説明

セダン型車両の後部車体構造

【課題】荷物の出し入れスペースを狭めることなく、トランクルーム内に仕切壁を設置できるようにして利便性の高いセダン型車両の後部車体構造を提供する。
【解決手段】ルーフ1の後端部にリヤガラス2が配置され、リヤガラス2の下方から車体後端部にかけてトランクルーム3が設けられるとともに、リヤガラス2の取付部の下縁にトランクリッド7が開閉自在に設けられたセダン型車両の後部車体構造において、トランクリッド7の下方に、上部空間12と荷置き空間13を区画するトノボード14を配置する。トノボード14を平行リンク16を介して車体に結合する。トノボード14は、トランクルーム3の前方から引き出されて端部がトランクリッド7に結合されたシート20によって支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車室の後方に独立したトランクルームを備えるセダン型車両の後部車体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、セダン型車両においては、ルーフの後端部に車体後部に向かって下方傾斜するリヤガラスが配置され、このリヤガラスの取付部の下方から車体後端に亘ってトランクルームが設けられている。トランクルームは、リヤガラスの下端近傍に設けられた仕切壁によって車室と仕切られるとともに、車外側上部がトランクリッドによって覆われている。また、トランクリッドは車体のリヤガラス取付部の下縁にヒンジを介して開閉可能に取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−343154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種のセダン型車両の場合、トランクルームの床上側は通常単一の荷置き空間とされている。しかし、本出願人は、現在、トランクリッドの下方に仕切壁を設置し、その仕切壁によってトランクルームの内部を、車室内に連続する上部空間と、下方の荷置き空間とに区画することを検討している。
トランクルーム内を仕切壁によって上部空間と荷置き空間に区画する場合とは、例えば、トランクリッドの設置高さを高くするときに、トランクリッドの後壁上部に窓を設け、リヤガラスを通した後方視界が減少する分をトランクリッドの窓によって補う場合であり、この場合には、仕切壁によって車室内から荷置き空間を覆い隠せるようになり、かつ、上部空間を車室内に連続させることにより、車室内からトランクリッドの窓を通して車両の後方を視認できるようになる。
【0004】
ところが、このようにトランクルームの上部を仕切壁によって上部空間と下方の荷置き空間とに区画した場合、トランクリッドを開いたときに仕切壁が比較的低い位置で手前に迫り出し、その分トランクルームの荷物の出し入れスペースが狭められてしまう。
【0005】
そこでこの発明は、トランクルームの荷物の出し入れスペースを狭めることなく、トランクルーム内に仕切壁を設置できるようにして利便性の高いセダン型車両の後部車体構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、ルーフ(例えば、後述の実施形態におけるルーフ1)の後端部に下方に傾斜するリヤガラス(例えば、後述の実施形態におけるリヤガラス2)が配置され、このリヤガラスの取付部の下方から車体後端部にかけてトランクルーム(例えば、後述の実施形態におけるトランクルーム3)が設けられるとともに、前記リヤガラスの取付部の下縁にトランクリッド(例えば、後述の実施形態におけるトランクリッド7)が開閉自在に設けられたセダン型車両の後部車体構造において、前記トランクリッドの下方に、車室内に連続する上部空間(例えば、後述の実施形態における上部空間12)とトランクルーム内の荷置き空間(例えば、後述の実施形態における荷置き空間13)を区画する仕切壁(例えば、後述の実施形態におけるトノボード14)が配置され、この仕切壁全体が上下に移動可能に車体に支持されるとともに、前記トランクリッドの開き動作に連動して前記仕切壁を上方に引き上げる引き上げ手段(例えば、後述の実施形態における引き上げ手段22)が設けられていることを特徴とする。
これにより、トランクリッドが開かれると、引き上げ手段を介して仕切壁全体が上方に引き上げられ、その結果、トランクルームの荷物の出し入れスペースが上方に全体的に拡大されるようになる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のセダン型車両の後部車体構造において、前記引き上げ手段は、一端が前記トランクリッドに結合され、そのトランクリッドの跳上げ動作を前記仕切壁に伝達する可撓部材(例えば、後述の実施形態におけるシート20)を備えていることを特徴とする。
これにより、トランクリッドが開かれると、その跳ね上げ動作が可撓部材を介して仕切壁に伝達され、その結果、仕切壁全体が上方に引き上げられるようになる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のセダン型車両の後部車体構造において、前記可撓部材は、前記仕切壁と略同幅のシート(例えば、後述の実施形態におけるシート20)によって構成され、そのシートは、一端が前記トランクリッドの裏面に結合されるとともに、他端が前記トランクルームの前方に配置され、前後の略中間部で前記仕切壁を支持することを特徴とする。
これにより、トランクリッドが開かれると、可撓部材であるシートの一端がトラクリッドによって上方に持ち上げられ、それに伴って仕切壁全体がシートの略中間部とともに上方に持ち上げられるようになる。また、トランクルーム内に多量の荷物や容積の大きい荷物が収納され、仕切壁が荷物によって押し上げられた場合にも、仕切壁全体がシートの略中間部とともに上方に持ち上げられるようになる。このような場合、シートは仕切壁と略同幅であり、しかもトランクルームの前方位置から仕切壁までの間で連続しているため、仕切壁が上方に持ち上がったときに仕切壁の下方に車室内が見える隙間ができなくなる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のセダン型車両の後部車体構造において、前記仕切壁の少なくとも前縁部に、前記シートをスライド可能に係止するシートガイド部(例えば、後述の実施形態におけるガイドロッド21)が設けられ、前記仕切壁の下面が前記シートによって摺動可能に支持されていることを特徴とする。
これにより、少なくともトランクリッドの開放時には、シートが仕切壁の下面形状に追従して変形するようになる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載のセダン型車両の後部車体構造において、前記シートの他端が、巻取り方向にばね付勢されたシート収納部(例えば、後述の実施形態におけるシート収納部23)に収納され、このシート収納部が前記トランクルームの前方に固定設置されていることを特徴とする。
これにより、トランクリッドの開閉動作に応じたシートの引き出し量がシート収納部によって自動的に調整される。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5に記載のセダン型車両の後部車体構造において、前記仕切壁が平行リンク(例えば、後述の実施形態における平行リンク15)を介して車体に上下移動可能に連結されていることを特徴とする。
これにより、仕切壁が平行リンクによって常時一定姿勢を維持されて上下に移動するようになる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、トランクリッドの跳ね上げ動作に連動して仕切壁全体が上方に引き上げられるようになるため、トランクリッドの一操作だけで仕切壁を上方に引き上げることができるとともに、トランクリッドの開放時における荷物の出し入れスペースを狭めることなく、トランクリッド内を上下に区画する仕切壁を設置することが可能になる。したがって、これにより車両の利便性を大幅に高めることができる。
また、この発明によれば、仕切壁が上下に移動可能に車体に支持されているため、トランクルーム内に多量の荷物や容積の大きい荷物を収納する場合に、荷物による仕切壁の迫上がりを許容して荷置き空間を実質的に拡大することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、一端がトランリッドに連結された可撓部材を用いて仕切壁をトランクリッドの跳ね上げ動作に連動させるため、製造コストの削減が可能な簡単構造によってトランクリッド開放時における荷物の出し入れスペースの拡大を図ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、シートによって仕切壁をトランクリッドの跳ね上げ動作に連動させることができるうえ、トランクリッドとの連動動作や荷物による押し上げによって仕切壁が上方に持ち上がったときに、仕切壁の下方の隙間をシートによって隠すことができるため、トランクリッドの開放時における見栄えを良好にし、車両の商品性を高めることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、トランクリッドの開放時に、シートを仕切壁の下面に沿わせることができるため、シートの弛みや波打ちを抑制して、荷物の出し入れスペースのさらなる拡張と見栄えの向上を図ることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、自動的な巻取り機能を備えたシート収納部により、トランクリッドの開閉動作に応じたシートの引き出し量を自動的に調整することができるため、シート収納部によって種々の誤差を吸収して、仕切壁を常時トランクリッドの開閉動作に円滑に連動させることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、平行リンクによって仕切壁を常時一定姿勢のまま上下に移動させることができるため、仕切壁の挙動を安定させ、質感の向上と耐久性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下で説明する各実施形態においては、同一部分に同一符号を付し、重複する説明を一部省略するものとする。
最初に、図1〜図5に示す第1の実施形態について説明する。
【0019】
この実施形態のセダン型車両は、図2に示すように、ルーフ1の後端部に車体後方に向かって下方に傾斜するリヤガラス2が配置され、このリヤガラス2の取付部の下方から車体後端部にかけてトランクルーム3が設けられている。なお、図2中4は、車室11内に配置されたリヤシートであり、5は、車両の後輪、6は、トランクルーム3を形成するトランクフロアパネルである。
【0020】
車体のリヤガラス2の取付部の下縁には図示しないヒンジを介してトランクリッド7が設けられ、このトランクリッド7が車体後部のトランク開口を開閉し得るようになっている。トランクリッド7は車体側部から見た断面が略L字状に形成され、トランリッド7の閉時にトランクルーム3の上方を覆う上壁7aと、トランクルーム3の後方側を覆う後壁7bを備えている。このトランクリッド7の後壁7bの上縁には、幅方向の略中央を中心とした横長の視認窓8が設けられ、この視認窓8には透明な樹脂パネル9が取り付けられている。
【0021】
また、リヤガラス2の下方には、リヤシート4の後部において、車室11内に連続する上部空間12とトランクルーム3内の荷置き空間13を上下方向で区画するトノボード14(仕切壁)が設けられている。このトノボード14は、自身の重みによって折れ曲がらない硬質材料によって室内幅と略同幅に形成されている。ただし、このトノボード14の後端部から前後長の3分の1程の位置には、図3に示すように曲げガイド部15が設けられており、トノボード14はこの曲げガイド部15を中心とした若干の屈曲が可能となっている。なお、以下では、トノボード14の曲げガイド部15よりも前方側領域をメインボード14aと呼び、曲げガイド部よりも後方側領域をサブボード14bと呼ぶものとする。
【0022】
トノボード14のメインボード14a部分は、図6に示すような平行リンク16を介して車体に上下変位可能に取り付けられている。具体的には、例えばメインボード14aの前端部と後端部に夫々前リンク17aと後リンク17bが夫々回動自在に連結されるとともに、前リンク17aと後リンク17bの下端が連結リンク17cによって回動自在に連結され、この連結リンク17cが車体側部のフレーム部材18(図3,図5参照)に支持固定されている。したがって、図2に示すように前リンク17aと後リンク17bが後方側に倒れ込んだ状態においては、トノボード14が下位状態で略水平に維持され、この状態から前リンク17aと後リンク17bが、図4および図6に示すように前側に引き起こされると、トノボード14が略水平な状態を維持したまま上方に持ち上がる。なお、トノボード14が平行リンク16を介して下位状態に維持されているときには、トノボード14の上面がトランリッド7の視認窓8よりも低くなるように設定されている。なお、図6中、矢印FRは車両前方を示すものとする。
【0023】
また、トノボード14の左右の前リンク17a同士と、後リンク17b同士は夫々連結ロッド19,19(後リンク17b側の連結ロッドは図示省略)によって連結されているが、前リンク17a間には、さらに後述するシート20を案内するためのガイドロッド21(シートガイド部)が併せて連結されている。このガイドロッド21は、トノボード14寄りの連結ロッド19と平行にかつ所定隙間を持って設けられ、連結ロッド19との隙間にシート20を通すことによってシート20の移動を案内し得るようになっている。
なお、図面上は省略されているが、トノボード14の後端部側にもシート20を案内するためのガイド機構が設けられている。
【0024】
トノボード14は、引き上げ手段22によってトランクリッド7の跳ね上げ動作に連動し、全体が上方に引き上げられるようになっている。引き上げ手段22は、布や不織布から成るシート20を主要部材として構成されている。
シート20は、トノボード14と略同幅に、かつ、車体前後方向に長尺に形成され、基端部側がロール状のシート収納部23に収納支持されるとともに、先端部側がトランクリッド7の裏面の視認窓8よりも下方位置に結合されている。シート収納部23は、ばねによってシート20の基端を巻取り方向に付勢する構造とされ、シート20の先端部が引っ張られると、その引張力に応じてシート20の引き出し量が適宜調整されるようになっている。また、トノボード14は、シート20によって下面側を摺動自在に支持され、トラクリッド7の跳ね上げ時に、シート20の先端側がトランクリッド7によって上方に引き上げられると、その引き上げ力によって上方に押し上げられるようになっている。
【0025】
以上のように構成されたこのセダン型車両の場合、トランクリッド7が閉じられているときにはシート20のトランクリッド7側の結合端が平行リンク16よりも下方に位置されているため、平行リンク16にはシート20を介してトノボード14を上方に引き上げる力が作用しない。このため、平行リンク16は、図2,図3に示すように後方側に倒れ、トノボード14全体が低位に維持されている。このとき、トノボード14の上面はトランクリッド7の視認窓8よりも低い位置にあるため、車室11内からは図7に示すように視認窓8を通して車両後方が視認可能となっている。
【0026】
このため、この状態では、車室11内からの後方視界はリヤガラス2を通した後方視界と視認窓8を通した後方視界を加算したものとなり、その結果、広範囲な後方視界が確保されることになる。したがって、このセダン型車両においては、後方視界を犠牲にすることなく、トランクリッド7の設置高さを充分に高くしてトランクルーム3内の荷置き空間13を縦方向に大きく確保することができる。
【0027】
また、この状態からトランクリッド7が図4,図5に示すように開かれると、トランクリッド7の上壁7aが上方に跳ね上がり、上壁7aの裏面に結合されたシート20の先端部がトランクリッド7によって引っ張り上げられるようになる。こうしてシート20の先端側が引っ張り上げられると、シート20がトランクルーム3の前方側のシート収納部23から引き出されるとともにトノボード14のサブボード14b部分が上方側に引っ張られ、その結果、平行リンク16が前方側に引き起こされ、トノボード14のメインボード14a部分が略水平状態を維持したまま上方に持ち上げられる。なお、このときトノボード14は、サブボード14bが上方に引っ張り上げられる関係で、サブボード14b部分が曲げガイド部15を中心として上方に若干折れ曲がる。
この結果、トランクリッド7の跳ね上げに連動してトノボード14全体の高さが高くなり、荷物の出し入れスペースが拡大されることになる。したがって、トランクリッド7の閉時における視認窓8を通した後方視認を阻害することなく、トランクリッド7の開時には荷物の出し入れスペースを大きく拡大して荷物収納の利便性を高めることができる。
【0028】
また、このセダン型車両においては、シート収納部23から引き出されたシート20によってトノボード14が支持されるようになっているため、トランクルーム3内に積載する荷物Lの総高さが図8に示すように若干高い場合にあっても、シート20の自動的な繰り出しによって荷物Lの収納を許容することができる。即ち、積載する荷物Lの総高さがトノボード14の基準高さよりも高い場合には、荷物Lによる押圧によってトノボード14がシート20の繰り出しとともに上方に持ち上がり、その結果、荷物Lの収納が可能になる。
【0029】
また、このセダン型車両の場合、可撓性を有するシート20によってトランクリッド7の跳ね上げ動作にトノボード14を連動させる構造を採用しているため、構造の簡素化によって製造コストの低減を図ることができる。
そして、さらにこの実施形態においては、トノボード14と略同幅のシート20をトランクルーム3の前方とトランクリッド7の間に張り渡して、そのシート20によってトランクリッド7とトノボード14を連動させるようにしているため、トランクリッド7の跳ね上げとともにトノボード14が上方に持ち上がったときにトノボード14の下方にできる隙間をシート20によって覆い隠すことができる。したがって、トランクリッド7の開放時における見栄えを良好にし、車両の商品性を高めることができる。
【0030】
また、この実施形態の場合、トノボード14の前端部にシート20を摺動自在に案内するガイドロッド21が設けられているため、シート20を常時トノボード14の下面に安定的に沿わせ、シート20の弛みや波打ちを抑制することができる。したがって、トランクリッド7の開放時における荷物の出し入れスペースをさらに拡張することができるうえ、見栄えの向上も図ることができる。
【0031】
さらに、この実施形態においては、トノボード14と略同幅のシート20が張り渡されていることと、ガイドロッド21によるシート20の案内機能とにより、トランクルーム3内に積載した荷物によってトノボード14が上方に持ち上げられる場合に、図9に示すようにトノボード14の下方にできる隙間dをシート20によって車室内側から覆い隠すことができる。したがって、この実施形態の場合、車室内側からの見栄えも向上させることができる。
【0032】
また、この実施形態では、ばねによる巻取り機構を備えたシート収納部23によって、トランクリッド7の開閉動作に応じたシート20の引き出し量を自動的に調整することができるため、シート収納部23の巻取りばねの作用によって種々の誤差を吸収して、トランクリッド7に対するトノボード14の円滑な連動作動を比較的容易に得ることができる。したがって、この点からも低コストでの製造が可能である。
【0033】
また、この実施形態の場合、トノボード14が車体に平行リンク16を介して取り付けられているため、上下に移動する際のトノボード14の姿勢を常に略水平に維持し、トノボード14の挙動を安定化させて質感を向上させることができるとともに、耐久性の向上も図ることができる。
【0034】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の実施形態を説明するための車両の側面図。
【図2】この発明の第1の実施形態を示す図1のA部のトランクリッド閉時の模式的な断面図。
【図3】同実施形態を示すトランクルーム内から上方を見上げたトランクリッド閉時の斜視図。
【図4】同実施形態を示す図1のA部のトランクリッド開時の模式的な断面図。
【図5】同実施形態を示すトランクルーム内から上方を見上げたトランクリッド開時の斜視図。
【図6】同実施形態を示す平行リンクの側面図。
【図7】同実施形態を示す車室内から車両後方を見た斜視図。
【図8】同実施形態を示す図1のA部のトランクリッド閉時の模式的な断面図。
【図9】同実施形態を示す車室内から車両後方を見た斜視図。
【符号の説明】
【0036】
1…ルーフ
2…リヤガラス
3…トランクルーム
7…トランクリッド
12…上部空間
13…荷置き空間
14…トノボード(仕切り壁)
16…平行リンク
20…シート(可撓部材)
21…ガイドロッド(シートガイド部)
22…引き上げ手段
23…シート収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーフの後端部に下方に傾斜するリヤガラスが配置され、このリヤガラスの取付部の下方から車体後端部にかけてトランクルームが設けられるとともに、前記リヤガラスの取付部の下縁にトランクリッドが開閉自在に設けられたセダン型車両の後部車体構造において、
前記トランクリッドの下方に、車室内に連続する上部空間とトランクルーム内の荷置き空間を区画する仕切壁が配置され、
この仕切壁全体が上下に移動可能に車体に支持されるとともに、前記トランクリッドの開き動作に連動して前記仕切壁を上方に引き上げる引き上げ手段が設けられていることを特徴とするセダン型車両の後部車体構造。
【請求項2】
前記引き上げ手段は、一端が前記トランクリッドに結合され、そのトランクリッドの跳上げ動作を前記仕切壁に伝達する可撓部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載のセダン型車両の後部車体構造。
【請求項3】
前記可撓部材は、前記仕切壁と略同幅のシートによって構成され、
そのシートは、一端が前記トランクリッドの裏面に結合されるとともに、他端が前記トランクルームの前方に配置され、前後の略中間部で前記仕切壁を支持することを特徴とする請求項2に記載のセダン型車両の後部車体構造。
【請求項4】
前記仕切壁の少なくとも前縁部に、前記シートをスライド可能に係止するシートガイド部が設けられ、
前記仕切壁の下面が前記シートによって摺動可能に支持されていることを特徴とする請求項3に記載のセダン型車両の後部車体構造。
【請求項5】
前記シートの他端が、巻取り方向にばね付勢されたシート収納部に収納され、このシート収納部が前記トランクルームの前方に固定設置されていることを特徴とする請求項3または4に記載のセダン型車両の後部車体構造。
【請求項6】
前記仕切壁が平行リンクを介して上下移動可能に車体に連結されていることを特徴とする請求項1〜5に記載のセダン型車両の後部車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−155844(P2008−155844A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−349238(P2006−349238)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】