センサ端末、センサシステム及びその方法
【課題】物理量の正確な値を検出することができ、かつセンサ端末の消費電力を従来に比較してより低減することができるセンサ端末、センサシステム及びその方法を提供する。
【解決手段】本発明のセンサ端末は、計測対象の物理量を計測する測定センサ部と、測定センサ部が計測した物理量のデータを無線送信する通信部と、測定センサ部及び通信部の動作を制御する制御部と、測定センサ部、通信部及び制御部に電力を供給するバッテリと、測定センサ部より消費電力が少なく、周囲の環境の物理量が閾値を超えた場合に制御部を起動する起動センサ部とを備え、制御部が、起動センサ部に起動された後、測定センサ部の第1消費電力及び通信部の第2消費電力とバッテリの供給可能電力との比較結果と、測定センサ部の物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、測定センサ部と通信部との各々を起動させるタイミングを制御する。
【解決手段】本発明のセンサ端末は、計測対象の物理量を計測する測定センサ部と、測定センサ部が計測した物理量のデータを無線送信する通信部と、測定センサ部及び通信部の動作を制御する制御部と、測定センサ部、通信部及び制御部に電力を供給するバッテリと、測定センサ部より消費電力が少なく、周囲の環境の物理量が閾値を超えた場合に制御部を起動する起動センサ部とを備え、制御部が、起動センサ部に起動された後、測定センサ部の第1消費電力及び通信部の第2消費電力とバッテリの供給可能電力との比較結果と、測定センサ部の物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、測定センサ部と通信部との各々を起動させるタイミングを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量を測定するセンサ端末、このセンサ端末からの物理量を収集するセンサシステム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、所定の位置に配置したセンサ端末におけるセンサ素子が測定する物理量のデータを、センサ端末に搭載された無線機により、遠隔地のデータセンターのデータサーバに、基地局を介して送信し、所定の物理量のデータを収集する装置がある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1においては、無線通信を行う際に、通常動作に加えて通信部による消費電力が必要となるため、無線通信を行う必要がないとき、制御部がセンサ端末を待機状態にして、電力消費を抑制する構成が記載されている。
【0003】
しかし、特許文献1のセンサ端末においては、無線通信を行っていない場合でも、制御部によって電力が消費されるため、十分な消費電力の低減が行われていない。
これを解消するため、無電力で物理量を測定するセンサ素子を、センサ端末全体への電源供給を行うか否かのスイッチ手段として用いる構成がある(例えば、特許文献2参照)。
また、センサ端末が時間経過あるいはある物理量が所定の数値を超えた場合をイベントとして、イベントの発生によりセンサ端末全体に電源を供給する構成がある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−16566号公報
【特許文献2】特開2007−108884号公報
【特許文献3】特開2009−261013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2は、物理量を測定するセンサ素子自体がセンサ端末に対して電源を供給するスイッチとして動作する。
また、特許文献2に記載されているように、測定される物理量が予め設定された閾値を超えるか否かにより、例えば異常あるいは正常であるかの判定結果として、異常の場合にセンサ端末を稼働させ、異常であることを無線通信する。
【0006】
また、特許文献2においては、正確な物理量ではなく、ある閾値を超えたか否かの判定結果が測定結果として得られるのみである。このため、特許文献2のセンサ端末は、異常となったことを知るような用途に用いることができるが、物理量の正確な値を必要とする場合には使用することができない。
また、特許文献2において、センサ素子がセンサ端末を稼動させる起動部であるため、このセンサの種類が限られ、センサ端末が測定可能な物理量の種類が限られてしまう。
【0007】
一方、特許文献3は、イベントの発生を検出するイベント起動装置を物理量と異なる構成として備え、センサ素子とセンサ端末とに対する電力の供給をイベントが発生した際に行うため、センサ端末における電力消費を低減することができる。
また、特許文献3は、イベントが発生した際に、電源をセンサ端末に供給するイベント起動装置と、物理量を測定するセンサ素子とが備えられているため、特許文献2と異なり、センサ端末が測定する物理量に制限はない。
【0008】
しかしながら、特許文献3は、イベント起動装置に常時電力が供給されるため、特許文献1と同様に、十分な消費電力の低減を行うことができない。
さらに、特許文献3においては、イベントの発生後にセンサ素子により物理量を測定し、測定した後に無線通信を行うことが記載されているが、センサ端末が一旦イベントにより起動すると、センサ測定と無線通信とが終了するまで、電力を消費する構成となっており、十分な消費電力の低減を行うことができない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、物理量の正確な値を検出することができ、かつセンサ端末の消費電力を従来に比較してより低減することができるセンサ端末、センサシステム及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のセンサ端末は、計測対象の物理量を計測する測定センサ部と、前記測定センサ部が計測した前記物理量のデータを無線送信する通信部と、前記測定センサ部及び前記通信部の動作を制御する制御部と、前記測定センサ部、前記通信部及び前記制御部に電力を供給するバッテリと、前記測定センサ部より消費電力が少なく、周囲の環境の物理量が閾値を超えた場合に前記制御部を起動する起動センサ部とを備え、前記制御部が、前記起動センサ部に起動された後、前記測定センサ部の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力と前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部と前記通信部との各々を起動させるタイミングを制御することを特徴とする。
【0011】
本発明のセンサ端末は、前記測定センサ部を複数個有し、前記測定センサ部の動作タイミングが、当該測定センサ部の起動順番と、前記測定センサ部各々の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力の前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、予め設定されていることを特徴とする。
【0012】
本発明のセンサ端末は、前記起動センサ部を複数個有し、当該起動センサ部の各々が他と異なる種類の物理量を測定し、複数の前記起動センサ部において測定対象の物理量が閾値を超えた起動センサ部と、当該測定センサ部の稼動順番と、前記測定センサ部各々の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力の前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部の動作タイミングが予め設定されていることを特徴とする。
【0013】
本発明のセンサ端末は、前記比較結果が、前記制御部自身の第3の消費電力を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明のセンサ端末は、前記バッテリの端子間電圧を測定する電圧測定部をさらに備え、前記電圧測定部の測定した端子間電圧に応じて、前記制御部が前記測定センサ部の動作タイミングを制御することを特徴とする。
【0015】
本発明のセンサ端末は、前記通信部が通信に必要な電力が異なる複数の種類の通信方式を有し、前記電圧測定部の測定した端子間電圧に対応し、いずれの電力の通信方式を用いるかが設定されていることを特徴とする。
【0016】
本発明のセンサ端末は、前記物理量の種類に応じて、いずれの電力の通信方式を用いるかが設定されていることを特徴とする。
【0017】
本発明のセンサ端末は、前記バッテリの電力から複数の電圧を生成する電圧制御部をさらに有し、前記測定センサ部が複数の稼動電圧で動作する場合、前記電圧制御部が、前記電圧測定部の測定した端子間電圧に対応した前記稼動電圧を、前記測定センサ部に対して供給することを特徴とする。
【0018】
本発明のセンサシステムは、物理量を測定するセンサ端末と、物理量を収集するセンサデータサーバと、前記センサ端末及び前記センサデータサーバ間の通信を制御する基地局装置とからなるセンサシステムであり、前記センサ端末が、計測対象の物理量を計測する測定センサ部と、前記測定センサ部が計測した前記物理量のデータを送信する通信部と、前記測定センサ部及び前記通信部の動作を制御する制御部と、前記測定センサ部、前記通信部及び前記制御部に電力を供給するバッテリと、前記測定センサ部より消費電力が少なく、周囲の環境の物理量が閾値を超えた場合に前記制御部を起動する起動センサ部とを備え、前記制御部が、前記起動センサ部に起動された後、前記測定センサ部の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力と前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部と前記通信部との各々を動作させるタイミングを制御し、前記基地局装置が、前記センサ端末との無線通信を制御して、当該センサ端末から物理量のデータを受信し、前記センサデータサーバに送信することを特徴とする。
【0019】
本発明のセンサシステムは、前記比較結果が、前記制御部自身の第3の消費電力を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明のセンサシステムは、前記センサ端末が前記動作タイミングにおいて起動された際、前記通信部が、前記測定センサ部の稼動時間から決まる、前記物理量のデータを送信可能となる時間を示すデータ要求時間情報を付加し、前記基地局装置との通信を要求する通信要求信号を前記基地局装置に送信することを特徴とする。
【0021】
本発明のセンサシステムは、前記基地局装置が、前記通信許可依頼信号を受信すると、付加されている前記データ送信予定時間より後の通信許可時刻を付加した通信許可信号を前記センサ端末に送信することを特徴とする。
【0022】
本発明のセンサ端末制御方法は、バッテリの供給する電力により動作する測定センサ部、前記測定センサ部より消費電力が少ない起動センサ部、通信部及び制御部を備えるセンサ端末を制御するセンサ端末制御方法であり、前記起動センサ部が、動作に必要な電力の供給を必要とせず、周囲の環境の物理量が閾値を超えた場合に制御部を起動する過程と、前記制御部が前記起動センサ部に起動された後、前記測定センサ部の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力と前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部と前記通信部との各々を起動させるタイミングを制御する過程とを有することを特徴とする。
【0023】
本発明のセンサ端末制御方法は、前記比較結果が、前記制御部自身の第3の消費電力を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、電力消費をせずに起動タイミングを検出する起動センサ部により制御部が起動された後、制御部が測定センサ部の物理量を測定するために必要な稼動時間と、バッテリの供給可能電力と測定センサ部及び通信部の消費電力の各々との消費電力とを比較して、バッテリの供給可能電力で並行に稼動可能な各部の稼動タイミングをそれぞれ制御することで、測定センサ部に対して物理量の正確な値を検出させることができ、かつセンサ端末の動作時間を従来に比較して短くすることにより、センサ端末の消費電力を従来に比較してより低減させるため、バッテリによる稼動時間を、従来に比較して長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の第1の実施形態によるセンサシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】通信部11、測定センサ部12及び制御部14の構成例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態における通信部11及び測定センサ部12を起動及び停止させるタイミングを示すタイムスケジュールが記述されたテーブルの構成を示す概念図である。
【図4】第1の実施形態によるセンサシステムの動作例を示すタイミングチャートである。
【図5】センサ端末1と基地局3との間で送受信される通信要求信号及び通信要求許可信号のパケットの構成例を示す図である。
【図6】この発明の第2の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。
【図7】第2の実施形態における通信部11及び測定センサ部12を起動及び停止させるタイミングを示すタイムスケジュールが記述されたテーブルの構成を示す概念図である。
【図8】消費電力が大きい測定センサ部12_Aと、消費電力が測定センサ部12Aより少ない測定センサ部12_Bを有したセンサ端末1の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】測定センサ部12_Aと測定センサ部12Bとからなるセンサ端末1の動作例を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明の第4の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。
【図11】起動センサ部13_1及び13_2のいずれが先に起動したかによる測定センサ部の測定順序の優先度を示したテーブルである。
【図12】起動センサ部13_1が起動センサ部13_2より先に起動した場合における測定センサ部の測定順序の優先度により設定されたタイムスケジュールに沿ったセンサ端末1の動作を示すタイミングチャートである。
【図13】起動センサ部13_2が起動センサ部13_1より先に起動した場合における測定センサ部の測定順序の優先度により設定されたタイムスケジュールに沿ったセンサ端末1の動作を示すタイミングチャートである。
【図14】本発明の第5の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。
【図15】本発明の第6の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、この発明の第1の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。
この図において、センサシステムは、センサ端末1、データセンター2及び基地局3から構成されている。センサ端末1は、データセンター2の遠隔地において1つあるいは複数個が配置されている。
データセンター2には、データサーバ21が基地局3を介してセンサ端末1から送信される、センサ端末1の測定した物理量のデータが入力される。
また、データセンター2は、データベース22に対し、センサ端末1を識別する端末識別情報と対応付けて、書き込み記憶させる。
基地局3は、アンテナ31と基地局装置32を有している。基地局装置32は、アンテナ31を介してセンサ端末1と無線通信によるデータの送受信を行う。また、基地局装置32は、センサ端末1と無線通信によりデータの送受信を行い、センサ端末1に備えられたセンサ素子の測定した物理量のデータを受信し、データセンター2のデータサーバ21へ送信する処理を行う。
基地局3とデータセンター2とは、無線及び有線のいずれか、あるいは双方からなるネットワーク100(例えば、インターネットなどの通信網)により接続されている。
【0027】
センサ端末1は、通信部11、測定センサ部12、起動センサ部13、制御部14、記憶部15、バッテリ部16及びリアルタイムクロック部19を備えている。
通信部11は、バッテリ部16の供給する電力により、基地局3とデータの送受信を行う。
測定センサ部12は、測定対象の物理量の計測を行い、計測したデータを制御部14に対して出力する。
測定センサ部12は、センサ素子として、例えば、加速度、温度センサ、湿度センサ、ガスセンサ、煙センサ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを備えている。
図2は、通信部11、測定センサ部12及び制御部14の構成例を示すブロック図である。図2(c)及び図2(d)は、測定センサ部12の構成例を示すブロック図である。
【0028】
図2(c)は、測定結果をデジタル信号で出力する測定センサ部12の構成例を示している。測定センサ部12は、制御回路121、センサ素子122、A/D変換回路123、メモリ回路124、インターフェース回路125を備えている。
制御回路121は、制御部14から起動を指示する制御信号が入力されると、センサ素子122に電源を供給し、物理量の計測をセンサ素子122に行わせる。このとき、起動を指示する制御信号により、測定センサ部12にバッテリ部16から電源が供給され、電源の供給により起動した制御回路121が測定センサ部12の稼動を開始する。例えば、測定センサ部12の電源線をバッテリ部16に接続するスイッチが、起動を指示する制御信号によりオンにされることで、測定センサ部12にはバッテリ部16から電力が供給されて駆動状態となる。
制御回路121は、センサ素子122が計測した物理量のデータをA/D変換回路123により、アナログデータからデジタルデータに変換する。
また、制御回路121は、デジタルデータをメモリ回路124に蓄積し、制御部14からのデータ転送の指示を示す制御信号がインターフェース回路125を介して入力されると、メモリ回路124からデジタルデータを読み出し、制御部14へ出力する。
【0029】
一方、図2(d)は、測定結果を計測したアナログ信号のまま出力する測定センサ部12の構成例を示している。測定センサ部12は、制御回路121、センサ素子122及びインターフェース回路125を備えている。
制御回路121は、制御部14からの起動を指示する制御信号が入力されると、センサ素子122にバッテリ部16から電源を供給し、物理量の計測をセンサ素子122に行わせる。このとき、起動を指示する制御信号により、測定センサ部12に電源が供給され、電源の供給により起動した制御回路121が測定センサ部12の稼動を開始する。
また、制御回路121は、計測した物理量のデータを、アナログデータのまま、インターフェース回路125を介して制御部14へ出力する。
この図2(d)の測定センサ部12を用いる場合、アナログデータをデジタルデータに変換するため、制御部14にA/D変換回路を設けておく必要がある。センサ素子122とインターフェース回路125は図2(c)と同様の構成である。
【0030】
図1に戻り、起動センサ部13は、測定センサ部12より少ない消費電力で動作するセンサ素子、あるいは無電力で動作するセンサ素子を有し、このセンサ素子が所定の条件、すなわち予め設定した物理量の閾値を超えると起動信号を出力する構成となっている。
例えば、起動センサ部13は、無電力で動作するセンサ素子としては、磁性体からなるセンサ素子を備えた感温磁性体センサスイッチ、形状記憶合金からなるセンサ素子を備えた形状記憶合金センサスイッチ、圧電素子やピエゾフィルム素子などからなるセンサ素子を備えた外力起電型センサスイッチである振動センサスイッチや圧力センサスイッチなどである。
【0031】
形状記憶合金スイッチの場合、この形状記憶合金スイッチを所定の電圧端子と制御部14の起動信号入力端子との間に設け、所定の閾値を超える際に、スイッチ端子が接触してスイッチがオンし、制御部14の起動信号入力端子に電圧端子の電圧が起動信号として与えられる。
また、外力起電型センサスイッチの場合、この外力起電型センサスイッチに所定の圧力あるいは振動が印加された際に出力する電圧を、制御部14の起動信号入力端子に供給する起動信号として用いる。
【0032】
すなわち、起動センサ部13におけるセンサ素子が、予め設定した物理量の閾値を周囲の物理量が超えたことを検出した場合、すなわち、検出対象の物理量である温度、振動あるいは圧力などが閾値を超える値でセンサ素子に印加された場合に、起動センサ部13がオン状態となり、起動信号を出力する。
一方、起動センサ部13におけるセンサ素子が、予め設定した物理量の閾値を周囲の物理量が超えたことを検出しない場合、すなわち、検出対象の物理量である温度、振動あるいは圧力などが閾値を超えない値でセンサ素子に印加されている場合に、起動センサ部13はオフ状態であり、起動信号を出力しない。
【0033】
また、本実施形態においては、測定センサ部12により計測する物理量と起動センサ部13が検出する物理量とは、相関(因果関係)があるものを用いても良い。相関があるものとしては、例えば、起動センサ部13により検出される物理量と同種の物理量、または起動センサ部13が測定する物理量が変化した場合に対応して変化する異なる物理量がある。
具体例としては、測定センサ部12及び起動センサ部13が同種の物理量の場合、消費電力が少ないが感度の悪いセンサ素子(形状記憶合金センサスイッチ)を起動センサ部13に用い、起動センサ部13に用いたセンサ素子に比較して消費電力が多いが感度の良いセンサ素子(抵抗を用いた高精度な温度センサ)を測定センサ部12に用いる。
また、測定センサ部12及び起動センサ部13が異種の物理量の場合、人間が乗るマットに圧電素子をセンサ素子とする起動センサ部13を設け、測定センサ部12に人間の顔を撮像するCCDをセンサ素子として用いる。これらセンサ素子の相関は、ある電圧が発生した際、CCDにより撮像する位置に撮像対象が存在することによる。
【0034】
次に、図2(b)は制御部14の構成例を示すブロック図である。
この制御部14は、上述したように、CPUである命令処理回路141、制御部14を順序駆動するためのクロックを生成するクロック発振回路142、データ及び割り込み信号の専用端子を備えるインターフェース回路145を介して入力される信号を検出する信号検出回路143、後述するタイムスケジュールに対応して各部を駆動する時間を経時するタイマー部144などから構成されている。インターフェース回路145は、通信部11及び測定センサ部12からのデータを入力する端子、通信部11からの割り込み信号を入力する端子、起動センサ部13からの割り込み信号を入力する端子などを有している。
信号検出回路143は、インターフェース回路145のいずれの端子から入力されたかを命令処理回路141に通知する処理を行う。
この制御部14は、インターフェース回路145の起動信号入力端子に対し、起動センサ部13から起動信号が供給されると起動し、すなわちスタンバイ状態から通常動作モードに移行し、通信部11及び測定センサ部12、さらに自身を通常動作モードからスタンバイ状態へ移行させる制御を行う。
【0035】
また、制御部14は、複数の消費電力の異なる動作モードを有し、例えば、本実施形態の動作モードとして、以下の3種類がある。
A.通常動作(run)モード
クロック発振回路142が稼動しており、周辺回路である信号検出回路143が動作状態にあり、命令処理回路141が記憶部15に記憶された動作プログラムに従って、演算やデータ転送などの処理を行うモード。
B.ホルト(halt)モード
クロック発振回路142が稼動しており、周辺回路が稼動しており、命令処理回路141が動作を行っていないモード。
C.停止(stop)モード
クロック発振回路142が停止しており、周辺回路が稼動しており、命令処理回路141が動作を行っていないモード。
スタンバイモードとはホルトモードか停止モードを指している。また、各モードにおける消費電力の関係は、通常動作モードが最も大きく、ホルトモードが通常動作モードより小さく、停止モードがクロックが停止しているために最も小さくなっている。
【0036】
また、制御部14のタイマー部144は、タイムスケジュールに沿って測定センサ部12及び通信部11を制御するため、時間管理のために用いる複数のタイマーから構成されている。
記憶部15には、制御部14のCPUを駆動させるための動作が記述されたプログラムと、通信部11及び測定センサ部12を起動及び停止させるタイミングを示すタイムスケジュールが記述されたタイムテーブル(後述する)が記憶されている。
バッテリ部16は、通信部11、測定センサ部12、制御部14、記憶部15及びリアルタイムクロック部19に対し、それぞれの駆動のための電力を供給している。
リアルタイムクロック部19は、制御部14が停止モードであっても動作を継続し、日時を計時している。また、リアルタイムクロック部19は、詳細は記載しないが、定期的に基地局3と時刻を同期させるため、時刻合わせ処理を行っている。
【0037】
次に、図3は、通信部11及び測定センサ部12を起動及び停止させるタイミングを示すタイムスケジュールが記述されたタイムテーブルの構成を示す概念図である。
図3のテーブルの測定センサ部12のタイムスケジュールを実現するため、タイマー部144は、測定センサ部12の起動時間T12_1を計測するためのタイマー144_12_1、測定センサ部12の測定終了時間T12_2とを計測するためのタイマー144_12_2の計2個必要となる。
また、図3のテーブルの通信部11のタイムスケジュールを実現するため、タイマー部144は、通信(TX:Transmit)要求において、送信開始時間T11_1を計測するためのタイマー144_11_1、受信(RX:Receive)開始時間T11_2を計測するためのタイマー144_11_2、受信終了時間T11_3を計測するためのタイマー144_11_3の計3個が必要となる。図3のテーブルの通信部11のタイムスケジュールを実現するため、タイマー部144は、データ送信において、送信開始時間T11_4を計測するためのタイマー144_11_4、受信開始時間T11_5を計測するためのタイマー144_11_5、受信終了時間T11_6を計測するためのタイマー144_11_6の計3個が必要となる。
【0038】
測定センサ部12の起動時間T12_1は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から測定センサ部12を起動させるまでの時間である。
また、測定センサ部12の測定終了時間T12_2は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から測定センサ部12を停止させるまでの時間である。
【0039】
通信部11の通信要求における送信開始時間T11_1は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から、基地局3への通信要求信号の送信を通信部11に開始させるまでの時間である。
また、通信部11の通信要求における受信開始時間T11_2は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から、基地局3からの通信要求許可信号の受信を通信部11に開始させるまでの時間として設定されている。
また、通信部11の通信要求における受信完了時間T11_3は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から、基地局3からの通信要求許可信号の受信状態を終了させる(タイムアウトによる終了)までの時間である。
【0040】
通信部11のデータ送信における送信開始時間T11_4は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から、基地局3へのデータ(測定センサ部12の計測した物理量のデータ)の送信を、通信部11に開始させるまでの時間である。
また、通信部11の通信要求における受信開始時間T11_5は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から、基地局3からのデータ送信確認信号の受信を通信部11に開始させるまでの時間である。
また、通信部11の通信要求における受信完了時間T11_6は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から、通信部11に対して基地局3からのデータ送信確認信号の受信を終了する(タイムアウトによる終了)までの時間である。
【0041】
次に、図2(a)は、通信部11の構成例を示すブロック図である。通信部11は、無線回路111、制御回路112、メモリ回路113及びインターフェース回路114を備えている。制御回路112は、通信要求信号を基地局3に対して送信することを指示する通信要求送信信号が、制御部14からインターフェース回路114を介して入力することで起動し、通信要求信号を基地局3に対して送信する。すなわち、制御回路112は、通信要求送信信号が供給されると、メモリ回路113に記憶されている送信要求のデータを通信要求信号として、無線回路111から送信する。
【0042】
また、制御回路112は、基地局3から受信したデータを一旦メモリ回路113に記憶させ、基地局3からのデータの受信が終了した時点で、制御部14に対して受信完了通知を出力する。
また、制御回路112は、制御部14から起動を指示する制御信号が入力されると、通信部11に対する電源の供給を開始する。このとき、起動を指示する制御信号により、通信部11に電源が供給され、電源の供給により起動した制御回路112が通信部11の稼動を開始する。例えば、通信部11の電源線をバッテリ部16に接続するスイッチを、起動を指示する制御信号がオンすることで通信部11に電力を駆動する状態となる。また、データの送信状態及びデータの受信状態に応じて、無線回路111内の送信及び受信の各々に必要な回路に電源を供給し、送信または受信を行う。
【0043】
次に、記憶部15に記憶されるタイムスケジュールのデータの生成について説明する。
このタイムスケジュールには、すでに説明したように、制御部14が起動してから、測定センサ部12及び通信部11をそれぞれどのようなタイミングにより制御するかが設定されている。以下、図面を用いて、このタイムスケジュールの生成ついて説明する。
図4は、消費電力量が少ない、すなわち、測定センサ部12及び通信部11を、制御部14と同一時間で稼動させても、測定センサ部12、通信部11及び制御部14の各々の消費電流を加えた総電流量が、バッテリ部16の供給可能な最大電流である供給可能電流(実際には電力であるが、バッテリ部16としては一定電圧で電流を出力するために電流量で考える)を超えない場合における、第1の実施形態によるセンサシステムの動作例を示すタイミングチャートである。ここでは、このタイミングチャートに応じた動作を設定するタイムスケジュールのユーザが行う生成について説明する。この図4においては、縦軸がそれぞれのモードで動作したときの消費電力を示し、横軸が時間を示している。
【0044】
起動時間T12_1(時刻t1から時刻t2までの時間)は、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、測定センサ部12の稼動を開始させるまでの時間を示している。この起動時間T12_1は、センサ端末1の稼動期間のいずれのタイミングで、測定センサ部12を稼動(すなわち起動)させるかを示している。
後述する、通信部11の消費電流と、制御部14との消費電流と、測定センサ部12の消費電流とを加算した総消費電流が、バッテリ部16の供給可能電流を超えないため、通信部11と重なる期間で稼動する時間に、起動時間T12_1を設定する。
次に、測定終了時間T12_2(時刻t1から時刻t5までの時間)は、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、測定センサ部12の計測した物理量のデータの読み込みを制御部14が開始するまでの時間を示している。
【0045】
この起動時間T12_1と測定終了時間T12_2との差の時間は、測定センサ部12の物理量のデータの測定をするために必要な稼動時間であり、測定センサ部12が内部に備えたセンサ素子122の種類により、センサ素子122が物理量を測定する測定状態となる(安定したデータを測定できる)までの待機時間と、待機の後にセンサ素子122が実際に物理量のデータを測定する測定時間とからなる。このため、待機時間と測定時間とがセンサ素子122の仕様から既知であるため、この待機時間と測定時間とを加算することにより、起動時間T12_1と測定終了時間T12_2との差の時間が容易に求まり、この差の時間を起動時間T12_1に加算することにより、ユーザが測定終了時間T12_2を求める。また、測定終了時に測定センサ部12より、制御部14に対して測定完了通知を送信してもよい。実際の測定終了時間は計算で求めた測定終了時間12_2の前後に変動する場合がある。測定終了時間12_2が予定よりも早い場合、制御部14に対し測定結果をより早いタイミングで送信することが可能となる。また、測定終了時間12_2が予定よりも遅い場合、制御部14を立ち上げ続ける必要がなく、測定結果を送信するタイミングで立ち上げることができ、消費電力の低下に貢献することが可能となる。
【0046】
また、送信開始時間T11_1(時刻t1から時刻t2までの時間)は、基地局3に対して通信要求を行う際に、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、基地局3に対して通信要求信号の送信を指示するまでの時間を示している。この起動時間T11_1は、センサ端末1の稼動期間のいずれのタイミングで、通信部11を送信状態として稼動を開始させるかを示している。
受信開始時間T11_2(時刻t1から時刻t6までの時間)は、基地局3に対して通信要求を行う際に、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、基地局3からの通信要求許可信号の受信を開始させるまでの時間を示している。この起動時間T11_2は、センサ端末1の稼動期間のいずれのタイミングで、通信部11を受信状態として稼動を開始させるかを示している。
受信終了時間T11_3(時刻t1から時刻t8までの時間)は、基地局3に対して通信要求を行う際に、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、基地局3からの通信要求許可信号の受信を、タイムアップとして終了させるまでの時間を示している。この起動時間T11_3は、基地局3から通信要求許可信号が送信されるのをどの程度まで受信状態で待機するかを示している。
【0047】
送信開始時間T11_1と受信開始時間T11_2との差分は、基地局3に対して通信要求信号を送信してから、基地局3から通信要求許可信号が返信される最短時間より短い時間に設定されている。これにより、基地局3からの通信要求許可信号の送信が期待される時間に、通信部11を受信状態にすることができる。
また、受信開始時間T11_2と受信終了時間T11_3との差分は、通信部11の無線回路111が受信状態となってから、受信状態で待機する時間として予め設定されたタイムアウト時間となっている。これにより、何らかの事情により、基地局3からの通信要求許可信号の送信が行われなかった場合、通信部11が通信要求許可信号の受信を無駄に待って、電力を消費するのを防ぐことができる。
また、送信開始時間T11_4(時刻t1から時刻t9までの時間)は、基地局3に対してデータ送信を行う際に、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、基地局3に対してデータの送信を通信部11に対して指示するまでの時間を示している。
受信開始時間T11_5(時刻t1から時刻t11までの時間)は、基地局3に対してデータ送信を行う際に、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、基地局3からのデータ送信確認信号の受信を通信部11に開始させるまでの時間を示している。
受信終了時間T11_6(時刻t1から時刻t12までの時間)は、基地局3に対してデータ送信を行う際に、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、基地局3からのデータ送信確認信号の受信を通信部11に対して終了させるまでの時間を示している。
【0048】
送信開始時間T11_4は、測定センサ部12の測定した物理量のデータに対し、センサ端末1の端末識別情報、測定センサ部12のセンサ識別情報及び測定センサ部12による物理用のデータの測定日時の情報を付加し、送信する送信パケットを構成する時間として設定されている。このとき、制御部14は、測定日時の情報をリアルタイムクロック部19から読み込み、センサ端末1の端末識別情報及び測定センサ部12のセンサ識別情報を記憶部15から読み込む。
【0049】
送信開始時間T11_4と受信開始時間T11_5との差分は、測定センサ部12が測定する物理量のデータのデータ量が予め判っているため、この物理量のデータを送信するために必要な時間と、基地局3が全てのデータを受信し、データ送信確認信号を送信する最短時間より短い時間に設定されている。これにより、基地局3からのデータ送信確認信号の送信が期待される時間に、通信部11を受信状態にすることができる。
また、受信開始時間T11_5と受信時間終了時間T11_6との差分は、通信部11の無線回路111が受信状態となってから、受信状態で待機する時間として予め設定されたタイムアウト時間となっている。これにより、何らかの事情により、基地局3からのデータ送信確認信号の送信が行われなかった場合、通信部11がデータ送信確認信号の受信を無駄に待って、電力を消費するのを防ぐことができる。
【0050】
図4のタイミングチャートの場合、測定センサ部12、制御部14及び通信部11の各々の稼動した際の消費電流の合計が、バッテリ部16の供給可能な電流を超えないため、通信部11と測定センサ部12とを同一の時間帯で稼動させるタイムスケジュールとしている。
一方、測定センサ部12、制御部14及び通信部11の各々の稼動した際の消費電流の合計が、バッテリ部16の供給可能な電流を超えた場合、ユーザは測定センサ部12と通信部11との稼動する時間帯を異ならせ、稼動状態が時間的に重ならないように、タイムスケジュールを設定することになる。この場合、測定センサ部12による測定及び通信部11に通信要求送信を行わせる順番は、タイムスケジュールの時間を調整するのみであるため、何れが先に稼動しても良い。
【0051】
次に、図1、図2及び図3を用いて、第1の実施形態によるセンサシステムの動作を説明する。以下、例えば、起動センサ部13が形状記憶合金を用いた温度センサスイッチであり、測定センサ部12のセンサ素子122がサーミスタを用いた温度センサであるとして説明する。また、測定センサ部12を図2(c)の構成として説明する。
時刻t1:
起動センサ部13が周囲の温度変化により、形状記憶合金のスイッチがオン状態となり、所定の電圧である起動信号が制御部14のインターフェース回路145の起動信号入力端子に供給される。
そして、信号検出回路143は、インターフェース回路145の起動信号入力端子に割り込み信号が入力されたことを検出する。
【0052】
次に、信号検出回路143は、起動信号入力端子に起動信号が入力されると、制御部14に対して、起動信号が入力されたことを示す制御信号を、命令処理回路141の割り込み端子に対して出力するとともに、起動信号が入力されたことを示す情報を命令処理回路141に対して出力する。
命令処理回路141は、割り込み信号が入力されると、クロック発振回路142を起動させて、動作クロックのクロック発振を開始させ、自身を停止モードから通常動作モードに移行する。
すなわち、制御部14は、起動センサ部13から信号検出回路143を介して、起動信号が供給されることにより、停止モードから通常動作モードに移行し、記憶部15に記憶されているプログラムに記載された命令に従い、センサ端末1を制御する動作を行う。
【0053】
そして、命令処理回路141は、通常動作モードに移行した後、タイマー部144のタイマー、すなわち、タイマー144_12_1、144_12_2、144_11_1、144_11_2、144_11_3、144_11_4、144_11_5、144_11_6の各々をリセットし、記憶部15に記憶されているタイムスケジュールのテーブルを読み出し、各タイマーに対応する時間を、タイマー部144におけるタイマーの各々に書き込み、カウント動作を開始させる。
これらのタイマーの各々は、カウントアップにより出力されるカウントアップ信号を、信号検出回路143の異なるタイマー割り込み端子に出力する。信号検出回路143は、備えたタイマー割り込み端子のいずれにカウントアップ信号が入力されると、命令処理回路141の割り込み端子に割り込み信号を出力とともに、それぞれのタイマー割り込み端子に割りつけられた処理を行うように、命令処理回路141に対し、いずれのタイマーからの割り込み信号であるかを示す情報を出力する。
【0054】
また、例えば、各タイマーがカウントダウンタイマーである場合、命令処理回路141は、記憶部15のタイムスケジュールのテーブルから、時間T12_1、T12_2、T11_1、T11_2、T11_3、T11_4、T11_5、T11_6の各々を読み出し、それぞれタイマー144_12_1、144_12_2、144_11_1、144_11_2、144_11_3、144_11_4、144_11_5、144_11_6に設定する。この各タイマーは、カウントが開始されると所定の同一周期(同一クロックであるクロック発振回路142が生成する動作クロック)によりカウントダウンし、カウント値が0となるとカウントアップ信号を出力する。
そして、命令処理回路141は、タイマー144_12_1、144_12_2、144_11_1、144_11_2、144_11_3、144_11_4、144_11_5、144_11_6に対し、カウント動作を開始させる。
【0055】
時刻t2:
タイマー144_12_1及びタイマー144_11_1は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_1及びタイマー144_11_1に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、測定センサ部12に稼動を開始させるとともに、通信部11に対して基地局3に対する通信要求信号の送信処理を開始させる。
測定センサ部12及び通信部11の稼動を開始させた後、命令処理回路141は、制御部14の動作を通常動作モードからホルトモードに移行させる。すなわち、命令処理回路141は、記憶部15のプログラムに従った自身の動作を停止させる。
このホルトモードにおいては、クロック発振回路142が動作しているため、カウントアップしていない各タイマーのカウント動作は継続している。
【0056】
時刻t3:
通信部11は、送信が行える状態となり、基地局3に対して通信要求信号を送信する。
すなわち、制御回路112は、メモリ回路113に記憶されているデータを用いて、通信要求信号のパケットを生成し、無線回路111を介して、通信要求信号を基地局3に対して送信する。
図5は、センサ端末1と基地局3との間で送受信される通信要求信号及び通信要求許可信号のパケットの構成例を示す図である。
通信部11は、図5(a)に示すように、デイストネーション・アドレス(送り先アドレル)と、ソース・アドレス(送り元アドレス)と、通信要求コマンドと、通信要求時刻とを含む通信要求信号のパケットを、基地局3に対して送信する。通信部11の制御回路112は、メモリ回路113からデイストネーション・アドレス、ソース・アドレス、通信要求コマンドを読み出す。
【0057】
また、制御回路112は、送信開始時間T11_4と送信開始時間T11_1とを記憶部15から読み出し、リアルタイムクロック部19の現在の時刻である現時刻を読み出し、自身の通信要求信号の送信に必要な送信時間Ttをメモリ回路113から読み出す。メモリ回路113には、処理で用いる順番にそれぞれのデータが予め記憶されている。
そして、制御回路112は、送信開始時間T11_4から送信開始時間T11_1を減算し、減算結果に送信時間Ttを加算し、加算結果の時間を現時刻に加算し、加算結果を通信要求時刻とする。この通信要求時刻は、基地局3の基地局装置32に対し、センサ端末1として物理量のデータを送信したい時刻を示している。すなわち、通信要求時刻は、測定センサ部12が物理量の測定が終了し、物理量のデータを送信するパケットを構成する時間を含めており、通信部11が物理量のデータのパケットを即座に送信可能となる時間を示している。
【0058】
時刻t4:
通信部11は、基地局3に対する通信要求信号の送信を終了する。このとき、制御回路112は、無線回路111に対する電源の供給を停止し、省電力動作状態となる。
【0059】
時刻t5:
タイマー144_12_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
または、測定センサ部12からの測定完了通知を割り込み信号とし、信号検出回路143は、割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力してもよい。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、割り込みに対応する処理を開始する。
すなわち、命令処理回路141は、この割り込みから測定センサ部12の測定が終了したことを検知し、物理量のデータを送信するように要求する要求信号を、測定センサ部12に対して出力する。
そして、命令処理回路141は、測定センサ部12の制御回路121がメモリ回路124から読み出して出力する物理量のデータを順次入力し、測定センサ部12のセンサ識別情報及びリアルタイムクロック部19から読み込んだ時刻とともに(対応させて)、物理量のデータを記憶部15のデータ記憶領域に書き込んで記憶させる。このとき、命令処理回路141は、インターフェース回路145のデータ専用端子を介して、測定センサ部12からの物理量のデータを読み込む。
【0060】
時刻t6:
タイマー144_11_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_11_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
命令処理回路141は、基地局3からの通信要求許可信号の受信を行うため、通信部11に対して受信状態に移行することを指示する制御信号を出力する。
また、この制御信号が供給されると、通信部11の制御回路112は、無線回路111に対して電力を供給して受信状態として起動させる。
【0061】
時刻t7:
命令処理回路141は、測定センサ部12からの物理量のデータの読み込みと、読み込んだ物理量のデータの記憶部15に対する書き込みを終了し、測定センサ部12に対して停止を指示する制御信号を出力した後、制御部14を通常動作モードからホルトモードに移行する。
そして、制御回路121は、自身を含めて測定センサ部12内の各部に対する電力の供給を停止させ、測定センサ部12を停止状態とする。
【0062】
時刻t8:
通信部11は、基地局3の基地局装置32から送信される通信要求許可信号を受信すると、受信したことを示す受信完了通知信号を制御部14へ出力する。
基地局3の基地局装置32は、図5(b)に示すように、デイストネーション・アドレス(送り先アドレス)と、ソース・アドレス(送り元アドレス)と、通信要求コマンドに対する応答(OKまたはNG)と、通信許可時刻とを含む通信要求許可信号のパケットを、センサ端末1に対して送信する。この通信許可時刻は、センサ端末1が送信した通信要求時刻が空いていれば、通信要求時刻と同一であるが、他のセンサ端末1がすでに予約していたり、あるいは他のセンサ端末1と通信中の場合、通信要求時刻より後の時間を通信許可時刻として通知する。
【0063】
また、命令処理回路141は、通信許可時刻が通信要求時刻と異なる場合、通信許可時刻から通信要求許可時刻を減算し、減算結果を現在のタイマー144_11_4のカウント値に加算し、制御部14が通信部11に対してデータ送信指示を出力する時間を延ばす。
ここで、図5(b)の通信要求許可信号において、通信許可時間を付加せずに、通信要求コマンドに対する応答(OKまたはNG)のみを回答とするように構成しても良い。
この場合、基地局装置32は、センサ端末1が通信要求時刻に、データ送信を行って良いか否かの回答を行うことになる。このため、センサ端末1は、応答がNGの場合、通信要求時刻を代えて再度、通信要求信号を送信する。
【0064】
このとき、制御回路112は、無線回路111を介して受信する通信要求許可信号のパケットの各データを、一旦メモリ回路113に対して書き込んで記憶させる。
そして、制御回路112は、通信要求許可信号のパケットのデータが全て入力された時点、すなわちパケットのデータを全てメモリ回路113に書き込んだ後、受信完了通知信号を割り込み信号として制御部14に出力する。
信号検出回路143は、上述した受信完了通知信号を、インターフェース回路145の通信部11専用の割り込み信号端子を介して入力する。
そして、信号検出回路143は、通信部11に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_11_3をリセットするとともに、受信完了通知信号の割り込みに対応する処理を開始する。
このとき、タイマー144_11_3がカウントアップしたことにより、命令処理回路141に割り込みが入力された場合、命令処理回路141は、所定の時刻後に、再度通信要求信号を送信する。
【0065】
通常動作モードに移行した後、命令処理回路141は、通信部11に対して稼動を停止する制御信号を出力する。これにより、通信部11において、制御回路112は、通信部11(無線回路111のみでも良い)に対する電力の供給を停止する。
ここで、命令処理回路141は、センサ端末1の端末識別情報及び測定センサ部12のセンサ識別情報を記憶部15から読み込み、また現在の時刻をリアルタイムクロック部19から読み込む。
そして、命令処理回路141は、端末識別情報、センサ識別情報、現在の時刻、物理量のデータからなるデータ送信信号として基地局3に送信するパケットを、予め設定されているテンプレートに書き込んで生成する。
【0066】
時刻t9:
タイマー144_11_4は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_4に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
命令処理回路141は、通信部11に対して基地局3に対する通信要求信号の送信処理を開始させ、自身の作成したデータ送信信号のデータを通信部11へ出力する。
この制御信号が供給されると、通信部11の制御回路112は、無線回路111を含めた通信部11に対して電力を供給して送信状態として起動させる。
そして、制御回路112は、インターフェース回路114を介して供給されるデータ送信信号のデータを、順次、無線回路111を介して、基地局3に対して送信する。
【0067】
時刻t10:
命令処理回路141は、データ送信信号のデータを全て通信部11に対して送信を終了すると、通信部11が全てのデータの送信を終了するのに必要な時間が経過した後、通信部11に対して、送信状態から無線回路111が稼動していない無送受信状態に移行する制御信号を出力する。
また、命令処理回路141は、通信部11に対して無送受信状態に移行する制御信号を出力した後、制御部14を通常動作モードからホルトモードに移行させる。
【0068】
時刻t11:
タイマー144_11_5は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_5に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
命令処理回路141は、基地局3からのデータ送信確認信号を受信する受信処理を開始させることを指示する制御信号を、通信部11に対して出力する。
また、この制御信号が供給されると、通信部11の制御回路112は、無線回路111に対して電力を供給して受信状態として起動させる。
【0069】
時刻t12:
通信部11は、基地局3の基地局装置32から送信されるデータ送信確認信号を受信すると、受信したことを示す受信完了通知信号を制御部14へ出力する。
このとき、制御回路112は、無線回路111を介して受信するデータ送信確認信号の各データを、一旦メモリ回路113に対して書き込んで記憶させる。
そして、制御回路112は、データ送信確認信号のデータが全て入力された時点、すなわちデータ送信確認信号のデータを全てメモリ回路113に書き込んだ後、受信完了通知信号を割り込み信号として制御部14に出力する。
信号検出回路143は、上述した受信完了通知信号を、インターフェース回路145の通信部11専用の割り込み信号端子を介して入力する。
そして、信号検出回路143は、通信部11に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_11_3をリセットするとともに、受信完了通知信号の割り込みに対応する処理を開始する。
【0070】
時刻t13:
命令処理回路141は、通信部11に出力したデータ送信信号のデータを削除した後、制御部14を通常動作モードから停止モードに移行させる。
以降の処理は、時刻t1から時刻t13までの繰り返しとなる。すなわち、制御部14は、新たな起動センサ部13からの起動信号の供給を、停止状態にて待つことになる。
【0071】
上述したように、本実施形態によれば、通信部11、測定センサ部12及び制御部14の各部を、無電力のセンサそして形成されている起動センサ部13が起動信号を出力するまで、起動している状態に比較してほとんど電力を消費しない状態で待機することが可能となり、かつ、通信部11、測定センサ部12及び制御部14の各々の消費電力と、バッテリ部16の供給可能電流とを考慮し、センサ端末1が最も短い稼動時間となるように生成したタイムスケジュールに沿って、制御部14がそれぞれの部を稼動させるため、バッテリ部16がセンサ端末1の各部に電流を供給する時間を最短とすることができ、バッテリ部16の電力供給が可能な期間を、従来に比較して長くすることが可能となる。
【0072】
すなわち、測定センサ部12、通信部11及び制御部14が同時に稼動しても、それぞれの消費電流の合計が供給可能電流より低い場合、それぞれの稼動状態が時間的に重なるタイムスケジュールとなる。
一方、測定センサ部12、通信部11及び制御部14が同時に稼動すると、それぞれの消費電流の合計が供給可能電流より高くなる場合、測定センサ部12の稼動状態と、通信部11の稼動状態が時間的に重ならないようにずらしたタイムスケジュールとなる。
【0073】
また、上述した本実施形態においては、通信部11、測定センサ部12を停止あるいは起動するためのタイマーを、制御部14のタイマー部144に設けているが、このタイマーを通信部11、測定センサ部12の各々に設けるように構成しても良い。
この場合、制御部14は通信部11及び測定センサ部12を起動あるいは停止した後、停止モードとなり、通信部11、測定センサ部12におけるタイマーのカウントアップによる割り込み信号により通常動作モードとなり、通信部11及び測定センサ部12の制御を行うように動作する。
【0074】
例えば、タイマー144_12_1、144_11_1、144_11_4がタイマー部144に設けられ、タイマー144_12_2が測定センサ部12に設けられ、タイマー144_11_1_2、144_11_3、144_11_5、及び144_11_6が通信部11に設けられる。
そして、時刻t1において、制御部14は、起動信号の入力により通常動作モードとなった後、記憶部15のタイムスケジュールのテーブルから、各タイマーにカウントさせる時間を読み出し、自身及び通信部11、測定センサ部12のタイマーの各々に読み出した時間をそれぞれ設定し、タイマーのカウント動作を開始させる。
【0075】
<第2の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図6は、この発明の第2の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。図6において、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してある。
この図2において、図1の第1の実施形態と異なる構成は、測定センサ部12が複数設けられていることである。以下、第1の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
本実施形態におけるセンサ端末1は、同様または異なる物理量のデータを測定する測定センサ部12_A、…、12_Zが設けられている。これら測定センサ部12_A、…、12_Zは、センサ素子の種類が同様あるいは異なっているが、構成自体が第1の実施形態における測定センサ部12と同様である。
【0076】
本実施形態においては、複数の測定センサ部12が存在する。以下、説明を簡単にするため、測定センサ部12_A及び12_Bの2個の測定センサ部を有するとして説明を行う。測定センサ部12が3個以上でも以下に説明する処理と同様である。
測定センサ部12_A及び12_Bを有する場合、記憶部15に記憶されているタイムスケジュールが記載されたテーブルの構成は、図7に示す構成となる。この図7は、本実施形態における通信部11及び測定センサ部12を起動及び停止させるタイミングを示すタイムスケジュールが記述されたテーブルの構成を示す概念図である。
図7のテーブルから判るように、測定センサ部12毎に、すなわち測定センサ部12_A、12_Bの各々に起動時間と測定終了時間とが設定されている。
【0077】
この図7のテーブルには、測定センサ部12の関係としては、測定センサ部12_Aの起動時間T12_A_1及び測定終了時間T12_A_2と、測定センサ部12_Bの起動時間T12_B_1及び測定終了時間T12_B_2とが設定されている。
また、通信部11の動作に関係する各設定時間は、通信要求及びデータ通信の双方ともに、第1の実施形態と同様である。
また、制御部14におけるタイマー部144には、測定センサ部12_A及び12_Bの各々を制御するため、測定センサ部12_Aの起動時間T12_A_1をカウントするタイマー144_12_A_1と、測定センサ部12_Aの測定終了時間T12_A_2をカウントするタイマー144_12_A_2と、測定センサ部12_Bの起動時間T12_B_1をカウントするタイマー144_12_B_1と、測定センサ部12_Bの測定終了時間T12_B_2をカウントするタイマー144_12_B_2と、第1の実施形態と同様な図7のテーブルにおける通信部11の各設定時間をカウントするタイマーが設けられている。
【0078】
次に、記憶部15に記憶されるタイムスケジュールのテーブルの各設定時間のデータの生成について説明する。
このタイムスケジュールのテーブルには、すでに説明したように、制御部14が起動してから、測定センサ部12_A、測定センサ部12_B及び通信部11を、それぞれどのようなタイミングにより起動及び停止の制御を行うかが設定されている。以下、図面を用いて、このタイムスケジュールの生成ついて説明する。
図8は、消費電力が大きい(後述)測定センサ部12_Aと、消費電力が測定センサ部12_Aより少ない測定センサ部12_Bを有したセンサ端末1の動作を示すタイミングチャートである。
この図8においては、縦軸がそれぞれのモードで動作したときの消費電力を示し、横軸が時間を示している。
【0079】
ここで、例えば、測定センサ部12_B及び通信部11を、制御部14と同一期間で稼動させた際の、測定センサ部12_B、通信部11及び制御部14の各々の消費電流を加えた総電流量が、バッテリ部16の供給可能な最大電流である供給可能電流を超えない。
しかしながら、測定センサ部12_Aの消費電流が測定センサ部12_Bの消費電流より大きく、制御部14の消費電流と合計すると、バッテリ部16の供給可能電流に近くなり、通信部11または測定センサ部12_Bと同一期間で稼動させることができない。したがって、測定センサ部12_Aと、通信部11または測定センサ部12_Bのいずれかとを同一の時間帯(期間)で同時に稼動させることはできないため、それぞれの稼動時間帯をずらす必要がある。
【0080】
また、もう一つの条件としては、複数の測定センサ部の測定順序を示す優先度がある。図4の場合には、測定センサ部12_Bが測定センサ部12_Aより、測定の順番の優先度が高いため、測定センサ部12_Bが先に起動されるタイムスケジュールとなっている。
このように、センサ端末1に複数の測定センサ部12が備えられている場合、第1の実施形態の場合のように、測定センサ部12と通信部11と制御部14の消費電流と、バッテリ部16の供給可能電流との関係だけでなく、各測定センサ部の測定の優先度によって、タイムスケジュールが作成される。
【0081】
起動時間T12_A_1(時刻t1から時刻t14までの時間)は、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、測定センサ部12_Aの稼動を開始させるまでの時間を示している。この起動時間T12_A_1は、センサ端末1の稼動期間のいずれのタイミングで、測定センサ部12_Aを稼動させるかを示している。測定センサ部12_Aは、測定の優先度が測定センサ部12_Bより低く、かつ測定センサ部12_Bや通信部11と同一の期間に稼動できない。このため、起動時間T12_A_1は、測定センサ部12_Bの稼動する期間と重ならないように、測定センサ部12_Bの測定終了時間T12_B_2が経過した後の時間に起動するように設定する。
次に、測定終了時間T12_A_2(時刻t1から時刻t15までの時間)は、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、測定センサ部12_Aの計測した物理量のデータの読み込みを制御部14が開始するまでの時間に設定する。
【0082】
この起動時間T12_A_1と測定終了時間T12_A_2との差の時間は、測定センサ部12_Aの物理量のデータの測定をするために必要な稼動時間であり、測定センサ部12_Aが内部に備えたセンサ素子122の種類により、センサ素子122が物理量を測定する測定状態となるまでの待機時間と、待機の後にセンサ素子122が実際に物理量のデータを測定する測定時間とからなる。このため、待機時間と測定時間とがセンサ素子122の仕様から既知であるため、この待機時間と測定時間とを加算することにより、起動時間T12_A_1と測定終了時間T12_A_2との差の時間が容易に求まり、この差の時間を起動時間T12_A_1に加算することにより、測定終了時間T12_A_2を求める。
【0083】
起動時間T12_B_1(時刻t1から時刻t2までの時間)は、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、測定センサ部12_Bの稼動を開始させるまでの時間を示している。この起動時間T12_B_1は、センサ端末1の稼動期間のいずれのタイミングで、測定センサ部12_Bを稼動させるかを示している。測定の優先度が測定センサ部12_Aより高く、かつ測定センサ部12_Bとは同一期間に稼動できないが、通信部11と同一の期間に稼動できるため、測定センサ部12_Bの稼動する期間と重ならないように、かつ通信部11の稼動期間と重なる時間に設定する。
次に、測定終了時間T12_B_2(時刻t1から時刻t6までの時間)は、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、測定センサ部12_Bの計測した物理量のデータの読み込みを制御部14が開始するまでの時間に設定する。
起動時間T12_B_1と測定終了時間T12_B_2との差の時間の定義は、起動時間T12_A_1と測定終了時間T12_A_2との差の時間と同様であり、この差の時間を起動時間T12_B_1に加算することにより、測定終了時間T12_B_2を求める。
【0084】
送信開始時間T11_1、受信開始時間T11_2及び受信終了時間T11_3は、測定センサ部12_Bの稼動する期間と重なり、測定センサ部12_Aの稼動する期間と重ならない時間に設定されている以外、第1の実施形態と同様である。
送信開始時間T11_4、受信開始時間T11_5及び受信終了時間T11_6は、測定センサ部12_A及び12_Bの各々における物理量のデータの測定が終了した後に設定されている以外、第1の実施形態と同様である。
また、受信終了時間T11_3と送信開始時間T11_4との間に、制御部14は、センサ端末1の端末識別情報、測定センサ部12_Aのセンサ識別情報A、測定センサ部12_Bのセンサ識別情報Bを記憶部15から読み出すとともに、リアルタイムクロック部19から現在の時刻を読み込む。
また、受信終了時間T11_3と送信開始時間T11_4との間に、制御部14は、端末識別情報、現在時刻、センサ識別情報A、測定センサ部12_Aの物理量のデータ、センサ識別情報B、測定センサ部12_Bの物理量のデータからなるデータ送信情報のパケットを生成し、記憶部15に記憶させる。
【0085】
次に、図6、図2及び図8を用いて、第2の実施形態によるセンサシステムの動作を説明する。ここで、測定センサ部12は図2(c)の構成であるものとして説明する。また、第1の実施形態と同様の処理については、簡易な説明にし、第1の実施形態と異なる動作については詳細に説明する。
時刻t1:
起動センサ部13が周囲の温度変化により、形状記憶合金のスイッチがオン状態となり、所定の電圧である起動信号が制御部14に供給される。
そして、制御部14は、起動センサ部13から起動信号が供給されることにより、停止モードから通常動作モードに移行し、記憶部15に記憶されているプログラムに記載された命令に従い、センサ端末1を制御する動作を行う。
そして、命令処理回路141は、通常動作モードに移行した後、タイマー部144のタイマー、すなわち、タイマー144_12_A_1、144_12_A_2、144_12_B_1、144_12_B_2、144_11_1、144_11_2、144_11_3、144_11_4、144_11_5、144_11_6の各々をリセットし、記憶部15に記憶されているタイムスケジュールのテーブルにおける設定時間のデータを読み出し、各タイマーに対応する時間を書き込み、カウント動作を開始させる。
【0086】
時刻t2:
タイマー144_12_B_1及びタイマー144_11_1は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_B_1及びタイマー144_11_1に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、測定センサ部12_Bに稼動を開始させるとともに、通信部11に対して基地局3に対する通信要求信号の送信処理を開始させる。
測定センサ部12_B及び通信部11の稼動を開始させた後、命令処理回路141は、制御部14の動作を通常動作モードからホルトモードに移行させる。すなわち、命令処理回路141は、記憶部15のプログラムに従った自身の動作を停止させる。
このホルトモードにおいては、クロック発振回路142が動作しているため、カウントアップしていない各タイマーのカウント動作は継続している。
【0087】
時刻t3:
通信部11は、送信が行える状態となり、第1の実施形態と同様の処理により、基地局3に対して、図5(a)に示す構成の通信要求信号を送信する。
【0088】
時刻t4:
通信部11は、基地局3に対する通信要求信号の送信を終了する。このとき、制御回路112は、無線回路111に対する電源の供給を停止し、省電力動作状態となる。
【0089】
時刻t5:
タイマー144_12_B_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_B_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_12_B_2の割り込みに対応する処理を開始する。
すなわち、命令処理回路141は、この割り込みから測定センサ部12_Bの測定が終了したことを検知し、物理量のデータを送信するように要求する要求信号を、測定センサ部12_Bに対して出力する。
そして、命令処理回路141は、測定センサ部12_Bの制御回路121がメモリ回路124から読み出して出力する物理量のデータを順次入力し、測定センサ部12_Bのセンサ識別情報及びリアルタイムクロック部19から読み込んだ時刻とともに(対応させて)、物理量のデータを記憶部15のデータ記憶領域に書き込んで記憶させる。このとき、命令処理回路141は、インターフェース回路145のデータ専用端子を介して、測定センサ部12_Bからの物理量のデータを読み込む。
【0090】
時刻t6:
タイマー144_11_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
これにより、命令処理回路141は、測定センサ部12_Bからの物理量のデータを読み込みを一旦停止し、基地局3からの通信要求許可信号の受信を行うため、通信部11に対して受信状態に移行することを指示する制御信号を出力する。
そして、命令処理回路141は、通信部11に対して制御信号を出力した後、測定センサ部12_Bからの物理量のデータの入力を再開する。
また、この制御信号が供給されると、通信部11の制御回路112は、無線回路111に対して電力を供給して受信状態として起動させる。
【0091】
時刻t7:
命令処理回路141は、測定センサ部12_Bからの物理量のデータの読み込みと、読み込んだ物理量のデータの記憶部15に対する書き込みを終了し、測定センサ部12_Bに対して停止を指示する制御信号を出力した後、制御部14を通常動作モードからホルトモードに移行する。
そして、測定センサ部12_Bの制御回路121は、自身を含めて測定センサ部12_B内の各部に対する電力の供給を停止させ、測定センサ部12_Bを停止状態とする。
【0092】
時刻t8:
通信部11は、基地局3の基地局装置32から送信される、図5(b)に示す構成の通信要求許可信号を受信すると、受信したことを示す受信完了通知信号を制御部14へ出力する。
そして、信号検出回路143は、通信部11に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_11_3をリセットする。
通常動作モードに移行した後、命令処理回路141は、通信部11に対して稼動を停止する制御信号を出力する。これにより、通信部11において、制御回路112は、通信部11(無線回路111のみでも良い)に対する電力の供給を停止する。
【0093】
時刻t14:
タイマー144_12_A_1は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_A_1に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、測定センサ部12_Aに稼動を開始させる。
測定センサ部12_Aの稼動を開始させた後、命令処理回路141は、制御部14の動作を通常動作モードからホルトモードに移行させる。すなわち、命令処理回路141は、記憶部15のプログラムに従った自身の動作を停止させる。
このホルトモードにおいては、クロック発振回路142が動作しているため、カウントアップしていない各タイマーのカウント動作は継続している。
【0094】
時刻t15:
タイマー144_12_A_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_A_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_12_A_2の割り込みに対応する処理を開始する。
すなわち、命令処理回路141は、この割り込みから測定センサ部12_Aの測定が終了したことを検知し、物理量のデータを送信するように要求する要求信号を、測定センサ部12_Aに対して出力する。
そして、命令処理回路141は、測定センサ部12_Aの制御回路121がメモリ回路124から読み出して出力する物理量のデータを順次入力し、測定センサ部12_Aのセンサ識別情報及びリアルタイムクロック部19から読み込んだ時刻とともに、物理量のデータを記憶部15のデータ記憶領域に書き込んで記憶させる。このとき、命令処理回路141は、インターフェース回路145のデータ専用端子を介して、測定センサ部12_Aからの物理量のデータを読み込む。
【0095】
時刻t16:
命令処理回路141は、測定センサ部12_Aからの物理量のデータの読み込みと、読み込んだ物理量のデータの記憶部15に対する書き込みを終了し、測定センサ部12_Aに対して停止を指示する制御信号を出力する。
そして、測定センサ部12_Aの制御回路121は、自身を含めて測定センサ部12_A内の各部に対する電力の供給を停止させ、測定センサ部12_Aを停止状態とする。
そして、命令処理回路141は、センサ端末1の端末識別情報及び測定センサ部12_Aのセンサ識別情報を記憶部15から読み込み、また現在の時刻をリアルタイムクロック部19から読み込む。
また、命令処理回路141は、記憶部15から、測定センサ部12_Bのセンサ識別番号と、このセンサ識別番号に対応して記憶されている物理量のデータと、この物理量のデータを読み込んだた時刻とを読み出す。
【0096】
そして、命令処理回路141は、端末識別情報、測定センサ部12_Aのセンサ識別情報、測定センサ部12_Aの物理量のデータを読み込んだ時刻、測定センサ部12_Aの測定した物理量のデータ、測定センサ部12_Bの端末識別情報、測定センサ部12_Bの物理量のデータを読み込んだ時刻、測定センサ部12_Bの測定した物理量のデータからなるデータ送信信号として基地局3に送信するパケットを、予め設定されているテンプレートに書き込んで生成する。
以下、時刻t9から時刻t13までのセンサ端末1の動作は、第1の実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0097】
本実施形態は、上述したように、複数の測定センサ部12が存在する場合、測定センサ部12毎に設定された測定する順番を示す優先度と、各測定センサ部12の稼動時間と、各測定センサ部12の稼働時の消費電流と、通信部11の稼働時の消費電流と、制御部14の稼働時の消費電流と、バッテリ部16の供給可能電流とを考慮し、同一の時間帯に動作させる部と、異なる時間帯に動作させる部との稼動のタイミングを示す、センサ端末1が最も短い稼動時間となるタイムスケジュールを生成する。
これにより、本実施形態によれば、このタイムスケジュールに従って、センサ端末1が最も短い稼動時間となるように、制御部14が各部の稼動及び停止を行うため、バッテリ部16がセンサ端末1の各部に電流を供給する時間を最短とすることができ、バッテリ部16の電力供給が可能な期間を、従来に比較して長くすることが可能となる。
【0098】
<第3の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、図6に示す第2の実施形態の構成と同様である。
第3の実施形態が第2の実施形態と異なる点は、センサ端末1に搭載されている他の測定センサ部12に比較して、非常に長い稼動時間を有する測定センサ部12が存在し、この稼動時間の長い測定センサ部12に対応したタイムスケジュールを有していることである。本実施形態においては、測定センサ部12_Aが測定センサ部12_Bに比較して、非常に長い稼動時間を有しているとして説明する。
また、この測定センサ部12_Aの稼働時の消費電流が、測定センサ部12_B、通信部11及び制御部14の各部の稼働時の消費電流と加算しても、バッテリ部16の供給可能電流を超えないこととする。また、測定の順番の優先度は、測定センサ部12_A及び測定センサ部12_Bが同一か、あるいは測定センサ部12_Bが測定センサ部12_Aより高いとする。
【0099】
次に、図9は、測定センサ部12_Aと測定センサ部12_Bとからなるセンサ端末1の動作例を示すタイミングチャートである。図9において、縦軸は消費電流、横軸は時間である。この図9の動作を行わせるタイムスケジュールの構成は、図7と同様であり、測定センサ部12_Aの起動時間T12_A_1、測定終了時間T12_A_2、測定センサ部12_Bの起動時間T12_B_1、測定終了時間T12_B_2と、通信部11の通信要求及びデータ送信の各時刻が設定される。
すなわち、測定センサ部12_A、測定センサ部12_B及び通信部11が同一のタイミングで起動されるように、起動時間T12_A_1、起動時間T12_B_1及び送信開始時間T11_1は同一時間に設定する。
また、測定センサ部12_Aの稼動時間が長いため、センサ端末1の稼動時間を短くするため、センサ端末1から基地局3に対して、データ送信を行う時間帯においても測定センサ部12_Aを稼動させて物理量のデータの測定を行わせるようにスケジューリングを行う。
【0100】
したがって、本実施形態においては、起動された同一の期間内において、測定センサ部12_Bの測定した物理量のデータと、測定センサ部12_Aの測定した物理量のデータとを、基地局3に送信することはできない。
このため、起動された期間において、この期間に測定センサ部12_Bが測定した物理量のデータと、直前に起動された期間に測定センサ部12_Aが測定した物理量のデータを、基地局3に起動する動作となる。
これにより、本実施形態においては、基地局3に対して物理量のデータを送信する時間帯においても、測定センサ部12_Aの測定を行うため、測定センサ部12_Aの測定が終了するまで、データ送信を行わない場合に比較して、センサ端末1の稼動時間を短くすることができる。
【0101】
次に、図6、図2及び図9を用いて、第3の実施形態によるセンサシステムの動作を説明する。ここで、測定センサ部12は図2(c)の構成として説明する。また、第1及び第2の実施形態と同様の処理については、簡易な説明にし、第1及び第2の実施形態と異なる動作については詳細に説明する。時刻t1、t3からt7及びt10からt13までの動作は、第2の実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0102】
時刻t2:
タイマー144_A_1、タイマー144_12_B_1及びタイマー144_11_1は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_A_1、タイマー144_12_B_1及びタイマー144_11_1に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、タイマー144_A_1及び測定センサ部12_Bの各々に稼動を開始させるとともに、通信部11に対して基地局3に対する通信要求信号の送信処理を開始させる。
タイマー144_A_1、測定センサ部12_B及び通信部11の稼動を開始させた後、命令処理回路141は、制御部14の動作を通常動作モードからホルトモードに移行させる。すなわち、命令処理回路141は、記憶部15のプログラムに従った自身の動作を停止させる。
このホルトモードにおいては、クロック発振回路142が動作しているため、カウントアップしていない各タイマーのカウント動作は継続している。
【0103】
時刻t8:
通信部11は、基地局3の基地局装置32から送信される、図5(b)に示す構成の通信要求許可信号を受信すると、受信したことを示す受信完了通知信号を制御部14へ出力する。
そして、信号検出回路143は、通信部11に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_11_3をリセットするとともに、受信完了通知信号の割り込みに対応する処理を開始する。
通常動作モードに移行した後、命令処理回路141は、通信部11に対して稼動を停止する制御信号を出力する。これにより、通信部11において、制御回路112は、通信部11に対する電力の供給を停止する。
【0104】
そして、命令処理回路141は、記憶部15から、測定センサ部12_Bのセンサ識別番号と、このセンサ識別番号に対応して記憶されている物理量のデータと、この物理量のデータを読み込んだた時刻とを読み出す。
また、命令処理回路141は、記憶部15から、直前の起動期間に書き込まれ、測定センサ部12_Aのセンサ識別番号と、このセンサ識別番号に対応して記憶されている物理量のデータと、この物理量のデータを読み込んだ時刻とを読み出す。
そして、命令処理回路141は、端末識別情報、測定センサ部12_Aのセンサ識別情報、測定センサ部12_Aの物理量のデータを読み込んだ時刻、測定センサ部12_Aの測定した物理量のデータ、測定センサ部12_Bの端末識別情報、測定センサ部12_Bの物理量のデータを読み込んだ時刻、測定センサ部12_Bの測定した物理量のデータからなるデータ送信信号として基地局3に送信するパケットを、予め設定されているテンプレートに書き込んで生成する。
これにより、起動した期間内に測定センサ部12_Bが測定した物理量のデータと、直前に起動した期間内に測定センサ部12_Aが測定した物理量のデータとが同一のデータ送信信号のパケットにて送信されることになる。
【0105】
時刻t9:
タイマー144_11_4は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_4に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
命令処理回路141は、通信部11に対して基地局3に対する通信要求信号の送信処理を開始させ、自身の作成したデータ送信信号のデータを通信部11へ出力する。
この制御信号が供給されると、通信部11の制御回路112は、無線回路111を含めた通信部11に対して電力を供給して送信状態として起動させる。
そして、制御回路112は、インターフェース回路114を介して供給されるデータ送信信号のデータを、順次、無線回路111を介して、基地局3に対して送信する。
【0106】
時刻t17:
タイマー144_12_A_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_A_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_12_A_2の割り込みに対応する処理を開始する。
すなわち、命令処理回路141は、この割り込みから測定センサ部12_Aの測定が終了したことを検知し、一旦、基地局3へのデータ送信の処理を通信部11に停止させ、物理量のデータを送信するように要求する要求信号を、測定センサ部12_Aに対して出力する。
【0107】
そして、命令処理回路141は、測定センサ部12_Aの制御回路121がメモリ回路124から読み出して出力する物理量のデータを順次入力し、測定センサ部12_Aのセンサ識別情報及びリアルタイムクロック部19から読み込んだ時刻とともに、物理量のデータを記憶部15のデータ記憶領域に書き込んで記憶させる。このとき、命令処理回路141は、インターフェース回路145のデータ専用端子を介して、測定センサ部12_Aからの物理量のデータを読み込む。
【0108】
時刻t17:
命令処理回路141は、測定センサ部12_Aからの物理量のデータの読み込みと、読み込んだ物理量のデータの記憶部15に対する書き込みを終了すると、基地局3に対するデータ送信の処理の再開を通信部11に行わせるとともに、測定センサ部12_Aに対して停止を指示する制御信号を出力する。
そして、測定センサ部12_Aの制御回路121は、自身を含めて測定センサ部12_A内の各部に対する電力の供給を停止させ、測定センサ部12_Aを停止状態とする。
【0109】
<第4の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。図10は、本発明の第4の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。図10において、第2の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してある。
この図10において、第2の実施形態と異なる構成は、図6の構成に加えて起動センサ部13が複数設けられていることである。以下、第2の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
本実施形態におけるセンサ端末1は、異なる種類の無電力で動作するセンサ素子からなる起動センサ部13_1、…、13_mが設けられ、物理量のデータを測定する測定センサ部12_A、12_B、12_Cが設けられている。これら起動センサ部13_1、…、13_mは、センサ素子の種類が異なっているが、動作自体は第1及び第2の実施形態における起動センサ部13と同様である。
【0110】
本実施形態においては、複数の起動センサ部13のうちいずれの起動センサ部13が起動するか、あるいは起動した起動センサ部13の組み合わせにより、測定センサ部12の測定順番を示す優先度が異なって設定されている。
このため、いずれの起動センサ部13が起動されたかにより、起動された起動センサ部13に対応したタイムスケジュールが設定されたテーブルが記憶部15に予め書き込んで記憶されている。
また、起動した起動センサ部13の組み合わせ毎に、タイムスケジュールが設定されたテーブルが記憶部15に予め書き込まれて記憶されている。タイムスケジュールが設定されたテーブルは図7に示す構成と同様であり、このテーブルが起動センサ部の数で決められる優先度の組み合わせの数だけ、記憶部15に予め記憶されている。また、制御部14が優先度の組み合わせ毎に、後述する図11のテーブルのデータを用い、センサ端末1の動作を制御するタイムスケジュールを生成する演算を行っても良い。
以下、センサ端末1には、図10に示すように、起動センサ部13_1及び13_2の2個が設けられ、測定センサ部12_A、12_B、12_Cの3個の測定センサ部が設けられているとして説明する。
【0111】
次に、図11は、起動センサ部13_1及び13_2のいずれが先に起動したかによる測定センサ部の測定順序の優先度を示したテーブルである。
図11(a)が起動センサ部13_1が先に起動した場合の測定センサ部の優先度を示し、測定センサ部12_A及び12_Bの優先度が「1」であり、測定センサ部12_Cの優先度が「3」である。
一方、図11(b)が起動センサ部13_2が先に起動した場合の測定センサ部の優先度を示し、測定センサ部12_Cの優先度が「1」であり、測定センサ部12_Bの優先度が「2」であり、測定センサ部12_Cの優先度が「3」である場合を示している。
また、図11(a)及び図11(b)のテーブルには、測定センサ部12_A、12_B、12_C及び通信部11の稼働時の消費電流が記載されている。
【0112】
次に、図12は、起動センサ部13_1が起動センサ部13_2より先に起動した場合、図11(a)に示される測定センサ部の測定順序の優先度により設定されたタイムスケジュールに沿ったセンサ端末1の動作を示すタイミングチャートである。
また、図13は、起動センサ部13_2が起動センサ部13_1より先に起動した場合、図11(b)に示される測定センサ部の測定順序の優先度により設定されたタイムスケジュールに沿ったセンサ端末1の動作を示すタイミングチャートである。
上述した図12及び図13に示すように、測定センサ部12_A、12_B、12_Cの各々の測定の優先度と、測定センサ部12_A、12_B、12_Cの稼働時の消費電流と、通信部11の稼働時の消費電流と、制御部14の稼働時の消費電流と、バッテリ部16の供給可能電流とにより、第1から第3の実施形態と同様にタイムスケジュールの生成を行う。
【0113】
そして、制御部14において、インターフェース回路145が起動センサ部毎の起動信号入力端子を有している。
図12及び図13のタイミングチャートにおいて、信号検出回路143は、起動信号が入力されると、インターフェース回路145の起動信号入力端子のいずれに起動信号が入力されたかの情報、あるいは起動信号が入力された起動信号入力端子の組み合わせの情報を、命令処理回路141に出力する。
これにより、命令処理回路141は、いずれの起動センサ部が先に起動したか、あるいは起動した起動センサ部の組み合わせに対応したタイムスケジュールのテーブルを記憶部15から読み出し、読み出したタイムスケジュールに従って、センサ端末1の各部の起動及び停止の制御を行う。
【0114】
上述したように、本実施形態によれば、複数の起動センサ部13と複数の測定センサ部12とを有している場合、起動センサ部13のいずれが先に起動したか、あるいは起動した起動センサ部13の組み合わせにより、複数の測定センサ部12のいずれの測定順序の優先度を高くするかを任意に設定することができる。
これにより、本実施形態によれば、起動センサの種類により、周囲の環境のいずれの物理量が変化したかが判るため、この変化した物理量に関係する測定センサ部12の測定順序の優先度を上げるなど、センサ端末1の制御に変化を持たせることができる。
また、センサ端末1に備えられた複数の測定センサ部12を、複数のグループに分けておき、起動センサ部13のいずれが先に起動したか、あるいは起動した起動センサ部13の組み合わせにより、いずれかのグループを選択し、グループ内の測定センサ部の小埜のに設定された優先度で、各測定センサ部を動作させるように構成してもよい。
【0115】
次に、図6、図12を用いて、起動センサ部13_1が先に起動した場合の動作を説明する。
時刻t101:
起動センサ部13_1が周囲の温度変化により、形状記憶合金のスイッチがオン状態となり、所定の電圧である起動信号が制御部14に供給される。
そして、制御部14は、起動センサ部13_1から起動信号が供給されることにより、停止モードから通常動作モードに移行し、記憶部15に記憶されているプログラムに記載された命令に従い、センサ端末1を制御する動作を行うことになる。
次に、命令処理回路141は、起動センサ部13_1の起動センサ識別情報に対応して記載されているタイムスケジュールのテーブルを記憶部15から読み出し、このテーブルにしたがった処理を開始する。
そして、命令処理回路141は、通常動作モードに移行した後、タイマー部144のタイマー、すなわち、タイマー144_12_A_1、144_12_A_2、144_12_B_1、144_12_B_2、144_12_C_1、144_12_C_2、144_11_1、144_11_2、144_11_3、144_11_4、144_11_5、144_11_6の各々をリセットし、記憶部15から読み出したテーブに記載されている各タイマーに対応する時間を書き込み、カウント動作を開始させる。
【0116】
時刻t102:
タイマー144_12_A_1、タイマー144_12_B_1及びタイマー144_11_1は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_A_1、タイマー144_12_B_1及びタイマー144_11_1に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、測定センサ部12_A及び12_Bに稼動を開始させるとともに、通信部11に対して基地局3に対する通信要求信号の送信処理を開始させる。
測定センサ部12_A、12_B及び通信部11の稼動を開始させた後、命令処理回路141は、制御部14の動作を通常動作モードからホルトモードに移行させる。すなわち、命令処理回路141は、記憶部15のプログラムに従った自身の動作を停止させる。
このホルトモードにおいては、クロック発振回路142が動作しているため、カウントアップしていない各タイマーのカウント動作は継続している。
【0117】
時刻t103:
通信部11は、送信が行える状態となり、第2の実施形態と同様の処理により、基地局3に対して、図5(a)に示す構成の通信要求信号を送信する。
【0118】
時刻t104:
通信部11は、基地局3に対する通信要求信号の送信を終了する。このとき、制御回路112は、無線回路111に対する電源の供給を停止し、省電力動作状態となる。
また、タイマー144_12_A_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_A_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
または、測定センサ部12_Aからの測定完了通知を割り込み信号とし、信号検出回路143は、割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力してもよい。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_12_A_2の割り込みに対応する処理を開始する。
すなわち、命令処理回路141は、この割り込みから測定センサ部12_Aの測定が終了したことを検知し、物理量のデータを送信するように要求する要求信号を、測定センサ部12_Aに対して出力する。
【0119】
そして、命令処理回路141は、測定センサ部12_Aの制御回路121がメモリ回路124から読み出して出力する物理量のデータを順次入力し、測定センサ部12_Aのセンサ識別情報及びリアルタイムクロック部19から読み込んだ時刻とともに、物理量のデータを記憶部15のデータ記憶領域に書き込んで記憶させる。このとき、命令処理回路141は、インターフェース回路145のデータ専用端子を介して、測定センサ部12_Aからの物理量のデータを読み込む。
上述した、時刻t103から時刻t104の間は、測定センサ部12_A、12_B及び通信部11が送信状態により起動しているが、それぞれの消費電流が1mA、2mA、13mAであるため、合計しても16mAであり、バッテリ部16の供給可能電流を超えていない。
【0120】
時刻t105:
命令処理回路141は、測定センサ部12_Aからの物理量のデータの読み込みと、読み込んだ物理量のデータの記憶部15に対する書き込みを終了し、測定センサ部12_Aに対して停止を指示する制御信号を出力した後、制御部14を通常動作モードからホルトモードに移行する。
そして、測定センサ部12_Aの制御回路121は、自身を含めて測定センサ部12_A内の各部に対する電力の供給を停止させ、測定センサ部12_Aを停止状態とする。
【0121】
時刻t106:
タイマー144_12_B_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_B_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_12_B_2の割り込みに対応する処理を開始する。
または、測定センサ部12_Bからの測定完了通知を割り込み信号とし、信号検出回路143は、割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力してもよい。
すなわち、命令処理回路141は、この割り込みから測定センサ部12_Bの測定が終了したことを検知し、物理量のデータを送信するように要求する要求信号を、測定センサ部12_Bに対して出力する。
【0122】
そして、命令処理回路141は、測定センサ部12_Bの制御回路121がメモリ回路124から読み出して出力する物理量のデータを順次入力し、測定センサ部12_Bのセンサ識別情報及びリアルタイムクロック部19から読み込んだ時刻とともに、物理量のデータを記憶部15のデータ記憶領域に書き込んで記憶させる。このとき、命令処理回路141は、インターフェース回路145のデータ専用端子を介して、測定センサ部12_Bからの物理量のデータを読み込む。
【0123】
時刻t107:
命令処理回路141は、測定センサ部12_Bからの物理量のデータの読み込みと、読み込んだ物理量のデータの記憶部15に対する書き込みを終了し、測定センサ部12_Bに対して停止を指示する制御信号を出力する。
そして、測定センサ部12_Bの制御回路121は、自身を含めて測定センサ部12_B内の各部に対する電力の供給を停止させ、測定センサ部12_Bを停止状態とする。
また、タイマー144_11_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_11_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
命令処理回路141は、基地局3からの通信要求許可信号の受信を行うため、通信部11に対して受信状態に移行することを指示する制御信号を出力する。
そして、この制御信号が供給されると、通信部11の制御回路112は、無線回路111に対して電力を供給して受信状態として起動させる。
【0124】
時刻t108:
通信部11は、基地局3の基地局装置32から送信される図5(b)に示す通信要求許可信号を受信すると、受信したことを示す受信完了通知信号を制御部14へ出力する。
そして、制御回路112は、通信要求許可信号のパケットのデータが全て入力された時点、すなわちパケットのデータを全てメモリ回路113に書き込んだ後、受信完了通知信号を割り込み信号として制御部14に出力する。
信号検出回路143は、上述した受信完了通知信号を、インターフェース回路145の通信部11専用の割り込み信号端子を介して入力する。
そして、信号検出回路143は、通信部11に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_11_3をリセットするとともに、受信完了通知信号の割り込みに対応する処理を開始する。
【0125】
通常動作モードに移行した後、命令処理回路141は、通信部11に対して稼動を停止する制御信号を出力する。これにより、通信部11において、制御回路112は、通信部11に対する電力の供給を停止する。
ここで、命令処理回路141は、センサ端末1の端末識別情報及び測定センサ部12のセンサ識別情報を記憶部15から読み込み、また現在の時刻をリアルタイムクロック部19から読み込む。
そして、命令処理回路141は、端末識別情報、測定センサ部12_Aのセンサ識別情報、測定センサ部12_Aの測定した物理量のデータを読み込んだ時刻、物理量のデータ、測定センサ部12_Bのセンサ識別情報、測定センサ部12_Bの測定した物理量のデータを読み込んだ時刻、物理量のデータを、データ送信信号として基地局3に送信するパケットの予め設定されているテンプレートに書き込む。
【0126】
時刻t109:
タイマー144_12_C_1は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_C_1に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、測定センサ部12_Cに稼動を開始させる。
【0127】
時刻t110:
タイマー144_12_C_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_C_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_12_C_2の割り込みに対応する処理を開始する。
すなわち、命令処理回路141は、この割り込みから測定センサ部12_Cの測定が終了したことを検知し、物理量のデータを送信するように要求する要求信号を、測定センサ部12_Cに対して出力する。
【0128】
そして、命令処理回路141は、測定センサ部12_Cの制御回路121がメモリ回路124から読み出して出力する物理量のデータを順次入力し、測定センサ部12_Cのセンサ識別情報及びリアルタイムクロック部19から読み込んだ時刻とともに、物理量のデータを記憶部15のデータ記憶領域に書き込んで記憶させる。このとき、命令処理回路141は、インターフェース回路145のデータ専用端子を介して、測定センサ部12_Cからの物理量のデータを読み込む。
【0129】
時刻t111:
命令処理回路141は、測定センサ部12_Cからの物理量のデータの読み込みと、読み込んだ物理量のデータの記憶部15に対する書き込みを終了し、測定センサ部12_Cに対して停止を指示する制御信号を出力する。
そして、測定センサ部12_Cの制御回路121は、自身を含めて測定センサ部12_C内の各部に対する電力の供給を停止させ、測定センサ部12_Cを停止状態とする。
次に、命令処理回路141は、データ送信信号として基地局3に送信するパケットの予め設定されているテンプレートに対し、測定センサ部12_Bのセンサ識別情報、測定センサ部12_Bの測定した物理量のデータを読み込んだ時刻、物理量のデータを付け加え、データ送信信号として基地局3に送信するパケットを生成する。
以降の時刻t9から時刻t13における動作は、第1及び第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
また、図13のタイミングチャートの説明は、図12の測定センサ部12_A、12_B及び12_Cの動作順序が異なるのみであるため、説明を省略する。
【0130】
<第5の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。図14は、本発明の第5の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。図14において、第2の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してある。
この図14において、第2の実施形態と異なる構成は、図6の構成に加えて電圧測定部17が設けられていることである。以下、第2の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
【0131】
電圧測定部17は、制御部14により起動され、バッテリ部16の電圧を測定し、測定値を制御部14に対して出力する。
起動センサ部13が起動し、起動信号を制御部14に出力すると、制御部14は、電圧測定部17を起動し、バッテリ部16の電圧を測定する。
記憶部15には、判定電圧範囲(後述)に対応してタイムスケジュールのテーブルが記憶されている。例えば、バッテリ部16が電力が最大に蓄積されている場合がVmaxであり、センサ端末1を稼動するために必要な最低電圧がVminであるとすると、VmaxとVminとの電圧の範囲を、複数の判定電圧範囲として分割し、各判定電圧範囲に対応したタイムスケジュールのテーブルが設定される。
【0132】
これにより、制御部14は、起動信号で停止モードから通常動作モードに移行した後、電圧測定部17を起動し、この電圧測定部17の測定するバッテリ部16の電圧を読み込む。
次に、制御部14は、読み込んだバッテリ部16の電圧がいずれの判定電圧範囲に含まれているかを判定し、その判定電圧範囲毎に対応して記憶されているタイムスケジュールにおけるテーブルの設定時間のデータを記憶部15から読み出す。
そして、制御部14は、読み出したタイムスケジュールにおけるテーブルの設定時間のデータに従って、センサ端末1の制御を行う。例えば、測定センサ部12が複数設定されている場合、測定の順番を示す優先度を変更したタイムスケジュールとなっている。
【0133】
上述したように、本実施形態によれば、バッテリ部16の電圧により、すなわちバッテリ部16に蓄積されている残存電力に応じて、センサ端末1の各部の動作及び停止を制御するためのタイムスケジュールが設定されているため、バッテリ部16の残存する電力に応じて、バッテリ部16がセンサ端末1の各部に電流を供給する時間を最短とすることができ、バッテリ部16の電力供給が可能な期間を、従来に比較して長くすることが可能となる。
【0134】
また、通信部11が2種類の通信手段を有するように構成しても良い。すなわち、通信部11が送信の際の消費電力は大きいが高速なIEEE802.11gによる通信装置と、IEEE802.11gより低速だが消費電力も少ないIEEE802.15.4による通信装置とを備えている構成としても良い。
そして、バッテリ部16の電圧に対し、IEEE802.11gによる通信装置とIEEE802.15.4による通信装置とのいずれを用いるかを判定する閾値電圧を予め設定する。
制御部14は、電圧測定部17の測定する電圧が、上述した閾値電圧を超える場合、まだ十分な電力がバッテリ部16に蓄積されているとして、無線通信に対しIEEE802.11gによる通信装置を用いる。
【0135】
一方、制御部14は、電圧測定部17の測定する電圧が、上述した閾値電圧以下の場合、十分な電力がバッテリ部16に蓄積されていないとして、無線通信に対しIEEE802.15.4による通信装置を用いる。
また、測定センサ部12のセンサ素子122が温度センサの場合、IEEE802.15.4による通信装置を用い、センサ素子122が温度センサに比較して非常にデータ数が多いCCD等の場合、データの転送時間を短縮するため、IEEE802.11gによる通信装置を用いる構成としても良い。また、この場合にも、バッテリ部16の残存電力の測定において、端子間電圧が閾値電圧以下の場合、IEEE802.11gによる通信装置でなく、IEEE802.15.4による通信装置を用いるようにタイムスケジュールを設定する。
【0136】
上述したように、本実施形態によれば、バッテリ部16の電圧により、すなわち蓄積されている電力に応じて、データ送信が高速で消費電力の高い通信装置と、よりデータ送信が低速で消費電力の低い通信装置との各々を使い分けるため、バッテリ部16の電圧に応じたデータ送信を行うことが可能となる。
【0137】
<第6の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。図15は、本発明の第6の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。図15において、第5の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してある。
この図15において、第5の実施形態と異なる構成は、図14の構成に加えて電源部18が設けられていることである。以下、第5の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
測定センサ部12_Aから12_Zの各々のいくつかが、動作電圧として複数種類有している場合、例えば8V、10Vの2つを電源電圧として有し、いずれかを与えることにより動作する。このような測定センサ部12の場合、より電源電圧の低い方が測定に時間が必要であったり、物理量のデータの測定精度が低下する状態となる。
電源部18は、バッテリ部16の電圧をDC/DCコンバータなどにより昇圧し、センサ端末1に含まれる測定センサ部12の各々に与える電圧を生成している。
電源部18は、バッテリ部16の電圧から、多段に接続されたDC/DCコンバータにより、複数の電圧を生成している。
【0138】
しかしながら、バッテリ部16の残存電力が低下した場合、バッテリ部16の供給可能電流が低下するため、測定センサ部12の消費電力を低下させる必要がある。
第5の実施形態と同様に、バッテリ部16が電力が最大に蓄積されている場合がVmaxであり、センサ端末1を稼動するために必要な最低電圧がVminであるとすると、VmaxとVminとの電圧の範囲を、複数の判定電圧範囲として分割し、各判定電圧範囲に対応したタイムスケジュールのテーブルが設定されている。
このタイムスケジュールのテーブルには、各測定センサ部12に対して与える電圧値が設定されている。そして、制御部14はこれらの電圧値を生成するように電源部18を制御する。
そして、判定電圧範囲が最低電圧Vminに近くなるほど、各測定センサ部12に対して与える電圧値が低くなる。このため、制御部14は、電源部18における高い方の電圧値の電圧を生成するDC/DCコンバータを停止することになる。
【0139】
例えば、測定センサ部12_Aが5V、8Vの電圧値の電圧で動作し、測定センサ部12_Bが5V、8V、12Vの電圧値の電圧で動作する場合、判定電圧範囲Vw1に対応したタイムスケジュールのテーブルには、測定センサ部12_Aを8Vで動作させ、測定センサ部12_Bを12Vで動作させることが示されている。
判定電圧範囲Vw1より電圧値の低い判定電圧範囲Vw2に対応したタイムスケジュールのテーブルには、測定センサ部12_Aを8Vで動作させ、測定センサ部12_Bを8Vで動作させることが示されている。
また、判定電圧範囲Vw2より電圧値の低い判定電圧範囲Vw3に対応したタイムスケジュールのテーブルには、測定センサ部12_Aを5Vで動作させ、測定センサ部12_Bを5Vで動作させることが示されている。
【0140】
したがって、制御部14は、起動センサ部13からの起動振動により、停止モードから通常動作モードとなった後、電圧測定部17を起動し、バッテリ部16の電圧の電圧値を測定し、この測定した電圧値がいずれの判定電圧範囲に含まれているかの判定を行う。
例えば、制御部14は、測定した電圧値が判定電圧範囲Vw1に含まれている場合、この判定電圧範囲Vw1に対応したタイムスケジュールのテーブルを記憶部15から読み出す。
制御部14は、読み出したテーブルに従い、電源部18を、5V、8V、12Vの各々を出力するよう制御する。この場合、3段のDC/DCコンバータの全てが動作することになる。
そして、制御部14は、このタイムスケジュールのテーブルに記載されているように、測定センサ部12_Aを8Vで駆動させ、測定センサ部12_Bを12Vで動作させるように制御する。
【0141】
一方、制御部14は、測定した電圧値が判定電圧範囲Vw3に含まれている場合、この判定電圧範囲Vw3に対応したタイムスケジュールのテーブルを記憶部15から読み出す。
制御部14は、読み出したテーブルに従い、電源部18を、5Vを出力するよう制御する。この場合、3段のDC/DCコンバータの内、初段のみが動作することになる。
そして、制御部14は、このタイムスケジュールのテーブルに記載されているように、測定センサ部12_Aを5Vで駆動させ、測定センサ部12_Bを5Vで動作させるように制御する。
上述したように、本実施形態は、バッテリ部16の残存電力(バッテリ部16の電圧の電圧値)に応じて、各測定センサ部12に対して、供給する電圧値を変更する制御、すなわち残存電力が低下するほど、測定センサ部12が許容する電源電圧における低い電圧を供給するように制御することが可能である。
このため、本実施形態によれば、電源部18の生成する複数の電圧値において、残存電力が低いほど、高い電圧値の生成を抑制するため、電源部18が各測定センサ部12に供給する電圧を生成する際の効率が向上し、バッテリ部16の電力供給が可能な期間を、従来に比較して長くすることが可能となる。
【0142】
また、図1における制御部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりセンサ端末1におけるタイムスケジュールの管理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0143】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0144】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0145】
1…センサ端末
2…データセンター
3…基地局
11…通信部
12,12_A,12_B,12_C…測定センサ部
13,13_1,13_2…起動センサ部
14…制御部
15…記憶部
16…バッテリ部
17…電圧測定部
18…電源部
19…リアルタイムクロック部
100…ネットワーク
111…無線回路
112,121…制御回路
113,124…メモリ回路
114,125,145…インターフェース回路
122…センサ素子
123…A/D変換回路
141…命令処理回路
142…クロック発振回路
143…信号検出回路
144…タイマー部
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量を測定するセンサ端末、このセンサ端末からの物理量を収集するセンサシステム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、所定の位置に配置したセンサ端末におけるセンサ素子が測定する物理量のデータを、センサ端末に搭載された無線機により、遠隔地のデータセンターのデータサーバに、基地局を介して送信し、所定の物理量のデータを収集する装置がある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1においては、無線通信を行う際に、通常動作に加えて通信部による消費電力が必要となるため、無線通信を行う必要がないとき、制御部がセンサ端末を待機状態にして、電力消費を抑制する構成が記載されている。
【0003】
しかし、特許文献1のセンサ端末においては、無線通信を行っていない場合でも、制御部によって電力が消費されるため、十分な消費電力の低減が行われていない。
これを解消するため、無電力で物理量を測定するセンサ素子を、センサ端末全体への電源供給を行うか否かのスイッチ手段として用いる構成がある(例えば、特許文献2参照)。
また、センサ端末が時間経過あるいはある物理量が所定の数値を超えた場合をイベントとして、イベントの発生によりセンサ端末全体に電源を供給する構成がある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−16566号公報
【特許文献2】特開2007−108884号公報
【特許文献3】特開2009−261013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2は、物理量を測定するセンサ素子自体がセンサ端末に対して電源を供給するスイッチとして動作する。
また、特許文献2に記載されているように、測定される物理量が予め設定された閾値を超えるか否かにより、例えば異常あるいは正常であるかの判定結果として、異常の場合にセンサ端末を稼働させ、異常であることを無線通信する。
【0006】
また、特許文献2においては、正確な物理量ではなく、ある閾値を超えたか否かの判定結果が測定結果として得られるのみである。このため、特許文献2のセンサ端末は、異常となったことを知るような用途に用いることができるが、物理量の正確な値を必要とする場合には使用することができない。
また、特許文献2において、センサ素子がセンサ端末を稼動させる起動部であるため、このセンサの種類が限られ、センサ端末が測定可能な物理量の種類が限られてしまう。
【0007】
一方、特許文献3は、イベントの発生を検出するイベント起動装置を物理量と異なる構成として備え、センサ素子とセンサ端末とに対する電力の供給をイベントが発生した際に行うため、センサ端末における電力消費を低減することができる。
また、特許文献3は、イベントが発生した際に、電源をセンサ端末に供給するイベント起動装置と、物理量を測定するセンサ素子とが備えられているため、特許文献2と異なり、センサ端末が測定する物理量に制限はない。
【0008】
しかしながら、特許文献3は、イベント起動装置に常時電力が供給されるため、特許文献1と同様に、十分な消費電力の低減を行うことができない。
さらに、特許文献3においては、イベントの発生後にセンサ素子により物理量を測定し、測定した後に無線通信を行うことが記載されているが、センサ端末が一旦イベントにより起動すると、センサ測定と無線通信とが終了するまで、電力を消費する構成となっており、十分な消費電力の低減を行うことができない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、物理量の正確な値を検出することができ、かつセンサ端末の消費電力を従来に比較してより低減することができるセンサ端末、センサシステム及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のセンサ端末は、計測対象の物理量を計測する測定センサ部と、前記測定センサ部が計測した前記物理量のデータを無線送信する通信部と、前記測定センサ部及び前記通信部の動作を制御する制御部と、前記測定センサ部、前記通信部及び前記制御部に電力を供給するバッテリと、前記測定センサ部より消費電力が少なく、周囲の環境の物理量が閾値を超えた場合に前記制御部を起動する起動センサ部とを備え、前記制御部が、前記起動センサ部に起動された後、前記測定センサ部の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力と前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部と前記通信部との各々を起動させるタイミングを制御することを特徴とする。
【0011】
本発明のセンサ端末は、前記測定センサ部を複数個有し、前記測定センサ部の動作タイミングが、当該測定センサ部の起動順番と、前記測定センサ部各々の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力の前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、予め設定されていることを特徴とする。
【0012】
本発明のセンサ端末は、前記起動センサ部を複数個有し、当該起動センサ部の各々が他と異なる種類の物理量を測定し、複数の前記起動センサ部において測定対象の物理量が閾値を超えた起動センサ部と、当該測定センサ部の稼動順番と、前記測定センサ部各々の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力の前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部の動作タイミングが予め設定されていることを特徴とする。
【0013】
本発明のセンサ端末は、前記比較結果が、前記制御部自身の第3の消費電力を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明のセンサ端末は、前記バッテリの端子間電圧を測定する電圧測定部をさらに備え、前記電圧測定部の測定した端子間電圧に応じて、前記制御部が前記測定センサ部の動作タイミングを制御することを特徴とする。
【0015】
本発明のセンサ端末は、前記通信部が通信に必要な電力が異なる複数の種類の通信方式を有し、前記電圧測定部の測定した端子間電圧に対応し、いずれの電力の通信方式を用いるかが設定されていることを特徴とする。
【0016】
本発明のセンサ端末は、前記物理量の種類に応じて、いずれの電力の通信方式を用いるかが設定されていることを特徴とする。
【0017】
本発明のセンサ端末は、前記バッテリの電力から複数の電圧を生成する電圧制御部をさらに有し、前記測定センサ部が複数の稼動電圧で動作する場合、前記電圧制御部が、前記電圧測定部の測定した端子間電圧に対応した前記稼動電圧を、前記測定センサ部に対して供給することを特徴とする。
【0018】
本発明のセンサシステムは、物理量を測定するセンサ端末と、物理量を収集するセンサデータサーバと、前記センサ端末及び前記センサデータサーバ間の通信を制御する基地局装置とからなるセンサシステムであり、前記センサ端末が、計測対象の物理量を計測する測定センサ部と、前記測定センサ部が計測した前記物理量のデータを送信する通信部と、前記測定センサ部及び前記通信部の動作を制御する制御部と、前記測定センサ部、前記通信部及び前記制御部に電力を供給するバッテリと、前記測定センサ部より消費電力が少なく、周囲の環境の物理量が閾値を超えた場合に前記制御部を起動する起動センサ部とを備え、前記制御部が、前記起動センサ部に起動された後、前記測定センサ部の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力と前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部と前記通信部との各々を動作させるタイミングを制御し、前記基地局装置が、前記センサ端末との無線通信を制御して、当該センサ端末から物理量のデータを受信し、前記センサデータサーバに送信することを特徴とする。
【0019】
本発明のセンサシステムは、前記比較結果が、前記制御部自身の第3の消費電力を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明のセンサシステムは、前記センサ端末が前記動作タイミングにおいて起動された際、前記通信部が、前記測定センサ部の稼動時間から決まる、前記物理量のデータを送信可能となる時間を示すデータ要求時間情報を付加し、前記基地局装置との通信を要求する通信要求信号を前記基地局装置に送信することを特徴とする。
【0021】
本発明のセンサシステムは、前記基地局装置が、前記通信許可依頼信号を受信すると、付加されている前記データ送信予定時間より後の通信許可時刻を付加した通信許可信号を前記センサ端末に送信することを特徴とする。
【0022】
本発明のセンサ端末制御方法は、バッテリの供給する電力により動作する測定センサ部、前記測定センサ部より消費電力が少ない起動センサ部、通信部及び制御部を備えるセンサ端末を制御するセンサ端末制御方法であり、前記起動センサ部が、動作に必要な電力の供給を必要とせず、周囲の環境の物理量が閾値を超えた場合に制御部を起動する過程と、前記制御部が前記起動センサ部に起動された後、前記測定センサ部の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力と前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部と前記通信部との各々を起動させるタイミングを制御する過程とを有することを特徴とする。
【0023】
本発明のセンサ端末制御方法は、前記比較結果が、前記制御部自身の第3の消費電力を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、電力消費をせずに起動タイミングを検出する起動センサ部により制御部が起動された後、制御部が測定センサ部の物理量を測定するために必要な稼動時間と、バッテリの供給可能電力と測定センサ部及び通信部の消費電力の各々との消費電力とを比較して、バッテリの供給可能電力で並行に稼動可能な各部の稼動タイミングをそれぞれ制御することで、測定センサ部に対して物理量の正確な値を検出させることができ、かつセンサ端末の動作時間を従来に比較して短くすることにより、センサ端末の消費電力を従来に比較してより低減させるため、バッテリによる稼動時間を、従来に比較して長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の第1の実施形態によるセンサシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】通信部11、測定センサ部12及び制御部14の構成例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態における通信部11及び測定センサ部12を起動及び停止させるタイミングを示すタイムスケジュールが記述されたテーブルの構成を示す概念図である。
【図4】第1の実施形態によるセンサシステムの動作例を示すタイミングチャートである。
【図5】センサ端末1と基地局3との間で送受信される通信要求信号及び通信要求許可信号のパケットの構成例を示す図である。
【図6】この発明の第2の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。
【図7】第2の実施形態における通信部11及び測定センサ部12を起動及び停止させるタイミングを示すタイムスケジュールが記述されたテーブルの構成を示す概念図である。
【図8】消費電力が大きい測定センサ部12_Aと、消費電力が測定センサ部12Aより少ない測定センサ部12_Bを有したセンサ端末1の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】測定センサ部12_Aと測定センサ部12Bとからなるセンサ端末1の動作例を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明の第4の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。
【図11】起動センサ部13_1及び13_2のいずれが先に起動したかによる測定センサ部の測定順序の優先度を示したテーブルである。
【図12】起動センサ部13_1が起動センサ部13_2より先に起動した場合における測定センサ部の測定順序の優先度により設定されたタイムスケジュールに沿ったセンサ端末1の動作を示すタイミングチャートである。
【図13】起動センサ部13_2が起動センサ部13_1より先に起動した場合における測定センサ部の測定順序の優先度により設定されたタイムスケジュールに沿ったセンサ端末1の動作を示すタイミングチャートである。
【図14】本発明の第5の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。
【図15】本発明の第6の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、この発明の第1の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。
この図において、センサシステムは、センサ端末1、データセンター2及び基地局3から構成されている。センサ端末1は、データセンター2の遠隔地において1つあるいは複数個が配置されている。
データセンター2には、データサーバ21が基地局3を介してセンサ端末1から送信される、センサ端末1の測定した物理量のデータが入力される。
また、データセンター2は、データベース22に対し、センサ端末1を識別する端末識別情報と対応付けて、書き込み記憶させる。
基地局3は、アンテナ31と基地局装置32を有している。基地局装置32は、アンテナ31を介してセンサ端末1と無線通信によるデータの送受信を行う。また、基地局装置32は、センサ端末1と無線通信によりデータの送受信を行い、センサ端末1に備えられたセンサ素子の測定した物理量のデータを受信し、データセンター2のデータサーバ21へ送信する処理を行う。
基地局3とデータセンター2とは、無線及び有線のいずれか、あるいは双方からなるネットワーク100(例えば、インターネットなどの通信網)により接続されている。
【0027】
センサ端末1は、通信部11、測定センサ部12、起動センサ部13、制御部14、記憶部15、バッテリ部16及びリアルタイムクロック部19を備えている。
通信部11は、バッテリ部16の供給する電力により、基地局3とデータの送受信を行う。
測定センサ部12は、測定対象の物理量の計測を行い、計測したデータを制御部14に対して出力する。
測定センサ部12は、センサ素子として、例えば、加速度、温度センサ、湿度センサ、ガスセンサ、煙センサ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを備えている。
図2は、通信部11、測定センサ部12及び制御部14の構成例を示すブロック図である。図2(c)及び図2(d)は、測定センサ部12の構成例を示すブロック図である。
【0028】
図2(c)は、測定結果をデジタル信号で出力する測定センサ部12の構成例を示している。測定センサ部12は、制御回路121、センサ素子122、A/D変換回路123、メモリ回路124、インターフェース回路125を備えている。
制御回路121は、制御部14から起動を指示する制御信号が入力されると、センサ素子122に電源を供給し、物理量の計測をセンサ素子122に行わせる。このとき、起動を指示する制御信号により、測定センサ部12にバッテリ部16から電源が供給され、電源の供給により起動した制御回路121が測定センサ部12の稼動を開始する。例えば、測定センサ部12の電源線をバッテリ部16に接続するスイッチが、起動を指示する制御信号によりオンにされることで、測定センサ部12にはバッテリ部16から電力が供給されて駆動状態となる。
制御回路121は、センサ素子122が計測した物理量のデータをA/D変換回路123により、アナログデータからデジタルデータに変換する。
また、制御回路121は、デジタルデータをメモリ回路124に蓄積し、制御部14からのデータ転送の指示を示す制御信号がインターフェース回路125を介して入力されると、メモリ回路124からデジタルデータを読み出し、制御部14へ出力する。
【0029】
一方、図2(d)は、測定結果を計測したアナログ信号のまま出力する測定センサ部12の構成例を示している。測定センサ部12は、制御回路121、センサ素子122及びインターフェース回路125を備えている。
制御回路121は、制御部14からの起動を指示する制御信号が入力されると、センサ素子122にバッテリ部16から電源を供給し、物理量の計測をセンサ素子122に行わせる。このとき、起動を指示する制御信号により、測定センサ部12に電源が供給され、電源の供給により起動した制御回路121が測定センサ部12の稼動を開始する。
また、制御回路121は、計測した物理量のデータを、アナログデータのまま、インターフェース回路125を介して制御部14へ出力する。
この図2(d)の測定センサ部12を用いる場合、アナログデータをデジタルデータに変換するため、制御部14にA/D変換回路を設けておく必要がある。センサ素子122とインターフェース回路125は図2(c)と同様の構成である。
【0030】
図1に戻り、起動センサ部13は、測定センサ部12より少ない消費電力で動作するセンサ素子、あるいは無電力で動作するセンサ素子を有し、このセンサ素子が所定の条件、すなわち予め設定した物理量の閾値を超えると起動信号を出力する構成となっている。
例えば、起動センサ部13は、無電力で動作するセンサ素子としては、磁性体からなるセンサ素子を備えた感温磁性体センサスイッチ、形状記憶合金からなるセンサ素子を備えた形状記憶合金センサスイッチ、圧電素子やピエゾフィルム素子などからなるセンサ素子を備えた外力起電型センサスイッチである振動センサスイッチや圧力センサスイッチなどである。
【0031】
形状記憶合金スイッチの場合、この形状記憶合金スイッチを所定の電圧端子と制御部14の起動信号入力端子との間に設け、所定の閾値を超える際に、スイッチ端子が接触してスイッチがオンし、制御部14の起動信号入力端子に電圧端子の電圧が起動信号として与えられる。
また、外力起電型センサスイッチの場合、この外力起電型センサスイッチに所定の圧力あるいは振動が印加された際に出力する電圧を、制御部14の起動信号入力端子に供給する起動信号として用いる。
【0032】
すなわち、起動センサ部13におけるセンサ素子が、予め設定した物理量の閾値を周囲の物理量が超えたことを検出した場合、すなわち、検出対象の物理量である温度、振動あるいは圧力などが閾値を超える値でセンサ素子に印加された場合に、起動センサ部13がオン状態となり、起動信号を出力する。
一方、起動センサ部13におけるセンサ素子が、予め設定した物理量の閾値を周囲の物理量が超えたことを検出しない場合、すなわち、検出対象の物理量である温度、振動あるいは圧力などが閾値を超えない値でセンサ素子に印加されている場合に、起動センサ部13はオフ状態であり、起動信号を出力しない。
【0033】
また、本実施形態においては、測定センサ部12により計測する物理量と起動センサ部13が検出する物理量とは、相関(因果関係)があるものを用いても良い。相関があるものとしては、例えば、起動センサ部13により検出される物理量と同種の物理量、または起動センサ部13が測定する物理量が変化した場合に対応して変化する異なる物理量がある。
具体例としては、測定センサ部12及び起動センサ部13が同種の物理量の場合、消費電力が少ないが感度の悪いセンサ素子(形状記憶合金センサスイッチ)を起動センサ部13に用い、起動センサ部13に用いたセンサ素子に比較して消費電力が多いが感度の良いセンサ素子(抵抗を用いた高精度な温度センサ)を測定センサ部12に用いる。
また、測定センサ部12及び起動センサ部13が異種の物理量の場合、人間が乗るマットに圧電素子をセンサ素子とする起動センサ部13を設け、測定センサ部12に人間の顔を撮像するCCDをセンサ素子として用いる。これらセンサ素子の相関は、ある電圧が発生した際、CCDにより撮像する位置に撮像対象が存在することによる。
【0034】
次に、図2(b)は制御部14の構成例を示すブロック図である。
この制御部14は、上述したように、CPUである命令処理回路141、制御部14を順序駆動するためのクロックを生成するクロック発振回路142、データ及び割り込み信号の専用端子を備えるインターフェース回路145を介して入力される信号を検出する信号検出回路143、後述するタイムスケジュールに対応して各部を駆動する時間を経時するタイマー部144などから構成されている。インターフェース回路145は、通信部11及び測定センサ部12からのデータを入力する端子、通信部11からの割り込み信号を入力する端子、起動センサ部13からの割り込み信号を入力する端子などを有している。
信号検出回路143は、インターフェース回路145のいずれの端子から入力されたかを命令処理回路141に通知する処理を行う。
この制御部14は、インターフェース回路145の起動信号入力端子に対し、起動センサ部13から起動信号が供給されると起動し、すなわちスタンバイ状態から通常動作モードに移行し、通信部11及び測定センサ部12、さらに自身を通常動作モードからスタンバイ状態へ移行させる制御を行う。
【0035】
また、制御部14は、複数の消費電力の異なる動作モードを有し、例えば、本実施形態の動作モードとして、以下の3種類がある。
A.通常動作(run)モード
クロック発振回路142が稼動しており、周辺回路である信号検出回路143が動作状態にあり、命令処理回路141が記憶部15に記憶された動作プログラムに従って、演算やデータ転送などの処理を行うモード。
B.ホルト(halt)モード
クロック発振回路142が稼動しており、周辺回路が稼動しており、命令処理回路141が動作を行っていないモード。
C.停止(stop)モード
クロック発振回路142が停止しており、周辺回路が稼動しており、命令処理回路141が動作を行っていないモード。
スタンバイモードとはホルトモードか停止モードを指している。また、各モードにおける消費電力の関係は、通常動作モードが最も大きく、ホルトモードが通常動作モードより小さく、停止モードがクロックが停止しているために最も小さくなっている。
【0036】
また、制御部14のタイマー部144は、タイムスケジュールに沿って測定センサ部12及び通信部11を制御するため、時間管理のために用いる複数のタイマーから構成されている。
記憶部15には、制御部14のCPUを駆動させるための動作が記述されたプログラムと、通信部11及び測定センサ部12を起動及び停止させるタイミングを示すタイムスケジュールが記述されたタイムテーブル(後述する)が記憶されている。
バッテリ部16は、通信部11、測定センサ部12、制御部14、記憶部15及びリアルタイムクロック部19に対し、それぞれの駆動のための電力を供給している。
リアルタイムクロック部19は、制御部14が停止モードであっても動作を継続し、日時を計時している。また、リアルタイムクロック部19は、詳細は記載しないが、定期的に基地局3と時刻を同期させるため、時刻合わせ処理を行っている。
【0037】
次に、図3は、通信部11及び測定センサ部12を起動及び停止させるタイミングを示すタイムスケジュールが記述されたタイムテーブルの構成を示す概念図である。
図3のテーブルの測定センサ部12のタイムスケジュールを実現するため、タイマー部144は、測定センサ部12の起動時間T12_1を計測するためのタイマー144_12_1、測定センサ部12の測定終了時間T12_2とを計測するためのタイマー144_12_2の計2個必要となる。
また、図3のテーブルの通信部11のタイムスケジュールを実現するため、タイマー部144は、通信(TX:Transmit)要求において、送信開始時間T11_1を計測するためのタイマー144_11_1、受信(RX:Receive)開始時間T11_2を計測するためのタイマー144_11_2、受信終了時間T11_3を計測するためのタイマー144_11_3の計3個が必要となる。図3のテーブルの通信部11のタイムスケジュールを実現するため、タイマー部144は、データ送信において、送信開始時間T11_4を計測するためのタイマー144_11_4、受信開始時間T11_5を計測するためのタイマー144_11_5、受信終了時間T11_6を計測するためのタイマー144_11_6の計3個が必要となる。
【0038】
測定センサ部12の起動時間T12_1は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から測定センサ部12を起動させるまでの時間である。
また、測定センサ部12の測定終了時間T12_2は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から測定センサ部12を停止させるまでの時間である。
【0039】
通信部11の通信要求における送信開始時間T11_1は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から、基地局3への通信要求信号の送信を通信部11に開始させるまでの時間である。
また、通信部11の通信要求における受信開始時間T11_2は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から、基地局3からの通信要求許可信号の受信を通信部11に開始させるまでの時間として設定されている。
また、通信部11の通信要求における受信完了時間T11_3は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から、基地局3からの通信要求許可信号の受信状態を終了させる(タイムアウトによる終了)までの時間である。
【0040】
通信部11のデータ送信における送信開始時間T11_4は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から、基地局3へのデータ(測定センサ部12の計測した物理量のデータ)の送信を、通信部11に開始させるまでの時間である。
また、通信部11の通信要求における受信開始時間T11_5は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から、基地局3からのデータ送信確認信号の受信を通信部11に開始させるまでの時間である。
また、通信部11の通信要求における受信完了時間T11_6は、制御部14が停止モードから通常動作モードに移行した時点から、通信部11に対して基地局3からのデータ送信確認信号の受信を終了する(タイムアウトによる終了)までの時間である。
【0041】
次に、図2(a)は、通信部11の構成例を示すブロック図である。通信部11は、無線回路111、制御回路112、メモリ回路113及びインターフェース回路114を備えている。制御回路112は、通信要求信号を基地局3に対して送信することを指示する通信要求送信信号が、制御部14からインターフェース回路114を介して入力することで起動し、通信要求信号を基地局3に対して送信する。すなわち、制御回路112は、通信要求送信信号が供給されると、メモリ回路113に記憶されている送信要求のデータを通信要求信号として、無線回路111から送信する。
【0042】
また、制御回路112は、基地局3から受信したデータを一旦メモリ回路113に記憶させ、基地局3からのデータの受信が終了した時点で、制御部14に対して受信完了通知を出力する。
また、制御回路112は、制御部14から起動を指示する制御信号が入力されると、通信部11に対する電源の供給を開始する。このとき、起動を指示する制御信号により、通信部11に電源が供給され、電源の供給により起動した制御回路112が通信部11の稼動を開始する。例えば、通信部11の電源線をバッテリ部16に接続するスイッチを、起動を指示する制御信号がオンすることで通信部11に電力を駆動する状態となる。また、データの送信状態及びデータの受信状態に応じて、無線回路111内の送信及び受信の各々に必要な回路に電源を供給し、送信または受信を行う。
【0043】
次に、記憶部15に記憶されるタイムスケジュールのデータの生成について説明する。
このタイムスケジュールには、すでに説明したように、制御部14が起動してから、測定センサ部12及び通信部11をそれぞれどのようなタイミングにより制御するかが設定されている。以下、図面を用いて、このタイムスケジュールの生成ついて説明する。
図4は、消費電力量が少ない、すなわち、測定センサ部12及び通信部11を、制御部14と同一時間で稼動させても、測定センサ部12、通信部11及び制御部14の各々の消費電流を加えた総電流量が、バッテリ部16の供給可能な最大電流である供給可能電流(実際には電力であるが、バッテリ部16としては一定電圧で電流を出力するために電流量で考える)を超えない場合における、第1の実施形態によるセンサシステムの動作例を示すタイミングチャートである。ここでは、このタイミングチャートに応じた動作を設定するタイムスケジュールのユーザが行う生成について説明する。この図4においては、縦軸がそれぞれのモードで動作したときの消費電力を示し、横軸が時間を示している。
【0044】
起動時間T12_1(時刻t1から時刻t2までの時間)は、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、測定センサ部12の稼動を開始させるまでの時間を示している。この起動時間T12_1は、センサ端末1の稼動期間のいずれのタイミングで、測定センサ部12を稼動(すなわち起動)させるかを示している。
後述する、通信部11の消費電流と、制御部14との消費電流と、測定センサ部12の消費電流とを加算した総消費電流が、バッテリ部16の供給可能電流を超えないため、通信部11と重なる期間で稼動する時間に、起動時間T12_1を設定する。
次に、測定終了時間T12_2(時刻t1から時刻t5までの時間)は、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、測定センサ部12の計測した物理量のデータの読み込みを制御部14が開始するまでの時間を示している。
【0045】
この起動時間T12_1と測定終了時間T12_2との差の時間は、測定センサ部12の物理量のデータの測定をするために必要な稼動時間であり、測定センサ部12が内部に備えたセンサ素子122の種類により、センサ素子122が物理量を測定する測定状態となる(安定したデータを測定できる)までの待機時間と、待機の後にセンサ素子122が実際に物理量のデータを測定する測定時間とからなる。このため、待機時間と測定時間とがセンサ素子122の仕様から既知であるため、この待機時間と測定時間とを加算することにより、起動時間T12_1と測定終了時間T12_2との差の時間が容易に求まり、この差の時間を起動時間T12_1に加算することにより、ユーザが測定終了時間T12_2を求める。また、測定終了時に測定センサ部12より、制御部14に対して測定完了通知を送信してもよい。実際の測定終了時間は計算で求めた測定終了時間12_2の前後に変動する場合がある。測定終了時間12_2が予定よりも早い場合、制御部14に対し測定結果をより早いタイミングで送信することが可能となる。また、測定終了時間12_2が予定よりも遅い場合、制御部14を立ち上げ続ける必要がなく、測定結果を送信するタイミングで立ち上げることができ、消費電力の低下に貢献することが可能となる。
【0046】
また、送信開始時間T11_1(時刻t1から時刻t2までの時間)は、基地局3に対して通信要求を行う際に、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、基地局3に対して通信要求信号の送信を指示するまでの時間を示している。この起動時間T11_1は、センサ端末1の稼動期間のいずれのタイミングで、通信部11を送信状態として稼動を開始させるかを示している。
受信開始時間T11_2(時刻t1から時刻t6までの時間)は、基地局3に対して通信要求を行う際に、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、基地局3からの通信要求許可信号の受信を開始させるまでの時間を示している。この起動時間T11_2は、センサ端末1の稼動期間のいずれのタイミングで、通信部11を受信状態として稼動を開始させるかを示している。
受信終了時間T11_3(時刻t1から時刻t8までの時間)は、基地局3に対して通信要求を行う際に、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、基地局3からの通信要求許可信号の受信を、タイムアップとして終了させるまでの時間を示している。この起動時間T11_3は、基地局3から通信要求許可信号が送信されるのをどの程度まで受信状態で待機するかを示している。
【0047】
送信開始時間T11_1と受信開始時間T11_2との差分は、基地局3に対して通信要求信号を送信してから、基地局3から通信要求許可信号が返信される最短時間より短い時間に設定されている。これにより、基地局3からの通信要求許可信号の送信が期待される時間に、通信部11を受信状態にすることができる。
また、受信開始時間T11_2と受信終了時間T11_3との差分は、通信部11の無線回路111が受信状態となってから、受信状態で待機する時間として予め設定されたタイムアウト時間となっている。これにより、何らかの事情により、基地局3からの通信要求許可信号の送信が行われなかった場合、通信部11が通信要求許可信号の受信を無駄に待って、電力を消費するのを防ぐことができる。
また、送信開始時間T11_4(時刻t1から時刻t9までの時間)は、基地局3に対してデータ送信を行う際に、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、基地局3に対してデータの送信を通信部11に対して指示するまでの時間を示している。
受信開始時間T11_5(時刻t1から時刻t11までの時間)は、基地局3に対してデータ送信を行う際に、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、基地局3からのデータ送信確認信号の受信を通信部11に開始させるまでの時間を示している。
受信終了時間T11_6(時刻t1から時刻t12までの時間)は、基地局3に対してデータ送信を行う際に、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、基地局3からのデータ送信確認信号の受信を通信部11に対して終了させるまでの時間を示している。
【0048】
送信開始時間T11_4は、測定センサ部12の測定した物理量のデータに対し、センサ端末1の端末識別情報、測定センサ部12のセンサ識別情報及び測定センサ部12による物理用のデータの測定日時の情報を付加し、送信する送信パケットを構成する時間として設定されている。このとき、制御部14は、測定日時の情報をリアルタイムクロック部19から読み込み、センサ端末1の端末識別情報及び測定センサ部12のセンサ識別情報を記憶部15から読み込む。
【0049】
送信開始時間T11_4と受信開始時間T11_5との差分は、測定センサ部12が測定する物理量のデータのデータ量が予め判っているため、この物理量のデータを送信するために必要な時間と、基地局3が全てのデータを受信し、データ送信確認信号を送信する最短時間より短い時間に設定されている。これにより、基地局3からのデータ送信確認信号の送信が期待される時間に、通信部11を受信状態にすることができる。
また、受信開始時間T11_5と受信時間終了時間T11_6との差分は、通信部11の無線回路111が受信状態となってから、受信状態で待機する時間として予め設定されたタイムアウト時間となっている。これにより、何らかの事情により、基地局3からのデータ送信確認信号の送信が行われなかった場合、通信部11がデータ送信確認信号の受信を無駄に待って、電力を消費するのを防ぐことができる。
【0050】
図4のタイミングチャートの場合、測定センサ部12、制御部14及び通信部11の各々の稼動した際の消費電流の合計が、バッテリ部16の供給可能な電流を超えないため、通信部11と測定センサ部12とを同一の時間帯で稼動させるタイムスケジュールとしている。
一方、測定センサ部12、制御部14及び通信部11の各々の稼動した際の消費電流の合計が、バッテリ部16の供給可能な電流を超えた場合、ユーザは測定センサ部12と通信部11との稼動する時間帯を異ならせ、稼動状態が時間的に重ならないように、タイムスケジュールを設定することになる。この場合、測定センサ部12による測定及び通信部11に通信要求送信を行わせる順番は、タイムスケジュールの時間を調整するのみであるため、何れが先に稼動しても良い。
【0051】
次に、図1、図2及び図3を用いて、第1の実施形態によるセンサシステムの動作を説明する。以下、例えば、起動センサ部13が形状記憶合金を用いた温度センサスイッチであり、測定センサ部12のセンサ素子122がサーミスタを用いた温度センサであるとして説明する。また、測定センサ部12を図2(c)の構成として説明する。
時刻t1:
起動センサ部13が周囲の温度変化により、形状記憶合金のスイッチがオン状態となり、所定の電圧である起動信号が制御部14のインターフェース回路145の起動信号入力端子に供給される。
そして、信号検出回路143は、インターフェース回路145の起動信号入力端子に割り込み信号が入力されたことを検出する。
【0052】
次に、信号検出回路143は、起動信号入力端子に起動信号が入力されると、制御部14に対して、起動信号が入力されたことを示す制御信号を、命令処理回路141の割り込み端子に対して出力するとともに、起動信号が入力されたことを示す情報を命令処理回路141に対して出力する。
命令処理回路141は、割り込み信号が入力されると、クロック発振回路142を起動させて、動作クロックのクロック発振を開始させ、自身を停止モードから通常動作モードに移行する。
すなわち、制御部14は、起動センサ部13から信号検出回路143を介して、起動信号が供給されることにより、停止モードから通常動作モードに移行し、記憶部15に記憶されているプログラムに記載された命令に従い、センサ端末1を制御する動作を行う。
【0053】
そして、命令処理回路141は、通常動作モードに移行した後、タイマー部144のタイマー、すなわち、タイマー144_12_1、144_12_2、144_11_1、144_11_2、144_11_3、144_11_4、144_11_5、144_11_6の各々をリセットし、記憶部15に記憶されているタイムスケジュールのテーブルを読み出し、各タイマーに対応する時間を、タイマー部144におけるタイマーの各々に書き込み、カウント動作を開始させる。
これらのタイマーの各々は、カウントアップにより出力されるカウントアップ信号を、信号検出回路143の異なるタイマー割り込み端子に出力する。信号検出回路143は、備えたタイマー割り込み端子のいずれにカウントアップ信号が入力されると、命令処理回路141の割り込み端子に割り込み信号を出力とともに、それぞれのタイマー割り込み端子に割りつけられた処理を行うように、命令処理回路141に対し、いずれのタイマーからの割り込み信号であるかを示す情報を出力する。
【0054】
また、例えば、各タイマーがカウントダウンタイマーである場合、命令処理回路141は、記憶部15のタイムスケジュールのテーブルから、時間T12_1、T12_2、T11_1、T11_2、T11_3、T11_4、T11_5、T11_6の各々を読み出し、それぞれタイマー144_12_1、144_12_2、144_11_1、144_11_2、144_11_3、144_11_4、144_11_5、144_11_6に設定する。この各タイマーは、カウントが開始されると所定の同一周期(同一クロックであるクロック発振回路142が生成する動作クロック)によりカウントダウンし、カウント値が0となるとカウントアップ信号を出力する。
そして、命令処理回路141は、タイマー144_12_1、144_12_2、144_11_1、144_11_2、144_11_3、144_11_4、144_11_5、144_11_6に対し、カウント動作を開始させる。
【0055】
時刻t2:
タイマー144_12_1及びタイマー144_11_1は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_1及びタイマー144_11_1に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、測定センサ部12に稼動を開始させるとともに、通信部11に対して基地局3に対する通信要求信号の送信処理を開始させる。
測定センサ部12及び通信部11の稼動を開始させた後、命令処理回路141は、制御部14の動作を通常動作モードからホルトモードに移行させる。すなわち、命令処理回路141は、記憶部15のプログラムに従った自身の動作を停止させる。
このホルトモードにおいては、クロック発振回路142が動作しているため、カウントアップしていない各タイマーのカウント動作は継続している。
【0056】
時刻t3:
通信部11は、送信が行える状態となり、基地局3に対して通信要求信号を送信する。
すなわち、制御回路112は、メモリ回路113に記憶されているデータを用いて、通信要求信号のパケットを生成し、無線回路111を介して、通信要求信号を基地局3に対して送信する。
図5は、センサ端末1と基地局3との間で送受信される通信要求信号及び通信要求許可信号のパケットの構成例を示す図である。
通信部11は、図5(a)に示すように、デイストネーション・アドレス(送り先アドレル)と、ソース・アドレス(送り元アドレス)と、通信要求コマンドと、通信要求時刻とを含む通信要求信号のパケットを、基地局3に対して送信する。通信部11の制御回路112は、メモリ回路113からデイストネーション・アドレス、ソース・アドレス、通信要求コマンドを読み出す。
【0057】
また、制御回路112は、送信開始時間T11_4と送信開始時間T11_1とを記憶部15から読み出し、リアルタイムクロック部19の現在の時刻である現時刻を読み出し、自身の通信要求信号の送信に必要な送信時間Ttをメモリ回路113から読み出す。メモリ回路113には、処理で用いる順番にそれぞれのデータが予め記憶されている。
そして、制御回路112は、送信開始時間T11_4から送信開始時間T11_1を減算し、減算結果に送信時間Ttを加算し、加算結果の時間を現時刻に加算し、加算結果を通信要求時刻とする。この通信要求時刻は、基地局3の基地局装置32に対し、センサ端末1として物理量のデータを送信したい時刻を示している。すなわち、通信要求時刻は、測定センサ部12が物理量の測定が終了し、物理量のデータを送信するパケットを構成する時間を含めており、通信部11が物理量のデータのパケットを即座に送信可能となる時間を示している。
【0058】
時刻t4:
通信部11は、基地局3に対する通信要求信号の送信を終了する。このとき、制御回路112は、無線回路111に対する電源の供給を停止し、省電力動作状態となる。
【0059】
時刻t5:
タイマー144_12_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
または、測定センサ部12からの測定完了通知を割り込み信号とし、信号検出回路143は、割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力してもよい。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、割り込みに対応する処理を開始する。
すなわち、命令処理回路141は、この割り込みから測定センサ部12の測定が終了したことを検知し、物理量のデータを送信するように要求する要求信号を、測定センサ部12に対して出力する。
そして、命令処理回路141は、測定センサ部12の制御回路121がメモリ回路124から読み出して出力する物理量のデータを順次入力し、測定センサ部12のセンサ識別情報及びリアルタイムクロック部19から読み込んだ時刻とともに(対応させて)、物理量のデータを記憶部15のデータ記憶領域に書き込んで記憶させる。このとき、命令処理回路141は、インターフェース回路145のデータ専用端子を介して、測定センサ部12からの物理量のデータを読み込む。
【0060】
時刻t6:
タイマー144_11_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_11_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
命令処理回路141は、基地局3からの通信要求許可信号の受信を行うため、通信部11に対して受信状態に移行することを指示する制御信号を出力する。
また、この制御信号が供給されると、通信部11の制御回路112は、無線回路111に対して電力を供給して受信状態として起動させる。
【0061】
時刻t7:
命令処理回路141は、測定センサ部12からの物理量のデータの読み込みと、読み込んだ物理量のデータの記憶部15に対する書き込みを終了し、測定センサ部12に対して停止を指示する制御信号を出力した後、制御部14を通常動作モードからホルトモードに移行する。
そして、制御回路121は、自身を含めて測定センサ部12内の各部に対する電力の供給を停止させ、測定センサ部12を停止状態とする。
【0062】
時刻t8:
通信部11は、基地局3の基地局装置32から送信される通信要求許可信号を受信すると、受信したことを示す受信完了通知信号を制御部14へ出力する。
基地局3の基地局装置32は、図5(b)に示すように、デイストネーション・アドレス(送り先アドレス)と、ソース・アドレス(送り元アドレス)と、通信要求コマンドに対する応答(OKまたはNG)と、通信許可時刻とを含む通信要求許可信号のパケットを、センサ端末1に対して送信する。この通信許可時刻は、センサ端末1が送信した通信要求時刻が空いていれば、通信要求時刻と同一であるが、他のセンサ端末1がすでに予約していたり、あるいは他のセンサ端末1と通信中の場合、通信要求時刻より後の時間を通信許可時刻として通知する。
【0063】
また、命令処理回路141は、通信許可時刻が通信要求時刻と異なる場合、通信許可時刻から通信要求許可時刻を減算し、減算結果を現在のタイマー144_11_4のカウント値に加算し、制御部14が通信部11に対してデータ送信指示を出力する時間を延ばす。
ここで、図5(b)の通信要求許可信号において、通信許可時間を付加せずに、通信要求コマンドに対する応答(OKまたはNG)のみを回答とするように構成しても良い。
この場合、基地局装置32は、センサ端末1が通信要求時刻に、データ送信を行って良いか否かの回答を行うことになる。このため、センサ端末1は、応答がNGの場合、通信要求時刻を代えて再度、通信要求信号を送信する。
【0064】
このとき、制御回路112は、無線回路111を介して受信する通信要求許可信号のパケットの各データを、一旦メモリ回路113に対して書き込んで記憶させる。
そして、制御回路112は、通信要求許可信号のパケットのデータが全て入力された時点、すなわちパケットのデータを全てメモリ回路113に書き込んだ後、受信完了通知信号を割り込み信号として制御部14に出力する。
信号検出回路143は、上述した受信完了通知信号を、インターフェース回路145の通信部11専用の割り込み信号端子を介して入力する。
そして、信号検出回路143は、通信部11に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_11_3をリセットするとともに、受信完了通知信号の割り込みに対応する処理を開始する。
このとき、タイマー144_11_3がカウントアップしたことにより、命令処理回路141に割り込みが入力された場合、命令処理回路141は、所定の時刻後に、再度通信要求信号を送信する。
【0065】
通常動作モードに移行した後、命令処理回路141は、通信部11に対して稼動を停止する制御信号を出力する。これにより、通信部11において、制御回路112は、通信部11(無線回路111のみでも良い)に対する電力の供給を停止する。
ここで、命令処理回路141は、センサ端末1の端末識別情報及び測定センサ部12のセンサ識別情報を記憶部15から読み込み、また現在の時刻をリアルタイムクロック部19から読み込む。
そして、命令処理回路141は、端末識別情報、センサ識別情報、現在の時刻、物理量のデータからなるデータ送信信号として基地局3に送信するパケットを、予め設定されているテンプレートに書き込んで生成する。
【0066】
時刻t9:
タイマー144_11_4は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_4に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
命令処理回路141は、通信部11に対して基地局3に対する通信要求信号の送信処理を開始させ、自身の作成したデータ送信信号のデータを通信部11へ出力する。
この制御信号が供給されると、通信部11の制御回路112は、無線回路111を含めた通信部11に対して電力を供給して送信状態として起動させる。
そして、制御回路112は、インターフェース回路114を介して供給されるデータ送信信号のデータを、順次、無線回路111を介して、基地局3に対して送信する。
【0067】
時刻t10:
命令処理回路141は、データ送信信号のデータを全て通信部11に対して送信を終了すると、通信部11が全てのデータの送信を終了するのに必要な時間が経過した後、通信部11に対して、送信状態から無線回路111が稼動していない無送受信状態に移行する制御信号を出力する。
また、命令処理回路141は、通信部11に対して無送受信状態に移行する制御信号を出力した後、制御部14を通常動作モードからホルトモードに移行させる。
【0068】
時刻t11:
タイマー144_11_5は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_5に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
命令処理回路141は、基地局3からのデータ送信確認信号を受信する受信処理を開始させることを指示する制御信号を、通信部11に対して出力する。
また、この制御信号が供給されると、通信部11の制御回路112は、無線回路111に対して電力を供給して受信状態として起動させる。
【0069】
時刻t12:
通信部11は、基地局3の基地局装置32から送信されるデータ送信確認信号を受信すると、受信したことを示す受信完了通知信号を制御部14へ出力する。
このとき、制御回路112は、無線回路111を介して受信するデータ送信確認信号の各データを、一旦メモリ回路113に対して書き込んで記憶させる。
そして、制御回路112は、データ送信確認信号のデータが全て入力された時点、すなわちデータ送信確認信号のデータを全てメモリ回路113に書き込んだ後、受信完了通知信号を割り込み信号として制御部14に出力する。
信号検出回路143は、上述した受信完了通知信号を、インターフェース回路145の通信部11専用の割り込み信号端子を介して入力する。
そして、信号検出回路143は、通信部11に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_11_3をリセットするとともに、受信完了通知信号の割り込みに対応する処理を開始する。
【0070】
時刻t13:
命令処理回路141は、通信部11に出力したデータ送信信号のデータを削除した後、制御部14を通常動作モードから停止モードに移行させる。
以降の処理は、時刻t1から時刻t13までの繰り返しとなる。すなわち、制御部14は、新たな起動センサ部13からの起動信号の供給を、停止状態にて待つことになる。
【0071】
上述したように、本実施形態によれば、通信部11、測定センサ部12及び制御部14の各部を、無電力のセンサそして形成されている起動センサ部13が起動信号を出力するまで、起動している状態に比較してほとんど電力を消費しない状態で待機することが可能となり、かつ、通信部11、測定センサ部12及び制御部14の各々の消費電力と、バッテリ部16の供給可能電流とを考慮し、センサ端末1が最も短い稼動時間となるように生成したタイムスケジュールに沿って、制御部14がそれぞれの部を稼動させるため、バッテリ部16がセンサ端末1の各部に電流を供給する時間を最短とすることができ、バッテリ部16の電力供給が可能な期間を、従来に比較して長くすることが可能となる。
【0072】
すなわち、測定センサ部12、通信部11及び制御部14が同時に稼動しても、それぞれの消費電流の合計が供給可能電流より低い場合、それぞれの稼動状態が時間的に重なるタイムスケジュールとなる。
一方、測定センサ部12、通信部11及び制御部14が同時に稼動すると、それぞれの消費電流の合計が供給可能電流より高くなる場合、測定センサ部12の稼動状態と、通信部11の稼動状態が時間的に重ならないようにずらしたタイムスケジュールとなる。
【0073】
また、上述した本実施形態においては、通信部11、測定センサ部12を停止あるいは起動するためのタイマーを、制御部14のタイマー部144に設けているが、このタイマーを通信部11、測定センサ部12の各々に設けるように構成しても良い。
この場合、制御部14は通信部11及び測定センサ部12を起動あるいは停止した後、停止モードとなり、通信部11、測定センサ部12におけるタイマーのカウントアップによる割り込み信号により通常動作モードとなり、通信部11及び測定センサ部12の制御を行うように動作する。
【0074】
例えば、タイマー144_12_1、144_11_1、144_11_4がタイマー部144に設けられ、タイマー144_12_2が測定センサ部12に設けられ、タイマー144_11_1_2、144_11_3、144_11_5、及び144_11_6が通信部11に設けられる。
そして、時刻t1において、制御部14は、起動信号の入力により通常動作モードとなった後、記憶部15のタイムスケジュールのテーブルから、各タイマーにカウントさせる時間を読み出し、自身及び通信部11、測定センサ部12のタイマーの各々に読み出した時間をそれぞれ設定し、タイマーのカウント動作を開始させる。
【0075】
<第2の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図6は、この発明の第2の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。図6において、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してある。
この図2において、図1の第1の実施形態と異なる構成は、測定センサ部12が複数設けられていることである。以下、第1の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
本実施形態におけるセンサ端末1は、同様または異なる物理量のデータを測定する測定センサ部12_A、…、12_Zが設けられている。これら測定センサ部12_A、…、12_Zは、センサ素子の種類が同様あるいは異なっているが、構成自体が第1の実施形態における測定センサ部12と同様である。
【0076】
本実施形態においては、複数の測定センサ部12が存在する。以下、説明を簡単にするため、測定センサ部12_A及び12_Bの2個の測定センサ部を有するとして説明を行う。測定センサ部12が3個以上でも以下に説明する処理と同様である。
測定センサ部12_A及び12_Bを有する場合、記憶部15に記憶されているタイムスケジュールが記載されたテーブルの構成は、図7に示す構成となる。この図7は、本実施形態における通信部11及び測定センサ部12を起動及び停止させるタイミングを示すタイムスケジュールが記述されたテーブルの構成を示す概念図である。
図7のテーブルから判るように、測定センサ部12毎に、すなわち測定センサ部12_A、12_Bの各々に起動時間と測定終了時間とが設定されている。
【0077】
この図7のテーブルには、測定センサ部12の関係としては、測定センサ部12_Aの起動時間T12_A_1及び測定終了時間T12_A_2と、測定センサ部12_Bの起動時間T12_B_1及び測定終了時間T12_B_2とが設定されている。
また、通信部11の動作に関係する各設定時間は、通信要求及びデータ通信の双方ともに、第1の実施形態と同様である。
また、制御部14におけるタイマー部144には、測定センサ部12_A及び12_Bの各々を制御するため、測定センサ部12_Aの起動時間T12_A_1をカウントするタイマー144_12_A_1と、測定センサ部12_Aの測定終了時間T12_A_2をカウントするタイマー144_12_A_2と、測定センサ部12_Bの起動時間T12_B_1をカウントするタイマー144_12_B_1と、測定センサ部12_Bの測定終了時間T12_B_2をカウントするタイマー144_12_B_2と、第1の実施形態と同様な図7のテーブルにおける通信部11の各設定時間をカウントするタイマーが設けられている。
【0078】
次に、記憶部15に記憶されるタイムスケジュールのテーブルの各設定時間のデータの生成について説明する。
このタイムスケジュールのテーブルには、すでに説明したように、制御部14が起動してから、測定センサ部12_A、測定センサ部12_B及び通信部11を、それぞれどのようなタイミングにより起動及び停止の制御を行うかが設定されている。以下、図面を用いて、このタイムスケジュールの生成ついて説明する。
図8は、消費電力が大きい(後述)測定センサ部12_Aと、消費電力が測定センサ部12_Aより少ない測定センサ部12_Bを有したセンサ端末1の動作を示すタイミングチャートである。
この図8においては、縦軸がそれぞれのモードで動作したときの消費電力を示し、横軸が時間を示している。
【0079】
ここで、例えば、測定センサ部12_B及び通信部11を、制御部14と同一期間で稼動させた際の、測定センサ部12_B、通信部11及び制御部14の各々の消費電流を加えた総電流量が、バッテリ部16の供給可能な最大電流である供給可能電流を超えない。
しかしながら、測定センサ部12_Aの消費電流が測定センサ部12_Bの消費電流より大きく、制御部14の消費電流と合計すると、バッテリ部16の供給可能電流に近くなり、通信部11または測定センサ部12_Bと同一期間で稼動させることができない。したがって、測定センサ部12_Aと、通信部11または測定センサ部12_Bのいずれかとを同一の時間帯(期間)で同時に稼動させることはできないため、それぞれの稼動時間帯をずらす必要がある。
【0080】
また、もう一つの条件としては、複数の測定センサ部の測定順序を示す優先度がある。図4の場合には、測定センサ部12_Bが測定センサ部12_Aより、測定の順番の優先度が高いため、測定センサ部12_Bが先に起動されるタイムスケジュールとなっている。
このように、センサ端末1に複数の測定センサ部12が備えられている場合、第1の実施形態の場合のように、測定センサ部12と通信部11と制御部14の消費電流と、バッテリ部16の供給可能電流との関係だけでなく、各測定センサ部の測定の優先度によって、タイムスケジュールが作成される。
【0081】
起動時間T12_A_1(時刻t1から時刻t14までの時間)は、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、測定センサ部12_Aの稼動を開始させるまでの時間を示している。この起動時間T12_A_1は、センサ端末1の稼動期間のいずれのタイミングで、測定センサ部12_Aを稼動させるかを示している。測定センサ部12_Aは、測定の優先度が測定センサ部12_Bより低く、かつ測定センサ部12_Bや通信部11と同一の期間に稼動できない。このため、起動時間T12_A_1は、測定センサ部12_Bの稼動する期間と重ならないように、測定センサ部12_Bの測定終了時間T12_B_2が経過した後の時間に起動するように設定する。
次に、測定終了時間T12_A_2(時刻t1から時刻t15までの時間)は、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、測定センサ部12_Aの計測した物理量のデータの読み込みを制御部14が開始するまでの時間に設定する。
【0082】
この起動時間T12_A_1と測定終了時間T12_A_2との差の時間は、測定センサ部12_Aの物理量のデータの測定をするために必要な稼動時間であり、測定センサ部12_Aが内部に備えたセンサ素子122の種類により、センサ素子122が物理量を測定する測定状態となるまでの待機時間と、待機の後にセンサ素子122が実際に物理量のデータを測定する測定時間とからなる。このため、待機時間と測定時間とがセンサ素子122の仕様から既知であるため、この待機時間と測定時間とを加算することにより、起動時間T12_A_1と測定終了時間T12_A_2との差の時間が容易に求まり、この差の時間を起動時間T12_A_1に加算することにより、測定終了時間T12_A_2を求める。
【0083】
起動時間T12_B_1(時刻t1から時刻t2までの時間)は、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、測定センサ部12_Bの稼動を開始させるまでの時間を示している。この起動時間T12_B_1は、センサ端末1の稼動期間のいずれのタイミングで、測定センサ部12_Bを稼動させるかを示している。測定の優先度が測定センサ部12_Aより高く、かつ測定センサ部12_Bとは同一期間に稼動できないが、通信部11と同一の期間に稼動できるため、測定センサ部12_Bの稼動する期間と重ならないように、かつ通信部11の稼動期間と重なる時間に設定する。
次に、測定終了時間T12_B_2(時刻t1から時刻t6までの時間)は、制御部14が、起動信号の入力により起動された時点から、測定センサ部12_Bの計測した物理量のデータの読み込みを制御部14が開始するまでの時間に設定する。
起動時間T12_B_1と測定終了時間T12_B_2との差の時間の定義は、起動時間T12_A_1と測定終了時間T12_A_2との差の時間と同様であり、この差の時間を起動時間T12_B_1に加算することにより、測定終了時間T12_B_2を求める。
【0084】
送信開始時間T11_1、受信開始時間T11_2及び受信終了時間T11_3は、測定センサ部12_Bの稼動する期間と重なり、測定センサ部12_Aの稼動する期間と重ならない時間に設定されている以外、第1の実施形態と同様である。
送信開始時間T11_4、受信開始時間T11_5及び受信終了時間T11_6は、測定センサ部12_A及び12_Bの各々における物理量のデータの測定が終了した後に設定されている以外、第1の実施形態と同様である。
また、受信終了時間T11_3と送信開始時間T11_4との間に、制御部14は、センサ端末1の端末識別情報、測定センサ部12_Aのセンサ識別情報A、測定センサ部12_Bのセンサ識別情報Bを記憶部15から読み出すとともに、リアルタイムクロック部19から現在の時刻を読み込む。
また、受信終了時間T11_3と送信開始時間T11_4との間に、制御部14は、端末識別情報、現在時刻、センサ識別情報A、測定センサ部12_Aの物理量のデータ、センサ識別情報B、測定センサ部12_Bの物理量のデータからなるデータ送信情報のパケットを生成し、記憶部15に記憶させる。
【0085】
次に、図6、図2及び図8を用いて、第2の実施形態によるセンサシステムの動作を説明する。ここで、測定センサ部12は図2(c)の構成であるものとして説明する。また、第1の実施形態と同様の処理については、簡易な説明にし、第1の実施形態と異なる動作については詳細に説明する。
時刻t1:
起動センサ部13が周囲の温度変化により、形状記憶合金のスイッチがオン状態となり、所定の電圧である起動信号が制御部14に供給される。
そして、制御部14は、起動センサ部13から起動信号が供給されることにより、停止モードから通常動作モードに移行し、記憶部15に記憶されているプログラムに記載された命令に従い、センサ端末1を制御する動作を行う。
そして、命令処理回路141は、通常動作モードに移行した後、タイマー部144のタイマー、すなわち、タイマー144_12_A_1、144_12_A_2、144_12_B_1、144_12_B_2、144_11_1、144_11_2、144_11_3、144_11_4、144_11_5、144_11_6の各々をリセットし、記憶部15に記憶されているタイムスケジュールのテーブルにおける設定時間のデータを読み出し、各タイマーに対応する時間を書き込み、カウント動作を開始させる。
【0086】
時刻t2:
タイマー144_12_B_1及びタイマー144_11_1は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_B_1及びタイマー144_11_1に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、測定センサ部12_Bに稼動を開始させるとともに、通信部11に対して基地局3に対する通信要求信号の送信処理を開始させる。
測定センサ部12_B及び通信部11の稼動を開始させた後、命令処理回路141は、制御部14の動作を通常動作モードからホルトモードに移行させる。すなわち、命令処理回路141は、記憶部15のプログラムに従った自身の動作を停止させる。
このホルトモードにおいては、クロック発振回路142が動作しているため、カウントアップしていない各タイマーのカウント動作は継続している。
【0087】
時刻t3:
通信部11は、送信が行える状態となり、第1の実施形態と同様の処理により、基地局3に対して、図5(a)に示す構成の通信要求信号を送信する。
【0088】
時刻t4:
通信部11は、基地局3に対する通信要求信号の送信を終了する。このとき、制御回路112は、無線回路111に対する電源の供給を停止し、省電力動作状態となる。
【0089】
時刻t5:
タイマー144_12_B_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_B_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_12_B_2の割り込みに対応する処理を開始する。
すなわち、命令処理回路141は、この割り込みから測定センサ部12_Bの測定が終了したことを検知し、物理量のデータを送信するように要求する要求信号を、測定センサ部12_Bに対して出力する。
そして、命令処理回路141は、測定センサ部12_Bの制御回路121がメモリ回路124から読み出して出力する物理量のデータを順次入力し、測定センサ部12_Bのセンサ識別情報及びリアルタイムクロック部19から読み込んだ時刻とともに(対応させて)、物理量のデータを記憶部15のデータ記憶領域に書き込んで記憶させる。このとき、命令処理回路141は、インターフェース回路145のデータ専用端子を介して、測定センサ部12_Bからの物理量のデータを読み込む。
【0090】
時刻t6:
タイマー144_11_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
これにより、命令処理回路141は、測定センサ部12_Bからの物理量のデータを読み込みを一旦停止し、基地局3からの通信要求許可信号の受信を行うため、通信部11に対して受信状態に移行することを指示する制御信号を出力する。
そして、命令処理回路141は、通信部11に対して制御信号を出力した後、測定センサ部12_Bからの物理量のデータの入力を再開する。
また、この制御信号が供給されると、通信部11の制御回路112は、無線回路111に対して電力を供給して受信状態として起動させる。
【0091】
時刻t7:
命令処理回路141は、測定センサ部12_Bからの物理量のデータの読み込みと、読み込んだ物理量のデータの記憶部15に対する書き込みを終了し、測定センサ部12_Bに対して停止を指示する制御信号を出力した後、制御部14を通常動作モードからホルトモードに移行する。
そして、測定センサ部12_Bの制御回路121は、自身を含めて測定センサ部12_B内の各部に対する電力の供給を停止させ、測定センサ部12_Bを停止状態とする。
【0092】
時刻t8:
通信部11は、基地局3の基地局装置32から送信される、図5(b)に示す構成の通信要求許可信号を受信すると、受信したことを示す受信完了通知信号を制御部14へ出力する。
そして、信号検出回路143は、通信部11に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_11_3をリセットする。
通常動作モードに移行した後、命令処理回路141は、通信部11に対して稼動を停止する制御信号を出力する。これにより、通信部11において、制御回路112は、通信部11(無線回路111のみでも良い)に対する電力の供給を停止する。
【0093】
時刻t14:
タイマー144_12_A_1は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_A_1に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、測定センサ部12_Aに稼動を開始させる。
測定センサ部12_Aの稼動を開始させた後、命令処理回路141は、制御部14の動作を通常動作モードからホルトモードに移行させる。すなわち、命令処理回路141は、記憶部15のプログラムに従った自身の動作を停止させる。
このホルトモードにおいては、クロック発振回路142が動作しているため、カウントアップしていない各タイマーのカウント動作は継続している。
【0094】
時刻t15:
タイマー144_12_A_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_A_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_12_A_2の割り込みに対応する処理を開始する。
すなわち、命令処理回路141は、この割り込みから測定センサ部12_Aの測定が終了したことを検知し、物理量のデータを送信するように要求する要求信号を、測定センサ部12_Aに対して出力する。
そして、命令処理回路141は、測定センサ部12_Aの制御回路121がメモリ回路124から読み出して出力する物理量のデータを順次入力し、測定センサ部12_Aのセンサ識別情報及びリアルタイムクロック部19から読み込んだ時刻とともに、物理量のデータを記憶部15のデータ記憶領域に書き込んで記憶させる。このとき、命令処理回路141は、インターフェース回路145のデータ専用端子を介して、測定センサ部12_Aからの物理量のデータを読み込む。
【0095】
時刻t16:
命令処理回路141は、測定センサ部12_Aからの物理量のデータの読み込みと、読み込んだ物理量のデータの記憶部15に対する書き込みを終了し、測定センサ部12_Aに対して停止を指示する制御信号を出力する。
そして、測定センサ部12_Aの制御回路121は、自身を含めて測定センサ部12_A内の各部に対する電力の供給を停止させ、測定センサ部12_Aを停止状態とする。
そして、命令処理回路141は、センサ端末1の端末識別情報及び測定センサ部12_Aのセンサ識別情報を記憶部15から読み込み、また現在の時刻をリアルタイムクロック部19から読み込む。
また、命令処理回路141は、記憶部15から、測定センサ部12_Bのセンサ識別番号と、このセンサ識別番号に対応して記憶されている物理量のデータと、この物理量のデータを読み込んだた時刻とを読み出す。
【0096】
そして、命令処理回路141は、端末識別情報、測定センサ部12_Aのセンサ識別情報、測定センサ部12_Aの物理量のデータを読み込んだ時刻、測定センサ部12_Aの測定した物理量のデータ、測定センサ部12_Bの端末識別情報、測定センサ部12_Bの物理量のデータを読み込んだ時刻、測定センサ部12_Bの測定した物理量のデータからなるデータ送信信号として基地局3に送信するパケットを、予め設定されているテンプレートに書き込んで生成する。
以下、時刻t9から時刻t13までのセンサ端末1の動作は、第1の実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0097】
本実施形態は、上述したように、複数の測定センサ部12が存在する場合、測定センサ部12毎に設定された測定する順番を示す優先度と、各測定センサ部12の稼動時間と、各測定センサ部12の稼働時の消費電流と、通信部11の稼働時の消費電流と、制御部14の稼働時の消費電流と、バッテリ部16の供給可能電流とを考慮し、同一の時間帯に動作させる部と、異なる時間帯に動作させる部との稼動のタイミングを示す、センサ端末1が最も短い稼動時間となるタイムスケジュールを生成する。
これにより、本実施形態によれば、このタイムスケジュールに従って、センサ端末1が最も短い稼動時間となるように、制御部14が各部の稼動及び停止を行うため、バッテリ部16がセンサ端末1の各部に電流を供給する時間を最短とすることができ、バッテリ部16の電力供給が可能な期間を、従来に比較して長くすることが可能となる。
【0098】
<第3の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、図6に示す第2の実施形態の構成と同様である。
第3の実施形態が第2の実施形態と異なる点は、センサ端末1に搭載されている他の測定センサ部12に比較して、非常に長い稼動時間を有する測定センサ部12が存在し、この稼動時間の長い測定センサ部12に対応したタイムスケジュールを有していることである。本実施形態においては、測定センサ部12_Aが測定センサ部12_Bに比較して、非常に長い稼動時間を有しているとして説明する。
また、この測定センサ部12_Aの稼働時の消費電流が、測定センサ部12_B、通信部11及び制御部14の各部の稼働時の消費電流と加算しても、バッテリ部16の供給可能電流を超えないこととする。また、測定の順番の優先度は、測定センサ部12_A及び測定センサ部12_Bが同一か、あるいは測定センサ部12_Bが測定センサ部12_Aより高いとする。
【0099】
次に、図9は、測定センサ部12_Aと測定センサ部12_Bとからなるセンサ端末1の動作例を示すタイミングチャートである。図9において、縦軸は消費電流、横軸は時間である。この図9の動作を行わせるタイムスケジュールの構成は、図7と同様であり、測定センサ部12_Aの起動時間T12_A_1、測定終了時間T12_A_2、測定センサ部12_Bの起動時間T12_B_1、測定終了時間T12_B_2と、通信部11の通信要求及びデータ送信の各時刻が設定される。
すなわち、測定センサ部12_A、測定センサ部12_B及び通信部11が同一のタイミングで起動されるように、起動時間T12_A_1、起動時間T12_B_1及び送信開始時間T11_1は同一時間に設定する。
また、測定センサ部12_Aの稼動時間が長いため、センサ端末1の稼動時間を短くするため、センサ端末1から基地局3に対して、データ送信を行う時間帯においても測定センサ部12_Aを稼動させて物理量のデータの測定を行わせるようにスケジューリングを行う。
【0100】
したがって、本実施形態においては、起動された同一の期間内において、測定センサ部12_Bの測定した物理量のデータと、測定センサ部12_Aの測定した物理量のデータとを、基地局3に送信することはできない。
このため、起動された期間において、この期間に測定センサ部12_Bが測定した物理量のデータと、直前に起動された期間に測定センサ部12_Aが測定した物理量のデータを、基地局3に起動する動作となる。
これにより、本実施形態においては、基地局3に対して物理量のデータを送信する時間帯においても、測定センサ部12_Aの測定を行うため、測定センサ部12_Aの測定が終了するまで、データ送信を行わない場合に比較して、センサ端末1の稼動時間を短くすることができる。
【0101】
次に、図6、図2及び図9を用いて、第3の実施形態によるセンサシステムの動作を説明する。ここで、測定センサ部12は図2(c)の構成として説明する。また、第1及び第2の実施形態と同様の処理については、簡易な説明にし、第1及び第2の実施形態と異なる動作については詳細に説明する。時刻t1、t3からt7及びt10からt13までの動作は、第2の実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0102】
時刻t2:
タイマー144_A_1、タイマー144_12_B_1及びタイマー144_11_1は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_A_1、タイマー144_12_B_1及びタイマー144_11_1に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、タイマー144_A_1及び測定センサ部12_Bの各々に稼動を開始させるとともに、通信部11に対して基地局3に対する通信要求信号の送信処理を開始させる。
タイマー144_A_1、測定センサ部12_B及び通信部11の稼動を開始させた後、命令処理回路141は、制御部14の動作を通常動作モードからホルトモードに移行させる。すなわち、命令処理回路141は、記憶部15のプログラムに従った自身の動作を停止させる。
このホルトモードにおいては、クロック発振回路142が動作しているため、カウントアップしていない各タイマーのカウント動作は継続している。
【0103】
時刻t8:
通信部11は、基地局3の基地局装置32から送信される、図5(b)に示す構成の通信要求許可信号を受信すると、受信したことを示す受信完了通知信号を制御部14へ出力する。
そして、信号検出回路143は、通信部11に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_11_3をリセットするとともに、受信完了通知信号の割り込みに対応する処理を開始する。
通常動作モードに移行した後、命令処理回路141は、通信部11に対して稼動を停止する制御信号を出力する。これにより、通信部11において、制御回路112は、通信部11に対する電力の供給を停止する。
【0104】
そして、命令処理回路141は、記憶部15から、測定センサ部12_Bのセンサ識別番号と、このセンサ識別番号に対応して記憶されている物理量のデータと、この物理量のデータを読み込んだた時刻とを読み出す。
また、命令処理回路141は、記憶部15から、直前の起動期間に書き込まれ、測定センサ部12_Aのセンサ識別番号と、このセンサ識別番号に対応して記憶されている物理量のデータと、この物理量のデータを読み込んだ時刻とを読み出す。
そして、命令処理回路141は、端末識別情報、測定センサ部12_Aのセンサ識別情報、測定センサ部12_Aの物理量のデータを読み込んだ時刻、測定センサ部12_Aの測定した物理量のデータ、測定センサ部12_Bの端末識別情報、測定センサ部12_Bの物理量のデータを読み込んだ時刻、測定センサ部12_Bの測定した物理量のデータからなるデータ送信信号として基地局3に送信するパケットを、予め設定されているテンプレートに書き込んで生成する。
これにより、起動した期間内に測定センサ部12_Bが測定した物理量のデータと、直前に起動した期間内に測定センサ部12_Aが測定した物理量のデータとが同一のデータ送信信号のパケットにて送信されることになる。
【0105】
時刻t9:
タイマー144_11_4は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_4に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
命令処理回路141は、通信部11に対して基地局3に対する通信要求信号の送信処理を開始させ、自身の作成したデータ送信信号のデータを通信部11へ出力する。
この制御信号が供給されると、通信部11の制御回路112は、無線回路111を含めた通信部11に対して電力を供給して送信状態として起動させる。
そして、制御回路112は、インターフェース回路114を介して供給されるデータ送信信号のデータを、順次、無線回路111を介して、基地局3に対して送信する。
【0106】
時刻t17:
タイマー144_12_A_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_A_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_12_A_2の割り込みに対応する処理を開始する。
すなわち、命令処理回路141は、この割り込みから測定センサ部12_Aの測定が終了したことを検知し、一旦、基地局3へのデータ送信の処理を通信部11に停止させ、物理量のデータを送信するように要求する要求信号を、測定センサ部12_Aに対して出力する。
【0107】
そして、命令処理回路141は、測定センサ部12_Aの制御回路121がメモリ回路124から読み出して出力する物理量のデータを順次入力し、測定センサ部12_Aのセンサ識別情報及びリアルタイムクロック部19から読み込んだ時刻とともに、物理量のデータを記憶部15のデータ記憶領域に書き込んで記憶させる。このとき、命令処理回路141は、インターフェース回路145のデータ専用端子を介して、測定センサ部12_Aからの物理量のデータを読み込む。
【0108】
時刻t17:
命令処理回路141は、測定センサ部12_Aからの物理量のデータの読み込みと、読み込んだ物理量のデータの記憶部15に対する書き込みを終了すると、基地局3に対するデータ送信の処理の再開を通信部11に行わせるとともに、測定センサ部12_Aに対して停止を指示する制御信号を出力する。
そして、測定センサ部12_Aの制御回路121は、自身を含めて測定センサ部12_A内の各部に対する電力の供給を停止させ、測定センサ部12_Aを停止状態とする。
【0109】
<第4の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。図10は、本発明の第4の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。図10において、第2の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してある。
この図10において、第2の実施形態と異なる構成は、図6の構成に加えて起動センサ部13が複数設けられていることである。以下、第2の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
本実施形態におけるセンサ端末1は、異なる種類の無電力で動作するセンサ素子からなる起動センサ部13_1、…、13_mが設けられ、物理量のデータを測定する測定センサ部12_A、12_B、12_Cが設けられている。これら起動センサ部13_1、…、13_mは、センサ素子の種類が異なっているが、動作自体は第1及び第2の実施形態における起動センサ部13と同様である。
【0110】
本実施形態においては、複数の起動センサ部13のうちいずれの起動センサ部13が起動するか、あるいは起動した起動センサ部13の組み合わせにより、測定センサ部12の測定順番を示す優先度が異なって設定されている。
このため、いずれの起動センサ部13が起動されたかにより、起動された起動センサ部13に対応したタイムスケジュールが設定されたテーブルが記憶部15に予め書き込んで記憶されている。
また、起動した起動センサ部13の組み合わせ毎に、タイムスケジュールが設定されたテーブルが記憶部15に予め書き込まれて記憶されている。タイムスケジュールが設定されたテーブルは図7に示す構成と同様であり、このテーブルが起動センサ部の数で決められる優先度の組み合わせの数だけ、記憶部15に予め記憶されている。また、制御部14が優先度の組み合わせ毎に、後述する図11のテーブルのデータを用い、センサ端末1の動作を制御するタイムスケジュールを生成する演算を行っても良い。
以下、センサ端末1には、図10に示すように、起動センサ部13_1及び13_2の2個が設けられ、測定センサ部12_A、12_B、12_Cの3個の測定センサ部が設けられているとして説明する。
【0111】
次に、図11は、起動センサ部13_1及び13_2のいずれが先に起動したかによる測定センサ部の測定順序の優先度を示したテーブルである。
図11(a)が起動センサ部13_1が先に起動した場合の測定センサ部の優先度を示し、測定センサ部12_A及び12_Bの優先度が「1」であり、測定センサ部12_Cの優先度が「3」である。
一方、図11(b)が起動センサ部13_2が先に起動した場合の測定センサ部の優先度を示し、測定センサ部12_Cの優先度が「1」であり、測定センサ部12_Bの優先度が「2」であり、測定センサ部12_Cの優先度が「3」である場合を示している。
また、図11(a)及び図11(b)のテーブルには、測定センサ部12_A、12_B、12_C及び通信部11の稼働時の消費電流が記載されている。
【0112】
次に、図12は、起動センサ部13_1が起動センサ部13_2より先に起動した場合、図11(a)に示される測定センサ部の測定順序の優先度により設定されたタイムスケジュールに沿ったセンサ端末1の動作を示すタイミングチャートである。
また、図13は、起動センサ部13_2が起動センサ部13_1より先に起動した場合、図11(b)に示される測定センサ部の測定順序の優先度により設定されたタイムスケジュールに沿ったセンサ端末1の動作を示すタイミングチャートである。
上述した図12及び図13に示すように、測定センサ部12_A、12_B、12_Cの各々の測定の優先度と、測定センサ部12_A、12_B、12_Cの稼働時の消費電流と、通信部11の稼働時の消費電流と、制御部14の稼働時の消費電流と、バッテリ部16の供給可能電流とにより、第1から第3の実施形態と同様にタイムスケジュールの生成を行う。
【0113】
そして、制御部14において、インターフェース回路145が起動センサ部毎の起動信号入力端子を有している。
図12及び図13のタイミングチャートにおいて、信号検出回路143は、起動信号が入力されると、インターフェース回路145の起動信号入力端子のいずれに起動信号が入力されたかの情報、あるいは起動信号が入力された起動信号入力端子の組み合わせの情報を、命令処理回路141に出力する。
これにより、命令処理回路141は、いずれの起動センサ部が先に起動したか、あるいは起動した起動センサ部の組み合わせに対応したタイムスケジュールのテーブルを記憶部15から読み出し、読み出したタイムスケジュールに従って、センサ端末1の各部の起動及び停止の制御を行う。
【0114】
上述したように、本実施形態によれば、複数の起動センサ部13と複数の測定センサ部12とを有している場合、起動センサ部13のいずれが先に起動したか、あるいは起動した起動センサ部13の組み合わせにより、複数の測定センサ部12のいずれの測定順序の優先度を高くするかを任意に設定することができる。
これにより、本実施形態によれば、起動センサの種類により、周囲の環境のいずれの物理量が変化したかが判るため、この変化した物理量に関係する測定センサ部12の測定順序の優先度を上げるなど、センサ端末1の制御に変化を持たせることができる。
また、センサ端末1に備えられた複数の測定センサ部12を、複数のグループに分けておき、起動センサ部13のいずれが先に起動したか、あるいは起動した起動センサ部13の組み合わせにより、いずれかのグループを選択し、グループ内の測定センサ部の小埜のに設定された優先度で、各測定センサ部を動作させるように構成してもよい。
【0115】
次に、図6、図12を用いて、起動センサ部13_1が先に起動した場合の動作を説明する。
時刻t101:
起動センサ部13_1が周囲の温度変化により、形状記憶合金のスイッチがオン状態となり、所定の電圧である起動信号が制御部14に供給される。
そして、制御部14は、起動センサ部13_1から起動信号が供給されることにより、停止モードから通常動作モードに移行し、記憶部15に記憶されているプログラムに記載された命令に従い、センサ端末1を制御する動作を行うことになる。
次に、命令処理回路141は、起動センサ部13_1の起動センサ識別情報に対応して記載されているタイムスケジュールのテーブルを記憶部15から読み出し、このテーブルにしたがった処理を開始する。
そして、命令処理回路141は、通常動作モードに移行した後、タイマー部144のタイマー、すなわち、タイマー144_12_A_1、144_12_A_2、144_12_B_1、144_12_B_2、144_12_C_1、144_12_C_2、144_11_1、144_11_2、144_11_3、144_11_4、144_11_5、144_11_6の各々をリセットし、記憶部15から読み出したテーブに記載されている各タイマーに対応する時間を書き込み、カウント動作を開始させる。
【0116】
時刻t102:
タイマー144_12_A_1、タイマー144_12_B_1及びタイマー144_11_1は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_A_1、タイマー144_12_B_1及びタイマー144_11_1に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、測定センサ部12_A及び12_Bに稼動を開始させるとともに、通信部11に対して基地局3に対する通信要求信号の送信処理を開始させる。
測定センサ部12_A、12_B及び通信部11の稼動を開始させた後、命令処理回路141は、制御部14の動作を通常動作モードからホルトモードに移行させる。すなわち、命令処理回路141は、記憶部15のプログラムに従った自身の動作を停止させる。
このホルトモードにおいては、クロック発振回路142が動作しているため、カウントアップしていない各タイマーのカウント動作は継続している。
【0117】
時刻t103:
通信部11は、送信が行える状態となり、第2の実施形態と同様の処理により、基地局3に対して、図5(a)に示す構成の通信要求信号を送信する。
【0118】
時刻t104:
通信部11は、基地局3に対する通信要求信号の送信を終了する。このとき、制御回路112は、無線回路111に対する電源の供給を停止し、省電力動作状態となる。
また、タイマー144_12_A_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_A_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
または、測定センサ部12_Aからの測定完了通知を割り込み信号とし、信号検出回路143は、割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力してもよい。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_12_A_2の割り込みに対応する処理を開始する。
すなわち、命令処理回路141は、この割り込みから測定センサ部12_Aの測定が終了したことを検知し、物理量のデータを送信するように要求する要求信号を、測定センサ部12_Aに対して出力する。
【0119】
そして、命令処理回路141は、測定センサ部12_Aの制御回路121がメモリ回路124から読み出して出力する物理量のデータを順次入力し、測定センサ部12_Aのセンサ識別情報及びリアルタイムクロック部19から読み込んだ時刻とともに、物理量のデータを記憶部15のデータ記憶領域に書き込んで記憶させる。このとき、命令処理回路141は、インターフェース回路145のデータ専用端子を介して、測定センサ部12_Aからの物理量のデータを読み込む。
上述した、時刻t103から時刻t104の間は、測定センサ部12_A、12_B及び通信部11が送信状態により起動しているが、それぞれの消費電流が1mA、2mA、13mAであるため、合計しても16mAであり、バッテリ部16の供給可能電流を超えていない。
【0120】
時刻t105:
命令処理回路141は、測定センサ部12_Aからの物理量のデータの読み込みと、読み込んだ物理量のデータの記憶部15に対する書き込みを終了し、測定センサ部12_Aに対して停止を指示する制御信号を出力した後、制御部14を通常動作モードからホルトモードに移行する。
そして、測定センサ部12_Aの制御回路121は、自身を含めて測定センサ部12_A内の各部に対する電力の供給を停止させ、測定センサ部12_Aを停止状態とする。
【0121】
時刻t106:
タイマー144_12_B_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_B_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_12_B_2の割り込みに対応する処理を開始する。
または、測定センサ部12_Bからの測定完了通知を割り込み信号とし、信号検出回路143は、割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力してもよい。
すなわち、命令処理回路141は、この割り込みから測定センサ部12_Bの測定が終了したことを検知し、物理量のデータを送信するように要求する要求信号を、測定センサ部12_Bに対して出力する。
【0122】
そして、命令処理回路141は、測定センサ部12_Bの制御回路121がメモリ回路124から読み出して出力する物理量のデータを順次入力し、測定センサ部12_Bのセンサ識別情報及びリアルタイムクロック部19から読み込んだ時刻とともに、物理量のデータを記憶部15のデータ記憶領域に書き込んで記憶させる。このとき、命令処理回路141は、インターフェース回路145のデータ専用端子を介して、測定センサ部12_Bからの物理量のデータを読み込む。
【0123】
時刻t107:
命令処理回路141は、測定センサ部12_Bからの物理量のデータの読み込みと、読み込んだ物理量のデータの記憶部15に対する書き込みを終了し、測定センサ部12_Bに対して停止を指示する制御信号を出力する。
そして、測定センサ部12_Bの制御回路121は、自身を含めて測定センサ部12_B内の各部に対する電力の供給を停止させ、測定センサ部12_Bを停止状態とする。
また、タイマー144_11_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_11_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
命令処理回路141は、基地局3からの通信要求許可信号の受信を行うため、通信部11に対して受信状態に移行することを指示する制御信号を出力する。
そして、この制御信号が供給されると、通信部11の制御回路112は、無線回路111に対して電力を供給して受信状態として起動させる。
【0124】
時刻t108:
通信部11は、基地局3の基地局装置32から送信される図5(b)に示す通信要求許可信号を受信すると、受信したことを示す受信完了通知信号を制御部14へ出力する。
そして、制御回路112は、通信要求許可信号のパケットのデータが全て入力された時点、すなわちパケットのデータを全てメモリ回路113に書き込んだ後、受信完了通知信号を割り込み信号として制御部14に出力する。
信号検出回路143は、上述した受信完了通知信号を、インターフェース回路145の通信部11専用の割り込み信号端子を介して入力する。
そして、信号検出回路143は、通信部11に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_11_3をリセットするとともに、受信完了通知信号の割り込みに対応する処理を開始する。
【0125】
通常動作モードに移行した後、命令処理回路141は、通信部11に対して稼動を停止する制御信号を出力する。これにより、通信部11において、制御回路112は、通信部11に対する電力の供給を停止する。
ここで、命令処理回路141は、センサ端末1の端末識別情報及び測定センサ部12のセンサ識別情報を記憶部15から読み込み、また現在の時刻をリアルタイムクロック部19から読み込む。
そして、命令処理回路141は、端末識別情報、測定センサ部12_Aのセンサ識別情報、測定センサ部12_Aの測定した物理量のデータを読み込んだ時刻、物理量のデータ、測定センサ部12_Bのセンサ識別情報、測定センサ部12_Bの測定した物理量のデータを読み込んだ時刻、物理量のデータを、データ送信信号として基地局3に送信するパケットの予め設定されているテンプレートに書き込む。
【0126】
時刻t109:
タイマー144_12_C_1は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_C_1に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、測定センサ部12_Cに稼動を開始させる。
【0127】
時刻t110:
タイマー144_12_C_2は、カウントアップし、信号検出回路143に対してカウントアップ信号を出力する。
そして、信号検出回路143は、タイマー144_12_C_2に対応する割り込み端子に割り込み信号が入力されたこと示す情報を命令処理回路141へ出力する。
これにより、命令処理回路141は、ホルトモードから通常動作モードに移行し、タイマー144_12_C_2の割り込みに対応する処理を開始する。
すなわち、命令処理回路141は、この割り込みから測定センサ部12_Cの測定が終了したことを検知し、物理量のデータを送信するように要求する要求信号を、測定センサ部12_Cに対して出力する。
【0128】
そして、命令処理回路141は、測定センサ部12_Cの制御回路121がメモリ回路124から読み出して出力する物理量のデータを順次入力し、測定センサ部12_Cのセンサ識別情報及びリアルタイムクロック部19から読み込んだ時刻とともに、物理量のデータを記憶部15のデータ記憶領域に書き込んで記憶させる。このとき、命令処理回路141は、インターフェース回路145のデータ専用端子を介して、測定センサ部12_Cからの物理量のデータを読み込む。
【0129】
時刻t111:
命令処理回路141は、測定センサ部12_Cからの物理量のデータの読み込みと、読み込んだ物理量のデータの記憶部15に対する書き込みを終了し、測定センサ部12_Cに対して停止を指示する制御信号を出力する。
そして、測定センサ部12_Cの制御回路121は、自身を含めて測定センサ部12_C内の各部に対する電力の供給を停止させ、測定センサ部12_Cを停止状態とする。
次に、命令処理回路141は、データ送信信号として基地局3に送信するパケットの予め設定されているテンプレートに対し、測定センサ部12_Bのセンサ識別情報、測定センサ部12_Bの測定した物理量のデータを読み込んだ時刻、物理量のデータを付け加え、データ送信信号として基地局3に送信するパケットを生成する。
以降の時刻t9から時刻t13における動作は、第1及び第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
また、図13のタイミングチャートの説明は、図12の測定センサ部12_A、12_B及び12_Cの動作順序が異なるのみであるため、説明を省略する。
【0130】
<第5の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。図14は、本発明の第5の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。図14において、第2の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してある。
この図14において、第2の実施形態と異なる構成は、図6の構成に加えて電圧測定部17が設けられていることである。以下、第2の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
【0131】
電圧測定部17は、制御部14により起動され、バッテリ部16の電圧を測定し、測定値を制御部14に対して出力する。
起動センサ部13が起動し、起動信号を制御部14に出力すると、制御部14は、電圧測定部17を起動し、バッテリ部16の電圧を測定する。
記憶部15には、判定電圧範囲(後述)に対応してタイムスケジュールのテーブルが記憶されている。例えば、バッテリ部16が電力が最大に蓄積されている場合がVmaxであり、センサ端末1を稼動するために必要な最低電圧がVminであるとすると、VmaxとVminとの電圧の範囲を、複数の判定電圧範囲として分割し、各判定電圧範囲に対応したタイムスケジュールのテーブルが設定される。
【0132】
これにより、制御部14は、起動信号で停止モードから通常動作モードに移行した後、電圧測定部17を起動し、この電圧測定部17の測定するバッテリ部16の電圧を読み込む。
次に、制御部14は、読み込んだバッテリ部16の電圧がいずれの判定電圧範囲に含まれているかを判定し、その判定電圧範囲毎に対応して記憶されているタイムスケジュールにおけるテーブルの設定時間のデータを記憶部15から読み出す。
そして、制御部14は、読み出したタイムスケジュールにおけるテーブルの設定時間のデータに従って、センサ端末1の制御を行う。例えば、測定センサ部12が複数設定されている場合、測定の順番を示す優先度を変更したタイムスケジュールとなっている。
【0133】
上述したように、本実施形態によれば、バッテリ部16の電圧により、すなわちバッテリ部16に蓄積されている残存電力に応じて、センサ端末1の各部の動作及び停止を制御するためのタイムスケジュールが設定されているため、バッテリ部16の残存する電力に応じて、バッテリ部16がセンサ端末1の各部に電流を供給する時間を最短とすることができ、バッテリ部16の電力供給が可能な期間を、従来に比較して長くすることが可能となる。
【0134】
また、通信部11が2種類の通信手段を有するように構成しても良い。すなわち、通信部11が送信の際の消費電力は大きいが高速なIEEE802.11gによる通信装置と、IEEE802.11gより低速だが消費電力も少ないIEEE802.15.4による通信装置とを備えている構成としても良い。
そして、バッテリ部16の電圧に対し、IEEE802.11gによる通信装置とIEEE802.15.4による通信装置とのいずれを用いるかを判定する閾値電圧を予め設定する。
制御部14は、電圧測定部17の測定する電圧が、上述した閾値電圧を超える場合、まだ十分な電力がバッテリ部16に蓄積されているとして、無線通信に対しIEEE802.11gによる通信装置を用いる。
【0135】
一方、制御部14は、電圧測定部17の測定する電圧が、上述した閾値電圧以下の場合、十分な電力がバッテリ部16に蓄積されていないとして、無線通信に対しIEEE802.15.4による通信装置を用いる。
また、測定センサ部12のセンサ素子122が温度センサの場合、IEEE802.15.4による通信装置を用い、センサ素子122が温度センサに比較して非常にデータ数が多いCCD等の場合、データの転送時間を短縮するため、IEEE802.11gによる通信装置を用いる構成としても良い。また、この場合にも、バッテリ部16の残存電力の測定において、端子間電圧が閾値電圧以下の場合、IEEE802.11gによる通信装置でなく、IEEE802.15.4による通信装置を用いるようにタイムスケジュールを設定する。
【0136】
上述したように、本実施形態によれば、バッテリ部16の電圧により、すなわち蓄積されている電力に応じて、データ送信が高速で消費電力の高い通信装置と、よりデータ送信が低速で消費電力の低い通信装置との各々を使い分けるため、バッテリ部16の電圧に応じたデータ送信を行うことが可能となる。
【0137】
<第6の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。図15は、本発明の第6の実施形態によるセンサシステムの構成例を示す概略ブロック図である。図15において、第5の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してある。
この図15において、第5の実施形態と異なる構成は、図14の構成に加えて電源部18が設けられていることである。以下、第5の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
測定センサ部12_Aから12_Zの各々のいくつかが、動作電圧として複数種類有している場合、例えば8V、10Vの2つを電源電圧として有し、いずれかを与えることにより動作する。このような測定センサ部12の場合、より電源電圧の低い方が測定に時間が必要であったり、物理量のデータの測定精度が低下する状態となる。
電源部18は、バッテリ部16の電圧をDC/DCコンバータなどにより昇圧し、センサ端末1に含まれる測定センサ部12の各々に与える電圧を生成している。
電源部18は、バッテリ部16の電圧から、多段に接続されたDC/DCコンバータにより、複数の電圧を生成している。
【0138】
しかしながら、バッテリ部16の残存電力が低下した場合、バッテリ部16の供給可能電流が低下するため、測定センサ部12の消費電力を低下させる必要がある。
第5の実施形態と同様に、バッテリ部16が電力が最大に蓄積されている場合がVmaxであり、センサ端末1を稼動するために必要な最低電圧がVminであるとすると、VmaxとVminとの電圧の範囲を、複数の判定電圧範囲として分割し、各判定電圧範囲に対応したタイムスケジュールのテーブルが設定されている。
このタイムスケジュールのテーブルには、各測定センサ部12に対して与える電圧値が設定されている。そして、制御部14はこれらの電圧値を生成するように電源部18を制御する。
そして、判定電圧範囲が最低電圧Vminに近くなるほど、各測定センサ部12に対して与える電圧値が低くなる。このため、制御部14は、電源部18における高い方の電圧値の電圧を生成するDC/DCコンバータを停止することになる。
【0139】
例えば、測定センサ部12_Aが5V、8Vの電圧値の電圧で動作し、測定センサ部12_Bが5V、8V、12Vの電圧値の電圧で動作する場合、判定電圧範囲Vw1に対応したタイムスケジュールのテーブルには、測定センサ部12_Aを8Vで動作させ、測定センサ部12_Bを12Vで動作させることが示されている。
判定電圧範囲Vw1より電圧値の低い判定電圧範囲Vw2に対応したタイムスケジュールのテーブルには、測定センサ部12_Aを8Vで動作させ、測定センサ部12_Bを8Vで動作させることが示されている。
また、判定電圧範囲Vw2より電圧値の低い判定電圧範囲Vw3に対応したタイムスケジュールのテーブルには、測定センサ部12_Aを5Vで動作させ、測定センサ部12_Bを5Vで動作させることが示されている。
【0140】
したがって、制御部14は、起動センサ部13からの起動振動により、停止モードから通常動作モードとなった後、電圧測定部17を起動し、バッテリ部16の電圧の電圧値を測定し、この測定した電圧値がいずれの判定電圧範囲に含まれているかの判定を行う。
例えば、制御部14は、測定した電圧値が判定電圧範囲Vw1に含まれている場合、この判定電圧範囲Vw1に対応したタイムスケジュールのテーブルを記憶部15から読み出す。
制御部14は、読み出したテーブルに従い、電源部18を、5V、8V、12Vの各々を出力するよう制御する。この場合、3段のDC/DCコンバータの全てが動作することになる。
そして、制御部14は、このタイムスケジュールのテーブルに記載されているように、測定センサ部12_Aを8Vで駆動させ、測定センサ部12_Bを12Vで動作させるように制御する。
【0141】
一方、制御部14は、測定した電圧値が判定電圧範囲Vw3に含まれている場合、この判定電圧範囲Vw3に対応したタイムスケジュールのテーブルを記憶部15から読み出す。
制御部14は、読み出したテーブルに従い、電源部18を、5Vを出力するよう制御する。この場合、3段のDC/DCコンバータの内、初段のみが動作することになる。
そして、制御部14は、このタイムスケジュールのテーブルに記載されているように、測定センサ部12_Aを5Vで駆動させ、測定センサ部12_Bを5Vで動作させるように制御する。
上述したように、本実施形態は、バッテリ部16の残存電力(バッテリ部16の電圧の電圧値)に応じて、各測定センサ部12に対して、供給する電圧値を変更する制御、すなわち残存電力が低下するほど、測定センサ部12が許容する電源電圧における低い電圧を供給するように制御することが可能である。
このため、本実施形態によれば、電源部18の生成する複数の電圧値において、残存電力が低いほど、高い電圧値の生成を抑制するため、電源部18が各測定センサ部12に供給する電圧を生成する際の効率が向上し、バッテリ部16の電力供給が可能な期間を、従来に比較して長くすることが可能となる。
【0142】
また、図1における制御部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりセンサ端末1におけるタイムスケジュールの管理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0143】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0144】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0145】
1…センサ端末
2…データセンター
3…基地局
11…通信部
12,12_A,12_B,12_C…測定センサ部
13,13_1,13_2…起動センサ部
14…制御部
15…記憶部
16…バッテリ部
17…電圧測定部
18…電源部
19…リアルタイムクロック部
100…ネットワーク
111…無線回路
112,121…制御回路
113,124…メモリ回路
114,125,145…インターフェース回路
122…センサ素子
123…A/D変換回路
141…命令処理回路
142…クロック発振回路
143…信号検出回路
144…タイマー部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象の物理量を計測する測定センサ部と、
前記測定センサ部が計測した前記物理量のデータを無線送信する通信部と、
前記測定センサ部及び前記通信部の動作を制御する制御部と、
前記測定センサ部、前記通信部及び前記制御部に電力を供給するバッテリと、
前記測定センサ部より消費電力が少なく、周囲の環境の物理量が閾値を超えた場合に前記制御部を起動する起動センサ部と
を備え、
前記制御部が、前記起動センサ部に起動された後、前記測定センサ部の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力と前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部と前記通信部との各々を起動させるタイミングを制御することを特徴とするセンサ端末。
【請求項2】
前記測定センサ部を複数個有し、
前記測定センサ部の動作タイミングが、当該測定センサ部の起動順番と、前記測定センサ部各々の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力の前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、予め設定されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ端末。
【請求項3】
前記起動センサ部を複数個有し、当該起動センサ部の各々が他と異なる種類の物理量を測定し、
複数の前記起動センサ部において測定対象の物理量が閾値を超えた起動センサ部と、当該測定センサ部の稼動順番と、前記測定センサ部各々の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力の前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部の動作タイミングが予め設定されていることを特徴とする請求項2に記載のセンサ端末。
【請求項4】
前記比較結果は、前記制御部自身の第3の消費電力を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のセンサ端末。
【請求項5】
前記バッテリの端子間電圧を測定する電圧測定部をさらに備え、
前記電圧測定部の測定した端子間電圧に応じて、前記制御部が前記測定センサ部の動作タイミングを制御することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のセンサ端末。
【請求項6】
前記通信部が通信に必要な電力が異なる複数の種類の通信方式を有し、
前記電圧測定部の測定した端子間電圧に対応し、いずれの電力の通信方式を用いるかが設定されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のセンサ端末。
【請求項7】
前記物理量の種類に応じて、いずれの電力の通信方式を用いるかが設定されていることを特徴とする請求項6に記載のセンサ端末。
【請求項8】
前記バッテリの電力から複数の電圧を生成する電圧制御部をさらに有し、
前記測定センサ部が複数の稼動電圧で動作する場合、
前記電圧制御部が、前記電圧測定部の測定した端子間電圧に対応した前記稼動電圧を、前記測定センサ部に対して供給することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のセンサ端末。
【請求項9】
物理量を測定するセンサ端末と、物理量を収集するセンサデータサーバと、前記センサ端末及び前記センサデータサーバ間の通信を制御する基地局装置とからなるセンサシステムであり、
前記センサ端末が、
計測対象の物理量を計測する測定センサ部と、前記測定センサ部が計測した前記物理量のデータを送信する通信部と、前記測定センサ部及び前記通信部の動作を制御する制御部と、前記測定センサ部、前記通信部及び前記制御部に電力を供給するバッテリと、前記測定センサ部より消費電力が少なく、周囲の環境の物理量が閾値を超えた場合に前記制御部を起動する起動センサ部とを備え、前記制御部が、前記起動センサ部に起動された後、前記測定センサ部の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力と前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部と前記通信部との各々を動作させるタイミングを制御し、
前記基地局装置が、
前記センサ端末との無線通信を制御して、当該センサ端末から物理量のデータを受信し、前記センサデータサーバに送信する
ことを特徴とするセンサシステム。
【請求項10】
前記比較結果は、前記制御部自身の第3の消費電力を含むことを特徴とする請求項9に記載のセンサシステム。
【請求項11】
前記センサ端末が前記動作タイミングにおいて起動された際、
前記通信部が、前記測定センサ部の稼動時間から決まる、前記物理量のデータを送信可能となる時間を示すデータ要求時間情報を付加し、前記基地局装置との通信を要求する通信要求信号を前記基地局装置に送信することを特徴とする請求項9または請求項10に記載のセンサシステム。
【請求項12】
前記基地局装置が、前記通信許可依頼信号を受信すると、付加されている前記データ送信予定時間より後の通信許可時刻を付加した通信許可信号を前記センサ端末に送信することを特徴とする請求項11に記載のセンサシステム。
【請求項13】
バッテリの供給する電力により動作する測定センサ部、前記測定センサ部より消費電力が少ない起動センサ部、通信部及び制御部を備えるセンサ端末を制御するセンサ端末制御方法であり、
前記起動センサ部が、動作に必要な電力の供給を必要とせず、周囲の環境の物理量が閾値を超えた場合に制御部を起動する過程と、
前記制御部が前記起動センサ部に起動された後、前記測定センサ部の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力と前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部と前記通信部との各々を起動させるタイミングを制御する過程と
を有することを特徴とするセンサ端末制御方法。
【請求項14】
前記比較結果は、前記制御部自身の第3の消費電力を含むことを特徴とする請求項13に記載のセンサ端末制御方法。
【請求項1】
計測対象の物理量を計測する測定センサ部と、
前記測定センサ部が計測した前記物理量のデータを無線送信する通信部と、
前記測定センサ部及び前記通信部の動作を制御する制御部と、
前記測定センサ部、前記通信部及び前記制御部に電力を供給するバッテリと、
前記測定センサ部より消費電力が少なく、周囲の環境の物理量が閾値を超えた場合に前記制御部を起動する起動センサ部と
を備え、
前記制御部が、前記起動センサ部に起動された後、前記測定センサ部の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力と前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部と前記通信部との各々を起動させるタイミングを制御することを特徴とするセンサ端末。
【請求項2】
前記測定センサ部を複数個有し、
前記測定センサ部の動作タイミングが、当該測定センサ部の起動順番と、前記測定センサ部各々の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力の前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、予め設定されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ端末。
【請求項3】
前記起動センサ部を複数個有し、当該起動センサ部の各々が他と異なる種類の物理量を測定し、
複数の前記起動センサ部において測定対象の物理量が閾値を超えた起動センサ部と、当該測定センサ部の稼動順番と、前記測定センサ部各々の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力の前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部の動作タイミングが予め設定されていることを特徴とする請求項2に記載のセンサ端末。
【請求項4】
前記比較結果は、前記制御部自身の第3の消費電力を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のセンサ端末。
【請求項5】
前記バッテリの端子間電圧を測定する電圧測定部をさらに備え、
前記電圧測定部の測定した端子間電圧に応じて、前記制御部が前記測定センサ部の動作タイミングを制御することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のセンサ端末。
【請求項6】
前記通信部が通信に必要な電力が異なる複数の種類の通信方式を有し、
前記電圧測定部の測定した端子間電圧に対応し、いずれの電力の通信方式を用いるかが設定されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のセンサ端末。
【請求項7】
前記物理量の種類に応じて、いずれの電力の通信方式を用いるかが設定されていることを特徴とする請求項6に記載のセンサ端末。
【請求項8】
前記バッテリの電力から複数の電圧を生成する電圧制御部をさらに有し、
前記測定センサ部が複数の稼動電圧で動作する場合、
前記電圧制御部が、前記電圧測定部の測定した端子間電圧に対応した前記稼動電圧を、前記測定センサ部に対して供給することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のセンサ端末。
【請求項9】
物理量を測定するセンサ端末と、物理量を収集するセンサデータサーバと、前記センサ端末及び前記センサデータサーバ間の通信を制御する基地局装置とからなるセンサシステムであり、
前記センサ端末が、
計測対象の物理量を計測する測定センサ部と、前記測定センサ部が計測した前記物理量のデータを送信する通信部と、前記測定センサ部及び前記通信部の動作を制御する制御部と、前記測定センサ部、前記通信部及び前記制御部に電力を供給するバッテリと、前記測定センサ部より消費電力が少なく、周囲の環境の物理量が閾値を超えた場合に前記制御部を起動する起動センサ部とを備え、前記制御部が、前記起動センサ部に起動された後、前記測定センサ部の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力と前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部と前記通信部との各々を動作させるタイミングを制御し、
前記基地局装置が、
前記センサ端末との無線通信を制御して、当該センサ端末から物理量のデータを受信し、前記センサデータサーバに送信する
ことを特徴とするセンサシステム。
【請求項10】
前記比較結果は、前記制御部自身の第3の消費電力を含むことを特徴とする請求項9に記載のセンサシステム。
【請求項11】
前記センサ端末が前記動作タイミングにおいて起動された際、
前記通信部が、前記測定センサ部の稼動時間から決まる、前記物理量のデータを送信可能となる時間を示すデータ要求時間情報を付加し、前記基地局装置との通信を要求する通信要求信号を前記基地局装置に送信することを特徴とする請求項9または請求項10に記載のセンサシステム。
【請求項12】
前記基地局装置が、前記通信許可依頼信号を受信すると、付加されている前記データ送信予定時間より後の通信許可時刻を付加した通信許可信号を前記センサ端末に送信することを特徴とする請求項11に記載のセンサシステム。
【請求項13】
バッテリの供給する電力により動作する測定センサ部、前記測定センサ部より消費電力が少ない起動センサ部、通信部及び制御部を備えるセンサ端末を制御するセンサ端末制御方法であり、
前記起動センサ部が、動作に必要な電力の供給を必要とせず、周囲の環境の物理量が閾値を超えた場合に制御部を起動する過程と、
前記制御部が前記起動センサ部に起動された後、前記測定センサ部の第1消費電力及び前記通信部の第2消費電力と前記バッテリの供給可能電力との比較結果と、前記測定センサ部の前記物理量を測定するために必要な稼動時間とにより、前記測定センサ部と前記通信部との各々を起動させるタイミングを制御する過程と
を有することを特徴とするセンサ端末制御方法。
【請求項14】
前記比較結果は、前記制御部自身の第3の消費電力を含むことを特徴とする請求項13に記載のセンサ端末制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−9231(P2013−9231A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141558(P2011−141558)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]