説明

ジアルデヒドを用いて形成された殺虫活性を有する窒素含有複素環式化合物または酸素含有複素環式化合物およびその製造方法

本発明は、ジアルデヒドを用いて形成された殺虫活性を有する窒素含有複素環式化合物または酸素含有複素環式化合物の製造および用途に関し、式(A)、(B)、(C)または(D)で示される構造を有する化合物、或いは前述化合物の光学異性体、幾何異性体若しくは農薬的に許容される化合物を提供する。
【化34】


さらに、上述化合物、或いはその光学異性体、幾何異性体若しくは農薬的に許容される塩を含む農業用組成物、前述農業用組成物の用途、及び上述化合物、或いはその光学異性体、幾何異性体若しくは農薬的に許容される塩の製造方法に関する。前述化合物およびその誘導体は、例えばアブラムシ、ウンカ、コナジラミ、ヨコバイ、アザミウマ、ワタキバガ、モンシロチョウ、コナガ、ハスモンヨトウ、アワヨトウのような同翅亜目、鱗翅目などの農林業害虫に高い殺虫活性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ネオニコチノイド系殺虫剤およびその製造方法と応用に関する。
【背景技術】
【0002】
イミダクロプリドをはじめとするネオニコチノイド系殺虫剤は、殺虫活性が高く、殺虫スペクトルが広く、哺乳動物や水生動物に対する毒性が低く、且つ優れた体系物性および適切な畑安定性を有し、また環境に優しいため、新規農薬の開発における重要な研究分野となった。その後、相次いでチアクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、アセタミプリド、ニテンピラム、ジノテフランなどの一連のニコチノイド系殺虫剤が開発された(欧州特許第247477号明細書、欧州特許第296453号明細書、欧州特許第685477号明細書、欧州特許第235725号明細書、欧州特許第235725号明細書、欧州特許第315826号明細書、欧州特許第192060号明細書、欧州特許第244777号明細書、欧州特許第0386565号明細書、欧州特許第580553号明細書および欧州特許第1031566号明細書、特許第62292765号公報、特許第8259568号公報、特許第8291171号公報および特許第7242633号公報を参照)。
【0003】
しかし、イミダクロプリドが過剰量で頻繁に使用されたことで、深刻な耐性問題が生じ、また構造の類似性によってネオニコチノイド系殺虫剤同士の間で交差耐性が生じたため、この種類の化合物の応用が制限され、その発展に制約が課された。また、ネオニコチノイド系殺虫剤は主として同翅亜目および鞘翅目の害虫に対して効果が顕著であり、その比較的に狭い殺虫スペクトルも害虫防除における薬剤の選択に制限をもたらしていた。
そのため、高活性のニトロメチレン系化合物を用いてより有効な新規殺虫剤を製造し、ネオニコチノイド系殺虫剤の耐性問題を解決し、殺虫スペクトルを広げ、殺虫性組成物に使用することは、本分野において解決が切望される技術問題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2004/056178号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ネオニコチノイド系殺虫剤の耐性問題を解決し、殺虫スペクトルを広げ、本分野における問題を解決する有効な新規殺虫剤を提供する。
本発明の目的の一つは、有効に害虫を防除する化合物およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、生育中および収穫後の作物を昆虫の攻撃および侵害から保護することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
まず、本発明は、式(A)、(B)、(C)または(D)で示される構造を有する化合物、或いはそれらの化合物の光学異性体、幾何異性体若しくは農薬的に許容される塩を提供する。
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、R1 は、窒素、酸素および/または硫黄を含む5員又は6員複素環基、ハロゲン置換の窒素、酸素および/または硫黄を含む5員又は6員複素環基、或いは置換または無置換のフェニル基で、前述置換基がハロゲン、C1-4 ハロゲン置換のアルキル基、C1-4 塩化アルコキシル基からなる群から選ばれる1つ又は複数のものである。
【0010】
2 は、H、C1 −C8 飽和または不飽和のアルキル基、ハロゲン置換のC1-8 飽和または不飽和のアルキル基、−CH2 CH2 OCH2 CH3 、−CH2 CH2 OCH3 、C1-8 飽和または不飽和のアルコキシル基、フェニル基、ベンジル基、C1-4 アルキル基−カルボニル基あるいはC1-4 アルキル基−スルホニル基である。
【0011】
3 とR4 は、それぞれ独立に、H、C1-6 アルキル基、アリル基、ベンジル基、C1-4 アルコキシル基−C1-4 アルキル基、C1-4 アルコキシル基−カルボニル基、フェノキシカルボニル基、C2-6 アルキニル基−カルボニル基、C2-3 アルケニル基−カルボニル基、C3-6 シクロアルキル基−カルボニル基、ベンゾイル基、或いはハロゲン原子、C1-4 アルキル基、C1-4 ハロゲン置換のアルキル基、C1-4 アルコキシル基およびC1-4 アルキル基−カルボニル基から選ばれる1つ又は複数のもので置換されたベンゾイル基、フランカルボニル基またはN,N−ジメチルカルボニル基で、あるいは、R3 とR4 は共に−CH2 −CH2 −、−CH2 −CH2 −CH2 −又はCH2 −XR−CH2 −を構成する。ここで、XはN、O、Sなどのヘテロ原子で、RはH、C1-6 アルキル基、アリル基、ベンジル基、フェニル基、C1-4 アルコキシル基−C1-4 アルキル基、C1-4 アルコキシル基−カルボニル基、フェノキシカルボニル基、C2-6 アルキニル基−カルボニル基、C2-3 アルケニル基−カルボニル基、C3-6 シクロアルキル基−カルボニル基、ベンゾイル基、或いはハロゲン原子、C1-4 ハロゲン置換のアルキル基、C1-8 飽和または不飽和のアルキル基またはアルコキシル基およびC1-4 アルキル基−カルボニル基から選ばれる1つ又は複数の置換基で置換されたベンゾイル基、フランカルボニル基またはN,N−ジメチルカルボニル基から選ばれる、ヘテロ原子に結合する置換基である。
【0012】
5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は、H、飽和または不飽和のC1-4 アルキル基、ハロゲン、C1-8 飽和または不飽和のアルコキシル基、ハロゲン置換のC1-4 飽和または不飽和のアルコキシル基、C1-4 アルキル基−カルボニル基、C1-8 アルキルエステル基、C1-4 アルキル基−スルホン酸エステル基、フェニル基あるいはベンジル基である。
【0013】
Yは、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロアセチル基あるいはトリフルオロメタンスルホニル基である。)
一実施例では、R1 が、ピリジル基、チアゾリル基、ピリミジニル基、テトラヒドロフリル基、オキサゾリル基あるいはこれらのハロゲン化物から選ばれる。
【発明の効果】
【0014】
その実施例においては、R1 として、ハロゲン置換のピリジル基、ハロゲン置換のチアゾリル基、ハロゲン置換のピリミジニル基、ハロゲン置換のテトラヒドロフリル基、またはハロゲン置換のオキサゾリル基であることが好ましく、前述ハロゲン化物は塩化物であることがより好ましい。
【0015】
他の実施例において、R1 は、下記の(E)、(F)或いは(G)である。
【0016】
【化2】

【0017】
他の実施例において、R2 は、H、C1-4 飽和または不飽和のアルキル基、ハロゲン置換のC1-4 飽和または不飽和のアルキル基、C1-4 アルキル基−カルボニル基、置換または無置換のベンジル基で、前述置換基がハロゲン、C1-4 ハロゲン置換のアルキル基、C1-4 塩化アルコキシル基からなる群から選ばれる1つ又は複数のものである。
【0018】
その実施例において、R2 は、水素あるいはC1-3 アルキル基であるが、水素あるいはメチル基であることが好ましい。
【0019】
他の実施例において、R3 とR4 は、水素またはC1-6 アルキル基である。あるいは、R3 とR4 は共に−CH2 −CH2 −又は−CH2 −CH2 −CH2 −である。
その実施例において、R3 とR4 は、水素またはC1-3 アルキル基であるが、好ましくは水素、メチル基またはエチル基である。あるいは、R3 とR4 は共に−CH2 −CH2 −又は−CH2 −CH2 −CH2 −である。
【0020】
他の実施例において、R5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は、H、飽和または不飽和のC1-2 炭化水素基、ハロゲン、C1-4 飽和または不飽和のアルコキシル基、ハロゲン置換のC1-2 飽和または不飽和のアルコキシル基、C1-4 アルキルエステル基(RCOO−)、C1-2 アルキル基−スルホン酸エステル基あるいはトリフルオロメタンスルホニルエステルである。
【0021】
その実施例において、R5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は、水素、メチル基、塩素、臭素、メトキシ基あるいはエトキシ基であるが、好ましくは水素、メチル基、メトキシ基である。
【0022】
他の実施例において、Yは、ニトロ基あるいはシアノ基である。
その実施例において、Yは、ニトロ基であることが好ましい。
また、本発明は、
(a)0.001-99.99重量%の上述化合物、その光学異性体、幾何異性体若しくは農薬的に許容される塩、あるいはこれらの組合せと、
(b)農薬的に許容される担体および/または賦形剤と、
を含む農業用組成物を提供する。
一実施例において、成分(a)の含有量は0.01-99.9重量%であり、好ましくは0.05-90重量%である。
【0023】
その実施例において、前述農業用組成物は、鞘翅目、鱗翅目、半翅目、直翅目、等翅目または双翅目の昆虫から選ばれる害虫の駆除・予防に用いられる。
その実施例においては、刺入吸収型(piercing-sucking type)または咀嚼吸収型(rasping-sucking type)の口器を持つ害虫であることが好ましい。
他の実施例において、前述害虫は、アブラムシ、ウンカ、コナジラミ、ヨコバイ、アザミウマ、ワタキバガ、モンシロチョウ、コナガ、ハスモンヨトウ或いはアワヨトウである。
【0024】
他の実施例において、前述農業用組成物は、さらに、殺虫剤、餌剤、殺バクテリア剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤あるいは成長制御剤から選ばれる他の活性物質を含む。
【0025】
また、本発明は、前述農業用組成物の農業害虫、衛生害虫および動物の健康を害する害虫の駆除・予防ための使用、或いは農業害虫、衛生害虫および動物の健康を害する害虫の駆除・予防のための殺虫性組成物としての使用に関する。
また、本発明は、虫害に遭った或いは虫害に遭う可能性のある植物体、その周囲の土壌または環境に上述農業用組成物を施すことを含む、殺虫および/または防虫方法を提供する。
【0026】
また、本発明は、上述化合物、その光学異性体、幾何異性体若しくは農薬的に許容される塩、あるいはこれらの組合せの殺虫性組成物の製造のための使用に関する。
【0027】
さらに、本発明は、酸性触媒の存在下に、0-60℃で、式(a)の化合物を式(b)、(c)又は(d)の化合物と反応させることで、式(A)、(B)、(C)または(D)の構造を有する化合物を得る工程、
【0028】
【化3】

【0029】
(式中、R2 は水素で、R1 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 およびYは前述と同じ定義で、nは0又は1である。)
を含む上述化合物、その光学異性体、幾何異性体若しくは農薬的に許容される塩の製造方法を提供する。
【0030】
一実施例において、前述反応温度は15-45℃であるが、20-30℃であることがより好ましい。
他の実施例において、用いられる溶媒は、アセトニトリルまたはエタノールから選ばれるが、アセトニトリルがより好ましい。
他の実施例において、用いられる酸性触媒は、濃塩酸、濃硫酸または安息香酸から選ばれるが、濃塩酸がより好ましい。
【0031】
一実施例において、前述の方法は、
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、20-30℃で、下述式のように2-24時間反応させることにより、式中のR2 が水素である式(A)の化合物を得る工程と、
【0032】
【化4】

【0033】
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、20-30℃で、下述式のように2-24時間反応させることにより、式(B)の化合物を得る工程と、
【0034】
【化5】

【0035】
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、10-50℃で、下述式のように2-24時間反応させることにより、式(C)の化合物を得る工程と、
【0036】
【化6】

【0037】
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、10-50℃で、下述式のように2-24時間反応させることにより、式(D)の化合物を得る工程と、
【0038】
【化7】

を含む。
【発明を実施するための形態】
【0039】
発明者らは、長時間にわたって懸命に研究したところ、既存のニトロメチレン系ネオニコチノイド系殺虫剤のニトロメチレン構造に基づいて、ジアルデヒドとニトロメチレン系化合物とを反応させることにより、顕著に向上した殺虫活性と広くなった殺虫スペクトルとを有する新規ネオニコチノイド系化合物を合成した。これに基づき、発明者らが本発明を完成した。
【0040】
用語の定義
ここで用いられるように、用語の「C1-6 アルキル基」とは、炭素原子を1-6個有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基、又は類似の基が挙げられる。
【0041】
用語の「C1-6 アルコキシル基」とは、炭素原子を1-6個有する直鎖又は分岐鎖のアルコキシル基を示し、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、セカンダリーブトキシ基、ターシャリーブトキシ基、又は類似の基が挙げられる。
【0042】
用語の「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を示す。用語の「ハロゲン置換の」とは、相同または相異の一つまたは複数の上述ハロゲン原子で置換されたことを示し、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、又はそれらに類似する基への置換が挙げられる。
【0043】
用語の「5員又は6員複素環基」とは、窒素、酸素、硫黄から選ばれる一つまたは複数のヘテロ原子を含む5員又は6員環を示し、例えばピリジル基、チアゾリル基、ピリミジニル基、テトラヒドロフリル基、又はオキサゾリル基などが挙げられる。
【0044】
本発明の化合物の製造方法
本発明の化合物は、上で説明した反応の工程で合成するができる。当分野の技術者は、従来の技術文献に従って、例えば国際公開第2006/056108号パンフレット、国際公開第2007/101369号パンフレットおよびPCT/CN2008/071115に従って、式(a)の化合物を合成することができる。
【0045】
本発明の一つの具体的な実施形態において、式(A)の化合物の合成方法は以下の通りである。
【0046】
【化8】

(R2 は水素である。)
【0047】
本発明の一つの具体的な実施形態において、式(B)の化合物の合成方法は以下の通りである。
【0048】
【化9】

【0049】
本発明の一つの具体的な実施形態において、式(C)の化合物の合成方法は以下の通りである。
【0050】
【化10】

【0051】
本発明の一つの具体的な実施形態において、式(D)の化合物の合成方法は以下の通りである。
【0052】
【化11】

【0053】
本発明の一つの実施形態において、式(A)の化合物は下述の反応で製造することができる。
(1)2−クロロ−5−クロロメチルピリジンのアセトニトリル溶液を5-10モルのジアミン溶液に滴下し、0-50℃の間で、5-10時間反応させる。後処理は、ジアミンを減圧条件下で除去し、酢酸エチルに溶解し、溶媒を回転して乾燥させ、産物のN** −(6−クロロ−3−メチルピリジル)−ジアミンを得る。
(2)N** −(6−クロロ−3−メチルピリジル)−ジアミンと1,1−ジメチルチオ−2−ニトロエチレンとをエタノール溶媒に混ぜ、4-8時間還流させ、産物のニトロメチレン系化合物を得る。
(3)酸性触媒(塩酸、硫酸、ヘテロポリ酸など)の存在下で、ニトロメチレン系化合物をオキサアルデヒド(グリオキサール)と反応させて、前述一般式(A)の化合物を得る。
【0054】
他の実施形態において、式(B)の化合物は下述の反応で製造することができる。
(1)エチルアミンの水溶液に適量のアセトニトリルを加え、氷浴下で6−クロロ−3−クロロメチルピリジンのアセトニトリル溶液を滴下する。TLCで反応の進行を監視する。反応完了後、反応混合液に水を大量に入れ、ジクロロメタンで抽出し、乾燥、吸引ろ過を行い、溶媒を蒸発させて、油状の液体のN−(6−クロロピリジン−3−イルメチレン)エタンアミンを得る。
(2)N−(6−クロロピリジン−3−イルメチレン)エタンアミンと1,1−ジメチルチオ−2−ニトロエチレンとの混合物を、エタノール溶媒溶かし、4-8時間還流させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで分離して、産物のN−(6−クロロピリジン−3−イルメチレン)−N−エチル−1−メチルチオ−2−ニトロビニリデンアミンを得る。
(3)メチルアミン溶液とN−(6−クロロピリジン−3−イルメチレン)―N−エチル−1−メチルチオ−2−ニトロビニリデンアミンとを混ぜたものを、エタノール溶媒に溶かして、氷浴下で4-8時間反応させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで分離して、産物のN−(6−クロロピリジン−3−イルメチレン)−N−エチル−N’−メチル−2−ニトロビニリデンジアミンを得る。
(4)酸性触媒(塩酸、硫酸、ヘテロポリ酸など)の存在下で、N−(6−クロロピリジン−3−イルメチレン)―N−エチル−N’−メチル−2−ニトロビニリデンジアミンをマロンジアルデヒドと反応させて、前述一般式(B)の化合物を得る。
【0055】
他の実施形態において、式(C)の化合物は下述の反応で製造することができる。
(1)2−クロロ−5−クロロメチルピリジンのアセトニトリル溶液を5-10モルのジアミン溶液に滴下し、0-50℃の間で、5-10時間反応させる。後処理は、ジアミンを減圧条件下で除去し、酢酸エチルに溶解し、溶媒を回転して乾燥させ、産物のN** −(6−クロロ−3−メチルピリジル)−ジアミンを得る。
(2)N** −(6−クロロ−3−メチルピリジル)−ジアミンと1,1−ジメチルチオ−2−ニトロエチレンとの混合物を、エタノール溶媒溶かし、4-8時間還流させて、産物のニトロメチレン系化合物を得る。
(3)酸性触媒(塩酸、硫酸、ヘテロポリ酸など)の存在下で、ニトロメチレン系化合物(2−クロロ−5−(2−ニトロメチレン−イミダゾリジン−1−イルメチル)−ピリジン)をスクシンアルデヒドと反応させて、前述一般式(C)の化合物を得る。
【0056】
他の実施形態において、式(D)の化合物は下述の反応で製造することができる。
(1)2−クロロ−5−クロロメチルピリジンのアセトニトリル溶液を5-10モルのジアミン溶液に滴下し、0-50℃の間で、5-10時間反応させる。後処理は、ジアミンを減圧条件下で除去し、酢酸エチルに溶解し、溶媒を回転して乾燥させて、産物のN** −(6−クロロ−3−メチルピリジル)−ジアミンを得る。
(2)N** −(6−クロロ−3−メチルピリジル)−ジアミンと1,1−ジメチルチオ−2−ニトロエチレンとの混合物を、エタノール溶媒に溶かし、4-8時間還流させて、産物のニトロメチレン系化合物を得る。
(3)酸性触媒(塩酸、硫酸、ヘテロポリ酸など)の存在下で、ニトロメチレン系化合物(2−クロロ−5−(2−ニトロメチレン−イミダゾリジン−1−イルメチル)−ピリジン)をグルタルアルデヒドと反応させ、前述一般式(D)の化合物を得る。
【0057】
本発明の活性物質の殺虫活性
用語の「本発明の活性物質」又は「本発明の活性化合物」とは、本発明の化合物、その光学異性体、幾何異性体若しくは農薬的に許容される塩を示し、顕著に向上した殺虫活性および広くなった殺虫スペクトルを有する化合物である。
【0058】
用語の「農薬的に許容される塩」とは、当該塩のアニオンから殺虫剤の試薬として許容される塩を形成する場合公知で許容されるものである。当該塩は、水溶性であることが好ましい。式(A)、(B)、(C)または(D)の化合物から形成される塩は、例えば塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような無機酸から形成される塩、および酢酸塩、安息香酸塩のような有機酸から形成される塩を含んでいる。
【0059】
本発明の活性物質は、幅広い農林植物の害虫、貯蔵穀物の害虫、公共衛生の害虫および動物の健康を害する害虫などの抑制および駆除に用いることができる。本明細書において、「殺虫剤」とは、上述のすべての害虫を防除する機能を有する物質の総称である。害虫の例は、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、オオニジュウヤホシテントウ(Henosepilachna vigintioctomaculata)、ニジュウヤホシテントウ(Henosepilachna sparsa)、トビイロムナボソコメツキ(Agriotes fuscicollis)、アカアシドウガネ(Anomala cupripes)、クアドリギュタータマメコガネ(Popillia quadriguttata)、ヒエログリフィカハムシ(Monolepta hieroglyphica)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、バシプリオノタビシグナタ(Basiprionota bisignata)、ゴマダラカミキリ(Anoplophora chinensis)、クワカミキリ(Apripona germari)、シェウィリューイキクイムシ(Scolytus schevy)やトビイロムナボソコメツキ(Agriotes fuscicollis)などの鞘翅目の昆虫、マイマイガ(Lymantria dispar)、オビカレハ(Malacosoma neustria testacea)、ツゲノメイガ(Diaphania perspectalis)、オオミノガ(Clania variegata)、イラガ(Cnidocampa flauescens)、マッソンマツカレハ(Dendrolimus punctatus)、ヒメシロモンドクガ(Orgyia gonostigma)、ビロードスカシバ(Paranthrene tabaniformis)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、アワノメイガ(Ostrinia nubilalis)、コナマダラメイガ(Ephestia cautella)、 コカクモンハマキ(Adoxophyes orana)、ラスペイレシア・スプレンダナ(Laspyresia splendana)、カブラヤガ (Agrotis fucosa)、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)、コナガ(Plutella xylostella)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)やアワヨトウ(Mythimna separata)などの鱗翅目の昆虫、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ワタアブラムシ (Aphis gossydii)、ニセダイコン(Lipaphis erysimi pseudobrassicae)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)やタバココナジラミ(Bemisia tabaci)などの同翅亜目の昆虫、 チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、ワモンゴキブリ(Periplaneta american)、ケラ(Gryllotalpa africana)やトノサマバッタ (Locusta migratoria) などの直翅目の昆虫、ヒアリ(Solenopsis invicta)やイエシロアリ(Coptotermes formosanus)などの等翅目の昆虫、イエバエ(Musca domestica)、ネッタイシマカ (Aedes aegypti)、タネバエ(Delia platura)、イエカ(Culex sp.)やシナハマダラカ(Anopheles sinensis)などの双翅目の昆虫を含むが、これらに限定されない。動物の健康を害する害虫は、オウシマダニ(Boophilus microplus)、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、アナトリクムダニ(Hyalomma anatolicum)、ウシバエ(Hypoderma spp.)、カンテツ(Fasciola hepatica)、ベネデン条虫(Moniezia blanchard)、オステルタジア線虫(Ostertagia spp.)、原虫のトリパノソーマ・エバンシ(Trypanosoma enansi)、バベシア・ビゲミナ(Babesia bigemina)などを含む。
【0060】
本発明に係る化合物は、刺入吸収型または咀嚼吸収型の口器を持つ害虫、例えば、アブラムシ、ヨコバイ、ウンカ、アザミウマ、コナジラミなどの農林害虫に対して特に有効である。
【0061】
本発明の活性物質を含む殺虫性組成物
本発明の活性物質を通常の方法で殺虫性組成物とすることができる。これらの活性化合物は、通常の製剤にすることができる。例えば溶液剤、乳剤、懸濁剤、粉剤、泡沫剤、ペースト剤、顆粒剤、エアゾール剤、活性物質を含浸させた天然および合成の材料、ポリマーにおけるマイクロカプセル、種子用被覆複合剤、燃焼装置(燻蒸薬筒、燻蒸缶と燻蒸皿)と一緒に使用する製剤、およびULVコールドミスト(Cold mist)とウォームミスト(Warm mist)の製剤などにすることができる。
【0062】
これらの製剤は既知の方法で生産することができる。このような方法は、例えば、活性化合物を液体或いは液化ガス或いは固体の希釈剤または担体である展開剤と混合する。そして、界面活性剤、即ち乳化剤および/または分散剤および/または泡沫形成剤を任意に選択して使用することができる。例えば、展開剤として水を用いる場合、有機溶媒を助剤として使用することもできる。
【0063】
液体溶媒を希釈剤または担体として使用することが、基本的に適切である。例えば、キシレン、トルエンやアルキルナフタレンなどの芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、塩化エチレンやジクロロメタンなどの塩化芳香族または塩化脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンやパラフィン、鉱物油留分などの脂肪族炭化水素類、エタノールやグリコールなどのアルコール類およびそのエーテル類とエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンやシクロヘキサノンなどのケトン類、或いはジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシドなどの通常使用されない極性溶媒、並びに水が挙げられる。液化ガスの希釈剤または担体とは、常温常圧でガスとなる液体を指す。例えば、ハロゲン化炭化水素類およびブタン、プロパン、窒素ガス、二酸化炭素のようなエアゾール駆出剤が挙げられる。
【0064】
固体の担体としては、例えば、カオリン、クレー、タルク、石英、活性白土、モンモリロナイトや珪藻土などの土壌の天然鉱物、及び高分散珪酸、アルミナ、珪酸塩などの土壌の合成鉱物が挙げられる。顆粒用固体担体としては、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石や白雲石などの粉砕・分別された天然岩石、及び無機・有機の粗粉から合成される顆粒、そしておがくず、やしの実殻、とうもろこし穂軸やタバコ茎の顆粒などの有機素材が挙げられる。
【0065】
乳化剤および/または泡沫形成剤としては、非イオン性および陰イオン性の乳化剤を使用できる。例えば、ポリオキシエチレン-脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン-脂肪族アルコールエーテル類、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホン酸エステル類、アルキル硫酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類やアルブミン加水分解物などが挙げられる。分散剤は、例えば、リグニンサルファイト廃液やメチルセルロースを含む。
【0066】
製剤にバインダーを使用してもよい。例えば、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコールやポリ酢酸ビニルのような粉末、顆粒または乳液の形態の天然および合成のポリマーが挙げられる。着色剤を使用してもよい。例えば、酸化鉄、酸化コバルト、プルシアンブルーのような無機染料、アゾ染料や金属フタロシアニン染料のような有機染料、鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、アルミニウムや亜鉛の塩のような微量栄養剤が挙げられる。
【0067】
本発明のこれらの活性化合物は、他の活性化合物との混合物として、市販の製剤に、あるいはこれらの製剤から調製された使用剤形に存在することができる。そのような他の活性化合物としては、殺虫剤、餌剤、殺バクテリア剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長制御剤などが考えられるが、これらに限定されない。殺虫剤は、例えば、リン酸エステル系、カーバメート系、ピレトリン系、塩化炭化水素系、ベンゾイル尿素系、ネライストキシン系やエバーメクチンのような微生物より生成された物質を含む。
【0068】
また、本発明のこれらの活性化合物は、共力剤との混合物として、市販の製剤に、あるいはこれらの製剤から調製された使用剤形に存在することもできる。共力剤とは、活性化合物の作用を向上させる化合物である。活性化合物自身が活性を有するため、共力剤を添加しなくてもよい。
【0069】
これらの製剤においては、通常、本発明の活性化合物が0.001-99.99重量%、好ましくは0.01-99.9重量%、より好ましくは0.05-90重量%を占めることになる。製剤として市販する場合の活性化合物の濃度は、広い範囲で変更することができる。使用される製剤における活性化合物の濃度は、たとえば0.0000001-100%(g/v)であり、好ましくは0.0001-1%である。
【0070】
(実施例)
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに説明する。これらの実施例は本発明を説明するためのもので、本発明の範囲を限定するものではない。下述実施例において具体的な条件が記載されていない実験方法については、基本的に、通常の条件、或いはメーカーの推薦の条件に従う。なお、特に説明がない限り、百分率および部は重量で計算する。また、“r.t.”は室温を意味している。
【0071】
実施例1:4−(1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾリジン−2−イル)−1−(1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)イミダゾリジン−2−イル)−1,4−ジニトロ−3−ブチレン−2−オール(化合物13)の合成。
0.03molの2−クロロ−5−クロロメチルピリジンを出発原料とし、国際公開第2006/056108号パンフレット、国際公開第2007/101369号パンフレットに記載の方法に従い、2−クロロ−5−(2−ニトロメチレン−イミダゾリジン−1−イルメチル)−ピリジンを製造した。収率が56%であった。Rf = 0.46(石油エーテル:酢酸エチル=1:1);mp=156.9℃-161.8℃。GC MS(m/s) 220(25),126(100),90(9)。
4−(1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾリジン−2−イル)−1−(1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)イミダゾリジン−2−イル)−1,4−ジニトロ−3−ブチレン−2−オールの合成。
【0072】
【化12】

【0073】
1.27g(0.005mol)の2−クロロ−5−(2−ニトロメチレン−イミダゾリジン−1−イルメチル)−ピリジン、30mlの無水アセトニトリル、3mlの30%のグリオキサール水溶液を50mlの丸底フラスコに入れ、半時間撹拌し、さらに触媒量の濃塩酸を入れて触媒作用させ、続いて撹拌し、TLCで反応の進行を監視した。原料が完全に反応した後、吸引ろ過を行い、白い粉末状の固体が得られた。再結晶させ、化合物13の純製品が得られ、白い粉末状の固体1.05 gであった。収率が約76%であった。
【0074】
mp = 164.6-165.3 ℃; 1H NMR (400 Mz, DMSO-d6): δ 9.01 (s, 1H), 8.41 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.38 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.80-7.86 (m, 2H), 7.51-7.54 (m, 2H), 6.50 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.34 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 5.18 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 4.84 (dd, J1 = 2.4 Hz, J2= 7.2 Hz, 1H), 4.77 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 4.67 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 3.98 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 3.86-3.95 (m, 2H), 3.61-3.80 (m, 5H), 3.40-3.47 (m, 1H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6): δ 162.7, 158.7, 148.3, 148.2, 148.0, 147.7, 138.1, 137.7, 130.9, 130.2, 123.1, 123.0, 102.5, 101.4, 81.4, 53.8, 52.6, 49.4, 48.8, 46.4, 41.2, 41.0 ppm; HRMS (ES+) 計算値 C22H23N8O535Cl2(M+H)+, 549.1168; 実測値, 549.1178;計算値 C22H23N8O535Cl37Cl (M+H)+, 551.1139; 実測値, 551.1152;計算値C22H23N8O537Cl2(M+H)+, 553.1109; 実測値, 553.1108。
【0075】
実施例2:2−クロロ−5−((−2−(−4−(1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)− 4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾリジン−2−イル)−2−メトキシ−1,4−ジニトロ−3−ブテニル)イミダゾリジン−1−イル)メチル)ピリジン(化合物14)の合成。
【0076】
【化13】

【0077】
0.549g(0.001mol)の化合物1を50mlの丸底フラスコに入れ、さらに10mlのメタノール、50mlのジクロロメタンおよび触媒量の濃塩酸を加え、還流し、TLCで反応の進行を監視した。反応完了後、触媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで分離し、黄色の粉末状の純製品が得られた。収率が62%であった。
【0078】
mp = 151.6-153.1 ℃; 1H NMR (400 Mz, DMSO-d6): δ 9.03 (s, 1H), 8.38 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.36 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.81-7.85 (m, 2H), 7.49-7.51 (m, 2H), 6.50 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.35 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 5.19 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 4.80 (d, J1 = 7.2 Hz, 1H), 4.77 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.88-3.95 (m, 2H), 3.61-3.85 (m, 5H), 3.38-3.41 (m, 1H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6): δ 162.6, 158.7, 148.9, 148.3, 148.1, 147.6, 138.1, 137.8, 130.9, 129.9, 122.8, 123.1, 102.2, 101.6, 81.6, 58.7, 53.8, 52.6, 49.6, 48.9, 46.4, 41.3, 41.0 ppm; HRMS (ES+) 計算値 C23H25N8O535Cl2(M+H)+, 563.1325; 実測値, 563.1311. 計算値C23H25N8O535Cl37Cl (M+H)+, 565.1295。
【0079】
実施例3:N1,N7−ビス((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)N1,N7−ジエチル−N’1,N’7−ジメチル−2,6−ジニトロ−2,5−ヘプタジエンジアミジン(化合物37)の合成
(1)N−(6−クロロピリジン−3−メチレン)エタンアミンの合成。
【0080】
【化14】

【0081】
恒圧滴下漏斗、温度計が付いた300mLの三口丸底フラスコに、65-70%エチルアミン水溶液(70 g、1 mol)、アセトニトリル50 mLを入れ、溶液の温度が0℃付近に安定するように、氷浴下で15分間撹拌した。恒圧滴下漏斗に6−クロロ−3−クロロメチルピリジン(16.10 g、0.10 mol)のアセトニトリル(25 mL)溶液を3滴/分の滴下速度で3.5時間をかけて入れた。反応完了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機相を収集し、油状液体のN−(6−クロロピリジン−3−メチレン)エタンアミン14 gが得られた。収率が70%であった。GC-MS: m/z (%) = 170 ([M]+, 20), 155 (80), 126 (100), 114 (10), 90 (12)。
【0082】
(2)N−(6−クロロピリジン−3−メチレン)−N−エチル−1−メチルチオ−2−ニトロビニリデンアミンの合成。
【0083】
【化15】

【0084】
100 mLの三口丸底フラスコに、N−(6−クロロピリジン−3−メチレン)エタンアミン(17.0 g, 0.1 mol)、1,1−ジメチルチオ−2−ニトロエチレン(15.0 g, 0.09 mol)、無水エタノール(50 mL)を入れ、還流させた。反応完了後、室温まで冷却し、減圧で濃稠状液体に濃縮し、カラムクロマトグラフィーで分離し、N−(6−クロロピリジン−3−メチレン)−N−エチル−1−メチルチオ−2−ニトロビニリデンアミン5.3 gが得られた。収率が18.5%であった。GC-MS: m/z (%) = 242 ([M]+-46, 53), 227 (15), 213 (100), 169 (45), 155 (28), 141 (29), 126 (91), 90 (12)。
(3)N−(6−クロロピリジン−3−メチレン)−N−エチル−N’−メチル−2−ニトロビニリデンジアミンの合成。
【0085】
【化16】

【0086】
100 mLの一口丸底フラスコに、N−(6−クロロピリジン−3−メチレン)−N−エチル−1−メチルチオ−2−ニトロビニリデンアミン(5 g, 0.017 mol)、メチルアミン溶液(1.8 g, 0.017 molメチルアミン)、無水エタノール(30 mL)を入れ、温度が0℃に下がるまで氷浴下で撹拌し、反応が終わるまで続けた。さらに、減圧で溶媒を回転蒸発させ、濃縮して得られたスリラー状物を適量のジクロロメタンに溶解し、シリカゲルをフィラーとして、ジクロロメタン:エタノール = 25:1の展開剤でカラムクロマトグラフィーによって分離し、製品を収集し、濃縮してN−(6−クロロピリジン−3−メチレン)−N−エチル−N’−メチル−2−ニトロビニリデンジアミン0.9 gが得られた。収率が19.1%であった。TLC: ジクロロメタン:アセトン = 5:1, Rf = 0.23. 融点:78-80 ℃. (lit[67] 79-81℃) GC-MS: m/z (%) =236 ([M]+−34, 32), 207 (49), 169 (52), 126 (49), 110 (20), 90 (16), 67 (100). 16.65
(4)N1,N7−ビス((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)N1,N7−ジエチル−N’1,N’7−ジメチル−2,6−ジニトロ−2,5−ヘプタジエンジアミジン(化合物37)の合成。
【0087】
【化17】

【0088】
1.35g(0.005mol)のN−(6−クロロピリジン−3−メチレン)−N−エチル−N’−メチル−2−ニトロビニリデンジアミン、30mlの無水アセトニトリル、0. 72g(0.01mol)のマロンジアルデヒド、触媒量のHClを50mlの丸底フラスコに置いた。常温で撹拌し、TLCで反応を監視した。反応完了後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで分離し、淡黄色の粉末状の純製品が得られた。収率が56%であった。
【0089】
mp = 117.3-118.7℃; 1H NMR (400 Mz, DMSO-d6): δ 8.36 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 7.88 (dd, J1 = 2.4 Hz, J2= 8.4 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.97 (t, J = 2.8 Hz, 2H), 4.86 (d, J = 15.2 Hz, 2H), 4.49 (d, J = 15.2 Hz, 2H), 3.95-3.99 (m, 4H), 3.66-3.78 (m, 6H), 3.12-3.21 (m, 2H), 1.91-1.93 (m, 6H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6): δ 156.3, 148.5, 148.1, 137.3, 131.9, 122.5, 104.8, 49.2, 48.9, 48.0, 48.5, 28.1, 20.2 ppm; HRMS (EI+) 計算値C25H30N8O435Cl2 (M+), 576.1767; 実測値, 576.1751。
【0090】
実施例4:1,5−ビス(1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾリジン−2−イル)−1,5−ジニトロ−1,4−ペンタジエン(化合物39)の合成。
【0091】
【化18】

【0092】
1.27g(0.005mol)の2−クロロ−5−(2−ニトロメチレン−イミダゾリジン−1−イルメチル)−ピリジン、30mlの無水アセトニトリル、0.720g(0.01mol) のマロンジアルデヒド、触媒量のHClを50mlの丸底フラスコに置いた。常温で撹拌し、TLCで反応を監視した。反応完了後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで分離し、淡黄色の粉末状の純製品が得られた。収率が52%であった。
【0093】
mp = 136.5-137.8 ℃; 1H NMR (400 Mz, DMSO-d6): δ 8.34 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 7.82 (dd, J1 = 2.4 Hz, J2= 8.4 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.96 (t, J = 2.8 Hz, 2H), 4.81 (d, J = 15.8 Hz, 2H), 4.44 (d, J = 15.8 Hz, 2H), 3.92-3.97 (m, 4H), 3.65-3.72 (m, 2H), 3.49-3.56 (m, 2H), 1.92-1.93 (m, 2H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6): δ 155.3, 147.9, 147.8, 138.0, 130.9, 122.7, 104.8, 50.2, 48.9, 48.5, 48.5, 28.1 ppm; HRMS (ES+) 計算値C23H23N8O435Cl2(M+H)+, 545.1219; 実測値, 545.1201。計算値C23H23N8O435Cl37Cl (M+H)+, 547.1190; 実測値, 547.1178. 計算値C23H23N8O437Cl2(M+H)+, 549.1160; 実測値, 549.1181。
【0094】
実施例5:1,5−ビス(1−((2−クロロチアゾール−5−イル)メチル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾリジン−2−イル)−1,5−ジニトロ−1,4−ペンタジエン(化合物41)の合成。
実施例1に記載の方法に従い、2−クロロ−5−クロロメチルピリジンの代わりに0.03molの2−クロロ−5−クロロメチルチアゾールを出発原料とし、1−((2−クロロチアゾール−5−イル)メチル)−2−(ニトロメチレン)−1−イミダゾリジンを製造した。収率が56%であった。GC MS(m/s) 226(24),132(100),77(9)。
1,5−ビス(1−((2−クロロチアゾール−5−イル)メチル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾリジン−2−イル)−1,5−ジニトロ−1,4−ペンタジエンの合成。
【0095】
【化19】

【0096】
1.30g(0.005mol)の1−((2−クロロチアゾール−5−イル)メチル)−2−(ニトロメチレン)−1−イミダゾリジン、30mlの無水アセトニトリル、0. 720g(0.01mol)のマロンジアルデヒド、触媒量のHClを50mlの丸底フラスコに置いた。常温で撹拌し、TLCで反応を監視した。反応完了後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで分離し、淡黄色の粉末状の純製品が得られた。収率が44%であった。
【0097】
mp = 138.6-139.9℃; 1H NMR (400 Mz, DMSO-d6): δ 7.63 (s, 1H), 4.98 (t, J = 2.8 Hz, 2H), 4.85 (d, J = 15.8 Hz, 2H), 4.43 (d, J = 15.8 Hz, 2H), 3.96-3.99 (m, 4H), 3.67-3.71 (m, 2H), 3.51-3.56 (m, 2H), 1.95-1.97 (m, 2H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6): δ 157.6, 149.3, 138.3, 105.8, 50.6, 48.9, 48.4, 48.1, 29.1 ppm; HRMS (ES+) 計算値C19H19N8O4S235Cl2(M+H)+, 557.0348; 実測値, 557.0363. 計算値C19H19N8O4S235Cl37Cl (M+H)+, 559.0318; 実測値, 559.0620。
【0098】
実施例6:1,5−ビス(1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)−1,5−ジニトロ−1,4−ペンタジエン(化合物43)の合成。
【0099】
2.42g(0.015mol)のp−クロロピリジンを出発原料とし、国際公開第2006/056108号パンフレット、国際公開第2007/101369号パンフレットに記載の方法に従い、1−(6−クロロ−3−メチルピリジル)−2−ニトロメチレンヘキサヒドロピリミジンを製造した。収率が56%であった。Rf=0.19 (エタノール:ジクロロメタン=1:1);mp=175.7-182.6℃。GC MS(m/s) 225(100),196(9),154(10),139(11),126(31),113(10),90(31)。
1,5−ビス(1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾリジン−2−イル)−1,5−ジニトロ−1,4−ペンタジエンの合成。
【0100】
【化20】

【0101】
1.34g(0.005mol)の1−(6−クロロ−3−メチルピリジル)−2−ニトロメチレンヘキサヒドロピリミジン、30mlの無水アセトニトリル、0. 720g(0.01mol)のマロンジアルデヒド、触媒量のHClを50mlの丸底フラスコに置いた。常温で撹拌し、TLCで反応を追跡した。反応完了後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで分離し、淡黄色の粉末状の純製品が得られた。収率が55%であった。
【0102】
mp = 133.7-134.9℃; 1H NMR (400 Mz, DMSO-d6): δ 8.32 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 7.81 (dd, J1 = 2.4 Hz, J2= 8.4 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.93 (t, J = 2.8 Hz, 2H), 4.78 (d, J = 15.8 Hz, 2H), 4.40 (d, J = 15.8 Hz, 2H), 3.91-3.96 (m, 4H), 3.63-3.71 (m, 2H), 3.49-3.53 (m, 2H), 2.32-2.37 (m, 2H), 1.92-1.93 (m, 2H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6): δ 155.6, 148.3, 147.9, 138.0, 130.7, 122.7, 105.1, 50.2, 48.8, 48.5, 48.1, 36.2, 28.0 ppm; HRMS (ES+) 計算値C25H27N8O435Cl2(M+H)+, 572.1454; 実測値, 572.1468。計算値 C25H27N8O435Cl37Cl (M+H)+, 574.1425; 実測値, 574.1416。
【0103】
実施例7:N−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)−N−エチル−2−メチル−4−ニトロ−8−オキサ−2−アザビシクロ[3,2,1]−3−オクテン−3−アミン(化合物46)の合成。
【0104】
【化21】

1.35g(0.005mol)のN−(6−クロロピリジル−3−メチレン)−N−エチル−N’−メチル−2−ニトロビニリデンジアミン、30mlの無水アセトニトリル、0.860g(0.01mol) のスクシンアルデヒド、触媒量のHClを50mlの丸底フラスコに置いた。常温で撹拌し、TLCで反応を監視した。反応完了後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで分離し、淡黄色の粉末状の純製品が得られた。収率が40%であった。
【0105】
mp = 125.3-125.7℃; 1H NMR (400 Mz, DMSO-d6): δ 8.72 (s, 1H), 8.27 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.75 (dd, J1 = 2.4 Hz, J2 = 8.4 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.25-5.30 (s, 2H), 4.41-4.50 (m, 2H), 2.96-3.26 (m, 2H), 2.86 (s, 3H), 2.36-2.41 (m, 2H), 1.81-1.5 (m, 4H), 1.16-1.26 (m, 3H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6): δ 158.5, 154.4, 151.6, 150.8, 148.1, 139.3, 137.1, 107.8, 89.5, 65.8, 49.8, 46.9, 40.6, 21.9, 20.3 ppm; HRMS (EI+) 計算値C15H21N4O335Cl (M+), 339.1224; 実測値, 339.1257。計算値C15H21N4O337Cl (M+), 341.1194; 実測値, 341.1213。
【0106】
実施例8:9−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)−4−ニトロ−8−オキサ−10,11−ジヒドロイミダゾ[2,3−a]ビシクロ[3,2,1]−3−オクテン(化合物52)の合成。
【0107】
【化22】

【0108】
1.27g(0.005mol)の2−クロロ−5−(2−ニトロメチレン−イミダゾリジン−1−イルメチル)−ピリジン、30mlの無水アセトニトリル、0.860g(0.01mol) のスクシンアルデヒド、触媒量のHClを50mlの丸底フラスコに置いた。常温で撹拌し、TLCで反応を監視した。反応完了後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで分離し、淡黄色の粉末状の純製品が得られた。収率が71%であった。
【0109】
mp = 149.0-150.0 ℃; 1H NMR (400 Mz, DMSO-d6): δ 8.35 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.81 (dd, J1 = 2.4 Hz, J2= 8.4 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.36-5.39 (s, 2H), 5.00 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 4.68 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 3.57-3.73 (m, 4H), 1.94-2.04 (m, 4H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6): δ 155.6, 149.7, 149.6, 139.7, 132.6, 124.5, 109.6, 87.0, 75.1, 51.2, 50.3, 46.6, 31.9, 31.7 ppm; HRMS (ES+) 計算値C14H16N4O335Cl (M+H)+, 323.0911; 実測値, 323.0912。計算値C14H16N4O337Cl (M+H)+, 325.0811; 実測値, 325.0895。計算値C14H15N4O335ClNa (M+Na)+, 345.0730; 実測値, 345.0722。計算値C14H15N4O337ClNa (M+Na)++, 347.0701; 実測値, 347.0692。
【0110】
実施例9:9−((2−クロロチアゾール−5−イル)メチル)−4−ニトロ−8−オキサ−10,11−ジヒドロイミダゾ[2,3−a]ビシクロ[3,2,1]−3−オクテン(化合物53)の合成。
【0111】
【化23】

【0112】
1.30g(0.005mol)の2−クロロ−5−(2−ニトロメチレン−イミダゾリジン−1−イルメチル)−ピリジン、30mlの無水アセトニトリル、0.860g(0.01mol) のスクシンアルデヒド、触媒量のHClを50mlの丸底フラスコに置いた。常温で撹拌し、TLCで反応を監視した。反応完了後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで分離し、淡黄色の粉末状の純製品が得られた。収率が63%であった。
【0113】
mp = 151.7-152.1 ℃; 1H NMR (400 Mz, DMSO-d6): δ 7.65 (s, 1H), 5.33-5.37 (s, 2H), 5.01 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 3.52-3.70 (m, 4H), 1.90-2.01 (m, 4H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6): δ 155.2, 149.6, 139.1, 124.5, 110.6, 87.1, 75.6, 51.3, 50.6, 46.9, 31.9, 31.2 ppm; HRMS (ES+) 計算値C12H15N4O3S35Cl (M+H)+, 329.0475; 実測値, 329.0412. 計算値C12H15N4O3S37Cl (M+H)+, 331.0446; 実測値, 331.0423。
【0114】
実施例10:9−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)−4−ニトロ−8−オキサ−10,11,12−トリヒドロピリミド[2,3−a]ビシクロ[3,2,1]−3−オクテン(化合物61)の合成。
【0115】
【化24】

1.34g(0.005mol)の1−(6−クロロ−3−メチルピリジル)−2−ニトロメチレンヘキサヒドロピリミジン、30mlの無水アセトニトリル、0.860g(0.01mol) のスクシンアルデヒド、触媒量のHClを50mlの丸底フラスコに置いた。常温で撹拌し、TLCで反応を追跡した。反応完了後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで分離し、淡黄色の粉末状の純製品が得られた。収率が38%であった。
【0116】
mp = 143.2-144.9 ℃; 1H NMR (400 Mz, DMSO-d6): δ 8.33 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.80 (dd, J1 = 2.4 Hz, J2= 8.4 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.32-5.35 (s, 2H), 5.00 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 4.66 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 3.51-3.68 (m, 4H), 2.33-2.41 (m, 2H), 1.89-2.00 (m, 4H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6): δ 155.5, 149.6, 149.3, 139.7, 132.6, 124.1, 109.3, 86.6, 75.1, 51.2, 50.7, 46.6, 32.1, 31.7, 26.9 ppm; HRMS (ES+) 計算値C15H19N4O335Cl (M+H)+, 337.1067; 実測値, 337.1015。計算値C15H19N4O337Cl (M+H)+, 339.1038; 実測値, 339.0995。
【0117】
実施例11:9−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)−4−シアノ−8−オキサ−10,11−ジヒドロイミダゾ[2,3−a]ビシクロ[3,2,1]−3−オクテン(化合物64)の合成。
【0118】
【化25】

【0119】
1.17g(0.005mol)の2−クロロ−5−(2−シアノメチレン−イミダゾリジン−1−イルメチル)−ピリジン、30mlの無水アセトニトリル、0.860g(0.01mol) のスクシンアルデヒド、触媒量のHClを50mlの丸底フラスコに置いた。常温で撹拌し、TLCで反応を監視した。反応完了後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで分離し、淡黄色の粉末状の純製品が得られた。収率が66%であった。
【0120】
mp = 125.1-126.8 ℃; 1H NMR (400 Mz, DMSO-d6): δ 8.34 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.82 (dd, J1 = 2.4 Hz, J2= 8.4 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.33 (s, 1H), 5.25 (s, 1H), 5.00 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 4.78 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 3.56-3.78 (m, 4H), 1.91-2.00 (m, 4H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6): δ 153.6, 149.0, 148.6, 139.7, 132.3, 121.5, 99.6, 87.3, 75.7, 51.3, 50.2, 46.6, 31.5, 29.7 ppm; HRMS (ES+) 計算値C15H16N4O35Cl (M+H)+, 303.1013; 実測値, 303.0992。計算値C15H16N4O37Cl (M+H)+, 305.0983; 実測値, 305.0957。
【0121】
実施例12:10−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)−4−ニトロ−9−オキサ−11,12−ジヒドロイミダゾ[2,3−a]ビシクロ[3,3,1]−3−ノネン(化合物77)の合成。
【0122】
【化26】

【0123】
1.27g(0.005mol)の2−クロロ−5−(2−ニトロメチレン−イミダゾリジン−1−イルメチル)−ピリジン、30mlの無水アセトニトリル、3mlの25%グルタルアルデヒド水溶液、触媒量のHClを50mlの丸底フラスコに置いた。常温で撹拌し、TLCで反応を監視した。反応完了後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで分離し、淡黄色の粉末状の純製品が得られた。収率が86%であった。
【0124】
mp = 174.7-175.4 ℃; 1H NMR (400 Mz, DMSO-d6): δ 8.38 (dd, J1 = 0.6 Hz, J2 = 2.4 Hz, 1H), 7.84 (dd, J1 = 2.4 Hz, J2 = 8.4 Hz, 1H), 7.52 (dd, J1 = 0.6 Hz, J2 = 8.4 Hz, 1H), 5.12 (s, 1H), 5.04-5.05 (m, 1H), 4.97 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 4.71 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 3.62-3.74 (m, 4H), 1.66-1.81 (m, 4H), 1.51-1.55 (m, 1H), 1.32-1.44 (m, 1H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6): δ 156.6, 149.7, 149.6, 139.7, 132.9, 124.5, 105.8, 81.7, 68.9, 51.7, 50.0, 46.3, 28.8, 27.2, 14.8 ppm; HRMS (EI+) 計算値C15H17N4O335Cl (M+), 336.0989; 実測値, 336.0988。計算値C15H17N4O337Cl (M+), 338.0960; 実測値, 338.0968。
【0125】
実施例13:10−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)−4−ニトロ−9−オキサ−11,12−ジヒドロイミダゾ[2,3−a]ビシクロ[3,3,1]−3−ノネン(化合物80)の合成。
【0126】
実施例1に記載の方法に従い、2−クロロ−5−クロロメチルピリジンの代わりに0.2molの3−クロロメチルテトラヒドロフランを出発原料とし、1−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)−2−(ニトロメチレン)−1−イミダゾリンを製造した。収率が51%であった。GC MS(m/s) 177(29),99(100),56(9)。
10−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)−4−ニトロ−9−オキサ−11,12−ジヒドロイミダゾ[2,3−a]ビシクロ[3,3,1]−3−ノネン
【0127】
【化27】

【0128】
1.065g(0.005mol)の1−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)−2−(ニトロメチレン)−1−イミダゾリン、3mlの25%グルタルアルデヒド水溶液、触媒量のHClを50mlの丸底フラスコに置いた。常温で撹拌し、TLCで反応を監視した。反応完了後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで分離し、淡黄色の粉末状の純製品が得られた。収率が36%であった。
【0129】
mp = 115.3-116.9℃; 1H NMR (400 Mz, DMSO-d6): δ 5.11 (s, 1H), 5.00-5.03 (m, 1H), 4.18 (d, J = 3.2 Hz, 2H), 4.05-4.25 (m, 2H), 3.85-3.96 (m, 4H), 2.25 (m, 1H), 1.66-1.81 (m, 4H), 1.63 -1.64 (m, 2H), 1.57-1.59 (m, 2H), 1.51-1.55 (m, 1H), 1.32-1.44 (m, 1H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6): δ 81.7, 80.6, 78.5, 68.9, 50.0, 49.7, 46.9, 44.6, 36.8, 33.9, 28.8, 27.2, 17.8, 14.8ppm; HRMS (EI+) 計算値C14H21N3O4 (M+), 295.1532; 実測値, 295.1598。
【0130】
実施例14:本発明化合物の殺虫活性テスト
(1)アブラムシに対する殺虫活性
アブラムシは同翅亜目に属し、刺入吸収型であり、よく見られる農作物の害虫である。マメアブラムシ(Aphis craccivora)をテスト対象とし、浸漬法でテストを行った。
【0131】
操作の手順:各種のサンプルを正確に秤量し、それぞれにN,N−ジメチルホルムアミドを入れて10g/Lの原液を調製し、実験のときに0.2mL/LのTriton X-100を含有する水溶液で濃度を500ppmに希釈した。無翅成虫が豆芽の上で安定して吸収摂食を始めた後、豆芽とともに濃度が500ppmの薬液に浸漬し、5秒後取り出し、吸水紙で余った薬液を吸い取り、清潔な容器に移して23℃の恒温で飼養した。各濃度は3回ずつ繰り返し、対照群は0.2mL/LのTriton X-100を含有する水溶液であった。処理して24時間後、アブラムシの死亡虫数を統計し、且つ公式:死亡率(%)=(対照群の生存虫数−処理群の生存虫数)/対照群の生存虫数×100%で死亡率(%)を算出した。結果は下述表1-4に示す。
【0132】
(2)ウンカに対する殺虫活性
ウンカは同翅亜目に属し、刺入吸収型を有し、よく見られる農作物の害虫である。トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)をテスト対象とし、噴霧法でテストを行った。
操作の手順:アセトンを溶媒としてテストされる化合物を正確に500、250、100、50、25、12.5、6.25、3.13、1.57、0.79 ppmの溶液とし、且つアセトン水溶液の処理を空白対照とした。各処理は3杯ずつ繰り返した(即ち、3回ずつ繰り返した)。小型手動噴霧器で各杯に均一に2mlずつ噴霧した。施薬の6時間前に各鉢にトビイロウンカを10匹ずつ接種した。合わせて3バッチの試験を行った。処理の24時間後、受試虫の死亡虫数を統計し、且つで死亡率(%)を算出した(公式は前述と同様)。結果は下述表1-4に示す。
【0133】
(3)アワヨトウに対する殺虫活性
葉浸漬飼養法を使用した。アセトンを溶媒としてテストされる化合物を正確に500、250、100、50、25、12.5、6.25、3.13、1.57ppmの溶液とし、且つアセトン水溶液の処理を空白対照とした。新鮮なトウモロコシの葉を溶液に3秒浸漬した後、室温で乾燥し、ムシの摂食に供給し、24h後検査して受試虫の死亡率(%公式は前述と同様)を算出した。各処理は受試虫を10匹とし、3回ずつ繰り返した。結果は表1-4に示す。
【0134】
(4)コナガに対する殺虫活性
葉浸漬飼養法を使用した。新鮮なキャベツの葉を上述溶液に3秒浸漬した後、室温で乾燥し、ムシの摂食に供給し、24h後検査して受試虫の死亡率(%公式は前述と同様)を算出した。各処理は受試虫を10匹とし、3回ずつ繰り返した。水だけの処理を空白対照とした。結果は下述表1-4に示す。
【0135】
【表1A】

【0136】
【表1B】

【0137】
【表2】

【0138】
【表3A】

【0139】
【表3B】

【0140】
【表4】

【0141】
実施例15:本発明化合物を含む殺虫性組成物の調製
(a)油状懸濁液
25%(重量百分率、以下同様)の化合物1-73のうち任意の一種、5%のポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエート、70%の高級脂肪族炭化水素系油の割合で各成分を用意した。固体の顆粒が約5ミクロン以下になるまで各成分をサンドミルの中で一緒に研磨した。得られた粘稠な懸濁液は直接使用することができるが、水中で乳化して使用してもよい。
【0142】
(b)水懸濁液
25%の化合物1-73のうち任意の一種、3%の水和アタパルジャイト(hydrate attapulgite)、10%のリグニンスルホン酸カルシウム、0.5%のリン酸二水素ナトリウム、61.5%の水の割合で各成分を用意した。固体の顆粒が約10ミクロン以下になるまで各成分をボールミルの中で一緒に研磨した。この水懸濁液は直接使用することができる。
【0143】
(c)餌剤
0.1-10%の化合物1-73のうち任意の一種、80%の小麦粉、19.9-10%の糖蜜の割合で各成分を用意した。これらの成分を完全に混合し、必要によって餌の形状とした。食用餌は、例えば家庭や仕事場、または厨房、病院、商店や室外区域などの衛生害虫に侵害される場所に分散することで、経口摂取によって害虫を防除することができる。
【0144】
本明細書で引用した文献がそれぞれ参照されるように、本発明の参考文献として記載した。また、上で述べた本発明の開示内容に基づいて、この分野の技術者が本発明に各種の変更や修正をすることができるかもしれないが、そのような変更や修正が加えられた態様は本発明の請求の範囲に含まれる、と理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(A)、(B)、(C)または(D)で示される構造を有する化合物、前記化合物の光学異性体、前記化合物の幾何異性体、または農薬的に許容される前記化合物の塩。
【化28】

(式中、R1 は、窒素、酸素および/または硫黄を含む5員複素環基、窒素、酸素および/または硫黄を含む6員複素環基、ハロゲン置換の窒素、酸素および/または硫黄を含む5員複素環基、ハロゲン置換の窒素、酸素および/または硫黄を含む6員複素環基、ハロゲン置換のフェニル基、または無置換のフェニル基であり、前記置換基が、ハロゲン、C1-4 ハロゲン置換のアルキル基およびC1-4 塩化アルコキシル基からなる群から選ばれる1つ又は複数のものである。
2 は、H、C1 −C8 飽和アルキル基、C1 −C8 不飽和アルキル基、ハロゲン置換のC1-8 飽和アルキル基、ハロゲン置換のC1-8 不飽和アルキル基、−CH2 CH2 OCH2 CH3 飽和アルコキシル基、−CH2 CH2 OCH2 CH3 不飽和アルコキシル基、−CH2 CH2 OCH3 飽和アルコキシル基、−CH2 CH2 OCH3 不飽和アルコキシル基、C1-8 飽和アルコキシル基、C1-8 不飽和アルコキシル基、フェニル基、ベンジル基、C1-4 アルキル基−カルボニル基またはC1-4 アルキル基−スルホニル基である。
3 およびR4 は、それぞれ独立に、H、C1-6 アルキル基、アリル基、ベンジル基、C1-4 アルコキシル基−C1-4 アルキル基、C1-4 アルコキシル基−カルボニル基、フェノキシカルボニル基、C2-6 アルキニル基−カルボニル基、C2-3 アルケニル基−カルボニル基、C3-6 シクロアルキル基−カルボニル基、ベンゾイル基、ハロゲン原子、C1-4 アルキル基、C1-4 ハロゲン置換のアルキル基、C1-4 アルコキシル基およびC1-4 アルキル基−カルボニル基から選ばれる1つ又は複数のもので置換されたベンゾイル基、フランカルボニル基またはN,N−ジメチルカルボニル基である。または、R3 およびR4 は共に、−CH2 −CH2 −、−CH2 −CH2 −CH2 −又はCH2 −XR−CH2 −である。前記Xはヘテロ原子である。前記RはH、C1-6 アルキル基、アリル基、ベンジル基、フェニル基、C1-4 アルコキシル基−C1-4 アルキル基、C1-4 アルコキシル基−カルボニル基、フェノキシカルボニル基、C2-6 アルキニル基−カルボニル基、C2-3 アルケニル基−カルボニル基、C3-6 シクロアルキル基−カルボニル基、ベンゾイル基、ハロゲン原子、C1-4 ハロゲン置換のアルキル基、C1-8 飽和アルキル基、C1-8 不飽和アルキル基、アルコキシル基およびC1-4 アルキル基−カルボニル基から選ばれる1つ又は複数の置換基で置換されたベンゾイル基、フランカルボニル基またはN,N−ジメチルカルボニル基であり、ヘテロ原子に結合する置換基である。
5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は、H、C1-4 飽和アルキル基、C1-4 不飽和アルキル基、ハロゲン、C1-8 飽和アルコキシル基、C1-8 不飽和アルコキシル基、ハロゲン置換のC1-4 飽和アルコキシル基、ハロゲン置換のC1-4 不飽和アルコキシル基、C1-4 アルキル基−カルボニル基、C1-8 アルキルエステル基、C1-4 アルキル基−スルホン酸エステル基、フェニル基またはベンジル基である。
Yは、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロアセチル基またはトリフルオロメタンスルホニル基である。)
【請求項2】
1 は、ピリジル基、該ピリジル基のハロゲン化物、チアゾリル基、該チアゾリル基のハロゲン化物、ピリミジニル基、該ピリミジニル基のハロゲン化物、テトラヒドロフリル基、該テトラヒドロフリル基のハロゲン化物、オキサゾリル基、または該オキサゾリル基のハロゲン化物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の化合物、前記化合物の光学異性体、前記化合物の幾何異性体、または農薬的に許容される前記化合物の塩。
【請求項3】
2 は、H、C1-4 飽和アルキル基、C1-4 不飽和アルキル基、ハロゲン置換のC1-4 飽和アルキル基またはハロゲン置換のC1-4 不飽和アルキル基、C1-4 アルキル基−カルボニル基、置換ベンジル基または無置換ベンジル基であり、前記置換基がハロゲン、C1-4 ハロゲン置換のアルキル基、C1-4 塩化アルコキシル基からなる群から選ばれる1つ又は複数のものであることを特徴とする請求項1に記載の化合物、前記化合物の光学異性体、前記化合物の幾何異性体、または農薬的に許容される前記化合物の塩。
【請求項4】
3 およびR4 は、水素およびC1-6 アルキル基、または、−CH2 −CH2 −および−CH2 −CH2 −CH2 −で構成してあることを特徴とする請求項1に記載の化合物、前記化合物の光学異性体、前記化合物の幾何異性体、または農薬的に許容される前記化合物の塩。
【請求項5】
5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は、H、C1-2 飽和炭化水素基、C1-2 不飽和炭化水素基、ハロゲン、C1-4 飽和アルコキシル基、C1-4 不飽和アルコキシル基、ハロゲン置換のC1-2 飽和アルコキシル基またはハロゲン置換のC1-2 不飽和アルコキシル基、C1-4 アルキルエステル基(RCOO−)、C1-2 アルキル基−スルホン酸エステル基またはトリフルオロメタンスルホニルエステルであることを特徴とする請求項1に記載の化合物、前記化合物の光学異性体、前記化合物の幾何異性体、または農薬的に許容される前記化合物の塩。
【請求項6】
Yは、ニトロ基またはシアノ基であることを特徴とする請求項1に記載の化合物、、前記化合物の光学異性体、前記化合物の幾何異性体、または農薬的に許容される前記化合物の塩。
【請求項7】
(a)重量%が0.001-99.99である請求項1−6のいずれかに記載の化合物、前記化合物の光学異性体、前記化合物の幾何異性体、農薬的に許容される前記化合物の塩、前記光学異性体の塩、前記幾何異性体の塩、またはこれらの組合せと、
(b)農薬的に許容される担体および/または賦形剤と、
を含む農業用組成物。
【請求項8】
農業害虫、衛生害虫および動物の健康を害する害虫の駆除および/または予防のために用いられること、または、農業害虫、衛生害虫および動物の健康を害する害虫の駆除および/または予防のための殺虫性組成物として用いられることを特徴とする請求項7に記載の農業用組成物の使用。
【請求項9】
酸性触媒の存在下に、0-60℃で、式(a)の化合物を式(b)、(c)又は(d)の化合物と反応させることにより、式(A)、(B)、(C)または(D)の構造を有する化合物を得る工程、
【化29】

(式中、R2 は水素であり、R1 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 およびYは請求項1で定義してあり、nは0又は1である。)
を含む請求項1−6のいずれかに記載の化合物、前記化合物の光学異性体、前記化合物の幾何異性体、または農薬的に許容される前記化合物の塩の製造方法。
【請求項10】
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、20-30℃で、下記の式のように2-24時間反応させることにより、式中のR2 が水素である式(A)の化合物を得る工程と、
【化30】

アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、20-30℃で、下記の式のように2-24時間反応させることにより、式(B)の化合物を得る工程と、
【化31】

アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、10-50℃で、下記の式のように2-24時間反応させることにより、式(C)の化合物を得る工程と、
【化32】

アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、10-50℃で、下記の式のように2-24時間反応させることにより、式(D)の化合物を得る工程と、
【化33】

を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2012−512191(P2012−512191A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541073(P2011−541073)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/CN2009/075693
【国際公開番号】WO2010/069266
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(507166519)▲華▼▲東▼理工大学 (5)
【出願人】(511148813)上海生▲農▼生化制品有限公司 (1)
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI SHENGNONG PESTICIDE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】51Dongzhou Rd.,Dongjing Songjiang Shanghai 201619 China
【Fターム(参考)】