説明

ステータ固定構造

【課題】モータからの磁束をレゾルバステータに流れ込みにくくしてレゾルバの検出精度を良好なものにできるステータ固定構造を提供する。
【解決手段】モータに隣接して設けられるレゾルバの検出ステータ32をケース16の台座部17に固定するステータ固定構造は、複数の磁性鋼板を積層して構成される検出ステータ32のステータコア33と、磁性鋼板のうちモータから遠い側のステータコア33の軸方向端部に位置する少なくとも1枚の磁性鋼板33aが他の磁性鋼板33bとは異形状に形成され、この異形状の磁性鋼板33aは検出ステータ32をケース16の台座部17に固定するための固定部54をステータコア33の環状の外周面から径方向外側へ突出して有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータ固定構造に係り、特に、レゾルバ用ステータをモータケース等の取付先部材に固定するためのステータ固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータのロータの回転位置を検出するためにレゾルバが用いられることがある。レゾルバは、モータロータのロータシャフトに固定されるレゾルバロータと、レゾルバロータの周囲に設けられるレゾルバステータとを備える。レゾルバステータは、モータを収容するケースまたはハウジングに対して、例えばボルト締め等によって固定されるのが一般的である。
【0003】
これに関連する先行技術文献として例えば特開2003−23761号公報(特許文献1)には、過大な応力をかけずに、精度よく固定できることを解決課題としたブラシレスモータのレゾルバ固定構造が開示されている。このレゾルバ固定構造では、エンドプレートに形成された環状の凹部にレゾルバの検出ステータが収容され、上記エンドプレートに圧入によって固定される樹脂製の係止部材のフランジ部が検出ステータの軸方向端面の外周部を押圧することにより、エンドプレートに対して検出ステータが押圧固定されることが記載されている。ここで、特許文献1における第3の実施形態として、レゾルバの検出ステータを構成する鋼板のうちモータの駆動ロータ側の端部に位置する鋼板に径方向外側へ突出する係止部(73)を折れ曲がった形状に形成し、この係止部をエンドプレートの凹部に圧入することによって、検出ステータをエンドプレートに固定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−23761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のレゾルバ固定構造では、モータに近い側のステータ端部を構成する鋼板に係止部が突出して形成されているため、磁気的アンテナ効果によってモータから発生した磁束が係止部に流れ込み易い。その結果、このように係止部を介してレゾルバステータに流れ込んだ磁束によってレゾルバの検出精度が影響を受けやすい。
【0006】
本発明の目的は、モータからの磁束をレゾルバステータに流れ込みにくくしてレゾルバの検出精度を良好なものにできるステータ固定構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るステータ固定構造は、モータに隣接して設けられるレゾルバのステータを取付先部材に固定するステータ固定構造であって、前記ステータは複数の磁性板材を積層して構成され、前記磁性板材のうち前記モータから遠い側の前記ステータの軸方向端部に位置する少なくとも1枚の磁性板材が他の磁性板材とは異形状に形成され、前記異形状の磁性板材は前記ステータを前記取付先部材に固定するための固定部を前記ステータの環状の外周面から径方向外側へ突出して有するものである。
【0008】
本発明に係るステータ固定構造おいて、前記固定部は、前記取付先部材に形成された位置決め溝に嵌合することにより前記取付先部材に対する前記ステータの周方向位置を決める位置決め部であってもよい。
【0009】
また、本発明に係るステータ固定構造において、前記固定部は、前記ステータが前記取付先部材に固定されたとき前記位置決め溝のモータ側に形成された張り出し部に先端部が係合することにより前記ステータの軸方向の移動を規制してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のステータ固定構造によれば、ステータを取付先部材に固定するための固定部が、モータから遠い側のステータ端部を構成する磁性板材に形成しているため、モータに近い側のステータ端部に上記固定部を設けた場合に比べて、モータからの磁束が上記固定部を介してステータに流れ込みにくくなり、その結果、レゾルバの検出精度を良好なものにできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態であるステータ固定構造を含むレゾルバの断面図である。
【図2】図1においてケースに取り付けられたレゾルバの検出ロータおよび検出ステータを示す、軸方向から見た平面図(シャフト断面を含む)である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】検出ステータの平面図である。
【図5】検出ステータが固定されるときの様子を段階的に示す、図3と同様の図である。
【図6】ケースのステータ取付用台座部を環状凹部として形成した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施の形態(以下、実施形態という)について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
【0013】
図1は本実施形態のステータ固定構造が適用されるレゾルバ10を示す軸方向断面図であり、図2は図1においてケースに取り付けられたレゾルバ10の検出ロータと検出ステータを示す、軸方向から見た平面図(シャフト断面を含む)である。なお、本実施形態ではステータ固定構造がロータ回転位置検出センサであるレゾルバ10に適用される例について説明するが、モータや発電機等の回転電機を構成するステータの固定構造として用いてもよい。
【0014】
図1に示すように、レゾルバ10は、モータ12に隣接して設けられている。モータ12は、略有底円筒状のハウジング14内に収容されている。ハウジング14の開口端部は、レゾルバ10を収容するケース(取付先部材)16によって閉じられている。ハウジング14およびケース16は、例えば、アルミダイキャスト製のものが好適に用いられる。
【0015】
モータ12は、モータステータ20と、モータロータ22とを備える。モータステータ20は、磁性鋼板を軸方向に積層してなる筒状をなし、内周部に径方向内方へ突出して形成された複数のティース24が周方向に均等配置で設けられている。そして、ティース24の周囲にはステータコイル26が巻装されている。
【0016】
モータロータ22は、略円柱状のロータコア22aと、ロータコア22aの中心孔部を貫通して固設されたロータシャフト22bとを含む。ロータコア22aは、モータステータ20の内側に所定のギャップを隔てて配置されている。また、ロータシャフト22bは、ケース16の中心部に配置される軸受18と、ハウジング14の図示しない底部の中心部に配置される図示しない軸受とを介して、モータ12のロータシャフト22bが回転可能に支持されている。
【0017】
レゾルバ10は、検出ロータ30と検出ステータ32とを備える。レゾルバ10は、モータロータ22の回転位置を検出するためのセンサとして機能する。レゾルバ10の検出ロータ30は、例えば、略楕円状または小判状に打ち抜き加工された複数枚の磁性鋼板を軸方向に積層して、かしめ、溶接等により一体に連結して構成される。
【0018】
検出ロータ30の中心孔には、モータ12から延びるロータシャフト22bが挿通されている。検出ロータ30の中心孔の縁にはキー34が突設されており、このキー34がロータシャフト22bに凹設されたキー溝36に嵌合することによって、ロータシャフト22bに対する検出ロータ30の周方向位置が決められている。
【0019】
また、検出ロータ30は、ロータシャフト22bの端部(図1中の左側)が挿通されて組み付けられるとき、軸方向に延伸するキー溝36の終端面に検出ロータ30のキー34が当接することによって、ロータシャフト22bに対する検出ロータ30の軸方向位置が決められることができる。
【0020】
なお、上記においては検出ロータ30の周方向位置がキーとキー溝の嵌合によって決められるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、検出ロータをロータシャフトに圧入、締り嵌め等することによってロータシャフトに対する検出ロータの周方向位置および/または軸方向位置が固定されてもよい。
【0021】
レゾルバ10の検出ステータ32は、検出ロータ30の周囲にギャップを介して設けられている。検出ステータ32は、磁性板材を積層してなるステータコア33を含む。ステータコア33は、例えば、略円環状に打ち抜き加工された磁性鋼板(磁性板材)を軸方向に積層して、かしめ、溶接等により一体に連結して構成される。
【0022】
ステータコア33は、円環状に連なるヨーク部38と、ヨーク部38の内周部に径方向内側へ向かって突出する複数のティース部39とを有する。ティース部39は、周方向に均等間隔で設けられている。これらのティース部39の周囲に検出コイル40が巻装されている。検出コイル40は、ステータコア33の軸方向両端面から外側にそれぞれ突出するコイルエンド部42を含む。
【0023】
図2に示すように、検出コイル40は、円環状の樹脂製カバー部材44によって覆われているのが好ましい。このカバー部材44は、検出ステータ32の内周にティース部39の端面を露出された状態で周方向全体にわたって検出コイル40を覆うように設けられている。なお、図1においてはカバー部材44の図示が省略されている。
【0024】
カバー部材44は、例えば、検出コイル40が巻装されたステータコア33を成形型内においてインサート射出成形を行うことにより形成することができる。また、カバー部材44は、検出ステータ32の軸方向両側において検出コイル40のコイルエンド部42を覆っているのが好ましい。このように、カバー部材44によって検出コイル40を覆うことによって、モータ12のモータロータ22やステータコイル26を冷却するために用いられる冷却油がレゾルバ10の検出コイル40に掛からないようにして、冷却油に含まれる金属粉等の導電性異物が付着することによる検出コイル40の絶縁性能が低下するのを防止でき、レゾルバ10の検出精度を良好に維持することができる。
【0025】
検出ステータ32を構成するステータコア33は、積層された磁性鋼板のうち軸方向一端部に位置する少なくとも1枚の磁性鋼板が他の磁性鋼板とは異なる形状に形成されている。具体的には、上記一端部に位置する磁性鋼板には、ステータコア33の外周面33cから径方向外側へ突出する少なくとも2つの固定部が形成されている。この固定部は、検出ステータ32をケース16に固定するためのものである。上記のように固定部が形成された磁性鋼板は、検出ステータ32がケース16に固定されてハウジング14に組み付けられたられたとき、検出ステータ32においてモータ12から遠い側の軸方向端部に位置することとなる。ステータ固定構造の詳細については後述する。
【0026】
上記のように構成されるレゾルバ10では、モータ12が駆動されてモータロータ22が回転すると、検出ロータ30がロータシャフト22bと共に回転する。このとき、略楕円状の外周面を有する検出ロータ30と検出ステータ32の内周面(すなわちティース部39の径方向内側端面)との間のギャップ長が変化する。そのため、検出コイル40に交流電流を流しておくと、その交流電流に上記ギャップ長の変化に応じた出力が重畳されることになる。モータロータ22の回転位置は、この出力が重畳した交流電流に基づいて検出することができる。
【0027】
次に、図1,2に加えて図3〜5も参照して、本実施形態のステータ固定構造について詳細に説明する。図3は、図2におけるA−A断面図である。図4は、検出ステータ32の平面図である。図5は、検出ステータ32が固定されるときの様子を段階的に示す、図3と同様の図である。
【0028】
図1,2を参照すると、レゾルバ10を収容するケース16の内面19には、台座部17が突設されている。台座部17は、例えば略台形状の横断面を有する柱状をなしている。また、台座部17は、矢印Xで示す軸方向に延びており、その突出長さは台座部17上に検出ステータ32が取り付けられたときにカバー部材44(カバー部材が無い場合はコイルエンド部42)がケース16の内面19と接触しない程度に設定されている。
【0029】
さらに、台座部17は、図2に示すように、検出ステータ32の外周に沿う円周方向に間隔を置いて複数、設けられている。本実施形態では、4つの台座部17が等間隔で設けられている例を示す。台座部17の周方向間隔は、等間隔でもよいし、不等間隔であってもよい。台座部17の周方向間隔を不等間隔に設定した場合、検出ステータ32の固定部との関係で検出ステータ32の取り付け向きが一義的に規定されるため、検出ステータ32の取り付ける向きが不揃いになるのを確実に防止できる利点がある。
【0030】
なお、本実施形態では、検出ステータ32を固定するための台座部17を周方向に飛び飛びに設けたが、これに限定されるものではなく、例えば円環状に連なって延びる台座部としてもよい。このようにすれば、台座部の端面と検出ステータのステータコアの軸方向端面外周部との接触面積が大きくなり、検出ステータ32の固定状態がより安定したものになるという利点がある。
【0031】
図2,3を参照すると、各台座部17には、インロー段部17aと外周壁部17bとが形成されている。インロー段部17aは、4つの台座部17の内側に検出ステータ32が配置されたときにステータコア33の軸方向端面と接触して支持する部分である。
【0032】
また、台座部17の外周壁部17bは、4つの台座部17の内側に検出ステータ32が配置されたときにステータコア33の外周面33cとの間に若干の隙間が空くように形成されるのが好ましい。このようにすることで、検出ステータ32が固定されたときに台座部17の外周壁部17bからステータコア33に径方向押圧力が作用することがなく、したがって、ステータコア33の径方向の応力歪みによりレゾルバ10の検出精度が低下するのを防止できる。
【0033】
ただし、4つの台座部17の内側に検出ステータ32が配置されたときにステータコア33の外周面33cと台座部17の外周壁部17bとが過度の押圧力が作用しない程度に接触していてもよい。このようにすれば、ケース16に固定される検出ステータ32の径方向位置決めを容易かつ正確に行うことができる。
【0034】
さらに、台座部17の外周壁部17bには、図3に示すように、矢印Rで示す径方向外側へ向かって凹むと共にステータコア33の積層厚みにほぼ相当する長さで軸方向に延びる位置決め溝46が形成されている。位置決め溝46は、後述する固定部の幅(W2)にほぼ相当する周方向幅W1を有している。また、位置決め溝46の軸方向先端部には、位置決め溝46の凹み深さDよりも小さい幅W2で径方向内側へ張り出した張り出し部50が形成されている。そして、図2,3に示すように、台座部17の外周壁部17bを軸方向から見たとき、位置決め溝46の端部であって張り出し部50と外周壁部17bの径方向内側面との間に略矩形状の開口部52が形成されている。
【0035】
一方、図3,4を参照すると、検出ステータ32を構成するステータコア33には、環状の外周面33cから径方向外側へ矩形状に突出する固定部54が形成されている。この固定部54は、検出ステータ32がケース16に取り付けられるときに台座部17の位置決め溝46に嵌合することによって検出ステータ32の周方向位置(または回転位置)を決める位置決め部である。外周面33cからの固定部54の突出長さは、ステータコア33の端面が台座部17のインロー段部17aに当接した状態で、位置決め溝46に曲がって嵌り込んだ固定部54の先端部が台座部17の張り出し部50に係合するように設定されている。
【0036】
本実施形態におけるステータコア33の固定部54は、台座部17に対応して周方向に均等な配置で4つ設けられている。なお、固定部54の数は台座部17と同様に少なくとも2つ以上であればよく、また、固定部54の間隔は台座部17に合わせて不等間隔としてもよい。
【0037】
図3に示すように、固定部54は、ステータコア33を構成する積層された磁性鋼板のうち、モータ12から遠い側のステータコア33の軸方向端部に位置する1枚の磁性鋼板33aが他の磁性鋼板33bとは異なる形状に打ち抜き加工されることによって形成されている。ケース16に固定された検出ステータ32がハウジング14に組付けられたとき、図3中の上側にモータ12が位置することになる。
【0038】
ただし、固定部54は、1枚の磁性鋼板に形成される場合に限定されるものではなく、ステータコア33の軸方向端部に位置する2枚以上の磁性鋼板に形成されてもよい。
【0039】
続いて、図5を参照して、ケース16に対する検出ステータ32の組付け工程について説明する。
【0040】
まず、図5(a)に示すように、例えば水平な作業台上に置かれたケース16の4つ台座部17の上に検出ステータ32を載置する。このとき、ステータコア33の外周面が台座部17の外周壁部17bの内側となるように配置するとともに、検出ステータ32の固定部54が台座部17の開口部52すなわち位置決め溝46に対向するように検出ステータ32の回転位置を合わせる。
【0041】
それから、この状態で図5(b)に示すようにケース16に対して検出ステータ32を矢印方向に押し込む。すると、固定部54が張り出し部50に圧接されて曲がりながら開口部52を介して位置決め溝46内に挿入または圧入されていく。
【0042】
そして、ステータコア33の軸方向端面が台座部17のインロー段部17aに当接したとき、張り出し部50を通過した固定部54はそれ自身の弾性復元力によって先端部が張り出し部50に係合し、これにより検出ステータ32がケース16に固定される。この固定状態では、固定部54の先端部が張り出し部50に係合していることで、検出ステータ32が軸方向にがたつくことなく軸方向位置が決められた状態となり、ケース16から検出ステータ32が外れてしまうことがない。
【0043】
上述したように本実施形態のステータ固定構造によれば、検出ステータ32をケース16に固定するための固定部54が、モータ12から遠い側のステータ端部を構成する磁性鋼板33aに形成されているため、モータ12に近い側のステータ端部に固定部54を設けた場合に比べて、モータ12からの磁束が固定部54を介して検出ステータ32のステータコア33に流れ込みにくくなり、その結果、レゾルバ10の検出精度を良好なものにできる。
【0044】
また、検出ステータ32の軸方向端部の磁性鋼板33aに形成された固定部54によって検出ステータ32をケース16に固定できるので、固定されたときに台座部17またはケース16からステータコア33に押圧力、特に径方向内向きの押圧力が作用するのを制限または解消することができる。したがって、ステータコア33の応力歪みによるレゾルバ10の検出精度の悪化を生じさせることがない。
【0045】
また、固定部54によって検出ステータ32をケース16に固定できるので、ステータコア33に固定用ボルト挿通孔を形成する必要がない。そのため、ステータコア33を小径化することができ、磁性鋼板の歩留まり向上により材料費を低減できる。
【0046】
さらに、検出ステータ32の固定にボルトを用いなくてもよいので、ケースに対するステータの取付作業が容易になる。このとき、検出ステータ32は、ケース16に対して位置合わせして押し込むだけのワンタッチの作業で、周方向、径方向および軸方向の位置決めが行える。したがって、組付け後に周方向位置調整等の作業が不要となり、検出ステータ32の組付け工程が極めて簡易なものになる。
【0047】
なお、本発明に係るステータ固定構造は、上述した実施形態およびその変形例の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲で種々の変更や改良が可能である。
【0048】
例えば、上記実施形態においては検出ステータ32を取り付ける台座部17をケース内面19に突設して設けたが、これに限定されるものではなく、図6に示すように、ケース16の内側に環状に凹むインロー段部17aを形成してもよい。また、この場合、位置決め溝46に対して径方向内方へ張り出した張り出し部50を、ケース16とは別部材をなす断面L字状のリング部材56をケース16に圧入固定することによって設けてもよい。このように別部材によって張り出し部を構成することとすれば、ケース16の製造が容易となる利点がある。
【符号の説明】
【0049】
10 レゾルバ、12 モータ、14 ハウジング、16 ケース、17 台座部、17a インロー段部、17b 外周壁部、18 軸受、19 内面、20 モータステータ、22 モータロータ、22a ロータコア、22b ロータシャフト、24 ティース、26 ステータコイル、30 検出ロータ、32 検出ステータ、33 ステータコア、33a,33b 磁性鋼板、33c 外周面、34 キー、36 キー溝、38 ヨーク部、39 ティース部、40 検出コイル、42 コイルエンド部、44 カバー部材、46 位置決め溝、50 張り出し部、52 開口部、54 固定部、56 リング部材、W1 周方向幅、W2 幅、X 矢印(軸方向)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータに隣接して設けられるレゾルバのステータを取付先部材に固定するステータ固定構造であって、
前記ステータは複数の磁性板材を積層して構成され、前記磁性板材のうち前記モータから遠い側の前記ステータの軸方向端部に位置する少なくとも1枚の磁性板材が他の磁性板材とは異形状に形成され、前記異形状の磁性板材は前記ステータを前記取付先部材に固定するための固定部を前記ステータの環状の外周面から径方向外側へ突出して有する、
ステータ固定構造。
【請求項2】
請求項1に記載のステータ固定構造において、
前記固定部は、前記取付先部材に形成された位置決め溝に嵌合することにより前記取付先部材に対する前記ステータの周方向位置を決める位置決め部である、ステータ固定構造。
【請求項3】
請求項2に記載のステータ固定構造において、
前記固定部は、前記ステータが前記取付先部材に固定されたとき前記位置決め溝のモータ側に形成された張り出し部に先端部が係合することにより前記ステータの軸方向の移動を規制する、ステータ固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−99161(P2013−99161A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241198(P2011−241198)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】