説明

センシングシステム、RFIDタグ、及びセンシング装置

【課題】リーダライタとRFIDタグを備えたセンシングシステムが、リーダライタからの電磁波が届き難い場所のセンシングデータを、安定した無線通信により取得することを目的とする。
【解決手段】センシングシステムが、センサ30と、センサ40と、リーダライタ1と、RFIDタグ10と、RFIDタグ20と、を備え、各センサは、各給電ケーブルを介して給電され、各通信ケーブルを介してセンシングデータを出力し、リーダライタ1は通信部2を備え、RFIDタグ10は通信部2から送信される電磁波により生じた起電力を蓄電し、各センサに給電する蓄電部14と、各センサから前記センシングデータを取得する制御部13と、リーダライタ1に前記取得したセンシングデータを送信する通信部12と、を備え、RFIDタグ20は、RFIDタグ10と同構成を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグ経由でセンシングデータを取得する、センシングシステム、RFIDタグ、及びセンシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電源を内蔵したアクティブ型RFID(Radio Frequency IDentification)タグ、あるいは電源を内蔵せず外部のリーダライタから送信される電磁波による起電力を用いて起動するパッシブ型RFIDタグ、にセンサを内蔵し、予め商品に備えられたこれらのセンサ付RFIDタグが、その商品の識別情報や温度等のセンシングデータ(Sensing Data)をリーダライタに電磁波で送信することで、リーダライタが非接触でセンシングデータを取得する技術が、物流管理や食品生産履歴管理等に役立てられている。
【0003】
これら従来のセンサ付RFIDタグは、移動可能なリーダライタから充分な強度で電磁波が届く範囲に設置され、その設置範囲をセンシングする用途に用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】“蔵元こだわりの生酒を新鮮なまま消費者の手に”、[online]、平成18年3月9日、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ、[平成20年11月28日検索]、インターネット〈URL:http://www.nttdata.co.jp/release/2006/030900.html〉
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のアクティブ型RFIDタグを用いて例えば地中をセンシングする場合、地上のリーダライタとの通信電磁波が地中で急激に減衰するために、地中のセンサ付RFIDタグとの通信が安定しないことがあり、このため地中のセンシングが困難になるという問題があった。また従来のパッシブ型RFIDタグを用いて例えば地中をセンシングする場合も、地上のリーダライタからの電磁波が地中で急激に減衰するために、センサ付RFIDタグが起動するのに必要な起電力が電磁波から得られず、このため地中のセンシングが困難になるという問題があった。
【0005】
本発明は、前記の諸点に鑑みてなされたものであり、リーダライタとRFIDタグを備えたセンシングシステムが、リーダライタからの電磁波が届き難い場所や、リーダライタのユーザが接近できない場所のセンシングデータを、安定した無線通信により取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、センサと、情報端末と、RFIDタグと、を備え、前記センサは、給電ケーブルを介して給電され、通信ケーブルを介してセンシングデータを出力し、前記情報端末は、電磁波により無線通信を実行する第1の無線通信部を備え、前記RFIDタグは、
前記情報端末の前記第1の無線通信部から送信される電磁波により生じた起電力を蓄電し、前記給電ケーブルを介して前記センサに給電する第1の蓄電部と、前記通信ケーブルを介して前記センサから前記センシングデータを取得するセンシングデータ取得部と、
前記情報端末との無線通信を実行し、前記取得したセンシングデータを送信する第2の無線通信部と、を備えることを特徴とするセンシングシステムである。
【0007】
また本発明は、情報端末と、センシング装置と、複数のRFIDタグと、を備え、前記情報端末は、電磁波により無線通信を実行する第1の無線通信部を備え、前記RFIDタグは、前記情報端末の前記第1の無線通信部から送信される電磁波により生じた起電力を蓄電し、給電ケーブルを介して給電する第2の蓄電部と、通信ケーブルを介してセンシングデータを取得するセンシングデータ取得部と、前記取得したセンシングデータを前記情報端末に無線送信する第2の無線通信部と、前記第2の蓄電部に発生した起電力のデータを出力する起電力データ出力部と、を備え、前記センシング装置は、前記給電ケーブルと、前記通信ケーブルと、を介して複数の前記RFIDタグに接続され、前記センシングデータを出力するセンサと、複数の前記RFIDタグが備える前記起電力データ出力部から前記起電力のデータを取得する起電力データ取得部と、取得した起電力の大きさを比較し、最大の起電力が生じた前記第2の蓄電部に給電するよう指示するセンシング装置制御部と、前記センシング装置制御部の指示に応じて、当該第2の蓄電部以外から給電された電力を当該第2の蓄電部に給電する第3の蓄電部と、当該第2の蓄電部を備えた前記RFIDタグが備える前記センシングデータ取得部に前記センシングデータを出力するセンシングデータ出力部と、を備えることを特徴とするセンシングシステムである。
【0008】
また本発明は、情報端末と、複数のRFIDタグと、センシング装置と、を備え、前記情報端末は、電磁波により無線通信を実行する第1の無線通信部を備え、前記RFIDタグは、前記情報端末の前記第1の無線通信部から送信される電磁波により生じた起電力を蓄電し、蓄電された前記起電力と、給電ケーブルを介して給電された電力と、を給電する第4の蓄電部と、通信ケーブルを介してセンシングデータを取得するセンシングデータ取得部と、前記取得したセンシングデータを前記情報端末に無線送信する第2の無線通信部と、自RFIDタグの前記第4の蓄電部に発生した起電力のデータを他のRFIDタグに出力する起電力データ出力部と、他のRFIDタグが備える前記第4の蓄電部に発生した起電力のデータを取得する起電力データ取得部と、取得した前記起電力データに基づいて起電力の大きさを比較し、自RFIDタグの前記第4の蓄電部が最大の起電力を示した場合にセンシングデータ通知要求を出力し、他のRFIDタグの前記第4の蓄電部が最大の起電力を示した場合に当該第4の蓄電部に給電するよう自RFIDタグの前記第4の蓄電部を制御するRFIDタグ制御部と、を備え、前記センシング装置は、前記給電ケーブルと、前記通信ケーブルと、を介して複数の前記RFIDタグに接続され、前記センシングデータを出力するセンサと、前記第4の蓄電部から給電され、前記センサに給電する第5の蓄電部と、前記センシングデータ通知要求に応じて前記センシングデータを出力するセンシングデータ出力部と、を備えることを特徴とするセンシングシステムである。
【0009】
また本発明は、情報端末の第1の無線通信部から送信される電磁波により生じた起電力を蓄電し、給電ケーブルを介して給電するRFIDタグ蓄電部と、通信ケーブルを介してセンシングデータを取得するセンシングデータ取得部と、前記取得したセンシングデータを前記情報端末に無線送信する第2の無線通信部と、前記RFIDタグ蓄電部に発生した起電力のデータを出力する起電力データ出力部と、を備えることを特徴とするRFIDタグである。
【0010】
また本発明は、センシングデータを出力するセンサと、複数のRFIDタグから起電力のデータを取得する起電力データ取得部と、取得した起電力の大きさを比較し、最大の起電力が生じたRFIDタグ蓄電部に給電するよう指示するセンシング装置制御部と、前記センシング装置制御部の指示に応じて、当該RFIDタグ蓄電部以外から給電された電力を当該RFIDタグ蓄電部に給電するセンシング装置蓄電部と、当該RFIDタグ蓄電部を備えた前記RFIDタグに前記センシングデータを出力するセンシングデータ出力部と、を備えることを特徴とするセンシング装置である。
【0011】
また本発明は、情報端末の第1の無線通信部から送信される電磁波により生じた起電力を蓄電し、蓄電された前記起電力と、給電ケーブルを介して給電された電力と、を給電するRFIDタグ蓄電部と、通信ケーブルを介してセンシングデータを取得するセンシングデータ取得部と、前記取得したセンシングデータを前記情報端末に無線送信する第2の無線通信部と、自RFIDタグの前記RFIDタグ蓄電部に発生した起電力のデータを他のRFIDタグに出力する起電力データ出力部と、他のRFIDタグが備える前記RFIDタグ蓄電部に発生した起電力のデータを取得する起電力データ取得部と、取得した前記起電力データに基づいて起電力の大きさを比較し、自RFIDタグの前記RFIDタグ蓄電部が最大の起電力を示した場合にセンシングデータ通知要求を出力し、他のRFIDタグの前記RFIDタグ蓄電部が最大の起電力を示した場合に当該RFIDタグ蓄電部に給電するよう自RFIDタグの前記RFIDタグ蓄電部を制御するRFIDタグ制御部と、を備えることを特徴とするRFIDタグである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、リーダライタからの電磁波が充分な強度で届く距離に1つ以上のパッシブ型RFIDタグを配置し、そのパッシブ型RFIDタグと通信ケーブルと給電ケーブルとで接続され、離れた場所に設置された1つ以上のセンサを用いてセンシングを行うので、リーダライタとパッシブ型RFIDタグとを接近させ強い電磁波を受信させることで、安定した無線通信を確保できる。また、離れた場所に設置された1つ以上のセンサを用いて広範囲をセンシングすることが可能なセンシングシステムとなる。ここで、複数のRFIDタグから無線通信を行えば通信経路が多系統になるので、より確実にリーダライタとの通信が可能となる。
【0013】
また、1つ以上のパッシブ型RFIDタグがリーダライタから送信された電磁波による起電力を、離れた場所に設置された1つ以上のセンサに外部からケーブル経由で給電するので、内蔵電源を用いた従来のアクティブ型RFIDタグと比較して長時間のセンシングを行うことが可能なセンシングシステムとなる。
【0014】
また、複数のRFIDタグのうちリーダライタと安定して通信できると期待されるRFIDタグが選択され、その選択されたRFIDタグのみがリーダライタとの無線通信を行うようにして、選択されなかったことにより無線通信を行わないRFIDタグは、無線通信を実行しているRFIDタグに自らの電力を給電するので、必要なブロックに電力を集めることで電力の利用を効率化し、安定した通信を行うことができるセンシングシステムとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
本発明を実施するための第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態におけるRFIDタグを備えたセンシングシステムのブロック図である。当該センシングシステムは、リーダライタ1と、RFIDタグ10と、RFIDタグ20と、センサ30と、センサ40と、を備える。例えば、リーダライタ1は地上に配置され、RFIDタグ10とRFIDタグ20は地表に設置され、センサ30とセンサ40は地中に埋設されているものとする。なお、当該センシングシステムが備える各ブロックの数は図1に示された数に限られなくてもよい。
【0016】
リーダライタ1は情報端末であって、各RFIDタグと無線通信することで、センサ30とセンサ40とから出力されたセンシングデータを読み取る。またリーダライタ1は、各RFIDタグに電磁波を送信し、その電磁波を受信したRFIDタグが自ら起電力を発生させることで、そのRFIDタグと、そのRFIDタグに接続されたセンサと、に電力を供給する。リーダライタ1は、アンテナ4と、通信部2と、制御部3と、を備える。
【0017】
アンテナ4は、通信部2からの駆動に応じて、アンテナ11と、アンテナ21と、に電磁波を送信する。またアンテナ4は、RFIDタグ10のアンテナ11と、RFIDタグ20のアンテナ21とから電磁波を受信し、受信した電磁波に応じた信号を通信部2に出力する。
【0018】
通信部2は、アンテナ4が受信した電磁波に応じた信号を復調処理し、通信データとして制御部3に出力する。また通信部2は、制御部3からの指示に応じて変調処理を実行し、アンテナ4を駆動する。制御部3は、通信部2から通信データを受信し、通信データに含まれるセンシングデータを取得する。また制御部3は、アンテナ4の駆動を通信部2に指示する。
【0019】
センサ30には、通信ケーブル31が接続されている。センサ30は、通信ケーブル31を介してセンシングデータをRFIDタグ10の制御部13に出力する。同様にセンサ30には通信ケーブル32が接続されている。センサ30は、通信ケーブル32を介してセンシングデータをRFIDタグ20の制御部23に出力する。またセンサ30は、給電ケーブル33と給電ケーブル34とを備え、給電ケーブル33と給電ケーブル34とを介して給電される。センサ40はセンサ30と同構成を有し、同様に動作する。
【0020】
RFIDタグ10は、アンテナ11と、通信部12と、制御部13と、蓄電部14と、を備える。制御部13は、センサ30と、センサ40と、からセンシングデータを取得し、通信部12に出力する。ここで制御部13は、取得したセンシングデータをAD変換して通信部12に出力するとしてもよい。通信部12は、制御部13からセンシングデータが入力されると変調処理を実行し、アンテナ11を駆動する。アンテナ11は、通信部12からの駆動に応じて、リーダライタ1のアンテナ4に電磁波を送信する。アンテナ11は、リーダライタ1のアンテナ4から電磁波を受信し、受信した電磁波に応じた信号を蓄電部14に出力する。
【0021】
蓄電部14は、受信した電磁波に応じた信号を利用して起電力を発生させ蓄電する。また蓄電部14は、蓄電した電力をセンサ30とセンサ40と制御部13と通信部12とに給電する。蓄電部14は、アンテナ11からの信号入力が中断されても、蓄電された電力が残っていれば給電を続ける。RFIDタグ20は、RFIDタグ10と同構成を有し、同様に動作する。
【0022】
なお、制御部13は、リーダライタ1から送信された通知要求をアンテナ11と通信部12経由で受信し、その通知要求に応じて各センサからのセンシングデータを出力するとしてもよい。制御部23も同様である。またセンサ30は、センサ30を制御対象とする制御部(不図示)を内蔵し、制御部13あるいは制御部23からの通知要求に応じて、センシングデータを出力するとしてもよい。センサ40も同様である。またセンサ30とセンサ40は、それぞれ蓄電部を内蔵してもよい。また各給電ケーブルと各通信ケーブルは、例えば使用時間を区切るなどによりケーブル使用の排他制御を行う、あるいは給電ケーブルを通信ケーブルとして利用するいわゆる電力線通信(Power Line Communications)を行う等により共通化してもよい。
【0023】
図2は、本発明の第1の実施形態におけるセンシングシステムの動作シーケンス図である。ここで、センサ40はセンサ30と同様に動作するため、センサ40の動作シーケンスについては記載を省略する。またRFIDタグ20は、RFIDタグ10と同様に動作するため、RFIDタグ20の動作シーケンスについては記載を省略する。
【0024】
リーダライタ1の制御部3は、アンテナ4の駆動を通信部2に指示する(ステップS1)。通信部2は、制御部3からの指示に応じて変調処理を実行し、アンテナ4を駆動する(ステップS2)。アンテナ4は、通信部2からの駆動に応じて、RFIDタグ10のアンテナ11と、RFIDタグ20のアンテナ21と、に電磁波を送信する(ステップS3)。RFIDタグ10のアンテナ11は、リーダライタ1のアンテナ4から電磁波を受信し、受信した電磁波に応じた信号を蓄電部14に出力する(ステップS4)。蓄電部14は、受信した電磁波に応じた信号を利用して起電力を発生させ蓄電し、センサ30に給電する。同様に蓄電部14は、通信部12と制御部13とに給電する(ステップS5)。
【0025】
センサ30は、センシングデータをRFIDタグ10の制御部13に出力する(ステップS6)。制御部13は、センサ30と、センサ40と、からセンシングデータを取得し、通信部12に出力する(ステップS7)。通信部12は、変調処理を実行しアンテナ11を駆動する(ステップS8)。アンテナ11は、通信部12からの駆動に応じて、リーダライタ1のアンテナ4に電磁波を送信する(ステップS9)。アンテナ4は、RFIDタグ10のアンテナ11と、RFIDタグ20のアンテナ21とから電磁波を受信し、受信した電磁波に応じた信号を通信部2に出力する(ステップS10)。制御部3は、通信部2から通信データを受信し、通信データに含まれるセンシングデータを取得する(ステップS11)。以上の動作シーケンスは所定の周期で繰り返されるとしてもよい。
【0026】
以上、本発明の実施の形態により、リーダライタ1からの電磁波が充分な強度で届く距離に1つ以上のパッシブ型RFIDタグを配置し、そのパッシブ型RFIDタグと通信ケーブルと給電ケーブルとで接続され、離れた場所に設置された1つ以上のセンサを用いてセンシングを行うので、リーダライタ1とパッシブ型RFIDタグとを接近させ強い電磁波を受信させることで、安定した無線通信を確保できる。また、離れた場所に設置された1つ以上のセンサを用いて広範囲をセンシングすることが可能なセンシングシステムとなる。ここで、複数のRFIDタグから無線通信を行えば通信経路が多系統になるので、より確実にリーダライタ1との通信が可能となる。
【0027】
また、1つ以上のパッシブ型RFIDタグがリーダライタ1から送信された電磁波による起電力を、離れた場所に設置された1つ以上のセンサに外部からケーブル経由で給電するので、内蔵電源を用いた従来のアクティブ型RFIDタグと比較して長時間のセンシングを行うことが可能なセンシングシステムとなる。
【0028】
[第2の実施の形態]
本発明を実施するための第2の実施形態について説明する。図3は、本発明の第2の実施形態におけるRFIDタグを備えたセンシングシステムのブロック図である。当該センシングシステムは、リーダライタ1と、RFIDタグ50と、RFIDタグ60と、センシング装置70と、を備える。例えば、リーダライタ1は地上に配置され、RFIDタグ50とRFIDタグ60は地表に設置され、センシング装置70は地中に埋設されていてもよい。なお、当該センシングシステムが備える各ブロックの数は図3に示された数に限られなくてもよい。
【0029】
リーダライタ1は、図1のリーダライタ1と同構成を有し、同様に動作する。センシング装置70は、センサ制御部71と、センサ72と、蓄電部73と、を備える。センサ制御部71は、蓄電部54に発生している起電力のデータ(電圧値、電流値等)を制御部53から取得する。同様に、センサ制御部71は、蓄電部64に発生している起電力のデータ(電圧値、電流値等)を制御部63から取得する。
【0030】
センサ制御部71は、起電力のデータに基づいて起電力の大きさを比較する。ここで、最も大きい起電力を示した蓄電部は、蓄電部54であったものとする。このため、蓄電部54を内蔵するRFIDタグ50は、リーダライタ1との安定した通信を行えることが期待できる。センサ制御部71は、最も大きい起電力を示した蓄電部54を示す識別子を、制御部53と制御部63と蓄電部73とに通知する。センサ制御部71は、センサ72からセンシングデータを取得し、最も大きい起電力を示した蓄電部54を制御する制御部53のみに、通信ケーブル77を介してセンシングデータを出力する。センサ72は蓄電部73から給電され、センシングデータをセンサ制御部71に出力する。
【0031】
蓄電部73は、センサ72に給電する。センサ制御部71からの通知された蓄電部を示す識別子が蓄電部54であった場合、蓄電部73は蓄電部54から給電され、所定の時間経過後は、蓄電部54に給電する。またセンサ制御部71から通知された蓄電部を示す識別子が蓄電部64であった場合、蓄電部73は蓄電部64から給電され、所定の時間経過後は、蓄電部64に給電する。ここで所定の時間は、例えばセンサ72がセンシングするのに必要な時間により決めても良い。なお、センシング装置70は、複数の蓄電部を内蔵しても良い。
【0032】
RFIDタグ50は、アンテナ51と、通信部52と、制御部53と、蓄電部54と、を備える。制御部53は、センサ制御部71からセンシングデータを取得し、通信部52に出力する。制御部53は、蓄電部54に発生している起電力のデータ(電圧値、電流値等)を取得し、通信ケーブル77を介してセンサ制御部71に出力する。制御部53は、通信ケーブル77を介してセンサ制御部71から、最も大きい起電力を示した蓄電部を示す識別子を取得する。制御部53は、取得した識別子を蓄電部54に通知する。
【0033】
通信部52は変調処理を実行し、制御部53から入力されたセンシングデータを送信するようアンテナ51を駆動させる。通信部52は、アンテナ51が受信した電磁波に応じた信号を復調処理し、所定の通信データとして制御部53に出力する。アンテナ51は、通信部52からの駆動に応じて、アンテナ4に電磁波を送信する。アンテナ51は、アンテナ4から電磁波を受信し、受信した電磁波に応じた信号を通信部52と蓄電部54とに出力する。
【0034】
蓄電部54は、受信した電磁波に応じた信号を利用して起電力を発生させ蓄電し、蓄電した電力を制御部53と通信部52とに給電する。蓄電部54は、制御部53から蓄電部を示す識別子を通知される。制御部53から通知された識別子が自ら(蓄電部54)を示す識別子でなかった場合、リーダライタ1との通信を行うRFIDタグ60に給電するため、蓄電部54は蓄電部73に給電する。この給電は、RFIDタグ60がリーダライタ1との通信を行っている間も継続する。
【0035】
一方、制御部53から通知された識別子が自ら(蓄電部54)を示す識別子であった場合、蓄電部54は、センシング装置70がセンシングするための電力を蓄電部73に給電する。次に蓄電部54は、所定の時間経過後、センシング装置70の蓄電部73への給電を停止し、通信部52がリーダライタ1との通信を行うための電力を蓄電部73から給電される。なお、蓄電部54はアンテナ51からの信号入力等が中断されても、蓄電された電力が残っていれば給電を続けるとしてもよい。またRFIDタグ50は、複数の蓄電部を内蔵するとしても良く、例えば起電力を蓄電する蓄電部と給電された電力を蓄電する蓄電部とに分けた蓄電部を内蔵するとしても良い。RFIDタグ60は、RFIDタグ50と同構成を有し、同様に動作する。
【0036】
なお、制御部53は、リーダライタ1の通信部2から送信された通知要求をアンテナ51と通信部52経由で受信し、その通知要求に応じてセンシングデータを出力するとしてもよい。制御部63も同様である。またセンシング装置70のセンサ制御部71は、RFIDタグ50の制御部53あるいはRFIDタグ60の制御部63からの通知要求に応じて、センシングデータを出力するとしてもよい。また、給電ケーブルと通信ケーブルは、前述のように共通化してもよい。
【0037】
図4は、本発明の第2の実施形態におけるセンシングシステムの動作シーケンス図である。リーダライタ1の動作であるステップSa1からステップSa3までは、図2のステップS1からステップS3までと同様であるため、ステップSa1とステップSa2は不図示である。アンテナ61の動作は、アンテナ51と同様であるため不図示である。通信部62の動作は、通信部52と同様であるため不図示である。
【0038】
RFIDタグ50のアンテナ51は、リーダライタ1のアンテナ4から電磁波を受信し、受信した電磁波に応じた信号をRFIDタグ50の通信部52と蓄電部54とに出力する(ステップSa4)。蓄電部54は、受信した電磁波に応じた信号を利用して起電力を発生させ蓄電する。蓄電部54は、蓄電した電力を制御部53と通信部52とに給電する。蓄電部64も同様に動作する(ステップSa5)。通信部52は、アンテナ51が受信した電磁波に応じた信号を復調処理し、所定の通信データとして制御部53に出力する。通信部62も同様に動作する(ステップSa6)。
【0039】
制御部53は所定の通信データを受信すると、蓄電部54に発生している起電力のデータ(電圧値、電流値等)を取得する。制御部63も同様に動作する(ステップSa7)。RFIDタグ50の制御部53は、RFIDタグ60の蓄電部64に発生している起電力のデータ(電圧値、電流値等)をセンシング装置70のセンサ制御部71に出力する。制御部63も同様に動作する(ステップSa8)。
【0040】
センシング装置70のセンサ制御部71は、通知された起電力のデータに基づき、最も大きい起電力を示した蓄電部である蓄電部54を示す識別子を、RFIDタグ50の制御部53と、RFIDタグ60の制御部63と、センシング装置70の蓄電部73と、に通知する(ステップSa9)。RFIDタグ50の制御部53は、最も大きい起電力を示した蓄電部である蓄電部54を示す識別子を、蓄電部54に通知する。RFIDタグ60の制御部63も同様に動作する(ステップSa10)。RFIDタグ50の蓄電部54は、センシング装置70の蓄電部73に給電する。同様に、RFIDタグ60の蓄電部64も蓄電部73に給電する(ステップSa11)。蓄電部73は、センサ72に給電する(ステップSa12)。給電されたセンサ72は、センシングデータをセンサ制御部71に出力する(ステップSa13)。
【0041】
センサ72への給電を開始してから所定の時間が経過すると、蓄電部73は、蓄電部54に給電し、蓄電させる。ここで、RFIDタグ60の蓄電部64から蓄電部73への給電は継続されている(ステップSa14)。センサ制御部71は、センシングデータをRFIDタグ50の制御部53のみに出力する(ステップSa15)。制御部53は、通信部52にセンシングデータを出力する(ステップSa16)。通信部52は変調処理を実行し、アンテナ51を駆動させる(ステップSa17)。アンテナ51は、センシングデータを無線送信する(ステップSa18)。以上の動作シーケンスは所定の周期で繰り返されるとしてもよい。
【0042】
以上、本発明の実施の形態により、複数のRFIDタグのうち起電力の最も大きいRFIDタグが選択され、その選択されたRFIDタグのみがリーダライタとの無線通信を行うようにして、選択されなかったことにより無線通信を行わないRFIDタグは、無線通信を実行しているRFIDタグに自らの電力を給電するので、必要なブロックに電力を集めることで電力の利用を効率化し、安定した通信を行うことができるセンシングシステムとなる。
【0043】
[第3の実施の形態]
本発明を実施するための第3の実施形態について説明する。図5は、本発明の第3の実施形態におけるRFIDタグを備えたセンシングシステムのブロック図である。当該センシングシステムは、リーダライタ1と、RFIDタグ80と、RFIDタグ90と、センシング装置110と、を備える。例えば、リーダライタ1は地上に配置され、RFIDタグ80とRFIDタグ90は地表に設置され、センシング装置110は地中に埋設されていてもよい。なお、当該センシングシステムが備える各ブロックの数は図5に示された数に限られなくてもよい。
【0044】
リーダライタ1は、図1のリーダライタ1と同構成を有し、同様に動作する。センシング装置110は、センサ制御部111と、センサ112と、蓄電部113と、を備える。センサ112は蓄電部113から給電され、センシングデータをセンサ制御部111に出力する。センサ制御部111は、センサ112からセンシングデータを取得し、センシングデータ出力要求を通知してきた制御部のみにセンシングデータを出力する。蓄電部113は、蓄電部84あるいは蓄電部94から給電され、蓄電した電力をセンサ112に給電する。
【0045】
RFIDタグ80は、アンテナ81と、通信部82と、制御部83と、蓄電部84と、を備える。制御部83は、センサ制御部111からセンシングデータを取得し、通信部82に出力する。制御部83は、蓄電部84に発生している起電力のデータ(電圧値、電流値等)を取得し、通信ケーブル85を介して制御部93に出力する。制御部83は、通信ケーブル85を介してRFIDタグ90の制御部93から、RFIDタグ90の蓄電部94に発生している起電力のデータ(電圧値、電流値等)を取得する。すなわち、制御部83と制御部93は、互いの起電力のデータを通知し合う。
【0046】
制御部83は、取得した起電力のデータに基づいて各蓄電部に発生している起電力の大きさを比較する。制御部83は、最も大きい起電力を示した蓄電部を示す識別子を、蓄電部84に通知する。最も大きい起電力を示した蓄電部を示す識別子が、自らが制御対象とする蓄電部84を示した場合、制御部83は、センサ制御部111にセンシングデータ出力要求を通知する。以下、最も大きい起電力を示した蓄電部は、蓄電部84であったものとする。このため、蓄電部84を内蔵するRFIDタグ80は、リーダライタ1との安定した通信を行えることが期待できる。なお、複数のRFIDタグが接続され、起電力のデータをこれら複数のRFIDタグに対して通信(ブロードキャスト)する場合、各制御部は、通信回線が空いているかどうかを検出してから通信するいわゆるキャリアセンスを行うことで通信するとしてもよい。
【0047】
通信部82は変調処理を実行し、制御部83から入力されたセンシングデータを送信するようアンテナ81を駆動させる。アンテナ81は、通信部82からの駆動に応じて、リーダライタ1のアンテナ4に電磁波を送信する。アンテナ81は、リーダライタ1のアンテナ4から電磁波を受信し、受信した電磁波に応じた信号を通信部82と蓄電部84とに出力する。
【0048】
蓄電部84は、受信した電磁波に応じた信号を利用して起電力を発生させ蓄電し、蓄電した電力を制御部83と通信部82とに給電する。蓄電部84は、制御部83から蓄電部を示す識別子を通知される。蓄電部84は、制御部83から通知された識別子が自ら(蓄電部84)を示す識別子でなかった場合、リーダライタ1との通信を行うRFIDタグ90に給電するため、給電ケーブル102を介して蓄電部94に給電する。さらに蓄電部84は、センシング装置110がセンシングするための電力をセンシング装置110の蓄電部113に給電する。
【0049】
一方、RFIDタグ80の制御部53から通知された識別子が自ら(蓄電部84)を示す識別子であった場合、RFIDタグ80の蓄電部84は、通信部82がリーダライタ1との通信を行うための電力をRFIDタグ90の蓄電部94から給電される。なお、蓄電部84はアンテナ81からの信号入力等が中断されても、蓄電された電力が残っていれば給電を続けるとしてもよい。またRFIDタグ80は、複数の蓄電部を内蔵するとしても良く、例えば起電力を蓄電する蓄電部と給電された電力を蓄電する蓄電部とに分けた蓄電部を内蔵するとしても良い。RFIDタグ90は、RFIDタグ80と同構成を有し、同様に動作する。
【0050】
なお、RFIDタグ80の制御部83は、リーダライタ1から送信された通知要求をアンテナ81と通信部82経由で受信し、その通知要求に応じてセンシングデータを出力するとしてもよい。RFIDタグ90の制御部93も同様である。またセンシング装置110のセンサ制御部111は、RFIDタグ80の制御部83あるいはRFIDタグ90の制御部93からの通知要求に応じて、センシングデータを出力するとしてもよい。また、給電ケーブルと通信ケーブルは、前述のように共通化してもよい。
【0051】
図6は、本発明の第3の実施形態におけるセンシングシステムの動作シーケンス図である。リーダライタ1の動作であるステップSb1からステップSb3までは、図3のステップS1からステップS3までと同様であるため、ステップSb1とステップSb2は不図示である。アンテナ91の動作は、アンテナ81と同様であるため不図示である。通信部92の動作は、通信部82と同様であるため不図示である。
【0052】
RFIDタグ80のアンテナ81は、リーダライタ1のアンテナ4から電磁波を受信し、受信した電磁波に応じた信号をRFIDタグ80の通信部82と蓄電部84とに出力する(ステップSb4)。蓄電部84は、受信した電磁波に応じた信号を利用して起電力を発生させ蓄電する。蓄電部84は、蓄電した電力を制御部83と通信部82とに給電する。蓄電部94も同様に動作する(ステップSb5)。通信部82は、アンテナ81が受信した電磁波に応じた信号を復調処理し、所定の通信データとして制御部83に出力する。通信部92も同様に動作する(ステップSb6)。
【0053】
制御部83は所定の通信データを受信すると、蓄電部84に発生している起電力のデータ(電圧値、電流値等)を取得する。RFIDタグ90の制御部93も同様に動作する(ステップSb7)。RFIDタグ80の制御部83は、蓄電部84に発生している起電力のデータ(電圧値、電流値等)を取得し、通信ケーブル85を介して制御部93に出力する。RFIDタグ80の制御部83は、通信ケーブル85を介してRFIDタグ90の制御部93から、RFIDタグ90の蓄電部94に発生している起電力のデータ(電圧値、電流値等)を取得する(ステップSb8)。
【0054】
制御部83は、取得した起電力のデータに基づいて各蓄電部に発生している起電力の大きさを比較する。同様に制御部93も動作する(ステップSb9)。制御部83は、最も大きい起電力を示した蓄電部を示す識別子を、蓄電部84に通知する。同様に制御部93も蓄電部94に通知する(ステップSb10)。制御部83は、最も大きい起電力を示した蓄電部を示す識別子が、自らが制御する対象である制御部84であったので、センシング装置110のセンサ制御部111にセンシングデータ出力要求を通知する(ステップSb11)。
【0055】
RFIDタグ90の蓄電部94は、RFIDタグ90の制御部93から通知された識別子が自ら(蓄電部94)を示す識別子でなかったので、給電ケーブル102を介してRFIDタグ80の蓄電部84に給電する。さらにRFIDタグ90の蓄電部94は、センシング装置110がセンシングするための電力をセンシング装置110の蓄電部113に給電する(ステップSb12)。
【0056】
蓄電部113は、センサ112に給電する(ステップSb13)。給電されたセンサ112は、センシングデータをセンサ制御部111に出力する(ステップSa14)。
【0057】
センサ制御部111は、出力要求を通知してきたRFIDタグ80の制御部83のみにセンシングデータを出力する(ステップSb15)。制御部83は、通信部82にセンシングデータを出力する(ステップSb16)。通信部82は変調処理を実行し、アンテナ81を駆動させる(ステップSb17)。アンテナ81は、センシングデータを無線送信する(ステップSb18)。以上の動作シーケンスは所定の周期で繰り返されるとしてもよい。
【0058】
以上、本発明の実施の形態により、複数のRFIDタグのうち起電力の最も大きいRFIDタグが選択され、その選択されたRFIDタグのみがリーダライタとの無線通信を行うようにして、選択されなかったことにより無線通信を行わないRFIDタグは、無線通信を実行しているRFIDタグに自らの電力を給電するので、必要なブロックに電力を集めることで電力の利用を効率化し、安定した通信を行うことができるセンシングシステムとなる。第3の実施の形態では、センシング装置110にセンシングデータの出力要求が通知されるため、センシング装置110が起電力の大きさを判断する処理は不要となる。
【0059】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0060】
また、本発明に記載のセンサは、センサ30と、センサ40と、センサ72と、センサ112と、に対応し、情報端末は、リーダライタ1に対応し、RFIDタグは、RFIDタグ10と、RFIDタグ20と、RFIDタグ50と、RFIDタグ60と、RFIDタグ80と、RFIDタグ90と、に対応し、給電ケーブルは、給電ケーブル33と、給電ケーブル34と、給電ケーブル43と、給電ケーブル44と、給電ケーブル74と、給電ケーブル75と、給電ケーブル101と、給電ケーブル102と、給電ケーブル103と、に対応し、第1の無線通信部は、通信部2に対応し、第1の蓄電部は、蓄電部14と、蓄電部24と、に対応し、通信ケーブルは、通信ケーブル31と、通信ケーブル32と、通信ケーブル41と、通信ケーブル42と、通信ケーブル85と、通信ケーブル104と、通信ケーブル105と、に対応し、センシングデータ取得部は、制御部13と、制御部23と、制御部53と、制御部63と、制御部83と、制御部93と、に対応し、第2の無線通信部は、通信部12と、通信部22と、通信部52と、通信部62と、通信部82と、通信部92と、に対応する。
【0061】
また、本発明に記載のセンシング装置は、センシング装置70と、センシング装置110と、に対応し、第2の蓄電部は、蓄電部54と、蓄電部64と、に対応し、起電力データ出力部は、制御部53と、制御部63と、制御部83と、制御部93と、に対応し、起電力データ取得部は、センサ制御部71と、制御部83と、制御部93と、に対応し、センシング装置制御部は、センサ制御部71と、センサ制御部111と、に対応し、第3の蓄電部は、蓄電部73に対応し、センシングデータ出力部は、センサ制御部71と、センサ制御部111と、に対応する。
【0062】
第4の蓄電部は、蓄電部84と、蓄電部94と、に対応し、RFIDタグ制御部は、制御部53と、制御部63と、制御部83と、制御部93と、に対応し、第5の蓄電部は、蓄電部113に対応する。
【0063】
RFIDタグ蓄電部は、蓄電部54と、蓄電部64と、蓄電部84と、蓄電部94と、に対応し、センシング装置蓄電部は、蓄電部73と、蓄電部113と、に対応する。
【0064】
また、図2、図4、図6に示す各ステップを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、通信端末の実行処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0065】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0066】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるRFIDタグを備えたセンシングシステムのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるセンシングシステムの動作シーケンス図である。
【図3】本発明の第2の実施形態におけるRFIDタグを備えたセンシングシステムのブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態におけるセンシングシステムの動作シーケンス図である。
【図5】本発明の第3の実施形態におけるRFIDタグを備えたセンシングシステムのブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施形態におけるセンシングシステムの動作シーケンス図である。
【符号の説明】
【0068】
1…リーダライタ 2…通信部 3…制御部 4…アンテナ 10…RFIDタグ 11…アンテナ 12…通信部 13…制御部 14…蓄電部 20…RFIDタグ 21…アンテナ 22…通信部 23…制御部 24…蓄電部 30…センサ 31…通信ケーブル 32…通信ケーブル 33…給電ケーブル 34…給電ケーブル 40…センサ 41…通信ケーブル 42…通信ケーブル 43…給電ケーブル 44…給電ケーブル 50…RFIDタグ 51…アンテナ 52…通信部 53…制御部 54…蓄電部 60…RFIDタグ 61…アンテナ 62…通信部 63…制御部 64…蓄電部 70…センシング装置 71…センサ制御部 72…センサ 73…蓄電部 74…給電ケーブル 75…給電ケーブル 76…通信ケーブル 77…通信ケーブル 80…RFIDタグ 81…アンテナ 82…通信部 83…制御部 84…蓄電部 85…通信ケーブル 90…RFIDタグ 91…アンテナ 92…通信部 93…制御部 94…蓄電部 101…給電ケーブル 102…給電ケーブル 103…給電ケーブル 104…通信ケーブル 105…通信ケーブル 110…センシング装置 111…センサ制御部 112…センサ 113…蓄電部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサと、情報端末と、RFIDタグと、を備え、
前記センサは、給電ケーブルを介して給電され、通信ケーブルを介してセンシングデータを出力し、
前記情報端末は、電磁波により無線通信を実行する第1の無線通信部を備え、
前記RFIDタグは、
前記情報端末の前記第1の無線通信部から送信される電磁波により生じた起電力を蓄電し、前記給電ケーブルを介して前記センサに給電する第1の蓄電部と、
前記通信ケーブルを介して前記センサから前記センシングデータを取得するセンシングデータ取得部と、
前記情報端末との無線通信を実行し、前記取得したセンシングデータを送信する第2の無線通信部と、
を備えることを特徴とするセンシングシステム。
【請求項2】
情報端末と、センシング装置と、複数のRFIDタグと、を備え、
前記情報端末は、電磁波により無線通信を実行する第1の無線通信部を備え、
前記RFIDタグは、
前記情報端末の前記第1の無線通信部から送信される電磁波により生じた起電力を蓄電し、給電ケーブルを介して給電する第2の蓄電部と、
通信ケーブルを介してセンシングデータを取得するセンシングデータ取得部と、
前記取得したセンシングデータを前記情報端末に無線送信する第2の無線通信部と、
前記第2の蓄電部に発生した起電力のデータを出力する起電力データ出力部と、
を備え、
前記センシング装置は、前記給電ケーブルと、前記通信ケーブルと、を介して複数の前記RFIDタグに接続され、
前記センシングデータを出力するセンサと、
複数の前記RFIDタグが備える前記起電力データ出力部から前記起電力のデータを取得する起電力データ取得部と、
取得した起電力の大きさを比較し、最大の起電力が生じた前記第2の蓄電部に給電するよう指示するセンシング装置制御部と、
前記センシング装置制御部の指示に応じて、当該第2の蓄電部以外から給電された電力を当該第2の蓄電部に給電する第3の蓄電部と、
当該第2の蓄電部を備えた前記RFIDタグが備える前記センシングデータ取得部に前記センシングデータを出力するセンシングデータ出力部と、
を備えることを特徴とするセンシングシステム。
【請求項3】
情報端末と、複数のRFIDタグと、センシング装置と、を備え、
前記情報端末は、電磁波により無線通信を実行する第1の無線通信部を備え、
前記RFIDタグは、
前記情報端末の前記第1の無線通信部から送信される電磁波により生じた起電力を蓄電し、蓄電された前記起電力と、給電ケーブルを介して給電された電力と、を給電する第4の蓄電部と、
通信ケーブルを介してセンシングデータを取得するセンシングデータ取得部と、
前記取得したセンシングデータを前記情報端末に無線送信する第2の無線通信部と、
自RFIDタグの前記第4の蓄電部に発生した起電力のデータを他のRFIDタグに出力する起電力データ出力部と、
他のRFIDタグが備える前記第4の蓄電部に発生した起電力のデータを取得する起電力データ取得部と、
取得した前記起電力データに基づいて起電力の大きさを比較し、自RFIDタグの前記第4の蓄電部が最大の起電力を示した場合にセンシングデータ通知要求を出力し、他のRFIDタグの前記第4の蓄電部が最大の起電力を示した場合に当該第4の蓄電部に給電するよう自RFIDタグの前記第4の蓄電部を制御するRFIDタグ制御部と、
を備え、
前記センシング装置は、前記給電ケーブルと、前記通信ケーブルと、を介して複数の前記RFIDタグに接続され、
前記センシングデータを出力するセンサと、
前記第4の蓄電部から給電され、前記センサに給電する第5の蓄電部と、
前記センシングデータ通知要求に応じて前記センシングデータを出力するセンシングデータ出力部と、
を備えることを特徴とするセンシングシステム。
【請求項4】
情報端末の第1の無線通信部から送信される電磁波により生じた起電力を蓄電し、給電ケーブルを介して給電するRFIDタグ蓄電部と、
通信ケーブルを介してセンシングデータを取得するセンシングデータ取得部と、
前記取得したセンシングデータを前記情報端末に無線送信する第2の無線通信部と、
前記RFIDタグ蓄電部に発生した起電力のデータを出力する起電力データ出力部と、
を備えることを特徴とするRFIDタグ。
【請求項5】
センシングデータを出力するセンサと、
複数のRFIDタグから起電力のデータを取得する起電力データ取得部と、
取得した起電力の大きさを比較し、最大の起電力が生じたRFIDタグ蓄電部に給電するよう指示するセンシング装置制御部と、
前記センシング装置制御部の指示に応じて、当該RFIDタグ蓄電部以外から給電された電力を当該RFIDタグ蓄電部に給電するセンシング装置蓄電部と、
当該RFIDタグ蓄電部を備えた前記RFIDタグに前記センシングデータを出力するセンシングデータ出力部と、
を備えることを特徴とするセンシング装置。
【請求項6】
情報端末の第1の無線通信部から送信される電磁波により生じた起電力を蓄電し、蓄電された前記起電力と、給電ケーブルを介して給電された電力と、を給電するRFIDタグ蓄電部と、
通信ケーブルを介してセンシングデータを取得するセンシングデータ取得部と、
前記取得したセンシングデータを前記情報端末に無線送信する第2の無線通信部と、
自RFIDタグの前記RFIDタグ蓄電部に発生した起電力のデータを他のRFIDタグに出力する起電力データ出力部と、
他のRFIDタグが備える前記RFIDタグ蓄電部に発生した起電力のデータを取得する起電力データ取得部と、
取得した前記起電力データに基づいて起電力の大きさを比較し、自RFIDタグの前記RFIDタグ蓄電部が最大の起電力を示した場合にセンシングデータ通知要求を出力し、他のRFIDタグの前記RFIDタグ蓄電部が最大の起電力を示した場合に当該RFIDタグ蓄電部に給電するよう自RFIDタグの前記RFIDタグ蓄電部を制御するRFIDタグ制御部と、
を備えることを特徴とするRFIDタグ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−140270(P2010−140270A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316081(P2008−316081)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】