストマー系スリーブ上に、光成形ディヒューザの面パターンに記録するために用いられる光にあらわれたスペックルを、大きな倍率で拡大して概略的に示す。ここでは、スペックルが、図7−9に示される可変のディヒューザの記録装置及び(その原理を含む)プロセスに関して、楕円レンズを用いることにより生成される。
【図23−2】図23に示される他の実施の形態の側面図である。
【図24】(図23に示される)エラストマー系部材/中空の円筒部材アッセンブリの端部を示す図である。ここで、中空のシリンダは、その上の光成形ディヒューザの面パターン用の構造的サポートを提供するために、エラストマー径スリーブの長さ及び内径に関連した、所定の長さ寸法(図23)及び外径(図24)を有するチューブとして示される。
【図24−2】図24に示される他の実施の形態の端部を示す図である。
【図25】アッセンブリが複数層のチューブ状の構成体として示されるような、エラストマー径部材の外周面上における好適な材料の追加層を示す断面による側面図である。ここでは、光成形ディヒューザの面が、図示された構成体の層の間に挟まれている。
【図26】図25に示される複数層の構成体の端部を示す図である。
【図27】他の層の残りがそこから分離した後の、図25及び26に示される構成体の最外層を示す。ここでは、残ったチューブ状の層が、その内周面内にシームレスに形成されかつ一体的に形成された光成形ディヒューザの面を有している。
【図28】図27に示される残りのチューブ状の層の端部を示す図である。
【図29】図27及び28の残りのチューブ状の(すなわち中空の円筒形の)層を示し、その内周面に形成されるように示された追加の円筒形の層を含む断面による側面図である。
【図29−2】図29に示される他の実施の形態の側面図である。
【図30】図29に示される層状にされたチューブ状の構成体の端部を示す図である。
【図30−2】図30に示される他の実施の形態の端部を示す図である。
【図31】外周の層の分離後の、図29及び30に示される内周層を示す断面による側面図である。ここでは、示された中空の円筒部材は、その外周面内にシームレスに形成されかつ一体的に形成された光成形ディヒューザの面を有する。
【図32】図31に示される中空の円筒部材の端部を示す図である。
【図33】本発明についての好適な産業上の利用に関係して、従来の回転可能な部材上に取り付けられるように示された、図31及び32に示される細長い更なる形態の中空の円筒部材の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
幾つかの態様を有する本発明は、光成形ディヒューザ(拡散器)分野に関し、また、シームレスマスタ及びディヒューザフィルムのシーム複製(seam replication)とともに、その同様のもの、すなわち、区切り点又はマークのない連続した光成形被覆を作製する方法に関する。
【0002】
特に、本発明の第1の態様は、その上に一体の微細な面構造が形成された、中空の,円筒形の,シームレスの,反転可能な,エラストマー系のマスタに関し、また、それを作る方法を含んでいる。本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に関係して、可変のディヒューザを記録する装置およびその同様のものを製造するためのプロセスに関する。本発明の第3の態様は、本発明の他の2つの態様に関係して、その上に一体の微細な面構造が形成された、シームレスの,円筒形の金属マスタに関し、また、それを形成する方法を含んでいる。本発明の第4の態様は、最初の3つの態様を用いたシームレス(連続したフィルム)の作製に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
ディヒューザマスタは、それを通じて伝送される光に望ましく光学的に作用し得る膨大な種類の光成形ディヒューザを作製するのに用いられる。
【0004】
例えば米国カリフォルニア州トランスのフィジカル・オプティクス・コーポレーション(Physical Optics Coorporation)から市場で入手可能でありまた商標LSD(登録商標)のもとで広く販売されるホログラフィックの光成形ディヒューザは、高伝達効率,ビーム成形品質および光を均一にする能力をディヒューザに提供する「ホログラフィック式に記録される」ランダム化された面構造を含むディヒューザである。それらは「ホログラフィック式に記録される」と呼ばれるものの、好ましくは、1本のビームのみを用いて記録される。
【0005】
これに関して、引用することによりここに組み込まれる(POCに譲渡された)ジャンソン(Jannson)他に対する米国特許第5365354号は、一体的に形成された光成形ディヒューザの微細構造を有するディヒューザを開示する。ここで、ディヒューザは、市販のフォトレジストなどの市場で入手可能な感光媒体から製造され、また、ここでは、感光媒体が、そこに記録されたスペックルパターンを予め選択している。
【0006】
追加の光成形ディヒューザが、引用することによりここに組み込まれる米国特許第5534386号及び5609939号(共にピーターセンに対するもので、POCに譲渡された)に開示されている。ピーターセンの特許の両方にて教示される方法は、従来のフォトレジスト等の感光媒体における内部及び/又は面を作製し、複製するために用いられ得る。微細構造は、非常に有効な均一の、制御される様式で、光を拡散することができる。これに対して、従来の方法では、それが不可能である。
【0007】
ペリロウクス(Perilloux)等に対する米国特許第5151917号に示される従来方法によれば、微細構造が、サブ構造を備えたラミネートを形成するように開示されている。我々の用途においては、我々は、薄層からなる構造が複数の問題を有することを見い出した。例えば、かかる薄層からなる構成に関連する問題は、層の分離,(反射及び/又は屈折による)界面での伝送損失、又は、接合された光学層とそれらを接合するのに用いられるオプティカル・グレード・エポキシとの間の屈折率の差にりよりもたらされる問題、若しくは、エポキシにおける小さなエアバブルに関係する。
【0008】
好ましくは、微細構造は、光成形ディヒューザを作製するために、従来の感光材料における干渉光により一体的に形成される。更に、これに関して、また、分配角に依存して、かかる光成形ディヒューザは、365ナノメートル(「nm」)〜1600nmの間で、85%〜92%間の伝送効率を実現する。また、光成形ディヒューザ構造の低い後方散乱は、フレネル損失により浪費されることとなる光を用いて、反射防止をなしている。
【0009】
LSD(登録商標)のディヒューザがどのように動作するかについての根底の原理が、次のように要約される。LSD(登録商標)のディヒューザは、「ホログラフィック式に記録される」マスタから、典型的には1本のビームのみで複製される。完全にランダムでまた非周期的となる光成形及び拡散の構造としては、微細な小型レンズが考えられる。更に、LSD(登録商標)のディヒューザは、波長に依存せず、白色の,単色の,可干渉性の若しくは非干渉性の光に調和するであろう。
【0010】
ビーム成形品質は、LSD(登録商標)のディヒューザに、光を正確に形状づけまた分配する能力をもたせる。LSD(登録商標)のディヒューザは、約0.5°〜100°までの範囲にある円弧角を有する出力、及び/又は、約0.2°×5°〜110°×90°までの範囲にある楕円の出力を作製することができる。
【0011】
光を均一にする能力は、所謂「ホットスポット」の一様でない光分配パターンが、発光ダイオード(「LED」)の光源,フィラメントベース,アークベースの光源、及び、ファイバ光学のまたレーザ光の光源としての光源に付随する一般的な問題であることから、重要である。LSD(登録商標)のディヒューザは、液晶ディスプレイ(「LCD」)のバックライト,LEDディスプレイ,マシン・ビジョン(machine vision),自動車の照明,鑑賞用のスクリーン等の重要な用途において、均一な光伝送をもたらす一方、かかる光源からの光を著しく「滑らかにし」、また、均一化する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、光成形ディヒューザを製造するために用いられる従来のマスタは、全体として平面的で、有限サイズのものである。鑑賞用のスクリーンに用いる光成形ディヒューザを作製するための現行の製造工程によれば、マスタの縁部の境界が、重なる,隣接する若しくは互いに隣接して配置されることとなり、これにより、「シーム(seams)」と呼ばれる、それらが「シーム」部分を通じて光を伝送するためのディヒューザの能力に悪影響する「干渉」領域をもたらす所望でないディヒューザ内の連結した縁部境界パターンがもたらされる。また、主要部(mass)が、プラスチックの長い連続したシート上に作製され、収納に際して巻上げられると、シームは、ロールの中で他のディヒューザに対して圧力を付加し、結果的に、それらを駄目にする。更に、シームは、軍隊の訓練用の大きな高解像度ディスプレイ,エアフォースフライトシミュレータ,FAAリアルタイム交通制御ディスプレイ及び市販のディスプレイなどの多くの用途に受入れられない。
【0013】
最近の改良によって、ディヒューザにおける縁部境界「シーム」が非常に細い線に縮小されることとなった。それにもかかわらず、ディヒューザにおける非常に細い線でさえ、現行のワイドスクリーンの用途に用いられるべきディヒューザの能力に悪影響を及ぼす。ワイドスクリーンの幾つかは、世界中でよく知られる娯楽エリアにより企画されるような30フィート幅又は40フィート幅,約100フィート幅までの幅若しくはそれより大きな幅を有する。
【0014】
そのため、シームレスLSD(登録商標)ディヒューザを作製するために、シームレスマスタを作製し得ることが望ましい。実質的には制限されない長さであり、シームレスの光成形ディヒューザ面を有するディヒューザを作製し得ることが一層望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の概要)
我々は、ディヒューザ及びそれらに関連したディヒューザ−マスタの縁部境界である「干渉」パターンと関係する種々の問題を、簡単に言えばシームレスマスタ及びそれを作製する方法である本発明を用いて解決した。我々の発明は、簡単に要約すると、3つの態様を有している。
【0016】
好適な実施の形態の1つの態様は、円筒形を有し1ピースの構造からなりまたその外周面上に形成された一体のシームレスの光成形ディヒューザの面を有するシームレスマスタに関するものである。かかるシームレスマスタは、好ましくは中空であり、また、好ましくは鍍金されたニッケル等の硬質の金属で作られる。
【0017】
本発明の他の態様は、ある装置及びプロセスに関するものである。それにより、シームレスマスタは、その上にシームレスに一体成形される光成形ディヒューザの面を有する予め作られた中空の円筒形のシームレスのエラストマー系のサブマスタを採用して製造される。好適なエラストマーは、市場で入手可能なラバーである。シームレスの光成形及び拡散面は、中空のシームレスのエラストマー系マスタの周囲の面上に一体的に形成されている。我々の発明のこの特定の態様に関係して、その内周面に最初に一体的に形成されたシームレスの光成形ディヒューザの面を有する前述したエラストマー系マスタ(細長で「スリーブ」の外観を有する)は反転可能である。それにより、エラストマー系スリーブは、シームレスの一体的に形成された光成形ディヒューザの面をラバー製のスリーブの外周面上にもたらすべく、反転させられ得る。
【0018】
我々の発明の他の態様は、感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすための工程を採用する装置に関するものである。我々の発明の最後の態様は、プラスチックの基体上にシームレスのディヒューザフィルムを作製するために、ラバー製のスリーブ又はニッケル製のシリンダ、すなわち、ラバー製のスリーブの複製(replica)を採用することに関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(好適な実施の形態の説明)
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1−3には、市場で入手可能なフォトレジスト等の適切な硬化性をもつ液体の感光材料を、細長い回転可能な円筒部材に対して均一に塗布するための方法及び装置が示されている。装置と関連して、向かい合うアーム102,104が設置されるベース100が示される。装置は、更に、アーム102,104の間に設けられ、図1に示されるような、クランク108により、軸A−Aまわりに回動させられる細長い中空のチューブ106(つまり管状部材)を有している。
【0021】
好適な中空のチューブ106は、市場で入手可能な例えば標準的な窓ガラスの種類等の滑らかなガラスで作られる。他の形態の中空のチューブ106は、メラミン(melamine),ポリカーボネート(polycarbonate),ポリスチレン(polystyrene),ポリビニル塩化物(polyvinyl chloride)等の、適度に滑らかな市販のプラスチック、若しくは、ポリメタクリル酸メチル等の、適切な市販のアクリルプラスチックから製造されてもよい。
【0022】
中空のチューブ106(好ましくはガラス)に対して、フォトレジスト等の硬化性をもつ液体感光媒体110を塗布する好適な方法は、図2に示されるように、中空のガラスチューブ106の全長に沿って、手動で感光媒体110を浴びせ、その後、中空のチューブ106の全外側表面が、均一に塗布されたフォトレジストの層で被覆されるまで、クランク108を回転させる、というものである。かかる「塗布」は、好適には、塗布の間の(室温での)約40分の空気乾燥時間を伴い、3度実行される。結果として、塗布されたフォトレジストによる3つの分離した層が、均一に塗布された硬化性をもつ液体感光媒体110の最良の層となる。
【0023】
「3回の塗布」ステップの末に完成した感光媒体110は、約1ミクロンから約100ミクロンまでの範囲の半径方向の厚さを有している。好ましくは、感光媒体110は、約35ミクロンの半径方向の厚さを有している。
【0024】
図4には、他の細長い円筒部材106A,中空でないシリンダの外周表面に対して、均一に塗布される周囲の層として、硬化性をもつ液体感光媒体110を塗布するための別の装置及び方法が示される。
【0025】
図4は、フロア112に設置されたプラットフォーム114,ポンプ116及び駆動機構118を示している。円筒部材106Aは、軸B−Bまわりに回転可能に取り付けられた回転テーブル120上に設置されるように示される。
【0026】
軸B−Bまわりに回転テーブル120を回転式に駆動させるための、従来の動力伝達機構122は、駆動機構118と回転テーブル120との間に連結される。伝達機構122は、図4に示されるように、軸B−B軸まわりに円筒部材106Aを回転させるべく、駆動機構118からの動力を回転テーブル102へ伝達するために用いられる。
【0027】
更に、図4を参照すれば、導管126を介して、ポンプ116と流通するノズルが示されている。ノズル124は、好ましくは、円筒部材106Aの全長に沿って、硬化性をもつ感光媒体110等のありきたりな流体を提供するべく配置され、構成されている。この目的のために、タンク128に入れられた硬化性をもつ感光媒体110が、導管130を介して、ポンプ116に供給される。
【0028】
液体感光媒体110の硬化は、加熱乾燥(baking)により効果的に行われる。例えば、図5は、従来のオーブン132を示しており、その上に均一な感光媒体110の層を有する、中空でないシリンダ106A(不図示)又は細長い中空チューブ106(例えば図1−3参照)が、媒体110の硬化を所望に促進すべく、オーブン132に入れられる。感光媒体110の所望の硬化は、例えば100℃の高温で、約40分から2時間の間、媒体を加熱乾燥させることにより、効果的に行われる。より好ましくは、感光媒体110の硬化は、約90℃で約1時間から2時間半、媒体を加熱乾燥させることにより、効果的に行われる。更に好ましくは、感光媒体110の硬化は、約60℃で約1時間から3時間、媒体を加熱乾燥させることにより、効果的に行われる。
【0029】
種々のディヒューザ(diffuser)は、例えば光導体及び液晶ディスプレイと関係したありきたりな用途を有する。例えば、ラップトップタイプのコンピュータに用いられる液晶ディスプレイ(LCD)等のフラットパネルディスプレイは、一般的に、液晶をベースとするディスプレイパネルを照明するために、バックライティング(背面照明)システムを組み込んでいる。従来の背面照明システムの重要な必要条件は、全体として平面であるディスプレイパネルの全表面上で十分な強度の光が分配されるとともに、実質的に均一な光分配がもたらされることであった。これら2つの条件を実現するために、最先端の背面照明システムは、典型的に、光源からLCDパネルへの光エネルギーを結合する(couple)ために、システム内に1つ又はそれ以上の光導体を組み込むようにしている。従来の背面照明システムに関係して、所定基準を実現するために、出力面に向かって入射する光線を散乱させるために、例えば、1つ又はそれ以上の従来の光導体の1表面に沿って配置され得る1つ又はそれ以上の可変のディヒューザ素子を、システムに組み込むことが望ましい。出力面は、例えば、従来知られる方法で、最先端のLCDパネルに連結され、それにより、光線をLCDパネル内へまたそれを通じて結合することが可能である。かかる散乱背面照明システムは、LCDパネルのエッジから、スクリーンを横切ってまたユーザの方向において、光を均一に指向させ得る可変のディヒューザを組み込むことにより、散乱面における散乱媒体の分布を制御することによって光の分布を制御する能力を呈するのみならず、光分配角を制御する能力をもたらすものとなる。両能力により共に好ましい結果が得られる。
【0030】
続いて、図6−11には、簡単に前述した本発明の様相の1つとして、可変のディヒューザによる写真感光媒体への記録をもたらすための好適な方法及び装置の原理及び好適な構成が示されている。
【0031】
これに関して、より詳しくは、図6−11は、実質的にその長さ及び外周面に沿って、感光した写真感光媒体における異なる所定の光成形及び散乱ミクロ組織を作るために、硬化感光媒体をその長さ及び外周面に沿って感光させるべく、長手軸のまわりに円筒形部材を回転させる間に、写真感光媒体の硬化層を干渉光の光源へさらすための好適な方法,装置及び構成を示している。ここでは、感光した感光媒体が、その内部にスペックルパターン(speckle pattern)を記録するために現像され得る。
【0032】
好適な干渉光(又は放射)の光源は、従来知られるレーザである。これに関して、クリプトンレーザ(Krypton lasers)とともに、市場で入手可能な紫外線エキシマーレーザが用いられてもよい。
【0033】
まず、図6を参照すれば、図示された装置は、ベース200と、該ベース200から所定間隔隔てられた干渉光の光源202とを有することが分かる。好適な干渉光の光源は、レーザである。図示された装置は、細長い機構204を有するように示され、それ自体は、ベース200に固定され互いに相隔たるマウント部材206(図6には最前方の1つが示される)と、マウント部材206(図10には両方が示される)により回転式に支持されるクランク208と、を有するように特徴付けられている。ここでは、クランク208が、ベース200から隔てられそのベース200に対して平行に配置された軸C−Cまわりに回転可能である。また、マウント部材206は、干渉光の光源202に対して交差するチューブ106を回転式にもたらすように配置される。
【0034】
感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすための図示された装置を参照すると、機構204(図6,10及び11)上に回転式に取り付けられた中空の円筒部材106(例えば図1−3参照)は、その外周面上に感光材料の硬化した均一の層110Aを有するように示されている。
【0035】
図示された装置は、更に、ベース200の上方に隔てられた光学の対物デバイス214を有するように示されている。対物デバイス214は、干渉光の光源202と中空の円筒部材106との間に、図6,7,10及び11に示される物理的な関係(詳細については後述するが)をなすべく配置されている。
【0036】
図8を簡単に参照すれば、好適な光学の対物デバイス214が示されている。それらは、典型的には、20X〜60Xの拡大レンズ216,球面レンズ218,円筒レンズ220,楕円レンズ222,その組合せを有するように特徴付けられてもよい。それらは、各々、干渉光の断面領域に対して、拡大の構成,円筒形の細長い構成,楕円形の細長い構成,及び、その組合せをそれぞれもたらすものである。
【0037】
図6,10及び11を参照して、図示される装置は、予め選択された不規則なスペクトルパターンを散乱させ、光源202からの干渉光に対して分配するために、ベース200上に配置され対物デバイス214と円筒部材106との間に位置決めされるディヒューザマスク224を有する。その後、パターンは、円筒部材106の外周面上で、硬化したフォトレジスト層110Aを曝す。
【0038】
当業者により理解され得るように、光学の対物デバイス214を通過する干渉光は、選択された対物デバイス214内のインクルージョン(inclusion:包含)のために選択される正確な構成の組合せにより、所望に拡大された若しくは縮小された、及び/又は、円筒形となるように作用された、及び/又は、楕円形となるように作用された、断面領域を有することもできる。
【0039】
しかしながら、特定のディヒューザが、かかる結果を実現するように設計され得ることは、当業者によって広くは知られていない。例えば、特定のディヒューザを介して、かかる結果を実現するには、光透過型のマスク224が、米国特許5365354号(ジャンソン(Jannson)他)及び米国特許5534386号並びに5609939号(ピーターセン(Petersen)他)に開示されているように、好ましくは、所望の予め選択されたスペックルパターンを、感光媒体に記録するために使用される光に分配し得るホログラフィック・ディヒューザ(holographic diffuser)である。なお、上記米国特許は、全て、米国カリフォルニア州トランスのフィジカル・オプティクス・コーポレーションに譲渡されたものであり、それらは、引用することによりここに組み込まれる。これらの特許を簡単に要約すれば、我々の同僚が、ディヒューザを記録するために用いられる予め選択された不規則なスペックルパターンが、複製時に、ディヒューザが、該ディヒューザを通過している出力光の形状を好ましく変更することを可能とすることを発見した。擦りガラス又は他の適切な光透過マスク224が用いられてもよい。
【0040】
図6には、図示された装置が、予め選択された寸法の開口228(図9)を規定する遮断部材226を有するように示されている。遮断部材226は、ベース200により支持され、ディヒューザマスク224と円筒部材106との間で、露光済みであるが未現像であるように、中空の円筒部材106の外周面上における感光媒体の硬化層110Bの予め選択された部分(周囲のバンド230として図10に示される)の露光を所望にまた選択的にもたらすべく使用されるように配置され、その向きを定められている。
【0041】
図9を参照すれば、好適な遮蔽部材226は、全体としては、平らな形状及び構造を有するもので、図6,7,10及び11から分かるように、干渉光の経路にほぼ直交するよう方向付けられている。
【0042】
更に図9を参照すれば、開口228は、円筒部材106のサイズに依存せず、比較的シャープな縁部を備えつつ、約3〜10インチ(約76.2〜762ミリメートル)の範囲にある幅(“W”)及び約3〜5インチ(約76.2〜127ミリメートル)の高さ、好ましくは約4インチ(約101.6ミリメートル)の高さを有する、全体として矩形をなすように示されている。
【0043】
感光材料における可変のディヒューザの記録をもたらすための図示された装置に関して、図6,7,10及び11に示されるような第1の長さ(“L1”)の寸法が、光学的な対物デバイス214とディヒューザ224との間で、干渉光が通過する間隔として規定される。
【0044】
第2の長さ(“L2”)の寸法は、ディヒューザマスク224と、円筒部材106の外周面上における感光材料の既に露光済みの層110B(図7)との間で、干渉光が通過する間隔として規定される。
【0045】
第3の長さ(“L3”)の寸法は、円筒部材106上の感光媒体の露光済みの層110B(図7)と、開口付きの遮蔽部材226(図9)との間で、干渉光が通過する間隔として規定される。
【0046】
図示された装置の標準的な動作の間には、第1,第2及び第3の長さ(“L1”−“L3”)の寸法のいずれか1つが、感光媒体110Aにおける可変のディヒューザの記録をもたらすために、上記長さ(“L1”−“L3”)の他のいずれか1つに対して変更可能であり、選択された基準に準じて制御可能に変更されるようになっている。
【0047】
動作に際し、機構204の回転軸C−Cまわりの中空の円筒部材106の回転により、円筒部材106の外周面上における感光媒体の未露光の層110Aが、第1に光学的な対物デバイス214を、次にディヒューザマスク224を、最後に遮蔽部材226の開口228を通過する(光源202からの)干渉光に対して露光させられ、結果的に、チューブ106上における感光材料110Bの一部が露光させられる。
【0048】
前述したことから、感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすプロセスは、次のように要約されてもよい。
【0049】
かかるプロセスは、マウント部材206上に回転式に取り付けられ長手軸C−Cに沿って配置される細長い円筒部材106に、円筒部材106の外周面上に配置される感光媒体の硬化した未露光の層110Aをもたせるステップを含むものとして特徴付けられる。
【0050】
上記プロセスは、更に、干渉光の光源202により生成される干渉光ビームを硬化した未露光の感光媒体110Aへ指向させ、干渉光ビームの光源と未露光の感光媒体110Aとの間で、干渉光ビーム中に光学の対物デバイス214を差し込むステップを有するようになっている。
【0051】
上記プロセスは、更に、光学の対物デバイス214と未露光の感光媒体110Aとの間で、干渉光ビーム中に光学的に光を透過するディヒューザマスク224を差し込み、また、光学的に光を透過するディヒューザマスク224と未露光の感光媒体110Aとの間で、干渉光ビーム中に、予め選択された寸法の開口228を規定する遮蔽部材226を別個に差し込むステップを有する。
【0052】
上記プロセスは、また、更に、ディヒューザマスク224と光学の対物デバイス214との間で、又は、ディヒューザマスク224と未露光の感光媒体の層110Aとの間で、及び/又は、遮蔽部材226と未露光の感光媒体の層110Aとの間で、硬化した未露光の感光媒体の層110Aの可変の露光をもたらすために、間隔(“L1”及び/又は“L2”及び/又は“L3”)を次に変更するステップを有するようになっている。
【0053】
かかるプロセスは、更に、長手軸C−Cまわりに予め選択された角度“アルファ”α(図6に示される)を通じて、クランク208又はモータ(不図示)によって円筒部材106を回転させ、結果として、予め設定された期間だけ、干渉光に対して、狭いバンド230(図10)又は広いバンド230A(図11)の範囲内で、既に露光済みの感光媒体110Bにとっていずれでも適切である広いバンド230又は狭いバンド230Aを露光させる目的で、未露光の感光媒体110Aの層のアーチ形の部分を露光させるステップを有する。
【0054】
上記プロセスは、更に、干渉光がある間に、予め選択された角度で円筒部材106を回転させ続け、それによって、図示された円筒部材106上の未露光の感光媒体110Aの狭いバンド230(図10)の全周の境界又は広いバンド230A(図11)の全周の境界を露光させる。
【0055】
図10を参照すれば、周囲のバンド230は、円筒部材106上で360°で回転させられた露光済みの感光媒体110Bの長い外周面の長手部分として規定される。類似した露光済みの感光媒体110Bの長い外周面が、比較的広い周囲のバンド230Aとして図11に示される。したがって、プロセスは、光源に関係して、円筒部材106を、予め設定された長手方向若しくは横方向の間隔(図10及び11に示される)だけ移動させ、感光媒体110Aの未露光の層の全外周面が露光されるまで、前述した手順を繰り返す。
【0056】
要約すると、可変のディヒューザは、(1)チューブ106上の未露光の感光媒体110Aの所望の一部を提供すべく、軸C−C(図10及び11)まわりに管状部材106を部分的に回転させ、(2)対物デバイス214用に適切なレンズ216,218,220及び/又は222を選択し、(3)所望の“W”及び“H”の寸法を呈する開口228(図9)を選択し、(4)関係する適切な間隔L1,L2及びL3、並びに、マスク224(図7)を選択し、(5)結果として、露光済みの感光媒体110Bにおける所望のスペックルパターンを実現するように、干渉光の光源202に電力を供給することにより作られる。その後、未露光の感光媒体110Aを備えたチューブ106は、望ましくは、入射光ビームに対して横方向に(図10及び11)移動させられ、そして、チューブ106上での露光済みの感光媒体110Bにおける長手方向での可変のディヒューザの特性(properties)を達成するように、ステップ(2)−(5)が繰り返される。その代わりとして、ステップ(1)−(5)が、チューブ106上での露光済みの感光媒体110Bにおける周方向での可変のディヒューザの特性(properties)を達成するように繰り返されてもよい。本発明の原理に従って、所望には、狭い周囲のバンド230(図10)又は広い周囲のバンド230A(図11)若しくは狭い周囲のバンド230及び広い周囲のバンド230Aの組合せからなる可変のディヒューザ、および、複製時に異なる光出力特性をもたらす種々の光成形用及び散乱用の微細構造で記録されている各々が、チューブ106等の単一の管状部材上に作られてもよい。感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすための、図示されたまた前述した装置及びプロセスの追加の原理は、次のテーブルにあらわされたデータから、そのデータについての以下の説明と合わせて認められる。
【0057】
【表1】
【0058】
テーブルの最後の列には、最終のマスタの出力の角度、すなわち、最終のマスタにより出力される成形された光の錐の角度がリストに挙げられている。最初の2つの枠にて記載される1つの角度は円形の出力光に対応し、他方、2つの角度を有するテーブルの枠は、楕円形の出力の大きい方及び小さい方の角度に対応する。また、2つの角度が記載されている場合には、第1の角度が、露光ステップの間に、チューブ106の長さに沿って配置された角度であり、他方、第2の角度は、未露光の感光材料110Aの周囲に沿ってアーチ形に配置された角度である。かかる楕円の出力は、テーブルの第1の列に記載された対物レンズ(objective)の楕円性、及び/又は、テーブルに開示される中間マスタ(mid-master)の楕円性の存在に由来する。楕円形の出力を有する中間マスタは、図23A及び23Bに示されるような楕円形のスペックルを有する記録光に対してさらされることにより、楕円形のLSD(登録商標)のディヒューザとして記録されるそれ自体であった。
【0059】
全体として、L2は、小さな角度に関して比較的大きく、大きな角度に関して比較的小さい。テーブル中に記載された種々のパラメータは、所望には、チューブ106の外周面に沿って、アーチ形に配置される若しくは長手方向に配置される露光済みの感光材料110B(例えば図6−11参照)の一部又はそれ以上の部分における光成形ディヒューザパターンを生成すべく変更されてもよい。最後に、我々は、有利にも、感光材料の露光が、ここで記載及び開示されるように、隣接したマスタの部分が異なる記録セットアップで記録されていても、真にシームレスのディヒューザマスタを作製するように、縁部の余白において共に翼部がある露光をもたらすことを発見した。
【0060】
我々の発明のこの態様によれば、現像後(例えば図23及び13参照)のチューブ106上における露光済みの感光材料110Bは、1つのかかる真にシームレスのディヒューザマスタであり、露光済みのまた現像済みの感光材料110Cは、詳細には後述するように、付加的なシームレスマスタを作製するために用いられる。
【0061】
次の例は、我々が、テーブルにおけるデータを生成するのに用いた工程及び装置(当業者にはよく知られるもの)を開示し、記載する。
【0062】
(例:ビームの配置及びマウンティング(mounting))
必要な場合、ピンホールフィルタ上に置かれた適切な対物レンズ(標準的には20X〜60X)をセットする。適切なテーブル上で、中間マスタディヒューザホルダを所定位置に置く。ここでは、中間マスタディヒューザをしっかりと固定する。好適な散乱角によって、適切な中間マスタをホルダ上に置く。最終マスタ及びそれに関連するマスタを所定位置に置く。ここでは、ホルダをしっかりと固定する(例えば接着剤で接合する)。テーブルに示されるように、大きな比率の楕円形のディヒューザマスタに関してセットアップする場合には、3〜9インチ(約76.2〜228.6ミリメートル)の広さで、「ソフトな」エッジのフォーカスをなすように、対物レンズに続き、円筒レンズをセットする。中間マスタの中央に対してスリットビームを指向させる。それた光が最終マスタ上に位置するのを防止するために、全ての遮蔽部材を配置する。最後に、約30μミリワットを読む出すべく、最終マスタへの干渉光を調整する。
【0063】
以上で、例に関連した記述を終了する。露光済みで未現像の感光媒体110Bが現像済みの感光媒体110Cへどのように変換されるかについての以下の記載には、図12及び13が参照される。
【0064】
既に露光済みの感光材料110Bの現像は、感光媒体110Bの露光済みの層をその外周面に備えた円筒部材106を受けて保持するのに十分な長さ及び内部の寸法を有する適切な中空の容器300(図12)を選択することにより始まる。
【0065】
次に、チューブ106が容器300内に配置される。その後、市場で入手可能な現像液312が、容器300に、好ましくは、図13に示されるように、容器300と円筒部材106との間における環状のスペース内に注入される。
【0066】
続いて、図13に示されるように、露光済みの感光材料110Bの現像が、その露光済みの感光媒体110Bを、約30秒から1分の間、効果的な分量の、好ましくは10%の水を含んだ、市場で入手可能な溶液312に触れさせることにより行われる。
【0067】
その代わりに、図4に示されたものと同様のセットアップが、露光済みの感光媒体を現像するために用いられてもよい。例えば、露光済みの感光材料は、それらの上に現像液を噴霧されてもよく、また、必要であれば、その結果としてこぼれた現像液が、現像液を回収する(また再利用する)ために、所定の構造体(不図示)に回収されてもよい。
【0068】
いずれにせよ、現像ステップが完了すれば、予め選択された不規則な微細構造により特徴付けられる光成形ディヒューザの面が、円筒部材106の全長及び外周面に沿って、現像済みの感光媒体に定着される。光成形ディヒューザの面は、微視的なスケールで、図6−11に示される前述したディヒューザ記録装置の細長い選択的な種々の素子及び/又は構成である。更に、この開示を読んだ後に当業者により理解されるように、機能的に等しい機構を備えた1つ又はそれ以上の図示された構成の代わりが、光成形ディヒューザの面の微細構造の所望の向き、例えば、円筒部材106の長手軸に垂直な若しくは平行な向きをもたらすこととなる。
【0069】
我々は、また、1つの実施の形態(図10)の露光済みの狭い円筒バンド230若しくは他の実施の形態(図11)の露光済みの広い円筒バンド230Aのオーバーラップによりもたらされるとされる縁部の余白におけるオーバーラップの効果によって、かかるオーバーラップの領域に沿った継目(seams)が存在しないように、むしろ、実質的に円筒部材106の全長及び外周面に沿った、連続的でシームレスな光成形及び散乱面が生成されることになることを発見した。
【0070】
硬化性をもつエラストマー系液体400を円筒部材106に塗布するための好適な方法を説明するために、図14−17が参照される。ここで、円筒部材106は、実質的に、円筒部材106の全長及び外周面に沿って定着させられた光成形ディヒューザの面を備えている。また、ここで、光成形ディヒューザの面は、円筒部材106上の現像済みの感光媒体110Cによりもたらされる。
【0071】
硬化性をもつエラストマー系液体400は、例えば、図14及び15に示されるように、垂直に配置された市場で入手可能な円筒部材106上に、市場で入手可能な硬化性をもつ液体エラストマー系材料を注ぐことにより、適切な円筒部材106上の現像済みの感光材料110Cの長さ及び外周面に沿って塗布される。
【0072】
十分な量の硬化性をもつエラストマー系液体400が、管状部材106の全長及び外周面を覆うために、管状部材(図15)上へ注がれ、これにより、図16に示されるように、中空の円筒形のエラストマー系部材又はスリーブ402が作製される。次に、チューブ106を覆う未硬化のエラストマー系部材又はスリーブ402が硬化させられ、これにより、硬化した中空の円筒形のエラストマー系部材又はスリーブ402A(図17)が作製される。この部材又はスリーブ402Aは容易に反転されることが可能であり、円筒部材(つまりチューブ)106から分離され得る。
【0073】
好ましくは、反転可能で中空の円筒形のエラストマー系部材402Aは、約1/16インチ(約1.59ミリメートル)〜約1/8インチ(約3.18ミリメートル)の径方向の厚みを有している。硬化したエラストマー系部材402Aは、硬化前には、円筒部材106上における感光媒体に記録された光成形ディヒューザの面の微細構造と密に接しているため、結果として、硬化したエラストマー系部材402Aは、未硬化のエラストマー系部材402(図16)が円筒部材106の表面における微細構造と密に接する全周囲面に沿って、その面内に、シームレスの光成形ディヒューザの面を一体的に形成する。まず、微細構造は、未硬化のエラストマー系部材402の内周面にある。硬化後に、また、反転時に(例えば図17参照)、微細構造及び光成形ディヒューザの面は、硬化したエラストマー系部材402Aの外周面にあらわれる。
【0074】
図17をまた参照しつつ、当業者が本開示事項を読んだ後に理解するプロセスにより、シームレスのディヒューザを作製するために、この時点で、硬化したエラストマー系部材402Aが用いられ得ることに注目せよ。しかしながら、我々は、詳細には後述するように、より一層耐久性のあるシームレスマスタを作製するために、エラストマー系部材402Aを用いることを選ぶ。
【0075】
図示された未硬化のエラストマー系部材402(図16)を硬化させるために、我々は、約24時間の間、上記のように注入されたエラストマー系材料を、室温にさらすことを選ぶ。ここで規定するように、「室温」は、華氏77度(摂氏25度)を意味するものとする。
【0076】
前述した硬化した中空の円筒形のエラストマー系部材を作製するための別の方法を説明するに際して、図18−22を参照する。
【0077】
図18−22の図示された要素及び構成を用いる別の方法が、以下のように記載される。
【0078】
本発明の原理に従って作られ、その全長及び外周面に一体的に形成されたシームレスの光成形ディヒューザの面を有する、好ましくはガラスの固体の円筒形部材106Bは、ベース502(図18−20)の上に配置されるプレート500上に置かれる。図示されたベース502及びプレート500は、互いに略円形すなわち円盤状をなし、図20に示されるように、円筒部材106Bと組み合せられた場合に同心軸上に配置されるように寸法付けられ、構成されている。
【0079】
固体の円筒部材106Bを取り囲むように寸法付けられた円筒形の型部分504,506が、図21に示されるように、プレート上に配置され、互いに組み合せられる。組み合せられた型部分504及び506の軸長さ、及び、組合せ時の内径は、図22に示されるように、組み合せられた型部分504,506と円筒部材106Bとの間に、間隙508が生じるように、固体の円筒部材106Bに関係して寸法付けられる。
【0080】
次に、前述した硬化性のあるエラストマー系液体400(図14及び15)が、前述した細長い円筒形のエラストマー系部材の他の実施の形態を、間隙508内に作るために、前述したように間隙508内に注入され、硬化させられる。好ましくは、細長い中空の円筒形のエラストマー系部材(前述した)の別の実施の形態(不図示)は、同様に、反転可能であり、また、約1/16インチから1/8インチの系方向の厚さを有するものである。前述したように、1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタを作る上記方法は、ここでは要約される。
【0081】
上記方法は、一連のステップを有している。第1のステップは、効果的な量の液体の感光媒体を、円筒部材の外周面に塗布することとする。円筒部材は、好ましくは、長手軸を規定する細長のものである。円筒部材は、更に、その長手軸まわりに回転可能である。
【0082】
追加のステップは、実質的に円筒部材の全長及び外周面に沿って、実質的に均一な径方向の寸法を有する実質的にシームレスの硬化可能な感光媒体の層を形成するために、その上に硬化可能な感光媒体を備えた円筒部材を上記長手軸まわりに回転させることとする。
【0083】
続いて、感光媒体の層が、細長い円筒部材上で硬化させられる。
【0084】
上記方法の更なるステップは、実質的に全長及び外周面に沿って、(円筒部材に塗布された)感光媒体の硬化した層を、中間マスタのディヒューザを通過しそれによりスペックルを付する干渉光の光源にさらし、また、その後、干渉光における特定のスペックルに従った不規則な方法で、実質的にその全長及び外周面に沿って感光媒体を露光させるべく、長手軸まわりに円筒部材を回転可能である。ここで、露光済みの感光媒体が現像可能である。
【0085】
次に、媒体における物理的な微細構造として、感光媒体の不規則に露光させられた領域を定着させるために、露光済みの感光媒体が、実質的に円筒部材上での感光媒体の全長及び外周面に沿って、露光させられる。
【0086】
上記方法は、更に、感光材料における現像済みの微細構造と密に接する所定の径方向の寸法をもつ細長い中空の円筒形のエラストマー系部材を作製するために、実質的に現像済みの感光材料の全長及び外周面に沿って、効果的な量の硬化可能なエラストマー系液体を塗布し、その後、エラストマー系液体を硬化させるステップを有しており、それにより、エラストマー系部材において、エラストマー系部材が上記微細構造と密に接するシームレスの光成形及び拡散の面が作製される。ここで、中空の円筒形のエラストマー系部材は反転可能である。
【0087】
続いて、反転可能な中空の円筒形のエラストマー系部材は、スペックルパターンがそこに記録された現像済みの感光材料から分離させられる。反転可能な中空の円筒形のエラストマー系部材は、実質的にその全長及び内周面に沿って、シームレスの光成形ディヒューザの面を一体的に有している。
【0088】
方法の更なるステップは、実質的に中空の円筒形のエラストマー系部材の全長及び外周面に沿って、シームレスの光成形ディヒューザの面をもたらすために、中空の円筒形のエラストマー系部材を反転させることを有し、それにより、要望どおりに、それ自体でシームレスのディヒューザ又はより耐久性のあるシームレスマスタを作製するために用いられ得る中空の円筒形のエラストマー系マスタが作製される。
【0089】
その外周面にて一体の光成形及び光拡散の面を有する前述した中空の円筒形のエラストマー系部材(又はスリーブ)は、好ましくは、市場で入手可能なシリコンラバーで作られる。
【0090】
前述したように、シリコンラバースリーブ402Aは、好ましくは、複数の細長い一体の微細構造404A(図23A)又は404B(図23B)の形をとる一体の光成形及び光拡散の面を有しており、それらは、好ましくは、本願の可変のディヒューザ装置及び方法(図6−11)の態様に関係して前述された、円筒レンズのような素子(図23A)又は楕円レンズのような素子(図23B)を含むように特別に選択された光学的な対物デバイス214(図7及び8)の使用から形成される。
【0091】
本発明の別の態様の1つである1ピースの中空の円筒形のシームレスの金属マスタを作製する好適な方法を説明するために、図23−32が参照される。以下の方法は、ここに記載される原理に関して説明される。簡単に言えば、1ピースの中空の円筒形のシームレスの金属マスタは、その外周面にて、一体の光成形及び光拡散の面を有している。
【0092】
好ましくは市場で入手可能なアクリル材料からなり、約6インチ(約152.4ミリメートル)の外径を有する中空のチューブ600が、その外周面(図23及び24)に取り付けられる、好ましくは1/8インチ(約3.18ミリメートル)の径方向の厚さをもつ、反転されたシリコンラバー製のスリーブ402Aを有している。シリコンラバー製のスリーブ402Aは、その全長及び外周面と一体的なシームレスの光成形ディヒューザの面を有している。
【0093】
チューブ600及びラバー製のスリーブ402Aは、実質的に同じ長さをもつように相対的に寸法付けられている。更に、スリーブ402Aの内径は、エラストマー系スリーブ402Aの内径が僅かな張力下にあり、その結果、成形後に反転させられるので(例えば図14−17参照)、スリーブ402Aの外周面が、実質的にチューブ600の全外周面に沿って、僅かに大きい張力下にあるように、チューブ600の外径に関係して寸法付けられる。それにより、スリーブ402Aは、回転可能に支持される場合に、チューブ600に関係して長手方向に移動しない。
【0094】
前述した1ピースの中空の円筒形のシームレスの金属マスタを作製するための方法は、第1の金属からなる効果的な量の被覆602を備えたエラストマー系材料の外周面に密に接することを含んでいる。被覆602は、エラストマー系のスリーブ402Aを「変換する」ために、実質的にスリーブ402Aの長さ及び外周面に沿って、スリーブ402Aの光成形ディヒューザの面に塗布される。これは、適切な硬質の金属が塗布され得るようにするためのものである。好適な「変換」用被覆は、銀である。ここに記載したような銀の被覆を適用することに加えて、当業者によく知られる他の適切な金属からなる「変換」用被覆が、蒸着などの当業者に知られる他の適切な方法により適用されてもよい。
【0095】
「変換」用被覆の目的は、適切な硬質の金属が、シリコンラバー製のスリーブ402Aの光成形ディヒューザの面部分に、続いて適用されることを可能とすることである。他の適切な「変換」用金属は、蒸着により、若しくは、前述した「変換」用被覆上に鍍金することにより、シリコンラバー製のスリーブ402Aの光成形ディヒューザ上に塗布されてもよい。
【0096】
「変換」用被覆の層602(図25に示される)は、好ましくは銀であり、約1〜約40Å(オングストローム)の厚さを有し、また、好ましくは、1〜9Åの径方向の厚さを有するように、微視的なレベルで径方向に寸法付けられている。
【0097】
第1の金属被覆602は、中空の円筒形のエラストマー系材料の層402Aの外周面上にある光成形ディヒューザの面と密に接する内周面とともに、外周面を有している。更に、第1の金属被覆602は、中空の円筒形のエラストマー系材料の層402Aの外周面に関係して、所定の量であり、また、径方向に寸法付けられている。その結果、光成形ディヒューザの面は、実質的に複写可能に、スリーブ402Aの外周面から「変換」用(第1金属)被覆602へ転写される。
【0098】
前述した、また、種々(特にワイドスクリーン)の適用についてのシームレスディヒューザを作るために用いられる、前述した1ピースの中空の円筒形のシームレスの金属マスタを作製するための方法は、更に、「変換」用(すなわち第1の金属)被覆を、好ましくは不動態化可能である第2の金属層604と密に接触させることを含んでいる。第2の金属層604は、第1の金属被覆602の外周面と密に接触する内周面とともに、外周面を有しており、その結果、光成形ディヒューザの面は、図27及び28に示されるように、円筒部材600及び中空の円筒形のエラストマー系材料の層402Aが第2の金属層604から分離された後に、実質的に複写可能に、第1の金属被覆(すなわち変換用被覆602A)の外周面から不動態化可能である第2の中間層604の内周面へ転写される。
【0099】
説明のために、光成形ディヒューザの面606は、金属層604の全長(図27)及び内周面(図28)に沿って示されている。光成形ディヒューザの面606(図27及び28に示される)は、具体例としての不動態化可能である金属層604の内周面と一体である。
【0100】
適切な硬質の金属を「変換」用の被覆602上に利用する好適な方法は、適切な硬質の、不動態化可能である金属を鍍金することである。前述したように、当業者は、適切な硬質の金属被覆を適切な「変換」用の被覆上に利用するために、蒸着などの他の適切な技術を採用することを選択することもできる。
【0101】
前述した1ピースの中空の円筒形のシームレス金属マスタを作製する方法は、第2の金属層の内周の光成形ディヒューザの面部分を不動態化し、その後、第2の金属層の内周の光成形ディヒューザの面部分を、図29及び30に示されるように、第3の金属層608と密に接触させるステップを含んでいる。
【0102】
第3の金属層608は円筒形を有し、内周面を規定し、第2の金属層604の内周面と密に接触する、光成形のディヒューザが接触する外周面を有している。光成形ディヒューザの面は、図31及び32に示されるように、第2の金属層604の分離後に、実質的に複写可能に、第2の金属層604の内周面から円筒形の第3の金属層608の外周面へ、径方向に転写される。結果として、その全長(図31)及び外周面に沿ってシームレスに一体的に形成された光成形ディヒューザの面606を有する中空の円筒形の金属のシム(shim)608が得られる。
【0103】
更に、当業者に理解され得るように、前述した方法は、図33に示されるように、所望の幅及び長さのシームレスディヒューザを作製するための、市場で入手可能な装置610に回転可能に取り付けられる長さ及び内側寸法を有する他の実施の形態の金属シム608Aを作製するために繰り返され得る。
【0104】
本発明のこの特定の態様を説明するために、1ピースの円筒形のシームレスの金属マスタを形成するための前述した方法が要約される。
【0105】
上記方法は、外周面を規定し外周面上に一体の光成形ディヒューザの面606(図23及び24)を有するエラストマー系材料からなる単一の中空の円筒層402Aを、円筒素子600の外周面部分に径方向に取り付けるステップを含んでいる。光成形ディヒューザの面は、複数の予め選択されたスペックルパターン404A(図23A)又は404B(図23B)、及び、予め選択された径方向の寸法とともに、予め選択された横方向に配置された若しくは長手方向に配置された向き及び寸法を有する結果的な関連のある幾何学的形状(例えば図23A及び23B)を規定する。
【0106】
この方法は、更に、単一のエラストマー系材料の層402Aの外周面を、第1金属(図25及び26)の効果的な量の「変換」用被覆602に密に接触させるステップを有している。ここでは、第1の金属(すなわち「変換」)被覆602が、外周面と、中空の円筒形のエラストマー系材料の層402Aの外周面と密に接する内周面とを規定する。ここでは、更に、第1の金属被覆602が所定の量にあり、また、中空の円筒形のエラストマー系材料の層402Aの外周面に対して、径方向に寸法付けられており、光成形ディヒューザの面が、第1の金属被覆602を径方向に介して、中空の円筒形のエラストマー系の層402Aの外周面から第1の金属被覆602の外周面へ、実質的に複写可能に転写されるようになっている。
【0107】
上記方法は、更に、第1の金属被覆602及び外周面を、第2の金属の層604に密に接触させるステップを有する。ここで、第2の金属は、好ましくは不動態化可能であり、また、第2の金属層604は、外周面と、円筒形の素子600及び中空の円筒径のエラストマー系材料の層402A(例えば図25及び26参照)が第2の金属層604(例えば図27及び28参照)から分離された後に、光成形ディヒューザの面が、第1の金属被覆602の外周面から、不動態化可能である第2の金属層604の内周面へ、実質的に複写可能に、径方向に転写させられる第1の金属被覆602の外周面と密に接する内周面とを規定する。
【0108】
上記方法は、第2の金属層604を不動態化する前に、円筒素子600及び中空の円筒形のエラストマー系材料の層402Aを、第2の金属層604(例えば図25及び26参照)から分離するステップを含んでいる。ここでは、(図27及び28に示されるように)光成形ディヒューザの面606が、第1金属被覆602の外周面から、不動態化された第2の金属層604の内周面へ、実質的に複写可能に、径方向に転写される。
【0109】
上記方法は、更に、第2の金属層604の内周の光成形ディヒューザの面部分606を不動態化し、その後、第2の金属層604の内周の光成形ディヒューザの面部分606を、第3の金属の層608と密に接触させるステップを含んでいる。ここで、第3の金属層608は円筒形を有し、内周面と、光成形ディヒューザの面606(例えば図29及び30参照)が、第2の金属層604(例えば図31及び32参照)の分離後に、第2の金属層604の内周面から、円筒形の第3の金属層608の外周面へ、実質的に複写可能に(reproducibly)、径方向に転写可能である(transferable)第2の金属層604の内周面と密に接する内周面とを規定する。
【0110】
上記方法は、更に、不動態化される第2の金属層604を円筒形の第3の金属層608から分離するステップを含んでいる。この場合には、光成形ディヒューザの面606が、実質的に複写可能に、第2の金属層604の内周面から、円筒形の第3の金属層の外周面へ径方向に転写される。前述の要約された方法では、第1の金属被覆602が、好ましくは銀であり、第2の金属層604が、好ましくは鍍金されたニッケルである。説明される鍍金されたニッケル層604は、更に、好ましくは、細長で、単体からなり、中空で、円筒形を有し、また、約0.005インチ(約0.127ミリメートル)〜約0.0010インチ(約0.025.4ミリメートル)の径方向の厚さを有している。前述の要約された方法では、また好ましくは鍍金されたニッケルからなる第3の金属層608が、細長で、単体からなり、また、約0.0020インチ(0.0508ミリメートル)の径方向の厚さを有している。
【0111】
図23−2,24−2,29−2及び30−2に示されるその他の方法の要約を述べる。この方法は、金属(好ましくはニッケル)の円筒形スリーブを作製するステップに関したものである。
【0112】
一体式の光成形ディヒューザの面606をその内周に備えたシリコンラバー製のスリーブ402Aは、図23−2及び24−2に示されるように、中空のチューブ600内に、長手方向に沿って配置されている。チューブ600の内径は、実質的に、スリーブ402Aの外形と同じ寸法であり、その結果として、ラバー製のスリーブ402Aが、チューブ600内にぴったりと適合する。スリーブ402Aの径方向の厚さは、好ましくは1/10インチ(約2.54ミリメートル)である。
【0113】
次に、銀の「変換」用の被覆は、スリーブ402Aの内周面に適用され、好ましくは、一体式の光成形ディヒューザの面606を完全に覆う。
【0114】
その後、好ましくはニッケルからなる硬質の金属が「変換」用の被覆上に鍍金される。銀の「変換」用の被覆の径方向の厚さは、前述した通りである。鍍金されたニッケルの径方向の厚さは、また、上記の通りであり、最も好ましくは約5/1000インチ(約0.127ミリメートル)〜約7/1000インチ(約0.1778ミリメートル)である。
【0115】
最後に、図29−2及び30−2に示されるように、第3の金属層608が(前述した)ニッケル層上に鍍金される。第3の金属層608の径方向の厚さは、前述した通りである。また、ニッケル製のスリーブを作製するためのその後のステップも前述した通りである。
【0116】
ここに図示され記載されたものは、シートの長さ及び/又は幅に沿って、均一または変化する拡散特性を有する所望の長さ及び幅のシームレスの光成形ディヒューザのシートを作製するための円筒形のシームレス金属マスタである。また、1ピースの中空の反転可能なラバー製のマスタを作る方法、及び、従来のフォトレジストなどの感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすための装置並びにプロセスを含むシームレス金属ディヒューザの幾つかの態様が図示され記載される。本発明は、上記の本文及び添付の図面において記載されるが、これは、本発明がここに含まれる好適な実施の形態に限定されるという発明者の意図ではない。実際に、この発明の明細書を参照した後には、当業者は、本発明の更なる実施の形態を想像するであろう。これらの理由から、現行の発明者は、これらの発明が、添付した請求項を広く解釈することでもたらされる全ての他の実施の形態及びそれと同等のものによって保護されることを望む。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明のエラストマー系マスタ(master)を製作するために用いられる細長い円筒形の回転部材を有する機構を示す側面図である。
【図2】図1に示された回転部材の外周面に塗布される、従来のフォトレジスト等の市場で入手可能な硬化性をもつ液体感光媒体の効果的な量を塗布するための、1つの好適な方法を示す、時系列的な側面図である。
【図3】図に示される「塗布」ステップの終了後に、感光媒体が、回転部材の外周面上で、実質的にシームレスの均一な層とするような好適な方法を、部分的に断面でもって示す側面図である。
【図4】図1−3に示される細長い円筒部材の代用となる実施の形態の外周面へ、硬化性液体感光媒体のシームレス層を均一に塗布する、別の方法を示すための、部分的に断面でもって、また、部分的に概略的に示す側面図である。
【図5】感光媒体を硬化させるための装置の斜視図である。
【図6】硬化した感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすための、好適な装置及びプロセスを概略的に示す側面図である。
【図7】本発明のある原理を示すための,図6に関係した僅かに細長いスケールで概略的に示す他の図である。
【図8】本発明の概略的に前述した様相の1つに関係して用いられる好適なオブジェクティブデバイスの幾つかの好適な構成を示すための、図7に対して更に細長い詳細図である。
【図9】本発明の前述した様相とはまた別の構成である、図6及び7では縁部が示された素子の好適な開口構造を示す、図7に対して僅かに拡大されたスケールでの斜視図である。
【図10】図6の側面図に関係した平面図である。
【図11】図6の概略的な側面図に基づき、また、図7−9に示される構成の離間関係を選択式に変更することにより達成される、感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすための、前述した装置及びプロセスの特徴を説明することを目的として示される他の形態の平面図である。これらの特徴は、図6,10及び11に示されるような、硬化した感光媒体の露光(exposure)に関係する詳細を呈するものである。
【図12】外周面に硬化した露光済みの感光媒体を備えた円筒部材を受けるように寸法設定された中空容器を示し、また、中空容器に挿入された円筒部材を示す、部分的に断面で示された側面図である。
【図13】図12に示される「挿入」ステップに続くステップであって、(図1−3に示される)円筒部材が(図6,10及び11に示される)露光済みの感光媒体をその外周面上に有するように示される、露光済みの感光媒体を現像するための好適な方法を示す、部分的に断面で示された側面図である。
【図14】図12及び13に示される感光媒体の現像の完了時における、露光済みの感光媒体の外周面上に硬化性をもつエラストマー系液体を均一に塗布するための好適な方法を示す、部分的に断面で示された側面図である。
【図15】図14に示される方法であり、露光に引き続き現像された感光媒体上に、硬化性をもつエラストマー系材料を均一に塗布するための方法のその後の流れを示す、部分的に断面で示された側面図である。
【図16】現像した感光媒体の外周面上に硬化性をもつ液体のエラストマー系材料を均一に塗布する好適な方法が完了し、それにより、硬化性をもつエラストマー系材料の(実質的に均一な厚さを有する)細長い中空の円筒が作製された様子を示す側面図である。
【図17】図示されたエラストマー系材料が硬化した後に、既に硬化済みの(スリーブの外観を有する)エラストマー系部材を、エラストマー材料の硬化済みの中空シリンダを反転させることにより、現像済みの感光媒体から分離する好適な方法を示す側面図である。
【図18】(図14〜17に示される)エラストマー系部材を作製するための更なる実施の形態又は代わりの方法に関連して用いられる、更に他の実施の形態または代わりのデバイスの一構成部品であるベースの斜視図である。
【図19】図18のベース上に配置可能であるプレートの斜視図である。
【図20】(図18及び19の)ベース上に配置されるように示されたプレート上に配置された固体の円筒部材を示す、図18及び19に対してわずかに縮小された組立後の斜視図であり、ここでは、図示された固体の円筒部材が、外周面に一体的に形成されたシームレスの光成形のディヒューザの面パターンを有するマスタであり、それ自体、図6,10及び11に示される中空の円筒部材の別の実施の形態である。
【図21】図20の円筒部材を取り囲むように取り付けられた、中空の円筒の型枠部品を部分的に断面で示す組立後の斜視図である。
【図22】図21に示される取り付けられた円筒の型枠部品と図20に示されるそれに取り囲まれた固体の円筒部材との間にあるギャップ(つまり環状のスペース)を示す、図21にあらわされたアッセンブリの細分化された平面図である。
【図23】中空の円筒部材と、硬化及び反転後の、中空の円筒部材の外周面上における(図14−17に示された方法により作製された)エラストマー系マスタを示す断面による側面図であり、ここで、シームレスの光成形ディヒューザの面パターンは、図示されたエラストマー系部材/中空の円筒部材アッセンブリの外周面にあらわれる。
【図23A】(図14−17に示される方法により作製される)硬化済みのエラストマー系マスタの周囲面に一体的に成形された、エラストマー系スリーブ上に、光成形ディヒューザの面パターンに記録するために用いられる光にあらわれたスペックルを、大きな倍率で拡大して概略的に示す。ここでは、スペックルが、図7−9に示される可変のディヒューザの記録装置及び(その原理を含む)プロセスに関して、円筒レンズを用いることにより生成される。
【図23B】(図14−17に示される方法により作製される)硬化済みのエラストマー系マスタの周囲面に一体的に成形された、エラストマー系スリーブ上に、光成形ディヒューザの面パターンに記録するために用いられる光にあらわれたスペックルを、大きな倍率で拡大して概略的に示す。ここでは、スペックルが、図7−9に示される可変のディヒューザの記録装置及び(その原理を含む)プロセスに関して、楕円レンズを用いることにより生成される。
【図23−2】図23に示される他の実施の形態の側面図である。
【図24】(図23に示される)エラストマー系部材/中空の円筒部材アッセンブリの端部を示す図である。ここで、中空のシリンダは、その上の光成形ディヒューザの面パターン用の構造的サポートを提供するために、エラストマー径スリーブの長さ及び内径に関連した、所定の長さ寸法(図23)及び外径(図24)を有するチューブとして示される。
【図24−2】図24に示される他の実施の形態の端部を示す図である。
【図25】アッセンブリが複数層のチューブ状の構成体として示されるような、エラストマー径部材の外周面上における好適な材料の追加層を示す断面による側面図である。ここでは、光成形ディヒューザの面が、図示された構成体の層の間に挟まれている。
【図26】図25に示される複数層の構成体の端部を示す図である。
【図27】他の層の残りがそこから分離した後の、図25及び26に示される構成体の最外層を示す。ここでは、残ったチューブ状の層が、その内周面内にシームレスに形成されかつ一体的に形成された光成形ディヒューザの面を有している。
【図28】図27に示される残りのチューブ状の層の端部を示す図である。
【図29】図27及び28の残りのチューブ状の(すなわち中空の円筒形の)層を示し、その内周面に形成されるように示された追加の円筒形の層を含む断面による側面図である。
【図29−2】図29に示される他の実施の形態の側面図である。
【図30】図29に示される層状にされたチューブ状の構成体の端部を示す図である。
【図30−2】図30に示される他の実施の形態の端部を示す図である。
【図31】外周の層の分離後の、図29及び30に示される内周層を示す断面による側面図である。ここでは、示された中空の円筒部材は、その外周面内にシームレスに形成されかつ一体的に形成された光成形ディヒューザの面を有する。
【図32】図31に示される中空の円筒部材の端部を示す図である。
【図33】本発明についての好適な産業上の利用に関係して、従来の回転可能な部材上に取り付けられるように示された、図31及び32に示される細長い更なる形態の中空の円筒部材の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの方法により形成される1ピースの円筒形のシームレスマスタであって、該方法が、
(1)外周面を規定し該外周面において一体的な光成形ディヒューザの面を有するエラストマー系材料の単一の中空の円筒形の層を、円筒形の素子の外周面上に径方向に取り付け(ここでは、光成形ディヒューザの面は、所定のスペックルパターン、及び、結果的に横方向に配置され且つ長手方向に配置された所定の径方向の寸法を有する所定の幾何学形状を規定する)、
(2)単一のエラストマー系材料の層の外周面を、効果的な量の第1の金属被覆と密に接触させ(ここでは、第1の金属被覆が、外周面と、中空の円筒形のエラストマー系材料の層の外周面と密に接触する内周面とを規定し、また、ここでは、第1の金属被覆が、光成形ディヒューザの面が、実質的に複製可能に、中空の円筒形のエラストマー系材料の層の外周面から上記第1の金属被覆の外周面へ転写されるように、中空の円筒形のエラストマー系材料の層の外周面に関係して、所定量にありまた径方向に寸法付けられる)、
(3)上記第1の金属被覆の外周面を、第2の金属の層と接触させ(ここで、第2の金属は不動態化可能であり、また、ここでは、第2の金属層は、外周面と、光成形ディヒューザの面が、実質的に複写可能に、第1の金属被覆の外周面から不動態化可能な第2の金属層の内周面へ径方向に転写されるように、第1の金属被覆の外周面に密に接する内周面とを規定する)、
(4)上記第2の金属層から、上記円筒形の素子及び中空の円筒形のエラストマー系材料の層を分離させ(ここでは、光成形ディヒューザの面が、実質的に複製可能に、第1の金属被覆の外周面から不動態化可能な第2の金属層の内周面へ径方向に転写される)、
(5)上記第2の金属層の内周の光成形ディヒューザの面を不動態化し、
(6)上記第2の金属層の内周の光成形ディヒューザの面を、第3の金属の層と密に接触させ(ここでは、第3の金属層が円筒形であり、また、内周面と、上記第2の金属層の内周の光成形ディヒューザの面が、実質的に複製可能に、円筒形の第3の金属層の外周面に径方向に転写され得るように、上記第2の金属層の内周の光成形ディヒューザの面と密に接する外周面とを有する)、
(7)不動態化された第2の金属層を、円筒形の第3の金属層から分離させる(上記第2の金属層の光成形ディヒューザの面が、実質的に複製可能に、上記第2の金属層の内周面から上記円筒形の第3の金属層の外周面へ径方向に転写される)、ステップを有していることを特徴とする1ピースの円筒形のシームレスマスタ。
【請求項2】
上記エラストマー系材料の単一の中空の円筒形の層が、約1/16インチ(約1.59ミリメートル)〜約1/8インチ(約3.18ミリメートル)の径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項1記載のシームレスマスタ。
【請求項3】
上記第1の金属被覆が銀であることを特徴とする請求項2記載のシームレスマスタ。
【請求項4】
上記第2の金属層が、鍍金されたニッケルであることを特徴とする請求項1記載のシームレスマスタ。
【請求項5】
上記鍍金されたニッケルの層が、単一で、長手方向に細長く、中空で、また、円筒形であり、約5/1000インチ(約0.127ミリメートル)〜約10/1000インチ(0.254ミリメートル)の径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項4記載のシームレスマスタ。
【請求項6】
上記第3の金属層が、鍍金されたニッケルであることを特徴とする請求項1記載のシームレスマスタ。
【請求項7】
上記鍍金されたニッケルが、単一で、長手方向に細長く、また、約0.020インチ(約0.508ミリメートル)の径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項6記載のシームレスマスタ。
【請求項8】
感光媒体に可変のディヒューザの記録をもたらすための装置であって、
ベースと、
上記ベースから隔てられた干渉光の光源と、
上記ベース上に設置され、該ベースから隔てられた回転軸を規定する細長い機構と、
上記機構上に回転可能に設けられた円筒部材と、
上記円筒部材の外周面上における感光媒体の層と(上記ベースに関係してまた干渉光がある場合に、上記機構の回転軸まわりにおける円筒部材の回転は、円筒部材の外周面上における感光媒体の層を露光させるためのものである)、
上記干渉光の断面領域に作用するための、上記ベースから隔てられ、また、干渉光の光源及び円筒部材の中間に位置決めされた光学的な対物デバイスと、
所定のスペックルパターンを、干渉光の査証させられた断面領域へ拡散し分け与えるための、上記ベースに支持され、光学的な対物デバイス及び円筒部材の中間に位置決めされた、光学的に透過性をもつディヒューザと、
所定の寸法の開口を規定する遮蔽部材と(ここでは、該遮蔽部材が、上記ベースにより支持され、円筒部材の外周面上での感光媒体の層の所定部分の露光をもたらすべく用いられるように、上記ディヒューザ及び円筒部材の中間にて方向付けられている)、を有していることを特徴とする装置。
【請求項9】
第1の長さが、上記光学的な対物デバイスとディヒューザとの間で干渉光が走る間隔として規定され、
第2の長さが、上記ディヒューザと円筒部材の外周面上における感光媒体の層との間で干渉光が走る間隔として規定され、
第3の長さが、上記円筒部材上における感光媒体の層と遮蔽部材との間で干渉光が走る間隔として規定されており、
上記第1,第2及び第3の長さのいずれか1つが、感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすために、他の長さのいずれかに対して変更されることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】
上記光学的な対物デバイスが、干渉光の断面領域に対して、拡大構成,円筒式に細長い構成,楕円式に細長い構成、及び、その組合せの少なくとも1つをもたらすべく、それぞれ、拡大レンズ,球面レンズ,円筒レンズ,楕円レンズおよびその組合せの少なくとも1つを有することを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項11】
上記光学的に光透過性をもつディヒューザが、ホログラフィックディヒューザであることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項12】
上記遮蔽部材が、ほぼ平面構造を有するもので、干渉光の経路にほぼ直交するように方向付けられ、また、その開口は、ほぼ矩形状であり、約3インチ〜約10インチ(約76.2〜254ミリメートル)の範囲にある幅と、約4インチ(約101.6ミリメートル)の高さとを有していることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項13】
感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすためのプロセスであって、
長手軸を規定し該長手軸まわりに回転可能である細長い円筒部材を設け(ここでは、上記円筒部材が、その外周面上に感光媒体の層を有する)、
上記感光媒体に向かって干渉光の光源により生成される干渉光ビームを指向させ、
上記干渉光ビームと感光媒体との間に光学的な対物デバイスを介在させ、
上記光学的な対物デバイスと感光媒体との間に光学的に光透過性をもつディヒューザを介在させ、
上記光学的に光透過性をもつディヒューザと感光媒体との間に干渉光ビームにおける所定の寸法の開口を規定する遮蔽部材を介在させ、
感光媒体の層の可変の露光をもたらすために、上記ディヒューザと光学的な対物デバイスとの間、又は、上記ディヒューザと感光媒体の層との間、若しくは、遮蔽部材と感光媒体の層との間の間隔を変更する、ステップを有していることを特徴とするプロセス。
【請求項14】
更に、上記円筒部材を、その長手軸まわりに所定の角度だけ回転させ、
感光媒体の一部を露光させるべく、該感光媒体の層の一部を所定時間だけ干渉光ビームにさらし、
上記円筒部材上の感光媒体の周囲のバンドを露光させるために、干渉光ビームのなかで上記所定の角度だけ該円筒部材を回転させ続け(ここでは、上記周囲のバンドが、上記円筒部材における感光媒体の外周面の周囲の一部分として規定される)、
上記光源及び円筒部材のうちの一方を他方に対して横方向に所定の間隔だけ移動させ、
感光媒体の層の外周面が完全に露光されるまで、上記ステップを繰り返す、ステップを有していることを特徴とする請求項13記載のプロセス。
【請求項15】
上記光学的な対物デバイスが、干渉光の断面領域に対して、拡大構成,円筒式に細長い構成,楕円式に細長い構成、及び、その組合せの少なくとも1つをもたらすべく、それぞれ、拡大レンズ,球面レンズ,円筒レンズ,楕円レンズおよびその組合せの少なくとも1つを有しており、
更に、感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすために、上記移動ステップを完了させた後、感光媒体を完全に露光する前に、上記光学的な対物デバイスの構成を変更するステップを有していることを特徴とする請求項14記載のプロセス。
【請求項16】
1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタを作製する方法であって、
(1)長手軸を規定しそのまわりに回転可能な細長い円筒部材の外周面に対して、効果的な量の液体の硬化可能な感光媒体を塗布し、そして、実質的に均一な径方向の寸法の硬化可能な感光媒体のシームレス層を、実質的にその長さ及び外周面に沿って形成するために、上記長手軸まわりに円筒部材を回転させ、
(2)上記細長い円筒部材上における感光媒体の層を硬化させ、
(3)感光媒体を露光させ、露光済みの感光媒体において、実質的に円筒部材上における感光媒体の長さ及び外周面に沿って、不規則に、所定のスペックルパターンを生成するために、それに分け与えられる所定のスペックルを有する干渉光の光源へ、実質的にその長さ及び外周面に沿って、硬化した感光媒体の層をさらし、そして、その長手軸まわりに円筒部材を回転させ(ここでは、露光済みの感光媒体が引き続き現像され得る)、
(4)感光媒体の不規則に露光した領域を、媒体における物理的な微細構造として定着させるために、上記露光済みの感光媒体を現像し、
(5)感光材料に記録されたスペックルパターンと密に接する所定の径方向の寸法の細長い中空の円筒形のエラストマー系部材を作製するために、現像済みの感光材料の長さ及び外周面に沿って、効果的な量の硬化可能なエラストマー系液体を塗布し、そして、該エラストマー系液体を硬化させ、それにより、エラストマー系部材において、エラストマー系部材がスペックルパターンと密に接するシームレスの光成形ディヒューザを作製し(ここで中空の円筒形のエラストマー系部材は反転可能である)、
(6)それに記録されたスペックルパターンを有する現像済みの感光材料から、反転可能な中空の円筒形のエラストマー系部材を分離させ(ここで、反転可能な中空の円筒形のエラストマー系部材は、実質的にその長さ及び内周面に沿って、シームレスの光成形ディヒューザの面を有する)、
(7)実質的にその長さ及び外周面に沿って、シームレスの光成形ディヒューザの面をもたらすために、中空の円筒形のエラストマー系部材を反転させ、それにより、中空の円筒形のエラストマー系マスタを作製する、ステップを有していることを特徴とする方法。
【請求項17】
上記感光媒体は、約1ミクロン〜約100ミクロンの径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
上記感光媒体は、約35ミクロンの径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項19】
上記感光媒体の硬化が、約40分〜約2時間の間、高温にて、上記媒体を焼成することにより実行されることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項20】
上記感光媒体の硬化が、約1時間〜約2時間の間、約摂氏90度にて、上記媒体を焼成することにより実行されることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項21】
上記感光媒体の硬化が、約1時間の間、約摂氏65度にて、上記媒体を焼成することにより実行されることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項22】
上記露光済みの感光媒体が、約30秒〜約1分までの時間で、10重量%の効果的な量の現像液に、上記媒体を接触させることにより現像されることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項23】
上記エラストマー系の液体が、約24時間の間、室温に上記エラストマー系の液体をさらすことにより硬化させられることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項24】
上記中空の円筒形のエラストマー系部材が、約1/16インチ(約1.59ミリメートル)〜約1/8インチ(約3.18ミリメートル)の径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項25】
ある方法により作られる1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタであって、該方法が、
(1)長手軸を規定しそのまわりに回転可能な細長い円筒部材の外周面に対して、効果的な量の液体の硬化可能な感光媒体を塗布し、そして、実質的に均一な径方向の寸法の硬化可能な感光媒体のシームレス層を、実質的にその長さ及び外周面に沿って形成するために、上記長手軸まわりに円筒部材を回転させ、
(2)上記細長い円筒部材上における感光媒体の層を硬化させ、
(3)感光媒体を露光させ、露光済みの感光媒体において、実質的に円筒部材上における感光媒体の長さ及び外周面に沿って、不規則に、所定のスペックルパターンを生成するために、それに分け与えられる所定のスペックルを有する干渉光の光源へ、実質的にその長さ及び外周面に沿って、硬化した感光媒体の層をさらし、そして、その長手軸まわりに円筒部材を回転させ(ここでは、露光済みの感光媒体が引き続き現像され得る)、
(4)感光媒体の不規則に露光した領域を、媒体における物理的な微細構造として定着させるために、上記露光済みの感光媒体を現像し、
(5)感光材料に記録されたスペックルパターンと密に接する所定の径方向の寸法の細長い中空の円筒形のエラストマー系部材を作製するために、現像済みの感光材料の長さ及び外周面に沿って、効果的な量の硬化可能なエラストマー系液体を塗布し、そして、該エラストマー系液体を硬化させ、それにより、エラストマー系部材において、エラストマー系部材がスペックルパターンと密に接するシームレスの光成形ディヒューザを作製し(ここで中空の円筒形のエラストマー系部材は反転可能である)、
(6)それに記録されたスペックルパターンを有する現像済みの感光材料から、反転可能な中空の円筒形のエラストマー系部材を分離させ(ここで、反転可能な中空の円筒形のエラストマー系部材は、実質的にその長さ及び内周面に沿って、シームレスの光成形ディヒューザの面を有する)、
(7)実質的にその長さ及び外周面に沿って、シームレスの光成形ディヒューザの面をもたらすために、中空の円筒形のエラストマー系部材を反転させ、それにより、中空の円筒形のエラストマー系マスタを作製する、ステップを有していることを特徴とする1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項26】
上記感光媒体が、約1ミクロン〜約100ミクロンの径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項25記載の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項27】
上記感光媒体が、約35ミクロンの径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項25記載の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項28】
上記感光媒体の硬化が、約40分〜約2時間の間、高温にて、上記媒体を焼成することにより実行されることを特徴とする請求項25記載の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項29】
上記感光媒体の硬化が、約1時間〜約2時間の間、約摂氏90度にて、上記媒体を焼成することにより実行されることを特徴とする請求項25記載の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項30】
上記感光媒体の硬化が、約1時間の間、約摂氏65度にて、上記媒体を焼成することにより実行されることを特徴とする請求項25の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項31】
上記露光済みの感光媒体が、約30秒〜約1分までの時間で、10重量%の効果的な量の現像液に、上記媒体を接触させることにより現像されることを特徴とする請求項25記載の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項32】
上記エラストマー系液体が、約24時間の間、室温に該エラストマー系液体をさらすことにより硬化されることを特徴とする請求項25記載の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項33】
上記中空の円筒形のエラストマー系部材が、約1/16インチ(約1.59ミリメートル)〜約1/8インチ(約3.18ミリメートル)の径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項25記載の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項1】
1つの方法により形成される1ピースの円筒形のシームレスマスタであって、該方法が、
(1)外周面を規定し該外周面において一体的な光成形ディヒューザの面を有するエラストマー系材料の単一の中空の円筒形の層を、円筒形の素子の外周面上に径方向に取り付け(ここでは、光成形ディヒューザの面は、所定のスペックルパターン、及び、結果的に横方向に配置され且つ長手方向に配置された所定の径方向の寸法を有する所定の幾何学形状を規定する)、
(2)単一のエラストマー系材料の層の外周面を、効果的な量の第1の金属被覆と密に接触させ(ここでは、第1の金属被覆が、外周面と、中空の円筒形のエラストマー系材料の層の外周面と密に接触する内周面とを規定し、また、ここでは、第1の金属被覆が、光成形ディヒューザの面が、実質的に複製可能に、中空の円筒形のエラストマー系材料の層の外周面から上記第1の金属被覆の外周面へ転写されるように、中空の円筒形のエラストマー系材料の層の外周面に関係して、所定量にありまた径方向に寸法付けられる)、
(3)上記第1の金属被覆の外周面を、第2の金属の層と接触させ(ここで、第2の金属は不動態化可能であり、また、ここでは、第2の金属層は、外周面と、光成形ディヒューザの面が、実質的に複写可能に、第1の金属被覆の外周面から不動態化可能な第2の金属層の内周面へ径方向に転写されるように、第1の金属被覆の外周面に密に接する内周面とを規定する)、
(4)上記第2の金属層から、上記円筒形の素子及び中空の円筒形のエラストマー系材料の層を分離させ(ここでは、光成形ディヒューザの面が、実質的に複製可能に、第1の金属被覆の外周面から不動態化可能な第2の金属層の内周面へ径方向に転写される)、
(5)上記第2の金属層の内周の光成形ディヒューザの面を不動態化し、
(6)上記第2の金属層の内周の光成形ディヒューザの面を、第3の金属の層と密に接触させ(ここでは、第3の金属層が円筒形であり、また、内周面と、上記第2の金属層の内周の光成形ディヒューザの面が、実質的に複製可能に、円筒形の第3の金属層の外周面に径方向に転写され得るように、上記第2の金属層の内周の光成形ディヒューザの面と密に接する外周面とを有する)、
(7)不動態化された第2の金属層を、円筒形の第3の金属層から分離させる(上記第2の金属層の光成形ディヒューザの面が、実質的に複製可能に、上記第2の金属層の内周面から上記円筒形の第3の金属層の外周面へ径方向に転写される)、ステップを有していることを特徴とする1ピースの円筒形のシームレスマスタ。
【請求項2】
上記エラストマー系材料の単一の中空の円筒形の層が、約1/16インチ(約1.59ミリメートル)〜約1/8インチ(約3.18ミリメートル)の径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項1記載のシームレスマスタ。
【請求項3】
上記第1の金属被覆が銀であることを特徴とする請求項2記載のシームレスマスタ。
【請求項4】
上記第2の金属層が、鍍金されたニッケルであることを特徴とする請求項1記載のシームレスマスタ。
【請求項5】
上記鍍金されたニッケルの層が、単一で、長手方向に細長く、中空で、また、円筒形であり、約5/1000インチ(約0.127ミリメートル)〜約10/1000インチ(0.254ミリメートル)の径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項4記載のシームレスマスタ。
【請求項6】
上記第3の金属層が、鍍金されたニッケルであることを特徴とする請求項1記載のシームレスマスタ。
【請求項7】
上記鍍金されたニッケルが、単一で、長手方向に細長く、また、約0.020インチ(約0.508ミリメートル)の径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項6記載のシームレスマスタ。
【請求項8】
感光媒体に可変のディヒューザの記録をもたらすための装置であって、
ベースと、
上記ベースから隔てられた干渉光の光源と、
上記ベース上に設置され、該ベースから隔てられた回転軸を規定する細長い機構と、
上記機構上に回転可能に設けられた円筒部材と、
上記円筒部材の外周面上における感光媒体の層と(上記ベースに関係してまた干渉光がある場合に、上記機構の回転軸まわりにおける円筒部材の回転は、円筒部材の外周面上における感光媒体の層を露光させるためのものである)、
上記干渉光の断面領域に作用するための、上記ベースから隔てられ、また、干渉光の光源及び円筒部材の中間に位置決めされた光学的な対物デバイスと、
所定のスペックルパターンを、干渉光の査証させられた断面領域へ拡散し分け与えるための、上記ベースに支持され、光学的な対物デバイス及び円筒部材の中間に位置決めされた、光学的に透過性をもつディヒューザと、
所定の寸法の開口を規定する遮蔽部材と(ここでは、該遮蔽部材が、上記ベースにより支持され、円筒部材の外周面上での感光媒体の層の所定部分の露光をもたらすべく用いられるように、上記ディヒューザ及び円筒部材の中間にて方向付けられている)、を有していることを特徴とする装置。
【請求項9】
第1の長さが、上記光学的な対物デバイスとディヒューザとの間で干渉光が走る間隔として規定され、
第2の長さが、上記ディヒューザと円筒部材の外周面上における感光媒体の層との間で干渉光が走る間隔として規定され、
第3の長さが、上記円筒部材上における感光媒体の層と遮蔽部材との間で干渉光が走る間隔として規定されており、
上記第1,第2及び第3の長さのいずれか1つが、感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすために、他の長さのいずれかに対して変更されることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】
上記光学的な対物デバイスが、干渉光の断面領域に対して、拡大構成,円筒式に細長い構成,楕円式に細長い構成、及び、その組合せの少なくとも1つをもたらすべく、それぞれ、拡大レンズ,球面レンズ,円筒レンズ,楕円レンズおよびその組合せの少なくとも1つを有することを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項11】
上記光学的に光透過性をもつディヒューザが、ホログラフィックディヒューザであることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項12】
上記遮蔽部材が、ほぼ平面構造を有するもので、干渉光の経路にほぼ直交するように方向付けられ、また、その開口は、ほぼ矩形状であり、約3インチ〜約10インチ(約76.2〜254ミリメートル)の範囲にある幅と、約4インチ(約101.6ミリメートル)の高さとを有していることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項13】
感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすためのプロセスであって、
長手軸を規定し該長手軸まわりに回転可能である細長い円筒部材を設け(ここでは、上記円筒部材が、その外周面上に感光媒体の層を有する)、
上記感光媒体に向かって干渉光の光源により生成される干渉光ビームを指向させ、
上記干渉光ビームと感光媒体との間に光学的な対物デバイスを介在させ、
上記光学的な対物デバイスと感光媒体との間に光学的に光透過性をもつディヒューザを介在させ、
上記光学的に光透過性をもつディヒューザと感光媒体との間に干渉光ビームにおける所定の寸法の開口を規定する遮蔽部材を介在させ、
感光媒体の層の可変の露光をもたらすために、上記ディヒューザと光学的な対物デバイスとの間、又は、上記ディヒューザと感光媒体の層との間、若しくは、遮蔽部材と感光媒体の層との間の間隔を変更する、ステップを有していることを特徴とするプロセス。
【請求項14】
更に、上記円筒部材を、その長手軸まわりに所定の角度だけ回転させ、
感光媒体の一部を露光させるべく、該感光媒体の層の一部を所定時間だけ干渉光ビームにさらし、
上記円筒部材上の感光媒体の周囲のバンドを露光させるために、干渉光ビームのなかで上記所定の角度だけ該円筒部材を回転させ続け(ここでは、上記周囲のバンドが、上記円筒部材における感光媒体の外周面の周囲の一部分として規定される)、
上記光源及び円筒部材のうちの一方を他方に対して横方向に所定の間隔だけ移動させ、
感光媒体の層の外周面が完全に露光されるまで、上記ステップを繰り返す、ステップを有していることを特徴とする請求項13記載のプロセス。
【請求項15】
上記光学的な対物デバイスが、干渉光の断面領域に対して、拡大構成,円筒式に細長い構成,楕円式に細長い構成、及び、その組合せの少なくとも1つをもたらすべく、それぞれ、拡大レンズ,球面レンズ,円筒レンズ,楕円レンズおよびその組合せの少なくとも1つを有しており、
更に、感光媒体における可変のディヒューザの記録をもたらすために、上記移動ステップを完了させた後、感光媒体を完全に露光する前に、上記光学的な対物デバイスの構成を変更するステップを有していることを特徴とする請求項14記載のプロセス。
【請求項16】
1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタを作製する方法であって、
(1)長手軸を規定しそのまわりに回転可能な細長い円筒部材の外周面に対して、効果的な量の液体の硬化可能な感光媒体を塗布し、そして、実質的に均一な径方向の寸法の硬化可能な感光媒体のシームレス層を、実質的にその長さ及び外周面に沿って形成するために、上記長手軸まわりに円筒部材を回転させ、
(2)上記細長い円筒部材上における感光媒体の層を硬化させ、
(3)感光媒体を露光させ、露光済みの感光媒体において、実質的に円筒部材上における感光媒体の長さ及び外周面に沿って、不規則に、所定のスペックルパターンを生成するために、それに分け与えられる所定のスペックルを有する干渉光の光源へ、実質的にその長さ及び外周面に沿って、硬化した感光媒体の層をさらし、そして、その長手軸まわりに円筒部材を回転させ(ここでは、露光済みの感光媒体が引き続き現像され得る)、
(4)感光媒体の不規則に露光した領域を、媒体における物理的な微細構造として定着させるために、上記露光済みの感光媒体を現像し、
(5)感光材料に記録されたスペックルパターンと密に接する所定の径方向の寸法の細長い中空の円筒形のエラストマー系部材を作製するために、現像済みの感光材料の長さ及び外周面に沿って、効果的な量の硬化可能なエラストマー系液体を塗布し、そして、該エラストマー系液体を硬化させ、それにより、エラストマー系部材において、エラストマー系部材がスペックルパターンと密に接するシームレスの光成形ディヒューザを作製し(ここで中空の円筒形のエラストマー系部材は反転可能である)、
(6)それに記録されたスペックルパターンを有する現像済みの感光材料から、反転可能な中空の円筒形のエラストマー系部材を分離させ(ここで、反転可能な中空の円筒形のエラストマー系部材は、実質的にその長さ及び内周面に沿って、シームレスの光成形ディヒューザの面を有する)、
(7)実質的にその長さ及び外周面に沿って、シームレスの光成形ディヒューザの面をもたらすために、中空の円筒形のエラストマー系部材を反転させ、それにより、中空の円筒形のエラストマー系マスタを作製する、ステップを有していることを特徴とする方法。
【請求項17】
上記感光媒体は、約1ミクロン〜約100ミクロンの径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
上記感光媒体は、約35ミクロンの径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項19】
上記感光媒体の硬化が、約40分〜約2時間の間、高温にて、上記媒体を焼成することにより実行されることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項20】
上記感光媒体の硬化が、約1時間〜約2時間の間、約摂氏90度にて、上記媒体を焼成することにより実行されることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項21】
上記感光媒体の硬化が、約1時間の間、約摂氏65度にて、上記媒体を焼成することにより実行されることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項22】
上記露光済みの感光媒体が、約30秒〜約1分までの時間で、10重量%の効果的な量の現像液に、上記媒体を接触させることにより現像されることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項23】
上記エラストマー系の液体が、約24時間の間、室温に上記エラストマー系の液体をさらすことにより硬化させられることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項24】
上記中空の円筒形のエラストマー系部材が、約1/16インチ(約1.59ミリメートル)〜約1/8インチ(約3.18ミリメートル)の径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項25】
ある方法により作られる1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタであって、該方法が、
(1)長手軸を規定しそのまわりに回転可能な細長い円筒部材の外周面に対して、効果的な量の液体の硬化可能な感光媒体を塗布し、そして、実質的に均一な径方向の寸法の硬化可能な感光媒体のシームレス層を、実質的にその長さ及び外周面に沿って形成するために、上記長手軸まわりに円筒部材を回転させ、
(2)上記細長い円筒部材上における感光媒体の層を硬化させ、
(3)感光媒体を露光させ、露光済みの感光媒体において、実質的に円筒部材上における感光媒体の長さ及び外周面に沿って、不規則に、所定のスペックルパターンを生成するために、それに分け与えられる所定のスペックルを有する干渉光の光源へ、実質的にその長さ及び外周面に沿って、硬化した感光媒体の層をさらし、そして、その長手軸まわりに円筒部材を回転させ(ここでは、露光済みの感光媒体が引き続き現像され得る)、
(4)感光媒体の不規則に露光した領域を、媒体における物理的な微細構造として定着させるために、上記露光済みの感光媒体を現像し、
(5)感光材料に記録されたスペックルパターンと密に接する所定の径方向の寸法の細長い中空の円筒形のエラストマー系部材を作製するために、現像済みの感光材料の長さ及び外周面に沿って、効果的な量の硬化可能なエラストマー系液体を塗布し、そして、該エラストマー系液体を硬化させ、それにより、エラストマー系部材において、エラストマー系部材がスペックルパターンと密に接するシームレスの光成形ディヒューザを作製し(ここで中空の円筒形のエラストマー系部材は反転可能である)、
(6)それに記録されたスペックルパターンを有する現像済みの感光材料から、反転可能な中空の円筒形のエラストマー系部材を分離させ(ここで、反転可能な中空の円筒形のエラストマー系部材は、実質的にその長さ及び内周面に沿って、シームレスの光成形ディヒューザの面を有する)、
(7)実質的にその長さ及び外周面に沿って、シームレスの光成形ディヒューザの面をもたらすために、中空の円筒形のエラストマー系部材を反転させ、それにより、中空の円筒形のエラストマー系マスタを作製する、ステップを有していることを特徴とする1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項26】
上記感光媒体が、約1ミクロン〜約100ミクロンの径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項25記載の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項27】
上記感光媒体が、約35ミクロンの径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項25記載の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項28】
上記感光媒体の硬化が、約40分〜約2時間の間、高温にて、上記媒体を焼成することにより実行されることを特徴とする請求項25記載の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項29】
上記感光媒体の硬化が、約1時間〜約2時間の間、約摂氏90度にて、上記媒体を焼成することにより実行されることを特徴とする請求項25記載の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項30】
上記感光媒体の硬化が、約1時間の間、約摂氏65度にて、上記媒体を焼成することにより実行されることを特徴とする請求項25の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項31】
上記露光済みの感光媒体が、約30秒〜約1分までの時間で、10重量%の効果的な量の現像液に、上記媒体を接触させることにより現像されることを特徴とする請求項25記載の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項32】
上記エラストマー系液体が、約24時間の間、室温に該エラストマー系液体をさらすことにより硬化されることを特徴とする請求項25記載の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【請求項33】
上記中空の円筒形のエラストマー系部材が、約1/16インチ(約1.59ミリメートル)〜約1/8インチ(約3.18ミリメートル)の径方向の厚さを有していることを特徴とする請求項25記載の1ピースの中空の円筒形の反転可能なエラストマー系マスタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図23A】
【図23B】
【図23−2】
【図24】
【図24−2】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図29−2】
【図30】
【図30−2】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図23A】
【図23B】
【図23−2】
【図24】
【図24−2】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図29−2】
【図30】
【図30−2】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2009−1010(P2009−1010A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133182(P2008−133182)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【分割の表示】特願2002−524906(P2002−524906)の分割
【原出願日】平成13年8月29日(2001.8.29)
【出願人】(508267967)ルミニット・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】Luminit LLC
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【分割の表示】特願2002−524906(P2002−524906)の分割
【原出願日】平成13年8月29日(2001.8.29)
【出願人】(508267967)ルミニット・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】Luminit LLC
【Fターム(参考)】
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