説明

スフィンゴシン−1−リン酸受容体変調因子および不斉合成方法

スフィンゴシン−1−リン酸受容体を選択的に変調する化合物であって、S1P受容体のサブタイプ1を変調する化合物を含む化合物が提供される。そのような化合物の不斉合成方法が提供される。スフィンゴシン−1−リン酸受容体の変調が医学的に必要とされている、疾病、体調の不調、および疾患の治療または予防に関して、本発明の化合物を含む本発明の組成物の使用、治療または予防方法および調製方法が提供される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I−RまたはI−Sの構造を有する化合物またはその薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、ホモログ、水和物または溶媒和物:
【化1】

式中、
Xは、−NR'R"または−OR"'であり;
Yは−CN、−Cl、−CF3、I、−COOH、または−COOR1であり;
R'は、H、C1-4アルキル、n−ヒドロキシC1-4アルキル、−SO2−R1、または−CO−R1であり;
R"は、H、−SO2−R3、1以上のR2により必要に応じて置換されたC1-4アルキル、またはR4により必要に応じて置換された環部分であって、ピペリジニル、シクロヘキシル、モルホリニル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、イミダゾリル、またはフェニルである環部分であり;
または、R'およびR"は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、0または1の追加のヘテロ原子を含有する、4,5,または6員の飽和複素環を形成し、ここで、そのような追加のヘテロ原子はOまたはNであり、そのような複素環は、必要に応じて、−OH、オキソ、−NH2、n−ヒドロキシ−C1-4アルキル、−COOH、−(CH2m−COOH、−(CH2m−COOR1、−N(R11)、および−(CH2m−CO−N(R55)からなる群より独立して選択される置換基により一置換または多置換されており;
R"'は、H、C1-4アルキル、または−CO−R1であり;
各R1は、独立して、C1-4アルキルまたはHであり;
各R2は、独立して、H、ハロ、OH、オキソ、=NH、NH2、−COOH、F、−NHR1、−N(R55)、−SO2−R1、−SO2−N(R55)、−N(R1)−SO2−R1、−COOR1、−OCO−R1、−CO−N(R55)、−N(R1)−COR1、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、およびR4により必要に応じて置換された環部分であって、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、アゼチジニル、シクロブチニル、またはフェニルである環であり;
各R3は、独立して、R2、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、または1以上のR2により必要に応じて置換されたC1-4アルキルであり;
各R4は、独立して、ハロ、OH、−NH2、−HNR1、−N(R11)、−COOH、−COOR1、−NHCO−R1であり;
各R5は、独立して、C1-4アルキルまたはHであり、あるいは、2つのR5が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、0または1の追加のヘテロ原子を含有する、4,5,または6員の飽和複素環を形成し、ここで、そのような追加のヘテロ原子はOまたはNであり、そのような複素環は、必要に応じて、−OH、−NH2、−N(R11)、n−ヒドロキシ−C1-4アルキル、−(CH2m−COOH、−(CH2m−COOR1により置換されており;
各mは独立して、0,1,2,または3である。
【請求項2】
前記化合物が、式I−Rまたはその薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、ホモログ、水和物または溶媒和物の構造を有することを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物が、式I−Sまたはその薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、ホモログ、水和物または溶媒和物の構造を有することを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項4】
前記化合物が実質的に鏡像異性的に純粋であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
前記化合物が、該化合物の投薬から5または14日後にラットにおいて測定して少なくとも5の治療指数を有し、ここで、該治療指数が、そのような5または14日の経過時の肺/末端体重比における10%以下の増加を達成する用量の比率であり、該用量が50%のリンパ球減少を達成することを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
前記治療指数が少なくとも10であることを特徴とする請求項5記載の化合物。
【請求項7】
前記治療指数が少なくとも20であることを特徴とする請求項5記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物の治療指数が、該化合物の鏡像異性体の治療指数よりも大きいことを特徴とする請求項5から7いずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
前記化合物の治療指数が、該化合物の鏡像異性体の治療指数の少なくとも150%であることを特徴とする請求項8記載の化合物。
【請求項10】
YがClであることを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の化合物。
【請求項11】
YがCF3であることを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
YがCNであることを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
Xが−NR'R"であることを特徴とする請求項1から12いずれか1項記載の化合物。
【請求項14】
Xが−OR"'であることを特徴とする請求項1から12いずれか1項記載の化合物。
【請求項15】
Xが−OHであることを特徴とする請求項14記載の化合物。
【請求項16】
Xが−OCO−R1であることを特徴とする請求項14記載の化合物。
【請求項17】
1がC1-3アルキルであることを特徴とする請求項16記載の化合物。
【請求項18】
R'がHであることを特徴とする請求項13記載の化合物。
【請求項19】
R'が−COR1であることを特徴とする請求項13記載の化合物。
【請求項20】
R'が−SO2−R1であることを特徴とする請求項13記載の化合物。
【請求項21】
R"がHであることを特徴とする請求項13記載の化合物。
【請求項22】
R"が−SO2−R3であることを特徴とする請求項13記載の化合物。
【請求項23】
R"が、1以上のR2により必要に応じて置換されたC1-4アルキルであることを特徴とする請求項13記載の化合物。
【請求項24】
R"が−(CRabn−R2であり、各Raおよび各Rbが、独立して、H、ヒドロキシルおよびメチルからなる群より選択され、または同じ炭素原子に結合したRaおよびRbが一緒になってオキソであり、nは0,1,2,または3であることを特徴とする請求項13記載の化合物。
【請求項25】
nが2であることを特徴とする請求項24記載の化合物。
【請求項26】
2が、−OH、−NH2、−NHR1、−N(R55)、または−COOHであることを特徴とする請求項25記載の化合物。
【請求項27】
3が、1以上のR2により必要に応じて置換されたC1-4アルキルであることを特徴とする請求項22記載の化合物。
【請求項28】
YがCNであることを特徴とする請求項22記載の化合物。
【請求項29】
3が−C25−N(R55)または−CH2−CO−N(R55)であることを特徴とする請求項27記載の化合物。
【請求項30】
3が−C25−O−R1であることを特徴とする請求項28記載の化合物。
【請求項31】
Xが−NH−CO−N(R55)であることを特徴とする請求項12記載の化合物。
【請求項32】
前記化合物が、化合物1〜55:
【化2−1】

【化2−2】

【化2−3】

【化2−4】

【化2−5】

【化2−6】

またはその薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、ホモログ、水和物または溶媒和物から選択されることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項33】
化合物8、13、29、33、37、および49:
【化3】

またはその薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、ホモログ、水和物または溶媒和物からなる群より選択されることを特徴とする請求項32記載の化合物。
【請求項34】
請求項1から33いずれか1項記載の化合物および適切な賦形剤を有してなる薬剤組成物。
【請求項35】
請求項1から33いずれか1項記載の化合物および第2の薬品を有してなる薬剤の組合せ。
【請求項36】
前記第2の薬品が、多発性硬化症、移植拒絶、または成人性呼吸促迫症候群の治療のために医学的に必要とされることを特徴とする請求項35載の薬剤の組合せ。
【請求項37】
薬品の調製のための請求項1から33いずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項38】
スフィンゴシン−1−リン酸受容体サブタイプ1の活性化または受容体活性化方法であって、前記受容体サブタイプ1を効果的な量の請求項1から33いずれか1項記載の化合物もしくは請求項34または35記載の組成物と接触させる工程を有してなる方法。
【請求項39】
前記化合物が、該化合物がスフィンゴシン−1−リン酸受容体サブタイプ3を活性化または受容体活性化するよりも大きい程度で前記スフィンゴシン−1−リン酸受容体サブタイプ1を活性化または受容体活性化することを特徴とする請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記スフィンゴシン−1−リン酸受容体サブタイプ1が、生きている哺乳類内に入れられることを特徴とする請求項38記載の方法。
【請求項41】
スフィンゴシン−1−リン酸受容体サブタイプ1の活性化または受容体活性化が医学的に必要とされる患者における体調の不調を治療する方法であって、効果的な量の請求項1から33いずれか1項記載の化合物を、前記患者に有益な効果を提供するのに十分な頻度で十分な期間に亘り該患者に投与する工程を有してなる方法。
【請求項42】
S1P受容体の他のサブタイプに対するS1Pサブタイプ1受容体の選択的活性化または受容体活性化が医学的に必要とされていることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記体調の不調が、多発性硬化症、移植拒絶、急性呼吸促迫症候群、潰瘍性大腸炎、インフルエンザ、クローン病、または成人性呼吸促迫症候群を含むことを特徴とする請求項41または42記載の方法。
【請求項44】
テトラヒドロナフタレン部分の6員飽和環に不斉炭素を有するテトラヒドロナフタレン部分を含む化合物の合成方法であって、前記化合物が前記不斉炭素に対して鏡像異性的に豊富である方法において、
(i)テトラヒドロナフタレン部分を含む化合物であって、不斉置換が望ましい前記テトラヒドロナフタレン部分の6員飽和環の炭素が、そのような炭素でオキソ置換されている化合物を提供する工程、および
(ii)そのような化合物をキラル試薬と反応させて、オキソ基に先に結合した前記テトラヒドロナフタレン部分の炭素に不斉中心を形成する工程、
を有してなる方法。
【請求項45】
前記キラル試薬がRuCl(p−シメン)[(R,R)−Ts−DPEN]またはRuCl(p−シメン)[(S,S)−Ts−DPEN]であることを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項46】
工程(i)において提供されるテトラヒドロナフタレン部分を含む前記化合物が、前記キラル試薬と接触させられて、工程(ii)において、式VI−RまたはVI−S:
【化4】

を形成し、ここで、Zが−CN、−Cl、または−CF3であることを特徴とする請求項44または45記載の方法。
【請求項47】
Zが−CNであることを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記方法が、式VI−RまたはVI−Sをジフェニルホスホリルアジド(DPPA)で処理することによって、前記オキソ基に先に結合していた前記テトラヒドロナフタレン部分の6員飽和環の前記不斉炭素のキラル配置を反転させて、式VII−SまたはVII−R:
【化5】

のアジドテトラヒドロナフタレンを形成する工程であって、前記テトラヒドロナフタレン部分の6員飽和環のアジド置換基が、前記ヒドロキシ置換基を置換し、前記アジド置換基に結合した前記不斉炭素が、先にヒドロキシ置換基に結合していた不斉炭素の反転キラル配置を有するものである工程を含むことを特徴とする請求項46または47記載の方法。
【請求項49】
Zが−CNであり、前記方法がさらに、(a)VII−RまたはVII−Sの中間体を保護剤と反応させ、次いで、VII−RまたはVII−Sの中間体の結果として生じた保護形態をヒドロキシルアミンまたは塩酸ヒドロキシルアミンと反応させて、Zが結合していたフェニル炭素でヒドロキシアミジンを形成する工程であって、そのような反応の結果生じた化合物が式VIII−RまたはVIII−S:
【化6】

を有するものである工程;および
(b)式VIII−RまたはVIII−Sの中間体を置換安息香酸およびカップリング剤と接触させて、式IX−RまたはIX−S:
【化7】

の化合物を形成する工程であって、Xが、OH、N3、NH−PG、NH2またはNR'R"であり;PGは保護基であり;R'は、H、C1-4アルキル、n−ヒドロキシC1-4アルキル、−SO2−R1、または−CO−R1であり;R"は、H、−SO2−R3、1以上のR2により必要に応じて置換されたC1-4アルキル、またはR4により必要に応じて置換された環部分であって差し支えなく、そのような環部分は、ピペリジニル、シクロヘキシル、モルホリニル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、イミダゾリル、またはフェニルであり;Raは低級アルキルであり、R1、R2、R3、およびR4は請求項1に定義されたようなものである工程によって、前記テトラヒドロナフタレン部分に置換1,2,4−オキサジアゾールを形成する工程を含むことを特徴とする請求項48記載の方法。
【請求項50】
式IX−RまたはIX−Sが以下の構造:
【化8】

を有することを特徴とする請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記カップリング剤が、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)を含む混合物であることを特徴とする請求項49または50記載の方法。
【請求項52】
工程(i)において提供される化合物が
【化9】

であることを特徴とする請求項44から51いずれか1項記載の方法。
【請求項53】
前記テトラヒドロナフタレン部分の6員飽和環に不斉炭素を有するテトラヒドロナフタレン部分を含む結果として生じた化合物が、鏡像異性的に少なくとも90%豊富であることを特徴とする請求項44から52いずれか1項記載の方法。
【請求項54】
前記結果として生じた化合物が、鏡像異性的に少なくとも95%豊富であることを特徴とする請求項53記載の方法。
【請求項55】
前記結果として生じた化合物が、鏡像異性的に少なくとも98%豊富であることを特徴とする請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記結果として生じた化合物が、鏡像異性的に少なくとも99%豊富であることを特徴とする請求項55記載の方法。
【請求項57】
【化10】

からなる群より選択される化合物。
【請求項58】
テトラヒドロナフタレン部分の6員飽和環に不斉炭素を有するテトラヒドロナフタレン部分を含む化合物であって、前記化合物が前記不斉炭素に対して鏡像異性的に豊富である化合物の合成方法において、請求項57記載の化合物を提供する工程を有してなる方法。
【請求項59】
テトラヒドロナフタレン部分の6員飽和環に不斉炭素を有するテトラヒドロナフタレン部分を含む前記化合物が、式IX−RまたはIX−S:
【化11】

の化合物であり、Xが請求項1に定義されたようなものであることを特徴とする請求項58記載の方法。
【請求項60】
式IX−RまたはIX−Sの前記化合物が請求項1から33いずれか1項記載の化合物であることを特徴とする請求項59記載の方法。

【公表番号】特表2013−510883(P2013−510883A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539063(P2012−539063)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/056757
【国際公開番号】WO2011/060389
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(512124946)レセプトス インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】RECEPTOS, INC.
【Fターム(参考)】