説明

スイッチングレギュレータ制御のための方法および装置

回路が、負荷素子の両端に結合し、DC信号によってエネルギーを与えられるための容量性素子と、負荷素子および容量性素子を通る電流の瞬間の合計をモニタするための第1の感知素子と、第1の感知素子を通る電流を制御するためのスイッチング素子と、スイッチング素子を通る電流を感知するためにスイッチング素子に結合された第2の感知素子と、スイッチング素子に結合されたエネルギー蓄積素子と、負荷素子への電流フローを可能にする単方向電流フロー素子と、スイッチング素子を制御するためのコンバータ回路とを含み、コンバータ回路が第1の感知素子の両端でモニタされた電流レベルに対して調整し、コンバータ調整ループが第1の感知素子によって感知された電流を平均するための主極を含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
当技術分野で知られているように、コンバータデバイスは調整されたDC(直流)出力信号を供給して負荷にエネルギーを与えることができる。そのようなコンバータは広範な用途を有する。1つのそのような用途はLED(発光ダイオード)にエネルギーを与えるためのものである。既知の構成では、コンデンサなどの負荷構成素子はフィードバック補償ループの安定性を妨げることがあるが、それはコンデンサが付加的な極および零点を導入することになるからである。特に、高電流用途では、これが、使用することができるコンデンサの大きさおよびタイプを制限し、それによって、回路のスイッチング応答を制限することがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明は、調整ループと関係がない負荷電流フィルタ機能を有するコンバータ回路を提供する。この構成で、例えば、負荷コンデンサはループ安定性を妨げず、コンデンサの選択における柔軟性をより大きくできる。本発明は高電流LEDスタックを通る電流を調整するためにコンバータと共に主として示され説明されるが、本発明は一般に電流を調整することが望ましい負荷に適用可能であることが理解されよう。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一態様では、コンバータ回路は、スイッチング素子を通る電流についての電流情報を受け取るためのスイッチ電流端子と、負荷および出力容量を通る電流の合計についての電流情報を受け取るための出力電流端子とを含む。内部ループはスイッチ電流端子に結合されて、周期毎ベースでピークスイッチ電流によって平均インダクタ電流を制御し、外部ループは出力電流端子に結合されて、出力電流を基準電流と比較し、負荷によって必要とされるエネルギーの平均量を設定するために誤差信号を生成する。
【0004】
本発明の別の態様では、回路はLEDスタックと、LEDスタックの両端に結合されたコンデンサと、LEDスタックおよびコンデンサを通る電流の瞬間の合計を検出するためにLEDスタックおよびコンデンサと直列に結合された第1の電流感知抵抗とを含む。回路は、LEDスタックおよびコンデンサに結合されたカソードをもつ阻止ダイオードと、阻止ダイオードのアノードに結合された第1の端部および入力電圧信号に結合された第2の端部をもつインダクタとをさらに含む。スイッチング素子はインダクタおよび阻止ダイオードアノードに結合され、スイッチング素子は第1の電流感知抵抗を通る電流を制御する。第2の電流感知抵抗はスイッチング素子、およびスイッチング素子を制御するためのコンバータ回路に結合され、コンバータは第1の電流感知抵抗の両端でモニタされた電流レベルに対して調整する。
【0005】
回路は以下の機構、すなわち変調信号を受け取るための第6の端子、電流レベル選択信号を受け取るための第7の端子、ならびに第1および第2の端子に結合された外部ループと、第3および第4の端子に結合された内部ループのうちの1つまたは複数をさらに含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本明細書に含まれる例示的実施形態は、添付図面と共になされる以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
図1は、LEDスタック104を駆動するコンバータ102を有する例示的な回路100を示す。コンバータ102は電圧入力端子VINへの入力電圧信号106を受け取り、電界効果トランジスタ(FET)などのスイッチングデバイス110に結合された出力端子SGでゲート駆動信号108を供給する。インダクタ114は電圧入力端子VINとスイッチングデバイス110との間に結合され、電流制限感知抵抗(RSS)112はスイッチングデバイス110と接地との間に結合される。LED電流感知抵抗(RSL)115はLEDスタック104と電圧入力端子VINの間に結合される。負荷コンデンサ116はLEDスタック104の両端に結合される。
【0007】
図示の実施形態では、第1および第2のパルス幅変調(PWM)入力PWM0、PWM1は、LED104用のPWM調光レベルを選択するための機構を与える。以下で十分に説明するように、第1および第2の電流選択入力ISET0、ISET1により電流レベルを選択することができる。他の実施形態では、多かれ少なかれ変調および/または電流レベル入力が特定用途の必要性を満たすために与えられる。
【0008】
第1および第2のLED電流入力端子LN、LPはLED電流感知抵抗(RSL)115の両端に結合されてLED電流情報をコンバータに与える。第1および第2のスイッチ電流入力端子SP、SNは感知抵抗(RSS)112の両端に結合されてスイッチ電流情報を与える。LED電圧入力端子VAは、LED電圧情報を与えるために、第1および第2の抵抗R1、R2を含む抵抗ネットワークを介してLEDスタック104のアノードに結合される。これにより、出力電圧を50Vなどの所定のレベルに制限することができる。
【0009】
以下の表1は、図1のコンバータ102の例示的なピン配列構成を示す。
【0010】
【表1】

【0011】
例示的実施形態でバックブーストDC−DCコンバータと呼ばれることがあるコンバータ102は、例えば、直列に高パワーLED104を駆動するために50Vまでプログラマブル定電流出力を供給する。直列にLED104を駆動することにより同一の電流および一様な輝度が保証される。自動車用途では、例えば、1Aまでの電流で2個と10個との間のLEDを駆動する場合、最適性能が達成される。一実施形態では、一定周波数、電流モード制御構成を使用してLED104を通る電流を調整する。
【0012】
例示的実施形態では、LED104は例えば最大1Aまで引き込むことがあるいわゆる高電流LEDである。そのようなLEDは、車両ヘッドランプなどの様々な用途に使用することができる。高電流レベルで、従来のコンバータは不十分なスイッチング特性を与えることがある。既知の実施と異なり、本発明の実施形態は、負荷依存である複雑な補償ネットワークを必要としない。同等の応答時間をもつトポロジーがPWM調光で可能なことがあるが、そのようなトポロジーは出力コンデンサによって導入される出力負荷の極および零点を補償するのをユーザーに求める。
【0013】
本発明は主にLED用途に関連して説明されるが、本発明は任意のタイプの負荷に適用可能であることが理解されよう。さらに、例示的実施形態はLEDスタックの両端に負荷コンデンサを示しているが、代替の実施形態は付加的なインピーダンス構成素子を含み、様々な回路構成を有することができることが理解されよう。さらに、例示的実施形態は電流を制御するためにパルス幅変調を示しているが、本発明の実施形態から逸脱することなく、周波数変調などの他の変調技法を使用することができることが理解されよう。いわゆる高パワーLEDが1A程度の電流定格を有するのを参照しているが、本発明は任意の電流定格を有する負荷に適用可能であることが理解されよう。高電流LEDは、電流定格が将来は増加するであろうという予想を伴って今日の基準を参照していることが理解されよう。本発明の実施形態は本発明から逸脱することなくこれらのデバイスに適用可能であることが考えられよう。
【0014】
図1に関連して図2に示されるように、図示のスイッチモード電流調整構成では、負荷コンデンサ116は補償ループの安定性を妨げない。図示の回路100は、コンデンサ116およびLEDスタック104を一緒に接続するノード上の電流感知デバイス(RSL)115の一方の端子と、電流リターンパスへの他方の電流感知デバイス端子とを有する。
【0015】
この構成は、出力コンデンサ116のループ安定性への影響を取り除く。電流感知デバイス(RSL)115は、スイッチング段130によって出力される電流に比例するフィルタ未処理のフィードバック信号を供給し、その平均は負荷電流に等しい。この構成で、出力負荷およびリップルフィルタコンデンサ116(およびコンデンサの等価直列抵抗(ESR))はシステム安定性に影響がなく、したがって負荷抵抗およびフィルタ容量を設定する際にユーザーに大きい柔軟性を与える。
【0016】
図示のように、スイッチング段130からの出力電流は矩形波であり、LEDスタック104を通る電流はある程度のリップルを有する。感知抵抗RSLを横切る電流は矩形波である。負荷コンデンサ116がLEDスタック104の両端に結合されているので、周波数領域(ラプラス変換変数s)における回路の開ループ応答は、K×RSL×Gm[1/(sCc)]であり、ここで、Kは定数であり、RSLは感知抵抗の抵抗値であり、CcはコンデンサCcの容量であり、Gmは増幅器135の相互コンダクタンスである。増幅器135は、感知抵抗RSLの両端の電圧Vyに利得値Gmを乗じたものに対応する電流誤差信号Ieを出力する。コンデンサCcはフィードバックループの積分器段の容量を示し(以下の図3の外部ループ250およびAE256を参照)、誤差電圧信号Veはスイッチング段130に供給される。
【0017】
対照的に、図2Aの構成に示されるように、負荷コンデンサがLEDスタックと感知抵抗の両端に結合される場合、感知抵抗Rsを通る電流は矩形波でなく、開ループ応答は、
K×Rs{1/[1+s(Rs+Rled)C]}×Gm[1/(sCc)]
である。分かるように、この構成では、負荷コンデンサCが、図2の構成と比較して別の極を導入することによってループ応答を複雑にしている。
【0018】
図2Bは図2の回路の代替の実施形態を示し、同様の参照番号は同様の素子を示す。この回路は、直列結合LEDスタック104と感知抵抗RSL115の両端に結合された抵抗Rをさらに含む。感知抵抗の両端の電圧波形から高周波端部を除去するために、コンデンサCoptが感知抵抗RSLの両端に結合される。抵抗Rは、余分な負荷をスイッチング段130からタップできることを示すためのものである。すなわち、感知抵抗RSLを通る電流はスイッチング素子の電流出力と等しくないことがある。
【0019】
高出力LEDは、LEDの絶対最大電流定格に近い平均電流で作動することができる。当技術分野で知られているように、いくつかのLEDの色度は平均電流の影響を受けやすい。本発明の方法および装置の実施形態により、ユーザーは、ループ安定性を妨げるのを心配することなく、負荷コンデンササイズおよびコストに対してLED電流リップルを妥協させることができる。安定性への出力負荷の影響を最小にすると、主極によって設定されるGBW(利得帯域幅積)をより予測可能でしたがってより高くすることができ、それにより、電源外乱および他の不要な過渡状態に対してシステム応答をより速くすることができる。
【0020】
図3は、図1のコンバータ102の例示的な実施を示し、同様の参照番号は同様の素子を示す。コンバータ102は、スイッチ感知抵抗(RSS)112により測定されるインダクタ電流をスイッチ110によって制御するために、増幅器(AS)202、コンパレータ(AC)204、およびRS双安定ラッチ208を含む内部ループ200を含む。コンバータ102は、内部ループ200に設定点基準を与えることによって平均LED電流を制御するために、増幅器(AL)252および積分誤差増幅器(AE)256を有する外部ループ250をさらに含む。
【0021】
LED104の電流はLED感知抵抗(RSL)115によって測定され、電流レベル選択入力ISET0、ISET1への信号によって選択される基準電流と比較されて、誤差増幅器AE256の出力部で積分誤差信号が生成される。この誤差信号は、LEDによって必要とされるインダクタ114からのエネルギーの平均量を設定する。LEDに移送された平均インダクタエネルギーは、内部制御ループ200によって決定されるような平均インダクタ電流によって定められる。
【0022】
例示的実施形態では、LED電流は、LED感知抵抗(RSL)115、LED電流閾値電圧VIDL、ならびに表2で以下に記載されるような電流選択論理入力ISET0およびISET1の組合せによって決定される。
【0023】
【表2】

【0024】
この選択がLED電流のビニングを可能にし、モジュール間の色合せが行われる。
内部ループ200は、周期毎ベースでピークスイッチ電流を制御することによって平均インダクタ電流を確立する。ピーク電流と平均電流との関係がデューティサイクルに応じて非線形になるので、ピークスイッチ電流の基準レベルが勾配発生器280によって変更され、それによりデューティサイクルが増加するときわずかな量だけピークスイッチ電流測定値が減少する。勾配発生器280の補正は固定周波数電流制御構成に固有の不安定性も除去する。
【0025】
一般に、制御ループ200、250は以下のように働き、電流感知抵抗RSSによって感知されたスイッチ110の電流はLED電流誤差信号と比較される。LED電流が増加するとき、誤差増幅器(AE)256の出力は減少し、ピークスイッチ電流、したがってLED104に供給される電流が減少することになる。LED電流が減少するとき、誤差増幅器(AE)256の出力は増加し、ピークスイッチ電流が増加し、したがってLEDに供給される電流が増加することになる。
【0026】
条件によっては、特にLED電流が比較的低い値に設定されている場合、インダクタ114で必要とされるエネルギーが、各サイクルの一部の間インダクタ電流を零まで落とす原因になることがある。これは不連続モード動作として知られており、ある低周波リップルをもたらすことになる。しかし、平均LED電流は零になるまで調整され続けることになる。不連続モードでは、インダクタ電流が零まで落ちるとき、外部MOSFETのドレインの電圧は、インダクタならびにスイッチおよびダイオードの容量によって形成される共振LC回路のためにリンギングを起こすことになる。このリンギングは低周波であり、有害ではない。
【0027】
例示的実施形態では、主発振器の周波数は、OSCピンとGNDピンとの間の単一の外部抵抗ROSC(kΩ)によって制御される。発振器周波数は概算でfOSC=2200−(20×ROSC)kHzである。OSCピンが開回路のままである場合、特定の一実施形態では、FSELがハイであるとき発振器周波数は約1MHzに、FSELがローであるとき約250kHzに設定されるであろう。
【0028】
スイッチ電流は、スイッチ感知抵抗RSSおよびスイッチ感知増幅器(AS)202によって測定される。感知増幅器(AS)202の入力限界VIDSおよび最大スイッチ電流ISMAXが、感知抵抗の最大値をRSS=VIDS ISMAXと定める。これがスイッチ(およびインダクタ)電流の最大測定可能値を定める。ピークスイッチ電流は、必要とされる負荷条件に応じて、制御回路によって設定されたこれよりも常に少なくなるはずである。
【0029】
LED輝度は電流によって決定されるが、パルス幅変調信号で電流をスイッチングすることによって輝度を制御するのがよりよいことがある。これにより、LEDの色にほとんど影響せずにLED輝度を設定することができる。一実施形態では、4つの別々の輝度レベルが内部PWM発生器によって与えられ、PWM0およびPWM1入力の論理レベルによって選択される。輝度レベルのうちの3つは輝度ビニングを与えるが、第3のレベルはより低く、白やけのレベルを与える。例示的なPWM輝度構成が以下の表3に示される。
【0030】
【表3】

【0031】
内部PWM信号の周波数は主発振器周波数およびFSEL入力の論理レベルによって、
FSEL=1のとき、fPWM=fosc/4096
FSEL=0のとき、fPWM=fosc/1024
のように決定される。輝度レベルはEN入力に加えられるPWM信号によって制御することもできる。この信号の周波数は、スリープモードに入らないように等価内部PWM周波数の半分よりも大きくするべきである。
【0032】
外部構成素子はLED駆動部の好結果の適用を達成するように選択されるべきである。インダクタ114、スイッチングMOSFET110、および出力コンデンサ116が例示的実施形態では主要素子であるが、整流ダイオードおよび感知抵抗RSS、RSLの仕様も考慮されるべきである。一実施形態では、構成素子選択の出発点は、最大LED電流、LED104両端間の電圧、および入力動作電圧範囲を定めることである。これにより、次に、最悪条件下での平均インダクタ114電流を計算することができる。次に、インダクタ114値が許容可能なインダクタリップル電流に基づいて選択される。次に、リップル電流の量が最悪条件下での最大インダクタ電流を決定することになる。この電流から、スイッチ電流感知抵抗RSSを計算することができる。
【0033】
スイッチ電流感知抵抗RSSを選択する場合、スイッチ電流の絶対値も測定の精度も重要でないが、それは、調整器が閉ループ内でスイッチ電流を連続的に調整して出力に十分なエネルギーを供給することになるからである。最大精度のために、スイッチ感知抵抗RSS値は感知増幅器(AS)202によって認識される差動信号を最大にするように選ばれるべきである。したがって、感知増幅器の入力限界VIDSおよび最大スイッチ電流ISMAXが感知抵抗の最大値をRSS=VIDS/ISMAXと定め、ここで、ISMAXは最大スイッチ電流であり、最大インダクタ電流ILPKより上に設定されるべきである。これはスイッチ(およびインダクタ)電流の最大測定可能値を表わすが、ピークスイッチ電流は、必要とされる負荷条件に応じて、制御回路によって設定されたこれよりも少なくなるはずである。
【0034】
スイッチ電流制御が閉ループ内にあるので、感知抵抗RSSの値を低減してその電力消散を低減することが可能である。しかし、これは、調整されるLED電流の精度を低減することになる。
【0035】
例示的実施形態では、論理レベルn−チャネルMOSFETがDC−DCコンバータ用のスイッチ110として使用される。使用されるコンバータトポロジーは正の電源を基準としたバックブーストである。これは、MOSFET110のドレインの電圧がLED電圧と電源電圧の和に等しい電圧に達することを意味する。負荷遮断条件下では、90Vまでがこのノード上に存在することがある。したがって、外部MOSFET110は100Vを超えて定格されるべきである。ピークスイッチ電流は最大インダクタ電流ILPKによって定められるが、ほとんどの場合、MOSFET110は低いオン抵抗を選択することによって選ばれることになり、それは、通常、必要とされるピーク電流の数倍の電流定格をもたらす。コストの最小化に加えて、MOSFET110の選択はオン抵抗と全ゲート電荷の両方を考慮するべきである。全ゲート電荷は、内部調整器から要求される平均電流、したがって電力消散を決定することになる。
【0036】
出力コンデンサ116を選択するとき、様々な留意点がある。コンデンサ値は最大リップル電圧によって制限される。使用された例示的スイッチングトポロジーでは、スイッチ110が活性であるとき出力コンデンサ116はLED電流を供給する。次に、インダクタ114がエネルギーを出力部に送るごとに、コンデンサ116は充電される。出力コンデンサ116のリップル電流はピークインダクタ電流と等しいことになる。図示の実施形態の出力コンデンサ110の値は一般に約10μFであり、それは直列出力LED104によって定められた最大電圧より上に定格されるべきである。
【0037】
一般に、LED104の最大電流定格の近く、例えば80%で作動する場合、リップル電流はスタックのLEDの定格電流レベルを超えないように最小にされるべきである。負荷コンデンサ116がなければ、回路が最初にエネルギーを与えられるとき、LED104は定格値をかなり上回る純粋な矩形波を経験することがある。負荷コンデンサ116はピークを最小にするために電流をフィルタ処理するが、電流検出部RSLはフィルタ処理されていない矩形波を経験し、その結果、フィルタ処理が電流調整ループから切り離される。したがって、コンデンサ116は前述の調整構成を考慮していない。
【0038】
前述のように、コンバータは始動の間でさえ電流を制限しており、コンデンサ116が充電するのを待つ必要はない。既知の構成では、LED104は、電流がLEDスタック104を通って流れるまでインダクタ114によって生成され得る最大電流を経験することがある。図示の実施形態は回路開始の間の電流スパイクを避ける。
【0039】
本発明のコンバータは様々な用途で使用することができる。例えば、このコンバータは、高電流(例えば1A程度の)LEDのスタック(例えば2個から10個まで)にエネルギーを与えることができる。様々な電流定格を有するいかなる実用的な数のLEDも使用することができることが理解されよう。本実施形態は、デューティサイクルの制御によってLEDの輝度を設定するためにPWMまたは他の変調技法を使用している。すなわち、PWMは、単に電流を「小さくする」代わりに、正しい色を生成するための電流レベルをダイオードに与える。例えば、PWMで、90%の所望のデューティサイクルをもつ200Hzの周波数(5ミリ秒周期)は、好ましくは矩形波形で、4.5ミリ秒のオン時間および0.5ミリ秒のオフ時間をもたらす。
【0040】
本発明のコンバータの実施形態はコンデンサのいくつかの制限を克服している。電解コンデンサは、かなりの等価直列抵抗(ESR)成分に起因するリップル電流を扱う能力が限定される。電解コンデンサへのスイッチング電流は受け入れがたい加熱をもたらすことがある。1A LEDなどの高電流用途では、これが従来の実施では電解コンデンサの使用を制限することがある。セラミックコンデンサは電解コンデンサよりも加熱が少ないためにリップル電流を良好に扱うことができるが、セラミックコンデンサは限定された容量値で、すなわち10μFの程度で利用可能である。本発明のコンバータは、従来の実施で必要とされるこのコンデンサリップル電流交換条件を除去している。
【0041】
本発明の例示的実施形態を説明したが、それらの概念を組み込む他の実施形態を使用することもできることが今では当業者には明らかになるであろう。本明細書に含まれる実施形態は、開示された実施形態に限定されるべきでなく、むしろ添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲によってのみ限定されるべきである。本明細書に引用された出版物および参考文献はすべて参照によりその全体が本明細書に明確に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の例示的実施形態によるコンバータを有する例示的回路のブロック図である。
【図2】例示的実施形態による開ループ応答を有する回路のブロック図である。
【図2A】図2の回路よりもさらに複雑な開ループ応答を有する回路を示すブロック図である。
【図2B】図2の回路の代替の実施形態のブロック図である。
【図3】図1のコンバータの例示的な実施を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷素子の両端に結合し、DC信号によってエネルギーを与えられるための容量性素子と、
前記負荷素子および前記容量性素子を通る電流の瞬間の合計をモニタするための第1の感知素子と、
前記第1の感知素子を通る電流を制御するためのスイッチング素子と、
前記スイッチング素子を通る電流を感知するために前記スイッチング素子に結合された第2の感知素子と、
前記スイッチング素子に結合されたエネルギー蓄積素子と、
前記負荷素子への電流フローを可能にする単方向電流フロー素子と、
前記スイッチング素子を制御するためのコンバータ回路と
を備え、
前記コンバータ回路は前記第1の感知素子の両端でモニタされた電流レベルに対して調整し、コンバータ調整ループが前記第1の感知素子によって感知された前記電流を平均するための主極を含む、回路。
【請求項2】
前記負荷素子はLEDスタックを含む、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記容量性素子は、前記容量性素子と直列に結合されたさらなるインピーダンス素子を含む、請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記単方向電流フロー素子はダイオードを含む、請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記エネルギー蓄積素子はインダクタを含む、請求項1に記載の回路。
【請求項6】
前記インダクタは、前記スイッチング素子に結合された第1の端部と、入力電圧信号に結合された第2の端部とを有する、請求項5に記載の回路。
【請求項7】
前記コンバータ回路は、前記第2の感知素子の両端に結合されたスイッチ電流端子を含む、請求項1に記載の回路。
【請求項8】
前記コンバータ回路は、周期毎ベースでピークスイッチ電流によって平均エネルギー蓄積素子電流を制御するために、前記スイッチ電流端子に結合された内部ループをさらに含む、請求項7に記載の回路。
【請求項9】
前記第1の感知素子によって検出された前記電流をフィルタ処理平均するために前記第1の感知素子と並列に結合された第2の容量性素子をさらに含む、請求項1に記載の回路。
【請求項10】
LEDスタックと、
前記LEDスタックの両端に結合されたコンデンサと、
前記LEDスタックおよび前記コンデンサを通る電流の瞬間の合計を検出するために前記LEDスタックおよび前記コンデンサと直列に結合された第1の電流感知抵抗と、
アノードおよびカソードを有し、前記カソードが前記LEDスタックおよびコンデンサに結合される阻止ダイオードと、
第1の端部および第2の端部を有し、前記第1の端部が前記阻止ダイオードの前記アノードに結合され、前記第2の端部が入力電圧信号に結合されるインダクタと、
前記インダクタおよび阻止ダイオードアノードに結合され、前記第1の電流感知抵抗を通る前記電流を制御するスイッチング素子と、
前記スイッチング素子に結合された第2の電流感知抵抗と、
前記スイッチング素子を制御するためのコンバータ回路と
を備え、
前記コンバータは前記第1の電流感知抵抗の両端でモニタされた前記電流レベルを調整する、回路。
【請求項11】
前記コンバータ回路は、
前記第1の電流感知抵抗の両端に結合された第1および第2の端子と、
前記第2の電流感知抵抗の両端に結合された第3および第4の端子と、
前記LEDスタックへの電流を制御するための前記スイッチング素子に結合された第5の端子と
を含む、請求項10に記載の回路。
【請求項12】
変調信号を受け取るための第6の端子をさらに含む、請求項11に記載の回路。
【請求項13】
電流レベル選択信号を受け取るための第8の端子をさらに含む、請求項12に記載の回路。
【請求項14】
前記第1および第2端子に結合された外部ループと、前記第3および第4の端子に結合された内部ループとをさらに含む、請求項11に記載の回路。
【請求項15】
負荷を設けるステップと、
前記負荷の両端にインピーダンス素子を結合するステップと、
前記負荷および前記インピーダンス素子を通る電流の瞬間の合計をモニタするために第1の感知素子を前記負荷に結合するステップと、
前記第1の感知素子を通る電流を制御するためのスイッチング素子を設けるステップと、
前記スイッチング素子を通る電流を感知するために第2の感知素子を前記スイッチング素子に結合するステップと、
前記負荷への電流フローを可能にするために単方向電流フロー素子を前記スイッチング素子に結合するステップと、
前記スイッチング素子を制御するためにコンバータ回路をスイッチング素子に結合するステップと、
エネルギー蓄積素子をスイッチング素子に結合するステップと、
を含む方法。
【請求項16】
前記コンバータ調整ループは、前記第1の素子によって感知された前記電流を平均するための主極を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記コンバータ回路は、周期毎ベースでピークスイッチ電流によって平均インダクタ電流を制御するために、前記スイッチ電流端子に結合された内部ループをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の感知素子によって検出された前記電流をフィルタ処理平均するために前記第1の感知素子と並列に第2の容量性素子を結合するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−533015(P2009−533015A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504197(P2009−504197)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/006875
【国際公開番号】WO2007/126630
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(501105602)アレグロ・マイクロシステムズ・インコーポレーテッド (55)
【Fターム(参考)】