説明

ジアミノ−N,N−ジヒドロピラゾロン誘導体を含む組成物およびファンダメンタルまたはゴールデン系ハイライト組成物の適用によるケラチン繊維の予測可能な染色方法

【課題】本発明の目的は、毛髪が曝される可能性がある、シャンプー、光、汗および恒久的変形などの種々の攻撃に極めて耐性がある、多様な、強力な、鮮やかな、魅力的であまり選択的でない色調を有する、予測可能な着色を可能にするケラチン繊維を着色する新規な方法を提供することである。
【解決手段】本発明の主題は、「ファンダメンタル」組成物および/または「ゴールデン系ファンダメンタル」組成物および/または「ゴールデン系」組成物と混合された、ジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロンから誘導された少なくとも1種の酸化ベースおよび少なくとも1種の特定のカプラーを含む組成物を前記繊維に適用することによる、ケラチン繊維、特に、毛髪などのヒトケラチン繊維の予測可能な着色方法である。
本発明は、特に、持続性で、耐光性でありかつ洗浄への耐性がある、ケラチン繊維の着色を得ることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、「ファンダメンタル」組成物および/または「ゴールデン系ファンダメンタル」組成物および/または「ゴールデン系」組成物と混合された、ジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロンから誘導された少なくとも1種の酸化ベースおよび少なくとも1種の特定のカプラーを含む組成物を繊維に適用することによる、ケラチン繊維、例えば特に毛髪などのヒトケラチン繊維の予測可能な着色方法である。
【背景技術】
【0002】
一般的には酸化ベースとして知られている酸化染料前駆体、特に、o-もしくはp-フェニレンジアミン、o-もしくはp-アミノフェノール、または複素環式化合物、例えば、ジアミノピラゾール誘導体、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピリジン誘導体、インドール誘導体もしくはインドリン誘導体を含む染色組成物で、ケラチン繊維、特に、毛髪などのヒトケラチン繊維を染色することが知られている。酸化染料前駆体または酸化ベースは、無色または弱く色の付いた化合物であり、酸化性生成物と組み合わせると、酸化カップリング過程によって、色の付いたまたは発色化合物を得ることができる。これによって、恒久的な着色が得られる。
【0003】
これらの酸化ベースで得られた色調は、酸化ベースをカプラーまたは発色調整剤と結合させることによって、変化させることが可能であることも知られており、後者は、特に、m-フェニレンジアミン、m-アミノフェノール、m-ヒドロキシフェノールおよびある種の複素環式化合物から選択されることも知られている。
【0004】
酸化ベースおよびカプラーとして関与する種々の分子により、色の豊富なパレットを得ることが可能になる。
【0005】
酸化ベース、例えば、p-フェニレンジアミンおよびp-アミノフェノール誘導体を使用すると、塩基性のpHでかなり広い範囲の色を得ることを可能にするが、毛髪に色の強度、種々の色調、色の均一性および外部薬品に対する耐性の優れた特性を付与しながら、良好な色度の色調を実現することはない。
【0006】
従来の酸化染色法では、専門家または非専門家のユーザは、予測可能な色を得ることを望んで、所望の色を、実際所望の中間色調でさえ入手するために異なる色調の組成物を混合することができる。例えば、「カッパー系ハイライト」組成物と混合した「ブロンド」染色組成物は、「カッパー系ハイライトを有するブロンド」の着色をケラチン繊維にもたらすと予想される。したがって、これらの混合物の利点は、色調を変えた着色を予測し得る可能性およびこれによってユーザの創造性を制限しないことにある。
【0007】
実際は、ある種の酸化染色前駆体は、「ファンダメンタル」および/または「ゴールデン系ファンダメンタル」および/または「ゴールデン系」の色調を含む他の組成物との混合物として、予測可能な着色を得ることが不可能である。この染色組成物を混合した結果は、不確実で気まぐれである。整髪の実務者により、「カッパー系ハイライト」または「ライトレッド系」色調と、「ファンダメンタル」および/または「ゴールデン系ファンダメンタル」および/または「ゴールデン系」の組成物との間で混合を実施中に、ケラチン繊維上の色の結果がまったく予測不可能であったのは、この組成物の1つが、特にカプラー、6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノールを含む場合であることが特に立証された。
【特許文献1】GB 1026978
【特許文献2】GB 1153196
【特許文献3】FR 2801308
【特許文献4】DE 2359399
【特許文献5】JP 88-169571
【特許文献6】JP 05-63124
【特許文献7】EP 0770375
【特許文献8】WO 96/15765
【特許文献9】FR-A-2750048
【特許文献10】DE 3843892
【特許文献11】DE 4133957
【特許文献12】WO 94/08969
【特許文献13】WO 94/08970
【特許文献14】FR-A-2733749
【特許文献15】DE 19543988
【特許文献16】FR-2586913
【非特許文献1】TaylorおよびFrancisのグループによって出版された著作、The Science of Hair Care、第2版、2005、295頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、毛髪が曝される可能性がある、シャンプー、光、汗および恒久的変形などの種々の攻撃に極めて耐性がある、多様な、強力な、鮮やかな、魅力的であまり選択的でない色調を有する、予測可能な着色を可能にするケラチン繊維を着色する新規な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この技術的問題は、組成物(A)と「ファンダメンタル」または「ゴールデン系ファンダメンタル」または「ゴールデン系」染色組成物(B)との混合物を繊維に適用することからなる、ケラチン繊維を着色する方法であって、前記組成物(A)は、少なくとも1種のカプラー、6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノールおよび式(I)
【0010】
【化1】

【0011】
[式中、
R1、R2、R3およびR4は、同じか異なり、
OR5基、NR6R7基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキサミドCONR6R7基、スルホンアミドSO2NR6R7基、1つまたは複数の(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、アミノもしくは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノ基で場合により置換されたヘテロアリールまたはアリールからなる群から選択される1つまたは複数の基で場合により置換された、直鎖または分枝C1〜C6アルキル基;
1つまたは複数の(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、アミノもしくは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノ基で場合により置換されたアリール基;
(C1〜C4)アルキルまたは(C1〜C2)アルコキシから選択される1つまたは複数の基で場合により置換された、5員または6員ヘテロアリール基
を表し;
R3およびR4は、水素原子を表してもよく;
R5、R6およびR7は、同じか異なり、
水素原子;
ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、カルボキサミドCONR8R9、スルホニルSO2R8、または(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで場合により置換されたアリールから選択される1つまたは複数の基で場合により置換された、直鎖または分枝C1〜C4アルキル基;あるいは(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで場合により置換されたアリール基
を表し;
R6およびR7は、同じか異なり、カルボキサミドCONR8R9基またはスルホニルSO2R8基を表してもよく;
R8およびR9は、同じか異なり、水素原子、または1つまたは複数のヒドロキシルもしくはC1〜C2アルコキシ基で場合により置換された、直鎖または分枝C1〜C4アルキル基を表し;
一方では、R1とR2、および他方では、R3とR4は、窒素原子またはこれらが結合している原子と一緒に、ハロゲン原子、アミノ、(ジ)(C1〜C4)アルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキサミドまたは(C1〜C2)アルコキシ基、または1つまたは複数のヒドロキシル、アミノ、(ジ)アルキルアミノ、アルコキシ、カルボキシルもしくはスルホニル基で場合により置換されたC1〜C4アルキル基からなる群から選択される1つまたは複数の基で場合により置換された、飽和または不飽和5員から7員複素環を形成してもよく;
R3とR4は、これらが結合している窒素原子と一緒に5員または7員複素環であって、その炭素原子が、酸素原子または場合により置換されている窒素原子で置換されていてもよい複素環を形成してもよい]
のジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロンまたはその塩の1つから誘導される少なくとも1種の酸化ベースを含む方法によって解決されている。
【0012】
思いがけなく、組成物(A)中の置換されているm-アミノフェノールタイプのカプラー、例えば、6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノールが、式(I)の少なくとも1種の酸化ベース、例えば、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンと同じ組成物(A)中で組み合わされる場合は、これにより、「ファンダメンタル」および/または「ゴールデン系ファンダメンタル」および/または「ゴールデン系」染色組成物(B)と混合された後、ケラチン繊維の色に関して予測可能な着色を得ることが可能になる。この混合物を前記繊維に適用した後に得られる着色は、予想されたものであり、すなわち、このケラチン繊維は、「カッパー系」または「レッド系」ハイライトを有する色調で着色される。
【0013】
さらに、この着色は、強力で、魅力的であり、あまり選択的でなく、かつ毛髪が曝される可能性のある種々の攻撃、例えば、シャンプー、光、汗および恒久的変形に耐性がある。これによりまた、中性のpHで強く多様な着色を得ることが可能になる。これにより、特に天然の色調を得ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に関連して、アルキル基は、飽和で直鎖または分枝の、別段の指示がなければ好ましくはC1〜C10、優先的にはC1〜C6、好ましくはC1〜C4炭化水素鎖、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチルまたはヘキシル基に対応する。
【0015】
本発明に関連して、ヘテロ原子またはヘテロ原子(複数)は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはリン原子から選択することができる。
【0016】
本発明に関連して、ハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子およびフッ素原子から選択することができる。
【0017】
式(I)において、より特に、R1およびR2基は、同じか異なり、
ヒドロキシル、(C1〜C2)アルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで場合により置換された、C1〜C6、好ましくはC1〜C4アルキル基;
フェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニルまたはベンジル基
から選択される。
【0018】
好ましくは、R1およびR2基は、同じか異なり、メチル、エチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピルまたはフェニル基から選択される。
【0019】
他の実施形態によれば、R1およびR2基は、これらが結合している窒素原子と一緒に、場合により置換されている、飽和または不飽和5員または6員環を形成する。
【0020】
R1およびR2基は、これらが結合している窒素原子と一緒に、1つまたは複数のC1〜C4アルキル、ヒドロキシル、(C1〜C2)アルコキシ、カルボキシル、カルボキサミド、アミノもしくは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノ基で場合により置換された、ピラゾリジンまたはピリダゾリジン環を形成する。
【0021】
さらに有利には、R1およびR2基は、これらが結合している窒素原子と一緒に、ピラゾリジンまたはピリダゾリジン環を形成する。
【0022】
R3およびR4基に関しては、同じか異なり、より特に水素原子;1つまたは複数のヒドロキシル、(C1〜C2)アルコキシ、アミノもしくは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノ基で場合により置換された、直鎖または分枝C1〜C6、好ましくはC1〜C4アルキル基;あるいは1つまたは複数のヒドロキシル、アミノまたは(C1〜C2)アルコキシ基で場合により置換されたフェニル基から選択される。
【0023】
好ましくは、R3およびR4基は、同じか異なり、水素原子またはメチル、エチル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピルもしくは2-カルボキシエチル基から選択される。特定の実施形態によれば、R3およびR4基は水素原子を表す。
【0024】
他の実施形態によれば、R3およびR4基は、これらが結合している窒素原子と一緒に、複素環、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、ピペラジンもしくはホモピペラジンから選択される5員または7員環を形成し、前記環が、1つまたは複数のヒドロキシル、アミノ、(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノ、カルボキシル、カルボキサミドまたは1つまたは複数のヒドロキシル、アミノもしくは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノ基で場合により置換されているC1〜C4アルキル基によって置換されていてもよい。
【0025】
より特に、R3およびR4基は、これらが結合している窒素原子と一緒に、ピロリジン、2,5-ジメチルピロリジン、ピロリジン-2-カルボン酸、3-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸、4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸、2,4-ジカルボキシピロリジン、3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチルピロリジン、2-カルボキサミドピロリジン、3-ヒドロキシ-2-カルボキサミドピロリジン、2-(ジエチルカルボキサミド)ピロリジン、2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン、3,4-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン、3-ヒドロキシピロリジン、3,4-ジヒドロキシピロリジン、3-アミノピロリジン、3-(メチルアミノ)ピロリジン、3-(ジメチルアミノ)ピロリジン、4-アミノ-3-ヒドロキシピロリジン、3-ヒドロキシ-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]ピロリジン、ピペリジン、2,6-ジメチルピペリジン、2-カルボキシピペリジン、2-カルボキサミドピペリジン、2-ヒドロキシメチルピペリジン、3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチルピペリジン、3-ヒドロキシピペリジン、4-ヒドロキシピペリジン、3-ヒドロキシメチルピペリジン、ホモピペリジン、2-カルボキシホモピペリジン、2-カルボキサミドホモピペリジン、ホモピペラジン、N-メチルホモピペラジンまたはN-(2-ヒドロキシエチル)ホモピペラジンから選択される、5員または7員環を形成する。
【0026】
好ましくは、R3およびR4基は、これらが結合している窒素原子と一緒に、ピロリジン、3-ヒドロキシピロリジン、3-アミノピロリジン、3-(ジメチルアミノ)ピロリジン、ピロリジン-2-カルボン酸、3-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸、ピペリジン、ヒドロキシピペリジン、ホモピペリジン、ジアゼパン、N-メチルホモピペラジンまたはN-(β-ヒドロキシエチル)ホモピペラジンから選択される5員または7員環を形成する。
【0027】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、R3およびR4基は、これらが結合している窒素原子と一緒に、5員環、例えば、ピロリジン、3-ヒドロキシピロリジン、3-アミノピロリジンまたは3-(ジメチルアミノ)ピロリジンを形成する。
【0028】
式(I)の化合物は、強無機酸、例えば、HCl、HBr、HI、H2SO4もしくはH3PO4、または、有機酸、例えば、酢酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ギ酸もしくはメタンスルホン酸などの(C1〜C4アルキル)SO3H酸で場合により塩化してよい。
【0029】
これらは、溶媒和物、例えば、水和物または直鎖または分枝アルキル、例えば、エタノールもしくはイソプロパノールの溶媒和物の形態であってもよい。
【0030】
式(I)の誘導体の例として、以下に示す化合物またはこれらの付加塩を挙げることができる。
4,5-ジアミノ-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-メチルアミノ-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-ジメチルアミノ-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-(ピロリジン-1-イル)-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-(ピペリジン-1-イル)-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4,5-ジアミノ-1,2-ジ(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-メチルアミノ-1,2-ジ(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-ジメチルアミノ-1,2-ジ(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-1,2-ジ(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-(ピロリジン-1-イル)-1,2-ジ(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-(ピペリジン-1-イル)-1,2-ジ(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4,5-ジアミノ-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4,5-ジアミノ-1,2-フェニル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4,5-ジアミノ-1-エチル-2-メチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4,5-ジアミノ-2-エチル-1-メチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4,5-ジアミノ-1-フェニル-2-メチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4,5-ジアミノ-2-フェニル-1-メチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4,5-ジアミノ-1-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4,5-ジアミノ-2-(2-ヒドロキシエチル)-1-メチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-メチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-ジメチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-エチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-イソプロピルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-(2-ヒドロキシプロピル)アミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-ビス[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-(ピロリジン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-(ピペリジン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2,3-ジアミノ-6-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2,3-ジアミノ-6-メチル-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2,3-ジアミノ-6,6-ジメチル-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2,3-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H,6H-ピリダジノ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2,3-ジアミノ-5,8-ジヒドロ-1H,6H-ピリダジノ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
4-アミノ-5-ジメチルアミノ-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-1,2-ジエチル-5-エチルアミノ-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-1,2-ジエチル-5-イソプロピルアミノ-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-(2-ジメチルアミノエチルアミノ)-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(3-(イミダゾール-1-イル)プロピルアミノ)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-ジメチルアミノ-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-1,2-ジエチル-5-エチルアミノ-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-1,2-ジエチル-5-イソプロピルアミノ-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-(2-ジメチルアミノエチルアミノ)-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(3-(イミダゾール-1-イル)プロピルアミノ)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(ピロリジン-1-イル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-(3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)-ピラゾリジン-3-オン;
2,3-ジアミノ-6-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
これらのいくつかを以下に示し、その名称を化学構造によって図示する。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
【表3】

【0034】
【表4】

【0035】
これらの化合物の中で、特に好ましい式(I)のジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロン誘導体またはこれらの付加塩には次がある。
2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-エチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-イソプロピルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-(ピロリジン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
4,5-ジアミノ-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4,5-ジアミノ-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4,5-ジアミノ-1,2-ジ(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
2-アミノ-3-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-ジメチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2,3-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H,6H-ピリダジノ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(ピロリジン-1-イル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-(3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
2,3-ジアミノ-6-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン。
【0036】
式(I)の化合物として、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンおよびその付加塩を使用することがさらにより特に好ましい。
【0037】
この組成物(A)は、6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノールおよびその塩の1つから選択される、特定のハロゲン化され置換されているm-アミノフェノールタイプの少なくとも1種のカプラーを含む。
【0038】
好ましくは、6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノールの量は、染色組成物(A)の総重量の0.001と8%の間、より好ましくは0.1と5%の間である。
【0039】
式(I)の酸化ベースまたは酸化ベース(複数)は、一般的にはそれぞれが染色組成物(A)の総重量のほぼ0.001と8重量%の間、好ましくは0.1と5重量%の間の量で存在する。
【0040】
特定の実施形態の主題は、特に2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンを含む式(I)の酸化ベースの、カプラー、6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノールに対するモル比が1未満である、カッパー系色調の組成物(A)である。好ましくは、前記比は0.5と0.95の間である、
【0041】
他の実施形態では、カッパー系色調の組成物(A)は、他の好ましくは非ハロゲン化の置換されているm-アミノフェノールカプラー、特に2-メチル-5-アミノフェノールを含み、式(I)の酸化ベース、特に2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンの、この他のカプラーに対するモル比は1を超える。好ましくは、前記比は2と5の間である。
【0042】
本発明の方法に使用される組成物(A)は、本発明で使用するものとは異なり、かつケラチン繊維の染色に通常使用されている、他の酸化ベースおよび他のカプラーを含んでよい。
【0043】
本発明の組成物(A)は、例えば、p-フェニレンジアミン、ビスフェニルアルキレンジアミン、p-アミノフェノール、ビス-p-アミノフェノール、o-アミノフェノール、o-フェニレンジアミン、上記に定義した式(I)の誘導体以外の複素環系ベースおよびこれらの付加塩から選択される追加の酸化ベースを含んでよい。
【0044】
p-フェニレンジアミンの中で、一例として、p-フェニレンジアミン、パラトルイレンジアミン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-p-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-p-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレン-ジアミン、2-フルオロ-p-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラフェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-p-フェニレンジアミン、N,N-(エチル、β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチルオキシ)-p-フェニレンジアミン、2-(β-アセチルアミノエチルオキシ)-p-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-p-フェニレン-ジアミン、4-アミノフェニルピロリジン、2-チエニル-p-フェニレンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-5-アミノトルエン、3-ヒドロキシ-1-(4'-アミノフェニル)ピロリジンおよびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0045】
上記p-フェニレンジアミンの中で、パラフェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、2-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチルオキシ)-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-p-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、2-(β-アセチルアミノエチルオキシ)-p-フェニレンジアミンおよびこれらの酸付加塩が特に好ましい。
【0046】
ビスフェニルアルキレンジアミンの中で、一例として、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノ-フェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノ-フェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミン、1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタンおよびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0047】
p-アミノフェノールの中で、一例として、p-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)-フェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)フェノール、4-アミノ-2-(メトキシ-メチル)フェノール、4-アミノ-2-(アミノメチル)フェノール、4-アミノ-2-((β-ヒドロキシエチル)アミノメチル)フェノール、4-アミノ-2-フルオロフェノールおよびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0048】
o-アミノフェノールの中で、一例として、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、5-アセトアミド-2-アミノフェノールおよびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0049】
複素環系ベースの中で、一例として、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体およびピラゾール誘導体を挙げることができる。
【0050】
ピリジン誘導体の中で、例えば、特許GB 1026978およびGB 1153196に開示されている化合物、例えば、2,5-ジアミノピリジン、2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-3-アミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-[(β-メトキシエチル)アミノ]-3-アミノ-6-メトキシピリジン、3,4-ジアミノピリジンおよびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0051】
他のピリジン酸化ベースには、例えば、特許出願FR 2801308に開示されている、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン酸化ベースまたはこれらの付加塩がある。一例として、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン;2-(アセチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン;2-(モルホリン-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸;2-メトキシピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン;(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)メタノール;2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)エタノール;2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)エタノール;(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)メタノール;3,6-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン;3,4-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン;ピラゾロ[1,5-a]-ピリジン-3,7-ジアミン;7-(モルホリン-4-イル)ピラゾロ-[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン;ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,5-ジアミン;5-(モルホリン-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン;2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;2-[(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-オール;3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-オール;3-アミノピラゾロ[1,5-a]-ピリジン-6-オール;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-オール;およびこれらの酸または塩基付加塩を挙げることができる。
【0052】
ピリミジン誘導体の中で、例えば、特許DE 2359399;JP 88-169571;JP 05-63124;EP 0770375または特許出願WO 96/15765に開示されている化合物、例えば、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノ-ピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジンまたは2,5,6-トリアミノピリミジン、およびピラゾロピリミジン誘導体、例えば、特許出願FR-A-2750048で挙げられているもの、これらの中で、ピラゾロ[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン;2,5-ジメチルピラゾロ[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン;ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;2,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オール;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-オール;2-(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミノ)エタノール、2-(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルアミノ)エタノール、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(2-ヒドロキシ-エチル)アミノ]エタノール、2-[(7-アミノピラゾロ[1,5-a]-ピリミジン-3-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ] エタノール、5,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン、2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン、2,5,N7,N7-テトラメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン、3-アミノ-5-メチル-7-(イミダゾリルプロピルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、およびこれらの酸付加塩および互変異性体の平衡が存在する場合は、これらの互変異性体形態を挙げることができる。
【0053】
ピラゾール誘導体の中で、特許DE 3843892およびDE 4133957および特許出願WO 94/08969、WO 94/08970、FR-A-2733749およびDE 19543988に開示されている化合物、例えば、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニル-ピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-(tert-ブチル)-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(tert-ブチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシ-エチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチル-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(ヒドロキシメチル)-ピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリ-アミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-(メチルアミノ)ピラゾール、3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾールおよびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0054】
本発明の組成物(A)中に存在する追加の酸化ベースまたは酸化ベース(複数)は、一般的にそれぞれが、染色組成物の総重量のほぼ0.001と10重量%の間、好ましくは0.005と6重量%の間の量で存在する。
【0055】
この染色組成物(A)は、6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノール以外の追加のカプラーを含んでもよい。
【0056】
m-フェニレンジアミン、m-アミノフェノール、m-ジフェノール、ナフタレンカプラー、複素環系カプラーおよびこれらの付加塩を特に挙げることができる。
【0057】
本発明に関連して使用されるm-アミノフェノールの中で、3-アミノフェノール、5-アミノ-2-メトキシフェノール、5-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルオキシ)フェノール、5-アミノ-2-メチルフェノール、5-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、5-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-4-メトキシ-2-メチルフェノール、5-アミノ-4-メトキシ-2-メチルフェノール、5-アミノ-4-クロロ-2-メチル-フェノール、5-アミノ-2,4-ジメトキシフェノール、5-(γ-ヒドロキシプロピル-アミノ)-2-メチルフェノール、3-(ジメチルアミノ)フェノール;2-メチル-5-(ジメチルアミノ)フェノール、2-エチル-5-(ジメチル-アミノ)フェノール、2-メトキシ-5-(ジメチルアミノ)フェノール、2-エトキシ-5-(ジメチルアミノ)フェノール、2-(β-ヒドロキシエチル)-5-(ジメチルアミノ)フェノール、3-(ジエチルアミノ)フェノール、2-メチル-5-(ジエチルアミノ)フェノール、2-エチル-5-(ジエチルアミノ)フェノール、2-メトキシ-5-(ジエチルアミノ)フェノール、2-エトキシ-5-(ジエチル-アミノ)フェノール、2-(β-ヒドロキシエチル)-5-(ジエチルアミノ)フェノール、3-[ジ(β-ヒドロキシエチル)アミノ]フェノール、2-メチル-5-[ジ(β-ヒドロキシエチル)アミノ]フェノール、2-エチル-5-[ジ(β-ヒドロキシ-エチル)アミノ]フェノール、2-メトキシ-5-[ジ(β-ヒドロキシエチル)-アミノ]フェノール、2-エトキシ-5-[ジ(β-ヒドロキシエチル)アミノ]-フェノール、2-(β-ヒドロキシエチル)-5-[ジ(β-ヒドロキシエチル)アミノ]-フェノール、3-(ピロリジン-1-イル)フェノール、2-メチル-5-(ピロリジン-1-イル)フェノール、2-エチル-5-(ピロリジン-1-イル)-フェノール、2-メトキシ-5-(ピロリジン-1-イル)フェノール、2-エトキシ-5-(ピロリジン-1-イル)フェノール、2-(β-ヒドロキシエチル)-5-(ピロリジン-1-イル)フェノール、3-(ピペリジン-1-イル)フェノール、2-メチル-5-(ピペリジン-1-イル)フェノール、2-エチル-5-(ピペリジン-1-イル)-フェノール、2-メトキシ-5-(ピペリジン-1-イル)フェノール、2-エトキシ-5-(ピペリジン-1-イル)フェノール、2-(β-ヒドロキシエチル)-5-(ピペリジン-1-イル)フェノール、3-(ピペラジン-1-イル)フェノール、2-メチル-5-(ピペラジン-1-イル)フェノール、2-エチル-5-(ピペラジン-1-イル)-フェノール、2-メトキシ-5-(ピペラジン-1-イル)フェノール、2-エトキシ-5-(ピペラジン-1-イル)フェノール、2-(β-ヒドロキシエチル)-5-(ピペラジン-1-イル)フェノール、3-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェノール、2-メチル-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェノール、2-エチル-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェノール、2-メトキシ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェノール、2-エトキシ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェノール、2-(β-ヒドロキシエチル)-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェノール、3-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェノール、2-メチル-5-(4-エチル-ピペラジン-1-イル)フェノール、2-エチル-5-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェノール、2-メトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェノール、2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェノール、2-(β-ヒドロキシ-エチル)-5-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェノール、3-(4-(β-ヒドロキシ-エチル)ピペラジン-1-イル)フェノール、2-メチル-5-(4-(β-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)フェノール、2-エチル-5-(4-(β-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)フェノール、2-メトキシ-5-(4-(β-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)フェノール、2-エトキシ-5-(4-(β-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)フェノール、2-(β-ヒドロキシエチル)-5-(4-(β-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)フェノール、3-(モルホリン-4-イル)フェノール、2-メチル-5-(モルホリン-4-イル)フェノール、2-エチル-5-(モルホリン-4-イル)フェノール、2-メトキシ-5-(モルホリン-4-イル)フェノール、2-エトキシ-5-(モルホリン-4-イル)フェノール、2-(β-ヒドロキシエチル)-5-(モルホリン-4-イル)フェノール、およびこれらの付加塩をより特に挙げることができる。
【0058】
m-アミノフェノール以外のカプラーの例として、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシ-ベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、3-ウレイドアニリン、3-ウレイド-1-(ジメチルアミノ)ベンゼン、セサモール、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3,4-メチレンジオキシ-ベンゼン、α-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシ-インドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-N-(β-ヒドロキシ-エチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ビス(3-ヒドロキシエチルアミノ)トルエンおよびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0059】
一般的には、本発明に関連して使用することができる酸化ベースおよびカプラーの付加塩は、酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシレート、ベンゼンスルホネート、アルキルトシレート、リン酸塩、および酢酸塩、ならびに塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、アミンまたはアルカノールアミン付加塩から特に選択される。
【0060】
本発明による染色組成物(A)は、ニトロベンゼン染料、アゾ直接染料またはメチン直接染料から特に選択することができる1種または複数の直接染料をさらに含んでよい。これらの直接染料は、事実上非イオン性、アニオン性またはカチオン性であってよい。
【0061】
「ファンダメンタル」または「ゴールデン系ファンダメンタル」または「ゴールデン系」染色組成物という用語は、ケラチン繊維上で「ファンダメンタル」または「ゴールデン系ファンダメンタル」または「ゴールデン系」色調、すなわち、例えば、以下の一般式
H,(O)n(R1)n1(R2)n2
[式中、
Hは、TaylorおよびFrancisのグループによって出版された著作、The Science of Hair Care、第2版、2005、295頁で定義されているように、色調のトーンのレベルを表し、この著作によれば、Hは1と10を含めた間であり得て、本発明によれば4と9の間であり、好ましくは、Hは6と9の間、より好ましくは7と9の間であり、
R1は、R1=1はアッシュ系ハイライト、R1=2:玉虫色系ハイライト、R1=3:ゴールデン系ハイライト、R1=4:カッパー系ハイライト、R1=5:マホガニー系ハイライト、R1=6:レッド系ハイライト、R1=7:グリーン系ハイライトに対応する、第1のまたは支配的なハイライトを表し、本発明によるR1は3に等しく、
R2は、第2のまたは補正ハイライトを表し、
nは整数0または1を表し;nが1を表す場合は、記号OはR1(およびR2)ハイライトの強度を和らげる。
n1は整数0または1を表し、
n2は整数0または1を表し;n2が1を表す場合は、R2は上記の値1〜7のそれぞれを取ることができる]
で定義することができる色調を生じる、少なくとも1種の酸化ベースおよび場合により少なくとも1種のカプラーを含む任意の組成物を意味するとも解される。
【0062】
本発明によるファンダメンタルまたはゴールデン系ファンダメンタルまたはゴールデン系色調の例として、色調7-8-9-7.03-8.03-9.03-7.3-8.3-9.3を挙げることができる。
【0063】
好ましくは、n1は値1を有する。より好ましくは、n1は、値1を有し、nはゼロである。
【0064】
より詳細には、「ファンダメンタル」または「ゴールデン系ファンダメンタル」または「ゴールデン系」組成物は、酸化剤の存在下周囲温度で、90%の白髪を含むパーマをかけていないグレイヘアの髪房にL*a*b*表色系の以下の値が生じるように選択される:
a*が[0;+20]の範囲に属し、b*が[0;+20]の範囲に属し、L*が[0;+50]の範囲に属する。
【0065】
本発明の特定の実施形態は、以下のL*a*b*値を有する「ファンダメンタル」組成物(B)に関する:
a*が[0;+6]の範囲に属し、b*が[+10;+15]の範囲に属し、L*が[+20;+50]の範囲に属する。
【0066】
本発明の他の実施形態は、以下のL*a*b*値を有する「ゴールデン系ファンダメンタル」組成物(B)に関する:
a*が[+6;+10]の範囲に属し、b*が[+15;+20]の範囲に属し、L*が[+20;+50]の範囲に属する。
【0067】
組成物(B)中に存在する酸化ベースまたは酸化ベース(複数)および組成物(B)中に場合により存在するカプラーまたはカプラー(複数)は、組成物(A)の追加のベースおよびカプラーに対して上記に定義した通りである。
【0068】
好ましくは、この組成物(B)は、式(I)の化合物または6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノールを含まない。
【0069】
本発明の特定の実施形態では、組成物(B)は、p-フェニレンジアミンから選択される少なくとも1種の酸化ベースを含み、詳細には、p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、2-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチルオキシ)-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-p-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、2-(β-アセチルアミノエチルオキシ)-p-フェニレンジアミンおよびこれらの酸付加塩が特に好ましい。好ましくは、組成物(B)の酸化ベースは、p-トルエンジアミン、p-フェニレンジアミンおよびその塩の1つから選択される。
【0070】
さらに、有利な実施形態では、組成物(B)の酸化ベースまたは酸化ベース(複数)の割合は、好ましくは前記組成物100g当たり5ミリモル以下である。
【0071】
本発明の他の実施形態は、1,3-ジヒドロキシベンゼンなどのm-ジフェノール、3-アミノフェノールなどのm-アミノフェノール、および2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼンなどのm-フェニレンジアミンから選択される、組成物(B)のカプラーまたはカプラー(複数)に関する。
【0072】
染色に適当な媒体は、染色ビヒクルとも称され、一般的には水、または水と十分に水溶性でない化合物を溶解するための少なくとも1種の有機溶媒との混合物からなる化粧品媒体である。有機溶媒として、例えば、低級C1〜C4アルカノール、例えば、エタノールおよびイソプロパノール;ポリオールおよびポリオールエーテル、例えば、2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルまたはジエチレングリコールモノメチルエーテル;および芳香族アルコール、例えば、ベンジルアルコールまたはフェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物を挙げることができる。
【0073】
この溶媒は、染色組成物の総重量に対して、好ましくはほぼ1と40重量%の間、さらに好ましくはほぼ5と30重量%の間の割合で存在する。
【0074】
本発明による染色組成物(A)および/または(B)は、毛髪の染色のために組成物中に通常使用される種々の補助剤、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性もしくは双性イオン界面活性剤またはこれらの混合物、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性もしくは双性イオンポリマーまたはこれらの混合物、無機もしくは有機増粘剤、特に、アニオン性、カチオン性、非イオン性もしくは両性ポリマー会合性増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝剤、分散剤、例えば、揮発性もしくは不揮発性で変性もしくは非変性シリコーンなどのコンディショニング剤、皮膜形成剤、セラミド、防腐剤または乳白剤を含んでもよい。
【0075】
上記補助剤は、一般的にはこれらのそれぞれに対し、染色組成物(A)および(B)の重量に対して0.01と20重量%の間の量で存在する。
【0076】
もちろん、当業者であれば、本発明による酸化染料組成物に本質的に付随する有利な特性が、考慮する添加または添加(複数)によって有害な影響を受けないかまたは実質的に受けないように留意して、このまたはこれらの場合による追加の化合物を選択するであろう。
【0077】
染色組成物(A)および/または(B)のpHは、一般的にはほぼ3と12の間、好ましくはほぼ5と11の間である。pHは、ケラチン繊維の染色に一般的に使用される酸性化剤または塩基性化剤を用いて、さもなければ通常の緩衝系を用いて、所望の値に調整してよい。
【0078】
酸性化剤の中で、一例として、無機酸または有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸、例えば、酢酸、酒石酸、クエン酸もしくは乳酸、またはスルホン酸を挙げることができる。
【0079】
塩基性化剤の中で、一例として、アンモニア水、アルカリ炭酸塩、アルカノールアミン、例えば、モノ-、ジ-およびトリエタノールアミンおよびこれらの誘導体、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび以下の式(III)の化合物
【0080】
【化2】

【0081】
[式中、Wは、ヒドロキシル基またはC1〜C4アルキル基で場合により置換されたプロピレン残基であり、Ra、Rb、RcおよびRdは、同じか異なり、水素原子、C1〜C4アルキル基またはC1〜C4ヒドロキシアルキル基を表す]を挙げることができる。
【0082】
染色組成物(A)および/または(B)は、種々の形態、例えば、液体、クリームもしくはゲルまたはケラチン繊維、特にヒト毛髪の染色を実施するのに適当な任意の他の形態で提供してよい。
【0083】
2つの組成物(A)と(B)の混合物は、5/1と1/5の間、好ましくは3/1と1/3の間の(A)/(B)重量比であることが好ましい。より好ましくは、(A)/(B)混合物の重量比は1/1である。
【0084】
この混合物は、ケラチン繊維に適用する前またはその時点で調製してよい。
【0085】
本発明の方法は、組成物(A)と「ファンダメンタル」または「ゴールデン系ファンダメンタル」染色組成物(B)との混合物を繊維に適用することからなる、ケラチン繊維を着色する方法であって、前記組成物(A)が、6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノールおよびその塩の1つから選択される少なくとも1種のカプラーを含み、式(I)
【0086】
【化3】

【0087】
[式中、
R1、R2、R3およびR4は、同じか異なり、
OR5基、NR6R7基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキサミドCONR6R7基、スルホンアミドSO2NR6R7基、1つまたは複数の(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、アミノもしくは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノ基で場合により置換されたヘテロアリールまたはアリールからなる群から選択される1つまたは複数の基で場合により置換された直鎖または分枝C1〜C6アルキル基;
1つまたは複数の(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、アミノもしくは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノ基で場合により置換されたアリール基;
(C1〜C4)アルキルまたは(C1〜C2)アルコキシから選択される1つまたは複数の基で場合により置換された5員または6員ヘテロアリール基
を表し;
R3およびR4は、水素原子を表してもよく;
R5、R6およびR7は、同じか異なり、
水素原子;
ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、カルボキサミドCONR8R9、スルホニルSO2R8、または(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで場合により置換されたアリールから選択される1つまたは複数の基で場合により置換された、直鎖または分枝C1〜C4アルキル基;あるいは(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで場合により置換されたアリール基
を表し;
R6およびR7は、同じか異なり、カルボキサミドCONR8R9基またはスルホニルSO2R8基を表してもよく;
R8およびR9は、同じか異なり、水素原子または1つまたは複数のヒドロキシルもしくはC1〜C2アルコキシ基で場合により置換された直鎖または分枝C1〜C4アルキル基を表し;
一方では、R1とR2、および他方では、R3とR4は、窒素原子またはこれらが結合している原子と一緒に、ハロゲン原子、アミノ、(ジ)(C1〜C4)アルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキサミドまたは(C1〜C2)アルコキシ基、または1つまたは複数のヒドロキシル、アミノ、(ジ)アルキルアミノ、アルコキシ、カルボキシルもしくはスルホニル基で場合により置換されたC1〜C4アルキル基からなる群から選択される1つまたは複数の基で場合により置換された、飽和または不飽和5員から7員複素環を形成してもよく;
R3とR4は、これらが結合している窒素原子と一緒に5員または7員複素環であって、その炭素原子が、酸素原子または場合により置換されている窒素原子で置換されていてもよい複素環を形成してもよい]
のジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロンまたはその塩の1つから誘導される少なくとも1種の酸化ベースを含む方法である。
【0088】
特定の実施形態によれば、この組成物(A)と(B)の混合物は、染色するのに適当な媒体中に少なくとも1種の酸化剤を含む組成物に、好ましくは使用する時点で加えられ、この酸化剤は、発色するのに十分な量で存在する。続いて、得られた混合物をケラチン繊維に適用する。ほぼ3〜50分、好ましくはほぼ5〜30分、より好ましくは20分の放置時間後、このケラチン繊維をすすぎ、シャンプーで洗浄し、再度すすぎ、次いで乾燥する。
【0089】
ケラチン繊維の酸化染色に通常使用される酸化剤は、例えば、過酸化水素、尿素過酸化水素、アルカリ金属臭素酸塩、過酸塩、例えば、過ホウ酸塩および過硫酸塩、過酸およびオキシダーゼ酵素(この中でペルオキシダーゼ(peroxidises)、ウリカーゼなどの2電子オキシドレダクターゼ、ラッカーゼなどの4電子オキシゲナーゼを挙げることができる)である。過酸化水素が特に好ましい。
【0090】
この酸化性組成物は、毛髪を染色するために通常使用され、上記に定義された種々の補助剤を含んでもよい。
【0091】
酸化剤を含む酸化性組成物のpHは、染色組成物と混合した後、ケラチン繊維に適用される得られた組成物のpHが、好ましくはほぼ3と12の間、さらにより好ましくは5と11の間で変化するようなものである。pHは、ケラチン繊維を染色するのに一般的に使用されており、上記に定義した酸性化剤または塩基性化剤を用いて所望の値に調整してよい。
【0092】
この色は、酸性、中性またはアルカリ性pHで発現してもよく、この酸化剤は、本発明の組成物に使用時点でのみ加えてもよく、あるいは、本発明の組成物(複数)の混合物と同時にまたは逐次に適用される、酸化剤を含む酸化性組成物から用いてもよい。
【0093】
好ましくは、この発色は中性のpHで発現される。
【0094】
ケラチン繊維に最終的に適用されるこのready-for-use組成物は、種々の形態、例えば、液体、クリームもしくはゲルまたはケラチン繊維、特にヒト毛髪の染色を実施するのに適当な任意の形態で提供してよい。
【0095】
本発明の他の主題は、第1の区画が、6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノールおよびその塩の1つから選択される少なくとも1種のカプラーを含み、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンなどの式(I)の少なくとも1種のジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロン酸化ベースも含む染色組成物(A)を含み、第2の区画が、ファンダメンタルまたはゴールデン系ファンダメンタル色調の組成物(B)を含み、第3の区画が、酸化剤または酸化性組成物を含む、染色キットまたは多区画デバイスである。
【0096】
このデバイスは、所望の混合物を毛髪に供給することを可能にする手段、例えば本出願人の会社のための特許FR-2586913に記載のデバイスを備えていてもよい。
【0097】
特定の一実施形態は、第1の区画がカッパー系色調の染色組成物(A)を含み、第2の区画がファンダメンタル色調の組成物(B)を含み、最終の区画が酸化剤を含む、上記に定義した染色キットに関する。
【0098】
以下の実施例は、本発明を例示する役割を果たすが、限定する性質はない。
【0099】
(実施例)
着色方法の実施例
【0100】
【表5】

【0101】
【表6】

【0102】
【表7】

【0103】
適用方法および結果
使用時点で、組成物(A)または(C)を組成物(B)と重量比1/1で混合し、次いで、得られた混合物を酸化剤と、重量比1/1.5(1+1.5)で混合する。この酸化剤は、25倍容量(25V)過酸化水素タイプの酸化剤である。ほぼ10のpHが得られた。
【0104】
混合物(A)/(B)または(C)/(B)を90%の天然の白髪(NW)を含むグレイヘアの髪房に、毛髪2g当たり混合物30gの割合で適用する。周囲温度で20分間そのままにしておいた後、髪房をすすぎ、標準的なシャンプーで洗浄し、再度すすぎ、次いで乾燥する。
【0105】
【表8】

【0106】
したがって、組成物(A)/(B)の混合物は、完全に白髪の範囲にわたるカッパー系色調を有する予測可能な方法で、ケラチン繊維を着色する。
【0107】
これにひきかえ、組成物(C)/(B)の混合物は、繊維を望ましくない「パープリシュ」な色調を有するブロンドに着色する。
【0108】
したがって、組成物(A)中に2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンの塩などの、式(I)のジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロンタイプの酸化ベースが存在すると、「ファンダメンタル」または「ゴールデン系ファンダメンタル」組成物と、特に6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノールを含む、ハロゲンで置換されたm-アミノフェノールカプラーを含む「色調を変えた」染色組成物との混合物から生じる予測不可能な色および/または色調を防止することが可能になることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物(A)と「ファンダメンタル」または「ゴールデン系ファンダメンタル」または「ゴールデン系」染色組成物(B)との混合物を、酸化剤の存在下で繊維に適用することからなる、ケラチン繊維を着色する方法であって、前記組成物(A)は、6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノールおよびその塩の1つから選択される少なくとも1種のカプラーを含み、式(I)
【化1】

[式中、
R1、R2、R3およびR4は、同じか異なり、
OR5基、NR6R7基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキサミドCONR6R7基、スルホンアミドSO2NR6R7基、1つまたは複数の(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、アミノもしくは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノ基で場合により置換されたヘテロアリールまたはアリールからなる群から選択される1つまたは複数の基で場合により置換された、直鎖または分枝C1〜C6アルキル基;
1つまたは複数の(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、アミノもしくは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノ基で場合により置換されたアリール基;
(C1〜C4)アルキルまたは(C1〜C2)アルコキシから選択される1つまたは複数の基で場合により置換された、5員または6員ヘテロアリール基
を表し;
R3およびR4は、水素原子を表してもよく;
R5、R6およびR7は、同じか異なり、
水素原子;
ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、カルボキサミドCONR8R9、スルホニルSO2R8、または(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで場合により置換されたアリールから選択される1つまたは複数の基で場合により置換された、直鎖または分枝C1〜C4アルキル基;あるいは(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで場合により置換されたアリール基
を表し;
R6およびR7は、同じか異なり、カルボキサミドCONR8R9基またはスルホニルSO2R8基を表してもよく;
R8およびR9は、同じか異なり、水素原子、または1つまたは複数のヒドロキシルもしくはC1〜C2アルコキシ基で場合により置換された、直鎖または分枝C1〜C4アルキル基を表し;
一方では、R1とR2、および他方では、R3とR4は、窒素原子またはこれらが結合している原子と一緒に、ハロゲン原子、アミノ、(ジ)(C1〜C4)アルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキサミドまたは(C1〜C2)アルコキシ基、または1つまたは複数のヒドロキシル、アミノ、(ジ)アルキルアミノ、アルコキシ、カルボキシルもしくはスルホニル基で場合により置換されたC1〜C4アルキル基からなる群から選択される1つまたは複数の基で場合により置換された、飽和または不飽和5員から7員複素環を形成してもよく;
R3とR4は、これらが結合している窒素原子と一緒に5員または7員複素環であって、その炭素原子が、酸素原子または場合により置換されている窒素原子で置換されていてもよい複素環を形成してもよい]
のジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロンまたはその塩の1つから誘導される少なくとも1種の酸化ベースを含む方法。
【請求項2】
式(I)の組成物(A)の酸化ベースが、それらが結合している窒素原子と一緒に、1つまたは複数のC1〜C4アルキル基、ヒドロキシル、(C1〜C2)アルコキシ、カルボキシル、カルボキサミド、アミノもしくは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで場合により置換された、ピラゾリジンまたはピリダゾリジン環を形成するR1およびR2基を含む、請求項1に記載の着色方法。
【請求項3】
式(I)の組成物(A)の酸化ベースが、水素原子;1つまたは複数のヒドロキシル、(C1〜C2)アルコキシ、アミノもしくは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノ基で場合により置換された、直鎖または分枝C1〜C6アルキル基;あるいは1つまたは複数のヒドロキシル、アミノまたは(C1〜C2)アルコキシ基で場合により置換されたフェニル基から選択されるR3およびR4基を含む、請求項1または2に記載の着色方法。
【請求項4】
組成物(A)の酸化ベースが、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンおよびその塩の1つから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の着色方法。
【請求項5】
カプラー、6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノールまたはその塩の1つの重量による量が、0.001と8%の間である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
組成物(A)の式(I)の酸化ベースの重量による量が、0.001と8%の間である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
組成物(A)の組成物(B)に対する混合物の重量比が、5/1と1/5の間の(A)/(B)比である、請求項1から6のいずれか一項に記載の着色方法。
【請求項8】
組成物(B)が、酸化剤の存在下周囲温度で、90%の白髪を含むパーマをかけていないグレイヘアの髪房にL*a*b*表色系の以下の値
(a*が[0;+20]の範囲に属し、b*が[0;+20]の範囲に属し、L*が[0;+50]の範囲に属する)
が生じるように選択される「ファンダメンタル」または「ゴールデン系ファンダメンタル」または「ゴールデン系」組成物である、請求項1から7のいずれか一項に記載の着色方法。
【請求項9】
組成物(B)が、p-フェニレンジアミンおよびこれらの塩から選択される少なくとも1種の酸化ベースを含む、請求項8に記載の着色方法。
【請求項10】
p-フェニレンジアミンおよびこれらの塩が、p-トルエンジアミン、p-フェニレンジアミンおよびその塩から選択される、請求項9に記載の着色方法。
【請求項11】
組成物(B)の酸化ベースが、組成物(B)100g当たり5ミリモル以下の濃度である、請求項8から10のいずれか一項に記載の着色方法。
【請求項12】
組成物(B)が、m-ジフェノール、m-アミノフェノール、およびm-フェニレンジアミンから選択される少なくとも1種のカプラーを含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の着色方法。
【請求項13】
第1の区画が、請求項1から4に規定される式(I)の少なくとも1種のジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロン酸化ベース、および6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノールおよびその塩の1つから選択される少なくとも1種の特定のカプラーを含む染色組成物(A)を含み、第2の区画が、「ファンダメンタル」または「ゴールデン系ファンダメンタル」または「ゴールデン系」色調の組成物(B)を場合により請求項5に規定される重量比で含み、第3の区画が、酸化剤または酸化性組成物を含む、染色キットまたは多区画デバイス。

【公開番号】特開2008−1695(P2008−1695A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−161729(P2007−161729)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】