説明

ストリーミング情報処理装置保守支援システム及びプロキシ装置とストリーミング情報処理装置並びに保守支援方法

【課題】ストリーミング情報を受信する機器にあわせた機器内部処理情報の取得を行い、効率よく機器の障害や異常の解析を行うストリーミング情報処理装置保守支援システム及びプロキシ装置とストリーミング情報処理装置並びに保守支援方法を提供する。
【解決手段】ネットワーク030経由でコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置001と、プロキシ装置020と、コンテンツを配信する配信サーバ032とからなり、情報処理装置001の保守支援システムにおいて、プロキシ装置020は、配信サーバ032から受信したストリームデータへパケットを追加して、情報処理装置001における機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行い、情報処理装置001が返信した処理結果を受信し、情報処理装置001は、プロキシ装置020が送信したデータを受信して内部情報取得指示を受け取り、解析内容に応じた処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリーミング情報処理装置保守支援システム及びプロキシ装置とストリーミング情報処理装置並びに支援方法に関し、特にデジタルテレビやセットトップボックス(STB)などのストリーミング情報処理装置の不具合遠隔解析の方法、プログラム、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルテレビやカーナビゲーションシステムなどをはじめとする情報家電機器は複雑なシステムとなっており、機器の不具合で障害や異常が生じた場合の解析作業は困難な作業になってきている。また、情報家電機器のネットワーク化の進展に伴い、ネットワークを介して複数のシステムが連携するようになり、障害や異常が生じた場合の解析対象がその機器だけでなく、伝送路や他のシステムまで広がり解析作業がより一層困難になっている。また、デジタルテレビやセットトップボックス(STB)などのような、動画や音声のストリーミング情報を処理する機器においては、短時間に大量の情報を連続してリアルタイム処理するものであり、障害や異常の発生した際の解析が特に困難である。
特許文献1に示されるように、伝送品質を監視することで伝送路に起因する障害を配信元に報告し、配信データの調整や再送によるストリーミング情報の品質向上を行う技術が考案されている。
また、非特許文献1に示されるように、プロキシを用いることで動画像のストリーミング配信の品質調整を行う技術が考案されている。
【特許文献1】特開2003−338841号公報
【非特許文献1】谷口ほか,“MPEG−4動画像配信のための品質調整機能を組み込んだプロキシキャッシングシステムの実装と評価”,電子情報通信学会技術研究報告ネットワークシステム,Vol.103,No.112(20030613),pp.45−48,http://www.anarg.jp/achievements/web2003/Paper/y-tanigu03ns-ImplementMPEG4Proxy.pdf
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
デジタルテレビやセットトップボックス(STB)などのストリーミング情報処理装置で障害や異常が発生すると、障害や異常が生じた場合の解析対象がその機器だけでなく、伝送路や他のシステムまで広がり解析作業がより一層困難になっている。また、動画や音声のストリーミング情報を処理においては、短時間に大量の情報を連続してリアルタイム処理するものであり、障害や異常の発生した際の解析が特に困難である。伝送エラーについては、誤り訂正符号や伝送路の監視による再送などにより解決が可能であるが、正しく伝送が行われたにもかかわらずストリーミング情報を受信する端末装置での再生処理等で問題が発生する場合は、大量の情報のリアルタイム処理が連続して行われるため問題の要因となるデータを解析するのが困難である。
【0004】
そこで、本発明は、ストリーミング情報の配信をプロキシ経由にすることで、ストリーミング情報を受信する機器にあわせた機器内部処理情報の取得を行い、効率よく機器の障害や異常の解析を行うストリーミング情報処理装置保守支援システム及びプロキシ装置とストリーミング情報処理装置並びに保守支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置と、プロキシ装置と、前記ストリーミングコンテンツを配信する配信サーバとからなり、前記ストリーミング情報処理装置の保守を支援するシステムにおいて、前記プロキシ装置は、前記配信サーバから受信したストリームデータへパケットを追加して、前記ストリーミング情報処理装置における情報処理時の機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行い、パケットを追加したストリームデータを前記ストリーミング情報処理装置に送信し、前記ストリーミング情報処理装置が返信した処理結果を受信し、前記ストリーミング情報処理装置は、前記プロキシ装置が送信したストリーミングデータを受信して内部情報取得指示を受け取り、前記内部情報取得指示を解析し、解析内容に応じた処理を行い、処理結果を前記プロキシ装置に返信するストリーミング情報処理装置保守支援システムである。
【0006】
また、本発明は、ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置と、プロキシ装置と、前記ストリーミングコンテンツを配信する配信サーバとからなり、前記ストリーミング情報処理装置の保守を支援するシステムにおいて、前記プロキシ装置は、前記配信サーバから受信したストリームデータへパケットを追加して、前記ストリーミング情報処理装置における情報処理時の機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行い、パケットを追加したストリームデータを前記ストリーミング情報処理装置に送信し、前記ストリーミング情報処理装置が返信した内部情報を受信し、前記ストリーミング情報処理装置は、前記プロキシ装置が送信したストリーミングデータを受信して内部情報取得指示を受け取り、前記内容情報取得指示を解析し、解析内容に応じた処理を行い、処理結果及び受信したストリームデータを前記プロキシ装置に返信するストリーミング情報処理装置保守支援システムである。
【0007】
そして、本発明は、前記プロキシ装置は、サンプリングやその他条件にもとづく絞込みにより調査を支援する手段を具備するストリーミング情報処理装置保守支援システムである。
【0008】
更に、本発明は、ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置の保守を支援するプロキシ装置において、前記ストリーミングコンテンツを配信する配信サーバから受信したストリームデータへパケットを追加して、前記ストリーミング情報処理装置における情報処理時の機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行い、パケットを追加したストリームデータを前記ストリーミング情報処理装置に送信し、前記ストリーミング情報処理装置が返信した内部情報を受信するプロキシ装置である。
【0009】
また、本発明は、ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置の保守を支援するプロキシ装置において、前記ストリーミングコンテンツを配信する配信サーバから受信したストリームデータへパケットを追加して、前記ストリーミング情報処理装置における情報処理時の機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行い、パケットを追加したストリームデータを前記ストリーミング情報処理装置に送信し、前記ストリーミング情報処理装置が返信した内部情報を受信し、サンプリングやその他条件にもとづく絞込みによる調査を支援するプロキシ装置である。
【0010】
そして、本発明は。ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置において、前記ストリーミングコンテンツを配信する配信サーバから受信したストリームデータへパケットを追加して、前記ストリーミング情報処理装置における情報処理時の機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行うプロキシ装置が送信したストリーミングデータを受信して内部情報取得指示を受け取り、前記内部情報取得指示を解析し、解析内容に応じた処理を行い、処理結果を前記プロキシ装置に返信するストリーミング情報処理装置である。
【0011】
更に、本発明は、ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置において、前記ストリーミングコンテンツを配信する配信サーバから受信したストリームデータへパケットを追加して、前記ストリーミング情報処理装置における情報処理時の機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行うプロキシ装置が送信したストリーミングデータを受信して内部情報取得指示を受け取り、前記内部情報取得指示を解析し、解析内容に応じた処理を行い、処理結果と受信したストリームデータを前記プロキシ装置に返信するストリーミング情報処理装置である。
【0012】
また、本発明は、ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置と、プロキシ装置と、前記ストリーミングコンテンツを配信する配信サーバとからシステムにおける前記ストリーミング情報処理装置の保守を支援する方法において、前記プロキシ装置により、前記配信サーバから受信したストリームデータへパケットを追加して、前記ストリーミング情報処理装置における情報処理時の機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行うことと、パケットを追加したストリームデータを前記ストリーミング情報処理装置に送信することと、前記ストリーミング情報処理装置が返信した内部情報を受信することと、前記ストリーミング情報処理装置により、前記プロキシ装置が送信したストリーミングデータを受信して内部情報取得指示を受け取り、前記内部情報取得指示を解析し、解析内容に応じた処理を行い、処理結果を前記プロキシ装置に返信するストリーミング情報処理装置保守支援方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ストリーミング情報処理装置で障害や異常が発生したときに効率よく問題の解析が行えるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の概要は、以下の通りである。
まず、ストリーミング情報処理装置において障害や異常が発生したときに機器内部の情報を取得する指令をプロキシにおいて配信元からのオリジナルコンテンツストリームデータの適切な位置に重畳し、ストリーミング情報処理装置に配信できるようにしたものである。
さらに、機器内部の情報を取得する指令をストリームデータ中に検出したストリーミング情報処理装置が、取得した情報をプロキシに通知することで、プロキシにおいて配信したストリームデータとその処理を行っている情報処理装置の内部状態をまとめて扱うことで、機器内部での処理で発生した問題の解析を効率よく行えるようにしたものである。
さらに、ストリーミング情報処理装置において受信したストリーム情報の記録時に、ストリームデータに重畳された内部情報取得指令を取得した内部情報と置換して記録することで、受信したストリームデータと、その際の機器の内部処理状態とをまとめて扱うことで機器内部での処理で発生した問題の解析を効率よく行えるようにしたものである。
以下、本発明のストリーミング情報処理装置保守支援システム及びプロキシ装置とストリーミング情報処理装置並びに保守支援方法の実施例について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0015】
実施例1を説明する。ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するデジタルテレビ装置において、配信元からのオリジナルコンテンツストリームデータの適切な位置に機器内部の情報を取得する指令をプロキシ装置において重畳し、デジタルテレビ装置の内部情報を適切な時点で取得しプロキシ装置に通知することで、デジタルテレビ装置でのストリームデータの処理時に発生する問題の解析を効率よく行う一実施形態のシステムについて説明する。
【0016】
図1は本実施形態のシステム全体構成を示す図である。図1に示すように本実施形態では、ストリーミングコンテンツを受信する能力を有する装置、たとえばデジタルテレビ装置001および031と、プロキシ装置020と、ネットワーク030と、配信サーバ032、033とから構成される。
【0017】
デジタルテレビ装置001は、映像信号を表示する映像出力部002と、音声信号を出力する音声出力部003と、ストリームデータを処理するストリームデータ処理部004と、ストリームデータ処理部004の内部情報の取得処理を行う内部情報処理部010と、ストリームデータの記録制御を行う記録制御部011と、ストリームデータの記録に用いるHDD012と、ネットワーク030との通信処理を行う通信部013とからなる。ストリームデータ処理部004は、ストリームデータに含まれる映像信号を処理する映像信号処理部005と、ストリームデータに含まれる音声信号を処理する音声信号処理部006と、ストリームデータに含まれる映像や音声などの信号に関する管理情報などを処理するSI情報処理部007と、受信したストリームデータから映像や音声その他の情報のストリームを分離するDEMUX008と、複数のストリームを重畳したストリームデータを生成するMUX009とからなる。デジタルテレビ装置031も同様の構成とする。
【0018】
プロキシ装置020は、ストリームデータの中継配信管理を行う端末管理部021と、情報取得の指示などをストリームデータとして生成する指令ストリーム生成部022と、配信サーバ032、033から受け取ったストリームデータに含まれる映像や音声などのストリームを解析するストリーム解析部023と、配信サーバ032、033から受信したストリームデータから映像や音声その他の情報のストリームを分離するDEMUX024と、配信サーバ032、033から受信したストリームデータに指令ストリーム生成部022が生成したストリームデータを重畳するMUX025とネットワーク030との通信処理を行う通信部026とからなる。
【0019】
デジタルテレビ装置001、031は、ネットワーク030からストリームデータを受信して、音声や映像の信号を出力する機能を持つセットトップボックス(STB)などを持つ別の装置であってもよい。また、ネットワーク030は、インターネットプロトコルで通信を行うネットワークであっても、その他のプロトコルを用いて通信を行うネットワークであってもよいし、デジタルテレビ装置001、031とプロキシ装置020の間での通信、プロキシ装置020と配信サーバ032、033との間の通信が可能であればどのような構成のネットワークであってもよい。また、ストリームデータは、本実施形態においてはMPEG2−TS形式を前提とするが、他の形式のストリームデータであってもよい。
【0020】
次に、プロキシ装置020がデジタルテレビ装置001の要求に基づいて配信サーバ032からストリームデータを受信し、内部情報取得指示を行うストリームを重畳してデジタルテレビ装置001に配信する処理の手順を図2のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS01においてデジタルテレビ装置001の通信部013からのコンテンツ取得要求をネットワーク030経由でプロキシ装置020の通信部026が受信する。ここではコンテンツ取得要求の形式は、コンテンツのネットワーク上での所在を示すURLとするが、他の形式であってもよい。次に、ステップS02においてプロキシ装置020の端末配信管理部021は、ステップS01で受信したURLに基づいて通信部026およびネットワーク030経由で配信サーバ032へコンテンツ取得要求を送信し、配信サーバ032からの要求されたコンテンツのストリームデータの配信が開始される。次にステップS03において、配信サーバ032から通信部026経由で受信したストリームデータをDEMUX025にて映像や音声などのストリームに分離する。
【0021】
次にステップS04において、ステップS03において分離した映像ストリームデータをストリーム解析部023にて解析し、デジタルテレビ装置001で処理を行う際の内部情報取得が必要な映像フレームであるかどうかを判定する。ここでは、特定の機種の製品においてMPEGの映像ストリームのGOP(Group Of Picture)の先頭にBフレームがあるときに処理に異常があり内部情報の取得が必要になったとして説明する。もし内部情報の取得が不要であればステップS05にすすむ。もしデジタルテレビ装置001が調査対象の機種であり、上述の条件を満たすため内部情報の取得が必要であればステップS06にすすむ。ここで、条件を満たすデジタルテレビ装置が現在大量に配信対象になっている場合は、すべての装置で情報を取得するのではなく、サンプリングなどにより情報の取得対象の数を絞り込んでもよいし、その他の条件たとえば有料サービスの契約会員が使用者であるなどの条件をもとに絞り込んでもよい。
【0022】
ステップS05において、配信サーバ032から受信したストリームデータをそのままデジタルテレビ装置001に送信し、ステップS03にもどる。
【0023】
ステップS06において、指令ストリーム生成部022がデジタルテレビ装置001に対応する内部情報取得指令をストリームデータとして生成する。次に、ステップS07において、ステップS06において生成した指令ストリームデータをMUX025が、配信サーバ032から受信したオリジナルストリームに多重化する。次にステップS08において、通信部026からネットワーク030経由で、ステップS07において多重化されたストリームデータをデジタルテレビ装置001に送信する。次にステップS09において、配信サーバ032からのストリームデータが終端に達したかどうかを判定し、終端であれば手順を終了し、そうでなければステップS03にもどる。
【0024】
上記ステップS03でプロキシ装置が受信しているストリームデータと上記ステップS07で多重化されたストリームデータの内容について図3を用いて説明する。
上記ステップS03において配信サーバ032から送信されるオリジナルストリーム040には、映像ストリームのひとつのフレームの先頭パケットであるV(B)1−1パケット041が含まれている。MPEG2−TSのパケットであるパケット041の内部はTSヘッダ042、PESヘッダ043、SECヘッダ044、GOP045、ピクチャデータ047のヘッダ046が含まれる。本実施形態においては、フレームの先頭パケットであることはTSヘッダ042のペイロードユニット開始インジケータを参照することで判定される。また、GOP045が存在することで、このパケットに含まれるフレームがGOPの先頭であることも判定できる。また、ヘッダ046に含まれるピクチャタイプを参照することでBフレームであることが判定できる。
【0025】
上記ステップS07においては、オリジナルのストリーム040のパケット041の前に内部情報取得の指令を行うパケット051を挿入した情報取得指令挿入済みストリーム050をプロキシ装置020からデジタルテレビ装置031に送信する。また、パケット041の前ではなく後ろにパケット051を挿入してもかまわない。
【0026】
次に、デジタルテレビ装置001がプロキシ装置020から受信したストリームデータに内部情報取得の指令を含むときにストリームデータ処理時の内部情報を取得してプロキシ装置020に通知する処理の手順を、図4のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS11においてデジタルテレビ装置001の通信部013がネットワーク030経由でプロキシ装置020からのストリームデータを受信する。次に、ステップS12においてDEMUX009がプロキシ装置020から受信したストリームデータを映像や音声、情報取得指令などのストリームに分離する。
【0027】
次に、ステップS13においてステップS12で分離したストリームに情報取得指令パケットが含まれているか判定し、含まれていない場合はステップS15にすすみ、含まれている場合はステップS14にすすむ。
【0028】
ステップS15において映像信号処理部005および音声信号処理部006およびSI情報処理部007が、受信したストリームデータの再生処理を行い、映像出力部002や音声出力部003へ信号を出力し、ステップS18にすすむ。
【0029】
一方、ステップS14において内部情報取得部010が映像信号処理部005の内部情報の取得を開始する。次に、ステップS16においてステップS15と同様に再生処理を行うが、映像信号処理部005の内部処理の情報たとえばバッファメモリの確保状況などを内部情報取得部010が取得している。次に、ステップS17において内部情報取得部010が取得した内部処理の情報をプロキシ装置020に送信する。このとき、映像出力部002や音声出力部003を通じて情報の送信を行ったことをメッセージ表示などで使用者に通知してもよい。次に、ステップS18において受信したストリームデータが終端に達していれば一連の処理を終了し、そうでなければステップS11に戻る。
【0030】
このように、デジタルテレビやセットトップボックス(STB)などのストリーミング情報処理装置で障害や異常が発生するときに、処理中の機器内部の情報を取得する指令をプロキシにおいて配信元からのオリジナルコンテンツストリームデータのビデオフレームの区切りなどの適切な位置に重畳し配信することと、ストリーミング情報処理装置で機器内部の情報を取得する指令をストリームデータ中に検出したときに、取得した処理中の内部情報をプロキシに送信することで、プロキシにおいて配信したストリームデータとその処理を行っている情報処理装置の内部状態をまとめて扱うことが可能になり、機器内部での処理で発生した問題の解析を効率よく行えるという効果がある。
なお、本実施形態では一例として映像信号処理部005の内部処理情報をプロキシ装置020に送信しているが、他の処理部の内部処理情報でもかまわない。
【実施例2】
【0031】
実施例2を説明する。ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信し、HDDへの記録機能を持つデジタルテレビ装置において、配信元からのオリジナルコンテンツストリームデータの適切な位置に機器内部の情報を取得する指令をプロキシにおいて重畳し、デジタルテレビ装置の内部情報を適切な時点で取得し、ストリームデータのHDDへの記録時に内部情報取得指令を取得した内部情報に置換し、コンテンツを再生しながらHDDへ記録を行う一実施形態のシステムについて説明する。
【0032】
実施例2は、実施例1と大部分は同一で、システム全体構成は実施例1の図1と同一とすることができる。また、プロキシ装置020の処理の手順は実施例1の図2のフローチャートと同一であり、実施例1と異なる部分を主に説明する。
【0033】
次に、デジタルテレビ装置001がプロキシ装置020から受信したストリームデータに内部情報取得の指令を含むときにストリームデータ処理時の内部情報を取得し,受信したストリームデータ中の指令部分を内部情報に置換してHDD012に記録する処理の手順について図5を用いて説明する。図5のステップS11,S12、S13,S14,S15,S16については実施例1の図4の処理と同様である。ステップS16に続くステップS20において、情報取得指令のストリームデータのパケットを取得した内部情報に置換したストリームデータを内部情報取得部010が生成する。次に、ステップS21においてMUX009が映像や音声などのストリームとステップS20で生成した内部情報ストリームを多重化し、記録制御部011を経由してHDD012に記録し、ステップS18に進む。また、ステップS15に続くステップS22において、受信したストリームデータをそのまま記録制御部011を経由してHDD012に記録し、ステップS18に進む。
【0034】
上記ステップS21でHDDに記録しているストリームデータの内容について図6を用いて説明する。ストリーム050および情報取得指令パケット051については図3と同様である。相違する部分は、以下の通りである。デジタルテレビ装置001のHDD012に記録される取得情報置換済みストリーム060では、取得した内部処理情報がパケット061として、情報取得指令挿入済みストリーム050のパケット051を置換して記録している。
【0035】
本実施形態では、ストリーミングコンテンツを受信し、HDD012への記録機能を持つデジタルテレビ装置001について説明したが、HDD以外の媒体への記録機能でもかまわないし、画面を持たないレコーダやセットトップボックス(STB)などほかの形態の装置でもかまわない。
【0036】
このように、デジタルテレビやセットトップボックス(STB)などのストリーミング情報処理装置で障害や異常が発生するときに、処理中の機器内部の情報を取得する指令をプロキシにおいて配信元からのオリジナルコンテンツストリームデータのビデオフレームの区切りなどの適切な位置に重畳し配信することと、ストリーミング情報処理装置で機器内部の情報を取得する指令をストリームデータ中に検出したときに、ストリームデータのHDDへの記録時に内部情報取得指令を取得した内部情報に置換し、コンテンツを再生することで、配信されたストリームデータとその処理を行っている情報処理装置の内部状態をまとめて扱うことが可能になり、機器内部での処理で発生した問題の解析を効率よく行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態の全体構成図。
【図2】実施例1におけるプロキシ装置がストリームデータに内部情報取得指示の重畳処理を行う手順のフローチャートの一例。
【図3】実施例1におけるストリームデータの内容を示す図。
【図4】実施例1におけるデジタルテレビ装置がストリームデータの内部情報取得指示を解析して内部状態情報をプロキシ装置に通知する処理の手順のフローチャートの一例。
【図5】実施例2のデジタルテレビ装置がストリームデータの内部情報取得指示を解析して内部状態情報を重畳したストリームデータを記録する処理の手順のフローチャートの一例。
【図6】実施例2における記録するストリームデータの内容を示す図。
【符号の説明】
【0038】
001…デジタルテレビ装置、002…映像出力部、003…音声出力部、004…ストリームデータ処理部、005…映像信号処理部、006…音声信号処理部、007…SI情報処理部、008…DEMUX、009…MUX、010…内部情報取得部、011…記録制御部、012…HDD、013…通信部、020…プロキシ装置、021…端末配信管理部、022…指令ストリーム生成部、023…ストリーム解析部、024…DEMUX、025…MUX、026…通信部、030…ネットワーク、031…デジタルテレビ装置、032…配信サーバ、033…配信サーバ、040…オリジナルストリーム、050…情報取得指令挿入済みストリーム、060…取得情報置換済みストリーム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置と、プロキシ装置と、前記ストリーミングコンテンツを配信する配信サーバとからなり、前記ストリーミング情報処理装置の保守を支援するシステムにおいて、
前記プロキシ装置は、前記配信サーバから受信したストリームデータへパケットを追加して、前記ストリーミング情報処理装置における情報処理時の機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行い、パケットを追加したストリームデータを前記ストリーミング情報処理装置に送信し、前記ストリーミング情報処理装置が返信した処理結果を受信し、
前記ストリーミング情報処理装置は、前記プロキシ装置が送信したストリーミングデータを受信して内部情報取得指示を受け取り、前記内部情報取得指示を解析し、解析内容に応じた処理を行い、処理結果を前記プロキシ装置に返信することを特徴とするストリーミング情報処理装置保守支援システム。
【請求項2】
ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置と、プロキシ装置と、前記ストリーミングコンテンツを配信する配信サーバとからなり、前記ストリーミング情報処理装置の保守を支援するシステムにおいて、
前記プロキシ装置は、前記配信サーバから受信したストリームデータへパケットを追加して、前記ストリーミング情報処理装置における情報処理時の機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行い、パケットを追加したストリームデータを前記ストリーミング情報処理装置に送信し、前記ストリーミング情報処理装置が返信した内部情報を受信し、
前記ストリーミング情報処理装置は、前記プロキシ装置が送信したストリーミングデータを受信して内部情報取得指示を受け取り、前記内容情報取得指示を解析し、解析内容に応じた処理を行い、処理結果及び受信したストリームデータを前記プロキシ装置に返信することを特徴とするストリーミング情報処理装置保守支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のストリーミング情報処理装置保守支援システムにおいて、
前記プロキシ装置は、サンプリングやその他条件にもとづく絞込みにより調査を支援する手段を具備することを特徴とするストリーミング情報処理装置保守支援システム。
【請求項4】
ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置の保守を支援するプロキシ装置において、
前記ストリーミングコンテンツを配信する配信サーバから受信したストリームデータへパケットを追加して、前記ストリーミング情報処理装置における情報処理時の機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行い、パケットを追加したストリームデータを前記ストリーミング情報処理装置に送信し、前記ストリーミング情報処理装置が返信した内部情報を受信することを特徴とするプロキシ装置。
【請求項5】
ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置の保守を支援するプロキシ装置において、
前記ストリーミングコンテンツを配信する配信サーバから受信したストリームデータへパケットを追加して、前記ストリーミング情報処理装置における情報処理時の機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行い、パケットを追加したストリームデータを前記ストリーミング情報処理装置に送信し、前記ストリーミング情報処理装置が返信した内部情報を受信し、サンプリングやその他条件にもとづく絞込みによる調査を支援することを特徴とするプロキシ装置。
【請求項6】
ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置において、
前記ストリーミングコンテンツを配信する配信サーバから受信したストリームデータへパケットを追加して、前記ストリーミング情報処理装置における情報処理時の機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行うプロキシ装置が送信したストリーミングデータを受信して内部情報取得指示を受け取り、前記内部情報取得指示を解析し、解析内容に応じた処理を行い、処理結果を前記プロキシ装置に返信することを特徴とするストリーミング情報処理装置。
【請求項7】
ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置において、
前記ストリーミングコンテンツを配信する配信サーバから受信したストリームデータへパケットを追加して、前記ストリーミング情報処理装置における情報処理時の機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行うプロキシ装置が送信したストリーミングデータを受信して内部情報取得指示を受け取り、前記内部情報取得指示を解析し、解析内容に応じた処理を行い、処理結果と受信したストリームデータを前記プロキシ装置に返信することを特徴とするストリーミング情報処理装置。
【請求項8】
ネットワーク経由でストリーミングコンテンツを受信するストリーミング情報処理装置と、プロキシ装置と、前記ストリーミングコンテンツを配信する配信サーバとからシステムにおける前記ストリーミング情報処理装置の保守を支援する方法において、
前記プロキシ装置により、前記配信サーバから受信したストリームデータへパケットを追加して、前記ストリーミング情報処理装置における情報処理時の機器の状態や動作に関する内部情報取得指示を動画の1以上のフレーム単位で行うことと、パケットを追加したストリームデータを前記ストリーミング情報処理装置に送信することと、前記ストリーミング情報処理装置が返信した内部情報を受信することと、前記ストリーミング情報処理装置により、前記プロキシ装置が送信したストリーミングデータを受信して内部情報取得指示を受け取り、前記内部情報取得指示を解析し、解析内容に応じた処理を行い、処理結果を前記プロキシ装置に返信することを有することを特徴とするストリーミング情報処理装置保守支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−296203(P2009−296203A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−146685(P2008−146685)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】