説明

セラミックスチップコンデンサシートの分割方法

【課題】シングルスピンドルの切削装置でも、容易にセラミックスチップコンデンサシートの分割が可能なセラミックスチップコンデンサシートの分割方法を提供する。
【解決手段】最上位にセラミックス層を積層して構成したセラミックスチップコンデンサシート11の分割方法であって、切削ブレードでアライメントマーク領域19を複数回切削して該切削ブレードの厚み以上の幅を有する切削溝23a〜23fを形成し、該切削溝の底部に該アライメントマーク19aを表出させるアライメントマーク表出ステップと、該アライメントマーク表出ステップで表出された該アライメントマークに基づいて分割位置を検出するアライメントステップと、該アライメントステップで検出された該分割位置を該切削ブレードで切削して、セラミックスチップコンデンサシートを個々のチップコンデンサに分割する分割ステップと、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックスチップコンデンサシートを個々のチップコンデンサに分割するセラミックスチップコンデンサシートの分割方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミックスチップコンデンサシートは、セラミックス層と、セラミックス層の表面に形成され格子状に区画された複数個の電極を有する電極領域と該電極領域を囲繞し電極の位置を示すアライメントマークを有するアライメントマーク領域とを備えた電極層、とを交互に複数層(例えば200層程度)積層し、最上位にセラミックス層を積層して構成されている。
【0003】
このように構成されたセラミックスチップコンデンサシートは、最上位にセラミックス層が形成されているため、表面から電極の位置を確認することができないので、個々のチップコンデンサに分割するに際しては、何らかの方法で電極の位置を確認する必要がある。
【0004】
そこで、従来セラミックスチップコンデンサシートを分割する際には、先端がV形状に形成された所謂Vブレードでアライメントマーク領域を切削してV溝を形成し、V溝の側面に表出したアライメントマークを基に分割位置を検出していた(例えば、特開2004−39906号公報参照)。
【0005】
分割位置検出後、先端がV形状でない通常の切削ブレードで検出した分割位置を切削して、セラミックスチップコンデンサシートを個々のチップコンデンサに分割していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−39906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、引用文献1に開示された方法では、Vブレードと通常のブレードとの二種類の切削ブレードが必要であり、アライメントマークを表出させた後、Vブレードから通常のブレードに交換する必要があるため、非常に手間がかかるという問題がある。代替案として、スピンドルを二つ備えた高価なデュアルダイサーを使用することも考えられるが、生産コストがかかるという問題がある。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スピンドルを一つ備えた通常の切削装置でも、容易にセラミックスチップコンデンサシートの分割が可能なセラミックスチップコンデンサシートの分割方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、セラミックス層と、該セラミックス層の表面に形成され格子状に区画された複数個の電極を有する電極領域と該電極領域を囲繞し該電極の位置を示すアライメントマークを有するアライメントマーク領域とを備えた電極層とを交互に複数層積層し、最上位にセラミックス層を積層して構成したセラミックスチップコンデンサシートを格子状に区画された個々のチップコンデンサに分割するセラミックスチップコンデンサシートの分割方法であって、切削ブレードで該アライメントマーク領域を複数回切削して該切削ブレードの厚み以上の幅を有する切削溝を形成し、該切削溝の底部に該アライメントマークを表出させるアライメントマーク表出ステップと、該アライメントマーク表出ステップで表出された該アライメントマークに基づいて分割位置を検出するアライメントステップと、該アライメントステップで検出された該分割位置を該切削ブレードで切削して、セラミックスチップコンデンサシートを個々のチップコンデンサに分割する分割ステップと、を具備したことを特徴とするセラミックスチップコンデンサシートの分割方法が提供される。
【0010】
好ましくは、前記アライメントマーク表出ステップは、前記アライメントマーク領域を前記切削ブレードで切削して第1切削溝を形成する第1切削ステップと、該第1切削ステップを実施した後、該第1切削溝から所定距離離れた位置を該切削ブレードで切削して該第1切削溝と平行な第2切削溝を形成するとともに、該第1切削溝と該第2切削溝との間に残存領域を形成する第2切削ステップと、該第2切削ステップを実施した後、該切削ブレードで該残存領域を切削して除去する第3切削ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、セラミックスチップコンデンサシートを個々のチップコンデンサへ分割する際に使用する切削ブレードで、アライメントマーク領域を複数回切削して切削ブレードの厚みより広い幅を有する切削溝を形成することで、切削溝の底部にアライメントマークを表出させ、アライメントを可能にした。
【0012】
従って、一本のスピンドルを有する通常の切削装置でも容易にセラミックスチップコンデンサシートの分割が可能となる。
【0013】
請求項2記載の発明によると、アライメントマーク表出ステップで第1切削溝と第2切削溝の間に残存領域が残るようにしたので、切削ブレードの蛇行を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の分割方法を実施するのに適した切削装置の斜視図である。
【図2】セラミックスチップコンデンサシートの一部破断斜視図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】アライメントマーク表出ステップを説明する平面図である。
【図5】第1実施形態のアライメントマーク表出ステップを説明する断面図である。
【図6】第2実施形態のアライメントマーク表出ステップを説明する断面図である。
【図7】第3実施形態のアライメントマーク表出ステップを説明する断面図である。
【図8】アライメントステップを説明する平面図である。
【図9】分割ステップを説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、セラミックスチップコンデンサシートを切削して個々のチップコンデンサに分割することのできる切削装置2の外観を示している。
【0016】
切削装置2の前面側には、オペレータが加工条件等の装置に対する指示を入力するための操作パネル4が設けられている。装置上部には、オペレータに対する案内画面や後述する撮像手段によって撮像された画像が表示されるCRT等の表示手段6が設けられている。
【0017】
図2に示すように、本発明のダイシング対象(切削対象)となるセラミックスチップコンデンサシート11は、ガラス板からなる矩形状のキャリア基板40の表面に分離層となるテープ42を介して搭載されている。
【0018】
キャリア基板40上に搭載されたセラミックスチップコンデンサシート11はカセット8中に複数枚収容される。カセット8は上下動可能なカセットエレベータ9上に載置される。
【0019】
カセット8の後方にはカセット8から切削前のセラミックスチップコンデンサシート11を搬出するとともに、切削後のセラミックスチップコンデンサシート11をカセット8に搬入する搬出入手段10が配設されている。
【0020】
カセット8と搬出入手段10との間には、搬出入対象のセラミックスチップコンデンサシート11が一時的に載置される領域である仮置き領域12が設けられており、仮置き領域12には、キャリア基板40上に搭載されたセラミックスチップコンデンサシート11を一定の位置に位置合わせする位置合わせ手段14が配設されている。
【0021】
仮置き領域12の近傍には、キャリア基板40上に搭載されたセラミックスチップコンデンサシート11を吸着して搬送する旋回アームを有する搬送手段16が配設されており、仮置き領域12に搬出されたセラミックスチップコンデンサシート11は、搬送手段16により吸着されてチャックテーブル18上に搬送される。
【0022】
チャックテーブル18は、支持台20と、支持台20上に装着された矩形状の吸着チャック22と、吸着チャック22の二辺に沿って配設された三本の位置決めピン24を具備しており、吸着チャック22の表面である保持面上にキャリア基板40上に搭載されたセラミックスチップコンデンサシート11が載置される。
【0023】
このとき、キャリア基板40の二辺を三本の位置決めピン24に当接することによってキャリア基板40が位置決めされ、図示しない吸引手段を作用させることによりセラミックスチップコンデンサシート11がキャリア基板40を介してチャックテーブル18の吸着チャック22により吸引保持される。
【0024】
チャックテーブル18は、回転可能且つX軸方向に往復動可能に構成されており、チャックテーブル18のX軸方向の移動経路の上方には、セラミックスチップコンデンサシート11の切削すべき位置を検出するアライメント手段26が配設されている。
【0025】
アライメント手段26は、セラミックスチップコンデンサシート11の表面を撮像する撮像カメラ及び顕微鏡を有する撮像手段28を備えており、撮像により取得した画像に基づき、パターンマッチング等の画像処理によって切削すべき位置を検出することができる。撮像手段28によって取得された画像は、表示手段6に表示される。
【0026】
アライメント手段26の左側には、チャックテーブル18に保持されたセラミックスチップコンデンサシート18に対して切削加工を施す切削手段30が配設されている。切削手段30はアライメント手段26と一体的に構成されており、両者が連動してY軸方向及びZ軸方向に移動する。
【0027】
切削手段30は、回転可能なスピンドル32の先端に切削ブレード34が装着されて構成され、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。切削ブレード34は撮像手段28のX軸方向の延長線上に位置している。
【0028】
切削加工の終了したセラミックスチップコンデンサシート11は、搬送手段36によってスピンナ洗浄ユニット38に搬送され、スピンナ洗浄ユニット38でスピン洗浄された後、スピン乾燥される。
【0029】
図2に示すように、セラミックスチップコンデンサシート11は分離層となるテープ42を介してガラス製のキャリア基板40上に搭載されている。図2のA−A線断面である図3に示すように、キャリア基板40の表面に貼着されたテープ42上に生セラミックスが塗布され厚さ5μm程度の生セラミックス層13を形成し、この生セラミックス層13の表面に例えばパラジウム等の電極金属をスクリーン印刷して厚さ1μm程度の電極層15を形成する。
【0030】
この電極層15は、図2の破断部分に示すように、格子状に区画された複数個の電極17aを有する電極領域17と、電極領域17を囲繞し電極17aの位置を示すアライメントマーク19aを有する4個のアライメントマーク領域19とを備えている。
【0031】
このように形成された生セラミックス層13と電極層15を交互に200層程度積層し、最上位層に生セラミックス層13が形成されてセラミックスチップコンデンサシート11が構成されている。
【0032】
このように構成されたセラミックスチップコンデンサシート11を個々のチップコンデンサに分割するに際しては、電極17aの位置を検出する必要があるが、最上位層にセラミックス層13が形成されているため表面から電極17aの位置を確認することができない。
【0033】
そこで、本発明のセラミックスチップコンデンサシート11の分割方法では、切削ブレード34でアライメントマーク領域19を複数回切削して切削ブレード34の厚み以上の幅を有する切削溝を形成し、切削溝の底部にアライメントマーク19aを表出するアライメントマーク表出ステップを実施する。
【0034】
切削ブレード34を用いて切削溝を形成するに際しては、最上位層のセラミックス層13の表面に、電極層15のアライメントマーク領域19の両端部に対応する位置に2個のアライメントマーク21が形成されており、この2個のアライメントマーク21を検出して両者を結ぶ直線上を切削ブレード34で切削する。
【0035】
最上位層のセラミックス層13にアライメントマーク21を設けるのは本発明の分割方法では必須ではなく、最上位層のセラミックス層13にアライメントマーク21が形成されていなくてもよい。この場合には、セラミックスチップコンデンサシート11の設計値に基づいて、切削ブレード34でアライメントマーク領域19を切削する。
【0036】
以下、切削装置2による本発明実施形態のセラミックスチップコンデンサシート11の分割方法について説明する。まず、キャリア基板40上に搭載されたセラミックスチップコンデンサシート11を複数枚収容したカセット8がカセットエレベータ9上に搭載される。次いで、カセットエレベータ9の上下動により搬出すべきセラミックスチップコンデンサシート11が搬出位置に位置付けられる。
【0037】
次いで、搬出入手段10によりカセット8内からセラミックスチップコンデンサシート11を搬出して仮置き領域12に載置する。仮置き領域12でキャリア基板40の位置合わせをした後、搬送手段16の旋回動作によってチャックテーブル18の吸着チャック22上にキャリア基板40上に搭載されたセラミックスチップコンデンサシート11を載置し、キャリア基板40の二辺を三本の位置決めピン24に当接することによってキャリア基板40を位置決めし、吸着チャック22によりキャリア基板40を吸引保持する。
【0038】
キャリア基板40を介してセラミックスチップコンデンサシート11を吸引保持したチャックテーブル18は、X軸方向に移動されて撮像手段28の直下に位置付けられる。チャックテーブル18が撮像手段28の直下に位置付けられたならば、撮像手段28により一つのアライメントマーク領域19に対応するセラミックスチップコンデンサシート11の表面を撮像し、該アライメントマーク領域に対応する2個のアライメントマーク21を検出し、それぞれの座標値を切削装置2のコントローラ2のメモリに格納する。
【0039】
次いで、検出した該2個のアライメントマーク21を結んだ直線がX軸方向に一致するようにチャックテーブル18を回転してから、切削ブレード34の延長線上に2個のアライメントマーク21を結んだ直線が一致するように切削ブレード34をY軸方向に移動する。
【0040】
次いで、切削ブレード34を回転させつつ、セラミックスチップコンデンサシート11を吸引保持したチャックテーブル18をX軸方向に切削送りすることにより、図4の拡大図に示すように、アライメントマーク領域19に第1切削溝23aを形成する。
【0041】
次いで、図4及び図5に示すように、切削ブレード34で形成される切削溝が一部重なるように第2切削溝23b、第3切削溝23c、第4切削溝23d、第5切削溝23e、第6切削溝23fを形成し、これらの切削溝23a〜23fの全体で切削ブレード34の厚み以上の幅を有するアライメントマーク表出溝23を形成する。
【0042】
このように十分な幅を有するアライメントマーク表出溝23を形成することにより、アライメントマーク表出溝23の底部にアライメントマーク19aが表出される。
【0043】
このアライメントマーク表出ステップを電極領域17を囲繞して形成された4個のアライメントマーク領域19に実施することにより、各アライメントマーク表出溝23にアライメントマーク19aが表出する。
【0044】
図6を参照すると、本発明第2実施形態のアライメントマーク表出ステップを説明する断面図が示されている。本実施形態のアライメントマーク表出ステップでは、まず図6(A)に示すように、各溝間に残存部25を設けて切削ブレード34でアライメントマーク領域19を切削して、全体でアライメントマーク表出溝幅23A´となる切削溝(1)〜(3)を形成する。
【0045】
次いで、図6(B)に示すように、切削ブレード34で残存部25を切削して切削溝(4)及び(5)を形成し、全体でアライメントマーク表出溝23Aとする。この第2実施形態のアライメントマーク表出ステップによると、切削ブレード34の倒れを防止することができ、形成される切削溝の蛇行を防止することができる。
【0046】
図7を参照すると、本発明第3実施形態のアライメントマーク表出ステップを説明する断面図が示されている。本実施形態のアライメントマーク表出ステップでは、まず図7(A)に示すように、残存部を残さないように切削ブレード34でアライメントマーク領域19を切削して切削溝(1)〜(3)を連続して形成する。図3(A)で23B´はアライメントマーク表出溝幅である。
【0047】
次いで、図7(B)に示すように、切削溝(1)と切削溝(2)の間に切削溝(4)を形成し、切削溝(2)と切削溝(3)の間に切削溝(5)を形成し、切削溝(3)に部分的に重なるように切削溝(6)を形成して、全体でアライメントマーク表出溝23Bとする。
【0048】
切削ブレード34は切削するにつれて先端にR形状が形成されるが、本実施形態のように切削することで、切削ブレード34の蛇行を防止できるとともに、アライメントマーク表出溝23Bの底面をより平坦にすることができる。
【0049】
アライメントマーク表出ステップを実施した後、本発明の分割方法では、アライメントマーク表出ステップで表出されたアライメントマーク19aに基づいて分割位置を検出するアライメントステップを実施する。
【0050】
このアライメントステップでは、チャックテーブル28を撮像手段28の直下に位置付ける。そして、上述したアライメントマーク表出ステップによってアライメントマーク表出溝23に表示されたアライメントマーク19aに基づいて、切削領域を設定するアライメントステップを実行する。
【0051】
即ち、撮像手段28で第1のアライメントマーク領域19を撮像して第1のアライメントマーク領域19の全てのアライメントマーク19aを検出してその座標値をメモリに格納する。
【0052】
次いで、第1のアライメントマーク領域19に対向する第2のアライメントマーク領域19を撮像手段28で撮像して第2のアライメントマーク領域19の全てのアライメントマーク19aを検出し、その座標値をメモリに格納する。
【0053】
本実施形態のセラミックスチップコンデンサシート11では、隣接するアライメントマーク19aと19aの間を切削するため、第1のアライメントマーク領域19のアライメントマーク19aと、対向する第2のアライメントマーク領域19のアライメントマーク19aを検出したならば、第1番目(左端)のアライメントマーク19aを結ぶ直線を引き、この直線が切削ブレード34のX軸方向の延長線に一致するようにアライメントした後、隣接するアライメントマーク19aの間隔の1/2の位置を分割位置27に設定し、この分割位置27をメモリに格納する。
【0054】
第2番目のアライメントマーク19aについても同様な操作を実行して、分割位置27を検出し、この分割位置27をメモリに格納する。この操作を第1のアライメントマーク領域19と対向する第2のアライメントマーク領域19の全てのアライメントマーク19aについて実行して、第1の方向に伸長する分割位置27を設定する。
【0055】
次いで、チャックテーブル18を90度回転して、第3のアライメントマーク領域19と対向する第4のアライメントマーク領域19の全てのアライメントマーク19aについても同様な操作を実行して、第1の方向に伸長する分割位置27に直交する第2の方向に伸長する分割位置27を設定する。アライメントステップ終了後のセラミックスチップコンデンサシート11の平面図が図8に示されている。
【0056】
アライメントステップ終了後、アライメントステップで検出された第1の方向に伸長する全ての分割位置27を切削ブレード34で切削して第1の方向に伸長する分割溝29を形成する。
【0057】
次いで、チャックテーブル18を90度回転してから、第2の方向に伸長する全ての分割位置27を切削ブレード34で切削して第2の方向に伸長する分割溝29を形成することにより、図9に示すように、セラミックスチップコンデンサシート11を個々のチップコンデンサへと分割する。
【0058】
上述した本発明実施形態の分割方法では、個々のチップコンデンサへの分割を行う切削ブレード34でアライメントマーク領域19を複数回切削して、切削ブレード34の厚みより広い幅を有するアライメントマーク表出溝23,23A,23Bを形成するようにしたので、アライメントマーク表出溝23,23A,23Bの底部にアライメントマーク19aを確実に表出させることができ、これらのアライメントマーク19aに基づいてアライメントを行うことができる。従って、図1に示したようなシングルスピンドルの切削装置2でも、容易にセラミックスチップコンデンサシート11の分割が可能となる。
【符号の説明】
【0059】
2 切削装置
11 セラミックスチップコンデンサシート
13 セラミックス層
15 電極層
17 電極領域
17a 電極
18 チャックテーブル
19 アライメントマーク領域
19a アライメントマーク
23,23A,23B アライメントマーク表出溝
23a〜23f 切削溝
25 残存部
27 分割位置
28 撮像手段
29 分割溝
34 切削ブレード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックス層と、該セラミックス層の表面に形成され格子状に区画された複数個の電極を有する電極領域と該電極領域を囲繞し該電極の位置を示すアライメントマークを有するアライメントマーク領域とを備えた電極層とを交互に複数層積層し、最上位にセラミックス層を積層して構成したセラミックスチップコンデンサシートを格子状に区画された個々のチップコンデンサに分割するセラミックスチップコンデンサシートの分割方法であって、
切削ブレードで該アライメントマーク領域を複数回切削して該切削ブレードの厚み以上の幅を有する切削溝を形成し、該切削溝の底部に該アライメントマークを表出させるアライメントマーク表出ステップと、
該アライメントマーク表出ステップで表出された該アライメントマークに基づいて分割位置を検出するアライメントステップと、
該アライメントステップで検出された該分割位置を該切削ブレードで切削して、セラミックスチップコンデンサシートを個々のチップコンデンサに分割する分割ステップと、
を具備したことを特徴とするセラミックスチップコンデンサシートの分割方法。
【請求項2】
前記アライメントマーク表出ステップは、
前記アライメントマーク領域を前記切削ブレードで切削して第1切削溝を形成する第1切削ステップと、
該第1切削ステップを実施した後、該第1切削溝から所定距離離れた位置を該切削ブレードで切削して該第1切削溝と平行な第2切削溝を形成するとともに、該第1切削溝と該第2切削溝との間に残存領域を形成する第2切削ステップと、
該第2切削ステップを実施した後、該切削ブレードで該残存領域を切削して除去する第3切削ステップと、
を含む請求項1記載のセラミックスチップコンデンサシートの分割方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−244057(P2012−244057A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114915(P2011−114915)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】