説明

ソケットコネクタ、プラグコネクタ、及びこれらを備えるコネクタ組立体

【課題】本発明は、信号の伝送を高める信号の伝送を高めるソケットコネクタ、プラグコネクタ、これらを備えるコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のソケットコネクタは、絶縁性本体と、複数の導電端子と、弾力端子とを備える。絶縁性本体は、互いに貫通する第1、第2収納穴と、前記第1収納穴に配置されて複数の第3端子溝が形成される第1舌板と、前記第2収納穴に配置されて対向する表面に形成される複数の第1端子溝及び第2端子溝を含む第2舌板とを有する。本発明のプラグコネクタは、絶縁部材と、第1、第2プラグ端子とを備える。絶縁部材は、上表面に形成される複数の第4端子溝と下表面に形成される複数の第5端子溝とを含む隔板と、隔板によって形成される第1、第2嵌合溝と、複数の第5端子溝が形成される底板とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタに関し、特に、高周波信号を伝送するUSB(Universal Serial Bus)ソケットコネクタ、プラグコネクタ、及びこれらを備えるコネクタ組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12〜図14に開示された従来のUSBソケットコネクタ300’は、収納穴31’が形成される金属ハウジング34’と、収納穴31’に突伸する舌板32’と、接触部331’が設けられる複数の導電端子33’とを備える。舌板32’の上、下表面には、導電端子33’が挿入される複数の端子溝が形成される。金属ハウジング34’には、誤挿入を防止するための一対の傾斜部35’、36’が前記収納穴31’の上に設けられる。
図15に示す従来のソケットコネクタ300’と電気接続される相手プラグコネクタ400’は、収納部42’が形成される絶縁性本体41’と、収納部42’に収納される複数の導電端子43’と、絶縁性本体41’を覆う遮蔽部材44’とを有する。遮蔽部材44’には傾斜壁45’、46’とが設けられる。相手プラグコネクタ400’がソケットコネクタ300’に収納される時、プラグコネクタ300’の導電端子33’がソケットコネクタ400’の導電端子43’と電気接続する。プラグコネクタ400’の傾斜壁45’、46’がソケットコネクタ300’の傾斜部35’、36’と係合する。
信号の伝送を高めるため、多くの導電端子が増加する。これにより、多くの導電端子を収納する端口を配置すればよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの導電端子が増加することによって、多くの導電端子を収納する端口を配置しなければならない。
【0004】
そこで本発明の目的は、信号の伝送を高めるソケットコネクタ、プラグコネクタ、これらを備えるコネクタ組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明のソケットコネクタは、絶縁性本体と、複数の導電端子と、弾力端子とを備える。絶縁性本体は、互いに貫通する第1、第2収納穴と、前記第1収納穴に配置されて複数の第3端子溝が形成される第1舌板と、前記第2収納穴に配置されて対向する表面に形成される複数の第1端子溝及び第2端子溝を含む第2舌板とを有する。複数の導電端子は、前記絶縁性本体の第1舌板の第3端子溝に挿入される。各導電端子には、第1収納穴に露出される接触部が設けられる。前記弾力端子は、前記絶縁性本体の第2舌板の第1、第2端子溝に挿入される。各弾力端子には、第2収納穴に露出される弾力的な接続部が設けられる。
本発明のプラグコネクタは、絶縁部材と、第1、第2プラグ端子と、金属ハウジングとを備える。絶縁部材は、上表面に形成される複数の第4端子溝と下表面に形成される複数の第5端子溝とを含む隔板と、隔板によって形成される第1、第2嵌合溝と、複数の第5端子溝が形成される底板とを有する。第1プラグ端子は、第4端子溝に挿入され、第1嵌合溝に露出される接触端が設けられる。第2プラグ端子は、第5端子溝に挿入されて第2嵌合溝に露出される接続端が設けられる。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術に比べると、本発明は以下の長所がある。本発明のソケットコネクタは、第1収納穴の上に第2収納穴が形成される。第2収納穴において、相手プラグコネクタの高周波信号を伝送可能な第1プラグ端子と電気接続するための導電端子を増加させる。これにより、信号の伝送を高める。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明のソケットコネクタの組立図である。
【図2】図1に示すソケットコネクタの分解斜視図である。
【図3】図2に示すソケットコネクタの別の分解斜視図である。
【図4】ソケットコネクタの前視図である。
【図5】ソケットコネクタの俯瞰図である。
【図6】本発明のソケットコネクタと電気接続するプラグコネクタの斜視図である。
【図7】図6に示すプラグコネクタの分解斜視図である。
【図8】図7の別の分解斜視図である。
【図9】図6に示すプラグコネクタの前視図である。
【図10】図6に示すプラグコネクタが図1に示すソケットコネクタと電気接続する斜視図である。
【図11】図10のA-A線で切断した断面図である。
【図12】従来の2.0標準のソケットコネクタの斜視図である。
【図13】従来の2.0標準のソケットコネクタの前視図である。
【図14】従来の2.0標準のソケットコネクタの俯瞰図である。
【図15】従来のプラグコネクタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜図4に示すように、本発明の電気コネクタはUSBソケットコネクタ、或いはUSBプラグコネクタであり、或いはこれらを備えるUSBコネクタ組立体である。ソケットコネクタ100が回路基板(図示せず)に半田接続される。ソケットコネクタ100は、絶縁性本体1と、絶縁性本体1に挿入される複数の導電端子2と、弾力端子3と、絶縁性本体1に取付される定位部材5と、絶縁性本体1を覆う遮蔽部材4とを備える。
【0009】
図2及び図3に示すように、絶縁性本体1は、本体部10と、本体部10に設けられる上舌板11、下舌板12とを備える。上舌板11の下表面には、複数の第3端子溝112が形成される。下舌板12の上、下表面は、複数の第1端子溝123が形成される第1表面121と、複数の第2端子溝124が形成される第2表面122である。上舌板11の下表面が、下舌板12の第2表面122より下舌板12の第1表面121に寄る。本体部10の後部には複数のスロット131が形成される。
【0010】
図2に示すように、導電端子2は、高周波数差分信号を伝送するための二対の差分信号端子と、この二対の信号端子の間に配置される接地端子とを備える。各導電端子2は、直角で折り曲がれる折曲部22と、折曲部22に設けられる接触部21と、折曲部22から下向きに延在する半田接続部23とを備える。弾力端子3は、第1表面121の右側に位置する負信号端子と、第1表面121の左側に位置する正信号端子と、第2表面122の右側に位置する接地端子と、第2表面122の左側に位置する正信号端子とを備える。各弾力端子3は、実質的にL字状に形成される折曲部32と、折曲部32に設けられる弾力的な接続部31と、折曲部32から延在する半田接続足33とを備える。
【0011】
図5及び図14を参照すると、導電端子2の折曲部22が弾力端子3の外側に配置される。ソケットコネクタ100の前後の寸法D1が従来のソケットコネクタ300’の前後の寸法D3より大きい。
【0012】
図4に示すように、本発明のUSBソケットコネクタ100は、通常用いられる2.0のB型のUSBプラグコネクタ400を収納するための下収納穴120と、下収納穴120の上に配置され、高周波信号を伝送するための上収納穴110とを備える。下収納穴120の高さH2と、幅W2とは、それぞれ上収納穴110の高さH1、幅W1より大きい。これにより、ソケットコネクタ100の信号伝送の速度が高まる。ソケットコネクタ100は従来のコネクタ300より端口が増加する。これにより、ソケットコネクタ100の高さH1+H2は、従来のソケットコネクタ300の高さよりも高い。
【0013】
ソケットコネクタ100は、複数の位置決め溝51が形成された位置決め部材5を含む。導電端子2の半田接続部23が位置決め部材5の位置決め溝51に挿入され、弾力端子3が絶縁性本体1の前記スロット131に挿入されて位置決めされる。
【0014】
図2及び図3を参照すると、遮蔽部材4は、絶縁性本体1を被覆するための前蓋体41と、絶縁性本体1の後部を覆う後蓋体42とを備える。前蓋体41は、天壁411と、天壁411から延在する一対の側壁412と、前壁413と、側壁412の前端から内へ折り曲げられる複数の弾力片414とを備える。側壁412の底部には、内へ折曲される複数の係合片415が設けられる。前記後蓋体42は、後壁421と、後壁421から前向きに延在する延在壁422とを有する。
【0015】
図1〜図5を参照すると、ソケットコネクタ100を組み合わせる時、複数の導電端子2が上舌板11の第3端子溝112に挿入される。複数の弾力端子3が絶縁性本体1の第1、第2端子溝123、124に挿入される。位置決め部材5が絶縁性本体1の後に実装される。図11に示すように、導電端子2の半田接続部23が位置決め部材5の位置決め溝51に挿入され、弾力端子3の半田接続足33が絶縁性本体1のスロット131に挿入される。遮蔽部材4は絶縁性本体1を覆う。遮蔽部材4の係合片415が位置決め部材5と係合する。後蓋体42の延在壁422が前蓋体41に形成される係合溝416と係合する。
【0016】
図6〜図9を参照すると、ソケットコネクタ100と係合するプラグコネクタ600がUSBプラグコネクタである。プラグコネクタ600は、絶縁部材6と、絶縁部材6に挿入される複数の第1、第2プラグ端子7,8と、絶縁部材6を覆う金属ハウジング9と、前記プラグ端子7,8と電気接続するケーブル60とを備える。絶縁部材6は、平板状な隔板61と、隔板61と対向する底壁62と、隔板61から下向きに延在する側板63とを有する。隔板61の上、下表面が第4表面612、第3表面613である。隔板61の第4表面612には複数の第4端子溝614が形成される。隔板61の第3表面613と底板62の上表面には、複数の第5端子溝66が形成される。隔板61の下端の両側には一対の傾斜部611が設けられる。
【0017】
第1プラグ端子7は、高周波差分信号を伝送するための二対の差分信号端子と、この二対の信号端子の間に配置される接地端子とを備える。各第1プラグ端子7は、弾力な接触端71が設けられる。第2プラグ端子8は、隔板61の左側に位置する負信号端子と、隔板61の右側に位置する正信号端子と、底板62の左側に位置する接地端子と、底板62の右側に位置する正信号端子とを備える。各第2プラグ端子8には、平板状な接続端81が設けられる。
【0018】
金属ハウジング9は、下部91と、下部91の上に配置される上部92とを備える。下部91は、底片911と、底片911から上向きに延在する第2側片912と、上部92と連接する傾斜状な連接片913とを含む。上部92は、頂片921と、頂片921から下向きに延在して前記連接片913と連接する第1側片922とを有する。
【0019】
図6〜図9を参照すると、第1プラグ端子7が絶縁部材6の第4端子溝614に挿入される。第2プラグ端子8が第5端子溝66に挿入される。金属ハウジング9が絶縁部材6を覆う。金属ハウジング9の連接片913が絶縁部材6の傾斜部611に対応する。組み合わされるプラグコネクタ600には、隔板61の上側と下側には、それぞれ第1、第2嵌合溝64,65が形成される。
【0020】
図10〜図11に示すように、プラグコネクタ600がソケットコネクタ100に挿入される時、プラグコネクタ600の隔板61がソケットコネクタ100の上、下舌板11,12の間に嵌合される。導電端子2と弾力端子3とは、それぞれ第1プラグ端子7と第2プラグ端子8と電気接続する。ソケットコネクタ100の弾力片414がプラグコネクタ600を挟む。
【0021】
プラグコネクタ600の隔板61の第4表面612と、第3表面613には、それぞれ五つの第1プラグ端子7と二つの第2プラグ端子8とが配置される。これにより、プラグコネクタ600が充分に利用される。従来の2.0標準のUSBプラグコネクタ400’に比べて、本発明のプラグコネクタ600は、高周波の信号を伝送するための第1プラグ端子7が増加される。信号伝送の速度が高まる。
【0022】
以上、本発明について好ましい実施形態を参照して詳細に説明したが、実施形態はあくまでも例示的なものであり、これらに限定されるものではない。また上述の説明は、本発明に基づき成し得る細部の修正或いは変更などは、いずれも本発明の技術的範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0023】
1 絶縁性本体
10 本体部
100 ソケットコネクタ
11 上舌板
110 上収納穴
111 第3表面
112 第3端子溝
12 下舌板
120 下収納穴
121 第1表面
122 第2表面
123 第1端子溝
124 第2端子溝
13、14 肩部
131 スロット
2 導電端子
21 接触部
22 折曲部
23 半田接続部
3 弾力端子
31 接続部
32 折曲部
33 半田接続足
4 遮蔽部材
41 前蓋体
411 天壁
412 側壁
413 前壁
414 弾力片
415 係合片
416 係合溝
42 後蓋体
421 後壁
422 延在壁
5 位置決め部材
51 位置決め溝
6 絶縁部材
60 ケーブル
600 プラグコネクタ
61 隔板
611 傾斜部
612 第4表面
613 第3表面
614 第4端子溝
62 底板
63 側板
64 第1嵌合穴
65 第2嵌合穴
66 第5端子溝
7 第1プラグ端子
71 接触端
8 第2プラグ端子
81 接続端
9 金属ハウジング
91 下部
911 底片
912 第2側片
913 連接片
92 上部
921 頂片
922 第1側片
300’ ソケットコネクタ
31’ 収納穴
32’ 舌板
33’ 導電端子
331’ 接触部
34’ 金属ハウジング
35’、36’ 傾斜部
400’ プラグコネクタ
41’ 絶縁性本体
42’ 収納部
43’ 導電端子
44’ 遮蔽部材
45’、46’ 傾斜壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに貫通する第1、第2収納穴と、前記第1収納穴に配置されて複数の第3端子溝が形成される第1舌板と、前記第2収納穴に配置されて対向する表面に形成される複数の第1端子溝及び第2端子溝を含む第2舌板とを有する絶縁性本体と、
前記絶縁性本体の第1舌板の第3端子溝に挿入され、第1収納穴に露出される接触部が設けられる複数の導電端子と、
前記絶縁性本体の第2舌板の第1、第2端子溝に挿入され、第2収納穴に露出される弾力的な接続部が設けられる複数の弾力端子と、
を備えることを特徴とするソケットコネクタ。
【請求項2】
前記第1舌板が第2舌板の上に配置され、第2舌板の厚さが第1舌板の厚さより厚く、前記第3端子溝が前記第1舌板の下表面に形成され、第1舌板の下表面が、第2舌板の下表面より第2舌板の上表面に寄ることを特徴とする請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項3】
前記弾力端子は、第2舌板の上表面に配置されるパワー端子及び負信号端子と、第2舌板の下表面に配置される接地端子及び正信号端子とを含むことを特徴とする請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項4】
前記導電端子は、接地端子及び接地端子の両側に配置される二対の差分信号端子とを含んで、導電端子の接触部が弾力性の無い平板状の構造で設けられることを特徴とする請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項5】
前記第2収納穴の高さと幅とがそれぞれ第1収納穴の高さと幅より大きく、前記第2収納穴と第1収納穴との連接部分には誤挿入を防止可能な傾斜状な肩部が設けられることを特徴とする請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項6】
請求項1に記載されるソケットコネクタと電気接続するプラグコネクタであって、
上表面に形成される複数の第4端子溝と下表面に形成される複数の第5端子溝とを含む隔板と、隔板によって形成される第1、第2嵌合溝と、複数の第5端子溝が形成される底板とを有する絶縁部材と、
第4端子溝に挿入され、第1嵌合溝に露出される接触端が設けられる複数の第1プラグ端子と、
第5端子溝に挿入されて第2嵌合溝に露出される接続端が設けられる複数の第2プラグ端子と、
第1、第2嵌合溝を覆う金属ハウジングと、
を備えることを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項7】
請求項1に記載されるソケットコネクタと、
請求項6に記載されるプラグコネクタと、
を備え、前記プラグコネクタがソケットコネクタと電気接続する時、プラグコネクタの第1プラグ端子の接触端がソケットコネクタの導電端子の接触端と電気接続し、プラグコネクタの第2プラグ端子の接続端がソケットコネクタの弾力端子の接続端と電気接続することを特徴とするコネクタ組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−272290(P2009−272290A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8214(P2009−8214)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】