説明

スピーカー装置

【課題】小型薄型のアクチュエータでパネルを振動させ、従来よりも高音質で音声を出力するスピーカー装置を提供する。
【解決手段】
本発明のアクチュエータ10は、振動板11に圧電体12を貼り付けた圧電素子13を、蓋部14aの中央部に設けた凸部15にてパネル16に押圧して固定した構造になっている。蓋部14aの凸部15によって圧電素子13をパネル16に押圧することで、圧電素子13が発生する振動をパネル16に伝えることができ、パネル16の振動で外部に大きな音を放出することが可能になる。さらに駆動する信号を超音波域の周波数の搬送波信号を再生したい可聴音信号で周波数変調した信号を用いることで低い周波数帯域の音声から出力することが可能になり、小型薄型のアクチュエータを持つスピーカー装置とすることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコン、PDA、または携帯電話機等や小型端末機器用の平面スピーカーに用いられる、あるいは小型端末機器の筐体を機械的に励振させ音を出力するスピーカー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の小型端末機器等に適した音響変換器として、小型端末機器の筐体を直接圧電型アクチュエータで励振してパネルを介して音を放出するスピーカー装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に開示されているスピーカー装置の構造例を、図5に基づいて説明する。図5は、従来のスピーカー装置を示す断面図である。
【0004】
図5に示すように、従来のスピーカー装置におけるアクチュエータは、振動源として振動板50の両面に圧電体51を貼付けた圧電素子52を用いる構造になっている。この圧電素子52の中央部をホルダ53で固定し、さらにホルダ53の下面をパネル16に貼り付けることでスピーカー装置を構成している。この従来例では、この圧電素子52を2つ使用して振動力を上げて、出力する音圧を大きくなるようにしている。
【0005】
次にこのスピーカー装置の駆動方法を以下に説明する。
この装置を駆動するための信号は、図示しないが各圧電素子52の圧電体51に接続しているリード線を通して供給される。具体的には、駆動信号として再生する音声信号を入力し、入力された信号によって圧電体51が伸縮運動を行い、圧電素子52が振動する構成になっている。そして、この圧電素子52の振動が、ホルダ53を介してパネル16の固定部を通してパネル16に伝えてパネル全面を振動させることで、パネルから音を出力するスピーカー装置として機能する。
【0006】
【特許文献1】特開2004−104327号(第6頁、第1−4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的にパソコン、PDA、または携帯電話機等の小型端末機器に用いる平面スピーカー装置、あるいは小型端末機器の筐体を機械的に励振するアクチュエータは、所定の音圧を発振でき、かつ小型薄型であることが望まれている。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載のアクチュエータは、図5に示す圧電素子52をパネル16に固定するためのホルダ53や、駆動力を上げる為に圧電素子52を2つ用いるなどの制約があるため、アクチュエータの厚みを薄くすること、ひいてはスピーカー装置自体を小型化することが難しい。
【0009】
さらに特許文献1に記載のアクチュエータは、圧電素子52を中央で支持して振動する構造になっている。そのため、基本的な構造は片持ち梁構造の圧電素子が左右に2つある構造となる。一般的に、梁構造の振動体の共振周波数は以下のような式で表され、長さ成分が分母にあるため、長さが長いほど共振周波数が低くなる傾向にある。
【0010】
【数1】

【0011】
このような梁構造の振動体を駆動するスピーカー装置は、梁の長さが短い場合、共振周波数が高くなる傾向にある。つまり、従来例の場合では圧電素子52の長さを短くすることになる。その場合には共振周波数が高くなり、低音域の出力が弱くなるため、周波数の高い音しか出力できないスピーカー装置となってしまう。そのため、低音から高音まで出力できるスピーカー装置とするためには、圧電素子52の長さを長くし共振周波数を下げなければならず、全体としてアクチュエータのサイズが大きくなってしまう。
【0012】
以上のことから明らかなように、特許文献1に記載のアクチュエータは、厚みや長さのサイズを小さくすることが困難であることから、この従来のアクチュエータや、それを備えたスピーカー装置を小型化することは難しいとされていた。
【0013】
そこで、本発明の目的は上記課題を解決し、小型薄型でも低音から高音までの音の出力ができるアクチュエータを備えるスピーカー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記改題を解決するために、本発明のスピーカー装置は、基本的に下記記載の構成要件を採用する。
【0015】
本発明のスピーカー装置は、圧電体を貼り付けた振動板を含む圧電素子と、圧電素子を駆動するための駆動手段と、少なくとも圧電素子を内包する蓋体とを有するアクチュエータ装置と、圧電素子で生成された音圧を外部に放出するパネルとを備え、このアクチュエータ装置が、駆動手段により圧電素子を駆動したときに圧電体が伸縮するバランス中心を、蓋体に設けた凸部にてパネル方向に押圧して、パネルに固定配置されていることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明のスピーカー装置は、上記圧電素子が、振動板の一方の面のみに圧電体が貼り付けて構成されており、振動板の他方の面が、パネルの表面に当接して固定配置されてなることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明のスピーカー装置は、上記蓋体が、アクチュエータ装置を囲繞する枠部と、当該枠部の開口部を覆う蓋部とで構成されており、枠部がパネルに固定されて、蓋部に設けた凸部で圧電素子を押圧する構成としたことを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明のスピーカー装置は、上記蓋部の質量が、圧電素子の質量よりも大きくなるように構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明のスピーカー装置は、上記駆動手段が、再生可聴音信号を出力する再生信号発生手段と、超音波帯域の周波数の搬送波信号を出力する超音波信号発生手段と、再生可聴音信号により搬送波信号を周波数変調させて変調搬送波信号を得る搬送波変調手段と、変調搬送波信号の粗密周期に基づき振動板を振動させる振動板駆動手段と、を有することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明のスピーカー装置は、上記搬送波信号が、アクチュエータ装置をパネルに
載置したときのスピーカー全体の共振周波数に略一致するように設定されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明のスピーカー装置の構成を採用することにより、小型薄型のアクチュエータでも低音域の音声の出力が弱くならずパネルを振動させることができる。したがって、小型薄型の圧電型アクチュエータを持つ高音質なスピーカー装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明のスピーカー装置の構成について、以下に図面を用いて説明する。
まず、本実施例におけるスピーカー装置の構造について説明する。図1は、本発明のスピーカー装置の構造を示す図面である。
【0023】
図1に示すように、本発明のスピーカー装置は、振動源となるアクチュエータ10として振動板11に圧電体12を貼り付けた圧電素子13を、蓋体14の中央部に設けた凸部15にてパネル16方向に押圧して固定した構造になっている。また、蓋体14は、凸部15を持つ蓋部14aと、圧電素子13を囲むように配置し、蓋部14aを支える枠部14bとで構成されている。
【0024】
なお、本実施例で用いる圧電素子13は、振動板11のパネル16面とは反対面に単個の圧電材料で構成する圧電体12を貼り付けた単純なユニモルフ構造として説明するが、圧電体12の構造を、圧電材料を複数個重ねた多層構造や、板体の両面に圧電材料を貼り付けたバイモルフ構造としてもよい。このいずれの構造においても、振動板11の片側がパネル16と面接触となるように平坦にすることが肝要である。このように圧電体12に複数個の圧電材料を用いれば、発生する振動力をより強くすることが可能となる。
【0025】
そして、上述したように蓋体14の凸部15によって圧電素子13をパネル16方向に押しつけることで、圧電素子13で発生する振動をパネル16に効率よく伝えることができ、パネル16の振動により外部に大きな音を放出することが可能になる。
【0026】
ここで、圧電素子13がスピーカー装置の蓋体14の中央部に設けた凸部15でパネル16側に押さえつけて固定されている理由について説明する。
【0027】
圧電素子13は、図示しない駆動手段で生成される外部からの駆動信号で圧電体12が伸縮運動し振動が発生する。そして、蓋体14における凸部15で圧電素子13を押さえることで発生した振動は、効率良くパネル16に伝わり、外部に音を放出することとなる。なお、本発明のスピーカー装置では、圧電体12が伸縮するバランス中心を凸部15により押さえているが、仮に圧電体12が伸縮するバランス中心ではない部分を、この凸部15により押さえてしまうと、圧電素子13の振動が対称ではなってしまう。ここで上述したバランス中心とは、圧電体12が伸縮運動する際の、圧電素子13における最も伸縮をしない箇所のことを意味する。このように振動が対称でなくなると、圧電素子13の振動のバランスが乱れ、駆動信号による振動以外の振動が発生して雑音の原因となってしまうので好ましくない。
【0028】
なお、図1に示した実施例では、凸部15を中心として左右対称な圧電素子13を用いているため、バランス中心となる、圧電素子13の中央部を押圧した構成を示したが、左右非対称な圧電素子の場合は、必ずしも中央部を押圧するものではなく、圧電体が伸縮するバランス中心を押圧するようにする。この場合は、蓋体14に設ける凸部15は中央部にないこととなる。
【0029】
また、圧電素子13をパネル16方向に押圧する蓋部14aの質量を、圧電素子13の振動を効率良くパネル16に伝えるために、圧電素子13の質量よりも大きくなるように設定することが好ましい。それは、蓋部14aの質量が圧電素子13の質量よりも小さいと、圧電素子13の振動がパネル16側のみに伝わらずに蓋部14a側も振動してしまい、パネル16側の振動が小さくなってしまうからである。
【0030】
それに対して、蓋部14aの質量を圧電素子13の質量よりも大きくすれば、圧電素子13の振動が、質量が大きい蓋部14aを振動させるよりもパネル16側を振動させ易くなる。そのため、圧電素子13で発生した振動は、パネル16側により強く振れるようになり、圧電素子13の振動を効率良くパネル16に伝達することが可能になる。
【0031】
次に、このスピーカー装置を駆動する駆動信号について図面を用いて以下に説明する。
図2は、本発明のスピーカー装置に用いる具体的な信号処理方法について説明するための図面であり、図3は、駆動信号の各波形を示す図であり、図4は圧電素子の振幅−周波数特性を示す図である。
【0032】
本発明のスピーカー装置で用いる駆動手段における信号処理の方法は、まず図2に示すように、再生したい可聴音の音源として可聴音信号を再生する再生信号発生手段20と、少なくとの2つ以上の超音波の搬送波信号を選択する搬送波選択手段21と、その選択された周波数の搬送波信号を発振させる超音波発振手段22と、再生信号発生手段20により生成される可聴音信号で搬送波信号を周波数変調もしくは位相変調して、変調搬送波信号を得る搬送波変調手段23とを有する構成になっている。そして、搬送波変調手段23で発生した変調搬送波信号をアクチュエータ10の圧電素子13に入力し圧電素子13を振動させる構成となっている。
【0033】
また、搬送波の超音波信号の周波数は、最終的に振動させるパネルの形状によって振動させやすい周波数が異なるため、2つ以上の超音波の搬送波を選択できる搬送波選択手段21によって、超音波発振手段22で発生する超音波の周波数を設定出来るようにしてあり、本発明のスピーカー装置を搭載した電子機器のパネル部分の形状によって搬送波の周波数を任意に調整できるようになっている。
【0034】
なお、この圧電素子13の振動が足りない場合は、搬送波変調手段23と圧電素子13との間に、変調搬送波信号を増幅させるアンプをさらに備えて、電気信号を増幅させた形態としても良い。
【0035】
次に図2に示す信号処理で発生する駆動信号波形について図3を用いて説明する。
図3(a)は、再生信号発生手段20(図2参照)にて生成する可聴音信号30を示す図であり、図3(b)は、超音波発振手段22にて生成される搬送波信号31を示す図であり、図3(c)は、搬送波変調手段23にて生成される変調搬送波信号32を示す図である。
【0036】
図2に示す搬送波変調手段23において、図3(a)に示す可聴音信号30を用いて、図3(b)に示す搬送波信号31は、周波数変調もしくは位相変調により変調され、図3(c)に示すような波形の振幅が一定で部分的に周波数が異なる粗密周期を持つ変調搬送波信号32となる。
【0037】
本発明のスピーカー装置では、搬送波変調手段23で行う変調方法として周波数変調法もしくは位相変調法を採用する。以下に各変調方法について説明する。
【0038】
ここで用いる周波数変調法は、図3(a)の可聴音信号30の交流信号の振幅に比例さ
せることで、搬送波信号31の角周波数を変化させて、搬送波を伸縮させた変調搬送波信号32を作成する方法である。
【0039】
また、位相変調法は、図3(a)の可聴音信号30の交流信号の振幅に比例して搬送波信号31の位相を変化させることで、搬送波を伸縮させた変調搬送波信号32を作成する方法である。
【0040】
この周波数変調法と位相変調法の両者いずれの方法であっても、搬送波信号31は、振幅が一定で部分的に周波数が異なる粗密周期を持つ変調搬送波信号32に変換することができる。この粗密周期は、可聴音信号30の変化と同じ周期になっているので、変調搬送波信号32は、可聴音信号30の変化に応じた周波数の粗密周期を含むことになる。
【0041】
次に、本発明のスピーカー装置におけるパネルから可聴音が出力される原理について図4を用いて説明する。図4は、本発明の圧電素子の振幅−周波数特性を示している。
【0042】
振動の発生源は圧電材料であるため、図4のように、ある周波数で急激に振動が大きくなる共振周波数40を持っている。したがって、図3(b)に示した搬送波信号31の周波数を、この共振周波数40の周波数付近に設定する。本実施例では共振周波数は超音波域の周波数としている。そして、図3に示す信号処理で作成した変調搬送波信号32を図2に示す圧電素子13に入力すると、変調搬送波信号32の周波数は、図4に示す周波数変化域41の範囲の中で変化することになる。
【0043】
このような共振周波数40を持つ圧電素子13は、共振周波数40付近では急激に振動が大きくなるが、それ以外の周波数では小さな振動しか起きなくなる。そのため、図4に示すように縦軸の振幅変化域42は大きく変化することになり、周波数が共振周波数40付近になると大きな振動が起こり、共振周波数40から離れると振動が極端に小さくなる。この大きな振動の周期は、変調搬送波信号32の周波数の粗密周期であり、結果として可聴音信号30の信号に応じた振動が発生していることになる。
【0044】
以下に1[kHz]の音声を出力する場合について説明する。図2に示す信号処理で作成した変調搬送波信号32は、1秒間に1000回周波数の粗密周期が変化する信号になる。
【0045】
この変調搬送波信号32を圧電素子13へ入力すると、1秒間に1000回共振周波数40付近の周波数になる瞬間があり、その瞬間に大きな振動を発生し、それ以外の周波数の時にはごく小さな振動しか発生しない状態となる。
【0046】
したがって、圧電素子13は1秒間に1000回の大きな振動を起こし、その時だけ図1に示すパネル16を大きく振動させる。結果的に1秒間に1000回の振動がパネル16へ伝わり、パネル16は空気を1秒間に1000回振動させ1[kHz]の音声を放出することとなる。
【0047】
その際に変調搬送波信号32に含まれる超音波成分の振動も発生するが、振動するパネル16は比較的面積の大きなものであることから、超音波の振動は大きくは発生しない。このように、パネル16が高周波成分をカットするようなLPF(ローパスフィルタ)の役割をしていることになるため、可聴音域の振動である低周波の振動のみが発生し、スピーカー装置の使用者に音声として認識させることができる。なお、例えパネル16が超音波の振動成分を持って振動したとしても、使用者には超音波域の音波は聞こえないため、実質的には使用者には可聴音の音声のみを認識させることができる。
【0048】
以上1[kHz]の場合について説明したが、この原理で変調搬送波信号32の周波数を1秒間に1回変化させれば、1秒間に1回の振動である1[Hz]の音声であっても先に示した例と同様に、パネル16から発生させることができる。そのため、本発明のスピーカー装置によれば極低周波域の音声も出力することが可能になる。
【0049】
このように、従来のスピーカー装置では、低周波域の音声は、圧電素子52の長さを長くして共振周波数を低周波域にしないと出力できなかったが、本発明のスピーカー装置では、共振周波数を低周波域に設定する必要がなく、本実施例のように共振周波数が超音波域の高周波域であっても低音の可聴音音声を出力することが可能になる。そのためアクチュエータ10のサイズ、ひいてはスピーカー装置のサイズを小型にすることが可能になる。
【0050】
同じ原理で10[kHz]や20[kHz]などの高い周波数域の振動もパネル16に発生させることができるため、極低周波から高い周波数まで出力できる高性能なスピーカー装置とすることができる。
【0051】
また、ここで用いる超音波域の搬送波信号31の周波数は、基本的には圧電素子13の形状に基づく共振周波数40に設定するが、圧電素子13をパネル16に蓋体14で固定した場合には、パネル16の形状の影響で共振周波数40が変化する場合も考えられるが、本発明のスピーカー装置におけるアクチュエータ10は、圧電素子13と蓋体14とパネル16全体を含めた共振周波数に搬送波信号31の周波数を合わせて、スピーカー装置全体で最も振動しやすい周波数で振動を起こすことが出来る。そのため、パネル16の形状などが変わっても、図2に示す搬送波選択手段21で搬送波信号31の周波数を調整することで、音声出力を最適な状態に調整することができ、いろいろなパネル形状に対応することが可能になり、少ない圧電素子数でも効率良く振動を発生させることができる。したがって、アクチュエータを備えたスピーカー装置を小型化することができる。
【0052】
以上の説明からも明白なように、本発明のスピーカー装置は、従来構成よりも小型のアクチュエータでも低音域の音声の再生が可能であり、より高音質な音声の出力を行うことができる。
【0053】
さらに、搬送波信号の周波数を圧電素子を蓋体で固定したパネルがもつ固有の共振周波数に合わせることで、パネルが最も振動しやすい周波数で振動を起こすことが出来るため、小型薄型のアクチュエータでも効率よく大きな音圧の音声を出力することができる。
【0054】
したがって、小型薄型のアクチュエータでも高音質のスピーカー装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明のスピーカー装置の構造を示す断面図である。
【図2】本発明のスピーカー装置で用いる駆動信号の処理工程を示す図である。
【図3】本発明のスピーカー装置で用いる駆動信号の波形を示す図である。
【図4】本発明のスピーカー装置で発生させる可聴音を出力する方法を説明する図である。
【図5】従来のスピーカー装置の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0056】
10 アクチュエータ
11 振動板
12 圧電体
13 圧電素子
14 蓋体
14a 蓋部
14b 枠部
15 凸部
16 パネル
20 再生信号発生手段
21 搬送波選択手段
22 超音波発振手段
23 搬送波変調手段
30 可聴音信号
31 搬送波信号
32 変調搬送波信号
40 共振周波数
41 周波数変化域
42 振幅変化域
50 振動板
51 圧電体
52 圧電素子
53 ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電体を貼り付けた振動板を含む圧電素子と、前記圧電素子を駆動するための駆動手段と、少なくとも前記圧電素子を内包する蓋体とを有するアクチュエータ装置と、
前記圧電素子で生成された音圧を外部に放出するパネルと、を備え、
前記アクチュエータ装置は、前記駆動手段により前記圧電素子を駆動したときに前記圧電体が伸縮するバランス中心を、前記蓋体に設けた凸部にてパネル方向に押圧して、前記パネルに固定配置されている
ことを特徴とするスピーカー装置。
【請求項2】
前記圧電素子は、前記振動板の一方の面のみに前記圧電体が貼り付けて構成されており、
前記振動板の他方の面が、前記パネルの表面に当接して固定配置されてなる
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置。
【請求項3】
前記蓋体は、前記アクチュエータ装置を囲繞する枠部と、当該枠部の開口部を覆う蓋部とで構成されており、
前記枠部が前記パネルに固定されて、前記蓋部に設けた前記凸部で前記圧電素子を押圧する構成とした
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカー装置。
【請求項4】
前記蓋部の質量が、前記圧電素子の質量よりも大きくなるように構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載のスピーカー装置。
【請求項5】
前記駆動手段は、
再生可聴音信号を出力する再生信号発生手段と、
超音波帯域の周波数の搬送波信号を出力する超音波信号発生手段と、
前記再生可聴音信号により前記搬送波信号を周波数変調させて変調搬送波信号を得る搬送波変調手段と、
前記変調搬送波信号の粗密周期に基づき前記振動板を振動させる振動板駆動手段と、を有する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のスピーカー装置。
【請求項6】
前記搬送波信号は、前記アクチュエータ装置を前記パネルに載置したときのスピーカー全体の共振周波数に略一致するように設定されている
ことを特徴とする請求項5に記載のスピーカー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−48312(P2008−48312A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−223872(P2006−223872)
【出願日】平成18年8月21日(2006.8.21)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】