説明

スイッチシステム

【課題】操作者による操作入力が有効であるかを確実に通知すると共に、直感的な操作を通じて簡単かつ確実に操作することができるスイッチシステムを提供すること。
【解決手段】操作面から突出する突出形態と操作面内部に沈み込む沈下形態とに切り替えられる複数の操作キー4を有する操作パネル3と、搭載される装置本体で実行可能な機能に対応するアイコンを表示する液晶パネル2と、を備え、操作者による操作入力が受付可能であることを示す操作キー4を突出形態とする一方、この突出形態とする操作キー4に対応する液晶パネル2上の位置にアイコンを表示させる。突出形態とした操作キー4から有効な操作入力を受け付けると操作者に対してフィードバックを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチシステムに関し、特に、操作者が直感的に操作可能なスイッチシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の精密機器においては多数の機能が搭載されており、このように多数の機能を操作者にとって操作し易いインタフェースを提供することは極めて重要な課題となっている。例えば、特許文献1には、多数の機能をより少ないボタンで簡単かつ確実に操作できるインタフェースが提案されている。当該インタフェースにおいては、1つの操作ボタンを多方向に傾けることで複数の接点をそれぞれ独立にスイッチングできるパッド状ボタンを操作面上に設け、上記1つの操作ボタンに2つ以上の機能の操作を割り当てている。
【特許文献1】特開平8−88883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したようなインタフェースにおいては、操作ボタンに割り当てられた各機能の操作を、手元を見ながら行わなければならず、直感的に操作を行うことができないという問題がある。
【0004】
また、上述したインタフェースにおいては、操作ボタンに対する操作を行った場合においても当該操作が適切に行われたかが操作者にフィードバックされないため、当該操作が有効に入力されたかを操作者において認識することができないという問題がある。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、操作者による操作入力が有効であるかを確実に通知すると共に、直感的な操作を通じて簡単かつ確実に操作することができるスイッチシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスイッチシステムは、操作面から突出する突出形態と操作面内部に沈み込む沈下形態とに切り替えられる複数の操作キーを有する操作手段と、搭載される装置本体で実行可能な機能に対応するアイコンを表示する表示手段と、操作者による操作入力が受付可能であることを示す操作キーを突出形態とする一方、前記突出形態とする操作キーに対応する前記表示手段上の位置にアイコンを表示させる配列指定手段と、前記突出形態とした操作キーから有効な操作入力を受け付けると操作者に対してフィードバックを行うフィードバック手段と、を具備することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、操作手段において操作者による操作入力が受付可能であることを示す操作キーが突出形態とされる一方、突出形態とする操作キーに対応する表示手段上の位置にアイコンが表示される。このため、操作入力が可能な操作キーだけが操作者側に突出されると共に、その操作キーの位置に応じてアイコンが表示手段に表示される。これにより、アイコンの表示を見ながら触覚で操作キーの位置を認識することができるので、直感的な操作を通じて簡単かつ確実に操作することが可能となる。
【0008】
また、突出形態とした操作キーから有効な操作入力を受け付けると操作者に対してフィードバックが行われるので、操作者による操作入力が有効である旨を確実に操作者に通知することができる。この結果、実際に操作キーを見ないで操作する場合においても、操作入力が有効に行われたことを操作者において確実に認識することが可能となる。
【0009】
本発明のスイッチシステムにおいては、前記配列指定手段に、前記装置本体で実行可能な機能に応じた操作キーの配列パターンを記憶する記憶手段と、前記配列パターンに従って通電加熱による収縮作用を利用して操作キーを駆動する駆動手段と、前記配列パターンに従って前記表示手段上の所定位置にアイコンを表示させる表示制御手段と、を備えることが好ましい。この構成によれば、記憶手段に記憶された操作キーの配列パターンに従って駆動手段により操作キーが駆動されると共に、表示制御手段により表示手段上のアイコン表示が制御されるので、突出形態とされる操作キーの配列と表示手段上のアイコンの配列とを容易に対応させることが可能となる。
【0010】
本発明のスイッチシステムにおいては、前記フィードバック手段は、前記突出形態とした操作キーから有効な操作入力を受け付けると前記操作手段に対して振動を与えることでフィードバックを行うことが好ましい。この構成によれば、操作キーに対する有効な操作入力に応じて操作手段が振動することから、操作入力が有効である旨を確実に操作者に通知することが可能となる。
【0011】
本発明のスイッチシステムにおいては、前記フィードバック手段は、前記突出形態とした操作キーから有効な操作入力を受け付けると操作入力を受け付けた当該操作キーに対して衝突力を与えることでフィードバックを行うことが好ましい。この構成によれば、操作キーに対する有効な操作入力に応じて操作入力を受け付けた操作キーが衝突力を受けることから、操作入力が有効である旨を確実に操作者に通知することが可能となる。
【0012】
本発明のスイッチシステムにおいては、前記操作手段が有する操作キーに対応する位置に発光手段を配設し、当該操作キーが突出形態とされている間、前記発光手段を発光させることが好ましい。この構成によれば、突出形態とされた操作キーに対応する発光手段が発光するため、操作者は、触覚のみならず視覚的にも容易に突出形態とされた操作キーを認識することが可能となる。
【0013】
本発明のスイッチシステムにおいては、前記駆動手段が通電加熱により収縮している間、前記発光手段を発光させることが好ましい。この構成によれば、駆動手段に対する通電加熱と発光手段に対する発光とを同一タイミングで行うことができるので、本スイッチシステムにおける通電制御及び発光制御を簡略化することが可能となる。
【0014】
本発明のスイッチシステムにおいては、前記操作手段が有する操作キーの形状を、当該操作キーの選択により前記装置本体で実行される機能を予期させる形状に構成することが好ましい。この構成によれば、操作キーの形状を触覚で認識することで、当該操作キーの選択により装置本体で実行される機能を予期できるので、より直感的な操作を通じて簡単かつ確実に操作することが可能となる。
【0015】
また、本発明のスイッチシステムにおいては、前記駆動手段に対する通電加熱で生じた熱を前記突出形態とした操作キーに伝達する構成としても良い。この場合には、操作手段における操作キーが突出形態とされると共に熱を有することとなるため、操作者は、突出形態とした操作キーをその形態のみならずその温度でも認識することができる。この結果、本スイッチシステムの操作性を向上することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、操作者による操作入力が有効であるかを確実に通知すると共に、直感的な操作を通じて簡単かつ確実に操作することができるスイッチシステムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。例えば、本発明に係るスイッチシステムは、携帯電話、ノートパソコンや車載用ナビゲーション装置等の精密機器の操作パネルなどに好適に用いられる。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係るスイッチシステム1の外観を示す概略構成図である。図1に示すように、本実施の形態に係るスイッチシステム1は、操作者に対して当該スイッチシステム1が搭載される装置(以下、「搭載装置」という)で実行可能な機能に対応するアイコンや入力データなどを表示する表示手段としての液晶パネル2と、複数の操作キーを備えた操作手段としての操作パネル3とを備えている。
【0019】
図2は、本実施の形態の形態に係るスイッチシステム1の操作パネル3の構成について説明するための斜視図である。操作パネル3には、複数の操作キー4が設けられている。操作キー4は、操作パネル3の表面外側に突出した形態(以下、適宜「突出形態」という)と、操作パネル3の表面内側に沈み込んだ形態(以下、適宜「沈下形態」という)との間で上下動可能な構成となっている。
【0020】
操作キー4は、突出形態とされた場合に操作者の触覚により認識が可能となる結果、操作入力が行われる。一方、沈下形態とされた場合には操作者の触覚による認識が不能となる結果、操作入力が行われなくなる。以下においては、突出形態とされた操作キー4を有効キーと呼び、沈下形態とされた操作キーを無効キー4と呼ぶものとする。図2においては、最上段の操作キー4が有効キーとされ、それ以外の操作キー4が無効キーとされた場合について示している。
【0021】
また、以下においては、説明の便宜上、図2に示す最上行の左側から右側に向かって1〜4番目の操作キー4と呼び、第2行目の左側から右側に向かって5〜8番目の操作キー4と呼び、第3行目の左側から右側に向かって9〜12番目の操作キー4と呼び、第4行目の左側から右側に向かって13〜16番目の操作キー4と呼ぶものとする。
【0022】
操作パネル3は、後述するように、所謂メンブレンスイッチを有する底面シート、スペーサ及び操作キー4が配列された表面シート5などが積層されて構成されている。図2に示すように、操作キー4は、表面シート5にU字形状の切込み6を入れることで形成される操作レバー7の先端に固定されている。操作レバー7は、表面シート5に対して一定範囲で揺動可能に構成され、その揺動動作に応じて操作キー4における突出形態と沈下形態とが切り替えられる。
【0023】
操作パネル3の裏面には、フィードバック手段の一部を構成する振動デバイス8が配設されている。振動デバイス8は、有効キーとされた操作キー4に対して操作者により押下動作があった場合に振動することで、操作入力が有効であることを操作者に通知するものである。例えば、振動デバイス8は、圧電振動子で構成され、操作者による押下動作に応じて印加される電圧に対応して振動するようになっている。
【0024】
表面シート5の下方において、操作レバー7の揺動領域に対応する部分の周囲には一定の空間Sが形成されている。以下、図3を用いて空間Sに配設される構成について説明すると共に操作キー4の近傍の構造について説明する。図3は、本実施の形態に係るスイッチシステム1における操作キー4近傍の断面図である。図3(a)は操作キー4が有効キー4とされた場合について示し、図3(b)は操作キー4が無効キー4とされた場合について示し、図3(c)は有効キーとされた操作キー4が操作者により押下された場合について示している。
【0025】
図3に示すように、本実施の形態に係るスイッチシステム1は、メンブレンスイッチを有する底面シート9の上方に、スペーサ10を介して表面シート5が配置されている。そして、表面シート5の下方側であって、操作キー4に対応する操作レバー7の裏面部分を通過するように、形状記憶合金(SMA:Shape Memory Alloys)で構成されたワイヤ11が架設されている。
【0026】
ワイヤ11は、通電加熱により収縮することで操作キー4が突出形態となる上限位置まで操作レバー7を上昇させる一方、通電加熱の停止により収縮解除することで操作キー4が沈下形態となる下限位置まで操作レバー7を下降させる。なお、操作レバー7には無負荷状態で下限位置に戻ろうとする力(操作キー4を沈下状態に戻そうとする力)が作用している。このような力は、例えば、操作レバー7の自重によるものでも良いし、別途設けた付勢手段で付与しても良い。ここでは操作レバー7の自重によるものとする。
【0027】
また、図3に示すように、底面シート9の上方であって下方に移動した操作レバー7の周囲を囲む位置に入力補助部材12が配設されている。入力補助部材12は、操作者による操作キー4の押下操作により押し下げられ、底面シート9に設けられたメンブレンスイッチの接点間を導通させる役割を果たす。なお、入力補助部材12の所定位置には、ワイヤ11の収縮状態又は収縮解除状態を許容すべく不図示の溝部が形成されている。このように、入力補助部材12を介して操作キー4に対する押下操作が底面シート9に設けられたメンブレンスイッチに伝達されるので、操作レバー7の揺動範囲をユニット内に確保しつつ、確実に操作者の操作入力を検出することが可能となる。
【0028】
底面シート9は、メンブレンスイッチを構成する上部接点シート13、下部接点シート14及びスペーサ15で構成される。上部接点シート13及び下部接点シート14には、入力補助部材12に対応する位置にそれぞれ上部接点16及び下部接点17が取り付けられている。上部接点16と下部接点17とは、スペーサ15で支持される所定のスペースを挟んで対向している。
【0029】
ワイヤ11が収縮された場合(図3(a))、ワイヤ11は、操作レバー7の下面に接触した状態で上昇するため、操作レバー7を上限位置まで持ち上げる。この場合、操作キー4が突出状態となることから、操作者はこの操作キー4を触ることができ、これを認識することが可能となる。なお、この状態においては、上部接点16と下部接点17との間は非導通状態である。
【0030】
一方、ワイヤ11の収縮が解除された場合(図3(b))、ワイヤ11が入力補助部材12に設けられた溝部に入り込んだ状態となるため、操作レバー7は、自重により下限位置まで移動する。この場合、操作キー4が沈下状態となることから、操作者はこの操作キー4を触ることができず、これを認識することができない。なお、この状態においても、上部接点16と下部接点17との間は非導通状態である。
【0031】
そして、ワイヤ11が収縮された状態から操作者が操作キー4を押し下げると(図3(c))、表面シート5が撓むことにより入力補助部材12が下方に移動する。これに応じて上部接点シート13が撓むことにより上部接点16が下方に移動し、下部接点17と接触する。これにより、上部接点16と下部接点17との間が導通状態となる。
【0032】
次に、上記構成を有するスイッチシステム1における動作制御を行う制御部20について説明する。図4は、本実施の形態に係るスイッチシステム1の動作制御を行う制御部20の機能ブロック図である。
【0033】
図4に示すように、本実施の形態に係るスイッチシステム1の制御部20は、操作キー4の配列パターンを記憶する、記憶手段としてのパターン記憶部21、パターン記憶部21に記憶された配列パターンから特定の配列パターンを指定するパターン指定部22、並びに、パターン指定部22の指定した配列パターンの内容に応じて通電状態を制御することでワイヤ11を駆動する、駆動手段としてのワイヤ駆動部23を有する。
【0034】
また、制御部20は、メンブレンスイッチの出力信号に応じて操作者からの操作入力を検出する入力検出部24、パターン指定部22が指定した配列パターンの内容及び入力検出部24からの通知に応じて操作者による入力位置を判定する入力位置判定部25、並びに、入力検出部24からの通知に応じて振動デバイス8を駆動するフィードバック(F/B)駆動部26を有する。
【0035】
さらに、制御部20は、液晶パネル2に表示されるアイコン画像データを記憶するアイコン記憶部27、並びに、パターン指定部22の指定した配列パターンの内容に応じてアイコン記憶部27に記憶されたアイコン画像データを用いて液晶パネル2の表示を制御する、表示制御手段としての表示制御部28を有する。
【0036】
パターン記憶部21は、スイッチシステム1の状態に応じた操作キー4の配列パターンを記憶する。具体的には、スイッチシステム1の初期状態や搭載装置の動作モードに応じた操作キー4の配列パターンを記憶する。例えば、本スイッチシステム1がカメラ付き携帯電話に搭載された場合には、宛先指定や通話音量変更等を行う通話モード、フラッシュ機能やズーム機能の起動等を行うカメラモードに応じた操作キー4の配列パターンを記憶する。
【0037】
パターン記憶部21は、このような操作キー4の配列パターンをテーブルで管理する。図5は、操作キー4の配列パターンが登録された配列パターンテーブルの一例を示す図である。図5に示すように、配列パターンテーブルには、配列パターンに予め設定されたパターンナンバー(No.)及び有効キーとされる操作キー4の配列が登録された配列パターンが登録されている。
【0038】
図5に示すように、「パターンNo.0」においては1〜3番目、5〜7番目、9〜11番目の操作キー4が有効キーとされる配列パターンが登録されている。同様に、「パターンNo.1」においては2番目、5〜7番目、10番目の操作キー4が有効キーとされ、「パターンNo.2」においては1番目、3番目、6番目、9番目、11番目の操作キー4が有効キーとされる配列パターンが登録されている。なお、「パターンNo.0」の配列パターンは、本スイッチシステム1の初期状態で指定される配列パターンである。
【0039】
図6は、図5に示す配列パターンテーブルの登録内容に対応する操作パネル3の状態について示す模式図である。なお、図6においては、有効キーとされる操作キー4を実線で示し、無効キーとされる操作キー4を点線で示している。図6(a)は、「パターンNo.0」に登録された配列パターンに対応する操作パネル3の状態について示している。図6(a)に示すように、「パターンNo.0」が指定された場合には、操作パネル3の左方側であって上方に位置する9つの操作キー4が有効キーとされる。
【0040】
同様に、図6(b)は、「パターンNo.1」に登録された配列パターンに対応し、図6(c)は、「パターンNo.2」に登録された配列パターンに対応する。前者の場合には操作パネル3の左方側であって上方側の位置に十字形状の有効キーの配列が出現し、後者の場合には操作パネル3の左方側であって上方側の位置にX字形状の有効キーの配列が出現することとなる。
【0041】
パターン指定部22は、搭載装置の制御部(以下、「装置側制御部」という)からの指示に従って、パターン記憶部21に記憶された複数の配列パターンの中から特定の配列パターンを指定する。そして、指定した操作キー4の配列パターンの内容(例えば、有効キーとされる操作キー4の配置)をワイヤ駆動部23、入力位置判定部25及び表示制御部28に通知する。
【0042】
ワイヤ駆動部23は、パターン指定部22から通知された配列パターンの内容に応じてワイヤ11に対する通電状態を制御する。具体的には、有効キーとされる操作キー4に対応するワイヤ5を通電加熱することで収縮させる一方、無効キーとされる操作キー4に対応するワイヤ11に対する通電加熱を停止することで収縮を解除する(通電加熱されていない場合にはそのまま放置する)。
【0043】
入力検出部24は、操作者による操作キー4の押下動作に応じて出力されるメンブレンスイッチから出力信号を検出することで、操作者からの操作入力の有無を検出する。そして、操作者からの操作入力を検出したならば、その旨を入力位置判定部25及びF/B駆動部26に通知する。
【0044】
入力位置判定部25は、入力検出部24から操作入力があった旨の通知を受けた場合に、パターン指定部22から通知された配列パターンの内容に基づいて操作者により操作入力が行われた操作キー4の位置を判定する。そして、その判定した操作キー4の位置を装置側制御部に通知する。
【0045】
F/B駆動部26は、入力検出部24から操作入力があった旨の通知を受けた場合に、操作者による操作入力が有効であることを操作者に通知すべく振動デバイス8を駆動する。F/B駆動部26は、入力検出部24から操作入力があった旨の通知を受けると、振動デバイス8に電圧を印加することで振動デバイス8を振動させる。
【0046】
アイコン記憶部27は、パターン指定部22で指定され得る配列パターンに対応するアイコン画像データ(以下、「アイコンデータ」という)を記憶する。例えば、上述の例のように、本スイッチシステム1がカメラ付き携帯電話に搭載された場合には、宛先指定や通話音量変更等を行う通話モードで使用されるアイコンデータ、並びに、フラッシュ機能やズーム機能の起動等を行うカメラモードで使用されるアイコンデータを記憶する。
【0047】
なお、アイコン記憶部27におけるアイコンデータの管理については、操作キー4の配列パターン(パターンNo.)に応じて複数のアイコンデータをテーブルで管理しても良いし、個々のアイコンデータに例えばアイコンナンバー(No.)を割り当てて管理しても良い。表示制御部28においては、前者のように管理される場合には、例えば、パターンNo.を指定することで所望のアイコンデータを取得できる一方、後者のように管理される場合にはアイコンNo.を個々に指定することで所望のアイコンデータを取得できる。
【0048】
表示制御部28は、パターン指定部22から通知された配列パターンの内容に応じてアイコン記憶部27からアイコンデータを読み出し、当該アイコンデータを液晶パネル2の所定位置に表示する。パターン指定部22から通知された配列パターンの内容に応じたアイコンデータを液晶パネル2に表示させることで、操作パネル3上の有効キーに対応する位置にアイコンデータが表示されることとなる。なお、図1においては、初期状態(図5に示す「パターンNo.0」)で操作パネル3上の有効キーに合わせてアイコンデータを液晶パネル2に表示した場合について示している。
【0049】
次に、上記構成を有するスイッチシステム1における動作について説明する。図7は、本実施の形態に係るスイッチシステム1における液晶パネル2及び操作パネル3の動作について説明するためのフロー図である。なお、図7に示すフローを説明する前提として、アイコン記憶部27にはアイコンデータがパターンNo.に対応付けてテーブル管理されるものとし、表示制御部28は、アイコンデータを読み出す際、パターンNo.を指定することで所望のアイコンデータを取得できるものとする。
【0050】
操作者により搭載装置に電源が投入されると、これに伴って本スイッチシステム1も電源がON状態とされる(ST71)。そして、電源投入に伴い装置側制御部から送出される指示に応じてパターン指定部22がイニシャルパターン(パターンNo.0を指定し(ST72)、パターン記憶部21からイニシャルパターンに対応する配列パターンを読み出す(ST73)。
【0051】
このとき、パターン指定部22は、指定した配列パターンの内容をワイヤ駆動部23に通知している。この通知を受けると、ワイヤ駆動部23は、その配列パターンの内容に従ってワイヤ11を駆動する(ST74)。具体的には、配列パターンで有効キーとされる操作キー4に対応するワイヤ11を通電加熱することで当該操作キー4が突出形態となるまで操作レバー7を上昇させる。これにより、操作パネル3においては、パターン指定部22が指定したイニシャルパターンに応じて図6(a)に示すように有効キーが配列されることとなる。
【0052】
ワイヤ駆動部23に通知すると同時に、パターン指定部22は、指定した配列パターンのパターンNo.(パターンNo.0)を表示制御部28に通知している。この通知を受けると、表示制御部28は、パターンNo.に応じてアイコン記憶部27からアイコンデータを読み出す(ST75)。すなわち、ここでは、初期メニューを構成する9つのアイコンデータがアイコン記憶部27より読み出されることとなる。
【0053】
そして、表示制御部28は、読み出したアイコンデータを液晶パネル2の所定位置に表示する(ST76)。これにより、液晶パネル2においては、操作パネル3上で有効キーとされた操作キー4に対応する位置にアイコンデータが表示されることとなる。すなわち、ここでは、液晶パネル2及び操作パネル3は、図1に示す状態とされる。
【0054】
操作パネル3上に有効キーが配列され、液晶パネル2にアイコンデータが表示された後、入力検出部24は、操作者からの有効キーに対する操作入力があるか監視している(ST77)。具体的には、有効キーに対して操作者が押下作業を行うか監視している。なお、上述のように、操作キー4は、有効キーとされた場合に操作者の操作入力が行われる一方、無効キーとされた場合に操作入力が行われなくなるため、入力検出部24は、操作者による有効キーからの操作入力のみを検出することが可能となる。
【0055】
有効キーからの入力がない場合にはその監視動作が継続される。一方、有効キーからの入力を検出した場合には、入力検出部24は、その旨をF/B駆動部26に通知する。この通知を受けると、F/B駆動部26は、振動デバイス8を駆動する(ST78)。具体的には、振動デバイス8に電圧を印加することで振動デバイス8を振動させる。この振動を受けることで、操作者は、自分の行った操作入力が有効であることを認識することが可能となる。
【0056】
F/B駆動部26に通知すると共に、入力位置判定部25は、先にパターン指定部22から通知された配列パターンの内容に基づいて操作者により操作入力が行われた操作キー4の位置を判定する。そして、その判定した操作キー4の位置を装置側制御部に通知する。この通知を受けると、装置側制御部が当該操作入力された操作キー4に対応する指示を送出してくるので、パターン指定部22は、該当する配列パターンを指定する(ST79)。
【0057】
その後、処理をST73に戻し、指定した配列パターンのレイアウトパターンを読み出す。そして、ワイヤ駆動(ST74)、アイコン画像データの読出し及び表示(ST75、ST76)、有効キーへの操作入力の監視(ST77)、振動デバイス8の駆動(ST78)、該当する配列パターンの指定(ST79)を繰り返すこととなる。
【0058】
以下、このように動作する本実施の形態に係るスイッチシステム1の具体的には効果について図8及び図9を用いて説明する。図8及び図9は、本実施の形態に係るスイッチシステム1の具体的には効果について説明するための図である。図8は、従来の携帯電話における一般的な操作部(同図(a))及び表示部(同図(b))を示し、図9は、本実施の形態のスイッチシステム1の操作パネル(同図(a))及び液晶パネル(同図(b))を示している。
【0059】
なお、図8及び図9の表示部(液晶パネル)においては、共に初期メニュー画面が表示されているものとする。この初期メニュー画面においては、9つのアイコンデータ33a〜33iが表示されると共に、前画面への移行を指示する戻るキー34、次画面への移行を指示する進むキー35が表示されるものとする。なお、説明の便宜上、携帯電話の表示部では戻るキー34及び進むキー35をアイコンデータ33の下方側に配置する一方、本スイッチシステム1の液晶パネル2ではアイコンデータ33の右方側に配置する場合について示しているが、特にこれに限定されるものではない。
【0060】
図8(a)に示すように、携帯電話の操作部においては、上下方向及び左右方向の操作入力が可能な十字キー31と、その十字キー31の中央に配置され十字キー31で選択した内容の最終的な決定の操作入力が可能な決定キー32が設けられている。図8(b)に示す初期メニュー画面から、例えば進むキー35を選択しようとする場合、操作者は、かかる操作部の十字キー31を複数回操作して進むキー35までカーソルを移動させる。その後、決定キー32を操作することで、進むキー35が選択されることとなる。
【0061】
一方、図9(b)に示す初期メニュー画面を液晶パネル2に表示する場合、本スイッチシステム1の操作パネル3においては、図9(a)に示すように、有効キーが配列されることとなる。すなわち、液晶パネル2に表示されたアイコンデータの配列に対応して有効キー2が配列されることとなる。そして、図9(b)に示す初期メニュー画面から、例えば進むキー35を選択しようとする場合、操作者は、液晶パネル2を見ながら進むキー35の位置に対応する12番目の操作キー4(斜線部を付与した操作キー4)を押下するだけで進むキー35が選択されることとなる。つまり、液晶パネル2に表示されたアイコンデータの位置を見ながら直感的に有効キーとされた操作キー4を押下するだけで所望の操作入力を行うことが可能となる。
【0062】
このように本実施の形態に係るスイッチシステム1によれば、操作パネル3において操作者による操作入力が受付可能であることを示す操作キー4が突出形態とされる一方、突出形態とする操作キー4に対応する液晶パネル2上の位置にアイコンが表示される。このため、操作入力が可能な操作キー4だけが操作者側に突出されると共に、その操作キー4の位置に応じてアイコンが液晶パネル2に表示される。これにより、操作者は、アイコンの表示を見ながら触覚で操作キー4の位置を認識することができるので、直感的な操作を通じて簡単かつ確実に操作することが可能となる。
【0063】
また、突出形態とした操作キー4から有効な操作入力を受け付けると、操作者に対して振動デバイス8の振動によりフィードバックが行われるので、操作者による操作入力が有効である旨を確実に操作者に通知することができる。この結果、実際に操作キー4を見ないで操作する場合においても、操作入力が有効に行われたことを操作者において確実に認識することが可能となる。
【0064】
特に、上記実施の形態においては、パターン記憶部21に記憶された操作キー4の配列パターンに従ってワイヤ駆動部23により操作キー4が駆動されると共に、表示制御部28により液晶パネル2上のアイコン表示が制御されるので、突出形態とされる操作キー4の配列と液晶パネル2上のアイコンの配列とを容易に対応させることが可能となる。
【0065】
なお、上記実施の形態においては、フィードバック手段として振動デバイス8を配設する場合について示しているが、フィードバック手段の構成については適宜変更が可能である。すなわち、フィードバック手段としては操作入力が有効である旨を操作者にフィードバックできれば良く、例えば、操作者による操作入力に応じて有効キーの裏面に錘を衝突させることでフィードバックを行うようにしても良い。
【0066】
図10は、本実施の形態に係るスイッチシステム1のフィードバック手段の変形例について説明するための模式図である。図10(a)は操作キー4が無効キーとされた場合について示し、図10(b)は操作キー4が有効キーとされた場合について示し、図10(c)は有効キーとされた操作キー4が操作者により押下された場合について示している。なお、図10においては、メンブレンスイッチなどの構成については省略している。
【0067】
図10に示すスイッチシステム1においては、上記実施の形態に示す構成に加え、錘40が取り付けられたワイヤ41を備えている。ワイヤ41は、ワイヤ11と同様に形状記憶合金(SMA)で構成され、表面シート5の下方側であって、操作キー4に対応する位置を通過するように架設されている。錘40は、ワイヤ41における操作キー4の真下に取り付けられている。
【0068】
ワイヤ41は、通電加熱により収縮することで錘40が操作レバー7の裏面に衝突する位置まで上昇する一方、通電加熱の停止により収縮解除することで錘40が操作レバー7の裏面から離間する位置まで下降する。なお、ワイヤ41の収縮が解除された状態ではワイヤ41の自重又は錘40の重みによりワイヤ41が操作レバー7の裏面から離間する位置まで下降するようになっている。
【0069】
図10(a)又は図10(b)に示すように、操作キー4が無効キー又は有効キーのいずれとされた場合においても、操作者による操作キー4に対する操作入力がない場合には、ワイヤ41は、収縮が解除された状態を維持する。このため、錘40は、操作レバー7の下方に当該操作レバー7の下面から離間した状態で維持されることとなる。
【0070】
そして、操作キー4が有効キーとされた状態から操作者による操作入力があると(不図示のメンブレンスイッチの接点間が導通状態となると)、この操作入力に応じて瞬間的にワイヤ41が通電加熱されることで収縮する。これにより、図10(c)に示すように、錘40が操作レバー7の裏面に衝突する。このとき、錘40による衝突力が操作レバー7を介して操作者に付与されるため、操作者は、この衝突力を受けることで自分の行った操作入力が有効であることを認識することが可能となる。
【0071】
特に、このように操作者により操作入力が行われた操作キー4の下方に配置された錘40の衝突力を用いる場合には、操作箇所に対するフィードバックを適切に行うことができることから、操作者が行った操作入力が有効である旨をより確実に操作者に通知することが可能となる。
【0072】
また、上記実施の形態においては、操作者が触覚で認識できるように操作パネル3から操作キー4を突出させる場合について示しているが、さらに操作性を向上する構成については適宜追加が可能である。例えば、有効キーとされた操作キー4の下方に発光手段を配設し、暗い場所での操作性を向上するようにしても良い。
【0073】
図11は、本実施の形態に係るスイッチシステム1の操作キー4の近傍の構成要素の変形例について説明するための模式図である。図11(a)は操作キー4が無効キーとされた場合について示し、図11(b)は操作キー4が有効キーとされた場合について示している。なお、図11においては、メンブレンスイッチなどの構成については省略している。
【0074】
図11に示すスイッチシステム1においては、上記実施の形態に示す構成に加え、発光手段としてのLED50を備えている。LED50は、表面シート5の下方側であって、操作キー4に対応する位置に配設されている。例えば、LED50は、不図示のプリント基板上に実装され、操作キー4の状態(有効キー又は無効キー)に応じて発光状態が切り替えられる。
【0075】
図11に示すスイッチシステム1においては、同図(a)に示すように、操作キー4が無効キーとされる場合に非発光状態とされる一方、同図(b)に示すように、操作キー4が有効キーとされる場合に発光状態とされる。言い換えると、図11に示すスイッチシステム1においては、ワイヤ11が通電加熱された場合に発光状態とされる一方、通電加熱が停止された場合に非発光状態とされるように構成されている。
【0076】
図12は、図11に示すスイッチシステム1におけるワイヤ11及びLED50が接続される回路構成例の一部を説明するための図である。図12(a)に示すように、ワイヤ11は、各列(例えば、1、5、9及び13番目の操作キー4で構成される第1列)の操作キー4に対応付けて配置されたトランジスタQ1と、各行(例えば、1〜4番目の操作キー4で構成される第1行)の操作キー4に対応付けて配置されたトランジスタQ2との間に接続されている。また、トランジストQ1とワイヤ11との間には2つのLED50が並列接続されている。
【0077】
このような回路構成例を有するスイッチシステム1においては、例えば、トランジスタQ1A及びトランジスタQ2Aのベースに対して電圧を印加することで発生するジュール熱で第1列第1行のワイヤ11を収縮させると共に、第1行第1列のLED50を発光させる。一方、トランジスタQ1A及びトランジスタQ2Aに対する電圧印加を停止することで第1列第1行のワイヤ11の収縮を解除すると共に、第1行第1列のLED50の発光を停止するようになっている。
【0078】
このように、かかる構成を有するスイッチシステム1によれば、有効キーとされた操作キー4の下方に配置されたLED50のみを発光状態とすることができるので、操作者は触覚のみならず、視覚的にも容易に有効キーとされた操作キー4を認識することが可能となる。特に、当該スイッチシステム1においては、ワイヤ11の収縮状態に応じてLED50の発光状態を切り替えることから、ワイヤ11に対する通電加熱とLED50に対する発光とを同一タイミングで行うことができるので、本スイッチシステム1における通電制御及び発行制御を簡略化することが可能となる。
【0079】
また、ワイヤ11の収縮制御に必要となるダイオードをLED50で代替することができることから、当該スイッチシステム1における回路素子の数を低減できるので、回路構成を簡略化することが可能となる。なお、上記回路構成において、1本のワイヤ11に対して2つのLED50を並列接続しているのは、ワイヤ11の駆動電流に比してLED50の許容電流が小さいためである。また、ワイヤ11に接続されるLED50の数量については適宜変更が可能である。
【0080】
さらに、上記実施の形態においては、操作パネル3から突出させる操作キー4の形状を特定していないが、操作キー4の形状については適宜変形が可能である。例えば、操作キー4の選択により搭載装置で実行される機能を予期させる特定の形状に変形しても良い。
【0081】
図13は、本実施の形態に係るスイッチシステム1の操作キー4の形状の変形例について説明するための図である。ここでは、本スイッチシステム1の搭載装置が携帯型オーディオプレイヤである場合について例示するものとし、操作パネル3には9つの操作キー4が配設されているものとする。また、説明の便宜上、図13に示す最上行の左側から右側に向かって1〜3番目の操作キー4と呼び、第2行目の左側から右側に向かって4〜6番目の操作キー4と呼び、第3行目の左側から右側に向かって7〜9番目の操作キー4と呼ぶものとする。
【0082】
図13において、各操作キー4には、楽曲データ等の音声データの再生操作に必要となる機能が割り当てられ、各機能に応じた特定の形状に構成されている。具体的には、6番目の操作キー4に音声データの再生を指示する機能が割り当てられている。一方、4番目の操作キー4に、現在再生中の音声データの一時停止を指示する機能が割り当てられている。
【0083】
同様に、1番目の操作キー4には現在再生中の音声データの巻戻し機能又は頭出し機能が割り当てられ、3番目の操作キー4には現在再生中の音声データの早送り機能又は次の音声データの頭出し機能が割り当てられている。また、2番目及び8番目の操作キー4には音声データのボリュームを調整する機能が割り当てられている(ボリュームアップ及びボリュームダウン)。さらに、7番目及び9番目の操作キー4には音声データを再生する際の出力バランスを調整する機能が割り当てられている(左側出力調整、右側出力調整)。
【0084】
なお、5番目の操作キー4には搭載装置である携帯型オーディオプレイヤにおける操作モードを切り替える機能が割り当てられている。この5番目の操作キー4を操作することで本スイッチユニット1の搭載装置である携帯型オーディオプレイヤにおけるモードが切り替えられ、操作パネル3で有効キーとされる操作キー4が切り替えられる。
【0085】
以下、搭載装置である携帯型オーディオプレイヤで選択されるモードと当該モードにおいて有効キーとされる操作キー4の配列について説明する。図14は、携帯型オーディオプレイヤで選択されるモードと当該モードにおいて有効キーとされる操作キー4の配列について説明するための図である。なお、図14に示す構成例では、液晶パネル2に表示されるアイコンの内容については省略している。しかし、図14に示すように操作キー4を、当該操作キー4の選択により搭載装置で実行される機能を予期させる特定の形状に変形する場合には、上記実施の形態よりも触覚に依存できる部分が大きいことから、液晶パネル2のアイコン表示を省略するような構成としても良い。
【0086】
図14(a)は、あらゆるキー入力が禁止されるキーロックモードを示している。この場合、操作パネル3においては全ての操作キー4が無効キーとされることから、操作者によるいかなる操作入力も受け付けない状態である。図14(b)は、音声データの再生又は一時停止を指示する再生コントロールモードを示している。この場合、操作パネル3においては4〜6番目の操作キー4のみが有効キーとされることから、操作者によるモード変更、音声データの再生、その一時停止に関する指示のみを受け付ける状態となる。
【0087】
図14(c)は、音声データの早送りや頭出し等を指示するスキップコントロールモードを示している。この場合、操作パネル3においては1、3及び5番目の操作キー4のみが有効キーとされることから、操作者によるモード変更、音声データの早送りや頭出し等に関する指示のみを受け付ける状態となる。図14(d)は、音声データの出力バランスの変更を指示するバランスコントロールモードを示している。この場合、操作パネル3においては5、7及び9番目の操作キー4のみが有効キーとされることから、操作者によるモード変更、出力バランスの調整に関する指示のみを受け付ける状態となる。
【0088】
図14(e)は、音声データの再生音量の変更を指示するボリュームコントロールモードを示している。この場合、操作パネル3においては2、5及び8番目の操作キー4のみが有効キーとされることから、操作者によるモード変更、音声データのボリュームの調整に関する指示のみを受け付ける状態となる。
【0089】
図14(f)は、音声データの再生モードの変更を指示する再生モードコントロールモードを示している。この場合、操作パネル3においては3、5,6及び9番目の操作キー4のみが有効キーとされることから、操作者によるモード変更、再生モードの変更に関する指示のみを受け付ける状態となる。なお、この場合、3番目の操作キー4には音声データのリピートを指示する機能が割り当てられ、6番目の操作キー4には現在の音声データのみの再生を指示する機能が割り当てられ、9番目の操作キー4には音声データをランダムに再生させるシャッフル再生を指示する機能が割り当てられている。
【0090】
このように、かかる構成を有するスイッチシステム1によれば、操作パネル3が有する操作キー4の形状を、当該操作キー4の選択により搭載装置で実行される機能を予期させる形状に構成している。これにより、操作者は、操作キー4の形状を触覚で認識することで、当該操作キー4の選択により搭載装置で実行される機能を予期できるので、より直感的な操作を通じて簡単かつ確実に操作することが可能となる。
【0091】
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0092】
上記実施の形態では、ワイヤ11を、通電加熱による収縮作用を利用して操作レバー7を昇降させることで操作キー4の突出形態及び沈下形態を切り替える場合について示しているが、操作キー4の形態を切り替える構成としてはこれに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0093】
例えば、図15に示すように、操作キー4を上下に揺動可能なヒンジ部60に取り付けると共に、ヒンジ部60の下方領域に進退可能な可動子61を配設し、この可動子61をワイヤ11で駆動する構成としても良い。この場合、可動子61には、2本のワイヤ11a、11bを取り付け、ワイヤ11aで可動子61をヒンジ部60の下方領域に進出させ操作キー4を突出形態とする一方、ワイヤ11bで可動子61をヒンジ部60の下方領域から退避させ、操作キー4を沈下形態とすることが好ましい。このように変更した場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。なお、図15においては、可動子61がヒンジ部60の下方領域に進出し操作キー4が突出形態とされた場合について示している。
【0094】
また、上記実施の形態に係る構成や、上記変形例に係る構成において、ワイヤ11に対する通電加熱で生じた熱を、突出形態とした操作キー4に伝達するようにしても良い。この場合には、ワイヤ11に生じた熱を操作キー4に伝達するべく、その経路上に存在する構成要素(例えば、操作レバー7や可動子61)を金属配合樹脂などの伝熱素材で構成することが考えられる。この場合には、操作キー4が突出形態とされると共に熱を有することとなるため、操作者は、突出形態とした操作キー4をその形態のみならずその温度でも認識することができる。この結果、本スイッチシステム1の操作性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】、本発明の実施の形態に係るスイッチシステムの外観を示す概略構成図である。
【図2】上記実施の形態の形態に係るスイッチシステムの操作パネルの構成について説明するための斜視図である。
【図3】上記実施の形態に係るスイッチシステムにおける操作キー近傍の断面図である。
【図4】上記実施の形態に係るスイッチシステムの動作制御を行う制御部の機能ブロック図である。
【図5】上記実施の形態に係るスイッチシステムの操作キーの配列パターンが登録された配列パターンテーブルの一例を示す図である。
【図6】図5に示す配列パターンテーブルの登録内容に対応する操作パネルの状態について示す模式図である。
【図7】上記実施の形態に係るスイッチシステムにおける液晶パネル及び操作パネルの動作について説明するためのフロー図である。
【図8】上記実施の形態に係るスイッチシステムの具体的には効果について説明するための図である。
【図9】上記実施の形態に係るスイッチシステムの具体的には効果について説明するための図である。
【図10】上記実施の形態に係るスイッチシステムのフィードバック手段の変形例について説明するための模式図である。
【図11】上記実施の形態に係るスイッチシステムの操作キーの近傍の構成要素の変形例について説明するための模式図である。
【図12】図11に示すスイッチシステムにおけるワイヤ及びLEDが接続される回路構成例の一部を説明するための図である。
【図13】上記実施の形態に係るスイッチシステムの操作キーの形状の変形例について説明するための図である。
【図14】携帯型オーディオプレイヤで選択されるモードと当該モードにおいて有効キーとされる操作キーの配列について説明するための図である。
【図15】上記実施の形態に係るスイッチシステムの変形例における操作キー近傍の断面図である。
【符号の説明】
【0096】
1 スイッチシステム
2 液晶パネル
3 表示パネル
4 操作キー
7 操作レバー
8 振動デバイス
11 ワイヤ
9 底面シート
16 上部接点
17 下部接点
20 制御部
21 パターン記憶部
22 パターン指定部
23 ワイヤ駆動部
24 入力検出部
25 入力位置判定部
26 フィードバック(F/B)駆動部
27 アイコン記憶部
28 表示制御部
40 錘
41 ワイヤ
50 LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作面から突出する突出形態と操作面内部に沈み込む沈下形態とに切り替えられる複数の操作キーを有する操作手段と、搭載される装置本体で実行可能な機能に対応するアイコンを表示する表示手段と、操作者による操作入力が受付可能であることを示す操作キーを突出形態とする一方、前記突出形態とする操作キーに対応する前記表示手段上の位置にアイコンを表示させる配列指定手段と、前記突出形態とした操作キーから有効な操作入力を受け付けると操作者に対してフィードバックを行うフィードバック手段と、を具備することを特徴とするスイッチシステム。
【請求項2】
前記配列指定手段は、前記装置本体で実行可能な機能に応じた操作キーの配列パターンを記憶する記憶手段と、前記配列パターンに従って通電加熱による収縮作用を利用して操作キーを駆動する駆動手段と、前記配列パターンに従って前記表示手段上の所定位置にアイコンを表示させる表示制御手段と、を具備することを特徴とする請求項1記載のスイッチシステム。
【請求項3】
前記フィードバック手段は、前記突出形態とした操作キーから有効な操作入力を受け付けると前記操作手段に対して振動を与えることでフィードバックを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスイッチシステム。
【請求項4】
前記フィードバック手段は、前記突出形態とした操作キーから有効な操作入力を受け付けると操作入力を受け付けた当該操作キーに対して衝突力を与えることでフィードバックを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスイッチシステム。
【請求項5】
前記操作手段が有する操作キーに対応する位置に発光手段を配設し、当該操作キーが突出形態とされている間、前記発光手段を発光させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のスイッチシステム。
【請求項6】
前記駆動手段が通電加熱により収縮している間、前記発光手段を発光させることを特徴とする請求項5記載のスイッチシステム。
【請求項7】
前記操作手段が有する操作キーの形状を、当該操作キーの選択により前記装置本体で実行される機能を予期させる形状に構成することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のスイッチシステム。
【請求項8】
前記駆動手段に対する通電加熱で生じた熱を前記突出形態とした操作キーに伝達することを特徴とする請求項2から請求項7のいずれかに記載のスイッチシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作面から突出する突出形態と操作面内部に沈み込む沈下形態とに切り替えられる複数の操作キーを有する操作手段と、搭載される装置本体で実行可能な機能に対応するアイコンを表示する表示手段と、操作者による操作入力が受付可能であることを示す操作キーを突出形態とする一方、前記突出形態とする操作キーに対応する前記表示手段上の位置にアイコンを表示させる配列指定手段と、前記突出形態とした操作キーから有効な操作入力を受け付けると操作者に対してフィードバックを行うフィードバック手段と、を具備することを特徴とするスイッチシステム。
【請求項2】
前記フィードバック手段は、前記突出形態とした操作キーから有効な操作入力を受け付けると前記操作手段に対して振動を与えることでフィードバックを行うことを特徴とする請求項1記載のスイッチシステム。
【請求項3】
前記フィードバック手段は、前記突出形態とした操作キーから有効な操作入力を受け付けると操作入力を受け付けた当該操作キーに対して衝突力を与えることでフィードバックを行うことを特徴とする請求項1記載のスイッチシステム。
【請求項4】
前記フィードバック手段は、前記操作手段が有する操作キーに対応する位置に設けられた発光手段であり、当該操作キーが突出形態とされている間、前記発光手段を発光させることを特徴とする請求項1記載のスイッチシステム。
【請求項5】
前記配列指定手段は、前記装置本体で実行可能な機能に応じた操作キーの配列パターンを記憶する記憶手段と、前記配列パターンに従って通電加熱による収縮作用を利用して操作キーを駆動する駆動手段と、前記配列パターンに従って前記表示手段上の所定位置にアイコンを表示させる表示制御手段と、を具備することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のスイッチシステム。
【請求項6】
前記駆動手段が通電加熱により収縮している間、前記発光手段を発光させることを特徴とする請求項5記載のスイッチシステム。
【請求項7】
前記駆動手段に対する通電加熱で生じた熱を前記突出形態とした操作キーに伝達することを特徴とする請求項5又は請求項6記載のスイッチシステム。
【請求項8】
前記装置本体で実行される操作モードにおいて有効である操作キーが突出形態となり、前記突出形態である操作キーにより操作可能であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のスイッチシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−318231(P2006−318231A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−140262(P2005−140262)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】