説明

スイッチング電源回路、電源モジュール及び電子装置

【課題】 定格出力電流に対して負荷電流が非常に小さい場合でも、発生した過電流を検出可能にして、スイッチング電源回路の素子の焼損を確実に防止する。
【解決手段】 変圧器10と、この変圧器10の一次側に接続されたスイッチ素子30と、変圧器10の一次電流にもとづいた検出電流又は検出電圧を得る検出回路50と、検出電流又は検出電圧が所定の過電流検出ポイントに達しているとスイッチ素子30の動作を停止させるスイッチ素子制御回路41と、負荷電流I2を検出する負荷電流検出回路80と、定常時の負荷電流の値にもとづき検出電流又は検出電圧を変化させて、検出電流又は検出電圧に対する過電流検出ポイントの割合で示された設定値を切り換える過電流設定切換回路90aとを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源電圧を所定の電圧値に変換して出力するスイッチング電源回路、このスイッチング電源回路が形成された基板を備えた電源モジュール、及び、この電源モジュールを搭載した電子装置に関し、特に、定格出力電流に対して負荷電流が極端に小さい場合に、電源モジュール内部の素子の故障が発生したときでも、過電流を確実に検出して、素子の焼損を防止するスイッチング電源回路、電源モジュール及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源は、入力電力から希望の出力電力を得る電力変換装置において、電力を変換・調整するためにスイッチ素子(電気回路の一部をON/OFFできる素子)を用いた電源装置である。具体的には、例えば、直流電力を電圧値の異なる直流電力に変換するDC−DCコンバータや、交流電力を直流電力に変換するAC−DCコンバータなどによって構成された電源装置があり、それらはスイッチングレギュレータとも呼ばれている。
【0003】
このようなスイッチング電源の従来の回路構成を図6に示す。
同図に示すように、スイッチング電源回路100は、直流電源(DC Input)を変圧する変圧器10と、この変圧器10の二次側から出力された電圧を整流するとともに平滑する整流平滑回路20と、変圧器10の一次側に接続されたスイッチ素子30と、このスイッチ素子30の動作を制御する制御IC40と、変圧器10の一次電流を検出する検出回路50とを備えている。
【0004】
ここで、検出回路50は、抵抗R1〜R3と、コンデンサC2とを有している。
抵抗R1は、直流電源のマイナス側とスイッチ素子30との間に直列に接続されており、ここに流れる電流(過電流)を検出するための過電流検出抵抗となっている。
抵抗R2と抵抗R3は、直列に接続されており、抵抗R1の両端にかかる電圧を分圧する。
【0005】
制御IC40は、OC(Over Current latch)端子を有しており、抵抗R2及びR3により分圧された電圧を入力する。この入力した電圧が所定の過電流検出ポイント(過電流検出電圧値)に達していると、過電流が流れたものとして、OUT端子からスイッチ素子30のゲートに印加していた電圧を止め、そのスイッチ素子30の動作を停止させる。
このような動作を行なうことで、過電流が流れたときに、このスイッチング電源回路を構成する各素子の焼損を防止できる。
【0006】
ところで、従来のスイッチング電源においては、次の問題があった。
上述した過電流検出ポイントは一定であり、定格出力電流の150%や200%というように設定されていた。従来のスイッチング電源回路を搭載した電源モジュールを電子装置に実装した場合、定格出力電流に対して負荷電流が極端に小さいときは、電源モジュール内部の素子の故障が発生しても、過電流を検出できず素子に電流が流れ続け焼損に至る可能性があった。
【0007】
そこで、負荷の状態に応じて過電流検出の設定値の切り換えが可能なスイッチング電源の従来例が提案されている。
例えば、装置構成によって負荷値が変化する被電源供給装置に安定化電圧電源を供給する電源装置において、被電源供給装置の負荷値を検出する手段を有し、その検出結果により過電流検出設定値を切り換える構成としたものがある(例えば、特許文献1参照。)。この構成によれば、異常電流による負荷異常状態を確実に検出できる。
【0008】
また、変圧器の一次巻線に流れる電流をオン・オフし制御端子電圧がスレッショルド電圧に達したときにオン状態になるスイッチ素子と、このスイッチ素子に流れる電流を検知しその電流が設定値に達するとスイッチ素子のスイッチ機能を停止させて出力電圧をゼロにする過電流保護回路と、この過電流保護回路の設定値を二次側から入力した制御信号により調整する過電流設定値調整回路とを備えた構成としてある(例えば、特許文献2参照。)。
このような構成により、機器が通常動作モードでも、動作待機モードであっても常に同じ条件の故障モード検出ができ、機器を安全に停止させることができる。
【0009】
【特許文献1】特開昭60−049417号公報
【特許文献2】特開平09−023644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述の特許文献1、2に記載のスイッチング電源には、次の問題があった。
特許文献1に記載のスイッチング電源は、負荷の接続・非接続を検出するための配線(負荷検出用配線)を必要としていた。この配線は、スイッチング電源回路と負荷との間に配されており、その間の配線を複雑化していた。
また、負荷に、負荷検出用配線を接続するための端子を設ける必要があり、構造上も問題があった。
さらに、負荷が増設された場合には、新たに負荷検出用配線を設けたり、負荷状態検出回路の構成を変更したりする必要があるため、その対応が困難となっていた。
【0011】
また、特許文献2に記載のスイッチング電源は、変圧器の二次側から制御信号を受けて、動作待機時に過電流検出点を低くしていた。ただし、その制御信号を送信するための回路の構成や、通常動作時と動作待機時とを区別するための回路の構成等がまったく示されておらず、開示の範囲では実現できないものとなっていた。
しかも、状態判断の対象が通常動作時と動作待機時の二つであって、負荷電流の大小についてまでは考慮していなかった。このため、動作待機時ではない場合において、定格出力電流よりも非常に小さい負荷電流が流れているときに過電流が発生してもこれを検出することができず、スイッチング電源回路の素子の焼損を防止できなかった。
【0012】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、定格出力電流に対して負荷電流が非常に小さい場合に、発生した過電流を検出可能にして、スイッチング電源回路の素子の焼損を確実に防止するとともに、スイッチング電源回路と負荷との間の配線の複雑化を回避でき、かつ、負荷が増設された場合でも適切に過電流の検出を可能とするスイッチング電源回路、電源モジュール及び電子装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するため、本発明のスイッチング電源回路は、変圧器と、この変圧器の一次側に接続されたスイッチ素子と、一次側の電流にもとづいた検出電流又は検出電圧を得る検出回路と、検出電流又は検出電圧が所定の過電流検出電流値又は過電流検出電圧値に達しているとスイッチ素子の動作を停止させるスイッチ素子制御回路とを備えたスイッチング電源回路であって、外部に出力される負荷電流を検出する負荷電流検出回路と、定常時の負荷電流の値にもとづき検出電流又は検出電圧を変化させて、検出電流に対する過電流検出電流値の割合で示された設定値又は検出電圧に対する過電流検出電圧値の割合で示された設定値を切り換える過電流設定切換回路とを備えた構成としてある。
【0014】
スイッチング電源回路をこのような構成とすると、負荷電流検出回路が負荷電流を検出し、過電流設定切換回路が定常時の負荷電流の値にもとづいて過電流検出の設定値を切り換えることができるため、定格出力電流に対して負荷電流が非常に小さい場合には、過電流検出の設定値を低くすることができる。このため、その場合に発生した過電流を検出可能にして、スイッチング電源回路の素子の焼損を確実に防止できる。
【0015】
しかも、スイッチング電源回路と負荷との間に新たな配線を設ける必要がないため、その間の配線の複雑化を回避できる。また、その配線を設けるために負荷に端子を設ける必要もない。
さらに、過電流検出の設定値の切り換えが、定常時の負荷電流にもとづいて行われるものであって、負荷の数にもとづくものではないため、負荷が増設された場合でも確実に過電流を検出できる。しかも、負荷が増設されても、新たに負荷検出用配線を設けたり、負荷状態検出回路の構成を変更したりする必要がない。
【0016】
加えて、定常時の負荷電流の値にもとづいて過電流検出の設定値の切り換えを行なうため、動作待機時ではない場合において、定格出力電流よりも非常に小さい負荷電流が流れているときに発生した過電流を検出でき、スイッチング電源回路の素子の焼損を防止できる。
【0017】
また、本発明のスイッチング電源回路は、過電流設定切換回路を、定常時の負荷電流が所定値よりも少ないときは、過電流検出電流値又は過電流検出電圧値を超えない範囲で検出電流又は検出電圧を高い値にし、及び/又は、定常時の負荷電流が所定値よりも多いときは、検出電流又は検出電圧を低い値にする構成とすることができる。
【0018】
スイッチング電源回路をこのような構成とすれば、定常時の負荷電流が所定値よりも少ない場合に、過電流検出電流値又は過電流検出電圧値を超えない範囲で検出電流又は検出電圧を高い値にするため、このときの過電流検出の設定値を小さくできる。このため、その場合に発生した過電流を確実に検出できる。
【0019】
また、本発明のスイッチング電源回路は、検出回路を、変圧器の一次側に直列に接続された第一の抵抗と、変圧器の一次側と第一の抵抗との接続点とスイッチ素子制御回路の過電流検出用端子との間に接続された第二の抵抗と、過電流検出用端子とグランドとの間に接続された第三の抵抗とを有し、過電流設定切換回路を、第三の抵抗に並列に接続された第四の抵抗と、この第四の抵抗に電流を流すか否かを制御する切換素子と、定常時の負荷電流が所定値よりも少ないときは第四の抵抗に電流が流れないように切換素子を制御するとともに、定常時の負荷電流が所定値よりも多いときは第四の抵抗に電流が流れるように切換素子を制御する切換素子制御回路とを有した構成とすることができる。
【0020】
スイッチング電源回路をこのような構成とすると、定常時の負荷電流が所定値よりも少ないときは、第四の抵抗に電流が流れないため、第二の抵抗と第三の抵抗との分圧電圧がスイッチ素子制御回路のOC端子に印加される。このことから、検出電流又は検出電圧を高い値にすることができる。一方、定常時の負荷電流が所定値よりも多いときは、第四の抵抗に電流が流れるため、第三の抵抗と第四の抵抗が並列接続になって抵抗値が低くなり低い値の電圧がスイッチ素子制御回路のOC端子に印加される。このことから、検出電流又は検出電圧を低い値にすることができる。このため、定常時の負荷電流の値にもとづいて、検出電流又は検出電圧を変化させて、過電流検出の設定値を切り換えることができる。
【0021】
また、本発明のスイッチング電源回路は、切換素子制御回路を、負荷電流検出回路から出力された電圧にもとづいて発光する光結合素子と、この光結合素子が発光したか否かにもとづいて切換素子を制御する切換素子制御部とを有した構成とすることができる。
スイッチング電源回路をこのような構成とすれば、負荷電流の値にもとづいて光結合素子の発光・非発光を切り換えることができ、切換素子を制御できる。
【0022】
また、本発明のスイッチング電源回路は、光結合素子を、フォトサイリスタ及び/又はフォトトライアックを含む構成とすることができる。
スイッチング電源回路をこのような構成とすると、光結合素子の発光・非発光に応じて、切換素子を制御できる。とくに、受光側に方向性を持たないフォトトライアックを用いることで、回路の接続の自由度を上げることができる。
【0023】
また、本発明のスイッチング電源回路は、負荷電流検出回路を、変圧器の二次側と出力端子との間に直列に接続された負荷電流検出抵抗と、この負荷電流検出抵抗の両端の電位差を検出して過電流設定切換回路に与える差動増幅回路とを有した構成とすることができる。
スイッチング電源回路をこのような構成とすれば、負荷電流を電圧として検出できる。
【0024】
また、本発明のスイッチング電源回路は、検出回路を、第一の抵抗に代えて、カレントトランスを有した構成とすることができる。
スイッチング電源回路をこのような構成とすると、抵抗で発生する損失を抑えることができる。
【0025】
また、本発明のスイッチング電源回路は、スイッチ素子制御回路を有する制御ICを備えた構成とすることができる。
スイッチング電源回路をこのような構成とすれば、スイッチング電源回路のコンパクト化、回路構成の簡素化を図ることができる。
【0026】
また、本発明の電源モジュールは、電子回路用の基板を備えた電源モジュールであって、基板上に形成された電子回路が、上述したスイッチング電源回路のいずれかを含む構成とすることができる。
電源モジュールをこのような構成とすると、定格出力電流に対して負荷電流が非常に小さい場合に発生した過電流を検出可能な電源モジュールを実現できる。
【0027】
また、本発明の電子装置は、外部から取り込んだ電源電圧を所定の電圧値に変換して出力する電源モジュールを備えた電子装置であって、電源モジュールが、上記の電源モジュールからなる構成とすることができる。
電子装置をこのような構成とすれば、定格出力電流に対して負荷電流が非常に小さい場合に発生した過電流を検出可能な電子装置を実現できる。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明によれば、定常時の負荷電流の値にもとづいて過電流検出の設定値を切り換えることができるため、定格出力電流に対して負荷電流が非常に小さい場合でも、発生した過電流を検出可能にして、スイッチング電源回路の素子の焼損を確実に防止できる。
また、スイッチング電源回路と負荷との間に新たな配線を設ける必要がないため、それらの間の配線の複雑化を回避できる。
さらに、過電流検出の設定値の切り換えが、定常時の負荷電流にもとづいて行われるものであって、負荷の数にもとづくものではないため、負荷が増設された場合でも回路構成を変更することなく確実に過電流を検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係るスイッチング電源回路、電源モジュール及び電子装置の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0030】
[スイッチング電源回路の第一実施形態]
まず、本発明のスイッチング電源回路の第一実施形態について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態のスイッチング電源回路の構成を示す電子回路図である。
【0031】
(I.回路構成)
同図に示すように、本実施形態のスイッチング電源回路1aは、変圧器10と、整流平滑回路20と、スイッチ素子30と、制御IC40と、検出回路50aと、負荷電流検出回路80と、過電流設定切換回路90aとを有している。
ここで、変圧器10は、入力端子60から入力された直流電源の電圧を所定の電圧値に変換して出力する。
整流平滑回路20は、変圧器10の二次側から出力された電圧を、ダイオードD1及びダイオードD2により整流し、インダクタL1及びキャパシタ(コンデンサ)C1により平滑する。この整流、平滑された電圧が、出力端子70から外部に出力され、負荷(図示せず)に供給される(DC Output)。
【0032】
スイッチ素子30は、ゲートが抵抗R4に接続され、ドレインが変圧器10の一次巻線に接続され、ソースが抵抗R1を介して直流電源のマイナス側に接続されている。このスイッチ素子30は、制御IC40の制御によりオン・オフされて、変圧器10の一次電流、一次電圧を制御する。このスイッチ素子30は、図1等においてはnMOSFETを用いているが、これに限るものではなく、例えば、接合型トランジスタを用いることもできる。
なお、制御IC40については、後記の「制御ICの構成」において詳述する。
【0033】
検出回路50aは、抵抗R1〜抵抗R3と、抵抗R91と、コンデンサC2とを有している。
抵抗R1(第一の抵抗、過電流検出抵抗)は、直流電源のマイナス側とスイッチ素子30のソースとの間に直列に接続されている。抵抗R2(第二の抵抗)は、一端が抵抗R1とスイッチ素子30との間に接続され、他端が制御IC40のOC端子に接続されている。抵抗R3(第三の抵抗)は、一端が制御IC40のOC端子に接続されており、他端が制御IC40のGND端子に接続されて接地されている。
抵抗R91(第四の抵抗、過電流検出分圧抵抗)は、一端が抵抗R2と抵抗R3との間に接続されており、他端がトランジスタTR91(後述)のコレクタに接続されている。
【0034】
負荷電流検出回路80は、抵抗R81〜R85と、オペアンプAMPとを有している。
抵抗R81(負荷電流検出抵抗)は、整流平滑回路20の出力に直列に接続されている。
抵抗R82は、一端が抵抗R81の電源側に接続され、他端がアンプAMPの−入力端子に接続されている。抵抗R83は、一端が抵抗R81の負荷側に接続され、他端がアンプAMPの+入力端子に接続されている。抵抗R84は、一端がアンプAMPの−入力端子に接続され、他端がアンプAMPの出力端子に接続されている。抵抗R85は、一端がアンプAMPの+入力端子に接続され、他端が接地されている。
すなわち、抵抗R82〜R85とオペアンプAMPにより差動増幅器を構成しており、抵抗R81に流れる電流を、この抵抗R81の両端の電位差(電圧)として検出し出力している。
【0035】
過電流設定切換回路90aは、抵抗R91〜R97、R2、R3と、シャントレギュレータSRと、コンデンサC91,C92と、フォトサイリスタPTHと、トランジスタTR91とを有している。
抵抗R91は、前述の通りである。
【0036】
抵抗R92と抵抗R93とは直列に接続されて分圧回路を構成しており、この分圧回路の一端が負荷電流検出回路80の出力に接続され、他端が接地されている。
シャントレギュレータSRは、リファレンスが抵抗R92と抵抗R93との間に接続され、カソードが抵抗R94の一端に接続され、アノードが分圧回路の他端に接続されて接地されている。
【0037】
コンデンサC91は、一端が抵抗R92と抵抗R93との間に接続され、他端がシャントレギュレータSRのカソードに接続されている。
フォトサイリスタPTH(光結合素子)の発光側は、カソードが抵抗R94の他端に接続され、アノードが内部電源Vccに接続されている。
抵抗R95は、一端がフォトサイリスタPTHの発光側のカソードに接続され、他端がフォトサイリスタPTHの発光側のアノードに接続されている。
【0038】
フォトサイリスタPTH(光結合素子)の受光側は、アノードが抵抗R5を介して入力電圧(直流電源)のプラス側に接続されており、カソードがトランジスタTR91のベースに接続されている。
抵抗R96とコンデンサC92とは並列に接続されており、この一端がフォトサイリスタPTHの受光側のゲートに接続されており、他端がフォトサイリスタPTHの受光側のカソードに接続されている。
【0039】
トランジスタTR91(切換素子)は、ベースがフォトサイリスタPTHの受光側のカソードに接続され、コレクタが抵抗R91に接続され、エミッタが接地されている。
抵抗R97は、一端がトランジスタTR91のベースに接続されており、他端がトランジスタTR91のエミッタに接続されている。
コンデンサC2は、電圧を平滑するためのものである。抵抗R1で検出された電圧がパルス状の交流波形のため、抵抗R2と抵抗R3で分圧された電圧(または、抵抗R3及び抵抗R91の並列回路と抵抗R2とにより分圧された電圧)を、このコンデンサC2で時定数を持たせて直流電圧にし(検出電圧)、制御IC40のOC入力に入力させる。
【0040】
なお、過電流設定切換回路90aにおいて、抵抗R92〜R97と、シャントレギュレータSRと、コンデンサC91,C92と、フォトサイリスタPTHとは、定常時の負荷電流I2が所定値よりも少ないときは抵抗R91に電流が流れないようにトランジスタTR91を制御するとともに、定常時の負荷電流I2が所定値よりも多いときは抵抗R91に電流が流れるようにトランジスタTR91を制御するため、「切換素子制御回路」としての機能を有している。
また、この切換素子制御回路において、抵抗R96,R97と、コンデンサC92は、フォトサイリスタPTH(光結合素子)が発光したか否かにもとづいてトランジスタTR91を制御するため、「切換素子制御部」としての機能を有している。
【0041】
さらに、シャントレギュレータSRは、リファレンス電圧よりも高い電圧がリファレンスに印加されると、カソードから電流を引き込む。これにより、フォトサイリスタPTHの発光側が発光し、トランジスタTR91がオンとなって、検出回路50aの回路構成が変わり(抵抗R3とR91とが並列接続となり)、制御IC40のOC端子に加わる検出電圧が変化して、過電流検出の設定値が切り換わる。そのシャントレギュレータSRのリファレンスに印加される電圧の値は、抵抗R92とR93の各抵抗値によって決まる。このため、過電流検出の設定値が切り換わる負荷電流の閾値(所定値)は、シャントレギュレータSRのリファレンス電圧と、抵抗R92とR93の各抵抗値によって決まる。
【0042】
(II.制御ICの構成)
次に、制御ICの構成について、図2を参照して説明する。
制御IC40は、同図に示すように、OC端子(過電流検出用端子)と、GND端子と、OUT端子とを有している。また、スイッチ素子制御回路41を有しており、さらに過電流ラッチ回路42と、制御信号出力回路43とを有している。
なお、制御IC40は、同図に示す構成の他、電源端子、過電圧検出用端子、PWMコンパレータ(Pulse Width Modulation Comparator)などを備えることもできる。ただし、これら構成は、本実施形態のスイッチング電源回路に直接関係するものではないため、ここでの説明は省略する。
【0043】
過電流ラッチ回路42は、図3に示すように、第一コンパレータ42−1と、第二コンパレータ42−2と、第三コンパレータ42−3と、NOR回路42−4〜42−5と、NOT回路42−6と、フリップフロップ42−7と、三角波発振回路42−8とを有している。
第一コンパレータ42−1は、−入力端子に入力されている電圧(正の閾値)よりも高い電圧がOC端子から+入力端子に入力されると信号を出力する。
第二コンパレータ42−2は、+入力端子に入力されている電圧(負の閾値)よりも低い電圧がOC端子から−入力端子に入力されると信号を出力する。
【0044】
第三コンパレータ42−3は、+入力端子に入力されている電圧(所定の値)よりも低い電圧が、三角波発振回路42−8から−入力端子に入力されると信号を出力する。
フリップフロップ42−7は、通常はHighの信号を出力し、コンパレータ42−1又はコンパレータ42−2からの信号をセット入力Sで入力するとLowの信号を出力してこれをラッチし、コンパレータ42−3からの信号をリセット入力Rで入力するとそのラッチをリセットする。
【0045】
この過電流ラッチ回路42の動作は、次のようになっている。
OC端子に正又は負の閾値を超えない電圧が入力されているときは、フリップフロップ42−7からはHighの信号が出力される。
OC端子に正又は負の閾値を超える電圧が入力されると、コンパレータ42−1又は42−2から信号が出力されて、フリップフロップ42−7からはLowの信号が出力され、このLowにラッチされる。
その後、三角波発振回路42−8から出力された三角波が所定値を下回ると、コンパレータ42−3により、フリップフロップ42−7のリセット入力RがHighとなってラッチがリセットされる。これにより、フリップフロップ42−7からはHighの信号が出力される。
【0046】
制御信号出力回路43は、過電流ラッチ回路42からHighの信号を受けるとスイッチ素子30のゲートに電圧を印加してスイッチ素子30を動作させる。
一方、過電流ラッチ回路42からLowの信号を受けるとスイッチ素子30のゲート電圧の印加を止めてスイッチ素子30の動作を停止させる。
このような動作により、過電流が流れると、スイッチ素子30の動作を停止させることができるため、スイッチング電源回路1aの各素子が過電流により焼損することを防止できる。
なお、OC端子のスレッショルド電圧(閾値、過電流検出ポイント)Vthは、図3に示すように一定である。
【0047】
(III.動作)
次に、本実施形態のスイッチング電源回路の動作について、図1を参照して説明する。
(a.定常時の負荷電流が定格出力電流とほぼ同値の場合)
入力端子60に入力された直流電源電圧が変圧器10の一次側に印加され、所定の電圧値に変圧されて二次側に出力され、整流平滑回路20で整流、平滑されて出力端子70から外部に出力される。
ここで、抵抗R81に負荷電流I2が流れると、この負荷電流I2が抵抗R81の両端の電圧として、オペアンプAMPを含む差動増幅回路で検出されて出力される。
【0048】
この負荷電流検出回路80の出力電圧が抵抗R91及び抵抗R92で構成される分圧回路で分圧される。ここでは、負荷電流I2が定格出力電流とほぼ同じ値であるため、分圧電圧がシャントレギュレータSRのリファレンス電圧よりも高い値となる。このため、シャントレギュレータSRのカソードに電流が引き込まれ、フォトサイリスタPTHの発光側に電流が流れる。
【0049】
フォトサイリスタPTHの発光側で発光した光が受光側で受光されと、この受光側に電流が流れ導通状態が固定となり、トランジスタTR91のベースに電圧が印加されてトランジスタTR91がオンとなる。これにより、抵抗R91に電流が流れて、制御IC40のOC端子とGNDとの間は、抵抗R3と抵抗R91とが並列接続となり抵抗値が小さくなるので、OC端子の電圧値が小さくなる。
【0050】
(b.定常時の負荷電流が定格出力電流より小さい値の場合)
負荷電流検出回路80の差動増幅回路で、負荷電流I2が抵抗R81の両端電圧として検出され出力されるところまでは上記と同じである。
この負荷電流検出回路80の出力電圧が抵抗R91及び抵抗R92で構成される分圧回路で分圧される。ここでは、負荷電流I2が定格出力電流より小さい値であるため、分圧電圧がシャントレギュレータ15のリファレンス電圧よりも低い値となる。このため、シャントレギュレータ15のカソードには電流が引き込まれず、フォトサイリスタPTHの発光側に電流が流れない。
【0051】
フォトサイリスタPTHの発光側で発光しないため、受光側で光が受光されず、この受光側に電流が流れないため、トランジスタTR91のベースに電圧が印加されず、このトランジスタTR91がオフとなる。これにより、抵抗R91にも電流が流れないため、制御IC40のOC端子とGNDとの間は、抵抗R3のみ接続されていることになり抵抗値が大きくなり、OC端子の電圧値が大きくなる。
【0052】
(c.過電流検出の設定値の対比)
前述したように、過電流検出ポイントは一定である。このため、負荷電流が定格出力電流とほぼ同じ値であっても、また定格出力電流よりも非常に小さい場合であっても、制御IC40のOC端子に印加された検出電圧が過電流検出ポイントに達したときに制御IC40が働き、動作させているスイッチ素子30の動作を止める。
【0053】
ここで、過電流検出の設定値について、従来のスイッチング電源回路と本発明のスイッチング電源回路とを比較して説明する。
従来のスイッチング電源回路100では、制御IC40のOC端子に印加される検出電圧は、変圧器10の一次電流I1に応じて変化する。例えば、負荷電流I2が定格出力電流とほぼ同じ値であるとき(状態A)は、一次電流I1もほぼ定格値を示す。一方、負荷電流I2が定格出力電流よりも非常に小さい値であるとき(状態B)は、一次電流I1も小さい値となる。
【0054】
具体例をもって説明する。図4(i)に示すように、状態Aでは例えば検出電圧を150mV、状態Bでは例えば検出電圧を50mVとすると、過電流検出ポイントが例えば200mVの場合、状態Aでは過電流検出の設定値が200mV/150mV=133%となるのに対し、状態Bでは200mV/50mV=400%となる。
つまり、状態Aでは、過電流検出の設定値が小さいため、過電流が発生しても検出可能であるが、状態Bでは、過電流検出の設定値が大きいため、過電流が発生しても検出されずスイッチング電源回路の素子に電流が流れ続けて焼損する可能性が高い。
【0055】
これに対し、本実施形態のスイッチング電源回路1aでは、制御IC40のOC端子に印加される検出電圧は、負荷電流I2の値に応じて変化する。例えば、状態Aでは、検出回路50aにて抵抗R3と抵抗R91とが並列接続となるため、検出電圧は小さくなる。一方、状態Bでは、抵抗R91に電流が流れず、抵抗R3にかかる電圧が検出電圧となるため、検出電圧が大きくなる。
【0056】
具体例をもって説明する。図4(ii)に示すように、状態Aでは例えば検出電圧が100mVとなり、状態Bでは例えば検出電圧が150mVとなる。過電流検出ポイントが200mVの場合、状態Aでは過電流検出の設定値が200mV/100mV=200%となるのに対し、状態Bでは200mV/150mV=133%となる。
つまり、状態Bのように負荷電流I2が定格出力電流より非常に小さい値の場合には、過電流検出の設定値を小さい値に切り換えるため、発生した過電流を検出でき、スイッチング電源回路の素子の焼損を防止できる。一方、状態Aのように負荷電流I2が定格出力電流とほぼ同じ値の場合には、過電流の検出が可能な範囲内で、過電流検出の設定値を大きな値に切り換えるため、この場合も発生した過電流を検出できる。
【0057】
以上のように、本実施形態のスイッチング電源回路は、定常時の負荷電流の値にもとづいて、制御ICのOC端子に入力される検出電圧を変化させ、過電流検出の設定値を切り換える構成としたため、負荷電流が定格出力電流よりも非常に小さい場合でも、過電流検出の設定値を小さくして、この場合に発生した過電流を確実に検出できる。
【0058】
[スイッチング電源回路の第二実施形態]
次に、本発明のスイッチング電源回路の第二実施形態について、図5を参照して説明する。
同図は、本実施形態のスイッチング電源回路の構成を示す電子回路図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、過電流を検出する構成が相違する。すなわち、第一実施形態では、過電流の検出に抵抗を用いていたのに対し、本実施形態では、カレントトランスを用いている。また、第一実施形態では、過電流設定切換回路における信号の伝達にフォトサイリスタを用いていたのに対し、本実施形態では受光側にフォトトライアックを用いている。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図5において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0059】
図5に示すように、本実施形態のスイッチング電源回路1bは、変圧器10と、整流平滑回路20と、スイッチ素子30と、制御IC40と、検出回路50bと、負荷電流検出回路80と、過電流設定切換回路90bとを備えている。
ここで、検出回路50bは、抵抗R2と、抵抗R3と、抵抗R91と、コンデンサC2と、カレントトランスCTとを有している。
カレントトランスCTは、変圧器10の一次電流を一次側に流し、これに比例した二次電流を出力する。
第一実施形態の抵抗R1に代えてカレントトランスCTを用いることで、抵抗で発生する損失を抑えることができる。
【0060】
過電流設定切換回路90bは、抵抗R91〜R97、R2、R3と、シャントレギュレータSRと、コンデンサC91,C92と、フォトサイリスタPTH(発光側)と、フォトトライアックPTR(受光側)と、トランジスタTR91とを有している。
【0061】
フォトトライアックPTRは、T1が抵抗R5を介して入力電圧(直流電源)のプラス側に接続されており、T2がトランジスタTR91のベースに接続されている。また、ゲートには、抵抗R96及びコンデンサC92が接続されている。
第一実施形態のフォトサイリスタの受光側に代えて方向性を持たないフォトトライアックを用いることにより、回路の接続の自由度を上げることができる。
【0062】
[電源モジュール及び電子装置]
電源モジュールは、外部から入力した電源電圧を所定の電圧値に変換して出力する。この電源モジュールは、電子装置に搭載することができ、変換した電圧を電子装置内の各部へ出力(供給)する。
この電源モジュールは、具体的には、基板と、この基板上に形成された電子回路と、複数の端子(コネクタ)とを備えている。また、筐体を有し、この筐体内に基板等を収め、筐体側面に電源ケーブルを接続し、さらに電源スイッチやコンセント、各種端子などを備えた構成とすることもできる。
なお、この構成は、例えば、特開2002−320386号公報「スイッチング電源モジュール」などに開示されている。
【0063】
基板上に形成される電子回路は、電源電圧を所定の電圧値に変換して出力する回路(コンバータ)を含み、さらにこれを、前述のスイッチング電源回路1a、1bを用いて構成することができる。
これにより、定格出力電流に対して負荷電流が非常に小さい場合に発生した過電流を検出可能な電源モジュール、電子装置を実現できる。
【0064】
電子装置の具体例としては、例えば、コンピュータ、OA機器、通信機器、計測機器、AV機器、家電、工作機械、パーソナル機器、産業用ロボット、輸送機器(自動車、列車、船舶等)、交通用信号機器、防災/防犯装置、各種安全装置、医療機器、航空機器、航空宇宙機器、海底中継機器、原子力制御システムなどが挙げられる。
【0065】
また、先行技術としては、たとえば、情報処理装置(パーソナルコンピュータ)(例えば、特開2004−304906号公報)、モジュール型電子装置(例えば、特開平8−274440号公報)、ファクシミリ装置(例えば、特開平7−221888号公報)、画像表示装置(例えば、特開平9−200562号公報)、ディスクアレイ装置(例えば、特開2005−011304号公報)、車載電源制御装置(例えば、特開平11−513240号公報)、モジュール電源システム(例えば、特表2005−523568号公報)などが挙げられる。
【0066】
以上説明したように、本実施形態のスイッチング電源回路、電源モジュール及び電子装置によれば、定常時の負荷電流の値にもとづいて過電流検出の設定値を切り換えることができるため、定格出力電流に対して負荷電流が非常に小さい場合でも、発生した過電流を検出可能にして、スイッチング電源回路の素子の焼損を確実に防止できる。
また、スイッチング電源回路と負荷との間に新たな配線を設ける必要がないため、スイッチング電源回路と負荷との間の配線の複雑化を回避できる。
さらに、過電流検出の設定値の切り換えが、定常時の負荷電流にもとづいて行われるものであって、負荷の数にもとづくものではないため、負荷が増設された場合でも回路変更を行なうことなく確実に過電流を検出できる。
【0067】
以上、本発明のスイッチング電源回路、電源モジュール及び電子装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係るスイッチング電源回路、電源モジュール及び電子装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
【0068】
例えば、上述した実施形態では、スイッチング電源回路の入力電源が直流電源となっているが、直流電源に限るものではなく、交流電源とすることもできる。すなわち、上記の実施形態では、DC−DCコンバータについて説明したが、AC−DCコンバータにおいても、負荷電流検出回路80や過電流設定切換回路90を付加した構成とすることができる。ただし、AC−DCコンバータの場合は、電源電圧を整流する整流回路が変圧器の一次側に接続される。
【0069】
また、上述の実施形態では、制御ICのOC端子に検出電圧を印加し、これと過電流検出ポイント(過電流検出電圧値)とを比較する構成としていたが、これに限るものではなく、例えば、OC端子に変圧器10の一次電流にもとづく検出電流を入力し、これと過電流検出ポイント(過電流検出電流値)とを比較する構成とすることもできる。この場合の過電流検出の設定値は、過電流検出ポイント/検出電流となる。そして、本発明の特徴を用いることで、定常時の負荷電流の値にもとづく過電流検出の設定値の切り換えが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、スイッチング電源回路に関する発明であるため、スイッチング電源回路を用いた機器や装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第一実施形態におけるスイッチング電源回路の構成を示す電子回路図である。
【図2】制御ICの構成を示すブロック図である。
【図3】過電流ラッチ回路の構成を示す電子回路図である。
【図4】従来のスイッチング電源回路と本発明のスイッチング電源回路における過電流検出の設定値の相違を示す図である。
【図5】本発明の第二実施形態におけるスイッチング電源回路の構成を示す電子回路図である。
【図6】従来のスイッチング電源回路の構成を示す電子回路図である。
【符号の説明】
【0072】
1a、1b スイッチング電源回路
10 変圧器
20 整流平滑回路
30 スイッチ素子
40 制御IC
41 スイッチ素子制御回路
42 過電流ラッチ回路
43 制御信号出力回路
50 検出回路
80 負荷電流検出回路
90a、90b 過電流設定切換回路
CT カレントトランス
PTH フォトサイリスタ
PTR フォトトライアック
R1 第一の抵抗
R2 第二の抵抗
R3 第三の抵抗
R91 第四の抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変圧器と、この変圧器の一次側に接続されたスイッチ素子と、前記一次側の電流にもとづいた検出電流又は検出電圧を得る検出回路と、前記検出電流又は検出電圧が所定の過電流検出電流値又は過電流検出電圧値に達していると前記スイッチ素子の動作を停止させるスイッチ素子制御回路とを備えたスイッチング電源回路であって、
外部に出力される負荷電流を検出する負荷電流検出回路と、
定常時の負荷電流の値にもとづき前記検出電流又は検出電圧を変化させて、前記検出電流に対する前記過電流検出電流値の割合又は前記検出電圧に対する前記過電流検出電圧値の割合で示された設定値を切り換える過電流設定切換回路とを備えた
ことを特徴とするスイッチング電源回路。
【請求項2】
前記過電流設定切換回路は、
前記定常時の負荷電流が所定値よりも少ないときは、前記過電流検出電流値又は過電流検出電圧値を超えない範囲で前記検出電流又は検出電圧を高い値にし、
及び/又は、
前記定常時の負荷電流が所定値よりも多いときは、前記検出電流又は検出電圧を低い値にする
ことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源回路。
【請求項3】
前記検出回路は、
前記変圧器の一次側に直列に接続された第一の抵抗と、
前記変圧器の一次側と前記第一の抵抗との接続点と前記スイッチ素子制御回路の過電流検出用端子との間に接続された第二の抵抗と、
前記過電流検出用端子とグランドとの間に接続された第三の抵抗とを有し、
前記過電流設定切換回路は、
前記第三の抵抗に並列に接続された第四の抵抗と、
この第四の抵抗に電流を流すか否かを制御する切換素子と、
前記定常時の負荷電流が所定値よりも少ないときは前記第四の抵抗に電流が流れないように前記切換素子を制御するとともに、前記定常時の負荷電流が所定値よりも多いときは前記第四の抵抗に電流が流れるように前記切換素子を制御する切換素子制御回路とを有した
ことを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチング電源回路。
【請求項4】
前記切換素子制御回路は、
前記負荷電流検出回路から出力された電圧にもとづいて発光する光結合素子と、
この光結合素子が発光したか否かにもとづいて前記切換素子を制御する切換素子制御部とを有した
ことを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源回路。
【請求項5】
前記光結合素子が、フォトサイリスタ及び/又はフォトトライアックを含む
ことを特徴とする請求項4に記載のスイッチング電源回路。
【請求項6】
前記負荷電流検出回路が、
前記変圧器の二次側と出力端子との間に直列に接続された負荷電流検出抵抗と、
この負荷電流検出抵抗の両端の電位差を検出して前記過電流設定切換回路に与える差動増幅回路とを有した
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスイッチング電源回路。
【請求項7】
前記検出回路が、前記第一の抵抗に代えて、カレントトランスを有した
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスイッチング電源回路。
【請求項8】
前記スイッチ素子制御回路を有する制御ICを備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のスイッチング電源回路。
【請求項9】
電子回路用の基板を備えた電源モジュールであって、
前記基板上に形成された電子回路が、前記請求項1〜8のいずれかに記載のスイッチング電源回路を含む
ことを特徴とする電源モジュール。
【請求項10】
外部から取り込んだ電源電圧を所定の電圧値に変換して出力する電源モジュールを備えた電子装置であって、
前記電源モジュールが、前記請求項9に記載の電源モジュールからなる
ことを特徴とする電子装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−172973(P2008−172973A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−5956(P2007−5956)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】