説明

スキージ,スキージヘッドおよびスクリーン印刷方法

【課題】 被印刷剤の印刷量不足,スクリーン上における残存を回避しつつ被印刷剤を被印刷体に印刷することができるスキージ,スキージヘッド,スクリーン印刷方法を提供する。
【解決手段】 主スキージ部材90の中央の両側に、主スキージ部材90より軟らかい材料から成る副スキージ部材92,94をスクリーンの貫通孔がないマージン部のうちプリント基板上の部分と外れた部分とに跨って接触するように設ける。副スキージ部材92,94はスクリーンへの接触端にリップ部144を備え、前面に掻寄せ面140を備える。スキージ80がクリーム状はんだを貫通孔に押し込む際、スクリーンのプリント基板から外れた部分は下方へ撓み、主スキージ部材90から逃げるが、弾性変形容易な副スキージ部材92,94はリップ部144の圧縮変形によりスクリーンに密着、追従してクリーム状はんだを掻き取り、掻寄せ面140が主スキージ部材90の中央側へ掻き寄せる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷機用のスキージ,スキージヘッドおよびスクリーン印刷方法に関するものであり、特に、スクリーン上に載せられた被印刷剤の処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷機により、例えば、クリーム状はんだがプリント基板に印刷される。クリーム状はんだはスクリーン上に載せられ、スクリーン上を摺動させられるスキージにより印刷用の貫通孔に押し込まれ、スクリーンの下に配置されたプリント基板に印刷される。クリーム状はんだはスキージによりスクリーン上から掻き取られ、移動させられつつ貫通孔に押し込まれるのであるが、スキージがクリーム状はんだを掻き取り損ね、クリーム状はんだがスクリーン上に残ることがあれば、大気に触れる表面積が大きく、劣化が促進され、はんだ廃棄量の増大を招来し、スクリーンの清掃も大変である。
【0003】
そのため、下記の特許文献1に記載のスクリーン印刷機においては、スキージの長さ方向の両端にそれぞれサイドスキージが設けられ、クリーム状はんだがスキージの長さ方向において外側へ漏れる横漏れによってスクリーン上に残ることが防止されている。これらサイドスキージはそれぞれ、板状を成し、スキージの移動方向に平行に設けられるとともに、スキージから、印刷時における移動方向の前方と後方とへ延び出させられた平行部と、その平行部の後方へ延び出させられた延出し端部がスキージの長さ方向の中央部側へ屈曲させられて成る屈曲部とを有し、一対のサイドスキージの各屈曲部の先端部間の間隔が、スキージの長さより短くされている。このスクリーン印刷機はスキージを1対備え、それら1対のスキージがスクリーンに対して互いに逆向きに移動させられて交互にプリント基板にクリーム状はんだを印刷し、サイドスキージは、スキージによって移動させられるクリーム状はんだがスキージの長さ方向に広がり、スキージからはみ出してスクリーン上に残ることを防止する。その際、スキージとサイドスキージとの間からクリーム状はんだが漏れても、そのクリーム状はんだはサイドスキージの屈曲部に案内されてスキージの中央部側へ寄せられ、スクリーンのスキージの移動経路内に残される。そのため、次に他方のスキージが移動してクリーム状はんだをプリント基板に印刷する際に共に移動させられ、スクリーン上から回収される。
【特許文献1】特開平6−39999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のスクリーン印刷機においてはなお、スキージにより掻き取られず、スクリーン上に残ったままとなるクリーム状はんだが生ずる。スキージは長手形状の板状を成し、その長さ方向がスクリーンに平行な姿勢でスクリーン上を摺動させられるのであるが、プリント基板より長くされることが多く、その長手方向の両端部はプリント基板から外れた状態でスクリーン上を移動する。そのため、印刷時にはスキージは所定の接触荷重でスクリーンに接触させられつつ移動させられ、被印刷剤を貫通孔に押し込むための圧力を発生させるのであるが、プリント基板がない部分については、その押込圧力に対抗する部材がなく、スクリーンが下方へ逃げ、スキージから離れるため、クリーム状はんだがスクリーンとスキージとの隙間に入り込んで、スクリーン上に残るのである。
スキージを硬度の低いものとし、弾性変形が容易なものとするか、あるいはスクリーンへの接触荷重を大きくすれば、スキージをスクリーンのプリント基板から外れた部分の撓みに追従させることが可能であるが、そのようにすれば、スキージが印刷用の貫通孔内に入り込み、一旦押し込んだクリーム状はんだの一部を抉り出してしまい、印刷量が不足する事態が生ずる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、被印刷剤の印刷量不足および被印刷剤のスクリーン上への残存を回避しつつ、被印刷剤を被印刷体に印刷することができるスキージ,スキージヘッドおよびスクリーン印刷方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために、印刷用の貫通孔が形成されたスクリーンを通して、被印刷剤を、そのスクリーンの下に配置された被印刷体に印刷するスクリーン印刷機用のスキージを、(A)スクリーン上を摺動させられ、そのスクリーン上に載せられた被印刷剤を貫通孔に押し込む主スキージ部と、(B)その主スキージ部の長さ方向の中央から外れた少なくとも一部分にスクリーンに接触可能に設けられ、少なくともそのスクリーンへの接触部の弾性変形が主スキージ部のスクリーンへの接触部より容易である副スキージ部とを含むものとしたことを特徴とする。
主スキージ部と副スキージ部とは一体不可分に構成してもよく、別体の主スキージ部材と副スキージ部材とを一体的に組み付け、組付け後は一体のスキージの主スキージ部と副スキージ部として機能するようにしてもよい。
本発明に係るスキージは、被印刷体の大きさ毎に専用としてもよく、大きさが異なる複数種類の被印刷体に共用としてもよい。被印刷体の大きさに応じて、主スキージ部の印刷に必要な長さが異なるのであるが、専用のスキージの場合、主スキージ部は、被印刷体の大きさに応じた長さを有するものとされ、その長さ方向の少なくとも一端に隣接して副スキージ部が設けられる。共用のスキージの場合、主スキージ部は、大きさが異なる複数種類の被印刷体に被印刷剤を印刷可能な長さを有するものとされ、副スキージ部は主スキージ部とは別体であって、被印刷体の大きさに応じて異なる主スキージ部の実印刷範囲(実際に貫通孔に被印刷剤を押し込んで印刷を行う範囲)の少なくとも一端に隣接して、連続的にあるいは段階的に位置調節が可能に設けられる。
【0006】
また、本発明に係るスキージヘッドは、(a)本発明に係るスキージと、(b)主スキージ部を着脱可能に保持する主スキージ部保持装置と、(c)その主スキージ部保持装置と主スキージ部との少なくとも一方に副スキージ部を着脱可能に取り付ける副スキージ部取付装置とを含むように構成される。
主スキージ部保持装置と副スキージ部取付装置とは、別の装置としてもよく、少なくとも一部が兼用である装置としてもよい。
【0007】
さらに、本発明に係るスクリーン印刷方法は、主スキージ部と、少なくともスクリーンへの接触部の弾性変形が主スキージ部より容易である副スキージ部とを備えたスキージを使用し、主スキージ部にスクリーン上を摺動させ、そのスクリーン上に載せられた被印刷剤を貫通孔に押し込んで被印刷体に印刷させるとともに、副スキージ部に少なくともスクリーンの被印刷体から外れた部分である外れ部分の上を摺動させ、その外れ部分上の被印刷剤をスクリーンから掻き取らせることを特徴とする。
外れ部分は、スクリーンの被印刷体から外れた部分のみでもよく、スクリーンの被印刷体上には位置するが貫通孔は形成されていない部分と、被印刷体から外れた部分とを含む部分でもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るスキージによれば、主スキージ部がスクリーン上を摺動させられ、印刷用の貫通孔に被印刷剤を押し込むとき、副スキージ部も共にスクリーン上を摺動させられ、スクリーン上の被印刷剤を掻き取る。主スキージ部がスクリーン上を摺動させられるとき、被印刷剤内に圧力が発生し、その圧力により被印刷剤が貫通孔に押し込まれる。スクリーンの被印刷体上に位置する部分においては、上記押込圧力がスクリーンを介して被印刷体に受けられるが、主スキージ部は被印刷体の幅より長いのが普通であり、もし、副スキージ部がなければ、前述のように、スクリーンの被印刷体から外れた部分の上においても被印刷剤に押込圧力が発生させられ、その部分が押し下げられることになる。しかし、本発明に係るスキージには副スキージ部が設けられており、スクリーンの被印刷体から外れた部分においては、その副スキージ部により被印刷剤が掻き取られ、主スキージ部により押込圧力が発生させられることはない。副スキージ部は、被印刷剤に押込圧力を発生させる必要がないものであるため、前面とスクリーンとの間の角度を直角あるいは鈍角とすることができ、そうした場合には、被印刷剤に発生する押込圧力を減少させることができる。その結果、スクリーンを押し下げる力を小さくすることができ、そのこと自体によって、スクリーンの下方への逃げ量を小さくすることができる。また、もし、スクリーンが下方へ逃げたとしても、副スキージは弾性変形し易くされているため、スクリーンに過大な力を加えることを回避しつつ比較的大きな弾性変形を生じさせることができ、スクリーンの下方への逃げに十分追従して、スクリーンの離間を回避あるいは軽減し、スクリーン上に被印刷剤が残ることを完全にあるいはそれに近い状態で防止することができる。
このように本発明に係るスキージによれば、主スキージ部のスクリーンへの接触部を弾性変形容易としなくても、また、接触荷重を必要以上に大きくしなくても、スクリーンの被印刷体から外れた部分上の被印刷剤を良好に掻き取ることができ、貫通孔からの被印刷剤の抉り出しによる印刷量不足を回避しつつスクリーン上における被印刷剤の残存を防止し、あるいは低減させることができる。また、主スキージ部がスクリーンに過大な荷重で接触させられることがなく、主スキージ部およびスクリーンの寿命が延びる効果も得られる。
本発明に係るスキージヘッドおよびスクリーン印刷方法によれば、本発明に係るスキージによる作用および効果が得られる。
【発明の態様】
【0009】
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
【0010】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、(4)項が請求項4に、(5)項が請求項5に、(6)項が請求項6に、(7)項が請求項7に、(8)項が請求項8に、(12)項が請求項9に、(13)項が請求項10に、(14)項が請求項11に、(19)項が請求項12にそれぞれ相当する。
【0011】
(1)印刷用の貫通孔が形成されたスクリーンを通して、被印刷剤を、そのスクリーンの下に配置された被印刷体に印刷するスクリーン印刷機用のスキージであって、
前記スクリーン上を摺動させられ、そのスクリーン上に載せられた被印刷剤を前記貫通孔に押し込む主スキージ部と、
その主スキージ部の長さ方向の中央から外れた少なくとも一部分に前記スクリーンに接触可能に設けられ、少なくともそのスクリーンへの接触部の弾性変形が前記主スキージ部のスクリーンへの接触部より容易である副スキージ部と
を含むスキージ。
(2)前記副スキージ部の少なくとも前記スクリーンへの接触部が、前記主スキージ部の前記スクリーンへの接触部より軟らかい材料から成る(1)項に記載のスキージ。
副スキージ部全体を主スキージ部より軟らかい材料製にすれば、副スキージ部全体を同じ材料によって作ることができ、製造が容易であるが、副スキージ部のスクリーンへの接触部のみを主スキージ部の接触部より軟らかい材料製としてもよい。
主スキージ部の少なくともスクリーンへの接触部は、金属,合成樹脂,ゴムまたはその類似物等、種々の材料によって作られる。副スキージ部の少なくともスクリーンへの接触部は、主スキージ部の接触部と同じ材料製でも異なる材料製でもよく、同じ材料であれば、主スキージ部より硬度が低くされ、異なる材料製であれば、主スキージ部より軟らかい材料により作られる。
副スキージ部のスクリーンへの接触部を主スキージ部の接触部より軟らかい材料から成るものとすれば、副スキージ部の接触部を主スキージ部の接触部より容易に弾性変形するようにすることが容易となる。
(3)前記副スキージ部が、前記主スキージ部の中央部の両側に設けられた(1)項または(2)項に記載のスキージ。
本項のスキージによれば、スクリーンの被印刷体の両側へ外れた部分について被印刷剤を副スキージ部によって掻き取ることができる。
(4)前記副スキージ部が前記主スキージ部に対して着脱可能である(1)項ないし(3)項のいずれかに記載のスキージ。
本項のスキージによれば、例えば、副スキージ部が劣化や摩耗をした場合に副スキージ部のみを交換することができ、スキージ全体を交換する場合に比較して装置コストが少なくて済む。また、後述するように、副スキージ部の主スキージ部に対する取付位置を調節するようにすることが可能になり、主スキージ部および副スキージ部を含む1つのスキージを、大きさが異なる複数種類の被印刷体への被印刷剤の印刷に共用することができる。
(5)前記副スキージ部と前記主スキージ部とが、前記スキージの前方から見た場合に、少なくとも副スキージ部の内端側の部分が前記主スキージ部と重なり合う状態に配置された(1)項ないし(4)項のいずれかに記載のスキージ。
副スキージ部は、その全部が主スキージ部と重なり合ってもよく、一部のみが重なり合ってもよい。
副スキージ部は、主スキージ部の長さ方向の端面と、副スキージ部の内側の端面とが同一平面内に位置する状態、あるいは端面同士が固着された状態で設けられてもよいが、本項のスキージによれば、副スキージ部と主スキージ部との間から、スキージの裏側(印刷時におけるスキージ移動方向において上流側)へ被印刷剤が漏れ出て、スキージやスクリーンを汚したり、それらに付着して固まった被印刷剤が外れてスクリーン上の被印刷剤内に混入し、印刷品質を低下させることを回避することができる。
(6)前記副スキージ部が背面において前記主スキージ部の前面に密着させられた(5)項に記載のスキージ。
副スキージ部と主スキージ部との間に被印刷剤が侵入して、それらを汚したりすることが回避される。
(7)前記副スキージ部が、少なくとも前記スクリーンへの接触端側の部分において、前記主スキージ部の中央から遠い部分ほど前方に位置するように傾斜し、前記被印刷剤を前記主スキージ部の中央側へ掻き寄せる掻寄せ面を備えた(1)項ないし(6)項のいずれかに記載のスキージ。
掻寄せ面は、直線的に傾斜させられた傾斜面でもよく、湾曲面(印刷時におけるスキージ移動方向において上流側に凹の湾曲面が望ましい)でもよい。
副スキージ部が移動させられて被印刷剤を掻き取るとき、掻寄せ面の傾斜により主スキージ部の中央側へ掻き寄せられ、スキージの外側へ漏れ出す被印刷剤が低減される。また、主スキージ部からはみ出した被印刷剤を再び主スキージ部に移動させ、貫通孔に押し込ませることができ、被印刷剤の無駄が低減する。
(8)前記副スキージ部が、前記スクリーンへの接触端部が他の部分より薄く形成されたリップ部とされた(1)項ないし(7)項のいずれかに記載のスキージ。
本項における副スキージ部は、主スキージ部より軟らかい材料から成ってもよく、硬い材料から成ってもよく、同じ硬度の材料から成ってもよい。
リップ部は弾性変形し易く、容易にスクリーンに沿って被印刷剤を掻き取ることができる。
(9)前記リップ部が、下部ほど厚さが薄い(8)項に記載のスキージ。
(10)前記リップ部が湾曲により弾性変形する(8)項または(9)項に記載のスキージ。
湾曲による弾性変形は圧縮による弾性変形に比較して容易であり、比較的硬い材料から成り、被印刷剤を良好にすくい取るリップ部を容易に弾性変形させ得る。
(11)前記副スキージ部が、少なくとも前記スクリーンへの接触端側の部分に、接触端から遠い部分ほど後方に位置するように後傾したすくい面を備えた(1)項ないし(10)項のいずれかに記載のスキージ。
被印刷剤は後傾したすくい面によりスクリーンからすくい上げられ、良好に掻き取られれつつ、移動させられる。
本項における副スキージ部は、主スキージ部より軟らかい材料から成ってもよく、硬い材料から成ってもよく、同じ硬度の材料から成ってもよい。
副スキージ部が前記リップ部を備える場合、そのリップ部を本項のすくい面を有するものとすることは、副スキージ部を主スキージ部と同等以上の硬度を有する材料から成るものとする場合に特に有効である。リップ部は弾性変形し易く、容易にスクリーンに沿い、後傾したすくい面で良好に被印刷剤を掻き取ることができる。
(12)前記副スキージ部が、上端と下端との両方に前記スクリーンへの接触部を備え、上下反転させた2つの状態で使用可能である(1)項ないし(11)項のいずれかに記載のスキージ。
「上下反転」は、副スキージ部の厚さ方向に延びる軸線のまわりの回転による上下反転であっても、主スキージ部の長さ方向に延びる軸線のまわりの回転による上下反転であってもよい。前者の場合、例えば、上下反転させた副スキージ部を主スキージ部の長さ方向において反対側の端部(主スキージ部の長さ方向の中央部に対して反対側の部分)に取り付けて使用することができる。後者の場合、副スキージ部が傾斜した掻寄せ面を備えず、厚さが一定のものであれば、上下反転させた副スキージ部を主スキージ部の長さ方向において同じ側の端部に取り付けて使用することができ、副スキージ部が傾斜した掻寄せ面を備え、厚さが漸変するものであれば、1つのスクリーン印刷機に設けられて被印刷剤の印刷に交互に使用される一対のスキージであって、スキージ移動方向と直交する平面に対して互いに対称に傾斜させられた一対のスキージの各主スキージ部の長さ方向において同じ側の部分同士(互いに対向する部分同士)において、副スキージ部を上下反転させて取り付けて使用することができる。
なお、副スキージ部が主スキージ部と一体に設けられる場合でも上下反転させることが可能であるが、その場合は主スキージ部も上下反転させた2つの状態で使用可能なものとされる。
本項のスキージによれば、例えば、上端と下端とのいずれか一方の接触部が劣化や摩耗した場合、副スキージ部を上下反転させることにより他方の接触部を被印刷剤の掻取りに使用することができる。1つの副スキージ部を2回、使用することができるのであり、印刷コストを低減させることができる。
(13)(1)項ないし(12)項のいずれかに記載のスキージと、
前記主スキージ部を着脱可能に保持する主スキージ部保持装置と、
その主スキージ部保持装置と前記主スキージ部との少なくとも一方に前記副スキージ部を着脱可能に取り付ける副スキージ部取付装置と
を含むスキージヘッド。
(14)前記副スキージ部取付装置が、前記副スキージ部の前記主スキージ部に対する、その主スキージ部の長さ方向の位置を調節可能である(13)項に記載のスキージヘッド。
本項のスキージヘッドによれば、例えば、主スキージ部を、幅(スキージ移動方向と直交する方向の寸法)が最大である被印刷体より長いものとし、被印刷体の寸法に応じた位置に副スキージ部を取り付けることにより、主スキージ部について、長さが被印刷体の幅以下である実印刷範囲を画定することができる。大きさが異なる複数種類の被印刷体についてスキージを共用することができるのであり、被印刷体の幅に応じた長さのスキージを複数種類用意して被印刷体の幅に応じて交換し、スキージの被印刷体からのはみ出し量を少なくする場合に比較して装置コストを低減することができる。また、被印刷体の種類が変わり、スクリーンの交換等の段取替えが行われるとき、スキージヘッドについては副スキージ部の位置を調節するのみでよく、段取替え工数が低減する。
特に、副スキージ部の位置を連続的に調節し得る態様においては、主スキージ部,副スキージ部やスクリーンに製造誤差や組付誤差等があっても、副スキージ部の位置を調節し、被印刷剤の掻取りに適した位置にすることができる。
(15)前記副スキージ部の前記主スキージ部に対する、その主スキージ部の長さ方向の位置が連続的に調節可能である(14)項に記載のスキージヘッド。
副スキージ部の微小な位置の調節や、任意の量の調節が可能である。
(16)前記副スキージ部の前記主スキージ部に対する、その主スキージ部の長さ方向の位置が段階的に調節可能である(14)項に記載のスキージヘッド。
複数種類の長さ方向の位置のうち、被印刷体の大きさに応じて設定された位置に副スキージ部を取り付ければよく、取付作業が容易である。
(17)スクリーンを保持するスクリーン保持装置と、
被印刷体を保持する被印刷体保持装置と、
(13)項ないし(16)項のいずれかに記載のスキージヘッドと、
そのスキージヘッドを保持し、そのスキージヘッドと前記スクリーン保持装置とをそのスクリーン保持装置に保持されたスクリーンに沿って相対移動させる相対移動装置と
を含むスクリーン印刷機。
(18)前記被印刷体がプリント基板であり、前記被印刷剤が電子回路部品を前記プリント基板にはんだ付けするためのクリーム状はんだである(17)項に記載のスクリーン印刷機。
プリント基板は、プリント等により回路パターンが設けられた板であるプリント配線板、電子回路部品が所定の位置に搭載されているのみで未だ電気的に接合されていないもの、はんだ付け接合されて電子回路部品の実装が完了した製品たるプリント回路板、およびそれらの間の過程にある半製品を含むものとする。
スキージにより掻き取られず、スクリーン上に残されるクリーム状はんだが減少し、大気と接触する表面積の増大によるクリーム状はんだの寿命の低下が抑制されるとともに、劣化により廃棄されるクリーム状はんだが減少する。
(19)印刷用の貫通孔が形成されたスクリーンを通して、被印刷剤を、そのスクリーンの下に配置された被印刷体に印刷するスクリーン印刷方法であって、
主スキージ部と、少なくとも前記スクリーンへの接触部の弾性変形が前記主スキージ部より容易である副スキージ部とを備えたスキージを使用し、前記主スキージ部に前記スクリーン上を摺動させ、そのスクリーン上に載せられた被印刷剤を前記貫通孔に押し込んで前記被印刷体に印刷させるとともに、前記副スキージ部に少なくとも前記スクリーンの前記被印刷体から外れた部分である外れ部分の上を摺動させ、その外れ部分上の前記被印刷剤を前記スクリーンから掻き取らせるスクリーン印刷方法。
(20)前記副スキージ部に、前記外れ部分および前記スクリーンの前記被印刷体上の部分であって、貫通孔形成領域(主スキージ部の実印刷範囲に対応する)から外れた部分である貫通孔形成領域外部の上を摺動させる(19)項に記載のスクリーン印刷方法。
スクリーンの、スキージに対する相対移動方向に平行な両端部には印刷用の貫通孔は設けられておらず、スクリーンの接触部への弾性変形が主スキージ部より容易な副スキージ部を摺動させても、貫通孔内に食い込んで被印刷剤を抉り出すことなくスクリーン上の被印刷剤を掻き取ることができる。副スキージ部は、スクリーンの被印刷体上の部分と被印刷体から外れた部分とに跨って摺動するため、それら部分の間に副スキージ部が摺接させられない隙間が生ずることがなく、スクリーンの被印刷体から外れた部分全体についてクリーム状はんだが確実に掻き取られる。
【実施例】
【0012】
以下、請求可能発明のいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
【0013】
図1に、請求可能発明の一実施例としてのスキージヘッドを備えたスクリーン印刷機であって、請求可能発明の一実施例であるスクリーン印刷方法が実施されるスクリーン印刷機が図示されている。本スクリーン印刷機は、プリント基板搬送装置10,プリント基板保持装置12,スキージ装置14およびスクリーン保持装置16を含む。
【0014】
スクリーン20は、本実施例では、図2に示すように、横断面形状が矩形を成すスクリーン枠22に、たるみなく張り、かつ必要な張力を付与された状態で固定され、スクリーン枠22の下面を覆っている。スクリーン20には、厚さ方向に貫通して複数の印刷用の貫通孔24が設けられ、それら複数の貫通孔24を通って被印刷剤としてのクリーム状はんだ26(図5参照)が被印刷体としてのプリント基板28の上面である被印刷面に印刷される。クリーム状はんだ26は電子回路部品をプリント基板28にはんだ付けするためのものであるが、電子回路部品をプリント基板28に仮止めする仮止め剤としても機能する。貫通孔24は、図6に示すように、スクリーン20の中央部である貫通孔形成領域29に形成されており、外周部は貫通孔24が形成されていないマージン部31となっている。マージン部31は、貫通孔形成領域29から外れた部分である貫通孔形成領域外部である。図2および図6には、スクリーン20に形成された複数の貫通孔24の一部が代表的に図示されている。
【0015】
前記スクリーン保持装置16は、図1に示すように、スクリーン支持部材としての支持台30,スクリーン位置決め装置32およびスクリーン固定装置34を備えている。支持台30は横断面形状が矩形の枠体を成し、スクリーン印刷機の本体を構成するフレーム36に設けられ、スクリーン枠22が支持台30上に載置され、スクリーン位置決め装置32により位置決めされるとともに、スクリーン固定装置34により支持台30に固定され、スクリーン20が水平な姿勢で保持される。スクリーン位置決め装置32およびスクリーン固定装置34は、本実施例では、特開2001−301120号公報に記載のスクリーン位置決め装置およびスクリーン固定装置と同様に構成されており、詳細な図示および説明を省略する。
【0016】
前記プリント基板搬送装置10は、本実施例では、搬送コンベヤを備え、スクリーン保持装置16の下方に設けられ、プリント基板28を、図1においては、紙面に直角な方向に搬送し、当該スクリーン印刷機に水平な姿勢で搬入し、搬出する。前記プリント基板保持装置12はプリント基板搬送装置10によるプリント基板28の搬送経路の途中に設けられ、被印刷体保持部材としての基板保持台44および基板保持台昇降装置46を備えている。プリント基板搬送装置10により搬入されたプリント基板28は基板保持台44により保持され、基板保持台44が昇降させられることにより、スクリーン保持装置16に保持されたスクリーン20の下面に接近,離間させられる。基板保持台昇降装置46は被印刷体−スクリーン接近・離間装置であり、エアシリンダ等の流体圧アクチュエータ,サーボモータ等の電動モータ等、適宜のアクチュエータを駆動源として構成される。
【0017】
前記スキージ装置14を説明する。
スキージ装置14は、本実施例では、図1に示すように、一対のスキージヘッド54,56,スキージヘッド移動装置58および一対のスキージヘッド昇降装置60,62を備えている。スキージヘッド移動装置58は、移動部材64および移動部材移動装置66を含む。移動部材移動装置66は、本実施例では、送りねじの一種であるボールねじ68,ナット(図示省略)および駆動源たる移動部材移動用モータ70を含む。一対ずつのスキージヘッド54,56およびスキージヘッド昇降装置60,62は移動部材64に搭載されており、ボールねじ68が移動部材移動用モータ70によって回転させられることにより移動部材64が案内装置72により案内されて水平方向(図1においては左右方向)に移動させられ、スキージヘッド54,56がスクリーン保持装置16に対して、スクリーン保持装置16に保持されたスクリーン20に沿って移動させられる。本実施例では、スキージヘッド移動装置58が相対移動装置を構成している。
【0018】
一対のスキージヘッド54,56は同様に構成されており、スキージヘッド54を代表的に説明する。スキージヘッド54は、図3および図5に示すように、スキージ80,主スキージ部材保持装置82および副スキージ部材取付装置84を備え、スキージヘッド昇降装置60(図1参照)の移動部材たる昇降部材86に保持されている。昇降部材86は移動部材64に昇降可能に設けられ、昇降部材昇降装置88により昇降させられる。それによりスキージ80がスクリーン20の上面であって、スキージ摺動面ないし被印刷剤載置面たるはんだ載置面89に接触,離間させられる。スキージヘッド昇降装置60は、スキージ80とスクリーン20とを互いに接触,離間させるスキージ−スクリーン接離装置であり、エアシリンダ等の流体圧アクチュエータ,サーボモータ等の電動モータ等、適宜のアクチュエータを駆動源として構成されている。
【0019】
スキージ80は、本実施例では、図3ないし図5に示すように、1つの主スキージ部材90と2つの副スキージ部材92,94とを含む。主スキージ部材90は、図3および図4に示すように、長手形状の板状を成し、本実施例では、金属、例えば、ばね用ステンレス鋼により作られている。主スキージ部材保持装置82は、図3に示すように、長手形状を成す一対の保持部材96,98を備え、それら保持部材96,98が主スキージ部材90を挟んだ状態でボルト等、適宜の固定手段により互いに固定されることにより、主スキージ部材90を着脱可能に保持する。また、保持部材96,98の一方が固定手段によって昇降部材86に着脱可能に固定されることにより、スキージヘッド54が昇降部材86に保持される。主スキージ部材90は主スキージ部材保持装置82により、長さ方向が水平となり、スクリーン20の幅方向(スキージヘッド54に対する相対移動方向と直交する方向)に平行となるとともに、スクリーン20に対して小角度、前傾した姿勢で、すなわち図5に示すように、スクリーン20への接触端から遠い部分ほど、プリント基板28へのクリーム状はんだ26の印刷時におけるスキージ80の移動方向(図中矢印で示す方向。以後、スキージ移動方向と称する。)において下流側へ傾斜した姿勢で保持される。
【0020】
2つの副スキージ部材92,94は、図3に示すように、同様に構成されており、副スキージ部材92を代表的に説明する。副スキージ部材92はブロック状を成し、本実施例では、弾性材料の一種であるシリコンゴムによって作られている。このシリコンゴムは、硬度が低く、例えば、30〜50のものとされており、副スキージ部材92は主スキージ部材90より軟らかい材料から成る。副スキージ部材取付装置84は、図3および図5に示すように、取付部材たるブラケット104を備えている。ブラケット104は、板材が屈曲させられた形状を有し、適宜の固定手段、例えば、ボルト106および雌ねじ穴108によって前記保持部材96に着脱可能に固定される。保持部材96には、その取付面たる前面(スキージ移動方向において下流側の面)110に開口して複数の雌ねじ穴108が、保持部材96の長手方向に平行な一直線に沿って適宜の間隔を隔てて、本実施例では等間隔に設けられ、取付部たる雌ねじ部を構成している。ブラケット104は、その一端部たる上端部に設けられた被取付部112において前記保持部材96の前面110に接触させられるとともに、ボルト106が被取付部112に設けられた貫通穴114を通って雌ねじ穴108に螺合されることにより、保持部材96に固定される。
【0021】
ブラケット104の他端部たる下端部は、図4および図5に示すように、保持部材96から下方へ延び出させられるとともに屈曲させられて取付部120が設けられ、図5に示すように主スキージ部材90の前面118(スキージ移動方向において下流側の面)に接触させられている。取付部120には、円柱状の突起122が複数、例えば、2本、保持部材96の長手方向に平行な方向に距離を隔てて突設されている。副スキージ部材92には、その厚さ方向における一方の端面であって、主スキージ部材90側の面である背面124に開口して複数、本実施例では2個の有底の嵌合穴126が設けられている。これら嵌合穴126がそれぞれ突起122に嵌合されることにより、副スキージ部材92がブラケット104に、上下方向において位置決めされた状態で着脱可能に取り付けられる。背面124は本実施例では段付状を成し、副スキージ部材92は、背面124においてブラケット104の取付部120に密着させられるとともに、主スキージ部材90の前面118に密着させられた状態でブラケット104に取り付けられる。本実施例においては、突起122が係合部ないし位置決め部を構成し、被係合部ないし被位置決め部たる嵌合穴126と共同して位置決め手段を構成し、副スキージ部材92を上下方向において位置決めし、保持する。
【0022】
副スキージ部材92の厚さ方向において他方の端面であって、主スキージ部材90とは反対側の面である前面は、図3および図6に示すように、主スキージ部材90の長さ方向の中央から遠い部分ほど前方に位置するように滑らかに湾曲させられ、スキージ移動方向において上流側に凹の湾曲面を成す掻寄せ面140とされている。また、副スキージ部材92の下端部であって、スクリーン20への接触端部は、図3および図5に示すように、掻寄せ面140の湾曲に沿って、他の部分より薄く形成されたリップ部144とされている。リップ部144は、下部ほど厚さが薄くされ、その最も主スキージ部材90の中央側の部分は、図5(b)および図6に示すように、主スキージ部材90の前面118に接している。
【0023】
副スキージ部材92,94は、図4に示すように、保持部材96の長手方向に隔たった2箇所にそれぞれ取り付けられ、主スキージ部材90の中央部の両側に位置するようにされる。副スキージ部材92,94は、ボルト106を螺合する雌ねじ穴108の選択により、主スキージ部材90に対する、主スキージ部材90の長さ方向の位置が段階的に調節可能であり、図6に例示するように、スクリーン20の貫通孔24が形成されていないマージン部31のうち、プリント基板28上に位置する部分とプリント基板から外れた部分とに跨って接触するように取り付けられる。主スキージ部材90は、大きさが異なる複数種類のプリント基板28にクリーム状はんだ26を印刷することができる長さであって、最大のプリント基板28の幅(スキージ80に対する相対移動方向と直交する方向の寸法)より長く、プリント基板28から幅方向の両側へはみ出す長さを有し、プリント基板28の大きさに応じて印刷に使用される範囲が異なる。副スキージ部材92,94は、主スキージ部材90の長さ方向においてクリーム状はんだの印刷に使用される範囲の両側の位置にそれぞれ取り付けられ、主スキージ部材90の実印刷範囲(スクリーン20の貫通孔形成領域29に対応する)を画定する。主スキージ部材90と副スキージ部材92,94とは、副スキージ部材92,94の保持部材96への固定後は、一体のスキージ80の主スキージ部と副スキージ部として機能する。また、本実施例では、副スキージ部材92,94は、スキージ80の前方、すなわちスキージ移動方向において下流側から見た場合に、その全体が主スキージ部材90と重なり合う状態で保持部材96に取り付けられる。本実施例において副スキージ部材取付装置84は、複数の雌ねじ穴108,2組のブラケット104およびボルト106を含む。複数の雌ねじ穴108は保持部材96に設けられ、副スキージ部材取付装置84の一部が主スキージ部材保持装置82と一体に構成されているのであり、それによって、副スキージ部材92,94が主スキージ部材保持装置82に取り付けられることとなる。
【0024】
なお、副スキージ部材92,94は、湾曲した掻寄せ面140が設けられ、主スキージ部材90の中央から遠い部分ほど厚い。したがって、副スキージ部材92,94は、主スキージ部材90と共にスクリーン20に対して前傾させられるが、主スキージ部材90の前面118からの距離が大きい部分ほど大きくスクリーン20側へ接近する。そのため、副スキージ部材92,94は、その厚さが一定ではないことおよび前傾させられることを考慮し、スクリーン20から離間させられた状態においてリップ部144全体が同様に、主スキージ部材90より僅かに下方へ突出した状態となるように形成され、前記突起122および嵌合穴126により位置決めされて主スキージ部材90に取り付けられている。図4に示すように、スクリーン20から離間させられたスキージ80を、主スキージ部材90の前面118に直角な方向から見た状態(スキージ80が前傾させられていない状態に相当する状態)では、副スキージ部材92,94は、その各リップ部144が、主スキージ部材90の中央側では主スキージ部材90より下方に突出させられ、中央より遠い側の部分ほど上方に位置し、最も遠い部分は主スキージ部材90の下端より上方に位置するように設けられているのである。
【0025】
前記スキージヘッド56はスキージヘッド54と同様に構成されているが、図1に示すように、スキージヘッド54に対して、スキージ移動方向に直角な一平面に対して対称に設けられている点が異なっている。
【0026】
また、本スクリーン印刷機は、コンピュータを主体とする制御装置150(図1参照)により制御される。
【0027】
以上のように構成されたスクリーン印刷機においてプリント基板28へのクリーム状はんだ26の印刷時には、プリント基板28がスクリーン20の下面に近接させられ、2つのスキージヘッド54,56の一方が下降させられ、スキージ80がスクリーン20に接触させられるとともにスクリーン20をプリント基板28に接触させた状態で、スクリーン20に沿って移動させられる。主スキージ部材90は、スクリーン20に所定の荷重で接触させられ、スクリーン20上を摺動させられつつ、スクリーン20上に載せられたクリーム状はんだ26を貫通孔24に押し込み、スクリーン20の下に配置されたプリント基板28に印刷する。
【0028】
主スキージ部材90がスクリーン20に接触させられるとき、副スキージ部材92,94もスクリーン20に接触させられ、スクリーン20のマージン部31のうち、プリント基板28上の部分およびプリント基板28から外れた部分の上を摺動させられ、主スキージ部材90の実印刷範囲からはみ出したクリーム状はんだ26を掻き取る。スキージ80のスクリーン20への接触により、スクリーン20のプリント基板28から外れた部分は、図7に誇張して示すように下方へ撓み、主スキージ部材90から逃げ、主スキージ部材90はスクリーン20に追従しないが、副スキージ部材92,94は主スキージ部材90より軟らかい材料から成り、弾性変形が容易であるため、スクリーン20に追従し、主スキージ部材90の実印刷範囲から横方向にはみ出したクリーム状はんだ26を掻き取りつつ移動させる。特に、副スキージ部材92,94のスクリーン20への接触端部はリップ部144とされており、それによっても弾性変形し易く、リップ部144は主として圧縮変形によりスクリーン20に良好に密着させられ、クリーム状はんだ26を掻き取る。
【0029】
リップ部144は主スキージ部材90の前面118に接するため、リップ部144と主スキージ部材90との間に隙間はなく、クリーム状はんだ26が入り込むことはない。また、副スキージ部材92,94の前面は掻寄せ面140とされており、主スキージ部材90の実印刷範囲から横へはみ出したクリーム状はんだ26は、副スキージ部材92,94によって掻き取られるとともに、掻寄せ面140によって主スキージ部材90の中央側へ掻き寄せられ、再び主スキージ部材90により移動させられ、貫通孔24に押し込まれる。
【0030】
2つのスキージヘッド54,56は、交互に印刷に使用される。いずれのスキージヘッド54,56によるクリーム状はんだの印刷時にも同様に主スキージ部材90および副スキージ部材92,94がスクリーン20に接触させられてクリーム状はんだ26をプリント基板28に印刷し、スクリーン20から掻き取るのであるが、スキージヘッド54,56は互いに対称に設けられているため、一方のスキージヘッドの主スキージ部材90および副スキージ部材92,94により掻き寄せられたクリーム状はんだは、他方のスキージヘッドの主スキージ部材90および副スキージ部材92,94によって逆向きに移動させられ、貫通孔24に押し込まれ、プリント基板28に印刷される。
【0031】
請求可能発明の別の実施例であるスキージヘッド200を図8および図9に基づいて説明する。なお、上記実施例のスキージヘッド54,56の構成要素と同じ作用を成す構成要素には同一の符号を付して対応関係を示し、説明を省略する。
本実施例のスキージヘッド200は、副スキージ部材取付装置202が、副スキージ部材92,94の主スキージ部材90に対する、その主スキージ部材90の長さ方向の位置が連続的に調節可能とされている。そのため、主スキージ部材保持装置206の2つの保持部材208,210うちの一方の保持部材208には、T溝212が、保持部材208の前面214に開口するとともに、長手方向に貫通して形成されている。
【0032】
副スキージ部材取付装置202はまた、前記ブラケット104と同様に形成された取付部材たるブラケット216および移動部材たる駒部材218を備えている。駒部材218は直方体状を成し、T溝212内に長手方向に移動可能に嵌合され、ブラケット216の被取付部220に設けられた貫通孔224およびT溝212の開口を通って、ボルト226が駒部材218に設けられた雌ねじ穴228に螺合されることにより、図9に示すように、被取付部220と駒部材218とがT溝212を画定する溝壁230を挟んで互いに固定され、ブラケット216が保持部材208に固定される。このように保持部材208に着脱可能に固定されたブラケット216に副スキージ部材92,94が、前記ブラケット104に対する取付けと同様にして取り付けられる。
【0033】
駒部材218は、T溝212内の長手方向において任意の位置へ移動可能であり、ボルト226の螺合を緩めた状態で駒部材218およびブラケット216を保持部材208の長手方向に沿って移動させ、主スキージ部材90の実印刷範囲の長さに応じた位置においてボルト226を締め付け、副スキージ部材92,94を保持部材208に固定する。
【0034】
請求可能発明の更に別の実施例であるスキージ250およびスキージヘッド252を図10ないし図13に基づいて説明する。本実施例のスキージ250は、主スキージ部材256は前記主スキージ部材90と同様に構成されているが、2つの副スキージ部材258,260が、その厚さ方向に延びる軸線のまわりに上下反転させた2つの状態で使用可能なものとされている。図12に副スキージ部材258を示すように、副スキージ部材258の掻寄せ面262の上端と下端とにそれぞれ沿ってリップ部264,266が設けられ、副スキージ部材258,260はそれぞれ、上下対称に形成されている。掻寄せ面262は、図11に示すように、前記掻寄せ面140と同様に湾曲させられるとともに、その主スキージ部材256の中央側の端部は、主スキージ部材256の前面268に向かって滑らかに湾曲させられて案内部270が設けられている。
【0035】
副スキージ部材取付装置274のブラケット276は、本実施例では、図10および図13に示すように、永久磁石278により、主スキージ部材保持装置280の保持部材282に着脱可能に固定されるものとされている。ブラケット276は前記ブラケット104と同様に板材が屈曲させられた形状を有し、その被取付部286の背面に永久磁石278が設けられている。また、保持部材282は長手形状を成し、別の長手形状の保持部材288と共に主スキージ部材256を挟んで保持するが、本実施例では、鋼等、磁性材料製とされており、保持部材282の長手方向の任意の位置にブラケット276を磁力によって取り付けることができ、副スキージ部材258,260は、主スキージ部材256に対する、主スキージ部材256の長さ方向の位置が連続的に調節可能である。保持部材282を永久磁石とし、ブラケット276を磁性材料製としてもよい。
【0036】
ブラケット276の取付部294は、図11および図13に示すように、幅が副スキージ部材258,260より短く、ブラケット276の、主スキージ部材256の端側の端部に設けられている。取付部294はまた、図10に示すように、上下方向に長く、主スキージ部材256の前面268に上下方向のほぼ全体にわたって密着させられるようにされており、取付部294に突設されたピン302に副スキージ部材258,260が嵌合穴304において嵌合されてブラケット276に着脱可能に取り付けられる。これらピン302および嵌合穴304は、副スキージ部材258,260が保持部材282に、上下反転により得られる2つの状態のいずれかの状態で取り付けられ、リップ部264,266のいずれがスクリーン20への接触端とされる場合にも、上下方向において同じ状態で位置決めされるように、すなわちスキージ250がスクリーン20から離間させられた状態において、リップ部264,266の下端部が主スキージ部材256より僅かに下方に突出した状態となるように設けられている。
【0037】
副スキージ部材258,260の背面310は、図11に示すように段付状を成し、その主スキージ部材256の中央側の部分は主スキージ部材256の前面268に密着させられ、主スキージ部材256の端側の部分はブラケット276の取付部294に密着させられる。したがって、リップ部264,266のうち、スクリーン20に接触させられるリップ部の主スキージ部材256の中央側の部分は、図11に示すように、前面268に接触し、主スキージ部材256と副スキージ部材256,258との間へのクリーム状はんだの侵入が防止される。
【0038】
本スキージ250は、図13に実線で示すように、例えば、副スキージ部材258はリップ部264がスクリーン20に接触し、副スキージ部材260はリップ部266がスクリーン20に接触するように保持部材282に取り付けられ、前記各実施例と同様にクリーム状はんだのプリント基板28への印刷が行われる。印刷が繰り返し実行されるうちにリップ部264,266が摩耗や劣化したならば、副スキージ部材258,260がそれぞれ、ブラケット276から取り外され、図13に二点鎖線で示すように、厚さ方向に延びる軸線まわりに上下反転させられ、スクリーン20に接触するリップ部264,266が交替させられるとともに、主スキージ部材256の両端における位置を交替させられてブラケット276に取り付けられ、副スキージ部材258はリップ部266がスクリーン20に接触し、副スキージ部材260はリップ部264がスクリーン20に接触するようにされる。
【0039】
リップ部264,266のいずれがスクリーン20に接触させられる場合でも、主スキージ部材256からはみ出したクリーム状はんだは、掻寄せ面262の案内部270により案内されて掻寄せ面262の前側へ導かれ、掻寄せ面262により主スキージ部材256の中央側へ掻き寄せられる。
【0040】
請求可能発明の更に別の実施例であるスキージ350を図14および図15に基づいて説明する。本実施例のスキージ350は、主スキージ部材352は前記主スキージ部材90と同様に構成されているが、2つの副スキージ部材354(図14および図15には一方の副スキージ部材354のみが図示されている)はそれぞれ、すくい面356を有し、湾曲により変形するリップ部を備えたものとされている。副スキージ部材354は、副スキージ部材本体358とリップ部材360とを有し、リップ部材360にすくい面356が設けられている。リップ部材360は、本実施例では、主スキージ部材352と同等以上の硬度を有する合成樹脂により作られ、薄い板状を成し、接着等、適宜の固定手段によって副スキージ部材本体358に固定されている。リップ部材360は、下方ほど、スキージ移動方向において前方へ向かう向きに滑らかに湾曲させられ、その前面が、スクリーン20への接触端から遠い部分ほど後方に位置するように傾斜(後傾)させられたすくい面356を構成している。さらに、すくい面356は、主スキージ部材352の中央から遠い部分ほど前方に位置するように傾斜させられ、掻寄せ面としても機能するようにされている。副スキージ部材本体358は、前記副スキージ部材90等と同様に、その前面が湾曲させられて掻寄せ面362とされており、その掻寄せ面362の湾曲に沿ってリップ部部材360が設けられているのである。また、リップ部材360は、下部ほど厚さが薄くされている。副スキージ部材本体358の材質に特に制限はなく、副スキージ部材本体358とリップ部材360とを一体に構成することも可能である。本実施例においては、副スキージ部材本体358は、主スキージ部材352より軟らかい材料で作られている。
【0041】
副スキージ部材354は、スキージ350がスクリーン20から離間させられた状態において、リップ部材360の下端部が主スキージ部材352より下方へ突出した状態となるように主スキージ部材保持装置に取り付けられるが、リップ部材360が湾曲しているため、図14(b)に示すように、主スキージ部材352との間に隙間が生ずる。そのため、図14(b)および図15に示すように、この隙間の主スキージ部材352の中央側の開口部に詰め物366が詰められ、隙間の開口が塞がれて、クリーム状はんだ26の侵入が防止されている。詰め物366は、例えば、軟質のゴムや合成樹脂等、リップ部材360の材料より遙かに(例えば、1/5以下)軟らかい材料により作られ、本実施例ではリップ部材360の背面に接着等、適宜の固定手段によって固定されている。なお、図示は省略するが、主スキージ部材保持装置および副スキージ部材取付装置はそれぞれ、上記各実施例の主スキージ部材保持装置82,206,280,副スキージ部材保持装置84,202,274のいずれの態様でも構成することができる。
【0042】
スクリーン印刷時にスキージ350がスクリーン20に接触させられるとき、副スキージ部材354は、リップ部材360が湾曲により弾性変形させられてスクリーン20に接触し、スキージ350が移動させられるとき、すくい面356がスクリーン20上のクリーム状はんだ26をすくい上げて掻き取りつつスキージ350と共に移動させる。リップ部材360は後傾させられ、スクリーン20に対する接触部がスクリーン20に対して鈍角を成すため、副スキージ部材354がスクリーン20を押し下げる力は小さく、スクリーン20の下方への逃げが少なく、副スキージ部材354はリップ部材360において容易に弾性変形しつつスクリーン20に十分に追従してクリーム状はんだをすくい上げ、掻き取る。
【0043】
なお、図14および図15に示す実施例において、副スキージ部材354を上下反転させた2つの状態で使用可能なものとしてもよい。
【0044】
また、図1ないし図9および図14,図15に示す各実施例において副スキージ部材を、上下反転させた2つの状態で使用可能なものとしてもよく、図10ないし図13に示す実施例において副スキージ部材取付装置を、図1ないし図9に示す各実施例の副スキージ部材取付装置と同様に構成してもよく、図1ないし図9に示す各実施例において副スキージ部材取付装置を、図10ないし図13に示す実施例の副スキージ部材取付装置と同様に構成してもよい。
【0045】
さらに、主スキージ部の少なくともスクリーンへの接触部は、合成ゴムの一種であり、ゴム状弾性体の一種であるウレタンゴムにより作ってもよい。
【0046】
また、請求可能発明は、スキージヘッドを1つのみ有するスクリーン印刷機にも適用することができる。スキージヘッドを1つ有するスクリーン印刷機は、例えば、特許第3343284号公報に記載されており、スクリーン上の被印刷剤をすくい取るすくい取り部材を備え、スキージがスクリーンの一方の端から他方の端へ移動させられて被印刷体に被印刷剤を印刷したならば、すくい取り部材により、スクリーン上の被印刷剤をすくい取ってスクリーンの一方の端へ復帰させられるとともに、すくい取った被印刷剤がスクリーン上に戻され、再び印刷が行われるようにされる。なお、すくい取り部材は、スキージが2つの副スキージ部を含む場合、両側の副スキージ部にまで至る長さとされる。副スキージ部が1つであれば、その副スキージ部に至る長さとされる。副スキージ部材の位置が調節可能な場合、最長のスキージに対応する長さとされることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】請求可能発明の一実施例であるスキージおよびスキージヘッドを備えたスクリーン印刷機を示す正面図である。
【図2】上記スクリーン印刷機においてスクリーン印刷に用いられるスクリーンを示す平面図である。
【図3】上記スキージヘッドを示す分解斜視図である。
【図4】上記スキージヘッドを示す側面図である。
【図5】上記スキージヘッドを示す正面図である。
【図6】上記スキージおよびスクリーンを概略的に示す平面図である。
【図7】上記スキージによるクリーム状はんだの印刷時における副スキージ部材によるクリーム状はんだの掻取りを説明する図である。
【図8】請求可能発明の別の実施例であるスキージヘッドを示す分解斜視図である。
【図9】図8に示すスキージヘッドを示す正面図である。
【図10】請求可能発明の更に別の実施例であるスキージヘッドを示す正面図である。
【図11】図10に示すスキージヘッドの主スキージ部材および副スキージ部材を示す平面図である。
【図12】図10に示すスキージヘッドのスキージの副スキージ部材を示す斜視図である。
【図13】図10に示すスキージヘッドを示す側面図である。
【図14】請求可能発明の更に別の実施例であるスキージの要部を示す正面図である。
【図15】図14に示すスキージの主スキージ部材の一部および副スキージ部材を示す平面図である。
【符号の説明】
【0048】
16:スクリーン保持装置 20:スクリーン 24:貫通孔 26:クリーム状はんだ 28:プリント基板 29:貫通孔形成領域 54,56:スキージヘッド 58:スキージヘッド移動装置 60,62:スキージヘッド昇降装置 80:スキージ 82:主スキージ部材保持装置 84:副スキージ部材取付装置 90:主スキージ部材 92,94:副スキージ部材 118:前面 124:背面 140:掻寄せ面 144:リップ部 200:スキージヘッド 202:副スキージ部材取付装置 206:主スキージ部材保持装置 214:前面 218:駒部材 250:スキージ 252:スキージヘッド 256:主スキージ部材 258,260:副スキージ部材 262:掻寄せ面 264,266:リップ部 274:副スキージ部材取付装置 276:ブラケット 278:永久磁石 280:主スキージ部材保持装置 310:背面 350:スキージ 352:主スキージ部材 354:副スキージ部材 356:すくい面 360:リップ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷用の貫通孔が形成されたスクリーンを通して、被印刷剤を、そのスクリーンの下に配置された被印刷体に印刷するスクリーン印刷機用のスキージであって、
前記スクリーン上を摺動させられ、そのスクリーン上に載せられた被印刷剤を前記貫通孔に押し込む主スキージ部と、
その主スキージ部の長さ方向の中央から外れた少なくとも一部分に前記スクリーンに接触可能に設けられ、少なくともそのスクリーンへの接触部の弾性変形が前記主スキージ部のスクリーンへの接触部より容易である副スキージ部と
を含むことを特徴とするスキージ。
【請求項2】
前記副スキージ部の少なくとも前記スクリーンへの接触部が、前記主スキージ部の前記スクリーンへの接触部より軟らかい材料から成ることを特徴とする請求項1に記載のスキージ。
【請求項3】
前記副スキージ部が、前記主スキージ部の中央部の両側に設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のスキージ。
【請求項4】
前記副スキージ部が前記主スキージ部に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスキージ。
【請求項5】
前記副スキージ部と前記主スキージ部とが、前記スキージの前方から見た場合に、少なくとも副スキージ部の内端側の部分が前記主スキージ部と重なり合う状態に配置されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のスキージ。
【請求項6】
前記副スキージ部が背面において前記主スキージ部の前面に密着させられたことを特徴とする請求項5に記載のスキージ。
【請求項7】
前記副スキージ部が、少なくとも前記スクリーンへの接触端側の部分において、前記主スキージ部の中央から遠い部分ほど前方に位置するように傾斜し、前記被印刷剤を前記主スキージ部の中央側へ掻き寄せる掻寄せ面を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のスキージ。
【請求項8】
前記副スキージ部が、前記スクリーンへの接触端部が他の部分より薄く形成されたリップ部とされたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のスキージ。
【請求項9】
前記副スキージ部が、上端と下端との両方に前記スクリーンへの接触部を備え、上下反転させた2つの状態で使用可能であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のスキージ。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載のスキージと、
前記主スキージ部を着脱可能に保持する主スキージ部保持装置と、
その主スキージ部保持装置と前記主スキージ部との少なくとも一方に前記副スキージ部を着脱可能に取り付ける副スキージ部取付装置と
を含むことを特徴とするスキージヘッド。
【請求項11】
前記副スキージ部取付装置が、前記副スキージ部の前記主スキージ部に対する、その主スキージ部の長さ方向の位置を調節可能であることを特徴とする請求項10に記載のスキージヘッド。
【請求項12】
印刷用の貫通孔が形成されたスクリーンを通して、被印刷剤を、そのスクリーンの下に配置された被印刷体に印刷するスクリーン印刷方法であって、
主スキージ部と、少なくとも前記スクリーンへの接触部の弾性変形が前記主スキージ部より容易である副スキージ部とを備えたスキージを使用し、前記主スキージ部に前記スクリーン上を摺動させ、そのスクリーン上に載せられた被印刷剤を前記貫通孔に押し込んで前記被印刷体に印刷させるとともに、前記副スキージ部に少なくとも前記スクリーンの前記被印刷体から外れた部分である外れ部分の上を摺動させ、その外れ部分上の前記被印刷剤を前記スクリーンから掻き取らせることを特徴とするスクリーン印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−7605(P2006−7605A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−188174(P2004−188174)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】