説明

スタッドボルト用固定機構

【課題】取付対象をスタッドボルトに対して強固に固定することができ、2箇所のスタッドボルトの間隔のばらつきの許容幅が大きいスタッドボルト用固定機構を簡易に実現できること。
【解決手段】取付対象8と一体に形成され、第1の位置4Aに固定された第1クリップ部10Aと、取付対象8と一体に形成され、第2の位置5Aを挟む両側に対向し、第1の位置4Aと第2の位置5Aとを通る直線に平行なX軸方向に伸びて形成された一対の対向壁21と、一対の対向壁21の間に挿入される取付対象8とは別個の一体成型部材であり、第2クリップ部10Bが形成された独立部材30とを備える。一対の対向壁21の内側面各々にはスタッドボルト挿入方向から見て重ならない位置に配列された上下2段の複数の突出部からなる支持部24が形成され、独立部材30の両側面には支持部24の中段に挿入されてX軸方向に摺動自在に支持される被支持部32が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2箇所に設けられたスタッドボルトに対して取付対象を固定するスタッドボルト用固定機構に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両に搭載されるワイヤハーネスは、電線の周囲を覆う保護ケース又は電線がテーピングにより固定される板状の部材などの電線保持具を備える。また、車載用ワイヤハーネスは、その電線に取り付けられた電線保持具が、車体のパネルから突出するスタッドボルトに固定されることにより、車両における予め定められた経路に沿って敷設される。スタッドボルトは、車体のパネルなどの支持体に溶接されたボルトである。
【0003】
スタッドボルトに固定される電線保持具には、孔に挿入されたスタッドボルトを挟み込んで保持するクリップ部を含むスタッドボルト用固定機構が設けられる。クリップ部は、スタッドボルトが挿入される孔が形成された板状の基部と、先端がスタッドボルトのネジの溝に嵌り込むことによってスタッドボルトを挟み込む複数の爪部とを備える。複数の爪部は、基部における孔の縁部に設けられる。
【0004】
また、スタッドボルト用固定機構は、一般に、2つのクリップ部を備え、それら2つのクリップ部各々が2箇所に設けられた2本のスタッドボルト各々を挟み込むことにより、取付対象である電線保持具を2本のスタッドボルトに固定する。これにより、電線保持具は、その向きが一定に保持された状態で2箇所のスタッドボルトに対して固定され、その電線保持具に保持された電線は、予め定められた経路に沿う状態で保持される。
【0005】
ところで、スタッドボルト用固定機構は、2箇所のスタッドボルトの間隔のばらつきであるピッチ公差を吸収するためのピッチ公差吸収機能を備える必要がある。ピッチ公差吸収機能は、スタッドボルト用固定機構における2つのクリップ部各々が設けられた2箇所を結ぶ一の直線に沿う方向におけるスタッドボルトの位置ずれを許容しつつ、スタッドボルトを挟み込むことができる機能である。以下、スタッドボルト用固定機構における2つのクリップ部各々が設けられた2箇所を結ぶ一の直線に平行な方向を調整方向と称する。
【0006】
第1の従来例に係るスタッドボルト用固定機構は、2つのクリップ部のうちの一方が、調整方向を長手方向とする長孔が形成された基部と、調整方向に直交する方向において相互に対向し、調整方向に伸びて形成された一対の爪部と、を備える。
【0007】
また、第2の従来例に係るスタッドボルト用固定機構は、特許文献1に示されている。特許文献1に示されるスタッドボルト用固定機構は、2つのクリップ部のうちの一方が、調整方向を長手方向とする長孔が形成された基部と、調整方向に直交する方向において相互に対向する一対の第1爪部と、調整方向において相互に対向し、第1爪部よりも突出量の大きな(長い)一対の第2爪部と、を備える。この場合、ピッチ公差は、スタッドボルトを挟み込む一対の第2爪部各々の傾き度合いによって吸収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平6−67980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、第1の従来例に係るスタッドボルト用固定機構は、一方のクリップ部において、相互に対向する2つの爪部しか備えない。そのため、第1の従来例に係るスタッドボルト用固定機構は、スタッドボルトに対する固定力が弱いという問題点があった。また、特許文献1に示されるスタッドボルト用固定機構(第2の従来例)は、一対の第2爪部の傾きによって吸収できるピッチ公差の許容幅が小さいという問題点があった。
【0010】
本発明は、取付対象をスタッドボルトに対して強固に固定することができ、かつ、2箇所のスタッドボルトの間隔のばらつきの許容幅が大きいスタッドボルト用固定機構を簡易に実現できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1発明に係るスタッドボルト用固定機構は、2箇所に設けられたスタッドボルトに対して電線保持具などの取付対象を固定する機構であり、次の(1)〜(5)に示される各構成要素を備え、さらに、(6)に示される構成を備える。
(1)第1の構成要素は、取付対象と一体に形成された部分であり、第1の位置に第1の孔が形成されており該第1の孔に挿入されたスタッドボルトを挟み込んで保持する第1のクリップ部である。
(2)第2の構成要素は、取付対象と一体に形成された部分であり、第2の位置を挟む両側に対向して形成され、第1の位置と第2の位置とを通る直線に平行な調整方向に伸びて形成された一対の対向壁である。
(3)第3の構成要素は、一対の対向壁の間に挿入される取付対象とは別個の一体成型部材であり、その一部に、第2の孔が形成されており第2の孔に挿入されたスタッドボルトを挟み込んで保持する第2のクリップ部が形成された独立部材である。
(4)第4の構成要素は、一対の対向壁と一体に形成された部分であり、一対の対向壁における相互に対向する内側面各々に突出して設けられた支持部である。
(5)第5の構成要素は、独立部材の一部であり、独立部材における一対の対向壁に対向する両側面各々に突出して設けられ、支持部により調整方向に沿って摺動自在に支持される被支持部である。
(6)そして、支持部及び被支持部の一方は、調整方向の所定範囲に渡る領域内において下側及び上側の二段に分かれて突設された下段の突出部及び上段の突出部を有する。さらに、支持部及び被支持部の他方は、下段の突出部及び上段の突出部の間に挿入される中段の突出部を有する。
【0012】
また、第2発明に係るスタッドボルト用固定機構は、第1発明に係るスタッドボルト用固定機構において、複数の下段の突出部及び複数の上段の突出部が、それぞれ調整方向に沿って間隔を空けて一列に配列されるとともに、第2の孔へのスタッドボルトの挿入方向から見て相互に重ならない位置に配置され、中段の突出部が、調整方向に沿って一連に伸びて形成されている。
【0013】
また、第3発明に係るスタッドボルト用固定機構は、第2発明に係るスタッドボルト用固定機構の構成に加え、一対の対向壁と一体に形成され、支持部によって調整方向に移動可能に支持される独立部材の一部に当接し、独立部材の調整方向における移動範囲を制限する移動制限部をさらに備える。
【0014】
また、第4発明に係るスタッドボルト用固定機構は、第3発明に係るスタッドボルト用固定機構の構成に加え、次の第1補助支持部及び第2補助支持部をさらに備える。第1補助支持部は、一対の対向壁と一体に形成され、調整方向における独立部材の移動範囲の両端のうちの一方の位置において独立部材の一部を下側から支える部分である。第2補助支持部は、一対の対向壁と一体に形成され、調整方向における独立部材の移動範囲の両端のうちの他方の位置において独立部材の一部を上側から支える部分である。そして、独立部材は、下段の突出部、上段の突出部及び中段の突出部と、第1補助支持部又は第2補助支持部とにより、調整方向の移動範囲のいずれの位置においても、調整方向の3箇所以上で下側から支えられるとともに調整方向の3箇所以上で上側から支えられる。
【発明の効果】
【0015】
第1発明によれば、ピッチ公差吸収機能は、第2のクリップ部が形成された独立部材を調整方向に沿って移動可能に支持する支持部及び被支持部によって実現される。そのため、2つのクリップ部の両方において、孔に挿入されたスタッドボルトを3つ以上の方向から挟み込む3つ以上の爪部を備えるクリップ部、即ち、スタッドボルトの保持力の強いクリップ部を採用することが可能である。また、被支持部の摺動範囲を大きくすることも可能である。従って、第1発明によれば、取付対象をスタッドボルトに対して強固に固定することができ、かつ、2箇所のスタッドボルトの間隔のばらつきの許容幅が大きいスタッドボルト用固定機構を実現できる。しかも、ピッチ公差吸収機能を実現する摺動機構は、取付対象及び独立部材各々を一体成型する際に成型される部材の一部の突出部としてごく簡易に実現できる。また、独立部材を各種の取付対象に対して共用することが可能であり、部品共用によるコスト削減効果も得られる。
【0016】
また、第2発明においては、それぞれ一列に配列される複数の下段の突出部及び複数の上段の突出部が、孔へのスタッドボルトの挿入方向から見て相互に重ならない位置に配置される。一般に、電線保護具などの取付対象及びクリップ部は、スタッドボルトの挿入方向を高さ方向(深さ方向)とする壁及びリブなどを有する。そのため、取付対象及びクリップ部が成型される際、成型用の金型は、クリップ部の孔へのスタッドボルトの挿入方向に沿って移動される。従って、第2発明によれば、下段の突出部及び上段の突出部が、取付対象及び独立部材各々を一体成型する際に成型される部材の一部として製造される際に、金型のスライド機構の採用は必要とされない。その結果、ピッチ公差吸収機能を実現する摺動機構をより簡易に(低コストで)実現できる。
【0017】
また、第3発明によれば、独立部材の調整方向における移動範囲を制限する移動制限部が、中段の突出部が下段の突出部及び上段の突出部の間から外れて独立部材が一対の対向壁の間から離脱することを防止する離脱防止機構として機能する。また、取付対象の種類ごとに移動制限部の位置が設定されることにより、適用対象に適したピッチ公差の許容範囲が設定される。
【0018】
また、第4発明によれば、独立部材が、その移動範囲において常に調整方向における3箇所以上において分散して上側及び下側の両側から支えられる。そのため、独立部材を支える負荷が3箇所以上の各部位に分散され、応力の集中による支持部又は被支持部の破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係るスタッドボルト用固定機構1の平面図である。
【図2】スタッドボルト用固定機構1における第1例に係る可動側固定具5を構成するスライド支持部20の斜視図である。
【図3】可動側固定具5を構成する独立クリップ部材30の斜視図である。
【図4】可動側固定具5の平面図である。
【図5】可動側固定具5の横断面図である。
【図6】可動側固定具5の第1の縦断面図である。
【図7】可動側固定具5の第2の縦断面図である。
【図8】可動側固定具5の第3の縦断面図である。
【図9】スタッドボルト用固定機構1における第2例に係る可動側固定具51の平面図である。
【図10】可動側固定具51の横断面図である。
【図11】スタッドボルト用固定機構1における第3例に係る可動側固定具52の第1の縦断面図である。
【図12】スタッドボルト用固定機構1における第3例に係る可動側固定具52の第2の縦断面図である。
【図13】スタッドボルト用固定機構1における第3例に係る可動側固定具52の第3の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
【0021】
まず、図1〜図8を参照しつつ、本発明の実施形態に係るスタッドボルト用固定機構1の構成について説明する。スタッドボルト用固定機構1は、車体のパネルなどの支持体の2箇所に設けられた2本のスタッドボルトに対して電線保護具の筐体8を固定する機構である。
【0022】
図1に示されるように、車載用のワイヤハーネスを構成する電線9を覆う電線保護具の筐体8に設けられた固定側固定具4と可動側固定具5とを備える。なお、電線保護具の筐体8は、取付対象の一例であり、可動側固定具5は、スタッドボルト用固定機構1に採用され得る可動側固定具の第1例である。また、図1において、二点鎖線は、電線保護具の筐体8の一部及びその電線保護具の筐体8に収容される電線9の一部の記載を簡略化して表した線である。また、図1において、スタッドボルト用固定機構1の構成とは直接に関係しない電線9は、破線で示されている。
【0023】
<固定側固定具4>
固定側固定具4は、電線保護具の筐体8と一体に形成され、スタッドボルトを挟み込んで保持するクリップ部10が設けられた部分である。クリップ部10は、基部11と、一対のボルトカバー部12と、一対の第1爪部13と、一対の第2爪部14とを備えている。図4に示されるように、一対のボルトカバー部12は、リブ15によって補強されている。
【0024】
基部11は、スタッドボルトが挿入される孔11Aが形成された板状の部分である。一対のボルトカバー部12は、基部11における孔11Aの縁部に相互に対向して立設され、孔11Aに挿入されたスタッドボルトの側面を二方向から覆う。一対の第1爪部13は、一対のボルトカバー部12各々における相互に対向する面に、相互に対向して立設されている。また、一対の第2爪部14は、基部11における孔11Aの縁部に相互に対向して立設されている。但し、一対の第2爪部14は、一対の第1爪部13が並ぶ方向に対して直交する方向に並んで配置されている。一対の第1爪部13及び一対の第2爪部14は、それらの先端がスタッドボルトのネジの溝に嵌り込むことにより、スタッドボルトを四方から挟み込んで保持する。図6に示されるように、一対の第2爪部14は、その先端部分に鋭角の角部14Aが形成され、この角部14Aがスタッドボルトのネジの溝に嵌り込む。以下、固定側固定具4におけるクリップ部10のことを第1クリップ部10Aと称する。
【0025】
第1クリップ部10Aにおける孔11Aは、電線保護具の筐体8の近傍における第1の位置4Aに中心が位置するように配置されている。即ち、第1クリップ部10Aにおけるスタッドボルト挿入用の孔11Aは、第1の位置4Aに形成されている。
【0026】
<第1例に係る可動側固定具5>
一方、可動側固定具5は、電線保護具の筐体8と一体に形成された部分であるスライド支持部20と、電線保護具の筐体8とは別個の部材である独立クリップ部材30とを備えている。電線保護具の筐体8とスライド支持部20とは、それらを繋ぐ連結フレーム25を介して一体に形成されている。
【0027】
即ち、電線保護具の筐体8と固定側固定具4とスライド支持部20とは、それら全体が一体成型された部材である。また、独立クリップ部材30は、それ全体が一体成型された部材である。電線保護具の筐体8、固定側固定具4及びスライド支持部20を構成する部材及び独立クリップ部材30は、例えば、ポリプロピレン(PP)又はポリアミド(PA)などの合成樹脂からなる部材である。
【0028】
図2及び図3は、スライド支持部20及び独立クリップ部材30各々の斜視図である。また、図4は、スライド支持部20に独立クリップ部材30が組み込まれることによって構成される可動側固定具5の平面図である。また、図5は、図4に示される可動側固定具5のA−A面での断面図(横断面図)である。また、図6は、図4に示される可動側固定具5のB−B面での断面図(縦断面図)である。また、図7及び図8は、図4に示される状態に対して独立クリップ部30が異なる位置に移動された状態における可動側固定具5の縦断面図である。
【0029】
図2,4,5に示されるように、スライド支持部20には、相互に対向する2つの対向壁21A,21Bと、支持部24と、第1梁部22と、第2梁部23とが形成されている。また、図3,4,5に示されるように、独立クリップ部材30には、クリップ部10と、枠部31と、被支持部32と、が形成されている。クリップ部10は、第1クリップ部10Aと同じ構成を有している。即ち、独立クリップ部材30におけるクリップ部10は、孔11Aが形成された基部11、一対のボルトカバー部12、一対の第1爪部13及び一対の第2爪部14を備え、一対の第1爪部13及び一対の第2爪部14は、孔11Aに挿入されたスタッドボルトのネジの溝に嵌り込むことにより、スタッドボルトを四方から挟み込んで保持する。以下、独立クリップ部材30におけるクリップ部10のことを第2クリップ部10Bと称する。また、2つの対向壁21A,21Bを一対の対向壁21と総称する。
【0030】
スライド支持部20において、一対の対向壁21は、電線保護具の筐体8の近傍の第2の位置5Aを挟む両側に対向して形成され、第1の位置4Aと第2の位置5Aとを通る直線R1に平行な方向に伸びて形成された壁である。図1〜図13において、X軸、Y軸及びZ軸の各方向は、以下の通りである。即ち、X軸方向は、第1の位置4Aと第2の位置5Aとを通る直線R1に平行な方向である。Z軸方向は、第1クリップ部10A及び第2クリップ部10B各々における孔11Aへのスタッドボルトの挿入方向である。また、Y軸方向は、一対の対向壁21が対向する方向である。なお、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は相互に直交する方向であることはいうまでもない。
【0031】
当該スタッドボルト用固定機構1において、X軸方向は、第1クリップ部10Aと第2クリップ部10Bとの間隔の調整方向でり、その間隔の調整により、2箇所のスタッドボルトの間隔の公差の吸収が可能となる。図1,2,4,5において、第1の位置4Aから第2の位置5Aへ向かう方向(X軸正方向)を基準にして左側に一方の対向壁21Aが存在し、同右側に他方の対向壁21Bが存在する。
【0032】
支持部24は、一対の対向壁21における相互に対向する内側面各々に突出して設けられた部分である。図2,4,5に示されるように、支持部24は、X軸方向の所定範囲に渡る領域内において下段及び上側の二段に分かれて突設された複数の下段の突出部241及び複数の上段の突出部242を含む。
【0033】
複数の下段の突出部241及び複数の上段の突出部242は、それぞれX軸方向に沿って間隔を空けて一列に配列されている。また、図4に示されるように、複数の下段の突出部241及び複数の上段の突出部242は、Z軸方向から見て相互間に隙間Gが生じるように配置されている。即ち、複数の下段の突出部241及び複数の上段の突出部242は、孔11Aへのスタッドボルトの挿入方向から見て相互に重ならない位置に配置されている。
【0034】
また、スライド支持部20において、第1梁部22及び第2梁部23は、一対の対向壁21のX軸方向の両端各々の部分において一対の対向壁21に架け渡され、それら一対の対向壁21を連結する部分である。第1梁部22及び第2梁部23は、一対の対向壁21を一定の間隔で保持する補強部として機能する。これら第1梁部22及び第2梁部23と、下段の突出部241及び下段の突出部242とは、Z軸方向から見てスライド支持部20の他の部分と重ならない位置に形成されている。なお、第1梁部22及び第2梁部23のその他の機能については後述する。
【0035】
一方、独立クリップ部材30において、枠部31は、第2クリップ部10Bの基部11の周囲を囲む壁状に形成され、基部11を支持する部分である。この枠部31における両側面31A,31B各々には、スライド支持部20の支持部24によってX軸方向に沿って摺動自在に支持される鍔状の被支持部32が、Y軸方向へ突出して設けられている。
【0036】
独立クリップ部材30の両側面において鍔状に張り出した被支持部32は、X軸方向に沿って一連に伸びて形成されている。この被支持部32は、スライド支持部20の支持部24を構成する下段の突出部241及び上段の突出部242の間に挿入される。即ち、被支持部32は、下段の突出部241及び上段の突出部242との関係において、それらの間に位置する中段の突出部として設けられた部分である。被支持部32は、Z軸方向における両側の面(下面及び上面)が、下段の突出部241及び上段の突出部242各々によって、X軸方向において摺動自在に支えられる。
【0037】
独立クリップ部材30は、第1梁部22が設けられた側からX軸方向に沿って一対の対向壁21の間へ挿入される。その際、独立クリップ部材30は、被支持部32が下段の突出部241及び上段の突出部242各々の間に挿入されるようにしながら、一対の対向壁21の間へ挿入される。また、独立クリップ部材30が一対の対向壁21の間へ挿入される際、独立クリップ部材30の一部に形成されたロック部34が、第1梁部22の中央部分と干渉する。しかしながら、ロック部34は、そのロック部34に形成された傾斜面34Aで第1梁部22と接触しながら摺動し、第1梁部22は、ロック部34から受ける圧力によって撓むため、独立クリップ部材30は、第1梁部22を超えて一対の対向壁21の間へ嵌め入れられる。
【0038】
図6〜図8に示されるように、独立クリップ部材30は、被支持部32がスライド支持部20の下段の突出部241及び上段の突出部242各々によってZ軸方向の両側から支えられる。従って、独立クリップ部材30は、下段の突出部241及び上段の突出部242各々によってX軸方向に摺動自在に支持される。また、独立クリップ部材30は、下段の突出部241及び上段の突出部242各々によってZ軸方向に移動しないように支えられる。
【0039】
図6は、独立クリップ部材30が第1の位置4Aから最も離れて位置する状態を示す。以下、この独立クリップ部材30の位置を第1位置と称する。この状態において、連結フレームの一部25Aが、独立クリップ部30の端部に当接する。一方、図7は、独立クリップ部材30が第1の位置4Aに最も近く位置する状態を示す。以下、この独立クリップ部材30の位置を第2位置と称する。この状態において、第1梁部22が、独立クリップ部30のロック部34に当接する。このように、一対の対向壁21と一体に形成された連結フレームの一部25A及び第1梁部22は、支持部24によってX軸方向に移動可能に支持される独立クリップ部材30の一部に当接し、独立クリップ部材30のX軸方向における移動範囲を制限する。なお、連結フレームの一部25A及び第1梁部22は、移動制限部の一例である。
【0040】
図6に示されるように、第1位置の独立クリップ部材30は、Y軸方向の両側各々の被支持部32において、X軸方向に一列に並ぶ3つの下段の突出部241全てによって下側から支えられる。さらに、第1位置の独立クリップ部材30は、Y軸方向の両側各々の被支持部32において、X軸方向に一列に並ぶ3つの上段の突出部242のうちの2つによって上側から支えられる。さらに、第1位置の独立クリップ部材30は、枠部31におけるY軸方向の中央部分からX軸方向に伸びて形成されたリブ33の部分において、第2梁部23によって上側から支えられる。
【0041】
また、図7に示されるように、第2位置の独立クリップ部材30は、Y軸方向の両側各々の被支持部32において、X軸方向に一列に並ぶ3つの下段の突出部241うちの2つによって下側から支えられる。さらに、第1位置の独立クリップ部材30は、Y軸方向の両側各々の被支持部32において、X軸方向に一列に並ぶ3つの上段の突出部242の全てによって上側から支えられる。さらに、第1位置の独立クリップ部材30は、枠部31におけるY軸方向の両端部において、第1梁部22によって上側から支えられる。
【0042】
図8は、独立クリップ部材30が、図6に示される第1位置と図7に示される第2位置との間に位置する状態を示す。以下、この独立クリップ部材30の位置を中間位置と称する。図8に示されるように、中間位置の独立クリップ部材30は、Y軸方向の両側各々の被支持部32において、X軸方向に一列に並ぶ3つの下段の突出部241の全てによって下側から支えられる。さらに、中間位置の独立クリップ部材30は、Y軸方向の両側各々の被支持部32において、X軸方向に一列に並ぶ3つの上段の突出部242の全てによって上側から支えられる。
【0043】
図6〜図8に示されるように、独立クリップ部材30は、下段の突出部241、上段の突出部242及び被支持部32(中段の突出部)と、第1梁部22又は第2梁部23とにより、X軸方向の移動範囲のいずれの位置においても、X軸方向の2箇所以上で下側から支えられるとともに、X軸方向の3箇所以上で上側から支えられる。
【0044】
以上に示されたスタッドボルト用固定機構1においては、スタッドボルトのピッチ公差を吸収する機能は、第2クリップ部10Bが形成された独立クリップ部材30をX軸方向に沿って移動可能に支持する支持部24及び被支持部32によって実現される。また、第1クリップ部10A及び第2クリップ部10Bの両方において、孔11Aに挿入されたスタッドボルトを4方向から挟み込む4つの爪部13,14を備えるクリップ部10、即ち、スタッドボルトの保持力の強いクリップ部10が採用されている。また、被支持部32の摺動範囲を大きくすることも可能である。
【0045】
以上より、スタッドボルト用固定機構1によれば、電線保護具の筐体8をスタッドボルトに対して強固に固定することができ、かつ、2箇所のスタッドボルトの間隔のばらつきの許容幅が大きい機構を実現できる。しかも、ピッチ公差吸収機能を実現する摺動機構は、取付対象である電線保護具の筐体8及び独立クリップ部材30各々を一体成型する際に成型される部材の一部の突出部としてごく簡易に実現できる。また、独立クリップ部材30を各種の取付対象に対して共用することが可能であり、部品共用によるコスト削減効果も得られる。
【0046】
また、スタッドボルト用固定機構1においては、それぞれ一列に配列される複数の下段の突出部241及び複数の上段の突出部242が、孔11Aへのスタッドボルトの挿入方向(Z軸方向)から見て相互に重ならない位置に配置される。一般に、電線保護具などの取付対象及びクリップ部10は、スタッドボルトの挿入方向を高さ方向(深さ方向)とする壁及びリブなどを有する。そのため、取付対象及びクリップ部10が成型される際、成型用の金型は、クリップ部10の孔11Aへのスタッドボルトの挿入方向(Z軸方向)に沿って移動される。
【0047】
従って、下段の突出部241及び上段の突出部242が、電線保護具の筐体8及び独立クリップ部材30各々を一体成型する際に成型される部材の一部として製造される際に、金型のスライド機構の採用は必要とされない。その結果、ピッチ公差吸収機能を実現する摺動機構をより簡易に(低コストで)実現できる。
【0048】
また、独立クリップ部材30のX軸方向における移動範囲を制限する第1梁部22及び連結フレームの一部25Aが、被支持部32(中段の突出部)が下段の突出部241及び上段の突出部242の間から外れて独立クリップ部材30が一対の対向壁21の間から離脱することを防止する離脱防止機構として機能する。また、取付対象の種類ごとに第1梁部22の位置が設定されることにより、適用対象に適したピッチ公差の許容範囲が設定される。
【0049】
<第2例に係る可動側固定具51>
次に、図9に示される平面図及び図10に示される横断面図を参照しつつ、スタッドボルト用固定機構1における第2例に係る可動側固定具51の構成について説明する。可動側固定具51は、第1例に係る可動側固定具5と比較して、スライド支持部20側の支持部の構造と独立クリップ部材30側の被支持部の構造とが逆になっている点のみが異なる。図9及び図10において、図1〜図8に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、可動側固定具51における可動側固定具5と異なる点についてのみ説明する。なお、図10は、図9に示される可動側固定具51のC−C面での断面図(横断面図)である。
【0050】
可動側固定具51においても、スライド支持部20の一部として形成される支持部26は、一対の対向壁21における相互に対向する内側面各々に突出して設けられた部分である。但し、支持部26は、X軸方向に沿って一連に伸びて形成されている。
【0051】
また、可動側固定具51においても、独立クリップ部材30の一部として形成される被支持部35は、枠部31における両側面31A,31B各々においてY軸方向へ突出して設けられ、スライド支持部20の支持部26によってX軸方向に沿って摺動自在に支持される部分である。但し、被支持部35は、X軸方向の所定範囲に渡る領域内において下段及び上側の二段に分かれて突設された複数の下段の突出部351及び複数の上段の突出部352を含む。
【0052】
図9に示されるように、複数の下段の突出部351及び複数の上段の突出部352は、それぞれX軸方向に沿って間隔を空けて一列に配列されている。また、複数の下段の突出部351及び複数の上段の突出部352は、Z軸方向から見て相互間に隙間Gが生じるように配置されている。即ち、複数の下段の突出部351及び複数の上段の突出部352は、孔11Aへのスタッドボルトの挿入方向から見て相互に重ならない位置に配置されている。
【0053】
そして、スライド支持部20の支持部26は、独立クリップ部材30の被支持35を構成する下段の突出部351及び上段の突出部352の間に挿入される。即ち、支持部26は、下段の突出部351及び上段の突出部352との関係において、それらの間に位置する中段の突出部として設けられた部分である。下段の突出部351の上面が、支持部26によって上側から摺動自在に支えられ、上段の突出部352の下面が、支持部26によって下側から摺動自在に支えられる。
【0054】
スタッドボルト用固定機構1において、図9及び図10に示される可動側固定具51が採用された場合でも、前述の可動側固定具5が採用された場合と同様の作用及び効果が得られる。
【0055】
<第3例に係る可動側固定具52>
次に、図11〜図13に示される縦断面図を参照しつつ、スタッドボルト用固定機構1における第3例に係る可動側固定具52の構成について説明する。可動側固定具52は、第1例に係る可動側固定具5と比較して、スライド支持部20において支持部24のX軸方向の位置が変更された点及び補助支持部27が追加された点のみが異なる。図11〜図13において、図1〜図8に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、可動側固定具52における可動側固定具5と異なる点についてのみ説明する。なお、図11〜図13は、図6〜図8に相当する縦面図である。
【0056】
可動側固定具52のスライド支持部20においては、一対の対向壁21と一体に形成された連結フレームの一部25Aに、X軸方向における独立クリップ部材30の移動範囲の両端のうちの一方の位置において独立クリップ部材30の一部を下側から支える補助支持部27が形成されている。この補助支持部27も、Z軸方向から見てスライド支持部20の他の部分と重ならない位置に形成されている。
【0057】
図11〜図13に示されるように、独立クリップ部材30は、被支持部32がスライド支持部20の下段の突出部241及び上段の突出部242各々によってZ軸方向の両側から支えられる。従って、独立クリップ部材30は、下段の突出部241及び上段の突出部242各々によってX軸方向に摺動自在に支持される。また、独立クリップ部材30は、下段の突出部241及び上段の突出部242各々によってZ軸方向に移動しないように支えられる。
【0058】
図11は、独立クリップ部材30が第1の位置4Aから最も離れた第1位置に位置する状態を示す。この状態において、連結フレームの一部25Aが、独立クリップ部30の端部に当接する。一方、図12は、独立クリップ部材30が第1の位置4Aに最も近い第2位置に位置する状態を示す。この状態において、第1梁部22が、独立クリップ部30のロック部34に当接する。
【0059】
図11に示されるように、第1位置の独立クリップ部材30は、Y軸方向の両側各々の被支持部32において、X軸方向に一列に並ぶ3つの下段の突出部241のうちの2つによって下側から支えられる。さらに、第1位置の独立クリップ部材30は、X軸方向におけ端部において、補助支持部27によって下側から支えられる。即ち、第1位置の独立クリップ部材30は、X軸方向における3箇所において下側から支えられる。
【0060】
また、第1位置の独立クリップ部材30は、Y軸方向の両側各々の被支持部32において、X軸方向に一列に並ぶ3つの上段の突出部242全てによって上側から支えられる。さらに、第1位置の独立クリップ部材30は、枠部31におけるY軸方向の中央部分からX軸方向に伸びて形成されたリブ33の部分において、第2梁部23によって上側から支えられる。即ち、第1位置の独立クリップ部材30は、X軸方向における4箇所において上側から支えられる。
【0061】
また、図12に示されるように、第2位置の独立クリップ部材30は、Y軸方向の両側各々の被支持部32において、X軸方向に一列に並ぶ3つの下段の突出部241全てによって下側から支えられる。即ち、第2位置の独立クリップ部材30は、X軸方向における3箇所において下側から支えられる。
【0062】
また、第2位置の独立クリップ部材30は、Y軸方向の両側各々の被支持部32において、X軸方向に一列に並ぶ3つの上段の突出部242全てによって上側から支えられる。さらに、第2位置の独立クリップ部材30は、枠部31におけるY軸方向の両端部において、第1梁部22によって上側から支えられる。即ち、第2位置の独立クリップ部材30は、X軸方向における4箇所において上側から支えられる。
【0063】
図13は、独立クリップ部材30が、図11に示される第1位置と図12に示される第2位置との間の中間位置に位置する状態を示す。図13に示されるように、中間位置の独立クリップ部材30は、Y軸方向の両側各々の被支持部32において、X軸方向に一列に並ぶ3つの下段の突出部241全てによって下側から支えられる。また、中間位置の独立クリップ部材30は、Y軸方向の両側各々の被支持部32において、X軸方向に一列に並ぶ3つの上段の突出部242の全てによって上側から支えられる。
【0064】
図11〜図13に示されるように、独立クリップ部材30は、下段の突出部241、上段の突出部242及び被支持部32(中段の突出部)と、第1梁部22又は補助支持部27とにより、X軸方向の移動範囲のいずれの位置においても、X軸方向の3箇所以上で下側から支えられるとともに、X軸方向の3箇所以上で上側から支えられる。なお、第1梁部22は、X軸方向における独立クリップ部材30の移動範囲の両端のうちの他方の位置において独立クリップ部材30の一部を上側から支える補助支持部の一例である。
【0065】
可動側固定具52が採用されたスタッドボルト用固定機構1においても、可動側固定具5が採用された場合と同様の作用及び効果が得られる。また、可動側固定具52が採用されたスタッドボルト用固定機構1独立クリップ部材30が、その移動範囲において常にX軸方向における3箇所以上において分散して上側及び下側の両側から支えられる。そのため、独立クリップ部材30を支える負荷が3箇所以上の各部位に分散され、応力の集中による支持部24又は被支持部32の破損を防止できる。
【0066】
以上に示した実施形態では、スタッドボルト用固定機構1が適用される取付対象の一例として電線保護具が示されたが、取付対象は、他の物であってもかまわない。例えば、取付対象としては、ワイヤハーネスにおける電線がテーピングによって固定される板状の電線保持部材などが考えられる。
【符号の説明】
【0067】
1 スタッドボルト用固定機構
4 固定側固定具
5,51,52 可動側固定具
4A 第1の位置
5A 第2の位置
8 電線保護具の筐体
9 電線
10 クリップ部
10A 第1クリップ部
10B 第2クリップ部
11 基部
11A 孔
12 ボルトカバー部
13 第1爪部
14 第2爪部
14A 角部
15 リブ
20 スライド支持部
21 一対の対向壁
21A,21B 対向壁
22 第1梁部
23 第2梁部
24,26 支持部
25,25A 連結フレーム
27 補助支持部
30 独立クリップ部材
31 枠部
31A,31B 側面
31,35 被支持部
33 リブ
34 ロック部
34A 傾斜面
241,351 下段の突出部
242,352 上段の突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2箇所に設けられたスタッドボルトに対して取付対象を固定するスタッドボルト用固定機構であって、
前記取付対象と一体に形成された部分であり、第1の位置に第1の孔が形成されており該第1の孔に挿入された前記スタッドボルトを挟み込んで保持する第1のクリップ部と、
前記取付対象と一体に形成された部分であり、第2の位置を挟む両側に対向して形成され、前記第1の位置と前記第2の位置とを通る直線に平行な調整方向に伸びて形成された一対の対向壁と、
前記一対の対向壁の間に挿入される前記取付対象とは別個の一体成型部材であり、その一部に、第2の孔が形成されており該第2の孔に挿入された前記スタッドボルトを挟み込んで保持する第2のクリップ部が形成された独立部材と、
前記一対の対向壁と一体に形成された部分であり、前記一対の対向壁における相互に対向する内側面各々に突出して設けられた支持部と、
前記独立部材の一部であり、前記独立部材における前記一対の対向壁に対向する両側面各々に突出して設けられ、前記支持部により前記調整方向に沿って摺動自在に支持される被支持部と、を備え、
前記支持部及び前記被支持部の一方は、前記調整方向の所定範囲に渡る領域内において前記第2の孔への前記スタッドボルトの挿入方向において二段に分かれて突設された下段の突出部及び上段の突出部を有し、
前記支持部及び前記被支持部の他方は、前記下段の突出部及び前記上段の突出部の間に挿入される中段の突出部を有することを特徴とするスタッドボルト用固定機構。
【請求項2】
複数の前記下段の突出部及び複数の前記上段の突出部が、それぞれ前記調整方向に沿って間隔を空けて一列に配列されるとともに、前記第2の孔への前記スタッドボルトの挿入方向から見て相互に重ならない位置に配置され、
前記中段の突出部が、前記調整方向に沿って一連に伸びて形成されている、請求項1又は請求項1に記載のスタッドボルト用固定機構。
【請求項3】
前記一対の対向壁と一体に形成され、前記支持部によって前記調整方向に移動可能に支持される前記独立部材の一部に当接し、前記独立部材の前記調整方向における移動範囲を制限する移動制限部をさらに備える請求項2に記載のスタッドボルト用固定機構。
【請求項4】
前記一対の対向壁と一体に形成され、前記調整方向における前記独立部材の移動範囲の両端のうちの一方の位置において前記独立部材の一部を下側から支える第1補助支持部と、
前記一対の対向壁と一体に形成され、前記調整方向における前記独立部材の移動範囲の両端のうちの他方の位置において前記独立部材の一部を上側から支える第2補助支持部と、をさらに備え、
前記独立部材は、前記下段の突出部、前記上段の突出部及び前記中段の突出部と、前記第1補助支持部又は前記第2補助支持部とにより、前記調整方向の移動範囲のいずれの位置においても、前記調整方向の3箇所以上で下側から支えられるとともに前記調整方向の3箇所以上で上側から支えられる、請求項3に記載のスタッドボルト用固定機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−19651(P2012−19651A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156626(P2010−156626)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】