ジョブ履歴情報監査システム、ジョブ履歴情報監査システムの制御方法、プログラム
【課題】 存する画像データを効率的にサンプリングすることによって、情報漏えい抑止効果を低下させずに、記憶容量の低減を図ることが可能なジョブ履歴監査システムを提供する。
【解決手段】 デジタル複合機10において実行されるジョブのジョブ履歴情報を保存するジョブ履歴情報監査システムであって、ジョブに含まれるページのうちジョブ履歴情報として画像データを取得するページの割合を含む、ページフィルタリングの条件を設定する設定制御部と、ページフィルタリングの条件に画像データを取得するページの割合が設定されている場合に、ジョブに含まれるページから、当該割合にあたるページ数分の画像データをランダムで取得するジョブ履歴情報制御部とを有する。
【解決手段】 デジタル複合機10において実行されるジョブのジョブ履歴情報を保存するジョブ履歴情報監査システムであって、ジョブに含まれるページのうちジョブ履歴情報として画像データを取得するページの割合を含む、ページフィルタリングの条件を設定する設定制御部と、ページフィルタリングの条件に画像データを取得するページの割合が設定されている場合に、ジョブに含まれるページから、当該割合にあたるページ数分の画像データをランダムで取得するジョブ履歴情報制御部とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル複合機において実行されたスキャン、コピー、印刷などのジョブについて、実行ユーザ、実行日時などのジョブ履歴情報を記録することのできるジョブ履歴情報監査システム、ジョブ履歴情報監査システムの制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のプリンタやデジタル複合機などの画像形成装置の普及に伴って、原稿の印刷、コピーや送信を誰でも簡単に実行することが可能になっている。このようにユーザにとって利便性が向上する一方で、機密原稿の印刷やコピー、送信などによる情報漏えいが新たな問題となっている。その対策として、印刷、コピー、FAX、電子メール送信などジョブの実行の際に、ジョブ履歴情報を記憶装置に保存する画像形成装置が存在する。ジョブ履歴情報には、例えば、そのジョブを実行したユーザ情報、実行した日時情報、実行したデジタル複合機を特定する情報(IPアドレスや、シリアル番号)、実行したジョブの種類を示すログ属性情報が含まれる。さらに、ジョブ履歴情報は、入力された画像をデータ化した画像データや前記画像データを縮小した縮小画像データを含むこともある。
【0003】
ジョブ履歴情報監査システムは、上述した画像形成装置とジョブ履歴情報監査サーバとから構成される。該ジョブ履歴情報監査サーバは、画像処理サーバ、データサーバ、及び、検索サーバから構成される。該画像処理サーバ、データサーバ、及び、検索サーバは任意の組み合わせで別々の情報処理装置(PC)上に構築されても構わないし、同一PC上に構築されても構わない。画像形成装置に記録されたジョブ履歴情報は、画像処理サーバに送信され、データサーバ上に構築されたデータベースに保存される。ジョブ履歴情報はデータベース上に一定期間保存される。検索サーバは、ユーザからの検索条件の指定に基づいて、データベース上のジョブ履歴情報を検索し、その結果をユーザに提示する。これにより、情報漏えいが発覚した場合など、後から遡ってジョブ履歴情報を追跡することができる。
【0004】
このような画像形成装置、およびジョブ履歴情報監査システムには、多数のジョブ履歴情報を保存するために、大容量の記憶領域が必要となる。そのため、必要な記憶容量を低減し、より多くのジョブ履歴を効率的に保存する方法が提案されている。
【0005】
例えば特許文献1では、画像データの解像度低下、画像データの一部を選択、画像データのカラー数の削減を行った上で、ジョブ履歴情報を保存することにより、データベースに保存されるデータ量の低減を図っている。特に、画像データの選択に関しては、ページ指定ページまたは、ランダムに指定されたページの画像データを選択する点が記載されている。このようにジョブ実行時に入力された画像データの一部のページを抽出して保存することを、本明細書ではページフィルタリングと呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−166178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ジョブ履歴情報監査システムを導入するユーザの目的の1つに、情報漏えい抑止がある。その目的を達成するためには、全てのページを画像データとして保存することは必須ではなく、ページフィルタリングにおいて効率的にサンプリングを行うことで不正を発見できれば十分である。
【0008】
現在のジョブ履歴情報監査システムにおいては、指定されたページのみ画像データとして保存することが可能であるが、特定のページや特定のページ数まで、という規則性に基づいたサンプリングでは適切なサンプリングができているとは言えない。つまり、悪意のあるユーザによって、特定のページ以外、または特定のページ数を超えるページに機密情報を含むようなデータを使用し、ジョブ履歴情報を残さないようにジョブを実行することが可能である。
【0009】
また、ランダムに指定されたページの画像データを保存する場合についても、何ページの文書であっても固定ページ数となってしまう。例えば、100ページでも1000ページでも50ページ分のランダムなページの画像データを保存する。この方法は、悪意のあるユーザが大量のページ数の中に機密情報を少量だけ含めてジョブを実行することで、ジョブ履歴情報に情報漏えいを検知するための情報が残らない可能性が高くなってしまう。情報漏えい抑止効果の低下につながるため、適切なサンプリングができているとは言えない。
さらに、ページフィルタリングをジョブ履歴情報監査サーバ側で行う場合、ページフィルタリングによって最終的に保存されないページの画像データもデジタル複合機から送信するため、余計なネットワーク負荷がかかってしまう。
【0010】
本発明の目的は、上記の課題を鑑み、保存する画像データを効率的にサンプリングすることによって、情報漏えい抑止効果を低下させずに、記憶容量の低減を図ることが可能なジョブ履歴監査システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明のジョブ履歴監査システムは、画像形成装置において実行されるジョブのジョブ履歴情報を保存するジョブ履歴情報監査システムであって、前記画像形成装置において実行されるジョブに含まれるページのうち前記ジョブ履歴情報として画像データを取得するページの割合を含む、ページフィルタリングの条件を設定する設定手段と、前記ページフィルタリングの条件に画像データを取得するページの割合が設定されている場合に、前記ジョブに含まれるページから、当該割合にあたるページ数分の画像データをランダムで取得する取得手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
保存する画像データを効率的にサンプリングすることによって、情報漏えい抑止効果を低下させずに、記憶容量の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例に係るジョブ履歴情報監査システムの全体構成図。
【図2】本発明の一実施例に適用される情報処理装置のハードウェア構成図。
【図3】本発明の一実施例に適用されるデジタル複合機の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の一実施例に係るジョブ履歴情報監査システムのソフトウェア構成を示すプロック図。
【図5】デジタル複合機における設定情報の設定処理の流れを示すフローチャート。
【図6】画像処理サーバにおけるデジタル複合機からの設定情報保存要求の受信処理の流れを示すフローチャート。
【図7】画像処理サーバにおける設定情報の設定処理の流れを示すフローチャート。
【図8】デジタル複合機における設定情報取得要求を行う処理の流れを示すフローチャート。
【図9】画像処理サーバにおけるデジタル複合機からの設定情報取得要求の受信処理の流れを示すフローチャート。
【図10】デジタル複合機における、ジョブ実行及びジョブ履歴情報生成の処理の流れを示すフローチャート。
【図11】デジタル複合機から画像処理サーバへジョブ履歴情報を送信する処理の流れを示すフローチャート。
【図12】画像処理サーバにおける、デジタル複合機からジョブ履歴情報を受信し、データサーバへ保存する処理の流れを示すフローチャート。
【図13】デジタル複合機におけるページフィルタリング及びジョブ履歴情報転送処理の流れを示すフローチャート。
【図14】設定情報入力受付処理の際に、ページフィルタリングの動作条件を設定するためのユーザインターフェースの一例を示す図。
【図15】実施例2に係るデジタル複合機におけるページフィルタリング及びジョブ履歴情報転送処理の流れを示すフローチャート。
【図16】実施例2に係る設定情報入力受付処理の際に、ページフィルタリングの動作条件を設定するためのユーザインターフェースの一例を示す図。
【図17】実施例3に係る設定情報入力受付処理の際に、ページフィルタリングの動作条件を設定するためのユーザインターフェースの一例を示す図。
【図18】実施例3における、データサーバ30に保存されているユーザリストの一例を示す図。
【図19】実施例3における、データサーバ30に保存されている曜日と時間帯の設定の一例を示す図。
【図20】実施例3における、データサーバ30に保存されている時間帯に応じたページフィルタリング設定の一例を示す図。
【図21】実施例3における、ページフィルタリングの動作条件を設定する処理の流れを示すフローチャート。
【図22】実施例3における、設定情報取得の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施例1]
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。本実施例では、ジョブ履歴情報監査サーバが、画像処理サーバ、データサーバ、及び検索サーバとして、別々の情報処理装置(PC)により構築されているものとして説明する。
【0015】
図1は、本実施例におけるジョブ履歴情報監査システムの全体構成図である。ここではネットワーク上に画像形成装置としての一例であるデジタル複合機10、画像処理サーバ20、データサーバ30、検索サーバ40が、ネットワーク50を介して接続されている。
【0016】
デジタル複合機10は、スキャン、プリント、コピー、電子メール、FAXなどの機能を有している。デジタル複合機10は、機器上で実行したジョブに関して、同時にジョブ履歴情報を記録する機能を有する。デジタル複合機10は、ジョブが実行された場合、ジョブ履歴情報をローカルの記憶領域に一時保存し、送信指示を受信時または送信時間になり次第それらを画像処理サーバ20に送信する。
【0017】
画像処理サーバ20は、デジタル複合機10から送信されたジョブ履歴情報に対し、データ変換処理を行い、データサーバ30へ保存する。データ変換処理とは、画像データに対して、OCR処理を行ってテキスト情報を抽出したり、画像データのフォーマットを変換したりする処理である。データ変換処理によって得られたテキスト情報は、ジョブ履歴情報と紐付けられてデータサーバ30に保存され、ジョブ履歴情報の検索に利用される。
【0018】
データサーバ30には、画像処理サーバ20から送信されたジョブ履歴情報(ログ属性及び画像データ)、ジョブ履歴情報に関連付けられたテキスト情報が保存される。なお、本実施例ではデータサーバにデータベースが存在することを前提としているが、ジョブ履歴情報を保存できる記憶手段であれば、データベースであっても、ファイルシステムであっても構わない。データサーバ30に保存されたジョブ履歴情報は、所定の条件を満たすと削除される。所定の条件とは通常、ジョブ履歴情報の保存期間であり、一定の期間が経過したジョブ履歴情報から順次削除される。削除処理は、たとえば1日に1回など、所定のタイミングで実行される。
【0019】
検索サーバ40は、ユーザから検索条件を受けつけ、データサーバ30に保存されたジョブ履歴情報から検索条件に合致するものを取得し、ユーザに提示する。検索条件としては、ジョブの実行者、実行日時などのジョブ属性情報やテキスト情報に含まれる文字列などがある。指定された検索条件をキーワードに、データサーバ30に保存されたジョブ履歴情報を検索する。
【0020】
図1において、各PCは別々の構成要素として記載しているが、1台のPCにこれらの機能が含まれている構成でもかまわない。また、これらの機能が任意の組み合わせで、任意の台数のPCに含まれていても構わない。
【0021】
図2は、図1に示した画像処理サーバ20、データサーバ30、及び、検索サーバ40のそれぞれを構成する各PCのハードウェア構成図である。図2に示されるハードウェア構成図は一般的な情報処理装置のハードウェア構成図に相当するものとし、本実施形態の各PCには一般的な情報処理装置のハードウェア構成を適用できる。
【0022】
図2において、CPU100は、ROM102のプログラム用ROMに記憶された、或いはハードディスク109からRAM101にロードされたオペレーティングシステムやアプリケーション等のプログラムを実行する。後述する各フローチャートの処理はこのプログラムの実行により実現できる。RAM101は、CPU100の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ103は、キーボード107や図示しないポインティングデバイスからのキー入力を制御する。ディスプレイコントローラ104は、各種ディスプレイ108の表示を制御する。ディスクコントローラ105は、各種データを記憶するハードディスク(HD)109やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)等におけるデータアクセスを制御する。NC106はネットワークに接続されて、ネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。
【0023】
図3は、図1に示したデジタル複合機10の構成を示すブロック図である。コントローラユニット233は、画像入力デバイスであるスキャナ部231や画像出力デバイスであるプリンタ部232と接続している。また一方では、ネットワーク(LAN)240や公衆回線(WAN)250と接続している。これによって、画像データやデバイス情報の入出力を行う。コントローラユニット233において、200はCPUで、システム全体を制御するコントローラである。201はRAMで、CPU200が動作するためのシステムワークメモリであり、入力された画像データを一時記憶するための画像メモリ(バッファメモリ)でもある。202はROMで、ブートROMであり、システムのブートプログラムが保存されている。
【0024】
203はハードディスクドライブ(HDD)で、システムソフトウェア、ジョブ履歴情報、ユーザボックス内の画像データなどを保存する。204は操作部I/Fで、操作部234とのインターフェース部であり、操作部234に表示する画面データを操作部234に対して出力する。また、操作部I/F204は、操作部234からオペレータが入力した情報を、CPU200に伝える役割をする。なお、操作部234は、デジタル複合機に設置された画面であっても、PCなどの外部機器からリモートでデジタル複合機内のプログラムが提供する画面(ディスプレイ108)であっても構わない。
【0025】
205はネットワーク部(Network)で、ネットワーク(LAN)240に接続し、情報の入出力を行う。206はモデム(MODEM)で、公衆回線(WAN)250に接続し、画像データの入出力を行う。以上のデバイスがシステムバス207上に配置される。208はイメージバス(Image Bus)I/Fで、システムバス207と画像データを高速で送信する画像バス209を接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス209上には以下のデバイスが配置される。
【0026】
210はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、PDLコードをビットマップイメージに展開する。211はデバイスI/F部で、画像入出力デバイスであるスキャナ部231,プリンタ部232とコントローラユニット233を画像入力部インターフェース212,印刷部インターフェース213を介して接続し、画像データの変換を行う。214はスキャナ画像処理部で、入力画像データに対し補正,加工,編集を行う。また、スキャナ画像処理部214は、入力された画像データがカラー原稿か白黒原稿かを画像データの彩度信号から判断しその結果を保持する機能を有する。215はプリンタ画像処理部で、出力画像データに対し補正、加工、編集を行う。
【0027】
216は画像回転部で、スキャナ画像処理部214と連携して、スキャナ部231からの画像読み込みと同時に画像データを回転しメモリ上に保存する。また、メモリ上にある画像データを回転し、メモリ上に保存、もしくはメモリ上にある画像データをプリンタ画像処理部215と連携して回転しながら印字出力することもできる。217は画像圧縮部で、多値画像データはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MR、MHの圧縮伸長処理を行う。218は解像度変換部で、メモリ上にある画像データを解像度変換処理し、メモリ上に保存する。219は色空間変換部で、マトリクス演算により、たとえばメモリ上にあるYUV画像データをLab画像データに変換し、メモリ上に保存する。220は階調変換部で、例えばメモリ上にある8bit,256階調の画像データを誤差拡散処理などの手法により1bit,2階調に変換し、メモリ上に保存する。画像回転部216、画像圧縮部217、解像度変換部218、色空間変換部219、階調変換部220は、それぞれ連結して動作することが可能である。例えばメモリ上の画像データを画像回転、解像度変換する場合は、両処理を、メモリを介することなしに行うことができる。
【0028】
図4は、ジョブ履歴情報監査システムにおけるデジタル複合機10、画像処理サーバ20、データサーバ30、検索サーバ40のソフトウェア構成の一例を示すプロック図である。
デジタル複合機10において、メイン制御部1000は、デジタル複合機10の全体を制御し、後述の各部に対する指示、管理を行う。また、UI制御部1001からのユーザ指示内容に従い、設定制御部1002への設定制御指示、ジョブ制御部1003へのジョブ実行指示、及び、ジョブ履歴情報制御部1004へのジョブ履歴情報制御指示を行う。
【0029】
UI制御部1001は、デジタル複合機10におけるユーザ操作に関する処理を全般的に制御する。具体的には、ユーザインターフェースをデジタル複合機10の操作部234乃至PCなどの外部機器へリモートで提供する画面(ディスプレイ108)に表示し、ユーザから受け取った指示内容をメイン制御部1000へ渡す。
【0030】
設定制御部1002は、デジタル複合機10に関する動作条件の設定情報を制御する。メイン制御部1000を介して、UI制御部1001から動作条件の設定指示を受け取り、ファイル操作部1005を介して、設定情報の参照、保存を行う。ここで、設定制御部1002は、設定情報の参照処理速度を効率良くするため、設定情報をRAM201に保持する構成とする。なお、RAM201に保存された設定情報は、UI制御部1001からの設定指示時に更新するが、それ以外にも5分に1回、画像処理サーバ20へ最新情報取得要求を行うなど、所定のタイミングで更新を行う。また、画像処理サーバ20のメイン制御部2000を介してデータサーバ30に保存された設定情報が更新されたことを検知し、更新できるような仕組みであっても構わない。
【0031】
ジョブ制御部1003は、メイン制御部1000を介してユーザの指示を受け取り、指定されたジョブを実行する。この際、メイン制御部1000を介して、ジョブ履歴情報制御部1004へジョブ履歴情報の保存を指示する。
【0032】
ファイル操作部1005は、HDD203内の設定情報、画像データ、及び、ジョブ履歴情報を入出力するための制御部であり、各部からの処理要望を受けて処理を実行する。
ジョブ履歴情報制御部1004は、メイン制御部1000からの指示に従い、ジョブ実行時にジョブ履歴情報を生成し、ファイル操作部1005を介してジョブ履歴情報を保存する。尚、本実施例におけるページフィルタリング処理はファイル操作部1005で行われる。
【0033】
画像処理サーバ20において、メイン制御部2000は、画像処理サーバ20の全体を制御し、後述の各部に対する指示、管理を行う。
UI制御部2001は、画像処理サーバ20のディスプレイ108にユーザインターフェースを表示し、画像処理サーバ20のキーボード107を用いたユーザからの指示を受け付ける。ユーザが指定した設定情報は、メイン制御部2000を介して、データサーバ30に保存する。
【0034】
設定制御部2002は、画像処理サーバ20に関する動作条件の設定情報を制御する。メイン制御部2000を介して、動作条件の設定指示を受け取り、データサーバ30に設定情報を保存する。画像処理部2003は、メイン制御部2000からの指示に従い、画像データに対してOCR処理や、画像フォーマットの変換を行う。
【0035】
データサーバ30において、ジョブ履歴情報制御部3000は、画像処理サーバ20のメイン制御部2000を介して、ジョブ履歴情報参照、保存指示を受け付け、指示に従ったジョブ履歴情報の制御を行う。
【0036】
設定制御部3001は、画像処理サーバ20のメイン制御部2000を介して、各構成要素の設定情報に関する参照、保存指示を受け付け、指示に従った設定情報の制御を行う。
検索制御部3002は、検索サーバ40からの検索条件、検索実行指示を受け付け、検索結果を返す。ファイル操作部3003は、各制御部からの指示を受け付け、データサーバ30のHDD109内の設定情報、ジョブ履歴情報の参照、保存を行う。ここではファイル制御部と記載しているが、実際にはデータベースへのアクセスであっても構わない。
【0037】
検索サーバ40において、検索メイン制御部4000は、検索サーバ40の全体を制御し、後述の各部に対する指示、管理を行う。
UI制御部4001は検索条件を設定するため、検索サーバ40のディスプレイ108にユーザインターフェースを表示し、検索サーバ40のキーボード107を用いたユーザからの検索条件を受け付ける。受け取った検索条件は、検索メイン制御部4000を介して、検索制御部4002へ渡される。また、UI制御部4001は、検索メイン制御部4000を介して、検索制御部4002から受け取った検索結果を、ユーザインターフェースを介してユーザに提示する。
【0038】
検索制御部4002は、検索処理を制御する。検索メイン制御部4000から受け取った検索条件を基に、データサーバ30の検索制御部3002に対し検索を指示し、検索結果を受信する。また、必要に応じて検索結果のソート等も行い、検索結果を検索メイン制御部4000へ渡す。
【0039】
図5は、デジタル複合機10において、ジョブ履歴情報送信やページフィルタリング等の各種処理において、デジタル複合機10を制御するための動作条件を設定情報として設定する処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
ステップS101において、メイン制御部1000は、UI制御部1001を介してユーザ認証を行う。ユーザ認証は、既知の技術であるため詳細な説明は省略するが、外部の認証サーバに接続して認証を行っても構わない。また、図示していないがデジタル複合機10、画像処理サーバ20、またはデータサーバ30がローカルに保持しているユーザ情報を基に認証を行っても構わない。
【0041】
ステップS102において、メイン制御部1000は、UI制御部1001を介して設定画面を表示し、操作部234またはリモートで接続するPCのディスプレイ108を介してユーザからの入力を受け付ける。入力された設定情報はメイン制御部1000を介して、設定制御部1002が受信し、RAM201に保持する。尚、ここで入力される設定情報においてページフィルタリングに関してユーザが入力する設定項目は、図14において具体的な例を用いて後述する。
【0042】
ステップS103において、設定制御部1002は、ファイル操作部1005を介して、設定情報をHDD203に保存する。ステップS104において、設定制御部1002は、メイン制御部1000を介して、画像処理サーバ20に対して設定情報の保存要求(設定情報保存要求)を送信する。尚、ステップS103で送信される設定情報保存要求には、ステップS102にて入力された設定情報が含まれている。
図6は、画像処理サーバ20が、デジタル複合機10から設定情報保存要求を受信する処理の流れを示すフローチャートである。
【0043】
ステップS201において、メイン制御部2000は、デジタル複合機10のメイン制御部1000から送信された設定情報保存要求を受信する。ステップS202において、メイン制御部2000は、データサーバ30の設定制御部3001へ、受信した設定情報保存要求を送信する。図示しないが、データサーバ30の設定制御部3001は、ファイル操作部3003を介して画像処理サーバ20から送信された設定保存要求に含まれる設定情報設定情報をデータサーバ30のHDD109へ保存する。
【0044】
図7は、画像処理サーバ20においてデジタル複合機10または画像処理サーバ20を制御するための動作条件を設定情報として設定する処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS301において、メイン制御部2000は、UI制御部2001を介してユーザ認証を行う。ユーザ認証に関する補足説明は、S101と同様であるため省略する。
【0045】
ステップS302において、メイン制御部2000はUI制御部2001を介して設定画面を画像処理サーバ20のディスプレイ108に表示し、画像処理サーバ20のキーボード107を介してユーザからの入力を受け付ける。入力された設定情報はメイン制御部2000を介して、設定制御部2002が受信し、画像処理サーバ20のRAM101に保持する。尚、ここで入力される設定情報においてページフィルタリングに関してユーザが入力する設定項目は、図14において具体的な例を用いて後述する。
【0046】
ステップS303において、設定制御部2002は、メイン制御部2000を介して、データサーバ30の設定制御部3001へ、設定情報保存要求を送信する。尚、ステップS303で送信される設定情報保存要求には、ステップS302にて入力された設定情報が含まれている。図示しないが、データサーバ30の設定制御部3001は、ファイル操作部3003を介して画像処理サーバ20から送信された設定保存要求に含まれる設定情報をデータサーバ30のHDD109へ保存する。
【0047】
図8は、デジタル複合機10が設定情報取得要求を行う処理の流れを示すフローチャートである。これは、図7で画像処理サーバ20のUI制御部2001を介してデジタル複合機10の設定が行われたケースを考慮し、所定のタイミングで最新の設定情報を得るための仕組みである。尚、設定情報取得要求は、あらかじめ決められた、もしくは指定されたスケジュールに従ったタイミングで行われる。または、UI制御部1001を介してユーザ操作によって設定情報取得要求を行っても構わない。
【0048】
ステップS401において、メイン制御部1000は、画像処理サーバ20のメイン制御部2000へ設定情報取得要求を送信する。ステップS402において、メイン制御部1000は、画像処理サーバ20のメイン制御部2000から設定情報を受信する。メイン制御部1000は、受信した設定情報を設定制御部1002へ渡し、設定制御部1002は設定情報をRAM201に保持する。ステップS403において、設定制御部1002がファイル操作部1005を介して、設定情報をHDD203に保存する。
図9は、画像処理サーバ20における、デジタル複合機10からの設定情報取得要求の受信処理の流れを示すフローチャートである。
【0049】
ステップS501において、メイン制御部2000は、デジタル複合機10のメイン制御部1000からの設定情報取得要求を受信する。ステップS502において、メイン制御部2000は、データサーバ30の設定制御部3001、及び、ファイル操作部3003を介して設定情報を取得する。ステップS503において、メイン制御部2000はデジタル複合機10のメイン制御部1000へ設定情報を送信する。
【0050】
図10は、デジタル複合機10における、ジョブ実行及びジョブ履歴情報生成に関するフロー図である。ステップS601において、メイン制御部1000はUI制御部1001を介してユーザ認証を行う。ユーザ認証に関する補足説明は、S101と同様であるため省略する。
【0051】
ステップS602において、メイン制御部1000は、UI制御部1001を介したユーザからのジョブ実行指示、または、ドライバーなどの外部システムからのジョブ実行指示を受け付ける。ステップS603において、メイン制御部1000は、ジョブ制御部1003へジョブ実行を指示し、ジョブ制御部1003はジョブを実行する。ここで言うジョブとは、コピー、プリント、SEND、FAX送受信、電子メール送信などが該当する。
【0052】
ステップS604において、メイン制御部1000は、ジョブ履歴情報制御部1004へジョブ履歴情報の生成を指示し、ジョブ履歴情報制御部1004は実行されたジョブに関するジョブ履歴情報を生成し、HDD203へ保存する。ジョブ履歴情報には、少なくとも1つ以上のログ属性、ジョブ実行時に入力された画像データのいずれかを含む。
【0053】
図11は、デジタル複合機10がジョブ履歴情報を画像処理サーバ20へ送信する処理の流れを示すフローチャートである。送信するタイミングに関しては、デジタル複合機10のUI制御部1001を介して送信指示された場合について記載するが、あらかじめ決められた、もしくは指定されたスケジュールに従って送信を行っても構わない。さらに、PCを使用してリモートでデジタル複合機10にアクセスして送信指示した場合や、画像処理サーバ20のUI制御部2001を介して送信指示された場合であっても構わない。
【0054】
ステップS701において、メイン制御部1000は、UI制御部1001からのジョブ履歴情報送信指示を受信する。ステップS702において、メイン制御部1000は、ステップS604で生成したジョブ履歴情報で未処理のものがあるかを判断する。未処理のものがあると判断された場合、ステップS703に移行する。一方、未処理のものがないと判断された場合、処理を終了する。
【0055】
ステップS703において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ページフィルタリングを行った後、画像処理サーバ20へジョブ履歴情報を送信する。尚、ステップS703の処理の詳細は図13において後述する。ページフィルタリングの動作条件に関しては、メイン制御部1000を介して、設定制御部1002から得られるRAM201に保持された設定情報を参照することで決定される。
【0056】
ステップS704において、ジョブ履歴情報制御部1004は、画像処理サーバ20への送信が成功したジョブのジョブ履歴情報を削除する。
図12は、画像処理サーバ20が、デジタル複合機10からジョブ履歴情報を受信し、データサーバ30へ保存するまでの処理の流れを示すフローチャートである。ステップS801において、メイン制御部2000は、デジタル複合機10のメイン制御部1000からジョブ履歴情報を受信する。
【0057】
ステップS802において、画像処理部2003は、メイン制御部2000を介して受信した、ジョブ履歴情報を基にして、画像変換処理を行い、検索結果として表示するためのPDFを作成する。尚、ここでは一般的なファイルフォーマットとしてPDFを例に用いているが、PDF以外のファイルフォーマット(例えばJPEGやTIFFなど)であっても構わない。また、画像変換時において、解像度変換による低解像度への変換、カラー数変換によるグレースケール、2値画像への変換が行われてもかまわない。
【0058】
ステップS803において、画像処理部2003は、メイン制御部2000を介して受信した、ジョブ履歴情報を基にして、OCR処理を行い、テキスト検索用のテキスト情報を抽出する。なお、OCR処理を行う画像データは、事前に解像度変換や2値画像への変換が行われたものであっても構わない。
【0059】
ステップS804において、メイン制御部2000は、ジョブ履歴情報のログ属性について、校正を行う。ここでは設定制御部2002から得られる情報を追加するなど、データサーバ30へ保存するための最終形に変換することを想定している。ステップS805において、メイン制御部2000はデータサーバ30のジョブ履歴情報制御部へ、少なくともPDFファイル、テキスト情報、ログ属性の1つ以上を含むジョブ履歴情報を送信する。図示しないが、ジョブ履歴情報を受信したデータサーバ30のジョブ履歴情報制御部3000は、ファイル操作部3003を介して、ジョブ履歴情報をデータサーバ30のHDD109に保存する。ジョブ履歴情報を保存する際、PDFファイル、テキスト情報、ログ属性を関連付けて保存する。
尚、本実施例では詳細に説明しないが、類似画像の検索を可能とするため、画像検索用の画像特徴量抽出処理を行うステップがあっても良い。
【0060】
図13は、図11のステップS703におけるページフィルタリング及びジョブ履歴情報転送処理の詳細な流れを示すフローチャートである。ステップS1000において、ジョブ履歴情報制御部1004は、メイン制御部1000を介して、設定制御部1002がRAM201に保持している設定情報からページフィルタリングの動作条件を取得する。具体的にページフィルタリングの動作条件とは、少なくとも以下の1つ以上の項目を含む。
・「すべて」(全てのページの画像データが保存される)
・「先頭から指定したページまで」(1ページ目から指定されたページまでの画像データが保存され)
・「指定した割合にあたるランダムなページ」(全ページ数に対して、指定された割合にあたるページ数分の画像データが、ランダムに保存される)
尚、本実施例ではあらかじめユーザが設定を行っていることを前提としているが、システムが保持している設定で動作しても構わない。
【0061】
ステップS1001において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、フィルタリングの動作上限として「先頭から指定したページまで」が設定されているかを判断する。「先頭から指定したページまで」が指定されていると判断された場合は、ステップS1002に移行する。一方、「先頭から指定したページまで」が指定されていないと判断された場合は、ステップS1011に移行する。
【0062】
ステップS1002において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、ユーザ指定のページ番号を取得する(ここで取得した値を“x”とする)。以降、ジョブ履歴情報制御部1004は、ステップS1003とステップS1004を先頭の1ページ目から指定された“x”ページまで繰り返し行う。
【0063】
ステップS1003において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介してHDD203に保存されている画像データを取得する。ステップS1004において、ステップS1003で取得した該画像データを画像処理サーバ20へ送信する。ここでの処理により、1ページ目から指定されたxページ目までの画像データが取得され、画像処理サーバ20へ送信される。
【0064】
ステップS1011において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、「指定した割合にあたるランダムなページ」が設定されているかを判断する。「指定した割合にあたるランダムなページ」が設定されていると判断された場合、ステップS1012に移行する。一方、「指定した割合にあたるランダムなページ」が設定されていないと判断された場合、ステップS1021に移行する。
【0065】
ステップS1012において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、ユーザ指定の割合(パーセンテージ)を取得する(ここで取得した値を“y”とする)。ステップS1013において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介して、HDD203に保存されたジョブ履歴情報の全ページ数を取得する(ここで取得した全ページ数を“z”とする)。
【0066】
ステップS1014において、全ページ数に対して、指定された割合にあたるページ数分(具体的には (z*y/100)個 )の、値が“z”以下の乱数を生成する(ここで取得した乱数の集合を“v”とする)。本実施例では(z*y/100)の値が整数にならなかった場合切り上げることで整数値とするが、「切り捨て」または「四捨五入」等別の方法が用いられても構わない。また、乱数を生成する処理について、一定の規則性を持たない数値を(z*y/100)個生成できればどのようなアルゴリズムであっても構わない。例えば、(z*y/100)個のそれぞれの乱数を既知の乱数生成アルゴリズムで生成しても構わないし、100個の乱数を該乱数生成アルゴリズムで生成し、それ以上の値には3ケタ目(100の位)の数値をカウントアップするとしても構わない。
【0067】
以降、ジョブ履歴情報制御部1004は、ステップS1015からステップS1017まで、先頭の1ページ目から全ページ数“z”まで、もしくは、乱数の集合“v”に該当するページが全て処理できるまで、繰り返し行う。
【0068】
ステップS1015において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介してHDD203に保存されている画像データを取得する。ステップS1016において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ステップS1015において取得したページが乱数の集合“v”に該当するページであるかを確認する。
【0069】
ステップS1017において、ステップS1016で確認した結果、乱数の集合“v”に該当するページであった場合、ステップS1015において取得した該画像データを画像処理サーバ20へ送信する。ここでの処理により、ジョブに含まれる全ページの画像データのうち、設定情報により指定された割合にあたるページ数分の画像データがランダムで取得され、画像処理サーバ20へ送信される。
【0070】
ステップS1021において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介して、HDD203に保存されたジョブ履歴情報の全ページ数を取得する(ここで取得した値を“z”とする)。以降、ジョブ履歴情報制御部1004は、ステップS1022とステップS1023を先頭の1ページ目から全ページ数“z”まで繰り返し行う。
【0071】
ステップS1022において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介してHDD203に保存されている画像データを取得する。ステップS1023において、ステップS1022で取得した該画像データを画像処理サーバ20へ送信する。ここでの処理により、ジョブに含まれる全ページの画像データが取得され、画像処理サーバ20へ送信される。
【0072】
図14は、図5または図7における設定情報入力受付処理の際に、ページフィルタリングの条件を設定するためのユーザインターフェースの一例を示す図である。ユーザは以下の3つのラジオボタンからページフィルタリングの動作条件を選択する。
【0073】
・「すべて」
「すべて」設定が指定された場合、ページフィルタリング処理は行われず、全てのページの画像データが保存される。この設定は、大容量のHDD容量が確保されており、十分にセキュリティを確保したいユーザ向けの設定である。
【0074】
・「先頭から指定したページまで」
「先頭から指定したページまで」の設定が指定された場合、1ページ目から指定されたページまでの画像データが保存される。HDD容量削減とセキュリティ確保の両方を行いたいユーザ向けの設定であり、特に先頭ページから一定量のページの画像データを保存しておけばセキュリティ確保の効果が十分である場合に指定される。「先頭から指定したページまで」のラジオボタンが指定された場合、ページ数の指定エディットボックスがアクティブになり、先頭から保存するページ数を入力することが可能となる。
【0075】
・「指定した割合にあたるランダムなページ」
「指定した割合にあたるランダムなページ」の設定が指定された場合、ジョブに含まれる全ページ数に対して、指定された割合にあたるページ数分の画像データが、ランダムに保存される。「指定した割合にあたるランダムなページ」は、HDD容量削減とセキュリティ確保の両方を行いたいユーザ向けの設定であり、特に、固定ページではなくページ全体からサンプリングして画像データを保存しておきたい場合に指定する。「指定した割合にあたるランダムなページ」のラジオボタンが指定された場合、割合の指定エディットボックスがアクティブになり、全ページ数の何パーセントにあたるページの画像データを保存するかを示す割合を入力することが可能となる。尚、本実施例ではドロップダウンリストで選択できるようにしているが、ユーザが任意に数値を入力できるようにしても構わない。
【0076】
また、ここでは図示しないが、設定情報としてユーザが入力するシステムの動作条件の例としては以下のようなものも含まれる。
・ジョブ履歴情報の保存設定(ログ属性情報のみを保存するか、ログ属性情報と画像データを保存するかなど)
・ジョブ履歴情報の送信設定(送信スケジュール、URLなど送信先画像処理サーバの設定、など)
・画像処理の設定(解像度をいくつに変換して保存するか、保存するファイル形式は1ページ1文書か1文書1ファイルか、カラー数の削減を行うか、など)
・メール通知の設定(通知先のメールアドレス指定、エラー通知を行うか、保存通知を行うか、など)
また、本実施例においては、ページフィルタリング処理をデジタル複合機10において実施しているが、画像処理サーバ20において実施しても構わない。その場合、デジタル複合機10から画像処理サーバ20へのページフィルタリング及びジョブ履歴情報転送処理としては、全てのページを抽出、送信する図13のステップS1021からS1023のみを行う。ページフィルタリングを伴う抽出処理であるステップS1001からS1017までについては、図12のステップS801とS802の間において実施する。
[実施例2]
以下、本発明を実施するための第2の実施例について図面を用いて説明する。本実施例では、実施例1と同様の構成からなるジョブ履歴情報監査システムが用いられ、実施例1との差のみを説明することとする。
【0077】
実施例1では、図13のステップS1001、ステップS1011において、「すべて」、「先頭から指定したページまで」、「指定した割合にあたるランダムなページ」のいずれかを指定していることを前提としていた。実施例2では、これらの組み合わせを可能とした形態について記載する。さらに、実施例2では、「すべて」、「先頭から指定したページまで」、「指定した割合にあたるランダムなページ」に加えて、「指定したページ」及び、「ページごとに保存する確率」が動作条件として設定可能な設定情報として追加される。
図15は、実施例2における図11のステップS703におけるページフィルタリング及びジョブ履歴情報転送処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【0078】
ステップS1100において、ジョブ履歴情報制御部1004は、メイン制御部1000を介して、設定制御部1002がRAM201に保持している設定情報からページフィルタリングの動作条件を取得する。具体的にページフィルタリングの動作条件とは、少なくとも以下の1つ以上の項目を含む。
・「すべて」(全てのページの画像データが保存される)
・「先頭から指定したページまで」(1ページ目から指定されたページまでの画像データが保存される)
・「指定したページ」(指定されたページ番号の画像データが保存される)
・「指定した割合にあたるランダムなページ」(全ページ数に対して、指定された割合にあたるページ数分の画像データが、ランダムに保存される)
・「ページごとに保存する確率」(各ページに対して、指定された確率で保存するか否かが決定される。例えば、ユーザが指定した確率が50%の場合、1/2の確率で各ページが保存されるかどうかが決定される。そのため、保存されるページは0ページかもしれないし、全ページになるかもしれない。)
ステップS1101において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、ページフィルタリングを行うか否かを判断する。ここで、上記の動作条件のうち、「すべて」が指定されていた場合に、ページフィルタリングを行わないと判断される。ページフィルタリングを行わない場合は、「すべて」を指定した場合のフローに遷移する。「すべて」を指定した場合のフローは、ステップS1131からS1133として記載しているが、図13のステップS1021からステップS1023に示した内容と同じであるため、説明は省略する。一方、ページフィルタリングを行うと判断された場合、ステップS1101に移行する。
【0079】
ステップS1101において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、「ページごとに保存する確率」が指定されているか否かを判断し、指定されている場合は、ステップS1102へ移行する。指定されていない場合は、ステップS1111へ移行する。
【0080】
ステップS1102において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、ユーザが指定した確率を取得する。ステップS1103において、ジョブ履歴情報制御部1004はファイル操作部1005を介して、HDD203に保存されたジョブ履歴情報の全ページ数を取得する(ここで取得した値を“z”とする)。以降、ジョブ履歴情報制御部1004は、ステップS1104からステップS1106までを先頭の1ページ目から全ページ数“z”まで繰り返し行う。
【0081】
ステップS1104において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介してHDD203に保存されている画像データを取得する。ステップS1105において、ジョブ履歴情報制御部1004は、該ページを保存するか否か、を該指定された確率を基に判定する。保存すると判定された場合は、ステップS1106において、ステップS1105で取得した該画像データを画像処理サーバ20へ送信する。ユーザが確率を50%と指定した場合の判定方法の例としては、ジョブ履歴情報制御部1004が乱数を生成し、2で割り切れる場合には保存するという方法があるが、どのような方法であっても構わない。ステップS1105において、保存しないと判定された場合は、該画像データの保存を行わず、次のページの処理に進む。
【0082】
ステップS1111において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、「先頭から指定したページまで」が指定されているかを判断する。「先頭から指定したページまで」が指定されていると判断された場合は、ステップS1112に移行し、「先頭から指定したページまで」が指定されていないと判断された場合は、ステップS1114に移行する。
【0083】
ステップS1112において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、ユーザが指定したページ番号を取得する。ステップS1113において、ジョブ履歴情報制御部1004は、1ページ目から、該ユーザ指定のページ番号までを、保存するページ番号の集合“p”に追加する。
【0084】
ステップS1114において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、「指定したページ」が指定されているかを判断する。「指定したページ」が指定されていると判断された場合は、ステップS1115に移行し、「指定したページ」が指定されていると判断された場合は、ステップS1117に移行する。
【0085】
ステップS1115において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、ユーザが指定したページ番号を取得する。ステップS1116において、ジョブ履歴情報制御部1004は、取得されたユーザ指定のページ番号を、保存するページ番号の集合“p”に追加する。ただし、ステップS1113において既に追加済みのページ番号だった場合には、重複したページ番号の追加は行わないこととする。
【0086】
ステップS1117において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、「指定した割合にあたるランダムなページ」が指定されているかを判断する。「指定した割合にあたるランダムなページ」が指定されていると判断された場合は、ステップS1118に移行し、「指定した割合にあたるランダムなページ」が指定されていないと判断された場合は、ステップS1122に移行する。
【0087】
ステップS1118において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、ユーザ指定の割合(パーセンテージ)を取得する(ここで取得した値を“y”とする)。ステップS1119において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介して、HDD203に保存されたジョブ履歴情報の全ページ数を取得する(ここで取得した値を“z”とする)。
【0088】
ステップ1120において、ジョブ履歴情報制御部1004は、全ページ数に対して、指定された割合にあたるページ数分の値が“z”以下で、かつ、まだ“p”に含まれていない乱数を生成する(ここで取得した乱数の集合を“v”とする)。尚、乱数を生成する処理の補足説明は、図13のステップS1014に記載した内容と同じであるため、省略する。ステップS1121において、ステップS1120にて生成された乱数の集合“v”を、保存するページ番号の集合“p”に追加する。
【0089】
以降、ステップS1122からステップS1124までの処理が、先頭の1ページ目から全ページまで、もしくは、保存するページ番号の集合“p”に該当するページが全て処理できるまで、繰り返し行われる。
ステップS1122において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介してHDD203に保存されている画像データを取得する。ステップS1123において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ステップS1122において取得したページが保存するページ番号の集合“p”に該当するページであるかを確認する。
【0090】
ステップS1124において、ステップS1123で確認した結果、保存するページ番号の集合“p”に該当するページであった場合、ステップS1122において取得した該画像データを画像処理サーバ20へ送信する。
【0091】
尚、本実施例では、「ページごとに保存する確率」に関しては、他の項目と一緒に指定できないものとして記載しているが、他の項目と一緒に設定することを可能としても構わない。その場合の例としては、その他の設定に従ったページフィルタリング処理の後、保存しないと判断されたページに対して指定された確率で保存するか否かを決定する方法がある。具体的には、図15のステップS1123でNoと判定された場合に、ジョブ履歴情報制御部1004が、ステップS1105の指定された確率に基づいて保存するか否かを判断し、ページを画像処理サーバ20へ送信しても良い。
【0092】
また、他の例として、その他の設定に従ったページフィルタリング処理の後、保存すると判断されたページに対して指定された確率で保存するか否かを決定する方法がある。具体的には、図15のステップS1123でYesと判定された場合に、ステップS1105の指定された確率に基づいて保存すると判断されたページの場合のみステップ1124を実行して、ページを画像処理サーバ20へ送信しても良い。
【0093】
図16は、本実例2に係る図5乃至図7における設定情報入力受付処理の際に、ページフィルタリングの動作条件を設定するためのユーザインターフェースの一例を示す図である。
ユーザは以下の2つのラジオボタンを選択する。
・「すべて」(図14のラジオボタンの「すべて」と同一であるため説明を省略する)
・「ページフィルタリング処理を行う」
「ページフィルタリング処理を行う」の設定が指定された場合、ページフィルタリング処理が行われ、限定的にページの画像データが保存される。HDD容量削減とセキュリティ確保の両方を行いたいユーザ向けの設定である。尚、「ページフィルタリング処理を行う」のラジオボタンを選択した場合、さらにページフィルタリング処理の方法を指定するため、
以下の4つのチェックボックスを選択することが可能となる。
【0094】
・「先頭から指定したページまで」
「先頭から指定したページまで」の設定が指定された場合、1ページ目から指定されたページまでの画像データが保存される。「先頭から指定したページまで」のラジオボタンが指定された場合、ページ数の指定エディットボックスがアクティブになり、先頭から保存するページ数を入力することが可能となる。
【0095】
・「指定したページ」
「指定したページ」の設定が指定された場合、指定したページ番号の画像データが保存される。「指定したページ」のラジオボタンが指定された場合、ページ番号の指定エディットボックスがアクティブになり、保存するページ番号を入力することが可能となる。複数のページ番号を入力する場合、カンマ(,)で区切り、連続したページ番号がある場合にはハイフン(−)で示すことが可能である。
【0096】
・「指定した割合にあたるランダムなページ」
「指定した割合にあたるランダムなページ」の設定が指定された場合、ジョブに含まれる全ページ数に対して、指定された割合にあたるページ数分の画像データが、ランダムに保存される。「指定した割合にあたるランダムなページ」のラジオボタンが指定された場合、割合の指定エディットボックスがアクティブになり、全ページ数の何パーセントにあたるページの画像データを保存するかを示す割合を入力することが可能となる。本実施例ではドロップダウンリストで選択できるようにしているが、ユーザが任意に数値を入力できるようにしても構わない。
【0097】
・「ページごとに保存する確率」
「ページごとに保存する確率」の設定が指定された場合、各ページに対して、指定された確率で、画像データを保存するか否かを決定されることにより、ランダムなページが保存される。本実施例では、ページフィルタリングの他の設定とは排他であることを想定しているため、ユーザが「ページごとに保存する確率を指定する」以外にもチェックを付けている状態で設定を完了しようとした場合、エラーメッセージを表示し再度入力を促す。ただし、他の設定と必ずしも排他でなくても良い。
[実施例3]
以下、本発明を実施するための第3の実施例について図面を用いて説明する。本実施例では、実施例1と同様の構成からなるジョブ履歴情報監査システムが用いられ、実施例1との差のみを説明することとする。
【0098】
実施例1では、デジタル複合機10ごとに設定情報を保持し、また全ての時間帯で同様の設定情報に従った動作をしていた。本実施例では、ジョブを実行したグループまたはユーザごとに設定情報が保持され、さらに、時間帯によってもページフィルタリング動作が変更される。
【0099】
これにより、例えば以下のような柔軟なジョブ履歴情報監査システムを構築可能となる。
・業務時間中以外は全てのジョブの全てのページが保存されるが、業務時間中はページフィルタリングが行われ、一部のページのみが保存される。
・機密情報を日常的に扱うグループのユーザにより実行されたジョブは、全てのページが保存される。
・機密情報を扱う機会が少ない部署でも夜間実行されたジョブは全てのページが保存される。
【0100】
尚、本実施例では、ユーザ情報や設定情報をデータサーバ30で保持されることを想定しているが、デジタル複合機10や画像処理サーバ20、または外部の認証サーバ等で保持されても構わない。また、本実施例ではグループごとに設定が行われることを想定した例を用いるが、ユーザごとに設定が行われても構わない。
【0101】
図17は、本実例において図5乃至図7における設定情報入力受付処理の際に、グループごとにページフィルタリングの条件を設定するためのユーザインターフェースの一例を示す図である。
【0102】
「ユーザの設定」ボタンが押下され、ユーザが指定されることによって、グループ1に所属するユーザを指定する画面を表示される。「ユーザの設定」ボタン押下後に表示される別画面については図示しないが、ユーザ名を入力、ユーザリストからの選択が可能な画面が表示され、グループに所属するユーザ設定が可能となる。
【0103】
「格納する曜日と時間帯」において、曜日ごとに、全ての時間で同じページフィルタリングの条件を適用するか、時間帯で分けて異なるページフィルタリングの条件を適用するかが設定可能である。
【0104】
画面半分より下部分の枠内において、ページフィルタリングの設定が行われる。「全ての時間」に対する「格納するページの範囲」の設定は「全ての時間」を指定している曜日に対して有効である。「時間帯指定」に対する各「格納するページの範囲」の設定は、「指定した時間帯」を指定している曜日に対して有効である。入力した各時間帯に対してそれぞれページフィルタリングを指定し、ジョブ実行日時が該当する時間帯のページフィルタリング設定に従った処理が行われる。
【0105】
「格納するページの範囲」ボタンが押下されると、図14または図16の画面が表示され、該当する時間帯のページフィルタリングの動作条件を設定することができる。
図18は、本実例における、データサーバ30に保存されているユーザリストの例である。図18のユーザリストにより、ユーザ名と、ユーザが所属するグループ、部署名、メールアドレスなどのユーザ情報が関連付けられ管理される。
例えば、ユーザAはグループ1に所属するため、ユーザAが実行したジョブは、図19または図20に示すグループ1の設定に従ってページフィルタリングされたジョブ履歴情報が保存される。
【0106】
図19は、本実例における、データサーバ30に保存されている曜日と時間帯の設定の例である。グループ1の設定において、平日の月曜日から金曜日の業務時間以外、及び休日はしっかりとジョブ履歴情報を保存しておき、セキュリティを確保することとする。また、平日の営業時間中は、同僚などの人の目が悪意のある情報漏えいの抑止になると考えられるため、ページフィルタリングを行うように設定することとする。
【0107】
具体的に平日は、夜間(21:00〜8:30)、午前の業務時間(8:30〜12:00)、昼休み(12:00〜13:00)、午後の業務時間(13:00〜21:00)に分けてページフィルタリングの設定が行われる。一方休日は、全ての時間でページフィルタリングは行わないように設定されている。
【0108】
図20は、本実例における、データサーバ30に保存されている時間帯に応じたページフィルタリング設定の例である。図19に示したグループ1の時間帯の設定において、全ての時間(土日)、時間帯1(夜間)、時間帯2(午前の業務時間)、時間帯3(昼休み)、時間帯4(午後の業務時間)に分けてページフィルタリングの設定を行うこととした。これらの時間帯に対するページフィルタリングの設定情報の例を説明する。
【0109】
全てのページのジョブ履歴情報を保存しておきたい時間は、全ての時間(土日)と時間帯1(夜間)であるため、全てのページを保存する設定を指定する。図16における「すべて」を選択した場合が該当する。
また、時間帯2(午前の業務時間)、及び、時間帯4(午後の業務時間)は、適度なサンプリングによってジョブ履歴情報を保存することが目的であるため、全体の10%のページを保存する。図16における「指定した割合にあたるランダムなページ」を選択し、「10%」を指定した場合が該当する。
【0110】
時間帯3(昼休み)は業務時間よりも少し厳しくセキュリティを確保したいため、先頭ページから10ページと、20ページ目、30ページ目、40ページ目、50ページ目を保存し、さらにそれ以外の10%のページを保存する。図16において以下を指定した場合が該当する。
・「先頭から指定したページまで」を選択し、「10」ページまでを指定
・「指定したページ」を選択し、「20,30,40,50」を指定
・「指定した割合にあたるランダムなページ」を選択し、「10%」を指定
図21は、本実施例における、図5または図7と同様に、ページフィルタリングの動作条件を設定する処理の流れを示すフローチャートである。本フローは図5と同様にデジタル複合機10での設定フローを説明するが、図7のように画像処理サーバ20で設定を行っても構わない。以下に、ページフィルタリングを行う際、ジョブが実行されたユーザや実行日時を基に適用する動作条件を変更するための設定について説明する。
【0111】
ステップS1200において、メイン制御部1000はUI制御部1001を介してユーザ認証を行う。ユーザ認証はステップS101で説明済みであるため省略する。ステップS1201において、メイン制御部1000はUI制御部1001を介して、設定を行うグループに対してユーザを指定するかを確認し、指定する場合にはステップS1202においてユーザを指定する。
【0112】
ステップS1202において、メイン制御部1000はUI制御部1001を介して、グループに関連付けるユーザを指定するよう促す。ユーザはUI制御部1001を介して、ユーザを指定する。ステップS1203において、メイン制御部1000はUI制御部1001を介して、時間帯別に条件を指定するか否かを確認する。指定する場合にはステップS1204へ以降する。
【0113】
ステップS1204において、メイン制御部1000はUI制御部1001を介して、時間帯を指定するよう促す。ユーザはUI制御部1001を介して、時間帯を指定する。
ステップS1205において、ステップS1203で指定した時間帯に対応するページフィルタリングの条件を指定する。
【0114】
ステップS1206において、設定制御部1002がファイル操作部1005を介して、設定情報をHDD 203に保存する。図5におけるステップS103と同様である。ステップS1207において、設定制御部1002は、メイン制御部1000を介して、画像処理サーバ20へ設定情報の保存要求を送信する。この時保存要求には、図5におけるステップS104と同様、必要な設定情報を付与して送信が行われる。
【0115】
図22は、本実施例における、図13または図15の設定情報取得の処理の流れを示すフローチャートである。ページフィルタリングを行う際、ステップS1000またはステップS1100において、ジョブが実行されたユーザや実行日時を基に、図17で設定したどの動作条件を適用するかを判断するフローについて説明する。
【0116】
ステップS1300において、ジョブ履歴情報制御部1004はファイル操作部1005を介して、HDD203に保存されたジョブ履歴情報からジョブ実行ユーザの情報を取得する。ステップS1301において、ジョブ履歴情報制御部1004はファイル操作部1005を介して、HDD203に保存されたジョブ履歴情報からジョブ実行日時の情報を取得する。
【0117】
ステップS1302において、ジョブ履歴情報制御部1004は、メイン制御部1000を介して、設定制御部1002がRAM201に保持している設定情報から、ユーザが所属するグループのページフィルタリングの動作条件を取得する。さらに、ジョブ実行日時が該当するページフィルタリング設定を取得する。
以上、本実施例により、ジョブを実行したグループまたはユーザごとに設定情報が保持され、さらに、時間帯によってもページフィルタリング動作が変更される柔軟なシステムを構築可能となる。
【0118】
以上、本発明の実施例について具体例を挙げて説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0119】
10 デジタル複合機
20 画像処理サーバ
30 データサーバ
40 検索サーバ
1000 メイン制御部
1001 UI制御部
1002 設定制御部
1004 ジョブ履歴制御部
2000 メイン制御部
2001 UI制御部
2002 設定制御部
2003 画像処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル複合機において実行されたスキャン、コピー、印刷などのジョブについて、実行ユーザ、実行日時などのジョブ履歴情報を記録することのできるジョブ履歴情報監査システム、ジョブ履歴情報監査システムの制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のプリンタやデジタル複合機などの画像形成装置の普及に伴って、原稿の印刷、コピーや送信を誰でも簡単に実行することが可能になっている。このようにユーザにとって利便性が向上する一方で、機密原稿の印刷やコピー、送信などによる情報漏えいが新たな問題となっている。その対策として、印刷、コピー、FAX、電子メール送信などジョブの実行の際に、ジョブ履歴情報を記憶装置に保存する画像形成装置が存在する。ジョブ履歴情報には、例えば、そのジョブを実行したユーザ情報、実行した日時情報、実行したデジタル複合機を特定する情報(IPアドレスや、シリアル番号)、実行したジョブの種類を示すログ属性情報が含まれる。さらに、ジョブ履歴情報は、入力された画像をデータ化した画像データや前記画像データを縮小した縮小画像データを含むこともある。
【0003】
ジョブ履歴情報監査システムは、上述した画像形成装置とジョブ履歴情報監査サーバとから構成される。該ジョブ履歴情報監査サーバは、画像処理サーバ、データサーバ、及び、検索サーバから構成される。該画像処理サーバ、データサーバ、及び、検索サーバは任意の組み合わせで別々の情報処理装置(PC)上に構築されても構わないし、同一PC上に構築されても構わない。画像形成装置に記録されたジョブ履歴情報は、画像処理サーバに送信され、データサーバ上に構築されたデータベースに保存される。ジョブ履歴情報はデータベース上に一定期間保存される。検索サーバは、ユーザからの検索条件の指定に基づいて、データベース上のジョブ履歴情報を検索し、その結果をユーザに提示する。これにより、情報漏えいが発覚した場合など、後から遡ってジョブ履歴情報を追跡することができる。
【0004】
このような画像形成装置、およびジョブ履歴情報監査システムには、多数のジョブ履歴情報を保存するために、大容量の記憶領域が必要となる。そのため、必要な記憶容量を低減し、より多くのジョブ履歴を効率的に保存する方法が提案されている。
【0005】
例えば特許文献1では、画像データの解像度低下、画像データの一部を選択、画像データのカラー数の削減を行った上で、ジョブ履歴情報を保存することにより、データベースに保存されるデータ量の低減を図っている。特に、画像データの選択に関しては、ページ指定ページまたは、ランダムに指定されたページの画像データを選択する点が記載されている。このようにジョブ実行時に入力された画像データの一部のページを抽出して保存することを、本明細書ではページフィルタリングと呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−166178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ジョブ履歴情報監査システムを導入するユーザの目的の1つに、情報漏えい抑止がある。その目的を達成するためには、全てのページを画像データとして保存することは必須ではなく、ページフィルタリングにおいて効率的にサンプリングを行うことで不正を発見できれば十分である。
【0008】
現在のジョブ履歴情報監査システムにおいては、指定されたページのみ画像データとして保存することが可能であるが、特定のページや特定のページ数まで、という規則性に基づいたサンプリングでは適切なサンプリングができているとは言えない。つまり、悪意のあるユーザによって、特定のページ以外、または特定のページ数を超えるページに機密情報を含むようなデータを使用し、ジョブ履歴情報を残さないようにジョブを実行することが可能である。
【0009】
また、ランダムに指定されたページの画像データを保存する場合についても、何ページの文書であっても固定ページ数となってしまう。例えば、100ページでも1000ページでも50ページ分のランダムなページの画像データを保存する。この方法は、悪意のあるユーザが大量のページ数の中に機密情報を少量だけ含めてジョブを実行することで、ジョブ履歴情報に情報漏えいを検知するための情報が残らない可能性が高くなってしまう。情報漏えい抑止効果の低下につながるため、適切なサンプリングができているとは言えない。
さらに、ページフィルタリングをジョブ履歴情報監査サーバ側で行う場合、ページフィルタリングによって最終的に保存されないページの画像データもデジタル複合機から送信するため、余計なネットワーク負荷がかかってしまう。
【0010】
本発明の目的は、上記の課題を鑑み、保存する画像データを効率的にサンプリングすることによって、情報漏えい抑止効果を低下させずに、記憶容量の低減を図ることが可能なジョブ履歴監査システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明のジョブ履歴監査システムは、画像形成装置において実行されるジョブのジョブ履歴情報を保存するジョブ履歴情報監査システムであって、前記画像形成装置において実行されるジョブに含まれるページのうち前記ジョブ履歴情報として画像データを取得するページの割合を含む、ページフィルタリングの条件を設定する設定手段と、前記ページフィルタリングの条件に画像データを取得するページの割合が設定されている場合に、前記ジョブに含まれるページから、当該割合にあたるページ数分の画像データをランダムで取得する取得手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
保存する画像データを効率的にサンプリングすることによって、情報漏えい抑止効果を低下させずに、記憶容量の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例に係るジョブ履歴情報監査システムの全体構成図。
【図2】本発明の一実施例に適用される情報処理装置のハードウェア構成図。
【図3】本発明の一実施例に適用されるデジタル複合機の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の一実施例に係るジョブ履歴情報監査システムのソフトウェア構成を示すプロック図。
【図5】デジタル複合機における設定情報の設定処理の流れを示すフローチャート。
【図6】画像処理サーバにおけるデジタル複合機からの設定情報保存要求の受信処理の流れを示すフローチャート。
【図7】画像処理サーバにおける設定情報の設定処理の流れを示すフローチャート。
【図8】デジタル複合機における設定情報取得要求を行う処理の流れを示すフローチャート。
【図9】画像処理サーバにおけるデジタル複合機からの設定情報取得要求の受信処理の流れを示すフローチャート。
【図10】デジタル複合機における、ジョブ実行及びジョブ履歴情報生成の処理の流れを示すフローチャート。
【図11】デジタル複合機から画像処理サーバへジョブ履歴情報を送信する処理の流れを示すフローチャート。
【図12】画像処理サーバにおける、デジタル複合機からジョブ履歴情報を受信し、データサーバへ保存する処理の流れを示すフローチャート。
【図13】デジタル複合機におけるページフィルタリング及びジョブ履歴情報転送処理の流れを示すフローチャート。
【図14】設定情報入力受付処理の際に、ページフィルタリングの動作条件を設定するためのユーザインターフェースの一例を示す図。
【図15】実施例2に係るデジタル複合機におけるページフィルタリング及びジョブ履歴情報転送処理の流れを示すフローチャート。
【図16】実施例2に係る設定情報入力受付処理の際に、ページフィルタリングの動作条件を設定するためのユーザインターフェースの一例を示す図。
【図17】実施例3に係る設定情報入力受付処理の際に、ページフィルタリングの動作条件を設定するためのユーザインターフェースの一例を示す図。
【図18】実施例3における、データサーバ30に保存されているユーザリストの一例を示す図。
【図19】実施例3における、データサーバ30に保存されている曜日と時間帯の設定の一例を示す図。
【図20】実施例3における、データサーバ30に保存されている時間帯に応じたページフィルタリング設定の一例を示す図。
【図21】実施例3における、ページフィルタリングの動作条件を設定する処理の流れを示すフローチャート。
【図22】実施例3における、設定情報取得の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施例1]
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。本実施例では、ジョブ履歴情報監査サーバが、画像処理サーバ、データサーバ、及び検索サーバとして、別々の情報処理装置(PC)により構築されているものとして説明する。
【0015】
図1は、本実施例におけるジョブ履歴情報監査システムの全体構成図である。ここではネットワーク上に画像形成装置としての一例であるデジタル複合機10、画像処理サーバ20、データサーバ30、検索サーバ40が、ネットワーク50を介して接続されている。
【0016】
デジタル複合機10は、スキャン、プリント、コピー、電子メール、FAXなどの機能を有している。デジタル複合機10は、機器上で実行したジョブに関して、同時にジョブ履歴情報を記録する機能を有する。デジタル複合機10は、ジョブが実行された場合、ジョブ履歴情報をローカルの記憶領域に一時保存し、送信指示を受信時または送信時間になり次第それらを画像処理サーバ20に送信する。
【0017】
画像処理サーバ20は、デジタル複合機10から送信されたジョブ履歴情報に対し、データ変換処理を行い、データサーバ30へ保存する。データ変換処理とは、画像データに対して、OCR処理を行ってテキスト情報を抽出したり、画像データのフォーマットを変換したりする処理である。データ変換処理によって得られたテキスト情報は、ジョブ履歴情報と紐付けられてデータサーバ30に保存され、ジョブ履歴情報の検索に利用される。
【0018】
データサーバ30には、画像処理サーバ20から送信されたジョブ履歴情報(ログ属性及び画像データ)、ジョブ履歴情報に関連付けられたテキスト情報が保存される。なお、本実施例ではデータサーバにデータベースが存在することを前提としているが、ジョブ履歴情報を保存できる記憶手段であれば、データベースであっても、ファイルシステムであっても構わない。データサーバ30に保存されたジョブ履歴情報は、所定の条件を満たすと削除される。所定の条件とは通常、ジョブ履歴情報の保存期間であり、一定の期間が経過したジョブ履歴情報から順次削除される。削除処理は、たとえば1日に1回など、所定のタイミングで実行される。
【0019】
検索サーバ40は、ユーザから検索条件を受けつけ、データサーバ30に保存されたジョブ履歴情報から検索条件に合致するものを取得し、ユーザに提示する。検索条件としては、ジョブの実行者、実行日時などのジョブ属性情報やテキスト情報に含まれる文字列などがある。指定された検索条件をキーワードに、データサーバ30に保存されたジョブ履歴情報を検索する。
【0020】
図1において、各PCは別々の構成要素として記載しているが、1台のPCにこれらの機能が含まれている構成でもかまわない。また、これらの機能が任意の組み合わせで、任意の台数のPCに含まれていても構わない。
【0021】
図2は、図1に示した画像処理サーバ20、データサーバ30、及び、検索サーバ40のそれぞれを構成する各PCのハードウェア構成図である。図2に示されるハードウェア構成図は一般的な情報処理装置のハードウェア構成図に相当するものとし、本実施形態の各PCには一般的な情報処理装置のハードウェア構成を適用できる。
【0022】
図2において、CPU100は、ROM102のプログラム用ROMに記憶された、或いはハードディスク109からRAM101にロードされたオペレーティングシステムやアプリケーション等のプログラムを実行する。後述する各フローチャートの処理はこのプログラムの実行により実現できる。RAM101は、CPU100の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ103は、キーボード107や図示しないポインティングデバイスからのキー入力を制御する。ディスプレイコントローラ104は、各種ディスプレイ108の表示を制御する。ディスクコントローラ105は、各種データを記憶するハードディスク(HD)109やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)等におけるデータアクセスを制御する。NC106はネットワークに接続されて、ネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。
【0023】
図3は、図1に示したデジタル複合機10の構成を示すブロック図である。コントローラユニット233は、画像入力デバイスであるスキャナ部231や画像出力デバイスであるプリンタ部232と接続している。また一方では、ネットワーク(LAN)240や公衆回線(WAN)250と接続している。これによって、画像データやデバイス情報の入出力を行う。コントローラユニット233において、200はCPUで、システム全体を制御するコントローラである。201はRAMで、CPU200が動作するためのシステムワークメモリであり、入力された画像データを一時記憶するための画像メモリ(バッファメモリ)でもある。202はROMで、ブートROMであり、システムのブートプログラムが保存されている。
【0024】
203はハードディスクドライブ(HDD)で、システムソフトウェア、ジョブ履歴情報、ユーザボックス内の画像データなどを保存する。204は操作部I/Fで、操作部234とのインターフェース部であり、操作部234に表示する画面データを操作部234に対して出力する。また、操作部I/F204は、操作部234からオペレータが入力した情報を、CPU200に伝える役割をする。なお、操作部234は、デジタル複合機に設置された画面であっても、PCなどの外部機器からリモートでデジタル複合機内のプログラムが提供する画面(ディスプレイ108)であっても構わない。
【0025】
205はネットワーク部(Network)で、ネットワーク(LAN)240に接続し、情報の入出力を行う。206はモデム(MODEM)で、公衆回線(WAN)250に接続し、画像データの入出力を行う。以上のデバイスがシステムバス207上に配置される。208はイメージバス(Image Bus)I/Fで、システムバス207と画像データを高速で送信する画像バス209を接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス209上には以下のデバイスが配置される。
【0026】
210はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、PDLコードをビットマップイメージに展開する。211はデバイスI/F部で、画像入出力デバイスであるスキャナ部231,プリンタ部232とコントローラユニット233を画像入力部インターフェース212,印刷部インターフェース213を介して接続し、画像データの変換を行う。214はスキャナ画像処理部で、入力画像データに対し補正,加工,編集を行う。また、スキャナ画像処理部214は、入力された画像データがカラー原稿か白黒原稿かを画像データの彩度信号から判断しその結果を保持する機能を有する。215はプリンタ画像処理部で、出力画像データに対し補正、加工、編集を行う。
【0027】
216は画像回転部で、スキャナ画像処理部214と連携して、スキャナ部231からの画像読み込みと同時に画像データを回転しメモリ上に保存する。また、メモリ上にある画像データを回転し、メモリ上に保存、もしくはメモリ上にある画像データをプリンタ画像処理部215と連携して回転しながら印字出力することもできる。217は画像圧縮部で、多値画像データはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MR、MHの圧縮伸長処理を行う。218は解像度変換部で、メモリ上にある画像データを解像度変換処理し、メモリ上に保存する。219は色空間変換部で、マトリクス演算により、たとえばメモリ上にあるYUV画像データをLab画像データに変換し、メモリ上に保存する。220は階調変換部で、例えばメモリ上にある8bit,256階調の画像データを誤差拡散処理などの手法により1bit,2階調に変換し、メモリ上に保存する。画像回転部216、画像圧縮部217、解像度変換部218、色空間変換部219、階調変換部220は、それぞれ連結して動作することが可能である。例えばメモリ上の画像データを画像回転、解像度変換する場合は、両処理を、メモリを介することなしに行うことができる。
【0028】
図4は、ジョブ履歴情報監査システムにおけるデジタル複合機10、画像処理サーバ20、データサーバ30、検索サーバ40のソフトウェア構成の一例を示すプロック図である。
デジタル複合機10において、メイン制御部1000は、デジタル複合機10の全体を制御し、後述の各部に対する指示、管理を行う。また、UI制御部1001からのユーザ指示内容に従い、設定制御部1002への設定制御指示、ジョブ制御部1003へのジョブ実行指示、及び、ジョブ履歴情報制御部1004へのジョブ履歴情報制御指示を行う。
【0029】
UI制御部1001は、デジタル複合機10におけるユーザ操作に関する処理を全般的に制御する。具体的には、ユーザインターフェースをデジタル複合機10の操作部234乃至PCなどの外部機器へリモートで提供する画面(ディスプレイ108)に表示し、ユーザから受け取った指示内容をメイン制御部1000へ渡す。
【0030】
設定制御部1002は、デジタル複合機10に関する動作条件の設定情報を制御する。メイン制御部1000を介して、UI制御部1001から動作条件の設定指示を受け取り、ファイル操作部1005を介して、設定情報の参照、保存を行う。ここで、設定制御部1002は、設定情報の参照処理速度を効率良くするため、設定情報をRAM201に保持する構成とする。なお、RAM201に保存された設定情報は、UI制御部1001からの設定指示時に更新するが、それ以外にも5分に1回、画像処理サーバ20へ最新情報取得要求を行うなど、所定のタイミングで更新を行う。また、画像処理サーバ20のメイン制御部2000を介してデータサーバ30に保存された設定情報が更新されたことを検知し、更新できるような仕組みであっても構わない。
【0031】
ジョブ制御部1003は、メイン制御部1000を介してユーザの指示を受け取り、指定されたジョブを実行する。この際、メイン制御部1000を介して、ジョブ履歴情報制御部1004へジョブ履歴情報の保存を指示する。
【0032】
ファイル操作部1005は、HDD203内の設定情報、画像データ、及び、ジョブ履歴情報を入出力するための制御部であり、各部からの処理要望を受けて処理を実行する。
ジョブ履歴情報制御部1004は、メイン制御部1000からの指示に従い、ジョブ実行時にジョブ履歴情報を生成し、ファイル操作部1005を介してジョブ履歴情報を保存する。尚、本実施例におけるページフィルタリング処理はファイル操作部1005で行われる。
【0033】
画像処理サーバ20において、メイン制御部2000は、画像処理サーバ20の全体を制御し、後述の各部に対する指示、管理を行う。
UI制御部2001は、画像処理サーバ20のディスプレイ108にユーザインターフェースを表示し、画像処理サーバ20のキーボード107を用いたユーザからの指示を受け付ける。ユーザが指定した設定情報は、メイン制御部2000を介して、データサーバ30に保存する。
【0034】
設定制御部2002は、画像処理サーバ20に関する動作条件の設定情報を制御する。メイン制御部2000を介して、動作条件の設定指示を受け取り、データサーバ30に設定情報を保存する。画像処理部2003は、メイン制御部2000からの指示に従い、画像データに対してOCR処理や、画像フォーマットの変換を行う。
【0035】
データサーバ30において、ジョブ履歴情報制御部3000は、画像処理サーバ20のメイン制御部2000を介して、ジョブ履歴情報参照、保存指示を受け付け、指示に従ったジョブ履歴情報の制御を行う。
【0036】
設定制御部3001は、画像処理サーバ20のメイン制御部2000を介して、各構成要素の設定情報に関する参照、保存指示を受け付け、指示に従った設定情報の制御を行う。
検索制御部3002は、検索サーバ40からの検索条件、検索実行指示を受け付け、検索結果を返す。ファイル操作部3003は、各制御部からの指示を受け付け、データサーバ30のHDD109内の設定情報、ジョブ履歴情報の参照、保存を行う。ここではファイル制御部と記載しているが、実際にはデータベースへのアクセスであっても構わない。
【0037】
検索サーバ40において、検索メイン制御部4000は、検索サーバ40の全体を制御し、後述の各部に対する指示、管理を行う。
UI制御部4001は検索条件を設定するため、検索サーバ40のディスプレイ108にユーザインターフェースを表示し、検索サーバ40のキーボード107を用いたユーザからの検索条件を受け付ける。受け取った検索条件は、検索メイン制御部4000を介して、検索制御部4002へ渡される。また、UI制御部4001は、検索メイン制御部4000を介して、検索制御部4002から受け取った検索結果を、ユーザインターフェースを介してユーザに提示する。
【0038】
検索制御部4002は、検索処理を制御する。検索メイン制御部4000から受け取った検索条件を基に、データサーバ30の検索制御部3002に対し検索を指示し、検索結果を受信する。また、必要に応じて検索結果のソート等も行い、検索結果を検索メイン制御部4000へ渡す。
【0039】
図5は、デジタル複合機10において、ジョブ履歴情報送信やページフィルタリング等の各種処理において、デジタル複合機10を制御するための動作条件を設定情報として設定する処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
ステップS101において、メイン制御部1000は、UI制御部1001を介してユーザ認証を行う。ユーザ認証は、既知の技術であるため詳細な説明は省略するが、外部の認証サーバに接続して認証を行っても構わない。また、図示していないがデジタル複合機10、画像処理サーバ20、またはデータサーバ30がローカルに保持しているユーザ情報を基に認証を行っても構わない。
【0041】
ステップS102において、メイン制御部1000は、UI制御部1001を介して設定画面を表示し、操作部234またはリモートで接続するPCのディスプレイ108を介してユーザからの入力を受け付ける。入力された設定情報はメイン制御部1000を介して、設定制御部1002が受信し、RAM201に保持する。尚、ここで入力される設定情報においてページフィルタリングに関してユーザが入力する設定項目は、図14において具体的な例を用いて後述する。
【0042】
ステップS103において、設定制御部1002は、ファイル操作部1005を介して、設定情報をHDD203に保存する。ステップS104において、設定制御部1002は、メイン制御部1000を介して、画像処理サーバ20に対して設定情報の保存要求(設定情報保存要求)を送信する。尚、ステップS103で送信される設定情報保存要求には、ステップS102にて入力された設定情報が含まれている。
図6は、画像処理サーバ20が、デジタル複合機10から設定情報保存要求を受信する処理の流れを示すフローチャートである。
【0043】
ステップS201において、メイン制御部2000は、デジタル複合機10のメイン制御部1000から送信された設定情報保存要求を受信する。ステップS202において、メイン制御部2000は、データサーバ30の設定制御部3001へ、受信した設定情報保存要求を送信する。図示しないが、データサーバ30の設定制御部3001は、ファイル操作部3003を介して画像処理サーバ20から送信された設定保存要求に含まれる設定情報設定情報をデータサーバ30のHDD109へ保存する。
【0044】
図7は、画像処理サーバ20においてデジタル複合機10または画像処理サーバ20を制御するための動作条件を設定情報として設定する処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS301において、メイン制御部2000は、UI制御部2001を介してユーザ認証を行う。ユーザ認証に関する補足説明は、S101と同様であるため省略する。
【0045】
ステップS302において、メイン制御部2000はUI制御部2001を介して設定画面を画像処理サーバ20のディスプレイ108に表示し、画像処理サーバ20のキーボード107を介してユーザからの入力を受け付ける。入力された設定情報はメイン制御部2000を介して、設定制御部2002が受信し、画像処理サーバ20のRAM101に保持する。尚、ここで入力される設定情報においてページフィルタリングに関してユーザが入力する設定項目は、図14において具体的な例を用いて後述する。
【0046】
ステップS303において、設定制御部2002は、メイン制御部2000を介して、データサーバ30の設定制御部3001へ、設定情報保存要求を送信する。尚、ステップS303で送信される設定情報保存要求には、ステップS302にて入力された設定情報が含まれている。図示しないが、データサーバ30の設定制御部3001は、ファイル操作部3003を介して画像処理サーバ20から送信された設定保存要求に含まれる設定情報をデータサーバ30のHDD109へ保存する。
【0047】
図8は、デジタル複合機10が設定情報取得要求を行う処理の流れを示すフローチャートである。これは、図7で画像処理サーバ20のUI制御部2001を介してデジタル複合機10の設定が行われたケースを考慮し、所定のタイミングで最新の設定情報を得るための仕組みである。尚、設定情報取得要求は、あらかじめ決められた、もしくは指定されたスケジュールに従ったタイミングで行われる。または、UI制御部1001を介してユーザ操作によって設定情報取得要求を行っても構わない。
【0048】
ステップS401において、メイン制御部1000は、画像処理サーバ20のメイン制御部2000へ設定情報取得要求を送信する。ステップS402において、メイン制御部1000は、画像処理サーバ20のメイン制御部2000から設定情報を受信する。メイン制御部1000は、受信した設定情報を設定制御部1002へ渡し、設定制御部1002は設定情報をRAM201に保持する。ステップS403において、設定制御部1002がファイル操作部1005を介して、設定情報をHDD203に保存する。
図9は、画像処理サーバ20における、デジタル複合機10からの設定情報取得要求の受信処理の流れを示すフローチャートである。
【0049】
ステップS501において、メイン制御部2000は、デジタル複合機10のメイン制御部1000からの設定情報取得要求を受信する。ステップS502において、メイン制御部2000は、データサーバ30の設定制御部3001、及び、ファイル操作部3003を介して設定情報を取得する。ステップS503において、メイン制御部2000はデジタル複合機10のメイン制御部1000へ設定情報を送信する。
【0050】
図10は、デジタル複合機10における、ジョブ実行及びジョブ履歴情報生成に関するフロー図である。ステップS601において、メイン制御部1000はUI制御部1001を介してユーザ認証を行う。ユーザ認証に関する補足説明は、S101と同様であるため省略する。
【0051】
ステップS602において、メイン制御部1000は、UI制御部1001を介したユーザからのジョブ実行指示、または、ドライバーなどの外部システムからのジョブ実行指示を受け付ける。ステップS603において、メイン制御部1000は、ジョブ制御部1003へジョブ実行を指示し、ジョブ制御部1003はジョブを実行する。ここで言うジョブとは、コピー、プリント、SEND、FAX送受信、電子メール送信などが該当する。
【0052】
ステップS604において、メイン制御部1000は、ジョブ履歴情報制御部1004へジョブ履歴情報の生成を指示し、ジョブ履歴情報制御部1004は実行されたジョブに関するジョブ履歴情報を生成し、HDD203へ保存する。ジョブ履歴情報には、少なくとも1つ以上のログ属性、ジョブ実行時に入力された画像データのいずれかを含む。
【0053】
図11は、デジタル複合機10がジョブ履歴情報を画像処理サーバ20へ送信する処理の流れを示すフローチャートである。送信するタイミングに関しては、デジタル複合機10のUI制御部1001を介して送信指示された場合について記載するが、あらかじめ決められた、もしくは指定されたスケジュールに従って送信を行っても構わない。さらに、PCを使用してリモートでデジタル複合機10にアクセスして送信指示した場合や、画像処理サーバ20のUI制御部2001を介して送信指示された場合であっても構わない。
【0054】
ステップS701において、メイン制御部1000は、UI制御部1001からのジョブ履歴情報送信指示を受信する。ステップS702において、メイン制御部1000は、ステップS604で生成したジョブ履歴情報で未処理のものがあるかを判断する。未処理のものがあると判断された場合、ステップS703に移行する。一方、未処理のものがないと判断された場合、処理を終了する。
【0055】
ステップS703において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ページフィルタリングを行った後、画像処理サーバ20へジョブ履歴情報を送信する。尚、ステップS703の処理の詳細は図13において後述する。ページフィルタリングの動作条件に関しては、メイン制御部1000を介して、設定制御部1002から得られるRAM201に保持された設定情報を参照することで決定される。
【0056】
ステップS704において、ジョブ履歴情報制御部1004は、画像処理サーバ20への送信が成功したジョブのジョブ履歴情報を削除する。
図12は、画像処理サーバ20が、デジタル複合機10からジョブ履歴情報を受信し、データサーバ30へ保存するまでの処理の流れを示すフローチャートである。ステップS801において、メイン制御部2000は、デジタル複合機10のメイン制御部1000からジョブ履歴情報を受信する。
【0057】
ステップS802において、画像処理部2003は、メイン制御部2000を介して受信した、ジョブ履歴情報を基にして、画像変換処理を行い、検索結果として表示するためのPDFを作成する。尚、ここでは一般的なファイルフォーマットとしてPDFを例に用いているが、PDF以外のファイルフォーマット(例えばJPEGやTIFFなど)であっても構わない。また、画像変換時において、解像度変換による低解像度への変換、カラー数変換によるグレースケール、2値画像への変換が行われてもかまわない。
【0058】
ステップS803において、画像処理部2003は、メイン制御部2000を介して受信した、ジョブ履歴情報を基にして、OCR処理を行い、テキスト検索用のテキスト情報を抽出する。なお、OCR処理を行う画像データは、事前に解像度変換や2値画像への変換が行われたものであっても構わない。
【0059】
ステップS804において、メイン制御部2000は、ジョブ履歴情報のログ属性について、校正を行う。ここでは設定制御部2002から得られる情報を追加するなど、データサーバ30へ保存するための最終形に変換することを想定している。ステップS805において、メイン制御部2000はデータサーバ30のジョブ履歴情報制御部へ、少なくともPDFファイル、テキスト情報、ログ属性の1つ以上を含むジョブ履歴情報を送信する。図示しないが、ジョブ履歴情報を受信したデータサーバ30のジョブ履歴情報制御部3000は、ファイル操作部3003を介して、ジョブ履歴情報をデータサーバ30のHDD109に保存する。ジョブ履歴情報を保存する際、PDFファイル、テキスト情報、ログ属性を関連付けて保存する。
尚、本実施例では詳細に説明しないが、類似画像の検索を可能とするため、画像検索用の画像特徴量抽出処理を行うステップがあっても良い。
【0060】
図13は、図11のステップS703におけるページフィルタリング及びジョブ履歴情報転送処理の詳細な流れを示すフローチャートである。ステップS1000において、ジョブ履歴情報制御部1004は、メイン制御部1000を介して、設定制御部1002がRAM201に保持している設定情報からページフィルタリングの動作条件を取得する。具体的にページフィルタリングの動作条件とは、少なくとも以下の1つ以上の項目を含む。
・「すべて」(全てのページの画像データが保存される)
・「先頭から指定したページまで」(1ページ目から指定されたページまでの画像データが保存され)
・「指定した割合にあたるランダムなページ」(全ページ数に対して、指定された割合にあたるページ数分の画像データが、ランダムに保存される)
尚、本実施例ではあらかじめユーザが設定を行っていることを前提としているが、システムが保持している設定で動作しても構わない。
【0061】
ステップS1001において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、フィルタリングの動作上限として「先頭から指定したページまで」が設定されているかを判断する。「先頭から指定したページまで」が指定されていると判断された場合は、ステップS1002に移行する。一方、「先頭から指定したページまで」が指定されていないと判断された場合は、ステップS1011に移行する。
【0062】
ステップS1002において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、ユーザ指定のページ番号を取得する(ここで取得した値を“x”とする)。以降、ジョブ履歴情報制御部1004は、ステップS1003とステップS1004を先頭の1ページ目から指定された“x”ページまで繰り返し行う。
【0063】
ステップS1003において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介してHDD203に保存されている画像データを取得する。ステップS1004において、ステップS1003で取得した該画像データを画像処理サーバ20へ送信する。ここでの処理により、1ページ目から指定されたxページ目までの画像データが取得され、画像処理サーバ20へ送信される。
【0064】
ステップS1011において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、「指定した割合にあたるランダムなページ」が設定されているかを判断する。「指定した割合にあたるランダムなページ」が設定されていると判断された場合、ステップS1012に移行する。一方、「指定した割合にあたるランダムなページ」が設定されていないと判断された場合、ステップS1021に移行する。
【0065】
ステップS1012において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、ユーザ指定の割合(パーセンテージ)を取得する(ここで取得した値を“y”とする)。ステップS1013において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介して、HDD203に保存されたジョブ履歴情報の全ページ数を取得する(ここで取得した全ページ数を“z”とする)。
【0066】
ステップS1014において、全ページ数に対して、指定された割合にあたるページ数分(具体的には (z*y/100)個 )の、値が“z”以下の乱数を生成する(ここで取得した乱数の集合を“v”とする)。本実施例では(z*y/100)の値が整数にならなかった場合切り上げることで整数値とするが、「切り捨て」または「四捨五入」等別の方法が用いられても構わない。また、乱数を生成する処理について、一定の規則性を持たない数値を(z*y/100)個生成できればどのようなアルゴリズムであっても構わない。例えば、(z*y/100)個のそれぞれの乱数を既知の乱数生成アルゴリズムで生成しても構わないし、100個の乱数を該乱数生成アルゴリズムで生成し、それ以上の値には3ケタ目(100の位)の数値をカウントアップするとしても構わない。
【0067】
以降、ジョブ履歴情報制御部1004は、ステップS1015からステップS1017まで、先頭の1ページ目から全ページ数“z”まで、もしくは、乱数の集合“v”に該当するページが全て処理できるまで、繰り返し行う。
【0068】
ステップS1015において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介してHDD203に保存されている画像データを取得する。ステップS1016において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ステップS1015において取得したページが乱数の集合“v”に該当するページであるかを確認する。
【0069】
ステップS1017において、ステップS1016で確認した結果、乱数の集合“v”に該当するページであった場合、ステップS1015において取得した該画像データを画像処理サーバ20へ送信する。ここでの処理により、ジョブに含まれる全ページの画像データのうち、設定情報により指定された割合にあたるページ数分の画像データがランダムで取得され、画像処理サーバ20へ送信される。
【0070】
ステップS1021において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介して、HDD203に保存されたジョブ履歴情報の全ページ数を取得する(ここで取得した値を“z”とする)。以降、ジョブ履歴情報制御部1004は、ステップS1022とステップS1023を先頭の1ページ目から全ページ数“z”まで繰り返し行う。
【0071】
ステップS1022において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介してHDD203に保存されている画像データを取得する。ステップS1023において、ステップS1022で取得した該画像データを画像処理サーバ20へ送信する。ここでの処理により、ジョブに含まれる全ページの画像データが取得され、画像処理サーバ20へ送信される。
【0072】
図14は、図5または図7における設定情報入力受付処理の際に、ページフィルタリングの条件を設定するためのユーザインターフェースの一例を示す図である。ユーザは以下の3つのラジオボタンからページフィルタリングの動作条件を選択する。
【0073】
・「すべて」
「すべて」設定が指定された場合、ページフィルタリング処理は行われず、全てのページの画像データが保存される。この設定は、大容量のHDD容量が確保されており、十分にセキュリティを確保したいユーザ向けの設定である。
【0074】
・「先頭から指定したページまで」
「先頭から指定したページまで」の設定が指定された場合、1ページ目から指定されたページまでの画像データが保存される。HDD容量削減とセキュリティ確保の両方を行いたいユーザ向けの設定であり、特に先頭ページから一定量のページの画像データを保存しておけばセキュリティ確保の効果が十分である場合に指定される。「先頭から指定したページまで」のラジオボタンが指定された場合、ページ数の指定エディットボックスがアクティブになり、先頭から保存するページ数を入力することが可能となる。
【0075】
・「指定した割合にあたるランダムなページ」
「指定した割合にあたるランダムなページ」の設定が指定された場合、ジョブに含まれる全ページ数に対して、指定された割合にあたるページ数分の画像データが、ランダムに保存される。「指定した割合にあたるランダムなページ」は、HDD容量削減とセキュリティ確保の両方を行いたいユーザ向けの設定であり、特に、固定ページではなくページ全体からサンプリングして画像データを保存しておきたい場合に指定する。「指定した割合にあたるランダムなページ」のラジオボタンが指定された場合、割合の指定エディットボックスがアクティブになり、全ページ数の何パーセントにあたるページの画像データを保存するかを示す割合を入力することが可能となる。尚、本実施例ではドロップダウンリストで選択できるようにしているが、ユーザが任意に数値を入力できるようにしても構わない。
【0076】
また、ここでは図示しないが、設定情報としてユーザが入力するシステムの動作条件の例としては以下のようなものも含まれる。
・ジョブ履歴情報の保存設定(ログ属性情報のみを保存するか、ログ属性情報と画像データを保存するかなど)
・ジョブ履歴情報の送信設定(送信スケジュール、URLなど送信先画像処理サーバの設定、など)
・画像処理の設定(解像度をいくつに変換して保存するか、保存するファイル形式は1ページ1文書か1文書1ファイルか、カラー数の削減を行うか、など)
・メール通知の設定(通知先のメールアドレス指定、エラー通知を行うか、保存通知を行うか、など)
また、本実施例においては、ページフィルタリング処理をデジタル複合機10において実施しているが、画像処理サーバ20において実施しても構わない。その場合、デジタル複合機10から画像処理サーバ20へのページフィルタリング及びジョブ履歴情報転送処理としては、全てのページを抽出、送信する図13のステップS1021からS1023のみを行う。ページフィルタリングを伴う抽出処理であるステップS1001からS1017までについては、図12のステップS801とS802の間において実施する。
[実施例2]
以下、本発明を実施するための第2の実施例について図面を用いて説明する。本実施例では、実施例1と同様の構成からなるジョブ履歴情報監査システムが用いられ、実施例1との差のみを説明することとする。
【0077】
実施例1では、図13のステップS1001、ステップS1011において、「すべて」、「先頭から指定したページまで」、「指定した割合にあたるランダムなページ」のいずれかを指定していることを前提としていた。実施例2では、これらの組み合わせを可能とした形態について記載する。さらに、実施例2では、「すべて」、「先頭から指定したページまで」、「指定した割合にあたるランダムなページ」に加えて、「指定したページ」及び、「ページごとに保存する確率」が動作条件として設定可能な設定情報として追加される。
図15は、実施例2における図11のステップS703におけるページフィルタリング及びジョブ履歴情報転送処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【0078】
ステップS1100において、ジョブ履歴情報制御部1004は、メイン制御部1000を介して、設定制御部1002がRAM201に保持している設定情報からページフィルタリングの動作条件を取得する。具体的にページフィルタリングの動作条件とは、少なくとも以下の1つ以上の項目を含む。
・「すべて」(全てのページの画像データが保存される)
・「先頭から指定したページまで」(1ページ目から指定されたページまでの画像データが保存される)
・「指定したページ」(指定されたページ番号の画像データが保存される)
・「指定した割合にあたるランダムなページ」(全ページ数に対して、指定された割合にあたるページ数分の画像データが、ランダムに保存される)
・「ページごとに保存する確率」(各ページに対して、指定された確率で保存するか否かが決定される。例えば、ユーザが指定した確率が50%の場合、1/2の確率で各ページが保存されるかどうかが決定される。そのため、保存されるページは0ページかもしれないし、全ページになるかもしれない。)
ステップS1101において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、ページフィルタリングを行うか否かを判断する。ここで、上記の動作条件のうち、「すべて」が指定されていた場合に、ページフィルタリングを行わないと判断される。ページフィルタリングを行わない場合は、「すべて」を指定した場合のフローに遷移する。「すべて」を指定した場合のフローは、ステップS1131からS1133として記載しているが、図13のステップS1021からステップS1023に示した内容と同じであるため、説明は省略する。一方、ページフィルタリングを行うと判断された場合、ステップS1101に移行する。
【0079】
ステップS1101において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、「ページごとに保存する確率」が指定されているか否かを判断し、指定されている場合は、ステップS1102へ移行する。指定されていない場合は、ステップS1111へ移行する。
【0080】
ステップS1102において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、ユーザが指定した確率を取得する。ステップS1103において、ジョブ履歴情報制御部1004はファイル操作部1005を介して、HDD203に保存されたジョブ履歴情報の全ページ数を取得する(ここで取得した値を“z”とする)。以降、ジョブ履歴情報制御部1004は、ステップS1104からステップS1106までを先頭の1ページ目から全ページ数“z”まで繰り返し行う。
【0081】
ステップS1104において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介してHDD203に保存されている画像データを取得する。ステップS1105において、ジョブ履歴情報制御部1004は、該ページを保存するか否か、を該指定された確率を基に判定する。保存すると判定された場合は、ステップS1106において、ステップS1105で取得した該画像データを画像処理サーバ20へ送信する。ユーザが確率を50%と指定した場合の判定方法の例としては、ジョブ履歴情報制御部1004が乱数を生成し、2で割り切れる場合には保存するという方法があるが、どのような方法であっても構わない。ステップS1105において、保存しないと判定された場合は、該画像データの保存を行わず、次のページの処理に進む。
【0082】
ステップS1111において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、「先頭から指定したページまで」が指定されているかを判断する。「先頭から指定したページまで」が指定されていると判断された場合は、ステップS1112に移行し、「先頭から指定したページまで」が指定されていないと判断された場合は、ステップS1114に移行する。
【0083】
ステップS1112において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、ユーザが指定したページ番号を取得する。ステップS1113において、ジョブ履歴情報制御部1004は、1ページ目から、該ユーザ指定のページ番号までを、保存するページ番号の集合“p”に追加する。
【0084】
ステップS1114において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、「指定したページ」が指定されているかを判断する。「指定したページ」が指定されていると判断された場合は、ステップS1115に移行し、「指定したページ」が指定されていると判断された場合は、ステップS1117に移行する。
【0085】
ステップS1115において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、ユーザが指定したページ番号を取得する。ステップS1116において、ジョブ履歴情報制御部1004は、取得されたユーザ指定のページ番号を、保存するページ番号の集合“p”に追加する。ただし、ステップS1113において既に追加済みのページ番号だった場合には、重複したページ番号の追加は行わないこととする。
【0086】
ステップS1117において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、「指定した割合にあたるランダムなページ」が指定されているかを判断する。「指定した割合にあたるランダムなページ」が指定されていると判断された場合は、ステップS1118に移行し、「指定した割合にあたるランダムなページ」が指定されていないと判断された場合は、ステップS1122に移行する。
【0087】
ステップS1118において、ジョブ履歴情報制御部1004は、設定情報を確認し、ユーザ指定の割合(パーセンテージ)を取得する(ここで取得した値を“y”とする)。ステップS1119において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介して、HDD203に保存されたジョブ履歴情報の全ページ数を取得する(ここで取得した値を“z”とする)。
【0088】
ステップ1120において、ジョブ履歴情報制御部1004は、全ページ数に対して、指定された割合にあたるページ数分の値が“z”以下で、かつ、まだ“p”に含まれていない乱数を生成する(ここで取得した乱数の集合を“v”とする)。尚、乱数を生成する処理の補足説明は、図13のステップS1014に記載した内容と同じであるため、省略する。ステップS1121において、ステップS1120にて生成された乱数の集合“v”を、保存するページ番号の集合“p”に追加する。
【0089】
以降、ステップS1122からステップS1124までの処理が、先頭の1ページ目から全ページまで、もしくは、保存するページ番号の集合“p”に該当するページが全て処理できるまで、繰り返し行われる。
ステップS1122において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ファイル操作部1005を介してHDD203に保存されている画像データを取得する。ステップS1123において、ジョブ履歴情報制御部1004は、ステップS1122において取得したページが保存するページ番号の集合“p”に該当するページであるかを確認する。
【0090】
ステップS1124において、ステップS1123で確認した結果、保存するページ番号の集合“p”に該当するページであった場合、ステップS1122において取得した該画像データを画像処理サーバ20へ送信する。
【0091】
尚、本実施例では、「ページごとに保存する確率」に関しては、他の項目と一緒に指定できないものとして記載しているが、他の項目と一緒に設定することを可能としても構わない。その場合の例としては、その他の設定に従ったページフィルタリング処理の後、保存しないと判断されたページに対して指定された確率で保存するか否かを決定する方法がある。具体的には、図15のステップS1123でNoと判定された場合に、ジョブ履歴情報制御部1004が、ステップS1105の指定された確率に基づいて保存するか否かを判断し、ページを画像処理サーバ20へ送信しても良い。
【0092】
また、他の例として、その他の設定に従ったページフィルタリング処理の後、保存すると判断されたページに対して指定された確率で保存するか否かを決定する方法がある。具体的には、図15のステップS1123でYesと判定された場合に、ステップS1105の指定された確率に基づいて保存すると判断されたページの場合のみステップ1124を実行して、ページを画像処理サーバ20へ送信しても良い。
【0093】
図16は、本実例2に係る図5乃至図7における設定情報入力受付処理の際に、ページフィルタリングの動作条件を設定するためのユーザインターフェースの一例を示す図である。
ユーザは以下の2つのラジオボタンを選択する。
・「すべて」(図14のラジオボタンの「すべて」と同一であるため説明を省略する)
・「ページフィルタリング処理を行う」
「ページフィルタリング処理を行う」の設定が指定された場合、ページフィルタリング処理が行われ、限定的にページの画像データが保存される。HDD容量削減とセキュリティ確保の両方を行いたいユーザ向けの設定である。尚、「ページフィルタリング処理を行う」のラジオボタンを選択した場合、さらにページフィルタリング処理の方法を指定するため、
以下の4つのチェックボックスを選択することが可能となる。
【0094】
・「先頭から指定したページまで」
「先頭から指定したページまで」の設定が指定された場合、1ページ目から指定されたページまでの画像データが保存される。「先頭から指定したページまで」のラジオボタンが指定された場合、ページ数の指定エディットボックスがアクティブになり、先頭から保存するページ数を入力することが可能となる。
【0095】
・「指定したページ」
「指定したページ」の設定が指定された場合、指定したページ番号の画像データが保存される。「指定したページ」のラジオボタンが指定された場合、ページ番号の指定エディットボックスがアクティブになり、保存するページ番号を入力することが可能となる。複数のページ番号を入力する場合、カンマ(,)で区切り、連続したページ番号がある場合にはハイフン(−)で示すことが可能である。
【0096】
・「指定した割合にあたるランダムなページ」
「指定した割合にあたるランダムなページ」の設定が指定された場合、ジョブに含まれる全ページ数に対して、指定された割合にあたるページ数分の画像データが、ランダムに保存される。「指定した割合にあたるランダムなページ」のラジオボタンが指定された場合、割合の指定エディットボックスがアクティブになり、全ページ数の何パーセントにあたるページの画像データを保存するかを示す割合を入力することが可能となる。本実施例ではドロップダウンリストで選択できるようにしているが、ユーザが任意に数値を入力できるようにしても構わない。
【0097】
・「ページごとに保存する確率」
「ページごとに保存する確率」の設定が指定された場合、各ページに対して、指定された確率で、画像データを保存するか否かを決定されることにより、ランダムなページが保存される。本実施例では、ページフィルタリングの他の設定とは排他であることを想定しているため、ユーザが「ページごとに保存する確率を指定する」以外にもチェックを付けている状態で設定を完了しようとした場合、エラーメッセージを表示し再度入力を促す。ただし、他の設定と必ずしも排他でなくても良い。
[実施例3]
以下、本発明を実施するための第3の実施例について図面を用いて説明する。本実施例では、実施例1と同様の構成からなるジョブ履歴情報監査システムが用いられ、実施例1との差のみを説明することとする。
【0098】
実施例1では、デジタル複合機10ごとに設定情報を保持し、また全ての時間帯で同様の設定情報に従った動作をしていた。本実施例では、ジョブを実行したグループまたはユーザごとに設定情報が保持され、さらに、時間帯によってもページフィルタリング動作が変更される。
【0099】
これにより、例えば以下のような柔軟なジョブ履歴情報監査システムを構築可能となる。
・業務時間中以外は全てのジョブの全てのページが保存されるが、業務時間中はページフィルタリングが行われ、一部のページのみが保存される。
・機密情報を日常的に扱うグループのユーザにより実行されたジョブは、全てのページが保存される。
・機密情報を扱う機会が少ない部署でも夜間実行されたジョブは全てのページが保存される。
【0100】
尚、本実施例では、ユーザ情報や設定情報をデータサーバ30で保持されることを想定しているが、デジタル複合機10や画像処理サーバ20、または外部の認証サーバ等で保持されても構わない。また、本実施例ではグループごとに設定が行われることを想定した例を用いるが、ユーザごとに設定が行われても構わない。
【0101】
図17は、本実例において図5乃至図7における設定情報入力受付処理の際に、グループごとにページフィルタリングの条件を設定するためのユーザインターフェースの一例を示す図である。
【0102】
「ユーザの設定」ボタンが押下され、ユーザが指定されることによって、グループ1に所属するユーザを指定する画面を表示される。「ユーザの設定」ボタン押下後に表示される別画面については図示しないが、ユーザ名を入力、ユーザリストからの選択が可能な画面が表示され、グループに所属するユーザ設定が可能となる。
【0103】
「格納する曜日と時間帯」において、曜日ごとに、全ての時間で同じページフィルタリングの条件を適用するか、時間帯で分けて異なるページフィルタリングの条件を適用するかが設定可能である。
【0104】
画面半分より下部分の枠内において、ページフィルタリングの設定が行われる。「全ての時間」に対する「格納するページの範囲」の設定は「全ての時間」を指定している曜日に対して有効である。「時間帯指定」に対する各「格納するページの範囲」の設定は、「指定した時間帯」を指定している曜日に対して有効である。入力した各時間帯に対してそれぞれページフィルタリングを指定し、ジョブ実行日時が該当する時間帯のページフィルタリング設定に従った処理が行われる。
【0105】
「格納するページの範囲」ボタンが押下されると、図14または図16の画面が表示され、該当する時間帯のページフィルタリングの動作条件を設定することができる。
図18は、本実例における、データサーバ30に保存されているユーザリストの例である。図18のユーザリストにより、ユーザ名と、ユーザが所属するグループ、部署名、メールアドレスなどのユーザ情報が関連付けられ管理される。
例えば、ユーザAはグループ1に所属するため、ユーザAが実行したジョブは、図19または図20に示すグループ1の設定に従ってページフィルタリングされたジョブ履歴情報が保存される。
【0106】
図19は、本実例における、データサーバ30に保存されている曜日と時間帯の設定の例である。グループ1の設定において、平日の月曜日から金曜日の業務時間以外、及び休日はしっかりとジョブ履歴情報を保存しておき、セキュリティを確保することとする。また、平日の営業時間中は、同僚などの人の目が悪意のある情報漏えいの抑止になると考えられるため、ページフィルタリングを行うように設定することとする。
【0107】
具体的に平日は、夜間(21:00〜8:30)、午前の業務時間(8:30〜12:00)、昼休み(12:00〜13:00)、午後の業務時間(13:00〜21:00)に分けてページフィルタリングの設定が行われる。一方休日は、全ての時間でページフィルタリングは行わないように設定されている。
【0108】
図20は、本実例における、データサーバ30に保存されている時間帯に応じたページフィルタリング設定の例である。図19に示したグループ1の時間帯の設定において、全ての時間(土日)、時間帯1(夜間)、時間帯2(午前の業務時間)、時間帯3(昼休み)、時間帯4(午後の業務時間)に分けてページフィルタリングの設定を行うこととした。これらの時間帯に対するページフィルタリングの設定情報の例を説明する。
【0109】
全てのページのジョブ履歴情報を保存しておきたい時間は、全ての時間(土日)と時間帯1(夜間)であるため、全てのページを保存する設定を指定する。図16における「すべて」を選択した場合が該当する。
また、時間帯2(午前の業務時間)、及び、時間帯4(午後の業務時間)は、適度なサンプリングによってジョブ履歴情報を保存することが目的であるため、全体の10%のページを保存する。図16における「指定した割合にあたるランダムなページ」を選択し、「10%」を指定した場合が該当する。
【0110】
時間帯3(昼休み)は業務時間よりも少し厳しくセキュリティを確保したいため、先頭ページから10ページと、20ページ目、30ページ目、40ページ目、50ページ目を保存し、さらにそれ以外の10%のページを保存する。図16において以下を指定した場合が該当する。
・「先頭から指定したページまで」を選択し、「10」ページまでを指定
・「指定したページ」を選択し、「20,30,40,50」を指定
・「指定した割合にあたるランダムなページ」を選択し、「10%」を指定
図21は、本実施例における、図5または図7と同様に、ページフィルタリングの動作条件を設定する処理の流れを示すフローチャートである。本フローは図5と同様にデジタル複合機10での設定フローを説明するが、図7のように画像処理サーバ20で設定を行っても構わない。以下に、ページフィルタリングを行う際、ジョブが実行されたユーザや実行日時を基に適用する動作条件を変更するための設定について説明する。
【0111】
ステップS1200において、メイン制御部1000はUI制御部1001を介してユーザ認証を行う。ユーザ認証はステップS101で説明済みであるため省略する。ステップS1201において、メイン制御部1000はUI制御部1001を介して、設定を行うグループに対してユーザを指定するかを確認し、指定する場合にはステップS1202においてユーザを指定する。
【0112】
ステップS1202において、メイン制御部1000はUI制御部1001を介して、グループに関連付けるユーザを指定するよう促す。ユーザはUI制御部1001を介して、ユーザを指定する。ステップS1203において、メイン制御部1000はUI制御部1001を介して、時間帯別に条件を指定するか否かを確認する。指定する場合にはステップS1204へ以降する。
【0113】
ステップS1204において、メイン制御部1000はUI制御部1001を介して、時間帯を指定するよう促す。ユーザはUI制御部1001を介して、時間帯を指定する。
ステップS1205において、ステップS1203で指定した時間帯に対応するページフィルタリングの条件を指定する。
【0114】
ステップS1206において、設定制御部1002がファイル操作部1005を介して、設定情報をHDD 203に保存する。図5におけるステップS103と同様である。ステップS1207において、設定制御部1002は、メイン制御部1000を介して、画像処理サーバ20へ設定情報の保存要求を送信する。この時保存要求には、図5におけるステップS104と同様、必要な設定情報を付与して送信が行われる。
【0115】
図22は、本実施例における、図13または図15の設定情報取得の処理の流れを示すフローチャートである。ページフィルタリングを行う際、ステップS1000またはステップS1100において、ジョブが実行されたユーザや実行日時を基に、図17で設定したどの動作条件を適用するかを判断するフローについて説明する。
【0116】
ステップS1300において、ジョブ履歴情報制御部1004はファイル操作部1005を介して、HDD203に保存されたジョブ履歴情報からジョブ実行ユーザの情報を取得する。ステップS1301において、ジョブ履歴情報制御部1004はファイル操作部1005を介して、HDD203に保存されたジョブ履歴情報からジョブ実行日時の情報を取得する。
【0117】
ステップS1302において、ジョブ履歴情報制御部1004は、メイン制御部1000を介して、設定制御部1002がRAM201に保持している設定情報から、ユーザが所属するグループのページフィルタリングの動作条件を取得する。さらに、ジョブ実行日時が該当するページフィルタリング設定を取得する。
以上、本実施例により、ジョブを実行したグループまたはユーザごとに設定情報が保持され、さらに、時間帯によってもページフィルタリング動作が変更される柔軟なシステムを構築可能となる。
【0118】
以上、本発明の実施例について具体例を挙げて説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0119】
10 デジタル複合機
20 画像処理サーバ
30 データサーバ
40 検索サーバ
1000 メイン制御部
1001 UI制御部
1002 設定制御部
1004 ジョブ履歴制御部
2000 メイン制御部
2001 UI制御部
2002 設定制御部
2003 画像処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置において実行されるジョブのジョブ履歴情報を保存するジョブ履歴情報監査システムであって、
前記画像形成装置において実行されるジョブに含まれるページのうち前記ジョブ履歴情報として画像データを取得するページの割合を含む、ページフィルタリングの条件を設定する設定手段と、
前記ページフィルタリングの条件に画像データを取得するページの割合が設定されている場合に、前記ジョブに含まれるページから、当該割合にあたるページ数分の画像データをランダムで取得する取得手段と、
を有することを特徴とするジョブ履歴情報監査システム。
【請求項2】
前記取得手段は、前記ジョブに含まれる全ページ数と、前記ページフィルタリングの条件に含まれる割合とから前記画像データがランダムで取得されるページを示す乱数の集合を生成し、前記生成された乱数の集合が示すページの画像データを取得することを特徴とする請求項1に記載のジョブ履歴情報監査システム。
【請求項3】
前記ページフィルタリングの条件として、各ページにおいて画像データを取得する確率を設定可能であり、
前記取得手段は、前記ページフィルタリングの条件として、前記各ページにおいて画像データを取得する確率が設定されている場合に、当該確率に基づいて前記ジョブに含まれる各ページを取得するか否かを判断し、取得すると判断されたページの画像データのみを取得することを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載のジョブ履歴情報監査システム。
【請求項4】
前記設定手段は、前記ページフィルタリングの条件を、前記ジョブが実行するグループ、前記ジョブが実行される時間帯の少なくとも一つに関連付けて設定可能であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載のジョブ履歴情報監査システム。
【請求項5】
画像形成装置において実行されるジョブのジョブ履歴情報を保存するジョブ履歴情報監査システムの制御方法であって、
前記画像形成装置において実行されるジョブに含まれるページのうち前記ジョブ履歴情報として画像データを取得するページの割合を含む、ページフィルタリングの条件を設定する設定工程と、
前記ページフィルタリングの条件に画像データを取得するページの割合が設定されている場合に、前記ジョブに含まれるページから、当該割合にあたるページ数分の画像データをランダムで取得する取得工程と、
を有することを特徴とするジョブ履歴情報監査システムの制御方法。
【請求項6】
前記取得工程では、前記ジョブに含まれる全ページ数と、前記ページフィルタリングの条件に含まれる割合とから前記画像データがランダムで取得されるページを示す乱数の集合を生成し、前記生成された乱数の集合が示すページの画像データを取得することを特徴とする請求項5に記載のジョブ履歴情報監査システムの制御方法。
【請求項7】
前記ページフィルタリングの条件として、各ページにおいて画像データを取得する確率を設定可能であり、
前記取得工程では、前記ページフィルタリングの条件として、前記各ページにおいて画像データを取得する確率が設定されている場合に、当該確率に基づいて前記ジョブに含まれる各ページを取得するか否かを判断し、取得すると判断されたページの画像データのみを取得することを特徴とする請求項5又は6いずれかに記載のジョブ履歴情報監査システムの制御方法。
【請求項8】
前記設定工程では、前記ページフィルタリングの条件を、前記ジョブが実行するグループ、前記ジョブが実行される時間帯の少なくとも一つに関連付けて設定可能であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のジョブ履歴情報監査システムの制御方法。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれか1項に記載のジョブ履歴情報監査システムの制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
画像形成装置において実行されるジョブのジョブ履歴情報を保存するジョブ履歴情報監査システムであって、
前記画像形成装置において実行されるジョブに含まれるページのうち前記ジョブ履歴情報として画像データを取得するページの割合を含む、ページフィルタリングの条件を設定する設定手段と、
前記ページフィルタリングの条件に画像データを取得するページの割合が設定されている場合に、前記ジョブに含まれるページから、当該割合にあたるページ数分の画像データをランダムで取得する取得手段と、
を有することを特徴とするジョブ履歴情報監査システム。
【請求項2】
前記取得手段は、前記ジョブに含まれる全ページ数と、前記ページフィルタリングの条件に含まれる割合とから前記画像データがランダムで取得されるページを示す乱数の集合を生成し、前記生成された乱数の集合が示すページの画像データを取得することを特徴とする請求項1に記載のジョブ履歴情報監査システム。
【請求項3】
前記ページフィルタリングの条件として、各ページにおいて画像データを取得する確率を設定可能であり、
前記取得手段は、前記ページフィルタリングの条件として、前記各ページにおいて画像データを取得する確率が設定されている場合に、当該確率に基づいて前記ジョブに含まれる各ページを取得するか否かを判断し、取得すると判断されたページの画像データのみを取得することを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載のジョブ履歴情報監査システム。
【請求項4】
前記設定手段は、前記ページフィルタリングの条件を、前記ジョブが実行するグループ、前記ジョブが実行される時間帯の少なくとも一つに関連付けて設定可能であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載のジョブ履歴情報監査システム。
【請求項5】
画像形成装置において実行されるジョブのジョブ履歴情報を保存するジョブ履歴情報監査システムの制御方法であって、
前記画像形成装置において実行されるジョブに含まれるページのうち前記ジョブ履歴情報として画像データを取得するページの割合を含む、ページフィルタリングの条件を設定する設定工程と、
前記ページフィルタリングの条件に画像データを取得するページの割合が設定されている場合に、前記ジョブに含まれるページから、当該割合にあたるページ数分の画像データをランダムで取得する取得工程と、
を有することを特徴とするジョブ履歴情報監査システムの制御方法。
【請求項6】
前記取得工程では、前記ジョブに含まれる全ページ数と、前記ページフィルタリングの条件に含まれる割合とから前記画像データがランダムで取得されるページを示す乱数の集合を生成し、前記生成された乱数の集合が示すページの画像データを取得することを特徴とする請求項5に記載のジョブ履歴情報監査システムの制御方法。
【請求項7】
前記ページフィルタリングの条件として、各ページにおいて画像データを取得する確率を設定可能であり、
前記取得工程では、前記ページフィルタリングの条件として、前記各ページにおいて画像データを取得する確率が設定されている場合に、当該確率に基づいて前記ジョブに含まれる各ページを取得するか否かを判断し、取得すると判断されたページの画像データのみを取得することを特徴とする請求項5又は6いずれかに記載のジョブ履歴情報監査システムの制御方法。
【請求項8】
前記設定工程では、前記ページフィルタリングの条件を、前記ジョブが実行するグループ、前記ジョブが実行される時間帯の少なくとも一つに関連付けて設定可能であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のジョブ履歴情報監査システムの制御方法。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれか1項に記載のジョブ履歴情報監査システムの制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−83844(P2012−83844A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227550(P2010−227550)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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