説明

ステイン除去複合体を含むチューインガム組成物および菓子組成物、ならびにそれらの製造方法および使用方法

ステイン除去剤とシクロデキストリン化合物とのステイン除去複合体を含むチューインガム組成物または菓子組成物の形態である組成物、ならびに歯を含む歯科材料から着色を除去するために当該組成物を製造および使用する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、ステイン(着色汚れ)除去剤およびシクロデキストリン化合物を含むステイン除去複合体を利用するチューインガム組成物および菓子組成物、ならびに消費者の口腔において、歯の表面へのステイン除去剤の送達および放出を促進する様式で、当該組成物を製造するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
汚れのない白い歯は、美容上望ましいと長い間考えられている。あいにく、徹底した歯の清掃が行われない場合、歯は、食物、飲物、タバコなど、ならびに血液、アマルガムベースの詰め物、および抗生物質(例えば、テトラサイクリン)のような体内源に存在する着色原因物質で変色されるか、または着色され得る。一般的に着色された外見を与える歯の構造は、エナメル質、象牙質、および獲得被膜(acquired pellicle)である。歯のエナメル質は、主にヒドロキシアパタイト結晶の形態である無機物から大部分が形成され、そしてさらに、主としてコラーゲンの形態で約5%の有機物を含む。対照的に、象牙質は、コラーゲンを含む約20%のタンパク質から構成され、それ以外の部分は、エナメル質において見られるのと同様に、大部分がヒドロキシアパタイト結晶である無機物からなる。獲得皮膜は、タンパク層または歯の表面にわたって連続して形成されるマトリクスである。獲得皮膜は、集中的な機械的クリーニングによって除去され得るが、その後直ちに再形成される。
【0003】
歯の変色は、内因性および/または外因性の着色から生じ得る。着色化合物がエナメル質および象牙質にさえ浸透する場合、あるいはこのような着色が歯の内部の原因から発生する場合、内因性の汚れが生じる。一般的に、このような着色は、歯の化学的洗浄方法によってのみ除去され得る。対照的に、獲得皮膜の外因性の着色は、タンニンのような化合物および他のポリフェノール化合物が歯の表面上のタンパク層中に吸着され、そして強固に結合した結果として生じる。このタイプの着色による変色は、通常、歯の機械的洗浄方法によって除去され得る。
【0004】
ステイン除去剤を使用して、このような着色を除去し、歯を白く清潔にする。有効なステイン除去剤の1つのクラスとしては、例えば、ステアリン酸ナトリウムのような界面活性剤が挙げられ、これは歯に対して良好なステイン除去活性を示すことが見出されている。このようなステイン除去剤が、ステイン除去チューインガム組成物およびステイン除去菓子組成物に取り込まれ、米国特許番号第6,471,945号、同第6,479,071号、および同第6,485,739号において開示されるように歯を清潔に、そして白くする。ステイン除去剤の他のクラスとしては、例えば、チモール、トリクロサン、クロルヘキシジンなどのような抗菌剤が挙げられる。
【0005】
わずかに水溶性であるいくつかの界面活性剤および抗菌剤がステイン除去剤として有効に作用するが、水または水性環境における、このような薬剤の限られた溶解性は、ステイン除去組成物から口内の歯の表面に送達されるべきそれらの能力に悪影響を与える。チューインガム組成物において、この欠点は特に明白である。さらに、これらの界面活性剤および抗菌剤は、唾液および歯表面に一般的に存在する複合的なバリアに有効に浸透せず、従って、着色を除去するためのそれらのバイオアベイラビリティーをさらに減少させる。従って、それらの低い放出速度を補い、そして消費者の口内におけるそれらのバイオアベイラビリティーを増大するために、高濃度の界面活性剤または抗菌剤が、通常は要求される。
【0006】
ステイン除去組成物中の高濃度の界面活性剤および/または抗菌剤は、製造費用を増加させるが、その組成物のホワイトニング効果またはステイン除去効果をほとんど改善しない。さらに、高濃度の界面活性剤または抗菌剤を含むステイン除去組成物は、所望でない官能特性および味覚特性を一般的に示すことが判断されている。例えば、より高い濃度の界面活性剤を含むチューインガム組成物および菓子組成物は、一般的に、せっけんのような味、または所望でない味、および不愉快な口内感を示す。チューインガムにおける、より高い濃度の界面活性剤はまたガムベースの構造に悪影響を与え、早期分解および不満足な咀嚼特性を生じる。
【0007】
シクロデキストリン化合物は、多くの化合物と複合体を形成することが公知である。シクロデキストリン分子は、環様立体配置に配列されたグルコピラノース単位を含み、二級ヒドロキシ基は全て環の一方に、そして一級ヒドロキシ基は全て他方に位置している。一般に、γ−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、およびε−シクロデキストリンは、それぞれ、環状骨格(ring shell)に6環式グルコピラノース単位、7環式グルコピラノース単位、および8環式グルコピラノース単位を含む。内部「空洞」の内層(lining)は、水素原子およびグリコシード酸素架橋原子から形成され、従って内層はわずかに無極性である。
【0008】
従って、全体の溶解性およびチューインガム組成物からのステイン除去剤の放出速度を増大するステイン除去チューインガム組成物を提供することが、当該分野における重大な進歩となる。ステイン除去剤とシクロデキストリン化合物との複合体の使用によって、ステイン除去剤の溶解性および放出速度を増大するステイン除去チューインガム組成物を提供することが、当該分野におけるさらなる進歩となる。この複合体は、歯を含む歯科材料の有効な洗浄を提供し、そしてチューインガム組成物に有効に取り込まれ、そして咀嚼プロセスの間、有効量のステイン除去剤を提供する様式で、それらから放出され得る。次いで、チューインガム組成物は、使用者に咀嚼の満足感を提供するだけでなく、有益な歯科効果をも提供する。増強した歯のホワイトニング効果およびステイン除去効果を有しながら、先行技術において直面している上記の問題の結果を回避するか、または少なくとも実質的に最小化する、チューインガム組成物が必要である。
【0009】
菓子組成物は当該分野で周知である。このような組成物としては、例えば、ハードボイルドキャンディー(hard boiled candy)、ヌガー、パンニング品(panning goods)、ゲル砂糖菓子、中心部充填砂糖菓子、フォンダン、消耗薄膜(consumable thin film)などが挙げられる。しばしば、数分間またはより長く口中に留まるチューインガム組成物と異なり、菓子組成物は、咀嚼中に比較的急速に溶解するために、口中での寿命が短い傾向がある。それにもかかわらず、有効量のステイン除去剤を含む菓子組成物を提供し、それらが有益な歯科効果を提供し得るようにした製品を提供することは大きな利益となる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、一般的に、ステイン除去チューインガム組成物および菓子組成物に関し、ここで、ステイン除去剤とシクロデキストリン化合物とのステイン除去複合体が、チューインガム組成物および菓子組成物中に有効に取り込まれ、十分な量のステイン除去剤が、歯の表面に対するステイン除去効果を開始するためにそれらから迅速に放出され得る。シクロデキストリン化合物は、組成物中の所望の官能特性および味覚特性を維持しながらステイン除去剤を安定化し、それによって組成物から歯の表面へのステイン除去剤の放出および送達を増大させる。ステイン除去剤とシクロデキストリン化合物から形成される複合体は、組成物の全体的なステイン除去効果を顕著に増強すると判断されてきた。
【0011】
本発明の特定の局面において、ステイン除去剤とシクロデキストリン化合物とのステイン除去複合体を含むステイン除去組成物(チューインガム組成物および菓子組成物を含む)を提供し、ここで、ステイン除去剤は、有効量のステイン除去剤が組成物から放出されることを可能にする様式で存在し、従って、複合体はステイン除去剤のみを含むガム組成物を上回るステイン除去剤の増強した送達を提供する。好ましくは、ステイン除去剤は、界面活性剤および抗菌剤、より好ましくは陰イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤から選択される。
【0012】
本発明の1つの局面に従って、ガムベースおよびステイン除去剤とシクロデキストリン化合物とのステイン除去複合体を含むステイン除去チューインガム組成物を提供し、ここでステイン除去剤は、有効量のステイン除去剤がチューインガム組成物から放出されることを可能にする様式で存在する。本発明のチューインガム組成物を利用することによって着色を除去する方法がまた、開示される。
【0013】
本発明の1つの特定の局面において、ガムベースコアおよび少なくとも1つの層からなるコーティングを含み、コアおよびコーティングのうちの少なくとも1つが、ステイン除去剤とシクロデキストリン化合物とのステイン除去複合体を含む、ステイン除去チューインガム組成物を提供し、ここで、有効量のステイン除去剤がチューインガム組成物から放出されることを可能にする様式で、ステイン除去剤が存在する。
【0014】
本発明のさらなる局面において、チューインガム組成物が提供され、ここで、ステイン除去剤とシクロデキストリン化合物との複合体が、咀嚼実施の間ステイン除去剤の放出を増強する該組成物の製造プロセスにおいて一度に添加される。
【0015】
本発明のなおさらなる局面において、キャリアおよびステイン除去剤とシクロデキストリン化合物のステイン除去複合体を含むステイン除去菓子組成物が提供され、ここで有効量のステイン除去剤が菓子組成物から放出されることを可能にする様式で、ステイン除去剤が存在する。本発明の菓子組成物を利用することによって着色が除去される方法がまた、開示される。
【0016】
本発明の好ましい形態において、ガム組成物および菓子組成物の両方のためのステイン除去剤としては、例えば、中鎖および長鎖の脂肪酸エステルおよび塩、より好ましくは、14〜20個の炭素原子を含む中鎖および長鎖の脂肪酸エステルおよび塩、特に、ステアリン酸ナトリウム、およびパルミチン酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせ、ならびにモノグリセリドとジグリセリドおよびクエン酸エステルの混合物が挙げられる。
【0017】
以下の図は、本発明の実施形態を説明するものであるが、本願の部分を形成する特許請求の範囲に包含されるとして本発明を限定することを意図しない。
図1は、遊離のステアリン酸ナトリウム、または、本発明に従うβ−シクロデキストリンと複合化したステアリン酸ナトリウムのいずれかを含むチューインガム組成物からのステアリン酸ナトリウムの放出を比較するグラフである。
図2は、本発明に従って、種々のモル比でステアリン酸ナトリウムおよびβ−シクロデキストリンを含む試験溶液の、着色したヒドロキシアパタイトディスクに対するステイン除去効果を示すグラフである。
【0018】
本発明は、その使用によって歯の表面をホワイトニングおよび洗浄するのに有用なステイン除去特性を有する、チューインガム組成物および菓子組成物に関する。このような組成物は、歯の表面の物質に付着するか、または封入された着色を除去するのに、および歯の表面上にステイン封入物質および着色が蓄積する(build−up)のを予防するため特に適している。本発明の組成物は、治療剤の全身投与の目的のために意図的に飲みこまれるのではなく、歯の表面に接触させるために十分な時間、口腔に維持され、有益な歯のステイン除去効果およびホワイトニング効果を提供する製品を包含することが意図される。本発明の組成物は、例えば、中心部充填ガム、スティックガム、ハードキャンディー、ミント、トローチ剤、錠剤、消耗薄膜などから選択される形態であり得る。
【0019】
本発明の組成物は、ステイン除去剤を可溶化し、水溶性複合体を形成し得るシクロデキストリン化合物を含む。シクロデキストリン化合物は、ステイン除去剤の放出およびバイオアベイラビリティーを顕著に増強する。さらに、シクロデキストリン化合物は、歯のような歯科材料の脂肪親和性バリアを経由するステイン除去剤の浸透を促進し、ステイン除去が必要な領域に到達させ、さらにステイン除去剤のホワイトニング効果および洗浄効果を改善する。本発明の組成物はまた、所望の官能特性および歯のホワイトニング効果および洗浄効果を維持しながら、コスト削減を達成するために、低濃度のステイン除去剤を含むように処方される。
【0020】
シクロデキストリンは、一般的に、デンプンを6、7、または8個のグルコース単位を含む環状ポリマーに触媒的に変換するためのグルコシル−トランスフェラーゼ酵素(CGTase)を用いて、デンプンを処理することによって形成される。これらの化合物は、空洞(hollow cavity)中の水素原子およびグリコシド酸素原子の存在に部分的に起因して、相対的に疎水性である空洞を有する環様構造を構成する。環の外縁上の極性ヒドロキシル基の存在に起因して、環の外面は親水性である。空洞の疎水性は、適切なサイズの分子が疎水性相互作用によって複合化されることを可能にする。
【0021】
空洞内に適合し得る分子サイズを有し、そして水よりも高い程度の疎水性(すなわち、より小さい親水性)を有する分子または分子の官能基は、シクロデキストリン空洞を占めているかそれ自体位置している。水溶液中で、水分子は、それらの間の極性−無極相互作用に起因して、より高いエネルギー状態に対応する無極性のシクロデキストリン空洞を占領している。水よりも極性の低い分子が存在する場合、このような分子は、空洞中の水分子と容易に置き換えられ、より安定な低いエネルギー状態を達成する。本発明において、ステイン除去剤は、通常、無極性であるか、または本明細書中の以下に記載されるように、水よりも親水性の低い官能基を含むかのいずれかである。
【0022】
特に指定のない限り、本発明に従う組成物中に取り込まれる成分の量は、組成物の全量に基づいて、質量%として指定される。
【0023】
本発明において有用である適切なシクロデキストリン化合物としては、α−シクロデキストリン化合物、β−シクロデキストリン化合物、γ−シクロデキストリン化合物、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせが挙げられる。好ましい実施形態において、シクロデキストリン化合物は、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルγ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルγ−シクロデキストリン、α−シクロデキストリン、メチルβ−シクロデキストリンなど、およびそれらの組み合わせから選択される。β−シクロデキストリンが、より好ましいシクロデキストリン化合物である。適切なシクロデキストリン化合物としては、一般的に、溶液の全量に基づいて、少なくとも10質量%の量で、水溶液に溶解するものが挙げられる。
【0024】
本発明のステイン除去組成物について、シクロデキストリン化合物の量は、組成物内に含まれるステイン除去剤を複合化するのに十分な量であり、そして当業者によって通常決定され得る。一例として、シクロデキストリン化合物の量は、組成物の全量に基づいて、約0.01質量%〜20質量%、好ましくは、約0.1質量%〜10質量%の範囲であり得る。
【0025】
本発明に従って、ステイン除去剤は、チューインガム組成物および菓子組成物において、ステイン除去剤の送達および放出を有効に増強するためのシクロデキストリン化合物と複合化される。
【0026】
本明細書中で使用される場合、用語「ステイン除去有効量」または「有効量」とは、本明細書中に開示されるステイン除去剤の量を意味し、ヒトを含む温血動物における歯の表面上の着色の存在を予防するか、除去するか、または少なくとも減少するのに十分であるが、所望でないいかなる副作用をも回避するのに十分に低い量である。特定の着色のタイプおよび程度、処置される温血動物(ヒトを含む)の年齢および体調、処置の持続時間、併用療法の性質、利用されるステイン除去剤の特定の形態(すなわち、塩)、使用されるシクロデキストリン化合物、およびステイン除去剤が適用される特定のキャリアによって、本発明のステイン除去剤のステイン除去有効量は、変更され得る。
【0027】
本発明の組成物中のステイン除去剤の量はまた、歯の表面にステイン除去剤複合体を適用するために使用される組成物のタイプ(例えば、チューインガム、トローチ剤、ミント、ハードキャンディー、菓子など)は、歯に接触する組成物の効果の違い、および一般的に使用される組成物の有効量に依存する。この量はまた、着色の存在濃度および密度に依存する。
【0028】
適切なステイン除去剤の例は、無極性であるか、または一般的に水よりも疎水性である少なくとも1つの無極性官能基を含む、ステイン除去剤である。このようなステイン除去剤の例としては、以下が挙げられる:例えば、中鎖および長鎖の脂肪酸、有機酸、抗菌性有機化合物、有機過酸化物、過安息香酸、ヒマシ油、硫酸化オレイン酸ブチル、中鎖および長鎖の脂肪酸エステルおよび塩(特に、ステアリン酸およびパルミチン酸のナトリウム塩およびカリウム塩)、リシノール酸、ならびにそのメチルエステルおよびエチルエステル、オレイン酸ナトリウム、フマル酸の塩、カリウムグロメート、モノグリセリドおよびジグリセリドの有機酸エステル(例えば、クエン酸ステアリルモノグリセリド)、サクシステアリン、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、トリステアリン酸グリセロール、レシチン、水酸化レシチン、ラウリル硫酸ナトリウム、アセチル化モノグリセリド、サクシニル化モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、エトキシ化モノグリセリドおよびエトキシ化ジグリセリド、モノステアリン酸ソルビタン、ステアリル−2−乳酸カルシウム、ステアリル乳酸ナトリウム、グリセロールおよびプロピレングリセロールの乳酸化脂肪酸エステル、C8−C24脂肪酸のグリセロールラクトエステル、好ましくは、C14−C20脂肪酸のグリセロールラクトエステル、C8−C24脂肪酸のポリグリセロールエステル、好ましくは、C14−C20脂肪酸のポリグリセロールエステル、プロピレングリコールアルギナート、スクロースC8−C24脂肪酸エステル、好ましくは、スクロースC14−C20脂肪酸エステル、モノグリセリドおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルおよびジアセチルクエン酸エステル、トリアセチン、ならびにそれらの組み合わせである。ステイン除去剤としての適切な抗菌性有機化合物の例としては、以下が挙げられる:チモール、ユージノール、メントール、ティーツリー油、カルダモン油、カルバクロール、トリクロサン、フェルネソール、ニーム油、クロルヘキシジン、モクレン抽出物、パラベン、塩化ベンゼトニウム、およびそれらの組み合わせである。
【0029】
例示的な好ましいステイン除去剤は、ステアリン酸ナトリウムおよびパルミチン酸ナトリウム、ならびにそれらの組み合わせ、オレイン酸ナトリウム、モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステルまたは乳酸エステルの混合物(例えば、ステアリン酸グリセロールラクテート、ステアリン酸グリセロール、および乳酸グリセロール、ならびにそれらの組み合わせ)、モノステアリン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、モノラウリン酸スクロース、ジラウリン酸スクロース、モノステアリン酸のポリグリセロールエステル、モノラウリン酸のポリグリセロールエステル、ならびにこれらの組み合わせから選択される。
【0030】
本発明のチューインガム組成物に使用するためのより好ましい例示的なステイン除去剤としては、ステアリン酸ナトリウム(通常、パルミチン酸ナトリウムとの約50/50混合物として利用可能)および少なくとも1種のモノグリセリドおよび/またはジグリセリドのクエン酸エステルの混合物である。後者のクラスにおける市販のステイン除去剤の適切な例は、Condea Vista Companyによって販売されるIMWITOR 370(登録商標)である。さらなる好ましいステイン除去剤は、モノグリセリドおよびジグリセリドの乳酸エステルの混合物からなる。
【0031】
チューインガム組成物のステイン除去剤の量は、典型的には、チューインガム組成物の全量に基づいて、約0.01質量%〜20質量%である。ステイン除去剤の好ましい量は、約0.1質量%〜10質量%である。ステイン除去剤の量は、利用されるステイン除去剤の特定の個体または組み合わせ、チューインガム組成物の他の成分のタイプ、およびそれらのそれぞれの量によって変更される。例えば、ステアリン酸ナトリウムの好ましい量は、約0.5質量%であり、モノグリセリドおよびジグリセリドの乳酸エステルの混合物の好ましい量は、約0.6質量%であるが、モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステルの混合物(IMWITOR 370(登録商標))の好ましい量は、約0.6質量%〜1.0質量%である。
【0032】
本発明の菓子類組成物に使用するための好ましいステイン除去剤は、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせである。チューインガム組成物に関連して表される場合、ステアリン酸ナトリウムは、通常、パルミチン酸ナトリウムとおよそ均等に分けられた混合物として利用可能である。
【0033】
本発明の菓子類組成物に利用され得るステイン除去剤の有効量は、例えば、菓子類組成物のタイプ、ステイン除去剤の特定の個体または組み合わせ、利用されるシクロデキストリン化合物により、ある範囲にわたって変更される。一般的に、本発明の菓子組成物に使用されるステイン除去剤の量は、特定のステイン除去剤についてチューインガム組成物に利用されるステイン除去剤の量を上回る。
【0034】
典型的はに、菓子組成物のためのステイン除去剤は、菓子組成物の全量に基づいて、約0.1質量%〜10質量%の量で存在する。ステイン除去剤の好ましい量は、約0.5質量%〜5質量%である。
【0035】
ガム組成物および菓子組成物の処方物、ならびにステイン除去複合体が組成物に添加される様式は、ステイン除去剤のより有効な送達および放出を促進する。ステイン除去複合体は、歯の表面を含む歯科的表面に通常存在する脂肪親和性バリアを経由するステイン除去剤の浸透を促進し、それによって、ステイン除去が必要な領域にステイン除去剤がより容易に達し、そして接触することを可能にしながら、水性環境に対するステイン除去剤の溶解性を有効に増大する。この様式において、このような製品に通常伴っていた官能特性は、改善されるか、または少なくとも維持されながら歯の表面を含む歯科的表面と接触するステイン除去剤の量は、著しく増大される。
【0036】
本発明のチューインガム組成物および菓子組成物について、本発明のステイン除去複合体を形成するステイン除去剤およびシクロデキストリン化合物は、好ましくは、1:0.1〜10のステイン除去剤対シクロデキストリン化合物のモル比、より好ましくは、1:0.1〜5、最も好ましくは、1:1のモル比で混合される。複合体のモル比は、いつかの因子に従って変更され得、これらの因子としては、組成物のタイプ、存在する添加物または賦形剤のタイプなどが挙げられるが、これらに限定されないことが理解されるであろう。本発明のステイン除去剤とシクロデキストリン化合物との組み合わせによって形成されるステイン除去複合体は、組成物の全量に基づいて、約0.001質量%〜20質量%、より好ましくは、0.1質量%〜15質量%の範囲の量で存在し得る。
【0037】
上で議論される場合、本発明のシクロデキストリンとステイン除去剤とを混合するプロセスは、化学量論的分子事象(stoichiometric molecular phenomenon)を包含し、ここでステイン除去剤は、シクロデキストリン分子の空洞と相互作用し、そしてその中に封入され、安定な複合体を形成する。複合体を形成するためには、ステイン除去剤の一部のみがシクロデキストリン化合物と相互作用すればいい。
【0038】
本発明のステイン除去複合体は、溶媒(好ましくは、水のような極性溶媒)中にシクロデキストリンを溶解することによって調製され得る。その後、ステイン除去剤をシクロデキストリン溶液に添加する。無極性であるか、もしくは水よりも極性の低い、ステイン除去剤またはステイン除去剤の一部は、シクロデキストリン分子の無極性空洞と容易に結合する。場合によって、溶液は、シクロデキストリン化合物およびステイン除去剤の溶解性を増大するために加熱され、複合体の形態を促進し得る。ステイン除去剤は、水溶性形態であるか、または微粒子の形態で分散されているのが好ましい。ステイン除去剤およびシクロデキストリンを含む溶液が完全に混合されると、エバポレートまたは濾過によって溶媒を除去することによって、複合体を得ることができる。得られた乾燥複合体を、食用組成物に添加する。
【0039】
本発明の組成物は、ステイン除去複合体を含む処方物の他の成分を適合するのに適切な量のキャリアをさらに含む。用語「キャリア」とは、歯のホワイトニングおよび清掃を目的として口腔へ送達するために、活性成分と混合し得る経口的に受容可能なビヒクルをいい、これは、ヒトを含む温血動物に害を及ぼさない。キャリアは、本発明の組成物および方法に従って、ヒトを含む温血動物の口腔中の歯のステイン除去のために、組成物の安定性および/または有効性を実質的に減少する様式では相互作用することなく、混合され得る組成物の成分をさらに含む。
【0040】
本発明の組成物のキャリアとしては、1つまたはそれ以上の適合する固体または液体の充填希釈剤、またはカプセル化物質が挙げられ得、これらは経口投与に適切である。本発明のキャリアまたは賦形剤は、送達の適切な形態を提供するために選択され得、適切な形態としては、例えば、溶液、コロイド分散液、エマルジョン、懸濁液、ゲル、粉末、固体などが挙げられ、そして一般的に、チューインガムおよび菓子に関連する従来の成分に含まれ得る。本発明の組成物の調製に適切なキャリアは、当該分野で周知である。それらの選択は、風味、費用、貯蔵安定性(shelf stability)などのような二次的考察に依存する。
【0041】
本発明の組成物にまた含まれ得る添加物または成分のタイプとしては、以下が挙げられる:例えば、フッ化物イオン放出化合物、増粘剤、湿潤剤、矯味矯臭剤および甘味剤、抗歯石剤(anticalculus agents)、アルカリ金属重炭酸塩、溶媒、再石灰化剤(remineralizer)、ならびに抗炎症剤のような他の多種多様な添加物などがある。適切な再石灰化剤としては、以下が挙げられる:例えば、α−トリカルシウムホスフェート、リン酸モノカルシウム一水和物、リン酸ジカルシウム無水物、リン酸ジカルシウム二水和物、リン酸オクタカルシウム、またはリン酸テトラカルシウムのようなリン酸カルシウム塩;およびグリセロリン酸カルシウム、ならびにそれらの組み合わせがある。
【0042】
チューインガム組成物は、一般的に、1つまたはそれ以上のガムベース、矯味矯臭剤、およびバルク甘味料を含む。本明細書に使用される場合、用語「菓子」としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:即ち、ヌガー、キャンディー、パンニング品、ゲル砂糖菓子、フォンダン、ロゼンジ(lozenge)、ハードボイルドキャンディー、ミント、トローチ(troche)、パスティール(pastille)、マイクロカプセル、および凍結乾燥形態を含む他の固体形態(ケーキ、水、および錠剤)、ならびに圧縮錠および水溶性薄膜を含む急速溶解固体形態である。本明細書中で使用される場合、用語「急速溶解固体形態」は、約60秒未満、好ましくは、約15秒未満、より好ましくは約5秒未満で口腔中で溶解する、固体投薬形態を意味する。ロゼンジは、風味付けしたベース中に治療剤を含む円盤状の固体を含む。ベースは、ハードシュガーキャンディー、グリセリンゼラチン、またはその形態を得るための十分な量の粘質物(mucilage)と砂糖の組み合わせであり得る。ロゼンジ組成物(圧縮錠型)は、代表的に、1つまたはそれ以上の充填剤(圧縮糖)、矯味矯臭剤、および潤滑剤を含む。
【0043】
本発明のチューインガム組成物は、コーティングされていてもコーティングされていなくてもよく、平板、スティック、ペレット、ボールなどの形であってもよい。チューインガム組成物の異なる形態の組成は、類似しているが、成分の比に関して変更され得る。例えば、コーティングされたガム組成物は、低い割合での軟化剤を含み得る。ペレットおよびボールは、小さいチューインガムコアを有し、次いでこれは、砂糖溶液または無糖溶液のいずれかでコーティングされ、硬い外殻を作製する。平板およびスティックは、通常、チューインガムコアよりも質感が柔らかくなるように処方される。しかし、本発明の実施のためには、界面活性剤がガムベース上に有し得る有害な軟化作用を克服するために、より堅い風合を有する平板状またはスティック状のガムを処方することが好ましい(すなわち、典型的に使用されるよりも少ない量の軟化剤を含む)。
【0044】
中心部充填ガムは、別の一般的なガム形態である。ガム部分は、上記と類似の組成物および製造様式を有する。しかし、中心部充填物は、一般的に、水溶液またはゲルであり、製造の間にガムの中心部に注入される。本発明のステイン除去複合体は、場合によって、充填物の製造の間に中心部充填物中に、またはチューインガム中に取り込まれ得る。中心部充填ガムはまた、場合によって、コーティングされてもよく、そして棒付きキャンディーの形態のような種々の形態に製造されてもよい。
【0045】
本発明の実施のために、ステイン除去複合体がコアおよびコーティングのうち少なくとも一方にあるコーティングされたガムを使用することが好ましい。ステイン除去複合体が少なくともコーティング中にあるコーティングされたガムであることがステインを除去のために最も好ましい。
【0046】
本発明のチューインガム組成物は、ガムベース、および甘味料、軟化剤、矯味矯臭剤などのような他の代表的なチューインガム成分の大部分を含む。ステイン除去剤とシクロデキストリン化合物とのステイン除去複合体が本発明に利用され、ここでステイン除去剤は、陰イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤から選択される。チューインガム組成物は、減量したレシチンまたはグリセリンのような軟化剤を含んでもよく、また軟化剤を省いてもよい。さらに、チューインガム組成物は、従来のチューインガム組成物よりも多量の糖アルコールを含み、本発明に利用されるステイン除去複合体の歯の表面への送達を促進し得る。
【0047】
本発明のチューインガム組成物の1つの局面に従って、チューインガム組成物の製造中(すなわち、甘味料、矯味矯臭剤などと共に)にステイン除去複合体を添加する。本発明の別の局面において、ステイン除去複合体は、最終工程の1つとして、好ましくは、チューインガム組成物形成の最終工程として添加される。
【0048】
出願人は、このプロセスの修正により、ステイン除去複合体をガムベースと直接混合した場合に生じ得るようなステイン除去複合体がガム組成物中に物質的に結合することがなく、ステイン除去複合体がガム組成物中に取り込まれることを確定した。従って、ステイン除去複合体がガム組成物内にゆるやかに含まれているので、一般的な咀嚼動作の間に、それらからより有効に放出され得る。従って、ステイン除去複合体の材料部分は、ガムベースを含まない。
【0049】
本発明のさらなる局面において、不溶性ガムベースは、一般に、エラストマー、エラストマー可塑剤、ワックス、脂肪、油、乳化剤、充填剤、テクスチャーライザー(texturizers)を含み、本明細書中の以下に記載するように所望のステイン除去剤を含み得る。
【0050】
エラストマーは、ベースの約5〜95質量%、好ましくは、10〜70質量%、最も好ましくは、15〜45質量%を占める。エラストマーの例としては、ポリイソブチレン、ポリブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、スチレンーブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニルなどのような合成エラストマーが挙げられる。エラストマーとしてはまた、天然ゴムのような天然エラストマー、ならびにジェルトン(jelutong)、レチカスピ(lechi caspi)、ペリロ(perillo)、マッサランヅーババラタ(massaranduba balata)、チクル、グッタハングカン(gutta hang kang)、またはそれらの組み合わせのような天然ガムが挙げられ得る。他のエラストマーは、当業者に公知である。
【0051】
エラストマー可塑剤は、ガムベース中に使用される場合、完成したガムの硬さを変える。エラストマー可塑剤は、代表的に、ガムベースの約0〜75質量%、好ましくは、約5〜45質量%、最も好ましくは、約10〜30質量%の量で存在する。エラストマー可塑剤の例としては、部分水素化ロジンのグリセロールエステル、テールオイルロジンのグリセロールエステル、部分水素化ロジンのペンタエリスリトールエステル、ロジンのメチルおよび部分水素化メチルエステルなどのような天然ロジンエステルが挙げられる。テルペン樹脂のような合成エラストマー可塑剤もまた、ガムベース組成物に利用され得る。
【0052】
ワックスとしては、ポリエチレン、蜜ろう、カルナバなどのような合成ワックスおよび天然ワックスが挙げられる。パラフィンのような石油ワックスもまた、使用され得る。ワックスは、ガムベースの約0〜30質量%の量で存在し得る。ワックスは、完成したガムの硬化に役立ち、そして風味の放出の改善に寄与し、製品の貯蔵寿命を延長し得る。
【0053】
充填剤は、ガムベースの外見を修正し、処理を補助する。このような充填剤の例としては、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、クレイ、アルミナ、タルク、チタン酸化物、セルロースポリマーなどが挙げられる。充填剤は、代表的に、1〜60質量%の量で存在する。
【0054】
ガムベースに使用される軟化剤の例としては、水素化植物油および部分水素化植物油、カカオバター、モノステアリン酸グリセロール、三酢酸グリセロール、ジグリセリドおよびトリグリセリド、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸のような脂肪酸などが挙げられる。
【0055】
ガムベースは、チューインガム組成物の5質量%〜95質量%、より代表的に、10質量%〜50質量%、および最も好ましくは、チューインガムの25質量%〜35質量%を占める。より多量のガムベースが好ましい。
【0056】
チューインガム組成物に使用される他の成分としては、天然および人工の両方の、ならびに砂糖および無糖の両方の甘味料が挙げられる。甘味料は、代表的に、約20質量%〜80質量%、好ましくは、約30質量%〜60質量%の量でチューインガム組成物中に存在する。無糖甘味料としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:即ち、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、水素化デンプン加水分解物、マルチトール、および存在し得る同等物のような糖アルコールである。スクラロース、アスパルテーム、ネオテーム、アセスルファームの塩などのような甘みの強い甘味料もあげられる。甘みの強い甘味料は、一般的に、1.0質量%までの量で存在する。
【0057】
広範囲にわたって変更し得る矯味矯臭剤は、約0.1質量%〜10質量%、好ましくは、約0.5質量%〜5.0質量%の量で選択され得る。チューインガム組成物に使用するための矯味矯臭剤は周知であり、その例としては、柑橘油、ペパーミント油、スペアミント油、冬緑油、メントールなどが挙げられる。
【0058】
軟化剤は、チューインガム組成物の外見を修正するために存在し得る。一般的なガム組成物と異なり、本発明の組成物中の軟化剤は、典型的には、チューインガムの全量に基づいて、約0.5質量%〜10質量%の減少させた量で存在する。
【0059】
本発明のガム組成物中に存在し得る他の材料としては、抗酸化剤(例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、β−カロチン、トコフェロール、着色剤、着香料などが挙げられる。
【0060】
パンコーティングおよびスプレーコーティングのような、チューインガム組成物にコーティングを適用するためのコーティング技術は周知である。ハードキャンディー層を構築するのに適した溶液を用いてコーティングすることが、本発明の実施において好ましい。甘みの強い甘味料、着色剤、矯味矯臭剤、および結合剤と共に、砂糖および糖アルコールの両方がこの目的のために使用され得る。ステイン除去複合体がチューインガム組成物のコーティング中に提供される場合、ステイン除去複合体の溶液は、好ましくは、矯味矯臭剤と共に交互に適用される。
【0061】
甘味料は、コーティングシロップの約30質量%〜約80質量%の量で存在し得る。結合剤は、コーティングシロップの約1質量%〜約15質量%の量で存在し得る。少量の任意の添加物もまた存在し得る。コーティングシロップに使用するのに適切な甘味料としては、多価アルコール(例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、およびそれらの組み合わせ)のような無糖甘味料、ならびにマルチトール、イソマルチトール、水素化デンプン加水分解物、および水素化グルコースシロップが挙げられる。単糖類、二糖類、および多糖類がまた挙げられ得る。例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、ガラクトース、およびマルトースのような糖がまた、甘味料として利用され得る。コーティングシロップに使用するのに適切な他の甘味料としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:即ち、遊離サッカリン酸、サッカリンの水溶性塩、シクラミン酸塩、パラチニットジヒドロカルコン(palatinit dihydrochalcone)、グリチルリチン、L−アスパチル−Lフェニルアラニンメチルエステル、ネオテーム、アスパルテームなどのようなアミノ酸ベースの甘味料、タリン、ステビオシド、ジヒドロカルコン化合物、アセスルファーム塩、ならびにそれらの組み合わせである。
【0062】
他の成分が少量のコーティングシロップに添加され得、そしてこのような成分としては、吸湿化合物、固結防止(antiadherent)化合物、分散剤、および膜形成剤が挙げられる。コーティングシロップに使用するのに適切な吸湿化合物としては、マンニトールまたはリン酸ジカルシウムが挙げられる。充填剤としてまた機能し得る、有用な固結防止化合物の例としては、タルク、三ケイ酸マグネシウム、および炭酸カルシウムが挙げられる。これらの成分は、シロップの約0.5質量%〜約5質量%の量で利用され得る。コーティングシロップに利用され得る分散剤の例としては、上記のような二酸化チタン、タルク、または他の固結防止化合物が挙げられる。
【0063】
コーティングシロップは、通常加熱され、その一部がコア上に堆積する。通常、コーティングシロップの一回堆積では、所望の量または厚さのコーティングを得るには不十分であり、そして通常、中間コーティングを乾燥させた層でコーティングの重さおよび厚さを所望のレベルまで蓄積させるために、コーティングシロップの第2、第3またはそれ以上のコートを適用することが必要である。
【0064】
本発明のチューインガム組成物の好ましい局面は、ステイン除去複合体をコートに添加する。ステイン除去複合体は、好ましくは、シロップコーティングに続いて適用される。次いで、ステイン除去複合体でコーティングする前に甘みの強い甘味料のコートを適用することが好ましい。ステイン除去複合体の適用は、矯味矯臭剤溶液の適用と交互に行うことが好ましい。本発明の実施において、ステイン除去複合体は、溶液として適用してもよく、粉末物(dry charge)として適用してもよく、また適用可能な場合には溶融されて適用されてもよい。脂肪酸塩について、粉末物が好ましくあり得る。チューインガム組成物のコーティングにおいて、平均ガム片質量が必要なコーティング質量に達するまで、好ましくは、コートが最終ペレット質量の約20質量%〜30質量%を占めるまで、コーティングシロップの適用を続ける。
【0065】
本発明はまた、本発明のステイン除去複合体の適切な選択を含む菓子組成物を包含する。菓子組成物としては、ミントのような圧縮タブレット、ハードボイルドキャンディー、ヌガー、ゲル、中心部充填砂糖菓子、フォンダン、パンニング商品、消耗薄膜、および菓子組成物についての一般に認められた定義内の他の組成物が挙げられる。
【0066】
ミントのような圧縮タブレットの形態である菓子組成物は、一般的に、細かくふるい分けた糖または糖代替物、矯味矯臭剤(例えば、ペパーミント風味)、アラビアゴムのような増量剤、および任意の着色料を混合することによって作製し得る。矯味矯臭剤、増量剤を混合し、次いで、糖または糖代替物を、必要に応じて着色料と共に徐々に添加する。
【0067】
次いで、生成物を所望のメッシュサイズ(例えば、12メッシュ)のふるい(seize)に通して顆粒化し、次いで、代表的に約55℃〜60℃の温度で乾燥させる。得られた粉末を、大きいサイズのパンチを備えたタブレット成形機に送り込み、そして得られたペレットを顆粒に砕き、次いで、圧縮する。
【0068】
ハード(high)ボイルドキャンディーは、代表的に、糖または糖代替物、グルコース、水、着香料、および場合によって着色料を含む。糖を水に溶解し、次いでグルコースを添加する。この混合物を煮詰める。得られた液体(これは、先に着色料を添加してもよい)を、油を塗った平板上に注ぎ、そして冷却させる。次いで、矯味矯臭剤を添加し、冷却した塊に練る。次いで、得られた混合物を、当該分野で公知のドロップローラーアセンブリに送り込み、最終的なハードキャンディー形状を形成する。
【0069】
ヌガー組成物としては、代表的に、二種類の主要成分(ハードボイルドキャンディーおよびフラッペ)が挙げられる。一例として、卵白またはその代替物を水と混合し、そして泡立て、軽い泡を形成する。糖およびグルコースを水に添加し、そして代表的に約130℃〜140℃の温度で煮詰め、そして得られた煮詰め生成物を混合機に注ぎ入れ、そしてクリーム状になるまでかき混ぜる。
【0070】
泡立てた卵白および矯味矯臭剤を、クリーム状の生成物と混合し、その後、この組み合わせを完全に混合する。
【0071】
本発明の他の好ましい菓子組成物は、消耗薄膜または薄いストリップである。このような経口的摂取用膜は、代表的に、迅速に溶解可能な非自己粘着性ポリマーベースの薄膜ビヒクルを含む。薄膜組成物は、代表的に、口腔に投与され、唾液と接触した際に迅速に溶解し、そして活性成分の迅速な送達を提供する。Morris Plains, New JerseyのPFIZER,Inc.によって製造されたLISTERINE(登録商標)POCKETPAKSTMブランドの口腔ケアストリップ製品は、恐らく、食用薄膜組成物の最も成功した例であり、そして口腔にLISTERINE(登録商標)エッセンシャルオイルの形態で、治療剤、特に抗菌剤を有効に送達するのに使用される。このような組成物の成分は、一般的に、口腔ケア組成物の全量に基づいて、75質量%までの量で水を含み、水溶性フィルム形ポリマーは、以下を含むが、これらに限定されない:25質量%までの量のプルラン、約0.01質量%〜10質量%の量の着香料、および場合によって、約0.01質量〜5質量%の量の銅塩または約0.01質量%〜20質量%の範囲の量のエッセンシャルオイルのような他の成分を含み、エッセンシャルオイルとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:サリチル酸メチル、メントール、オイカリプトール(eucaplytol)、およびチモール。
【0072】
菓子組成物の調製に関するさらなる詳細は、Skuse’s Complete Confectioner(13th Edition)(1957)including pp.41−71,133−144,and 255−262;and Sugar Confectionery Manufacture(2nd Edition)(1995),E.B.Jackson,Editor,pp.129−168,169−188,189−216,218−234,and 236−258に見出され得、これらのそれぞれは、参照によって本明細書中に組み込まれる。
【0073】
本発明の別の実施形態において、ヒトを含む温血動物における口腔の歯の表面から着色を除去する方法を提供し、本方法は、ステイン除去有効量の本発明の組成物(チューインガム組成物および菓子組成物を含む)を、口腔に投与するか、適用するか、または接触する工程を包含する。ステイン除去有効量の本発明の組成物が、好ましくは、1つまたはそれ以上の簡便な方法で、歯の表面上の着色を除去するために十分な時間、歯の表面に投与されるか、適用されるか、または接触させられる。
【0074】
歯の表面への組成物の適用または接触の頻度は、好ましくは、週に約1回〜1日あたり約4回、より好ましくは、1週間に約3回〜1日あたり3回、なおより好ましくは、少なくとも1日に1回である。このような処置の期間は、一般的に、約1日〜一生の範囲である。特定のステインについて、ステイン除去処置の継続時間は、処置されるステインの重症度、利用される特定の送達形態、および温血動物の処置反応に依存する。チューインガム組成物および菓子組成物を適用する好ましい方法は、本発明の組成物を含むガムを咀嚼する工程、またはブレスタブレットまたはトローチ剤、または他の菓子を咀嚼するか、またはしゃぶる工程を包含する。
【0075】
前述の議論は、本発明の単なる例示的な実施例を開示し、そして記載する。添付の特許請求の範囲に定義されるように、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、種々の変更、改変、およびバリエーションがなされ得ることを、このような議論および添付の特許請求の範囲から当業者は容易に認識するだろう。
【0076】
実施例1
チューインガム組成物
チューインガム組成物を、以下に示される手順に従って、表1に記載される成分を使用して、調製した。
〔表1〕
表1
成分 量(%w/w)
ガムベース 24.00
ソルビトール 30.60
マンニトール 6.750
マルチトール 26.00
グリセリン 4.500
矯味矯臭剤ブレンド 2.100
β−シクオデキストリン/ステアリン酸ナトリウム複合体 2.50
Ace−KFree 0.053
Ace−Kエラストマー 0.712
APMFree 0.210
APMエラストマー 0.741
アラビアゴム 1.213
二酸化チタン 0.130
ヒマシ油 0.563
全量 100.00
ガムベースを、マイクロ波加熱によって、ガムベース1kgについて約1〜2分間溶かし、約110℃〜120℃で粘稠な混合物を得た。次いで、この溶けたガムベースを、チューインガム添加物(ソルビトール、マンニトール、マルチトール、グリセリン、甘味料、アラビアゴム、β−シクロデキストリン/ステアリン酸ナトリウム複合体、二酸化チタン、およびヒマシ油を含む)と共に、ミキサーに添加した。この混合物を約50℃〜60℃の温度で、チューインガムになるまで混合した。その後、矯味矯臭剤ブレンドを混合物に添加し、そして約5分間混合し、チューインガムを得た。次いで、チューインガムを成形し、そして所望の形態に切断した。
【0077】
実施例2
ハードキャンディー組成物
ハードキャンディー組成物を、以下に示される手順に従って、表2に記載される成分を使用して、調製した。
〔表2〕
表2
成分 量(%w/w)
糖(微粒子) 67.1510
コーンシロップ 31.3120
濃縮リンゴジュース,70Brix 0.1360
FD&Cブルー No.1 0.0010
矯味矯臭剤 0.4000
β−シクロデキストリン/ステアリン酸ナトリウム複合体 1.0000
全量 100.00
糖およびコーンシロップを約130℃〜150℃の温度まで加熱することによって、ハードキャンディー組成物を調製した。次いで、β−シクロデキストリン/ステアリン酸ナトリウム複合体を、約100℃に加熱した混合物に添加した。次いで、残りの成分を、混合物に軽く混ぜ入れ、完全に混合した。この混合物を冷却させ、そしてこの組成物を切断し、そして所望の形態に成型した。
【0078】
実施例3
ミント組成物
ミント組成物を、以下に示される手順に従って、表3に記載される成分を使用して、調製した。
〔表3〕
表3
成分 量(%w/w)
ソルビトールP60W 92.9500
矯味矯臭剤 2.00
二酸化ケイ素 0.5000
β−シクロデキストリン/ステアリン酸ナトリウム複合体 4.5000
アスパルテーム 0.1500
ステアリン酸マグネシウム 0.4000
全量 100.00
ソルビトール、矯味矯臭剤、および甘味料を一緒に混合することによって、ミント組成物を調製し、ミントベースを得た。次いで、残りの成分をミントベースに添加し、最終的な混合物を得た。次いで、最終的な混合物を、適切なタブレット成形装置中、減圧下で圧縮し、所望の形状およびサイズの錠剤形態を得た。
【0079】
実施例4
摂取用膜組成物
摂取用膜組成物を、以下に示される手順に従って、表4に記載される成分を使用して、調製した。
〔表4〕
表4
成分 量(%w/w)
脱イオン水 76.71
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 9.075
プルラン 7.563
矯味矯臭剤 5.850
ポリソルベート80 0.350
β−シクロデキストリン/ステアリン酸ナトリウム複合体 0.210
スクラロース 0.240
FD&C グリーン#3 0.002
全量 100.00
約5.1mPa・sの粘性を有するプルラン(2%水溶液)を、23℃の脱イオン水に、添加した。次いで、β−シクロデキストリン/ステアリン酸ナトリウム複合体を、プルラン混合物に添加し、そして約5分間撹拌した。次いでヒドロキシプロピルメチルセルロースを混合物に添加し、そしてセルロース成分が完全に分散されるまで、約1時間激しく撹拌し、均質混合物を得た。次いで、FD&C グリーン#3を均質混合物に添加し、そして約10分間混合した。次いで、ポリソルベート80をこの混合物に添加し、そして約15分間混合した。次いで、矯味矯臭剤を添加し、40分間十分に混合し、スラリー状のエマルジョンを得た。エマルジョンを、25℃で、ポリエチレンでコーティングした紙の上に流し込み、そして約110℃で乾燥させ、乾燥薄膜を形成させ、これを所望のサイズに切り出し得る。
【0080】
実施例5
ステアリン酸ナトリウム放出の研究
材料および方法
Kleber et al.,A mastication device designed for the evaluation of chewing gums,J.Dent Re.60:109−114,1981に記載される咀嚼マシンを、ヒトのチューインガム咀嚼をシミュレートするために使用した。この研究は、ステアリン酸ナトリウム単体か、またはβ−シクロデキストリンと複合体を形成したステアリン酸ナトリムのいずれかで処方されたチューインガムから、咀嚼の間に放出されたステアリン酸ナトリウムの量を測定するために実施された。各サンプルは、ステアリン酸ナトリウム単体か、またはβ−シクロデキストリンと複合体を形成したステアリン酸ナトリムのいずれかで処方された2つのペレットの形態のチューインガム(約3g)を含む。
【0081】
各サンプルを、新しく調製された、改変人工ヒト唾液(15ml)(アミノ酸を含まない)を含む容器に入れた。人工ヒト唾液を、Shellis,R.P.,A synthetic saliva for cultural studies of dental plaque,Arch.Oral Biol.23,485−489,1978に従って調製した。チューインガムサンプルを、約15分間咀嚼マシンによって各々咀嚼させ、その間、連続的に人工唾液と接触させた。咀嚼の15分後、人工唾液を回収し、そして放出されたステアリン酸ナトリウムの量を測定した。高速液体クロマトグラフィー技術を使用して、測定を行った。
【0082】
結果
研究の結果を、図1のグラフに示す。図1に示されるように、ステアリン酸ナトリウム/β−シクロデキストリン複合体を含むチューインガムサンプルから放出されたステアリン酸ナトリウムの量は、ステアリン酸ナトリウム単体を含むチューインガムサンプルから放出されるステアリン酸ナトリウムの量よりも著しく多いことが見出された。結果をふまえて、ステアリン酸ナトリウム/β−シクロデキストリン複合体は、咀嚼の間、チューインガムからのステアリン酸ナトリウムの放出を有意に増大することを示した。
【0083】
実施例6
着色除去研究
材料および方法
汚染溶液を使用して、ヒドロキシアパタイト(HAP)ディスクの着色サンプルのために、フローシステムを組立てた。着色溶液を、紅茶、コーヒー、およびブタの胃ムチンを含む混合物から調製した。着色溶液を、約15ml/分の流速で、フローシステムに循環させ、そして約96時間、約37℃で、HAPディスク上に連続的に通過させた。96時間後、次いで、着色したHAPディスクを、pH約7の人工ヒト唾液(実施例5で調製されたような)中に入れ、次いで、リンスし、そして乾燥させた。HAPディスクを6つのサンプルグループに分けた。
【0084】
各HAPディスクを測定し、Commission International de L’Eclairage Laboratory(CIELAB)カラースケールに従って、ベースラインL**bステインスコアを得た。CIELABスケールは、3つのパラメータ:L*(明暗度スケール)、a*(赤−緑色度)、およびb*(黄−青色度)に従って色を定量化する。再現性のある測定値を得るために、着色したHAPディスクを、測定の前に、室温で約2時間空気乾燥させた。ベースラインのステイン測定を、Minolta分光光度計を用いて、拡散反射吸光度測定値を作成することによって得た。各HAPディスクについて、全体の可視的な色スペクトルにわたって吸光度測定値を得た。ディスク切片の中央を、Minolta分光光度計の3mm標的口径(targeting aperture)上に直に配置した。L**bスケールを使用して、3つの吸光度測定値の平均を、各HAPディスクについて得た。
【0085】
人工ヒト唾液、および以下のステアリン酸ナトリウム対β−シクロデキストリンのモル比の1つの混合物を各々含む6つの試験溶液を調製した:a)0:1;b)1:0;c)1:0.125;d)1:0.25;e)1:0.5;およびf)1:1。それらのステイン除去活性の比較試験のために、着色したHAPディスクの各サンプルグループを、対応する試験溶液で処理した。この研究に使用したコントロール試験溶液はなかった。ステイン除去処理について、HAPディスクの各サンプグループを、1時間、約15ml/分の流速で、37℃にて、対応する試験溶液で処理した。処理の1時間後、処理したHAPディスクを蒸留水でリンスし、そして最後の色測定の前に、2時間、室温で空気乾燥させた。処理したHAPディスクの各々を、上記の同じ色測定手順を使用して、着色された色の変化について測定した。ステインレベルΔEの全体的な変化を、処理したHAPディスクの各々について測定した。ΔE値は、各色ファクターについての全体的な変化をまとめ、そしてそれぞれの試験溶液のステイン除去能力を示し、より大きいΔE値がより良好なステイン除去を示す。
【0086】
結果
各試験溶液のΔE値を図2に示し、より大きなΔE値は、HAPディスクのより良好なステイン除去またはホワイトニングを表す。β−シクロデキストリンのみ、またはステアリン酸ナトリウムのみを含む試験溶液は、最も低いステイン除去活性を示した。ステアリン酸ナトリウムとβ−シクロデキストリンの組み合わせを含む各試験溶液は、著しく高いステイン除去活性を示した。1:1のモル比でステアリン酸ナトリウムおよびβ−シクロデキストリンを含む試験溶液は、ステアリン酸ナトリウムのみによって示された活性よりも3倍増大したステイン除去活性を示した。ステアリン酸ナトリウムのみを含む溶液と比較して、ステアリン酸ナトリウムとβ−シクロデキストリンとを複合体化することによって、溶液のホワイトニング効果、またはステイン除去効果を著しく増大したことを、データは示している。
【0087】
1:1のステアリン酸ナトリウム/β−シクロデキストリン試験溶液のより高いステイン除去活性は、人工唾液コート化ディスクに存在する脂肪親和性バリアを浸透する複合体の能力に関すると考えられる。β−シクロデキストリン対ステアリン酸ナトリウムの比率の減少が、ステアリン酸ナトリウム単体の画分の減少を引き起こし、これにより、放出された量が減少したことが、さらに考えられる。十分なβ−シクロデキストリンが溶液中でステアリン酸ナトリウムを安定化するために使用される場合に、最大の吸光度の増大が得られた。図2に示される結果をふまえて、ステアリン酸ナトリウムとβ−シクロデキストリンとの複合体は、ステイン除去効果を明らかに増大する。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】遊離のステアリン酸ナトリウム、または、本発明に従うβ−シクロデキストリンと複合化したステアリン酸ナトリウムのいずれかを含むチューインガム組成物からのステアリン酸ナトリウムの放出を比較するグラフである。
【図2】本発明に従って、種々のモル比でステアリン酸ナトリウムおよびβ−シクロデキストリンを含む試験溶液の、着色したヒドロキシアパタイトディスクに対するステイン除去効果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガムベースおよびステイン除去剤とシクロデキストリン化合物とのステイン除去複合体を含み、ここで、有効量のステイン除去剤をチューインガム組成物から放出し歯の表面でのステイン除去効果を達成することを可能にする様式で、該ステイン除去剤が存在する、ステイン除去チューインガム組成物。
【請求項2】
シクロデキストリン化合物が、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、それらの誘導体、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項3】
シクロデキストリン化合物が、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリン、メチルβ−シクロデキストリン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載のステイン除去チューイングガム組成物。
【請求項4】
シクロデキストリン化合物に対するステイン除去剤のモル比が、約1:0.1〜1:10である、請求項1に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項5】
シクロデキストリン化合物に対するステイン除去剤のモル比が、約1:0.5〜1:5である、請求項4に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項6】
シクロデキストリン化合物に対するステイン除去剤のモル比が、約1:1である、請求項5に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項7】
ステイン除去複合体が、チューインガム組成物の全量に基づいて、約0.001質量%〜20質量%の量で存在する、請求項1に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項8】
ステイン除去複合体が、チューインガム組成物の全量に基づいて、約0.1質量%〜15質量%の量で存在する、請求項7に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項9】
シクロデキストリン化合物の量が、有効量のステイン除去剤と複合体を形成するのに十分な量である、請求項1に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項10】
ステイン除去剤が、チューインガム組成物の全量に基づいて、約0.01質量%〜20質量%の量で存在する、請求項1に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項11】
ステイン除去剤が、チューインガム組成物の全量に基づいて、約0.1質量%〜10質量%の量で存在する、請求項10に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項12】
ステイン除去剤が、中鎖および長鎖の脂肪酸、有機酸、有機過酸化物、過安息香酸、抗菌性有機化合物、ヒマシ油、硫酸化オレイン酸ブチル、中鎖および長鎖の脂肪酸エステル、リシノール酸およびその塩、オレイン酸ナトリウム、フマル酸の塩、カリウムグロメート、モノグリセリドおよびジグリセリドの有機酸エステル、サクシステアリン、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、トリステアリン酸グリセロール、レシチン、水酸化レシチン、ラウリル硫酸ナトリウム、アセチル化モノグリセリド、サクシニル化モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、エトキシ化モノグリセリドおよびエトキシ化ジグリセリド、モノステアリン酸ソルビタン、ステアリル−2−乳酸カルシウム、ステアリル乳酸ナトリウム、グリセロールおよびプロピレングリセロールの乳酸化脂肪酸エステル、C8−C24脂肪酸のグリセロールラクトエステル、C8−C24脂肪酸のポリグリセロールエステル、プロピレングリコールアルギナート、スクロースC8−C24脂肪酸エステル、モノグリセリドおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、ジアセチルクエン酸エステルまたはジアセチル乳酸エステル、およびトリアセチン、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項13】
ステイン除去剤が、C14−C20脂肪酸のグリセロール−ラクトエステル、C14−C20脂肪酸のポリグリセロールエステル、およびスクロースC14−C20脂肪酸エステルからなる群から選択される、請求項1に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項14】
ステイン除去剤が、ステアリン酸ナトリウムおよびパルミチン酸ナトリウム、ならびにそれらの組み合わせ、オレイン酸ナトリウム、モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステルまたは乳酸エステルの混合物、ステアリン酸グリセロール、ラウリン酸グリセロール、およびそれらの組み合わせ、モノステアリン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、モノラウリン酸スクロース、ジラウリン酸スクロース、モノステアリン酸のポリグリセロールエステル、およびモノラウリン酸のポリグリセロールエステル、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項15】
ステイン除去剤が、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ならびにそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項16】
ステイン除去剤が、モノグリセリドとジグリセリドの有機酸エステルの混合物である、請求項1に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項17】
チューインガム組成物が、板状またはスティック状の形態である、請求項1に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項18】
ガムベースコア、および少なくとも1つの層を有する任意のコーティングを含み、該コアおよびコーティングの少なくとも一方は、ステイン除去剤とシクロデキストリン化合物とのステイン除去複合体を含み、ここで、有効量のステイン除去剤をチューインガム組成物から放出することを可能にする様式で、該ステイン除去剤が存在する、ステイン除去チューインガム組成物。
【請求項19】
チューインガム組成物が、中心部充填およびガム部分を有する中心部充填チューインガム組成物であり、ステイン除去複合体が中心部充填、ガム部分、またはその両方に存在する、請求項18に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項20】
ステイン除去複合体が、コーティング、コア、またはコーティングとコアの両方に存在する、コートされたチューインガム組成物の形態である、請求項18に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項21】
ステイン除去複合体がコーティング中に存在する、請求項20に記載のステイン除去チューインガム組成物。
【請求項22】
ヒトを含む温血動物の口腔に、有効量の請求項1に記載のステイン除去チューインガム組成物を投与することを包含する、歯からステインを除去する方法。
【請求項23】
ステイン除去複合体がゆるやかにチューインガム組成物内に含まれ、咀嚼の際にステイン除去複合体が有効に放出されるように、チューインガム組成物を形成する最終工程の1つで該ステイン除去複合体を添加することを包含する、請求項1に記載のステイン除去チューインガム組成物を製造する方法。
【請求項24】
ステイン除去剤とシクロデキストリン化合物とのステイン除去複合体を含み、有効量の該ステイン除去剤が該菓子組成物から放出されることを可能にする様式で、該ステイン除去剤が存在する、ステイン除去菓子組成物。
【請求項25】
シクロデキストリン化合物が、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、それらの誘導体、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項24に記載のステイン除去菓子組成物。
【請求項26】
シクロデキストリン化合物が、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルγ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルγ−シクロデキストリン、メチルβ−シクロデキストリン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25に記載のステイン除去菓子組成物。
【請求項27】
シクロデキストリン化合物に対するステイン除去剤のモル比が、約1:0.1〜1:10である、請求項24に記載のステイン除去菓子組成物。
【請求項28】
シクロデキストリン化合物に対するステイン除去剤のモル比が、約1:0.5〜1:5である、請求項27に記載のステイン除去菓子組成物。
【請求項29】
シクロデキストリン化合物に対するステイン除去剤のモル比が、約1:1である、請求項28に記載のステイン除去菓子組成物。
【請求項30】
ステイン除去複合体が、菓子組成物の全量に基づいて、約0.001質量%〜20質量%の量で存在する、請求項24に記載のステイン除去菓子組成物。
【請求項31】
ステイン除去複合体が、菓子組成物の全量に基づいて、約0.1質量%〜15質量%の量で存在する、請求項30に記載のステイン除去菓子組成物。
【請求項32】
ステイン除去剤が、菓子組成物の全量に基づいて、約0.1質量%〜10質量%の量で存在する、請求項24に記載のステイン除去菓子組成物。
【請求項33】
ステイン除去剤が、中鎖および長鎖の脂肪酸、有機酸、有機過酸化物、過安息香酸、抗菌性有機化合物、ヒマシ油、硫酸化オレイン酸ブチル、中鎖および長鎖の脂肪酸エステル、リシノール酸およびその塩、オレイン酸ナトリウム、フマル酸の塩、カリウムグロメート、モノグリセリドおよびジグリセリドの有機酸エステル、サクシステアリン、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、トリステアリン酸グリセロール、レシチン、水酸化レシチン、ラウリル硫酸ナトリウム、アセチル化モノグリセリド、サクシニル化モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、エトキシ化モノグリセリドおよびエトキシ化ジグリセリド、モノステアリン酸ソルビタン、ステアリル−2−乳酸カルシウム、ステアリル乳酸ナトリウム、グリセロールおよびプロピレングリセロールの乳酸化脂肪酸エステル、C8−C24脂肪酸のグリセロールラクトエステル、C8−C24脂肪酸のポリグリセロールエステル、プロピレングリコールアルギナート、スクロースC8−C24脂肪酸エステル、モノグリセリドおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、ジアセチルクエン酸エステルまたはジアセチル乳酸エステル、およびトリアセチン、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項24に記載のステイン除去菓子組成物。
【請求項34】
ステイン除去剤が、C14−C20脂肪酸のグリセロール−ラクトエステル、C14−C20
肪酸のポリグリセロールエステル、およびスクロースC14−C20脂肪酸エステルからなる群から選択される、請求項33に記載のステイン除去菓子組成物。
【請求項35】
ステイン除去剤が、ステアリン酸ナトリウムおよびパルミチン酸ナトリウム、ならびにそれらの組み合わせ、オレイン酸ナトリウム、モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステルまたは乳酸エステルの混合物、ステアリン酸グリセロール、ラウリン酸グリセロール、およびそれらの組み合わせ、モノステアリン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、モノラウリン酸スクロース、ジラウリン酸スクロース、モノステアリン酸のポリグリセロールエステル、およびモノラウリン酸のポリグリセロールエステル、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項33に記載のステイン除去菓子組成物。
【請求項36】
ステイン除去剤が、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項35に記載のステイン除去菓子組成物。
【請求項37】
ステイン除去剤が、モノグリセリドとジグリセリドの有機酸エステルとの混合物である、請求項24に記載のステイン除去菓子組成物。
【請求項38】
チューインガム組成物が、板状またはスティック状の形態である、請求項24に記載のステイン除去菓子組成物。
【請求項39】
ヒトを含む温血動物の口腔に、有効量の請求項1に記載のステイン除去チューインガム組成物を投与することを包含する、歯からステインを除去する方法。
【請求項40】
ヒトを含む温血動物の口腔に、有効量の請求項24に記載のステイン除去菓子組成物を投与することを包含する、歯からステインを除去する方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−527388(P2007−527388A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518614(P2006−518614)
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/014976
【国際公開番号】WO2005/013712
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(503267283)キャドバリー・アダムズ・ユーエスエイ・エルエルシー (21)
【Fターム(参考)】