説明

スキンケア用化粧品組成物

本発明は、スキンケアのための化粧品組成物に適用する乳化剤としてのシロキサンの使用、並びに、そのような乳化剤を含む化粧用乳濁液に関するものである。前記組成物は、W/O乳濁液、O/W乳濁液及び多層乳濁液用のアミノ官能性有機ポリシロキサンを含む。前記乳濁液は、容易に形成され、極めて安定であり、且つ、電解質を添加する必要がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧用スキンケア組成物用の乳化剤におけるシロキサンの使用並びにそのような乳化剤を含む化粧用スキンケア組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最新技術から、アミノ官能性シロキサン類が、濡れ状態及び乾燥状態での櫛梳き性を高め、摩擦電気帯電を減らすことによってヘアコンディショニング用の有効成分であることが知られている。ヘアカラー製剤及びパーマネントウェーブ製品もそのようなシロキサン類を含む。例えば、US−A−5804173では、パーソナルケア組成物について言及されており、実施例13で、プレミックスA(premix A)中に公知のヘアコンディショナーとしてアモジメチコンを含むヘアスタイリングリンス組成物が示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、新たな乳化剤を用いたスキンケア用化粧品組成物の開発である。
【0004】
別の目的は、乳化剤として有機ポリシロキサンを用いるスキンケア組成物の製造である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のスキンケア用化粧品組成物は、化粧用O/W乳濁液、W/O乳濁液又は多層乳濁液中の乳化剤として、0.1〜10重量%のアミノ官能性有機ポリシロキサンを含む。
【0006】
ある種のアミノ官能性有機ポリシロキサンを用いることで、それ以上乳化剤を加えずに非常に迅速に安定な乳濁液が得られることが認められている。
【0007】
アミノ官能性有機ポリシロキサンは、ある好ましい実施形態において、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル基を含む。
【0008】
アミノ官能性有機ポリシロキサンは、1800〜4500g/molのアミン当量、好ましくは1800〜2200g/molのアミン当量を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
アミノ官能性有機ポリシロキサンは、例えばINCI名アモジメチコンで化粧品中に主要物質として含まれている。その製品の供給者は、例えばドイツのワッカー・ケミー社[Wacker-Chemie GmbH、ワッカー−ベルジル(Wacker-Belsil;登録商標)ADM6057E];ダウ・コーニング社[Dow Corning Corp., Midland, USA、DC2−8566アミノ・フルード(Amino Fluid)];GEシリコーンズ[GE Silicones, Waterford, USA、SM2658(登録商標)]である。別の好ましい製品は、信越(Shin-Etsu)のKF−880(登録商標)又はKF−8704(登録商標)である。
【0010】
本発明の化粧用スキンケア組成物は、O/W乳濁液、W/O乳濁液又は多層乳濁液又は微細乳濁液を含む。多層乳濁液は、例えばW/O/W乳濁液、O/W/O乳濁液、Si/W/O乳濁液などである。
【0011】
「スキンケア組成物」という用語は、通常のクリーム、ローション又はスティック並びにリップスティック、マスカラなどの装飾化粧製品を指すが、ヘアコンディショニング製品又はヘアカラー製品は除外される。
【0012】
業界で使用される代表的な乳化剤に代えて前記の新たな乳化剤を用いて形成される乳濁液は、従来製造されている乳濁液と同様に良好で、殆どの場合でそれより良好である。その乳濁液は、通常はホモジナイザーを用いずに、非常に迅速に、且つ高温若しくは低温で容易に形成される。30〜50重量%水相に必要な乳化剤の量は、0.5〜2%の範囲である。前記の新たなアミノ官能性乳化剤を含む乳濁液の安定性は、従来の乳濁液に勝る。
【0013】
例えば前記の新たなスキンケア組成物がスティックとして存在する場合、それは55重量%以下の水、好ましくは40〜55重量%、特には48〜55重量%を含むことができる。そのようなスティックには、制汗剤スティック及び消臭スティックなどもある。そのスティックは、そのような高含水率で発汗プロセスを示さない。
【0014】
特に強調すべきは、0.5〜0.6重量%というそのような低い乳化剤濃度で、50重量%までの水を問題なく乳化可能であるという点である。W/O乳濁液、O/W乳濁液、Si/W乳濁液又はW/Si乳濁液その他を、同じように良好に製造することができる。
【0015】
更に、濡らすのが容易であることから、装飾化粧品用に通常のように高い割合で顔料を含ませることが可能である。更に、本発明の乳化剤を含むシリコーン乳濁液に、カラープレートレット(color platelets)を含ませることになる。
【0016】
従来の乳濁液に電解質を加えて安定な乳濁液を作ることが一般的手法である。前記新たな乳濁液は電解質を用いずに作ることができ、化粧品業界で一般的な全ての安定性基準に合格することができる。乳濁液での表面張力が低下するという更なる利点もあることから消泡剤が必要ない。
【0017】
本発明のスキンケア用乳濁液は、そのような組成物で従来使用されているように化粧品補助剤及び担体物質をも含むものであり、例えば保存剤、着色剤、着色効果を有する顔料、増粘剤、芳香剤、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコールのエステル類、極性及び非極性のオイル類、ポリマー、コポリマー、追加の乳化剤、ロウ類、安定剤などがある。
【0018】
使用可能な追加の化粧活性薬剤には、例えば無機及び有機の日焼け止め、捕捉剤、保湿物質、ビタミン類、酵素、植物性活性薬剤、ポリマー、コポリマー、メラニン、酸化防止剤、抗炎症性天然活性薬剤、フルオロシリコーン類などがある。
【0019】
本発明において、使用されるオイルは、鉱油、水添ポリイソブテン、合成源又は天然源からのスクアラン、化粧品用エステル類若しくはエーテル類(分岐若しくは未分岐で飽和又は不飽和であることができる)、植物油、フッ素化オイル又はそれらの2以上の混合物などの通常の化粧品用オイル類であることができる。
【0020】
特に好適なオイルは、例えばシリコーンオイル類、フッ素化オイル類、鉱油、水添ポリイソブテン、ポリイソプレン、スクアラン、トリメリット酸トリデシル、トリイソステアリン酸トリメチルプロパン、クエン酸イソデシル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、PPG−15−ステアリルエーテル、キンセンカオイル、ホホバオイル、アボカドオイル、マカダミアナッツオイル、ヒマシ油、カカオバター、ココナッツ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、パーム核油、菜種油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、小麦胚種油、ブドウ核油、ククイナッツ油、アザミ油及びこれらの混合物である。
【0021】
好ましいものには、高分子量ポリジメチルシロキサン類と揮発性シリコーンオイルの混合物もあり、例えばシクロメチコン又はジメチコン及びジメチコノールである。そのような混合物は、6〜15:1の範囲の揮発性シリコン/高分子量シリコーン比で400〜6000mPa・sの範囲の粘度を有する。液体ロウを1〜80重量%の割合で存在させることができ、固体ロウを約15重量%以下で存在させることができる。
【0022】
それらは、やはり製剤中に水を含まずに特殊な光沢のある被膜及び絹のような滑らかな被膜を示す。
【0023】
特に好ましいものは、モノエステル類、ジエステル類、トリエステル類、炭化水素、揮発性及び非揮発性のアルカン類及びアルケン類である。
【0024】
好ましいアルカン類には、イソドデカン、イソヘキサデカン又はそれらの混合物がある。好ましいアルケン類は、(INCI名):水添又は非水添ポリイソブテン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリブチレン、ポリエチレン、ポリブタジエン類である。
【0025】
好適な多価アルコールエステルは、C10〜C15脂肪酸とアルコールのエステル、C10〜C15脂肪酸とグリコールのエステル、又はヒドロキシ脂肪酸のエステルである。多価アルコールのジ若しくはトリエステルなどの他のエステルと組み合わせた分岐C12〜C15アルキルエステルが油相では特に有利であり、直鎖アルコールと分岐酸のエステルが特に好ましい。これらの好適なエステルは何れも1級アルコールから誘導される。
【0026】
油相に好適な物質には、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプロン酸プロピレングリコール、アジピン酸ジオクチル、ジリノール酸ジイソプロピルダイマー、ジリノール酸ジイソステアリルダイマー、乳酸C12〜C13アルキル、酒石酸ジ−C12〜C13アルキル、クエン酸トリ−C12〜C13アルキル、乳酸C12〜C15アルキル、ジオクタン酸PPG、ジオクタン酸ジエチレングリコール、メドウフォームオイル、ババス油、ホホバオイル、ぬか油、オレイン酸C12-15アルキル、アボカドオイル、ネオペンタン酸トリデシル、蜜ロウ、セテアリルアルコール及びポリソルベート60、カンデリラロウ、C18-26トリグリセリド類、セテアリルアルコールとセテアリルグルコシド、アセチル化ラノリン、ヒドロキシステアリン酸グリセリル、C18-36酸グリコールエステルなどがあり、C18-36トリグリセリド類、ヒドロキシステアリン酸グリセリル、カンデリラロウ及びそれらの混合物などの物質が特に好ましい。
【0027】
本発明の乳濁液の可能な成分である多価アルコールは、例えばプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール類、ソルビトール及びそれらの混合物である。
【0028】
本発明の乳濁液の製造用のロウ類は、天然植物ロウ類、動物ロウ類、天然及び合成鉱物ロウ及び合成ロウから選択することができる。カルナバロウ、カンデリラロウ、オゾケライト、蜜ロウ、モンタンロウ、羊毛脂、セレシン、マイクロ・ワックス類、パラフィンロウ類、ワセリン、シリコンロウ、ポリエチレングリコールロウ類又はポリエチレングリコールエステルロウ類などがある。好ましいロウ類には、カルナバロウ、カンデリラロウ、カスターワックス、オリーブワックス、蜜ロウ、微結晶ロウ、オゾケライト、ポリエチレンロウがある。ロウ類は、20重量%以下の割合で存在させることができる。
【0029】
本発明の乳濁液での被膜剤の使用も可能である。被膜剤には、アクリル酸エステル、ポリウレタン類、PVP及びPVPコポリマーがある。好ましい被膜剤は、ショ糖酢酸イソ酪酸エステルである。他の好ましい被膜剤は、例えばポリブテン(INCI)などの高分子量ポリブテン類等のアルケン類であると考えられる。
【0030】
本発明の乳濁液での増粘剤及びヒドロコロイド類の使用も可能である。増粘剤には、ベントン、チキシン(thixcin)、塩化ナトリウムなどの電解質、金属石鹸などがある。
【0031】
本発明による乳濁液は、有利には酸化防止剤を含むこともできる。酸化防止剤には、ビタミンC及びそれの誘導体(例えば、アスコルビン酸の酢酸塩、リン酸塩及びパルミチン酸塩);ビタミンA及びそれの誘導体;葉酸及びそれの誘導体、ビタミンE及びそれの誘導体(酢酸トコフフェリルなど)などのビタミン類;フラボン類又はフラボノイド類;ヒスチジン、グリシン、チロシン、トリプトファン及びそれらの誘導体などのアミノ酸;シス若しくはトランス−ウロカニン酸及びそれらの誘導体などのイミダゾール;D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシン及びそれらの誘導体などのペプチド類;例えばα−カロテン、β−カロテンなどのカロテノイド類及びカロテン類;リコピン;尿酸及びそれの誘導体;クエン酸、乳酸、リンゴ酸などのα−ヒドロキシ酸類;パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリンなどのα−ヒドロキシ脂肪酸類;スチルベン及びそれの誘導体;マンノース及びそれの誘導体;ジヒドロリポ酸などのリポ酸及びそれの誘導体;フェルラ酸及びそれの誘導体;グルタチオン、システイン及びシスチンなどのチオール類などがある。
【0032】
ビタミンA又はパルミチン酸ビタミンA(レチノール)及びビタミンEの添加が特に好ましい。
【0033】
更に、本発明による乳濁液に、相当する水溶性及び/又は油溶性UVA又はUVBフィルター又はその両方を加えることが有利である。有利な油溶性UVBフィルターには、4−(ジメチルアミノ)−安息香酸−(2−エチルヘキシル)エステルなどの4−アミノ安息香酸誘導体;4−メトキシ桂皮酸(2−エチルヘキシル)エステルなどの桂皮酸のエステル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体;3−ベンジリデンカンファーなどの3−ベンジリデンカンファー誘導体などがある。
【0034】
好ましい油溶性UVフィルターは、ベンゾフェノン−3、ブチル−メトキシベンゾイルメタン、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、4−メチルベンジリデンカンファー、ホモサラート及びジメチルPABAオクチルである。
【0035】
水溶性UVBフィルターは、例えばベンゾフェノン若しくは3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体又は2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸のNa塩若しくはK塩などの塩である。
【0036】
UVAフィルターには、1−フェニル−4−(4′−イソプロパノールフェニル)プロパン−1,3−ジオンなどのジベンゾイルメタン誘導体などがある。
【0037】
特に好ましいものは、ベンゾフェノン−3、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、4−メチルベンジリデンカンファー、ホモサラート、オクトクリレン、メトキシ桂皮酸エチルヘキシル、p−メトキシ桂皮酸イソアミル、ジメチルPABAオクチル、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、サリチル酸エチルヘキシル、メチレンビス−ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール、フェニルジベンズイミダゾール二ナトリウム・テトラスルホン酸塩、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンである。
【0038】
日焼け止めフィルターとして好ましいものは、TiO2、SiO2、ZnO、Fe23、ZrO2、MnO、Al23(これらはそれらの混合物で用いることも可能である)などの金属酸化物に基づく無機顔料である。
【0039】
無機顔料として特に好ましいものは、WO99/06012によるTiO2及び/又はZnOの凝集体基質であり、SiO2粒子が0.05μm〜1.5μmの範囲の粒径を有する球形で多孔性のSiO2粒子を含有し、そのSiO2粒子に加えて球形構造を有する他の無機粒子様物質が存在しており、前記球形SiO2粒子が前記の他の無機物質とともに所定の凝集体を形成していて、その粒径は0.06μm〜5μmである。
【0040】
本発明の乳濁液には、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール及びそれらの混合物などの有用な保湿剤もある。
【0041】
本発明の乳濁液が更に柔軟剤を含む場合、その柔軟剤は通常、ステアリルアルコール、モノリシノール酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、セチルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソブチル、オレイルアルコール、ラウリン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オクタデカン−2−オール、イソセチルアルコール、パルミチン酸セチル、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーンオイル類、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオバター、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油などの植物油、鉱油、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸などの複数の化合物の形態で提供される。
【0042】
顔料、顔料混合物又は真珠光沢効果を有するものなどの顔料様効果を有する粉末には、例えば酸化鉄類、オーカーなどのケイ酸アルミニウム類、酸化チタン、雲母、カオリン、アンバー及び赤色膠灰粘土(red bole)などのマンガン含有粘土、炭酸カルシウム、タルク(French chalk)、雲母−酸化チタン、雲母−酸化チタン−酸化鉄、オキシ塩化ビスマス、ナイロンビーズ、セラミックビーズ、膨張及び非膨張合成ポリマー粉末、粉砕した固体の藻、粉砕した植物部分、カプセル化及び非カプセル化穀物デンプンなどの粉末天然有機化合物並びに雲母−酸化チタン−有機色素などがあり得る。タルク、PMMA、ポリウレタンなどの他の充填剤も、本発明の乳濁液で使用可能である。
【0043】
通常の着色剤、処理及び未処理の色素も使用可能である。
【0044】
本発明の乳濁液内では、ナイロンビーズなどの顔料の割合は、約30重量%以下とすることができ、他の顔料は20重量%まで存在させることができる。
【0045】
電解質を添加することで、更に加えられる親水性乳化剤の溶解度挙動が変わるが、電解質の添加は好ましいものではない。親水性乳化剤は、油相が水を可溶化する間に部分的な転相を受ける。その結果、安定な乳濁液、特には微細乳濁液又はO/W/O−乳濁液が生ずる。好適な電解質は、塩化物イオン、ホウ酸イオン、アルミン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭酸イオンなどの無機酸素系アニオンなどのアニオンを含む塩である。有機アニオンに基づく電解質には、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、プロピオン酸塩、酢酸塩及び安息香酸塩並びにEDTAとそれの塩類などがある。
【0046】
塩のカチオンは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン類、アルキルアンモニウムイオン類、鉄イオン類、亜鉛イオン類であることができる。
【0047】
別の電解質が存在する場合、それは0.01〜3重量%、好ましくは0.1〜2.5重量%の範囲で含まれていても良い。
【0048】
本発明による化粧用スキンケア組成物の使用は、例えば日焼け止めクリーム、日焼け後製品、デイクリーム、ナイトクリーム、顔面パック、ボディローション、クレンジングローション、目の化粧品、シャワーオイル、バスオイル、消臭剤の形態、更にはメーキャップ用品、リップスティック、マスカラ、ファンデーション、口紅、フェイスティント、コンシーラー、リップグロス、ほお紅、アイシャドーなどの装飾用化粧品の形態とすることができる。
【0049】
トランスファープルーフ(transfer-proof)リップスティックでは、シリコーンオイル及び高分子量ポリジメチルシロキサンの混合物を80重量%以下、炭化水素中のアルカン又はアルケンを30重量%以下、そして水を80重量%以下で加えることができる。
【0050】
そのような製品の製造は、当業者が公知の方法で行う。装飾用化粧品が好ましく、特にはリップスティック、メーキャップ用品、マスカラ、ファンデーション、アイライナー、口紅、コンシーラー、アイシャドー又はリップグロスである。
【実施例】
【0051】
下記において、実施例によって本発明を詳細に説明する。パーセント値は何れも、別段の断りがない限り重量基準である。
【0052】
実施例1:リップスティックI
相A
イソドデカン … 40
ポリブテン … 10
ポリエチレン … 10
保存剤 … 1
着色剤/顔料 … 10
KF−880(信越) … 1
相B
水 … 28
【0053】
相Aの成分を95℃で加熱し、1500rpmで均一になるまで混和する。相Bを90〜95℃で加熱する。その後、相Bを相Aに加え、均一になるまで混和する。次に、生成物を、80℃のリップスティック鋳型に注入する。
【0054】
実施例2:リップスティックII
実施例1の相Aの成分に、1%ポリイソブテンを加える。相Bの水の量を27%まで減らす。製造工程は実施例1の場合と同じである。
【0055】
実施例3:マスカラI及びII
相A
イソドデカン … 40
ロウ … 10
着色剤及び顔料 … 10
保存剤 … 1
DC2−8566アミノフリード … 2
アビル(Abil:登録商標)Em−90 … 1 (I) ; 0.6 (II)
相B
水 … 100までの充分な量
【0056】
実施例4:リップクリーム(Lip Balm)
相A
セチルジメチコン … 15
ポリブテン … 30
保存剤 … 1
ジメチコン … 2
DC2−8566(登録商標)アミノフリード … 2
相B
水 … 100までの充分な量
【0057】
実施例5:アイシャドーI及びII
相A
セチルジメチコン … 15
ポリブテン … 30 (I) ; 26 (II)
保存剤 … 1
ジメチコン … 2
DC2−8566(登録商標)アミノフリード … 1.8 (I) ; 0.5 (II)
相B
水 … 100までの充分な量
【0058】
実施例6:リップスティックIII
相A
イソドデカン … 40
ポリブテン … 8.5
ポリエチレン … 10
保存剤 … 1
着色剤/顔料 … 10
KF−880(登録商標)(信越) … 3.5
相B
水 … 100までの充分な量
【0059】
実施例7:トランスファープルーフリップスティック
ジメチコノール及びジメチコン … 20
シクロペンタシロキサン及びジメチコノール … 30
ポリブテン/イソドデカン(1:1) … 6
ポリエチレンロウ(流体) … 4
KF−880(登録商標) … 3
保存剤 … 0.3
着色剤 … 2
雲母 … 2
ナイロンビーズ … 2
水 … 100までの充分な量
【0060】
実施例8:耐久性(longwaring)アイシャドー
ジメチコノール及びジメチコン … 40
シクロペンタシロキサン及びジメチコノール … 5
ポリブテン/イソドデカン(1:1) … 6
ポリエチレンロウ(流体) … 1
KF−880(登録商標) … 2
保存剤 … 0.3
着色剤 … 1
雲母 … 2
ナイロンビーズ … 2
ポリエチレンロウ(固体) … 5
水 … 100までの充分な量
【0061】
実施例9:フェースティント
シクロペンタシロキサン及びジメチコノール … 40
ポリブテン/イソドデカン(1:1) … 5
ポリエチレンロウ(流体) … 1
KF−880(登録商標) … 3
保存剤 … 0.3
着色剤 … 1
雲母 … 1
ナイロンビーズ … 1
水 … 100までの充分な量
【0062】
実施例10:制汗剤
シクロテトラシロキサン及びシクロヘキサシロキサン及びシクロペンタシロキサン … 20
PPG−3ベンジルエーテルミリステート … 2.5
イソステアリン酸グリセリル及びカプリル酸/カプリン酸グリセリド … 1.5
ポリエチレン … 7.0
オゾケライト … 2.0
セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン … 1.0
アミノプロピルジメチコン及びジメチコン … 1.5
水 … 100までの充分な量
アルミニウム・ジルコニウム・テトラクロロハイドレックスGLY(36%)の水溶液 … 40
芳香剤 … 1
【0063】
実施例11及び12(比較例)
安定性試験を実施し、その試験では、スティックの形態の被験物20個を温度50℃及び相対空気湿度55%の温度・湿度調節室で保管した。被験物は、実施例2及び実施例7に従って構成したものである。
【0064】
2週間ごとに、検査を実施した。8週間後、実施例2によるスティックでも実施例7によるものでも汗かきを認めることはできなかった。これら2種類のスティックの何れの被験物でも、色にじみを認めることはできなかった。
【0065】
実施例13(比較例)
試験期間中に13の異なる側面に関して製品を評価するよう依頼した試験者を用いて行った試験で、実施例5(I)による組成物の全体的な評価は以下の通りであった(試験者の%で表示)。
適度 … 12%
良好 … 8%
非常に良好 … 31%
優良 … 47%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品用O/W乳濁液、W/O乳濁液又は多層乳濁液中で油相及び水相用の乳化剤として、0.1〜10重量%のアミノ官能性有機ポリシロキサンを含むスキンケア用化粧品組成物。
【請求項2】
前記アミノ官能性有機ポリシロキサンが3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル基を有する請求項1に記載のスキンケア用組成物。
【請求項3】
前記アミノ官能性有機ポリシロキサンが1800〜4500g/molのアミン当量を有する請求項1に記載のスキンケア用組成物。
【請求項4】
前記アミノ官能性有機ポリシロキサンが1800〜2200g/molのアミン当量を有する請求項1に記載のスキンケア用組成物。
【請求項5】
前記アミノ官能性有機ポリシロキサンがアモジメチコンである請求項1に記載のスキンケア用組成物。
【請求項6】
前記乳濁液がアミノ官能性有機ポリシロキサン及び1種類以上の別の乳化剤を含む請求項1に記載のスキンケア用組成物。
【請求項7】
前記乳濁液が、水相の基本成分としての水及び油相中の1以上の成分を含むO/W乳濁液又はW/O乳濁液であり、前記油相の基本成分がモノエステル類、ジエステル類、トリエステル類、炭化水素、揮発性及び非揮発性のアルカン類及びアルケン類、シリコーンオイル類、シリコーンオイルと高粘度ポリシロキサンの混合物、並びにそれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載のスキンケア用組成物。
【請求項8】
前記アルカン類がイソドデカン、イソへキサデカン又はそれらの混合物である請求項1に記載のスキンケア用組成物。
【請求項9】
前記乳濁液がポリエチレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリデセン、ポリイソプレン、エチレン/プロピレン/スチレンコポリマー及びブチレン/エチレン/スチレンコポリマーからなる群から選択されるポリマー、コポリマー又はそれらの混合物を含む請求項1に記載のスキンケア用組成物。
【請求項10】
前記乳濁液が被膜剤としてポリブテンを含む請求項1に記載のスキンケア用組成物。
【請求項11】
前記乳濁液が、乳化剤としての前記アミノ官能性有機ポリシロキサンを0.4〜7重量%の範囲で含む請求項1に記載のスキンケア用組成物。
【請求項12】
前記乳濁液が、乳化剤としての前記アミノ官能性有機ポリシロキサンを0.4〜3.5重量%の範囲で含む請求項11に記載のスキンケア用組成物。
【請求項13】
前記乳濁液が、80重量%以下のシリコーンオイル及び高分子量ポリジメチルシロキサンの混合物を含む請求項1に記載のスキンケア用組成物。
【請求項14】
前記組成物が8〜15重量%の顔料を含む請求項1に記載のスキンケア用組成物。
【請求項15】
前記化粧品用乳濁液が、日焼け止めクリーム、日焼け後製品、デイクリーム、ナイトクリーム、顔面パック、ボディローション、クレンジングローション、目の化粧品、シャワーオイル、バスオイル、消臭剤、リップスティック、メーキャップ用品、マスカラ、ファンデーション、アイライナー、口紅、フェイスティント、コンシーラー、アイシャドー又はリップグロスである請求項1に記載のスキンケア用組成物。
【請求項16】
40〜55重量%の範囲の含水量を有するスティックである請求項1に記載のスキンケア用組成物。
【請求項17】
装飾用化粧品を含む化粧品用O/W乳濁液、W/O乳濁液又は多層乳濁液中での乳化剤としてのアミノ官能性有機ポリシロキサンの使用。
【請求項18】
前記アミノ官能性有機ポリシロキサンが3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル基を含み、1800〜4500g/molのアミン当量を有する請求項17に記載の使用。
【請求項19】
電解質を含まない乳濁液での請求項17に記載の使用。
【請求項20】
消泡剤を含まない乳濁液での請求項17に記載の使用。

【公表番号】特表2009−503019(P2009−503019A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524496(P2008−524496)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064773
【国際公開番号】WO2007/014908
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(507103271)コティ ドイツラント ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】