説明

セラミックス部材及びその製造方法

【課題】熱サイクル下においてもウエハ設置面の形状が変化することがないセラミックス部材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックス部材10は、セラミックス焼結体からなる基体11と、基体11の内部に埋設され、タングステン、モリブデン又はこれらを主成分とする合金からなる電極12と、電極12と電気的に接続され、基体11の内部に埋設され、タングステン、モリブデン又はこれらを主成分とする合金からなる金属塊13と、金属塊13とビーム溶接によって接合され、ニッケル、チタン、銅又はこれらを主成分とする合金からなる給電端子14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電チャックやサセプタなどのセラミックス部材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法)、スパッタ、エッチング用の半導体製造装置には、静電チャックやサセプタなど、内部に電極が埋設されたセラミックス部材が用いられている。電極は、窒化アルミニウムやアルミナなどのセラミックス焼結体からなる基体と一体的にホットプレス焼成されるため、タングステン、モリブンデン又はこれらを主成分とする合金からなる高融点金属からなることが好ましい。
【0003】
セラミックス部材には、電極に給電するために給電端子を設ける必要があり、セラミックス焼結体に穴開け加工して電極を露出させ、この穴に給電端子を配置して、給電端子を電極に電気的に接続させている。デポジッション用ガス、エッチング用ガス、クリーニング用ガスとして塩素系やフッ素系の腐食性ガスが使用される半導体製造装置に用いられるセラミックス部材では、給電端子の材質としてニッケル、チタン又はこれらを主成分とする高耐食性金属からなることが好ましい。なお、給電端子と給電ラインとの接続によって発生する応力を緩和するために、給電端子が銅又は銅を主成分とする合金からなるものとしてもよい。
【0004】
電極はスクリーン印刷等で形成され薄厚であるので、電極に電気的に接続された状態で基体に金属塊を埋設し、この金属塊と給電端子とを電気的に接続することにより、電極と給電端子との電気的な接続を行うことがある。金属塊も基体と一体的にホットプレス焼成されるので、タングステン、モリブンデンなどの高融点金属からなることが好ましい。
【0005】
金属塊と給電端子の接続はネジ構造による機械的な固定やろう付けが一般的である。静電チャックやサセプタは高温環境下で使用されることが多く、ネジ構造による機械的な固定では静電チャックやサセプタが熱サイクル下において、緩みが生じ、導通不良が発生する。そのため、熱サイクルを経ても導通不良が生じ難いろう付けによる接続が多く用いられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−189696号公報
【特許文献2】特開2004−273736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、タングステン、モリブデン又はこれらの合金からなる金属塊と、ニッケル、チタン、銅又はこれらを主成分とする合金からなる給電端子とをろう付けで接合した場合、凝固直後から常温に至るまでの収縮差により、その接合部に大きな残留応力が発生する。そのため、静電チャックやサセプタが熱サイクル下において、ウエハ設置面の形状が変化するという問題があった。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑み、熱サイクル下においてもウエハ設置面の形状が変化することがないセラミックス部材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のセラミックス部材は、セラミックス焼結体からなる基体と、該基体の内部に埋設され、タングステン、モリブデン又はこれらを主成分とする合金からなる電極と、該電極と電気的に接続され、前記基体の内部に埋設され、タングステン、モリブデン又はこれらを主成分とする合金からなる金属塊と、該金属塊とビーム溶接によって接合され、ニッケル、チタン、銅又はこれらを主成分とする合金からなる給電端子とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明のセラミックス部材によれば、金属塊と給電端子とがビーム溶接によって接合されるので、金属塊と給電端子とがなす隅部のみの局所加熱により接合することが可能である。そのため、従来のように、金属塊と給電端子との接合面間を面的に接合するろう付けの場合と比べて、発生する残留応力が大幅に減少するので、セラミックス部材を静電チャックやサセプタを用いた場合、温度サイクルを経てもウエハ設置面の形状が変化し難い。
【0011】
また、本発明のセラミックス部材において、前記金属塊を露出させ、前記給電端子が配置される端子穴が前記基体に穿設されており、該端子穴は10度乃至35度のテーパー角度で開口に向って広がることが好ましい。
【0012】
この場合、金属塊の深さ方向の溶け込み深さと給電端子の外周部の溶け込み深さとが良いバランスとなり、大きな接続強度を得ることができると共に、セラミックス部材の強度低下を抑えることができる。
【0013】
また、本発明のセラミックス部材において、前記金属塊との接合部全周に亘って、前記給電端子と前記端子穴の内側面との隙間が0.2mm乃至1mmであることが好ましい。
【0014】
この場合、溶接により溶けた給電端子が広がることによって隙間を覆うことができ、耐食性が低い金属塊が露出することを防止できると共に溶接時の作業性が良好となる。
【0015】
また、本発明のセラミックス部材において、前記給電端子を前記金属塊にビーム溶接するとき、溶加材としてレニウムを用いることが好ましい。
【0016】
この場合、同じビーム出力で広く深く溶接することができ、溶接強度が向上する。
【0017】
本発明のセラミックス部材の製造方法は、タングステン、モリブデン又はこれらを主成分とする合金からなる電極、及び該電極と電気的に接続され、タングステン、モリブデン又はこれらを主成分とする合金からなる金属塊を内部に埋設したセラミックス焼結体からなる基体を形成する工程と、前記基体を穿設して、前記金属塊を露出させる端子穴を形成する工程と、ニッケル、チタン、銅又はこれらを主成分とする合金からなる給電端子を前記金属塊とビーム溶接によって接合する工程とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明のセラミックス部材の製造方法によれば、金属塊と給電端子とをビーム溶接によって接合するので、金属塊と給電端子とがなす隅部のみを局所加熱により接合することが可能である。そのため、従来のように、金属塊と給電端子との接合面を面的に接合するろう付けの場合と比べて、発生する残留応力が大幅に減少するので、セラミックス部材を静電チャックやサセプタを用いた場合、温度サイクルを経てもウエハ設置面の形状が変化し難い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係るセラミックス部材の製造方法を説明する概略縦断面図。
【図2】本発明の他の実施形態に係るセラミックス部材を説明する概略縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態に係るセラミックス部材10及びその製造方法について説明する。
【0021】
図1(c)に示すように、セラミックス部材10は、セラミックス焼結体からなる基体11と、基体11の内部に埋設された電極12と、電極12と電気的に接続された金属塊13と、金属塊13を介して電極12に給電するための給電端子14とからなる。
【0022】
セラミックス部材10は、半導体製造装置においてウエハを保持する静電チャックやサセプタとして使用され、その上面15がウエハ設置面となり、その下面16が外部の電源との接続側の面となる。
【0023】
基体11を構成するセラミックス焼結体の材質として、窒化アルミニウム、アルミナ、炭化ケイ素、窒化珪素などを用いることができる。なお、適宜、添加物を加えてもよい。
【0024】
電極12及び金属塊13の材質は、セラミックと一体焼成されることを考慮して、基材11の材質である窒化アルミニウム、アルミナなどと同程度の熱膨張性を有し、高融点金属であることが望ましい。具体的には、電極12及び金属塊13の材質として、モリブンデン(Mo)、タングステン(W)またはこれらを主成分とする合金を使用することが望ましい。
【0025】
なお、モリブデン、タングステンを主成分とする合金とは、一般的にモリブデンとタングステンとの合計含有率が50重量%以上のものを指すが、好ましくは70重量%以上のもの、より好ましくは80重量%以上のものである。また、電極12と金属塊13との材質は必ずしも一致させる必要はなく、電極12がモリブデン、金属塊13がタングステンのように異なる材質であってもよい。
【0026】
電極12の形状は、特に限定されず、板状、網状、格子状、穴あき面状、櫛歯状などの任意の形状であってもよい。電極12の厚さ、線径も特に限定されないが、セラミックス部材10の所望の性能が得られる範囲で小さいことが好ましく、例えば、0.025mmから0.5mmである。
【0027】
金属塊13の形状は、特に限定されないが、板状であることが望ましい。そして、金属塊13の上面視形状は、特に限定されないが、円状、三角形、四角形状などの多角形状であることが望ましい。なお、鋭角な凹部を有すると、焼成時にこの凹部を起点とした割れが発生しやすいので、星形状などの鋭角な凹部を有する形状は避けるほうが好ましい。
【0028】
電極12及び金属塊13が内部に埋設された基体11は、その製造方法は特に限定されないが、セラミック粉末中に電極12及び金属塊13を埋設してホットプレス焼成する方法で製造することが好ましい。この方法では、金属塊13を基体11内に容易に配置することが可能となる。
【0029】
なお、電極12及び金属塊13が内部に埋設された基体11を、セラミックスグリーンシートと内部電極パターン層とを積層圧着させてホットプレス焼成する方法によって製造してもよい。ただし、この方法では、金属塊13を基体11内に配置することが困難となる。
【0030】
電極12と金属塊14とは、予め焼結前に溶接やかしめなどで接合してもよいが、単に接触させて配置するだけでも焼結により接合される。また、電極12と金属塊13との間に同じ素材の粉末を挟んでもよく、この場合は焼成時に一体化される。
【0031】
次に、図1(b)に示すように、給電端子13を配置するための凹状の端子穴17をマシニングセンタなどを用いた任意の穴加工方法により、下面16から基体11を穿削して設ける。端子穴17は金属塊13の下側の面の一部が露出するまで穿設される。
【0032】
その後、図1(c)に示すように、給電端子14を金属塊13にビーム溶接によって接合する。
【0033】
給電端子14は、金属塊13を介して電極12に外部から給電するためのものであり、一端が金属塊13とビーム溶接により接合ざれ、他端が基体11から外部に飛び出している。
【0034】
給電端子14の形状は、特に限定されないが、金属塊13との溶接を考慮して、円柱状であることが最も好ましい。ただし、給電端子14の形状は、角柱状、多角柱状、楕円柱状などのほか、突起や凹部を有していてもよい。
【0035】
給電端子14は、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、銅(Cu)又はこれらを主成分とする合金からなる。なお、ニッケル、チタン、銅を主成分とする合金とは、一般的にニッケル、チタン、銅の合計含有率が50重量%以上のものを指すが、好ましくは70重量%以上のもの、より好ましくは80重量%以上のものである。
【0036】
給電端子14がニッケル、チタン又はこれらを主成分とする合金からなる場合、給電端子が耐食性に富み、好ましい。また、給電端子14が銅又は銅を主成分とする合金からなる場合、ニッケルやチタンからなる場合と比べて延性があるため、給電端子14と給電ラインとの接続に応力が発生する場合であっても、応力が緩和されやすいという利点がある。
【0037】
金属塊13と給電端子14との接合には、ビーム溶接を用いる。ビーム溶接として、例えば、レーザービーム溶接、電子ビーム溶接が挙げられる。ビーム溶接は、エネルギー密度が高いため、局所溶接が容易であり、少ない入熱量で接合が可能であるため、溶接熱の発生が少ないという利点がある。なお、レーザービーム溶接の場合、金属の酸化防止と同時に基材を冷却する効果があるので、アルゴン、窒素、ヘリウム等からなるシールドガスを用いることが好ましい。
【0038】
従来、金属塊13と給電端子14とはその接触面間で面状にろう付けされていた。そして、一般的にろう材としてAg系ろう、Au系ろうが用いられており、Ag系ろうであれば800℃以上、Au系ろうでは1000℃以上のろう付け温度となる。これらにより、ニッケル、銅、チタン又はこれらを主成分とする給電端子をろう付けすると、金属塊13と給電端子14との接合部に凝固直後から常温に至るまでの収縮差により大きな残留応力が発生した。
【0039】
そのため、ウエハ設置面(上面)15とろう付け部の距離が短い静電チャックやサセプタにおいては、温度サイクルを経ることでウエハ設置面の形状が変化しやすいという問題があった。ウエハ設置面15の平面度が特に給電端子14の周辺で局所的に変化し、最悪の場合にはクラックが発生するおそれがある。
【0040】
これに対し、ビーム溶接は、給電端子14の端部外周(隅部)のみの接合であり、接合部のみの局所加熱であることに加え、前述のシールドガスで冷却されるため、ろう付けと比較して発生する残留応力が非常に少ない。よって、セラミックス部材10を静電チャックやサセプタを用いた場合、温度サイクルを経てもウエハ設置面15の形状が変化し難いという利点がある。
【0041】
なお、スクリーン印刷により形成された数十μm程度の薄い電極12に給電端子14を溶接した場合、電極12が薄過ぎるため電極12の剥離や割れが発生するおそれが高い。そこで、金属塊13と給電端子14とを溶接することにより、溶接時に発生する僅かな応力が金属塊13によって緩和されるため、給電端子14を電極12に溶接する場合に比べて、電極12の剥離や割れが発生するおそれを解消できる。
【0042】
溶接には溶加材を用いることが好ましい。溶加材を用いることにより、金属塊13と給電端子14のみを溶接する場合よりも、同じビーム出力で広く深く溶接することができ、溶接強度が向上する。溶加材は、モリブデンやタングステンとの液相線が低い金属が好ましく、例えばレニウム(Re)を用いることができる。
【0043】
端子孔17の形状としては、ろう付けの場合は、図2に示すように、ストレート状(テーパーなし)とすることが一般的である。しかし、ビーム溶接によって金属塊13と給電端子14とを接合するには、ビームの入射角を確保するため、給電端子14の全周に亘って、端子孔17の内側面との間に一定距離以上の隙間(クリアランス)aが必要になる。ただし、必ずしも給電端子14の全周に亘ってビーム溶接する必要はなく、金属塊13と給電端子14とを断続的にビーム溶接してもよい。
【0044】
そして、セラミックス部材10に耐食性が必要となる場合、モリブデン、タングステン又はこれらの合金からなる金属塊13は耐食性に劣るため、金属塊13の露出は極力抑えることが好ましい。そのため、図2に示すストレート状の端子穴22よりも 図1(c)に示すように、底部から開口に向ってテーパー状に広がるテーパー状の端子穴17であることが望ましい。
【0045】
ビームの入射角が0度(金属塊13の露出面にビームが直交して入射する場合)に近くなるほど、金属塊13の深さ方向にエネルギーが入り溶け込みが深くなるが、給電端子14の外周部に入るエネルギーが小さくなる。一方、ビームの入射角が小さくなるほど(金属塊13の露出面に対するビームの入射が水平に傾斜するほど)、給電端子14の外周部から内奥方向にエネルギーが入り溶け込みが深くなるが、金属塊13の深さ方向に入るエネルギーが小さくなる。従って、ビームの入射角が所定範囲の角度のとき、金属塊13の深さ方向の溶け込み深さと、給電端子14の外周部の溶け込み深さとが良いバランスとなり、接続強度が大きくなると考えられる。
【0046】
そこで、実験した結果、ビームの入射角を10度から35度の角度とした場合に、最も接合強度が大きくなることが分かった。これは、給電端子13の材質と比較して金属塊13の材質は高融点であるので、金属塊13に多くのエネルギーを入り込ませて溶解させる必要があるためであると考えられる。
【0047】
実際には隙間aが存在するため、端子穴17のテーパー角度θとビームの入射角とは異なる。しかし、実際の作業性を考慮すると、端子穴17の端部をかすめるようなビームの入射はできないので、端子穴17のテーパー角度θはビームの入射角より大きいと考えてよい。そして、端子穴17のテーパー角度θが大きいほど、セラミックス部材10は強度が低下し、変形しやすくなる。よって、端子孔17のテーパー角度θは10度乃至35度であることが好ましい。
【0048】
さらに、端子穴17が大きいほど、セラミックス部材10は強度が低下し、変形しやすくなる。よって、セラミックス部材10の強度の観点からは、隙間aは小さいほうが好ましい。また、溶接によって給電端子14が溶けて広がるため、隙間aが1mm程度であれば耐食性が低い金属塊13の露出面を耐食性の優れたニッケル、チタン又はこれらの合金で覆うことができる。なお、溶加材としてレニウム(Re)を用いると、より広がりやすくなる。
【0049】
しかし、隙間aは0.2mm以上設ける必要がある。隙間aが0.2mm未満であると、溶接時に金属塊の露出面が少な過ぎるため、良好な溶接を行うことができない。
【実施例】
【0050】
窒化アルミニウム粉末97重量%、イットリア粉末3重量%の混合粉末を一軸加圧してφ100×10mmの成形体を作製した。この成形体の面上に、φ15×0.5mmのタングステン塊(金属塊13)を中心に固定したφ90×0.1mmのタングステン箔(電極12)を配置して、カーボン製の成形型に設置した。そこに前記と同様の混合粉末を充填して、1900℃でホットプレス焼成した。
【0051】
そして、得られた焼成体の上下面を研削し、ウエハ設置面15と電極12との距離が1.5mmとなるようにした。端子穴17を、金属塊13が露出するように穿設した。このとき、金属塊13の露出部分はφ5.4mm、テーパー角度θは30度であった。ウエハ設置面15の平面度が1μm以下となるようにラップ加工を施した。給電端子14はニッケル製で長さは10mm、径はφ5mmとした。
【0052】
これを表1に示すように、ビーム溶接(実施例)と、Ag−Cuろう(ろう付け温度800℃:比較例1)、Au−Niろう(ろう付け温度1000℃:比較例2)で給電端子14と金属塊13を接合した。その後、室温から500℃までの昇降温を50サイクル繰り返した。この熱サイクル前後のウエハ設置面15の平面度をレーザ干渉計によって測定し、その変化を求めた。
【0053】
その結果、表1に示すように、実施例の平面度の変化は1μm未満であったが、比較例1では4μm、比較例2では7μmと大きく変化した。なお、比較例2は比較例1よりろう付け時の温度が高かったため、より大きな残留応力が発生して、平面度の変化が大きくなったと推察される。
【0054】
【表1】

【符号の説明】
【0055】
10…セラミックス部材、 11…基体、 12…電極、 13…金属塊、 14…給電端子、 15…上面、セラミック設置面、 17…端子穴、 a…隙間、 θ…テーパー角度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックス焼結体からなる基体と、
該基体の内部に埋設され、タングステン、モリブデン又はこれらを主成分とする合金からなる電極と、
該電極と電気的に接続され、前記基体の内部に埋設され、タングステン、モリブデン又はこれらを主成分とする合金からなる金属塊と、
該金属塊とビーム溶接によって接合され、ニッケル、チタン、銅又はこれらを主成分とする合金からなる給電端子とを備えることを特徴とするセラミックス部材。
【請求項2】
前記金属塊を露出させ、前記給電端子が配置される端子穴が前記基体に穿設されており、該端子穴は10度乃至35度のテーパー角度で開口に向って広がることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス部材。
【請求項3】
前記金属塊との接合部全周に亘って前記給電端子と前記端子穴の内側面との隙間が0.2mm乃至1mmであることを特徴とする請求項2に記載のセラミックス部材。
【請求項4】
前記給電端子を前記金属塊にビーム溶接するとき、溶加材としてレニウムを用いることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のセラミックス部材の製造方法。
【請求項5】
タングステン、モリブデン又はこれらを主成分とする合金からなる電極、及び該電極と電気的に接続され、タングステン、モリブデン又はこれらを主成分とする合金からなる金属塊を内部に埋設したセラミックス焼結体からなる基体を形成する工程と、
前記基体を穿設して、前記金属塊を露出させる端子穴を形成する工程と、
ニッケル、チタン、銅又はこれらを主成分とする合金からなる給電端子を前記金属塊とビーム溶接によって接合する工程とを備えることを特徴とするセラミックス部材の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−49185(P2012−49185A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187289(P2010−187289)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【出願人】(391005824)株式会社日本セラテック (200)
【Fターム(参考)】