説明

スイッチング電源装置

【課題】主スイッチング素子がオフするのと同時に、整流側同期整流素子を速やかにオフさせることができ、しかも整流側同期整流素子のオン期間中に、スイッチ素子が誤動作するのを防止する。
【解決手段】転流側駆動回路19は、トランス1の駆動巻線1Dからの電圧で、FET12をオンにする駆動信号を生成する。また整流側オフ回路18は、駆動巻線1Dの一端に発生する電圧を上方にレベルシフトさせるコンデンサ31と、前記レベルシフトした電圧がスイッチ駆動信号として与えられるFET29を備え、FET2がオフするのに伴いFET29がオンすると、FET11の制御端子に蓄積した電荷をFET29を通して放電可能にする。さらに、FET29の制御端子であるゲートの電位は、ツェナーダイオード33によってFET11,12のソース電位よりも下がる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器に利用可能な同期整流型のスイッチング電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られているスイッチング電源装置の回路図を図11に示す。同図において、1は入力側と出力側とを絶縁するトランス、2は主スイッチング素子としてMOS型FETで、ここでのトランス1は、一次巻線1A,二次巻線1B,電圧検出巻線1C,第1の駆動巻線1Dおよび第2の駆動巻線1Eを電磁気的に結合して構成される。トランス1の一次巻線1AとFET2との直列回路は、直流入力電圧Vinが印加される入力端子3A,3B間に接続される。この入力端子3A,3B間には、他に入力電圧Vinを平滑化するための入力コンデンサ4も接続される。
【0003】
トランス1の一次側には、FET2のゲートにパルス駆動信号を供給する制御回路5が設けられる。制御回路5は、電圧検出巻線1Cに発生する電圧によって、後述する出力電圧Voutの変動を間接的に検出し、その検出結果に応じてパルス駆動信号の導通幅を可変制御するが、負荷の短絡時などにおいてパルス駆動信号の導通幅を最小にし、またはパルス駆動信号そのものを停止して、装置内部の各素子を保護する保護回路としての機能も含んでいる。
【0004】
一方、トランス1の二次巻線には、整流側同期整流素子としてのMOS型FET11と、転流側同期整流素子としてのMOS型FET12と、チョークコイル13と、平滑コンデンサ14とを含む整流平滑回路としての同期整流回路15が接続される。より詳しくは、同期整流回路15は、二次巻線1Bのドット側端子にFET12のドレインが接続され、二次巻線Bの非ドット側端子にFET11のドレインが接続され、これらのFET11,12のソースが、チョークコイル13の一端に接続されると共に、FET12のドレインとチョークコイル13の他端との間に、平滑コンデンサ14を接続して構成される。そして、同期整流回路15の出力端である平滑コンデンサ14の両端には、出力端子16A,16Bが接続され、この出力端子16A,16Bから図示しない負荷に所望の出力電圧Voutが供給されるようになっている。
【0005】
また、FET2と同期して同期整流回路15の各FET11,12をスイッチングさせるために、ここではFET11をオンに駆動させる整流側駆動回路17と、FET11をオフにさせる整流側オフ回路18と、FET12をオンに駆動させる転流側駆動回路19と、FET12をオフにさせる転流側オフ回路20とを備える。整流側駆動回路17は、抵抗62と、前記駆動巻線1Eと、逆流防止用のダイオード22との直列回路を、FET11のゲート・ソース間に接続して構成され、転流側駆動回路19は、逆流防止用のダイオード23と駆動巻線1Dとの直列回路を、FET12のゲート・ソース間に接続して構成される。また整流側オフ回路18は、FET11のゲートと二次巻線1Bのドット側端子との間に接続するダイオード24と、FET11のゲート・ソース間に接続する抵抗25およびダイオード26の並列回路により構成される。
【0006】
この従来例では、制御回路5からのパルス駆動信号によって、FET2をスイッチングさせることで、トランス1の一次巻線1Aに入力電圧Vinが断続的に印加され、それにより二次巻線1Bに誘起した電圧を、同期整流回路15が整流平滑することで、出力端子16A,16Bから負荷に所望の出力電圧Voutが供給される。
【0007】
具体的には、FET2がオンすると、二次巻線1Bと駆動巻線1D,1Eのドット側端子に何れも正極性の電圧が誘起される関係で、整流側駆動回路17のダイオード22はオンする。そのため、駆動巻線1EからFET11のゲート・ソース間に電圧が印加され、FET11がオンすると共に、それまでFET12のゲート・ソース間に蓄えられていた電荷が、転流側オフ回路20によって速やかに放電し、FET2がオンするのと同時にFET12を高速にオフさせることができる。
【0008】
またFET2がオフすると、今度は二次巻線1Bと駆動巻線1D,1Eの非ドット側端子に何れも正極性の電圧が誘起される関係で、転流側駆動回路19のダイオード23はオンする一方で、整流側駆動回路17のダイオード22はオフする。そのため、駆動巻線1DからFET12のゲート・ソース間に電圧が印加され、FET12がオンすると共に、それまでFET11のゲート・ソース間に蓄えられていた電荷が、整流側オフ回路18によって速やかに放電し、FET2がオフするのと同時にFET11を高速にオフさせることができる。
【0009】
ところで、図11に示す従来例では、例えば複数の電源装置を負荷に並列接続する場合に、それらの電源装置間における出力電圧Voutの電位差によって、特定の電源装置の出力端子16A,16Bに電流が流れ込んで、チョークコイル13の電流が常にマイナスレベル(出力端子16Aからチョークコイル13を通って出力端子16Bに流れる方向)になる状態に陥る。こうなると、FET12のドレイン・ソース間に接続するボディダイオードに電流が流れず、FET11,12のソース電位に比べて、整流側オフ回路18を構成するダイオード24のカソード電位が高くなり、ダイオード24はオフ状態になって、FET11のゲート・ソース間に蓄積する電荷を速やかに放電できなくなり(抵抗25でのみ放電)、本来よりも長い期間FET11がオンし続けることになる。その結果、FET11がオフした後に、FET11のドレイン・ソース間に印加するフライバック電圧が高くなって、やがてトランス1の二次側で異常発振が起こり、素子の定格電圧を超える虞れがある。また、電源装置の停止時にFET2を完全にオフしたにも拘らず、FET11,12が交互にオンする自励発振動作に陥ると、トランス1の一次側にエネルギーが逆伝送されると共に、FET2,11,12の耐圧オーバーによる破損や、入力端子3A,3B間に接続する入力電源の破損などを引き起こす。
【0010】
図12および図13は、そのような異常発振が発生する前後の状態を実測した各部の動作波形を示している。同図において、図12は異常発振が起こる少し前の状態を示し、また図13は、異常発振が起こった後の状態を示す。いずれの図も、Vgs2はFET2のゲート・ソース間電圧を示し、Vds2はFET2のドレイン・ソース間電圧を示し、Vgs11はFET11のゲート・ソース間電圧を示している。
【0011】
この実測結果からも明らかなように、異常発振が発生する前の状態になると、FET2がオンからオフに移行しても、FET11のゲート・ソース間電圧Vgs11は速やかに0Vにまで下がらず、その分FET2のドレイン・ソース間電圧Vds2ひいては二次巻線1Bに発生するフライバック電圧が大きくなる。やがて異常発振が発生すると、このフライバック電圧はさらに大きくなり、電源装置内の各素子の定格を超えるほどになる。
【0012】
このような問題を解決するスイッチング電源装置として、図14に示すような別な従来例が、特許文献2などで提案されている。ここでは、共通する駆動巻線1Eに整流側駆動回路17と転流側駆動回路19が接続され、この駆動巻線1Eに誘起する電圧を利用して、FET11,12を交互にオンさせる構成を有している。また、FET11を高速にオフする整流側オフ回路18は、FET2がオフになった瞬間に、FET11のゲートに蓄積された電荷を、ツェナーダイオード27からFET12のゲートに分配する機能を有している。
【0013】
整流側駆動回路17は、コンデンサ21と、駆動巻線1Eと、逆流防止用のダイオード22との直列回路を、FET11のゲート・ソース間に接続して構成され、転流側駆動回路19は、コンデンサ21と、駆動巻線1Eと、ツェナーダイオード27とを、FET11,12のゲート間に接続して構成される。また整流側オフ回路18は、前記転流側駆動回路19の構成に加えて、駆動巻線1Eとコンデンサ21との接続点にドレインを接続し、FET11のソースにソースを接続してなる第1のスイッチ素子としてのFET29と、FET11のゲートにドレインを接続し、FET11のソースにソースを接続してなる第2のスイッチ素子としてのFET30とを備え、これらのFET29,30のゲートが、何れもFET12のゲートに直接接続される。
【0014】
図14に示す回路の動作は引用文献1に開示されており、ここでは詳細な説明を省略するが、FET11の放電経路が二次巻線1Bのドット側端子に接続しておらず、しかもFET29,30がオンすれば、FET11のゲート電荷を速やかに放電できるので、出力端子16A,16Bから外部電圧が印加されても、FET11を速やかにオフにすることができ、上述した問題を解消することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特許第3944126号公報明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで上記図14の回路では、転流側オフ回路20が動作することによって、FET11がオンするよりも先にFET12がオフすると、トランス1のリーケージインダクタンスやパターン配線などの影響で、FET11,12のソース電位にリンギングが発生する。その後、FET11がオンする際に、駆動巻線1E間に発生する電圧にも同様のリンギングが発生すると、FET29のゲートにもそのリンギングが発生し、場合によってはFET29をオンさせてしまう虞れがある。
【0017】
特にFET29は比較的小型で耐圧の低い素子を使用するので、ドレイン電流の流れ出す閾値Vthの低いものが多い。しかも温度が上昇すると、FET29の閾値Vthは一層下がり、多少のリンギングであってもFET29はオンし易くなって、図14の回路を使用する上で問題となる。
【0018】
図15は、図14の回路におけるFET29のゲート・ソース間電圧Vgs29を示したものである。同図からも明らかなように、FET2のゲート・ソース間電圧がL(低)レベルになり、FET11のオン期間に移行しても、FET29のゲート・ソース間にはリンギングに伴う電圧Vgs29が発生しており、このFET29がオンすればFET11のゲートから電荷が放電する現象が起きてしまう。こうなると、FET11を十分に駆動できなくなり、電源装置としての効率低下や出力電圧Voutの大きな変動を引き起こす要因となる。
【0019】
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、主スイッチング素子がオフするのと同時に、整流側同期整流素子を速やかにオフさせることができ、しかも整流側同期整流素子のオン期間中に、スイッチ素子が誤動作するのを防止できるスイッチング電源装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明のスイッチング電源装置は、上記目的を達成するために、トランスの一次巻線側に主スイッチング素子を備え、このトランスの二次巻線側に、整流側同期整流素子と転流側同期整流素子とを含む同期整流回路を備えると共に、前記主スイッチング素子にパルス駆動信号を供給する制御回路を備えてなり、前記主スイッチング素子がオフするのに同期して、前記整流側同期整流素子をオフにさせる整流側オフ回路と、前記主スイッチング素子がオフするのに同期して、前記転流側同期整流素子をオンに駆動させる転流側駆動回路と、を備えたスイッチング電源装置において、前記転流側駆動回路は、前記トランスに設けられた駆動巻線から前記転流側同期整流素子をオンにする駆動信号を生成する構成を有し、前記整流側オフ回路は、前記駆動巻線の一端に発生する電圧を上方にレベルシフトさせる容量性素子と、前記レベルシフトした電圧がスイッチ駆動信号として与えられるスイッチ素子と、を備え、前記主スイッチング素子がオフするのに伴い前記スイッチ素子がオンすると、前記整流側同期整流素子の制御端子に蓄積した電荷を放電可能にする構成とし、前記スイッチ素子がオフすると、このスイッチ素子の制御端子の電位を、前記整流側同期整流素子および前記転流側同期整流素子の接続点の電位よりも下げる誤動作防止回路を備えて構成される。
【0021】
この場合、前記容量性素子に接続され、この容量性素子と共に前記スイッチ素子の制御端子に発生するリンギングを調整する抵抗をさらに備えることが好ましい。
【0022】
その代わりに若しくはそれに加えて、前記主スイッチング素子がオンするのに同期して、前記トランスの二次巻線に発生する電圧を用いて、前記整流側同期整流素子をオンに駆動させる整流側駆動回路を備えてもよい。
【0023】
また、それらの代わりに若しくはそれらに加えて、前記制御回路の動作時に、前記整流側同期整流素子および前記転流側同期整流素子の接続点よりも高い電位を生成し、前記制御回路の動作停止時に、この生成した電位によって前記スイッチ素子をオン状態に保持する電圧生成回路を備えてもよい。
【0024】
さらに、前記整流側同期整流素子と直列に誘導性素子を接続してもよい。
【0025】
その場合、前記誘導性素子に流れる電流を検出し、この電流が一定値を越えたら、前記転流側同期整流素子をオフにさせる転流側オフ回路をさらに備えるのが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明のスイッチング電源装置によれば、主スイッチング素子がオフすると、駆動巻線の一端に発生する電圧は緩やかに上昇するが、この電圧をそのままスイッチ素子に供給するのではなく、容量性素子によって上方にレベルシフトさせた上で、これをスイッチ素子にスイッチ駆動信号として供給するので、スイッチ素子は主スイッチング素子がオフするのとほぼ同時にオンして、整流側同期整流素子の制御端子に蓄積した電荷を速やかに放電する。したがって、本来は転流側同期整流素子をオンに駆動させる転流側駆動回路の駆動巻線を利用して、この駆動巻線に容量性素子を付加するだけで、主スイッチング素子がオフするのと同時に、整流側同期整流素子を速やかにオフさせることができる。
【0027】
また、主スイッチング素子がオンすることに伴ない、駆動巻線の一端に発生する電圧が低下してスイッチ素子がオフすると、スイッチ素子の制御端子の電位が、整流側同期整流素子および転流側同期整流素子の接続点の電位よりも低くなる。そのため、大きなリンギングがスイッチ素子の制御端子に発生した場合でも、スイッチ素子がオンするには至らず、スイッチ素子が誤ってオン動作するのを確実に防止できる。
【0028】
本発明では、好ましくはスイッチ素子のゲートに発生するリンギングを調整する電圧調整回路を有するので、スイッチ素子がオフしている間に、スイッチ素子のゲートに発生するリンギングの電圧レベルを調整できる。
【0029】
また、トランスにわざわざ駆動巻線を設けなくても、トランスの二次巻線に発生する電圧を利用して整流側同期整流素子をオンに駆動できれば、その駆動巻線を省略して、トランス構造の簡素化を図ることができる。
【0030】
また電圧生成回路は、制御回路の動作時に、整流側同期整流素子および転流側同期整流素子の接続点よりも高い電位を生成し、制御回路が動作停止すると、その生成した電位を利用して、スイッチ素子をオン状態に保持する。これにより、制御回路ひいては電源装置の停止時において、整流側同期整流素子の制御端子に蓄積する電荷を速やかに放出して、整流側同期整流素子をオフ状態に保ち、整流側同期整流素子および転流側同期整流素子が交互にオンする自励発振動作を確実に回避することができる。
【0031】
また誘導性素子を付加することにより、トランスの二次側に大電流が流れるのを防止しつつ、スイッチ素子に発生するリンギングを効果的に抑制でき、スイッチ素子の誤動作が回避できる。
【0032】
さらに、誘導性素子に流れる電流を利用して、転流側同期整流素子を確実にオフさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例1を示すスイッチング電源装置の回路図である。
【図2】同上、各部の動作を示す波形図である。
【図3】本発明の実施例2を示すスイッチング電源装置の回路図である。
【図4】本発明の実施例3を示すスイッチング電源装置の回路図である。
【図5】本発明の実施例4を示すスイッチング電源装置の回路図である。
【図6】本発明の実施例5を示すスイッチング電源装置の回路図である。
【図7】本発明の実施例6を示すスイッチング電源装置の回路図である。
【図8】本発明の実施例7を示すスイッチング電源装置の回路図である。
【図9】図8の回路例において、各部の動作を実測した波形図である。
【図10】図8の回路例において、各部の動作を実測した波形図である。
【図11】従来例を示すスイッチング電源装置の回路図である。
【図12】図11の回路において、異常発振が起こる少し前の状態を実測した各部の波形図である。
【図13】図11の回路において、異常発振時の状態を実測した各部の波形図である。
【図14】別な従来例を示すスイッチング電源装置の回路図である。
【図15】図14の回路例において、リンギングが発生した状態の波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な各実施例について説明する。なお、従来例で示したものと同一箇所には同一符号を付し、共通する部分の説明は重複を避けるために極力省略する。
【実施例1】
【0035】
図1は、本発明で提案するスイッチング電源装置の基本構成を示すもので、前記図14で示した従来例と比較すると、ここではFET11をオンにする駆動信号を生成する駆動巻線1Eと、FET12をオンにする駆動信号を生成する駆動巻線1Dが別個に設けられており、またFET2のオフ時に、FET11のゲートに蓄積した電荷を、FET12に分配するツェナーダイオード27が存在しない。また整流側オフ回路18は、駆動巻線1Eとコンデンサ21との接続点にドレインを接続し、FET11のソースにソースを接続したFET29と、駆動巻線1Dの非ドット側端子とFET29のゲートとの間に接続したコンデンサ31とにより構成される。その他、FET11のソースにアノードを接続し、FET12のゲートにカソードを接続したダイオード32と、FET29のソースにアノードを接続し、FET29のゲートにカソードを接続した定電圧素子たるツェナーダイオード33と、FET29のゲートにアノードを接続し、FET12のゲートにカソードを接続したダイオード34と、がそれぞれ設けられる。それ以外の構成は、図14に示す従来例と共通している。
【0036】
コンデンサ31は、FET2がオフするのに伴い、駆動巻線1Dの非ドット側端子に発生する電圧を利用して、FET29のゲートに対する駆動信号を生成し、それによりFET29をオンに駆動させるスイッチ素子駆動回路としての機能を有している。特にここでは、駆動巻線1Dの非ドット側端子を基準電位として、これにコンデンサ31の充電電圧を加えた電圧レベルが、FET29のゲートに与えられるようになっており、コンデンサ31は、駆動巻線1Dの非ドット側端子に発生する電圧に対して、一定の上方にレベルシフトした電位にFET29のゲートを保持するレベルシフト回路として設けられている。
【0037】
スイッチ素子としてのFET29は、FET2のオフ時にFET11のゲートからコンデンサ21に至る電流経路を短絡するもので、FET29がオンすると、FET11のゲートおよびコンデンサ21に蓄えられていた電荷を、FET29のドレインからソースを通してFET11のソースに放出する放電経路が形成される。また、この電荷放出の過程で、コンデンサ21よりもFET11のゲートに蓄積した電荷が先に完全に放出すると、今度はダイオード32が導通して、コンデンサ21に残留する電荷を完全に放出するようになっている。さらにツェナーダイオード33は、FET11,12の接続点の電位に対し、FET29のゲート電位がツェナー電圧以上にならないようにするもので、特に本実施例では、FET29のオフ時において、FET29のゲート電位を電圧降下Vf分下げて、FET29が確実にオンしないレベルにする誤動作防止回路としての機能を有している。
【0038】
次に、上記構成についてその作用を、図2の波形図を参照しながら説明する。なお、この図2において、最上段のVgs2は、主スイッチング素子であるFET2のゲート・ソース間電圧であり、以下のV1D,Vgs29,Vgs11は、駆動巻線1Dの非ドット側に発生する電圧,FET29のゲート・ソース間電圧,FET11のゲート・ソース間電圧をそれぞれ示している。また、VthはFET29のドレイン電流が流れ出す閾値である。
【0039】
通常の動作時には、制御回路5からのパルス駆動信号によって、FET2をスイッチングさせることで、トランス1の一次巻線1Aに入力電圧Vinが断続的に印加され、それにより二次巻線1Bに誘起した電圧を、同期整流回路15が整流平滑することで、出力端子16A,16Bから負荷に所望の出力電圧Voutが供給される。
【0040】
この一連の動作の過程で、制御回路からのパルス駆動信号がHレベルになって、FET2がオンし、トランス1の一次巻線1Aに対し、そのドット側端子に正極性の入力電圧Vinが印加されると、二次巻線1Bと駆動巻線1D,1Eのドット側端子に正極性の電圧が誘起され、整流側駆動回路17のダイオード22はオンする。そのため整流側駆動回路17は、駆動巻線1Eからコンデンサ21を通してFET11のゲート・ソース間に電圧を印加し、FET11を直ちにオンにする。FET11のボディダイオードに電流が流れるデッドタイムを減らすことで、FET11としての効率を向上できる。
【0041】
これに対して、転流側駆動回路19はFET12に対し何も関与せず、代わりにFET2がオンすると転流側オフ回路20が動作して、FET12のゲート・ソース間に蓄えられていた電荷を速やかに放電させ、FET2がオンするのと同時にFET12を高速にオフさせる。このとき、コンデンサ31の一端が接続する駆動巻線1Dの非ドット側端子は、ドット側端子よりも電位が低く、また転流側オフ回路20がFET12のゲート・ソース間電圧を下げて、ダイオード34をオンにするので、FET29のゲート・ソース間電圧Vgs29は速やかに下がって、このFET29がオフする。
【0042】
FET29がオフする期間において、仮に大きなリンギングが発生した場合でも、ツェナーダイオード33の電圧降下Vfがある程度大きいことで、FET29のゲート・ソース間電圧Vgs29は、FET11,12のソース電位を基準として、それよりもさらに電圧降下Vf分マイナスに下がることになり、FET29が誤ってオン動作するのを確実に防止できる。
【0043】
その後、制御回路5からのパルス駆動信号がLレベルになって、FET2がオフすると、今度は二次巻線1Bと駆動巻線1D,1Eの非ドット側端子に正極性のフライバック電圧が発生し、転流側駆動回路19のダイオード23はオンする一方で、整流側駆動回路17のダイオード22はオフする。したがって転流側駆動回路19は、駆動巻線1DからFET12のゲート・ソース間に電圧を印加し、FET12を直ちにオンにする。FET12のボディダイオードに電流が流れるデッドタイムを減らすことで、FET12としての効率を向上できる。
【0044】
またこのとき、FET12をオンするための駆動巻線1Dの非ドット側端子の電位は、図2に示すように略正弦波状に変化するが、FET29のゲート・ソース間電圧Vgs29は、この駆動巻線1Dの非ドット側端子の電位に、コンデンサ31の充電電圧を加えた分が発生するので、FET2がオフになった直後から、FET29の閾値Vthよりも高くなり、それによってFET29を直ちにオンさせることができる。そのため、駆動巻線1Dの非ドット側端子とFET29のゲートを直接接続した場合よりも、FET11に蓄積した電荷を速やかに放電して、FET2がオフするのと同時にFET11を高速にオフさせることができる。FET2のオフ期間において、整流側駆動回路17はFET11に対し何も関与していないので、FET11のゲートおよびコンデンサ21に蓄えられていた電荷が、FET29のドレインからソースを経て放電し、やがてFET11のゲートに蓄積する電荷が完全に放電すると、今度はFET32がオンして、コンデンサ21に残留する電荷を完全に放電する。ここでFET29のゲート・ソース間電圧Vgs29は、コンデンサ31によるレベルシフトの効果で、ダイオード32がオフした直後から、次にFET2がオンする直前まで、閾値Vth以上を保っている。
【0045】
次に、複数の電源装置を負荷に並列接続する場合に、特定の電源装置の出力端子16A,16Bから外部電圧が印加された場合の動作を説明する。この場合、FET11,12のソース電位に比べて、二次巻線1Bのドット側端子の電位が高くなるが、制御回路5からのパルス駆動信号がオンからオフに移行すると、巻線1Dの非ドット側端子に発生する電圧によってFET29がオンし、FET11のゲートおよびコンデンサ21に蓄積された電荷を放電する。したがって、FET2がオフするのとほぼ同時に、FET11も速やかにオフすることができ、二次巻線1Bに大きなフライバック電圧が発生するのを確実に防止できる。
【0046】
以上のように、本実施例におけるスイッチング電源装置は、トランス1の一次巻線1AにFET2を接続し、トランス1の二次巻線1BにFET11とFET12とを含む同期整流回路15を接続すると共に、FET2にパルス駆動信号を供給する制御回路5を備えてなり、FET2がオフするのに同期して、FET11をオフにさせる整流側オフ回路18と、前記主スイッチング素子2がオフするのに同期して、FET12をオンに駆動させる転流側駆動回路19とを備えたものにおいて、とりわけ転流側駆動回路19が、トランス1に設けられた駆動巻線1Dからの電圧で、FET12をオンにする駆動信号を生成する構成を有し、また整流側オフ回路18は、駆動巻線1Dの一端に発生する電圧を上方にレベルシフトさせる容量性素子としてのコンデンサ31と、前記レベルシフトした電圧がスイッチ駆動信号として与えられるスイッチ素子としてのFET29を備え、FET2がオフするのに伴いFET29がオンすると、FET11の制御端子に蓄積した電荷をFET29を通して放電可能にする構成を有している。
【0047】
この場合、主スイッチング素子であるFET2がオフすると、駆動巻線1Dの一端に発生する電圧は緩やかに上昇するが、本実施例ではこの電圧をそのままFET29に供給するのではなく、コンデンサ31の充電電圧によって上方にレベルシフトさせた上で、FET29にスイッチ駆動信号として供給するので、FET29はFET2がオフするのとほぼ同時にオンして、FET11の制御端子であるゲートに蓄積した電荷を速やかに放電する。したがって、本来はFET12をオンに駆動させる転流側駆動回路19の駆動巻線1Dを利用して、この駆動巻線1Dにコンデンサ31を付加するだけで、FET2がオフするのと同時に、FET11も速やかにオフさせることができる。
【0048】
また本実施例では、FET29がオフすると、このFET29の制御端子であるゲートの電位を、FET11,12の接続点であるソース電位よりも下げる誤動作防止回路としてのツェナーダイオード33を備えている。
【0049】
このようにすると、FET2がオンすることに伴ない、駆動巻線1Dの一端に発生する電圧が低下してFET29がオフすると、FET29のゲート電位が、FET11,12の接続点の電位よりも低くなる。そのため、大きなリンギングがFET29のゲートに発生した場合でも、FET29のゲート電位が下がっていて、FET29がオンするには至らず、FET29が誤ってオン動作するのを確実に防止できる。
【0050】
特に本実施例では、FET29のゲートにリンギングが発生した場合でも、FET29のゲート電位が閾値Vthに達しないように、ツェナーダイオード33の順方向電圧降下Vfを設定しているので、最適な順方向電圧降下Vfの特性を有するツェナーダイオード33を誤動作防止回路として予め組み込むだけで、FET29の誤動作を簡単且つ確実に防止できる。
【実施例2】
【0051】
図3は、実施例1の基本構成を改変した回路例で、ここではコンデンサ31に抵抗37を直列に接続した点が、図1に示す基本構成とは異なる。この抵抗37はコンデンサ31と共に、FET29のゲートに発生するリンギングを調整する電圧調整回路を構成している。コンデンサ31と抵抗37とによる時定数を調整することで、FET29がオフしている間に、FET29のゲートに発生するリンギングの電圧レベルを抑制できる。その他の構成および作用効果は、基本構成と全く共通している。
【実施例3】
【0052】
図4は、実施例1の基本構成を改変した別の回路例である。本例では、実施例1で示したような駆動巻線1Eとダイオード22が設けられておらず、代わりに二次巻線1Bとコンデンサ21とにより整流側駆動回路17を構成する点が注目される。つまりここでは、FET2がオンするのに同期して、トランス1の駆動巻線1Eからではなく、二次巻線1Bのドット側端子に発生する電圧を利用して、FET11のゲートに駆動信号を供給することで、このFET11をオンに駆動させる整流側駆動回路17を備えている。これによって、トランス1にわざわざ駆動巻線1Eを設けなくても、二次巻線1Bに発生する電圧(出力電圧Vout)を利用してFET11をオンに駆動できれば、その駆動巻線1Eを省略して、トランス構造の簡素化を図ることができる。
【0053】
なお、この例では出力電圧Voutからコンデンサ21を介してFET11を直接駆動しているが、コンデンサ21に代わり抵抗を介在させてもよい。その他の構成および作用効果は、基本構成と全く共通している。
【実施例4】
【0054】
図5は、実施例1の基本構成を改変した別の回路例である。本例では、実施例1に示す回路に、電圧生成回路41としての抵抗42,43と、コンデンサ44と、ダイオード45とを追加した点が注目される。
【0055】
より具体的には、FET29のゲートに抵抗42の一端を接続し、またFET12のゲートにダイオード45のアノードを接続し、これらの抵抗42とダイオード45のカソードを、抵抗43とコンデンサ44からなる並列回路の一端に接続すると共に、この並列回路の他端をFET11のソースに接続して、前記電圧生成回路41を構成している。
【0056】
電圧生成回路41は、制御回路5がFET2にパルス駆動信号を供給する動作時に、補助巻線1Dの非ドット側端子に誘起される電圧を利用して、抵抗42またはダイオード45を介してコンデンサ44を充電し、このコンデンサ44の両端間に、FET11,12の接続点であるソースよりも高い電圧を生成する。一方、制御回路5がFET2にパルス駆動信号を供給する動作を停止する動作停止時になると、コンデンサ44の両端間に生成した電圧によって、FET29のゲート電位を抵抗42でプルアップして、FET11,12のソース電位よりも一定時間高く保ち、FET29をオン状態に保持する。これにより、制御回路5ひいては電源装置の停止時において、FET11のゲートに蓄積する電荷を速やかに放出して、FET11をオフ状態に保ち、FET11,12が交互にオンする自励発振動作を確実に回避することができる。その他の構成および作用効果は、基本構成と全く共通している。
【実施例5】
【0057】
図6は、実施例1の基本構成を改変した別の回路例である。ここでは、FET11と直列にインダクタまたは可飽和リアクトルなどの誘導性素子51を接続した点が、実施例1の回路とは異なる。
【0058】
この誘導性素子51は、例えば特許第4234915号公報明細書に記載されるように、電流が流れ始める過渡状態では、極めて大きなインピーダンスを有するが、その後の定常状態ではインピーダンスが極めて小さくなる素子である。したがって、FET2に同期してFET11,12が正しいタイミングでオン・オフを繰り返す正常動作において、誘導性素子51は平滑コンデンサ14の充電に支障なく作用するものの、例えばFET11がオフで、FET12がオンからオフになる前に、FET2がオンになる場合などにおいて、誘導性素子51を接続した電流経路に正常時よりも大きな電流が発生しようとすると、その電流の流れ始めに誘導性素子51のインピーダンスが極めて大きくなって、当該電流を制限し、整流平滑回路15を含めたトランス1の二次側回路に大電流が流れるのを防ぐことができる。
【0059】
また、補助巻線1Dからの電圧を利用して、FET12をオンに駆動させる転流側駆動回路19が設けられている場合、本例のような誘導性素子51を付加すると、誘導性素子51に発生するリンギング電圧で補助巻線1Dに発生するリンギング電圧を相殺して、FET29のゲート・ソース間電圧のリンギングを抑制できる。その他の構成および作用効果は、基本構成と全く共通している。
【実施例6】
【0060】
図7に示す別な回路例は、図6における転流側オフ回路20が、ダイオード52と、スイッチ素子であるFET53と、抵抗54とにより示されている。ここでの整流側オフ回路20は、誘導性素子51に流れる電流によりその両端に誘起した電圧値が一定値を越えたら、FET53をオン状態にして、FET12のゲートに蓄積された電荷を、ダイオード52からFET53を通して放電するようにし、FET12をオフにさせるように構成しており、それにより誘導性素子51に流れる電流を利用して、FET12を確実にオフさせることができる。なお、その他の構成および作用効果は、図6における回路構成と全く共通している。
【実施例7】
【0061】
図8に示す回路例は、上記説明した実施例1,2,4〜6の回路例を適宜組み合わせたものである。これらの各部における動作は、上述した通りであるので、繰り返して説明はしない。
【0062】
その他にここでは、FET11のゲートにアノードを接続したダイオード24と、ダイオード24のカソードと二次巻線1Bのドット側端子との間に接続した抵抗61と、補助巻線1Eのドット側端子と、コンデンサ21の一端およびFET29のドレインの接続点との間に接続した抵抗62と、補助巻線1Eのドット側端子とFET53のゲートとの間に接続したコンデンサ63と、FET11のゲート・ソース間に接続した抵抗64と、FET12のゲート・ソース間に接続した抵抗65と、誘導性素子51の両端間に接続され、この誘導性素子51をバイパスして、FET11のソースからチョークコイル13またはFET12のソースへの電流の流れを可能にするダイオード66と、誘導性素子51の一端とFET53のゲートとの間に接続するダイオード67と、補助巻線1Eの非ドット側端子にアノードを接続したツェナーダイオード68と、ツェナーダイオード68のカソードにカソードを接続し、FET12のゲートにアノードを接続したダイオード69と、をそれぞれ付加している。なお、平滑コンデンサ14は複数の容量性素子を並列接続することにより構成してもよい。
【0063】
図9は、図8の回路例における実測結果を示すもので、Vds2はFET2のドレイン・ソース間電圧,Vgs11はFET11のゲート・ソース間電圧,Vgs29はFET29のゲート・ソース間電圧を示している。ここに示すように、FET2のオン期間において、FET29のゲート・ソース間電圧Vgs29は、FET11,12のソース電位に対して、ツェナーダイオード33の順方向電圧降下Vf分がマイナスに下がっている。そのため、FET29がリンギングにより誤ってオンする動作を回避できる。
【0064】
また図10は、図8の回路例において、制御回路5を停止させたときの各部の動作を示している。ここにあるVoutは出力端子16A,16B間の電圧,Vpoは、制御回路5への動作信号で、この動作信号の電圧レベルがHからLに切換わった後は、制御回路5としての動作が停止している。さらにVgs29はFET29のゲート・ソース間電圧を示している。制御回路5の動作が停止した後、FET29のゲート・ソース間電圧Vgs29は抵抗42でプルアップされる。これにより、FET29はオンし続けてFET11を確実にオフ状態にし、従来のような自励発振を回避することができる。
【0065】
なお本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば上記各実施例に共通して、主スイッチング素子,整流側および転流側同期整流素子,スイッチ素子は、何れもMOS型FETに限定されるものではなく、他の制御端子付き半導体素子であってもよい。また、コンデンサ31に代わる容量性素子を用いたり、誤動作防止回路としてツェナーダイオード33以外の素子を利用したりしてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 トランス
1A 一次巻線
2 FET(主スイッチング素子)
5 制御回路
11 FET(整流側同期整流素子)
12 FET(転流側同期整流素子)
15 同期整流回路
17 整流側オン回路(整流側駆動回路)
18 整流側オフ回路
19 転流側オン回路(転流側駆動回路)
20 転流側オフ回路
29 FET(スイッチ素子)
31 コンデンサ(容量性素子)
33 ツェナーダイオード(誤動作防止回路)
37 抵抗
41 電圧生成回路
51 誘導性素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスの一次巻線側に主スイッチング素子を備え、このトランスの二次巻線側に、整流側同期整流素子と転流側同期整流素子とを含む同期整流回路を備えると共に、前記主スイッチング素子にパルス駆動信号を供給する制御回路を備えてなり、
前記主スイッチング素子がオフするのに同期して、前記整流側同期整流素子をオフにさせる整流側オフ回路と、
前記主スイッチング素子がオフするのに同期して、前記転流側同期整流素子をオンに駆動させる転流側駆動回路と、を備えたスイッチング電源装置において、
前記転流側駆動回路は、前記トランスに設けられた駆動巻線から前記転流側同期整流素子をオンにする駆動信号を生成する構成を有し、
前記整流側オフ回路は、前記駆動巻線の一端に発生する電圧を上方にレベルシフトさせる容量性素子と、前記レベルシフトした電圧がスイッチ駆動信号として与えられるスイッチ素子と、を備え、前記主スイッチング素子がオフするのに伴い前記スイッチ素子がオンすると、前記整流側同期整流素子の制御端子に蓄積した電荷を放電可能にする構成とし、
前記スイッチ素子がオフすると、このスイッチ素子の制御端子の電位を、前記整流側同期整流素子および前記転流側同期整流素子の接続点の電位よりも下げる誤動作防止回路を備えたことを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項2】
前記容量性素子に接続され、この容量性素子と共に前記スイッチ素子の制御端子に発生するリンギングを調整する抵抗をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
前記主スイッチング素子がオンするのに同期して、前記トランスの二次巻線に発生する電圧を用いて、前記整流側同期整流素子をオンに駆動させる整流側駆動回路を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング電源装置。
【請求項4】
前記制御回路の動作時に、前記整流側同期整流素子および前記転流側同期整流素子の接続点よりも高い電位を生成し、前記制御回路の動作停止時に、この生成した電位によって前記スイッチ素子をオン状態に保持する電圧生成回路を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のスイッチング電源装置。
【請求項5】
前記整流側同期整流素子と直列に誘導性素子を接続したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のスイッチング電源装置。
【請求項6】
前記誘導性素子に流れる電流を検出し、この電流が一定値を越えたら、前記転流側同期整流素子をオフにさせる転流側オフ回路をさらに備えたことを特徴とする請求項5記載のスイッチング電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図14】
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【図15】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−10463(P2011−10463A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151467(P2009−151467)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(390013723)TDKラムダ株式会社 (272)
【Fターム(参考)】