スライド式電子装置
【課題】本発明は、表示側ケースが操作側ケースに対して横方向にスライドするとともに斜めに開けられるスライド式電子装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るスライド式電子装置は、操作側ケースと、スライド機構と、前記スライド機構によって前記操作側ケースにスライド可能に重ね合わせる表示側ケースと、を備えてなる。前記スライド機構は、一端が前記表示側ケースに回動可能に枢着するスライドプレートと、両端が前記スライドプレートの他端及び前記操作側ケースにそれぞれ固定される弾性部材と、両端が前記操作側ケース及び前記表示側ケースに回転可能に枢着する回転支持機構と、を含む。前記表示側ケースが前記操作側ケースに対してスライドする際、前記スライドプレートは前記表示側ケースに駆動されてスライドするとともに前記弾性部材を湾曲させて、前記弾性部材に弾発力を蓄積させる。
【解決手段】本発明に係るスライド式電子装置は、操作側ケースと、スライド機構と、前記スライド機構によって前記操作側ケースにスライド可能に重ね合わせる表示側ケースと、を備えてなる。前記スライド機構は、一端が前記表示側ケースに回動可能に枢着するスライドプレートと、両端が前記スライドプレートの他端及び前記操作側ケースにそれぞれ固定される弾性部材と、両端が前記操作側ケース及び前記表示側ケースに回転可能に枢着する回転支持機構と、を含む。前記表示側ケースが前記操作側ケースに対してスライドする際、前記スライドプレートは前記表示側ケースに駆動されてスライドするとともに前記弾性部材を湾曲させて、前記弾性部材に弾発力を蓄積させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子装置に関し、特にスライド式電子装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
現在市販されている携帯電子装置は、一般に、互いに対して回転またはスライドできる表示側ケース及び操作側ケースを含んでいる。例えば、スライド式電子装置においては、前記表示側ケースを前記操作側ケースに対してスライドして開放させることができる。
【０００３】
ところで、最近、通信技術の飛躍的な発展に伴い、携帯電子装置の用途も多様化されており、携帯電子装置を用いたインターネット検索、動画再生、ＴＶ放送、各種ゲームなどのマルチメディア機能遂行が可能になりつつある。しかしながら、従来のスライド式電子装置においては、表示側ケースと操作側ケースとが単に直線的にスライドするだけなので、スクリーンの角度をキーボードに対して調整できないという欠点がある。その結果、ユーザーは表示された画面を容易に観覧できず、とても不便である。
【０００４】
また、最近、通信技術の飛躍的な発展に伴い、携帯電子装置のデザインに対した要求も段々高くなり、前記携帯電子装置における上筐体と下筐体との間の開閉機構は、携帯電子装置のデザインに関する重要な要素になった。従来の折り畳み式や縦方向スライド式以外の新しい開閉機構を備えた携帯電子装置が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、表示側ケースは操作側ケースに対して横方向にスライドするとともに斜めに開けられるスライド式電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
前記問題を解決するために、本発明に係るスライド式電子装置は、操作側ケースと、スライド機構と、前記スライド機構によって前記操作側ケースにスライド可能に重ね合わせる表示側ケースと、を備えてなる。前記スライド機構は、一端が前記表示側ケースに回動可能に枢着するスライドプレートと、両端が前記スライドプレートの他端及び前記操作側ケースにそれぞれ固定される弾性部材と、両端が前記操作側ケース及び前記表示側ケースに回転可能に枢着する回転支持機構と、を含む。前記表示側ケースが前記操作側ケースに対してスライドする際、前記スライドプレートは前記表示側ケースに駆動されてスライドするとともに前記弾性部材を湾曲させて、前記弾性部材に弾発力を蓄積させる。
【発明の効果】
【０００７】
本発明に係るスライド式電子装置において、表示側ケースは操作側ケースに対して横方向にスライドするとともに斜めに開放できるから、ユーザーは前記表示側ケースの表示パネルに表示される情報を観覧し易く、最もよい視覚効果を得られる。しかも、前記スライド式電子装置は、従来のスライドタイプとは異なる開閉機構を備えるから、デザイン性に富む。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の好ましい実施形態に係るスライド式電子装置の分解図である。
【図２】図１に示すスライド式電子装置の他の視角からの分解図である。
【図３】図１に示すスライド式電子装置の組立図である。
【図４】図３に示すスライド式電子装置の表示側ケースを取り外した状態を示す図である。
【図５】図３に示すスライド式電子装置の表示側ケースは操作側ケースに対してスライドして開放された状態を示す図である。
【図６】図５に示すスライド式電子装置の他の視角からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、図１乃至図６を参照しながら、本発明の実施形態に係るスライド式電子装置について詳細に説明する。
【００１０】
本発明に係るスライド式電子装置は、携帯電話、個人用携帯情報端末（ＰＤＡ）などであることができる。本実施形態において、携帯電話を例として説明する。
【００１１】
図１に示したように、本発明の携帯電話１００は、操作側ケース１０と、前記操作側ケース１０上に設置される表示側ケース２０と、前記操作側ケース１０と前記表示側ケース２０との間に設置されるスライド機構３０と、を備える。前記スライド機構３０は、スライドプレート３２、第一回転軸３４、弾性部材３６、回転支持部材３８及び２つの第二回転軸３９を含む。前記表示側ケース２０は、前記スライド機構３０によって前記操作側ケース１０に連結され、且つ前記操作側ケース１０に対して横方向にスライドするとともに斜めに開放できる。
【００１２】
前記操作側ケース１０は操作面１２を含む。前記操作面１２には、前記携帯電話１００を制御するための複数の押しボタン１２２、前記回転支持部材３８を収納するための収容手段１２４及び前記弾性部材３６を固定するための１つの固定穴１２６が設置されている。前記押しボタン１２２及び前記収容手段１２４は、別々に前記操作側ケース１０の縦長方向の両側に隣接して設置され、前記固定穴１２６は、前記押しボタン１２２と前記収容手段１２４との間に設置されている。本実施形態において、前記収容手段１２４は、前記操作面１２上に開設されている円弧形の横断面を有する第一溝部１２４２と、別々に前記第一溝部１２４２の両端に位置する２つの収容凹部１２４４と、前記操作面１２上に被せるように設置されるカバーボード１２４６と、前記カバーボード１２４６上に開設され且つ前記第一溝部１２４２と組み合せる第二溝部１２４８と、を備える。前記カバーボード１２４６を前記操作面１２上に覆うと、前記第一溝部１２４２と前記第二溝部１２４８は前記回転支持部材３８を収納するための収容部１２４０（図６を参照）を形成する。前記カバーボード１２４６は位置決め塊１２５０をさらに含み、前記操作面１２には前記位置決め塊１２５０と互いに係合する位置決め凹溝１２５１が開設されている。前記位置決め塊１２５０が前記位置決め凹溝１２５１に係合することにより、前記カバーボード１２４６を前記操作側ケース１０に固定する。
【００１３】
図２を一緒に参照すると、前記表示側ケース２０は、前記操作側ケース１０の操作面１２に対面している下表面２２及び前記下表面２２に対向する表示面２４を含む。前記下表面２２において、前記表示側ケース２０の縦長方向の片側の中部には前記操作側ケース１０の前記押しボタン１２２に対応する第一凹所２２２が開設されており、前記表示側ケース２０の縦長方向の他側の両端に隣接する箇所には２つの第二凹所２２４が開設されている。前記第一凹所２２２は、対向設置される２つの第一側壁２２２２を含み、各々の第一側壁２２２２には、第一取付孔２２２４が開設されている。前記２つの第一取付孔２２２４は同軸線上に設置され、前記スライドプレート３２を取り付けることに用いられる。各々の第二凹所２２４は、対向設置される２つの第二側壁２２４２を含み、各々の第二側壁２２４２には、第二取付孔２２４４が開設されている。各々の第二凹所２２４の２つの第二取付孔２２４は同軸線上に設置され、前記回転支持部材３８の自由端部を前記表示側ケース２０上に回転可能に固定することに用いられる。前記表示面２４の中部には、表示スクリーン２４２が設置されている。
【００１４】
前記スライドプレート３２は、略方形の板状体であり、その縦長方向の一端は湾曲して貫通孔３２２２を有する中空の円柱形軸筒３２２を形成し、その上表面には係止部３２４が凸設されている（図２を参照）。前記スライドプレート３２を前記表示側ケース２０に取り付ける場合、まず前記第一回転軸３４を前記円柱形軸筒３２２の貫通孔３２２２に挿入してから、前記円柱形軸筒３２２を前記表示側ケース２０の第一凹所２２２内に収納して、前記貫通孔３２２２の両側から露出する前記第一回転軸３４の両端をそれぞれ前記第一凹所２２２の２つの第一取付孔２２２４内に固定することにより、前記スライドプレート３２を前記表示側ケース２０に枢着する。前記係止部３２４は前記弾性部材３６の一端を前記スライドプレート３２上に固定するために用いられる。
【００１５】
本実施形態において、前記弾性部材３６は細長い弾性シートであるが、圧縮スプリング或いはトーションバネ等であることもできる。前記弾性部材３６の一端は曲げられてクリップ３６２を形成し、他端には固定ピン３６４が設置されている。前記クリップ３６２は前記スライドプレート３２の係止部３２４に係合して、前記弾性部材３６の一端は前記スライドプレート３２に固定される。前記固定ピン３６４は前記操作側ケース１０の固定穴１２６に係合して、前記弾性部材３６の他端は前記操作側ケース１０に固定される。前記弾性部材３６と前記操作側ケース１０又は前記スライドプレート３２との固定方式は上述の方式に限定されるものではなく、溶接のような他の固定方式を採用してもよい。
【００１６】
前記回転支持部材３８は、円柱形の主体レバー部３８２及び前記主体レバー部３８２の両端に回動可能に設置される２つの連接アーム３８４を含む。各々の連接アーム３８４の自由端部にはそれを貫通する固定孔３８４２が開設されているから、前記第二回転軸３９を前記固定孔３８４２に挿入し、且つ前記固定孔３８４２の両側から露出する前記第二回転軸３９の両端を前記第二凹所２２４の第二取付孔２２４４内に係止することにより、前記連接アーム３８４の自由端部を前記表示側ケース２０に枢着する。前記主体レバー部３８２は、前記操作面１２の第一溝部１２４２と前記カバーボード１２４６の第二溝部１２４８とによって取り囲むことで構成した収容部１２４０内に回転可能に収納され、前記２つの連接アーム３８４は、それぞれ前記操作側ケース１０の２つの収容凹部１２４４内に収納される。前記２つの連接アーム３８４の自由端部から離れている一端は、前記主体レバー部３８２によって前記操作側ケース１０に枢着する。
【００１７】
以下、図３及び図４を一緒に参照しながら、本発明の携帯電話１００の組立ステップを詳細に説明する。
【００１８】
まず、前記第一回転軸３４を前記スライドプレート３２の貫通孔３２２２内に挿通してから、前記貫通孔３２２２の両側から露出する前記第一回転軸３４の両端をそれぞれ前記表示側ケース２０の第一凹所２２２の２つの第一取付孔２２２４に係止して、前記スライドプレート３２を前記表示側ケース２０に回動可能に枢着する。前記第一回転軸３４は、伸縮軸であることが好ましい。
【００１９】
次に、前記弾性部材３６のクリップ３６２を前記スライドプレート３２の係止部３２４に係合し、もう一端の固定ピン３６４を前記操作側ケース１０の固定穴１２６内に固定する。
【００２０】
次に、前記回転支持部材３８の主体レバー部３８２を前記操作側ケース１０の第一溝部１２４２内に収納してから、前記カバーボード１２４６の位置決め塊１２５０を前記操作側ケース１０の位置決め凹溝１２５１に係合すると、前記カバーボード１２４６の第二溝部１２４８と前記第一溝部１２４２とが一緒に収容部１２４０を形成して、前記主体レバー部３８２を前記操作側ケース１０に回動可能に枢着する。
【００２１】
次に、前記第二回転軸３９を前記連接アーム３８４の固定孔３８４２に挿通してから、前記固定孔３８４２から露出する前記第二回転軸３９の両端を前記表示側ケース２０の第二凹所２２４の２つの第二取付孔２２４４に係止することにより、前記連接アーム３８４の自由端部を前記表示側ケース２０に回動可能に枢着する。前記第二回転軸３９は、伸縮軸であることが好ましい。
【００２２】
最後に、前記弾性部材３６の固定ピン３６４を前記操作側ケース１０の固定穴１２６内に係止すると、前記携帯電話１００の組立を完成する。
【００２３】
以下、前記携帯電話１００を使用する際の作動原理について、図５及び図６を参照しながら説明する。前記表示側ケース２０の前記スライドプレート３２に枢着する一端を推進させると、前記表示側ケース２０は前記操作側ケース１０の縦長方向に直交する方向に沿ってスライドするとともに、前記表示側ケース２０の前記スライドプレート３２に枢着する一端は前記第一回転軸３４を巡って前記スライドプレート３２に相対して回転し、前記スライドプレート３２は前記表示側ケース２０に連動されて直線運動する。前記スライドプレート３２の移動に伴って、前記弾性部材３６は変形されて弾発力を蓄積している。前記弾性部材３６の両端はそれぞれ前記操作側ケース１０及び前記スライドプレート３２に固定されており、即ち前記スライドプレート３２の一端は前記弾性部材３６を介して前記操作側ケース１０に固定され、前記スライドプレート３２の他端は前記表示側ケース２０に枢着するから、前記表示側ケース２０が前記操作側ケース１０に相対してスライドしているところ、前記表示側ケース２０の前記スライドプレート３２に枢着する一端はずっと前記操作側ケース１０に接触している。このように、前記表示側ケース２０は、前記スライドプレート３２及び前記弾性部材３６を介して前記操作側ケース１０に連結され且つ前記操作側ケース１０上で安定してスライドできる。
【００２４】
前記表示側ケース２０が前記操作側ケース１０の縦長方向に直交する方向に沿ってスライドしているところ、前記主体レバー部３８２は、前記収容部１２４０内で前記操作側ケース１０に相対して回転し、前記連接アーム３８４の自由端部は前記第二回転軸３９を囲んで前記表示側ケース２０に相対して回転するため、前記表示側ケース２０の前記スライドプレート３２に枢着しない片側は、前記操作側ケース１０に相対してだんだん立ち上がって、前記表示スクリーン２４２は傾斜するようになる。前記弾性部材３６は最大限に撓ませられる場合、続いて前記表示側ケース２０を推進させると、前記弾性部材３６は弾発力を解放して前記表示側ケース２０を駆動して前記操作側ケース１０に相対して完全に傾斜するように開放させる。
【００２５】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は改良が可能であり、該変形又は改良も、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであるのがいうまでもない。
【符号の説明】
【００２６】
１０ 操作側ケース
１２ 操作面
２０ 表示側ケース
２２ 下表面
２４ 表示面
３０ スライド機構
３２ スライドプレート
３４ 第一回転軸
３６ 弾性部材
３８ 回転支持部材
３９ 第二回転軸
１００ 携帯電話
１２２ 押しボタン
１２４ 収容手段
１２６ 固定穴
２２２ 第一凹所
２２４ 第二凹所
２４２ 表示スクリーン
３２２ 円柱形軸筒
３２４ 係止部
３６２ クリップ
３６４ 固定ピン
３８２ 主体レバー部
３８４ 連接アーム
１２４０ 収容部
１２４２ 第一溝部
１２４４ 収容凹部
１２４６ カバーボード
１２４８ 第二溝部
１２５０ 位置決め塊
１２５１ 位置決め凹溝
２２２２ 第一側壁
２２２４ 第一取付孔
２２４２ 第二側壁
２２４４ 第二取付孔
３２２２ 貫通孔
３８４２ 固定孔
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子装置に関し、特にスライド式電子装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
現在市販されている携帯電子装置は、一般に、互いに対して回転またはスライドできる表示側ケース及び操作側ケースを含んでいる。例えば、スライド式電子装置においては、前記表示側ケースを前記操作側ケースに対してスライドして開放させることができる。
【０００３】
ところで、最近、通信技術の飛躍的な発展に伴い、携帯電子装置の用途も多様化されており、携帯電子装置を用いたインターネット検索、動画再生、ＴＶ放送、各種ゲームなどのマルチメディア機能遂行が可能になりつつある。しかしながら、従来のスライド式電子装置においては、表示側ケースと操作側ケースとが単に直線的にスライドするだけなので、スクリーンの角度をキーボードに対して調整できないという欠点がある。その結果、ユーザーは表示された画面を容易に観覧できず、とても不便である。
【０００４】
また、最近、通信技術の飛躍的な発展に伴い、携帯電子装置のデザインに対した要求も段々高くなり、前記携帯電子装置における上筐体と下筐体との間の開閉機構は、携帯電子装置のデザインに関する重要な要素になった。従来の折り畳み式や縦方向スライド式以外の新しい開閉機構を備えた携帯電子装置が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、表示側ケースは操作側ケースに対して横方向にスライドするとともに斜めに開けられるスライド式電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
前記問題を解決するために、本発明に係るスライド式電子装置は、操作側ケースと、スライド機構と、前記スライド機構によって前記操作側ケースにスライド可能に重ね合わせる表示側ケースと、を備えてなる。前記スライド機構は、一端が前記表示側ケースに回動可能に枢着するスライドプレートと、両端が前記スライドプレートの他端及び前記操作側ケースにそれぞれ固定される弾性部材と、両端が前記操作側ケース及び前記表示側ケースに回転可能に枢着する回転支持機構と、を含む。前記表示側ケースが前記操作側ケースに対してスライドする際、前記スライドプレートは前記表示側ケースに駆動されてスライドするとともに前記弾性部材を湾曲させて、前記弾性部材に弾発力を蓄積させる。
【発明の効果】
【０００７】
本発明に係るスライド式電子装置において、表示側ケースは操作側ケースに対して横方向にスライドするとともに斜めに開放できるから、ユーザーは前記表示側ケースの表示パネルに表示される情報を観覧し易く、最もよい視覚効果を得られる。しかも、前記スライド式電子装置は、従来のスライドタイプとは異なる開閉機構を備えるから、デザイン性に富む。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の好ましい実施形態に係るスライド式電子装置の分解図である。
【図２】図１に示すスライド式電子装置の他の視角からの分解図である。
【図３】図１に示すスライド式電子装置の組立図である。
【図４】図３に示すスライド式電子装置の表示側ケースを取り外した状態を示す図である。
【図５】図３に示すスライド式電子装置の表示側ケースは操作側ケースに対してスライドして開放された状態を示す図である。
【図６】図５に示すスライド式電子装置の他の視角からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、図１乃至図６を参照しながら、本発明の実施形態に係るスライド式電子装置について詳細に説明する。
【００１０】
本発明に係るスライド式電子装置は、携帯電話、個人用携帯情報端末（ＰＤＡ）などであることができる。本実施形態において、携帯電話を例として説明する。
【００１１】
図１に示したように、本発明の携帯電話１００は、操作側ケース１０と、前記操作側ケース１０上に設置される表示側ケース２０と、前記操作側ケース１０と前記表示側ケース２０との間に設置されるスライド機構３０と、を備える。前記スライド機構３０は、スライドプレート３２、第一回転軸３４、弾性部材３６、回転支持部材３８及び２つの第二回転軸３９を含む。前記表示側ケース２０は、前記スライド機構３０によって前記操作側ケース１０に連結され、且つ前記操作側ケース１０に対して横方向にスライドするとともに斜めに開放できる。
【００１２】
前記操作側ケース１０は操作面１２を含む。前記操作面１２には、前記携帯電話１００を制御するための複数の押しボタン１２２、前記回転支持部材３８を収納するための収容手段１２４及び前記弾性部材３６を固定するための１つの固定穴１２６が設置されている。前記押しボタン１２２及び前記収容手段１２４は、別々に前記操作側ケース１０の縦長方向の両側に隣接して設置され、前記固定穴１２６は、前記押しボタン１２２と前記収容手段１２４との間に設置されている。本実施形態において、前記収容手段１２４は、前記操作面１２上に開設されている円弧形の横断面を有する第一溝部１２４２と、別々に前記第一溝部１２４２の両端に位置する２つの収容凹部１２４４と、前記操作面１２上に被せるように設置されるカバーボード１２４６と、前記カバーボード１２４６上に開設され且つ前記第一溝部１２４２と組み合せる第二溝部１２４８と、を備える。前記カバーボード１２４６を前記操作面１２上に覆うと、前記第一溝部１２４２と前記第二溝部１２４８は前記回転支持部材３８を収納するための収容部１２４０（図６を参照）を形成する。前記カバーボード１２４６は位置決め塊１２５０をさらに含み、前記操作面１２には前記位置決め塊１２５０と互いに係合する位置決め凹溝１２５１が開設されている。前記位置決め塊１２５０が前記位置決め凹溝１２５１に係合することにより、前記カバーボード１２４６を前記操作側ケース１０に固定する。
【００１３】
図２を一緒に参照すると、前記表示側ケース２０は、前記操作側ケース１０の操作面１２に対面している下表面２２及び前記下表面２２に対向する表示面２４を含む。前記下表面２２において、前記表示側ケース２０の縦長方向の片側の中部には前記操作側ケース１０の前記押しボタン１２２に対応する第一凹所２２２が開設されており、前記表示側ケース２０の縦長方向の他側の両端に隣接する箇所には２つの第二凹所２２４が開設されている。前記第一凹所２２２は、対向設置される２つの第一側壁２２２２を含み、各々の第一側壁２２２２には、第一取付孔２２２４が開設されている。前記２つの第一取付孔２２２４は同軸線上に設置され、前記スライドプレート３２を取り付けることに用いられる。各々の第二凹所２２４は、対向設置される２つの第二側壁２２４２を含み、各々の第二側壁２２４２には、第二取付孔２２４４が開設されている。各々の第二凹所２２４の２つの第二取付孔２２４は同軸線上に設置され、前記回転支持部材３８の自由端部を前記表示側ケース２０上に回転可能に固定することに用いられる。前記表示面２４の中部には、表示スクリーン２４２が設置されている。
【００１４】
前記スライドプレート３２は、略方形の板状体であり、その縦長方向の一端は湾曲して貫通孔３２２２を有する中空の円柱形軸筒３２２を形成し、その上表面には係止部３２４が凸設されている（図２を参照）。前記スライドプレート３２を前記表示側ケース２０に取り付ける場合、まず前記第一回転軸３４を前記円柱形軸筒３２２の貫通孔３２２２に挿入してから、前記円柱形軸筒３２２を前記表示側ケース２０の第一凹所２２２内に収納して、前記貫通孔３２２２の両側から露出する前記第一回転軸３４の両端をそれぞれ前記第一凹所２２２の２つの第一取付孔２２２４内に固定することにより、前記スライドプレート３２を前記表示側ケース２０に枢着する。前記係止部３２４は前記弾性部材３６の一端を前記スライドプレート３２上に固定するために用いられる。
【００１５】
本実施形態において、前記弾性部材３６は細長い弾性シートであるが、圧縮スプリング或いはトーションバネ等であることもできる。前記弾性部材３６の一端は曲げられてクリップ３６２を形成し、他端には固定ピン３６４が設置されている。前記クリップ３６２は前記スライドプレート３２の係止部３２４に係合して、前記弾性部材３６の一端は前記スライドプレート３２に固定される。前記固定ピン３６４は前記操作側ケース１０の固定穴１２６に係合して、前記弾性部材３６の他端は前記操作側ケース１０に固定される。前記弾性部材３６と前記操作側ケース１０又は前記スライドプレート３２との固定方式は上述の方式に限定されるものではなく、溶接のような他の固定方式を採用してもよい。
【００１６】
前記回転支持部材３８は、円柱形の主体レバー部３８２及び前記主体レバー部３８２の両端に回動可能に設置される２つの連接アーム３８４を含む。各々の連接アーム３８４の自由端部にはそれを貫通する固定孔３８４２が開設されているから、前記第二回転軸３９を前記固定孔３８４２に挿入し、且つ前記固定孔３８４２の両側から露出する前記第二回転軸３９の両端を前記第二凹所２２４の第二取付孔２２４４内に係止することにより、前記連接アーム３８４の自由端部を前記表示側ケース２０に枢着する。前記主体レバー部３８２は、前記操作面１２の第一溝部１２４２と前記カバーボード１２４６の第二溝部１２４８とによって取り囲むことで構成した収容部１２４０内に回転可能に収納され、前記２つの連接アーム３８４は、それぞれ前記操作側ケース１０の２つの収容凹部１２４４内に収納される。前記２つの連接アーム３８４の自由端部から離れている一端は、前記主体レバー部３８２によって前記操作側ケース１０に枢着する。
【００１７】
以下、図３及び図４を一緒に参照しながら、本発明の携帯電話１００の組立ステップを詳細に説明する。
【００１８】
まず、前記第一回転軸３４を前記スライドプレート３２の貫通孔３２２２内に挿通してから、前記貫通孔３２２２の両側から露出する前記第一回転軸３４の両端をそれぞれ前記表示側ケース２０の第一凹所２２２の２つの第一取付孔２２２４に係止して、前記スライドプレート３２を前記表示側ケース２０に回動可能に枢着する。前記第一回転軸３４は、伸縮軸であることが好ましい。
【００１９】
次に、前記弾性部材３６のクリップ３６２を前記スライドプレート３２の係止部３２４に係合し、もう一端の固定ピン３６４を前記操作側ケース１０の固定穴１２６内に固定する。
【００２０】
次に、前記回転支持部材３８の主体レバー部３８２を前記操作側ケース１０の第一溝部１２４２内に収納してから、前記カバーボード１２４６の位置決め塊１２５０を前記操作側ケース１０の位置決め凹溝１２５１に係合すると、前記カバーボード１２４６の第二溝部１２４８と前記第一溝部１２４２とが一緒に収容部１２４０を形成して、前記主体レバー部３８２を前記操作側ケース１０に回動可能に枢着する。
【００２１】
次に、前記第二回転軸３９を前記連接アーム３８４の固定孔３８４２に挿通してから、前記固定孔３８４２から露出する前記第二回転軸３９の両端を前記表示側ケース２０の第二凹所２２４の２つの第二取付孔２２４４に係止することにより、前記連接アーム３８４の自由端部を前記表示側ケース２０に回動可能に枢着する。前記第二回転軸３９は、伸縮軸であることが好ましい。
【００２２】
最後に、前記弾性部材３６の固定ピン３６４を前記操作側ケース１０の固定穴１２６内に係止すると、前記携帯電話１００の組立を完成する。
【００２３】
以下、前記携帯電話１００を使用する際の作動原理について、図５及び図６を参照しながら説明する。前記表示側ケース２０の前記スライドプレート３２に枢着する一端を推進させると、前記表示側ケース２０は前記操作側ケース１０の縦長方向に直交する方向に沿ってスライドするとともに、前記表示側ケース２０の前記スライドプレート３２に枢着する一端は前記第一回転軸３４を巡って前記スライドプレート３２に相対して回転し、前記スライドプレート３２は前記表示側ケース２０に連動されて直線運動する。前記スライドプレート３２の移動に伴って、前記弾性部材３６は変形されて弾発力を蓄積している。前記弾性部材３６の両端はそれぞれ前記操作側ケース１０及び前記スライドプレート３２に固定されており、即ち前記スライドプレート３２の一端は前記弾性部材３６を介して前記操作側ケース１０に固定され、前記スライドプレート３２の他端は前記表示側ケース２０に枢着するから、前記表示側ケース２０が前記操作側ケース１０に相対してスライドしているところ、前記表示側ケース２０の前記スライドプレート３２に枢着する一端はずっと前記操作側ケース１０に接触している。このように、前記表示側ケース２０は、前記スライドプレート３２及び前記弾性部材３６を介して前記操作側ケース１０に連結され且つ前記操作側ケース１０上で安定してスライドできる。
【００２４】
前記表示側ケース２０が前記操作側ケース１０の縦長方向に直交する方向に沿ってスライドしているところ、前記主体レバー部３８２は、前記収容部１２４０内で前記操作側ケース１０に相対して回転し、前記連接アーム３８４の自由端部は前記第二回転軸３９を囲んで前記表示側ケース２０に相対して回転するため、前記表示側ケース２０の前記スライドプレート３２に枢着しない片側は、前記操作側ケース１０に相対してだんだん立ち上がって、前記表示スクリーン２４２は傾斜するようになる。前記弾性部材３６は最大限に撓ませられる場合、続いて前記表示側ケース２０を推進させると、前記弾性部材３６は弾発力を解放して前記表示側ケース２０を駆動して前記操作側ケース１０に相対して完全に傾斜するように開放させる。
【００２５】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は改良が可能であり、該変形又は改良も、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであるのがいうまでもない。
【符号の説明】
【００２６】
１０ 操作側ケース
１２ 操作面
２０ 表示側ケース
２２ 下表面
２４ 表示面
３０ スライド機構
３２ スライドプレート
３４ 第一回転軸
３６ 弾性部材
３８ 回転支持部材
３９ 第二回転軸
１００ 携帯電話
１２２ 押しボタン
１２４ 収容手段
１２６ 固定穴
２２２ 第一凹所
２２４ 第二凹所
２４２ 表示スクリーン
３２２ 円柱形軸筒
３２４ 係止部
３６２ クリップ
３６４ 固定ピン
３８２ 主体レバー部
３８４ 連接アーム
１２４０ 収容部
１２４２ 第一溝部
１２４４ 収容凹部
１２４６ カバーボード
１２４８ 第二溝部
１２５０ 位置決め塊
１２５１ 位置決め凹溝
２２２２ 第一側壁
２２２４ 第一取付孔
２２４２ 第二側壁
２２４４ 第二取付孔
３２２２ 貫通孔
３８４２ 固定孔
【特許請求の範囲】
【請求項１】
操作側ケースと、スライド機構と、前記スライド機構によって前記操作側ケースにスライド可能に重ね合わせられる表示側ケースと、を備えてなるスライド式電子装置であって、
前記スライド機構は、一端が前記表示側ケースに回動可能に枢着するスライドプレートと、両端が前記スライドプレートの他端及び前記操作側ケースにそれぞれ固定される弾性部材と、両端が前記操作側ケース及び前記表示側ケースに回転可能に枢着される回転支持機構と、を含み、
前記表示側ケースが前記操作側ケースに対してスライドする際に、前記スライドプレートは前記表示側ケースに駆動されてスライドするとともに前記弾性部材を湾曲させて、前記弾性部材に弾発力を蓄積させることを特徴とするスライド式電子装置。
【請求項２】
前記スライド機構は第一回転軸をさらに含み、前記スライドプレートは前記第一回転軸を介して前記表示側ケースの下表面に連結され且つ前記表示側ケースの１つの長辺に隣接して設置されることを特徴とする請求項１の記載のスライド式電子装置。
【請求項３】
前記表示側ケースの下表面には相対する２つの第一側壁を有する第一凹所が開設され、
各第一側壁上には互い同軸線上に位置する第一取付孔が開設され、
前記スライドプレートの一端には円柱形軸筒が形成されるから、前記第一回転軸は前記円柱形軸筒と前記２つの第一取付孔内に固定されることを特徴とする請求項２に記載のスライド式電子装置。
【請求項４】
前記回転支持機構は、主体レバー部及び間隔をあけて前記主体レバー部の両端に設置された２つの連接アームを含み、
前記主体レバー部は前記操作側ケース上に回転可能に固定され、
各連接アームの基端部は前記主体レバー部と一体に固定されるから前記操作側ケースと連結してあり、
各連接アームの自由端は前記表示側ケースと回転可能に連結することを特徴とする請求項１に記載のスライド式電子装置。
【請求項５】
前記操作側ケースはその上表面に被せるカバーボードをさらに含み、
前記上表面には円弧形の第一溝部が形成され、前記カバーボード上には前記円弧形の第一溝部に組み合せる第二溝部が形成され、
前記第一溝部と第二溝部とによって取り囲まれる収容部が形成され、前記主体レバー部は前記収容部内に回転可能に収納されることを特徴とする請求項４に記載のスライド式電子装置。
【請求項１】
操作側ケースと、スライド機構と、前記スライド機構によって前記操作側ケースにスライド可能に重ね合わせられる表示側ケースと、を備えてなるスライド式電子装置であって、
前記スライド機構は、一端が前記表示側ケースに回動可能に枢着するスライドプレートと、両端が前記スライドプレートの他端及び前記操作側ケースにそれぞれ固定される弾性部材と、両端が前記操作側ケース及び前記表示側ケースに回転可能に枢着される回転支持機構と、を含み、
前記表示側ケースが前記操作側ケースに対してスライドする際に、前記スライドプレートは前記表示側ケースに駆動されてスライドするとともに前記弾性部材を湾曲させて、前記弾性部材に弾発力を蓄積させることを特徴とするスライド式電子装置。
【請求項２】
前記スライド機構は第一回転軸をさらに含み、前記スライドプレートは前記第一回転軸を介して前記表示側ケースの下表面に連結され且つ前記表示側ケースの１つの長辺に隣接して設置されることを特徴とする請求項１の記載のスライド式電子装置。
【請求項３】
前記表示側ケースの下表面には相対する２つの第一側壁を有する第一凹所が開設され、
各第一側壁上には互い同軸線上に位置する第一取付孔が開設され、
前記スライドプレートの一端には円柱形軸筒が形成されるから、前記第一回転軸は前記円柱形軸筒と前記２つの第一取付孔内に固定されることを特徴とする請求項２に記載のスライド式電子装置。
【請求項４】
前記回転支持機構は、主体レバー部及び間隔をあけて前記主体レバー部の両端に設置された２つの連接アームを含み、
前記主体レバー部は前記操作側ケース上に回転可能に固定され、
各連接アームの基端部は前記主体レバー部と一体に固定されるから前記操作側ケースと連結してあり、
各連接アームの自由端は前記表示側ケースと回転可能に連結することを特徴とする請求項１に記載のスライド式電子装置。
【請求項５】
前記操作側ケースはその上表面に被せるカバーボードをさらに含み、
前記上表面には円弧形の第一溝部が形成され、前記カバーボード上には前記円弧形の第一溝部に組み合せる第二溝部が形成され、
前記第一溝部と第二溝部とによって取り囲まれる収容部が形成され、前記主体レバー部は前記収容部内に回転可能に収納されることを特徴とする請求項４に記載のスライド式電子装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１１−１３９４２１（Ｐ２０１１−１３９４２１Ａ）
【公開日】平成２３年７月１４日（２０１１．７．１４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１１１０８７（Ｐ２０１０−１１１０８７）
【出願日】平成２２年５月１３日（２０１０．５．１３）
【出願人】（５０８１５５３１０）富士康（香港）有限公司 (185)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年７月１４日（２０１１．７．１４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年５月１３日（２０１０．５．１３）
【出願人】（５０８１５５３１０）富士康（香港）有限公司 (185)
【Ｆターム（参考）】
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