説明

セラミックブラシシール

本発明は複数のセラミックブリストル及び複数のセラミックブリストルを保持する支持部材を備えるセラミックブラシールを提供する。複数のセラミックブリストルは一方端から他方端まで延在する。複数のブリストルは支持部材を覆って曲げられて、一方端から他方端が支持部材の一方の側にブラシ表面を、支持部材の他方の側に折りたたみ部を形成する。複数のセラミックブリストルは1500°Fを超える温度で動作するように選択されたセラミック材料で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2004年5月4日に出願の米国特許仮出願第60/567、905号の権益を主張する、2005年5月4日に出願の米国特許出願第11/121、872号の一部継続出願である。そのすべての内容は完全に本明細書に援用される。
【0002】
本発明は一般に高圧側領域と低圧側領域との間の隙間をシールする非金属ブラシシールに関し、さらに詳しくは、セラミックブリストルからなるブラシシールに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術では、ガスタービンエンジンに見られるように、隙間を密閉するためにブラシシールを使用することが知られている。たとえば、ガスタービンエンジンでは、エンジンの回転シャフト周りの機械収容部とロータとの間や、エンジン内の異なる流体圧力を有する2つの区域の間など、周辺の隙間における流体の漏出を最小にするために、ブラシシールがしばしば利用される。システム内は流体またはガスであり、システム内の流体圧力は吐出圧力(エンジン収容部領域の外側の圧力で、流体が漏出する方向)よりも高いので、システム内に異なる圧力が作られる。本明細書で使われるように、ブラシシールのシステム圧力側は高圧側と呼ばれ、ブラシシールの吐出圧力側は低圧側と呼ばれる。
【0004】
隙間を密閉するために、従来のブラシシールは、従来よりフレキシブルで複数のブリストルを含むブリストル束を有し、ブリストルはロータなど1つの構成部品と接触する自由端を有する。環状のブラシシールはガスタービンエンジン用に利用され、漏出を最小にしてエンジンの燃料効率を上げてきた。従来のブラシシールは金属繊維で構成され、典型的には、金属繊維は高温での動作に適したコバルトまたはニッケルベースの高温超合金ワイヤ製品である。ブリストル先端がロータ表面に密閉接触を行うところでブラシシールがシールと接触するため、この用途は、一般に、約1200フィート/秒より遅い表面速度で、1500°F以下(通常は約1200°F〜1300°F以下)の温度に限定される。
【0005】
高速な表面速度や高い温度では、ブリストル先端が溶融することによって、金属ブラシシールは過度の摩耗を被ることが分かっている。既存のガスタービンエンジンには、普通、ガス通路近傍には、表面速度及び温度条件が従来の金属ブラシシールの能力を超えるバランスピストンや他の2次流れ域のような領域が多くある。このような場所では、一般には大きな隙間のラビリンスシールで密閉されるが、カーボンシールや金属ブラシシールなどの接触シールに比べて使用中に高い漏出が観察される。回転インタシャフトシールは、たとえば先端の軍用機エンジンの正逆回転のシャフト用で、やはり一般的にラビリンス型のシールである。
【0006】
また、ベアリング空隙近くの密閉緩衝空気用には、通常、金属ブラシシールは使用されない。ベアリング潤滑油圧よりも高い緩衝空気を加圧することで、緩衝空気がベアリング潤滑を密閉するように使用される。金属ブラシシールは、金属破片がベアリング部品(ボール、ピン等)と軌道輪との間の境界面に入り込み、ベアリング及びロータの損傷や故障の原因となるので使用されない。やはり、現在これらの場所に使用されるシールは、一般的に漏出の大きいラビリンスシールである。下流の構成要素及び漏出の流路を通して合流する機室空気が混じり合うため、ベアリング油のシール用で漏出が大きいことは好ましくはない。適切なカーボンシールは、その脆い性質及び破損耐性が低いため、このような用途にはまだ開発されていない。
【0007】
大型航空機エンジンまたは地上用ターボ機械用の大口径主シャフトベアリング油シールは、やはり通常、油の混合に至る大きい隙間のあるラビリンスシールである。これらの用途には、大口径カーボンシールは高価であり、また金属ブラシシールは適切でない。
【0008】
非金属ブラシシールの製造が開発されてきたが、その扱いやそのような材料からブラシシールを製造することが困難であるため、金属ブリストルをポリマーまたはセラミック材料に置き換えて使用するには多くの設計変更を要する。典型的にはセラミックまたはポリマー繊維は非常に細く、平均で直径2〜3μmの範囲である。このように細い繊維は、従来、ブリストルストリップを製造することに適切とは考えられなかった。たとえば、細い繊維は柔らかすぎて、ブラシシールの内径を要求の公差まで機械で製造することは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、従来のラビリンス型のシールと比べて漏出を最小にする、金属ブラシシールよりも高温及び/または高速で動作する、製造の容易な接触シールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、非金属材料から構成される複数のブリストルを含み、ブリストルは実質的に長手方向(L)に沿って相互に撚られるか、または編み込まれる接触シールが提供される。ブリストルは、具体的にはセラミックまたはポリマー材料から構成されても良いし、種々の実施形態において、さらに具体的には、高温用途向けにデュポン製造のNOMEX(登録商標)、すなわちポリアミドポリマー、または3M(商標)製造のNextel(商標)440、すなわちアルミノホウケイ酸塩から構成される。具体的には、Nextel(商標)440繊維から構成されるブラシシールは、1800°Fまでの温度で溶融せずに脆くならず、エンジン構成部品を過度に研削することなく動作できる。
【発明の効果】
【0011】
従来のラビリンス型のシールと比べて漏出を最小にする、金属ブラシシールよりも高温及び/または高速で動作する、製造の容易な接触シールを提供することができる。
【0012】
図面は図示するためだけに提供され、また発明の範囲を定義する意図はないことは理解されよう。本発明は図示されている配置や道具に厳密には限定されないし、図面は必ずしも縮尺比で拡大、縮小されないし、本明細書で開示する原理を例示するために代わりに強調が施される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、従来技術のブラシシールを物理的に見た斜視図である。
【図2】図2は、フレキシブル前面板及び背面板を有するポリマーブラシシールの概略図である。
【図3】図3は、径方向の溝を有する、図2のフレキシブル前面板及び背面板の概略図である。
【図4】図4は、図1及び図2のブラシシール用のツイストNOMEX(登録商標)繊維の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
最初に図2を参照すると、ロッドまたはコア14の回りに保持された複数のセラミックまたはポリマーブリストル12を有する非金属ブラシシール10が図示されている。セラミックまたはポリマーブリストルは金属ブリストル13のようにブラシシールを溶接しては製造できないので、セラミックまたはポリマーブリストルは機械的に束ねられて固定される。ブリストルは図2に概略を示すようにコアの回りに折り返して巻き付けられる。本実施形態では、図1に示される従来の管またはUリングのようなクランプ管16を利用して、巻き付けられたブリストルを覆って管をクランプして、コアワイヤ14にブリストルをさらに固定しても良い。要望によっては、さらに安全のために、ブリストルが機械的に捕縛されている状態でロッドに接着剤またはセメントで固定されても良い。
【0015】
これらのセラミックまたはポリマーのブリストル12は、撚られるか、編み込まれて、直径で約0.02から0.05インチの細い繊条になる。ブラシシールは、下記に示すように、これらの編み込み繊条から作られる。セラミックブリストルはアルミ・オキサイド、シリコン・オキサイド、ボロン・オキサイドまたはNextel(商標)繊維、シリコンカーバイド繊維、またはセラミック/金属、またはセラミック/セラミック複合用に一般的に製造される他のセラミック繊維を含め、かつそれに限らずに、適当な高温セラミック繊条で作られても良い。ポリマーブリストルは、超強度用途のKEVLAR(登録商標)銘柄の繊条、高強度で中温度(〜300°C)用途のNOMEX(登録商標)を含め、かつ、それに限らずに、適当な高温セラミック材料で作られても良い。KEVLAR(登録商標)及びNOMEX(登録商標)は共にデュポン製造の合成芳香族ポリアミド重合体である。当業者に知られているように、その他のポリマー材料がブラシシール用に撚糸または編み込み繊条に利用されても良い。
【0016】
通常、NOMEX(登録商標)繊維は耐熱性及び耐炎性が肝心な場所に適用されるために強化繊維に作られているので、本実施形態におけるブラシシール製造用に選ばれてきた。NOMEX(登録商標)はKEVLAR(登録商標)の高温対応型であり、高強度鋼と同等かそれ以上の強度がある。NOMEX(登録商標)の他の一般的な特質に、1)―196℃から300℃以上の広い温度範囲で使用できる、2)産業で使用されているオイル、樹脂、接着剤、冷却剤と広く相容性がある、3)酸、アルカリ及び溶剤に対し化学的な耐性がある、4)無害である、5)自己消火性である、6)燃焼を幇助しない、7)熱せられるか燃焼させられても滴下または溶融しない、ことがある。
【0017】
NOMEX(登録商標)は直径25μmから0.001インチの極細であって、かつ、低い弾性係数を有している。本実施形態において、図4に示すように、繊維が撚られてブラシストリップに作られる。ツイストNOMEX(登録商標)繊維は、単体の繊維よりも非常に細く、ツイスト繊維は直径約900μmから0.036インチの細さであって、従来の自動ブラシストリップ製造工程を使用してブラシストリップを製造するのに十分な剛性を有する。このことは、NOMEX(登録商標)ブラシストリップの製造コストを低減することに役立つのであり、後述するように、形成されるかロール巻きされてブラシシールインサートになる。
【0018】
現在の自動機械捕縛ブラシストリップ製造工程は、図1に示すようにブリストルが細軸に約90°傾斜しロータ表面には直角であるブラシストリップを生産するのに適している。典型的には、ブリストルは金属ブラシシール向けに回転方向でストリップ長手に約0°から45°傾くことで柔軟になって、ロータが偏倚している間、ブリストルがたわむことができる。ブリストルがストリップ長手方向またはロータ表面に直角であると、たわむよりも捻れる傾向があり、それによりブリストル先端での機械的な接触圧(Pmc)が増える。Pmcが増えるとブリストルの摩耗を早め、シールの寿命を縮める。
【0019】
本実施形態では、ロータが偏倚している間、ポリマー繊維がたわむことを容易にするため、繊維ストリップを軸の回りの流体の流れ方向、すなわち低圧側(Lp)に傾ける。一定の剛性を得るために、フレキシブル繊維束12は、図2に示すように、硬い方の前面板16b及び背面板18bに取り付けられた薄い方の前面板16a及び背面板18aの対の間に、軸回りに傾斜した位置に保持される。
【0020】
前面板及び背面板が薄く柔軟になると、ブラシシールの内径に近く配置されて、設置の際の損傷から繊条を保護でき、繊維束を一緒に保持するのに役立ち、さらに繊維束の広がりを最小に抑える。柔軟性のある板は、圧力及び遠心力から繊維束を保持することで、軸方向及び径方向へ相対変位することを抑制することに役立つ。前面板は細い金属ストリップから構成されても良く、システムが圧力を上げているとき、前面板がブリストル束に接触すると推定される。このように前面板は、過度なブリストル摩耗の原因となる回転表面のブリストル吹き付けを最小に抑える流れ偏向器として機能する。柔軟性のある背面板もまた金属シート材で構成されても良い。しかしながら、その厚さは前面板の厚さより厚い方が良い。薄い方の背面板は圧力下でブリストル束を保持するように設計されている。フレキシブル前面板及び背面板は共に、図2に示すように剛性のある前面板及び背面板を有するブラシシール収容部によって正しい位置に保持しても良い。
【0021】
また、フレキシブル前面板及び背面板は図3に示すように径方向の溝20によってセグメントに分けられても良く、これによってセグメントが曲がることができる。フレキシブル前面板及び背面板の径方向の、セグメントの設計を最適化すれば、種々の動作条件での差圧及び遠心力が原因であるポリマー繊維束の相対変位を抑制できる。たとえば、繊維束は差圧及び遠心力がロータの速度と共に増えるにつれて軸回り方向に湾曲する。繊維束を軸回り方向に湾曲するように制御することで、シール内径とロータ外径との間の径方向クリアランス、またはそれの干渉はエンジン運転周期を通して比較的一定に保たれる。
【0022】
フレキシブル板は好ましくはブリストルの長さの所定分だけ延在して、ブリストル先端領域22だけが露出するようにして、柔らかいポリマー繊維が設置及び誤操作の際に破損しないようにしても良い。ポリマーブラシシールは、ステータ収容部またはインターシャフト構成用に一端が回転シャフトに、他端が接触ロータ26に取り付けられて良い。繊維束がフレキシブル金属背面板のセグメントで保持されるので、回転シールの遠心力によるポリマー繊維の圧力は最小になる。金属セグメントは遠心力による最大の曲げ圧に耐えるように設計される。ツイスト繊維ストリップを軸回り方向で流体流れ方向に傾く円錐状の前面板と背面板との間に固定し、板が外径部において環状で剛性な部分及び内径部において柔軟な部分を有することで、繊維束の相対変位は抑制され、繊維束の圧力は最小になる。
【0023】
回転フレキシブル金属セグメント内に生じる最大曲げ圧値の概数は次の例で見積ることができる。次の例は実例の目的だけに提供され、本発明の範囲を限定するものではない。
【0024】
フレキシブル背面板が時効硬化インコネル718(密度=0.295lbm/in3、Y.S.=130、000psi)から作られると仮定し、フィンガーのセグメントの寸法は、
【数1】

【0025】
垂直プレーンを基準とするフィンガーの傾斜角が10°の場合、通常、各フィンガーの重心に作用する曲げ力(Fn)は、
【数2】

【0026】
(ここで、Fcfはフィンガーの長さ方向に沿って変化し、さらに正確な見積もりには積分が必要である)
したがって、各フィンガーの表面に発生する最大曲げ応力(σmax)は、
【数3】

【0027】
この値はインコネル718のY.Sの値の直ぐ下である。他の回転シールのリジッド構造はこの産出される圧力を下回る圧力を支持するように、容易に最適化できる。設計最適化のために、構造全体に対する詳細の有限要素法が施されても良い。
【0028】
他の形式における本発明のブラシシールでは、たとえば3M(商標)から得られるNextel(商標)440セラミック繊維などのセラミック材料からブリストルが形成される。Nextel(商標)440セラミック繊維は、重量で70%のAL23、28%のSiO2及び2%のB23で構成され、γ―AL23、ムライト、アモルファスSiO2の結晶相が含有される。得られる繊維の直径は約10μmから12μmなので、繊維を機械にかけるために十分な剛性を提供するように繊維を編み込んだり撚ったりすることが必要になる。Nextel(商標)440の溶融温度は約3200°Fなので、エンジンの最高温度部分においても、すぐれた高温化学安定性を有する。
【0029】
以前、ブラシシールの製造において、アルミノホウケイ酸塩及びアルミノケイ酸塩を使用することが他者に試みられてきたが、本発明に見られるような超高温で首尾良く動作するものはなかった。高温では、アルミノホウケイ酸塩及びアルミノケイ酸塩の合成物の多くは溶融するか、またはブラシシールへの応用には延性が低すぎることが分かってきている。
【0030】
たとえば、実験では、Nextel(商標)312繊維(62.5重量%のAL23、24.5重量%のSiO2及び13重量%のB23)は高温での使用中に溶融すると推定されること、Nextel(商標)550繊維(73重量%のAL23、27重量%のSiO2)は延性が低すぎて、使用中では動作しないことが分かった。Nextel(商標)312繊維及びNextel(商標)550繊維は、Nextel(商標)440繊維と同じ溶融点を有することが3M(商標)によって確認されている。さらに驚くことには、Nextel(商標)440繊維で構成されたブラシシールは最高温度のエンジンに応用されても安定した性能を発揮できる。
【0031】
本願のセラミックブラシシールにボロンを低量、含有させると、試験済みの他の繊維に比べ、1800°Fまでの温度、300psidまでの差圧、1500フィート/秒までの速度でシールが機能できる自己潤滑効果を有することが分かっている。セラミックブラシシールは、空気/オイル、オイル/オイル、または他の流体または気体との間にシールのある環境で動作する。試験の結果、セラミックブラシシールを使用することで、差圧0〜35psid、15、000rpmでの室温空気遮断、タービンオイル200°Fを使用して制御された隙間シール/ラビリンスシールよりもベアリング油溜めへの空気流れが60%から75%少ないことが明らかになった。さらには、標準の金属ブリストルは約350°Fから始まってオイルコークスを生成する一方、Nextel(商標)440繊維で構成されるブラシシールを使用すると動作中のオイルコークスの生成は見られず問題はなかった。
【0032】
いろいろな変形を本明細書で開示した実施形態へ応用して良いことは理解されよう。たとえば、繊維は撚るように図示されているが、本明細書で使用されるような「ツイスト」という表現は、編み込み構成や、繊維を意図的に重ねたり繊維の長手方向の少なくとも一部の回りで巻かれたりする任意の構成も含むものである。同様に、本明細書に記載されていない非金属材料がツイスト繊維に利用される。したがって、上記の記載は範囲として解釈されるべきものではなく、実施形態の好適な例示に過ぎない。当業者は発明の範囲、趣旨、意図の範囲で他の変形を想到する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセラミックブリストルと、前記複数のセラミックブリストルを支持する支持部材と、を有するセラミックブラシシールであって、
前記複数のブリストルが前記支持部材を覆うように曲げられて、前記複数のセラミックブリストルがそれらの一方端から他方端まで延在されることによって、前記支持部材の一方にブラシ面が設けられと共に、前記支持部材の他方に曲げ部が設けられ、かつ、
前記複数のセラミックブリストルが、1500°Fを超える温度で動作するように選択されたセラミック材料で構成されている
ことを特徴とするセラミックブラシシール。
【請求項2】
前記セラミック材料がAL23、SiO2及びB23で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミックブラシシール。
【請求項3】
前記セラミック材料には、γ―AL23、ムライト及びアモルファスSiO2で構成される複数の結晶相が含有されていることを特徴とする請求項2に記載のセラミックブラシシール。
【請求項4】
前記セラミック材料には約2重量パーセントのB23が含有されていることを特徴とする請求項2に記載のセラミックブラシシール。
【請求項5】
前記複数のブリストルが、直径10〜12μmの複数の繊維で構成されることを特徴とする請求項1に記載のセラミックブラシシール。
【請求項6】
前記ブリストルが前記複数の繊維の少なくとも一部分で形成され、そして前記複数の繊維における一部分が互いに撚られていることを特徴とする請求項5に記載のセラミックブラシシール。
【請求項7】
前記ブリストルが前記複数の繊維の少なくとも一部分で形成され、そして前記複数の繊維における一部分が互いに編み込まれていることを特徴とする請求項5に記載のセラミックブラシシール。
【請求項8】
収容部と、前記収容部との間の容積を画定する回転軸と、前記収容部と前記回転軸との間に配置されて領域を高圧側と低圧側とに分離するセラミックブラシシールと、を有するセラミックブラシシールシステムであって、
前記セラミックブラシシールシステムの前記高圧側及び前記低圧側の少なくとも一方が1500°Fを超える温度に保持されている
ことを特徴とするセラミックブラシシールシステム。
【請求項9】
前記高圧側及び低圧側の少なくとも一方が1000°Fを超える温度に保持されていることを特徴とする請求項8に記載のセラミックブラシシールシステム。
【請求項10】
前記セラミックブラシシールシステムの前記高圧側が1500°Fを超える温度に保持されていることを特徴とする請求項8に記載のセラミックブラシシールシステム。
【請求項11】
前記セラミックブラシシールの少なくとも一部分には、AL23、SiO2及びB23で構成されるセラミック材料が含有されていることを特徴とする請求項8に記載のセラミックブラシシールシステム。
【請求項12】
前記セラミック材料には、γ―AL23、ムライト、アモルファスSiO2で構成される複数の結晶相が含有されることを特徴とする請求項11に記載のセラミックブラシシールシステム。
【請求項13】
前記セラミック材料には、約2重量パーセントのB23が含有されていることを特徴とする請求項11に記載のセラミックブラシシールシステム。
【請求項14】
前記セラミックブラシシールシステムが前記高圧側と前記低圧側との間の圧力差300psidまで動作されることを特徴とする請求項8に記載のセラミックブラシシールシステム。
【請求項15】
前記セラミックブラシシールシステムが1500フィート/秒までの速度で動作されることを特徴とする請求項8に記載のセラミックブラシシールシステム。
【請求項16】
収容部と、前記収容部との間の容積を画定する回転軸と、前記収容部と前記回転軸との間に配置されて領域を高圧側及び低圧側に分離するセラミックブラシシール、とを有するセラミックブラシシールシステムであって、
前記セラミックブラシシールが複数のセラミック編み込みと支持部材とで構成され、
前記複数のセラミック編み込みは、それぞれが第1のセラミック繊維及び第2のセラミック繊維で構成され、
前記セラミック編み込みが、前記第1のセラミック繊維及び前記第2のセラミック繊維によって一緒に撚られて形成され、
前記複数のセラミック編み込みによって繊維束が形成され、
前記支持部材は、前記セラミック編み込みにおける前記第1のセラミック繊維及び前記第2のセラミック繊維を保持するように組み立てられて配置され、
前記支持部材には金属製の前面板及び背面板が設けられ、かつ、
前記金属製の前面板及び背面板が、前記繊維束が変位した後に変位した位置から初期の位置に跳ね返るように前記繊維束を弾性的に戻すように、組み立てられて配置されている
ことを特徴とするセラミックブラシシールシステム。
【請求項17】
前記高圧側及び前記低圧側の少なくとも1つが500°Fを超えている温度に保持されていることを特徴とする請求項16に記載のセラミックブラシシールシステム。
【請求項18】
前記高圧側及び前記低圧側の少なくとも1つが1500°Fを超えている温度に保持されていることを特徴とする請求項16に記載のセラミックブラシシールシステム。
【請求項19】
前記セラミックブラシシールの少なくとも一部分が70重量%のAL23、28重量%のSiO2及び2重量%のB23であるセラミック材料で構成され、そしてγ―AL23、ムライト及びアモルファスSiO2で構成される複数の結晶相が含有されていることを特徴とする請求項16に記載のセラミックブラシシールシステム。
【請求項20】
前記セラミック繊維には約2重量%のB23が含有されていることを特徴とする請求項16に記載のセラミックブラシシールシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−521182(P2011−521182A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509584(P2011−509584)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2009/043425
【国際公開番号】WO2009/140187
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(506224746)レックスノード インダストリーズ, エルエルシー (14)
【氏名又は名称原語表記】Rexnord Industries, LLC
【住所又は居所原語表記】4701 West Greenfield Avenue, Milwaukee, WI 53214−1498, U.S.A.
【Fターム(参考)】