ソフトMEMSデバイス
【課題】珪素または金属のパーツの必要性を減少させるかまたはそれらを全く要しない、複合エラストマーのユニークな特徴を利用して適合性を有ししかも堅牢な材料を要する応用を可能にするデバイスの提供。
【解決手段】第1のポリマー材料から形成された基体;該基体と集積化し第2のポリマー材料からパターン化された少なくとも1つの活性域からなり、第2のポリマー材料が改変されて該少なくとも1つの活性域内で少なくとも1つの機能を行うマイクロスケールのポリマーに基づく部材。
【解決手段】第1のポリマー材料から形成された基体;該基体と集積化し第2のポリマー材料からパターン化された少なくとも1つの活性域からなり、第2のポリマー材料が改変されて該少なくとも1つの活性域内で少なくとも1つの機能を行うマイクロスケールのポリマーに基づく部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にマイクロスケールデバイス、特にMEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems)デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
活性のデバイスの機能を行うためにマイクロスケールデバイスにおいて、非ポリマー材料例えば金属に依存する一方、ポリマー材料例えばエラストマーをマイクロスケールデバイス中に構造的な目的で組み入れることは、良く知られている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】A−Fは、本発明の態様による改変および非改変のポリマーを集積したデバイスの単一層を構築する例示の方法における段階を示す。
【図2】本発明の態様によるポリジメチルシロキサン(PDMS)触覚センサーシートの写真である。
【図3】本発明の態様によるチャンネルを直交する埋め込まれた伝導性エラストマーデバイスを備えたPDMSマイクロフルイディックチャンネルの顕微鏡写真である。
【図4】本発明の態様による埋め込まれた歪みゲージを備えたPDMSシートの写真である。
【図5】図4のPDMSシートの概略図である。
【図6】大きな(〜25%)歪みをうけた多層カーボンナノチューブ(MWNT)歪みゲージに関するサンプルデータを示すグラフである。
【図7】本発明の態様による染料を満たしたマイクロフルイディックチャンネルにおける埋め込まれた流れセンサーの顕微鏡写真である。
【図8】図7で示された埋め込み流れセンサーの概略図であり、外部の参照抵抗器Rrefは直列でPDMSセンサーR0と接続しそして電流はセンサーを周囲温度よりも高く加熱する。
【図9】流体が図7−8で示されるチャンネル中に流れるとき、出力電圧(6V、励振)における変化を示すグラフである。
【図10】本発明の態様による、容量性圧力センサーの配列を形成する直交した埋め込みPDMS電極層の写真である。
【図11】図10の容量性デバイスの概略図である。
【図12】3mmの球状インデンターにより負荷されたときの図10−11で示される配列に関する静電容量の変化を示すグラフであり、X軸およびY軸は容量性配列の行および列である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
直接取り扱うことができ、複合エラストマーのユニークな特徴を利用し、そして適合できしかも堅牢な材料を要する応用を可能にするデバイスをつくることが望まれる。本発明の好ましい態様は、好ましくは、埋め込まれたセンサーまたは他の活性部品を備えたすべてポリマーのデバイスを提供する。このようなデバイスは、改良された堅牢性をもたらし、そして特定のセンサーにおいて珪素または金属のパーツを要することを減少させるかまたはその必要がなくなる。
【0008】
一般に、好ましい構造体は、少なくとも1つの性質が異なる少なくとも2つのポリマーに基づく材料のモノリス集積化を含む。ポリマー材料の2つのタイプは、例えば、改変したポリマー(例えばポリマー複合物)および改変のない同じポリマーである。例示の態様では、ポリマーは、他の材料と混合されるか、またはそうでなければ組み合わされるかまたは処理されて、新しい性質を備えた改変したポリマー(例えば、ポリマー複合体)を提供し、そのため、改変されたポリマーを機能的にする。これらの性質は、例として、ポリマーを伝導性または検出性(例えば、シグナル発生)にするが、これらに限定されない。ポリマーと混合されて追加の性質をもたらす材料の例は、伝導性を増すための金属粉末(例えば、ニッケル)、伝導性のための多層カーボンナノチューブ(MWNT)、カーボンブラック、熱感度のための硝酸アルミニウム、ポリマーを多孔性にする二酸化珪素、組み合わされて膨潤または電荷を誘導する分子、生物学的剤、酵素、化学マーカーおよび他のものを含むが、これらに限定されない。
【0009】
構造体を形成する好ましい方法では、ポリマーは1つ以上の材料と組み合わされて(例えば混合されて)、改変されたポリマーについて新しい性質をもたらし、そして改変されたポリマーの1つ以上の異なる域が集積され、例えば他のポリマー(例えば非改変ポリマー)中またはその上に形成されて活性域を用意する。例えば、ポリマー複合体がマイクロパターン化できる。一般に、追加の性質を有するポリマー(例えば改変されたポリマー)を含む域は、他の非改変または非機能性のポリマーによりカプセル化または分離される。
【0010】
単一層の形成方法において域を形成する例示の方法は、基板上にフォトレジストモールドをパターン化し、複合体または改変したポリマーをモールドに適用し、過剰の複合体または改変したポリマーを取り除き、モールドを取り出して、後にパターン化した改変ポリマーを残し、非改変ポリマーをスピン注型しそして基板から構造体を剥がすことを含む。しかし、他のエラストマーパターン化技術例えばマイクロフルイディックまたはニュウマチックのチャンネルの画成も使用できる。さらに、多層が組み合わされて、より複雑なデバイスをつくる。
【0011】
形成された活性域間の電気接点は、例えば活性域と外側のデバイスとの間に改変された(例えば、複合)材料を使用して伝導性の経路を形成することによって設けられる。別の方法では、液体金属例えばガリウム、インジウム、錫、水銀など(しかしこれらに限定されない)がデバイスに適用されて、活性域の局所性を改善する。
【0012】
種々のタイプの構造体が本発明の態様に従って形成でき、そして本明細書の例に記載された特定の構造体、ポリマーの改変、ポリマーのパターンなどは、このような例に本発明の範囲を限定することを目的としていないことは、当業者により理解されるだろう。活性域を形成することは、例として、基板上またはそのなかの自立したおよび/または埋め込まれたワイヤ、ガスケット、弁、ヒーター、センサーまたは任意の種々の層および/または構造体を含むが、これらに限定されない。改変されたポリマーは、集積したポリマーに基づく構造体で使用されて、容量性プレート、触覚センサー、歪みゲージなどを含むがこれらに限定されない種々の応用の任意のものを形成する。
【0013】
これらの集積は、例えば、機能化または活性化されたポリマーの細片または他のパターン化した部分を生ずる。例えば、金属のように機能するがポリマーから作られる細片を有する透明なポリマーのシートが提供される。使用される1つ以上の材料、組み合わせまたは処理のための比など、および非改変ポリマーに対する改変ポリマーから形成されるパターンまたは域を含む特殊な改変は、望まれる応用に応じて変化できる。
【0014】
本発明による特定の例示のデバイスは、改変および非改変のPDMS(ポリジメチルシロキサン)エラストマーを用いる。PDMSは、MEMSに広く使用される。しかし、PDMSは不伝導性であり、その結果、エラストマー例えばPDMSは、MEMSにおいて構造に大きいかつ主要な役割を演じ、保護層、カプセル材、弁隔膜、フルイディックチャンネル構造体などとして働く。
【0015】
多数の「活性」デバイスは、改変したエラストマーを使用して製造されており、有機蒸気センサー、液体センサー、FSR(force sensitive resistor)および超音波エミッターを含む。このようなデバイスは、固体充填材例えばカーボンブラック、MWNTまたは金属性粉末と混合されたエラストマーを使用して、得られる複合材料に所望の性質を与える。研究者は、またPDMS層中に金属フィルムを付着させてエラストマー触覚センサーを得ている。さらに最近では、PDMS中にその場で成長したMWNTを捉えて歪みゲージおよび電界放出型デバイスを得る。
【0016】
本発明の態様によれば、埋め込まれたエラストマーワイヤ、電極、ヒーター、センサーなどを備えそして全体をポリマーに基づくデバイスは、改変された(例えば、伝導性)PDMSおよび非改変(例えば、不伝導性)PDMSのモノリス集積化により実現できる。このような集積化を用いて、集積化ヒーターおよびセンサーおよび種々の他のデバイスを備えた、エラストマー歪みゲージ、容量性圧力センサー、マイクロフルイディックチャンネルが可能になり、ソフトデバイスにおいてMEMSを可能にする。本発明の態様による例示のデバイスの構築方法は、多層カーボンナノチューブ(MWNT)と混合することにより作られた伝導性PDMSの特徴を備えた一連のPDMSのパターン化、マイクロモールディングおよび結合の技術を用いる。
【0017】
本発明の例示の態様は、直接処理でき、複合エラストマーのユニークな特徴を利用できそして適合可能な堅牢な材料を要する応用を可能にできるデバイスを提供する。スピン注型および成型を組み合わすことにより、埋め込まれた伝導体およびセンサーを備えしかもエラストマーが全体を占める多数のデバイスを提供できる。
【0018】
例示のデバイスでは、伝導性PDMSは、絶縁性PDMS基板の構造体内に組み込まれて伝導性PDMSの機能性域を有するデバイスを実現する。例示の構築方法は、本発明の態様によるこのような組み込みに用いられる。図面に関連して、例示の方法は、最終のエラストマーアセンブリを離すことを助けるための基板12上のクロロトリメチルシロキサン(CTMS)の蒸気コーティングで始まる(図1A)。次に、フォトレジスト(PR)14は、スピンされパターン化されて、伝導性PDMSについてモールドを画成する(図1B)。
【0019】
PDMSを次に多層カーボンナノチューブ(MWNT)と混合して伝導性複合体を作る。MWNT対PDMSエラストマーの比は、デバイスの望ましい応用および性能に応じて選ばれる。定量性センサーまたは抵抗ヒーターのための簡単な伝導体を有する例示のデバイスでは、多量のMWNTが、複合体の伝導性を増加させるために添加できる。歪みまたは力の検出デバイスの場合、感度を上げるために少量のMWNTが望まれる。PDMSおよびMWNTの複合体の伝導性に関する詳細は、J.M.Engelら「Multi−Walled Carbon Nanotube Filled Conductive Elastomers:Materials and Application in Micro Transducers」IEEE International Conference on MEMS、2006に見いだされる。例示のデバイスでは、10重量%のMWNTがSylgard−184 PDMSと混合されて伝導性PDMSを形成する。
【0020】
一度MWNTおよびPDMSが混合されると、伝導性PDMS16がPRモールドへ適用されそしてパターン化されて(図1C)、1つ以上の伝導性PDMS構造体18を形成する。例示のパターン化方法は、K.Ryuら「A method for precision patterning of silicon elastomer and its applications」Journal of Microelectromechanical Systems」13巻、568−575ページ、2004に記載されている。適用後の過剰の伝導性PDMS16は、例えば刃を使用して取り除くことができる。パターン化エラストマーは、10分間90℃で硬化され、そしてPRモールド14を例えばアセトンで取り除く(図1D)。伝導性PDMS構造体18を、次にそれらの周りでスピン成形または注型成形の何れかの未改変PDMS20により捉える(図1E)。得られたアセンブリ24は、例えば基板から剥がして取り除く前に、平らなオーブン中で30分間90℃で硬化される。
【0021】
この例示の方法は、他の従来のエラストマーパターン化技術、例えばマイクロフルイディックチャンネルまたはニュウマチックチャンネルを画成するのに使用される技術と組み合わすことができる。多層は、また組み合わされて、コンプレックスデバイス例えば容量性圧力センサー(これに限定されない)を得る。
【0022】
例えば、図2は、PDMS触覚センサーシートを示す。センサーシートは、伝導性PDMSから製造されそして透明な不伝導性のPDMSの薄膜に埋め込まれた電極(黒色で示される)の配列を含む。個々の電極の数、特定のパターンなどが変化できることは理解されるだろう。デバイスは、例えばソフト容量性触覚センサーシートを提供する。
【0023】
図3は、伝導性および不伝導性のPDMSを含む他のデバイスを示す。不伝導性PDMSセンサー薄膜内に、マイクロフルイディックチャンネルが形成され、デバイスの長さ方向に沿って延在する。マイクロフルイディックチャンネルが埋め込まれた伝導性エラストマーデバイスを二分するように、埋め込まれた伝導性エラストマーデバイスの配列がマイクロフルイディックチャンネルと交差する。これらの伝導性エラストマーデバイスは、例えば、ヒーター、伝導体、センサー(例えば、流速センサー)などを含むことができる。
【0024】
デバイスの他の例は、エラストマー歪みゲージを含むが、これに限定されない。図4は、伝導性PDMSの埋め込まれた歪みゲージを備えた未改変の透明なPDMSのシートを示す。歪みゲージは、白色の点線によりその周辺が示され、未改変PDMSの長さ方向にほぼ沿って延在する。図5で示される歪みゲージの例示の操作では、適用された歪みが、未改変の透明なPDMS34内の伝導性PDMS32における伝導性粒子30間の平均の間隔を変え、それにより抵抗の読み取りを変える。従って、歪みは、抵抗における変化として変換される。一般に、引張り歪みは、抵抗の増大を生じ、一方圧縮歪みは平均の粒子の間隔を縮め抵抗を減らす。現存のセミコンダクターおよび金属歪みゲージとは対照的に、図4で示される全エラストマー歪みゲージは、繰り返して大きな歪み(例えば>1%)を測定できる。絶縁性エラストマー中に埋め込まれて、歪みゲージは、バルクPDMSと同じ歪みに耐えることができ、エラストマーに特有の大きな変型でも破壊されることがない。図6は、図4に示されたそれのようなエラストマー歪みゲージからAgilent 34401Aマルチメーターにより集められたサンプルデータを示し、手で引っ張られている間、大きな(〜25%)の歪みに耐える。
【0025】
図7に示される伝導性および不伝導性のPDMSを用いる他の例示のデバイスは、伝導性流れセンサーを埋め込まれた不伝導性PDMSシートを含む。従来では、ヒーターまたはセンサーをマイクロフルイディックチャンネルおよび反応室に近く設置するのに、剛い基板が必要とされている。耐久性が要求される実験室に設置または使用されることを必要とするような要求に応ずる全分析システムは、このやり方では容易に要求を満たすことができない。これらの制限を克服するために、図7に示されるデバイスは、マイクロフルイディックチャンネルに沿って伝導性エラストマーセンサーを埋め込み、液体、流れ、有機溶媒および局所熱の検出を可能にする。
【0026】
1つまたはいくつかの機能のできる図7で示されるデバイスでは、伝導性PDMSから形成される埋め込まれたセンサー配列(図7で黒色で示されている)は、不伝導性PDMSから形成されるマイクロフルイディックチャンネル(横線で示される)に沿って配置される。伝導性部分は、ヒーターおよびセンサーの両者として働く。
【0027】
例示の操作の原理は、一般に、図8で概略的に示される、加熱された流量計40のそれである。流量計40は、基板45内で不伝導性PDMSから形成されるフルイディックチャンネル44をほぼ囲む伝導性PDMS(コネクター43を備えた)から形成される複数のセンサー42を含む。センサー42が周囲温度より高く加熱されそして抵抗がモニターされるとき、出力における変化は、環境へ失われた熱の変化を知らせる。6Vの励振電圧そしてわずか1μWの入力電力により、出力電圧における大きな(例えば、〜10%)変化は、水のような流体46がチャンネル44中に導入されるとき、測定される(図9)。この変化は、流体46への熱の損失による。測定は、Agilent 34401Aマルチメーターを使用して行われる。この例示のセンサー40は、マイクロ全分析システムに通常使用される流体フロントまたは分析物プラグを検出するのに使用できる。
【0028】
多層を使用することにより、より複雑なデバイスも提供できる。例えば、図2に示される触覚センサーシートにおけるように、2層のエラストマーを埋め込まれた電極と組み合わせ、そしてそれらを互いに直交させることにより、容量性圧力センサー52のマトリックスを有する折り畳める容量性ポリマーデバイス50が製造でき、その例は図10−11に示される。平らなプレートコンデンサーの静電容量は電極の面積と比例し、そして電極のギャップとは逆比例する。従って、大きな面積および小さいギャップが望ましいが、PDMSのようなソフトな材料を使用することは、小さい電極のギャップを維持するのに大胆な試みとなる。折り畳みのできる容量性PDMSデバイスを作る従来のやり方は、より大きなギャップを必要とし、また多数の結合工程が必要となりその結果大きな面積を要した。
【0029】
例示の折り畳みのできる容量性ポリマーデバイス50は、4μmのPDMSで満たされた容量性ギャップ44を使用し、それはエアギャップ容量性デバイスに比べて一層硬くなる。しかし、満たされたギャップ54は、静止摩擦、粒子および機械的過負荷への堅牢さの増大並びにセンサーの基線静電容量の増加を生ずる。エアギャップコンデンサーは、図7に示されるマイクロフルイディックチャンネルを製造するのに使用されるものに類似した技術を使用して、製造できる。
【0030】
テストは、センサー52の配列の行および列の静電容量の問い合わせが他の対象物との接触の画像化を可能にすることを明らかにする。例えば、500gの負荷の下3mmの球状のインデンターにより負荷されそして静電容量がAgilent 4263B LCRメーターにより測定されるとき、配列52は、図12に示されるように、静電容量を変化する。さらに、図12において観察される負の値のアーティファクト(artifact)は、例えばマルチプレックス容量性配列を問い合わすようにデザインされたエレクトロニックスを使用することにより排除できる。これらの回路は、非問い合わせ行および列を接地にスイッチして寄生の並列静電容量を最低にする。
【0031】
従って、本発明の態様による例示の構築技術は、全エラストマーMEMSデバイス(ソフトMEMS)の実現化を可能にする。いくつかの例示の態様では、これは、改変された(例えば伝導性)エラストマーのマイクロパターン化を非改変(例えば絶縁性)エラストマーの従来のスピン注型および成形と組み合わせることにより達成される。伝導性エラストマーは、多層カーボンナノチューブとの混合(ただし、これに限定されない)を含む方法によって機能的になる。この方法で、本発明の例示の態様は、全エラストマー歪みゲージ、埋め込まれたエラストマーセンサーおよびヒーターを備えたマイクロフルイディックシステム、および堅牢な引張り可能な容量性エラストマー触覚センサーを含むがこれらに限定されない種々の新しいデバイスを提供できる。例示の構築方法の他の応用は、ソフトバイオメディカル応用例えば眼圧の測定、スマート人工器官およびロボットに関する大きな歪みの測定および耐久性開発のための適合可能な病原体検出システムを含む。
【0032】
本発明の種々の態様が示され記述されたが、他の改変、置換および交代が当業者に明らかであることを理解すべきである。このような改変、置換および交代は、請求の範囲により決定されるべき本発明の趣旨および範囲から離れることなく、行うことができる。
本発明の種々の特徴は、請求の範囲に示される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にマイクロスケールデバイス、特にMEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems)デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
活性のデバイスの機能を行うためにマイクロスケールデバイスにおいて、非ポリマー材料例えば金属に依存する一方、ポリマー材料例えばエラストマーをマイクロスケールデバイス中に構造的な目的で組み入れることは、良く知られている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】A−Fは、本発明の態様による改変および非改変のポリマーを集積したデバイスの単一層を構築する例示の方法における段階を示す。
【図2】本発明の態様によるポリジメチルシロキサン(PDMS)触覚センサーシートの写真である。
【図3】本発明の態様によるチャンネルを直交する埋め込まれた伝導性エラストマーデバイスを備えたPDMSマイクロフルイディックチャンネルの顕微鏡写真である。
【図4】本発明の態様による埋め込まれた歪みゲージを備えたPDMSシートの写真である。
【図5】図4のPDMSシートの概略図である。
【図6】大きな(〜25%)歪みをうけた多層カーボンナノチューブ(MWNT)歪みゲージに関するサンプルデータを示すグラフである。
【図7】本発明の態様による染料を満たしたマイクロフルイディックチャンネルにおける埋め込まれた流れセンサーの顕微鏡写真である。
【図8】図7で示された埋め込み流れセンサーの概略図であり、外部の参照抵抗器Rrefは直列でPDMSセンサーR0と接続しそして電流はセンサーを周囲温度よりも高く加熱する。
【図9】流体が図7−8で示されるチャンネル中に流れるとき、出力電圧(6V、励振)における変化を示すグラフである。
【図10】本発明の態様による、容量性圧力センサーの配列を形成する直交した埋め込みPDMS電極層の写真である。
【図11】図10の容量性デバイスの概略図である。
【図12】3mmの球状インデンターにより負荷されたときの図10−11で示される配列に関する静電容量の変化を示すグラフであり、X軸およびY軸は容量性配列の行および列である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
直接取り扱うことができ、複合エラストマーのユニークな特徴を利用し、そして適合できしかも堅牢な材料を要する応用を可能にするデバイスをつくることが望まれる。本発明の好ましい態様は、好ましくは、埋め込まれたセンサーまたは他の活性部品を備えたすべてポリマーのデバイスを提供する。このようなデバイスは、改良された堅牢性をもたらし、そして特定のセンサーにおいて珪素または金属のパーツを要することを減少させるかまたはその必要がなくなる。
【0008】
一般に、好ましい構造体は、少なくとも1つの性質が異なる少なくとも2つのポリマーに基づく材料のモノリス集積化を含む。ポリマー材料の2つのタイプは、例えば、改変したポリマー(例えばポリマー複合物)および改変のない同じポリマーである。例示の態様では、ポリマーは、他の材料と混合されるか、またはそうでなければ組み合わされるかまたは処理されて、新しい性質を備えた改変したポリマー(例えば、ポリマー複合体)を提供し、そのため、改変されたポリマーを機能的にする。これらの性質は、例として、ポリマーを伝導性または検出性(例えば、シグナル発生)にするが、これらに限定されない。ポリマーと混合されて追加の性質をもたらす材料の例は、伝導性を増すための金属粉末(例えば、ニッケル)、伝導性のための多層カーボンナノチューブ(MWNT)、カーボンブラック、熱感度のための硝酸アルミニウム、ポリマーを多孔性にする二酸化珪素、組み合わされて膨潤または電荷を誘導する分子、生物学的剤、酵素、化学マーカーおよび他のものを含むが、これらに限定されない。
【0009】
構造体を形成する好ましい方法では、ポリマーは1つ以上の材料と組み合わされて(例えば混合されて)、改変されたポリマーについて新しい性質をもたらし、そして改変されたポリマーの1つ以上の異なる域が集積され、例えば他のポリマー(例えば非改変ポリマー)中またはその上に形成されて活性域を用意する。例えば、ポリマー複合体がマイクロパターン化できる。一般に、追加の性質を有するポリマー(例えば改変されたポリマー)を含む域は、他の非改変または非機能性のポリマーによりカプセル化または分離される。
【0010】
単一層の形成方法において域を形成する例示の方法は、基板上にフォトレジストモールドをパターン化し、複合体または改変したポリマーをモールドに適用し、過剰の複合体または改変したポリマーを取り除き、モールドを取り出して、後にパターン化した改変ポリマーを残し、非改変ポリマーをスピン注型しそして基板から構造体を剥がすことを含む。しかし、他のエラストマーパターン化技術例えばマイクロフルイディックまたはニュウマチックのチャンネルの画成も使用できる。さらに、多層が組み合わされて、より複雑なデバイスをつくる。
【0011】
形成された活性域間の電気接点は、例えば活性域と外側のデバイスとの間に改変された(例えば、複合)材料を使用して伝導性の経路を形成することによって設けられる。別の方法では、液体金属例えばガリウム、インジウム、錫、水銀など(しかしこれらに限定されない)がデバイスに適用されて、活性域の局所性を改善する。
【0012】
種々のタイプの構造体が本発明の態様に従って形成でき、そして本明細書の例に記載された特定の構造体、ポリマーの改変、ポリマーのパターンなどは、このような例に本発明の範囲を限定することを目的としていないことは、当業者により理解されるだろう。活性域を形成することは、例として、基板上またはそのなかの自立したおよび/または埋め込まれたワイヤ、ガスケット、弁、ヒーター、センサーまたは任意の種々の層および/または構造体を含むが、これらに限定されない。改変されたポリマーは、集積したポリマーに基づく構造体で使用されて、容量性プレート、触覚センサー、歪みゲージなどを含むがこれらに限定されない種々の応用の任意のものを形成する。
【0013】
これらの集積は、例えば、機能化または活性化されたポリマーの細片または他のパターン化した部分を生ずる。例えば、金属のように機能するがポリマーから作られる細片を有する透明なポリマーのシートが提供される。使用される1つ以上の材料、組み合わせまたは処理のための比など、および非改変ポリマーに対する改変ポリマーから形成されるパターンまたは域を含む特殊な改変は、望まれる応用に応じて変化できる。
【0014】
本発明による特定の例示のデバイスは、改変および非改変のPDMS(ポリジメチルシロキサン)エラストマーを用いる。PDMSは、MEMSに広く使用される。しかし、PDMSは不伝導性であり、その結果、エラストマー例えばPDMSは、MEMSにおいて構造に大きいかつ主要な役割を演じ、保護層、カプセル材、弁隔膜、フルイディックチャンネル構造体などとして働く。
【0015】
多数の「活性」デバイスは、改変したエラストマーを使用して製造されており、有機蒸気センサー、液体センサー、FSR(force sensitive resistor)および超音波エミッターを含む。このようなデバイスは、固体充填材例えばカーボンブラック、MWNTまたは金属性粉末と混合されたエラストマーを使用して、得られる複合材料に所望の性質を与える。研究者は、またPDMS層中に金属フィルムを付着させてエラストマー触覚センサーを得ている。さらに最近では、PDMS中にその場で成長したMWNTを捉えて歪みゲージおよび電界放出型デバイスを得る。
【0016】
本発明の態様によれば、埋め込まれたエラストマーワイヤ、電極、ヒーター、センサーなどを備えそして全体をポリマーに基づくデバイスは、改変された(例えば、伝導性)PDMSおよび非改変(例えば、不伝導性)PDMSのモノリス集積化により実現できる。このような集積化を用いて、集積化ヒーターおよびセンサーおよび種々の他のデバイスを備えた、エラストマー歪みゲージ、容量性圧力センサー、マイクロフルイディックチャンネルが可能になり、ソフトデバイスにおいてMEMSを可能にする。本発明の態様による例示のデバイスの構築方法は、多層カーボンナノチューブ(MWNT)と混合することにより作られた伝導性PDMSの特徴を備えた一連のPDMSのパターン化、マイクロモールディングおよび結合の技術を用いる。
【0017】
本発明の例示の態様は、直接処理でき、複合エラストマーのユニークな特徴を利用できそして適合可能な堅牢な材料を要する応用を可能にできるデバイスを提供する。スピン注型および成型を組み合わすことにより、埋め込まれた伝導体およびセンサーを備えしかもエラストマーが全体を占める多数のデバイスを提供できる。
【0018】
例示のデバイスでは、伝導性PDMSは、絶縁性PDMS基板の構造体内に組み込まれて伝導性PDMSの機能性域を有するデバイスを実現する。例示の構築方法は、本発明の態様によるこのような組み込みに用いられる。図面に関連して、例示の方法は、最終のエラストマーアセンブリを離すことを助けるための基板12上のクロロトリメチルシロキサン(CTMS)の蒸気コーティングで始まる(図1A)。次に、フォトレジスト(PR)14は、スピンされパターン化されて、伝導性PDMSについてモールドを画成する(図1B)。
【0019】
PDMSを次に多層カーボンナノチューブ(MWNT)と混合して伝導性複合体を作る。MWNT対PDMSエラストマーの比は、デバイスの望ましい応用および性能に応じて選ばれる。定量性センサーまたは抵抗ヒーターのための簡単な伝導体を有する例示のデバイスでは、多量のMWNTが、複合体の伝導性を増加させるために添加できる。歪みまたは力の検出デバイスの場合、感度を上げるために少量のMWNTが望まれる。PDMSおよびMWNTの複合体の伝導性に関する詳細は、J.M.Engelら「Multi−Walled Carbon Nanotube Filled Conductive Elastomers:Materials and Application in Micro Transducers」IEEE International Conference on MEMS、2006に見いだされる。例示のデバイスでは、10重量%のMWNTがSylgard−184 PDMSと混合されて伝導性PDMSを形成する。
【0020】
一度MWNTおよびPDMSが混合されると、伝導性PDMS16がPRモールドへ適用されそしてパターン化されて(図1C)、1つ以上の伝導性PDMS構造体18を形成する。例示のパターン化方法は、K.Ryuら「A method for precision patterning of silicon elastomer and its applications」Journal of Microelectromechanical Systems」13巻、568−575ページ、2004に記載されている。適用後の過剰の伝導性PDMS16は、例えば刃を使用して取り除くことができる。パターン化エラストマーは、10分間90℃で硬化され、そしてPRモールド14を例えばアセトンで取り除く(図1D)。伝導性PDMS構造体18を、次にそれらの周りでスピン成形または注型成形の何れかの未改変PDMS20により捉える(図1E)。得られたアセンブリ24は、例えば基板から剥がして取り除く前に、平らなオーブン中で30分間90℃で硬化される。
【0021】
この例示の方法は、他の従来のエラストマーパターン化技術、例えばマイクロフルイディックチャンネルまたはニュウマチックチャンネルを画成するのに使用される技術と組み合わすことができる。多層は、また組み合わされて、コンプレックスデバイス例えば容量性圧力センサー(これに限定されない)を得る。
【0022】
例えば、図2は、PDMS触覚センサーシートを示す。センサーシートは、伝導性PDMSから製造されそして透明な不伝導性のPDMSの薄膜に埋め込まれた電極(黒色で示される)の配列を含む。個々の電極の数、特定のパターンなどが変化できることは理解されるだろう。デバイスは、例えばソフト容量性触覚センサーシートを提供する。
【0023】
図3は、伝導性および不伝導性のPDMSを含む他のデバイスを示す。不伝導性PDMSセンサー薄膜内に、マイクロフルイディックチャンネルが形成され、デバイスの長さ方向に沿って延在する。マイクロフルイディックチャンネルが埋め込まれた伝導性エラストマーデバイスを二分するように、埋め込まれた伝導性エラストマーデバイスの配列がマイクロフルイディックチャンネルと交差する。これらの伝導性エラストマーデバイスは、例えば、ヒーター、伝導体、センサー(例えば、流速センサー)などを含むことができる。
【0024】
デバイスの他の例は、エラストマー歪みゲージを含むが、これに限定されない。図4は、伝導性PDMSの埋め込まれた歪みゲージを備えた未改変の透明なPDMSのシートを示す。歪みゲージは、白色の点線によりその周辺が示され、未改変PDMSの長さ方向にほぼ沿って延在する。図5で示される歪みゲージの例示の操作では、適用された歪みが、未改変の透明なPDMS34内の伝導性PDMS32における伝導性粒子30間の平均の間隔を変え、それにより抵抗の読み取りを変える。従って、歪みは、抵抗における変化として変換される。一般に、引張り歪みは、抵抗の増大を生じ、一方圧縮歪みは平均の粒子の間隔を縮め抵抗を減らす。現存のセミコンダクターおよび金属歪みゲージとは対照的に、図4で示される全エラストマー歪みゲージは、繰り返して大きな歪み(例えば>1%)を測定できる。絶縁性エラストマー中に埋め込まれて、歪みゲージは、バルクPDMSと同じ歪みに耐えることができ、エラストマーに特有の大きな変型でも破壊されることがない。図6は、図4に示されたそれのようなエラストマー歪みゲージからAgilent 34401Aマルチメーターにより集められたサンプルデータを示し、手で引っ張られている間、大きな(〜25%)の歪みに耐える。
【0025】
図7に示される伝導性および不伝導性のPDMSを用いる他の例示のデバイスは、伝導性流れセンサーを埋め込まれた不伝導性PDMSシートを含む。従来では、ヒーターまたはセンサーをマイクロフルイディックチャンネルおよび反応室に近く設置するのに、剛い基板が必要とされている。耐久性が要求される実験室に設置または使用されることを必要とするような要求に応ずる全分析システムは、このやり方では容易に要求を満たすことができない。これらの制限を克服するために、図7に示されるデバイスは、マイクロフルイディックチャンネルに沿って伝導性エラストマーセンサーを埋め込み、液体、流れ、有機溶媒および局所熱の検出を可能にする。
【0026】
1つまたはいくつかの機能のできる図7で示されるデバイスでは、伝導性PDMSから形成される埋め込まれたセンサー配列(図7で黒色で示されている)は、不伝導性PDMSから形成されるマイクロフルイディックチャンネル(横線で示される)に沿って配置される。伝導性部分は、ヒーターおよびセンサーの両者として働く。
【0027】
例示の操作の原理は、一般に、図8で概略的に示される、加熱された流量計40のそれである。流量計40は、基板45内で不伝導性PDMSから形成されるフルイディックチャンネル44をほぼ囲む伝導性PDMS(コネクター43を備えた)から形成される複数のセンサー42を含む。センサー42が周囲温度より高く加熱されそして抵抗がモニターされるとき、出力における変化は、環境へ失われた熱の変化を知らせる。6Vの励振電圧そしてわずか1μWの入力電力により、出力電圧における大きな(例えば、〜10%)変化は、水のような流体46がチャンネル44中に導入されるとき、測定される(図9)。この変化は、流体46への熱の損失による。測定は、Agilent 34401Aマルチメーターを使用して行われる。この例示のセンサー40は、マイクロ全分析システムに通常使用される流体フロントまたは分析物プラグを検出するのに使用できる。
【0028】
多層を使用することにより、より複雑なデバイスも提供できる。例えば、図2に示される触覚センサーシートにおけるように、2層のエラストマーを埋め込まれた電極と組み合わせ、そしてそれらを互いに直交させることにより、容量性圧力センサー52のマトリックスを有する折り畳める容量性ポリマーデバイス50が製造でき、その例は図10−11に示される。平らなプレートコンデンサーの静電容量は電極の面積と比例し、そして電極のギャップとは逆比例する。従って、大きな面積および小さいギャップが望ましいが、PDMSのようなソフトな材料を使用することは、小さい電極のギャップを維持するのに大胆な試みとなる。折り畳みのできる容量性PDMSデバイスを作る従来のやり方は、より大きなギャップを必要とし、また多数の結合工程が必要となりその結果大きな面積を要した。
【0029】
例示の折り畳みのできる容量性ポリマーデバイス50は、4μmのPDMSで満たされた容量性ギャップ44を使用し、それはエアギャップ容量性デバイスに比べて一層硬くなる。しかし、満たされたギャップ54は、静止摩擦、粒子および機械的過負荷への堅牢さの増大並びにセンサーの基線静電容量の増加を生ずる。エアギャップコンデンサーは、図7に示されるマイクロフルイディックチャンネルを製造するのに使用されるものに類似した技術を使用して、製造できる。
【0030】
テストは、センサー52の配列の行および列の静電容量の問い合わせが他の対象物との接触の画像化を可能にすることを明らかにする。例えば、500gの負荷の下3mmの球状のインデンターにより負荷されそして静電容量がAgilent 4263B LCRメーターにより測定されるとき、配列52は、図12に示されるように、静電容量を変化する。さらに、図12において観察される負の値のアーティファクト(artifact)は、例えばマルチプレックス容量性配列を問い合わすようにデザインされたエレクトロニックスを使用することにより排除できる。これらの回路は、非問い合わせ行および列を接地にスイッチして寄生の並列静電容量を最低にする。
【0031】
従って、本発明の態様による例示の構築技術は、全エラストマーMEMSデバイス(ソフトMEMS)の実現化を可能にする。いくつかの例示の態様では、これは、改変された(例えば伝導性)エラストマーのマイクロパターン化を非改変(例えば絶縁性)エラストマーの従来のスピン注型および成形と組み合わせることにより達成される。伝導性エラストマーは、多層カーボンナノチューブとの混合(ただし、これに限定されない)を含む方法によって機能的になる。この方法で、本発明の例示の態様は、全エラストマー歪みゲージ、埋め込まれたエラストマーセンサーおよびヒーターを備えたマイクロフルイディックシステム、および堅牢な引張り可能な容量性エラストマー触覚センサーを含むがこれらに限定されない種々の新しいデバイスを提供できる。例示の構築方法の他の応用は、ソフトバイオメディカル応用例えば眼圧の測定、スマート人工器官およびロボットに関する大きな歪みの測定および耐久性開発のための適合可能な病原体検出システムを含む。
【0032】
本発明の種々の態様が示され記述されたが、他の改変、置換および交代が当業者に明らかであることを理解すべきである。このような改変、置換および交代は、請求の範囲により決定されるべき本発明の趣旨および範囲から離れることなく、行うことができる。
本発明の種々の特徴は、請求の範囲に示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のポリマー材料から形成された基板;
該基板に集積化し第2のポリマー材料からパターン化された少なくとも1つの活性域からなり、第2のポリマー材料が改変されて該少なくとも1つの活性域内で少なくとも1つの機能を行うことを特徴とするマイクロスケールのポリマーに基づく部材。
【請求項2】
第2のポリマー材料が、第1のポリマー材料および少なくとも1つの添加物を含む複合ポリマー材料からなる請求項1の部材。
【請求項3】
第1のポリマー材料が実質的に不伝導性であり、第2のポリマー材料が伝導性に改変されている請求項1の部材。
【請求項4】
該少なくとも1つの活性域が該基板内に埋め込まれた請求項3の部材。
【請求項5】
該少なくとも1つの活性域が、電極、埋め込まれた歪みゲージ、伝導性センサーおよびヒーターの少なくとも1つからなる請求項4の部材。
【請求項6】
該基板が不伝導性シートからなり、そして該少なくとも1つの活性域が少なくとも1つの埋め込まれた歪みゲージからなる請求項4の部材。
【請求項7】
該基板が、そのなかに形成されたマイクロフルイディックチャネルを含み、そして該少なくとも1つの活性域が少なくとも1つの伝導性流速センサーを含む請求項4の部材。
【請求項8】
該基板が、そのなかに形成されたマイクロフルイディックチャンネルを含み、そして該少なくとも1つの活性域が少なくとも1つの抵抗性ヒーターからなる請求項4の部材。
【請求項9】
該基板が複数の不伝導性層を含み、そして該少なくとも1つの活性域が複数の活性域からなり、該複数の不伝導性層のそれぞれが複数の活性域を含む請求項4の部材。
【請求項10】
該基板が複数の不伝導性層を含み、該少なくとも1つの活性域が複数の埋め込まれた電極からなり、該複数の不伝導性層のそれぞれが複数の埋め込まれた電極を含み、埋め込まれた電極が、隣接する不伝導性層に関して直角に配置されて容量性の配列を形成する請求項4の部材。
【請求項11】
複数の活性域のそれぞれが該基板の一部により互いに分離されるように、該少なくとも1つの活性域が該基板内に埋め込まれた複数の活性域からなる請求項4の部材。
【請求項12】
該少なくとも1つの活性域へ電気的に結合された少なくとも1つの電気的接点をさらに含む請求項3の部材。
【請求項13】
第1のポリマー材料がエラストマーからなり、そして第2のポリマー材料が伝導性になるように改変されたエラストマーからなる請求項2の部材。
【請求項14】
第1のポリマー材料がポリジメチルシロキサン(PDMS)からなり、そして第2のポリマー材料が伝導性になるように改変されたPDMSからなる請求項2の部材。
【請求項15】
第2のポリマー材料が、多層カーボンナノチューブ(MWNT)と組み合わされたPDMSからなる請求項14の部材。
【請求項16】
基板上にフォトレジストをパターン化してフォトレジストモールドを形成し;
改変されたポリマーをフォトレジストモールドへ適用して少なくとも1つの改変されたポリマー構造体を形成し;
該パターン化フォトレジストを取り除き;
非改変ポリマーを少なくとも1つの改変されたポリマー構造体の周りに形成して非改変ポリマー構造体を形成し、そして少なくとも1つの改変されたポリマー構造体を非改変ポリマー構造体内に捉え;そして
少なくとも1つの改変されたポリマー構造体および非改変ポリマー構造体を基板から離すことを特徴とするマイクロスケールのポリマーに基づくデバイスを形成する方法。
【請求項17】
改変されたポリマーが非改変ポリマーおよび添加物からなって、改変ポリマーを伝導性にする請求項16の方法。
【請求項18】
非改変ポリマーがポリジメチルシロキサン(PDMS)からなり、そして改変されたポリマーが多層カーボンナノチューブ(MWNT)と組み合わされたPDMSからなる請求項17の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの改変されたポリマー構造体が、電極、流れセンサー、ヒーター、歪みゲージ、コンデンサープレート、化学センサー、バイオセンサーおよび多孔質の域の少なくとも1つを含む請求項16の方法。
【請求項20】
改変されたポリマーに基づく手段;
該改変されたポリマーに基づく手段と集積化した非改変ポリマーに基づく手段からなり、該改変されたポリマーに基づく手段が、該非改変ポリマーに基づく手段中またはその上にパターン化されて1つ以上の活性域を形成することを特徴とする集積化したポリマーに基づく構造体。
【請求項1】
第1のポリマー材料から形成された基板;
該基板に集積化し第2のポリマー材料からパターン化された少なくとも1つの活性域からなり、第2のポリマー材料が改変されて該少なくとも1つの活性域内で少なくとも1つの機能を行うことを特徴とするマイクロスケールのポリマーに基づく部材。
【請求項2】
第2のポリマー材料が、第1のポリマー材料および少なくとも1つの添加物を含む複合ポリマー材料からなる請求項1の部材。
【請求項3】
第1のポリマー材料が実質的に不伝導性であり、第2のポリマー材料が伝導性に改変されている請求項1の部材。
【請求項4】
該少なくとも1つの活性域が該基板内に埋め込まれた請求項3の部材。
【請求項5】
該少なくとも1つの活性域が、電極、埋め込まれた歪みゲージ、伝導性センサーおよびヒーターの少なくとも1つからなる請求項4の部材。
【請求項6】
該基板が不伝導性シートからなり、そして該少なくとも1つの活性域が少なくとも1つの埋め込まれた歪みゲージからなる請求項4の部材。
【請求項7】
該基板が、そのなかに形成されたマイクロフルイディックチャネルを含み、そして該少なくとも1つの活性域が少なくとも1つの伝導性流速センサーを含む請求項4の部材。
【請求項8】
該基板が、そのなかに形成されたマイクロフルイディックチャンネルを含み、そして該少なくとも1つの活性域が少なくとも1つの抵抗性ヒーターからなる請求項4の部材。
【請求項9】
該基板が複数の不伝導性層を含み、そして該少なくとも1つの活性域が複数の活性域からなり、該複数の不伝導性層のそれぞれが複数の活性域を含む請求項4の部材。
【請求項10】
該基板が複数の不伝導性層を含み、該少なくとも1つの活性域が複数の埋め込まれた電極からなり、該複数の不伝導性層のそれぞれが複数の埋め込まれた電極を含み、埋め込まれた電極が、隣接する不伝導性層に関して直角に配置されて容量性の配列を形成する請求項4の部材。
【請求項11】
複数の活性域のそれぞれが該基板の一部により互いに分離されるように、該少なくとも1つの活性域が該基板内に埋め込まれた複数の活性域からなる請求項4の部材。
【請求項12】
該少なくとも1つの活性域へ電気的に結合された少なくとも1つの電気的接点をさらに含む請求項3の部材。
【請求項13】
第1のポリマー材料がエラストマーからなり、そして第2のポリマー材料が伝導性になるように改変されたエラストマーからなる請求項2の部材。
【請求項14】
第1のポリマー材料がポリジメチルシロキサン(PDMS)からなり、そして第2のポリマー材料が伝導性になるように改変されたPDMSからなる請求項2の部材。
【請求項15】
第2のポリマー材料が、多層カーボンナノチューブ(MWNT)と組み合わされたPDMSからなる請求項14の部材。
【請求項16】
基板上にフォトレジストをパターン化してフォトレジストモールドを形成し;
改変されたポリマーをフォトレジストモールドへ適用して少なくとも1つの改変されたポリマー構造体を形成し;
該パターン化フォトレジストを取り除き;
非改変ポリマーを少なくとも1つの改変されたポリマー構造体の周りに形成して非改変ポリマー構造体を形成し、そして少なくとも1つの改変されたポリマー構造体を非改変ポリマー構造体内に捉え;そして
少なくとも1つの改変されたポリマー構造体および非改変ポリマー構造体を基板から離すことを特徴とするマイクロスケールのポリマーに基づくデバイスを形成する方法。
【請求項17】
改変されたポリマーが非改変ポリマーおよび添加物からなって、改変ポリマーを伝導性にする請求項16の方法。
【請求項18】
非改変ポリマーがポリジメチルシロキサン(PDMS)からなり、そして改変されたポリマーが多層カーボンナノチューブ(MWNT)と組み合わされたPDMSからなる請求項17の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの改変されたポリマー構造体が、電極、流れセンサー、ヒーター、歪みゲージ、コンデンサープレート、化学センサー、バイオセンサーおよび多孔質の域の少なくとも1つを含む請求項16の方法。
【請求項20】
改変されたポリマーに基づく手段;
該改変されたポリマーに基づく手段と集積化した非改変ポリマーに基づく手段からなり、該改変されたポリマーに基づく手段が、該非改変ポリマーに基づく手段中またはその上にパターン化されて1つ以上の活性域を形成することを特徴とする集積化したポリマーに基づく構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2009−539625(P2009−539625A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513303(P2009−513303)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/012987
【国際公開番号】WO2008/030284
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(503060525)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ イリノイ (25)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/012987
【国際公開番号】WO2008/030284
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(503060525)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ イリノイ (25)
【Fターム(参考)】
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