説明

スタティックミキサ

【課題】コスト効率性に優れた生産性が実現されるスタティックミキサを提供する。
【解決手段】液体通路、特に燃焼機関1の排気通路内に配設するためのスタティックミキサに関し、環状体10を備えており、環状体10から離れて内部に向かって位置する複数の案内羽根12を備える少なくとも一つの翼列11を含んでいる。周方向における環状体10が少なくとも二つの部品本体14を構成しており、周方向13において隣接する部品本体14が互いに固定されており、かつ、各部品本体14が複数の案内羽根12を構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の前提部に記載の特徴部分を有する、液体通路内、特には燃焼機関の排気通路内に配設するためのスタティックミキサに関する。本発明はさらに、燃焼機関、特にそのようなミキサを備える自動車の燃焼機関のための排気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼機関の近年の排気システムには、NOx排出物を低減するために、SCRシステムが備えられ得る。そのようなSCRシステムは、還元剤供給装置を含んでおり、それにより、適切な還元剤、例えば尿素水溶液が排気ガス流に導入され得る。さらに、SCR触媒コンバータは、還元剤供給装置の下流に配置されており、これにより、アンモニアを用いて窒素酸化物を水に還元する。SCR触媒コンバータ中でこのような還元が十分に進行することを可能にするためには、液体状で導入された還元剤はSCR触媒コンバータに至るまで大いに蒸発する必要があり、且つ、できるだけ均一に排気ガス流と混合される必要がある。特に、この混合部は、還元剤供給装置からSCR触媒コンバータまでの距離を指定するが、また、加水分解反応により、水溶液中に導入された尿素をアンモニアと二酸化炭素に変換するために利用され得る。この目的のために、加熱分解が最初に起こり、その間に尿素がアンモニアとイソシアン酸とに変換される。実際の加水分解は、この次に起こり、その間にイソシアン酸が水によってアンモニアと二酸化炭素に変換される。
【0003】
均一性と、蒸発と、適用される場合には加水分解とを向上させるために、上記混合部に少なくとも一つのスタティックミキサを配置することが知られている。
【0004】
特許文献1からは、環状体を構成し、そして、環状体が、該環状体から離れて内側に向かって位置する複数の案内羽根を備えている、スタティックミキサが知られている。この公知のミキサでは、環状体は案内羽根と一緒に、成形を通じて単一のシート状金属本体から生産される加工シート状金属部品によって形成されている。この目的のために、平坦なシート状金属本体の形態におけるブランクは、案内羽根を確実に切り取るために、最初に複数に切られる。これに続いて、案内羽根は残りのシート状金属本体から離れて角度が付けられる。この後、角度の付いた案内羽根を有するシート状金属本体は、長さ方向に対して反対方向に走る軸に関して、周端部が接触するまで曲げられる。本製造はこのため、多数の工程で生じ、比較的高価であり、少なくとも時間の無駄遣いである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第2 006 017 A2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述したタイプのスタティックミキサ用の改善された又は少なくとも異なる実施形態を説明する問題を取り扱い、それは特に経済的な生産性によって特徴付けられる問題である。本発明によると、この問題は、独立請求項の主題を通じて解決されるものである。有利な実施形態は従属請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも二つの部品本体から周方向に環状体を組み立てるという主要なアイデアに基づいたものであり、各部品本体は複数の案内羽根を含んでいる。案内羽根を有する部品本体は、単一の成形工程を通じて平坦な加工シート状金属本体の形状でブランクから製造され得るものであり、そして、その間、単一のツール内で案内羽根は確実に切り取られて且つ角度が付けられるということが示された。一方で、シート状金属本体は同時に、その長さ方向に対して反対方向に走る折り曲げ軸に関して折り曲げられ、それにより、単一の製造工程において環状体の周囲の部分に相当する各部品本体が製造されるということも示された。閉じた状態で360°を超えて延伸する環状体では、そのような複雑な成形は単一の工程で実行することはできない。複数の個々の部分、すなわち、個々の部品本体は、ミキサを製造するために互いに製造及び固定される必要があるが、本態様で多数部分からなるミキサの製造は従来の手続きよりも完全にコスト効率的であり、その間、案内羽根を備えた環状体は単一のシート状金属本体から製造されるということが驚くべきことに示された。
【0008】
実際には、環状体は、2つから4つの部品本体から組み立てられている。一実施形態では、環状体は3つの部品本体から組み立てられており、特に利点があることを証明した。
【0009】
別の実施形態では、周方向に隣接する部品本体は、それらの周端部の両端で互いに係合でき、互いに一緒に押し合わされ得る。このために、隣接する部品本体は、これまで実行されてきた例えば半田付けや溶接などの物質を用いた高価な接合手段を用いることなく、確動結合されている。可能な固定方法は例えば、貫通接合や、留め釘を用いたり、金属板を丸めたりすることである。
【0010】
実際には、周方向に隣接する部品本体は周端部と接触して配置され得る。言い換えると、部品本体の周端部は、周方向において互いに周方向で隣接している。このために、環状体は、二つの隣接する部品本体間の移行領域においてさえ、平坦な構造である。特に、環状体は、周方向において同じ厚さを保持する壁の厚みを有している。
【0011】
特に有利な実施形態によると、各部品本体は、上記一方の周端部で周方向に離れて位置する少なくとも一つの結合突起部と、他方の周端部で相補的に結合する少なくとも一つの結合レセプタクルとを含んでいる。周方向において隣接して部品本体を結合するために、上記1つの部品本体の上記少なくとも1つの結合突起部は、他方の部品本体の少なくとも一つの結合レセプタクルと係合するに至り得る。結合突起部と結合レセプタクルとは、部品本体上に完全に形成され得るものであり、それにより、これらの結合要素の準備には何ら付加的なコストがかかることを意味しない。
【0012】
有利なさらなる発展によると、結合突起部と結合レセプタクルとは、確動結合を形成するために、特に、周方向にアンダーカットを形成するために、設けられ得る。これを用いて、部品本体は、特に単純な態様で、互いに固定され得る。例えば、結合突起部と結合レセプタクルとは、パズルの部材の結合要素のように構成され得、その結果、これらは、例えば手動で、互いに簡単に係合に至り得る。
【0013】
特に、実際的には更なる発展があり、結合突起部と結合レセプタクルとが結合する領域において接している周端部は、放射状に一緒に押し合っている。これにより、特定の変形が、結合突起部の領域において作り出され得る。こうした押し合いや変形を通じて、結合突起部と結合レセプタクルとは、周方向及び軸方向において、永久的に固定されて、その結果、隣接する部品本体間の十分に強い結合が実現する。
【0014】
特に、実際的な実施形態では、部品本体は同一の部品である。このため、環状体は究極的には二つ又は複数の同一の部品本体で構成され、これらの部品本体は、周方向に互いに接して配置されて、これにより、結合されている。同一の部品を用いることにより、個々の部品を製造するためのコストが低減され得る。確実に二つの部品本体が環状体を製造するために使われる限りにおいて、各部品本体は周方向に180°を超えて延伸する。確実に3つの部品本体が環状体を製造するために使われる限りにおいて、各部品本体は周方向に120°を超えて延伸する。4つ又はそれよりも多くの部品本体の場合には、対応する周囲部分がそれから生じるであろう。
【0015】
さて、特に有利なことは、さらなる発展であって、環状体が、軸をなす切羽端にて環状体上に各々存在する翼列を含んでいる。言い換えると、ミキサは、周方向に隣接する案内羽根を有し、奔流側と流出側の双方上に位置する翼列を含んでいる。周方向に分割された環状体の構造のために、各部品本体もまた、このため、奔流側に複数の案内羽根を含むと共に流出側に複数の案内羽根を含んでいる。
【0016】
二つの翼列を用いることにより、ミキサの混合効果がかなり改善され得る。
【0017】
到達する排気ガス流に関連して、案内羽根は角度を持つことができ、それにより、該案内羽根は到達するガス流を、周方向に、大きな程度に又は小さな程度に屈折させる。実際には、同じ翼内の全ての案内羽根は、排出ガス流に対応して同じ角度を有しおり、それにより、翼列の貫流は排出ガス流に渦をもたらす。この場合における排出ガスの流れ方向は、ミキサの軸方向に対応している。二つの翼列のみが設けられている限り、双方の翼列の案内羽根は、排出ガス流に対応した同じ方向に角度が付けられ得、それにより、奔流側の翼列は、流出側の翼列と協力して、生成された渦を増幅させる。排出ガス流に対して反対方向にある二つの翼列の案内羽根に角度をつけることは同様に可能である。その結果、流出側の翼列は、奔流側の翼列を協力して、生成された渦を低減又は取り除く。このため、特に強力な混合が実現され得る。
【0018】
別の実施形態によると、各部品本体は、環状体の軸をなす切羽端の間に少なくとも一つの放射状の貫通孔を含むことができる。そのような貫通孔のおかげで、例えば成形ツール内に環状体を固定することが、特に単純な態様で実行され得る。例えば、溶接線は貫通孔の領域において特に簡単に製造され得る。
【0019】
更なる実施形態では、案内羽根は、非接触の態様で、各翼列において互いに対応して配置され得る。これにより、同じ翼列の翼間のいかなる接触も避けられ、振動の際に騒音が増大することが避けられる。
【0020】
特に実際的には、各翼列における複数の案内羽根は、好ましくは各部品本体と共に、円形のコア部上に放射状に内部に終結できる一方で、少なくとも一つの案内羽根はコア部にまで突き出している。こうした設計を通じて、一方では、翼列は軸方向にほとんど不透明になるように構成され得ることが実現され得、その結果、特に、液適の貫通が避けられ得る。全てではない案内羽根がコア部に突き出すものであるという点で、案内羽根が互いに接触しない場所において、回転が実現され得る。
【0021】
基本的に、案内羽根は各部品本体に取り付けられ得る。しかしながら、案内羽根を備える各部品本体が完全に一つの部材から製造される実施形態が好ましい。
【0022】
案内羽根を備える各部品本体が、成形を通じて単一のシート状金属から製造される加工シート状金属部品であるという点で、特にコスト効率に優れた生産性が実現され得る。
【0023】
この場合にミキサを製造するための本発明に係る方法は、平坦なシート状金属部材によって形成されるブランクは各々、単一の成形ツールにおいて、案内羽根を有する、円弧の態様で曲げられた部品本体に形成されている。該案内羽根は部品本体から離れて位置している。この場合に、各部品本体は、終端形成であり、オフツール型である。
【0024】
本発明に係る特に自動車の燃焼機関のための排気システムは、少なくとも一つの上記の型のスタティックミキサが配置されている排気通路を含んでいる。本ミキサの下流において、排気システムは、還元剤供給装置を含むことができる。本ミキサの下流では、排気システムでは、SCR触媒コンバータが設けられ得る。
【0025】
本発明のさらに重要な特徴及び利点は、従属請求項、図面、該図面を用いた対応する図面の説明から得られる。
【0026】
上述した特徴及び後述でさらに説明される特徴は、述べられた各組み合わせにおいて利用でき得るのみならず、発明の範囲から離れることなく、他の組み合わせ又は単独で利用できるものと理解されるであろう。
【0027】
本発明のより好ましい例示的な実施形態は図面を用いて示されて、後述の記述においてより詳細に説明されるものであり、そこでは、同じ参照文字は、同じ、類似の、または機能的に同じ部品に言及している。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、燃焼機関の非常に単純化された回路図のような概略図である。
【図2】図2は、ミキサの等尺性図である。
【図3】図3は、ミキサの軸方向図である。
【図4】図4は、部品本体の等尺性図である。
【図5】図5は、部品本体の別の等尺性図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1によると、燃焼機関1は、複数の燃焼チャンバー3を有する燃焼ブロック2と、燃焼チャンバー3から排気ガスを放出する排気システム4とを含んでいる。排気システム4は、排気通路5を含み、その中には、SCR触媒コンバータ6が配置されている。SCR触媒コンバータ6の上流では、還元剤供給装置7が排気通路5に接続されており、それにより、還元剤8、例えば尿素水溶液が、排気通路5内に導かれる排気ガス流中に導入される。還元剤供給装置7とSCR触媒コンバータ6との間には、スタティックミキサ9が排気通路5内に配置されている。
【0030】
ミキサ9は、図2〜図5によると、少なくとも1つの翼列11を有する環状体10を含んでおり、そこでは、各翼列11は、環状体10から離れて内部に向かって位置する複数の案内羽根12を含んでいる。
【0031】
ここで導入されたミキサ9では、環状体10は、図3では二つの矢の印と符号13とで示された周方向に、少なくとも二つの部品本体14から構成されており、各々は、複数の案内羽根12を含んでいる。さらに、周方向において隣接する部品本体14は、互いに固定されている。言い換えると、環状体10は、周方向13に互いに結合する複数の部品本体14から組み立てられている。
【0032】
ここで示された例を用いると、正確に3つのそのような部品本体14が必要となっており、各々は周方向13におよそ120°を超えて延伸している。
【0033】
図4及び図5によると、この場合における案内羽根12は、各部品本体14上に一体的に形成されており、それにより、その案内羽根12を一緒に備える各部品本体14は、単一部材から製造されている。特に実際的には、この場合における案内羽根12を一緒に備える各部品本体14は、成形を通じて単一のシート状金属本体から生産された加工シート状金属部品である。
【0034】
周方向13に隣接する部品本体14を固定するために、部品本体14は、周端部15、16の領域において互いに係合して一緒に押し合うように、構成され得るものである。この目的のために、周端部15、16は、放射状に互いに重なったり覆ったりすることなく、周方向13において、互いのみを支持し合うように、接合して配置され得る。このために、周方向13に連続的に一定である壁厚は、環状体10のために補償され得るものである。
【0035】
ここで詳述する特に有利な実施形態によると、各部品本体14は、一方の周端部15上に周方向に離れて位置する接合突起部17と、他方の周端部16上に接合突起部17と相補する接合レセプタクル18とを含んでいる。特に、図2から明らかなように、一つの部品本体14の接合突起部17と他方の部品本体14の接合レセプタクル18とは、部品本体14を周方向13に隣接して結合するために、互いに、係合している。実際的には、この場合における接合突起部17と接合レセプタクル18とは、確動結合がここででき得るように形作られている。この例では、このことは、接合突起部(17)上及び接合レセプタクル18内に、周方向に対するアンダーカットを介して実現されている。例えば、接合突起部17は、対応する周端部15からの距離が増加するに連れて広がっている。それに対する相補部分である接合レセプタクル18は、対応する周端部16の方向で先細りしている。この場合における接合突起部17と接合レセプタクル18とは、特に、パズル部材の接合要素のように形成され得、相互に関係し合う。環状体10を組み立てるために、個々の部品本体14は、互いに関係して、接合突起部17が対応する接合レセプタクル18に係合するような態様で、開始される。これに続いて、放射状の加圧成形が、接合突起部17と接合レセプタクル18とが係合する領域において実行され得、その間、接合突起部17は、周方向13に、及び軸方向に、すなわち、図3に示されたミキサ9又は環状体10の長さ方向の中央軸19に平行な方向に、延伸され、このプロセス中に組成的に変形される。個々の部品本体14は連続的に十分に固定された態様で結合されており、その結果、環状体10とこのためミキサ9とは、例えば排気通路5内に搭載されるように、簡単に手動操作され得る。
【0036】
実際的には、部品本体14は同一の部品であり、その結果、本実施例では、3つの同じ部品本体14が組み立てられて環状体10になり得る。
【0037】
ここで用いた好ましい実施例では、環状体10は、二つの翼列11を含んでおり、各々は、軸をなす切羽端にて環状体10上に配置されている。排気通路5内へのミキサ9の搭載は、環状体10の長さ方向の中央軸19が、排気通路5内の排気ガスの主要な流れ方向に平行に延伸するように、実行される。実際的には、この例における環状体10は、各排気通路5に対して同軸上に配置されている。したがって、二つの翼列11はまた、奔流側の翼列11’と流出側の翼列11’として称呼することもできる。
【0038】
個々の部品本体14は、同様に実際的には、複数の案内羽根12を有する各翼列11に設けられている。
【0039】
排気ガスの奔流方向に関して、案内羽根12は迎え角又は角度のある部分を有する。同じ翼列11内で、本実施例における対応する案内羽根12の角度のある部分は同一である。このため、翼列11の貫流は、排気ガス流上に渦を与えることができる。開示した実施例では、両方の翼列11の案内羽根12は同じ方向において角度のある部分を有しており、その結果、流出側の翼列11’は奔流側の翼列11’の渦を増幅させる。
【0040】
図2、図4及び図5から明らかなように、各部品本体14は、少なくとも一つの放射状の貫通孔20を含んでおり、該貫通孔20は、環状体10の軸をなす切羽端の間に配置されている。貫通孔20は例えば、対応する成形ツール中におけるブランクとして機能するシート状金属本体を固定するために、各部品本体14の製造の間に、利用され得る。さらに、排気通路5内へのミキサ9の搭載の過程において、各部品本体14の排気通路への固定、このため、全体の環状体10の排気通路5への固定は、この貫通孔20の領域において生じ得る。
【0041】
特に、図2〜図5から明らかなように、案内羽根12は、互いに接触しないように、各翼列11内に配置されている。さらに、円形のコア部21は図3において明らかである。このコア部21は、各翼列11内の複数の案内羽根12がコア部21上に放射状に内側に終結すると共に、コア部21が実質的に空白部分を保持するような態様で、形成されている。開示した実施例では、奔流側の翼列11’は、複数の案内羽根12’を含んでおり、該複数の案内羽根12’は、その他の案内羽根12よりも長く、したがってコア領域12の内部にまで突き出している。このために、自由貫流に晒され得る断面はまた、コア部21の領域で低減されてもよい。全ての案内羽根12ではなくて僅かな数の案内羽根12’はコア部21に突き出すので、非接触の配置または距離を置いた配置がまた、これらの案内羽根12’に対してなされ得る。
【0042】
開示の実施例では、奔流側の翼列11’のみがそのような長い翼12’を有しており、該翼ド12’はコア部21まで突き出している。流出側の翼列11’の場合、全ての案内羽根12は長さにおいて同一であり、且つ、コア部21で終結する。したがって、各部品本体14は各々、少なくとも一つの長いそのような案内羽根12’を含んでいる。
【0043】
別の実施形態では、両方の翼列11はそのような長い案内羽根12が備えられ得る。別の実施形態では、流出側の翼列11’のみがそのような長い案内羽根12’を含むことも提案され得る。
【0044】
ミキサ9の製造は、案内羽根12を備える部品本体14が、平坦なシート状金属本体により特に単一の成形工程で形成されるブランクからのオフツールの態様であって成形ツール中で末端形成される態様で、実行される。これに続いて、複数の部品本体14は組み立てられて環状体10となり、周端部15、16の領域で互いに固定される。例えば、接合周端部15、16は、結合突起部17と結合レセプタクル18とが係合する領域において一緒に放射状に押し合わされている。これに続いて、環状体10又はミキサ9は完成し、排気通路5に配設され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体通路、特に燃焼機関(1)の排気通路内に配設するためのスタティックミキサであって、環状体(10)を備えており、前記環状体(10)から離れて内部に向かって位置する複数の案内羽根(12)を有する少なくとも一つの翼列(11)を含んでおり、
周方向(13)における前記環状体(10)は、少なくとも二つの部品本体(14)を構成しており、
周方向(13)において隣接する前記部品本体(14)は、互いに固定されており、
各部品本体(14)は、複数の案内羽根(12)を含んでいる、
ことを特徴とするスタティックミキサ。
【請求項2】
請求項1に記載のスタティックミキサにおいて、
周方向(13)において隣接する前記部品本体(14)は、前記周端部(15、16)領域において互いに係合しており、且つ、互いに押し合っている、
ことを特徴とするスタティックミキサ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のスタティックミキサにおいて、
周方向(13)において隣接する前記部品本体(14)は、前記周端部(15、16)と接して、周方向(13)に配置されている、
ことを特徴とするスタティックミキサ。
【請求項4】
請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のスタティックミキサにおいて、
前記一方の周端部(15)上の各部品本体(14)は、周方向(13)において離れて位置する少なくとも一つの結合突起部(17)と、前記他方の周端部(16)上に相補的に結合する少なくとも1つの結合レセプタクル(18)とを含んでおり、
4つの結合する部品本体(14)は周方向(13)において隣接しており、前記一つの部品本体(14)の前記少なくとも一つの接合突起部(17)は、前記他方の部品本体(14)の前記少なくとも一つの接合レセプタクル(18)に係合している、
ことを特徴とするスタティックミキサ。
【請求項5】
請求項4に記載のスタティックミキサにおいて、
前記接合突起部(17)と前記接合レセプタクル(18)とは、周方向(13)において、確動結合、特に、アンダーカットを形成するように構成されている、
ことを特徴とするスタティックミキサ。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のスタティックミキサにおいて、
前記接合する周端部(15、16)は、前記結合突起部(17)と前記結合レセプタクル(18)とが係合する領域内で、放射状に互いに押し合っている、
ことを特徴とするスタティックミキサ。
【請求項7】
請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のスタティックミキサにおいて、
前記部品本体(14)は、同一の部品である、
ことを特徴とするスタティックミキサ。
【請求項8】
請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載のスタティックミキサにおいて、
前記各翼列(11)は、切羽端において、軸方向に、前記環状体(10)上に配置されている、
ことを特徴とするスタティックミキサ。
【請求項9】
請求項8に記載のスタティックミキサにおいて、
前記環状体(10)は、軸をなす二つの切羽端の各々の上に、翼列(11)を含んでいる、
ことを特徴とするスタティックミキサ。
【請求項10】
請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載のスタティックミキサにおいて、
前記環状体(10)の軸をなす切羽端間の前記各部品本体(14)は、放射状の貫通孔(20)を含んでいる、
ことを特徴とするスタティックミキサ。
【請求項11】
請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載のスタティックミキサにおいて、
前記各翼列(11)内における前記案内羽根(12)は、互いに接触しない態様で、配置されている、
ことを特徴とするスタティックミキサ。
【請求項12】
請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載のスタティックミキサにおいて、
少なくとも1つの前記翼列(11)において、複数の案内羽根(12)は円形のコア部(21)上に放射状に内部に終結しており、一方で、少なくとも1つの案内羽根(12’)は前記コア部(21)の内部にまで突き出している、
ことを特徴とするスタティックミキサ。
【請求項13】
請求項1〜12のうちのいずれか1項に記載のスタティックミキサにおいて、
前記案内羽根(12)を有する各部品本体(14)は、1つの部材から一体的に作られている、
ことを特徴とするスタティックミキサ。
【請求項14】
請求項1〜13のうちのいずれか1項に記載のスタティックミキサにおいて、
前記案内羽根(12)を有する各部品本体(14)は、単一のシート金属本体から成形を通じて生産された加工シート状金属部品である、
ことを特徴とするスタティックミキサ。
【請求項15】
排気通路を有する、特に自動車の燃焼機関用の排気システムであって、
請求項1〜14のうちのいずれか1項に記載の少なくとも1つのスタティックミキサが配置されている、
ことを特徴とする排気システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−2446(P2013−2446A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−135263(P2012−135263)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【出願人】(512148698)ボッシュ エミッション システムズ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー (2)
【氏名又は名称原語表記】Bosch Emission Systems GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Postfach 30 02 20 70442 Stuttgart Germany
【Fターム(参考)】