説明

センタージョイントおよび作業機械

【課題】燃料供給に伴う下部配管と上部配管との接続、分離のための労力、並びに分離忘れによる配管等の破損の虞が無く、また、作動油が燃料に混入する虞も無い構成のセンタージョイントとこれを用いた作業機械を提供する。
【解決手段】外部円筒体42と内部回転体43とで作動油の回転式継手を構成する。内部回転体43の軸心部に燃料流路53を設ける。内部回転体43の下端の嵌合部43aと蓋体45に設けた嵌合部59とを回動可能に嵌合する。両嵌合部43a、59間に環状シール材60を設ける。外部円筒体の下面に固定される蓋体45に環状のドレン溝56を設ける。ドレン溝56に連通するドレン排出ポート62を設ける。シール材60が損傷して作動油の液漏れが生じても、ドレン溝56からドレン排出ポート62を経由して排出され、燃料に作動油が混入することはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械の旋回装置に作動油用回転継手として設けるセンタージョイントと、このセンタージョイントを備えた作業機械に係り、特にポスト等の支持体に旋回装置を介して高所に上部旋回体を設置し、上部旋回体に燃料タンクを有する油圧パワーユニットを搭載し、旋回装置より下方に設けた燃料ポンプによりセンタージョイントを介して燃料タンクに燃料を供給する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機械においては、オペレータが高い位置から作業対象物を目視するため、下部走行体上にポストを設置し、ポストの頂部に旋回装置を介して上部旋回体を設置し、上部旋回体に例えば多関節フロント等を有する作業装置を取付けたものがある。上部旋回体には、燃料タンクを有する油圧パワーユニットを搭載する(例えば特許文献1参照)。
【0003】
従来は、高所の上部旋回体に搭載した燃料タンクに燃料を補給するため、燃料を入れた容器を作業員が上部旋回体上に運び込んで燃料タンクに注入している。しかしながら、この燃料の補給作業には多大の労力が必要になる。
【0004】
この労力を削減するため、従来より、下部走行体に補給用燃料を溜める下タンクと燃料ポンプとを設置し、燃料ポンプの作動により下タンクの燃料を供給用配管を介して上部旋回体上に燃料タンク(上タンク)に供給する燃料供給装置が設けられている。ここで、燃料ポンプにより上タンクに燃料を供給するための配管は、ポストに沿って配設された下部配管と、上部旋回体に配設された上部配管とにより構成され、これらの配管は旋回装置の近傍にて着脱可能な継手により結合される。そして作業機械の休機中に継手により下部配管と上部配管とを接続して燃料の補給を行ない、燃料の補給が終わる下部配管と上部配管との継手による結合を解く。
【0005】
一方、従来の作業機械として、旋回装置に、異なる種類の流体を通すスイベルジョイントを備えたものが特許文献2に記載されている。この作業機械に備えたスイベルジョイントは、外筒に対して旋回可能に内筒を嵌合し、外筒の内壁に設けた環状溝と、この溝に連通するように外筒に設けた下部走行体側配管接続ポートと、内筒に前記溝に連通するように穿孔され、上部に上部旋回体側接続ポートを設けた孔とにより作動油の回転式継手を構成する。また、このスイベルジョイントは、内筒の内壁に軸心方向に溝を設け、この溝に水や空気等、作動油と異なる流体を流すパイプを設ける。また、内筒、外筒の下部にそれぞれ下部内筒、下部外筒を固定し、下部内筒内に、下部外筒に結合されるサブジョイント部材を設け、下部内筒とサブジョイント部材とで作動油と異なる流体連絡用の回転式継手を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−123267号公報
【特許文献1】特開2001−27383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したような燃料配管の接続に着脱可能な継手を用いる従来の燃料供給装置においては、ポストに沿って設けた下部配管と、上部旋回体に設けた上部配管とを継手により結合したままの状態において、オペレータが誤って旋回装置を操作すると、上部旋回体が旋回し、燃料供給用の配管が旋回装置の部分で引っ張られ、この配管または配管の接続部が破損し、破損部分から燃料が漏れる虞がある。また、燃料の補給の度毎に配管の接続、分離を行なう必要があるので、面倒であるという問題点がある。
【0008】
一方、前記特許文献2に記載のスイベルジョイントの内筒の内壁に取付けたパイプを含む流路を燃料供給のために使用したとすると、外筒と内筒との間のシール材が損傷した場合、下部外筒と下部内筒との間に作動油が流下し、さらにサブジョイント部材側に回り込んで燃料に作動油が混じるおそれがある。もし燃料に作動油が混じると、油圧パワーユニットの駆動源であるエンジンに悪影響を及ぼす虞がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、燃料供給に伴う下部配管と上部配管との接続、分離のための労力、並びに分離忘れによる配管等の破損の虞が無く、また、作動油が燃料に混入する虞も無い構成のセンタージョイントとこれを用いた作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1のセンタージョイントは、作業機械の旋回装置に取付けられるセンタージョイントにおいて、
外面に作動油配管接続ポートが設けられ、縦に設置される外部円筒体と、
前記外部円筒体内に複数の環状シール材を介して回転可能に嵌合され、内部に孔からなる作動油流路を有して前記外部円筒体と共に作動油の回転式継手を構成する内部回転体と、
前記外部円筒体の下面に固定される蓋体と、
前記内部回転体の軸心部に貫通して形成された孔からなり、上部に燃料配管が接続される接続ポートを有する燃料流路と、
前記蓋体の上面に設けられ、前記外部円筒体と前記内部回転体との間から流下するドレンを受ける環状のドレン溝と、
前記内部回転体の下部に設けられ、かつ前記燃料流路を有する嵌合部と、
前記蓋体の中心に設けられ、前記嵌合部を回転可能に雌雄嵌合する嵌合部と、
前記内部回転体側嵌合部と前記蓋体側嵌合部との間に設けられた環状シール材と、
前記内部回転体の燃料流路に連通するように前記蓋体に設けられ、燃料配管が接続される接続ポートと、
前記蓋体に前記ドレン溝に連通して設けられ、前記ドレン溝に溜まるドレンを排出するドレン排出ポートとを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の作業機械は、
据付式または移動式支持体と、
前記支持体上に設置した旋回装置と、
前記旋回装置に設置した請求項1に記載のセンタージョイントと、
前記旋回装置上に設置した上部旋回体と、
前記上部旋回体に搭載した油圧パワーユニットと、
前記油圧パワーユニットに設けられ、原動機の燃料を溜める上タンクと、
前記支持体に設置した燃料補給用下タンクと、
前記センタージョイントの前記蓋体に設けた前記接続ポートと前記下タンクとを接続する下部配管と、
前記内部回転体に設けた前記接続ポートと前記上タンクとを接続する上部配管と、
前記支持体または前記下タンクに設置され、前記下タンク内の燃料を前記下部配管、前記センタージョイントおよび前記上部配管を介して前記上タンクに供給する燃料ポンプと、
前記センタージョイントのドレン排出ポートに接続されるドレン配管とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の作業機械は、請求項2に記載の作業機械において、
前記ドレン配管を通して排出されるドレンを溜めるドレンタンクを前記支持体に備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、2の発明によれば、このセンタージョイントを旋回装置に用いることにより、作業機械の支持体に設ける燃料供給用下部配管と、上部旋回体に配設する上部配管とをセンタージョイントを介して常時接続状態にしておくことができる。このため、燃料の補給の度毎に下部配管と上部配管との接続、分離を行なう必要がなく、省力化が図れる。また、下部配管と上部配管とを着脱式継手を介して接続したままで誤って上部旋回体を旋回させることによる配管や配管接続部の破損事故の発生を無くすことができる。
【0014】
また、外部円筒体と内部回転体との間の環状シール材が損傷して作動油の液漏れ(ドレン)が生じたとしても、この漏れたドレンは蓋体の上面に設けたドレン溝の流れ込み、ドレン排出ポートから排出されるため、燃料にドレンが混じることがなく、作動油混入によるエンジンへの悪影響を防止することができる。また、蓋体と内部回転体との相互の嵌合部間のシール材が損傷しても、そのシール材の部分から漏れた燃料はドレン溝から外部に排出されるので、燃料が作動油に混ざることもない。
【0015】
請求項3の発明によれば、支持体にドレンタンクを備えたので、ドレンによる作業機械の作業環境の汚染や引火の危険を防止することができる。また、ドレンタンクに溜まる量が分かる構造とすることにより、センタージョイント内のシール材の損傷を知ることができ、修理によりシール材が損傷したままで放置される不具合を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用する作業機械の一例を示す側面図である。
【図2】図1の作業機における燃料供給経路の一例を示す側面図である。
【図3】本発明のセンタージョイントの一実施の形態を示す縦断面図である。
【図4】図3のセンタージョイントの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明を適用する作業機械の一例を示す。この実施の形態の作業機械は、支持体として、下部走行体1と、この下部走行体1上に設置した円筒形のポスト2とを備える。このポスト2の上端部に旋回装置3を介して上部旋回体4を設置し、上部旋回体4上に油圧パワーユニット5、運転室6、カウンタウエイト7等を搭載する。この実施の形態の下部走行体1は履帯式走行体を示しているが、ホイール式に構成してもよい。また、本発明の作業機械は、支持体としてポスト2の代わりに門型の支持体を用いたものや、走行式ではなく、据付式のものにも適用可能である。
【0018】
13は上部旋回体4の下面より保守員が上部旋回体4上の機器を目視して点検するためにポスト2に設けた点検用足場、14はこの点検用足場13に昇降するために足場13に取付けられた梯子、16は上部旋回体4の周囲に設置された足場、17は点検用足場13と上部旋回体4との間で昇降するために上部旋回体4に取付けた梯子、18は上部旋回体4から運転室6の片側より昇降するために設けた足場、19は上部旋回体4の油圧パワーユニット5の建屋上に設置した足場である。なお、運転室6は不図示のリンク機構を介して前方、上方、斜め上方に変位可能に構成されるが図示および詳細な説明を省略する。
【0019】
この実施の形態の作業装置20は、上部旋回体4にブームシリンダ21により俯仰可能に取付けられたブーム22と、アームシリンダ23によりブーム22の先端に回動可能に取付けられたアーム24と、アーム24の先端に作業具シリンダ25により回動可能に取付けられた作業具26とを備える。この実施の形態においては、作業具26として電磁石を内蔵したリフティングマグネットを示しているが、この代わりにバックホウバケット、クラムシェルバケット、ホークバケット等、作業目的に応じた各種の作業具が用いられる。また、作業装置20としては、図示例より関節数の多いものを採用したり、伸縮アーム等を追加する場合もある。
【0020】
図2は燃料の補給経路の一例を示す。31は補給用燃料を溜めるために下部走行体1に設置した下タンク、32は油圧パワーユニット5のエンジンに供給する燃料を溜めるために上部旋回体4に搭載した上タンクである。なお、下タンク31はポスト2に取付けてもよい。34は下タンク31の燃料を上タンク32に供給するための燃料ポンプである。図示の例では燃料ポンプ34は下タンク31に設けているが、これは下部走行体1あるいはポスト2に設けてもよい。36は旋回装置3の中心に設けたセンタージョイント、35は燃料ポンプ34からセンタージョイント36に亘ってポスト2に沿って設けた下部配管である。
【0021】
センタージョイント36は一般的には作動油連絡用の回転式継手として備える。本発明はこのセンタージョイント36を燃料補給経路として用いるものである。したがって、下部配管35はセンタージョイント36に接続される。37は旋回装置3から上タンク32に亘って上部旋回体4に沿って設けた上部配管である。上部配管37もセンタージョイント36に接続される。39はセンタージョイント36で生じたドレンをセンタージョイント36から排出するドレン配管、40はこのドレン配管39を通して流下するドレンを溜めるドレンタンクであり、このドレンタンク40は下部走行体1に設置されている。このドレンタンク40はポスト2に設けてもよい。
【0022】
図3は本発明によるセンタージョイント36の一実施の形態を示す断面図、図4はその底面図である。このセンタージョイント36は、縦に設置される外部円筒体42と、内部回転体43と、外部円筒体42にボルト44により固定される蓋体45とを備える。外部円筒体42と内部回転体43は作動油の回転式継手を構成するものである。外部円筒体42はフランジ42aに設けたボルト挿通孔42bに挿通するボルト(図示せず)により、旋回装置3における非旋回側に固定し、内部回転体43は上部旋回体4に固定する。
【0023】
46は左右の走行モータに接続される駆動用作動油配管(図示せず)を接続するために外部円筒体42に設けた接続ポートである。この接続ポート46は、1台の走行モータにそれぞれ2つずつ、合計4つの接続ポートを設ける。47は外部円筒体42の内周面に設けた環状溝であり、前記4つの接続ポート46にそれぞれ対応して4つの環状溝を形成し、各環状溝47はそれぞれ対応する接続ポート46に連通する。48は各環状溝47同士の油路としての連絡を防ぐために外部円筒体42と内部回転体43との間に設けた環状シール材である。
【0024】
50は内部回転体43に環状溝47にそれぞれ対応して設けた孔からなる作動油流路である。各作動油流路50の上端にはコントロール弁(図示せず)に一端が接続される作動油配管(図示せず)の他端を接続する接続ポート51を設ける。また、各作動油流路50の開口部50aは、対応する環状溝47に対面する位置に設ける。したがって内部回転体43に設ける個々の接続ポート51は、対応する個々の作動油流路50、開口部50a、環状溝47を通して接続ポート46に連通し、作動油の回転式継手を構成する。
【0025】
内部回転体43の下端部には蓋体45に設ける後述の嵌合部59に嵌合する嵌合部43aを有する。この内部回転体43の軸心部には孔からなる燃料流路53を貫通して設ける。この燃料流路53の上端には、前述した上部配管37を接続する接続ポート54を設ける。
【0026】
蓋体45の上面には、外部円筒体42と内部回転体43の間から作動油がシール材60の損傷等によりドレンとして下方に漏れた場合に、このドレンを受ける環状のドレン溝56を設ける。57は外部円筒体42に対する内部回転体43の上下動を防止するためのリングである。このリング57は内部回転体43の下部の外周の溝43bに相対回動可能に嵌合し、外部円筒体42と蓋体45との間で挟持する。このリング57にはドレンをドレン溝56に流下させる孔57aを設ける。63は外部円筒体42と蓋体45との間で挟持された環状シール材であり、作動油が外部に漏れることを防ぐものである。
【0027】
蓋体45の中央部には前記内部回転体43の下端の嵌合部43aを回動可能に嵌合する嵌合部59を設ける。この実施の形態の内部回転体43に設ける嵌合部43aは内部回転体43を小径とした雄型嵌合部である。また、蓋体45に設ける嵌合部59は、蓋体45の中央の円形凸部48の中心に形成した円形凹部からなる雌型としている。この反対に、内部回転体43に設ける嵌合部を雌型とし、蓋体45に設ける嵌合部を雄型としてもよい。
【0028】
蓋体45に設ける嵌合部59と内部回転体43に設ける嵌合部43aとの間には両者の隙間からの燃料の漏れを防止する環状シール材60を設ける。蓋体45の中央部には、前記下部配管35を接続する接続ポート61を設ける。この接続ポート61は嵌合部59に連通する。また、蓋体45のドレン溝56の下部に、ドレン溝56に連通する接続ポート62を設ける。このドレン排出ポート62にドレン配管39を接続する。
【0029】
この実施の形態に示すように、下部配管35と上部配管37との間をセンタージョイント36の内部回転体43に設けた燃料流路53を通して連絡する構成としたので、下部配管35と、上部旋回体4に配設する上部配管37とをセンタージョイント36を介して常時接続状態にしておくことができる。このため、燃料の補給の度毎に下部配管35と上部配管37との接続、分離を行なう必要がなく、省力化が図れる。また、下部配管35と上部配管37とを着脱式継手を介して接続したままで誤って上部旋回体を旋回させることによる配管や配管接続部の破損事故の発生を無くすことができる。
【0030】
また、外部円筒体42と内部回転体43との間の環状のシール材48が損傷してドレンが生じたとしても、この漏れたドレンは蓋体45の上面に設けたドレン溝56の流れ込み、ドレン排出ポート62から排出されるため、蓋体45の中央に設けた円形凹部59を介して内部回転体43の燃料流路53を流れる燃料に作動油からなるドレンが混じることがなく、作動油混入によるエンジンへの悪影響を防止することができる。
【0031】
また、蓋体45と内部回転体43との相互の嵌合部43a,59間のシール材60が損傷しても、そのシール材60の部分から漏れた燃料は蓋体45の中央の嵌合部59を形成した凸部58を超えてドレン溝56から外部に排出されるので、燃料が作動油に混ざることもない。
【0032】
また、ドレン配管39を通して流下するドレンを溜めるドレンタンク49を備えたので、ドレンによる作業機械の作業環境の汚染を防止することができる。また、仮にシール材60が損傷し、ドレンに燃料が混じっても、ドレンタンク49に封じ込まれるため、引火の危険を防止することができる。また、ドレンタンク49に溜まる量が分かる構造とすれば、センタージョイント36内のシール材48の損傷を知ることができる。このため、シール材48の損傷を知った後にシール材48を修理することにより、シール材48が損傷したままで放置される不具合を解消することができる。
【0033】
本発明は、センタージョイントが、作動油の連絡のみならず、パイロット圧油の連絡、あるいは例えば電気回路の連絡にも用いられる場合にも適用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1:下部走行体、2:ポスト、3:旋回装置、4:上部旋回体、5:油圧パワーユニット、6:運転室6、7:カウンタウエイト、20:作業装置、21:ブームシリンダ、22:ブーム、23:アームシリンダ、24:アーム、25:作業具シリンダ、26:作業具、31:下タンク、32:上タンク、34:燃料ポンプ、35:下部配管、36:センタージョイント、37:上部配管、39:ドレン配管、40:ドレンタンク、42:外部円筒体、43:内部回転体、43a:嵌合部、44:ボルト、45:蓋体、46:接続ポート、47:環状溝、48:環状シール材、50:作動油流路、50a:開口部、51:接続ポート、53:燃料流路、54:接続ポート、56:ドレン溝、58:凸部、59:嵌合部、60:環状シール材、61:接続ポート、62:ドレン排出ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の旋回装置に取付けられるセンタージョイントにおいて、
外面に作動油配管接続ポートが設けられ、縦に設置される外部円筒体と、
前記外部円筒体内に複数の環状シール材を介して回転可能に嵌合され、内部に孔からなる作動油流路を有して前記外部円筒体と共に作動油の回転式継手を構成する内部回転体と、
前記外部円筒体の下面に固定される蓋体と、
前記内部回転体の軸心部に貫通して形成された孔からなり、上部に燃料配管が接続される接続ポートを有する燃料流路と、
前記蓋体の上面に設けられ、前記外部円筒体と前記内部回転体との間から流下するドレンを受ける環状のドレン溝と、
前記内部回転体の下部に設けられ、かつ前記燃料流路を有する嵌合部と、
前記蓋体の中心に設けられ、前記嵌合部を回転可能に雌雄嵌合する嵌合部と、
前記内部回転体側嵌合部と前記蓋体側嵌合部との間に設けられた環状シール材と、
前記内部回転体の燃料流路に連通するように前記蓋体に設けられ、燃料配管が接続される接続ポートと、
前記蓋体に前記ドレン溝に連通して設けられ、前記ドレン溝に溜まるドレンを排出するドレン排出ポートとを備えたことを特徴とするセンタージョイント。
【請求項2】
据付式または移動式支持体と、
前記支持体上に設置した旋回装置と、
前記旋回装置に設置した請求項1に記載のセンタージョイントと、
前記旋回装置上に設置した上部旋回体と、
前記上部旋回体に搭載した油圧パワーユニットと、
前記油圧パワーユニットに設けられ、原動機の燃料を溜める上タンクと、
前記支持体に設置した燃料補給用下タンクと、
前記センタージョイントの前記蓋体に設けた前記接続ポートと前記下タンクとを接続する下部配管と、
前記内部回転体に設けた前記接続ポートと前記上タンクとを接続する上部配管と、
前記支持体または前記下タンクに設置され、前記下タンク内の燃料を前記下部配管、前記センタージョイントおよび前記上部配管を介して前記上タンクに供給する燃料ポンプと、
前記センタージョイントのドレン排出ポートに接続されるドレン配管とを備えたことを特徴とする作業機械。
【請求項3】
請求項2に記載の作業機械において、
前記ドレン配管を通して排出されるドレンを溜めるドレンタンクを前記支持体に備えたことを特徴とする作業機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−32812(P2011−32812A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182321(P2009−182321)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】