説明

スケールが決められた仮想ターゲット区域を有する双方向性ディスプレイシステム

ディスプレイシステムは、入口面と反対側の出口面とを備えた導波路光学パネルを有する。パネル上にビデオ画像を投射するように、投射器及び結像装置がパネルと協働する。内側に向かう光スポットの、ターゲット区域内の出口面上での位置を検出するために、光検出器が複数の導波路のうちの少なくとも一部を架橋する。ターゲット区域内の検出されたスポットの位置に対応する出口面上にカーソルを表示するために、コントローラが、結像装置及び検出器に動作可能に結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府によって援助された研究又は開発に関する記述
本発明は、エネルギー省によって与えられた契約番号DE−AC02−98CH10886による政府支援をもってなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
発明の背景
本発明は、一般には、光導波路、より詳細には、それで形成された光学パネルに関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許第5,381,502号は、互いに積層された複数のリボン状光導波路を有する多平面光学ディスプレイ(POD:polyplanar optical display)を開示している。画像光は、その中での全内部反射(全反射)のために、ディスプレイの入口面を通して投射され、パネルの反対側の出口面端部においてビデオ(映像、テレビ)画像が表示される。
【0004】
米国特許第5,455,882号は、双方向(インタラクティブ)動作のために構成された別の形態のPODパネルを開示している。ビデオ画像は、積み重ねられた複数の導波路を通して外側に向けて投射される。又、双方向性光ビームを、出口面を通して入口面へと内側に向けて指向させることができ、そのスクリーン上の位置を、双方向機能を提供するために検出することができるようになっている。
【0005】
いずれの特許においても、同様に構成された光学パネルが、入口面から反対側の出口面への方向、出口面から反対側の入口面への方向のいずれの方向における光伝達(透過)も可能とする。この能力は、テレビジョン用の高解像度表示画面(ビューイングスクリーン)、コンピュータモニタ、及び所望により種々のその他のタイプの表示画面を提供するために、光学パネルを種々の用途において用いることを可能とする。
【0006】
典型的には、双方向機能のための内側に向かう光の検出は、従来の複数のフォトダイオードの直線状アレイを用いることによって達成することができる。このアレイの長さは、複数の導波路による積層体の全体を架橋(橋渡し)するサイズとされ、各導波路内の内側に向かう光を検出して、その対応する位置を判定できるようになっている。しかし、アレイのコストは、それに要求される全長によって増大し、光学ディスプレイの競争市場取引においては重要なファクターである光学ディスプレイの関連するコストを相応に増大させる。
【0007】
更に、PODパネルの別の利点は、それが比較的大きなサイズに作製することができるにもかかわらず、その重さが比較的軽いことである。例えば、1〜2メートルの対角線寸法を有するパネルは、相応に大きな表示画面を有し、その上で相応に大きな面積の双方向機能を達成することができる。双方向機能のために内側に向かう光を検出するのには、通常、表示画面全体を効果的にカバーするために相応に長いフォトダイオード群のアレイが必要となる。
【0008】
従って、実施するにあたり相当の利点を有する双方向機能を備えたディスプレイシステムを提供することが求められている。
【発明の開示】
【0009】
発明の概要
本発明のディスプレイシステムは、入口面と反対側の出口面とを備えた導波路光学パネルを有する。パネルを通して画像を投射して出口面上に表示するために、投射器及び結像装置がパネルと協働する。内側に向かう光スポットの、ターゲット区域内の出口面上での位置を検出するために、光検出器が複数の導波路のうちの少なくとも一部を架橋する。ターゲット区域内の検出されたスポットの位置に対応する出口面上にインジケータ(例えば、カーソル)を表示するために、コントローラが、結像装置及び検出器に動作可能に結合される。
【0010】
本発明を、好ましく又典型的な実施形態に従って、その更なる目的及び利点と共に、以下の詳細な説明において添付の図面と関連して更に詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好ましい実施形態の詳細な説明
図1は、本発明の典型的な一実施形態に従う双方向性ディスプレイシステム10を示す。ディスプレイシステム10は、複数のリボン状光導波路14を備えた光学ディスプレイパネル12を含む複数の構成部品の組み立て体である。各導波路14は、パネル12の横方向、即ち、水平方向の幅Wの全体にわたって延在する。又、複数の導波路14は、垂直方向、即ち、横断方向に互いに積み重ねられ、パネル12の高さHの全体を規定する。
【0012】
光学パネル12は、例えばベリグダン(Veligdan)に対する米国特許第5,381,502号に示される、サイズを減少させる楔形などの、種々の方法にて配置された複数の導波路を有する、任意の従来の形態を有していてよい。図2に示すように、複数の導波路14は、好ましくは、実質的に同一のサイズを有し、一列に互いに垂直方向に積み重ねられる。複数の導波路14は、それらの第1の、即ち、後方の各端部が、集合的に平坦な入口面16を画成し、又それらの反対側の第2の、即ち、前方の各端部が、集合的に平坦な表示出口面18を画成する。
【0013】
図3により詳細に示すように、各導波路14は、クラッド層14bの間に配置された光学的に透明なコア14aを有する。コア14aとクラッド14bとの間の屈折率の違いによって、画像光ビーム20を、従来の方法の全反射で、個々の導波路14を通して導くことができる。図2に示すように、画像ビーム20は、図1に示される画像(又は、ビデオ画像)22として出口面18上に表示するために、入口面16上に投射される。
【0014】
図3に示すように、クラッド14bは、ディスプレイシステム10と相互作用(対話)する観察者、即ち、使用者によって観察された時の画像のコントラストを増強するために、好ましくは、暗色(例えば、黒色)である。
【0015】
図1及び図2に初めに示すように、ディスプレイシステム10の種々の構成部品は、好ましくはディスプレイ10に必要なスペースを最小化するために比較的薄型の、適当なハウジング24内に取り付けることができる。入口面16がパネル12の幅及び高さの全体にわたって延在しているので、入射画像光20を再指向(リダイレクト)させてハウジング24に必要な奥行き(深さ)を最小化するように、光結合器(ライトカプラ)26を入口面16上に付加的に設けることが望ましい。
【0016】
好ましい一実施形態では、結合器26は、パネル12の幅全体に沿って直線状で、且つ、パネル12の高さ方向に沿って垂直に離隔された複数のフレネルプリズム式微小溝(Fresnel prismatic microscopic grooves)を有する。結合器26の好ましい形態は、3M カンパニー[ミネアポリス セントポール]から商品名TRAF IIとして市販されている透過型直角フィルム(TRAF:Transmissive Right Angle Film)である。このTRAFフィルムは、画像光20を、光学パネル12の背面上に小さく鋭い角度にて投射し、次いで複数の導波路14を通して導いて出口面18から表示させるように約90度までの角度で再指向させることを可能とする。ビスカーディ(Biscardi)らに対する米国特許第6,301,417号に記載されるタイプである、その他のタイプの結合器も代わりに用いることができる。或いは、結合器26は省略することができ、画像ビームは典型的なリアプロジェクション(背面投射)方式にて入口面に直接向けることができる。
【0017】
光学パネル12は、その入口面側と出口面側との間でいずれの方向においても光が内部を伝達(透過)され得る複数の積み重ねられた光導波路を利用した、任意の適当な構成を有していてよい。図2及び図4に模式的に示すように、光学パネル12は、適当な光投射器(プロジェクタ)28と協働するようにハウジング24内に取り付けられる。この光投射器28は、任意の所望のビデオ画像22を形成するのに用いられる光を投射するための、任意の従来の構成を有する。投射器28から出る光は、好ましくは、散乱光よりはむしろビームの形態である。
【0018】
例えば、投射器28は、白色光を生成するためのランプを有していてよい。この白色光は、出口面18上に任意の所望のビデオ画像22を生成するのに用いるための適当な投射レンズを通して投射される。例えば、投射器28の内部又は外部において既知の方法にて従来のカラーホイールを回転させることによって、光ビームに色彩を加えてもよい。
【0019】
投射器28は、所望のビデオ画像をデジタル的に生成するために、好ましくは、デジタル結像装置(イメージングデバイス)30と協働する。任意の適当なデジタル結像装置を使用することができるが、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD:Digital Micromirror Device)結像装置30が好ましい。DMD30は、投射器28と入口面16との間に光学的に整列される結像装置であり、これは画像ビーム20を協働する投射レンズ(図示せず)を通して選択的に反射させてビデオ画像を形成する。この結像装置30は、例えば、何千もの微小サイズの結像ミラー(microscopically sized image mirrors)(図示せず)のアレイを有する小さな半導体光スイッチである。各ミラーは、駆動された時に典型的には±10度の角度範囲で前後に独立して傾斜されるように、ヒンジ上に取り付けられている。駆動されていない時には、個々のマイクロミラーは、中間の弛緩位置をとる。DMD30は、テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド[テキサス州 ダラス]から市販されている従来の装置である。これは、種々の用途のためにデジタル画像を生成する際に、デジタル光プロセスにおいて使用するためのものである。
【0020】
DMD結像装置30は、その中の何千ものマイクロミラーの各々を独立して制御するために用いられる典型的な従来の電気的コントローラ32と協働するものとして、図4に模式的に示されている。結像装置30は、適当な電子的ドライバ(図示せず)を介してコントローラ32に動作可能に結合されている。これにより、結像装置30の動作、及びパネル12上に表示されるビデオ画像22の形成を制御きるようになっている。
【0021】
コントローラ32は、任意の適当な目的のために任意の所望のビデオ画像を表示するための適当なソフトウェアでプログラムされたデジタルマイクロプロセッサなどの、任意の従来の構成をとることができる。コントローラ32は、普通のテレビジョンビデオ画像をパネル12から表示するため、或いは典型的にはコンピュータモニタ、現金自動預け払い機(ATM)等の上に表示されるその他のビデオ画像を表示するために用いることができる。又、コントローラ32は、所望により、従来の電気的インターフェイス及びドライバを用いて、ディスプレイシステム10の種々の構成部品に動作可能に接続されていてよい。
【0022】
本開示の目的で、「外側に向かう(外側に向ける)(outbound:アウトバウンド)」なる用語は、入口面16から出口面18に向かう方向であるとして定義し、「内側に向かう(内側に向ける)(inbound:インバウンド)」なる用語は、出口面18から入口面16に向かう方向であるとして定義する。
【0023】
図4は、本発明のディスプレイシステムの基本的な動作を示す。ここでは、コントローラ32が、関連する電子的ドライバを適当に操作して、出口面18上に投射される任意の所望のビデオ画像22を生成するように結像装置30内の種々のマイクロミラーを位置付けることができるようになっている。結像装置30は、画像ビーム20を生成するために、投射器28から放射された光ビームを空間的及び時間的に変調する。画像ビーム20は、好ましくは投射光学部品(図示せず)を通して適当に結像され、又光結合器26を通して再指向されて、出口面18上に表示するために光学パネルを通して外側に向けて伝達されるようになっている。
【0024】
光学パネル12は、それを通した外側に向かう光伝達、それを通した内側に向かう光伝達のいずれも可能とするので、同じパネルを、任意の所望のビデオ画像を表示すること及び使用者に対し双方向機能を提供することの両方のために用いることができる。図4に示す典型的なビデオ画像は、任意の所望の用途のために使用者によって選択され得る適当な選択肢のメニューである。例えば、光学パネルは、意図される使用者からの指示を受け取るプロジェクションTV、コンピュータモニタ、又はATM機の部分であってよい。システムとの相互作用のために別個且つ専用のキーボードを設ける代わりに、光学パネル12自体を本発明に従って使用することができる。
【0025】
図4に示す画像ビームで生成されたメニューに応答して、光スポット34の形態の内側に向かうプローブ光ビーム33が、選択された出口面18の幅方向に沿う横方向位置X及び出口面18の高さ方向に沿う横断方向位置Yにおいてパネル上に適当に形成され、これにより所望のメニュー選択を確認できるようになっている。
【0026】
好ましい一実施形態では、電池式のリモート(遠隔)光学ポインタ36が、プローブ光ビーム33を放射するように構成される。プローブ光ビーム33は、単に出口面へと向けられ又指し示され、全出口面上の任意の位置に位置付けることのできる可視又は不可視の光スポットを規定する。例えば、ポインタは、使用者にとっては目に見えない赤外線(IR)レーザ光ビームを放射するための発光ダイオード(LED)を有していてよい。
【0027】
そして、光スポット34の出口面上での横方向及び横断方向の位置(X、Y)を検出するために、適当な光検出器(ライトディテクタ)38を用いて複数の導波路14を垂直方向に架橋することができる。
【0028】
任意に、検出器が、内側に向かうプローブビームと、バックグランド、即ち、動作中に普通に出口面18に入る外来の(異質な)光又は画像ビーム20自体に由来してパネル12内に見られる外来の光と、を識別(弁別)する能力を増強するために、内側に向かうプローブビーム(例えば、IR)を変調することができる。或いは、内側に向かうプローブビームと外側に向かう画像ビーム(これは、例えば、可視光及びIR光の両方を含む)との、時間的及び/又は空間的な分離を、識別の目的で代わりに(又は付加的に)使用することができる。
【0029】
光スポット34は、好ましくは目に見えないIR光であるので、使用者に対する双方向性のフィードバックが望まれる。従って、コントローラ32は、使用者に対してはっきりと見える可視的な双方向性のフィードバックを提供するように、結像装置30及び検出器38の両方に動作可能に結合される。コントローラは、好ましくは、結像装置30を駆動して、検出されたスポットの位置に対応して出口面上にインジケータ(例えば、可視カーソル40)を表示させるための適当なソフトウェアに構成される。カーソル40は、表示されるビデオ画像22の対応する部分であり、出口面内の位置を指し示すために、小さい矢印などの任意の適当な形態を有していてよい。
【0030】
スポット34は、好ましくは目に見えないので、コントローラは、光検出器38を用いてスクリーン上でのその位置を判定し、次いで結像装置30を駆動して出口面上のスポットの位置に対応して可視カーソル40を生成させる。このスポット34に対するカーソル40の対応付け、即ち、マッピングは、スポットがスクリーン上の何処に移動したとしてもスポットの位置と同一、即ち、同時であるマッピング、又はそれとは同時ではない場合のあるマッピングを含む種々の形態を有していてよい。
【0031】
図4に示す好ましい実施形態では、コントローラ32は、結像装置を駆動して、検出されたスポットの位置からずれた(オフセットされた)位置の出口面上にカーソル40を表示させるように構成されている。この動作は、所望に応じてどこにでも配置され得る出口面の比較的小さな部分を用いて双方向制御することができる、比較的大きな出口面のために特に利用価値を有する。
【0032】
この利点は、従来のマウスを用いて表示画面上でカーソルを移動させることによって制御することのできる典型的なパーソナルコンピュータにおいて得られるものに類似する。デスク上の小さい領域におけるマウスの移動を、コンピュータソフトウェアによって、全表示画面上の、より大きな範囲へと翻訳することができる。
【0033】
図4に示す光学パネルの双方向性(二方向性)の光伝達能力は、光学パネルの双方向制御のための種々の実施形態を可能とする。各導波路14は、好ましくは、スクリーンの幅全体にわたって横方向に延在し、又スクリーンの高さ全体に沿って垂直、即ち、横断方向に互いに積層、即ち、積み重ねられ、それを通して光を伝達することのできる向かい合う前方及び後方の側面を画成する。
【0034】
従って、光検出器38は、パネルの高さ方向に沿って複数の導波路を架橋して、出口面上に目に見えない仮想ターゲット、即ち、区域42を規定することができ、その内側でスポット34の横方向及び横断方向の位置を検出器38によって検出することができる。各導波路14は連続的であるので、検出器は、パネルに沿った任意の便利な位置に、パネルの前方、後方、又は縁部のいずれに沿っても配置することがでる。又、出口面18は、好ましくは、表示画像を形成する外側に向かうビーム、及び検出器に到達させるように導波路の内部で散乱される内側に向かうプローブビームの両方を拡散させるように、適当に(例えば、一体型の拡散器(ディフューザ)によって、又は付加的な拡散要素によって)構成される。この拡散構成は、検出器が縁部に取り付けられる場合に特に有用である。
【0035】
ターゲット42は、光検出器38の長さによって規定される任意の適当な構成を有していてよい。又、コントローラ32は、結像装置を駆動して、ターゲットの内側の検出されたスポットの位置に適切に対応する位置にカーソル40を表示させるように構成されている。この方法では、全出口面18のうちの任意の部分との間の機能上の対応関係は、任意の適当な構成のターゲット42によって与えることができる。これにより、ターゲット内のスポットの位置を、出口面上のカーソルの位置へと変換して、使用者に対する可視的な双方向性のフィードバックを提供することができる。
【0036】
ターゲット42は、出口面と同じ全体サイズであってもよいが、出口面18が相当に大きいことがあるので、検出器のサイズを抑制し、又コストを低減するために、検出器38は、好ましくは、複数の導波路14のうちのいくつか(全てではない)のみを架橋する。これにより、検出器によって規定されるターゲット42のサイズは、全出口面のうちの対応する小さい部分へと、相応に抑制される。例えば、図4に示す検出器38の長さhは、全出口面の高さHの例えば約3分の1であってよい。従って、検出器の視野の範囲内にない、スクリーンの高さのうちの残りの3分の2においては、プローブスポットは検出することはできない。
【0037】
これに対応して、コントローラ32は、好ましくは、ターゲットの内側のスポットの検出に応じて、結像装置を駆動して、限定されたターゲット42の外側、並びに、所望によりその内側にカーソル40を表示させるように構成される。この方法では、使用者は、ポインタ36をターゲット区域42内に向け、スポットがターゲット内で移動されるのに従って全出口面上にカーソル40を移動させて、全出口面のうちの任意の所望の部分において双方向機能を提供することができる。
【0038】
ターゲット42の構成及びサイズは、特定のパネル及びそのための特定の用途における特定の双方向機能のために、所望に応じて選択することができる。1つの単純な構成においては、ターゲット42は、出口面の全体よりも正比例して小さいスケール(寸法)とすることができ、これに対応してコントローラ32は、スポットの位置からスケールアップされた(広げられた、拡大された)位置にカーソル40を位置付けるように構成される。
【0039】
この方法では、ターゲット42の限定された区域内のスポット34の位置は、出口面18の全体の、より大きい領域へとマッピング、即ち、変換することができる。これにより、全ターゲット内におけるスポット34の相対的配置を、全出口面内におけるカーソル40の相対的配置に対応させることができる。従って、使用者がポインタ36を向けて移動させた時に、ポインタによって生成されたスポットの移動と同じ方向にカーソルが移動する。そのため、使用者は、出口面上の、特にターゲット42内の異なる位置にポインタを向けることができ、これに対応してカーソル40が所望により出口面の全範囲上でスポット34の移動に追随することになる。
【0040】
図4に示す光検出器38は、任意の適当な構成を有していてよく、好ましくは、横方向において反対側である(向かい合う)、パネルの垂直な各縁部の一方又は両方に沿って配置され、且つ、ターゲット42の高さ範囲内の対応する複数の導波路と交差する、直線状フォトダイオードアレイの形態である。1024個のダイオードをその中に有するモノリシック構造の(単一基板上に形成された)セルフスキャンニングフォトダイオードアレイが、日本国のハママツ コーポレーション(Hamamatsu Corporation)から市販されている。
【0041】
この形態の検出器は、約2mmの幅及び約20mmの長さを有し、ターゲット区域の所望の高さhをカバーするために端部同士が接したグループとして使用することができる。個々のフォトダイオードのうち1つ以上を、複数の導波路のうちの対応する各1つと整列させることができ、その中の光を検出するようにすることができる。
【0042】
この方法では、スポット34の垂直方向、即ち、横断方向の位置(Y)は、導波路内の相応に高強度のスポットを検出している特定のダイオードの、対応する垂直方向の位置によって、容易に判定することができる。各導波路は、パネルの幅全体にわたって連続しているので、光スポットは、任意の横方向の位置において個々の導波路に入ることができる。この場合でもなお、光スポットは、パネルの各縁部における対応するフォトダイオードによって検出することができる。
【0043】
一実施形態では、光検出器38は、図4に示すパネルの左側縁部、右側縁部のいずれにも取り付けることができ、好ましくはスクリーンの中間の3分の1を架橋し、スクリーンの最上部(頂部)及び最下部(底部)の各3分の1は光検出能力を有していない。対応するターゲット42は、検出器アレイ38の高さhに一致する高さにて延在しており、ここでは垂直方向位置(Y)は、最大局部強度を検出している特定のフォトダイオードによって容易に判定される。
【0044】
いくつかの用途においては、スポット34の垂直方向の位置(Y)だけを検出することが許容される場合があるが、ターゲットの全体にわたる2次元の双方向機能を提供するために、スポット34の横方向、即ち、水平方向の位置(X)の検出もまた望まれる。片側のフォトダイオードアレイを較正することも可能であり、それによってその相対的な光強度検出値を、スポットの横方向位置(X)を判定するために用いることができる。
【0045】
しかし、図4に示す好ましい実施形態では、一対の光検出器38が好適であり、パネルの中間部を、その向かい合う左側縁部及び右側縁部の両方に沿って架橋する。この方法では、左側縁部及び右側縁部上の対応するフォトダイオードを、スポット34の相対強度を検出して、その結果からスポット34の横方向位置(X)を判定するために用いることができる。
【0046】
更に詳しく説明すると、2つの検出器アレイ38を、スポット34の相対強度を比較する従来の電気的比較器(コンパレータ)44に動作可能に結合することができる。これにより、左側検出器及び右側検出器内の対応するフォトダイオードが、ターゲットの内側のスポットの横方向位置を判定することができるようにする。スポット34が出口面の水平方向の中間近傍にある場合には、2つの検出器38は実質的に等しい強度を検出することになり、スポットが出口面の幅方向の中間に位置することを示す。
【0047】
又、スポット34が左側検出器38のより近くに移動した場合には、検出されるその強度は左側検出器において右側検出器よりも大きくなり、同様にしてスポット34が右側に移動した場合には逆になる。この方法では、検出されたスポット34の位置に直接応答してカーソル40を正確に位置付けるために、スポット34の横方向位置(X)及び横断方向位置(Y)の両方を、比較器44に適当に結合されたコントローラ32に提供することができる。
【0048】
図4に示す仮想(バーチャル)ターゲット42は、2つの検出器38がスポットの横方向の位置を正確に検出する能力の範囲内で、出口面の幅の全体にわたって延在していてよいが、ターゲット42は所望により水平方向において切り詰められていてもよい。例えば、コントローラ32は、専ら水平方向に切り詰められたターゲット42の範囲内にあるスポット34の位置のみを認識するように構成されていてよく、これにより、使用者がその中でカーソル40の移動及び位置を制御することのできる限定されたターゲットを提供することができる。又、コントローラ32は、ターゲットの内側で検出されたスポットの位置から、水平方向Xにおける横方向及び垂直方向Yにおける横断方向の両方に、カーソル40の位置をずらす(オフセットさせる)ように構成されていてもよい。
【0049】
この方法では、ターゲット42は、出口面18の全体の構成に対し、直接スケールダウン(縮小)した形態にて適合するように構成することができる。図4に示す典型的なパネルは矩形であるので、ターゲット42は、パネルと同一の高さ対幅の比率を有する同様の矩形であってよい。又、ターゲット42は、使用者が出口面の全体と区別されたより小さいサイズの仮想ターゲット42の存在を認識することなく正確にポインタ36の狙いを定めることができるようにスクリーンの中央に配置することができる。
【0050】
使用者は、典型的には出口面から適当な距離をおいて位置し、ポインタを出口面へと向けるので、ターゲット42により提供される限定された区域と出口面の全体との間の狙いの違いは使用者にとってわずかである可能性が最も高い。これは、ポインタから、スクリーンの周囲に関連する出口面への、非常に小さい円錐角(cone angle)に起因する。そして、ポインタの狙いの小さな変化を、カーソル40の大きな移動に対応させることができ、スクリーン全体の任意の部位に届かせることができる。スポットの移動と比べたカーソルの移動の相対的な速度の調節は、適当なソフトウェアプログラミングを通してコントローラによって制御することができる。
【0051】
上述のように、コントローラ32は、双方向機能を提供するための適当なメニューの形態のビデオ画像22を表示するように、任意の適当な方法にて構成されていてよい。図4に示す典型的なメニューは、種々のカテゴリーを有し、これらのカテゴリーは、それぞれのカテゴリー内に種々のオプションを含んでいる。使用者は、単にポインタ36を概ね出口面へと向け、又特にターゲット42へと向けて、そしてカーソル40を出口面上の何処へでも移動させて、コントローラによって提供された所望の双方向オプションを選択する。選択は、その上にカーソルが単に配置された時に任意の表示されているオプションを視覚的に強調表示するべくコントローラ32をプログラミングすることなどによる、任意の適当な方法にて達成することができる。
【0052】
或いは、ポインタ36自体を、その上に1つ以上のボタンを備えて構成することができ、このボタンを、放射されるプローブビーム33の変調周波数を変更するために押すことができる。そして、これを光検出器によって適当に検出して、コントローラ32において使用者によって選択がなされたことを示すものとして認識することができる。
【0053】
以上に開示した光学パネル12の特別な利点は、単に個々の導波路の長さを増加すること及び/又は積み重ね高さに沿って導波路の数を増加することによって、小さいものから大きいものまで任意の所望のサイズとし得るその構造にある。パネルは、比較的薄く作成することができ、それを通してビデオ画像を投射するために増強されたコントラストを提供する。パネルは、所望により、光結合器26無しで、ビデオ画像のリアプロジェクションと共に使用することができる。光結合器を使用することの利点は、完全なディスプレイシステムの全体の厚さを低減するために、光学パネルの背後に斜めに投射器を取り付けることができることである。
【0054】
いずれの構成においても、光検出器アレイ38はパネルの高さ全体にわたって延在している必要はなく、好ましくはこれはパネルの高さ方向に沿って複数の導波路のうちの一部のみを架橋するように、より短い長さに構成される。従って、短い直線状アレイを使用して、相応に小さい仮想ターゲットを出口面上に規定し、その内側においてプローブスポット34を検出して、双方向機能を提供することができる。好ましい実施形態では、プローブスポットはリモートポインタ36によって生成されるが、別の方法で生成することもできる。
【0055】
例えば、投射器28は可視光及びIR光の両方を生成することができ、IR光の少なくとも一部が、単に指で出口面を触れることによって、パネルを通して反射して戻される。従って、スクリーンは、指で触れることによって提供される内側に向かうIR光スポット34を光検出器によって検出可能なタッチスクリーンとして構成することができ、そしてカーソルは触れたポイント(又は触れたポイントの位置に対応する位置)に形成するか又は所望により省略することができる。出口面18は、外側に向かう投射器の光の少なくとも一部を内側に向けて反射させるために、例えば、指、掌(又はその他の身体部分)、ペンシルイレイザー、スタイラス(針)(即ち、好ましくは先の尖っていないタイプのもの)、又は紙(例えば、バーコード読み取り目的のため)で覆う(カバーする)ことができる。カバー要素(covering element)は、出口面18に直接接触するようにしても、或いは出口面18に非常に接近して離間された反射面を提供するようにしてもよい。
【0056】
仮想ターゲット内で検出されたプローブスポット34の位置は、次いで、カーソル位置と制御スポット位置との間の任意の所望の対応付け、即ち、マッピングを有する、出口面上の他の任意の所望の位置にカーソル40を表示するために用いることができる。
【0057】
外側に向かう画像ビームと、内側に向かう/戻るプローブビームとは、両方とも同一の導波路内を伝達される。或いは、上述の各実施形態のいずれかにおいて、複数の導波路のうちの交互の各1つを、外側に向かう画像ビームと(反射された)内側に向かうプローブビームとのそれぞれのための専用にすることができる。そして、光検出器(オプティカルディテクタ)は、内側に向かう光のための専用の各導波路を観察して、任意の内側に向かう/戻るプローブ光を検出するために用いることができる。
【0058】
図4に示す典型的なディスプレイシステムの用途において、仮想ターゲット42は、好ましくは、垂直方向及び水平方向の両方において光学パネルの中央に規定され、ポインタ36を向ける使用者にとって全出口面の表面領域の全体と事実上区別できない。ターゲット42の範囲内でのポインタ36の比較的小さい移動が、全出口面の範囲内でのカーソル40の相応に大きな移動へと変換される。
【0059】
別の実施形態では、ターゲットは、出口面の4つのコーナーのうちのいずれか1つよりに、又はその4つのコーナーのうちのいずれか1つに配置することができ、ポインタ36によって及び/又は単にターゲットを触れることによってアクティブにすることができる。この方法では、ターゲット内への任意の光入力を、所望によりターゲット区域を除く全出口面上の所定の位置に効果的に変換することができ、又所望により拡大することもできる。この形態の動作は、会議室における典型的な視聴覚プレゼンテーションにおいて、演説者がスクリーンの低い位置のコーナーにしか届かないが、なお出口面全体の任意の部分と相互作用したい時に有用であることがある。
【0060】
更に、ビデオプレゼンテーションなどにおける任意の目的のために、ターゲット区域内へと第2のビデオ画像を投射し、全出口面上に拡大されたその画像を有することもできる。ターゲットの表面領域上に光スポットをラスタリングすることによって、対応するラスタリングされた第2のビデオ画像を、コントローラによってもたらされた第1のビデオ画像の上に重ねることができる。
【0061】
従って、上述のディスプレイシステムは、単に、コントローラに動作可能に結合された直線状アレイ光検出器を導入することで、増強された双方向機能を提供する。コントローラは、ターゲット内の内側に向かう光の検出に基づいて所望の双方向機能を提供して、出口面上に投射されたビデオ画像を制御するように、任意の適当なソフトウェアに構成されていてよい。
【0062】
検出器アレイは、光学パネルの全体の高さと比較して相対的に短くてよいため、それに伴うコストは比較的低い。従って、少しの追加の構成部品を用いて、相応に少ない付加的なコストにて、双方向性機能をディスプレイシステムに導入することができる。
【0063】
以上、本明細書では、本発明の好ましく又典型的であると思われる実施形態について説明したが、本明細書の教示から当業者には本発明のその他の変更態様が明らかである。従って、添付の特許請求の範囲が、本発明の真の精神及び範囲内にあるそのような変更の全てを包含することを望む。
【0064】
従って、添付の特許請求の範囲によって規定され、又差別化される発明について特許を請求する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明の典型的な一実施形態に従う双方向性ディスプレイシステムの部分断面前方等角図である。
【図2】図2は、図1に示すディスプレイシステムの図1中の線2−2に沿った部分断面側方立面図である。
【図3】図3は、図2に示す光学パネルの背面の一部である図2中の符号3にて示す破線円の部分の部分断面拡大図である。
【図4】図4は、図1〜3に示すディスプレイシステムを本発明の典型的な一実施形態に従うその制御要素のフローチャート表示と共に示す前方等角図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに積み重ねられた複数の光導波路を有し、それらの各第1の端部が入口面を画成し、それらの反対側の各端部が出口面を画成する光学パネルと、
前記出口面上に表示するために前記入口面を横切って外側に向けて画像ビームを投射するための投射器と、
前記投射器と前記入口面との間に光学的に整列された、前記画像ビームを結像させるための結像装置と、
前記出口面上の内側に向かう光スポットの位置を検出するために前記複数の導波路のうちの少なくとも一部を架橋する少なくとも1つの光検出器と、
前記結像装置及び前記少なくとも1つの検出器に動作可能に結合されたコントローラであって、前記結像装置を制御して、前記検出されたスポットの位置に対応する位置において前記出口面上に可視インジケータを表示させるように構成されたコントローラと、
を有することを特徴とするディスプレイシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの検出器は、前記出口面上に仮想ターゲットを規定するように前記複数の導波路のうちの少なくとも一部を架橋し、前記検出されたスポットの位置は専ら前記ターゲット内に位置することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの検出器は、前記出口面上の一部においてのみ前記ターゲットを規定するように前記複数の導波路のうちのいくつかのみを架橋することを特徴とする請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項4】
前記コントローラは更に、前記結像装置を制御して、前記検出されたスポットの位置に対してずらされた前記出口面上の位置に前記インジケータを表示させるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のディスプレイシステム。
【請求項5】
前記コントローラは更に、前記結像装置を制御して、前記検出されたスポットの位置に応じて前記ターゲットの外側にある前記出口面上の位置に前記インジケータを表示させるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のディスプレイシステム。
【請求項6】
前記ターゲットは、前記出口面よりも面積が小さく、前記コントローラは更に、前記検出されたスポットの位置から相応に広げられた位置において前記出口面上に前記インジケータを配置させるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のディスプレイシステム。
【請求項7】
前記ターゲットは、前記出口面よりも小さいスケールとされ、前記コントローラは更に、前記検出されたスポットの位置から相応にスケールがより大きくされた位置において前記出口面上に前記インジケータを配置させるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のディスプレイシステム。
【請求項8】
前記コントローラは更に、前記結像装置を制御して、前記出口面上にメニューを付加的に表示させ、又前記ターゲット内での前記スポットの移動に応じて、前記メニュー上に前記インジケータを配置させるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項9】
更に、前記スポットとして前記ターゲット内に配置するために前記出口面に向けて光ビームを放射するように構成されたリモートポインタを有することを特徴とする請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項10】
前記リモートポインタから放射された前記光ビームは、赤外光を含むことを特徴とする請求項9に記載のディスプレイシステム。
【請求項11】
前記出口面は、実質的に前記入口面と平行であることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項12】
前記インジケータは、可視カーソルの形態であることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項13】
更に、前記ターゲット内に配置される補助的な画像を形成する複数の前記光スポットを有し、前記補助的な画像に対応する拡大された画像が前記出口面上に前記ターゲットの面積よりも大きな面積で表示されることを特徴とする請求項3に記載のディスプレイシステム。
【請求項14】
前記複数の導波路の各々は、前記パネルの幅にわたって水平に延在しており、前記複数の導波路は、前記パネルの高さ方向に沿って垂直に互いに積み重ねられており、前記少なくとも1つの検出器は、前記出口面上に前記ターゲットを規定するように前記パネルの高さ方向に沿って前記複数の導波路のうちの一部を架橋することを特徴とする請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの検出器は、前記パネルの1つの縁部に沿って前記パネルを架橋することを特徴とする請求項3に記載のディスプレイシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの検出器は、一対の前記検出器を有しており、該一対の前記検出器は、前記パネルの向かい合う各縁部に沿って前記パネルを架橋することを特徴とする請求項3に記載のディスプレイシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの検出器は、前記パネルの1つの縁部に沿って前記パネルの中間部のみを架橋しており、前記パネルの前記中間部は、前記パネルの最上部及び最下部より内側であることを特徴とする請求項3に記載のディスプレイシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの検出器は、一対の前記検出器を有しており、該一対の前記検出器は、前記パネルの向かい合う各縁部に沿って前記パネルの中間部のみを架橋しており、前記パネルの前記中間部は、前記パネルの最上部及び最下部より内側であることを特徴とする請求項3に記載のディスプレイシステム。
【請求項19】
更に、前記スポットの相対強度を比較して前記ターゲット内でのその横方向の位置を判定するために、前記一対の検出器に動作可能に結合された比較器を有することを特徴とする請求項18に記載のディスプレイシステム。
【請求項20】
前記複数の検出器は、前記ターゲット内での前記スポットの横断方向の位置を判定するために、前記複数の導波路を横切って延在する直線状フォトダイオードアレイを有し、前記スポットの前記横断方向の位置は、前記フォトダイオードアレイにおける前記各フォトダイオードの位置に対応することを特徴とする請求項19に記載のディスプレイシステム。
【請求項21】
前記各導波路は、リボンの形態であることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項22】
前記内側に向かう光スポットは、前記出口面上のスポットを、指、掌、ペンシルイレイザー、スタイラス及び紙から成る群から選択される少なくとも1つのカバー要素で覆うことによって形成されることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項23】
前記カバー要素は、前記画像ビームの少なくとも一部を少なくとも1つの導波路を通して内側に向けて反射させ、これにより前記内側に向かう光スポットを提供することを特徴とする請求項22に記載のディスプレイシステム。
【請求項24】
前記カバー要素は、前記画像ビームの少なくとも一部を隣接する導波路内へと反射させ、これにより前記内側に向かう光スポットを提供することを特徴とする請求項22に記載のディスプレイシステム。
【請求項25】
前記カバー要素は、前記出口面に接触することを特徴とする請求項22に記載のディスプレイシステム。
【請求項26】
前記カバー要素は、前記出口面から離間していることを特徴とする請求項22に記載のディスプレイシステム。
【請求項27】
互いに積み重ねられた複数の光導波路を有し、それらの各第1の端部が入口面を画成し、それらの反対側の各端部が出口面を画成する光学パネルを有するディスプレイシステムに双方向性を与える方法において、
前記出口面上に表示するために前記入口面を横切って外側に向けて画像ビームを投射すること、
前記投射された画像ビームを結像させること、
内側に向かう光スポットの前記出口面上の位置を検出すること、及び
前記検出されたスポットの位置に対応する位置において前記出口面上に可視インジケータを表示すること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
前記検出されたスポットの位置は、専ら仮想ターゲット内の前記出口面上に位置することを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ターゲットは、前記出口面上の一部にのみあることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記インジケータは、前記検出されたスポットの位置に対してずらされた前記出口面上の位置に表示されることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記インジケータは、前記検出されたスポットの位置に応じて前記ターゲットの外側にある前記出口面上の位置に表示されることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記ターゲットは、前記出口面よりも面積が小さく、前記インジケータは、前記検出されたスポットの位置から相応に広げられた位置において前記出口面上に配置されることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記ターゲットは、前記出口面よりも小さいスケールとされ、前記インジケータは、前記検出されたスポットの位置から相応にスケールがより大きくされた位置において前記出口面上に配置されることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項34】
更に、
前記出口面上にメニューを表示すること、及び
前記ターゲット内での前記スポットの移動に応じて前記メニュー上に前記インジケータを配置すること、
を含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項35】
更に、前記スポットとして前記ターゲット内に配置するために前記出口面に向けて光ビームを放射することを含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項36】
前記放射された光ビームは、赤外光を含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記出口面は、実質的に前記入口面と平行であることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項38】
前記インジケータは、可視カーソルの形態であることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項39】
更に、
前記ターゲット内に配置された補助的な画像を形成すること、及び
前記補助的な画像に対応する拡大された画像を前記出口面上に前記ターゲットの面積よりも大きな面積で表示すること、
を含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項40】
前記複数の導波路の各々は、前記パネルの幅にわたって水平に延在しており、前記複数の導波路は、前記パネルの高さ方向に沿って垂直に互いに積み重ねられていることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項41】
前記ターゲットは、前記パネルの中間部にのみ配置され、前記パネルの前記中間部は、前記パネルの最上部及び最下部より内側であることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項42】
更に、前記スポットの相対強度を比較して前記ターゲット内でのその横方向の位置を判定することを含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項43】
更に、前記ターゲット内での前記スポットの横断方向の位置を判定することを含むことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記各導波路は、リボンの形態であることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項45】
更に、前記外側に向かう画像ビームの少なくとも一部を前記出口面において反射させて、前記内側に向かう光スポットを形成することを含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項46】
前記反射は、前記出口面上のスポットを、指、掌、ペンシルイレイザー、スタイラス及び紙から成る群から選択される少なくとも1つのカバー要素で覆うことによって引き起こされることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記カバー要素は、前記画像ビームの少なくとも一部を隣接する導波路内へと反射させ、これにより前記内側に向かう光スポットを提供することを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記カバー要素は、前記出口面に接触することを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記カバー要素は、前記出口面から離間していることを特徴とする請求項46に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−504492(P2007−504492A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524742(P2006−524742)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/027028
【国際公開番号】WO2005/031686
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(502268265)ブルックヘイブン サイエンス アソシエイツ (5)
【Fターム(参考)】