説明

ステージ可動機構

【課題】
基部に対するステージ面を上下方向とピッチ方向、ロール方向に可動可能で、他の自由度には強く拘束され、かつ、アクチュエータへの力学的な負担が少ないステージの可動機構を、簡素で安価な構造で実現する。
【解決手段】
バネ性を有する素材がもつ弾性変形が許容される方向を活かすよう,板バネまたは曲げ棒バネなどのバネ材を用い、一つの間接部を有するくの字型の支持機構30〜33を構成し、これを二つ以上用いてステージ10と基部20とを弾性接続することで課題の自由度をもたらすステージ可動機構を構成している。同時に,くの字型を形成することで支持機構が弾性変形する際には,変位増加に対する反力が一定か減少するような逆バイアス特性がもたらされることで,アクチュエータを用いた場合の動作寿命を向上させることができる。また、センサ装置と組み合わせることによって3自由度の動作検出装置となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機構技術に関し、ものを載せたり駆動力を伝達する土台(ステージ)を上下に動かしたり前後左右に傾けたりするという3自由度を有するステージ可動機構と、その駆動機構と変位の検出機構に関する。
【背景技術】
【0002】
このような可動機構を実現する方法として、一つ以上のパンタグラフ式の平行リンク機構を用い、それと基部やステージとの接続部に、回転や直動の自由度を有するジョイントを組み込み目的の自由度を達成する方法がある。
【0003】
また、特許文献1のように複数の直動型のアクチュエータを円周状に並べて支持構造とし、回転自由度を機械的構造によって制限された接続ジョイントを介して、目的の自由度でステージを可動可能とする方法がある。
【特許文献1】特開平8−11080号広報(全文)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの機構では、複数の可動自由度と動作の柔軟性を確保するために、支持構造の接続には、回転の自由度が高く摺動抵抗が極めて低いジョイントとして、ボールジョイントやピロボールなどを用いることや、直線方向において摺動抵抗が極めて低いリニアガイドなどを用いる必要がある。しかし、これらによって柔軟性を確保した構成において、安定した上下動や傾きの動作を得ようとすると、動作方向を維持するガイドが必要となる。したがって、この方法では、ガイドを配置するスペースを確保する必要があることや、摺動抵抗を低減するために高精度な剛体部品を組み合わせた機械的部品が求められる。
【0005】
もしくは、複数のアクチュエータでステージが支えられている場合、それら複数のアクチュエータにかかる負荷や駆動量を実時間で厳密に計測し、高速にフィードバックすることで動作の安定性を得ようとする制御が必要となる。この方法では高精度なセンサと、そのセンサからの入力を処理し目標の位置や角度を達成するための駆動出力を算出するプロセッサを含んだ電子回路が求められる。さらに、その場合、運動の方向を拘束するように駆動力を発生するアクチュエータと、希望の方向に動作させるように駆動力を発生するアクチュエータが存在することになり、常に全てのアクチュエータを駆動させておく必要がある。これは、アクチュエータの動作寿命の点で不利である。これを解決するには、原点の維持、復帰のためにバネ材を利用した反力発生機構を独立して設ける方法があるが、通常のバネ材単体では変化量に対する反力の発生がリニアに上昇するため、最大移動点におけるアクチュエータの負荷が最も大きくなるという問題がある。
【0006】
すなわち、可動機構の大型化や重量化、駆動に際しての制御方法の複雑化、アクチュエータの動作寿命を縮めるなどの機構的な問題と、それらにまつわる高コスト化の問題があり、このような機構を容易に実用化することは難しく、社会一般に広く活用することが困難となる問題があった。
【0007】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、上下動と前後左右の傾きの3自由度を有し、他の自由度には構造的に強く拘束され、かつ、アクチュエータへの力学的な負担が少ない長寿命なステージの可動機構と、その駆動機構と変位の検出機構を、簡易で安価な構成によって実現する技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明における可動機構は、バネ性を有する素材(以下、バネ材という)によってくの字型を形成する支持機構を構成し、それを二つ以上用いて基部とステージとを弾性接続する手段をとっている。通常、バネ材は巻き線でない限り、長手方向の伸縮に対しては剛性を有していることと、長手方向の軸に鉛直な方向の力に対する変形(曲げ)や、長手方向の軸を中心とした回転(ねじり)には弾性的な変形を許容する性質を有している。本発明におけるステージ可動機構ではこれらの性質を利用し、くの字を形成する支持構造を複数用い構造的な工夫を施すことで特定の自由度に拘束力を発揮しつつ、希望の自由度の運動には柔軟に変位することを可能としている。拘束される自由度はステージ面の前後左右の水平移動とステージの鉛直軸周りの回転であり、ステージの昇降、及び、前後左右に傾斜させる自由度を有する。
【0009】
また、前記支持機構がくの字型を形成していることによって、全てのバネ材は基部の鉛直方向に傾斜して配置されることになる。これにより、基本的にステージの3自由度におけるどの変位に対しても、くの字の角度が狭まる方向に変化する。その際、バネ材を変形させたことにより発生する反力の軸となるくの字の突起部が、外に移動するように変形するため、モーメントアームが増加し、通常のバネとは異なり、ステージの変位が進むにつれて反力がほとんど変化しないか、反対に弱くなるような逆バイアス特性を持つ。このような特性を、ステージの可動自由度すべてにほぼ均一にもたらすことは、複数の前期支持機構を基部の中心から放射状に配置することで可能となる。さらに、くの字構造を構成するバネ材の素材を、超弾性素材とすることで、このような特性を強めることが可能である。
【0010】
前記支持機構は、一つのバネ材を折り曲げることによって簡易に構成することが可能である。または、二枚の板バネ、もしくは二本の棒バネの片端を噛み合わせ、関節とすることによって簡易に構成することが可能である。棒バネを使用する場合は、二組のくの字型の支持機構を並べ、くの字の突起に当たる間接部を組み合わせることで、ステージの左右方向の移動を拘束することが可能となる。さらにバネ材に複数の穴やくり抜きを設けるなどの構造的な工夫を施し、バネ材の断面積が接続単に向かって減少させ、長手方向におけるひずみに対する反力が関節側の接続端に向かって弱めることによって、前記支持機構の耐久性を大幅に向上することができる。なお、これら構成したくの字型の支持機構はステージや基部と完全に固定されていればよく、他に回転自由度を有する機構的な部品を用いる必要がない。
【0011】
本発明におけるステージ可動機構は、3自由度における駆動力の伝達機構として利用することも可能である。具体的には、以上のステージ可動機構において、伸縮型のアクチュエータ、もしくはそれに相当する駆動方向への変換がなされたアクチュエータを一つ以上用い、その片端をステージに、もう一方を基部に接続して駆動し、ステージを昇降、または前後左右に傾ける駆動機構を備えることで可能となる。その際、上下動のみの駆動は一つのアクチュエータを用い、ステージと基部の中心を直線で結ぶように接続することで簡易に可能となる。前後左右の傾きを行うには、ステージや基部の中心とオフセットした位置に対偶するように複数のアクチュエータを配置する。この場合、複数のアクチュエータを個別に駆動することで前後、左右の傾きが可能となる。さらに、この構成において複数のアクチュエータを同期して駆動することで上下動も可能となる。
【0012】
もしくは、以上のステージ可動機構において、アクチュエータとして形状記憶合金などの線状で長手方向に伸縮する小型のアクチュエータを一つ以上用い、アクチュエータの両端を基部もしくはステージに接続し、この両端を接続した部材と対向する基部もしくはステージにアクチュエータの中間部を接続し、ステージを昇降、または前後左右に傾ける駆動機構を備える手段がある。その際、上下動のみを駆動する場合は一つの線状のアクチュエータを用い、ステージ面と基部面の中心線を含む平面上で一つ以上のVの字やへの字を形成するように接続する。前後左右の傾きを行うには、ステージや基部の中心線を含む平面を挟んでオフセットした位置に対偶関係で複数のアクチュエータを一つ以上のVの字やへの字を形成するように配置する。この場合、複数のアクチュエータを個別に駆動することで前後、左右の傾きが可能となる。さらに、複数のアクチュエータを同期して駆動することで上下動も可能となる。
【0013】
また、当該ステージ可動機構は、ステージの3次元的な姿勢や姿勢の変化を検出する3自由度の運動計測装置としての利用も可能である。具体的には、以上のステージ可動機構において、基部に対するステージの距離と前後左右の傾斜を計測する機能をもつ計測装置を備えることで可能となる。この場合、例えば、3つ以上のくの字構造の一部にひずみゲージを取り付け、各々の変位の大小関係をみることで3自由度の姿勢と変化量を同定することが可能となる。また、基部もしくはステージのくの字構造の接続部の周辺に圧電素子などを搭載し、それらの加重分布から3自由度の姿勢を同定することも可能である。また、イメージセンサを基部の中央に組み込み、ステージ下面の特徴点抽出による画像処理から姿勢を同定することも可能である。
【0014】
ステージ可動機構における、変位の検出を行う際に、アクチュエータとして二方向性形状記憶合金を用いている場合には、二方向性形状記憶合金のひずみと抵抗がリニアな関係にあることから、その電気抵抗を計測することによって、ステージの3次元的な姿勢や姿勢の変化を検出することが可能となる。さらに、その検出データを元に所定の位置までサーボ駆動することが可能となる。
【0015】
以上のステージ可動機構と駆動、検出機構において、動物の臓器や生体構造を模した物体をステージに載置することによって、鼓動などの自律的な動きや、載置した物体への外からの物理的な入力に対する反応を、動きとして再現することが可能となる。すなわち、動物の心臓や眼球に対する外科的手術をシミュレーションする手術の実践的なトレーニング装置やゲーム装置として用いることができる。
【0016】
以上のステージ可動機構と駆動、検出機構において、ステージの中央と基部の中央に軸が通る穴を設け、その穴と中心軸を共にした穴を有し、ステージ面で摺動回転する、鉛直方向にリンクロッドが接続されるプレートを載置し、回転軸に従動回転する部材の傾きを調整することが可能となる。すなわち、小型模型ヘリコプターの回転ブレードの傾きをコントロールするスワッシュプレートとして用いることができる。
【0017】
以上のステージ可動機構と駆動、検出機構において、ステージ上にイメージセンサやレンズ、反射鏡等の光学機器類を載置することにより、それらの向きや対象物との距離を操作することで、レーザーの照射照準を合わせたり、撮像のためのズームやフォーカスを合わせたりすることが可能となる。
【0018】
以上のステージ可動機構と駆動、検出機構において、人物の手など身体の一部を乗せるための土台やグリップなどの把持部品をステージ上に載置することにより、自動車や飛行機、船、鉄道などの移動体やその模型の操縦バランスの変化を、ステージ上に身体の一部を載せた人物に力触覚的に伝えることが可能となる。
【0019】
以上のステージ可動機構と駆動、検出機構において、ステージ上に商品や広告、またはそれらの部分を載置することで、それらに3次元的な動きを与えることが可能となる。
【0020】
以上のステージ可動機構と駆動、検出機構を移動体の上部に設置し、さらにそのステージ上に物体を載せる篭などを載置することにより、移動体が移動する際の路面の凹凸などによる姿勢の変化に対して、篭など載置した物体を常に水平もしくは所定の姿勢を維持することが可能となる。
【0021】
以上のステージ可動機構と駆動、検出機構において、ステージ上にロボットハンドや工作機械のバイス、プライヤ、ピンセットなどの工具等、物体を把持する機構装置を載置することにより、その角度と把持対象までの距離を変化させることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、3自由度に滑らかに可動することができ、他の自由度には強く拘束されているアクチュエータへの力学的な負担が少ないステージの可動機構を、簡素で安価な構造で実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。図1には、本発明におけるステージ可動機構を板バネによって構成する第一の実施例を示してある。図1に示されるように、ステージ10はくの字型の支持機構30〜33によって基部20に接続されている。第一の実施例は4つのくの字型の支持機構によって構成した例であるが、本発明におけるステージ可動機構は最小3つのくの字型の支持機構30〜32で構成することができ、その例を第二の実施例として図2に示す。このようにくの字型の支持機構は3つ以上であればいくつ用いてもかまわない。便宜上、第一の実施例を用いて、以下の説明を進める。
【0024】
第一の実施例におけるくの字型の支持機構30〜33は、具体的には、1つの板バネを折り曲げることによって簡易に構成できる。もしくは、図3(1)に示されるような2つの板バネ40、41を用い、それら一方の板バネの先端に穴40aを、もう一方の板バネの先端に突起41aを備えた形状とし、図3(2)に示すように、穴40aに突起41aを通しそこを関節とすることによって、簡易に構成することが可能である。
【0025】
基部20やステージ10に対するくの字型の支持機構30〜33の接続は、どの方向にも回転自在な自由度を持たないビスやボルト、接着剤等を用いた完全な固定方法を実施すればよい。このように完全固定しても構造材が弾性体であることから、所定の動作方向の自由度にはある程度の反発力を持って動作が許容される。その際、バネ材が持つ構造的な弾性変形の方向性と、くの字型の構造によって、変形しやすい自由度と、そうではない自由度が生じることを利用し、ある特定の自由度については拘束をかけている。
【0026】
すなわち、通常、バネ材は巻き線構造でない限り、長手方向の軸に垂直に加わる外力による曲げや、長手方向の軸を中心としたねじりには、弾性的に変形する性質を有しているのに対し、長手方向の伸縮に対しては剛性を有している。さらに、板バネは面積の広い面と鉛直な関係にある外力に関しては容易に曲げを許容するが、面積の狭い面から加わる断面に平行な外力に関しては強い拘束がかかる。そのため、くの字の角度が狭まる、もしくは開く方向には弾性変形が可能であるが、図4(1)に示すように、形成されたくの字を含む面50、51に純粋に垂直な力60に対しては強い拘束力を有する。これによって、ステージ10の昇降や、ステージ10の前後の傾きの自由度は確保されると共に、ステージ10のZ軸周りの回転と、Y軸方向の水平移動については拘束することが可能になっている。その際、図4(2)に示すように、くの字型の支持機構30〜33を構成する板バネが長手方向の軸回りにねじり変形しつつ、くの字が狭まるため、左右の傾き70については許容することが可能となっている。
【0027】
さらに、図4(3)に示すような前後方向への変形力61がステージ10に加わる場合に、くの字型の支持機構が一つだけ用いられているのであれば、ステージ10や基部20とくの字型の支持機構31の接続部31cが弾性的なヒンジとなって回転すると共に、くの字が開く方向に変形しながらこの前後方向の運動は許容される。しかし、本発明においては、くの字型の支持機構を複数利用することが特徴であり、図4(3)に示すようにくの字型の支持機構32が存在することによって、くの字型の支持機構31の回転運動は拘束される。また、くの字型の支持機構34においてはステージ側のバネ材31aには長手方向に伸張する力61a、基部側のバネ材31bには長手方向に圧縮する力61b、くの字型の支持機構32においてはステージ側のバネ材32aに長手方向の圧縮する力61c、基部側のバネ材32bには長手方向に圧縮する力61dがそれぞれ加わる。先に述べたように、バネ材は長手方向には伸縮しにくい性質をもつので、これらの力と平行な変形は起こらず、全体としてステージ10の前後方向の水平移動は拘束される。
【0028】
以上によって、本発明におけるステージ可動機構においては、ステージを昇降、及び、前後左右に傾斜させるという3つの自由度には運動が許容されているが、ステージ面の中心回りの回転、及び、ステージ面の前後左右の水平移動の自由度についてはそれぞれ強く拘束されることが特徴となっている。
【0029】
このようなくの字型の支持機構構は、板バネ以外の素材によっても構成することができる。例えば、図4に示す第三の実施例のように、棒バネを利用しても構成することができる。その場合、一本の棒バネを折り曲げることによって構成することもできるが、図5(1)に示されるような2つの棒バネ42、43を用い、それら一方の棒バネの先端に穴42aを、もう一方の棒バネの先端に突起43aをもつ形状とし、図5(2)に示すように、穴42aに突起43aを通しそこを関節とすることによって、簡易に構成することが可能である。このような加工した棒バネを用意するのではなく、図5(3)に示すようにヒンジを構成するジョイント80、81を別途用意し、そこにバネ材44、45を接続する手段で構成してもよい。これらのように棒バネを利用する場合、図5(4)に示すように、くの字型の支持機構36、37のくの字の突起に当たる関節部36a、37aをリング90に通し固定することで、ステージ10の左右方向の水平移動を拘束することが可能となり、板バネを用いて構成するときと等価な自由度をもたらす可動機構とすることができる。なお、ジョイントやリングの形状は図5(3)、図5(4)に示した形状に限らない。
【0030】
さらに本発明におけるステージ可動機構においては、くの字型の支持機構が弾性力を有するバネ材によって構成されているため、外力が加わっていない状態では、各支持機構の弾性力の平衡点にステージが維持されていることが特徴である。さらに、外力が加わり、くの字型の支持機構に変形が起こった場合、構造的な特性からステージの復元力に通常のバネ機構にはない特徴を有する。
【0031】
すなわち、本発明におけるステージ可動機構における3自由度のいずれの方向の動作においても、くの字型の支持機構は圧縮される方向に主に変位するため、図1に示される第一の実施例において、くの字型の支持機構30〜33を構成するバネ材はステージの変位に対して傾斜した配置を常に取っていることになる。それにより、図6に示すように、ステージ10に鉛直方法の力成分を有する外力62が加わりステージの変位71が生じた場合、くの字型支持機構32におけるバネ材は図6の右図のように、くの字の折れ曲がった部分の角度が狭まるように変形する。その際、外力に対してバネ材が発生する反力の軸中心(バネの復元軸)100が基部の中心から離れるように図6の右図のバネの復元軸101の位置に移動することから、変形後のモーメントアーム111は変形前のモーメントアーム110に比較して増加する。したがって、バネ材の変形量が増大しても、同様にモーメントアームが増大することからステージ自体が発生する反力は、ステージの変位に応じて上昇することはなく、ほとんど一定か、逆に減少するような逆バイアス的な特性を持つようになる。ここで、モーメントアームとは外力の方向と同一の方向に伸びる直線と、それによって変位するバネ材から発生される反力の中心軸から伸ばした垂線の長さを言う。
【0032】
このような反力の特性を強めるためには、くの字型の支持機構を構成するバネ材の素材を超弾性材料とする手段がある。
【0033】
また、この特性を3自由度の動作方向全てにほぼ等しく有効にするためには、図7に示すように、基部20の中心から放射状に複数のくの字型の支持機構30〜33を配置する手段がある。
【0034】
このようなステージの変位から生じる反力の特性は、アクチュエータの動作寿命を延ばす上で有効な方法であるが、アクチュエータとして二方向性形状記憶素材を用いた場合に著しい動作寿命の向上を果たす。
【0035】
そして、板バネ材40、41の形状を図8(1)に示すように、間接側に向かってバネ材の幅が縮小するような形状のくり抜き120を設けたり、図8(2)に示すように、間接側に向かって径が大きくなるような穴121を複数設けたりすることによって、バネ材が弧を描くように均等に変形しバネ材の局所的な塑性変型が防がれることから、ステージの可動機構自身の耐久性を大きく向上させることができる。これらのように穴を開けるのではなく、バネ材自体の幅を関節側に向けて狭くする手段も同様に有効であるが、その場合はねじり変形に対する剛性が弱まることもある。
【0036】
本発明のステージ可動機構は上下動と前後左右の傾きの3自由度を有し、アクチュエータと組み合わせることによって駆動装置とすることが可能である。その際、油圧や空気圧シリンダ、リニアアクチュエータ、扁芯カムやボールネジ、ラックとピニオンを組み合わせたような回転駆動を直線方向の駆動力に変換する直動機構など、様々な駆動機構を用いることができる。ここでは、本発明は装置の小型化、省スペース化に有利であることから、小型で伸縮式のアクチュエータである形状記憶合金線を用いた場合を例にとって説明する。
【0037】
ステージを単純に上下させるには図9(1)のように、ステージと基部の中心を形状記憶合金130で接続することで可能となる。もしくは、図9(2)のようにステージと基部の中心を含む平面52においてVの字が形成されるよう、形状記憶合金線130の末端130a、130bを基部20に接続し、形状記憶合金線の中間部130cをステージ10に接続する手段によっても可能となる。その際、形状記憶合金130の両端130a、130bをステージ10に取り付け基部20に中間部130cを取り付け、への字型にしても良い。また、中間点を増やし複数のVの字やへの字の連続を形成しても良い。これらVの字やへの字を形成する張り方は、少ない形状記憶合金の変位を増幅する効果もあり、小型かつ軽量でありながら広い駆動範囲を持つステージ可動機構を実現するには有利な手段である。
【0038】
ステージを左右に傾けるには図10(1)に示すように二本の形状記憶合金線131、132を、中心平面52とオフセットした位置に待遇関係をなすよう配置する。これを別々に駆動することで左右の傾きを作り出すことができる。同期して駆動した場合はステージ10がある傾きを保ったまま上下動することになる。これら形状記憶合金線131、132は先に述べたように、Vの字状に張っても良い。さらに、図10(2)に示すように、形状記憶合金131、132の両端を対向するくの字型の支持機構の突起状の関節部の内側にそれぞれ接続し、別々に駆動することで左右の傾きを作り出すことができる。同期して駆動した場合はある傾きを保ったままステージ10が上下動することになる。
【0039】
前後に傾けるには、図11に示すように二本の形状記憶合金線131、132の片端を、ステージ10の前後に伸びる中心軸上で、中心点とオフセットした位置にそれぞれ接続し、もう一方の端を基部20の前後の中心軸上に中心点とオフセットした位置にそれぞれ接続し、これらを別々に駆動することで前後の傾きを作り出すことができる。同期して駆動した場合はステージ10がある傾きを保ったまま上下動することになる。これら形状記憶合金線131、132は先に述べたように、一つ以上のVの字状やへの字状に張っても良い。
【0040】
以上の前後左右に駆動するための駆動装置はスペース的に干渉しないため、双方を組み込むことにより、3自由度のどの自由度にも駆動することが可能となる。
【0041】
形状記憶合金線をアクチュエータとする場合、その駆動は熱を加えたり冷却したりすることで可能であり、可動機構の内部に電熱線などの発熱体を組み込むことで駆動量を操作する手段がある。しかし、効率の面と省スペース化、制御のしやすさの面の優位性を考慮すると、形状記憶合金線と電気的に接続された電子回路によって、電源からの電流を適宜形状記憶合金線に直接印可する通電加熱駆動方式をとる手段の方が効果的である。特に形状記憶合金アクチュエータとして二方向性形状記憶合金を用いることは、二方向性形状記憶合金は冷却時に伸展する特性を有することから可動機構の変位を素早く復帰させることが可能となり有利である。
【0042】
本発明のステージ可動機構は上下動と前後左右の傾きの3自由度を有することから、検出素子と組み合わせることによって、3自由度の運動を計測する装置とすることが可能である。
【0043】
例えば、図12(1)に示すように、3つのひずみゲージ140〜142をくの字型の指示構造30〜33を構成するバネ材に装着し、それら各々の変位を抵抗値の変化として取り出し、各々の変位の大小関係をみることで3自由度の姿勢と変化量を同定することが可能となる。または、図12(1)における、基部20におけるくの字型の指示機構の接続部30c、31c、32c、33cの下に圧電素子を配置し、それらの電圧の変動から加重分布を検出し3自由度の姿勢を同定することが可能となる。また、図12(2)に示すように、イメージセンサ143を基部20の中央に組み込み、ステージ10の下面の3つ以上の特徴点150〜152の抽出による画像処理から姿勢を同定することも可能である。
【0044】
これらは一般的な検出装置と組み合わせる手法であるが、アクチュエータとして二方向性形状記憶合金を用いている場合には、発明者らが先に出願した特許文献2にあるように、二方向性形状記憶合金160のひずみeと抵抗Rは、限界のひずみ量e0まで図13(1)に示すようにリニアな関係にあることから、その電気抵抗を計測することによって、ステージ10の3次元的な姿勢や姿勢の変化を検出することが可能となる。さらに、図13(2)に示すように、二方向性形状記憶合金160と、電源170、通信制御装置171、差動増幅器172、トランジスタ173、抵抗174〜176によって構成される回路によって、二方向性形状記憶合金160の抵抗値によって変化する電圧V3とV1との差を検出し、ひずみ量を算出しそれを元に所定の位置までサーボ駆動することが容易に可能となる。
【特許文献2】特開2006−183564号広報(全文)
【0045】
図14は本発明の第四の実施例を示すものであり、シリコンゴムなどで成型した動物の臓器や生体構造を模した物体180をステージ10に載置することによって、鼓動などの自律的な動きや、載置した物体への外からの物理的な入力に対する反応を、3つの自由度の動きとして再現することが可能となる。例えば、術者190がメスなどの道具181で心臓の手術をシミュレーションしようとするとき、当該ステージ可動機構で能動的に心臓の鼓動を表しつつ、道具181の入力を当該ステージ可動機構で受動的に計測することが可能となる。これによって、失敗することが許されない外科的手術を実践的にトレーニングすることが可能となることや、術者の技能の数値化が可能になる。この実施例はゲーム装置として用いてもよい。
【0046】
図15は本発明の第五の実施例である。ステージ10の中央と基部20の中央に軸200が通る穴を設け、その穴と中心軸を共にした穴を有し、鉛直方向にリンクロッド211〜212が回転自由に接続され、ステージ面で摺動回転するプレート210を載置し、回転軸200に従動回転する部材220〜222とリンクロッド211〜213を回転自由に接続することによって、部材220〜222の傾きを調整することが可能となる。これによって、小型模型ヘリコプターの回転ブレードの傾きをコントロールするスワッシュプレートとして用いることができる。
【0047】
図16は本発明の第六の実施例である。ステージ10上にイメージセンサ230や反射鏡231、レンズ232等の光学機器類を載置することにより、それらの向きや対象物との距離を操作することで、レーザーの照射照準を合わせたり、撮像のためのズームやフォーカスを合わせたりすることが可能となる。
【0048】
図17は本発明の第七の実施例である。本発明におけるステージ可動機構と駆動、検出機構において、人物の手など身体の一部を乗せるための土台240やグリップ241などの把持部品をステージ10上に載置することにより、移動体250(自動車や飛行機、船、鉄道などやその模型)の操縦バランスの変化を、ステージ上に身体の一部を載せた人物191に力触覚的に伝えることが可能となる。これにより、操作実施時や外からでは感覚することが難しい動作中の移動体の細かなバランスの変化に気付き易くなり、操作技術の向上が図られることが期待される。
【0049】
図18は本発明の第八の実施例である。本発明におけるステージ可動機構と駆動、検出機構において、ステージ10上に商品260や広告270、またはそれらの部分を載置することで、それらに3次元的な動きを与えることが可能となる。これによって、人目を惹き、宣伝効果を高めることが期待できる。
【0050】
図19は本発明の第九の実施例である。本発明におけるステージ可動機構と駆動、検出機構を移動体251の上部に設置し、さらにそのステージ10上に物体を載せる篭280を載置することにより、移動体251が移動する際の路面の凹凸などによる姿勢の変化に対して、載置した篭280を常に水平もしくは所定の姿勢に維持することが可能となる。これによって、
【0051】
図20は本発明の第十の実施例である。本発明におけるステージ可動機構と駆動、検出機構において、ステージ10上にロボットハンド290や工作機械のバイス291、ピンセット292などの工具等、物体を把持する機構装置を載置し、3+1の自由度の駆動機構とすることにより、物体の把持における微少な角度と把持対象までの距離を能動的に調整することが可能となる。
【0052】
以上、実施例を元に本発明を説明した。なお、本発明はこの実施例に限定されることなく、そのさまざまな変形例もまた、本発明の様態として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第一の実施例の斜視図である。
【図2】本発明の第二の実施例の斜視図である。
【図3】くの字型支持機構の設計例である。図3(1)は支持機構を構成する板バネの設計例を示す模式図である。図3(2)は板バネの関節の付き合わせの様態を示す模式図である。
【図4】くの字型支持機構による自由度の説明である。図4(1)はくの字型構造における拘束される自由度を説明する模式図である。図4(2)はステージ可動機構で許容される左右の傾きの自由度を説明する模式図である。図4(3)はステージ可動機構で拘束される前後の傾きの自由度を説明する模式図である。
【図5】棒バネによるステージ可動機構の設計例である。図5(1)は棒バネの設計例を示す模式図である。図5(2)は棒バネの関節のつき合わせの様態を示す模式図である。図5(3)はジョイントを用いた棒バネの関節のつき合わせを示す模式図である。図5(4)は第三の実施例の斜視図である。
【図6】くの字型の支持機構の反力特性を説明する模式図である。
【図7】放射状に配置した四つのくの字型の支持機構の上面図である。
【図8】くの字型の支持機構の耐久性を上げる設計例である。図8(1)はくり抜きを利用する例を示す模式図である。図8(2)は穴を利用する例を示す模式図である。
【図9】上下動作の駆動機構の設計例である。図9(1)は基部とステージを直線で結ぶ配置例を示す模式図である。図9(2)は基部とステージをV字に結ぶ配置例を示す模式図である。
【図10】左右の傾き動作の駆動機構の設計例である。図10(1)は基部とステージを直線で結ぶ配置例を示す模式図である。図10(2)はくの字型の支持機構同士を結ぶ配置例を示す模式図である。
【図11】前後の傾き動作の駆動機構の設計例である。
【図12】検出機構の設計例である。図12(1)はひずみゲージを組み込む例を示す模式図である。図12(2)はイメージセンサを組み込む例を示す模式図である。
【図13】二方向性形状記憶合金を使用したサーボ駆動の設計例である。図13(1)は二方向性形状記憶合金のひずみと抵抗の関係を示す模式図である。図13(2)は二方向性形状記憶合金をサーボ制御する回路の模式図である。
【図14】第四の実施例の斜視図である。
【図15】第五の実施例の斜視図である。
【図16】第六の実施例の斜視図である。
【図17】第七の実施例の斜視図である。
【図18】第八の実施例の斜視図である。
【図19】第九の実施例の斜視図である。
【図20】第十の実施例の斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
10…ステージ
20…基部
30…くの字型支持機構
31…くの字型支持機構
31a…バネ材
31b…バネ材
32…くの字型支持機構
32a…バネ材
32b…バネ材
33…くの字型支持機構
34…くの字型支持機構
35…くの字型支持機構
36…くの字型支持機構
37…くの字型支持機構
40…板バネ材
40a…横穴
41…板バネ材
41a…突起
42…棒バネ
42a…穴
43…棒バネ
43a…突起
44…バネ材
45…バネ材
50…くの字が形成される面
51…くの字が形成される面
60…垂直な力
61…前後方向の変形力
61a…伸張する力
61b…圧縮する力
61c…伸張する力
61d…圧縮する力
62…外力
70…左右の傾き
71…ステージの変位
80…ジョイント
81…ジョイント
90…リング
100…バネの復元軸
101…バネの復元軸
110…モーメントアーム
111…モーメントアーム
120…くりぬき
121…穴
130…形状記憶合金
130a…末端
130b…末端
130c…中間点
131…形状記憶合金
132…形状記憶合金
140…ひずみゲージ
141…ひずみゲージ
142…ひずみゲージ
143…イメージセンサ
150…特徴点
151…特徴点
152…特徴点
160…二方向性形状記憶合金
170…電源
171…通信制御装置
172…トランジスタ
173…抵抗
174…抵抗
175…抵抗
176…差動増幅器
180…臓器を模した物体
181…道具
190…術者
191…人物
200…軸
210…プレート
211…リンクロッド
212…リンクロッド
213…リンクロッド
220…部材
221…部材
222…部材
230…イメージセンサ
231…鏡
232…レンズ
240…土台
241…グリップ
250…移動体
251…移動体
260…商品
270…広告
280…篭
290…ロボットハンド
291…バイス
292…ピンセット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、基部上面に対して鉛直に位置し可動するステージと、バネ性を有する素材によって構成される支持機構とを備え、前記基部と前記ステージを2つ以上の前記支持機構によって接続した構成において、前期支持機構をくの字を形成するよう一つの関節を有した形状で構成することで、前記バネ性を有する素材がステージと基部の鉛直線に対して傾斜して配置されることによって、ステージの変位の増加につれて反力がほとんど変化しないか、反対に弱くなるような逆バイアス特性がもたらされること、かつ、前期支持機構をくの字を形成するよう一つの関節を有した形状で構成することで、ステージ面の中心回りの回転、及び、ステージ面の前後左右の水平移動をそれぞれ強く拘束しながら、ステージを昇降、及び、前後左右に傾斜させる自由度がもたらされることを特徴とするステージ可動機構。
【請求項2】
前記支持機構は、バネ性を有する素材を折り曲げることによって構成されることを特徴とする請求項1のステージ可動機構。
【請求項3】
前記支持機構は、2つの板バネや棒バネの片端を関節でつなぎ合わせることによって構成されることを特徴とする請求項1のステージ可動機構。
【請求項4】
前記バネ性を有する素材を超弾性素材とすることにより、ステージの変位が進むにつれて反力がほとんど変化しないか、反対に弱くなるような逆バイアス特性を強めることを特徴とする請求項1〜3のステージ可動機構。
【請求項5】
前期支持機構を基部の中心から放射状に配置することにより、ステージの変位が進むにつれて反力がほとんど変化しないか、反対に弱くなるような逆バイアス特性が、ステージの可動自由度すべてにほぼ均一にもたらすことを特徴とする請求項1〜4のステージ可動機構。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、前記バネ性を有する素材を関節側に向かって細くなる形状とし、もしくは、前記バネ性を有する素材に関節側に向かって徐々に大きくなるくり抜きや複数の径の異なる穴を設け、前記バネ性を有する素材の長手方向におけるひずみに対する反力を関節側の接続端に向かって弱めることによって、前記支持機構の耐久性を向上させたステージ可動機構。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかにおいて、伸縮型のアクチュエータ、もしくはそれに相当する駆動方向への変換がなされたアクチュエータを一つ以上用い、その片端をステージに、もう一方を基部に接続して駆動し、ステージを昇降、または前後左右に傾ける駆動機構を備えたステージ可動機構。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかにおいて、アクチュエータとして形状記憶合金などの線状で長手方向に伸縮する小型のアクチュエータを一つ以上用い、前記線状のアクチュエータの一方の端を基部もしくはステージに接続し、一つ以上の中間部をステージもしくは基部に接続し、もう一方の端を基部もしくはステージに接続することで、Vの字型、もしくは、への字型を一つ以上形成することによって、ステージを昇降、または前後左右に傾ける駆動機構を備えたステージ可動機構。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかにおいて、基部に対するステージの距離と前後左右の傾斜を計測する機能をもつ計測装置を備え、ステージの3次元的な姿勢や姿勢の変化を検出するステージ可動機構。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかにおいて、基部に対するステージの距離と前後左右の傾斜を計測するために、アクチュエータとして二方向性形状記憶合金を用い、その電気抵抗を計測することによって、ステージの3次元的な姿勢や姿勢の変化を検出し、その検出データを元に所定の位置までサーボ駆動するステージ可動機構。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかのステージ可動機構を備え、動物の臓器や生体構造を想定した物体の鼓動などの自律的な動きや、前記動物の臓器や生体構造を想定した物体への外からの物理的な入力に対する反応を動きとして再現する機械的装置。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれかのステージ可動機構を備え、回転軸に従動回転する部材の軸方向の移動や傾きを調整する機械的装置。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれかのステージ可動機構を備え、イメージセンサやレンズ反射鏡等光学機器類の向きや対象物との距離を操作する機械的装置。
【請求項14】
請求項1〜10のいずれかのステージ可動機構を備え、自動車や飛行機、船、鉄道などの移動体やその模型の操縦に対するバランスの変化を、操縦者に力触覚的に伝える機械的装置。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれかのステージ可動機構を備え、商品や広告に動きを与える機械的装置。
【請求項16】
請求項1〜10のいずれかのステージ可動機構を備え、移動体の移動中の姿勢の変化に対し、常に水平もしくは所定の姿勢を維持する載置ステージとなる機械的装置。
【請求項17】
請求項1〜10のいずれかのステージ可動機構を備え、ロボットや工作機械、工具など、物体を把持する機構装置の角度と、把持対象までの距離を変化させる機械的装置。

【図1】
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【図2】
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【図3(1)】
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【図3(2)】
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【図4(1)】
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【図4(2)】
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【図4(3)】
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【図5(1)】
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【図5(2)】
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【図5(3)】
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【図5(4)】
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【図6】
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【図7】
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【図8(1)】
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【図8(2)】
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【図9(1)】
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【図9(2)】
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【図10(1)】
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【図10(2)】
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【図11】
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【図12(1)】
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【図12(2)】
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【図13(1)】
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【図13(2)】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−265749(P2009−265749A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−111477(P2008−111477)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(390031521)トキコーポレーション株式会社 (30)
【Fターム(参考)】